(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048207
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】ゲーム装置、ゲームシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 9/00 20060101AFI20220317BHJP
G07F 17/32 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
A63F9/00 512B
A63F9/00 513
G07F17/32
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005792
(22)【出願日】2022-01-18
(62)【分割の表示】P 2019015913の分割
【原出願日】2019-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋口 亘
(57)【要約】
【課題】ゲームの興趣性を向上させつつ、好適なコストでの運用を実現する。
【解決手段】ゲーム装置は、対価の支払いを検出する検出手段と、検出手段により対価の支払いが検出されたことを受けて、ゲームに係る処理を開始する実行手段と、第1の物品を提供する第1の提供手段と、第1の物品とは異なる第2の物品を提供する第2の提供手段と、実行手段により実行されたゲームの進行により変化する該ゲームの状態に応じて、第1の提供手段及び第2の提供手段による物品提供を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、ゲームの状態が第1の状態である場合に、第1の物品を提供させるように第1の提供手段を制御し、ゲームの状態が第1の状態とは異なる第2の状態である場合に、検出手段により更なる対価の支払いが検出されていることを条件として、第2の物品を提供させるように第2の提供手段を制御する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対価の支払いを検出する検出手段と、
前記検出手段により対価の支払いが検出されたことを受けて、ゲームに係る処理を開始する実行手段と、
第1の物品を提供する第1の提供手段と、
前記第1の物品とは異なる第2の物品を提供する第2の提供手段と、
前記実行手段により実行された前記ゲームの進行により変化する該ゲームの状態に応じて、前記第1の提供手段及び前記第2の提供手段による物品提供を制御する制御手段と、
を備え、
前記第2の物品は、前記第1の物品よりも製造コストが高い物品であり、
前記ゲームは、第1の状態と、該第1の状態とは異なる第2の状態のいずれかに変化するものであり、
前記制御手段は、
前記ゲームの状態が前記第1の状態である場合に、前記第1の物品を提供させるように前記第1の提供手段を制御し、
前記ゲームの状態が前記第2の状態である場合に、前記検出手段により更なる対価の支払いが検出されていることを条件として、前記第2の物品を提供させるように前記第2の提供手段を制御し、前記検出手段により前記更なる対価の支払いが所定の期間検出されなかったことを条件として、前記第1の物品を提供させるように前記第1の提供手段を制御するゲーム装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記ゲームに係る処理が開始された後に検出した対価の支払いを、前記更なる対価の支払いとして検出する請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ゲームの状態が前記第1の状態である場合に、前記更なる対価の支払いが検出されていることを条件とせずに、前記第1の物品を提供させるように前記第1の提供手段を制御する請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記ゲームの状態が前記第2の状態である場合に、前記更なる対価の支払いが検出されたことを条件として、前記第1の提供手段に前記第1の物品を提供させることなく、前記第2の提供手段に前記第2の物品を提供させるように制御する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲームは、抽選ゲームを含み、
前記実行手段は、
前記抽選ゲームの結果が落選である場合に、前記ゲームの状態を前記第1の状態とし、
前記抽選ゲームの結果が当選である場合に、前記ゲームの状態を前記第2の状態とする
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記ゲームは、対戦ゲームを含み、
前記実行手段は、
前記対戦ゲームの結果が敗北である場合に、前記ゲームの状態を前記第1の状態とし、
前記対戦ゲームの結果が勝利である場合に、前記ゲームの状態を前記第2の状態とする
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ゲーム装置の筐体において、前記第1の提供手段と前記第2の提供手段とが並んで配置される請求項1乃至6のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記第1の提供手段及び前記第2の提供手段は、物品を収容可能な収容手段及び物品を生成可能な生成手段の少なくともいずれかを含んで構成される請求項1乃至7のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記実行手段は、所定の期間において、前記第1の物品の提供数が前記第2の物品の提供数よりも多くなるよう、前記ゲームの進行を制御する請求項1乃至8のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記第1の物品及び前記第2の物品に付された情報を取得する取得手段をさらに備え、
前記実行手段は、前記取得手段により取得された情報に基づいて前記ゲームの進行を制御し、
前記第2の物品に付される情報は、前記第1の物品に付される情報よりも、前記ゲームの進行を有利にせしめる情報である
