(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048166
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】高解像度有機発光ダイオードデバイス
(51)【国際特許分類】
H05B 33/02 20060101AFI20220317BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220317BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220317BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20220317BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20220317BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
H05B33/02
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/12 B
H05B33/22 Z
G09F9/30 365
G09F9/30 338
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022000293
(22)【出願日】2022-01-04
(62)【分割の表示】P 2019149320の分割
【原出願日】2013-09-19
(31)【優先権主張番号】61/753,692
(32)【優先日】2013-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/030,776
(32)【優先日】2013-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513317345
【氏名又は名称】カティーバ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140833
【弁理士】
【氏名又は名称】岡東 保
(72)【発明者】
【氏名】コナー マディガン
(57)【要約】
【課題】高解像度有機発光ダイオードデバイスの提供。
【解決手段】有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを製造する方法は、第1のサブピクセルと関連付けられる第1の電極および第2のサブピクセルと関連付けられる第2の電極を基板上に提供するステップを含むことができ、間隙が、第1の電極と第2の電極との間に形成され、第1の電極および第2の電極は、基板上の閉じ込め構造によって画定される境界を有する、ウェルの中に位置付けられる。本方法はまた、基板から外方を向く活性OLED材料の層の表面が非平面的なトポグラフィを有するようにウェルの境界に及ぶ、活性OLED材料の実質的に連続的な層を形成するように、その中に位置付けられた電極を伴うウェルの中に、活性OLED材料を堆積させるステップを含むこともできる。堆積させるステップは、インクジェット印刷を介し得る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を備える、有機発光ダイオードディスプレイ、
基板上に配置された第1の電極と、
前記基板上に配置され、前記第1の電極から間隔をあけて配置された第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極の上に適合して配置され、非平面的な表面トポグラフィを有する複数の連続した活性有機発光材料層と、
前記複数の活性有機発光材料層の上に配置された共通電極と、
を備える有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項2】
前記複数の活性有機発光材料層は、実質的に均一な厚さを有する請求項1に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項3】
前記複数の活性有機発光材料層は、前記複数の活性有機発光材料層の端部近傍に厚さの局所的な不均一性を有する請求項1または2に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項4】
前記活性有機発光材料層の各々は、前記第1の電極および前記第2の電極の厚さよりも小さい厚さを有する請求項1~3のいずれかに記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項5】
前記複数の活性有機発光材料層は、発光材料と正孔導電材料を含む請求項1~4のいずれかに記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項6】
前記正孔導電材料は、正孔注入材料および正孔輸送材料の内の少なくとも一方である請求項5に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項7】
前記第1の電極および前記第2の電極の間のギャップ内に位置する前記基板上の構造と、
前記構造上に堆積された第1の画定層と、
をさらに備える請求項1~6のいずれかに記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項8】
前記基板と、前記第1の電極および前記第2の電極の一部の上に設けられた第2の画定層をさらに備える請求項1~7のいずれかに記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項9】
前記第1の画定層および前記第2の画定層の内の少なくとも一方は、電気抵抗材料を含む請求項7または8に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項10】
40%より大きいフィルファクターを有する請求項1~9に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項11】
少なくとも100ppiの解像度を有する請求項1~10に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項12】
前記複数の連続した活性有機発光材料層は、前記基板上に配置され、前記第1の電極および前記第2の電極の一部を覆う閉じ込め構造によって規定される閉じ込めウェル内に配置される請求項1に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項13】
前記閉じ込め構造と前記第1の電極および前記第2の電極との間に配置された画定層をさらに備える請求項12に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項14】
前記第1の電極および前記第2の電極の間のギャップ内に位置する前記基板上の構造と、
前記構造上に堆積された第1の画定層と、
をさらに備える請求項12に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項15】
以下を備える、有機発光ダイオードディスプレイ、
基板上に配置された第1の電極と、
前記基板上に配置され、第1の電極から間隔をあけて配置された第2の電極と、
前記第1の電極および前記第2の電極の間に位置する前記基板上の突出と、
構造、第1の電極、および第2の電極の上に適合して配置され、非平面的な表面トポグラフィを有する複数の連続した活性有機発光材料層と、
前記複数の有機発光材料層の上に配置された共通電極と、
を備える有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項16】
前記複数の活性有機発光ダイオード材料層は、実質的に均一な厚さを有する請求項15に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項17】
前記活性有機発光材料層の各々は、前記第1の電極および前記第2の電極の厚さよりも小さい厚さを有する請求項15に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項18】
前記複数の活性有機発光材料層は、発光材料と正孔導電材料を含む請求項15に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項19】
前記複数の連続した活性有機発光材料層は、前記基板上に配置され、前記第1の電極および前記第2の電極の一部を覆う閉じ込め構造によって規定される閉じ込めウェル内に配置される請求項15に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【請求項20】
前記閉じ込め構造と前記第1の電極および前記第2の電極との間、並びに前記突出と前記複数の連続活性有機発光材料層との間に配置された画定層をさらに備える請求項19に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2013年1月17日に出願された米国仮特許出願第61/753,962号および2013年9月18日に出願された米国非仮特許出願第14/030,776号に基づく優先権を主張し、それらは両方とも、その全体が参照によって本明細書中に援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示の側面は、概して、電子ディスプレイ、および電子ディスプレイを作製するための方法に関する。より具体的には、本開示の側面は、高解像度ディスプレイを製作するように、基板上に有機発光層を堆積させることに関する。
【背景技術】
【0003】
(導入)
本明細書で使用される節の見出しは、編成目的のためにすぎず、いかようにも説明される主題を限定すると解釈されるものではない。
【0004】
電子ディスプレイは、例えば、テレビ画面、コンピュータモニタ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ハンドヘルドゲーム機等の多くの異なる種類の電子機器の中に存在する。一種の電子ディスプレイは、有機発光ダイオード(OLED)技術に依拠する。OLED技術は、基板上に配置された2つの電極の間に挟持される有機発光層を利用する。電圧を電極間に印加することができ、電荷担体を励起させ、有機発光層に注入させる。電荷担体が正常なエネルギー状態に緩和して戻ると、発光が光電子放出を通して起こり得る。扱われたピクセル内のみで発光を生じるように、各ピクセルを個別に扱うことができるため、OLED技術は、比較的高いコントラスト比を伴うディスプレイを提供することができる。OLEDディスプレイはまた、ピクセルの発光性質による、広視野角を提供することもできる。OLEDピクセルは、直接駆動されたときにしか電力を消費しないため、OLEDディスプレイの電力効率を他のディスプレイ技術と比べて向上させることができる。加えて、生産されるパネルは、ディスプレイ自体内および薄いデバイス構造内の光源の必要性を排除する本技術の発光性質により、他のディスプレイ技術におけるものよりは
るかに薄くあり得る。OLEDディスプレイはまた、活性OLED層の柔軟性により、可撓かつ屈曲可能であるように製作されることもできる。
【0005】
インクジェット印刷は、OLED製造で利用することができかつ製造費を削減し得る技法である。インクジェット印刷は、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子遮断層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層、および正孔遮断層を含む、1つ以上の活性OLED層を生成するために、OLED層材料と、高速でノズルから放出される1つ以上のキャリア液体とを含むインクの液滴を使用する。
【0006】
サブピクセルを形成し、OLEDインクが画定されたサブピクセルの間で拡散することを防止するために、バンク等の閉じ込め構造が、閉じ込めウェルを画定するように基板上に提供される。インクジェット印刷方法は、かなりの精度を必要とし得る。具体的には、ピクセル密度が増加すると、閉じ込めウェルの閉じ込め領域が縮小され、液滴配置のわずかな誤差が、液滴を意図したウェルの外側に堆積させ得る。また、液滴体積が、閉じ込めウェルに対して大きすぎ得、液滴が、望ましくないほど隣接サブピクセルの中へ溢れ得る。加えて、薄膜乾燥の不完全により、非一様性が閉じ込めウェルの縁に形成され得る。閉じ込めウェル領域が縮小されると、非一様性がピクセルの活性放射領域上に侵入し、非一様性によって引き起こされる、ピクセルからの発光に望ましくない視覚アーチファクトを生成し得る。加えて、各ピクセルの活性領域および非活性領域の両方である全領域に対する活性領域の比(「フィルファクター」と称される)が、閉じ込め構造により低減させられ、これは順に、ディスプレイの寿命を短縮させ得る。なぜなら、均等なディスプレイ輝度レベルを達成するためにより多くの電流を使用して、各ピクセルが駆動されなければならず、各ピクセルを駆動するためにより多くの電流を使用することは、ピクセル寿命を短縮することが知られているからである。
【0007】
従来のインクジェット方法は、OLED製造と関連付けられる課題のうちのいくつかに対処するが、改良の継続的な必要性が存在する。例えば、特に、高い解像度(すなわち、高いピクセル密度)を有するOLEDディスプレイについて、液滴配置精度に対するOLED製造プロセスの感度を低減させる継続的な必要性が存在する。また、高解像度ディスプレイの中の有機発光層の堆積によって生成される望ましくない視覚アーチファクトを低減させる必要性が存在する。また、活性要素と関連付けられる領域が増大させられるように、各ピクセルのフィルファクターを向上させることによって、デバイス寿命を向上させる必要性も存在する。さらに、許容可能な解像度、電力効率、ディスプレイ寿命、および製造費を達成することにおいて課題を提起する高解像度ディスプレイ用途(例えば、高解像度携帯電話およびタブレットコンピュータを含むが、それらに限定されない)においてOLEDディスプレイを使用および製造することの改良の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(概要)
本開示は、上記の問題のうちの1つ以上を解決し、かつ/または上記の望ましい特徴のうちの1つ以上を達成し得る。他の特徴および/または利点が、以下に続く説明から明白になり得る。
【0009】
本開示の例示的実施形態によると、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを製造する方法は、第1のサブピクセルと関連付けられる第1の電極および第2のサブピクセルと関連付けられる第2の電極を基板上に提供することを含むことができ、間隙が、第1の電極と第2の電極との間に形成され、第1の電極および第2の電極は、基板上の閉じ込め構造によって画定される境界を有するウェルの中に位置付けられる。本方法はまた、電極が中に位置付けられたウェルの中に、活性OLED材料を堆積させることにより、ウェ
ルの境界に及ぶ活性OLED材料の実質的に連続的な層を形成することを含むこともでき、それによって、基板から外方を向く活性OLED材料の層の表面が非平面的なトポグラフィを有する。堆積させることは、インクジェット印刷を介し得る。本開示はまた、上記の方法に従って作製される有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイも想定する。
【0010】
本開示の付加的な例示的実施形態によると、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイは、基板上に配置される第1の電極であって、第1の電極は、第1のサブピクセルと関連付けられる、第1の電極と、基板上に配置される第2の電極であって、第2の電極は、第1および第2の電極の間に間隙を提供するように第1の電極から離間され、第2の電極は、第2のサブピクセルと関連付けられる、第2の電極とを含むことができる。ディスプレイはさらに、第1の電極および第2の電極を含むウェルの境界を画定するように、基板上に位置付けられる閉じ込め構造と、ウェルの境界に及び、第1の電極および第2の電極を覆って配置される実質的に連続的な活性OLED材料層とを含むことができ、基板から外方を向く活性OLED材料層の表面は、非平面的なトポグラフィを有する。
【0011】
付加的な目的および利点が、以下に続く説明で部分的に記載され、かつ説明から部分的に明白となり、または本教示の実践によって習得され得る。本開示の目的および利点のうちの少なくともいくつかは、添付の特許請求の範囲で具体的に指摘される要素および組み合わせを用いて、実現および達成され得る。
【0012】
前述の一般的説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的にすぎず、請求されるように、本発明を制限しないことを理解されたい。本発明は、その最も広い意味では、これらの例示的側面および実施形態の1つ以上の特徴を有することなく実践できることを理解されたい。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイであって、前記ディスプレイは、
基板上に配置された第1の電極であって、前記第1の電極は、第1のサブピクセルと関連付けられる、第1の電極と、
前記基板上に配置された第2の電極であって、前記第2の電極は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に間隙を提供するように前記第1の電極から離間され、前記第2の電極は、第2のサブピクセルと関連付けられる、第2の電極と、
前記第1の電極および前記第2の電極を含むウェルの境界を画定するように、前記基板上に位置付けられた閉じ込め構造と、
前記ウェルの前記境界に及び、前記第1の電極および前記第2の電極の上に配置されている実質的に連続的な活性OLED材料の層であって、前記基板から外方を向く前記活性OLED材料層の表面は、非平面的なトポグラフィを有する、活性OLED材料の層と
を備える、ディスプレイ。
(項目2)
前記活性OLED材料の層は、実質的に一様な厚さを有する、項目1に記載のディスプレイ。
(項目3)
前記活性OLED材料の層は、厚さの局所的な非一様性を含み、例えば、前記厚さの局所的な非一様性は、前記ウェルの表面特徴の縁の5μm~10μm以内にある、項目1または2に記載のディスプレイ。
(項目4)
前記活性OLED材料の層は、前記第1の電極および前記第2の電極の厚さより小さい厚さを有する、項目1~3のいずれか一項に記載のディスプレイ。
(項目5)
前記活性OLED材料は、発光材料および/または正孔伝導材料を含む、項目1~4の
いずれか一項に記載のディスプレイ。
(項目6)
前記正孔伝導材料は、正孔注入材料および/または正孔輸送材料である、項目5に記載のディスプレイ。
(項目7)
前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記間隙内で前記基板上に構造を提供すること、および/または前記構造上に第1の画定層を堆積させることをさらに含む、項目1~6のいずれか一項に記載のディスプレイ。
(項目8)
前記基板ならびに前記第1の電極および前記第2の電極の一部分の上に第2の画定層を堆積させ、次いで、前記第2の画定層の上に前記閉じ込め構造を堆積させることをさらに含む、項目1~7のいずれか一項に記載のディスプレイ。
(項目9)
前記第1の画定層および/または前記第2の画定層は、電気抵抗材料を含む、項目7または8に記載のディスプレイ。
