(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048394
(43)【公開日】2022-03-25
(54)【発明の名称】ねじ付閉止部を有する金属容器
(51)【国際特許分類】
B65D 39/08 20060101AFI20220317BHJP
B65D 39/00 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
B65D39/08
B65D39/00 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016419
(22)【出願日】2022-02-04
(62)【分割の表示】P 2020047680の分割
【原出願日】2015-02-06
(31)【優先権主張番号】61/937,125
(32)【優先日】2014-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501019620
【氏名又は名称】ボール コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】BALL CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100210701
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 義則
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・アール・ロス
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー・ジェイ・スコット
(72)【発明者】
【氏名】ハワード・シー・チャスティーン
(72)【発明者】
【氏名】リンダ・エイ・ハインズ
(57)【要約】
【課題】ねじ付閉止部を有する金属容器を提供する。
【解決手段】本発明は、一般に、ねじ付閉止部により封止および再閉止可能な容器に関する。より詳細には、本発明は、ねじ付閉止部が少なくとも部分的に開口部に挿入された後に形成される内向きにねじを持つ開口部を有する金属容器を製造する方法に関する。容器開口部を、容器ねじに解放可能に係合するねじ付閉止部によって、選択的に封止および再閉鎖することができる。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ付再閉止可能な金属容器であって、
底部、側壁部、前記側壁部から上方へ延びる首部、前記首部の少なくとも一部に形成された容器ねじ、前記首部の最上部に配置された開口部、および前記首部の前記最上部に形成された周辺カール部を有する容器本体と、
ねじ付閉止部とを備え、前記ねじ付閉止部は、
前記首部の前記開口部に少なくとも部分的に挿入されるように構成された閉止部本体と 前記閉止部本体の外面の少なくとも一部に形成された閉止部ねじと、
前記ねじ付閉止部と前記容器本体との間の接触により形成された少なくとも1つのシールと、
前記ねじ付閉止部と前記金属容器との間に形成されたシールが壊れたときに可視標識を提供する前記ねじ付閉止部に相互接続されたタンパインジケータとを備える、ねじ付再閉止可能な金属容器。
【請求項2】
前記容器ねじは、前記首部の内面から内向きに突出する山を備え、前記首部の外面は、前記山の反対側に位置する内向きの谷を備える、請求項1に記載のねじ付再閉止可能な金属容器。
【請求項3】
着脱可能な閉止部を有する金属容器を封止する方法であって、
底部、側壁部、前記側壁部から上方へ延びる首部、および前記首部の最上部に配置された開口部を備える容器本体を設ける工程と、
前記首部の前記開口部に少なくとも部分的に挿入されるように構成されたねじ無し閉止部本体を備える着脱可能な閉止部を設ける工程と、
前記着脱可能な閉止部本体の少なくとも一部を前記首部の前記開口部に挿入する工程と、
前記容器本体の首部の少なくとも一部および前記着脱可能な閉止部本体の少なくとも一部にねじを同時に形成する工程であって、前記着脱可能な閉止部は、前記容器本体の前記首部に相互接続される、工程とを備える、方法。
【請求項4】
ねじを同時に形成する前記工程は、前記着脱可能な閉止部本体に形成されたチャンバにマンドレルを挿入する工程と、前記容器本体の首部の外面にツールを押し付けて、前記容器本体の首部を前記着脱可能な閉止部本体に対して圧縮する工程とを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記マンドレルは、ねじ付外面を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記チャンバは、前記容器本体の前記首部から離れて上方に面する上部開口部を備える、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ねじを同時に形成する前記工程は、ねじ形成ツールを前記容器本体の首部の外面の近くに配置する工程と、前記着脱可能な閉止部本体に形成されたチャンバの内面にツールを押し付けて、前記着脱可能な閉止部本体および前記容器本体の首部を前記ねじ形成ツールの輪郭面に対して圧縮する工程とを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記着脱可能な閉止部と前記容器本体との間にシールを形成する工程をさらに備え、前記シールは、前記着脱可能な閉止部ねじより上に配置される、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記着脱可能な閉止部と前記容器本体との間にシールを形成する工程をさらに備え、前記シールは、前記着脱可能な閉止部ねじより下に配置される、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記着脱可能な閉止部の前記ねじ無し閉止部本体は、圧縮性材料からなる、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記圧縮性材料は、ゴム、プラスチック、コルク、および合成コルク材料の1つである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記容器ねじは、前記首部の内面から内側に突出する山を備える、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
前記首部の外面は、前記山の反対側に配置された内向きの谷を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記容器ねじの前記山は、前記閉止部ねじの谷に少なくとも部分的に突出する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ねじは、前記着脱可能な閉止部本体が前記首部の外面にねじローラを押し付けることにより前記開口部に挿入された後に形成される、請求項3に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ねじ付閉止部により封止および再閉止可能な容器に関する。より詳細には、本発明は、内向きにねじを持つ開口部とねじ付閉止部とを有する金属容器、ならびに金属容器を製造する装置および方法に関する。金属容器の開口部を、金属容器のねじに解放可能に係合するねじ付閉止部によって閉鎖、封止、および選択的に再閉鎖することができる。
【背景技術】
【0002】
金属およびガラスの飲料用瓶は、一般に、容器を再閉鎖または再封止するために使用できない王冠または閉止部によって封止される。飲料用容器を開けた後に飲料用容器を再閉鎖および/または再封止するために使用できる閉止部がないと、いくつかの問題が生じる。第1に、開けた容器の内容物をすぐに消費しなければならず、または内容物は、炭酸が抜け、傷み、酸化し、もしくは別の形で無駄になる。第2に、開けた容器は倒れたり内容物がこぼれたりすることがあり、汚れやさらなる無駄が生じる。最後に、容器を再閉鎖するために再利用できる閉止部を備えていない容器は、一般に再利用できないため、無駄や環境への問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
首部に外ねじを有する飲料用瓶が知られている。しかしながら、外ねじを有する瓶は、製造に費用が掛かり、漏れが生じ、供給速度が遅い。加えて、外ねじを有する瓶の口部の径は、製品に必要な内圧によって制限される。より大径の口部を有する容器が有利な製品もあるが、外ねじを有する容器を封止するために使用する公知の閉止部は、圧力によって生じる噴出、または大径の口部およびある内圧を有する容器へのシールの不良を防ぐことができない。さらに、外ねじを有する容器から飲むことは不快であり、飲料に対する消費者の満足感に悪影響を与えるおそれがある。公知のねじ付金属飲料用容器および閉止部に関連する多くの制限のため、製造の費用効率が高く、圧力抵抗が大きく、消費者が楽しく飲める、ねじ付閉止部を有する金属容器についての必要性が満たされていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、新規なねじ付閉止部を受けるように構成された、新しく有用な、再封止可能な容器を製造する新規な方法および装置を提供する。本発明の一態様では、一般に、底部のドーム部、側壁部、および側壁部から上方へ延びる首部からなる金属容器が提供される。さらに、ねじが金属容器の首部の少なくとも一部に形成される。開口部が首部の最上部に配置され、所定形状を有する終端部(finish)が、首部の最上部に形成される。終端部は、剛性で寸法的に一致するように構成され、1つまたは複数の外側、上側、および内側封止面を含むことができる。一実施形態では、終端部はカール部である。本発明の実施形態および様々な態様は、一般に金属容器に適用可能であるが、ガラス、プラスチック、紙、およびこれらの組合せを含む他の材料からなる容器に使用し実装してもよい。
【0005】
本発明の一態様によれば、金属容器を製造する新規な方法が提供される。これは、限定されないが、一般に、(1)底部、側壁部、側壁部から上方へ延びる首部、および首部の最上部に配置された開口部を備える容器本体を好ましい形状に形成する工程と、(2)首部の開口部に少なくとも部分的に挿入されるように構成された閉止部本体を備えるねじ付閉止部を設ける工程であって、閉止部本体が閉止部本体の外面の少なくとも一部に形成された閉止部ねじを有する工程と、(3)ねじ付閉止部を首部の開口部に挿入する工程と、(4)容器ねじを首部の少なくとも一部に形成する工程であって、形成する工程は、首部の外面に力を加えて首部のその一部をねじ付閉止部に対して圧縮することによるものであり、ねじ付閉止部が容器本体の首部に着脱可能に相互接続される工程とを備える方法を含む。一実施形態では、容器本体の首部と閉止部ねじより上のねじ付閉止部の一部との接触によって、ねじ付閉止部と容器本体との間にシールが形成される。別の実施形態では、容器本体の首部と閉止部ねじより下のねじ付閉止部の一部との接触によって、ねじ付閉止部と容器本体との間にシールが形成される。
【0006】
場合により、方法は、(5)首部の最上部にカール部を形成する工程をさらに備えてもよい。カール部は、外面、上面、および内面を有する。ねじ付閉止部の閉止部本体の上部周囲から径方向外方へ延びる伸長部に形成されたプラグシール、頂部シール、および外側シールの少なくとも1つが、カール部の面の少なくとも1つに接触する。一実施形態では、カール部の少なくとも内面が、ねじ付閉止部に形成されたシールに係合するように構成される。
【0007】
一実施形態では、容器ねじを形成する工程が、水圧バッグを首部の外面の近くに配置する工程と、水圧バッグを拡張させて首部の一部をねじ付閉止部に押し付ける工程とを含む。別の実施形態では、容器ねじを形成する工程が、液体または気体の流れを首部の外面に向けて、首部の一部をねじ付閉止部に押し付ける工程を含む。さらに別の実施形態では、容器ねじを形成する工程が、首部の外面にツールを押し付けて、首部の一部をねじ付閉止部に押し付ける工程を含む。さらに別の実施形態では、容器ねじを形成する工程が、閉止部本体に形成されたチャンバにマンドレルを挿入する工程をさらに含む。マンドレルは、首部の外面に力を加えて容器ねじを形成するとき、閉止部本体を支持する。一実施形態では、マンドレルは、内方および外方に動いてマンドレルの円周を変化させることのできる区画から形成される。別の実施形態では、マンドレルが膨張可能または拡張可能である。
