(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048320
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】氷菓製造装置、開閉機構
(51)【国際特許分類】
A23G 9/26 20060101AFI20220317BHJP
【FI】
A23G9/26
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014994
(22)【出願日】2022-02-02
(62)【分割の表示】P 2021032248の分割
【原出願日】2017-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】517288265
【氏名又は名称】シーピーエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 俊明
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 隆仁
(57)【要約】
【課題】掴み部を開閉させる部位が周辺の部材と接触してしまうことを確度高く抑制する。
【解決手段】本発明の氷菓製造装置は、スティックを掴みアイスクリームを抜き取る抜取装置10を備える。この抜取装置10は、スティックを掴むブレード93を有するグリッパユニット90と、ブレード93に対して開閉操作を行う開放ユニット40と、グリッパユニット90および開放ユニット40をスティックの長手方向に移動させる駆動体20とを有する。開放ユニット40は、ロッドを突出させるシリンダ45と、シリンダ45から突出するロッドに押圧されることにともない回転する連結アーム47と、連結アーム47が回転することにともないブレード93を押圧してブレード93を開閉させる開放バー43との組み合わせが、長手方向に交差する方向に複数組設けられ、各組が有する開放バー43は、各々が複数のブレード93を押圧する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に氷菓原料およびスティックが入れられ冷却媒体の中を移送される氷菓型と、
前記氷菓型内部の前記氷菓原料が冷却された後に、前記スティックを掴み当該氷菓型から氷菓を抜き取る抜取装置と、
を備え、
前記抜取装置は、
前記スティックを掴む開閉片を有する掴み部と、
前記掴み部が有する前記開閉片に対して開閉操作を行う操作部と、
前記掴み部および前記操作部を支持するとともに、当該掴み部および当該操作部を前記スティックの長手方向に沿って移動させる支持部と、
を備え、
前記操作部は、ロッドを突出させるシリンダと、当該シリンダから突出する当該ロッドに押圧されることにともない回転する回転体と、当該回転体が回転することにともない前記開閉片を押圧して当該開閉片を開閉させる押圧体との組み合わせが、前記長手方向に交差する方向に複数組設けられ、各組が有する当該押圧体は、各々が複数の前記開閉片を押圧する、
ことを特徴とする氷菓製造装置。
【請求項2】
内部に氷菓原料およびスティックが入れられ冷却媒体の中を移送される氷菓型において当該氷菓原料が冷却された後に、当該スティックを掴む開閉片を有する掴み部の当該開閉片に対して開閉操作を行う操作部と、
前記掴み部および前記操作部を支持するとともに、当該掴み部および当該操作部を前記スティックの長手方向に沿って移動させる支持部と、
を備え、
前記操作部は、ロッドを突出させるシリンダと、当該シリンダから突出する当該ロッドに押圧されることにともない回転する回転体と、当該回転体が回転することにともない前記開閉片を押圧して当該開閉片を開閉させる押圧体との組み合わせが、前記長手方向に交差する方向に複数組設けられ、各組が有する当該押圧体は、各々が複数の前記開閉片を押圧する、
ことを特徴とする開閉機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、氷菓製造装置、および開閉機構に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、スティック付き冷菓の製造設備を向上させるため、チェーンコンベアで間欠駆動により送られる氷缶の列を2列とするとともに、2列のグリッパを設け、2列同時に氷缶から抜きとることが可能な冷菓製造装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、氷菓製造装置において、掴み部を開閉することで氷菓が有するスティックを掴み、氷菓型から氷菓を引き抜く構成が採用されることが有る。
このような構成において、掴み部がスティックに接近する際に、掴み部とスティックとが衝突し、スティックを破損してしまうことがある。また、掴み部を開閉させる部材が周辺の部材と接触してしまうことがある。
