(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048255
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】印刷流体カートリッジ及びシステム
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20220317BHJP
【FI】
B41J2/175 161
B41J2/175 119
B41J2/175 153
B41J2/175 169
B41J2/175 503
B41J2/175 167
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013853
(22)【出願日】2022-02-01
(62)【分割の表示】P 2016255352の分割
【原出願日】2016-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】宮尾 崇宏
(57)【要約】
【課題】印刷流体カートリッジにおいて、電気的インターフェースが破損され難く、且つ電気的インターフェースが組み付けやすい手段を提供する。
【解決手段】インクカートリッジ30は、筐体31の上面39に、IC基板64、第1凸部43、及び遮光板67を有する。IC基板64は、第1凸部43の水平面154の前端154Aと遮光板67の上面の前端とを含み、且つ左右方向に沿って延びる仮想平面59より、上面39に近い位置に配置されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入方向に沿って印刷流体消費装置へ挿入される印刷流体カートリッジであって、
印刷流体が貯留される貯留室を有する本体と、
上記本体に配置されており、上記貯留室から印刷流体を供給する供給部と、
上記本体の上面に配置されており、上記印刷流体消費装置に設けられた接点に接触可能な電気的インターフェースと、
上記本体の上面に配置されており、上記印刷流体消費装置と係合するロック部と、
上記本体の上面に配置されており、上記印刷流体消費装置に設けられて上記挿入方向と直交する幅方向に検知光を照射可能なセンサにより検知可能な検知面を有する突起と、を具備しており、
上記ロック部は、上記上面から最も離れた第1突出部を有し、
上記突起は、上記上面から最も離れた第2突出部を有し、
上記電気的インターフェースは、上記第1突出部とい上記第2突出部とを含み、且つ上記幅方向に沿って延びる仮想平面より下方に配置されている印刷流体カートリッジ。
【請求項2】
上記電気的インターフェース、上記ロック部、及び上記突起は、上記上面において、上記挿入方向に沿って、上記突起、上記電気的インターフェース、上記ロック部の順に並んで配置されている請求項1に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項3】
上記検知面は、上記仮想平面より下方であって、上記第1突出部と上記第2突出部との間の領域に配置されるものである請求項2に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項4】
上記ロック部は、上記幅方向における両端が、上記突起の上記幅方向における両端よりもそれぞれ外方に位置しており、
上記第1突出部は、上記第2突出部より上記上面から離れている請求項2又は3に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項5】
上記突起は、当該印刷流体カートリッジの重心より上記挿入方向の前方に位置しており、
上記ロック部は、上記重心より上記挿入方向と反対の後方に位置する請求項4に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項6】
上記ロック部は、上記後方を向くロック面と、当該ロック面より上記挿入方向の前方に配置され、且つ上方向を向いた接地面と、を有しており、
上記接地面が上記第1突出部を含んでいる請求項1から5のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項7】
上記本体の上面において上記ロック部より上記後方に配置された操作部を更に具備しており、
上記操作部において上記上面から最も離れた第3突出部は、上記第2突出部と同程度に上記上面から離れている請求項6に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項8】
上記本体の上面に、上記電気的インターフェースを支持する支持部が設けられており、
上記突起は、上記支持部と連続している請求項1から7のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項9】
上記供給部は、当該印刷流体カートリッジが上記印刷流体消費装置に装着された装着姿勢において、上記挿入方向の前方を向く前面に配置されている請求項1から8のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の印刷流体カートリッジと、
上記印刷流体カートリッジが挿入可能な印刷流体消費装置と、を有するシステムであって、
上記印刷流体消費装置は、
印刷流体消費部と、
上記印刷流体カートリッジから上記印刷流体消費部に供給される印刷流体が流通する供給管と、
上記接点と、
上記ロック部と、
上記センサと、を具備するシステム。
【請求項11】
前面と、
上記前面と反対の後面と、
上記前面と上記後面との間に設けられた貯留室と、
上記前面と上記後面との間に設けられた上面と、
上記液体貯留室を挟んで上記上面の反対に設けられた下面と、
上記前面に設けられており、供給口、当該供給口を開閉するバルブ、及び当該バルブを上記供給口へ付勢する付勢部材を有する供給部と、
上記供給部の供給口が外部へ向く第1方向と反対の第2方向を向いており、上記上面に設けられたロック面と、
上記上面に設けられて上方向へ延びる突起であって、上記第1方向と直交する幅方向を向く検知面を有する突起と、
上方向を向いており、上記上面に設けられた電気的インターフェースと、を具備しており、
上記突起、上記ロック面、及び上記電気的インターフェースは、上記後面から上記前面に向かって、上記ロック面、上記電気的インターフェース、及び上記突起の順番に並んでおり、且つ上方向に向かって、上記突起、上記電気的インターフェース、及び上記ロック面の順番に並んでいる印刷流体カートリッジ。
【請求項12】
上記ロック部は、上記上面から最も離れた第1突出部を有しており、
上記突起は、上記上面から最も離れた第2突出部を有しており、
上記電気的インターフェースは、上記第1突出部及び上記第2突出部を含み、且つ上記幅方向に沿って延びる仮想平面より、上記上面に近い位置に配置されている請求項11に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項13】
上記ロック面の上記幅方向の寸法は、上記突起の上記幅方向の寸法より長い請求項12に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項14】
上記突起は、当該印刷流体カートリッジの重心より上記第1方向において上記前面に近く、
上記ロック部は、上記重心より上記第2方向において上記後面に近い請求項11から13のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項15】
上記上面において上記ロック面と上記突起との間に配置され、且つ上方向を向いた接地面を更に有する請求項11から14のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項16】
上記本体の上面に、上記電気的インターフェースを支持する支持部が設けられており、
上記突起は、上記支持部と連続している請求項11から15のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項17】