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記更なる対価は、前記ゲームに係る処理の開始について定められる対価と同額に定められる請求項1乃至10のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項12】
第1の物品と、該第1の物品とは異なる第2の物品と、前記第1の物品及び前記第2の物品を提供可能なゲーム装置を含むゲームシステムであって、
前記第2の物品は、前記第1の物品よりも製造コストが高い物品であり、
前記ゲーム装置は、
対価の支払いを検出する検出手段と、
前記検出手段により対価の支払いが検出されたことを受けて、ゲームに係る処理を開始する実行手段と、
前記第1の物品を提供する第1の提供手段と、
前記第2の物品を提供する第2の提供手段と、
前記実行手段により実行された前記ゲームの進行により変化する該ゲームの状態に応じて、前記第1の提供手段及び前記第2の提供手段による物品提供を制御する制御手段と、
を備え、
前記ゲームは、第1の状態と、該第1の状態とは異なる第2の状態のいずれかに変化するものであり、
前記制御手段は、
前記ゲームの状態が前記第1の状態である場合に、前記第1の物品を提供させるように前記第1の提供手段を制御し、
前記ゲームの状態が前記第2の状態である場合に、前記検出手段により更なる対価の支払いが検出されていることを条件として、前記第2の物品を提供させるように前記第2の提供手段を制御し、前記検出手段により前記更なる対価の支払いが所定の期間検出されなかったことを条件として、前記第1の物品を提供させるように前記第1の提供手段を制御するゲームシステム。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のゲーム装置の制御手段として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲームシステム及びプログラムに関し、特にゲームプレイに対して物品を提供するゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各々異なる価値レベルのカードを収容した複数のカードディスペンサを備え、抽選結果に応じて、1つのカードディスペンサからカードを排出させるよう制御するゲーム装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のゲーム装置で提供されるようなカードは、一般的には価値の高いものの方が、箔押し加工やエンボス加工等の特殊加工を経て製造されることが多く、価値の低いものが提供される場合に比べて、提供した場合の利益率は低い。
【0005】
また、価値の高いカードは、ゲームにおいて使用した場合にも進行を有利にせしめるように定められたゲームパラメータが対応付けられることも多く、このようなカードが大量にユーザの手に渡ると、所謂ゲームバランスが崩壊し得、これを回避するためのバランス調整や新たな要素の追加等、開発コストの増大も引き起こし得る。
【0006】
本発明は、ゲームの興趣性を向上させつつ、好適なコストでの運用を実現するゲーム装置、ゲームシステム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゲーム装置は、対価の支払いを検出する検出手段と、検出手段により対価の支払いが検出されたことを受けて、ゲームに係る処理を開始する実行手段と、第1の物品を提供する第1の提供手段と、第1の物品とは異なる第2の物品を提供する第2の提供手段と、実行手段により実行されたゲームの進行により変化する該ゲームの状態に応じて、第1の提供手段及び第2の提供手段による物品提供を制御する制御手段と、を備え、第2の物品は、第1の物品よりも製造コストが高い物品であり、ゲームは、第1の状態と、該第1の状態とは異なる第2の状態のいずれかに変化するものであり、制御手段は、ゲームの状態が第1の状態である場合に、第1の物品を提供させるように第1の提供手段を制御し、ゲームの状態が第2の状態である場合に、検出手段により更なる対価の支払いが検出されていることを条件として、第2の物品を提供させるように第2の提供手段を制御し、検出手段により更なる対価の支払いが所定の期間検出されなかったことを条件として、第1の物品を提供させるように第1の提供手段を制御する。
【発明の効果】
【0008】
このような構成により本発明によれば、ゲームの興趣性を向上させつつ、好適なコストでの運用を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の外観を示した図
【
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の機能構成を示したブロック図
【
図3】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100において、プレイ体験の提供時に実行されるゲーム処理を例示したフローチャート
【
図4】本発明の実施形態及び変形例に係る各種情報のデータ構成例を示した図
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、2種類の物品を提供することが可能なゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、複数種類の物品を提供し分けることが可能に構成された任意の機器に適用可能である。
【0012】
本実施形態のゲーム装置において情報取得可能な物品は、分類上、本発明に係る第1の物品と第2の物品の2種類と分けられるが、いずれもゲームカードであるものとして説明する。ゲームカードは、対価の支払いに応じて提供されるゲームのプレイ体験に際し、情報取得を行わせることで、該ゲームカードに対応付けられたゲーム要素をゲームに登場させることが可能に構成される。これら2種類のゲームカードは、いずれも、ゲームプレイが行われた際にゲーム装置から提供される。
【0013】