(項目10)
前記ディスプレイは、40%より大きい、例えば、60%より大きいフィルファクターを有する、項目1~9のいずれか一項に記載のディスプレイ。
(項目11)
前記ディスプレイは、少なくとも100ppi、例えば、少なくとも300ppiの解像度を有する、項目1~10のいずれか一項に記載のディスプレイ。
(項目12)
前記ディスプレイは、トップエミッションディスプレイである、項目1~11のいずれか一項に記載のディスプレイ。
(項目13)
前記ディスプレイは、アクティブマトリクスデバイスである、項目1~12のいずれか一項に記載のディスプレイ。
(項目14)
有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを製造する方法であって、前記方法は、
第1のサブピクセルと関連付けられる第1の電極および第2のサブピクセルと関連付けられる第2の電極を基板上に提供することであって、間隙が、前記第1の電極と前記第2の電極との間に形成され、前記第1の電極および前記第2の電極は、前記基板上の閉じ込め構造によって画定される境界を有するウェルの中に位置付けられる、ことと、
前記電極が中に位置付けられた前記ウェルの中に、活性OLED材料を堆積させることにより、前記ウェルの前記境界に及ぶ活性OLED材料の実質的に連続的な層を形成することであって、それによって、前記基板から外方を向く活性OLED材料の層の表面は、非平面的なトポグラフィを有し、前記堆積させることは、インクジェット印刷を介する、ことと
を含む、方法。
(項目15)
項目14に記載の方法を使用して形成される装置。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、説明とともに本開示のいくつかの例示的実施形態を図示する添付の図面は、特定の原理を説明する働きをする。
【
図1】
図1は、従来のピクセル配置の部分平面図である。
【
図2】
図2は、本開示による、例示的なピクセル配列の部分平面図である。
【
図3A】
図3Aは、本開示による、例示的実施形態の
図1の線3A-3Aに沿った閉じ込めウェルの断面図である。
【
図3B】
図3Bは、本開示による、例示的実施形態の
図1の線3B-3Bに沿った複数の閉じ込めウェルの断面図である。
【
図4】
図4は、本開示による、閉じ込めウェルの別の例示的実施形態の
図3Aの図に類似する断面図である。
【
図5A】
図5Aは、本開示による、閉じ込めウェルの別の例示的実施形態の
図3Aの図に類似する断面図である。
【
図5B】
図5Bは、本開示による、閉じ込めウェルの別の実施形態の
図3Bの図に類似する断面図である。
【
図6】
図6は、本開示による、閉じ込めウェルのさらに別の例示的実施形態の断面図である。
【
図7】
図7は、本開示による、閉じ込めウェルのさらに別の例示的実施形態の断面図である。
【
図8】
図8-11は、本開示による、閉じ込めウェルの別の例示的実施形態の断面図、およびOLEDディスプレイを生成するための例示的なステップである。
【
図9】
図8-11は、本開示による、閉じ込めウェルの別の例示的実施形態の断面図、およびOLEDディスプレイを生成するための例示的なステップである。
【
図10】
図8-11は、本開示による、閉じ込めウェルの別の例示的実施形態の断面図、およびOLEDディスプレイを生成するための例示的なステップである。
【
図11】
図8-11は、本開示による、閉じ込めウェルの別の例示的実施形態の断面図、およびOLEDディスプレイを生成するための例示的なステップである。
【
図12】
図12-19は、本開示による、種々の例示的なピクセル配列の部分平面図である。
【
図13】
図12-19は、本開示による、種々の例示的なピクセル配列の部分平面図である。
【
図14】
図12-19は、本開示による、種々の例示的なピクセル配列の部分平面図である。
【
図15】
図12-19は、本開示による、種々の例示的なピクセル配列の部分平面図である。
【
図16】
図12-19は、本開示による、種々の例示的なピクセル配列の部分平面図である。
【
図17】
図12-19は、本開示による、種々の例示的なピクセル配列の部分平面図である。
【
図18】
図12-19は、本開示による、種々の例示的なピクセル配列の部分平面図である。
【
図19】
図12-19は、本開示による、種々の例示的なピクセル配列の部分平面図である。
【
図20】
図20は、本開示による、電子ディスプレイを含む例示的な装置の正面図である。
【
図21】
図21は、本開示による、電子ディスプレイを含む別の例示的な装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(例示的実施形態の説明)
ここで、本開示の種々の例示的実施形態を詳細に参照し、本発明の実施形態の例が添付図面で図示される。可能な限り、同一の参照番号が、同一または類似部分を指すために図面の全体を通して使用される。
【0015】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的で、別様に指示されない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される、数量、パーセンテージ、または割合および他の数値を表す全ての数字は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されるもの(まだそのように修飾されていない限り)として理解されるものである。したがって、反対に指
示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値的パラメータは、得られることが求められる所望の性質に応じて変動し得る近似値である。少なくとも、請求項の範囲に対する均等論の適用を限定する試みとしてではなく、各数値的パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の数に照らして、および通常の四捨五入技法を適用することによって解釈されるべきである。
【0016】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、「1つの(a、an)」および「該(the)」という単数形、ならびに任意の言葉の任意の単数の使用は、明示的かつ明白に1つの指示対象に限定されない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。本明細書で使用される場合、「含む」という用語およびその文法的変異形は、リストの中の項目の記述が、記載された項目に置換または追加されることができる他の類似項目を除外しないように、非限定的であることを目的としている。
【0017】
さらに、本説明の用語は、本発明を限定することを目的としていない。例えば、「下に」、「下方に」、「下の」、「上部」、「底部」、「上方に」、「上の」、「水平な」、「垂直な」、および同等物等の空間的相対用語が、図で図示されるような、別の要素または特徴に対する1つの要素または特徴の関係を表すために使用されてもよい。これらの空間的相対用語は、図に示される位置および向きに加えて、使用または動作中にデバイスの異なる位置(すなわち、場所)および向き(すなわち、回転配置)を包含することを目的としている。例えば、図中のデバイスがひっくり返される場合、他の要素または特徴の「下に」または「下方に」と表される要素は、他の要素または特徴の「上方に」あるか、またはそれを「覆う」。したがって、「下方に」という例示的な用語は、デバイスの全体的向きに応じて、上方および下方の位置および向きの両方を包含することができる。デバイスは、別様に向けられ(90度または他の向きに回転させられ)てもよく、本明細書で使用される空間的相対記述子は、状況に応じて解釈され得る。
【0018】
本明細書で使用される場合、「ピクセル」は、発光ピクセルアレイの最小の機能的に完全な反復単位を意味することを目的としている。「サブピクセル」という用語は、必ずしも発光部分の全てではないが、ピクセルの別個の発光部分を構成するピクセルの一部分を意味することを目的としている。例えば、フルカラーディスプレイでは、ピクセルは、赤、緑、および青等の3原色サブピクセルを含むことができる。モノクロディスプレイでは、サブピクセルおよびピクセルという用語は、同等であり、交換可能に使用され得る。
【0019】
「結合される」という用語は、電子構成要素を指すために使用されるとき、信号(例えば、電流、電圧、または光学信号)を一方からもう一方まで伝達することができるように、2つ以上の電子構成要素、回路、システム、または(1)少なくとも1つの電子構成要素、(2)少なくとも1つの回路、あるいは(3)少なくとも1つのシステムの任意の組み合わせの接続、連結、または関連を意味することを目的としている。2つ以上の電子構成要素、回路、またはシステムの接続、連結、または関連は、直接的であり得、代替として、中間接続、連結、または関連が存在してもよく、したがって、結合は、必ずしも物理的接続を必要とするわけではない。
【0020】
当業者は、「高解像度」という用語が、概して、100ピクセルパーインチ(ppi)より大きい解像度を意味し、300ppiが、時として、超高解像度と称され得ることを容認するであろう。当業者は、ピクセル密度がディスプレイのサイズに直接相関しないことも認識するであろう。本明細書で開示される種々の例示的実施形態は、小型ディスプレイサイズおよび大型ディスプレイサイズで高解像度を達成するために使用され得る。例えば、約3インチ~約11インチのサイズを有するディスプレイを、高解像度ディスプレイとして実装することができる。また、最大55’’以上のテレビディスプレイ等の大型サイズを有するディスプレイもまた、高解像度ディスプレイを達成するために、本明細書で
説明される種々の例示的実施形態とともに使用することができる。
【0021】
本明細書で使用される場合、表面の「上に」ある層または構造は、層が、層が形成される表面に直接隣接しかつ直接接触している場合、および表面の上に形成されている層または構造の間に介在層または構造がある場合の両方を含む。
【0022】
種々の因子が、OLEDディスプレイ製造技法における有機発光層の堆積精度に影響を及ぼし得、そのような因子は、例えば、ディスプレイ解像度、液滴径、標的液滴領域、液滴配置誤差、OLED層材料および1つ以上のキャリア流体の組み合わせから成るOLED層材料(例えば、活性OLED材料)インクと関連付けられる流体性質(例えば、表面張力、粘度、沸点)、および液滴が堆積させられる速度を含む。ディスプレイ解像度が、例えば、100ppiより大きく、または例えば、300ppiより大きく増加すると、OLEDディスプレイ製造のためにインクジェット印刷技法を使用することに種々の問題が生じる。従来の印刷技法で使用される高精度インクジェットヘッドは、約1ピコリットル(pL)から約50ピコリットル(pL)に及ぶ液滴径を生成することができ、約10pLが、高精度インクジェット印刷用途のための比較的一般的なサイズである。従来のインクジェット印刷システムの液滴配置精度は、約±10μmである。種々の例示的実施形態では、液滴配置誤差を補償するように、閉じ込めウェルを基板上に提供することができる。閉じ込めウェルは、OLED材料が所望のサブピクセル領域を越えて移動することを防止する構造であり得る。液滴が、完全に閉じ込めウェル内等の基板上の所望の場所に正確に着地することを確実にするために、種々の例示的実施形態は、システムの液滴配置誤差の2倍を加えた液滴直径と同じくらい幅が広くなるように閉じ込めウェルを構成する。例えば、10pL液滴の直径は、約25μmであり、したがって、前述のパラメータは、その最小寸法で少なくとも45μm(25μm+(2*10μm))の閉じ込めウェルの使用を示す。1pL液滴についてさえも、液滴直径は、12μmであり、その最小寸法で少なくとも32μmの閉じ込めウェルを示す。
【0023】
その最小寸法で少なくとも45μmの閉じ込めウェルに依拠する種々のピクセルレイアウトを、最大100ppiの解像度を有するOLEDディスプレイで使用することができる。しかしながら、100ppiよりも大きい高解像度ディスプレイでは、例えば、10pL液滴が大きすぎ、かつ液滴配置精度が悪すぎるため、各サブピクセルの周囲の閉じ込めウェルの中への液滴の一貫した装填を確実に提供することができない。加えて、上記のように、高解像度ディスプレイについては、閉じ込めウェルを画定するために使用される構造で増大した量のディスプレイ領域を覆うことが、各ピクセルのフィルファクターに悪影響を及ぼし得、ここで、フィルファクターは、全ピクセル領域に対するピクセルの発光領域の比として定義される。フィルファクターが減少すると、各ピクセルは、同一の全体的ディスプレイ輝度を達成するように、より激しく駆動されなければならず、それによって、ディスプレイの各ピクセルの寿命および性能を減少させる。
【0024】
超高解像度ディスプレイを用いた作業の上記の課題のうちのいくつかをさらに例証するために、
図1は、1つの従来のピクセルレイアウト1700を図示する。ピクセル1750は、並んだ構成で配列されるサブピクセル1720、1730、1740を備えることができ、サブピクセル1720は、赤色スペクトル範囲内の発光と関連付けられ、サブピクセル1730は、緑色スペクトル範囲内の発光と関連付けられ、サブピクセル1740は、青色スペクトル範囲内の発光と関連付けられる。各サブピクセルは、サブピクセル1720、1730、1740に直接対応する閉じ込めウェルを形成する、閉じ込め構造1704によって包囲され得る。1つのサブピクセル電極は、電極1726がサブピクセル1720に対応し、電極1736がサブピクセル1730に対応し、電極1746がサブピクセル1740に対応するように、各閉じ込めウェルと関連付けられ得る。サブピクセル1720は、幅Dを有することができ、サブピクセル1730は、幅Cを有することが
でき、サブピクセル1740は、幅Bを有することができ、これは、相互と同一であり得るか、または異なり得る。示されるように、全てのサブピクセルは、長さAを有することができる。加えて、寸法E、F、およびGは、閉じ込めウェル開口部の間の間隔を示すことができる。寸法E、F、Gに割り当てられる値は、場合によっては、特に、より低い解像度のディスプレイで、非常に大きく、例えば、100μmより大きくあり得る。しかしながら、より高い解像度のディスプレイについては、活性ピクセル領域を最大限化し、したがって、フィルファクターを最大限化するために、これらの寸法を最小限化することが望ましい。
図1で図示されるように、影付きの領域によって示される活性ピクセル領域は、サブピクセル閉じ込めウェルのそれぞれの内側の領域全体である。
【0025】
種々の因子は、寸法E、F、Gに影響を及ぼし得、例えば、これらの寸法の最小値は、処理方法によって制限され得る。例えば、本明細書で説明される種々の例証的実施形態では、最小寸法としてE=F=G=12μmである。例えば、326ppi解像度を有するディスプレイでは、ピクセルピッチは、78μmに等しくあり得、E=F=G=12μmである。サブピクセル1720、1730、1740のそれぞれと関連付けられる閉じ込めウェルは、14μm×66μm(すなわち、寸法B×A、C×A、およびD×A)の標的液滴面積を有することができ、14μmは、10pLの体積を有するインクジェット液滴の使用に関して上記で議論された45μmの最小寸法より有意に小さい。それはまた、1pL液滴について上記で議論された32μm寸法より小さい。加えて、活性ピクセル領域(すなわち、発光と関連付けられる領域)および全ピクセル領域の比として定義される、ピクセルのフィルファクターは、46%である。換言すると、ピクセル領域の54%が、閉じ込め構造1704に対応する。同じように、440ppi解像度を有するディスプレイでは、ピクセルピッチPは、58μmに等しくあり得、E=F=G=12μmである。発光サブピクセル1720、1730、1740のそれぞれと関連付けられる閉じ込めウェルは、例えば、7μm×46μmの標的液滴面積を有することができ、7μmの直径は、10pLインクジェット液滴および1pLインクジェット液滴の両方の正確な液滴配置について上記で議論された最小寸法より有意に小さい。この場合において、440ppiを有するディスプレイのフィルファクターは、約30%である。
【0026】
本明細書で説明される種々の例示的実施形態による堆積技法は、例えば、高解像度ディスプレイ等の電子ディスプレイのための閉じ込めウェルの装填および活性OLED層の堆積において、向上した信頼性を提供することができる。活性OLED層は、例えば、以下の層、すなわち、正孔注入層、正孔輸送層、電子遮断層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層、および正孔遮断層のうちの1つ以上を含むことができる。上記で識別される活性OLED層のうちのいくつかの実装が好ましく、いくつかの活性OLED層の実装は、電子ディスプレイにとって随意的である。例えば、正孔注入層または正孔輸送層等の少なくとも1つの正孔伝導層、ならびに有機発光層が存在しなければならない。全ての他の上記で識別される層は、OLEDディスプレイ等の電子ディスプレイの発光および電力効率を変化させる(例えば、向上させる)ように、所望に応じて含まれてもよい。
【0027】
本明細書で説明される閉じ込めウェル構成の種々の例示的実施形態は、高いピクセル解像度を維持しながら、閉じ込めウェルのサイズを増大させることができる。例えば、種々の例示的実施形態は、複数のサブピクセルに及ぶ、比較的大型の閉じ込めウェルを使用し、それによって、比較的高いピクセル密度も達成しながら、比較的達成可能な液滴径の使用、および活性OLED層の堆積における従来の印刷システム精度の使用を可能にする。したがって、より小さい液滴体積を伴う特別に構成または再構成されたプリントヘッド、および新しい印刷システム(入手可能である場合もあり、そうでない場合もある)を必要とするのではなく、1pL~50pLの範囲内の液滴体積を堆積させるインクジェットノズルを使用することができる。また、そのようなより大型の閉じ込めウェルを使用することによって、わずかな製造誤差は、堆積精度に有意な悪影響を及ぼさず、堆積した活性O
LED層は、閉じ込めウェル内に含まれたままとなることができる。
【0028】
種々の例示的実施形態によると、インクジェット印刷技法は、活性OLED層の十分に一様な堆積を提供することができる。例えば、OLEDディスプレイで典型的に使用される種々の構成要素は、閉じ込めウェルの頂面層上の様々な高さ、例えば、約100ナノメートル(nm)またはそれよりも大きいだけ異なる高さのトポグラフィをもたらす。例えば、それぞれが異なるサブピクセルと関連付けられる、別々にアドレス指定可能な電極を形成するために、間隙が隣接電極の間に形成されるように、電極等の構成要素が基板上に堆積されてもよい。どの活性OLED層がディスプレイの基板上に配置された電極を覆って堆積させられるかにかかわらず、電極の頂面の平面と、隣接電極間の領域中のディスプレイの基板の頂面との間の高度差は、後に堆積されるOLED層のトポグラフィに寄与し得る。本開示による、例示的なインクジェット印刷技法および結果として生じるディスプレイは、活性OLED層の厚さが、例えば、活性電極領域にわたって十分に一様であるように、活性OLED層が堆積させられることを可能にし、ここで活性電極領域は、光が発せられる活性サブピクセル領域と関連付けられる電極の領域であり得る。例示的実施形態では、少なくとも活性電極領域にわたるOLED層の厚さは、サブピクセル電極の厚さより小さくあり得る。活性電極領域にわたるOLED層の十分に一様な厚さは、望ましくない視覚アーチファクトを低減させることができる。例えば、所与の堆積領域が電極および非電極領域の両方を含むときでさえも、その領域内で堆積薄膜の厚さの非一様性を最小限化するように、OLEDインクおよび印刷プロセスを実装することができる。換言すると、電極構造によって覆われない堆積領域内の部分は、上にOLED層が堆積領域内で堆積させられる基礎的構造にOLED層が十分に適合することができるように、OLED層トポグラフィに寄与し得る。堆積薄膜の厚さの非一様性を最小限化することは、特定のサブピクセル電極が扱われ、活性化されるときに、実質的に一様な発光を提供することができる。