上記突起は、印刷流体消費装置に設けられたセンサにより検知可能なものである請求項11から16のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯留室を有する本体の外面に、電気的インターフェース、ロック部、及び突起が設けられた印刷流体カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インク容器に貯留されたインクをノズルから吐出することによって、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置において、インクが消費される毎に新たなインクカートリッジを装着可能に構成されたものがある。また、特許文献1には、本体にIC基板が配置されたインクカートリッジが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インクカートリッジが床に落ちたり、他の物と衝突したりしたときに、本体の表面に配置されているIC基板には衝撃が加わりやすい。その結果、IC基板の電気的インターフェースが変形したり破損したりして、IC基板に保持されている情報の読み出しができなくなるおそれがある。これに対して、IC基板の周囲に保護壁を突出させることが考えられるが、IC基板の周囲に突出部分があると、本体にIC基板を組み付けにくいという問題が生じる。
【0005】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷流体カートリッジにおいて、電気的インターフェースが破損され難く、且つ電気的インターフェースが組み付けやすい手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明は、挿入方向に沿って印刷流体消費装置へ挿入される印刷流体カートリッジに関する。印刷流体カートリッジは、印刷流体が貯留される貯留室を有する本体と、上記本体に配置されており、上記貯留室から印刷流体を供給する供給部と、上記本体の上面に配置されており、上記印刷流体消費装置に設けられた接点に接触可能な電気的インターフェースと、上記本体の上面に配置されており、上記印刷流体消費装置と係合するロック部と、上記本体の上面に配置されており、上記印刷流体消費装置に設けられて上記挿入方向と直交する幅方向に検知光を照射可能なセンサにより検知可能な検知面を有する突起と、を具備する。上記ロック部は、上記上面から最も離れた第1突出部を有する。上記突起は、上記上面から最も離れた第2突出部を有する。上記電気的インターフェースは、上記第1突出部とい上記第2突出部とを含み、且つ上記幅方向に沿って延びる仮想平面より下方に配置されている。
【0007】
電気的インターフェースが、第1突出部と第2突出部とを含み、且つ幅方向に沿って延びる仮想平面より下方に配置されているので、印刷流体カートリッジが床に落下などしたときに、電気的インターフェースより先にロック部又はリブが床に衝突しやすい。
【0008】
(2) 好ましくは、上記電気的インターフェース、上記ロック部、及び上記突起は、上記上面において、上記挿入方向に沿って、上記突起、上記電気的インターフェース、上記ロック部の順に並んで配置されている。
【0009】
電気的インターフェースが、突起とロック部との間に位置するので、電気的インターフェースが突起とロック部とによって保護されやすい。
【0010】
(3) 好ましくは、上記検知面は、上記仮想平面より下方であって、上記第1突出部と上記第2突出部との間の領域に配置されるものである。
【0011】
検知面のように本体の幅方向からアクセスされる部材の破損が防止される。
【0012】
(4) 好ましくは、上記ロック部は、上記幅方向における両端が、上記突起の上記幅方向における両端よりもそれぞれ外方に位置しており、上記第1突出部は、上記第2突出部より上記上面から離れている。
【0013】
突起よりロック部が幅広なので頑丈である。ロック部は、突起より本体の上面から離れた位置まで突出しているので、印刷流体カートリッジが床に落下などしたときに、突起よりロック部が床に衝突しやすい。
【0014】
(5) 好ましくは、上記突起は、当該印刷流体カートリッジの重心より上記挿入方向の前方に位置しており、上記ロック部は、上記重心より上記挿入方向と反対の後方に位置する。
【0015】
上記構成によれば、ロック部又は突起が床に衝突した後、突起又はロック部が床に衝突する回転方向へ本体が回転しやすい。
【0016】
(6) 好ましくは、上記ロック部は、上記後方を向くロック面と、当該ロック面より上記挿入方向の前方に配置され、且つ上方向を向いた接地面と、を有しており、上記接地面が上記第1突出部を含んでいる。
【0017】
上記構成によれば、接地面が床に衝突しやすいので、ロック面が保護される。
【0018】
(7) 好ましくは、上記印刷流体カートリッジは、上記本体の上面において上記ロック部より上記後方に配置された操作部を更に具備しており、上記操作部において上記上面から最も離れた第3突出部は、上記第2突出部と同程度に上記上面から離れている。
【0019】
ロック部と共に操作部が床に衝突しやすいので、ロック部及び操作部によって落下などによる衝撃が分散される。
【0020】
(8) 好ましくは、上記本体の上面に、上記電気的インターフェースを支持する支持部が設けられており、上記突起は、上記支持部と連続している。
【0021】
上記構成によれば、突起が支持部によって補強される。
【0022】
(9) 好ましくは、上記供給部は、当該印刷流体カートリッジが上記印刷流体消費装置に装着された装着姿勢において、上記前方を向く前面に配置されている。
【0023】
(10) 本発明は、上記印刷流体カートリッジと、上記印刷流体カートリッジが挿入可能な印刷流体消費装置と、を有するシステムであって、上記印刷流体消費装置は、印刷流体消費部と、上記印刷流体カートリッジから上記印刷流体消費部に供給される印刷流体が流通する供給管と、上記接点と、上記ロック部と、上記センサと、を具備する。
【0024】
(11) 本発明に係る印刷流体カートリッジは、前面と、上記前面と反対の後面と、上記前面と上記後面との間に設けられた貯留室と、上記前面と上記後面との間に設けられた上面と、上記貯留室を挟んで上記上面の反対に設けられた下面と、上記前面に設けられており、供給口、当該供給口を開閉するバルブ、及び当該バルブを上記供給口へ付勢する付勢部材を有する供給部と、上記供給部の供給口が外部へ向く第1方向と反対の第2方向を向いており、上記上面に設けられたロック面と、上記上面に設けられて上方向へ延びる突起であって、上記第1方向と直交する幅方向を向く検知面を有する突起と、上方向を向いており、上記上面に設けられた電気的インターフェースと、を具備しており、上記突起、上記ロック面、及び上記電気的インターフェースは、上記後面から上記前面に向かって、上記ロック面、上記電気的インターフェース、及び上記突起の順番に並んでおり、且つ上方向に向かって、上記突起、上記電気的インターフェース、及び上記ロック面の順番に並んでいる。
【0025】
(12) 好ましくは、上記ロック部は、上記上面から最も離れた第1突出部を有しており、上記突起は、上記上面から最も離れた第2突出部を有しており、上記電気的インターフェースは、上記第1突出部及び上記第2突出部を含み、且つ上記幅方向に沿って延びる仮想平面より、上記上面に近い位置に配置されている。
【0026】
(13) 好ましくは、上記ロック面の上記幅方向の寸法は、上記突起の上記幅方向の寸法より長い。
【0027】
(14) 好ましくは、上記突起は、当該印刷流体カートリッジの重心より上記第1方向において上記前面に近く、上記ロック部は、上記重心より上記第2方向において上記後面に近い。
【0028】
(15) 好ましくは、上記印刷流体カートリッジは、上記上面において上記ロック面と上記突起との間に配置され、且つ上方向を向いた接地面を更に有する。
【0029】
(16) 好ましくは、上記本体の上面に、上記電気的インターフェースを支持する支持部が設けられており、上記突起は、上記支持部と連続している。
【0030】
(17) 好ましくは、上記突起は、印刷流体消費装置に設けられたセンサにより検知可能なものである。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、印刷流体カートリッジにおいて、本体の上面に配置された電気的インターフェースが破損され難く、また、電気的インターフェースの組み付けに影響が出にくい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、プリンタ10の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図2】