【0008】
さらに別の実施形態では、容器本体の首部の少なくとも一部は円錐形状を有し、ねじ付閉止部の閉止部本体は円錐形首部に一致する形状を有する。容器ねじは、円錐形首部の外面に力を加えることによって、円錐形首部の少なくとも一部に形成される。別の実施形態では、ねじ付閉止部は、閉止部本体に形成されたチャンバをさらに備える。チャンバは、上部開口、閉止部本体に解放可能に相互接続されたカバー、ならびに食品、液体、気体、香料、景品(prize)、洗浄剤、美容補助品、およびツールのうちの少なくとも1つを収納するのに十分な所定の容積を有する。
【0009】
別の実施形態では、ねじ付閉止部は、閉止部本体が容器本体から少なくとも部分的に取り外された後に変わるタンパインジケータをさらに含む。一実施形態では、タンパインジケータは、ねじ付閉止部本体の上部およびねじ付閉止部本体の下部の少なくとも一方に相互接続される。別の実施形態では、タンパインジケータは、鋸歯状バンドによって閉止部本体の上部周囲に相互接続されたリングを含んでもよい。鋸歯状バンドは閉止部本体が回転すると割れるように構成され、リングは首部の最上部に形成されたカール部または他の形状構成に接触する。鋸歯状バンドが割れた後、リングは容器本体の首部に保持される。別の実施形態では、タンパインジケータは、鋸歯状バンドによって閉止部本体の下部に相互接続されたリングを含んでもよい。鋸歯状バンドは閉止部本体が回転すると割れるように構成され、リングは容器本体の首部に形成された環状リングの内面に接触する。その後、リングは容器本体内に保持される。
【0010】
一実施形態では、ねじ付閉止部は、閉止部本体に形成された閉止部ねじを貫通するように形成された少なくとも1つのチャネルをさらに備える。少なくとも1つのチャネルは、ねじ付閉止部を回転させてねじ付閉止部を瓶本体の開口部から取り外すときに、容器本体の内部から周囲空気に連通するように構成される。閉止部ねじが容器ねじとねじ係合しなくなる前に圧力を解放して、ねじ付閉止部が容器本体の開口部から意図せず飛び出すことを防ぐ。
【0011】
さらに別の実施形態では、方法が、場合により、環状リングを容器ねじより下の容器本体の首部に形成する工程をさらに備えてもよい。環状リングは、ねじ付閉止部本体の下部から下方へ延びるシール、ねじ付閉止部本体の一部に相互接続されたライナ、およびねじ付閉止部本体の一部に相互接続されたガスケットまたは詰め物の少なくとも1つに接触するように構成される。環状リングは、ねじ付閉止部を容器本体の開口部に挿入する前に形成しても後に形成してもよい。
【0012】
本発明の別の態様によれば、閉止可能な金属容器を製造する新規な方法が提供される。これは、限定されないが、一般に、(1)底部、側壁部、側壁部から上方へ延びる首部、および首部の最上部に配置された開口部を備える金属容器を形成する工程と、(2)首部の最上部を所望の長さにトリムする工程と、(3)首部の最上部にカール部を形成する工程と、(4)ねじ付閉止部を金属容器の開口部に少なくとも部分的に挿入する工程と、(5)首部の外面にツールを押し付けることにより、首部がねじ付閉止部に対して押されて、容器ねじを首部の一部に形成する工程であって、ねじ付閉止部を回転させることによってねじ付閉止部が金属容器の開口部に着脱可能に相互接続される工程とを備える方法を含む。
【0013】
一実施形態では、ねじ付閉止部が、閉止部本体と、閉止部本体に形成されたチャンバと、閉止部本体の外面の少なくとも一部に形成された閉止部ねじと、金属容器の表面に接触するように構成された少なくとも1つのシールとを備える。
【0014】
場合により、一実施形態では、方法が、(6)環状リングを金属容器の首部に形成する工程と、(7)ライナを閉止部本体の下部に相互接続する工程とをさらに含んでもよい。ツールが容器ねじを形成するときに、カール部が環状リングに向かって下方へ引っ張られ、ライナが環状リングの内面と閉止部本体の下部との間で少なくとも部分的に圧縮される。ライナは、金属容器の開口部を封止する。
【0015】
別の実施形態では、方法が、(8)ライナを閉止部本体の下部に相互接続する工程と、(9)ねじ付閉止部を金属容器の開口部に挿入した後に、環状リングを閉止部本体の下部の近くに存在する首部に形成する工程とをさらに備えてもよい。環状リングの内面は、ライナに接触し、ライナの少なくとも一部を金属容器の内部へさらに押し込む。ライナは、金属容器の開口部を封止する。
【0016】
一実施形態では、ねじ付閉止部が、閉止部本体を貫通するように形成された少なくとも1つの孔をさらに備える。別の実施形態では、方法が、環状リングを首部に形成する工程と、閉止部本体に形成されたチャンバに洗浄液を注入する工程とをさらに備えてもよい。洗浄液は、チャンバから少なくとも1つの孔を通って流れて、閉止部本体と容器ねじの内面との間の空間を洗浄する。
【0017】
別の実施形態では、ねじ付閉止部が、気体透過バリアをさらに備える。一実施形態では、気体透過バリアは、閉止部本体の一部に注入される不浸透性材料からなる。別の実施形態では、気体透過バリアは、閉止部本体の内面および外面の少なくとも一方に施される不浸透性材料からなる。
【0018】
本発明の別の態様は、再閉止可能な金属容器を提供することである。再閉止可能な金属容器は、限定されないが、一般に、(1)底部、側壁部、側壁部から上方へ延びる首部、前記首部の少なくとも一部に形成された容器ねじ、首部の最上部に配置された開口部、および首部の最上部に形成されたカール部を備える容器本体と、(2)首部の開口部に少なくとも部分的に挿入されるように構成された閉止部本体を備えるねじ付閉止部と、(3)閉止部本体の外面の少なくとも一部に形成された閉止部ねじと、(4)首部のカール部、首部の内面、および首部の外面の少なくとも1つに係合するように構成された少なくとも1つのシールと、(5)ねじ付閉止部と金属容器との間に形成されたシールが壊れたときに可視標識を提供するタンパインジケータとを含む。一実施形態では、ねじ付閉止部の上部が、容器本体の首部の開口部より大きい径を有する。
【0019】
別の実施形態では、再閉止可能な金属容器が、場合により、ねじ付閉止部の一部に相互接続されたライナをさらに備える。ライナは、容器本体の首部に形成された環状リングの少なくとも一部に接触して、首部の開口部を封止する。ライナは、閉止部ねじより上に配置されても下に配置されてもよい。一実施形態では、環状リングが予備成形される。別の実施形態では、ねじ付閉止部が金属容器の口部に挿入された後に、環状リングが形成される。
【0020】
本発明のさらに別の実施形態では、上部開口を有するチャンバがねじ付閉止部の閉止部本体に形成される。閉止部本体に解放可能に相互接続されたカバーを、チャンバに対して使用してもよい。チャンバは、閉止部本体を貫通するように形成された少なくとも1つの孔を備えてもよい。
【0021】
本発明のさらに別の態様では、少なくとも1つのチャネルが閉止部ねじを貫通するように形成される。閉止部ねじより上に配置されたシールを有するねじ付閉止部を備える一実施形態では、チャネルが、容器ねじと閉止部ねじとの間の空間から容器本体の封止された内部へ流体が流れることができるように構成される。閉止部ねじより下に配置されたシールを有するねじ付閉止部を備える別の実施形態では、チャネルが、容器ねじと閉止部ねじとの間の空間から容器本体の外部へ洗浄液が流れることができるように構成される。このようにして、洗浄液をチャンバに導入することによって、容器ねじと閉止部ねじとの間の空間を洗浄することができる。その後、洗浄液は、閉止部本体を貫通するように形成された少なくとも1つの孔を通って、空間から容器本体の外部へ流出する。
【0022】
一実施形態では、容器本体の首部の少なくとも一部が円錐形部分を有する。容器ねじが、円錐形首部の少なくとも一部に形成され、容器ねじの上部が、容器ねじの下部の外径よりも大きい外径を有する。別の実施形態では、ねじ付閉止部が、容器本体の円錐形首部に一致する形状を持つ円錐形閉止部本体を有する。閉止部ねじが円錐形閉止部本体に形成される。
【0023】
本発明のさらに別の態様によれば、着脱可能な閉止部を有する金属容器を製造する新規な方法が提供される。これは、限定されないが、一般に、(1)底部、側壁部、側壁部から上方へ延びる首部、および首部の最上部に配置された開口部を備える容器本体を形成する工程と、(2)首部の開口部に少なくとも部分的に挿入されるように構成されたねじ無し閉止部本体を備える着脱可能な閉止部を設ける工程と、(3)着脱可能な閉止部本体の少なくとも一部を首部の開口部に挿入する工程と、(4)容器本体の首部の少なくとも一部および着脱可能な閉止部本体の少なくとも一部にねじを同時に形成する工程であって、着脱可能な閉止部が容器本体の首部に相互接続される工程とを備える方法を含む。
【0024】
一実施形態では、ねじを同時に形成する工程が、前記着脱可能な閉止部本体に形成されたチャンバにマンドレルを挿入する工程を備える。その後、容器本体の首部の外面にツールを押し付けて、容器本体の首部を着脱可能な閉止部本体に対して圧縮する。場合により、マンドレルはねじ付外面を有することができる。
【0025】
別の実施形態では、ねじを同時に形成する工程が、ねじ形成ツールを容器本体の首部の外面の近くに配置する工程を含む。その後、着脱可能な閉止部本体に形成されたチャンバの内面にツールを押し付けて、着脱可能な閉止部本体および容器本体の首部をねじ形成ツールの輪郭面に対して圧縮する。さらに別の実施形態では、着脱可能な閉止部のねじ無し閉止部本体が圧縮性材料からなる。一実施形態では、ねじ付閉止部本体の圧縮性材料は、ゴム、プラスチック、コルク、および合成コルク材料のうちの1つである。
【0026】
一実施形態では、方法が、着脱可能な閉止部と容器本体との間にシールを形成する工程をさらに含み、シールが着脱可能な閉止部ねじより上に配置される。別の実施形態では、方法が、着脱可能な閉止部と容器本体との間にシールを形成する工程をさらに備え、シールが着脱可能な閉止部ねじより下に配置される。
【0027】
本発明の別の態様によれば、金属容器にねじを形成する装置が開示される。装置は、限定されないが、一般に、(1)金属容器を所定の位置に支持し保持するように動作可能な第1のチャックであって、金属容器が、底部のドーム部、側壁部、側壁部から上方へ延びる首部、首部の最上部に配置された所定形状の終端部、および首部の最上部に形成された開口部を備える第1のチャックと、(2)ねじ付閉止部の閉止部本体を少なくとも部分的に金属容器の開口部に配置するように動作可能な第2のチャックと、(3)環状リングを金属容器に形成するように動作可能な環状リング形成ツールと、(4)首部の外面に力を加えることにより、首部の一部をねじ付閉止部の外面に形成された閉止部ねじに対して圧縮して、瓶ねじを金属容器の首部の少なくとも一部に形成するように動作可能なねじ形成ツールとを備える。
【0028】
一実施形態では、ねじ形成ツールが、首部の周囲に沿って動いて首部の外面に力を加えるように動作可能なねじローラを含む。別の実施形態では、ねじ形成ツールが、首部の近くに配置され、拡張して首部の外面に力を加えるように動作可能な水圧バッグを含む。さらに別の実施形態では、ねじ形成ツールが、液体の流れを外面に向けて、首部の外面に力を加えるように動作可能な液圧成形ツールを含む。さらに別の実施形態では、ねじ形成ツールが、磁場を発生させて首部の外面に力を加えるように動作可能な電磁成形ツールを含む。別の実施形態では、環状リング形成ツールが、金属容器およびねじ付閉止部の周囲に沿って動くように動作可能なピルファ(pilfer)ローラを含む。
【0029】
一実施形態では、装置が、ねじ付閉止部の閉止部本体に形成されたチャンバに挿入されるように動作可能な、ねじ無し外面を有するマンドレルをさらに含むことができ、マンドレルの外面は、ねじ形成ツールが首部の外面に力を加えて瓶ねじを形成するときに閉止部本体に接触してこれを支持するように構成される。さらに別の実施形態では、装置が、首部の一部をねじ付閉止部の閉止部ねじに一致させる手段を含む。
【0030】
本発明の別の態様は、ねじ付閉止部を製造する方法を提供することである。方法は、一般に、(1)金属容器の開口部に少なくとも部分的に挿入されるように構成された閉止部本体を形成する工程と、(2)閉止部ねじを閉止部本体の外面の少なくとも一部に形成する工程と、(3)シールを閉止部本体に形成する工程とを備える。一実施形態では、方法が、場合により、(4)閉止部本体の上部周囲から径方向外方へ延びる伸長部を形成する工程、(5)上向き開口を有するチャンバを閉止部本体内に形成する工程、(6)チャンバに製品を充填する工程、(7)カバーを相互接続してチャンバの開口を封止する工程、および(8)閉止部本体を貫通するようにチャンバまで孔を形成する工程の1つまたは複数をさらに備えてもよい。