そこで、本発明は、掴み部を開閉させる部位が周辺の部材と接触してしまうことを確度高く抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的のもと完成させた本発明は、内部に氷菓原料およびスティックが入れられ冷却媒体の中を移送される氷菓型と、前記氷菓型内部の前記氷菓原料が冷却された後に、前記スティックを掴み当該氷菓型から氷菓を抜き取る抜取装置と、を備え、前記抜取装置は、前記スティックを掴む開閉片を有する掴み部と、前記掴み部が有する前記開閉片に対して開閉操作を行う操作部と、前記掴み部および前記操作部を支持するとともに、当該掴み部および当該操作部を前記スティックの長手方向に沿って移動させる支持部と、を備え、前記操作部は、ロッドを突出させるシリンダと、当該シリンダから突出する当該ロッドに押圧されることにともない回転する回転体と、当該回転体が回転することにともない前記開閉片を押圧して当該開閉片を開閉させる押圧体との組み合わせが、前記長手方向に交差する方向に複数組設けられ、各組が有する当該押圧体は、各々が複数の前記開閉片を押圧する、ことを特徴とする氷菓製造装置である。
また、他の観点から捉えると、本発明は、内部に氷菓原料およびスティックが入れられ冷却媒体の中を移送される氷菓型において当該氷菓原料が冷却された後に、当該スティックを掴む開閉片を有する掴み部の当該開閉片に対して開閉操作を行う操作部と、前記掴み部および前記操作部を支持するとともに、当該掴み部および当該操作部を前記スティックの長手方向に沿って移動させる支持部と、を備え、前記操作部は、ロッドを突出させるシリンダと、当該シリンダから突出する当該ロッドに押圧されることにともない回転する回転体と、当該回転体が回転することにともない前記開閉片を押圧して当該開閉片を開閉させる押圧体との組み合わせが、前記長手方向に交差する方向に複数組設けられ、各組が有する当該押圧体は、各々が複数の前記開閉片を押圧する、ことを特徴とする開閉機構である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、掴み部を開閉させる部位が周辺の部材と接触してしまうことを確度高く抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施の形態が適用されるアイスクリーム製造装置の全体構成例を示した図である。
【
図2】(a)は抜取装置およびグリッパユニットの概略構成を示した図であり、(b)は抜取装置の分解斜視図である。
【
図3】(a)はグリッパユニットの側面図であり、(b)はブレードの概略構成図である。
【
図5】(a)乃至(d)は抜取装置の動作を説明する図である。
【
図6】(a)および(b)は抜取装置の配置を説明する図である。
【
図7】シリンダおよびモータを制御する制御信号のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
<アイスクリーム製造装置100>
図1は、本実施の形態が適用されるアイスクリーム製造装置100の全体構成例を示した図である。なお、以下の説明においては、
図1における奥行方向を幅方向、
図1における上下方向を上下方向ということがある。また、
図1の左右方向における左側から右側、すなわちアイスIC(後述)が移送される方向を、移送方向ということがある。
【0009】
図1を参照しながら、本実施の形態が適用されるアイスクリーム製造装置100の全体構成例について説明をする。このアイスクリーム製造装置100は、成型装置1と、充填装置3と、挿入装置5と、デフロスト装置7と、抜取装置10と、搬送装置11と、コーティング装置13と、受渡装置15と、ユーザインターフェイス17と、制御装置19とを有する。このアイスクリーム製造装置100は、スティックST付きのアイスクリームICを製造する(詳細は後述)。
【0010】
成型装置1は、移送装置の一例であり、アイスクリームICを成形する型であるモールド(氷菓型)MDを、幅方向に複数(例えば16個)並べて支持する支持板(不図示)を有する。この支持板は、移送方向に複数並べて設けられるとともに、所定のタイミングで間欠的に搬送する所謂インデックス駆動により搬送される。また、成型装置1は、例えば塩化カルシウムなどの冷却媒体であるブラインが満たされたブライン槽(不図示)およびブラインを送り出すポンプ(不図示)を有する。このブライン槽内をモールドMDが進行することにより、モールドMD内のアイスクリームICが冷却および成形される。
【0011】
充填装置3は、アイスクリームICの原料(氷菓原料)を、間欠搬送される各々のモールドMD内に充填する。アイスクリームICの原料は特に限定されず、液体、あるいは液体と固体の混合体などであってもよい。この充填装置3は、例えば間欠搬送されるモールドMDが停止している間に、モールドMD内への充填を行う。
【0012】
挿入装置5は、移送される各々のモールドMD内にスティックST(後述)を挿入する。この挿入装置5は、成型装置1において、モールドMD内に充填され冷却中のアイスクリームICが適度に硬くなった状態、すなわち、半固体化した状態となる位置に設けられている。
【0013】
デフロスト装置7は、冷却したアイスクリームICをモールドMDから抜き取るために、モールドMDの外側表面に水(温水)を掛ける所謂デフロストを行う。このデフロスト装置7は、モールドMD内で冷却されるアイスクリームICが完全に凍った後、すなわちアイスクリームIC全体が固体化した状態となる位置よりも移送方向下流側に設けられている。
【0014】
抜取装置10は、モールドMDからアイスクリームICを抜き取る所謂エクストラクターである。詳細は後述するが、抜取装置10は、アイスクリームIC表面が若干溶けた状態で、スティックSTをグリッパユニット90(後述)で掴み、上方に移動することで、モールドMDからアイスクリームICを抜き取る。