図2は、カートリッジ装着部110の開口112側の外観斜視図である。
【
図3】
図3は、カートリッジ装着部110にインクカートリッジが装着されて第1姿勢である状態の縦断面図である。
【
図4】
図4は、インクカートリッジ30の前方斜視図である。
【
図5】
図5は、インクカートリッジ30の後方斜視図である。
【
図6】
図6(A)は、インクカートリッジ30の右側面図であり、
図6(B)は、インクカートリッジ30の背面図である。
【
図7】
図7は、
図6(B)におけるVII-VII断面を示す断面図である。
【
図8】
図8は、インクカートリッジ30の平面図である。
【
図9】
図9は、変形例に係るインクカートリッジ30の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0034】
また、以下の説明では、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される方向(挿入方向)が前方向51と定義される。また、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から抜き出される方向が後方向52と定義される。以下では、インクカートリッジ30は、カートリッジ装着部110に対して水平方向に挿入及び脱抜される。したがって、前方向51及び後方向52は水平方向である前提として説明がなされるが、必ずしも前方向51及び後方向52は水平方向でなくてもよい。また、前方向51及び後方向52のいずれかに直交する方向が下方向53と定義される。下方向53の反対となる方向が上方向54と定義される。前方向51及び下方向53と直交する方向が右方向55と定義される。右方向55と反対方向が左方向56と定義される。したがって、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されて使用される状態において、重力方向が下方向53であり、重力方向と反対方向が上方向54であることを前提として説明がなされる。つまり、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されて使用される状態において、筐体31の下面42が重力方向の下方を向く。また、前方向51及び下方向53と直交する方向が、右方向55及び左方向56と定義される。より具体的には、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されて使用される状態で、インクカートリッジ30を後方から前方に視た場合において、右方に向く方向が右方向55と定義され、左方に向く方向が左方向56と定義される。なお、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されて使用される状態とは、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110の装着位置まで挿入された状態である。また、以下では、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されて使用される状態の、当該インクカートリッジ30の姿勢を使用姿勢と称する。
【0035】
また、前方向51及び後方向52は、前後方向と定義される。また、上方向54及び下方向53は、上下方向と定義される。また、右方向55及び左方向56は、左右方向(幅方向の一例)と定義される。
【0036】
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10(印刷流体消費装置の一例)は、インクジェット記録方式に基づいて、用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ10は、記録ヘッド21と、インク供給装置100と、記録ヘッド21及びインク供給装置100を接続するインクチューブ20とを備えている。インク供給装置100には、カートリッジ装着部110が設けられている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30(印刷流体カートリッジの一例)が装着され得る。カートリッジ装着部110には、その一面に開口112が設けられている。インクカートリッジ30は、開口112を通じてカートリッジ装着部110に前方へ挿入され、或いはカートリッジ装着部110から後方へ抜き出される。
【0037】
インクカートリッジ30には、プリンタ10で使用可能なインク(印刷流体の一例)が貯留されている。カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とは、インクチューブ20で接続されている。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から選択的に吐出する。具体的には、記録ヘッド21に設けられたヘッド制御基板から各ノズル29に対応して設けられたピエゾ素子29Aに選択的に駆動電圧が印加される。これにより、ノズル29から選択的にインクが吐出される。つまり、記録ヘッド21は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30に貯留されたインクを消費する。
【0038】
プリンタ10は、給紙トレイ15と、給紙ローラ23と、搬送ローラ対25と、プラテン26と、排出ローラ対27と、排紙トレイ16と、を備えている。給紙トレイ15から給紙ローラ23によって搬送路24へ給送された用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、用紙に画像が記録される。プラテン26を通過した用紙は、排出ローラ対27によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。
【0039】
[インク供給装置100]
図1に示されるように、インク供給装置100は、プリンタ10に設けられている。インク供給装置100は、プリンタ10が備える記録ヘッド21(印刷流体消費部の一例)にインクを供給するものである。インク供給装置100は、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110を備えている。なお、
図1においては、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態が示されている。つまり、
図1において、インクカートリッジ30は装着状態である。
【0040】
[カートリッジ装着部110]
図1から
図3に示されるように、カートリッジ装着部110は、カートリッジケース101と、インクニードル102と、タンク103と、光センサ113と、接点106と、を備えている。カートリッジ装着部110には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのインクカートリッジ30が収容可能である。また、インクニードル102、タンク103、光センサ113、及び接点106は、4つのインクカートリッジ30それぞれに対応して、4つずつ設けられている。
【0041】
[カートリッジケース101]
図2に示されるように、カートリッジケース101は、カートリッジ装着部110の筐体を形成する。カートリッジケース101は、天面と、底面と、終面と、開口112と、を有する箱形状である。天面は、カートリッジケース101の内部空間の天部を確定する。底面は、カートリッジケース101の底部を画定する。終面は、カートリッジケース101の内部空間の天部と底部とを繋いでいる。開口112は、終面と前後方向に対向する位置において、カートリッジケース101に形成されている。開口112は、ユーザがプリンタ10を使用するときに対面する面であるプリンタ10のユーザインタフェース面に露出し得る。
【0042】
インクカートリッジ30は、開口112を通じてカートリッジケース101へ挿入され、開口112を通じてカートリッジケース112から抜き出される。カートリッジケース101の底部には、ガイド溝109が形成されている。インクカートリッジ30は、底面に設けられたガイド溝109に、インクカートリッジ30の下端部が挿入されることによって、
