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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048155
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】炭素コーティング粒子
(51)【国際特許分類】
   C09C 3/08 20060101AFI20220317BHJP
   C01B 33/18 20060101ALI20220317BHJP
   C01B 32/05 20170101ALI20220317BHJP
   C23C 16/26 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
C09C3/08
C01B33/18 B
C01B33/18 C
C01B32/05
C23C16/26
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021215074
(22)【出願日】2021-12-28
(62)【分割の表示】P 2020080547の分割
【原出願日】2016-04-27
(31)【優先権主張番号】62/304,694
(32)【優先日】2016-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/155,142
(32)【優先日】2015-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391010758
【氏名又は名称】キャボット コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CABOT CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100210697
【弁理士】
【氏名又は名称】日浅 里美
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド エム.マシュー
(72)【発明者】
【氏名】テイス クラーク
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド スコット クロッカー
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック エイチ.ルンプ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド シー.レイノルズ
(72)【発明者】
【氏名】ダーバル ドシ
(72)【発明者】
【氏名】マーティン シー.グリーン
(57)【要約】
【課題】従来技術における課題に対処するために、本発明は、概して新規な炭素含有材料、典型的には粒状材料、係る材料の製造方法及びその使用方法を提供する。
【解決手段】インサイチューで製造されたコア粒子、又は予め形成されたコア粒子として導入されたコア粒子は、炭素の層によりコーティングされる。非炭素及び幾らか炭素系のコア材料を用いることができる。得られる炭素コーティング粒子には、ゴム製品、例えばタイヤ構成要素の強化材としての用途を見出すことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CB反応器又はその仕上げ区画内で炭素層によりコア粒子をコーティングして、炭素コーティング粒子を形成することを含み、コア粒子が非炭素コア粒子、プラズマCBコア粒子又は予め形成されたコア粒子である、炭素コーティング粒子の製造方法。
【請求項2】
炭素層が、炭素生成性液体又はガス状供給原料から調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
非炭素コア粒子又はプラズマCBコア粒子がインサイチューで生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
予め形成されたコア粒子をCB反応器に導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
予め形成されたコア粒子が、CBコア粒子、再生熱分解炭素粒子、非炭素コア粒子、又はこれらの任意の組み合わせである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
炭素コーティング粒子が、約30~約250m2/gの範囲内のSTSA;及び約55~約110cc/100gの範囲内のCOANを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
炭素コーティング粒子が、約30~約250m2/gの範囲内のSTSA;及び約55~約150cc/100gの範囲内のCOANを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
炭素コーティング粒子が、約30~約250m2/gの範囲内のSTSA;及び約55~約400cc/100gの範囲内のOANを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法により調製された炭素コーティング粒子を含むゴム組成物又はゴム物品。
【請求項10】
炭素コーティング粒子の表面を修飾することさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
プラズマCBコア粒子又は非炭素コア粒子であるコア粒子をインサイチューで生成すること;及び
コア粒子をCBプロセスにおいて炭素層によりコーティングして、炭素コーティング粒子を形成すること
を含む、炭素コーティング粒子の調製方法。
【請求項12】
炭素層が、液体又はガス状炭素生成性供給原料から形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
プラズマCBコア粒子が、プラズマプロセスにおいて形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
非炭素コア粒子が、CB反応器の反応ゾーン内で生成される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
非炭素コア粒子がシリカコア粒子である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
非炭素コア粒子が、コア前駆体から製造される、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
コア前駆体が、炭素生成性供給原料注入点に対して上流、注入点、又は下流で導入される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
コア前駆体が、炭素生成性供給原料と共に共注入される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
コア前駆体が、クエンチ流体の注入の前に導入される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
反応器から炭素コーティング粒子を捕集することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
炭素層が、約0.5nm~約20nm厚さの範囲内である、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
コア粒子が、一次粒子のアグリゲートである、請求項11に記載の方法。
【請求項23】
コーティング粒子が、約20nm~約500nmの範囲内の粒子サイズを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項24】
炭素層が、部分的に又は完全にコア粒子を被覆する、請求項11に記載の方法。
【請求項25】
炭素コーティング粒子が、約30~約250m2/gの範囲内のSTSA;及び約55~約110cc/100gの範囲内のCOANを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項26】
炭素コーティング粒子が、約30~約250m2/gの範囲内のSTSA;及び約55~約150cc/100gの範囲内のCOANを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項27】
炭素コーティング粒子が、約30~約250m2/gの範囲内のSTSA;及び約55~約400cc/100gの範囲内のOANを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項28】
請求項11に記載の方法により調製された炭素コーティング粒子を含む、ゴム組成物又はゴム物品。
【請求項29】
炭素コーティング粒子の表面を修飾することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項30】
予め形成されたコア粒子をCB反応器に導入すること;及び
CB反応器での液体又はガス状供給原料の熱分解により得られる炭素層によりコア粒子をコーティングすること、それにより炭素コーティング粒子を形成すること
を含む、炭素コーティング粒子の製造方法。
【請求項31】
予め形成されたコア粒子をCB反応器に導入する前に、予め形成されたコア粒子を解凝集することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
予め形成されたコア粒子が、ガス状又は蒸気反応器ストリームと共に導入され、液体供給原料、分離ガス状ストリーム、又は分離水性ストリーム中に分散される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
反応器から炭素コーティング粒子を捕集することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
予め形成されたコア粒子が、予め形成された非炭素コア粒子、予め形成されたCB粒子、又は再生熱分解炭素粒子である、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
予め形成されたコア粒子が、クレイ、もみ殻シリカ、沈降シリカ、又は炭酸カルシウムのナノ粒子である、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
炭素コーティング粒子が、アグリゲート、又は同じか異なるアグリゲートのアグロメレートであるコアを含有する、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
コアが、約50nm~約10ミクロンの範囲内のサイズを有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
炭素層が、約0.5nm~約20nmの範囲内の厚さを有する、請求項30に記載の方法。
【請求項39】
炭素層が、部分的に又は完全にコアを被覆する、請求項30に記載の方法。
【請求項40】
炭素コーティング粒子が、約30~約250m2/gの範囲内のSTSA;及び約55~約110cc/100gの範囲内のCOANを有する、請求項30に記載の方法。
【請求項41】
炭素コーティング粒子が、約30~約250m2/gの範囲内のSTSA;及び約55~約150cc/100gの範囲内のCOANを有する、請求項30に記載の方法。
【請求項42】
炭素コーティング粒子が、約30~約250m2/gの範囲内のSTSA;及び約55~約400cc/100gの範囲内のOANを有する、請求項30に記載の方法。
【請求項43】
炭素コーティング粒子の表面を修飾することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項44】
請求項30に記載の方法により調製された炭素コーティング粒子を含む、ゴム組成物又はゴム物品。
【請求項45】
予め形成されたコア粒子をプラズマCB反応器に導入すること;及び
コア粒子をガス状FSから生成された炭素層によりコーティングすること
を含む、炭素コーティング粒子の調製方法。
【請求項46】
CB反応器内でCBコア粒子をインサイチューで調製すること;及び
CBコア粒子をCB反応器内でのガス状供給原料の熱分解により得られる炭素層によりコーティングすること、それにより炭素コーティング粒子を形成すること
を含む、炭素コーティング粒子の調製方法。
【請求項47】
プラズマプロセスにおいてCBコア粒子を調製すること;及び
CBコア粒子を炭素層によりコーティングして、炭素コーティング粒子を形成すること
を含む、炭素コーティング粒子の製造方法。
【請求項48】
CBコア粒子が、
反応器のプラズマゾーン内でプラズマを発生させること;及び
コア生成性FSをCBコア粒子と水素ガスに転化すること
を含む方法により調製される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
炭素層によりコーティングされた非炭素コア、再生熱分解炭素コア、又はプラズマCBコアを含む、炭素コーティング粒子。
【請求項50】
非炭素コアが、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、表面修飾シリカ及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される材料から形成される、請求項49に記載の炭素コーティング粒子。
【請求項51】
コアが、クレイ、もみ殻シリカ、炭酸カルシウム、及びこれらの任意の組み合わせのナノ粒子から形成される、請求項49に記載の炭素コーティング粒子。
【請求項52】
炭素層が、約0.5nm~約20nm厚さである、請求項49に記載の炭素コーティング粒子。
【請求項53】
炭素層がアモルファス炭素である、請求項49に記載の炭素コーティング粒子。
【請求項54】
コアが、房状微細構造を有する、請求項49に記載の炭素コーティング粒子。
【請求項55】
約30~約250m2/gの範囲内のSTSA;及び約55~約110cc/100gの範囲内のCOANを有する、請求項49に記載の炭素コーティング粒子。
【請求項56】
約30~約250m2/gの範囲内のSTSA;及び約55~約150cc/100gの範囲内のCOANを有する、請求項49に記載の炭素コーティング粒子。
【請求項57】
炭素コーティング粒子が、約30~約250m2/gの範囲内のSTSA;及び約55~約400cc/100gの範囲内のOANを有する、請求項49に記載の方法。
【請求項58】
請求項49に記載の粒子を含むゴム組成物又はゴム物品。
【請求項59】
コーティング粒子の表面が修飾されている、請求項49に記載の炭素コーティング粒子。
【請求項60】
プラズマゾーン;
プラズマゾーンの下流の反応ゾーン;
反応ゾーンの下流の仕上げゾーン;
プラズマガスをプラズマゾーンに導入する管路;
第一の供給原料を反応器に導入する1つ又はそれより多くの入口;
第二の供給原料を反応器に導入する1つ又はそれより多くの入口;