【0029】
さらに他の例示的実施形態によると、本開示によって想定されるピクセルレイアウト構成は、活性領域の面積を増大させることができる。例えば、閉じ込め構造は、ディスプレイの非活性部分(例えば、閉じ込め構造と関連付けられる基板領域)が削減されるように、複数のサブピクセルに及ぶ隣接領域を有する閉じ込めウェルを画定することができる。例えば、種々の従来のOLEDディスプレイのように各サブピクセル電極を包囲する閉じ込め構造よりもむしろ、各サブピクセル電極を異なるピクセルと関連付けることができる閉じ込め構造によって、複数の個別に扱われたサブピクセル電極を包囲することができる。閉じ込め構造によって占められる面積を縮小することによって、各ピクセルの活性領域に対する非活性領域の比が増加させられるため、フィルファクターを最大限化することができる。フィルファクターのそのような増加を達成することにより、より小さいサイズのディスプレイにおいて高解像度を可能にするとともに、ディスプレイの寿命を向上させることができる。
【0030】
さらに他の例示的実施形態によると、本開示は、基板上に配置される閉じ込め構造を含む有機発光ディスプレイを想定し、閉じ込め構造は、アレイ構成で複数のウェルを画定する。ディスプレイはさらに、各ウェル内に配置されて相互から離間される複数の電極を含む。ディスプレイはさらに、複数のウェルのうちの少なくとも1つの中に第1、第2、および第3の有機発光層を含むことができ、各層は、それぞれ、第1、第2、および第3の発光波長範囲を有する。第1および第2の有機発光層と関連付けられるウェル内に配置されるいくつかの電極は、第3の有機発光層と関連付けられるウェル内に配置されるいくつかの電極とは異なる。
【0031】
さらに他の例示的実施形態によると、本開示は、基板上に配置される閉じ込め構造を含む有機発光ディスプレイを想定し、閉じ込め構造は、アレイ構成で複数のウェルを画定し
、第1のウェル、第2のウェル、および第3のウェルを含む。ディスプレイはさらに、第1のウェル内に配置されて異なるピクセルと関連付けられる第1の複数の電極と、第2のウェル内に配置されて異なるピクセルと関連付けられる第2の複数の電極と、第3のウェル内に配置される少なくとも1つの第3の電極とを含むことができ、第1および第2のウェルのそれぞれの内側に配置されるいくつかの電極は、第3のウェル内に配置されるいくつかの電極とは異なる。ディスプレイはさらに、第1のウェルの中に配置される、第1の発光波長範囲を有する第1の有機発光層と、第2のウェルの中に配置される、第2の発光波長範囲を有する第2の有機発光層と、第3のウェルの中に配置される、第3の発光波長範囲を有する第3の有機発光層とを含むことができる。
【0032】
種々の他の例示的実施形態によると、デバイスの寿命を延長させるように、ピクセルレイアウト構成を配列することができる。例えば、サブピクセル電極サイズは、対応する有機発光層の波長範囲に基づくことができる。例えば、青色波長範囲内の発光と関連付けられるサブピクセル電極は、赤色波長範囲内の発光と関連付けられるサブピクセル電極または緑色波長範囲内の発光と関連付けられるサブピクセル電極より大きくあり得る。OLEDデバイスにおいて青色発光と関連付けられる有機層は、典型的には、赤色または緑色発光と関連付けられる有機層に対して、短縮した寿命を有する。加えて、低減した輝度レベルを達成するようにOLEDデバイスを操作することにより、デバイスの寿命を増加させる。(例えば、当業者に周知されているように、サブピクセルを扱うときに供給される電流を調整することによって)赤色および緑色サブピクセルの輝度より小さい相対輝度を達成するように、青色サブピクセルを駆動することに加えて、赤色または緑色サブピクセルそれぞれに対して青色サブピクセルの放射領域を増大させることによって、青色サブピクセルは、ディスプレイの適正な全体的カラーバランスを依然として提供しながら、異なる色のサブピクセルの寿命の平衡をより良好に保つ働きをすることができる。この寿命の向上した平衡は、青色サブピクセルの寿命を延長させることによって、ディスプレイの全体的寿命を増加させることができる。
【0033】
図2は、本開示の例示的実施形態による、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ100の1つの例示的なピクセル配列の部分平面図を図示する。
図3Aは、基板の1つの例示的実施形態の
図2で識別されるセクション3A-3Aに沿った断面図を図示し、OLEDディスプレイを形成するための種々の構造を描写する。
図3Bは、基板の1つの例示的実施形態の
図2で識別されるセクション3B-3Bに沿った断面図を図示し、OLEDディスプレイを形成するための種々の構造を描写する。
【0034】
OLEDディスプレイ100は、概して、選択的に駆動されたときに、ユーザに表示される画像を生成することができる光を発する、例えば、点線境界150、151、152によって画定されるような複数のピクセルを含む。フルカラーディスプレイでは、ピクセル150、151、152は、異なる色の複数のサブピクセルを含むことができる。例えば、
図2で図示されるように、ピクセル150は、赤色サブピクセルR、緑色サブピクセルG、および青色サブピクセルBを含むことができる。
図2の例示的実施形態で見ることができるように、サブピクセルは、同一のサイズである必要はないが、例示的実施形態では、そうあり得る。ピクセル150、151、152は、ピクセルを画定するために付加的な構造が必要ではないように、発光を引き起こす駆動回路によって画定され得る。代替として、本開示の例示的実施形態は、複数のピクセル150、151、152の輪郭を描くように、ディスプレイ100内に含まれ得る、ピクセル画定構造の種々の新しい配列を想定する。当業者は、ピクセルおよびサブピクセルの間のより明瞭な描写を提供するために使用される、従来のピクセル画定構造の材料および配列を周知している。
【0035】
図2に加えて、
図3Aおよび
図3Bを参照すると、OLEDディスプレイ100は、基板102を含むことができる。基板102は、1つ以上の材料の1つ以上の層を含むこと
ができる任意の堅いまたは可撓な構造であり得る。基板102は、例えば、ガラス、ポリマー、金属、セラミック、またはそれらの組み合わせを含むことができる。簡単にするために図示されていないが、基板102は、当業者が周知している付加的な電子構成要素、回路、または伝導性部材を含むことができる。例えば、以下でさらに詳細に議論される他の構造のうちのいずれかを堆積させる前に、薄膜トランジスタ(TFT)(図示せず)を基板上に形成することができる。TFTは、例えば、活性半導体層の薄膜、誘電体層、および金属接点のうちの少なくとも1つを含むことができ、当業者は、そのようなTFTの製造で使用される材料を周知している。活性OLED層のうちのいずれかは、以下で議論されるように、基板102上に形成されるTFTまたは他の構造によって生成される任意のトポグラフィに適合するように堆積され得る。
【0036】
閉じ込め構造104が複数の閉じ込めウェルを画定するように、閉じ込め構造104を基板102上に堆積させることができる。例えば、閉じ込め構造104は、バンク構造であり得る。複数のサブピクセルを、各閉じ込めウェルと関連付けることができ、各閉じ込めウェル内に堆積させられる有機発光材料は、閉じ込めウェルと関連付けられる全てのサブピクセルが同一の発光色を有することを可能にする。例えば、
図2の配列では、閉じ込めウェル120は、Rによって表される赤色光を発するサブピクセルと関連付けられるOLEDインクの液滴を受け取ることができ、閉じ込めウェル130は、Gによって表される緑色光を発するサブピクセルと関連付けられるOLEDインクの液滴を受け取ることができ、閉じ込めウェル140は、Bによって表される青色光を発するサブピクセルと関連付けられるOLEDインクの液滴を受け取ることができる。当業者は、以下でさらに説明されるように、閉じ込めウェルがまた、例えば、付加的な有機発光材料および正孔伝導層を含むが、それらに限定されない、種々の他の活性OLED層も含むことができると理解するであろう。
【0037】
閉じ込め構造104は、複数のサブピクセルと関連付けられる材料を閉じ込めるように、閉じ込めウェル120、130、140を画定することができる。加えて、閉じ込め構造104は、隣接ウェルの中へのOLEDインクの拡散を防止することができ、かつ/または堆積薄膜が閉じ込め構造104によって境界される領域内で連続的であるように、(適切な幾何学形状および表面化学を通して)装填および乾燥プロセスにおいて役立つことができる。例えば、堆積薄膜の縁は、閉じ込めウェル120、130、140を包囲する閉じ込め構造104に接触することができる。閉じ込め構造104は、単一の構造であり得るか、または閉じ込め構造104を形成する複数の別個の構造から成ることができる。
【0038】
閉じ込め構造104は、例えば、フォトイメージャブルポリマーまたは感光シリコーン誘電体等のフォトレジスト材料等の種々の材料で形成され得る。閉じ込め構造104は、処理後に、OLEDインクの腐食作用に対して実質的に不活性であり、低いガス放出を有し、閉じ込めウェル縁に浅い(例えば、<25度)側壁傾斜を有し、かつ/または閉じ込めウェルの中へ堆積させられるOLEDインクのうちの1つ以上に対して高疎性を有する1つ以上の有機成分を含むことができ、所望の用途に基づいて選択され得る。好適な材料の例は、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PMGI(ポリメチルグルタルイミド)、DNQ-Novolacs(異なるフェノールホルムアルデヒド樹脂との化学ジアゾナフトキノンの組み合わせ)、SU-8レジスト(MicroChem Corp.製の一連の広く使用されている専売エポキシ系レジスト)、従来のフォトレジストおよび/または本明細書で記載される前述の材料のうちのいずれかのフッ素化変形物、および有機シリコーンレジストを含むが、それらに限定されず、それのそれぞれは、閉じ込め構造104の所望の特性をさらに調節するように、相互にまたは1つ以上の添加剤とさらに組み合わせられ得る。
【0039】
閉じ込め構造104は、任意の形状、構成、または配列を有する閉じ込めウェルを画定
することができる。例えば、閉じ込めウェル120、130、140は、長方形、正方形、円形、六角形等の任意の形状を有することができる。単一のディスプレイ基板内の閉じ込めウェルは、同一の形状および/またはサイズ、あるいは異なる形状および/またはサイズを有することができる。異なる発光色と関連付けられる閉じ込めウェルは、異なる、あるいは同一の形状および/またはサイズを有することができる。また、隣接閉じ込めウェルを交互の発光色と関連付けることができ、または隣接閉じ込めウェルを同一の発光色と関連付けることができる。加えて、閉じ込めウェルは、列および/または行で配列され得、列および/または行は、一様または非一様なアラインメントを有することができる。
【0040】
閉じ込めウェルは、例えば、インクジェット印刷、ノズル印刷、スリットコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング、スクリーン印刷、真空熱蒸発、スパッタリング(または他の物理蒸着方法)、化学蒸着等の種々の製造方法のうちのいずれかを使用して形成され得、シャドウマスキング、1つ以上のフォトリソグラフィステップ(例えば、フォトレジストコーティング、露出、現像、および剥離)、ウェットエッチング、ドライエッチング、リフトオフ等を使用することによって、堆積技法中に達成されない別の任意の付加的なパターン形成を達成することができる。
【0041】
図2で図示されるように、種々の例示的実施形態による閉じ込めウェル120、130、140は、複数のピクセル150、151、152に及ぶように、閉じ込め構造104によって画定され得る。例えば、ピクセル150は、異なる閉じ込めウェル120、130、140の各部分である、赤色サブピクセルR、緑色サブピクセルG、および青色サブピクセルBを含む。各閉じ込めウェル120、130、140は、106、107、108、109、136、137、138、139、142、144等の複数の電極を含むことができ、閉じ込めウェル120、130、140内の電極は、間隙Sが閉じ込めウェル内の隣接電極の間に形成されるように、相互から離間され得る。例示的実施形態では、間隙Sは、任意の隣接電極から電極を電気的に隔離するために十分なサイズであり得、具体的には、隣接電極の活性電極領域を相互から隔離することができる。間隙または空間Sは、電流漏出を低減させ、サブピクセル画定および全体的ピクセル画定を向上させることができる。
【0042】
例証を明確かつ容易にするために省略されているが、駆動回路を基板102上に配置することができ、そのような回路は、活性ピクセル領域(すなわち、発光領域)の下、または非活性ピクセル領域(すなわち、非発光領域)内のいずれかに配置され得る。加えて、図示されていないが、回路は、閉じ込め構造104の下に配置され得る。駆動回路は、閉じ込めウェル内の他の電極から独立して、各電極を選択的に扱うことができるように、各電極に結合され得る。電極の間の間隙Sにより生じる、非一様なトポグラフィの領域は、以下でさらに詳細に説明される。
【0043】
閉じ込めウェル120、130、140内の各電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144は、異なるサブピクセルと関連付けられ得る。例えば、
図2で図示されるように、閉じ込めウェル120は、赤色発光と関連付けられ得る。電極106、107、108、109は、閉じ込めウェル120内に位置付けられ得、そこで、各電極が異なるピクセル(例えば、ピクセル151および152が図示されている)のサブピクセルを扱うように動作可能である。少なくとも2つの電極を各閉じ込めウェル120、130、140内に位置付けることができる。各閉じ込めウェル120、130、140内に位置付けられる電極の数は、同一であり得るか、他の閉じ込めウェルとは異なり得る。例えば、
図2で図示されるように、閉じ込めウェル140は、青色発光と関連付けられる、2つのサブピクセル電極142、144を含むことができ、閉じ込めウェル130は、緑色発光と関連付けられる、4つのサブピクセル電極136、137、138、139を含むことができる。
【0044】
例示的実施形態では、閉じ込め構造104は、電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144の一部分の上に配置され得る。
図3Aおよび
図3Bで図示されるように、閉じ込めウェル120は、閉じ込め構造104によって画定され得、閉じ込め構造104は、電極106、108の一部分を部分的に覆って、かつ電極を覆うことなく、基板102を直接部分的に覆って配置される。代替として、閉じ込め構造104は、隣接閉じ込めウェルの電極の間で基板102を覆って配置され得る。例えば、閉じ込め構造104が基板102上に直接配置され、電極のいかなる部分も覆って配置されないように、閉じ込め構造104は、異なるサブピクセル発光色と関連付けられる電極の間に形成される空間において基板102上に配置され得る。そのような構成(図示せず)では、サブピクセルに対応する電極を、閉じ込め構造104に直接隣接して(当接して)配置することができるか、またはサブピクセル画定を達成することができるように、電極を閉じ込め構造140から離間することができるかのいずれかである。
【0045】
電圧が電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144に選択的に印加されるとき、ピクセル150、151、152等のピクセルのサブピクセル内で発光を生成することができる。電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144は、透明または反射性であり得、金属、混合金属、合金、金属酸化物、混合酸化物、またはそれらの組み合わせ等の伝導性材料で形成され得る。例えば、種々の例示的実施形態では、電極は、インジウムスズ酸化物、マグネシウム銀、またはアルミニウムで作製され得る。電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144は、任意の形状、配列、または構成を有することができる。例えば、
図3Aを参照すると、電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144は、頂面106a、108aが実質的に平面であり、基板102の表面と平行であり得る一方で、電極の側縁106b、108bが基板の表面と実質的に垂直であり得るか、あるいは基板の表面に対して角度を成し、かつ/または丸みを帯び得るように、外形を有することができる。
【0046】
さらに、電極の活性部分、すなわち、発光と関連付けられる部分は、電極表面とOLED層との間にいかなる介在絶縁基板構造も伴わずに、堆積したOLED層の直下に配置される電極のこれらの部分であることに留意されたい。一例として、
図3Aを再度参照すると、閉じ込め構造104の下に配置される電極106および108の部分が、電極領域の活性部分から除外される一方で、電極106および108の領域の残りの部分は、電極領域の活性部分の中に含まれる。
【0047】
電極は、熱蒸発、化学蒸着、またはスパッタリング方法等による種々の方法で堆積させられてもよい。電極のパターン形成は、例えば、シャドウマスキングまたはフォトリソグラフィを使用して達成されてもよい。上記のように、電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144は、
図3Aのような種々の断面図で最も良く示される、トポグラフィが基板102上に形成されるように、厚さを有し、離間され得る。例示的実施形態では、電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144は、60nm~120nmに及ぶ厚さを有することができるが、この範囲は、非限定的であり、より大きい厚さまたは小さい厚さも可能である。
【0048】
図3Aおよび
図3Bに示される正孔伝導層110および有機発光層112等の1つ以上の活性OLED層を、各閉じ込めウェル120、130、140内に提供することができる。活性OLED層は、閉じ込めウェル120、130、140内の電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144の厚さおよびその間の間隔、ならびにそれぞれの活性OLED層の厚さに起因するトポグラフィに十分に適
合することができるように堆積され得る。例えば、活性OLED層は、ウェル内で連続的であり得、各閉じ込めウェル内に配置される基礎的電極構造の結果として生じたトポグラフィに十分に適合し、かつそれに従うような厚さを有することができる。
【0049】