【0015】
搬送装置11は、抜き取ったアイスクリームICをさらに搬送(移送)する装置である。この搬送装置11は、移送方向に複数並べられたグリッパユニット90(後述)と、幅方向に所定間隔で配置された一対のチェーン(不図示)と、各チェーンに沿って延び各チェーンを支持する一対のレール(不図示)と、一対のチェーンをインデックス駆動するモータ(不図示)とを有する。一対のチェーンの幅方向の間隔は、グリッパユニット90(後述)の幅方向の長さに対応する。そして、グリッパユニット90は、一対のチェーンによって幅方向両端が保持された状態で、一対のチェーンにより駆動される。
【0016】
コーティング装置13は、アイスクリームIC表面にチョコレート等をコーティングする所謂ディッピング装置である。なお、アイスクリームICの種別によっては、コーティング装置13を設けない構成であってもよい。
【0017】
受渡装置15は、コーティング装置13によってコーティングされたアイスクリームICを下流側に位置する包装装置(不図示)に受け渡す所謂ロワレーターである。
【0018】
ユーザインターフェイス17は、例えば液晶表示パネルにより構成され、ユーザからの指示を受け付けるとともにユーザに対してメッセージなどを表示する。このユーザインターフェイス17は、例えば後述するシリンダ45およびモータ27の動作タイミングに関する情報を、ユーザから受け付ける。
【0019】
制御装置19は、制御部の一例であり、上記アイスクリーム製造装置100を構成する各機能部材を制御する。この制御装置19は、例えばユーザインターフェイス17を介して受け付けたユーザからの入力に基づいて、後述するシリンダ45およびモータ27の動作タイミングなどを制御する。すなわち、アイスクリーム製造装置100においては、ユーザがシリンダ45およびモータ27の動作タイミングを調整することが可能である。
【0020】
次に、アイスクリーム製造装置100の動作について説明をする。
まず、成型装置1によって間欠的に移送される複数のモールドMDの各々の内部に、充填装置3によってアイスクリームICの原料が充填される。このモールドMD内のアイスクリームICは、成型装置1内のブラインによって冷却され、徐々に固体化する。
【0021】
そして、冷却中のアイスクリームICが半固体化した状態で、挿入装置5によってスティックSTが挿入される。その後、モールドMD内のアイスクリームICは、さらに冷却され全体が固体化した状態となる。
【0022】
そして、デフロスト装置7によって温水がモールドMDの外側表面に掛けられた後に、抜取装置10がスティックSTを掴み、モールドMDからアイスクリームICを抜き取る。その後、抜き取られたアイスクリームICは搬送装置11によって間欠的に移送されながら、コーティング装置13によってコーティングが施される。その後、コーティングされたアイスクリームICは、受渡装置15によって包装工程へと受け渡される。
【0023】
<抜取装置10およびグリッパユニット90>
図2(a)は抜取装置10およびグリッパユニット90の概略構成を示した図であり、
図2(b)は抜取装置10の分解斜視図である。次に、
図2(a)および(b)を参照しながら、抜取装置10およびグリッパユニット90の構成について詳細に説明をする。
【0024】
図2(a)に示すように、抜取装置10は、アイスクリームICのスティックSTを掴む(把持する)グリッパユニット90を、上下方向に移動させる。詳細は後述するが、グリッパユニット90がアイスクリームICのスティックSTを把持した後に、抜取装置10がグリッパユニット90を上昇させることにより、モールドMDからアイスクリームICが引き抜かれる。
【0025】
ここで、グリッパユニット90は、移送方向に複数設けられ(後述する
図6参照)、かつ移送方向に沿って間欠移動する。そして、抜取装置10は、複数のグリッパユニット90のうち、抜取装置10に対応する位置で停止した1つのグリッパユニット90を保持し、上下方向に移動させる。付言すると、抜取装置10は、1つのグリッパユニット90による引き抜き動作を完了すると、次に移送方向上流側から搬送され抜取装置10に対応する位置で停止される他のグリッパユニット90を保持しながら引き抜き動作を実行することを繰り返す。
【0026】
また、
図2(a)に示すように、アイスクリームICは、所謂バータイプであり、アイスクリーム本体BDと、このアイスクリーム本体BDに一端が支持されるスティックSTとを有する。なお、ここでのアイスクリームICは、乳成分の量などの原材料を特に限定するものではない。さらに説明をすると、アイスクリームICは、氷菓の一例であり、アイスミルク、アイスラクト、あるいはシャーベットなどを含む。
【0027】
スティックSTは、一方向に長い部材、言い換えると、長尺状の部材である。図示のスティックSTは、長手方向と交差するスティック幅方向と比較して厚さが薄い薄板状の部材である。このスティックSTは、例えば白樺材により形成される。また、スティックSTは、アイスクリームICに挿入される際に、長手方向が上下方向に沿う向きに配置される。また、スティックSTの厚み方向が移送方向に沿う向きに配置される。なお、スティックSTの形状は特に限定されない。スティックSTは、例えば円柱状(棒状)や円筒状、あるいは鍔部を有する構成であってもよい。また、スティックSTの材質も特に限定されない。スティックSTは、白樺材以外の木材や、樹脂などにより構成されてもよい。