プラズマゾーンと反応ゾーンとの間の収束ゾーン;及び
任意選択的に、反応ゾーンと仕上げゾーンとの間の収束ゾーン
を含む、炭素コーティング粒子の調製装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本件は、全体が参照により本開示に組み入れられる、2015年4月30日に出願された米国仮出願第62/155142号(表題:カーボンコーティング粒子並びにその製造及び使用方法)、及び2016年3月7日に出願された米国仮出願第62/304694号(表題:炭素コーティングプラズマカーボンブラック)に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
小さい、典型的にはサブミクロンサイズの粒子は、タイヤ、ホース、ベルト、ガスケット、ブッシング等の種々のゴム製品に用いられる合成及び天然ゴム化合物中に配合される。種々の粒子がゴムコンパウンドに関して用いられ、又は提案されているが、最も一般的なものはカーボンブラック(CB)である。これらの粒子は、コンパウンドの材料特性を実質的に設計し、適用性能に関して改善することを可能にする。例えば、それはゴムの剛性、硬度、弾性率、及び破壊特性の制御を可能にする。強化CBを混合したゴムは、耐摩耗性の大きな改善を有することができ、タイヤトレッド及び他の要求の厳しいサービス用途に有用なゴムを与えることができる。
【0003】
強化粒子を含む配合ゴムの副次的な効果は、ゴムが、高弾性から粘弾性に変化し、ゴムが機械的に循環する際に、充填ゴムがエネルギーを散逸させることである。この粘弾性挙動の重要な実際の影響は、タイヤが、回転時に屈曲するため、機械的エネルギーを散逸させ、乗り物の燃費の低減をもたらすことである。沈降シリカ(PS)は、自動車のタイヤトレッド用の合成ゴムと組み合わせて一般的に用いられ;PSは、類似のCB系ゴムコンパウンドと比べて、ゴムコンパウンドに幾分低下した摩耗を提供するが、エネルギー損失の魅力的な改善、ひいてはタイヤ転がり抵抗及び乗り物の燃費の改善を提供する。
【0004】
概して、CBは、順次CB一次粒子で形成されたアグリゲートの形態で存在する。ほとんどの場合において、一次粒子はCBアグリゲートから独立には存在しない。一次粒子は、約10ナノメートル(nm)~約50nm、例えば約10nm~約15nm;約10nm~約20nm;約10nm~約25nm;約10nm~約30nm;又は約10nm~約40nmの範囲内の平均一次粒子直径を有することができ、アグリゲートは、かなり大きい可能性がある。CBアグリゲートは、フラクタル形状を有し、当分野でCB「粒子」と呼ばれることが多い(上記の「一次粒子」と混同すべきでない)。
【0005】
多種のCBは、粒状CBを含有する焼成生成物を製造する高温燃焼ガスにより炭化水素供給原料(FS)を熱分解することにより、ファーネス型反応器内で製造される。与えらえるCBの特性は、典型的には製造条件に依存し、例えば温度、圧力、FS、滞留時間、クエンチ温度、スループット、及び他のパラメータの変更により変化させることができる。
【0006】
CBを製造する装置及び方法は、当分野で知られている。例は、全体において参照により本開示に組み入れられる、Morganらによる米国再発行特許第28974号、米国再発行特許第3619140号に与えられる。プロセスは、小型の燃焼ゾーン内で非常高い放熱の条件下で、酸素により天然ガス等の燃料ガスを燃焼させることにより、本質的にプラグフローの非常に高速で移動する高温燃焼ガスストリームを生成することを含む。液体炭化水素(予熱されたカーボンブラック生成油又はFS)の個々のストリームは、液体炭化水素が約100フィート毎秒超の線速度にて高速燃焼ストリームに入る条件下で、高速燃焼ストリームに横方向に注入される。
【0007】
燃焼ゾーン内の燃料は、過剰な酸素により完全に燃焼する。CB核は、CB FSが注入された際に製造され、次いでこれらの核は合体し、生成物CBアグリゲートへ成長する。
【0008】
CB反応器において、CB FS及びケイ素前駆体材料からケイ素処理CBをインサイチューで調製する方法は、Mahmudらの米国特許第5904762号;及びMahmudらの米国特許第5830930号に開示される。さらに、米国特許第5830930号は、ケイ素処理CBを組み入れたエラストマーコンパウンドを開示する。Mahmudらの米国特許第6057387号は、炭素相と、ある粒子表面積及びサイズ分布特性を有するケイ素含有種相とを含むアグリゲート粒子を開示する。係るケイ素処理CBにおいて、ケイ素の酸化物又は炭化物等のケイ素含有種は、CBの固有の部分としてCBアグリゲートの少なくとも一部に亘って分布する。係るCBアグリゲートは、CB反応器でのCBアグリゲートの形成中に、CBアグリゲートの表面の少なくとも一部にシリカ等のケイ素含有種を堆積させることにより修飾することができる。結果は、ケイ素コーティングCBとして記載することができる。ケイ素処理CBにおいて、アグリゲートは2つの相を含有する。1つの相は、黒鉛性結晶子及び/又はアモルファス炭素として存在する炭素であり、一方で2つ目は、不連続相はシリカ(及び場合によっては他のケイ素含有種)である。ケイ素含有相は、CBアグリゲートの0.1~25質量%の量で存在することができる。したがって、ケイ素処理CBのケイ素含有種相は、アグリゲートの固有の部分であり;それは、アグリゲートの少なくとも一部、又はアグリゲートの表面に亘って分布する。Wangらの米国特許第6017980号は、炭素相のアグリゲートと、0.1~25質量%の金属含有種相(例えばAl又はZn)とを含むエラストマー複合体、並びにCB反応器内でのインサイチューでの係るアグリゲートの形成を開示する。選択肢として、ケイ素含有相は、CB相において金属含有種相と共に組み入れられることができる。
【0009】
Krejciの米国特許第2632713号は、0.01~10質量%のケイ素、ホウ素又はゲルマニウム種を含むインサイチュー処理CB材料を開示する。添加材料は、FSと共に、又は別個にCB反応器に導入され、CB粒子に表面コーティングを施すように、反応器においてさらに下流に加えられることができる。シリカの表面ドメインを含むCB材料は、Linsterらの米国特許第7351763号、及びLabauzeの米国特許第6071995号に開示される。
【0010】
Freundらによる米国特許第6099818号は、CB核が、燃焼チャンバ内での酸素含有ガス中における燃料油の部分的な燃焼により形成される方法を記載する。CB核は、高温燃焼ガスのストリームにより反応ゾーンへ運ばれて、合体し、アグリゲートへ成長するCB粒子を形成するCB原料との接触を直ちにもたらす。Voglerらによる米国特許第6056933号によれば、反転CBは、燃焼チャンバ内での燃焼を制御してCB核を形成し、CB原料との接触が直ちにもたらされることにより、従来のCB反応器内で製造される。Voglerらの米国特許第6391274号は、燃焼ゾーン内で形成されたCBシード(又は核)が、燃焼ガスの流れと共に、反応ゾーンに運ばれる(そこではそれは、加えられたCB原料によりシード誘導CB形成を開始する)方法を記載する。シラン又はシリコーンオイル等のケイ素含有化合物は、CB原料と混合され、0.01~20質量%のケイ素を含有するCBを製造する。
【0011】
CBを調製するプラズマ系方法も開発されている。Kvaernerプロセス又はKvaernerCB及び水素プロセス(CB&H)は、例えばメタン、天然ガス及びバイオガス等の炭化水素からCB及び水素ガスを製造する方法である。1996年6月18日に発行され、全体において参照により本開示に組み入れられるLynumらの米国特許第5527518号によれば、カーボンブラック材料の製造方法は、供給チューブを通してプラズマトーチ、反応領域に供給原料を輸送して、供給原料の温度を約1600℃に上げる第一の段階、次いで脱水素化炭素材料を第二の段階に通過させてカーボンブラック及び水素への分解を完了させることを含む。追加の原料は、クエンチ、及び形成されたカーボンブラックとの反応を生じさせて、製造される粒子サイズ密度及び量を増加させる。
【0012】
2008年11月27日に公開され、全体において参照により本開示に組み入れられるBoutotらの米国特許出願公開第2008/0289494号は、コールドアーク放電(CAD)を用いて天然ガス又はメタンをガス状成分(水素及びアセチレン)及び炭素粒子に分解する方法及び装置を記載する。
【0013】
全体において参照により本開示に組み入れられる、2008年11月18日に発行されたFabryらの米国特許第7452514号、及び2009年6月4日に公開されたFabryらの米国特許出願公開第2009/0142250号によれば、CB又は炭素含有化合物は、以下の工程を含む方法を用いて炭素含有FSを被覆することにより形成される:電気的エネルギーによりプラズマガスを発生させること、直径がプラズマガス流の方向において狭くなるベンチュリを通してプラズマガスを導くこと、プラズマガスを反応領域に導くこと(空気力学力及び電磁気力により発生した支配的な流れ条件下で、反応領域におけるプラズマガスへのFSの十分な再循環はない)、反応領域から反応生成物を回収すること、及び他の反応生成物からCB又は炭素含有化合物を分離すること。
【0014】
全体において参照により本開示に組み入れられる、Surovikinらによる1978年7月18日に発行された米国特許第4101639号において記載される方法において、炭化水素FSは、水蒸気で飽和したプラズマストリームへと反応チャンバ内に導入される。
【0015】
2015年7月30日に公開され、全体において参照により本開示に組み入れられるJohnsonらの米国特許出願公開第2015/0210856号は、プラズマガスを、少なくとも1つの電極を含む少なくとも1つの磁気的に孤立したプラズマトーチを有するプラズマ形成領域に流す方法及び装置を記載する。プラズマを冷却ヘッダーに捕集し、CB形成性FSを受け入れるCB形成領域に流す。プラズマ及びCB形成領域を接続するガススロートアセンブリは、2015年7月30日に公開され、全体において参照により本開示に組み入れられる米国特許出願公開第2015/0210858号においてHoermannらにより記載される。
【0016】
2015年7月30日に公開され、全体において参照により本開示に組み入れられる、Johnsonらの米国特許出願公開第2015/0210857号は、個々の容量を有する一連の単位操作を有する装置におけるプラズマによるFS(典型的にはメタン)の燃焼を記載する。単位操作の個々の容量は、FSの少なくとも一部をメタンより大きい分子量を有するFSと置き換えることにより実質的に平衡が保たれる。
【0017】
十分な量のCB材料を用いてタイヤのゴム構成要素を強化するため、用いられるタイヤ及び他のCB強化ゴム生成物は、重大な廃棄物ストリームを表す。係る廃棄の処理のために、用いられるタイヤを熱分解することができ、炭素系構成要素を回収し、再利用する試みが行われている。
【0018】
概して、熱分解は、酸素を含まない雰囲気の反応器内で実施される。プロセス中、ゴムは軟化し、次いでゴムポリマーは(後に液体油相に凝縮することができる)蒸気、及びガスとして反応器から排出されるより小さい分子へ分解する。さらに形成されるのは、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、及び/又は他の化合物をさらに含むことができる炭素含有固体残留物である。例えば、Moritaらによる米国特許第4251500号、Platzによる米国特許第5264640号、及びFauknerらによる米国特許第6221329号を参照されたい。
【0019】
装置及び技術の発展に伴い、現在のタイヤ熱分解装置の主生成物はオイル、(スチールワイヤとして再生される)スチール、及びカーボンチャー成分(「熱分解炭素」)である。熱分解炭素の特性は、例えば全体において参照により本開示に組み入れられるC.J.NorrisらによるManey Online、Vol.43(8)、2014、第245~256頁において議論される。廃棄物タイヤを熱分解することにより得られる炭素の可能な応用は、例えばC.Royらによる論文「The vacuum pyrolysis of used tires‐End‐uses for oil and carbon black products」、Journal of Analytical and Applied Pyrolysis、 Vol.51、第201~221頁(1999)において記載される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
有益なタイヤ性能属性をもたらすことができる強化粒子又は強化剤の開発に対する継続的な興味がある。コストの低下、環境への製造上の負担の低減、及び入手可能な強化剤の範囲を広げることも望まれる目標である。
【0021】
ゴム化合物の具体的な特性は、当分野で知られているように、用いられる強化粒子のサイズ、モルフォロジー及び他の物理特性によって最適化されることができるだけでなく、バルクの化学組成及び粒子の表面によっても最適化されることができる。例えば、CBの高い強化性は、ゴム分子とCB表面との相互作用の詳細に少なくとも部分的に帰する場合がある。
【0022】
新しいゴムコンパウンドに配合することにより再生された熱分解炭素を利用することが有益である場合がある一方、再生熱分解炭素は、概して未使用のCBと比べて大きく劣化した強化、及び他のゴム特性を与える。他の欠陥の中で、再生熱分解炭素による重要な問題は、粒子表面が、未使用のCBと比べてゴム分子との相互作用に関して大きく変化し、劣化したことであると考えられる。
【0023】
幾つかの場合において、未使用のCB粒子は、劣ったゴム強化特性も示す可能性がある。例えば、CB粒子のCB製造プロセス又は後製造処理は、CB粒子表面から化学基を除去し、又は熱的にアニールし、又はCB粒子表面を黒鉛化して結晶領域を作り出すことができ、又はCB粒子表面の活性を劣化させ、劣ったゴム強化特性を作り出すことができる。
【課題を解決するための手段】
【0024】
これら及び他の課題に対処するために、本発明は、概して炭素含有材料、典型的には粒状材料、係る材料の製造方法及びその使用方法に関する。
【0025】
本開示に開示される粒子は、概してコアと、「コーティング」、「層」、「堆積物」、又は「シェル」とも本開示で呼ばれる炭素系外部領域とを含み、本発明の1つの側面は、炭素層によりコーティングされたコア(材料)を含む炭素コーティング粒子を特徴とする。幾つかの実施において、コアは、炭素コーティングにより全体的に又は部分的に被覆されたアグリゲート又はアグロメレートである。炭素コーティング(carbon coating)又は炭素コーティング(carbon‐coated)粒子は、典型的なカーボンブラック材料のモルフォロジー及び特性を有する房状材料であることができる。炭素コーティング粒子の例示的な例は、炭素層によりコーティングされた非炭素コア、再生熱分解炭素、又はプラズマ炭素コアを含む。
【0026】