したがって、堆積したOLED層は、基板と平行でありかつ閉じ込めウェル全体にわたる単一の平面内に位置しない表面トポグラフィをもたらし得る。例えば、OLED層110、112の一方または両方は、基板102上に配置される電極を含む任意の表面特徴と関連付けられる相対的くぼみまたは突出により、ディスプレイの単一の平面内で非平面的かつ非連続的であり得る(ディスプレイの平面は、基板102と平行な平面として意図される)。示されるように、OLED層110、112は、OLED層の頂面が、基礎的表面特徴のトポグラフィに従う、結果として生じるトポグラフィを有することができるように、基礎的表面特徴トポグラフィに十分に適合することができる。換言すると、各堆積したOLED層は、基板102上に配置される全ての基礎的な層および/または表面特徴が、堆積させられた後にOLED層の結果として生じる非平面的な頂面トポグラフィに寄与するように、これらの基礎的な層に十分に適合する。このようにして、ディスプレイの平面と平行である閉じ込めウェルにわたる平面内で、層(単数または複数)が閉じ込めウェル内の電極、回路、ピクセル画定層等から提供される既存の表面特徴を有する平面に対して上昇および/または下降すると、層110または112、あるいは両方における非連続性が生じ得る。活性OLED層110および/または112は、基礎的表面トポグラフィに完全には適合する必要がない(例えば、以下で説明されるように、縁領域および同等物の周囲で厚さの局所的な非一様性があり得る)が、材料の有意な蓄積または消耗がない、十分に共形のコーティングが、さらに均一で一様かつ再現可能なコーティングを助長することができる。
【0050】
図3Aに示されるように、各層110、112は、各層が閉じ込めウェル120内の実質的に全ての表面特徴(例えば、サブピクセル電極、回路、ピクセル画定層等)を覆って配置され、各層の縁が閉じ込めウェル120を包囲する閉じ込め構造104に接触するように、閉じ込めウェル120全体内で実質的に連続的であり得る。種々の例示的実施形態では、完全に閉じ込めウェル内で別個の連続層を形成して、ウェル内の層においていかなる非連続性(換言すると、活性OLED層材料が欠落しているウェル内の領域)も実質的に防止するように、活性OLED層材料を堆積させることができる。そのような非連続性は、サブピクセルの放射領域内で望ましくない視覚アーチファクトを引き起こし得る。各層110、112は、閉じ込めウェル内で実質的に連続的であるが、それでもなお、上に層が堆積させられる閉じ込めウェルの中に配置された特徴の既存のトポグラフィに十分に層が適合すると、層の上昇/下降により、上記のように層が単一の平面内で非連続的であることは注目に値する。例えば、例示的実施形態では、そのような上昇および/または下降が、例えば、50nmである、ウェル内の堆積層の最も薄い部分の厚さより大きい、例えば、100nmである量によるものである場合、OLED材料層は、ウェル内のディスプレイと平行な平面内で連続的ではない。
【0051】
層110、112は、実質的に一様な厚さを各閉じ込めウェル内で有することができ、これは、より一様な発光を提供し得る。本願の目的で、実質的に一様な厚さとは、平面領域を覆う(例えば、活性電極領域を覆う)OLED層の平均的な厚さを指すことができるが、また、後述のような厚さの微小変動または局所的な非一様性も包含することができる。
図3Aの平面領域、例えば、106a、108a、および間隙の底面にわたって、実質的に一様なOLEDコーティングについて、OLED層の平均的な厚さからの厚さの変動は、±20%未満(例えば、±10%未満または±5%未満)であり得ることが予測される。
【0052】
しかしながら、上記のように、厚さの局所的な非一様性が、表面トポグラフィおよび/
または表面化学の変化を包囲する、層110、112の部分で生じ得、そのような領域中で、薄膜の厚さは、実質的に、上記で特定される±20%、±10%、または±5%パラメータから局所的に逸脱し得ることが想定される。例えば、連続層の厚さの局所的な非一様性は、例えば、閉じ込めウェル構造104の縁で、(以下で議論される)ピクセル画定層の縁で、(例えば、106b、108bに沿った)電極縁側壁上で、または電極が基板表面と接する場所で、基板102上に配置される表面特徴と関連付けられるトポグラフィおよび/または基板102上に配置される表面特徴間の表面化学の変化により、生じ得る。局所的な非一様性は、薄膜の厚さの偏差につながり得る。例えば、局所的な非一様性は、電極106、108の(例えば、106a、108aに沿った)活性電極領域を覆って提供される層110、112の厚さから逸脱し得る。非一様性は、例えば、電極、回路、ピクセル画定層等の縁で、閉じ込めウェル内の基板102上に配置される、そのような表面特徴の周囲で約5μm~10μmの範囲内の略限局性「縁効果」偏差を生成し得る。本願の目的で、そのような「縁効果」偏差は、ウェル内で「実質的に一様な厚さ」を有するものとしてOLED薄膜コーティングを表すときに包含されることを目的としている。
【0053】
例示的実施形態では、各層110、112の厚さは、層が電極の活性領域間の間隙を横断すると形成される薄膜内のくぼみにより、各層の上面がディスプレイの平面と平行な単一の平面(すなわち、基板と平行な平面)内に位置しないように、電極の厚さに等しいかそれより小さくあり得る。これは、例えば、基板102の平面と平行である平面Pを図示するように破線が提供されている
図3Aで図示されている。示されるように、層110、112は、それぞれ、電極106、108の活性電極領域にわたった層110、112の領域内で実質的に一様である平均的な厚さを有することができる。しかしながら、層110、112はまた、これらの表面特徴の縁(例えば、間隙に隣接する電極106、108の縁)の周囲等の表面特徴によって引き起こされるトポグラフィ変化と関連付けられる領域中にわずかな限局性の非一様な厚さを含むこともできる。
【0054】
層110、112は、任意の製造方法を使用して堆積され得る。例示的実施形態では、正孔伝導層110および有機発光層112は、インクジェット印刷技法を使用して堆積され得る。例えば、正孔伝導層110の材料は、閉じ込めウェルの中への確実かつ一様な装填を提供するように調合されるインクジェットインクを形成するように、キャリア流体と混合され得る。正孔伝導層110を堆積させるためのインクは、インクジェットヘッドノズルから各閉じ込めウェルの中へ、高速で基板に送達され得る。種々の例示的実施形態では、閉じ込めウェル120、130、140の全て内で同一の正孔伝導層110の堆積を提供するよう、同一の正孔伝導材料を閉じ込めウェル120、130、140の全てに送達することができる。材料が正孔伝導層110を形成するように閉じ込めウェルの中へ装填された後、任意のキャリア流体が蒸発することを可能にするように、ディスプレイ100を乾燥させることができ、そのプロセスは、設定された期間にわたって、ディスプレイを熱、真空、または周囲条件に暴露することを含むことができる。乾燥に続いて、ディスプレイは、例えば、堆積した薄膜の品質または全体的なプロセスのために有益である化学反応または変化を薄膜形態において誘発するように、堆積した薄膜材料を処理するよう、高温で焼き付けられてもよい。各有機発光層112と関連付けられる材料は、閉じ込めウェルの中への確実かつ一様な装填を提供するように調合されるインクジェットインクを形成するように、有機溶剤または溶剤の混合物等のキャリア流体と同様に混合され得る。次いで、各発光色と関連付けられる適切な閉じ込めウェル120、130、140内でインクジェットプロセスを使用して、これらのインクをインクジェット堆積させることができる。例えば、赤色有機発光層と関連付けられるインク、緑色有機発光層と関連付けられるインク、および青色有機発光層と関連付けられるインクは、対応する閉じ込めウェル120、130、140の中へ別々に堆積させられる。異なる有機発光層112を同時または連続的に堆積させることができる。有機発光層と関連付けられるインクのうちの1つ以上を装填した後、ディスプレイは、正孔伝導層について上記で説明されたように、同様に乾
燥させられて焼き付けられ得る。
【0055】
図示されていないが、材料の付加的な活性OLED層を閉じ込めウェル内に堆積させることができる。例えば、OLEDディスプレイ100はさらに、正孔注入層、正孔輸送層、電子遮断層、正孔遮断層、電子輸送層、電子注入層、湿気防止層、カプセル化層等を含むことができ、その全ては、当業者に周知であるが、ここでは詳細に議論されない。
【0056】
正孔伝導層110は、有機発光層112の中への正孔の注入を促進する、材料の1つ以上の層を含むことができる。例えば、正孔伝導層110は、例えば、正孔注入層等の正孔伝導材料の単一の層を含むことができる。代替として、正孔伝導層110は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン:ポリ(スチレンスルホナート)(PEDOT:PSS)等の正孔注入層、およびN,N’-ジ-((1-ナフチル(napthyl))-N,N’-ジ
フェニル)-1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(NPB)等の正孔輸送層のうちの少なくとも1つ等の複数の層を含むことができる。
【0057】
有機発光層112が、電極によって生成されるトポグラフィ、電極の間の空間、および正孔伝導層のトポグラフィに十分に適合するように、有機発光層112は、正孔伝導層110を覆って堆積され得る。有機発光層112は、有機エレクトロルミネセンス材料等の発光を促進する材料を含むことができる。
【0058】
例示的実施形態では、OLEDスタック(例えば、閉じ込めウェル内の電極を覆って堆積させられる全ての活性OLED層)の厚さは、10nm~250nmに及ぶことができる。例えば、正孔輸送層は、10nm~40nmに及ぶ厚さを有することができ、正孔注入層は、60nm~150nmに及ぶ厚さを有することができ、有機発光層は、30nm~150nmに及ぶ厚さを有することができ、随意に、正孔遮断層、電子輸送層、および電子注入層は、10nm~60nmに及ぶ、組み合わされた厚さを有することができる。
【0059】
例示的実施形態では、層110、112のそれぞれを生成するために、約10pL以下の体積を有する液滴が使用され得ることが想定される。種々の例示的実施形態では、5pL以下、3pL以下、または2pL以下の液滴体積が使用されてもよい。OLED層110、112は、上記の体積を有する、1個~20個の液滴を使用して形成され得る。
【0060】
1つの例示的かつ非限定的な実施形態では、本開示は、隣接ウェル間の幅が本実施形態では12μmであり得る、326ppiの解像度(例えば、ピッチ=78um)を有するディスプレイについて、赤色、緑色、または青色発光と関連付けられるウェル120、130、140の面積が、66μm×66μmであり得るように配列される閉じ込めウェルを想定する。そのような配列の赤色または緑色サブピクセル発光と関連付けられる面積は、31.5μm×31.5μmであり得、青色サブピクセル発光と関連付けられる面積は、66μm×30μmであり得、
図1を参照して説明される従来のRGB並列レイアウトに対する46%のフィルファクターと比較して、65%の全体的ピクセルフィルファクターにつながる。別の例示的かつ非限定的実施形態である440ppiの解像度(例えば、ピッチ=58μm)を有するディスプレイについては、赤色、緑色、または青色発光と関連付けられるウェル120、130、140の面積が46μm×46μmであり得、再度、隣接ウェル間の幅が、本実施形態では12μmであるように、閉じ込めウェルを配列することが想定される。そのようなディスプレイ構造の赤色または緑色サブピクセル発光と関連付けられる面積が、20.3μm×20.3μmである一方で、青色サブピクセル発光と関連付けられる面積は、76μm×49.1μmであり得、それによって、
図1を参照して説明される従来のRGB並列レイアウトに対する30%のフィルファクターと比較して、約46%のフィルファクターを生成する。これらの実施形態では、隣接ウェル間の幅は、12μmであり得るが、上記で議論されるように、この幅が異なる値をとることが
できる一方で、(活性電極領域に割り当てられる基板領域のより大きな割合を提供するように)より小さい値が望ましくあり得、ウェル構造の形成への処理制約および回路レイアウト制約が、この寸法に下限を効果的に設定し得る。12μmという値は、これらの例の代表として選択されるが、当業者は、本開示および請求項の範囲から逸脱することなく、他の寸法、例えば、20μmのようなより大きい寸法、8μm、6μm、またはさらに1μmのようなより小さい寸法を使用できることを理解するであろう。当業者はさらに、上記の例では、赤色、緑色、および青色閉じ込めウェルがそれぞれ、同一の寸法を有するが、他の配列も可能であることを理解することができる。例えば、異なる発光色と関連付けられる2つの閉じ込めウェルは、同一の寸法を有することができ、さらに別の異なる発光色と関連付けられる1つの閉じ込めウェルは、異なる寸法を有することができ、または各発光色と関連付けられる閉じ込めウェルは、異なる寸法を有することができる。
【0061】
本開示による、これらの例示的な非限定的配列は、440ppiという超高解像度の場合にさえも45μmより大きい最小ウェル寸法を有する閉じ込めウェルを提供し、したがって、例えば、約10pLの液滴体積が使用されることを可能にすることができ、それによって、既存のインクジェット印刷から利用可能な液滴体積の使用を可能にすることによって、製造を単純化する。加えて、上記の例示的な非限定的配列は、326ppiの場合について約43%だけ、および440ppiの場合について約84%だけ、従来のRGB並列レイアウトと比較してピクセルフィルファクターを増加させる。より一般的には、本開示による種々の例示的実施形態は、超高解像度ディスプレイ等のインクジェットを使用して製造される高解像度ディスプレイのフィルファクターの増進を提供し、超高解像度ディスプレイに対して、40%以上の増進が可能である。
【0062】
当業者に周知であるように、堆積に続いて、有機発光層112を覆って共通電極(図示せず)を配置することができる。共通電極が堆積させられた後、共通電極の結果として生じるトポグラフィは、有機発光層112のトポグラフィに十分に適合することができる。共通電極は、任意の製造技法を使用して、例えば、真空熱蒸発、スパッタリング、化学蒸着、スプレーコーティング、インクジェット印刷、または他の技法によって、堆積され得る。共通電極は、透明または反射性であり得、金属、混合金属、合金、金属酸化物、混合酸化物、またはそれらの組み合わせ等の伝導性材料で形成され得る。例えば、インジウムスズ酸化物またはマグネシウム銀の薄い層である。共通電極の厚さは、約30nm~500nmに及ぶことができる。
【0063】
加えて、共通電極は、任意の形状、配列、または構成を有することができる。例えば、共通電極は、単一のサブピクセルまたは単一のピクセルと関連付けられた別個の層として配置され得る。代替として、共通電極は、複数のサブピクセルまたはピクセルを覆って、例えば、ディスプレイ100のピクセル配列全体を覆って配置され得る。例えば、共通電極は、閉じ込めウェル120、130、140内に、ならびに閉じ込め構造104を覆って堆積させられる、ブランケットであり得る。共通電極の堆積の前に、電子輸送層、電子注入層、および/または正孔遮断層等の付加的な活性OLED層(簡単にするために示されていない)を有機発光層112上に堆積させることができる。そのような付加的なOLED層は、インクジェット印刷によって、真空熱蒸発によって、または別の方法によって、堆積され得る。
【0064】
例示的実施形態によると、OLEDデバイス100は、上部放射構成または底部放射構成を有することができる。例えば、
図3Aで図示されるように、上部放射構成では、電極106、108は、反射電極であり得、有機発光層を覆って配置される共通電極は、透明電極であり得る。代替として、底部放射構成では、電極106、108は、透明であり得、共通電極は、反射性であり得る。
【0065】
別の例示的実施形態では、OLEDディスプレイ100は、アクティブマトリクスOLED(AMOLED)であり得る。AMOLEDディスプレイは、パッシブマトリクスOLED(PMOLED)ディスプレイと比較して、ディスプレイ性能を増進することができるが、基板上の薄膜トランジスタ(TFT)を含むアクティブ駆動回路に依拠し、そのような回路は、透明ではない。PMOLEDディスプレイは、透明ではない伝導性バスライン等のいくつかの要素を有するが、AMOLEDディスプレイは、不透明である実質的により多くの要素を有する。結果として、底部放射AMOLEDディスプレイについては、不透明回路要素の間で基板の底部を通して光を発することしかできないため、フィルファクターがPMOLEDと比較して低減させられ得る。この理由により、AMOLEDディスプレイのためにトップエミッション構成を使用することが望ましくあり得る。なぜなら、そのような構成を使用することは、OLEDデバイスがそのような不透明アクティブ回路要素の上に構築されることを可能にし得るからである。したがって、基礎的要素の不透明性の懸念を伴わずに、OLEDデバイスの上部を通して光を発することができる。一般に、発光が、基板102上に堆積させられる付加的な不透明要素(例えば、TFT、駆動回路構成要素等)によって遮断されないため、トップエミッション構造を使用することは、ディスプレイ100の各ピクセル150のフィルファクターを増加させることができる。
【0066】
加えて、各ピクセルの非活性領域を、基板102上に形成される閉じ込め構造、表面特徴、および/またはピクセル画定層(その例は以下でさらに詳細に説明される)に限定することができる。トップエミッションOLED構造で使用される透明上部電極が典型的には低い伝導率を有するため生じ得る、ディスプレイ100にわたる望ましくない電圧降下を防止するように、伝導性グリッドも基板102上に配置され得る。共通電極が、閉じ込めウェル120、130、140内に、かつ閉じ込め構造104を覆って堆積させられるブランケットであるとき、伝導性グリッドは、基板102の非活性部分上に配置され得、選択された閉じ込め構造104に形成されたビアホールを通して、共通電極に結合され得る。しかしながら、本開示は、トップエミッションアクティブマトリクスOLED構成に限定されない。本明細書で議論される技法および配列は、ボトムエミッションおよび/またはパッシブディスプレイ等の任意の他の種類のディスプレイとともに使用され得、ならびに当業者は、適切な修正を使用して作製する方法を理解するであろう。
【0067】
例示的実施形態では、
図3Aで図示されるように、各閉じ込めウェルは、複数の活性サブピクセル領域を含むことができ、複数の活性サブピクセル領域は、それぞれ、W1およびW2に及び、間隙Sによって分離され、幅CWを有するウェル内に閉じ込められる。寸法W1、W2、およびCWは、主に、ディスプレイの解像度(例えば、326ppi、440ppi)に相関するピクセルピッチに関係付けられる。間隙Sの寸法は、製作技法およびプロセス、ならびにレイアウトと関連付けられる制限に関係付けられる。一般に、間隙Sと関連付けられる寸法を最小限化することが望ましくあり得る。例えば、3μmが、最小寸法であってもよいが、当業者は、1μmほどの小ささから10μmより大きい寸法も可能であることを理解するであろう。閉じ込め構造104の高さHはまた、特定のディスプレイレイアウトまたは解像度よりもむしろ処理制限に関係付けられる。閉じ込め構造104の高さHの例示的な値は、1.5μmであってもよいが、高さHは、種々の例示的実施形態では0.5μm~5μmに及ぶことができる。
図3Bを参照すると、BWは、隣接ウェル(例えば、