2種類のゲームカードには、例えば同一の形式であってよい情報(カード情報)が付されており、ゲームプレイ時に該情報を取得させることで、ゲームの進行制御に用いられる情報をゲーム装置に保持させることができる。カード情報には、少なくとも上述したゲームカードに対応付けられたゲーム要素を特定可能な情報が含まれている。ゲームカードへのカード情報の付加は、例えば、カード情報を所定の符号化形式で変換することで得られる2次元コードが、不可視または可視のインクでゲームカードの表面に印刷されることにより付加されることによって、実現されるものであってよい。本実施形態では簡単のため、ゲームカードには、ゲーム要素のうちのキャラクタが対応付けられているものとし、ゲームプレイに際してカード情報が取得されることで、該キャラクタがゲームに登場するよう構成されているものとする。
【0014】
なお、本実施形態では、ゲームカードに対応付けられるゲーム要素はキャラクタであるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、ゲームカードに対応付けられるゲーム要素は、アイテム、発動する効果等、その他のゲーム要素であってもよい。
【0015】
また、本実施形態では、ゲーム装置が提供する第1の物品と第2の物品とは、いずれもゲームカードであるものとして説明するが、これらの物品は同一の種別の物品である必要はなく、異なる種別の物品であってもよい。また物品は、ゲームカードに限られるものではなく、付されている情報がゲーム装置において取得可能な物品であればいずれであってもよいし、その形態に応じて情報付加の方法も異なるものであってよい。
【0016】
《ゲーム装置の構成》
以下、
図1に示したような外観を有する本発明の実施形態に係るゲーム装置100の機能構成について、
図2のブロック図を用いて説明する。
【0017】
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0018】
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報や、ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータを記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0019】
支払検出部104は、ゲーム装置100において対価の支払いがなされたことを検出する。対価の支払いは、例えば硬貨の投入口(不図示)に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決算処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。本実施形態のゲーム装置100は、対価の支払いに基づいてユーザへのゲームカードの提供を伴うサービスを開始するものとして説明するが、対価の支払いは必須の要件ではなく、所定の開始指示に基づいてサービスは開始されるものであってもよい。
【0020】
提示制御部107は、ゲーム装置100におけるユーザへの各種情報提示の制御を司る。本実施形態のゲーム装置100では、ユーザへの各種情報提示の手段として、画像(ゲーム画面、メニュー画面等)表示を行う第1表示部121及び第2表示部122を有するものとして説明するが、情報提示の手段はこれらに限られるものではなく、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。
【0021】
提示制御部107は、例えばGPU等の描画装置を含み、第1表示部121及び第2表示部122に表示させる画面を生成する際には所定の描画処理を行う。具体的には提示制御部107は、ゲーム装置100の稼働中(ゲームプレイ中やスタンバイ状態中)において、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクトに対して適当な演算処理を実行し、画面の描画を行う。生成した画面は、ゲーム装置100と同一筐体内、あるいはゲーム装置100の外部に着脱可能に接続された表示装置であってよい第1表示部121または第2表示部122に出力され、所定の表示領域中に表示されることでユーザに提示される。
【0022】
本実施形態のゲーム装置100は、ゲーム画面を表示する、
図1に示されるような2種類の表示装置(第1表示部121及び第2表示部122)を有しており、提示制御部107はその各々についてゲーム画面の生成を行う。図示されるように、本実施形態では第2表示部122は、その表示領域上にゲームカードを載置可能な盤面(載置パネル123)を有して、一体に構成されている。本実施形態のゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームでは、ユーザは、載置パネル123上においてゲームカードの移動操作を行うことで、ゲームの進行に介入することが可能に構成される。
【0023】
なお、本実施形態の第2表示部122は、遷移する各種のゲーム画面を表示しつつ、載置パネル123上に載置されたゲームカードに付された不可視コードを後述の取得部105に取得させることが可能なように構成される。例えば、第2表示部122が液晶表示装置である場合は、載置パネル123の下層に光透過性の液晶パネル層と導光層を設け、光源を導光層の周囲(側面)に配置して、第2表示部122の底面には遮蔽物となるケーシングを有さない構成とすればよい。これにより、取得部105に含まれる不図示の撮像部が、第2表示部122の裏側(ゲーム装置100の筐体内部)から、載置パネル123上に載置された物品のコードを抽出可能な画像を取得することができる。また、第2表示部122の構成はこれに限られるものではなく、例えばリアプロジェクション方式が採用であっても、同様に載置パネル123上に載置された物品のコードを抽出可能な画像は撮像可能である。
【0024】
取得部105は、本実施形態のゲーム装置100が対価の支払いに応じてプレイ体験を提供するゲームについて、載置パネル123上に載置されたゲームカードからカード情報を取得する。また、取得部105は、複数のカード情報を識別しつつ、その位置、回転及び移動の少なくともいずれかを検出する機能も担う。取得部105は、例えば上述したように第2表示部122を裏側から撮像する撮像部を含み、撮像により得られた画像に対して所定の演算を適用することで、物品に付されたコードを抽出及び変換し、カード情報を取得する。なお、本実施形態では取得部105は、載置パネル123の全領域を撮像可能に構成され、載置パネル123にゲームカードが載置されたかを検出可能に構成されているものとする。