【0028】
<グリッパユニット90>
図3(a)はグリッパユニット90の側面図であり、
図3(b)はブレード93の概略構成図である。次に、
図2(b)、
図3(a)および(b)を参照しながら、グリッパユニット90の構成について詳細に説明をする。
【0029】
図2(b)に示すように、掴み部の一例であるグリッパユニット90は、幅方向に設けられる長尺状のグリッパフレーム91と、グリッパフレーム91に設けられ幅方向に所定の間隔で複数設けられるピン92およびブレード93と、各ブレード93を付勢するスプリング95(
図3参照)と、ブレード93を回転可能に支持するブレード軸97(
図3参照)とを有する。
【0030】
図3(a)に示すように、グリッパフレーム91は、長手方向が幅方向に沿って設けられるフレーム本体910と、フレーム本体910に固定される支持板911とを有する。図示の例においては、フレーム本体910は、幅方向両端において上下方向に貫通する貫通孔914(
図2(b)参照)を有する。また、支持板911は、断面略C字状に折り曲げられた部材である。さらに説明をすると、支持板911は、上下方向に沿う面であるフレーム挟み部913と、フレーム本体910から下側に向けて突出する部分であり下側に進むに従い移送方向下流側に向けて傾斜する迎え部915とを有する。
【0031】
ピン92は、フレーム本体910を移送方向に貫通して設けられ先端に雌ネジが形成されたピン本体920と、フレーム本体910よりも移送方向上流側に位置する拡径部923と、フレーム本体910を挟んで拡径部923とは反対側でピン92の雌ネジと噛み合うナット部925とを有する。
【0032】
ブレード93は、開閉片の一例であり、長尺状の板状部材であるブレード本体930を有する。このブレード本体930は、上側の端部近傍で折り曲げられた曲げ部931と、ブレード本体930の下側で断面略J字状に折り曲げられたブレード挟み部935と、ブレード本体930の板面に設けられた平面視略楕円形状の貫通孔であるスリット937とを有する。
【0033】
スプリング95は、コイルスプリングである。このスプリング95は、内部をピン92のピン本体920が貫通するとともに、ピン92の拡径部923とブレード93との間に圧縮して設けられる。さらに説明をすると、スプリング95は、ブレード93の曲げ部931側の端部をフレーム本体910側に押し付ける力を付与する。
【0034】
ブレード軸97は、ブレード93と一体として形成され、ブレード挟み部935の断面略J字状に折り曲げられた湾曲部938の内部に設けられる。なお、ブレード軸97の両端は、グリッパフレーム91によって回転可能に支持される。
【0035】
上記のように構成されたグリッパユニット90は、一対のチェーン(不図示)に設けられたピン(不図示)が、グリッパフレーム91の貫通孔914に挿入されることにより、一対のチェーンと係合し、一対のチェーンにより駆動され移送方向に沿って移動する。また、抜取装置10を通過する際に、抜取装置10によって支持され上下方向に沿って移動する。
【0036】
ここで、ブレード93は、ブレード軸97を中心として回転可能に設けられている(図中矢印A1およびA2参照)。そして、後述する開放ユニット40から力を受けない状態において、ブレード93は、スプリング95によって付勢されることで閉鎖位置(図中実線で示すブレード93参照)に配置される。また、開放ユニット40から力を受ける状態において、ブレード93は、開放位置(図中破線で示すブレード93参照)に配置される。
【0037】
次に、ブレード93の開閉動作の概略について説明をする。まず、ブレード93が閉鎖位置に配置されているときは、ブレード挟み部935とフレーム挟み部913が接近する(接触する)。そして、ブレード93が閉鎖位置に配置されているときは、ブレード挟み部935とフレーム挟み部913とによってアイスクリームICのスティックSTが把持可能である。なお、ブレード93が閉鎖位置に配置されている際に、ブレード挟み部935とフレーム挟み部913とが接触することは必須ではなく、ブレード挟み部935とフレーム挟み部913との間隙がスティックSTの厚みよりも小さければよい。
【0038】
一方で、ブレード93が開放位置に配置されているときは、ブレード挟み部935とフレーム挟み部913とが離間する。そして、ブレード93が閉鎖位置に配置されているときは、ブレード挟み部935とフレーム挟み部913とによってアイスクリームICのスティックSTは把持されない。言い換えると、ブレード93が閉鎖位置に配置されているときは、ブレード挟み部935とフレーム挟み部913との間の距離が、アイスクリームICのスティックSTの厚みよりも大きい。
【0039】
<抜取装置10>
図4は抜取装置10の側面図である。次に、
図2(b)および
図4を参照しながら、抜取装置10の構成について詳細に説明をする。
図2(a)に示すように、抜取装置10は、幅方向両側に設けられ駆動力を供給する駆動体20と、グリッパユニット90を開放する開放ユニット40(後述)と、幅方向両側の駆動体20を連結する連結体50とを有する。
【0040】
図2(b)に示すように、駆動体20は、支持部の一例であり、幅方向の両側に設けられる一対のユニットである。各駆動体20は、アイスクリーム製造装置100(