本発明の他の側面は、炭素コーティング粒子の製造方法に関する。方法において、コア粒子は、CB反応器、又はその区画であることが多い反応器内で炭素層によりコーティングされる。例えば、プラズマ反応器、又は別の種類の反応器、メタン、天然ガスなどを用いるもの等の他の適した反応器を、例えばコーティング操作を実施するのに用いることもできる。概して、炭素層は、液体又はガス状炭素生成性FSから調製される。
【0027】
幾つかの実施態様において、コア粒子は反応器に導入され、炭素層によりコーティングされて炭素コーティング粒子を形成する、既に製造された、又は「予め形成された」コア粒子である。他の実施態様において、コア粒子はインサイチューで製造され、1つの実施において、コア粒子は共通の反応器内で実施された段階的な集合プロセスにおいて生成され、コーティングされる。
【0028】
コア粒子は、炭素からなるか、本質的にこれからなるか、又はこれを含むことができる。適した予め形成された炭素コア粒子の例はとしては、再生熱分解炭素粒子、プラズマCB粒子、予め形成されたCB粒子、特に劣った強化、又は他の劣った表面特性などを有するCB粒子が挙げられる。
【0029】
炭素系コア粒子をインサイチューで生成することもできる。例えば、コアCB粒子を、プラズマプロセスを介して、又は天然ガス又はメタン等のFSが、例えば転化(分解)されて炭素及び水素を生成し、次いで炭素層によりコーティングされて炭素コーティング粒子を形成する別の方法により調製することができる。用いることができる例示的な装置は、プラズマゾーン;プラズマゾーンの下流の反応ゾーン;反応ゾーンの下流の仕上げゾーン;プラズマゾーンにプラズマガスを導入する管路;第一のFSを反応器に導入する1つ又はそれより多くの入口;第二のFSを反応器に導入する1つ又はそれより多くの入口;プラズマゾーンと反応ゾーンとの間の収束ゾーン;及び任意選択的に反応ゾーンと仕上げゾーンとの間の収束ゾーンを含む。
【0030】
非炭素コア粒子を用いることもできる。例としては、以下に制限されないが、シリカ、もみ殻シリカ、沈降シリカ、クレイ、炭酸カルシウム、他の予め形成された非炭素粒子、及びこれらの混合物が挙げられる。1つの例において、予め形成された非炭素コア粒子は、例えばCB反応器等の反応器に導入され、コーティングされて炭素コーティング粒子を製造する。別の例において、非炭素(例えばシリカ)コア粒子は、(CB反応器、例えば適したコア前駆体を用いて)インサイチューで生成され、反応器内で炭素層によりコーティングされて炭素コーティング粒子を形成する。
【0031】
幾つかの例示的な実施が以下に与えられる。
【0032】
1つの実施態様において、炭素コーティング粒子の製造方法は、プラズマCBコア粒子、又は非炭素コア粒子であるコア粒子をインサイチューで生成すること;及びCBプロセスにおいて炭素層によりコア粒子をコーティングして炭素コーティング粒子を形成することを含む。
【0033】
別の実施態様において、炭素コーティング粒子の製造方法は、予め形成されたコア粒子をCB反応器に導入すること;及びCB反応器での液体又はガス状供給原料の熱分解により得られる炭素層によりコア粒子をコーティングすること、それにより炭素コーティング粒子を形成することを含む。
【0034】
さらに別の実施態様において、炭素コーティング粒子の調製方法は、CB反応器内でCBコア粒子をインサイチューで調製すること;及びCBコア粒子をCB反応器内でのガス状供給原料の熱分解により得られる炭素層によりコーティングすること、それにより炭素コーティング粒子を形成することを含む。
【0035】
さらなる実施態様において、炭素コーティング粒子の製造方法は、プラズマプロセスにおいてCBコア粒子を調製すること;及びCBコア粒子を炭素層によりコーティングして炭素コーティング粒子を形成することを含む。幾つかの場合において、CBコア粒子は、反応器のプラズマゾーン内でプラズマを発生させること;及び反応器のプラズマゾーンの下流に導入されたコア生成性FSをCBコア粒子と水素ガスに転化することを含む方法により調製される。
【0036】
さらに別の実施態様において、炭素コーティング粒子の調製方法は、予め形成されたコア粒子をCB反応器又はプラズマCB反応器に導入すること;及びコア粒子をガス状FSから生成された炭素層によりコーティングすることを含む。
【0037】
さらなる実施態様において、炭素コーティング粒子の製造方法は、CB反応器又はその仕上げ区画内で、炭素層により、コア粒子、たとえば非炭素コア粒子、プラズマCBコア粒子、予め形成された粒子、たとえば再生熱分解炭素(「熱分解炭素」とも本開示で簡単に呼ばれる)粒子、劣化CB粒子(すなわちそのモルフォロジーから期待される強化特性と比べて劣ったゴム強化特性を有するCBの粒子)、又はCB粒子の他の種類等をコーティングすることを含む。
【0038】
本発明は、多くの利点を示す。多くの実施において、炭素系外部領域は、単独又はコア材料との関連で、特性、例えばバルク又は表面特性、及び/又は化学、電気特性、アグリゲート及び/又は一次サイズ分布、所望のグレードのCBと比べて同じ、類似の、又は改善したものであることができる性能に関連した特徴等を与える。
【0039】
粒子の特性は、特定の最終用途に関して調整されることができ、幾つかの例において、炭素コーティング粒子は、タイヤ又は他のゴム構成要素中の強化材として用いられる。特定の実施において、本開示で記載される粒子は、所定のグレードのCBを配合した比較のゴム組成物、たとえば、類似のモルフォロジーの未コーティングプラズマCB、又は標準ASTMファーネスブラックに対して、同じ、類似の又は改善したものであることができるゴム特性及び適用性能を生み出す。
【0040】
所望のCB特性を与えることができる炭素系外部層を有することは、コア材料の選択に十分な柔軟性を加える。例えば、良好な粒子‐ポリマー相互作用を示すが、強い粒子‐粒子相互作用も示す従来のCB粒子との比較において、シリカコアを用いて、分散しやすく増加したゴムヒステリシス又はエネルギー損失を妨げる後者は、粒子‐粒子相互作用を低減することができ、一方で炭素系コーティングは、粒子‐ポリマー相互作用及び高い強化を促進すると考えられる。組み合わせにおいて、これらの2つの傾向は、ゴム、例えばタイヤ用途に関して魅力的な特性を有する本開示に記載の材料の幾つかを与えることができる。
【0041】
本開示に記載の方法を適用することにより、ゴム用途に有用であることが見出されている劣った強化又は他の特性を示す再生熱分解炭素、又はCB粒子の表面特性を変化させることもできる。
【0042】
例えば、新しいゴムコンパウンドに配合することにより、再生熱分解炭素を使用ことが有益である場合がある一方、再生熱分解炭素は、概して未使用のCBと比べて実質的に劣った強化及び他のゴム特性を与える。他の欠陥の中で、未使用のCBと比較して、再生熱分解炭素による主要な問題は、粒子表面がゴム分子との相互作用のために実質的に変化し、劣化することであると考えられる。本発明の側面は、これらの欠陥に対処し、ある用途、例えばゴム強化に関してより魅力的な再生熱分解炭素、又は廃棄物品から得られる他のコンパウンドを与える。これは、再生利用を促進し、廃棄物管理及び処理負担を低減しつつ、重要な環境への影響を有する可能性がある。
【0043】
本発明を実行することは、より低コストのコア粒子、たとえばクレイ、もみ殻シリカ、炭酸カルシウム、再生熱分解炭素などの使用を可能にすることもできる。本開示に記載の粒子のコアは、純粋な又は貴重なコンパウンドからだけではなく、他のプロセスから回収されたスクラップからも形成することができるため、本発明の側面は、最終製品に関するコスト低下、及び/又はある種のCBグレードの製造に寄与することができる。本開示に記載の粒子への係るコア材料の組み入れは、CBの製造に典型的に必要とされる石油系供給物の消費も低減する。重要なことに、非炭素コア粒子(すなわち、連続相が非炭素材料から形成される複合体、又は凝集粒子)を、本開示に記載のような材料の全体の製造中に、インサイチューで形成することさえできる。
【0044】
CBの製造において、プラズマ系プロセスは、例えば、比較的安価で広く入手可能であることが多い可能性がある材料、例えば天然ガス(NG)の使用等の十分な経済的利益を提供することができる。他の利点は、典型的には高収率、有用な生成物、すなわち炭素(C)及び水素(H2)ガスの形成、並びに二酸化炭素(CO2)又は酸化窒素(NOx)の排出の低下に関する。しかし、得られるCB生成物は、タイヤ及び他のゴム構成要素中で現在要求される優れた性能と関連した幾らかの特性を欠く可能性がある。従来のファーネスCBと比較した際、プラズマCBは、劣った強化性能をもたらすゴム分子との相互作用の低いレベルを有する場合がある。したがって、幾つかの場合において、本発明は、CBを調製するプラズマ系方法と関連した利益を利用する一方、タイヤ構成要素又は他のゴム製品の性能を向上させるCB表面特性も生成する。
【0045】
本発明の特定の実施態様は、CB反応器に誘導されるコア材料を解凝集することに関し;これは、より効率的で効果的なコーティングを促進すると考えられる。
【0046】
コーティング操作において用いられる際、液体炭化水素は、初めに気化され、次いでコア粒子と混合される必要がある。利用可能な非常に短い時間により、得られる堆積物は、望むように薄く、及び/又は均一でない場合がある。気化工程が回避されるため、ガス状炭化水素を用いてコーティングを生成した場合、ガス状炭化水素は、より薄く、及び/又はより均一な堆積物を生成することができる。コア粒子の上に形成された層が、NG又は他のガス状炭化水素を用いて製造される実施は、SOx及び/又はNOx排出を低減するか、最小化することもできる。
【0047】
部分、及び他の利点の種々の詳細な構成及び組み合わせを含む本発明の上記及び他の特徴は、添付の図面を参照してより具体的に記載され、特許請求の範囲で指摘される。本発明を用いる特定の方法及びデバイスは、本発明の制限としてではなく例として示されることが理解されるであろう。本発明の原理及び特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の多くの実施態様において用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
添付の図面において、参照文字は、異なる図に亘って同じ部分を指す。図面は、かならずしも一定の縮尺ではなく、本発明の原理を示すことに重点が置かれている。
図1図1は、本発明のさらなる実施態様による炭素コーティング粒子の調製に適した反応器の断面図である。
図2図2は、本発明の実施態様による炭素コーティング粒子の調製に適した装置の概略図である。
図3図3は、図2の装置の上部のより詳細な図である。
図4図4は、CB反応器の仕上げゾーンを用いてコーティング粒子を調製する装置の断面図である。
図5図5は、炭素層によりコーティングされたシリカコアを有する二相粒子の透過型電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明は、概してコーティング粒子、並びにその製造及び使用方法に関する。典型的な粒子は、炭素層によりコーティングされたコアを含有する。コアは、炭素コーティングとは異なる材料からなるか、本質的にこれからなるか、又はこれを含むことができる。概して、コア及びコーティング材料は、異なる起源、化学組成、及び/又は他の特性を有する。コーティング粒子は、コアのものとは異なる1つ又はそれより多くの特性を有する複合粒子と考えることができることが多い。それ自体で、例えばコアは特定の最終用途、例えばタイヤ構成要素の優れた強化に必要とされるか、望まれる特性を有さない場合がある。外部炭素堆積により、本開示に記載のコーティング粒子は異なる特性を示すことができ、したがって強化ゴム組成物において重要な応用が見出される。
【0050】
本開示に記載のようなコーティング粒子を製造するために、コアが、炭素層によりコーティングされる。幾つかの実施態様において、炭素層は、典型的なカーボンブラック材料のモルフォロジー及び特性を有する。
【0051】
幾つかの実施態様において、コア材料は、予め形成されたか、既に製造された粒子として与えられる。これらを、市販で入手するか、コーティング操作を実施するのに用いられるプロセス又は装置以外のプロセス及び/又は装置内で調製することができる。したがって、予め形成されたコア粒子の調製がなされる工程は、独立であることができ、コーティング操作とは別であることが多い。予め形成されたコアは、未使用の材料、廃棄製品若しくは他の生成物から再生されたか、回収された材料、又はその両方で構成されることができる。
【0052】
与えられる予め形成されたコア材料の量は、通常の実験により決定されることができ、理論モデリング、先行経験、又は他の技術に基づくことができる。量を決定する際に考慮される因子としては、用いられる装置、プロセスパラメータ、コア材料の種類、用いられるFS、及び/又は用いられる他のストリーム、下流工程、目的とする特性などを挙げることができる。
【0053】
他の実施態様において、コアは、インサイチューで製造され、共通のプロセス及び/又は反応器内でコーティングされる。インサイチューの技術は、1種又はそれより多くの適した前駆体、すなわちある条件下で反応を受けてコア材料を生成することができる1種又は複数種の物質を要求する場合がある。コア前駆体は、通常の実験、モデリング、コーティング粒子の所望の特性、経験、プロセス及び/又は装置パラメータ又は他の因子により決定される任意の適した量で与えることができる。
【0054】
幾つかの場合において、予め形成されたコア粒子の調製及びコーティング操作は、全体の製造プロセス又はシステムの一部である別個の工程又はユニットで実施され、典型的には単独の設備内で実施される。
【0055】
種々のコア材料を用いることができる。非炭素コアは、例えば非炭素材料、たとえばシリカ、アルミナ、他の金属酸化物、たとえばチタニア、ジルコニア、セリア、酸化スズ、酸化マグネシウム、マグネシウムアルミニウムシリケート、クレイ、例えばベントナイト、天然又は合成ゼオライト、再生吸着剤、電子部品、触媒材料、灰分、非炭素ナノ粒子などから全体的に又は部分的に製造されることができる。コアは、コア中の連続相が非炭素材料である場合、「非炭素コア」として定義される。同様に、コア粒子、コアアグリゲート、又はコアアグロメレートは、粒子、アグリゲート、又はアグロメレート中の連続相が非炭素材料である場合、それぞれ「非炭素コア粒子」、「非炭素コアアグリゲート」又は「非炭素コアアグロメレート」である。
【0056】
1つの特定の例において、コアは、シリカ、たとえばコロイド状シリカ、PS、(例えば使用済みタイヤからの)再生PS、シリカの領域を含むカーボンブラックアグリゲート(例えばEcoblackTM粒子)、回収されたヒュームドシリカ、未修飾ヒュームドシリカ典型的には熱分解プロセスにより製造された、疎水修飾ヒュームド、コロイド状、又は他のシリカナノ粒子、シリカの1種又はそれより多くを含有する混合物などからなるか、本質的にこれからなるか、これを含む、
シリカコア材料を、既に製造されたシリカコア粒子の形態において供給することができる。未使用の材料又は回収された廃棄生成物を用いることができる。