【0025】
キャラクタDB106は、ゲームに登場するものとして予め定められたキャラクタの各々についての情報(キャラクタ情報)を管理するデータベースである。本実施形態のゲーム装置100で提供されるゲームでは、1回のゲームプレイに係るゲーム中に複数体のキャラクタが登場し得る。ゲーム装置100では、ユーザはゲームプレイに際しゲームカードを使用した場合、該カード情報に対応付けられたキャラクタを、例えばユーザの使用キャラクタとしてゲームに登場させて、使用する(操作する)ことが可能である。
【0026】
ここで、本実施形態に係るゲームでは、同一のキャラクタについて、例えば、提供を行ったゲームのバージョン違い、図柄違い、レアリティ違い等、複数種類のゲームカードが存在するものとし、該キャラクタについて設けられたゲームカードのいずれに対応しているかを識別すべく、キャラクタごとにタイプIDが設けられているものとする。このため、ゲームカードに付されるカード情報は、
図4(a)に示されるように、ゲームカードを一意に特定するカードID401に関連付けて、該ゲームカードに対応付けられたキャラクタを一意に特定するキャラクタID402、及び該ゲームカードに対応付けられたキャラクタに係るタイプID403を有しているものとする。
【0027】
そして、1つのキャラクタについてキャラクタDB106で管理されるキャラクタ情報は、例えば
図4(b)に示されるようなデータ構成を有するものであってよい。図示されるように、キャラクタ情報は、キャラクタID411とタイプID412の組み合わせによって特定可能に構成されており、
図4(b)に示される通り、これらに関連付けて、該キャラクタをゲームに登場させる際の画面生成に用いられるグラフィックスデータ等を含む描画用情報413、及びキャラクタの名称、属性等に加え、予め定められた体力(耐久力)、攻撃力、防御力、発動技、特殊スキル等の要素固有の能力を記述した進行パラメータ414を含むものとする。ここで、進行パラメータ414は、対応するキャラクタを登場させたゲームの進行制御において参照される情報であり、該情報がキャラクタごとに異なっていることで、使用キャラクタに応じてゲームの進行に変化を生じさせることができる。
【0028】
なお、本実施形態ではキャラクタDB106に、グラフィックスデータが格納され、キャラクタ情報がこれらデータを含むものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。キャラクタ情報には、該当のデータの格納場所を示す情報が含まれるものであってもよい。
【0029】
また本実施形態ではキャラクタDB106において各キャラクタにつき管理されるキャラクタ情報にキャラクタID及びタイプIDが関連付けられており、取得部105によりゲームカードから取得されたカード情報の同情報に基づいて、該ゲームカードに対応付けられたキャラクタに係るゲームの進行制御に必要な各種の情報をキャラクタDB106から取得することで、ゲームに登場させるキャラクタを登録可能であるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、ゲームカードに付されるカード情報は、キャラクタID及びタイプID等の、キャラクタ情報を特定するための情報のみを有して構成されるものではなく、ゲームの進行制御に必要な各種の情報を含んで構成されるものであってもよい。
【0030】
提供制御部108は、対価の支払いに基づく1回のゲームプレイにつき、通常1枚のゲームカードを提供するよう制御する。ゲーム装置100により提供されるゲームカードは、例えば所定の遊戯(操作キャラクタを操作するゲームパート:対戦ゲーム)の提供に係るゲームシーケンスが開始された後に、第1提供部131及び第2提供部132のいずれかから提供される。
【0031】
本実施形態では第1提供部131及び第2提供部132は、例えばカードディスペンサであり、鉛直方向にゲームカードを堆積して収容する不図示のストッカを有し、提供制御部108によりなされた提供命令に応じてストッカ最下部に収容されているゲームカードを1枚提供する機構を有する構成であってよい。即ち、本実施形態のゲーム装置100から提供されるゲームカードは、予め印刷製造された既製カードであり、ゲームカード表面に印刷されるキャラクタ画像やパラメータ等のデザインが固定的であるものとする。
【0032】
また第1提供部131及び第2提供部132は、ゲーム装置100の筐体内部に並んで配置されており、それぞれがゲームカード提供に係る動作を行った場合には、ゲーム装置100の外部からアクセス可能な共通の取出口133(
図1参照)にゲームカードが導かれ、ユーザに提供されるものとする。つまり、ユーザは、ゲームカードの提供がいずれの提供部によってなされるかによらず、提供されたゲームカードを共通の取出口133から受け取ることが可能である。
【0033】
なお、本実施形態では、第1提供部131と第2提供部132とがゲーム装置100の筐体に内蔵されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、第1提供部131及び第2提供部132の少なくともいずれかは、ゲーム装置100の外部に設置されて接続されているものであってもよく、ゲームカードの提供にさらにハンドル等への操作入力を必要とする装置であってもよい。
【0034】
また、本実施形態で提供されるゲームカードは既製カードであるものとして説明するが、提供されるゲームカードは、所謂オンデマンド印刷により動的にデザイン変更可能なものであってもよい。この場合、第1提供部131及び第2提供部132の少なくともいずれかは、所定の紙媒体に印刷を行う印刷装置であり、例えばゲームの進行に応じてユーザにより選択された、もしくは抽選処理により選択されたキャラクタの情報を対応付けたカード情報が付された状態で、ゲームカードを生成可能であってよい。