【0031】
一実施形態では、ねじ付閉止部が、閉止部ねじを貫通するように形成された横チャネルを備える。横チャネルにより、ねじ付閉止部が金属容器から取り外されたときに、金属容器を制御して排気することが可能になる。ねじ付閉止部と金属容器との間のシールが壊れると、チャネルによって、閉止部ねじが金属容器のねじとねじ係合しなくなる前に、圧縮された気体が金属容器の内部から周囲空気圧へ逃げることができる。したがって、横チャネルは、閉止部を取り外す際に、金属容器内の圧縮された気体によって閉止部が瓶から強く飛び出すことを防ぎ、ねじ付閉止部の容易な取外しも可能にすることができる。
【0032】
一実施形態では、チャンバのカバーが、ねじ付閉止部の頂部に解放可能に相互接続され、箔、プラスチック、紙、ボール紙、または当技術分野で公知の他の材料から構成されてもよい。さらに別の実施形態では、ねじ付閉止部には中実頂部が形成され、内部チャンバが形成されない。場合により、中実頂部を有するねじ付閉止部は、ねじ付閉止部を構造的に支持する内部ウェブを有してもよい。
【0033】
本発明のさらに別の態様では、気体および液体を少なくとも部分的に透過しない、王冠封止材料に類似した圧縮性材料の詰め物(以下「詰め物」)によって、金属容器とねじ付閉止部との間にシールを形成することができる。一実施形態では、詰め物により、少量の気体が瓶からゆっくり逃げることができる。詰め物は、金属容器とねじ付閉止部との間に配置される。ねじ付閉止部が金属容器の口部に挿入される前に、詰め物をねじ付閉止部の外面に配置してもよい。場合により、詰め物を金属容器のカール部の上面に配置してもよい。詰め物を配置した後、ねじ付閉止部を金属容器の口部に挿入し、ねじ付閉止部の頂部に頂部荷重を加えて、金属容器のカール部とねじ付閉止部との接触面間で詰め物を圧縮する。
【0034】
一実施形態では、閉止部の本体がマンドレルによって再形成される。閉止部の本体が再形成されると、圧縮性封止材料の詰め物が金属容器とねじ付閉止部との間で圧縮される。詰め物を圧縮することにより、詰め物が変形し、金属容器とねじ付閉止部との接触面間の空間を満たして、金属容器を封止する。一実施形態では、金属容器とねじ付閉止部との間のシールが、詰め物と、金属容器のシール面に接触するねじ付閉止部のプラグシール、頂部シール、または外側シールの1つまたは複数との両方の組合せによって形成される。場合により、ねじ付閉止部が金属容器の口部に挿入される前に、気体および液体を少なくとも部分的に透過しない液体シーラントのビードを、金属容器またはねじ付閉止部の接触面に施してもよい。ねじ付閉止部が金属容器に挿入された後、液体シーラントが金属容器とねじ付閉止部との接触面間を流れて、空間を実質的に満たす。その後、液体シーラントは硬化してシールを作る。
【0035】
本発明の別の態様では、金属容器の内面とねじ付閉止部の本体との間に配置された詰め物または液体シーラントによって、シールを形成してもよい。一実施形態では、ねじ付閉止部を金属容器の口部に挿入する前に、詰め物または液体シーラントが、ねじ付閉止部の本体の下部外面に配置される。ねじ付閉止部が口部に挿入された後、ねじが金属容器の首部の少なくとも一部に形成される。環状リングは、当業者に公知の任意の方法によって、金属容器の首部に形成される。環状リングは、金属容器の首部の内面をねじ付閉止部の詰め物または液体シーラント内に圧縮することにより、詰め物または液体シーラントを圧縮および変形させ、首部の内面とねじ付閉止部の下部外面との間の空間を満たして、金属容器を封止する。
【0036】
本発明の別の態様は、金属容器内へさらに回転してねじ付閉止部と金属容器との間のシールを解放することのできるねじ付閉止部を設けることである。頂部の開いた飲料用チャンバが、ねじ付閉止部の閉止部本体に形成される。ねじが、ねじ付閉止部の閉止部本体の外面の少なくとも一部に形成される。孔が、閉止部本体を貫通するように飲料用チャンバまで形成される。開口は、閉止部本体上でねじより低くてもよい。開口により、金属容器の内部とねじ付閉止部の飲料用チャンバとの流体連通が可能になる。ガスケット、詰め物、液体シーラント、または酸化ケイ素材料の層が、閉止部本体上で開口よりも低い閉止部本体の外面の一部に配置される。その後、ねじ付閉止部は金属容器の口部に挿入され、ねじが金属容器に形成される。ピルファローラまたはねじローラが、首部の外面を押し付けて金属容器の首部の内面をシーラントに押し付けることによって、環状リングを金属容器に形成する。環状リングは、首部の内面とねじ付閉止部の閉止部本体との間で詰め物または液体シーラントを圧縮および変形させ、首部の内面とねじ付閉止部の閉止部本体との間の空間を実質的に満たしてシールを作る。また、環状リングがねじ付閉止部の本体の外径よりも小さい内径を有するため、環状リングによって、ねじ付閉止部が金属容器の口部から取り外されることを防ぐ。
【0037】
ねじ付閉止部と金属容器との間のシールは、閉止部を第1の方向に回転させて閉止部をさらに金属容器内へ動かすことによって壊れ、これにより、金属容器の内容物を、開口を通して飲料用チャンバ内へ放出し、ここで内容物を消費することができる。その後、ねじ付閉止部を第2の方向へ回転させることにより、ねじ付閉止部をさらに金属容器から出るように回転させて、シーラントを再圧縮し、金属容器を再閉鎖および/または再封止することができる。カバーは、場合により、飲料用チャンバを封止して、飲料用チャンバを清潔かつ衛生的に保つことができる。カバーは、箔、プラスチック、紙、ボール紙、または当業者に公知の他の適切な材料から形成することができる。一実施形態では、カバーを、ヒンジ留めによってねじ付閉止部に相互接続してもよい。ヒンジ留めしたカバーを持ち上げて内容物を飲料用チャンバから消費し、その後、カバーを下げて飲料用チャンバを再閉鎖することができる。
【0038】
本発明の別の態様は、ねじ付閉止部が容器の口部から少なくとも部分的に取り外されたかどうかを消費者に対して識別するタンパインジケータを提供することである。当業者が理解するように、アルミニウム、鋼、スズ、プラスチック、ガラス、紙、およびこれらの任意の組合せを含むがこれらに限定されない材料から形成された容器と共に、タンパインジケータを使用することができる。一実施形態では、タンパインジケータが、閉止部ねじより上または下のねじ付閉止部本体の一部に分離可能に相互接続されたバンドからなる。ねじ付閉止部を回転させて容器を開けると、バンドがねじ付閉止部本体から離れて、容器とねじ付閉止部との間のシールが解放されたことを識別する。
【0039】
別の実施形態では、タンパインジケータが、ねじ付閉止部を少なくとも部分的に回転させて容器を開けたときに割れる、軸方向の鋸歯状切込部を有するバンドからなる。軸方向の鋸歯状切込部が割れると、バンドは径方向外方に広がって、容器とねじ付閉止部との間のシールが壊れたことを示す可視標識を提供する。
【0040】
本発明のさらに別の実施形態では、タンパインジケータが、収縮性フィルム、ろう、プラスチック、金属箔、紙材料、またはねじ付閉止部および容器に塗布された塗料の少なくとも1つからなる。タンパインジケータの材料は、消費者が容器を開けるためにねじ付閉止部を回転させる前または回転させる間に、消費者によって少なくとも部分的に損傷され、または損なわれなければならない。
【0041】
本発明のさらに別の態様では、タンパインジケータが、ねじ付閉止部と容器の上面との間に見いだされる間隙により表示される。より詳細には、ねじ付閉止部本体は突起を含み、この突起により、ねじ付閉止部を容器から取り外してねじ付閉止部と容器との間のシールを解放することができる。ねじ付閉止部が消費者により容器に再挿入されると、ねじ付閉止部を消費者が回転させて容器を再封止することができる。ねじ付閉止部を容器内へ所定量回転させてねじ付閉止部と容器との間のシールを再び確立すると、突起は容器の首部に形成された環状リングに接触する。ねじ付閉止部の突起と容器の環状リングとの接触により、ねじ付閉止部がさらに回転することを防ぎ、したがって、ねじ付閉止部が容器の開口部内へさらに下方に動くことを防ぐ。言い換えると、ねじ付閉止部と容器との間のシールが壊れ、または損なわれた後、ねじ付閉止部を使用して容器を再封止することができるが、容器の上面とねじ付閉止部の一部との間に可視間隙が形成されて、ねじ付閉止部と容器との間の元のシールが損なわれたことを識別する。
【0042】
突起を閉止部本体に一体形成しても、閉止部本体に相互接続してもよい。一実施形態では、環状リングは不連続である。別の実施形態では、環状リングおよび突起は、容器ねじおよび閉止部ねじより上に配置される。さらに別の実施形態では、環状リングおよび突起は、容器ねじおよび閉止部ねじより下に配置される。
【0043】
別の実施形態では、突起は、ねじ付閉止部本体の外面に相互接続されたライナからなる。ねじ付閉止部を容器の口部に挿入した後、容器の首部に形成された環状リングが、ライナを容器の口部内へさらに下方に変形させる。ねじ付閉止部が少なくとも部分的に容器から取り外されると、ねじ付閉止部を回転させて容器を再封止することができる。しかしながら、ねじ付閉止部と容器との間のシールが再び確立されると、ライナは環状リングに接触して、ねじ付閉止部のさらなる閉鎖回転を防ぐ。したがって、ライナにより、容器の口部へのねじ付閉止部の部分的な再挿入のみが可能になる。
【0044】
別の実施形態では、突起が、ねじ付閉止部本体の複数の一方向伸長部からなる。キャップ締め中に、一方向伸長部を有するねじ付閉止部を、消費者が再現できないような方法でねじ無し容器の口部に垂直に導入する。より詳細には、容器の首部は、所定の位置に形成された不連続環状リングを含む。ねじ付閉止部を容器の口部に挿入した後に、不連続環状リングを予備成形または形成してもよい。ねじ付閉止部を容器の口部に挿入した後、ねじが容器に形成される。容器ねじによって、ねじ付閉止部が消費者により口部に直接的に垂直に再挿入されることを防ぐ。一方向伸長部により、消費者はねじ付閉止部を開放方向に回転させて、ねじ付閉止部を容器から取り外すことができる。ねじ付閉止部を使用して、容器を再封止することができる。しかしながら、容器とねじ付閉止部との間のシールが再び確立された後、一方向伸長部は不連続環状リングに接触して、ねじ付閉止部が閉鎖方向にさらに回転することを防ぐ。ねじ付閉止部を容器の口部内へ完全に回転させることができないため、容器とねじ付閉止部との間のシールが損なわれたことを消費者に対して視覚的に識別する。
【0045】
別の実施形態では、突起が、閉止部本体の外面の複数のタンパ突起からなる。ねじ付閉止部が容器の口部に挿入された後、環状リングが容器に形成される。環状リングは、タンパ突起の近くに配置される。環状リングが形成されると、環状リングの内面がタンパ突起に接触し、タンパ突起を少なくとも部分的な折畳み位置に動かす。その後、ねじ付閉止部を回転させて容器を開けることができる。ねじ付閉止部と容器との間のシールを解放するのに十分なだけねじ付閉止部を回転させると、タンパ突起が環状リングより上へ動き、非折畳み位置に戻る。その後、ねじ付閉止部を回転させて、容器を再封止することができる。シールが再び確立された後、タンパ突起は環状リングの上面に接触し、ねじ付閉止部が閉鎖を容易にする方向にさらに回転することを防ぐ。容器の上面とねじ付閉止部の一部との間の可視間隙により、容器とねじ付閉止部との間のシールが壊され、または損なわれたことを消費者に対して識別する。
【0046】
本発明のさらに別の実施形態では、構造が、閉止部本体の外面のタンパスカートからなる。ねじ付閉止部が容器の口部に挿入された後に容器に形成された環状リングは、タンパスカートに接触し、タンパスカートをねじ付閉止部本体に向けて下方へ折り畳む。容器とねじ付閉止部との間のシールを解放するのに十分な量だけねじ付閉止部を開放方向に回転させると、タンパスカートは環状リングより上へ動き、初期の実質的な非折畳み位置へ戻る。容器を再封止するのに十分な量だけ、ねじ付閉止部を閉鎖方向に回転させてもよい。しかしながら、容器とねじ付閉止部との間のシールが再び確立された後、タンパスカートは環状リングの上面に接触し、ねじ付閉止部が閉鎖方向にさらに回転することを防ぐ。したがって、ねじ付閉止部は完全に回転して容器内に戻ることはできず、容器とねじ付閉止部との間のシールが壊れ、または損なわれたことを消費者に対して視覚的に識別する。一実施形態では、タンパスカートは複数の個々のスカートからなる。