【0057】
インサイチューでシリカコアを製造することも可能である。適した前駆体は、1種又はそれより多くのケイ素含有材料、例えばオルガノケイ素化合物からなるか、本質的にこれからなるか、又はこれを含むことができる。用いることのできる化合物の具体例としては、シリコーン、例えば揮発性シリコーンポリマー、たとえばオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMTS)、シリケート、たとえばテトラエトキシオルトシリケート(TEDS)、及びテトラメトキシオルトシリケート、シラン、シロキサン、シラザンなどが挙げられる。
【0058】
別の例示的な実施態様は、クレイ、もみ殻シリカ、炭酸カルシウム、これらの材料のナノ粒子、他のナノ粒子又はこれらの混合物からなるか、本質的にこれからなるか、又はこれを含むコアを含む。概して、これらのコア材料は、予め形成された粒子として与えられる。
【0059】
炭素コアを用いることもできる。本開示で用いられるように、コア、コア粒子、コアアグリゲート又はコアアグロメレートは、コアが、連続相が炭素又はCBである材料からなるか、本質的にこれからなるか、又はこれを含む場合、それぞれ「炭素コア」、「炭素コア粒子」、「炭素アグリゲート」、又は「炭素アグロメレート」である。
【0060】
本発明の幾つかの側面は、電気エネルギーを用いるプロセス、典型的にはプラズマ系プロセスにおいて全体的に又は部分的に製造されたCBコアを用いる。プラズマプロセスは、炭化水素FS(例えばメタン)をその構成要素、すなわち炭素(「プラズマカーボンブラック」又は「プラズマCB」コア粒子と本開示で呼ばれる)と水素に転化する。例えば:
CH4(g)→C(s)+H2(g)。
【0061】
炭素及び水素に加えて、炭化水素の転化は、少量のアセチレン、及び/又は痕跡量の他の炭化水素を生成する可能性がある。反応は、酸素がない状態で実施されることが多い。酸素含有化合物が用いられる場合において、排ガスは、幾らかのCO及びCO2を含む可能性があり、後者は典型的には少量又は痕跡量で存在する。
【0062】
幾つかの方法(例えば米国特許第3409403号を参照)によれば、反応は、炭化水素FSがまずアセチレンに転化され、次いでCB及びH2に分解されるように、中間段階を介して進行する。
【0063】
プラズマCBコア粒子は、例えば約50~約250m2/g(ASTM D6556)のN2SA表面積;50~220m2/gのSTSA表面積(ASTM D5816);50~300cm3/100gのOAN構造(ASTM D2414‐16);40~150cm3/100gのCOAN構造(ASTM D3493‐16);トルエン70~87%(ASTM D1618‐99、2011);pH7~9;灰分0.05~0.5%(ASTM D1506);CB収率60~100%等の特性を有することができる。
【0064】
例えば、1996年6月18日に発行されたLynumらの米国特許第5527518号;1978年7月18日に発行されたSurovikinらの米国特許第4101639号;2008年11月27日に公開されたBoutotらの米国特許出願公開第2008/0289494号;2009年6月4日に公開されたFabryらの米国特許出願公開第2009/0142250号;両方が2015年7月30日に公開されたJohnsonらの米国特許出願公開第2015/0210856号及び2015/0210857号;Hoermannらの米国特許出願公開第2015/0210858号においてみられるように、プラズマCBを調製する種々のアプローチが知られている。これらの全ての文献は、その全体において参照により本開示に組み入れられる。
【0065】
コールドアーク及びホットアーク放電の両方は、コーティングされるプラズマCBコア粒子を調製するのに用いることができる。ホットアーク放電は、典型的には約1700℃~約4000℃、及びそれより高い範囲内の反応器温度を発生させる連続プラズマアークを作り出し、一方でコールドアーク放電は、比較的低温、典型的には200℃未満にて反応器を操作することを可能にする断続的なアーク放電であると考えることができる。固体炭素粒子、及び未反応メタン又は天然ガスと混合された水素及びアセチレン等のガス状成分を製造するコールドアーク放電に基づく配列は、例えば2008年11月27日に公開されたBoutotらの米国特許出願公開第2008/0289494号において記載される。
【0066】
プラズマCBコア粒子を調製する他の方法は、当分野で知られているように、又は適合するように、又は発展するように用いることができる。例えば、コア粒子を、マイクロ波プラズマ反応器内で調製することができる。係る反応器の例は、2007年11月29日に公開され、全体において参照により本開示に組み入れられるWrightらの米国特許出願公開第2007/0274893号において見出すことができる。1998年7月21日に発行され、全体において参照により本開示に組み入れられるSteinwandelらの米国特許第5782085号は、マイクロ波(例えば、0.95~24GHzの範囲)を用いてプラズマジェットを発生させる方法を示す。用いられる高周波数は、マグネトロンシステム又は進行波管により発生させることができる。波を、ある波の種類だけを許容するように設計された形状の導波路に亘って導くことができる。例えば、2015年6月25日に公開され、全体において参照により本開示に組み入れられるTranquillaによる米国特許出願公開第2015/0174550号に記載されるように、マイクロ波周波数範囲、ラジオ周波数範囲、高周波数範囲、超高周波数範囲、又は音響周波数範囲の電磁気エネルギーを用いる方法を用いることもできる。
【0067】
プラズマCBコアは、インサイチューで生成されるか、既に製造された(予め形成された)プラズマCB粒子として与えられることができる。粒状形態の適した固体プラズマCB材料は、市販で得られるか、コーティング操作を実施するのに用いられるプロセス又は装置以外のプロセス又は装置において調製されることができる。
【0068】
本発明の他の側面は、再生熱分解炭素からなるか、本質的にこれからなるか、又はこれを含むコアを用いる。材料のこの種類は、例えば使用済みタイヤ等の廃棄ゴム生成物の熱分解から得られる。本開示に記載の炭素コーティングとは対照的に、再生熱分解炭素は、典型的には炭素だけではなく、タイヤ構成要素の製造において用いられる他の化合物、例えばアルミナ、シリカ、酸化亜鉛なども含有する。
【0069】
再生熱分解炭素は、例えば、非表面積(m2/g)、構造又はDBPNo.(cm3/100g)、灰分及び/又は硫黄含有量等の特性により特徴づけることができる。例示的な目的に関して、C.Roy(Journal of Analytical and Applied Pyrolysis、Vol.51、第201~221頁(1999))により報告された熱分解トラックタイヤから再生された炭素に関する比表面積、DBPNo.、灰分及び硫黄含有量は、それぞれ95m2/g;102cm3/100g;0.7%及び0.5%であった。典型的には、再生熱分解炭素は、既に製造された(予め形成された)コア粒子の形態で与えられる。
【0070】
炭素系コア材料の他の種類を用いることができる。1つの例示的な例は、独立の又は別個のプロセス、及び/又は装置から調製されるか、得られ、予め形成された粒子として与えられるCBを用いる。具体的な実施において、CB粒子は、同じ又は同等のモルフォロジーを有する典型的なカーボンブラックに対して、劣った強化又は他の望ましくない表面品質、又は材料特性を有する(劣化したカーボンブラック)。係る劣化したカーボンブラックは、異なる所望の特性を犠牲にして所望の特性を達成するように意図的に製造されることができる(例えば、非常に高い表面積の粒子を製造するが、高いI2/STSA比、及びエッチングされた多孔質表面を有する)。他の例としては、アニールされたCB粒子、低含有量の多環式芳香族炭化水素(PAH)を有するCB粒子、又は結晶性領域を作り出すように、CB粒子表面から化学基を除去し、又は熱的アニールし、又はCB粒子表面の黒鉛化するか、そうでなければ劣ったゴム強化特性を作り出すようにCB粒子表面の活性を劣化させることができるCBの後製造処理のCB生成物が挙げられる。完全な又は部分的なCB黒鉛化から生じた劣った表面品質コアCBの例は、例えば1979年2月6日に発行されたLamontらの米国特許第4138471号、及びTandonらの米国特許出願公開第2005/063892号に開示される。両方の文献は、その全体において参照により本開示に組み入れられる。
【0071】
コア粒子は、平均粒子サイズ、粒子サイズ分布、微細構造等のある種の特性を有するようにインサイチューで与えられるか、生成されることができる。多くの場合において、コア粒子は、一次粒子のアグリゲート又は(例えば数個のアグリゲートを含有する)小さいアグロメレートである。多くの場合、コアアグリゲートは、約25ナノメートル(nm)~約500nm、例えば約25nm~約200nm、たとえば約25nm~約100nmの範囲内の平均アグリゲートサイズを有することができる。CB材料、例えばプラズマCBの場合において、適したコア粒子、すなわち一次炭素粒子のアグリゲートは、約20ナノメートル(nm)~約500nm、例えば約25nm~約200nm、たとえば約25nm~100nmの範囲内の平均アグリゲートサイズを有することができる。コアアグリゲートは、特性微細構造、例えばCB又はシリカ凝集において引き起こされる、例えば房状モルフォロジーを有することができる。コアアグロメレートは、同じか異なるアグリゲートを含有することができる。
【0072】
本発明の幾つかの実施態様は、コア粒子の混合物の使用に関する。予め形成された、インサイチューで形成された、未使用の、再生、及びコア材料の他の種類の任意の組み合わせを用いることができ、異なる化学組成及び/又は特性を有するコア粒子の混合物を用いることができる。インサイチューで形成されたか予め形成されたかによらず、コア粒子のある種類を、他の炭素又は非炭素コア材料と組み合わせ、次いでコーティングすることができる。したがって、他のコア材料は、インサイチューで調製されるか、既に製造された粒子として供給されることができる。例として、プラズマCBコア粒子に加えることのできる他の材料の例としては、以下に制限されないが、炭素又はCBの他の種類、例えば他のCBグレード、二相粒子(例えばCB及びシリカ)、アセチレンブラック、ランプブラック、グラフェン、カーボンナノチューブ、非炭素材料、たとえばシリカ、アルミナ、他の金属酸化物、たとえばチタニア、ジルコニア、セリア、酸化スズ、酸化マグネシウム、マグネシウムアルミニウムシリケート、クレイ、例えばベントナイト、天然又は合成ゼオライト、再生吸着剤、電子部品、触媒材料、灰分、非炭素ナノ粒子などが挙げられる。
【0073】
炭素コーティング粒子を調製するために、コアが炭素層によりコーティングされる。炭素層は、適した炭素源、多くの場合、液体炭化水素、例えばコーキング操作及びオレフィン製造操作の副生成物等、例えば触媒分解操作からのデカントオイル、コールタール、他の石油精製源などから生成される。コア粒子をコーティングするのに用いることができる炭素生成性FS組成物の具体例は、全体において参照により本開示に組み入れられるMacKayらによる米国特許第5190739号に与えられる。
【0074】
しかし、液体炭化水素は、硫黄(S)及び/又は窒素(N)を含有する可能性があり、したがって生成した排ガスストリームは、SOx及び/又はNOx等の廃棄生成物を除去するスクラブ又は排出浄化の他の種類を要求する場合がある。したがって、本開示に開示された実施態様の幾つかにおいて、コア粒子の上に堆積した層は、S及び/又はNを含まないか、実質的に含まないソースから生成される。例としては、以下に制限されないが、例えばメタン、NG、別のガス状源(1種又はそれより多くのC1~C4炭化水素)が挙げられる。気化工程を要求することなく、ガス状炭化水素は、より薄く、及び/又はより均一なコーティングの形成を容易にすることができる。
【0075】
例示的な例において、シリカコア材料は、NG、プロパン、又はブタンの熱分解により生成した炭素によりコーティングされる。幾つかの場合において、シリカは、ガス状FS(例えばNG、プロパン、又はブタン)、及び任意選択的に空気と予め混合される。別の例示的な例において、ガス状炭化水素FS(例えば1種又はそれより多くのC1~C4炭化水素)、例えばメタン、NG及びブタン等の熱分解により生成した炭素層によりコーティングされたコア材料は、CB粒子からなるか、本質的にこれからなるか、又はこれを含む。例えば、CBコア粒子を、CB反応器内でNGの熱分解により生成した炭素層によりコーティングすることができる。これらのCBコア粒子は、予め形成されるか、インサイチューで生成されることができる。
【0076】
コア粒子は、適した装置内で実施されるプロセスにおいてコーティングされる。任意選択的に、コア自体も、同じプロセス及び/又は装置内で製造される。代わりに、又は加えて、コア材料は、予め形成された粒子としてコーティングが施される。幾つかの例示的な実施が以下に記載される。
【0077】
1つの実施態様において、コア粒子のコーティングは、インサイチューで製造されたか、既に製造されて(予め形成されて)導入されたかによらず、CBを製造するのに適したプロセス及び/又は反応器(ファーネス)を用いて、又は係る反応器の区画において実施される。CBプロセス、反応器又はファーネスは、当分野で知られている。例としては、以下に制限されないが、Morganらによる米国再発行特許第28974号、米国再発行特許第3619140号;Mahmudらによる米国特許第5877238号;MacKayらによる米国特許第5190739号;Schcwaigerらによる国際公開第2014/140228号;Gerspacherによる米国特許第6277350号;Godalらによる米国特許第7097822号;Dilbertらによる米国特許第4582695号;Freundらによる米国特許第6099818号;Voglerらによる米国特許第6056933号;Voglerらによる米国特許第6391274号などに記載されたものが挙げられる。CBを製造する多段階反応器及びプロセスは、2010年11月9日に発行されたKutsovskyらの米国特許第7829057号、及び2007年5月10日に公開されたKutsovskyらによる米国特許出願公開第2007/0104636号に記載される。CBを製造し、複合ケイ素又は金属含有CBアグリゲート粒子を製造する多段階反応器及びプロセスは、Mahmudらによる米国特許第5904762号に開示される。これらの特許は、その全体において参照により本開示に組み入れられる。当分野で知られている他のCB反応器、及び/又は方法を用いることができる。
【0078】
図1に示される例において、高温燃焼ガスは、液体又はガス状燃料ストリーム9を酸化剤ストリーム5、例えば空気、酸素又は空気と酸素との混合物(当分野で「酸素の豊富な空気」とも呼ばれる)と接触させることにより、燃焼ゾーン1内で生成される。燃料は、炭化水素(例えばメタン、天然ガス、アセチレン)、水素、アルコール、ケロシン、燃料混合物などのガス、蒸気又は液体ストリームを容易に燃焼させることができる。多くの場合において、選択された燃料は、高含有量の炭素含有成分を有する。