図2において前方向51及び後方向52に沿って案内される。カートリッジケース101には、内部空間を上下方向に長い4つの空間に仕切り分ける3つのプレート104が設けられている。プレート104によって仕切り分けられた各空間それぞれにインクカートリッジ30が収容される。
【0043】
[インクニードル102]
図2に示されるように、インクニードル102(供給管の一例)は、管状の樹脂からなり、カートリッジケース101の終面の下部に位置している。インクニードル102は、カートリッジケース101の終面において、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30のインク供給部34に対応する位置に配置されている。インクニードル102は、カートリッジケース101の終面から後方へ突出している。
【0044】
インクニードル102の周囲には、円筒形状のガイド部105が配置されている。ガイド部105は、カートリッジケース101の終面から後方へ突出し、その突出端が開口している。インクニードル102は、ガイド部105の中心に配置されている。ガイド部105は、インクカートリッジのインク供給部34が内方に進入する形状である。
【0045】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に前方へ挿入される過程において、つまりインクカートリッジ30が装着位置へ移動する過程において、インクカートリッジ30のインク供給部34がガイド部105に進入する(
図3参照)。さらにインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に前方へ挿入されると、インクニードル102が、インク供給部34に形成されたインク供給口71に挿入される。これにより、インクニードル102とインク供給部34とは連結される。そして、インクカートリッジ30の内部に形成された第2貯留室33に貯留されたインクは、インク供給部34の内部に形成されたインクバルブ室35及びインクニードル102の内部空間を通じてタンク103に流出される。なお、インクニードル102の先端は、平坦であってもよく、尖っていてもよい。また、ガイド部105の形状は、インクカートリッジ30が装着位置に装着可能であれば、如何なる形状であってもよいし、ガイド部105がカートリッジ装着部110に設けられなくてもよい。
【0046】
[接点106]
図3に示されるように、カートリッジケース101の天面における終面付近には4つの接点106が設けられている。各接点106は、インクニードル102より後方に位置する。4つの接点106は、天面からカートリッジケース101の内部空間へ向けて下方に突出している。各図には詳細に示されていないが、4つの接点106は、左右方向に離れて配置されている。4つの接点106の配置は、後述されるインクカートリッジ30の4つの電極65の配置に対応している。各接点106は、導電性及び弾性を有する部材で構成されており、上方へ弾性的に変形可能である。4つの接点106は、カートリッジケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応して、4組が設けられている。なお、接点106の個数及び電極65の個数は任意である。
【0047】
各接点106は、電気回路を介して演算装置に電気的に接続されている。演算装置は、例えばCPU,ROM,RAMなどからなるものであり、プリンタ10の制御部として構成されていてもよい。接点106と対応する電極65とが係合して電気的に導通されることによって、電圧Vcが電極65に印加されたり、電極65がアースされたり、電極65に電力が供給されたりする。接点106と対応する電極65との電気的に導通により、インクカートリッジ30のICに格納されたデータにアクセス可能となる。電気回路からの出力は演算装置に入力される。
【0048】
[ロッド125]
図3に示されるように、カートリッジケース101の終面におけるインクニードル102より上方に、ロッド125が形成されている。ロッド125は、カートリッジケース101の終面から後方へ突出している。ロッド125は、円筒形状である。ロッド125は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、つまりインクカートリッジ30が装着位置に位置する状態において、後述する大気連通口96へ挿入される。
【0049】
[光センサ113]
図3に示されるように、カートリッジケース101の天面には、光センサ113が配置されている。光センサ113は、ロッド125よりも後方且つ接点106よりも前方に位置している。光センサ113は、発光部及び受光部を備える。発光部は、受光部よりも右方または左方に、受光部と間隔を空けて設けられている。カートリッジ装着部110への装着が完了したインクカートリッジ30の後述する遮光板67の切欠き66は、発光部及び受光部の間に配置される。換言すれば、発光部及び受光部は、カートリッジ装着部110への装着が完了したインクカートリッジ30の遮光板67を挟んで対向配置されている。
【0050】
光センサ113は、発光部から左右方向に沿って照射された光が受光部で受光されたか否かに応じて異なる検知信号を出力する。例えば、光センサ113は、発光部から出力された光が受光部で受光できない(すなわち、受光強度が所定の強度未満である)ことを条件として、ローレベル信号を出力する。一方、光センサ113は、発光部から出力された光が受光部で受光できた(すなわち、受光強度が所定の強度以上である)ことを条件として、ハイレベル信号を出力する。
【0051】
[ロックシャフト145]
図3に示されるように、ロックシャフト145が、カートリッジケース101の天面付近且つ開口112付近において、カートリッジケース101の左右方向に延出されている。ロック部145は、接点106より後方に位置する。ロックシャフト145は、左右方向に沿って延びる棒状の部材である。ロックシャフト145は、例えば、金属の円柱である。ロックシャフト145の左右方向の両端は、カートリッジケース101の左右方向の両端を確定している壁に固定されている。したがって、ロックシャフト145は、カートリッジケース101に対して回動等の相対移動をしない。ロックシャフト145は、4つのインクカートリッジ30が収納可能な4つの空間に渡って左右方向に延びている。インクカートリッジ30が収容される各空間において、ロックシャフト145の周囲には空間が存在する。したがって、ロックシャフト145に対して、上方へ向かって、また、後方へ向かってアクセスすることができる。
【0052】
ロックシャフト145は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30を装着位置に保持するためのものである。インクカートリッジ30は、カートリッジ装着部110に挿入されて、装着姿勢に回動されることにより、ロックシャフト145に係合され、また、ロックシャフト145は、インクカートリッジ30のコイルバネ78,98がインクカートリッジ30を後方へ押す力に抗してインクカートリッジ30をカートリッジ装着部110内に保持する。
【0053】
[位置決め部107]
図3に示されるように、位置決め部107が、カートリッジケース101の天面付近、且つ前後方向において、接点106とロックシャフト145との間に設けられている。位置決め部107は、カートリッジケース101の天面から下方へ突出する凸形状である。位置決め部107は、カートリッジケース101と一体に形成されている。位置決め部107の下端面がインクカートリッジ30の当接面84と当接し得る。位置決め部107の下端面は、接点106の下端より若干上方に位置する。
【0054】
[タンク103]
図1に示されるように、カートリッジケース101の前方にはタンク103が設けられている。タンク103は、内部にインクを貯留可能な箱形状である。タンク103の上部は、大気連通ポート124によって外部へ開口している。これにより、タンク103の内部空間は、大気開放されている。タンク103の内部空間は、前方においてインクニードル102の内部空間と連通している。これにより、インクニードル102を通じてインクカートリッジ30から流出したインクがタンク103に貯留される。タンク103には、インクチューブ20が接続されている。これにより、タンク103の内部空間に貯留されたインクがインクチューブ20を通じて記録ヘッド21へ供給される。