【0035】
操作入力部109は、例えば方向入力用の操作部材や決定入力用の操作部材や各種センサ等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部109は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。なお、本実施形態ではゲーム装置100は物理的な操作部材として各種インタフェースを備えるものとして説明するが、例えば第2表示部122の画面上、即ち載置パネル123上になされた人体の接触操作(タッチ入力)を検出するタッチ入力検出センサ等を含んでいてもよい。
【0036】
通信部110は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部110は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部110は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワークを介して外部装置に送信する。また通信部110は、例えばネットワークを介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、メモリ103に格納する。
【0037】
《ゲームカードの提供》
次に、本実施形態のゲーム装置100によるゲームカードの提供について説明する。
【0038】
本実施形態のゲーム装置100は、第1提供部131及び第2提供部132を備え、これらのストッカに予め収容されたゲームカードが提供されるよう、提供制御部108によりよってその動作が制御されている。本実施形態では提供制御部108は、第1提供部131及び第2提供部132のいずれにゲームカードが提供させるかを、実行されているゲームの状態に応じて決定する。ここで、ゲームの状態とは、該ゲームの進行に応じて変化するよう設けられたステータスを指し、例えばゲームがどのような進行となったか、どのような結果が出たか、特定の条件が満たされたか等によって確定するステータスに応じて、ゲームに係る処理を実行している制御部101が、メモリ103に格納された該当の情報を順次更新することで変化する。
【0039】
〈提供するゲームカードの種類〉
上述したように、ゲーム装置100が提供する物品はいずれもゲームカードであるが、第1提供部131と第2提供部132のいずれのストッカに収容されるかに応じて、種類が異なる。換言すれば、本発明に係る第1の物品としての、第1提供部131のストッカに収容されるゲームカードと、本発明に係る第2の物品としての、第2提供部132のストッカに収容されるゲームカードは、種類が異なるよう構成されている。
【0040】
各提供部に収容されるゲームカードは、ゲームにおける有用性に応じて分類されるものであってよい。本実施形態では、有用性の判断基準として、ゲームカードに定められたレアリティ(希少度)によって、分類がなされているものとする。より詳しくは、ゲームについて設けられた所定のレアリティより上位(より希少)のランクに該当するか否かに応じて、ゲームカードの分類はなされるものとする。本実施形態では、同一のキャラクタについて設けられるレアリティが上位のゲームカードを使用してゲームを行う方が、ゲームを有利に進行させることが可能に設定されているものとする。即ち、任意のキャラクタが対応付けられたゲームカードを使用したときに参照される進行パラメータ414は、レアリティが低いゲームカードに基づくものよりも、レアリティが高いゲームカードに基づくものの方が、ゲームを有利に進行せしめる値に設定されている。
【0041】
あるいは、単純に、上位のレアリティのゲームカードに対応付けられるキャラクタの進行パラメータ414は、下位のレアリティのゲームカードに対応付けられるキャラクタの進行パラメータ414よりも、全般的にゲームを有利に進行せしめる値が設定されているものとしてもよい。より詳しくは、例えば、レアリティのランクごとに定められる、進行パラメータ414の設定の基準とされる値が、ランクが高いほど大きく定められることで、キャラクタ問わず、レアリティのランク間で有用性に差が生じるように構成されていてもよい。あるいは、進行パラメータ414に含まれる各項目の値の合計値がレアリティのランクが高いほど大きく定められることで、ランク間での有用性に差が生じるように構成されていてもよい。
【0042】
ところで、一般に、レアリティの高いゲームカードは、特殊加工がなされて製造されている。即ち、特殊加工がなされる分、1枚のゲームカードの製造コストはレアリティが高いものの方が高価になるため、特殊加工を要するゲームカードの製造数や提供数を低減させる方が、コストを抑えての運用が可能になる。一方で、このような特殊加工を施したゲームカードの存在は、ゲームの興趣性を高める、あるいはユーザの関心を高めるものであるため、製造数や提供数を低減させることは、一概にパブリッシャ側の利益に繋がるものではない。
【0043】
このため、本実施形態のゲーム装置100では、所定のレアリティより上位のランクに該当するゲームカードと該当しないゲームカードとを、第1提供部131と第2提供部132とに分けて収容し、提供制御を行う。より詳細には、前者のゲームカードが第2提供部132のストッカに収容され、後者のゲームカードが第1提供部131のストッカに収容されるものとする。以下、第1提供部131に収容され、提供されるゲームカードを通常カード、第2提供部132に収容され、提供されるゲームカードを特殊カードとして言及する。
【0044】
〈提供条件〉
上述したように、本実施形態のゲーム装置100では、1回のゲームプレイに対して、基本的には1枚のゲームカードを提供するよう構成され、いずれの提供部からゲームカードを提供するか、即ち、通常カードと特殊カードのいずれを提供するかは、ゲームの状態に基づいて決定される。
【0045】