図3Bのウェル120および130)の間の閉じ込め構造104の幅である。上記で説明されたように、この寸法を最小限化することが望ましくあり得、例示的な値は、12μmである。しかしながら、当業者は、この値は、場合によっては任意に大きく(例えば、数百ミクロン)あり得、また、BWのそのような小さい値を可能にし得る製作技法およびプロセスに応じて、1μmほども小さくあり得ることも理解するであろう。
【0068】
ここで
図4を参照すると、ディスプレイ200の閉じ込めウェル220の例示的実施形態の断面図が図示されている。
図4の配列は、
図3Aを参照して上記で説明されたものに類似し、100の系列とは対照的に200の系列を使用することを除いて、同様の番号が同様の要素を表すため使用される。しかしながら、図示されるように、OLEDディスプレイ200はまた、電極206、208の間の間隙Sの中に配置される付加的な表面特徴216も含む。
【0069】
表面特徴216は、それを覆って配置されたOLED薄膜の中へ電流を直接提供せず、それによって、電極206および208と関連付けられる活性領域の間のピクセル領域の非活性領域を構成する任意の構造であり得る。例えば、表面特徴216はさらに、不透明材料を含むことができる。
図4で描写されるように、表面特徴216によってトポグラフィで表されるように、そのような回路要素の一部分を覆って正孔伝導層210および有機発光層212を堆積させることができる。表面特徴216が電気的要素を含む場合において、そのような要素はさらに、表面特徴216上に堆積させられたOLED薄膜からこれらの要素を電気的に隔離するよう、電気絶縁材料でコーティングされてもよい。
【0070】
例示的実施形態では、表面特徴216は、例えば、相互接続部、バスライン、トランジスタ、および当業者に周知である他の回路を含むが、それらに限定されない駆動回路を含むことができる。いくつかのディスプレイでは、駆動回路は、複雑な相互接続部を最小限化するように、および電圧降下を低減させるように、そのような回路によって駆動されるピクセルの活性領域より近位に配置される。場合によっては、閉じ込めウェルは、個々のサブピクセルを包囲し、そのような回路は、回路が活性OLED層でコーティングされないように閉じ込めウェル領域の外側にあり得る。しかしながら、
図4の例示的実施形態、ならびに本明細書で説明される他の実施形態では、閉じ込めウェル220が、異なるピクセルと関連付けられる複数のサブピクセルを含むことができるため、そのような駆動回路要素を閉じ込めウェル内で提供することができ、これは、駆動電子機器の電気的性能を最適化し、駆動電子機器レイアウトを最適化し、かつ/またはフィルファクターを最適化し得る。
【0071】
正孔伝導層210および有機発光層212は、閉じ込めウェル構造204によって画定される領域の中へ、かつ表面特徴216を覆って(例えば、
図3Aおよび
図3Bを参照して以前に議論されたように)堆積され得、それによって、層210、212が、基礎的表面特徴トポグラフィに十分に適合し、閉じ込めウェル内で実質的に一様な厚さを有し、これは、非平面的な頂面を有する層210および212につながる。表面特徴216が、層210および212の一方または両方の厚さより大きい距離で電極の頂面の平面の上方に延在する構成では、次いで、これらの層の一方または両方はまた、ウェル220内のディスプレイの平面と平行な平面内で非連続的である。したがって、一方または両方の層210、212は、表面特徴216と関連付けられる突出により、ディスプレイの平面と平行な平面内で非平面的かつ非連続的である。上記のように、これは、例えば、電極206、208を覆って配置される212の表面と同一平面上にある平面Pを図示する破線によって図示される。示されるように、層212は、閉じ込めウェル全体にわたって平面的ではなく、代わりに、間隙領域Sおよび突出216により、層212が全体として非平面的な頂面を有するように、基礎的トポグラフィに十分に適合する。換言すると、層210、212の一方または両方は、層210、212の堆積の前に存在するウェルのトポグラフィに十分に適合するように、閉じ込めウェルにわたって上昇および下降する。
【0072】
表面特徴216は、電極より大きい厚さを有するものとして
図4で図示されているが、表面特徴216は、代替として、電極より小さいかまたは等しい厚さを有することができる。また、表面特徴216は、基板202上に配置されるものとして
図4で図示されているが、表面特徴216はさらに、電極206、208の一方または両方を覆って配置され
得る。表面特徴216は、アレイの中の各閉じ込めウェルについて異なり得、全ての閉じ込めウェルが表面特徴を含む必要があるわけではない。表面特徴216はさらに、ピクセル画定層として機能することができ、サブピクセルの複数部分または全体的なピクセル配列を画定するために表面特徴216の不透明性を使用することができる。
【0073】
ここで
図5Aおよび
図5Bを参照すると、本開示によるディスプレイ閉じ込めウェルの別の例示的実施形態の部分断面図が図示されている。
図5Aおよび
図5Bの配列は、
図3Aおよび
図3Bを参照して上記で説明されたものに類似し、100の系列とは対照的に300の系列を使用することを除いて、同様の要素を表すために同様の番号が使用される。しかしながら、
図5Aおよび
図5Bで図示されるように、OLEDディスプレイ300はまた、画定層314も含む。画定層314は、基板302上に配置され得、閉じ込め構造304が画定層314の上に配置され得る。加えて、画定層314は、電極306、308の非活性部分を覆って配置することができる。画定層314は、OLEDディスプレイ300の複数部分を画定するために使用される、電気絶縁性を有する任意の物理構造であり得る。実施形態では、画定層314は、ピクセルアレイ内のピクセルの輪郭を描くために使用される任意の物理構造であり得るピクセル画定層であり得る。画定層314はまた、サブピクセルの輪郭を描くこともできる。
【0074】
図示されるように、例示的実施形態では、画定層314は、閉じ込め構造304を越えて、電極306、308の一部分を覆って延在することができる。画定層314が電流を防止し、したがって、サブピクセルの縁を通した発光を実質的に防止することによって、不要な視覚アーチファクトを低減させることができるように、画定層314は、電気抵抗材料で作製され得る。画定層314はまた、OLED薄膜が画定層の縁を覆ってコーティングする場所の非一様性の形成を軽減または防止する構造および化学的性質を有するように提供され得る。このようにして、画定層314は、別様にピクセル領域の活性領域中に含まれ、次いで、ピクセルの非一様性に寄与する、表面特徴の周囲に形成された薄膜の非一様性を覆い隠すことに役立つことができ、そのような非一様性は、例えば、OLED薄膜が閉じ込めウェルに接触する各サブピクセルの外縁で、またはOLED薄膜が基板表面に接触する各サブピクセルの内縁で、生じ得る。
【0075】
正孔伝導層310および有機発光層312はそれぞれ、閉じ込めウェル320内に連続層を形成するよう、閉じ込め構造304によって画定される領域内で、かつピクセル画定層を覆って堆積され得る。
図3Aおよび
図3Bに関して上記で説明されたように、層310、312は、閉じ込めウェルの全体的なトポグラフィに十分に適合することができ、したがって、例えば、
図5Aの平面Pによって図示されるように、非平面的な表面を有し、かつ/またはディスプレイの平面内で非連続的であり得る。
図3Aの例示的実施形態を参照して上記で説明されたように、正孔伝導層310および有機発光層312の厚さは、上記で説明されたように、実質的に一様であり得る。
【0076】
例示的実施形態では、
図5Aで図示されるように、各閉じ込めウェルは、間隙Sによって分離されるW1およびW2を含み、幅CWを有する閉じ込めウェル内に含まれる、複数の活性サブピクセル領域を含むことができ、W1、W2、およびCWは、
図3Aを参照して上記で議論されたように、主にピクセルピッチに関係付けられる。同様に、間隙Sの寸法は、製作および処理技法、ならびにレイアウトに関係付けられ、Sは、例示的実施形態では、1μm~10μmより大きく及んでもよく、3μmがSの例示的な寸法である。閉じ込め構造304の高さHは、
図3Aを参照して上記で説明される通りであってもよい。
図5Bを参照すると、BWは、上記で説明されたように、隣接ウェルの間の閉じ込め構造304の幅であり、
図3Bを参照して上記で説明されたように選択され得る。
【0077】
画定層の厚さと関連付けられる寸法Tは、製作技法および処理条件、ならびに使用され
る画定層材料の種類に基づいて、可変であり得る。種々の例示的実施形態では、画定層の厚さと関連付けられる寸法Tは、25nm~2.5μmに及ぶことができるが、100nm~500nmを最も典型的な範囲と見なすことができる。閉じ込めウェル内の閉じ込め構造104の縁を越えた画定層の延在部と関連付けられる、
図5AでB1、B2、および
図5BでB1、B1’と標識される寸法を、所望に応じて選択することができる。しかしながら、より大きい寸法が、利用可能な活性ピクセル電極領域の量を低減させることによってフィルファクターの低減に寄与し得る。したがって、所望の機能を果たす最小寸法を選択することが望ましくあり得、その所望の機能は、概して、活性電極領域から縁の非一様性を除外することである。種々の例示的実施形態では、この寸法は、1μm~20μmに及ぶことができ、例えば、2μm~5μmに及んでもよい。
【0078】
ここで
図6を参照すると、ディスプレイ400の閉じ込めウェル420の例示的実施形態の断面図が図示されている。
図6の配列は、
図5Aおよび
図5Bを参照して上記で説明されるものに類似し、300の系列とは対照的に400の系列を使用することを除いて、同様の番号が同様の要素を表すために使用される。しかしながら、示されるように、OLEDディスプレイ400はまた、電極406、408の間の間隙Sの中に配置される付加的な画定層416も含む。
図6に示されるように、画定層416は、付加的な画定層416の一部分が、基板402上の間隙Sの全体を通して、間隙に隣接する電極406、408の複数部分を覆って延在するという点で、
図4の表面特徴とは若干異なる構造を有する表面特徴であり得る。付加的な画定層416は、任意のトポグラフィを有することができ、
図6で図示されるものは、例示的にすぎない。
図6で図示されるように、切り込み417が、基板102から外方を向く付加的な画定層416の表面の中に存在し得る。切り込み417は、種々の方法を使用して形成され得る。例えば、切り込み417は、付加的な画定層416の堆積中に、層416が、概して、電極406、408等の閉じ込めウェル内に存在する任意のトポグラフィに適合することができるように、製造プロセスに起因し得、切り込み417は、電極406、408にわたる実質的に一様な厚さと、電極406、407の頂面と関連付けられない表面を伴う実質的に非一様な厚さとの間の異なる厚さによって形成される。代替として、切り込み417は、省略され得、例えば、基礎的表面トポグラフィが滑らかにされるように、非共形堆積方法を使用して付加的な画定層416が堆積させられる場合において、付加的な画定層416の頂面は、実質的に平面的なトポグラフィを有することができる。
【0079】
いずれか一方の構成で、上記で説明されているように、層410、412が付加的な画定層416のトポグラフィに十分に適合し、実質的に一様な厚さを有するように、(例えば、
図3Aおよび
図3Bを参照して以前に議論されたように)正孔伝導層410および/または有機発光層412を堆積させることができる。
【0080】
付加的な画定層416の頂面(すなわち、基板から外方を向く表面)と基板402との間の距離は、電極406、408の頂面と基板402との間の距離より大きく、または小さくあり得る。代替として、付加的な画定層416の頂面と基板402との間の距離は、電極406、408の頂面と基板402との間の距離に実質的に等しくあり得る。換言すると、付加的な画定層416の厚さは、基板の頂面と周辺閉じ込め構造404の頂面との間に位置付けられることから及ぶような、または実質的に閉じ込め構造404の頂面と同一の平面内に位置するようなものであり得る。代替として、付加的な画定層416は、付加的な画定層416が電極406、408の一部分に重複しないが、むしろそれらの間の間隙Sを充填するように、実質的に電極406、408と同一の高さであり得る。
【0081】
正孔伝導層410および有機発光層412は、閉じ込め構造404を越えウェル420の中へ延在する画定層414の複数部分を覆って配置され得、層410、412は、閉じ込め構造404によって画定される閉じ込めウェル420内の付加的な画定層416を覆
って延在することができる。付加的な画定層416が電流を防止することができ、したがって、サブピクセルの縁を通した発光を防止することによって、望ましくない視覚アーチファクトを低減させ得るように、付加的な画定層416は、電気抵抗材料で作製され得る。画定層414および付加的な画定層416は、同一または異なる材料で作製され得る。
【0082】
例示的実施形態では、
図6で図示されるように、各閉じ込めウェルは、複数の活性サブピクセル領域を含むことができ、複数の活性サブピクセル領域は、間隙Sによって分離されるW1およびW2を含み、幅CWを有する閉じ込めウェル内に含まれW1、W2、CW、およびSは、主に、上記で議論されたように、ピクセルピッチに関係付けられる。上記のように、3μmがSの最小寸法であってもよいが、当業者は、1μmほどの小ささから10μmよりもさらに大きい寸法も可能であることを理解するであろう。閉じ込め構造404の高さHは、例えば、
図3Aおよび
図3Bを参照して上記で説明されたような範囲を選択され、かつ伴い得る。
【0083】
画定層の厚さと関連付けられる寸法T1、および付加的な画定層の厚さと関連付けられる寸法T2は、製作技法、処理条件、および使用される画定層材料の種類に基づいて、可変であり得る。結果として、画定層の厚さと関連付けられる寸法T1、および付加的な画定層の厚さと関連付けられる寸法T2は、50nm~2.5μm、例えば、100nm~500nmに及ぶことができる。閉じ込めウェルの縁の内側の画定層の延在部と関連付けられる寸法SB1、SB2、およびB2を、所望に応じて選択することができる。しかしながら、より大きい寸法が、利用可能な活性ピクセル電極領域の量を低減させることによってフィルファクターの低減に寄与する。したがって、所望の機能を果たす最小寸法を選択することが望ましくあり得、所望の機能は、概して、活性電極領域から縁の非一様性を除外することである。種々の例示的実施形態では、この寸法は、1μm~20μmに及ぶことができ、例えば、2μm~5μmに及んでもよい。
【0084】
当業者は、本開示に基づいて理解するように、望ましいピクセル画定構成を達成する異なる方法の任意の組み合わせで、開示された画定層構成のうちのいずれかを使用することができる。例えば、画定層414および/または付加的な画定層416は、任意のピクセルおよび/またはサブピクセル領域、あるいは任意の部分的なピクセルおよび/またはサブピクセル領域を画定するように構成され得、画定層414は、任意の閉じ込め構造404の下に堆積させられる画定層と関連付けられ得る、付加的な画定層416は、閉じ込めウェル420の中等の電極間の閉じ込めウェル内に堆積させられる任意の画定層と関連付けられ得る。当業者は、本開示内で示される断面図が、例証的な断面図にすぎず、したがって、本開示は、図示される特定の断面図に限定されるものではないことを認識するであろう。例えば、
図3Aおよび
図3Bは、それぞれ、線3A-3Aおよび3B-3Bに沿って図示されているが、例えば、3A-3Aおよび3B-3Bに直交する方向を含む、異なる線に沿って得られる、異なる断面図が、異なる画定層構成を反映してもよい。例示的実施形態では、
図2で図示されるピクセル150、151、152等のピクセルの輪郭を描くために、画定層を組み合わせで使用することができる。代替として、画定層が閉じ込めウェル内のサブピクセル電極を完全または部分的に包囲するように、画定層は、サブピクセルを画定するように構成され得る。
【0085】
ここで
図7を参照すると、さらに別の例示的実施形態の断面図が図示されている。OLEDディスプレイ500は、表面特徴516と、画定層514とを含むことができる。
図7の配列は、
図4を参照して上記で説明されたものに類似し、200の系列とは対照的に500の系列を使用することを除いて、同様の番号が同様の要素を表すために使用される。しかしながら、
図7で図示されるように、OLEDディスプレイ500はさらに、閉じ込め構造504の下に配置される画定層514を含む。画定層514は、OLEDディスプレイ500の複数部分を画定するために使用される、任意の物理構造であり得る。実施
形態では、画定層514は、ピクセルアレイ内のピクセルおよび/またはピクセルを伴うサブピクセルの輪郭を描くために使用される任意の物理構造であり得る、画定層であり得る。図示されるように、例示的実施形態では、画定層514は、閉じ込め構造504を越えて、電極506、508の一部分を覆って延在することができる。画定層514が電流を防止し、したがって、サブピクセルの縁を通した発光を防止することによって不要な視覚アーチファクトを低減させることができるように、画定層514は、電気抵抗材料で作製され得る。このようにして、画定層514は、縁乾燥効果により起こり得る、各サブピクセルの縁で形成される薄膜層の非一様性を覆い隠すことに役立つことができる。上記で説明されているように、層510、512が、基礎的表面特徴トポグラフィに十分に適合し、実質的に一様な厚さを有するように、(例えば、
図3Aおよび
図3Bを参照して以前に議論されたように)正孔伝導層510および有機発光層512を堆積させることができる。
【0086】
当業者は、種々の配列および構造、例えば、表面特徴、画定層等が、例示的にすぎず、種々の他の組み合わせおよび配列が想定され得、本開示の範囲内に入り得ることを理解するであろう。
【0087】
ここで
図8-11を参照すると、OLEDディスプレイ600を製造する例示的な方法中の種々の例示的なステップを呈する、基板の部分断面図が図示されている。製造の方法は、ディスプレイ600を参照して以下で議論されるが、他のOLEDディスプレイ、例えば、上記で説明されるOLEDディスプレイ100、200、300、400、および500を製造する際に、上記で説明されるステップのうちのいずれかおよび/または全てを使用することができる。
図8で図示されるように、基板602の上に電極606、608および表面特徴616を提供することができる。電極606、608、および表面特徴616は、インクジェット印刷、ノズル印刷、スリットコーティング、スピンコーティング、真空熱蒸発、スパッタリング(または他の物理蒸着方法)、化学蒸着等の任意の製造方法を使用して形成され得、シャドウマスキング、フォトリソグラフィ(フォトレジストコーティング、露出、現像、および剥離)、ウェットエッチング、ドライエッチング、リフトオフ等を使用することによって、堆積技法に含まれない別の任意の付加的なパターン形成を達成することができる。電極606、608は、表面特徴616と同時に、あるいは電極または表面特徴のいずれか一方が最初に形成されることと連続して形成され得る。
【0088】
次いで、
図9で図示されるように、表面特徴616および電極606、608を覆って、画定層614および付加的な画定層618を堆積させることができる。層614および618は、インクジェット印刷、ノズル印刷、スリットコーティング、スピンコーティング、真空熱蒸発、スパッタリング(または他の物理蒸着方法)、化学蒸着等の任意の製造方法を使用して形成され得、シャドウマスキング、フォトリソグラフィ(フォトレジストコーティング、露出、現像、および剥離)、ウェットエッチング、ドライエッチング、リフトオフ等を使用することによって、堆積技法に含まれない物の任意の必要とされる付加的なパターン形成を達成することができる。画定層614は、付加的な画定層618と同時に形成され得、あるいは層614、618は、層614または618のいずれか一方が最初に形成されることと連続して形成され得る。