【0079】
したがって、種々のガス状又は液体燃料、例えば炭化水素は、燃焼燃料として用いることができる。等量比は、燃料と、燃料の燃焼に要求される酸化剤の量との比である。燃焼ゾーンにおける等量比の典型的な値は、1.2~0.2の範囲である。高温燃焼ガスの生成を促進するために、酸化剤ストリームを予め加熱することができる。
【0080】
本発明の多くの実施態様は、燃焼燃料を完全に消費する燃焼行程に関する。超過、酸素、燃料選択、バーナーの設計、噴射速度、混合条件及びパターン、燃料と空気、酸素の豊富な空気又は純粋な酸素との比、温度、及び他の因子は、例えば燃焼がほとんど又は全く炭素シード又は核を生成しないことを確実にするように調節されるか、最適化されることができる。むしろ、典型的なCBプロセスにおいて、これらの核は、CB生成性FSが反応器に導入された後にのみ形成される。インサイチューで非炭素コア粒子を用いる際、コア粒子のものに対する炭素核の形成の遅延は、コア中の炭素の含有を低減するか、最小化する。
【0081】
高温燃焼ガスストリームは、ゾーン1及び2からゾーン3及び4へ下流に流れる。コーティング生成性FS(コーティングFS、炭素生成性FS、CB生成性FS、又はCB‐FSとも本開示で呼ばれる)は、他の反応器構成要素及び供給物に対して1つ又はそれより多くの適した位置にて導入される。図1に示される配列において、コーティングFS6は、注入点7において反応器ゾーン3に導入される。
【0082】
コーティングFSを、ガスストリーム中のオイルの最適な分布に関して設計されたノズルを通してガスストリーム中に注入することができる。係るノズルは、単独又は二流体であることができる。二流体ノズルは、例えば燃料を原子化する窒素、スチーム、又は空気を用いることができる。単独流体ノズルは、原子化される圧力であることができ、又はFSは、ガスストリーム中に直接的に注入されることができる。後者の例において、原子化は、ガスストリームの力により生じる。
【0083】
コーティングFSは、例えば熱分解又は部分燃焼によりCBを製造することができる液体又はガス状炭化水素であることができる。適した例としては、以下に制限されないが、石油精製源、たとえば触媒分解操作からのデカントオイル、及びコーキング操作及びオレフィン製造操作からの副生成物等が挙げられる。炭素生成性FS組成物の具体例は、全体において参照により本開示に組み入れられるMacKayらによる米国特許第5190729号に与えられる。NG、メタン、炭化水素、例えばC2~C8炭化水素(プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、他のガス状炭素源、又は液体、ガス状若しくは液体及びガス状源の混合物を用いることもできる。
【0084】
具体的な実施において、ガス状炭化水素、メタン、NG又はブタンは、例えばCBプロセス、反応器、又はファーネス、たとえばMorganらによる米国再発行特許第28974号、米国再発行特許第3619140号;Mahmudらによる米国特許第5877238号;MacKayらによる米国特許第5190739号;Schwaigerらによる国際公開第2014/140228号;Gerspacherによる米国特許第6277350号;Godalらによる米国特許第7097822号;Dibertらによる米国特許第4582695号;Freundらによる米国特許第6099818号;Voglerらによる米国特許第6056933号;Voglerらによる米国特許第6391274号;2010年11月9日に発行されたKutsovskyらの米国特許第7829057号、Mahmudらによる米国特許第5904762号、及び2007年5月10日に公開されたKutsovslyらによる米国特許出願公開第2007/0104636号に開示されたものにおいて形成されたCBコア粒子をインサイチューでコーティングするのに用いられる。
【0085】
CBコア粒子は、コア生成性FS、多くの場合、1種又はそれより多くの液体炭化水素又はオイル、例えば米国特許第5190739号に列記された特性を有する市販で入手可能なFSからインサイチューで生成されることができる。典型的には、コア生成性FSは、コーティングFSの注入から上流の図1の反応器50等の反応器に導入される。用いることができる適した注入点又は位置は、例えば米国特許第7829057号に記載される。コア生成性FSは、単独のストリーム又は複数のストリーム等の任意の従来の方法で導入されることができ、FSの導入は、任意速度で起こることができる。複数のストリームにより、各ストリームの速度は、同じか異なることができる。
【0086】
多くの場合において、コア生成性FSの注入は、高温燃焼ガスストリームの内部領域への侵入、及び/又はFSが迅速に及び完全に分解し、コアCB材料へ転化することを確実にするように、高温燃料ガス及びコア生成性FSの混合及びせん断の高い速度を促進するように実施される。
【0087】
ガス状コーティングFSの後の導入に関して、この第二のFSを、炭素層によりCBコア粒子をインサイチューでコーティングするのに適した量及び条件下でコア生成性FSの下流に転化することができる。ガス状コーティングFSを用いて反応器を冷却することができ、それは、等量のオイルFSを用いて得られる冷却より程度が高いことが多い。また、オイルFSにより引き起こされる注入器先端の制限は回避される。液体、例えばオイル、炭化水素の使用とは対照的に、ガス状コーティングFSは、コーティングの品質において環境的利益と改善を与えることができる。
【0088】
さらなる実施は、インサイチューで非炭素コア粒子を製造する1種又はそれより多くの前駆体の導入に関する。係る前駆体は、コーティングFSと予め混合され、FSと共に反応ゾーンに導入されることができる。1つの実施において、前駆体はコーティングFS6と共に共注入される。他の実施において、前駆体は、コーティングFS注入点から離れて導入される。
【0089】
本発明の特定の実施態様によれば、炭素コーティング工程は、コア粒子のインサイチューでの形成に続き、コア前駆体の注入点は、温度、反応器パラメータ、反応速度論、混合時間、及びパターン、滞留時間などに基づいて決定されることができる。したがって、場合ごとに、前駆体は、コーティングFS注入点の上流、下流、又は同じ点において導入されることができる。典型的に、前駆体は、クエンチ流体の注入から上流に導入される。1つの実施において、コア粒子の生成に要求される反応は、コアコーティングの実施に必要とされる炭素材料(CB前駆体)の形成をもたらすものより速く起こる。結果として、コア前駆体は、コーティングFSと共に共注入されることができ、又は反応器に沿って別個に上流に、同じ点にて、及びコーティングFSの注入点の下流に注入されることができる。図1を参照して、例えば、前駆体、例えばシリカコアを生成するケイ素含有前駆体をコーティングFS6と共注入することができる。望む場合には、係る前駆体を、FS6の上流又は若干下流に導入することもできる。
【0090】
用いられる前駆体の量は、通常の実験、計算、モデリング、経験などにより決定することができる。考えられる因子としては、以下に制限されないが、用いられる材料の種類、装置及び/又はプロセスパラメータ、例えば製造速度及び/又は容量、種々の入力及び出力ストリーム、コアの目的の特性などが挙げられる。
【0091】
(炭素連続相をコアに組み入れることに優先して)非炭素コアの形成を促進する条件 としては、以下に制限されないが、CB生成性FSと非炭素前駆体との比、特に反応器ゾーン内の反応器温度などが挙げられる。例えば、CB生成性供給原料に対するケイ素前駆体の量を増加させると、非炭素コアの形成、次いで炭素コーティング工程に有利に働く。より低い生成性のCB供給原料、例えばある植物油、例えば大豆油を使用することも可能であり、したがって反応ゾーンにおいて利用可能な炭素材料の量が減少する。代わりに、又は加えて、反応ゾーンは、CB生成性FSのCBへのより遅い転化を上回る、前駆体の非炭素コア(すなわち、連続相が非炭素材料であるコア)への速い転化に有利なように、十分に高い温度にて維持されることができる。1つの例において、ケイ素含有化合物からシリカコアを形成するのに用いられる反応ゾーン温度は、シリカ前駆体がCB生成性FSよりもはるかに速く反応する温度である約1680℃~約1800℃の範囲内である。
【0092】
予め形成されたコア粒子(例えばシリカ、もみ殻シリカ、クレイ、沈降シリカ、炭酸カルシウム、ナノ粒子、再生熱分解炭素、プラズマCB、予め製造されたCBの他の種類、例えば劣化CB(すなわち、そのモルフォロジーから期待される強化特性と比べて劣ったゴム強化特性を有するCB)など)を、図1に示されるような反応器に、適した注入点、例えば注入点7の上流又は下流で導入することができる。1つより多くの手段及び注入点を用いることができる。予め形成されたコア粒子は、存在するガス状又は蒸気反応器供給ストリームの1種において供給されるか、コーティングFS(図4のストリーム6)と共に共注入されることができる。代わりに、又は加えて、予め形成されたコア粒子は、液体ストリーム、例えば水性溶液、水、軽質炭化水素などに分散することができ、又は適した位置、例えば図1のストリーム10にて反応器に供給される担体ガスに独立に導入されることができる。不活性ガス、再利用CB排ガス、及び/又は他の担体ガスを用いることができる。予め形成されたコア粒子を、例えば超臨界CO2等の超臨界流体中に与えることもでき、又は存在するストリーム、例えば空気又は燃料ストリーム(それぞれ図1のストリーム5及び9)と共に導入することができる。少なくとも一部は、燃焼ゾーンにおいて燃料として用いることができる。
【0093】
与えられる予め形成されたコア材料の量は、通常の実験により決定されることができ、理論モデリング、先行経験、又は他の方法に基づくことができる。量の決定において考慮される因子としては、用いられる装置、プロセスパラメータ、用いられる材料の詳細、FSの種類、及び/又は用いられる他のストリーム、下流工程、目的の特性などを挙げることができる。
【0094】
幾つかの状況において、予め形成された粒子の塊の形成は、所望の特性、例えばタイヤ用途に関するゴム組成物においての組み入れに適した最終用途のコーティング粒子を与える特性を有する最終生成物の製造に悪影響をおよぼす可能性がある。この問題は、予め形成されたコア粒子をコーティングFSストリームに均一化すること、又はミリング、例えば流体エネルギーミリング、ジェットミリング、又はガス担体ストリームを介する注入の直前の他の粉末ミリング装置による種々のデアクロメレーション技術により対処することができる。
【0095】
1つの実施において、予め形成されたコア材料は、効果的な後のコーティングに関して十分に微細な粒子に分散される。例えば、コア材料は、液体炭素生成性FSと混合されるか均質化され、コーティングFS中のコア粒子のスラリーとして注入されることができる。予め形成されたコア粒子を、水又は他の水性若しくは溶媒液体中へ均質化し、次いでコーティングFSから又はコーティングFSと混合した後に別個に注入することもできる。予め形成されたコア材料は、燃焼空気ストリーム又は天然ガス(燃焼燃料)ストリームを含む、新たな(例えば図1のストリーム10を参照)又は存在する(ガス)ストリームにより反応器に運ばれることもできる。不活性ガス、再利用されたCB排ガス、及び/又は他の担体ガスを用いることもできる。
【0096】
予め形成されたコア粒子の均質化は、当分野で知られているように実施されることができ、例えば1962年8月7日に発行された、Hellerらの米国特許第3048559号に記載のコロイドミル等のホモジナイザーを挙げることができる。記載のミクロ粉砕機に類似の機械的影響、又はコロイドミルに類似の粉砕作用を用いる他の手段が可能であるように、湿潤操作ミクロ粉砕機を用いることもできる。適したホモジナイザーの他の例としては、以下に制限されないが、Microfluidics International Corporation(Newton、Mass、USA)から市販で入手可能なMicrofluidizer(登録商標)システム;APV Homogenizer Division of APV Gaulin、Inc.(Wilmington、Mass.、USA)から入手可能なモデルMS18、MS45及びMC120シリーズホモジナイザー、並びに他の市販で入手可能な又は特注の装置が挙げられる。
【0097】
異なるアプローチは、比較的大きい(例えば200nm~約1、5又は20ミクロン)コアを被覆するように設計された方法に関する。同じか異なるアグリゲートを含有する係るアグロメレートは、「有効」CB層、すなわち適切な参照と比べて向上した強化及び/又はゴム性能特性のバランスを与えるのに十分なCBコーティングでコーティングすることができる。アグロメレートを、20ミクロン未満、好ましくは20ミクロンよりかなり小さいサイズに分散させることができる場合、アグロメレートのコーティングは、一次粒子のアグリゲートをコーティングすることにより得られるもののように効果的である場合がある。例えば炭素コーティングシリカコアを関連する利点を実現するために、完全なコーティングは必要でない場合がある。CB前駆体は、部分的にのみコアがアグロメレート内で凝集する場合でさえ、浸透し、コーティングすることができる。これらのコーティングアグロメレートがゴムに混ぜられた場合、それは、コアアグリゲートの不完全なコーティングを有するものが、性能及びコストの有益な組合せを提供するように、十分に破壊され分散されることができる。
【0098】
既に製造された材料(予め形成された)として導入されたか、インサイチューで生成されたかに関わらず、コア粒子は反応器を通って下流に移動し、炭素によりコーティングされる。典型的には、適切な加熱により、炭素生成性(コーティング)FSは熱分解され、コア粒子の上に堆積するCB前駆体を生成する。図1のもの等の反応器において、コーティングは、任意の点、又はコーティングFSの注入後に起こり始めることができ、続く1つ又は複数の段階を通して続くことができる。
【0099】
反応は、反応器のクエンチゾーン内で停止される。クエンチ8は、反応ゾーンの下流に位置し、水等のクエンチ流体を新たに形成されたCB粒子のストリームに噴霧する。クエンチは、CB粒子を冷却し、ガス状ストリームの温度を低減し、反応速度を減少させる働きをする。Qは、反応ゾーン4の始まりからクエンチ点8までの距離であり、クエンチの位置により変化する。任意選択的に、クエンチは段階分けされるか、反応器内の幾つかの点にて起こることができる。圧力噴霧、ガス原子化噴霧、又は他のクエンチ方法を用いることもできる。
【0100】
クエンチの後に、冷却されたガス及び炭素コーティング粒子は、下流を通って任意の従来の冷却及び分離手段に移動し、それによって生成物が回収される。ガスストリームからの炭素コーティング粒子の分離は、集塵装置、サイクロン分離器、バッグフィルター又は当業者に知られている他の手段等の従来の手段により容易に達成される。炭素コーティング粒子がガスストリームから分離された後、それは、任意選択的にペレット化工程に供される。