図1参照)における位置が固定された基台21と、移動本体の一例であり基台21に設けられ上下方向に移動可能な移動部23と、移動部23に対して固定されたラック25と、正転および逆転が可能であるモータ27と、移動部23に設けられた溝部でありグリッパユニット90のグリッパフレーム91を支持するグリッパ支持部29とを有する。
【0041】
連結体50は、駆動体20の基台21によって両端が回転可能に支持される連結軸51と、連結軸51の両端に設けられる連結ギア53とを有する。この連結ギア53は、ラック25と噛み合うとともに、モータ27の駆動力を受けて回転する。
【0042】
次に、駆動体20および連結体50の動作について説明をする。駆動体20のモータ27が駆動すると連結ギア53が回転し、さらに連結ギア53と噛み合うラック25に駆動力が伝達される。このことにより、グリッパフレーム91を支持する移動部23が上下方向に移動する。
【0043】
<開放ユニット40>
次に、
図2(b)および
図4を参照しながら、開放ユニット40の構成について説明をする。開放ユニット40は、開放フレーム41と、ブレード93を押圧し開放位置へ移動させる開放バー43と、開放バー43に駆動力を供給するシリンダ45と、開放バー43とシリンダ45とを連結する連結アーム47とを有する。なお、開放ユニット40は、操作部および開閉機構の一例である。
【0044】
図2(b)に示すように、本実施の形態においては、開放バー43、シリンダ45、および連結アーム47の組み合わせが、幅方向に所定間隔で複数組設けられている。そして、各組が有する開放バー43は、各々が複数のブレード93を押圧するように配置されている。複数の開放バー43を駆動することにより、例えば複数のブレード93の全てを幅方向に延びる1本の開放バー43で押圧する場合と比較して、開放バー43の撓みが抑制され、ブレード93を押圧する力にばらつきが生じることが抑制される。なお、開放バー43は押圧体の一例であり、シリンダ45は駆動部の一例である。また、開放バー43を複数設けることは必須ではなく、複数のブレード93の全てを幅方向に延びる1本の開放バー43で押圧する構成であってもよい。
【0045】
開放フレーム41は、長手方向が幅方向に沿って設けられる枠体である。図示の例においては、開放フレーム41の両端が、駆動体20の移動部23によって支持される。すなわち、開放フレーム41は、移動部23とともに上下方向に移動可能である。さらに説明をすると、開放フレーム41は、移動範囲における上限である上側位置と、下限である下側位置との間で移動する。また、開放フレーム41は、シリンダ45の上側端部452を回転可能に支持するフレーム軸411を有する。
【0046】
開放バー43は、軸方向が幅方向に沿って設けられる略円筒状の部材である。上述のように、本実施の形態においては、複数の開放バー43が設けられており、各々複数のブレード93に対応(対向)する位置に設けられている。図示の例においては、16個のブレード93が幅方向に並べて設けられるとともに、4個の開放バー43が幅方向に並べて設けられる。そして、各開放バー43は、4個のブレード93を押圧する。
【0047】
シリンダ45は、略円筒状のエアシリンダであるシリンダ本体450と、シリンダ本体450から突出するシリンダロッド(ロッド)451とを有する。このシリンダ45は、上下方向に対して傾斜して設けられている。さらに説明をすると、シリンダロッド451の軸方向と上下方向とが形成する角度(図中角度D1参照)が、鋭角となるように配置されている。このように、シリンダ45を上下方向に対して傾斜して設けることにより、開放ユニット40の移送方向における長さが抑制される(詳細は後述)。なお、例えばシリンダ45に替えてアクチュエータとしてモータを用いる構成と比較して、シリンダ45を用いることにより開放ユニット40を軽量化し得る。
【0048】
シリンダ45の上側端部452は、フレーム軸411によって回転可能に支持される(図中矢印B1参照)。ここで、上側端部452は、後述するシリンダ軸473よりも移送方向上流側に位置する。このことにより、シリンダ軸473よりも移送方向下流側にシリンダ45が突出することが抑制される(詳細は後述)。
【0049】
なお、本実施の形態においては、複数のシリンダ45が設けられており、各々複数の開放バー43に対応(対向)する位置に設けられている。図示の例においては、4個のシリンダ45が幅方向に並べて設けられる。
【0050】
連結アーム47は、被押圧部および回転体の一例であり、開放フレーム41に対して固定されるアーム軸471と、アーム軸471を中心として回転可能に設けられるアーム体472とを有する。アーム体472は、アーム軸471を中心として互いに異なる角度でアーム軸471の径方向(以下、単に径方向ということがある)に延びるシリンダアーム475およびバーアーム477を有する。シリンダアーム475は、径方向外側の端部にシリンダ軸473を有する。このシリンダ軸473は、シリンダロッド451の先端を回転可能に支持する。また、バーアーム477は、径方向外側の端部に開放バー43を保持する。このアーム体472がアーム軸471を中心として回転することにともない、開放バー43およびシリンダ軸473がアーム軸471を中心として回転する(図中矢印B3および矢印B4参照)。