【0055】
[インクカートリッジ30]
図4~
図6に示されるインクカートリッジ30はインクが貯留される容器である。
図4~
図6に示されているインクカートリッジ30の姿勢は、インクカートリッジ30が装着姿勢にあるときの姿勢、すなわち使用姿勢である。インクカートリッジ30は、後述されるように、前面40と、後面41と、上面39と、下面42とを備えるが、使用姿勢においては、後面41から前面40に向かう方向が前方向51に一致し、前面40から後面41に向かう方向が後方向52に一致し、上面39から下面42に向かう方向が下方向53に一致し、下面42から上面39に向かう方向が上方向54に一致する姿勢である。また、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されるときに、前面40は前方を向き、後面41は後方を向き、下面42は下方を向き、上面39は、上方を向く。
【0056】
図4~
図6に示されるように、インクカートリッジ30は、略直方体形状の筐体31(本体の一例)を有する。本実施形態においては、筐体31は、その内部に第1貯留室32及び第2貯留室33が形成されている下ケース31Lと、下ケース31Lに嵌合される上カバー31Uとを有する。筐体31は、全体として、左右方向に沿った寸法が細く、上下方向及び前後方向それぞれに沿った寸法が、左右方向に沿った寸法よりも大きい扁平形状である。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿入されるときに、すなわち使用姿勢において前方を向く筐体31の面が前面40であり、後方を向く筐体31の面が後面41である。側面37,38は、前面40及び後面41とそれぞれ交差して延びることにより前面40及び後面41を繋いでおり、使用姿勢において、それぞれ右方又は左方を向いている。筐体31において、下ケース31Lにおける少なくとも後面41が、第1貯留室32及び第2貯留室33に貯留されたインクの液面を外部から視認可能な透光性を有するものである。
【0057】
なお、本実施形態では、筐体31は、下ケース31L及び上カバー31Uによって外面を構成するが、1個の箱形のケースによって筐体31が構成されてもよい。また、筐体31は、貯留室を区画する内ケースと、外壁を構成する外ケースとに分かれており、外ケース内に内ケースが収容される入れ子構造であってもよい。
【0058】
図5に示されるように、後面41は、上部分41Uと下部分41Lとを有する。上部分41Uは、下部分41Lよりも上方に位置する。下部分41Lは、上部分41Uよりも前方に位置する。上部分41U及び下部分41Lは、いずれも平面であり、相互に直交せずに交差している。下部分41Lは、下面42に近づくほど前面40に近くなるように上下方向に対して傾斜している。
【0059】
図6に示されるように、下面42は、前端が後端よりも下方に位置するように、前後方向に対して傾斜した傾斜面である。下面42(傾斜面)の前端は、後述するロック面151よりも前方に位置している。下面42(傾斜面)の後端は、後面41の下部分41Lの下端と繋がっている。下面42の傾斜角は、水平方向に対して2°~4°が好ましい。
【0060】
図6に示されるように、筐体31は、下面42より上方に位置しており、前面40の下端と連続して後方へ延びるサブ下面48を有する。本実施形態において、サブ下面48の前端はインク供給部34の前端よりも前方に位置し、サブ下面48の後端は、インク供給部34の前端より後方に位置する。下面42とサブ下面48とは段差面49によって連続している。インク供給部34は、サブ下面48の下方、且つ下面42の上方において、段差面49から前方へ延びている。なお、サブ下面48の前端の位置は任意であり、例えば、インク供給部34の前端よりも後方に位置していてもよい。
【0061】
図4~
図6に示されるように、筐体31の上面39には、第1凸部43(ロック部の一例)が設けられている。第1凸部43は、上面39における左右方向の中央からオフセットした位置において前後方向に沿って延びている。第1凸部43において後方且つ下方を向く面がロック面151である。ロック面151は、筐体31の上面39よりも上方に位置している。ロック面151は、上下方向に沿って延びている。ロック面151は、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着された状態において、ロックシャフト145と後方へ向かって接触し得る面である。ロック面151がロックシャフト145と後方へ向かって接触することにより、インクカートリッジ30がコイルバネ78の付勢力に抗してカートリッジ装着部110に保持される。
【0062】
第1凸部43においてロック面151より前方には、水平面154(接地面、第1突出部の一例)がロック面151と連続して設けられている。水平面154は、左右方向と前後方向に沿って拡がる面である。水平面154は、第1凸部43において上面39から最も上方に離れた面である。水面154は、左右方向の寸法より前後方向の寸法の方が長い。水平面154より前方には、傾斜面155が水平面154の前端154Aと連続して設けられている。すなわち、本実施形態において、水平面154の前端154Aは、傾斜面155の後端でもある。傾斜面155は、上方且つ前方を向いている。傾斜面155の水平方向に対する傾斜角は、15°~25°が好ましい。水平面154を介してロック面151と傾斜面155とが連続しているので、ロック面151と傾斜面155との境界が尖った山形状とならない。傾斜面155は、前後方向において、後述されるIC基板64とロック面151との間に位置する。傾斜面155及び水平面154により、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される過程において、ロックシャフト145が傾斜面155及び水平面154に当接しながらロック面151より後方まで円滑に案内される。
【0063】
筐体31の上面39において、ロック面151より後方には、操作部90が設けられている。筐体31の上面39の前端及び後端には、上面39の前後方向の中央部分より下方に位置するサブ上面91が形成されている。サブ上面91の上方において空間を隔てて操作部90が配置されている。操作部90は、上面39のその他の部分とサブ上面91との境界付近から上方へ向けて第1凸部43と同程度まで上面39から上方へ突出し、さらに後方且つ下方へ斜め下方向に折れ曲がった平板形状である。ここで、同程度まで上面39から突出しているとは、操作部90が第1凸部43よりも0~1mm上方、または0~1mm下方に配置されることを指す。操作部90の上端が第3突出部の一例である。操作部90とサブ上面91との間には、操作部90及びサブ上面91に連続しており、且つ後方へ延びるリブ94が設けられている。左右方向に沿ったリブ94の寸法は、左右方向に沿った操作部90の寸法及びサブ上面91の寸法のそれぞれより小さい。
【0064】
操作部90において、上方且つ後方を向く面が操作面92である。操作面92とサブ上面91とは、前後方向に沿った方向における位置が重複している。換言すれば、インクカートリッジ30を下方に視たとき、操作面92とサブ上面91とは重複した位置にある。操作面92には、複数の突起、例えば、左右方向に沿って延出する複数の突条93が、前後方向に間隔を隔てて形成されている。複数の突起としての突条93により、ユーザが操作面92を認識しやすくなり、また、ユーザが操作面92を指で操作するときに、指が操作面92に対して滑りにくくなる。
【0065】
操作面92は、インクカートリッジ30を下方に視たときに視認可能であり、且つ、インクカートリッジ30を前方に視たときに視認可能である。操作面92は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態からインクカートリッジ30を取り出すために、ユーザが操作するための面である。なお、操作部90は、筐体31と一体に成型されるなどして、筐体31に対して固定されており、筐体31に対して回動などの相対移動をしないように構成されている。したがって、操作面92にユーザから加えられる力は、方向を変えずに筐体31にそのまま伝達される。
【0066】
図4~