【0101】
別の実施態様は、段階的なアプローチにおいて、インサイチューで製造され、次いでコーティングされたプラズマCBコア粒子を用いる。プラズマCBコア粒子の形成、及びそれに次ぐ炭素層によるそのコーティングの両方を実施するプロセス及びシステムは、「本開示で「集合」と呼ばれ、図2、3及び4に示された実施態様を参照して以下でさらに記載される。
【0102】
例として図2に示されるのは、円筒状又は他の適した形状を有するチャンバ102を含む反応器101である。多くの場合において、反応器チャンバの内壁は、グラファイトから製造される。コア粒子及び炭素層によるそのコーティングの形成は、以下でさらに記載されるように、反応器ゾーン又は領域内で実施される。反応器101は、矢印で示されるように、管路、並びにプラズマガス(PG)、第一のFS(図1のHC)及び第二の(コーティング)FS(FS)を供給する注入手段を備える。望む場合には、これらのストリームの1つ又はそれより多くは、当分野で知られているか、特定のプロセス条件又は装置設計に合うように開発され、又は適合されるように予熱することができる。反応器は、生成物を捕集するための、例えば、生成物、副生成物又は未反応材料をさらに処理するユニット、バルブ、流量計、温度制御器、プロセス工程を監視するか制御するのに用いられるデバイス、コンピュータインターフェース、オートメーション手段などの追加の入口、1つ又はそれより多くの出口を含むことができる。
【0103】
本開示に記載の例示的な例において、反応器101は、反応器の上端を規定するヘッド区画103(図3においてより詳細に示される)を含む。この端部において取り付けられるのは、3つのグラファイト電極108である(2つだけが図3に示されている)。電極は、三相AC電流を輸送することができる電力源104(図2に示される)に接続される。電流の周波数は、ネットワーク周波数(50~60Hz)又は任意の他の、例えばより高い周波数であることができる。
【0104】
PGは、PG及び電力の性質に応じて調節することができる流量にてヘッド区画103の中心(図3の注入ポート107)にて反応チャンバ102に供給される。例えば、それは、電力のkW当たり約0.001立方メートル毎時(Nm3/h)~約0.3Nm3/hであることができる。他の流量は、当分野で知られているか、計算、モデリング又は通常の実験により到達する電力要求、生産能力、特定のプロセスパラメータ又は装置設計などを考慮に入れて選択することができる。幾つかの実施において、電極8に供給された電力は、約2.0MWであり、水素PGは、約10Nm3/h~約1000Nm3/h、たとえば約100~約900、約200~約800、約300~約700、約400~約600、例えば約500Nm3/hの範囲内の速度にて上記のような反応器に供給される。PGとして用いることができる水素ガス以外のガスの例としては、以下に制限されないが、窒素、一酸化炭素(CO)、不活性又は希ガス、たとえばアルゴン、ヘリウムなど、及び他のガス又は2種若しくはそれより多くのガスの混合物、例えば50体積%のCOとH2の混合物が挙げられる。
【0105】
電極108の先端は、PG流の経路内に配置され、(十分な電力が電力源4により供給される際に)電気複合アークを点火するように互いに十分近接して配置され、アーク又はプラズマゾーン109内にプラズマを生成する。このプラズマの温度は、例えばPG流及び電極108に与えられる電力により制御することができる。特定の実施において、アークゾーン109は、任意選択的に開口部115を通して観察され、プラズマガス流の温度及び/又は量の自動制御を可能にする。
【0106】
アークゾーンからのPGストリーム又はジェットは下流に進む。PG流の速度は、典型的にはグラファイトで製造されたベンチュリ要素111、及びスロート又は縮小部120等の収束ゾーンを設けることにより増加させることができる。幾つかの実施において、ベンチュリの下端は、(連続拡幅区画としてではなく)鋭い端部として形成され、PGガスが反応ゾーン110に入る際の急拡大を容易にする。他の実施態様は、全体において参照により本開示に組み入れられる米国特許出願公開第2015/0210858号に記載されるようなガススロートアセンブリを用いる。
【0107】
また、反応ゾーン110に導入されるのは、プラズマCBコア粒子を調製する炭素源であり(図2のストリームHC)、本開示で「第一のFS」、「コア生成性FS」、又は単に「コアFS」とも呼ばれる。本発明の多くの側面において、第一のFSは、メタン又は天然ガスからなるか、本質的にこれからなるか、又はこれを含む。用いることのできる他の適した材料の例としては、以下に制限されないが、炭化水素、たとえばC2~C8炭化水素(例えばプロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブタジエン)軽質油、重質油、廃油、熱分解油、バイオガス、炭素と水素を含有する他の燃料、これらの組み合わせなどが挙げられる。
【0108】
第一のFSを、反応器チャンバ102の壁112内に配置された位置113における1つ又は複数(2、3、4、5又はそれより多く)のポート又はインジェクタを通して注入することができる。下に、好ましくはベンチュリ111の真下にコア生成性HSを導入することは、PGとの混合を改善すると考えられる。第一のFSを、反応ゾーン110の中心に向かって直接的に又は放射状に注入することができる。それをより正接に注入することもでき、したがって中心から離れて、又は共若しくは逆流のある角度で反応ゾーン110に入ることもできる。第一のFSを導入するのに適した流量は、供給原料の性質、反応器サイズ、生産能力、電力、産出量、他の流量及び/又は他の検討事項を考慮に入れて、計算、モデリング、経験、通常の実験などに基づいて決定することができる。幾つかの実施において、メタン又は天然ガスである第一のFSは、約100~約1000Nm3/h、たとえば約200~約800、約300~約700、又は約400~約600Nm3/hの範囲内の流量にて図2及び3のもののような反応器に供給される。典型的な液体の第一のFSの場合において、用いられる流量は、約10~約500kg/h、たとえば約100~約400、約100~約300、又は約100~約200kg/hの範囲内であることができる。より高い又はより低い量を用いることもできる。幾つかの場合において、第一のFSは、少なくとも2、5、10、12、15、18、20、22、25、28、30、32、35又はそれより多くのメートルトン毎時の速度にて導入される。
【0109】
反応ゾーン内の温度は、1つ又はそれより多くのパラメータ、例えばPG流量、その温度、第一のFSの性質及び/若しくは流量、電極108に供給される電力、並びに/又は他のプロセス条件を制御することにより調節することができる。特定の例において、反応ゾーン内の温度は、約900℃~約3000℃、たとえば約1300℃~約1900℃、例えば約1400℃~約1800℃の範囲内である。FSが注入される圧力は、コア粒子の表面積に影響を及ぼす可能性がある。
【0110】
多くの場合において、反応器内の圧力は、大気をわずかに上回って維持され、したがって環境空気からの酸素の吸入を防止する。
【0111】
プラズマCBコア粒子の形成をもたらすプロセス工程の1つ又はそれより多くを、例えば米国特許出願公開第2015/0210857号に記載されるように、ユニットが個々の容量で動作するように設計することができる。
【0112】
反応ゾーン110内で生成したプラズマCBコア粒子は、第二のFS(本開示で「コーティング生成性FS」又は「コーティングFS」とも呼ばれる)が熱分解されて、プラズマCBコア粒子の上に活性炭素表面を堆積させる仕上げ操作において、炭素層によりコーティングされる。第二のFSとして用いることができる適した材料としては、以下に制限されないが、触媒分解操作からのデカントオイル、コーキング操作及びオレフィン製造操作からの副生成物、ECR燃料などの石油精製源が挙げられる。コーティングFS組成物の例は、全体において参照により本開示に組み入れられる、MacKayらによる米国特許第5190739号において見出すことができる。多くの実施態様において、第二のFSは第一のFSとは異なる。他の場合において、第二のFSは第一のFSと同じである。
【0113】
典型的には、第二のFSは、位置114において1つ又はそれより多くのポート又はインジェクタを通って第一のFSの注入点から下流に供給される。図3に示される例において、第二のFSは、収束ゾーン116において、又はその下に導入され、収束区画の外周から内側に放射状に注入されることができる。収束ゾーン116は、任意選択の縮小部又はスロート122を含み、プラズマCBコア粒子及びH2反応生成物を加速する働きをする。収束ゾーン116の設計は、第一の収束ゾーン(図3のベンチュリ要素111)と同じか異なることができる。同様に、第一及び第二のスロート(それぞれ120及び122)の構成は、同じか異なることができる。テーパー角度及び/又は直径を、流量、容量、設計パラメータ、及び/又は他の検討事項に基づいて選択することができる。例えば、スロート122は、第一のFSの熱分解中に放出された追加のガスを収容するように、スロート120より広くすることができる。他の状況において、スロート122の直径は、スロート120のものより小さいか等しい。より小さい環をもたらすコーン又は他の配列を用いることもできる。
【0114】
さらなる実施態様において、仕上げ操作は、コーティングFSを、プラズマCBコア粒子を運ぶストリーム中に単に噴霧することにより、収束ゾーンなしで実施され、コーティングFSは、1つ又はそれより多くの適した位置にて導入される。また、第一の段階(コア粒子の形成)と第二の段階(仕上げ段階)の区別を低減し、又は最小化するアプローチは、コア粒子がコーティング操作を開始する前に本質的に完全に形成される限り(すなわち、コア粒子への質量添加が本質的に完了する限り)可能である。
【0115】
第二のFSの注入を、ガスストリーム中のFSの最適な分布に関して設計されたノズルを通して実施することができる。係るノズルは、単又は二流体であることができる。二流体ノズルは、例えば燃料を原子化する窒素スチーム、又は空気用いることができる。単流体ノズルは、圧力原子化であることができる。幾つかの場合において、第二のFSを、CH4、H2及びPGを含有するストリームに直接的に注入することができる。
【0116】
第二のFSを、コア材料の所望のコーティングを製造するのに十分な量で与えることができる。第一のFSと第二のFSとの典型的な比は、種々の因子に依存し、通常の実験、計算、先行経験又は他の手段により決定することができる。第一のFSと第二のFSとの比は、約10:1~約1:10、例えば約3:1~約1:1、又は約2:1~約1:1(質量)であることができる。
【0117】
コーティングFSの熱分解を促進する温度は、約900℃~約3000℃、たとえば約1300℃~約1900℃、例えば約1400℃~約1800℃の範囲内であることができる。
【0118】
(注入点114の周り及び下流に配置された)コーティング又は仕上げゾーンを、高温ガス状ストリームを反応器に通すことにより、全体的に又は部分的に加熱することができる。幾つかの実施において、コア粒子を形成するのに用いられるプラズマ操作は、コーティングプロセスを実施するのに必要な全ての熱エネルギーを与えるのに十分に高い温度にて実施される。例えば、1つ又はそれより多くの追加のプラズマ源を用いることができる。追加の又は代わりの加熱は、第二のFSを予熱すること、間接熱交換配列内で高温排ガスを循環させること、又は他の手段により与えることができる。第二のFS(又は本開示に記載の方法若しくは装置において用いられる他の供給物)を予熱するのに用いることができる適した温度は、例えば、Austinの1963年6月25日に発行された米国特許第3095273号;Orbachの1966年11月29日に発行された米国特許第3288696号;Chengらの1976年10月5日に発行された米国特許第3984528号;Chengらの1982年2月16日に発行された米国特許第4315901号;Gravleyらの1988年8月23日に発行された米国特許第4765964号;Lynumらの1999年12月7日に発行された米国特許第5997837号、Godalらの2006年8月29日に発行された米国特許第7097822号;Nesterらの2014年10月28日に発行された米国特許第8871173号、又はCA682982において開示された予熱配列に関して教示されたものと同じか類似であることができ、全ての文献は、その全体において参照により本開示に組み入れられる。1つの特定のアプローチは、例えばRumpfらの2010年2月2日に発行され、全体において参照により本開示に組み入れられる米国特許第7655209号に記載のように、例えばプラズマ加熱により加熱され、脱水された、反応器から得られる排ガスを用いる。
【0119】
本発明の幾つかの側面において、プラズマCBをインサイチューでコーティングするのに用いられる炭素生成性FSは、例えば上記のようにCB反応器の仕上げゾーンに導入される。図4に示されるのは、上記に記載されるように本質的に、アーク又はプラズマゾーン109、反応ゾーン110、両方、及び例えば図1の反応器50のCB反応器の仕上げゾーン202を含む装置200である。第二のFSは、スロート122において供給ライン214及び注入点207を介して導入される。コーティング反応は、例えば、コーティング操作の下流にクエンチ8を配置することにより、ゾーン4内に配置される。
【0120】
コア粒子の調製が完了した後に第二のFSを導入することにより、(コーティングFSを熱分解して脱水素分子フラグメントを形成することにより生成した)炭素前駆体は、コア粒子の表面の上に堆積されて(コーティングされて)炭素コーティングを形成する。
【0121】
種々の追加の工程を実施することができる。図2に移って、例えば、チャンバ102の下端は、抽出手段105に接続され、これを通して反応生成物が反応器から除去される。これらは、標準分離手段106、例えばサイクロン及び/又はフィルターに向けることができ、コーティング粒子は、水素及び他の反応生成物若しくは副生成物から分離される。水素は、他の排ガス成分から分離され、例えばPG又はその成分として再利用されることができる。それを、施設において他の操作に用いるか、オフサイトで使用するために輸送することができる。未反応HC、アセチレン及び/又は他の排ガス構成要素は、さらなる使用に向けられるか、使い切られるか、プラズマCBコア粒子の製造において未使用のHCに加えられることができる。
【0122】