【0051】
次に、開放ユニット40の動作について説明をする。この開放ユニット40は、シリンダ45へ供給するエアーを制御することで、シリンダ45からのシリンダロッド451の突出量を変化させ(図中矢印B2参照)、アーム軸471を中心として開放バー43を回転させる(図中矢印B3参照)。そして、開放バー43によって押圧されるブレード93が、開放位置と閉鎖位置との間で変位する。ここで、アーム軸471を中心として回転する開放バー43は、円弧状の軌跡を描きながらブレード93における曲げ部931(
図3参照)よりも下側を押圧する。
【0052】
付言すると、図示の例においては、シリンダ45からシリンダロッド451を移送方向下流側へ押圧することにより、開放バー43が移送方向下流側(一方向)へ押圧される。すなわち、図示の開放ユニット40は、シリンダ45からシリンダロッド451を突出させる向きと反対の向き(他方向)に開放バー43を移動させる。また、図示の例においては、移動部23のグリッパ支持部29によって支持されたグリッパユニット90の上方にシリンダ45が配置される。これらの構成により、開放ユニット40の移送方向長さ(
図6(a)における長さL1参照)が抑制される。言い換えると、開放ユニット40が占める空間の上方から見た面積(水平投影面積)が抑制される。
【0053】
ここで、上述のように開放ユニット40およびグリッパユニット90は、駆動体20の移動部23によって支持され、上下方向において移動可能である。したがって、開放ユニット40は、移動部23の移動にともないシリンダ45を動作させることにより、移動部23の移動中にブレード93を開閉させることが可能である。
【0054】
<抜取装置10の動作>
図5(a)乃至(d)は抜取装置10の動作を説明する図である。なお、
図5(a)乃至(d)は抜取装置10の側面図である。なお、
図5(a)における開放フレーム41は上側位置に配置され、
図5(b)における開放フレーム41は上側位置と下側位置との間である中間位置に配置され、
図5(c)および(d)における開放フレーム41は下側位置に配置された状態である。また、
図5(a)および(d)における開放バー43はブレード93から離間した状態であり、
図5(b)および(c)における開放バー43はブレード93を押圧している状態である。
【0055】
次に、
図5(a)乃至(d)を参照しながら、抜取装置10の動作について詳細に説明をする。なお、ここでは、抜取装置10における開放フレーム41が上側位置に配置され、かつブレード93が閉じられた状態から、開放フレーム41が下降するとともにブレード93が開かれる動作を説明する。
【0056】
まず、
図5(a)に示すように、開放フレーム41は上側位置に配置され、開放バー43がブレード93から離間した状態である。このとき、ブレード挟み部935とフレーム挟み部913とは接近(あるいは接触)している。
【0057】
次に、
図5(b)に示すように、開放フレーム41が下降を開始した後、シリンダ本体450からシリンダロッド451が突出する。このことにより、アーム軸471を中心として開放バー43が回転(図中矢印B31参照)する。そして、円弧状の軌跡を描きながら開放バー43がブレード93を押圧する。その結果、ブレード挟み部935とフレーム挟み部913とが離間し、ブレード93が開放位置に配置される。さらに説明をすると、
図5(b)に示す例においては、開放フレーム41が下側位置に到達する前に、ブレード93が開いた状態となっている。
【0058】
次に、
図5(c)に示すように、開放フレーム41が下側位置に到達する。このとき、離間したブレード挟み部935とフレーム挟み部913との間の空間に、アイスクリームICのスティックSTが挿入(配置)される。
【0059】
次に、
図5(d)に示すように、開放フレーム41が下側位置に維持されたまま、シリンダロッド451がシリンダ本体450に没入する。このことにともない、アーム軸471を中心として開放バー43が回転(図中矢印B32参照)し、開放バー43がブレード93から離間する。その結果、ブレード挟み部935とフレーム挟み部913とによって、アイスクリームICのスティックSTが挟まれて保持された状態となる。
【0060】
図示は省略するが、次に、開放フレーム41が上昇することにより、アイスクリームICがモールドMDから抜き取られる。
【0061】
さて、上記挿入装置5(
図1参照)が、モールドMD内にスティックSTを挿入する際に、スティックSTの角度が所定の位置からずれて挿入される場合がある。また、スティックST自体に、反りや曲がりなど形状のばらつきがある場合もある。これらの場合においてはスティックSTが適正な位置に配置されていない状態であるため、グリッパユニット90が下降しスティックSTに接近する際に、ブレード93とスティックSTとが衝突し、例えばスティックSTが破損することがある。そして、スティックSTの破片がアイスクリームICに付着すると、異物混入となり得る。また、破損したスティックST自体も不良品となり得る。
【0062】
なお、スティックSTは規格品に近く、原料調達の問題もあり形状や寸法の精度向上が見込めない。また、例えばグリッパユニット90の形状を変更すると、スティックSTの保持が安定しないことや、設置スペースが増加することも想定される。付言すると、スティックSTの保持が安定しない場合、アイスクリームICが移送中に落下する場合や、下流設備で問題が生じることも想定される。