【0047】
以下の説明を特に添付図面と併せて読むと、本発明の実施形態のさらなる特徴および利点が容易に明らかになろう。
一般に本明細書で「金属容器」、「金属瓶」、「飲料用容器」、「容器」、および/または「瓶」と呼ぶが、本発明を、飲料用缶、飲料用瓶を含むがこれらに限定されない任意のサイズまたは形状の容器と共に使用できることを理解されたい。したがって、用語「容器」は、任意のタイプの容器を包含するものである。さらに、当業者が理解するように、本発明の方法および装置は、一般に金属容器および金属瓶に関するが、本発明の方法および装置は金属容器に限定されず、これを使用して、アルミニウム、鋼、スズ、プラスチック、ガラス、紙、またはこれらの組合せを含むがこれらに限定されない任意の材料の容器を形成することができる。
【0048】
本明細書で使用される用語「ねじ」は、回転力を直線運動に変換するために用いる任意のタイプの螺旋構造を指す。ねじは、任意の所定のサイズ、形状、またはピッチの対称または非対称であってよく、時計方向または反時計方向の巻きを有してもよい。ねじを金属容器またはねじ付閉止部の直線部またはテーパ部に形成してもよく、ねじが1つまたは複数のリードを含んでもよい。加えて、当業者は、螺旋ねじおよびラグねじの両方を、本発明の金属容器およびねじ付閉止部と共に使用してもよいことを理解するであろう。
【0049】
本明細書で使用される「少なくとも1つ」、「1つまたは複数」、「および/または」という言い回しは、動作において接続的でも離接的でもあるオープンエンドな表現である。例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つ」、「A、B、またはCの少なくとも1つ」、「A、B、およびCの1つまたは複数」、「A、B、またはCの1つまたは複数」、ならびに「A、B、および/またはC」という表現の各々は、A単独、B単独、C単独、AとBを共に、AとCを共に、BとCを共に、またはAとBとCを共に、を意味する。
【0050】
特に記載のない限り、明細書および特許請求の範囲で用いられる量、寸法、条件などを表すすべての数は、用語「約」によってすべての例が修正されるものと理解すべきである。加えて、本発明の例示的な一実施形態を示すために様々な例示的な寸法が与えられているが、瓶およびねじ付閉止部の寸法を変化させることができ、かつ本発明の範囲および精神に適合し得ることが特に考えられる。
【0051】
本明細書で使用される用語「a」または「an」が付く要素は、1つまたは複数のその要素を指す。このように、本明細書において用語「a」(または「an」)、「1つまたは複数の」および「少なくとも1つの」を区別せずに使用することができる。
【0052】
本明細書における「including(含む)」、「comprising(からなる)」、または「having(有する)」およびその変化形の使用は、その後に列挙する要素およびその等価物ならびに追加の要素を包含することを意味する。したがって、本明細書において用語「including(含む)」、「comprising(からなる)」、または「having(有する)」およびその変化形を区別せずに使用することができる。
【0053】
本明細書で使用される用語「手段」は、35U.S.C.112条(f)に従って最も広い可能な解釈を受けるものであることを理解されたい。したがって、用語「手段」を組み込む請求項は、本明細書に記載のすべての構造、材料、または動作、およびそれらの等価物のすべてを含む。さらに、構造、材料、または動作、およびそれらの等価物は、発明の概要、図面の簡単な説明、詳細な説明、要約書、および特許請求の範囲自体に記載されたものをすべて含む。
【0054】
発明の概要は、本発明の最大限の範囲を表すものと意図されるものでもなく、そのように解釈すべきでもない。さらに、本明細書でなされる「本発明」またはその態様への言及は、本発明のある実施形態を意味するものと理解されるべきであり、必ずしもすべての実施形態を特定の説明に限定するものと解釈すべきではない。本発明は、発明の概要および添付図面および詳細な説明において様々な詳細レベルで説明され、要素もしくは構成要素を含むか含まないかによって、本発明の範囲が限定されるものではない。詳細な説明を特に図面と併せて読むと、本発明のさらなる態様がより容易に明らかになろう。
【0055】
本明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を示し、上述した発明の概要および以下に示す図面の詳細な説明と共に、これらの実施形態の原理を説明する役割を果たす。ある例では、開示の理解に必要ない細部、または他の細部がわかりにくくなる細部を省略してもよい。勿論、本発明が本明細書に示す特定の実施形態に必ずしも限定されないことを理解すべきである。加えて、図面は必ずしも縮尺通りではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】ねじが金属容器の首部に形成される前の、本発明の一実施形態による金属容器の横断正面図。
【
図2A】本発明の実施形態による金属容器の最上部の様々な構成を示す部分横断正面図。
【
図2B】本発明の実施形態による金属容器の最上部の様々な構成を示す部分横断正面図。
【
図2C】本発明の実施形態による金属容器の最上部の様々な構成を示す部分横断正面図。
【
図2D】本発明の実施形態による金属容器の最上部の様々な構成を示す部分横断正面図。
【
図2E】本発明の実施形態による金属容器の最上部の様々な構成を示す部分横断正面図。
【
図2F】本発明の実施形態による金属容器の最上部の様々な構成を示す部分横断正面図。
【
図3】本発明の一実施形態によるねじ付閉止部の正面図。
【
図4】本発明の一実施形態によるねじ付閉止部の一部の部分横断正面図。
【
図4A】本発明の一実施形態によるオプションのラグねじの部分横断正面図。
【
図5A】本発明の一実施形態による、
図1の金属容器を
図4のねじ付閉止部によって封止するように動作可能な装置の部分正面図。
【
図5B】本発明の別の実施形態による、
図5Aの装置が、ピルファ・インジケータを含むねじ付閉止部によって封止された
図1の金属容器の環状ビードを形成する様子を示すを示す図。
【
図6】本発明の一実施形態による円筒形マンドレルの上面図。
【
図7A】本発明の円筒形マンドレルの別の実施形態の上面図。
【
図7B】本発明の円筒形マンドレルの別の実施形態の上面図。
【
図8A】本発明の別の実施形態による、ライナがねじ付閉止部の本体に相互接続された状態の、ねじ無し金属容器の口部に部分的に挿入されたねじ付閉止部の部分横断正面図。
【
図8B】ねじ付閉止部が金属容器の口部に完全に挿入され、ねじ付閉止部のライナが金属容器の環状リングの内面に接触した状態の、
図8Aのねじ付閉止部およびねじ無し金属容器の部分横断正面図。
【
図8C】
図8Bのねじ付閉止部および金属容器ならびにねじを金属容器に形成するために使用される関連ツールの部分横断正面図であり、容器ねじが形成されると、閉止部本体の底部が金属容器の環状リングに向かって軸方向下方に引っ張られ、ねじ付閉止部のライナが変形され圧縮されてねじ付閉止部と金属容器との間にシールを形成する様子を示す図。
【
図9A】本発明のさらに別の実施形態による、ねじ付閉止部本体に相互接続されたライナを示す、ねじ付閉止部およびねじ無し金属容器の部分横断正面図。
【
図9B】ねじを金属容器に形成するねじローラと、環状リングを金属容器に形成するピルファローラとを示す、
図9Aのねじ付閉止部および金属容器の部分横断正面図であり、金属容器の内面がライナに接触してライナを少なくとも部分的に圧縮し、ねじ付閉止部と金属容器との間にシールを形成する様子を示す図。
【
図9C】ねじ付閉止部が金属容器から少なくとも部分的に取り外された後の、
図9Bのねじ付閉止部および金属容器の部分横断正面図であり、ねじ付閉止部ライナと環状リングとの接触によって金属容器を再封止した後に、ライナと環状リングとの接触によってねじ付閉止部が金属容器の口部内へさらに動くことを防ぐ様子を示す図。
【
図10】プラグシールがねじ付閉止部の本体の下部に形成された、本発明の金属容器およびねじ付閉止部のさらに別の実施形態の部分横断正面図。
【
図11】ねじ付閉止部本体の側部を貫通するように形成された孔を有する、本発明のさらに別の実施形態の金属容器およびねじ付閉止部の部分横断正面図であり、溶液が孔を通って流れて金属容器の内面とねじ付閉止部の外面との間の空間を洗浄する様子を示す図。
【
図12】本発明のさらに別の実施形態による、予備成形された環状リングを持つ金属容器を封止するために使用される外側ライナを有するねじ付閉止部の部分横断正面図。
【
図13】本発明のさらに別の実施形態による、金属容器を封止するために使用される
図12のねじ付閉止部の部分横断正面図であり、ねじ付閉止部が金属容器の口部に挿入された後に金属容器の首部に形成された環状リングを示す図。
【
図14】ねじ付閉止部の本体の一部に注入される材料から形成された内部気体透過バリアを有する、本発明のさらに別のねじ付閉止部の横断正面図であり、閉止部ねじより下でねじ付閉止部本体に形成されたプラグシールをさらに示す図。
【
図15】ねじ付閉止部の表面に施された被覆から形成される気体透過バリアを有する、本発明のさらに別の実施形態のねじ付閉止部の横断正面図。
【
図16A】本発明のさらに別の実施形態のねじ無し金属容器の口部に挿入されたねじ無し本体を有する閉止部の部分横断正面図。
【
図16B】
図16Aの閉止部および金属容器ならびにねじを金属容器および閉止部に同時に形成するために使用される関連ツールの部分横断正面図であり、本発明の実施形態のタンパインジケータをさらに示す図である。
【
図16C】閉止部が金属容器から取り外された後にタンパインジケータが視認可能な変化を示すことを示す、
図16Bの閉止部および金属容器の部分横断正面図。
【
図17】本発明のさらに別の実施形態による、金属容器のテーパねじ領域とねじ係合するテーパねじ付閉止部の部分横断正面図であり、ねじ付閉止部のチャンバ内に封止される製品をさらに示す図。
【
図18】本発明のさらに別の実施形態による、金属容器とねじ係合するねじ付閉止部、ならびにねじおよび環状リングを金属容器に形成するために使用される関連ツールの部分横断正面図。
【
図19】本発明の一実施形態による、金属容器の首部とねじ係合するねじ付閉止部の部分横断正面図であり、ねじが金属容器に形成される前および後の、ねじ付閉止部のオプションの補強バンドおよび金属容器のねじ領域を示す図。
【
図20A】本発明の別の実施形態による、金属容器の口部への挿入前のねじ付閉止部の一部の部分横断正面図。
【
図20B】本発明の別の実施形態による、ねじ付閉止部が金属容器の口部に挿入された後の、
図20Aのねじ付閉止部およびねじ付閉止部を再形成するために使用されるマンドレルを示す図。
【
図21A】本発明のさらに別の実施形態による、ねじ無し金属容器およびねじ無し閉止部にねじを同時に形成するために使用される方法ならびに装置の関連ツールを示す部分横断正面図。
【
図21B】金属容器および閉止部にねじを同時に形成するためにツールを使用した後の、
図21Aの方法ならびに装置の関連ツールの部分横断正面図。
【
図22】本発明のさらに別の実施形態による、ねじを金属容器の首部の一部に形成するために使用される方法および装置の関連ツールの部分横断正面図。
【
図23】本発明のさらに別の実施形態による、ねじ無し金属容器およびねじ無し閉止部にねじを同時に形成するために使用される別の方法ならびに装置の関連ツールを示す部分横断正面図。
【
図24A】本発明のさらに別の実施形態のねじ無し金属容器およびねじ無し閉止部の部分横断正面図。
【
図24B】ねじ無し閉止部の溝に形成された軸方向の鋸歯状切込部を示す、
図24Aの閉止部の底面図。
【
図24C】
図24Aの金属容器および閉止部、ならびに金属容器および閉止部にねじを同時に形成する関連ツールの部分横断正面図であり、金属容器のカール部の外面に押し付けられた閉止部溝を示す図。
【
図25】本発明の一実施形態による、中実頂部を有するねじ付閉止部の横断正面図。
【
図26】本発明の別の実施形態による、中実頂部が金属容器とねじ係合した状態の、ねじ付閉止部の部分横断正面図。
【
図27】本発明のさらに別の実施形態による、中実頂部が金属容器のテーパねじ領域とねじ係合した状態の、テーパねじ付閉止部の部分横断正面図。
【