本実施形態のゲーム装置100では、提供するプレイ体験のゲームシーケンスにおいて、ユーザ間もしくはユーザとCPUとの間で対戦ゲームを提供するものとし、ゲームの状態は、該対戦ゲームの勝敗に応じて定められるものとする。より詳しくは、制御部101は、対戦ゲームの結果が敗北である場合には、通常カードを提供可能な第1の状態としてゲームの状態を決定し、対戦ゲームの結果が勝利である場合には、特殊カードを提供可能な第2の状態としてゲームの状態を決定する。即ち、対戦ゲームにて良好な成績(勝利)を収めたユーザには、レアリティの高い特殊カードの提供が可能となるように、ゲームの状態が制御される。
【0046】
そして処理が進行してゲームカードを提供するタイミングに至った場合、提供制御部108は、ゲームの状態に応じていずれの提供部にゲームカードを提供させるかを制御する。ここで、ゲームの状態が第2の状態にある場合には、第2提供部132に特殊カードを提供させてもよいことになるが、上述したように特殊カードは通常カードよりも製造コストが高いものとなる。このため、本実施形態では、プレイ体験の提供開始に係り支払われた対価に加えて、更なる対価の支払いがなされることを条件として、提供制御部108は該特殊カードを提供させるように第2提供部132を制御する。ここで、更なる対価の支払いとは、プレイ体験の提供開始以後に支払検出部104によって追加で検出された対価の支払いが、該当するものとして制御部101に認識されるものとする。本実施形態ではゲーム装置の店舗における両替機の仕様を考慮し、該更なる対価の額は、プレイ体験の提供開始に係り支払われる対価の額と同額であるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではないことは言うまでもない。
【0047】
このようにすることで、増大した分の特殊カードの製造コストの回収を担保しつつ、ユーザの関心を高める物品提供を実現することができる。また、特殊カードを使用するゲームプレイでは、登場するキャラクタの進行パラメータがゲームを有利に進行せしめる値となるため、一方の側にのみこのようなキャラクタが登場する場合は、対戦ゲームの進行に不均衡を生じさせ得るが、本実施形態のゲーム装置100によれば、特殊カードの入手に更なる対価の支払いを条件づけることで、特殊カードの提供数を抑制することができる。
【0048】
また、ゲームの状態が第1の状態にある場合、あるいはゲームの状態は第2の状態であったが更なる対価の支払いが、例えば所定の期間なされなかった場合、提供制御部108は、通常カードを提供させるように第1提供部131を制御する。このようにすることで、少なくとも1回のゲームプレイに対しては、通常カードの提供は担保され、ゲームの状態が第2の状態となった場合にのみ、更なる対価の支払いを条件として、通常カードに替えて特殊カードを提供するように構成することができる。
【0049】
なお、本実施形態ではゲームの状態が、対戦ゲームの結果に基づいて決定されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、ゲームの状態は、プレイ体験中に行われる、あるいは対戦ゲーム後に行われる、ルーレットやスロット等の所定の抽選ゲームの当落結果に応じて決定されるものであってもよい。より詳しくは、制御部101は、抽選ゲームの結果が落選の場合には、ゲームの状態を第1の状態に決定し、抽選ゲームの結果が当選の場合には、ゲームの状態を第2の状態に決定するように構成してもよい。このとき、ゲームの状態を第2の状態、即ち、特殊カードの提供を可能ならしめる状態に至らしめるか否かは、抽選ゲームのみによるものであってもよいし、対戦ゲームと抽選ゲームの双方による(いずれか一方でも条件を満たすか、対戦ゲームの勝利後に行われる抽選ゲームにて当選するか等)ものであってもよい。
【0050】
《ゲーム処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100で実行されるゲーム処理について、
図3のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲーム処理は、例えばプレイ体験の提供開始に係る対価の支払いがなされたことを、支払検出部104が検出した際に開始されるものとして説明する。
【0051】
S301で、制御部101は、対戦ゲームに使用するキャラクタを登録する登録シーケンスを開始する。登録シーケンスでは、ユーザは載置パネル123上にゲームカードを載置することで、自身の使用キャラクタとしてゲームに登場させるキャラクタを登録することができる。制御部101は、載置されたゲームカードから取得されたカード情報に基づいて、キャラクタDB106から対応するキャラクタ情報を読み出し、例えばメモリ103の使用キャラクタテーブルに追加することで登録する。
【0052】
S302で、制御部101は、登録シーケンスの終了条件が満たされたか否かを判断する。登録シーケンスの終了条件は、使用キャラクタの確定に係る操作入力がなされたこと、所定の制限時間分の時間が経過したこと等に基づいて定められるものであってよい。制御部101は、登録シーケンスの終了条件が満たされたと判断した場合は処理をS303に移し、満たされていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
【0053】
S303で、制御部101は、使用キャラクタを登場させた対戦ゲームに係る、ゲームシーケンスを開始する。ゲームシーケンスの処理が開始されると、制御部101は、使用キャラクタテーブルに登録された情報に基づき、対戦ゲームの進行制御を行う。また提示制御部107は制御部101の制御の下、第1表示部121及び第2表示部122への対戦ゲームに係るゲーム画面の提示制御を行う。
【0054】
S304で、制御部101は、ゲームシーケンスの終了条件が満たされたか否かを判断する。ゲームシーケンスの終了条件は、対戦ゲームにおいて勝利及び敗北のいずれかの決着が着いたことによって満たされるものであってよい。制御部101は、ゲームシーケンスの終了条件が満たされたと判断した場合は処理をS305に移し、満たされていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
【0055】
S305で、制御部101は、対戦ゲームの対戦結果に基づいてゲームの状態の情報を変更する。より詳しくは、制御部101は、対戦結果が勝利である場合には、ゲームの状態が第2の状態であるものとして情報を更新し、対戦結果が敗北である場合には、ゲームの状態が第1の状態であるものとして情報を更新する。