【0089】
閉じ込め構造604が、画定層614を覆って提供される。閉じ込め構造604は、複数のピクセルに及びながら、複数のサブピクセル電極606、608を包囲する閉じ込めウェル620を画定するように形成され得る。閉じ込め構造604は、インクジェット印刷、ノズル印刷、スリットコーティング、スピンコーティング、真空熱蒸発、スパッタリング(または他の物理蒸着方法)、化学蒸着等の任意の製造方法を使用して形成され得、シャドウマスキング、フォトリソグラフィ(フォトレジストコーティング、露出、現像、および剥離)、ウェットエッチング、ドライエッチング、リフトオフ等を使用することに
よって、堆積技法に含まれない別の任意の付加的なパターン形成を達成することができる。1つの例示的な技法では、
図10で図示されるように、連続層604’において基板602の上に閉じ込め構造材料を堆積させることができ、次いで、サブピクセル電極606、608を露出するように層604’の一部分605を除去することができるように、マスク607を使用して、層はパターン形成され得る。閉じ込め構造604は、複数部分605が除去された後に残る層604’の材料によって形成される。代替として、堆積した閉じ込め構造604が境界を画定することができ、閉じ込めウェルが堆積した閉じ込め構造604の境界内に形成されるように、閉じ込め構造のみを形成するように材料を能動的に堆積させることによって、閉じ込め構造604を形成することができる。
【0090】
例示的実施形態では、
図10で図示されるように、各閉じ込めウェルは、間隙Sによって分離されるW1およびW2を含む、複数の活性サブピクセル領域を含むことができる。上記のように、寸法W1、W2、およびCWは、主に、ピクセルピッチに関係付けられる。そして、間隙Sの寸法は、製作技法および処理、ならびにレイアウトと関連付けられる制限に関係付けられ、1μm~10μmよりさらに大きく及んでもよく、3μmが例示的な最小寸法である。閉じ込めウェルの縁の内側の画定層の延在部と関連付けられる寸法SB1およびSB2を、所望に応じて選択することができる。しかしながら、より大きい寸法が、利用可能な活性ピクセル電極領域の量を低減させることによってフィルファクターの低減に寄与する。したがって、概して、所望の機能を果たす最小寸法を選択することが望ましくあり得、所望の機能は、活性電極領域から縁の非一様性を除外することである。種々の例示的実施形態では、この寸法は、1μm~20μmに及ぶことができ、例えば、2μm~5μmに及んでもよい。
【0091】
図11で図示されるように、次いで、インクジェット印刷を使用して、正孔伝導層610を閉じ込めウェル620内に堆積させることができる。例えば、インクジェットノズル650は、閉じ込めウェル620内で画定される標的領域内で正孔伝導材料の液滴(単数または複数)651を指向することができる。正孔伝導層610はさらに、2つの別個の層、例えば、正孔注入層および正孔輸送層を備えてもよく、これらの層は、本明細書で説明されるようなインクジェット方法によって、連続的に堆積され得る。加えて、インクジェット印刷を使用して、正孔伝導層610を覆って閉じ込めウェル620内に有機発光層612を堆積させることができる。インクジェットノズル650は、正孔伝導層610を覆う標的領域内で有機発光材料の液滴(単数または複数)651を指向することができる。当業者は、単一のノズルが
図11を参照して論議されているが、複数の閉じ込めウェル内に正孔伝導材料または有機発光材料を含む液滴を提供するように、複数のノズルを実装できることを理解するであろう。当業者に周知であるように、いくつかの実施形態では、有機発光材料の同一または異なる色を複数のインクジェットノズルヘッドから同時に堆積させることができる。加えて、当業者に公知である技術を使用して、標的基板表面上の液滴放出および配置を行うことができる。
【0092】
例示的実施形態では、赤色、緑色、または青色層等の単一の有機発光層612を閉じ込めウェル620内に堆積させることができる。代替的な例示的実施形態では、一方が他方を覆って、複数の有機発光層を閉じ込めウェル620内に堆積させることができる。そのような配列は、例えば、一方の発光層が発光するように活性化されるときに、他方の発光層が発光しないか、または第1の有機発光層の発光に干渉しないように、発光層が異なる発光波長範囲を有するときに機能することができる。例えば、赤色有機発光層または緑色有機発光層を閉じ込めウェル620内に堆積させることができ、次いで、赤色または緑色有機発光層を覆って青色有機発光層を堆積させることができる。このようにして、閉じ込めウェルが、2つの異なる発光層を含むことができる一方で、1つだけの発光層が、閉じ込めウェル内で発光するように構成される。
【0093】
層610および612は、上記で説明されているように、画定層614、表面構造616、付加的な画定層618、および電極606、608のトポグラフィに十分に適合するよう堆積され得、かつ上記で説明されたように実質的に一様な厚さを有することができる。
【0094】
図3A-11を参照して上記で説明される種々の側面は、本開示による種々のピクセルおよびサブピクセルレイアウトに使用され得、
図2は、1つの例示的かつ非限定的なそのようなレイアウトである。本開示によって想定される種々の付加的な例示的レイアウトが、
図12-18で描写されている。種々の例示的なレイアウトは、本明細書で説明される例示的実施形態を実装する多くの方法があることを図示する。多くの場合、任意の特定のレイアウトの選択は、例えば、電気回路の基礎的レイアウト、所望のピクセル形状(図示した実施形態では長方形または六角形として描写されているが、山形、円、六角形、三角形、および同等物等の他の形状でもあり得る)、およびディスプレイの外観に関係付けられる要因(異なる構成について、およびテキスト、グラフィック、または動画等の異なる種類のディスプレイコンテンツについて観察され得る視覚アーチファクト等)等の種々の要因によって駆動される。当業者は、いくつかの他のレイアウトが本開示の範囲内に入り、修正を通じて、かつ本明細書で説明される原理に基づいて、それらを得ることができると理解するであろう。さらに、当業者は、簡単にするために、閉じ込めウェルを画定する閉じ込め構造のみが、
図12-18の説明において以下で説明されるが、
図3A-11を参照して上記で説明される、表面特徴、回路、ピクセル画定層、および他の層を含む特徴のうちのいずれかを本明細書のピクセルレイアウトのうちのいずれかと組み合わせて使用できることを理解するであろう。
【0095】
図12は、OLEDディスプレイ700のためのピクセルおよびサブピクセルレイアウトの例示的実施形態の部分平面図を描写し、以下で説明されているレイアウトのさらなる側面を伴って、
図2のレイアウトに類似する。アレイ構成で複数の閉じ込めウェル720、730、740を画定するように、閉じ込め構造704、例えば、上記で議論されるようなバンク構造を基板上に提供することができる。各閉じ込めウェル720、730、740は、OLED材料の実質的に連続的な層(影付きの領域によって示される)を含むことができ、それによって、有機層が、閉じ込めウェル720、730、740を通って、閉じ込めウェルを包囲する閉じ込め構造704まで延在し、例えば、各ウェル720、730、740の中のOLED材料の層の縁が、閉じ込め構造704に接触し得る。OLED層は、例えば、正孔注入材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、電子注入材料、正孔遮断材料、および異なる発光波長範囲の放射を提供する有機発光材料のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、閉じ込めウェル720は、赤色波長範囲内の発光と関連付けられる有機発光層を含むことができ、Rによって示され、閉じ込めウェル730は、緑色波長範囲内の発光と関連付けられる有機発光層を含むことができ、Gによって示され、閉じ込めウェル740は、青色波長範囲内の発光と関連付けられる有機発光層を含むことができ、Bによって示される。ウェル720、730、740は、相互に対するものを含む、種々の配列および構成(例えば、レイアウト)を有することができる。例えば、
図12で図示されるように、それぞれ、赤色有機発光層Rを含む閉じ込めウェル720および緑色有機発光層Gを含む閉じ込めウェル730は、交互配列で行R1、R3の中に配列される。行R1およびR3と交互に、青色有機発光層Bを含む閉じ込めウェル740の行R2、R4がある。閉じ込めウェル720、730はまた、代替として、行R1、R3内に配置され得る。
【0096】
複数の電極706、707、708、709;736、737、738、739;および742、744は、それぞれ、各閉じ込めウェル720、730、740の中に配置され得、各電極は、赤色、緑色、または青色発光等の特定の発光色と関連付けられるサブピクセルと関連付けられ得る。破線によって
図12で識別される、ピクセル750、751
、752、753は、赤色発光を有する1つのサブピクセル、緑色発光を有する1つのサブピクセル、および青色発光を有する1つのサブピクセルを含むように画定され得る。例えば、各閉じ込めウェル720、730、740は、それぞれ、
図12に示される電極輪郭に対応する、それらの関連電極活性領域が、相互から離間されるように構成された複数の電極706、707、708、709;736、737、738、739;および742、744を含むことができる。閉じ込めウェル720、730、740は、閉じ込めウェル内に異なる数および/または配列の電極を有することができる。代替として、3つより多くのサブピクセル色を伴う色の組み合わせを含む、赤色、緑色、および青色以外の色のセットを伴う配列等の付加的な配列が可能である。単一の色の1つより多くのサブピクセルが、特定のピクセルと関連付けられる、例えば、各ピクセルが、それと関連付けられる1つの赤色、1つの緑色、および2つの青色サブピクセル、または特定の色のサブピクセルの数の他の組み合わせ、および色の他の組み合わせを有することができる、他の配列も可能である。また、異なる発光材料の複数の層が相互を覆って位置付けられる場合、異なる色のサブピクセルが相互に重複し得ることが想定される。
図12で図示されるように、サブピクセル電極は、閉じ込めウェルを画定する構造から離間され得る。代替実施形態では、電極と閉じ込め構造との間に間隙が生じないように、サブピクセル電極は、閉じ込めウェル構造に直接隣接するように堆積され得る。加えて、閉じ込めウェル構造は、サブピクセル電極の一部分を覆って配置され得る。
【0097】
加えて、隣接する閉じ込めウェルは、異なるサブピクセル配列を有することができる。例えば、
図12で図示されるように、閉じ込めウェル720および730は、2×2活性電極領域配列を含み、閉じ込めウェル740は、1×2活性電極領域配列を含み、2×2配列内の活性電極領域は、同一のサイズの正方形であり、1×2配列内の活性電極領域は、同一のサイズの長方形である。上記のように、異なる閉じ込めウェル内の電極は、活性領域の異なる表面積を有することができる。
【0098】
1つの例示的な配列では、青色波長範囲B内の発光のサブピクセルを扱うために使用される電極と関連付けられる活性領域は、赤色および/または緑色波長範囲R、G内の発光を扱うために使用される電極と関連付けられる活性領域より大きい表面積を有することができる。同一の面積輝度レベルで動作するときに、青色発光と関連付けられるサブピクセルが、多くの場合、赤色または緑色発光を有することと関連付けられるサブピクセルより実質的に短い寿命を有するため、青色波長範囲B内の発光を有するサブピクセルと関連付けられる電極の活性領域は、赤色または緑色発光と関連付けられるサブピクセル電極と関連付けられる活性領域より大きい表面積を有することが望ましくあり得る。青色発光と関連付けられるサブピクセルの相対活性領域を増加させることは、同一の全体的ディスプレイ輝度を依然として維持しながら、比較的低い面積輝度レベルでの動作を可能にし、それによって、青色発光と関連付けられるサブピクセルの寿命およびディスプレイの全体的寿命を増加させる。赤色および緑色発光と関連付けられるサブピクセルは、青色発光と関連付けられるサブピクセルとの関係で、対応して縮小され得ることに留意されたい。これは、青色発光と関連付けられるサブピクセルとの関係で、より高い輝度レベルで駆動させられる赤色および緑色発光と関連付けられるサブピクセルにつながり、これは、赤色および緑色OLEDデバイス寿命を短縮し得る。しかしながら、赤色および緑色発光と関連付けられるサブピクセルの寿命は、青色サブピクセルと関連付けられるサブピクセルと関連付けられる寿命より十分長くあり得るため、青色発光と関連付けられるサブピクセルは、全体的ディスプレイ寿命に関して限定的なサブピクセルのままである。閉じ込めウェル740内の電極の活性領域は、
図12で水平方向に延在するそれらの伸長方向で配列されるものとして図示されているが、電極は、代替として、それらの伸長方向が
図12で垂直方向に延在するように配列され得る。
【0099】
隣接する閉じ込めウェルの間の間隔は、ピクセルレイアウトの全体を通して等しくあり
得るか、または変動し得る。例えば、
図12を参照すると、閉じ込めウェル720、730の間の間隔b’は、閉じ込めウェル720または730と740との間の間隔f’より大きいかまたは等しくあり得る。換言すると、行の中の隣接する閉じ込めウェルの間の水平方向間隔は、
図12の向きで、隣接する行の中の隣接する閉じ込めウェルの間の垂直方向間隔とは異なり得る。また、行R1、R3の中の水平間隔b’は、R2、R4の中の水平間隔a’と等しくあり得るか、またはそれとは異なり得る。
【0100】
異なる閉じ込めウェル720、730、740のそれぞれの内側の電極の活性領域の間の間隔(間隙)はまた、同一であり得るか、または異なり得、かつ間隔の方向(例えば、水平方向または垂直方向)に応じて変動し得る。1つの例示的実施形態では、閉じ込めウェル720、730内の電極の活性領域の間の間隙dおよびeは、同一であり得、かつ閉じ込めウェル740内の電極の活性領域の間の間隙とは異なり得る。さらに、種々の例示的実施形態では、閉じ込めウェル内の隣接活性電極領域の間の間隙は、同一の行または異なる行のいずれか一方の中で、隣接する閉じ込めウェルの中の隣接活性電極領域の間の間隙より小さい。例えば、c、d、およびeは、
図12のa、b、またはfのいずれかより小さくあり得る。
【0101】
図12では、各閉じ込めウェル、例えば、720の内縁と、その閉じ込めウェル内で関連付けられる活性電極領域、例えば、706、707、708、709のそれぞれの外縁との間の間隙が示されている。しかしながら、
図2で図示されるように、種々の例示的実施形態によると、そのような間隙は、存在しなくてもよく、活性電極領域のそれぞれの外縁は、閉じ込めウェルの内縁と同一であり得る。この構成は、例えば、
図3Aで図示されるもののような構造を使用して達成され得、そのような間隙が存在する、
図12に示される構成は、例えば、
図5Aで図示されるもののような構造を使用して達成され得る。しかしながら、他の構造もまた、
図2および
図12で図示される同一の構成を達成することが可能であり得る。
【0102】
ピクセル750、751、752、753は、閉じ込めウェル配列および対応するサブピクセルレイアウトに基づいて画定され得る。ピクセル750、751、752、753の全体的間隔またはピッチは、ディスプレイの解像度に基づくことができる。例えば、ディスプレイ解像度が高いほど、ピッチが小さい。加えて、隣接ピクセルは、異なるサブピクセル配列を有することができる。例えば、
図12で図示されるように、ピクセル750は、左上部分に赤色サブピクセルR、右上部分に緑色サブピクセルG、およびピクセルの底部分の大部分に及ぶ青色サブピクセルBを含む。ピクセル751のサブピクセルレイアウトは、緑色サブピクセルGおよび赤色サブピクセルRの相対位置が交換され、左上部分に緑色サブピクセルGがあり、右上部分に赤色サブピクセルRがあることを除いて、ピクセル750のレイアウトに類似する。ピクセル752および753は、それぞれ、それらの下にあるピクセル751、750に隣接し、それぞれ、ピクセル751、750の鏡像である。したがって、ピクセル752は、上部分に青色サブピクセルB、左下部分に緑色サブピクセルG、および右下部分に赤色サブピクセルRを含む。そして、ピクセル753は、上部分に青色サブピクセル、左下部分に緑色サブピクセル、および右下部分に赤色サブピクセルを含む。
【0103】
図12による、326ピクセルパーインチ(ppi)を有する、高解像度ディスプレイの例示的実施形態では、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、および青色サブピクセルを含むピクセルは、326ppiを達成するために必要とされるディスプレイの全体的ピッチに対応する、約78μm×78μmの全体的寸法を有することができる。本実施形態については、以前に議論されたように、閉じ込め領域の間の技術現状最小間隔を反映する、a’=b’=f=12μmを仮定し、さらに、閉じ込めウェル縁の内側で3μm延在する画定層が利用される場合を反映する、a=b=f=12μm+6μm=18μmを仮定
し、最終的に、閉じ込めウェル内の電極活性領域の間の典型的な間隙としてc=d=e=3μmを仮定すると、赤色および緑色サブピクセルのそれぞれと関連付けられる面積は、28.5μm×28.5μmであり得、青色サブピクセルと関連付けられる面積は、60μm×27μmであり得る。青色サブピクセルの表面積は、上記で説明されるように全体的ディスプレイ寿命を増加させるように、赤色および緑色サブピクセルのそれぞれより大きくあり得る。そのようなレイアウトは、66μm×66μmの寸法を有する、2×2赤色および緑色サブピクセルのグループ化と関連付けられる閉じ込めウェルと、66μm×66μmの寸法を有する、1×2青色サブピクセルのグループ化と関連付けられる閉じ込めウェルとを有することができる。そのような寸法は、53%等の50%より大きい、高いフィルファクターを伴う高解像度ディスプレイも提供しながら、従来のインクジェットプリントヘッドおよび印刷システムを用いて、活性OLED材料の簡単な装填を提供する。そのような寸法はまた、閉じ込めウェル壁に直接隣接する薄膜領域を通る電流を遮断することによって、活性電極領域内で増進した薄膜の一様性を提供することができるような特徴を、画定層を有する構造に提供することができる。
【0104】
440ピクセルパーインチ(ppi)を有する高解像度ディスプレイの対応する例示的実施形態では、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、および青色サブピクセルを含むピクセルは、約58μm×58μmの全体的寸法を有することができ、直前の例のように、寸法a、b、c、d、e、f、a’、b’、およびf’について同一の値を仮定すると、赤色および緑色サブピクセルのそれぞれと関連付けられる面積は、18.5μm×18.5μmであり得、青色サブピクセルと関連付けられる面積は、40μm×17μmであり得る。青色サブピクセルの表面積は、上記で説明されるように、全体的ディスプレイ寿命を増加させるように、赤色および緑色サブピクセルのそれぞれより大きくあり得る。そのようなレイアウトは、46μm×46μmの寸法を有する、2×2赤色および緑色サブピクセルのグループ化と関連付けられる閉じ込めウェルと、46μm×46μmの寸法を有する、1×2青色サブピクセルのグループ化と関連付けられる閉じ込めウェルとを有することができる。そのような寸法は、40%の高いフィルファクターを伴う高解像度ディスプレイも提供しながら、従来のインクジェットプリントヘッドおよび印刷システムを用いて、活性OLED材料の比較的簡単な装填を提供する。