図28】本発明のねじ無し金属容器の口部に部分的に挿入されたねじ付閉止部の部分横断正面図であり、ねじ付閉止部の一部に相互接続されたライナによって形成された気体透過バリアをさらに示す図。
【
図29A】本発明のさらに別の実施形態による、金属容器にねじ係合したねじ付閉止部の部分横断正面図。
【
図29B】ねじ付閉止部の内面に相互接続された1つまたは複数のライナによって形成された気体透過バリアを有する、
図29Aのねじ付閉止部および金属容器の部分横断正面図。
【
図30】本発明の別の実施形態による、可撓性スカートを有するねじ付閉止部の横断正面図。
【
図31A】本発明の一実施形態による、ねじ無し金属容器の口部に挿入されたタンパ突起を含むねじ付閉止部の部分横断正面図。
【
図31B】ねじローラおよびピルファローラが金属容器にねじおよび環状リングを形成するときの、
図31Aの金属容器およびねじ付閉止部の部分横断正面図であり、ねじ付閉止部のタンパ突起に接触する環状リングの内面をさらに示す図。
【
図31C】CC線に沿って取った
図31Bの金属容器およびねじ付閉止部の横断上面図であり、環状リングが金属容器の首部に形成されると、環状リングの内面がタンパ突起に接触して、タンパ突起を折畳み位置へ動かす様子を示す図。
【
図31D】
図31Bのねじ付閉止部および金属容器の部分横断正面図であり、ねじ付閉止部が金属容器から少なくとも部分的に取り外された後に、タンパ突起が初期の非折畳み位置へ戻る様子を示す図。
【
図32A】本発明のさらに別の実施形態による、タンパスカートを含み金属容器を封止するねじ付閉止部と、ねじおよび環状リングを金属容器に形成するために使用される関連ツールとの部分横断正面図。
【
図32B】ねじ付閉止部が金属容器から少なくとも部分的に取り外された後の
図32Bのねじ付閉止部および金属容器の部分横断正面図であり、タンパスカートが初期の非折畳み位置へ戻って、ねじ付閉止部が下方へ金属瓶の口部内に戻ることを防ぐ様子を示す図。
【
図33A】本発明のねじ付閉止部および金属容器のさらに別の実施形態の部分横断正面図であり、ねじ付閉止部の一方向伸長部および金属容器に形成された不連続環状リングを示す図。
【
図33B】BB線に沿って取った
図33Aの金属容器およびねじ付閉止部の横断上面図であり、ねじ付閉止部の伸長部および金属容器の不連続環状リングにより、ねじ付閉止部が開放方向には回転ができるが閉鎖方向には回転できない様子をさらに示す図。
【
図33C】
図33Aのねじ付閉止部および金属容器の部分横断正面図であり、ねじ付閉止部が金属容器から少なくとも部分的に取り外された後に、ねじ付閉止部を回転させて金属容器を再封止させることができるが、ねじ付閉止部の伸長部と不連続環状リングとの接触により、ねじ付閉止部が閉鎖方向にさらに回転することを防ぐ様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0057】
同様の部品および/または機能は、同じ参照符号を有することがある。同じタイプの部品を、参照符号に続く文字によって区別することができる。参照符号のみを用いる場合、その説明は、同じ参照符号を有する同様の部品のいずれか1つに適用可能である。
【0058】
図面に示す様々な部品の一覧を本明細書に示す。
本発明の様々な実施形態について本明細書で説明し図示する。本開示は、広範囲の試みにわたって大きな利点を有する。開示された特定の例に言及する必要によって言い回しが限定されるものと思われるにもかかわらず、開示される本発明の範囲および精神に従って本明細書および添付の特許請求の範囲に広がりを与えることが出願人の意図である。
図1~
図33は、ねじ付閉止部を受けるように構成された金属容器、ならびに金属容器を製造する装置および方法の実施形態を示すが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、任意の形状、サイズ、または材料の容器と共に使用できることが特に理解される。
【0059】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による、ねじを金属容器4に形成する前の金属容器4の横断正面図が示される。金属容器4は、底部のドーム部6と側壁部8とを有する。首部20は、側壁部8から上方へ延びる。開口部または口部12が、首部20の最上部に形成される。口部12は、以下で説明するように、金属容器の首部20の少なくとも一部にねじが形成された後に、ねじ付閉止部を受けて金属容器4を選択的に開閉するように構成される。金属容器4は、いくつかの一続きの作業を経て所望の内径10に縮径されている。金属容器を縮径する際に使用される方法および装置は、本願明細書に援用する米国特許第5,138,858号で開示されたように当技術分野で周知である。一実施形態では、口部12の内径10は、ねじが形成される前は約1.524センチメートル(0.6インチ)~約10.16センチメートル(4.0インチ)である。より好ましい実施形態では、内径10は、ねじが形成される前は約2.032センチメートル(0.8インチ)~5.588センチメートル(2.2インチ)である。一実施形態では、金属容器4の外径16は約3.81センチメートル(1.5インチ)~約12.7センチメートル(5インチ)である。より好ましい実施形態では、外径16は約4.826センチメートル(1.9インチ)~約7.874センチメートル(3.1インチ)である。
【0060】
首部20は、内面26と、以下で説明するようにねじが形成されるねじ領域24とを有する。首部20に形成されるねじは、口部12に少なくとも部分的に挿入されるねじ付閉止部の外面に形成されるねじとねじ係合するように構成される。ねじ領域24は、円筒形、テーパ状、もしくは円錐形もしくはこれらの組合せ、または他の所望の形状を有することができる。
【0061】
金属容器4の頂縁部は、所望の長さにトリムされ、所定の形状を有する終端部に形成されて、剛性、平滑で、寸法的に一致したシール面を作る。一実施形態では、終端部の所定の形状がカール部28である。カール部28は、金属容器4の材料の1つまたは複数の折畳みを含むことができ、
図2に示す外面30、上面32、および内面34を有する。場合により、一実施形態では、1つまたは複数の硬化ビード40を、縮径中または縮径後に首部20に形成してもよい。
【0062】
次に
図2A~
図2Dを参照すると、カール部28A、28B、28C、28Dのオプションの形状が示される。カール部28は、表面30、32、34の1つまたは複数に直線部を有することができる。あるいは、カール部28の表面30、32、34の1つまたは複数を丸めてもよい。一実施形態では、カール部28A、28B、28C、または28Dを、直線トリム部36またはフランジ38に相互接続された金属容器4の材料とは異なる材料から形成してもよい。
図2Eに示す一実施形態では、カール部28を金属容器4の頂縁部の直線トリム部36に置き換えてもよい。
図2Fに示すさらに別の実施形態では、場合により、カール部28をフランジ38に置き換えてもよい。フランジ38が任意の所望の形状を有してもよく、任意の所望の角度で金属容器4の首部から延びてもよいことを当業者は理解するであろう。
【0063】
次に
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるねじ付閉止部44が示される。ねじ付閉止部44を、木材、コルク、成形プラスチック、金属(アルミニウム、鋼、スズ、もしくはこれらの任意の組合せを含むがこれらに限定されない)、合成材料、ガラス、紙、またはこれらの組合せから形成することができる。ねじ付閉止部44は、所定の深さ56の本体46を有する。一実施形態では、本体46の深さ56が約1.27センチメートル(0.5インチ)~約5.08センチメートル(2.0インチ)であるが、適用に基づいて深さ56をより深くまたは浅く修正してもよいことを当業者は理解するであろう。
【0064】
螺旋ねじ60は、ねじ付閉止部44の本体46の外面に形成される。ねじ60は、金属容器4の口部12に嵌まるように選択された外径58を有する。一実施形態では、外径58は約1.524センチメートル(0.6インチ)~約10.16センチメートル(4.0インチ)である。より好ましい実施形態では、外径58は約2.032センチメートル(0.8インチ)~約5.588センチメートル(2.2インチ)である。さらに好ましい実施形態では、外径58は約2.794センチメートル(1.1インチ)~約3.302センチメートル(1.3インチ)である。加えてまたはあるいは、閉止部ねじ60の最上部の外径58は、閉止部ねじ60の最下部の外径58よりも大きい。したがって、一実施形態では、閉止部ねじ60の最上部は、閉止部ねじ60の最下部の外径よりも約0.0センチメートル(0.0インチ)~約0.0381センチメートル(0.015インチ)大きな外径58を有する。
【0065】
一実施形態では、ねじ60は、約1.524センチメートル(0.6インチ)~約10.16センチメートル(4.0インチ)の内径59を有する。別の実施形態では、内径59は、約2.032センチメートル(0.8インチ)~約5.588センチメートル(2.2インチ)である。より好ましい実施形態では、ねじ60の内径59は、約2.667センチメートル(1.05インチ)~約3.175センチメートル(1.25インチ)である。ねじ60の内径59および外径58を変化させることができ、本開示の範囲および精神に適合させることができることを当業者は理解するであろう。
【0066】
ねじ60は、上面43、下面45、山47、根元または谷48を有する。一実施形態では、ねじ60は略対称の横断面外形を有する。別の実施形態では、ねじ60の横断面外形は非対称で、ねじ60の山47はねじ60の谷48とは異なる外形を有する。別の実施形態では、ねじの上面43は略水平である。一実施形態では、ねじ60は本体46の周りに複数の巻きを有する。別の実施形態では、ねじ60は、本体46の周りに約0.25~約8の巻きを有する。一実施形態では、ねじ付閉止部44は、2つ以上の個々のねじから形成された複数リードのねじを含む。複数リードのねじの個々のねじは、それぞれ異なる数の巻きを有することができる。
【0067】
オプションのチャネル96が、閉止部ねじ60を貫通するように形成されている。チャネル96は、金属容器4の内部と容器ねじ42および閉止部ねじ60の間の空間とを連通させる。チャネル96により、制御された気体の解放が可能になり、金属容器4の内部と金属容器4の外側の周囲空気とを連通させることにより、ねじ付閉止部44の取外し中に金属容器4の内部から圧力を解放する。金属容器4とねじ付閉止部44との間の封止が壊れた後、閉止部ねじ60が金属容器4に形成されたねじ42とねじ係合しなくなる前に、気体がチャネル96を通って金属容器4の外部へ逃げることができる。この制御された圧力の解放により、開けた際にねじ付閉止部44が金属容器4から強く飛び出すことを防ぎ、ねじ付閉止部44の容易な取外しも可能にする。さらに、チャネル96により、液体製品を容器ねじ42と閉止部ねじ60との間の空間から下方へ排出できるようにすることによって、ねじ付閉止部44が金属容器4から取り外されるときに製品の吐出または不注意による上方への放出を防ぐ。取扱中に、充填された金属容器4を反転させて、液体製品をねじ42、60間の空間に流入させてもよい。チャネル96のないねじ付閉止部44により封止された金属容器4が垂直位置に戻ると、液体製品は液体の表面張力により、空間から流出することができない。液体製品がその空間に残っている場合、金属容器4を開けたときに、液体製品が金属容器4からの加圧気体の経路を遮断する。消費者がねじ付閉止部44を回転させて金属容器4を開けると、気体が、ねじ42、60間の空間に閉じ込められた残りの液体製品を金属容器4から押し出し、場合により消費者に押し付ける。逆に、チャネル96を有するねじ付閉止部44により封止された金属容器4が垂直位置に戻ると、チャネル96は、液体製品が下方へ流れて金属容器4へ戻る経路を形成する。ねじ付閉止部44が回転すると、チャネル96は、液体製品のない、漏出する気体に対する抵抗が最も小さい経路を提供することもできる。一実施形態では、チャネル96が略垂直である。しかしながら、液体製品が金属容器4内へ下方に流れる経路を形成し、金属容器を開けたときに気体を逃がすように予め定められた向きをチャネル96が有してもよいことを当業者は理解するであろう。
【0068】