図6に示されるように、筐体31の上面39において、第1凸部43の前方には、第2凸部83(支持部の一例)が設けられている。第2凸部83の左右方向の位置は第1凸部43と同じである。第2凸部83は、第1凸部43の前端から連続して前方へ延びている。第2凸部83の後部における上端面が当接面84である。当接面84は、傾斜面155の下端と連続しており、上方を向いている。当接面84は、前後方向において、後述されるIC基板64とロック面151との間に位置する。当接面84は、
図3に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入された状態において位置決め部107と当接し、インクカートリッジ30の上下方向における位置決めの基準となる。当接面84は、IC基板64に対して相対移動しない面であり、本実施形態では、IC基板64を支持する部材、すなわち上カバー31Uと同一の部材に形成されている。なお、傾斜面155は任意の構成であり、当接面84とロック面151との間が連続した面で構成されていないくてもよい。例えば、当接面84を構成する第2凸部83と、ロック面151を構成する第1凸部43とが、連続せずに独立して各々が上方に突出していてもよい。
【0067】
なお、インクカートリッジ30の前面40、後面41、上面39、下面42、及び側面37,38は、必ずしも1つの平面をなしている必要はない。すなわち、装着姿勢のインクカートリッジ30を後方に視たときに視認し得る面であり、且つ、装着姿勢のインクカートリッジ30の前後方向の中心よりも前方に位置する面が前面40である。本実施形態においては、下面42とサブ下面48とをつなぐ段差面49は、サブ下面48とサブ上面91とをつなぐ前面40とともに、前面40の一部をなしているといえる。一方、インクカートリッジ30は、サブ下面48、サブ上面91を有しなくてもよい。換言すると、インクカートリッジ30の前面40は、上面39と下面42とを連続的につなぐ一つの面であってもよい。装着姿勢のインクカートリッジ30を前方に視たときに視認し得る面であり、且つ、装着姿勢のインクカートリッジ30の前後方向の中心よりも後方に位置する面が後面41である。装着姿勢のインクカートリッジ30を下方に視たときに視認し得る面であり、且つ、装着姿勢のインクカートリッジ30の上下方向の中心よりも上方に位置する面が上面39である。装着姿勢のインクカートリッジ30を上方に視たときに視認し得る面であり、且つ、装着姿勢のインクカートリッジ30の上下方向の中心よりも下方に位置する面が下面42である。側面37,38に関しても同様である。
【0068】
図4~
図6に示されるように、上面39には、上方に突出する遮光板67(突起の一例)が形成されている。遮光板67は、前後方向に延びている。遮光板67は、第2凸部83よりも前方に位置しており、また、第2凸部83と連続している。遮光板67は、後述するIC基板64よりも前方且つ下方に位置しており、その上端はIC基板64の電極65より下方に位置している。遮光板67は、前後方向の寸法よりも左右方向の寸法が小さい。遮光板67において、左右方向を向く面が検知面67Aである。本実施形態において、遮光板67は、例えば光を吸収可能な色材料(黒色顔料)を含む樹脂製の板である。その他の形態としては、遮光板67は、光を透過可能な板の側面にアルミ箔などの光が透過不能な材料が貼り付けられたものであってもよい。
【0069】
遮光板67において、前方向51を向く面が前面67Bである。また、遮光板67において、上面67Cと前面67Bとを繋ぎ、前方且つ上方を向く面が傾斜面67Dである。傾斜面67Dの後端は、上面67Cと連続している。前面67Bの上端は、凸部43の上面より若干下方にある。傾斜面67Dの後端、換言すれば、上面67Cの前端が、遮光板67において最も上方に位置する部分である。
【0070】
遮光板67の検知面67Aは、例えば左から右に進行する光センサ113の光を遮断する。より詳細には、光センサ113の発光部から出力された光が受光部に到達するまでの間に遮光板67に当たることによって、受光部に到達する光の強度が所定の強度未満、例えば、ゼロとなる。遮光板67は、光が発光部から受光部に進むのを完全に遮断してもよいし、光を部分的に減衰させてもよいし、光の進行方向を曲げてもよいし、光を全反射させてもよい。本実施形態では、遮光板67には切欠き66が形成されている。切欠き66は、遮光板67の上端から下方へ凹む空間であり、前後方向に拡がっている。切欠き66が光センサ113に位置することにより、光センサ113の発光部から出力された光は、受光部に到達するまでに遮断されない。このような切欠き66の有無によって、インクカートリッジ30の種別、すなわちインクカートリッジ30が貯留するインクの種類や初期量などが判別可能となる。他方、遮光板67に切欠き66がなければ、検知面67Aは、装着状態のインクカートリッジ30において、光センサ113の発光部と対向する。
【0071】
図4~
図6に示されるように、第2凸部83の上端であって、遮光板67と第1凸部43との間には、IC基板64が設けられている。IC基板64は、当接面84より前方に位置して下方へ凹む凹空間において、第2凸部83に下方から支持されている。各図には詳細に現れていないが、第2凸部83の凹空間には光硬化性樹脂が充填されて第2凸部83にIC基板64を接着している。IC基板64は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される途中において接点106と導通し、かつインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態においても接点106と導通する。
【0072】
IC基板64は、シリコンなどで形成された基板に、IC(各図には現れていない)と、4つの電極65が搭載されたものである。4つの電極65は、左右方向に沿って並んでいる。ICは、半導体集積回路であり、インクカートリッジ30に関する情報、例えば、ロット番号や製造年月日、インク色などの情報を示すデータが読み出し可能に格納されている。また、IC基板4は、可橈性を有するフレキシブル基板にIC及び電極が設けられて構成されてもよい。
【0073】
各電極65はICと電気的に接続されている。各電極65は、それぞれが前後方向に沿って延出されており、4つの電極65は、左右方向に離間されて配置されている。各電極65は、IC基板64の上面に電気的にアクセス可能に露出されている。
【0074】
上面39の外面のうち前端にあるサブ上面91の後端から、段差面95が上方へ延びている。段差面95は前方を向く面である。段差面95には、大気連通口96が形成されている。つまり、大気連通口96は、筐体31の上下方向の寸法の中心より上方に配置されている。大気連通口96は、段差面95に形成された略円形の開口であって、カートリッジ装着部110のロッド125の外径より大きな内径を有している。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程において、ロッド125が大気連通口96に進入する。大気連通口96に進入したロッド125は、大気連通口96を封止するバルブ97をコイルバネ98の付勢力に抗して後方へ移動させる。バルブ97が後方へ移動して大気連通口96から離れることにより、第1貯留室32が大気開放される。なお、大気連通口96を封止する部材は、バルブ97に限定されない。例えば、段差面95から剥離可能なシールによって大気連通口96が封止されてもよい。
【0075】
[筐体31の内部構造]
図7に示されるように、筐体31の内部には、第1貯留室32、第2貯留室33、インクバルブ室35、及び大気バルブ室36が形成されている。筐体31の内部には、第1貯留室32と大気バルブ室36とを隔てる隔壁44と、第1貯留室32と第2貯留室33とを隔てる下壁45とが設けられている。隔壁44及び下壁45は、それぞれが前後方向及び左右方向に拡がる壁である。隔壁44と下壁45とは、上下方向に対向して配置されている。
【0076】
第1貯留室32は、隔壁44の下面により上端が画定され、下壁45の上面により下端が画定され、前面40、後面41及び側面37,38それぞれの反対の面である各内面により前端、後端、両側端がそれぞれ画定された空間である。隔壁44には貫通孔46が形成されている。貫通孔46によって、第1貯留室32と大気バルブ室36とが連通されている。
【0077】