【0063】
そこで、本実施の形態においては、開放バー43を利用し、ブレード93を開いた状態でスティックSTを掴み下降する。そして、スティックSTを掴む位置(下側位置)に到達すると開放バー43を解除方向に動作させ、スティックSTを掴んだ後に、アイスクリームICを抜き取る。すなわち、本実施の形態においては、ブレード93を事前に開放しておく。このことにより、ブレード93とスティックSTとの衝突が低減され、上記のようなスティックSTの破損が抑制される。
【0064】
<抜取装置10の配置>
図6(a)および(b)は抜取装置10の配置を説明する図である。なお、
図6(a)は抜取装置10およびその周辺の側面図であり、
図6(b)は抜取装置10およびその周辺の平面図である。次に、
図6(a)および(b)を参照しながら、抜取装置10の配置を詳細に説明する。
【0065】
まず、
図6(a)に示すようにグリッパユニット90は、移送方向に沿って複数並べて配置されている。そこで、開放ユニット40は、移送方向上流側および下流側に位置するグリッパユニット90との衝突を回避すべく、グリッパユニット90から離間した位置で上下方向に移動するように配置されている。
【0066】
例えば、開放ユニット40における最も移送方向下流側に突出する部材が、開放バー43だとすると、この開放バー43は、移送方向下流側に位置するグリッパユニット90から移送方向における長さL2だけ離れた位置に配置される。同様に、開放ユニット40における最も移送方向上流側に突出する部材が、シリンダ45の上側端部452だとすると、このシリンダ45の上側端部452は、移送方向上流側に位置するグリッパユニット90から移送方向における長さL3だけ離れた位置に配置される。
【0067】
ここで、
図6(b)を参照しながら、グリッパユニット90が移送される際に通過する領域であるグリッパ通過領域901と、シリンダ45などとの関係について説明をする。
図6(b)に示すように、本実施の形態においては、上側からみて、グリッパ通過領域901と重なる位置に開放ユニット40が配置される。言い換えると、グリッパ通過領域901と、上下方向に移動する開放ユニット40が通過する領域とが交差する配置である。このような配置においては、開放ユニット40が占める空間の大きさを抑制することで、開放ユニット40が、移送方向上流側あるいは下流側に位置するグリッパユニット90と接触することが低減される。
【0068】
付言すると、図示の例においては、上側からみて、モールドMDが移送される際に通過する領域であるモールド通過領域903と開放ユニット40とが重なる配置として捉えることができる。したがって、開放ユニット40が占める空間の大きさを抑制することにより、開放ユニット40が、モールドMDと接触することが低減される。
【0069】
本実施の形態においては、上述のように抜取装置10におけるシリンダ45を上下方向に対して傾斜して設ける。このことにより、開放ユニット40の移送方向における長さ(
図6(a)における長さL1参照)が抑制される。その結果、上下方向に移動する開放ユニット40が、グリッパユニット90やモールドMDなど周辺の部材と接触することが抑制される。
【0070】
なお、
図6(a)に示すように、開放ユニット40よりも移送方向下流側に位置するグリッパユニット90は、アイスクリームICを掴んだ状態である。したがって、アイスクリームICが通過する領域から離間した位置で開放ユニット40が移動するように配置されている。例えば、シリンダ45の上側端部452が、シリンダ軸473よりも移送方向上流側に位置する配置である。
【0071】
<シリンダ45およびモータ27の動作タイミング>
図7は、シリンダ45およびモータ27を制御する制御信号のタイミングチャートである。次に、
図5(a)乃至(d)および
図7を参照しながら、シリンダ45およびモータ27の動作を制御する制御信号の送信タイミングについて説明をする。
【0072】
さて、アイスクリームICの製造コストを抑制するためには、アイスクリーム製造装置100の動作速度をより早くすることが望まれる。一方で、アイスクリーム製造装置100の動作速度を早くすると、ブレード93がスティックSTを掴み損ねる場合がある。
【0073】
例えば、
図5(c)に示すように、開放フレーム41を下側位置に配置し、かつ開放バー43がブレード93を押圧している状態から、モータ27が開放フレーム41を上昇させ、かつシリンダ45がブレード93を解除する動作を行うことを想定する。このとき、エアーを介して作動するシリンダ45の反応は、エアーを介さず電気的に制御されるモータ27よりも遅くなる場合がある。このような場合において、モータ27およびシリンダ45を同時に動作させると、ブレード93がスティックSTを掴み損ねる可能性がある。すなわち、シリンダ45の動作の遅れにより、開放バー43がブレード93を解除し、ブレード93がスティックSTを掴む動作が完了する前に、モータ27により駆動される開放フレーム41が上昇してしまう可能性がある。
【0074】
さらに説明をすると、例えば、アイスクリーム製造装置100が1分間に30回インデックス駆動、すなわち30ショット/分の場合、移送方向へ移動する時間を除くと、上下動作を実行可能な時間は約1.3秒に制限される。このような制限された時間内においては、上記のようにブレード93がスティックSTを掴み損ねる可能性が高まり得る。