場合により、タンパインジケータ82をねじ付閉止部44に形成して、ねじ付閉止部44が金属容器4から少なくとも部分的に緩められた後に消費者に標識を与える。タンパインジケータ82は、ねじ付閉止部44を回転させて金属容器4を開けたときに鋸歯状バンド86が割れた後に、金属容器4の首部20に保持されるように構成される。別の実施形態では、タンパインジケータ82は、鋸歯状バンド86の代わりに軸方向の鋸歯状切込部87を含む。ねじ付閉止部44が金属容器4から取り外されると、鋸歯状切込部87が割れ、タンパインジケータ82の区画が外方へ広がって、ねじ付閉止部44が金属容器4から少なくとも部分的に取り外されたことを示す。一実施形態では、タンパインジケータ82は、閉止部本体46と同じ材料から一体形成される。別の実施形態では、タンパインジケータ82は、ねじ付閉止部44に相互接続され、閉止部本体46の材料とは異なる金属またはプラスチック材料から形成される。
【0069】
加えて、把持機能95をねじ付閉止部44の外面に形成して、消費者による把持を向上させてもよい。
図3に示す一実施形態では、把持機能95が刻み目からなる。別の実施形態では、把持機能が、ねじ付閉止部44の1つまたは複数の外面に形成された、刻み目、スカラップ、孔、およびスロットの1つまたは複数からなっていてもよい。一実施形態では、把持機能95が、以下で説明するピルファローラによって形成される。場合により、ねじ付閉止部44の1つまたは複数の表面を、好ましい印で装飾してもよい。一実施形態では、ねじ付閉止部の外側頂面(または人目につく(public)側)が装飾される。別の実施形態では、ねじ付閉止部の内面(または製品側)が装飾される。さらに別の実施形態では、装飾が、リトグラフイメージ、エンボスイメージ、デボスイメージの1つまたは複数からなる。
【0070】
次に
図4を参照すると、金属容器4の口部12への挿入前の、本発明の一実施形態によるねじ付閉止部44の部分横断正面図が示される。ねじ付閉止部44は螺旋ねじ60を有するが、当業者が理解する通り、
図4Aに示すように、場合によりラグねじ64をねじ付閉止部44に形成してもよい。ねじ付閉止部44は、底部57とチャンバ52とを含む。チャンバ52を使用して、任意のタイプのものを保持または収納することができる。例えば、食品、液体、気体、香料、景品、洗浄剤、化学薬品、美容補助品、ツール、および他の材料をチャンバ52に収納することができる。上方へ開く開口49によってチャンバ52にアクセスできる。場合により、底部57にデボス加工またはエンボス加工して、ねじ付閉止部44の剛性を高めてもよい。
【0071】
ねじ付閉止部44の本体46は、ねじ付閉止部44を積み重ねて、ねじ付閉止部44を収納するのに必要な空間量を低減させることができるように構成された形状を有してもよい。一実施形態では、本体46の底部57が、別のねじ付閉止部44のチャンバ52に少なくとも部分的に嵌まるように構成される。別の実施形態では、底部57が、別のねじ付閉止部44の底部57に形成されたデボスに少なくとも部分的に嵌まる。
【0072】
ねじ付閉止部44は、閉止部本体46の上部周囲から径方向外方へ延びる伸長部66を有する。外側シール68、頂部シール70、および内部またはプラグシール72は、伸長部66に形成され、金属容器4のカール部28、トリム部36、フランジ38の表面30、32、34の1つまたは複数に接触する、かつ/または封止力を加えるように構成された幾何形状を有するようにサイズ決めされる。
図4ではプラグシール72が伸長部66から延びるように示されるが、プラグシール72は、閉止部本体46の所定の位置から直接的に延びてもよいことを当業者は理解するであろう。さらに、プラグシール72は、所望の形状を有してもよい。したがって、一実施形態では、プラグシール72は、ねじ付閉止部46の本体46に形成されても本体46から延びてもよい。別の実施形態では、プラグシール72が、ねじ付閉止部44の本体46の外面から少なくとも部分的に延びる突起として形成される。さらに別の実施形態では、プラグシール72は閉止部ねじ60より上に配置される。さらに別の実施形態では、
図14および
図15に示すように、プラグシール72は閉止部ねじ60より下に配置される。外側シール68、頂部シール70、プラグシール72をねじ付閉止部44に一体形成しても、ねじ付閉止部に相互接続してもよい。一実施形態では、シール68、70、72が、場合により、表面30、32、34との封止接触を確実にするように可撓性または変形可能であってよい。別の実施形態では、シール68、70、72が、ねじ付閉止部44の本体46の材料とは異なる材料から作られても、異なる材料を含んでもよい。例えば、シール68、70、72は、コルク、ゴム、プラスチック、エラストマー、シリコン、弾性材料、または他の可撓性および/または圧縮性材料を含んでも、そのような材料から作られてもよい。加えてまたはあるいは、充填された金属容器4の輸送および取扱い中のカール部28の破損を防ぐように、頂部シール70を設計することができる。したがって、一実施形態では、頂部シール70は、ねじ付閉止部44に加えられる力を吸収して、金属容器4とねじ付閉止部44との間のシールが意図せずに解放されることを防ぐように構成された緩衝材であってよい。
【0073】
タンパインジケータ82は伸長部66に形成される。タンパインジケータ82は可撓性伸長部84を有し、この可撓性伸長部84は、
図5Aに示すように、ねじ付閉止部44が金属容器4の口部12に挿入されたときに、タンパインジケータ82が金属容器4のカール部28、トリム部36、またはフランジ38上を下方へ摺動できるようにする。一実施形態では、タンパインジケータが、切れ目を入れた材料から形成されたジッパストリップからなり、これを手で引いてねじ付閉止部44から少なくとも部分的に破壊的に取り外さなければ、ねじ付閉止部を金属容器4の口部12から取り外すことができない。一実施形態では、ジッパストリップが、ねじ付閉止部44の材料とは異なる材料から形成される。別の実施形態では、タンパインジケータが、周囲の切れ目または折れやすいバンドからなる紐(leash)である。消費者がねじ付閉止部を回転させて金属容器を開けると、切れ目が割れる。紐の第1の端部は金属容器4の首部20に保持されたバンドに相互接続され、紐の第2の端部はねじ付閉止部44に相互接続されて、ねじ付閉止部44を紛失することを防ぎ、ねじ付閉止部がごみにならないようにする。
【0074】
次に
図5Aを参照すると、金属容器4をねじ付閉止部44によって封止するように動作可能な装置89の部分図が、本発明の実施形態により示される。図示しないが、装置89の右側は装置の左側と略対称であることを理解されたい。装置89は、一般に、ねじローラ90、ピルファローラ91、および押圧ブロック93を含む。ねじローラ90およびピルファローラ91は、垂直軸92に対して回転することができる。ねじローラ90は、比較的軽いばね荷重を加えられ、垂直軸92に沿って移動し上下に垂直に動くことができる。一実施形態では、ねじローラ90のばね荷重は約1.361キログラム(3ポンド)である。ピルファローラ91は、一般に重いばねによって荷重を加えられ、垂直軸92に沿って移動しない。一実施形態では、ばね荷重が13.61キログラム(30ポンド)であってよく、ピルファローラ91は約0.508センチメートル(0.2インチ)未満の移動をする。ローラ90、91は、金属容器4の外部の周りを回転して、金属容器4およびねじ付きインサート44の所定の部分に圧縮力を加えるように動作可能である。ローラ90、91を、金属、ゴム、プラスチック、または当業者に公知の他の耐久性のある材料から作ることができ、ローラ90、91は、任意の形状またはサイズであってよく、任意の外形の接触面を有することができる。一実施形態では、異なる外形またはサイズの接触面を有する2つ以上のねじローラ90を使用して容器ねじ42を作ってもよい。別の実施形態では、ピルファローラ91は、ねじ付閉止部44の1つまたは複数の部分に鋸歯状切込部を形成するように動作可能である。
図5Aにはねじローラ90およびピルファローラ91が1つだけ示されるが、一実施形態では、装置89は、2つ以上のねじローラ90および2つ以上のピルファローラ91を含んでもよい。
【0075】
押圧ブロック93は、ねじ付閉止部44を保持し、ねじ付閉止部44を金属容器4の口部12内に下方へ押圧するように動作可能なチャック94を含む。チャック94はねじ付閉止部44を回転させることもできる。装置89はまた、金属容器4を支持して金属容器4を所定の位置に保持する第2のチャック(図示せず)を含む。加えて、装置89は、より詳細に後述する1つまたは複数のマンドレル100、106、110、およびねじスプリット112を含むことができる。
【0076】
動作時に、金属容器4に飲料が充填された後、装置89は、ねじ付閉止部44の本体46を少なくとも部分的に金属容器4の口部12内に配置する。一実施形態では、ねじ付閉止部44が口部12内に配置される前には、金属容器4は、全体として円筒形のねじ無しねじ領域24を有する。装置89の1つまたは複数のねじローラ90を、金属容器4の首部20のねじ領域24の外面に接触させて配置することができる。ねじ領域24の材料がねじローラ90の接触面とねじ付閉止部44の閉止部ねじ60との間で圧縮されると、ねじ42がねじローラ90によって金属容器4に形成される。ねじローラ90は、一般に、金属容器4のねじ領域24の頂部で始動し、ねじ領域24の周りで下方へ動作する。金属容器4にねじを形成する間、場合により、押圧ブロック93によって頂部荷重をねじ付閉止部44に加えることができる。一実施形態では、ねじ42が形成されると、カール部28の上面32が金属容器4の底部に向かって下方へ引っ張られるため、金属容器4の高さが低減する。別の実施形態では、ねじローラ90がねじ領域24の底部で始動し、上方へ動作する。金属容器にねじを形成するために使用される方法および装置は、すべて本願明細書に援用する米国特許出願公開第2014/0263150号、米国特許出願公開第2012/0269602号、米国特許出願公開第2010/0065528号、米国特許出願公開第2010/0326946号、米国特許第8,132,439号、米国特許第8,091,402号、米国特許第8,037,734号、米国特許第8,037,728号、米国特許第7,798,357号、米国特許第7,555,927号、米国特許第7,824,750号、米国特許第7,171,840号、米国特許第7,147,123号、米国特許第6,959,830号、および国際出願PCT/JP2010/072688(公開番号WO/2011/078057)に開示されている。
【0077】
ねじ付閉止部44が金属瓶4の口部12に挿入されると、金属瓶4内の製品からの圧力によってねじ付閉止部44が上方に押される。閉止部ねじ60の上面43を容器ねじ42の下面41に押し付けて力を加え、ねじ付閉止部44の意図しない飛出しを防ぐ。一実施形態(図示せず)では、閉止部ねじ60の上面43と容器ねじ42の下面41とが略水平である。閉止部ねじ60の上面43の上方への力が容器ねじ42の下面41に略垂直であるため、略水平な面41、43により、閉止部ねじ60と容器ねじ42とのねじ係合の強度を高めることができる。
【0078】
図5Aに示すように、ねじ付閉止部44は、鋸歯状バンド86によって閉止部本体46の伸長部66に相互接続されたタンパインジケータ82を含むことができる。タンパインジケータ82は可撓性伸長部84を有し、この可撓性伸長部84により、ねじ付閉止部44が装置89によって金属容器4の口部12に挿入されたときに、タンパインジケータ82は金属容器4のカール部28上を下方へ摺動することができる。一実施形態では、ねじ付閉止部44が金属容器4の口部12に挿入される前に、鋸歯状バンド86が形成される。別の実施形態では、ねじ付閉止部44が金属容器4の口部12に挿入された後に、鋸歯状バンド86が装置89のツールによって形成される。
【0079】
金属容器4がねじ付閉止部44によって封止された後、回転力をねじ付閉止部44に加えてねじ付閉止部44を金属容器4から緩めると、タンパインジケータ82の伸長部84がカール部28の底面、または金属容器の首部20に形成された別の面に接触することにより、タンパインジケータ82がカール部28上を戻って摺動することを防ぐ。回転力を引き続きねじ付閉止部44に加えると、タンパインジケータ82をねじ付閉止部44に相互接続する鋸歯状バンド86が切断され、タンパインジケータ82が金属容器4の首部20に保持される。タンパインジケータ82が金属容器の首部にあることにより、閉止部44が少なくとも部分的に開けられ、または緩められて、金属容器4のシールが損なわれたことを消費者に視覚的に示す。