第2貯留室33は、筐体31の内部空間において、使用姿勢における第1貯留室32の下方に位置してインクを貯留する。第2貯留室33がインクを貯留可能な容積は、第1貯留室32がインクを貯留可能な容積より小さい。
【0078】
第2貯留室33は、下壁45の下面により上端が画定され、下面42の上面により下端が画定され、後面41及び側面37,38の反対の面である各内面により後端及び両側端がそれぞれ画定された空間である。第2貯留室33とインクバルブ室35との間には隔壁50が形成されている。隔壁50によって第2貯留室33の前端が画定されている。第2貯留室33は、下壁45に形成された連通口47によって第1貯留室32と連通されている。また、第2貯留室33は、隔壁50に形成された貫通孔99によって、インクバルブ室35と連通されている。
【0079】
大気バルブ室36には、バルブ97及びコイルバネ98が収容されている。大気バルブ室36は、段差面95に形成された大気連通口96によって外部と連通している。バルブ97は、大気連通口96を封止する閉位置と、大気連通口96から離れた開位置に移動可能である。コイルバネ98は、前後方向に沿って伸縮可能に配置されており、バルブ97を大気連通口96へ当接する方向、すなわち前方向51へ付勢している。コイルバネ98のバネ定数は、インク供給部34のコイルバネ78のバネ定数よりも小さい。
【0080】
インク供給部34(供給部の一例)は、円筒形状の外形をなしている。より詳細には、インク供給部34は、前端が開口する筒75と、パッキング76と、を備えている。筒75は、段差面49から前方へ突出している。筒75の内部空間が、インクバルブ室35である。筒75の前端は、インクカートリッジ30の外部に開口している。筒75の前端には、パッキング76が設けられている。
【0081】
インクバルブ室35には、バルブ77及びコイルバネ78(付勢部材の一例)が収容されている。バルブ77は、前後方向に沿って移動することにより、パッキング76の中央に貫通されたインク供給口71(供給口の一例)を開閉する。コイルバネ78はバルブ77を前方向51へ付勢している。したがって、外力が付与されていない状態において、バルブ77は、パッキング76のインク供給口71を閉じている。
【0082】
パッキング76は、中央に貫通孔が形成された円盤形状の部材である。パッキング76は、例えば、ゴムやエラストマのような弾性材料から形成されている。パッキング76の中央が前後方向に貫通されて筒状の内周面が形成されている。パッキング76は、当該筒状の内周面によりインク供給口71を形成している。インク供給口71の内径は、インクニードル102の外径より若干小さい。
【0083】
バルブ77がインク供給口71を閉じている状態において、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入されると、インク供給口71にインクニードル102が進入する。インクニードル102には、パッキング76を弾性変形しつつ、その外周面がインク供給口71を画定する内周面に液密に接触する。インクニードル102の先端がパッキング76に形成されたインク供給口71を通過してインクバルブ室35へ進入すると、バルブ77に当接する。さらにインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿入されることにより、インクニードル102がバルブ77をコイルバネ78の付勢力に抗して後方へ移動させる。これにより、インクバルブ室35に貯留されているインクがインクニードル102の内部空間へ流通することが可能となる。
【0084】
また、インク供給口71は、バルブ77に代えてフィルムによって封止されていてもよい。その場合、インク供給口71は、パッキング76ではなく筒75の前端であってもよい。また、インク供給口71は、貫通孔を有しない弾性樹脂などのシール部材において、ニードルなどが穿刺されることによって形成され、ニードルがシール部材から抜き出されると、シール部材の弾性によって封止されるように構成されてもよい。また、インク供給部34は、円筒形状の部材として実現される必要はない。例えば,筐体31の前壁40に、その前後方向に貫通孔を形成する。この場合、インク供給部34は、その一部が、この貫通孔が形成された前壁40によって構成されてもよい。
【0085】
[インクカートリッジ30における各部分の配置]
図4から
図6に示されるように、第1凸部43の水平面154の前端154Aと遮光板67の上面67Cの前端とを含み、且つ左右方向に沿って延びる仮想平面59を定義することができる。本実施形態における仮想平面59は、前方向51に向かって下方に傾斜する面である。そして、仮想平面59より下方にIC基板64が配置されている。詳述すると、筐体31の上壁39よりも上方には、仮想平面59と上壁39の上面とで囲まれた領域が形成され、IC基板64は、当該領域内に配置されている。さらに、水平面154の前端154Aと遮光板67の上面67Cの前端との間で、上壁39の上面と仮想平面59とで挟まれた領域には、検知面67A、切欠き66、IC基板64、当接面68、傾斜面155が配置されている。すなわち、インクカートリッジ30に対して左右方向または上方からアクセスされ得る部材が、当該領域内に配置されている。より詳しくは、本実施形態におけるインクカートリッジ30において、仮想平面59と交わる部材は、第1凸部43の水平面154の前端154Aと、遮光板67の上面67Cの前端との間にはない。すなわち、インクカートリッジ30の上壁39において、最も高い位置にある部材が水平面154の前端154Aであり、水平面154の前端154Aより前方にある部材のなかで前端154Aの次に高い位置にある部材が遮光板67の上面67Cの前端である。
【0086】
前後方向において、筐体31の後面41から前面に向かって、ロック面151、IC基板64、遮光板67の順番に並んで配置されている。また、上下方向において、上方向54へ向かって遮光板67、IC基板64、ロック面151の順に、それぞれの最高位置が並ぶように配置されている。また、
図8に示されるように、ロック面151の左右方向の寸法D1は、遮光板67の左右方向の寸法D2より長い。
【0087】
また、遮光板67は、インクカートリッジ30の重心Gより前後方向の前方に位置しており、ロック面151は、重心Gより前後方向の後方に位置する。換言すれば、遮光板67は、重心Gより前後方向において前面40に近く、ロック面151は、重心Gより前後方向において後面41に近い。
【0088】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態に係るインクカートリッジ30によれば、IC基板64が仮想平面59より下方に配置されている。ここで、仮想平面59は、インクカートリッジ30が上下を逆にして平面で構成された床などの面に置かれた姿勢のとき、当該面と一致する面である。つまり、インクカートリッジ3の上下が逆にされた姿勢では、水平面154の前端154Aと遮光板67の上面67Cの前端とが床に当接する。一方、IC基板64は、床面とインクカートリッジ30の上壁39の上面との間の空間に位置し、床面とIC基板64との間には、IC基板64と仮想平面59との間の距離の分だけスペースができる。このような位置関係にあるので、インクカートリッジ30が上下を逆にして床に落下などしたときに、IC基板64より先に第1凸部43又は遮光板67が床に衝突しやすい。従って、筐体31の上面39に配置されたIC基板64が破損され難い。しかも、本実施形態においては、水平面154の前端154Aと遮光板67の上面67Cの前端の間で、上壁39の上面と仮想平面59とに挟まれた領域には、インクカートリッジ30において左右方向または上方からアクセスされうる検知面67Aの一部、切欠き66、IC基板64、当接面68、傾斜面155が配置されているので、外部からアクセスされる部材を落下等の衝撃から保護できる。
【0089】
また、第1凸部43及び遮光板67は、IC基板64の前後方向に並んでおり、左右方向にIC基板64より上方に突出する凸部などを設ける必要が無いので、筐体31にIC基板64が組み付けやすい。また、IC基板64が、前後方向において遮光板67と第1凸部43との間に位置するので、IC基板64が遮光板67と第1凸部43とによって保護されやすい。
【0090】