【0105】
上記の例示的実施形態のそれぞれでは、寸法a、b、c、d、e、f、a’、b’、f’の種々の値を実装することができる。しかしながら、当業者は、これらの寸法が変動することを認識するであろう。例えば、以前に議論されたように、大きいppiについて、1μmほどの小ささから数百ミクロンほどの大きさまで、閉じ込め壁の間の間隔(a’、b’、f’)を変動させることができる。閉じ込めウェル内の活性電極領域の間の間隙(c、d、e)は、上記で議論されるように、1μmほどの小ささから数十ミクロンほどの大きさまで変動し得る。活性電極領域と閉じ込め壁の縁との間の間隙(それぞれ、効果的に、a’とaとの間、b’とb’との間、およびf’とfとの間の差異の半分)もまた、上記で議論されるように、1μmほどの小ささから10μmほどの大きさまで変動し得る。さらに、これらの寸法が変動させられると、それらは、閉じ込めウェル寸法およびその中に含まれる活性電極領域に許容される値の範囲を限定する、(ディスプレイの全体的ピッチを決定する)ppiとともに、制約を適用する。上記の例示的実施形態では、簡単にするために、同一の寸法の正方形の閉じ込めウェルが、3つ全ての色に使用される。しかしながら、閉じ込めウェルは、正方形である必要はなく、かつ全て同一のサイズである必要はない。加えて、
図12で提供される寸法は、種々の共通寸法、例えば、赤色閉じ込めウェルおよび緑色閉じ込めウェル内の活性電極領域の間の間隙を示すが、いくつかの例示的実施形態では、これらの間隙は、共通寸法ではないが、相互とは異なる。
【0106】
図13は、OLEDディスプレイ800の別の例示的なピクセル/サブピクセルレイアウトの部分平面図を描写する。以前に議論された例示的実施形態に共通する特徴は説明さ
れない。簡単にするために、差異について議論する。
【0107】
ディスプレイ800は、例えば、
図12で図示されるようなディスプレイ700のサブピクセル電極より、閉じ込めウェル内のサブピクセル電極と関連付けられる活性領域の間で大きい隔たりを有することができる。それぞれの閉じ込めウェル820、830、840内の電極806、807、808、809;836、837、838、839;および842、844と関連付けられる隣接活性領域の間の間隔は、隣接する閉じ込めウェルの中の隣接活性電極領域の間の間隙より大きくあり得る。例えば、電極836と関連付けられる活性領域は、所定の距離gで相互から離間され得、電極838と関連付けられる活性領域も同様である。隣接する閉じ込めウェル820、830の中の隣接活性電極領域の間の間隔kは、電極836、838と関連付けられる活性領域の間の間隔gより小さくあり得、電極842(および同様に電極844)と関連付けられる活性領域の間の間隔mは、隣接する閉じ込めウェル840および閉じ込めウェル820、830の中の隣接活性電極領域の間の間隔nより大きくあり得る。そのような間隔は、単一の画定されたピクセルと関連付けられるサブピクセル電極のより密接な配列を提供しながら、閉じ込めウェル内に配置され、かつ同一の発光色と関連付けられるサブピクセル電極の間により大きい間隔を提供することができる。この間隔は、ディスプレイが、密接して配列されたRGB三つ組のアレイであると考えられ、密接して配列されたRRRR四つ組、GGGG四つ組、およびBBペアのアレイであると考えられないように、望ましくない視覚アーチファクトを低減させることができる。
【0108】
本開示によるディスプレイのための別の例示的なピクセル/サブピクセルレイアウトが、
図14で描写されている。閉じ込め構造904は、アレイ構成で複数の閉じ込めウェル920、930、940を画定するように基板上に提供され得る。各閉じ込めウェル920、930、940は、有機層の縁が、閉じ込めウェル920、930、940の全体を通して、閉じ込めウェルを包囲する閉じ込め構造904まで延在する、例えば、各ウェル920、930、940の中のOLED材料の層の縁が閉じ込め構造904に接触し得るように、(影付き領域によって示される)OLED材料の実質的に連続的な層を含むことができる。活性OLED層は、例えば、限定ではないが、正孔注入材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、電子注入材料、正孔遮断材料、および異なる発光波長範囲の発光を提供する有機発光材料のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、閉じ込めウェル920は、赤色波長範囲R内の発光と関連付けられる有機発光層を含むことができ、閉じ込めウェル930は、緑色波長範囲G内の発光と関連付けられる有機発光層を含むことができ、閉じ込めウェル940は、青色波長範囲B内の発光と関連付けられる有機発光層を含むことができる。有機発光層は、任意の配列および/または構成でウェル内に配置され得る。例えば、閉じ込めウェル920、930、940の中に配置される有機発光層は、各行内に交互配列を有して配列される。隣接する行は、同一の配列、または異なる配列を有することができる。加えて、閉じ込めウェル920、930、940の隣接する行が、一様なアラインメントを有するものとして図示される一方で、閉じ込めウェル920、930、940の隣接する行は、代替として、オフセット配列等の非一様なアラインメントを有することができる。また、閉じ込めウェル920および930を代替的なパターンで逆転され得る。
【0109】
各ウェル920、930、940の構成は、各ウェルが垂直方向に細長いような長方形形状を有することができる。ウェル920、930、940は、伸長垂直方向に略同一の寸法を有することができる。加えて、ウェル920、930、940は、略同一の幅を有することができる。しかしながら、青色有機発光層と関連付けられるウェル940全体は、単一のサブピクセル、したがって、ピクセルに相関することができる一方で、赤色および緑色有機発光層と関連付けられるウェル920、930は、複数のサブピクセル、したがって、複数のピクセルに相関することができる。例えば、閉じ込めウェル920、93
0は、各電極が異なるピクセルの異なるサブピクセルと関連付けられるように、複数の電極を含むことができる。
図14で図示されるように、ウェル920は、2つの電極926、928を含み、2つの異なるピクセル950、951と関連付けられる。
【0110】
異なる数の電極926、928、936、938、946を異なる閉じ込めウェル内に配置することができる。例えば、いくつかの閉じ込めウェル920、930が、同一の閉じ込めウェルの中に配置される電極を選択的に扱うよう、複数の電極926、928、および936、938を含むが、異なるピクセルの中の異なるサブピクセルのための発光を生成することができる一方で、他の閉じ込めウェル940は、1つのピクセルと関連付けられる1つの閉じ込めウェルの中に配置される電極を扱うように、1つだけの電極946を含む。代替として、閉じ込めウェル940の中に配置される電極の数は、他の閉じ込めウェル920、930の中に配置される電極の数の半分であり得る。加えて、異なる閉じ込めウェル内の電極は、異なる表面積を有することができる。例えば、青色波長範囲内の発光と関連付けられる電極は、ディスプレイ900の寿命を向上させて電力消費を低減させるように、赤色および/または緑色波長範囲内の発光と関連付けられる電極より大きい表面積を有することができる。
【0111】
ピクセル950、951は、閉じ込めウェル配列および対応するサブピクセルレイアウトに基づいて画定され得る。ピクセル950、951の全体的な間隔またはピッチは、ディスプレイの解像度に基づくことができる。例えば、ディスプレイ解像度が高いほど、ピッチが小さい。加えて、隣接ピクセルは、異なるピクセル配列を有することができる。例えば、
図14で図示されるように、ピクセル950は、左側に緑色サブピクセルG、中央に青色サブピクセルB、および右側に赤色サブピクセルRを含むことができる。ピクセル951は、左側に赤色サブピクセルR、中央に青色サブピクセルB、および右側に緑色サブピクセルGを含むことができる。
【0112】
図15は、OLEDディスプレイ1000のためのピクセルおよびサブピクセルレイアウトの例示的実施形態の部分平面図を描写する。上記で議論される実施形態に共通する特徴は説明されない(但し、
図15で1000の系列を用いて類似標識を見出すことができる)。簡単にするために、差異について議論する。閉じ込め構造1004は、複数のウェル1020、1030、1040を画定するように構成され得る。一様な行の中でウェル1020、1030、1040が整列されるように、ウェル1020、1030、1040を配列することができ、赤色発光および緑色発光と関連付けられるウェル(例えば、1020、1030)が、単一の行内で交互になり、青色発光と関連付けられるウェル(例えば、1040)が、単一の行内にある。加えて、ウェル1020、1040の列がウェル1030、1040の行と交互になるように、ウェル1020、1030、1040が一様な列内で整列されるように、ウェル1020、1030、1040を構成することができる。閉じ込めウェル1020および1030は、代替として、閉じ込めウェル1030が交互パターンを開始するように配列され得る。
【0113】
各閉じ込めウェル1020、1030、1040は、略同一のサイズであり得る。しかしながら、各ウェル1020、1030、1040と関連付けられる電極の数は、異なり得る。例えば、
図15で図示されるように、赤色発光と関連付けられるウェル1020は、電極1026、1027、1028、1029を含むことができ、緑色発光と関連付けられるウェル1030は、電極1036、1037、1038、1039を含むことができ、青色発光と関連付けられるウェル1040は、電極1046、1048を含むことができる。閉じ込めウェル1040内の電極は、水平方向に離間して配列されるものとして図示されているが、電極は、代替として、垂直方向に離間されるよう配列され得る。
【0114】
電極1026、1027、1028、1029、1036、1037、1038、10
39は、正方形形状を有するものとして
図15で図示され、電極1046、1048は、長方形形状を有するものとして図示されるが、例えば、円形、山形、六角形、非対称、不規則な曲率等の任意の形状を有する電極が、本開示の範囲内として想定される。電極の複数の異なる形状を単一の閉じ込めウェル内で実装することができる。加えて、異なる閉じ込めウェルが、異なる形状の電極を有することができる。電極のサイズおよび形状は、電極間の距離、したがって、ディスプレイの全体的なレイアウトに影響を及ぼし得る。例えば、形状が相補的であるとき、隣接電極間の電気的隔離を依然として維持しながら、電極をともにより近く離間させることができる。加えて、電極の形状および間隔は、生成される視覚アーチファクトの程度に影響を及ぼし得る。望ましくない視覚アーチファクトを低減させ、画像混合を増進して連続画像を生成するように、電極形状を選択することができる。
【0115】
破線に示されるピクセル1050、1051は、閉じ込めウェル配列および対応するサブピクセルレイアウトに基づいて画定され得る。ピクセル1050、1051の全体的な間隔またはピッチは、ディスプレイの解像度に基づくことができる。例えば、ディスプレイ解像が高いほど、ピッチが小さい。加えて、ピクセルは、非対称形状を有するものとして画定され得る。例えば、
図15で図示されるように、ピクセル1050、1051は、「L」字形を有することができる。
【0116】
図16は、OLEDディスプレイ1100のためのピクセルおよびサブピクセルレイアウトの例示的実施形態の部分平面図を描写する。上記で議論される例示的実施形態に共通する特徴は説明しない(但し、
図16で1100の系列を用いて類似標識を見出すことができる)。閉じ込め構造1104は、複数の列C1、C2、C3、C4の中の複数の閉じ込めウェル1120、1130、1140を画定するように構成され得る。列C1、C2、C3、C4は、千鳥状配列を生成するように配列され得る。例えば、列C1およびC3の中の閉じ込めウェルは、列C2およびC4からオフセットされ、一様な列配列を維持しながら、千鳥状の行配列を生成することができる。ピクセル1150、1151は、閉じ込めウェル配列のピッチに基づいて画定され得る。閉じ込めウェル配列のピッチは、ディスプレイの解像度に基づくことができる。例えば、ピッチが小さいほど、ディスプレイ解像度が高い。加えて、ピクセルは、非対称形状を有するものとして画定され得る。例えば、破線によって
図16で図示されるように、ピクセル1150、1151は、非一様な形状を有することができる。
【0117】
図17は、OLEDディスプレイ1200のためのピクセルおよびサブピクセルレイアウトの例示的実施形態の部分平面図を描写する。上記で議論される例示的実施形態に共通する特徴は説明されない(但し、
図17で1200の系列を用いて類似標識を見出すことができる)。
図17で図示されるように、閉じ込め構造1204は、複数の閉じ込めウェル1220、1230、1240を画定するように構成され得る。各閉じ込めウェル1220、1230、1240は、異なる面積を有することができる。例えば、赤色発光Rと関連付けられるウェル1220は、緑色発光Gと関連付けられるウェル1230より大きい面積を有することができる。加えて、閉じ込めウェル1220、1230、1240は、異なる数のピクセルと関連付けられ得る。例えば、閉じ込めウェル1220は、ピクセル1251、1252、1254、1256と関連付けられ得、閉じ込めウェル1230、1240は、ピクセル1251、1252と関連付けられ得る。ウェル1220、1230、1240は、一様な行R1、R2、R3、R4、R5の中で構成され得る。行R2、R3、およびR5は、青色発光ウェル1240と関連付けられ得、行R1およびR4は、交互の赤色発光ウェル1220および緑色発光ウェル1230と関連付けられ得る。閉じ込め構造1204は、種々の寸法D1、D2、D3、D4を有することができる。例えば、D1は、D2、D3、またはD4より大きくあり得、D2は、D1、D3、またはD4より小さくあり得、D3は、D4に略等しくあり得る。
【0118】
図18は、OLEDディスプレイ1300のためのピクセルおよびサブピクセルレイアウトの例示的実施形態の部分平面図を描写する。上記、例えば
図17で議論される例示的実施形態に共通する特徴は説明されない(但し、
図18で1300の系列を用いて類似標識を見出すことができる)。閉じ込め構造1304は、複数の閉じ込めウェル1320、1330、1340を画定するように構成され得る。ウェル1320、1330、340は、赤色発光と関連付けられるウェル1320および緑色発光と関連付けられるウェル1330を、青色発光と関連付けられるウェル1340と行内で交互にすることができるように、配列され得る。
【0119】
種々のピクセルおよびサブピクセルレイアウトが上記で説明されているが、例示的実施形態は、説明されるような複数のピクセルに及ぶ閉じ込めウェルの形状、配列、および/または構成をいかようにも限定しない。代わりに、インクジェット印刷製造方法と組み合わせて本開示と関連付けられる閉じ込めウェルは、適応性のあるピクセルレイアウト配列が選択されることを可能にする。
【0120】
インクジェット印刷を使用して高解像度OLEDディスプレイを可能にすることができる、種々のピクセルレイアウトが想定される。例えば、
図19で図示されるように、閉じ込め構造1404は、ピクセル1450が、赤色発光Rと関連付けられる閉じ込めウェル1420、緑色発光Gと関連付けられる閉じ込めウェル1430、および青色発光Bと関連付けられる閉じ込めウェル1440を備えることができるように、六角形パターンを作成することができる。ピッチ、閉じ込めウェルの形状、および閉じ込めウェルをともに詰め込む能力により、インクジェット印刷を使用して、高解像度を有するOLEDディスプレイを作成することができる。
【0121】
任意のOLEDディスプレイにおいて高解像度を達成するために、本明細書で開示される実施形態を使用することができる。したがって、それは、種々の電子ディスプレイ装置に適用され得る。そのような電子ディスプレイ装置のいくつかの非限定的例は、テレビのディスプレイ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ、カーナビゲーションシステム、ディスプレイを含むオーディオシステム、ラップトップパーソナルコンピュータ、デジタルゲーム機器、携帯用情報端末(タブレット、モバイルコンピュータ、モバイルフォン、モバイルゲーム機器、または電子書籍等)、記録媒体を提供された画像再生デバイスを含む。2種類の電子ディスプレイ装置の例示的実施形態が、
図20および
図21で図示されている。
【0122】
図20は、本開示によるOLEDディスプレイのうちのいずれかを組み込む、テレビのモニタおよび/またはデスクトップパーソナルコンピュータのモニタを図示する。モニタ1500は、フレーム1502、支持体1504、およびディスプレイ部分1506を含むことができる。本明細書で開示されるOLEDディスプレイの実施形態は、ディスプレイ部分1506として使用され得る。モニタ1500は、任意のサイズのディスプレイ、例えば、最大55’’以上であり得る。
【0123】
図21は、本開示によるOLEDディスプレイのうちのいずれかを組み込む、モバイルデバイス1600(携帯電話、タブレット、携帯情報端末等)の例示的実施形態を図示する。モバイルデバイス1600は、本体1062と、ディスプレイ部分1604と、動作スイッチ1606とを含むことができる。本明細書で開示されるOLEDディスプレイの実施形態は、ディスプレイ部分1604として使用され得る。
【0124】
本開示の例示的実施形態による種々の側面を使用して、いくつかの例示的な寸法およびパラメータは、フィルファクターの増加とともに高解像度OLEDディスプレイを獲得す
ることにおいて有用であり得る。表1~3は、従来の寸法およびパラメータ、ならびに326ppiの解像度を有するOLEDディスプレイと関連付けられる本開示の例示的実施形態による、先見的な非限定的例を含み、表1は、赤色発光と関連付けられるサブピクセルを説明し、表2は、緑色発光と関連付けられるサブピクセルを説明し、表3は、青色発光と関連付けられるサブピクセルを説明する。表4~6は、従来の寸法およびパラメータ、ならびに440ppiの解像度を有するディスプレイと関連付けられる本開示の例示的実施形態による、先見的な非限定的例を含み、表4は、赤色発光と関連付けられるサブピクセルを説明し、表5は、緑色発光と関連付けられるサブピクセルを説明し、表6は、青色発光と関連付けられるサブピクセルを説明する。
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
表7は、従来の寸法およびパラメータ、ならびに326ppiの解像度を有するディスプレイ内のピクセルと関連付けられる本開示の例示的実施形態による、先見的な非限定的例を含み、ピクセルは、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、および緑色サブピクセルを含む。
【0132】
【0133】
上記の表7で図示されるように、本開示による種々の例示的実施形態は、従来の閉じ込め構造と比べてフィルファクターの向上を達成することができることが想定される。例えば、