【0075】
そこで、本実施の形態においては、制御装置19から、モータ27が開放フレーム41を上昇させるための制御信号と、シリンダ45がブレード93を解除するための制御信号とが、異なるタイミングで送信される。
【0076】
以下、
図7を参照しながら、シリンダ45を制御するシリンダ制御信号およびモータ27を制御するモータ制御信号について、具体的に説明をする。なお、
図7における時間t0においては、開放フレーム41は上側位置に配置され、開放バー43はブレード93から離間した状態、すなわちブレード93が閉鎖位置に配置されているものとする(
図5(a)参照)。また、
図7における時間t4乃至t5においては、開放フレーム41は下側位置に配置されているものとする。
【0077】
そして、時間t1において、制御装置19からモータ27を正転させる信号が送信された後、時間t2において、制御装置19からシリンダ45を突出させブレード93を開放位置に移動させる信号が送信される。
【0078】
そして、時間t3において、モータ27が正転している状態で、制御装置19からシリンダ45を没入させブレード93を閉鎖位置に移動させる信号が送信される。すなわち、開放フレーム41が下側位置に到達する前に、シリンダ45の没入動作が開始される。
【0079】
そして、時間t4において、開放フレーム41が下側位置に到達すると、制御装置19はモータ27に回転を停止させる。また、動作を開始していたブレード93は閉鎖位置に到達し、ブレード93がスティックSTを掴む。
【0080】
そして、時間t4から所定の時間が経過した時間t5において、制御装置19はモータ27に逆転を開始させ、開放フレーム41が上昇する。このとき、ブレード93は閉鎖位置に移動してから時間が経過しているため、スティックSTを確実に掴んでいる。以上のように制御装置19が制御信号を送信することにより、ブレード93とスティックSTとの衝撃を回避した上で、スティックSTを確実に掴むことが可能となる。
【0081】
なお、図示の例においては、上記のように制御装置19によってシリンダ45およびモータ27の動作タイミングを調整可能である。具体的には、シリンダ45の動作タイミングを、ユーザインターフェイス17を介して受け付け可能である。したがって、ユーザは、例えばアイスクリーム製造装置100を実際に動作させた結果に応じて、シリンダ45およびモータ27の動作タイミングを調整し得る。さらに説明をすると、モータ27としてサーボモーター等を用いて、速度管理や上下動作の位置情報を管理することで、開放ユニット40の動作精度をより向上させることが可能となる。なお、シリンダ45およびモータ27の動作タイミングは、シリンダ45およびモータ27の動作タイミング(時間)そのものをユーザが指定してもよいし、シリンダ45の開放フレーム41の移動距離(位置)との関係など他の数値をユーザが指定してもよい。
【0082】
付言すると、上記のシリンダ45およびモータ27を制御する制御信号の送信タイミングは、一例であり、他の送信タイミングであってもよい。例えば、モータ27が開放フレーム41を上昇させるための制御信号と、シリンダ45がブレード93を解除するための制御信号とが、一致するタイミングで送信されてもよい。
【0083】
<変形例>
さて、上記抜取装置10の説明においては、スティックSTを有するアイスクリームICを抜き取ることについて説明をしたが、スティックSTすなわち棒状部材を有する食品であればこれに限定されない。例えば、スティック付きキャンディなどに抜取装置10を用いてもよい。また、抜取装置10を、棒状部材を有する機械部品など、食品以外の部材に用いてもよい。
【0084】
また、上記抜取装置10の説明においては、シリンダ45を用いて開放バー43を駆動することを説明したが、開放バー43を駆動可能であればこれに限定されない。例えば、電動アクチュエータであるモータや、ソレノイドなどを用いてもよい。また、複数の開放バー43の各々にシリンダ45を設けることを説明したが、複数の開放バー43を共通のシリンダ45で駆動させる構成でもよい。すなわち、開放バー43よりもシリンダ45の数が少なくてもよい。また、1つの開放バー43を複数のシリンダ45で駆動させる構成でもよい。すなわち、開放バー43よりもシリンダ45の数が多くてもよい。なお、上記のように、開放バー43は、幅方向に複数並べて構成してもよいし、幅方向全体に延びる1本で構成してもよい。
【0085】
また、上記抜取装置10の説明においては、スティックSTを有するアイスクリームICを上方に抜き取ることを説明したが、スティックSTの長手方向に移動させる動作であればこれに限定されない。例えば、上下方向に対して傾斜した向きや、水平方向にアイスクリームICを抜き取ってもよい。
【0086】
なお、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例同士を組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0087】
10…抜取装置、40…開放ユニット、43…開放バー、45…シリンダ、90…グリッパユニット、93…ブレード、100…アイスクリーム製造装置、IC…アイスクリーム、ST…スティック