また、遮光板67は、インクカートリッジ30の重心Gより前方に位置しており、第1凸部43は、重心Gより後方に位置するので、第1凸部43又は遮光板67が床に衝突した後、遮光板67又は第1凸部43が床に衝突する回転方向へ筐体31が回転しやすい。
【0091】
また、第1凸部43は、ロック面151より前方に配置された水平面154を有しているので、インクカートリッジ30が上下を逆にして床に落下したときに、水平面154が床に衝突しやく、これによりロック面151が保護される。
【0092】
また、操作部90の上端は、第1凸部43と同程度に筐体31の上面39から離れているので、第1凸部43と共に操作部90が床に衝突しやすい。これにより、第1凸部43及び操作部90によって落下などにより筐体31に加わる衝撃が分散される。
【0093】
また、第2凸部83と遮光板67とが連続しているので、遮光板67が補強される。
【0094】
[変形例]
前述された実施形態では、第1凸部43及び遮光板67の左右方向の位置が重複していないが、
図9に示されるように、第1凸部43及び遮光板67の左右方向の位置が重複するように配置されていてもよい。例えば、筐体31の左右方向の寸法が前述された実施形態に係る筐体31の寸法より短い薄平なインクカートリッジ30において、このような構成の第1凸部43及び遮光板67が採用されうる。この構成において、第1凸部43は、左右方向における両端が、遮光板67の左右方向における両端よりもそれぞれ外方に位置している。また、前述されたように、第1凸部43の上端は、遮光板67の上端より筐体31の上面39から上方へ離れている。
【0095】
前述された構成によれば、遮光板67より第1凸部43が幅広なので頑丈である。第1凸部43は、遮光板67より筐体31の上面39から上方に離れた位置まで突出しているので、インクカートリッジ30が上下を逆にして床に落下などしたときに、遮光板67より第1凸部43が床に衝突しやすい。
【0096】
また、前述された実施形態では、第1凸部43において上壁39の上面から最も離れた部分が水平面154の前端154Aであったが、第1凸部43や第2凸部83において上壁39の上面から最も離れた部分は、上記以外の形態で形成されていてもよい。例えば、第1凸部43において水平面154が形成されず、傾斜面155とロック面151とが直接繋がっていてもよい。この場合、ロック面151と傾斜面155との境界が鋭角に尖った山形状となるが、このロック面151と傾斜面155との境界が、第1凸部43において上壁39の上面から最も離れた部分(第1突出部の他の例)となる。
【0097】
また、第1凸部43において傾斜面155が形成されず、IC基板64とロック面151との間に上下方向に沿った段差が形成されていてもよい。この場合、段差はいくつあってもよいが、第1凸部43に形成された段差の最上面において上壁39の上面から最も離れた部分は、例えば、水平面154の前端154Aと段差との境界部分である。これらのような場合であっても、第1凸部43において上壁39の上面から最も離れた部分と遮光板67において上壁39の上面から最も離れた部分とを含み、且つ左右方向に沿って延びる仮想平面59より下方に、IC基板64が配置されることにより、前述された作用効果が奏される。
【0098】
また、前述された実施形態では、遮光板67において上壁39の上面から最も離れた位置は、上面67Cの前端であったが、遮光板67において上壁39の上面から最も離れた位置も上記以外の形態で形成されていてもよい。例えば、遮光板67において上壁39の上面から最も離れた位置が、遮光板67の上面67Cにおける前端と後端との間の領域、例えば本実施形態における切欠き66の上端であってもよいし、切欠き66がない遮光板67であれば上面67Cの前端と後端との間の任意の位置に山形の凸部などが形成されてもよい。また、本実施形態とは異なる態様として、遮光板67の検知面67Aは、遮光板67において上壁39の上面から最も離れた位置よりも前方にあってもよい。
【0099】
また、前述された実施形態では、インクが印刷流体の一例として説明されているが、例えば、インクに代えて、印刷時にインクに先立って用紙などに吐出される前処理液が印刷流体カートリッジに貯留されていてもよい。また、記録ヘッド21を洗浄するための水が印刷流体カートリッジに貯留されていてもよい。また、トナーなどの流動性を有する粉体が印刷流体であってもよい。
【符号の説明】
【0100】
10・・・プリンタ(印刷流体消費装置)
21・・・記録ヘッド(印刷流体消費部)
30・・・インクカートリッジ(印刷流体カートリッジ)
31・・・筐体(本体)
32・・・第1貯留室
33・・・第2貯留室
34・・・インク供給部(供給部)
39・・・上面
40・・・前面
41・・・後面
42・・・下面
43・・・凸部(ロック部)
64・・・IC基板(電気的インターフェース)
67・・・遮光板(突起、第2突出部)
71・・・インク供給口(供給口)
77・・・バルブ
78・・・コイルバネ(付勢部材)
83・・・凸部(支持部)
90・・・操作部(第3突出部)
102・・・インクニードル(供給管)
106・・・接点
107・・・位置決め部
113・・・光センサ
145・・・ロック部
151・・・ロック面
154・・・水平面(第1突出部、接地面)
【手続補正書】
【提出日】2022-03-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面と、
上記前面と反対の後面と、
上記前面と上記後面との間に設けられた貯留室と、
上記前面と上記後面との間に設けられた上面と、
上記貯留室を挟んで上記上面の反対に設けられた下面と、
供給口、当該供給口を開閉するバルブ、及び当該バルブを上記供給口へ付勢する付勢部材を有する供給部と、
上記供給部の供給口が外部へ向く第1方向と反対の第2方向を向いており、上記上面に設けられたロック面を有するロック部と、
上記上面に設けられて上方向へ延びる突起であって、前後方向に延びる突起と、
上方向を向いており、上記上面に設けられた電気的インターフェースと、
上記前面、上記後面、及び上記下面を有しており、上記貯留室を画定する下ケースと、
上記ロック部、上記突起、及び上記電気的インターフェースが設けられた上記上面を有しており、上記下ケースと係合する上カバーと、を具備しており、
上記突起、上記ロック面、及び上記電気的インターフェースのそれぞれの後端は、上記後面から上記前面に向かって、上記ロック面、上記電気的インターフェース、及び上記突起の順番に並んでおり、且つ、上記突起、上記ロック面、及び上記電気的インターフェースのそれぞれの上端は、上方向に向かって、上記突起、上記電気的インターフェース、及び上記ロック面の順番に並んでいる印刷流体カートリッジ。
【請求項2】
上記ロック部は、上記上面から最も離れた第1突出部を有しており、
上記突起は、上記上面から最も離れた第2突出部を有しており、
上記電気的インターフェースは、上記第1突出部及び上記第2突出部を含み、且つ上記第1方向と直交する上記幅方向に沿って延びる仮想平面より、上記上面に近い位置に配置されている請求項1に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項3】
上記ロック面の上記幅方向の寸法は、上記突起の上記幅方向の寸法より長い請求項2に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項4】
上記突起は、当該印刷流体カートリッジの重心より上記第1方向において上記前面に近く、
上記ロック部は、上記重心より上記第2方向において上記後面に近い請求項1から3のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項5】
上記上面において上記ロック面と上記突起との間に配置され、且つ上方向を向いた接地面を更に有する請求項1から4のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項6】
上記上面に、上記電気的インターフェースを支持する支持部が設けられており、
上記突起は、上記支持部と連続している請求項1から5のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項7】
上記突起は、印刷流体消費装置に設けられたセンサにより検知可能なものである請求項1から6のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。