【0056】
S306で、制御部101は、ゲームカードの提供に係る提供シーケンスを開始する。
【0057】
S307で、提供制御部108は、ゲームの状態が第1の状態と第2の状態のいずれであるかを判断する。提供制御部108は、ゲームの状態が第1の状態であると判断した場合は処理をS310に移し、第2の状態であると判断した場合は処理をS308に移す。
【0058】
S308で、提供制御部108は、特殊カードの提供に係る更なる対価の支払いがなされたか否かを判断する。本ステップの判断にあたっては、提示制御部107は制御部101の制御の下、特殊カードの提供のために追加で対価の支払いが必要である旨の表示を、例えば第1表示部121に提示するよう制御する。提供制御部108は、更なる対価の支払いがなされたと判断した場合は処理をS309に移し、なされていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。なお、提供制御部108は、更なる対価の支払いを受け付けるために設けられた制限時間内にさらなる対価の支払いがなされないと判断した場合には、処理をS310に移す。
【0059】
S309で、提供制御部108は、第2提供部132を制御し、特殊カードを提供させる。
【0060】
一方、S307においてゲームの状態が第1の状態であると判断した場合、またはS308において更なる対価の支払いがなされなかったと判断した場合、提供制御部108はS310で、第1提供部131を制御し、通常カードを提供させる。
【0061】
S311で、制御部101は、提供シーケンスを終了し、所定のプレイ体験終了に係る処理を行った後、本ゲーム処理を完了する。
【0062】
このようにすることで、本実施形態のゲーム装置によれば、ゲームの興趣性を向上させつつ、好適なコストでの運用を実現することができる。より詳しくは、ゲーム装置は、対価の支払いに基づいて開始したゲームに係る処理におけるゲームの状態に応じて、複数の提供手段を制御して、興趣性の高い物品提供を実現することができる。このとき、ゲーム装置は、ゲームの状態が第1の状態である場合には第1の物品を提供するが、第2の状態である場合には、更なる対価の支払いがなされることを条件として、第2の物品を提供するよう制御する。
【0063】
なお、本実施形態では、ゲームの状態が第2の状態である場合に、提供制御部108は、更なる対価の支払いがなされたことを条件として、通常カードを提供させずに特殊カードを提供させるよう制御するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。なされた更なる対価の支払いが、特殊カードの提供に必要となる対価の額よりも大きい額(例えば、プレイ体験の提供開始に係る対価の2倍の額)である場合、通常カードと特殊カードの両方を提供するよう、提供制御部108は、第1提供部131及び第2提供部132を制御してもよい。
【0064】
[変形例]
ところで、上述したように、ゲームを有利に進行せしめるようなゲームカード(特殊カード)が大量に提供されてしまうと、ゲームバランスが崩壊し得る。この点、更なる対価の支払いを条件付けることで多少は提供数を抑えることもできるが、特にゲームに対する関心が高いユーザは、特殊カードを入手するために更なる対価を支払うことを厭わないと想定される。
【0065】
このため、更なる対価の支払いを条件付けるだけでなく、より直接的に提供数を制限するようゲーム装置100を構成してもよい。即ち、制御部101は、特殊カードの提供状況等に基づいてゲームの進行自体を制御することで、ゲームの状態を第2の状態に至らしめる状況の発生を調整し、結果として、特殊カードの提供数を低減するものとしてもよい。より詳しくは、制御部101は、対戦ゲームの対戦相手となるキャラクタまたはキャラクタの進行パラメータの調整や、これに基づいて行う対戦ゲーム中のイベント処理の進行制御を行うことで、対戦ゲームに勝利する確率を制御してもよい。あるいは、制御部101は、抽選ゲームの当選確率を制御してもよい。このような調整の基準は、例えば、1時間や1日等、所定の期間における特殊カードの提供数が予め定められた数の範囲に収まるように、あるいは、単純に所定の期間において特殊カードよりも通常カードの提供数が多くなるように定められるものであってよい。
【0066】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形・変更が可能である。また本発明に係るゲーム装置は、1以上のコンピュータを該ゲーム装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。
【符号の説明】
【0067】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記録媒体、103:メモリ、104:支払検出部、105:取得部、106:キャラクタDB、107:提示制御部、108:提供制御部、109:操作入力部、110:通信部、121:第1表示部、122:第2表示部、123:載置パネル、131:第1提供部、132:第2提供部、133:取出口
【手続補正書】
【提出日】2022-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対価の支払いを検出する検出手段と、
前記検出手段により対価の支払いが検出されたことを受けて、ゲームに係る処理を開始する実行手段と、
第1の物品を取出口に提供する第1の提供手段と、
前記第1の物品よりも製造コストが高い第2の物品を前記取出口に提供する第2の提供手段と、
前記第1の提供手段及び前記第2の提供手段による物品提供を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記第1の提供手段による前記第1の物品の提供数よりも、前記第2の提供手段による前記第2の物品の提供数の方が少なくなるように物品提供の機会の発生を制御し、