幾つかの実施態様において、プラズマ反応器、例えば従来のプラズマ反応器等は、コーティングFS、たとえばNG、メタン、炭化水素、例えばC2~C8炭化水素(例えばプロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブタジエン)、軽質油、重質油、廃棄油、熱分解油、バイオガス、又は炭素と水素を含む他のコーティングFS組成物を用いて、典型的には予め形成されたコア粒子をコーティングするのに用いることができる。ガス状FSは気化を要求しないため、より均一な及び/又はより薄いコーティングを生成することができる。特定の例において、コーティングFSは、S及び/又はNをほとんど又は全く含有しないため、SOx及び/又はNOxの排出を制限し、排ガス浄化要求を低減する。
【0123】
予め形成されたコア材料の量は、通常の実験により決定することができ、理論モデリング、先行経験、又は他の方法に基づくことができる。量の決定において考慮される因子としては、用いられる装置、プロセスパラメータ、用いられるプラズマCB材料の詳細、用いられるFS、及び/又は用いられる他のストリーム、下流工程、目的の特性などを挙げることができる。
【0124】
例示的な実施において、乾燥又は湿潤ケーキシリカは、流体ガスとしてNGを用いて流体エネルギーミルに通される。図2及び3を参照して、ミリングされた混合物は、高温プラズマストリームと混合され、NGは脱水素化され、炭素はシリカ上に堆積する。次いで、ガス及び粒子は、例えば従来の手段により分離することができる。プロセスは、(気化、次いで混合が必要な流体FSから得られるコーティングと比較して)シリカコア上の炭素コーティング、シリカコア/Cコーティングからの高い性能粒子、ほとんど又は全くないSOx及び/又はNOx排出を提供することができる。全炭素量は、通常のプラズマCBを調製するのに必要なものより少ないため、このアプローチは、炭素グリット形成を回避することができる。
【0125】
コーティングFSを、H2、N2、又は例えば上記の他の適したプラズマガスと共に与えることができる。多くの例において、プラズマガス及びガス状FSの注入点(好ましくは下流、電極の後ろの再循環を避けるように)は、プラズマ電極のコーキングを低減するか最小化するように選択される。コーキングは、マイクロ波プラズマプロセスを用いて低減するか、回避することもできる。
【0126】
幾つかの場合において、CBプラズマコア粒子は、1つの工程において調製され、次いでこれらの粒子は、炭素堆積によりコーティングされる仕上げ工程に向けられる。この種類の配列は、「製造ライン」システム、配列又はプロセスと本開示で呼ばれ、互いに独立して実施することができる種々の工程又は単位操作で構成される。このアプローチにおいて、1つの工程を、例えば修繕又は保守のために停止することができる一方、他は作動し続けることができる。種々の操作を同期させる必要は、低減されるか最小化される。他の例において、製造ラインシステム内の工程の2つ又はそれより多くは、相間様式又は同時に動作して、スループットを増加させ、エネルギー要求を最小化し、再利用の利点及び/又は他の利益を実現する。製造ラインシステム又はプロセスは、バッチ、半連続又は連続操作用に構成することができる。類似の製造ライン配列は、プラズマCBコア以外のコアと共に用いることができる。
【0127】
本開示に記載のコーティング粒子は、炭素粒子、たとえば従来のCBの形成と同時に生成されることができる。複合粒子と単相炭素粒子の混合物をそのまま用いることができる。
【0128】
本開示に開示された炭素コーティング粒子は、炭素により全体的に又は部分的に(例えば99%、98%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%又はそれ未満)コーティングされたコアを有することができる。特定の例において、コーティングはアモルファス炭素である。
【0129】
特定の実施において、炭素層又はシェルは、たとえば約20nm~約500nm、たとえば約25nm、50nm、又は100nm~約200nm、約200nm~約300nm、又は約200~約400nmの範囲内の粒子サイズを有するシリカアグリゲート等の一次粒子で製造されたアグリゲートをコーティングする。コーティングは、数nm以下(例えば約0.5~約5nm)程度の薄さであることができる。多くの場合において、コーティングは約20nm程度の厚さであることができる。例えば、コーティングは、0.5~約1nm;0.5nm~約5nm、1nm~約10nm;約1nm~約15nm;又は約1nm~約20nm厚さであることができる。得られたコーティング粒子は、約20nm~約500nmの範囲内の粒子サイズを有することができる。
【0130】
炭素層を、小さいアグロメレート、例えばアグリゲートで製造され、約200nm~約5ミクロン、例えば約200nm~約1ミクロン、たとえば約200nm~約300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、又は900nmの範囲内の典型的なアグロメレート又は塊のサイズを有するアグロメレートの上に堆積させることもできる。
【0131】
例えば1ミクロン以上、多くの場合、2、3、4、又は5ミクロンより大きい特性寸法を有する、より大きいアグロメレート(例えば同じか異なるアグリゲート及び/又はアグロメレートを含む)をコーティングすることもできる。
【0132】
幾つかの場合において、本開示に記載のコーティング粒子は、例えば、炭素コーティングが十分に薄く、及び/又はコアを完全に被覆しない場合において、コア材料に対して特徴的な特性の少なくとも幾らかを維持する。他の場合において、炭素コーティングは、全体の特性を支配する。ゴム用途に対して、薄いコーティングは、後のゴムコンパウンドにおいてコア粒子のモルフォロジー及び/又は他の特性を保持することができる。より厚いコーティングは、主にCB型特性及びゴム性能を付与する働きをすることができる。幾つかの実施において、炭素コーティング粒子は、コア材料に寄与する特性と炭素コーティングによりもたらされた特性とのバランスをとるように設計される。
【0133】
コーティング粒子は、CBを分析するのに用いられるものと同じ特性により特徴づけることができる。これらとしては、以下に制限されないが、比表面積、構造、凝集サイズ、形状、及び分布;並びに表面の化学的及び物理的特性が挙げられる。CBの特性は、当分野で知られている試験により分析的に決定される。例えば窒素吸着表面積及び静的厚さ表面積(STSA)、表面積の別の測定は、ASTM試験手順D6556‐10に準拠して窒素吸着により決定される。ヨウ素価は、ASTM手順D‐1510‐13を用いて測定することができる。CB「構造」は、互いの一次CB粒子の融合により形成されたCBのアグリゲートのサイズ及び複雑さを記載する。本開示で用いられるように、CB構造は、ASTM D‐2414‐13に記載の手順に準拠して、100グラムのCB当たりのオイル(ミリリットル)として表される、未粉砕CBの吸油数(OAN)として測定することができる。圧縮サンプル吸油数(COAN)は、機械的応力の適用により容易に変化しないCB構造の部分を測定する。COANは、ASTM D3493‐13に準拠して測定される。アグリゲートサイズ分布(ASD)は、Brookhaven Instrumentsにより製造されたモデルBI‐DCPにより、ディスク遠心分離光沈降速度測定を用いるISO15825法に準拠して測定される。
【0134】
特定の用途に適した特性を有するCB材料を、Cabot Corporation仕様(ウェブサイトwww.cabot‐corp.comを参照)又は他の市販のグレードの仕様により、ASTM標準(例えばゴム製品において用いられるカーボンブラックに関するASTM D1765‐03標準分類システムを参照)により選択し、定義することができる。
【0135】
本開示で開示されたコーティング粒子は、ASTM D6556の手順に準拠してBrunauer/Emmett/Teller(BET)法により測定された、5m2/g~300m2/g、例えば50m2/g~300m2/g、例えば100m2/g~300m2/gのBET表面積を有することができる。幾つかの場合において、BET表面積は約100m2/g~約200m2/gの範囲内である。他の場合において、BET表面積は、約200m2/g~約300m2/gの範囲内である。吸油数(OAN)は、40mL/100g~200mL/100g、例えば60mL/100g~200mL/100g、たとえば80mL/100g~200mL/100g、例えば100mL/100g~200mL/100g、又は120mL/100g~200mL/100g、mL/100g140mL/100g~200mL/100gmL/100g、160~200mL/100g、又はたとえば40mL/100g~150mL/100g、又は40mL/100g~150mL/100gであることができる。STSAは、約5m2/g~約275m2/g、例えば約30m2/g~約250m2/g、たとえば30m2/g~200m2/gの範囲内であることができる。COANは、約40mL/100g~約150mL/100g、例えば約55mL/100g~約150mL/100g、たとえば80mL/100g~120mL/100gの範囲内であることができる。特定の実施において、炭素コーティング粒子は、約30~約250m2/gの範囲内のSTSA;及び約55~約110cc/100gの範囲内のCOANを有する。他の例において、STSAは、約30~約250m2/gの範囲内であり;COANは、約55~約150cc/100gの範囲内である。幾つかの場合において、本開示に開示されたコーティング粒子は、約30~約250m2/gの範囲内のSTSA、及び約55~約400cc/100gの範囲内のOANを有することができる。
【0136】
幾つかの例において、炭素コア及び炭素外部領域は、異なる特性及びエラストマー分子との相互作用の異なる水準、及びゴム複合体における性能を示す。例えば上記のプラズマプロセス等の集合プロセスにおいて、コア粒子の特性は、第二のFSを加えることなく全体のプロセスを実行すること、したがって1つ又はそれより多くの適した方法により検討することができる得られる未コーティングコア粒子により決定することができる。第二のFSの導入は、調べることもできるコーティング粒子を製造する。コア粒子に関して得られた結果、及びコーティング粒子に関して得られた結果は、次いで比較することができる。望む場合には、性能の相間を見積もることができる。
【0137】
他のアプローチを用いることができる。例えば、再生熱分解炭素を用いるコアは、コア中に典型的に存在し、炭素コーティングにおいて見られない要素(例えばアルミナ、シリカ、酸化亜鉛など)に基づく外部炭素層と区別することができる。
【0138】
本開示に記載のコーティング粒子にさらなる処理を行うことができる。望む場合には、例えば、それは、CB材料で知られ、実施されるような方法により表面処理されるか、表面修飾されることができる。
【0139】
したがって、コーティング粒子は、その表面に吸着されるイオン性又は非イオン性の小分子及び/又はポリマーを含有するように調製されることができる。
【0140】
特定の例において、炭素コーティング粒子は、炭素表面に直接的に結合した官能基(例えばイオン性又は非イオン性の小分子又はポリマー由来)を有する。CB粒子の表面に直接的に(例えば共有)結合することができる官能基、及び表面修飾を実施する方法の例は、例えば1996年9月10日に発行されたBelmontの米国特許第5554739号、及び1999年7月13日に発行されたJohnsonらの米国特許第5922118号に記載され、両方の技術は、その全体において参照により本開示に組み入れられる。1つの例として、本開示で用いることのできる表面修飾CBは、スルファニル酸又はパラ‐アミノ‐安息香酸(PABA)とHCl及びNaNO2との反応により形成されたジアゾニウム塩によりCBを処理することにより得られる。ジアゾニウム塩を用いるスルファニル又はパラ‐アミノ安息香酸プロセスによる表面修飾は、例えば、炭素コーティング上に有効量の親水性部分を有するCBをもたらす。
【0141】
炭素コーティング粒子の表面に結合した官能基を与えるのに用いることができる他の方法は、2007年11月27日に発行されたNiedermeierらの米国特許第7300964号に記載される。
【0142】
酸化(修飾)炭素コーティング粒子は、例えば、全体において参照により本開示に組み入れられる2011年4月12日に発行されたKowalskiらの米国特許第7922805号、及び2002年10月20日に発行されたKarlの米国特許第6471763号に記載されるCB上で用いられるものと同様に調製することができる。酸化炭素コーティング粒子は、表面の上にイオン性及び/又はイオン化性基を導入するために、酸化剤を用いて酸化されたものである。係る粒子は、表面に、より高い程度の酸素含有基を有することができる。酸化剤としては、以下に制限されないが、酸素ガス、オゾン、過酸化物、たとえば過酸化水素、過硫酸ナトリウム及びカリウムなどの過硫酸塩、次亜塩素酸ナトリウム等のハイポハライト、硝酸等の酸化酸、及び酸化剤、たとえば過マンガン酸塩、四酸化オスミウム、酸化クロム、又は硝酸セリウムアンモニウム等を含有する遷移金属が挙げられる。酸化剤の混合物、特にガス状酸化剤、たとえば酸素及びオゾンの混合物を用いることもできる。塩素化及びスルホニル化等の他の表面修飾方法を用いてイオン性又はイオン化性基を導入することもできる。
【0143】
特定の実施態様において、コーティング粒子は、全体において参照により本開示に組み入れられる、Belmontらの米国特許第8975316号の方法により表面修飾される。
【0144】
コーティング粒子は、種々の用途において、例えばゴム製品、例えばタイヤ構成要素の強化材として用いることができる。特定のメカニズムにより束縛されることは望まないが、CBゴム相互作用の活性が、CB表面が形成される分子の種類に直接的に又は間接的に関連すると考えられる。
【0145】
本発明のさらなる側面は、例えば、未修飾の又は表面修飾された炭素コーティング粒子を含む、本開示に記載のコーティング粒子の最終用途に関する。例えば、粒子を、例えばタイヤスレッド、特に乗用車、小型乗用車、トラック及びバスタイヤ、オフロード(「OTR」)タイヤ、航空機タイヤなどのトレッド;サブトレッド;ワイヤースキム、側壁、再処理タイヤのクッションゴム;及び他のタイヤ用途において用いられるゴム物品に組み入れることができる。他の用途において、粒子は、産業用ゴム物品、たとえばエンジンマウント、ハイドロマウント、橋梁支承及び免震装置、タンクトラック又はトレッド、鉱業用ベルト、ホース、ガスケット、シール、ブレード、隙間充填物品、バンパー、耐振動性部品などで用いることができる。
【0146】
粒子を、タイヤ構成要素及び/又は他の産業用ゴム最終用途に関する従来の強化剤の代わりに、又は加えて、加えることができる。多くの場合において、それは、ゴム製品に未使用のCBを導入する知られている方法と同じか類似する方法で与えられる。例えば、本開示に記載の材料を、内部バッチミキサ、連続ミキサ又はロールミルに基づく適した乾燥混合プロセスにおいて、天然及び/又は合成ゴムと組み合わせることができる。
【0147】
代わりに、本開示に記載のコーティング粒子を液体マスターバッチプロセスを介してゴムに混合することができる。例えば、本開示に記載の粒子を含有するスラリーは、バットにおいてエラストマーラテックスと混合し、次いで米国特許第6841606号に記載の方法を用いて、酸等の凝固剤の添加により凝固させることもできる。