【0080】
図5Aに示すように、本発明の一実施形態では、金属容器4とねじ付閉止部44との間のシールが、ねじ付閉止部44に形成されたシール68、70、72の少なくとも1つの幾何形状によって作られる。ねじ付閉止部44のシール68、70、72は、金属容器4のカール部28の外面30、上面32、および内面34の少なくとも1つに接触して封止圧力を加えるように構成される。シールによって、液体または気体が漏れたり浸透したりすることなく、製品を金属容器4内に維持する。加えて、シールによって、金属容器4の内容物が、炭酸が抜けたり酸化したりすることを防ぐ。場合により、金属容器4とねじ付閉止部44との間のシールは非軸対称である。非軸対称のシールでは、金属容器4を開けたときに、シールの所定の部分によって加圧気体を最初に制御して排気することができる。この制御された排気により、製品の発泡を防ぐことができる。本発明のすべての実施形態の金属容器4とねじ付閉止部44との間に、非軸対称のシールを形成することができる。一実施形態では、ねじローラ90またはピルファローラ91が、伸長部66の1つまたは複数の面に接触して力を加え、ねじ付閉止部44のシール68、70、72と金属容器4の表面30、32、34との接触によって金属容器4を確実に封止することができる。
【0081】
封止面を設けることに加えて、一実施形態では、カール部28の外面30を使用して、ねじ付閉止部44と金属容器4とを位置合わせし、同心にする。したがって、カール部28の外面30とねじ付閉止部44の外側シール68との接触により、ねじ付閉止部44と金属容器4とを位置合わせして、封止中および装置89によるねじ形成中に密なシールを確実に実現する。一実施形態では、装置89は、カール部28A~28Dの外面30に切込みまたはスロットを形成して、外面30が連続せず、跳ね返るかまたは屈曲してねじ付閉止部44と位置合わせできるようにする。非連続外面30を有するカール部28A~28Dは、ねじ付閉止部44と金属容器4とを位置合わせするために有用であるが、ねじ付閉止部44の封止面は提供しない。
【0082】
一実施形態では、装置89は、容器ねじ42を形成するように動作可能な水圧バッグを含む。動作中に、水圧バッグはねじ領域24の近くに配置され、その後、膨張または拡張されて、ねじ領域24の外面に力を加える。水圧バッグにより加えられる力により、ねじ領域とねじ付閉止部44のねじ60とを再形成して容器ねじ42を形成する。場合により、一実施形態では、水圧バッグは、ねじ付閉止部44の谷48にほぼ対応する1つまたは複数の隆起を含む。別の実施形態では、装置89は、液体または気体の高圧の流れをねじ領域24の外面に向けて、ねじ領域24に力を加え、容器ねじ42を形成するように動作可能な水圧ツールを含む。さらに別の実施形態では、装置89は、電磁(EM)形成ツールを用いて容器ねじ42を形成することができる。EM形成ツールは、金属瓶のねじ領域24の近くに配置される。電流のパルスをEM形成ツールの作業コイルに通して、ねじ領域24を再形成するEM形成ツールの周りに磁場を発生させ、容器ねじ42を形成する。ねじ42を、EM形成ツールによる接触なしで形成してもよい。一実施形態では、EM形成ツールがねじ付閉止部44のチャンバ52に少なくとも部分的に挿入され、磁場がねじ領域24の金属を引き付ける。別の実施形態では、EM形成ツールはねじ領域の外部の近くに配置され、磁場によりねじ領域24の金属を跳ね返す。
【0083】
加えて、次に
図5Bを参照すると、タンパインジケータ82Aを、折れやすい切れ目または鋸歯状バンド86Aによって、ねじ付閉止部44の本体46の底部57に相互接続してもよい。本発明の一実施形態では、容器ねじ42を形成するときに、装置89が、ねじ領域24よりも下の金属容器4の首部20の一部に環状リング22を形成する。装置89は、ねじ42を金属容器に形成する前、同時、または後に、環状リング22を形成することができる。ねじローラ90、ピルファローラ91、水圧バッグ、水圧ツール、またはEM形成ツールを含む装置89の任意のツールによって、環状リング22を形成することができる。
【0084】
環状リング22により、タンパインジケータ82Aが金属容器4の口部12から取り外されることを防ぐ。ねじ付閉止部44を回転させて金属容器4を開けると、タンパインジケータ82Aの上面83が環状リング22の近くに存在する首部20の内面26に接触して、鋸歯状バンド86Aに力を加え、タンパインジケータ82Aをねじ付閉止部44から分離させる。その後、タンパインジケータ82Aは金属容器4の口部12内に保持されて、ねじ付閉止部44が金属容器4から少なくとも部分的に緩められたことを示す。場合により、金属容器4は、タンパインジケータ82Aより下に形成された第2の環状リング22Aを含んで、タンパインジケータ82Aが金属容器4内に完全に落下することを防ぐ。第2の環状リング22Aを、金属容器に予備成形しても、ねじ付閉止部44を口部12に挿入した後に装置89によって形成してもよい。
【0085】
鋸歯状バンド86Aは、所定量の力をタンパインジケータ82Aに加える前に割れることのないように設計される。したがって、鋸歯状バンド86Aを、金属容器内の圧力によってねじ付閉止部44が金属容器4の口部12から意図せず不注意により飛び出すことを防ぐように構成することができる。このように、金属容器4およびねじ付閉止部44の周囲に沿って複数回巻いたねじ42、60が示されるが、一実施形態では、ねじ付閉止部44がピルファ・インジケータ82Aを含むときには、ねじ付閉止部44の飛出しを防ぐのに1巻きのねじで十分である。一実施形態では、ねじ付閉止部44は2つのタンパインジケータ82、82Aを含むことができる。
【0086】
次に
図6を参照すると、装置89は、ねじ42が金属容器4に形成されるときにねじ付閉止部44のチャンバ52に挿入される円筒形マンドレル100を含むことができる。装置89がねじ42を金属容器4に形成するときに、円筒形マンドレル100の外面102がねじ付閉止部44および金属容器4を支持する。容器ねじ42を形成した後、円筒形マンドレル100はチャンバ52から取り外される。円筒形マンドレルの外面102は、平滑であっても、任意の幾何形状のねじ付閉止部44のチャンバ52の内面51を支持するように構成された他の外部幾何形状を有してもよい。例えば、外面102は、円弧形状、切り子面形状、または当業者に公知の他の形状を有することができる。
【0087】
装置89は、ねじ付閉止部44のチャンバ52に挿入可能な可変径マンドレルを含んでもよい。次に
図7A、
図7Bを参照すると、一実施形態では、可変径マンドレル100Aが、コレットと同様に内方および外方へ動くことのできる複数の個々の区画104から形成される。マンドレル100Aは、
図7Aに示すように、区画104を後退させてマンドレル100Aの外径を小さくした状態で、ねじ付閉止部44のチャンバ52に挿入される。マンドレル100Aの区画104は、
図7Bに示すように、外方へ動いて円筒形マンドレル100Aの外径を広げ、マンドレル100Aの区画104の外面102がねじ付閉止部44のチャンバ52の内面51に接触するようにする。容器ねじ42が形成された後、区画104は内方へ動き、マンドレル100Aがねじ付閉止部44のチャンバ52から取り外される。マンドレル100Aは8個の区画104を有して示されるが、マンドレル100Aの有する区画104はより多くても少なくてもよい。マンドレル100Aの区画104の数、サイズ、形状、および位置合わせを変化させることができ、かつ本開示の範囲および精神に適合することが特に考えられる。例えば、一実施形態では、マンドレルは、一般にパイ形状の4個の区画を有する。別の実施形態では、マンドレル100Aは、円弧形状の区画を有する。さらに別の実施形態では、マンドレル100Aは6個の区画を有する。別の実施形態(図示せず)では、可変径マンドレルは膨張可能である。膨張可能なマンドレルは、チャンバ52内に収縮状態で配置される。その後、膨張可能なマンドレルに圧縮気体または液体が充填されて、所定のサイズに拡張してチャンバの内面51に接触する。容器ねじ42が形成された後、気体または液体が取り除かれ、膨張可能なマンドレルが後退してチャンバ52から取り外される。
【0088】
次に
図8A~
図8Cを参照すると、本発明の別の実施形態のねじ付閉止部44Aおよび金属容器4Aの部分横断面図が示される。金属容器4Aはねじ無しで、縮径した、予備成形された環状リング22を含む。環状リング22を装置89により形成してもよい。
【0089】
ねじ付閉止部44Aは、閉止部本体46に相互接続されたライナ80を含む。ライナ80は、本体46の径より大きく、環状リング22の内径より大きい所定のサイズを有する。一実施形態では、ライナ80は、1枚のライナ材料から打ち抜かれた円板である。別の実施形態では、ライナ80は、ほぼ中心に孔があるリング状である。さらに別の実施形態では、ライナ80は、閉止部本体46の底部57または側面に接着される。少なくとも部分的に可撓性および圧縮性であり、二酸化炭素または酸素を実質的に透過しない材料から、ライナ80を形成することができる。一実施形態では、ライナ80は、二酸化炭素および/または酸素を吸収する材料から形成される。別の実施形態では、ライナ80は、金属、ゴム、プラスチック、およびコルク、およびこれらの組合せの1つまたは複数から形成される。
【0090】
次に
図8Bを参照すると、ねじ付閉止部44Aがねじ無し金属容器4Aの口部12に挿入されると、ライナ80の一部が金属容器4Aの環状リング22の内面26に接触する。内面26は、ライナ80を上方へ圧縮して偏向させる。次に
図8Cを参照し、装置89がねじ42を金属容器4Aに形成すると、カール部28の頂部32から環状リング22までの距離が短くなり、閉止部本体46の底部57を環状リング22の内面26に向かって軸方向に下方へ引っ張られる。閉止部本体46の底部57と内面26とが接触した結果、ライナ80の一部が閉止部本体46と内面26との間で変形され圧縮されてシールを形成し、金属容器4Aの内容物の排出、および/または金属容器4Aの内部へ、または内部からの二酸化炭素または酸素の透過を防ぐ。ライナ80により、閉止部の本体46を通る二酸化炭素および/または酸素の透過を防いで、ねじ付閉止部44Aを形成するために使用される材料を変えることなく、金属容器4A内に封止された製品の保存期間を長くすることができる。
【0091】
ライナ80は、ねじ付閉止部44Aが口部12から取り外されるときに、金属容器4A内から圧力を制御して解放できるようにさらに動作可能である。ねじ付閉止部44Aが回転すると、閉止部ねじ60が容器ねじ42とねじ係合しなくなる前に、ライナ80と金属容器4との内面26に間隙が形成される。このようにして、金属容器4A内から圧力を解放し、ねじ付閉止部44Aと金属容器4Aとの間で圧力が逃げることにより、ねじ付閉止部44Aが口部12から制御されずに飛び出すことを防ぐ。加えてまたはあるいは、一実施形態では、
図5Aに関連して前述したように、ライナ80が非軸対称である。別の実施形態では、
図33Bに示すように、環状リング22が非軸対称である。ねじ付閉止部44Aが金属容器4Aから取り外される場合、ねじ付閉止部44Aが金属容器4Aの口部12に戻ってねじ込まれるときに、ライナ80は金属容器4Aを再封止するように動作可能である。
【0092】
ねじ付閉止部44Aは、オプションのカバー53によって封止された開口49を有するチャンバ52を含む。カバー53は、チャンバ52を衛生的に汚染されずに維持する。カバー53を、紙、ボール紙、金属箔、またはプラスチック、またはこれらの組合せから作ることができる。カバー53を、誘導または他の方法によってねじ付閉止部44Aに相互接続することができる。一実施形態では、カバー53がねじ付閉止部44Aにヒンジ留めによって相互接続され、カバー53を持ち上げてチャンバ52にアクセスすることができ、カバー53を下げてチャンバ52を再封止または再閉鎖することができる。別の実施形態では、カバー53の一部がねじ付閉止部44Aに恒久的に相互接続され、カバー53をねじ付閉止部44Aに対して保持してごみにならないようにする。場合により、チャンバ52は、覆われていない開口49を有してもよい。
【0093】
次に
図9A~
図9Cを参照すると、本発明の別の実施形態のねじ付閉止部44Bおよび金属容器4Bの部分横断面図が示される。ねじ付閉止部44Bは、ねじ付閉止部44Aに相互接続されたライナ80と同じかまたは同様の、ねじ付閉止部44Bの本体46Bに相互接続されたライナ80を含む。一実施形態では、ライナ80は、ねじ付閉止部44Bの底部57に相互接続される。