前記第2の提供手段による物品提供の機会を発生させた場合に、前記検出手段により更なる対価の支払いが検出されていることを条件として、前記第2の物品を提供させるように前記第2の提供手段を制御するゲーム装置。
【請求項2】
前記物品提供の機会の発生は、前記制御手段が前記実行手段により開始された前記ゲームに係る処理の進行を制御することにより実現され、
前記制御手段は、前記ゲームが所定の状態に至ったことを条件として、前記第2の物品を提供させるように前記第2の提供手段を制御する請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ゲームが前記所定の状態以外の状態に至った場合に、前記第1の物品を提供させるように前記第1の提供手段を制御する請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記ゲームが前記所定の状態以外の状態に至った場合に、前記更なる対価の支払いが検出されていることを条件とせずに、前記第1の物品を提供させるように前記第1の提供手段を制御する請求項2または3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記ゲームが前記所定の状態に至った場合に、前記更なる対価の支払いが検出されたことを条件として、前記第1の提供手段に前記第1の物品を提供させることなく、前記第2の提供手段に前記第2の物品を提供させるように制御する請求項2乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記ゲームは、抽選ゲームを含み、前記抽選ゲームの結果が当選である場合に前記所定の状態に至り、前記抽選ゲームの結果が落選である場合に前記所定の状態以外の状態に至る請求項2乃至5のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ゲームは、対戦ゲームを含み、前記対戦ゲームの結果が勝利である場合に前記所定の状態に至り、前記対戦ゲームの結果が敗北である場合に前記所定の状態以外の状態に至る請求項2乃至6のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記第2の提供手段による物品提供の機会を発生させた場合に、前記検出手段により前記更なる対価の支払いが検出されなかったことを条件として、前記第1の物品を提供させるように前記第1の提供手段を制御する請求項1乃至7のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記検出手段は、前記ゲームに係る処理が開始された後に検出した対価の支払いを、前記更なる対価の支払いとして検出する請求項1乃至8のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記ゲーム装置の筐体内部において、前記第1の提供手段と前記第2の提供手段とが並んで配置される請求項1乃至9のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記第1の提供手段及び前記第2の提供手段は、物品を収容可能な収容手段及び物品を生成可能な生成手段の少なくともいずれかを含んで構成される請求項1乃至10のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記第1の物品及び前記第2の物品に付された情報を取得する取得手段をさらに備え、
前記実行手段は、前記取得手段により取得された情報に基づいて前記ゲームの進行を制御し、
前記第2の物品に付される情報は、前記第1の物品に付される情報よりも、前記ゲームの進行を有利にせしめる情報である
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項13】
前記更なる対価は、前記ゲームに係る処理の開始について定められる対価と同額に定められる請求項1乃至12のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項14】
第1の物品と、該第1の物品よりも製造コストが高い第2の物品と、前記第1の物品及び前記第2の物品を提供可能なゲーム装置を含むゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
対価の支払いを検出する検出手段と、
前記検出手段により対価の支払いが検出されたことを受けて、ゲームに係る処理を開始する実行手段と、
前記第1の物品を取出口に提供する第1の提供手段と、
前記第2の物品を前記取出口に提供する第2の提供手段と、
前記第1の提供手段及び前記第2の提供手段による物品提供を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記第1の提供手段による前記第1の物品の提供数よりも、前記第2の提供手段による前記第2の物品の提供数の方が少なくなるように物品提供の機会の発生を制御し、
前記第2の提供手段による物品提供の機会を発生させた場合に、前記検出手段により更なる対価の支払いが検出されていることを条件として、前記第2の物品を提供させるように前記第2の提供手段を制御するゲームシステム。
【請求項15】
コンピュータを、請求項1乃至13のいずれか1項に記載のゲーム装置の制御手段として機能させるプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明のゲーム装置は、対価の支払いを検出する検出手段と、検出手段により対価の支払いが検出されたことを受けて、ゲームに係る処理を開始する実行手段と、第1の物品を取出口に提供する第1の提供手段と、第1の物品よりも製造コストが高い第2の物品を取出口に提供する第2の提供手段と、第1の提供手段及び第2の提供手段による物品提供を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、第1の提供手段による第1の物品の提供数よりも、第2の提供手段による第2の物品の提供数の方が少なくなるように物品提供の機会の発生を制御し、第2の提供手段による物品提供の機会を発生させた場合に、検出手段により更なる対価の支払いが検出されていることを条件として、第2の物品を提供させるように第2の提供手段を制御する。