【0148】
特定の実施態様において、粒子は、全体において参照により本開示に組み入れられる、2000年4月11日に発行されたMabryらの米国特許第6048923号の教示にしたがって導入される。例えば、エラストマーマスターバッチの調製方法は、凝固反応器の混合ゾーンに粒状フィラー流体及びエラストマーラテックス流体を同時に供給することを含むことができる。凝固ゾーンは、混合ゾーンから、好ましくは入口端から排出端まで、下流方向の断面積が徐々に増加するように伸びる。エラストマーラテックスは、天然又は合成であることができ、粒状フィラーは、上記のような材料を含むか、本質的にこれからなるか、又はこれからなる。粒状フィラーは、混合ゾーンに、好ましくは注入流体の連続した高い速度ジェットとして供給され、一方でラテックス流体は、低い速度にて供給される。粒状フィラー流体の速度、流量及び粒状物濃度は、排出端より前に、粒状フィラーによりエラストマーラテックスを実質的に完全に凝固させるように、ラテックス流体の高いせん断及び凝固ゾーンの少なくとも上流部分内の混合物の流れ乱流により混合物を生じさせるのに十分である。実質的に完全な凝固は、酸又は塩凝固剤の必要なしに起こることができる。全体において参照により本開示に組み入れられる米国特許第6075084号に開示されるように、追加のエラストマーを、凝固反応器の排出端から出る材料に加えることができる。全体において参照により本開示に組み入れられる米国特許第6929783号において開示されるように、凝固物を、次いで脱水押出し機に供給することができる。適したマスターバッチプロセスの他の例は、Chungらによる米国特許第6929783号;Berriotらによる米国特許出願公開第2012/0264875号;Yanagisawaらによる米国特許出願公開第2003/0088006号;及びYamadaらによる欧州特許第1834985号に開示される。
【0149】
粒子は、天然又は合成ゴムを用いて適したゴム配合物中で評価することができる。用いられるコーティング粒子の適した量は、比較可能な製造プロセスにおける標準ASTMファーネスブラックの典型的な量、方法に特有のパラメータ、及び/又は用いられる装置、他の添加剤のあり又はなし、最終製品に望まれる特性などの因子を考慮に入れることにより、通常の実験、計算により決定することができる。
【0150】
ゴム化合物の強化剤としての本開示に記載のコーティング粒子の性能は、例えば、所定の用途に適したCBグレードを使用することを除いて、全ての点において類似する匹敵するゴム組成物の性能に対して、粒子を用いたゴム組成物の性能を決定することにより評価することができる。他のアプローチにおいて、本発明により調製された組成物に関して得られる値は、所定の用途において望まれるパラメータと関連して当分野で知られている値と比較することができる。
【0151】
適した試験としては、グリーンゴム試験、硬化試験、及び硬化ゴム試験が挙げられる。適切なグリーンゴム試験の中で、ASTM D4483は、100℃におけるML1+4ムーニー粘度試験に関する試験方法を記載する。スコーチ時間は、ASTM D4818に準拠して測定される。
【0152】
硬化曲線は、ASTM D5289に準拠して、0.5°、100cpm、及び150c(NR)~160C(SBR)にて、ゴムプロセスアナライザー(RPA2000)により得られる。
【0153】
硬化サンプルの性能特性は、一連の適切な試験により決定することができる。引張強度、破断伸び、及び種々の歪み(例えば100%及び300%)における応力は、ASTM D412法Aを介して全て得られる。貯蔵弾性率、損失弾性率、及びtanδを含む動的機械特性は、10Hz、60C、及び0.1%~63%の種々の歪み振幅における歪み掃引試験により得られる。ショアA硬度は、ASTM D2240に準拠して測定される。ダイB型硬化ゴムサンプルの引き裂き強度は、ASTM D624に準拠して測定される。
【0154】
未分散領域は、種々の報告されている方法にしたがって、切断断面積の硬化ゴムコンパウンドに関して反射モード光学顕微鏡により得られた画像を分析することにより算出される。分散は、Kautschuk Gummi Kunststoffe、58Jahrgang、NR7‐8/2005において、New Reference value for the description of Filler Dispersion with the Dispergrader 1000NTというタイトルのS.Otto及びAlにより記載される方法に従って網目化された後に測定される)Z値により表すこともできる。標準ISO11345は、ゴム中のCB及びCB/シリカのマクロ分散の程度の迅速な相対評価に関する視覚的方法を記載する。
【0155】
耐摩耗性は、Cabot Abrader(Lamboun型)による硬化ゴムの摩擦損失に基づく指数として定量化される。魅力的な耐摩耗性結果は、有利な摩擦特性を示す可能性がある。良好なヒステリシス結果は、動力車タイヤ応用に関して低い転がり抵抗(及びそれに応じたより高い燃費)、発熱量の低減、タイヤ耐久性、トレッド寿命及びケーシング寿命、動力車の燃費特性などに関連する可能性がある。
【0156】
本発明は、以下の非制限的な例によりさらに記載される。
【0157】
例1
実験は、図1に示されるようなCB反応器を用いてパイロットプラントにおいて実施された。ランA、B及びCの条件は、表1に示される。
【0158】
各場合において、1.43~1.67の燃焼ゾーン等量比が用いられた。これは、30~40%の燃料の豊富な燃焼反応を構成する。燃焼反応に関する一次燃料は天然ガスであり、ストリーム9を通して反応器に導入された。CB形成プロセスに供給された天然ガスは、約77°Fの概ね環境温度であった。用いられる液体炭素FSは、MacKayらの米国特許第5190739号に列記された典型的な特性を有する市販で入手可能なFSであった。シリカコアを形成する前駆体は、Dow Corning coportation、Midland、MIにより供給されるオクタメチルシクロテトラシロキサン[D4]であった(Xiameter(登録商標)brand)。CB生成性FS及び前駆体の両方は、ストリーム6を通してゾーン3における燃焼ゾーンにおいて形成された高温ガスのストリームの存在下で共注入された。液体ケイ素含有前駆体及び液体CB生成性FSは、表1に示される可変の量でプロセスに導入された。反応は、ゾーン8における水クエンチを用いて停止された。
【0159】
【表1】
【0160】
上記のように調製され、表1に示される特性を有するシリカコアと炭素コーティングとを有する得られた粒子を、透過型電子顕微鏡(TEM)により観察した。
【0161】
試料は、アルコール及びクロロホルム中での超音波処理、並びに穴あき炭素グリッドの上への滴下により調製された。分散体は、穴の上のアグリゲートの様子を得るのに十分であることがわかった。図5に示されるように、支配的な微細構造は、炭素の1~5nmの厚さの層によりコーティングされた房状のシリカであった。これは、シリカコアのアモルファスコントラストと、炭素コーティングの乱層フリンジにより決定された。炭素コーティングシリカは、個々の一次粒子ではなく全体として凝集する。幾つかの単相CB粒子も観察された。
【0162】
例2
天然に存在するナノシリカドメインを約20%含有する粉砕されたもみ殻粒子は、質量損失フィーダー(Schenck Process、Chagrin Falls、OHにより製造されたSchenck AccuRate Mechatron MC Feeder)により、燃焼ゾーンに供給された予熱された空気に向けて、図1のストリーム5に加えられる。空気は25%酸素まで高められる。プロセスは、図1に示されるような反応器内で実施される。粒子は、燃焼ゾーンを通して運ばれ、空気ダクト、及び特に燃焼ゾーン両方において高温及び過剰な酸素の存在のために、もみ殻中の外部炭素質材料のかなりの部分が、シリカの小ドメインを残しつつ気化される。これらの粒子は、燃焼ガスと共に反応ゾーン(図1のゾーン3)に運ばれる。CB FSは、流れに直交するストリーム6を介して燃焼ガスストリーム中に噴霧され、気化され、その後核形成及び熱分解が起こり始める。燃焼ゾーンでの大量のシリカ粒子の存在のために、堆積は核形成より有利であり、形成されるCBの大部分は、既存のシリカ粒子の上にコーティングとして堆積される。反応混合物は、水により下流(ゾーン8)でクエンチされて、コーティング粒子は冷却され、熱分解反応は停止される。結果は、主にシリカで構成された内部とCBの外部コーティングとを含む粒子である。表2は、反応器への種々の投入流量を示す。
【0163】
【表2】
【0164】
例3
160m2/gの表面積を有するPSを、適切な界面活性剤と共にせん断混合タンク内でCB FSと混合し、30質量%PSのスラリーを製造する。プロセスは、図1に示されるような反応器内で実施される。燃焼燃料は、燃焼ゾーン1内の過剰の空気により燃やされ、高温生成物ガスは、下流の反応ゾーン3に運ばれる。CB FS/PSスラリーは、圧力下で、燃焼ガス流に垂直に、ストリーム6を通して反応器に注入される。FSは、シリカ後方の多孔質液的形状ドメインを残しつつ、始めに気化される。気化されたCB FSが熱分解し、凝縮し始めた際、シリカ粒子の上への堆積は核形成を支配し、形成されるCBの大部分は、既存のシリカ粒子の上のコーティングである。反応混合物は、水により下流(ゾーン8)でクエンチされて、コーティング粒子は冷却され、熱分解反応は停止される。表3は、反応器への種々の投入流量を示す。
【0165】
【表3】
【0166】
例4
再生熱分解炭素粒子は、質量損失フィーダー(Schenck Process、Chagrin Falls、OHにより製造されたSchenck AccuRate Mechatron MC Feeder)により、燃焼ゾーンに供給された予熱された空気(図1のストリーム5)に向けて、反応器の上流に加えられる。空気は25%酸素まで高められる。粒子は、燃焼ゾーンを通して運ばれ、空気ダクト、及び特に燃焼ゾーン両方において高温及び過剰な酸素の存在のために、粒子のかなりの部分が、燃焼ガスストリーム中に残っている粒子の幾らかの部分を残しつつ気化される。燃焼ゾーンで消費される炭素は、燃焼燃料として天然ガスと置き換わる。粒子は、燃焼ガスと共に反応ゾーン(図1のゾーン3)に運ばれる。CB FSは、流れに直交するストリーム6を介して燃焼ガスストリーム中に噴霧され、気化され、その後核形成及び熱分解が起こり始める。炭素コーティングは、再生熱分解炭素コアの上に堆積される。反応混合物は、水により下流(ゾーン8)でクエンチされて、コーティング粒子は冷却され、熱分解反応は停止される。結果は、主に再生熱分解炭素で構成された内部とCBの外部コーティングとを含む粒子である。表4は、反応器への種々の投入流量を与える。
【0167】
【表4】
【0168】
例5
湿潤ケーキの形態で約160m2/gの表面積(SA)を有するPSは、流体エネルギーミルを用いて粉砕される。粉砕された材料は、空気又は窒素等のガスであることができるストリーム10を通して燃焼ゾーンに運ばれる。水は、燃焼反応から熱により追い出され、シリカ粒子は、燃焼ガス流に同伴される。CB FSは、燃焼流に直交するストリーム6を介して燃焼ガスストリーム中に噴霧され、気化され、その後核形成及び熱分解が起こり始める。炭素コーティングは、PSコアの上に堆積される。反応混合物は、水により下流(ゾーン8)でクエンチされて、コーティング粒子は冷却され、熱分解反応は停止される。結果は、主にシリカで構成された内部とCBの外部コーティングとを含む粒子である。反応器への種々の投入流量は、図5に示される。
【0169】
【表5】
【0170】
例6
図3に示されるようなプラズマ反応器において、500Nm3/hの水素流がポート107を通して加えられる。電極(108)は2.0MWの電力を供給され、高温プラズマガスを作り出す。高温プラズマガスは、直径2.5インチの縮小部(スロート)120に速度を増加させつつ通過させる。注入位置13において、150kg/hの液体炭化水素FSが、放射状に配置された3つの加圧されたノズル(各々0.5mmのオリフィスを有する、700psig)を通して流れている高温プラズマガスに加えられる。用いられる液体炭素FSは、デカントオイル(市販で入手可能なCB FS)である。高温プラズマガスと混合した際、液体炭化水素FSは熱分解を受けてCB及び水素ガスを形成する。高温H2と他の排ガスと、CBとの混合物は、次いで、収束ゾーン116及び3インチの直径を有する縮小部(スロート)122を通して加速され、75kg/hの液体炭素FS(またデカントオイル)の位置114における第二の注入は、3つの放射状に配置された加圧された先端(各々0.4mmのオリフィスを有する、400psig)を通して混合物に加えられる。このCBとH2への第二のFS熱分解は、ゾーン110内で形成されたプラズマCBコア粒子を優先的にコーティングし、その質量を増加させ、その表面積を減少させ、その構造を増大させる。
【0171】
例7
図3に示されるようなプラズマ反応器において、500Nm3/hの水素流がポート107を通して加えられる。電極(108)は2.0MWの電力を供給され、高温プラズマガスを作り出す。高温プラズマガスは、直径2.5インチの縮小部(スロート)120に速度を増加させつつ通過させる。位置113において、440Nm3/hのメタンが、3つの放射状に配置された各々直径6.5mmの注入ポートを通してプラズマガス中に注入される。プラズマガスとの衝突及び混合の際、メタンは熱分解を受けてCB及び水素ガスを形成する。高温H2と他の排ガスと、CBとの混合物は、次いで、収束ゾーン116及び3インチの直径を有する縮小部(スロート)122を通して加速され、75kg/hの液体炭素FS(またデカントオイル)の位置114における第二の注入は、3つの放射状に配置された加圧された先端(各々0.4mmのオリフィスを有する、400psig)を通して混合物に加えられる。このCBとH2への第二のFS熱分解は、ゾーン110内で形成されたプラズマCBコア粒子を優先的にコーティングし、その質量を増加させ、その表面積を減少させ、その構造を増大させる。
【0172】
本発明が好ましい実施態様を参照して特に示され、記載される一方、形態及び詳細における種々の変更を、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱することなくなすことができることが、当業者により理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-01-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CB反応器又はその仕上げ区画内で炭素層によりコア粒子をコーティングして、炭素コーティング粒子を形成することを含み、コア粒子が非炭素コア粒子、プラズマCBコア粒子又は予め形成されたコア粒子である、炭素コーティング粒子の製造方法。
【外国語明細書】