図3Aおよび
図3Bで図示される閉じ込め構造を想定するディスプレイのフィルファクターは、従来の構造と比べてフィルファクターを約43%増加させ、それによって、65%の合計フィルファクターを達成することができる。別の実施形態では、
図5Aおよび
図5Bで図示されるような閉じ込め構造を想定するディスプレイのフィルファクターは、従来の構造と比べてフィルファクターを約51%増加させ、それによって、53%の合計フィルファクターを達成することができる。
【0134】
表8は、従来の寸法およびパラメータ、ならびに440ppiの解像度を有するディスプレイ内のピクセルと関連付けられる本開示の例示的実施形態による、先見的な非限定的例を含み、ピクセルは、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、および緑色サブピクセルを含む。
【0135】
【0136】
上記の表8で図示されるように、本開示による種々の例示的実施形態は、従来の閉じ込め構造と比べてフィルファクターの向上を達成することができることが想定される。例えば、
図3Aおよび
図3Bで図示される閉じ込め構造を想定するディスプレイのフィルファクターは、従来の構造と比べてフィルファクターを約84%増加させ、それによって、55%の合計フィルファクターを達成することができる。別の実施形態では、
図5Aおよび
図5Bで図示されるような閉じ込め構造を想定するディスプレイのフィルファクターは、従来の構造と比べてフィルファクターを約116%増加させ、それによって、40%の合計フィルファクターを達成することができる。
【0137】
上記で説明され、本開示に関連する種々の例示的実施形態は、OLED材料液滴が装填される閉じ込めウェルのサイズを増大させることによって、比較的高いピクセル密度および増加したフィルファクターを有するOLEDディスプレイのインクジェット印刷を可能にし、それによって、本開示による、達成可能な液滴径および達成可能なインクジェットシステム液滴配置精度の使用を可能にすることができる。より大きい閉じ込めウェル面積により、インクジェット機器設計および印刷技法において極めて困難な課題を提起し得る、過度に小さい液滴体積または過剰に高い液滴配置精度を利用する必要なく、十分に大きいインクジェット液滴体積および達成可能な液滴配置精度を使用して、高解像度OLEDディスプレイを製造することができる。本開示による複数のサブピクセルに及ぶ閉じ込めウェルを実装しないと、液滴が過度に大きい体積を有し、各サブピクセルウェルを過充填し、従来の液滴配置精度が、標的閉じ込めウェルの完全に外側または部分的に外側のいずれか一方の液滴の誤配置につながり、その両方が、薄膜堆積の望ましくない誤差、および最終ディスプレイ外観において対応する視覚欠陥につながるため、液滴径およびシステム液滴配置誤差が、既存のインクジェットヘッドを使用して製造される任意の高解像度ディスプレイにおいて問題を有意に増加させ得る。既存の液滴体積および液滴配置精度を用いて高いピクセル密度を達成する能力は、本明細書で説明される技法が、例えば、スマートフォンおよび/またはタブレットで見出されるような小型サイズディスプレイから、例えば、超高解像度テレビ等の大型サイズディスプレイまで、多くの用途のための比較的高い解像度のディスプレイの製造で利用されることを可能にする。また、例示的実施形態による、基礎的トポグラフィに十分に適合する実質的に一様な厚さのOLED材料層(単数または複数)を達成することにより、全体的なOLEDディスプレイの性能および品質を助長することができ、具体的には、望ましい性能および品質が高解像度OLEDディスプレイにおいて達成されることを可能にすることができる。上記の実施形態のうちの1つ以上は、低減したフィルファクターを達成することができる。従来のピクセル配列では、300ppi~440ppiの範囲内の解像度を有するディスプレイのフィルファクターは、40%未満、しばしば30%未満のフィルファクターを有する。対照的に、本開示の例示的実施形態は、300ppi~440ppiの範囲内の解像度を有するディスプレイについて、40%より大きい、場合によっては、60%ほども高いフィルファクターを達成し
てもよい。例示的実施形態は、高解像度ディスプレイ内のピクセル配列を含む、任意のピクセルサイズおよび配列に使用することができる。
【0138】
例示的実施形態は、任意のサイズのディスプレイとともに、より具体的には、高解像度を有する小型ディスプレイとともに使用され得る。例えば、本開示の例示的実施形態は、3インチ~70インチの範囲内の対角サイズを有し、かつ100ppiより大きい、例えば、300ppiより大きい解像度を有する、ディスプレイとともに使用され得る。
【0139】
説明される種々の例示的実施形態は、インクジェット印刷技法を利用することを想定するが、本明細書で説明される種々のピクセルおよびサブピクセルレイアウト、ならびにOLEDディスプレイのためのこれらのレイアウトを生成する方法はまた、熱蒸発、有機気相堆積、有機蒸気ジェット印刷等の他の製造技法を使用して、製造することもできる。例示的実施形態では、代替的な有機層パターン形成も行うことができる。例えば、パターン形成方法は、(熱蒸発と併せた)シャドウマスキングおよび有機蒸気ジェット印刷を含むことができる。具体的には、同一の色の複数のサブピクセルがともにグループ化され、堆積したOLED薄膜層がグループ化サブピクセル領域内の実質的なトポグラフィに及ぶ、本明細書で説明されるピクセルレイアウトが、インクジェット印刷用途のために着想されているが、そのようなレイアウトはまた、パターン形成ステップがシャドウマスキングを使用して達成される、OLED薄膜層堆積のための真空熱蒸発技法への有益な代替的適用を有することもできる。本明細書で説明されるようなレイアウトは、より大きいシャドウマスク穴、およびそのような穴の間の増大した距離を提供し、それによって、そのようなシャドウマスクの全体的な機械的安定性および一般実用性を潜在的に向上させる。シャドウマスクを用いた真空熱蒸発技法は、インクジェット技法ほど低費用ではない場合があるが、本開示によるピクセルレイアウトの使用、および同一の色と関連付けられるグループ化サブピクセル内の実質的なトポグラフィに及ぶOLED薄膜層コーティングの使用もまた、本明細書で説明される本開示の潜在的に重要な用途を表す。
【0140】
いくつかの例示的実施形態のみが上記で詳細に説明されているが、当業者は、本開示から大幅に逸脱することなく、多くの修正が例示的実施形態で可能であることを理解するであろう。したがって、全てのそのような修正は、以下の特許請求の範囲で定義されるような本開示の範囲内に含まれることを目的としている。
【0141】
さらなる側面が、以下の節で開示される。
【0142】
第1の側面は、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイに関する。第1の側面は、基板上に配置される第1の電極を含むことができる。第1の電極は、第1のサブピクセルと関連付けられ得る。第1の側面はさらに、第2の電極を含むことができ、第2の電極は、基板上に配置され、第1および第2の電極の間に間隙を提供するように第1の電極から離間される。第2の電極は、第2のサブピクセルと関連付けられ得る。第1の電極および第2の電極を含むウェルの境界を画定するように、閉じ込め構造を基板上に位置付けることができる。OLEDディスプレイはまた、ウェルの境界に及びかつ第1の電極および第2の電極を覆って配置される実質的に連続的な活性OLED材料層を含むこともできる。基板から外方を向く活性OLED材料層の表面は、非平面的なトポグラフィを有することができる。
【0143】
第1の側面に従った第2の側面では、OLEDディスプレイはさらに、実質的に一様な厚さを有する活性OLED材料の層を含むことができる。
【0144】
先行側面のうちのいずれか1つに従った第3の側面では、OLEDディスプレイはさらに、厚さの局所的な非一様性を含む活性OLED材料の層を含むことができる。
【0145】
先行側面のうちのいずれか1つに従った第4の側面では、OLEDディスプレイはさらに、ウェルの表面特徴の縁の5μm~10μm以内の厚さの局所的な非一様性を含むことができる。
【0146】
先行側面のうちのいずれか1つに従った第5の側面では、OLEDディスプレイはさらに、第1の電極および第2の電極の厚さより小さい厚さを有する活性OLED材料の層を含むことができる。
【0147】
先行側面のうちのいずれか1つに従った第6の側面では、OLEDディスプレイはさらに、発光材料および/または正孔伝導材料を含む活性OLED材料を含むことができる。
【0148】
先行側面のうちのいずれか1つに従った第7の側面では、OLEDディスプレイはさらに、正孔注入材料および/または正孔輸送材料を含む正孔伝導材料を含むことができる。
【0149】
先行側面のうちのいずれか1つに従った第8の側面では、OLEDディスプレイはさらに、第1の電極と第2の電極との間の間隙内で基板上に構造を提供すること、および/または構造上に第1の画定層を堆積させることを含むことができる。
【0150】
先行側面のうちのいずれか1つに従った第9の側面では、OLEDディスプレイはさらに、基板ならびに第1の電極および第2の電極の一部分の上に第2の画定層を堆積させ、次いで、第2の画定層を覆って閉じ込め構造を堆積させることを含むことができる。
【0151】
先行側面のうちのいずれか1つに従った第10の側面では、OLEDディスプレイはさらに、電気抵抗材料を含む第1の画定層および/または第2の画定層を含むことができる。
【0152】
先行側面のうちのいずれか1つに従った第11の側面では、OLEDディスプレイはさらに、40%より大きい、例えば、60%より大きいフィルファクターを有するディスプレイを含むことができる。
【0153】
先行側面のうちのいずれか1つに従った第12の側面では、OLEDディスプレイはさらに、少なくとも100ppi、例えば、少なくとも300ppiの解像度を有するディスプレイを含むことができる。
【0154】
先行側面のうちのいずれか1つに従った第13の側面では、OLEDディスプレイはさらに、トップエミッションディスプレイであるディスプレイを含むことができる。
【0155】
第14の側面は、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを製造する方法に関する。第14の側面は、第1のサブピクセルと関連付けられる第1の電極および第2のサブピクセルと関連付けられる第2の電極を基板上に提供することを含むことができ、間隙が、第1の電極と第2の電極との間に形成され、第1の電極および第2の電極は、基板上の閉じ込め構造によって画定される境界を有するウェルの中に位置付けられる。本方法はまた、電極が中に位置付けられたウェルの中に、活性OLED材料を堆積させることにより、ウェルの境界に及ぶ活性OLED材料の実質的に連続的な層を形成することを含むこともできる、それによって、基板から外方を向く活性OLED材料の層の表面は、非平面的なトポグラフィを有する。堆積させることは、インクジェット印刷を介し得る。
【0156】
第15の側面はさらに、第14の側面に従った方法を使用して形成される装置を含むことができる。
【0157】
第16の側面は、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイに関する。第16の側面は、基板上に提供される閉じ込め構造を含むことができる。閉じ込め構造は、アレイ構成で複数のウェルを画定することができる。OLEDディスプレイは、各ウェル内に配置される複数の電極を含むこともでき、各ウェルにおいて、複数の電極を相互から離間させることができる。第1の発光波長範囲を有する第1の有機発光層を、複数のウェルのうちの少なくとも1つの中に配置することができる。第2の発光波長範囲を有する第2の有機発光層を、複数のウェルのうちの少なくとも1つの中に配置することができ、第3の発光波長を有する第3の有機発光層を、複数のウェルのうちの少なくとも1つの中に配置することができる。第1および第2の有機発光層と関連付けられるウェル内に配置されるいくつかの電極は、第3の有機発光層と関連付けられるウェル内に配置されるいくつかの電極とは異なり得る。
【0158】
第16の側面に従った第17の側面では、OLEDディスプレイはさらに、赤色発光と関連付けられる第1の発光波長範囲と、緑色発光と関連付けられる第2の発光波長範囲と、青色発光と関連付けられる第3の発光波長範囲とを含むことができる。
【0159】
第16の側面および第17の側面に従った第18の側面では、OLEDディスプレイはさらに、画定されたピクセル境界とは異なり得る各ウェルの境界を含むことができる。
【0160】
第16の側面から第18の側面に従った第19の側面では、OLEDディスプレイはさらに、異なるピクセルと関連付けられ得る、それぞれのウェル内に配置される複数の電極のそれぞれを含むことができる。
【0161】
第16の側面から第19の側面に従った第20の側面では、OLEDディスプレイはさらに、2×2電極配列を有することができる、第1の有機発光層および/または第2の発光層と関連付けられるウェルを含むことができる。
【0162】
第16の側面から第20の側面に従った第21の側面では、OLEDディスプレイはさらに、1×2電極配列を有する、第3の有機発光層と関連付けられるウェルを含むことができる。
【0163】
第16の側面から第21の側面に従った第22の側面では、OLEDディスプレイはさらに、第1の有機発光層と関連付けられるウェルと第3の有機発光層と関連付けられるウェルとの間の間隔よりも大きいかまたはそれに等しい、第1の有機発光層と関連付けられるウェルと第2の有機発光層と関連付けられるウェルとの間の間隔を含むことができる。
【0164】
第16の側面から第22の側面に従った第23の側面では、OLEDディスプレイはさらに、第3の発光層と関連付けられる2つの隣接ウェルの間の間隔よりも大きいかまたはそれに等しい、第1の有機発光層と関連付けられるウェルと第2の有機発光層と関連付けられるウェルとの間の間隔を含むことができる。
【0165】
第16の側面から第23の側面に従った第24の側面では、OLEDディスプレイはさらに、隣接ウェルの間の距離より大きい間隙によって、相互から離間されるウェルのうちの少なくとも1つの中に配置される複数の電極を含むことができる。
【0166】
第16の側面から第24の側面に従った第25の側面では、OLEDディスプレイはさらに、トップエミッションディスプレイおよび/またはアクティブマトリクスディスプレイであり得る。
【0167】
第16の側面から第25の側面に従った第26の側面では、OLEDはさらに、40%より大きい、例えば、60%より大きいフィルファクターを有することができる。
【0168】
第16の側面から第26の側面に従った第27の側面では、OLEDディスプレイは、100ppiより大きい、例えば、300ppiより大きい解像度を有することができる。
【0169】
第28の側面は、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイに関する。第28の側面は、基板上に提供される閉じ込め構造を含むことができる。閉じ込め構造は、アレイ構成で複数のウェルを画定することができる。複数のウェルは、第1のウェルと、第2のウェルと、第3のウェルとを含むことができる。第1の複数の電極を第1のウェル内に配置することができ、第1のウェルの中の各電極を異なるピクセルと関連付けることができる。第2の複数の電極を第2のウェル内に配置することができ、第2のウェルの中の各電極は、異なるピクセルと関連付けられる。少なくとも1つの第3の電極を第3のウェル内に配置することができる。第1の発光波長範囲を有する第1の有機発光層を第1のウェルの中に配置することができる。第2の発光波長範囲を有する第2の有機発光層を第2のウェルの中に配置することができる。第3の発光波長範囲を有する第3の有機発光層を第3のウェルの中に配置することができる。第1および第2のウェルのそれぞれの内側に配置されるいくつかの電極は、第3のウェル内に配置されるいくつかの電極とは異なり得る。
【0170】
第28の側面に従った第29の側面では、OLEDディスプレイはさらに、第3のウェル内に配置される複数の電極を含むことができ、第3のウェルの中の各電極は、ディスプレイの異なるピクセルと関連付けられ得る。
【0171】
第28の側面および第29の側面に従った第30の側面では、OLEDディスプレイはさらに、第1のウェルの中に配置される電極の数の半分であり得る数の、第3のウェルの中に配置される電極を含むことができる。
【0172】
第28の側面から第30の側面に従った第31の側面では、OLEDディスプレイはさらに、第1のウェルと関連付けられるサブピクセルと、第2のウェルと関連付けられるサブピクセルと、第3のウェルと関連付けられるサブピクセルとを含むディスプレイのピクセルを含むことができる。
【0173】
第28の側面から第31の側面に従った第32の側面では、OLEDディスプレイはさらに、第1の表面積を有する活性電極領域を含む、第1のウェルおよび第2のウェルのそれぞれと関連付けられるサブピクセルと、第2の表面積を有する活性電極領域を含む、第3のウェル関連付けられるサブピクセルとを含むことができ、第2の表面積は、第1の表面積より大きくあり得る。
【0174】
第28の側面から第32の側面に従った第33の側面では、OLEDディスプレイはさらに、非対称形状を有するディスプレイのピクセルを含むことができる。
【0175】
第28の側面から第33の側面に従った第34の側面では、OLEDディスプレイはさらに、トップエミッションディスプレイおよび/またはアクティブマトリクスデバイスであり得る。
【0176】
第28の側面から第34の側面に従った第35の側面では、OLEDディスプレイはさらに、40%より大きい、例えば、60%より大きいフィルファクターを有することができる。
【0177】
第28の側面から第35の側面に従った第36の側面では、OLEDディスプレイはさらに、100ppiより大きい、例えば、300ppiより大きい解像度を有することができる。
【0178】
本明細書で示され、説明される種々の実施形態は、例示的と解釈されるものであることを理解されたい。本明細書の説明の利益を有した後に、全て当業者に明白となるように、要素および材料、ならびにこれらの要素および材料の配列は、本明細書で図示および説明されるものと置換されてもよく、かつ複数部分が逆転されてもよい。それらの均等物を含む、本開示および以下の特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書で説明される要素に変更が行われ得る。
【0179】
当業者は、本教示の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される例示的実施形態の構成および方法に種々の修正が行われ得ることを理解するであろう。
【0180】
当業者は、また、たとえ適切な修正を伴う他の例示的実施形態との組み合わせが本明細書で明示的に開示されていなくても、本明細書の1つの例示的実施形態に関して開示される種々の特徴が、そのような組み合わせで使用され得ることも理解するであろう。
【0181】
本開示および添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、本開示のデバイス、方法、およびシステムに種々の修正および変更を行うことができることが、当業者に明白となるであろう。本開示の他の実施形態が、本明細書で開示される本開示の明細書および実践の考慮から、当業者に明白となるであろう。本明細書および例は、例示的のみと考慮されることが意図される。
【外国語明細書】