【0094】
金属容器4Bに製品が充填された後、
図9Bに示すように、装置89はねじ付閉止部44Bを口部12に挿入する。その後、例えば、前述したように装置89のねじローラ90によって、容器ねじ42が金属容器4Bに形成される。ピルファローラ91はまた、ねじ付閉止部44Bの底部57の近くに存在する、金属容器4Bの首部20の一部に環状リング22を形成する。環状リング22の近くに存在する首部20の内面26は、ライナ80に接触し、ライナ80を少なくとも部分的に圧縮する。ライナ80の一部は、環状リング22より下でさらに口部12内へ下方に変形される。一実施形態では、容器ねじ42が形成された後に、環状リング22が形成される。
【0095】
ライナ80と環状リング22の内面26との接触により、金属容器の口部12を封止して、金属容器4Bの内容物の放出および/または金属容器4Bの内部へ、または内部からの二酸化炭素もしくは酸素の透過を防ぐ。加えて、金属容器4B内の圧力が、ライナ80の製品側に力を加えて、ライナ80を上方へ環状リング22に押し付け、ねじ付閉止部44Bと金属容器4Bとの間のシールを向上させることができる。一実施形態では、環状リング22のサイズおよび形状ならびにライナ80の材料を、金属容器4Bの内容物の圧力に耐えるように選択することができる。言い換えると、ライナ80と金属容器4Bの内面26との接触によって、金属容器4B内の圧力に耐えることができ、ねじ付閉止部44Bが口部12から不注意により意図せず飛び出すことを防ぐことができる。したがって、ねじの数および/またはねじ42、60の巻きの数を少なくすることができる。一実施形態では、ライナ80を有するねじ付閉止部44Bは、金属容器4Bを封止する1巻きのねじのみを含み、ねじ付閉止部44Bの意図しない飛出しを防ぐことができる。
【0096】
金属容器を開けるために、消費者は回転力をねじ付閉止部44Bに加える。ねじ付閉止部44Bが回転すると、環状リング22との接触により、ライナ80が径方向内方へ偏向して、ライナ80が環状リング22を過ぎて上方へ動くことができる。この動きによってシールを解放し、容器ねじ42が閉止部ねじ60とねじ係合しなくなる前に、金属容器4Bの内部から圧力を制御して解放することができる。加えてまたはあるいは、一実施形態では、
図5Aに関連して前述したように、ライナ80が非軸対称である。別の実施形態では、環状リング22が非軸対称である。したがって、金属容器4B内からの圧力が、所定の位置で最初に制御して解放される。
【0097】
次に
図9Cを参照すると、ねじ付閉止部44Bが金属容器4Bから取り外された後に、ねじ付閉止部44Bを使用して金属容器4Bを再閉鎖することができる。しかしながら、環状リング22の内面26により、ライナ80の下方への動きを防ぐため、ねじ付閉止部44Bは、
図9Bに示す位置まで口部12内へ完全に回転することができない。したがって、ねじ付閉止部44Bは、金属容器4Bのカール部28の上面32より少なくともわずかに上に突出して、ねじ付閉止部44Bが容器ねじ42から少なくとも部分的に緩められたことを示すタンパインジケータ82Bを形成する。
【0098】
次に
図10を参照すると、金属容器4Cの別の実施形態を封止する、本発明のねじ付閉止部44Cのさらに別の実施形態が示される。ねじ付閉止部44Cは、閉止部本体46に形成されたプラグシール72Cを含む。プラグシール72Cは、カール部28より下で首部20の内面26に接触するように構成される。
図10に示すように、プラグシール72Cは、閉止部本体46の底部57の下面から下方へ延びるリングからなる。金属容器4Cは、首部20の一部に環状リング22Cを含み、これはねじ付閉止部44Cが口部12に挿入される前に形成しても後に形成してもよい。プラグシール72Cは、環状リング22Cの内面26に封止接触する外面を有する。金属容器4C内の圧力により、プラグシール72Cの外面を環状リング22Cの内面26に径方向外方に押し付けて、封止接触の力を強める。一実施形態では、プラグシール72Cは、可撓性であるように構成される。別の実施形態では、プラグシール72Cは、閉止部本体46とは異なる材料から形成され、ねじ付閉止部44Cに相互接続される。さらに別の実施形態では、加えてまたはあるいは、プラグシール72Cおよび環状リング22Cの少なくとも一方が非軸対称である。したがって、
図5Aに関連して前述したように、ねじ付閉止部44Cを回転させると、金属瓶4C内からの圧力を所定の位置で解放することができる。さらに別の実施形態では、第1のプラグシール72(
図5Aに示す)を伸長部66に形成することができ、第2のプラグシール72Cを閉止部本体46に形成することができる。第1のプラグシール72はカール部28の内面34に接触することができ、第2のプラグシール72Cはカール部28より下で首部20の内面26に接触することができる。
【0099】
次に
図11を参照すると、本発明の別の実施形態の金属容器4Dおよびねじ付閉止部44Dが示される。ねじ付閉止部44Dは、開いた上部開口49を有するチャンバ52と、閉止部本体46に形成されたプラグシール72Cとを含む。プラグシール72Cは、ねじ付閉止部44Dが金属容器4の口部12Dに挿入される前または後に装置によって形成可能な環状リング22Dの内面26に接触する。孔97は、閉止部本体46を貫通するように形成される。
【0100】
金属容器4Dに製品が充填されると、製品は首部20の内面に接触して、閉止部ねじ60と容器ねじ42との間に閉じ込められる。閉じ込められた製品を取り除かないと、金属容器4D内に封止された製品が傷む、または汚染されるおそれがある。閉じ込められた製品を取り除くために、装置89は、装置89がねじ付閉止部44Dを金属容器4の口部12Dに挿入した後に、水などの滅菌した洗浄液98をチャンバ52内へ向けるツールを含む。孔97により、洗浄液98がチャンバ52から上方へ、閉止部ねじ60と容器ねじ42との間に流れることができる。このようにして、洗浄液98により、ねじ42、60の間に意図せず閉じ込められた製品を取り除くことができる。加えて、装置89は、空気または別の気体が洗浄液98を吹き出すようにして、ねじ42、60間の空間を乾燥させるツールを含んでもよい。
【0101】
場合により、本発明の一実施形態では、カール部28の少なくとも一部を貫通するように径方向に孔、切込み、またはスロットを形成して、洗浄液98および空気がねじ42、60より上のねじ無し領域55に出入りできるようにする。加えて、別の実施形態では、ねじチャネル96(
図3に示す)を閉止部本体46に形成して、洗浄液98および空気がねじ42、60間で動くことができるようにする。さらに別の実施形態では、ねじ付閉止部44Dの伸長部66をシール68、70、または72なしで形成して、洗浄液98および空気がカール部28と伸長部66の内面との間を通る経路を作ることができる。さらに、装置89が容器ねじ42を形成した後に洗浄液98が孔97を通って流れる様子が
図11に示されるが、一実施形態では、容器ねじ42が形成される前に、装置89が洗浄液を用いて閉じ込められた製品を取り除く。
【0102】
次に
図12および
図13を参照すると、外側ライナ80Eを有する本発明の一実施形態のねじ付閉止部44Eが示される。一実施形態では、ねじ付閉止部44Eの本体46の外面に凹部88が形成されて、ライナ80Eを受ける。別の実施形態では、ライナ80Eが、ねじ付閉止部44Eの本体46上にオーバーモールドされる。別の実施形態では、ライナ80Eがカップ状であり、摩擦嵌めにより本体46上で定位置に保持される。さらに別の実施形態では、接着剤を用いてライナ80Eの底面および側面の少なくとも一方を閉止部本体46に相互接続する。本体46の底部57の下面を覆うライナ80Eが
図12および
図13に示されるが、ライナ80Eが本体46の底部57を完全に覆う必要はないことを当業者は理解するであろう。一実施形態では、ライナ80Eは、閉止部ねじ60より下で閉止部の本体46の外周に施されたバンドである。ライナ80Eは、少なくとも部分的に圧縮可能であり、二酸化炭素または酸素を実質的に透過させない材料から形成され、ねじ付閉止部44Eの本体46の材料とは異なる材料である。また、ライナにより、本体46を通る二酸化炭素または酸素の透過を防ぐ。ライナ80Eを、
図8Aに示すライナ80と同じ材料から形成してもよい。
【0103】
次に
図12を参照すると、ねじ付閉止部44Eは、首部20Eに予備成形された環状リング22Eを有する金属容器4Eを封止するように動作可能である。ねじ付閉止部44Eが金属容器4Eの口部12に挿入されると、ライナ80Eの一部が環状リング22Eの内面26Eに接触して圧縮され、金属容器4Eとねじ付閉止部44Eとの間にシールを形成する。あるいは、次に
図13を参照すると、ねじ付閉止部44Eは、ねじ付閉止部44Eが口部12に挿入された後に装置89のツールによって形成された環状リング22Fを有する金属容器4Fを封止するようにさらに動作可能である。一実施形態では、環状リング22Fはピルファローラ91によって形成される。環状リング22Fが形成されると、内面26Fの一部がライナ80Eに接触してこれを圧縮し、金属容器4Fとねじ付閉止部44Eとの間にシールを形成する。場合により、一実施形態では、ライナ80Eおよび環状リング22E、22Fの少なくとも一方が非軸対称であり、
図5Aに関連して前述したように、金属瓶からの制御された圧力の解放を可能にするように構成される。
【0104】
次に
図14、
図15を参照すると、本発明の実施形態の気体透過バリア74、76を含むねじ付閉止部44F、44Gが示される。気体透過バリア74、76により、二酸化炭素および/または酸素が、二酸化炭素および酸素を少なくとも部分的に透過する材料から形成されたねじ付閉止部44F、44Gの本体46を通って移動することを防ぐ。気体透過バリア74は、ねじ付閉止部44Fが形成されたときに本体46の一部に注入される材料からなる。気体透過バリア76は、ねじ付閉止部44Gの本体46の内部51および外面の少なくとも一方に施される。気体透過バリア74、76により、製品の炭酸が抜けたり製品が酸化したりするのにかかる時間量が増加することによって、金属容器4に封止された製品の保存期間を長くする。
【0105】
気体透過バリア74、76を、金属容器4の内部に酸素が入らないようにし、二酸化炭素を入れておくバリアを作る任意の材料から形成することができる。本発明の一実施形態では、気体透過バリア76は、プラズマ被覆プロセスを用いて施される酸化ケイ素材料である。別の実施形態では、気体透過バリア76は、ねじ付閉止部44Gに施される液体である。さらに別の実施形態では、気体透過バリア76A、76Bは、ねじ付閉止部44Gに施されるフィルムである。さらに別の実施形態では、気体透過バリア74、76は酸化ケイ素材料から形成される。一実施形態では、気体透過バリア74、76の材料は、二酸化炭素および/または酸素を除去または吸収する。
【0106】
図14および
図15はまた、ねじ付閉止部44F、44Gの閉止部本体46の外面に形成されたプラグシール72F、72Gを示す。プラグシール72F、72Gは、閉止部ねじ60より下で金属容器(図示せず)の首部20の内面26に接触するように構成される。プラグシール72F、72Gと首部20の内面26との接触により、ねじ付閉止部44F、44Gと金属容器との間にシールを形成する。一実施形態では、プラグシール72F、72Gが閉止部本体46とは異なる材料から形成され、ねじ付閉止部44F、44Gに相互接続される。別の実施形態では、突起プラグシール72F、72Gは非軸対称である。したがって、
図5Aに関連して前述したように、ねじ付閉止部44Cを回転させると、金属瓶4C内からの圧力を所定の位置で解放することができる。さらに別の実施形態では、プラグシール72(
図5Aに示す)を伸長部66に形成することができ、プラグシール72F、72Gにより形成されたシールに加えて、金属容器とねじ付閉止部との間にシールを形成することができる。プラグシール72は、カール部28の内面34に接触することができ、プラグシール72F、72Gは、閉止部ねじ60より下で首部20の内面26に接触することができる。
【0107】
次に
図16A~
図16Cを参照すると、本発明の閉止部44Hおよび金属容器4Hのさらに別の実施形態が示される。閉止部44Hは、少なくとも部分的に圧縮性である材料から形成されたねじ無し本体46を有する。一実施形態では、本体46は、ゴム、プラスチック、コルク、または合成コルクタイプの材料から形成される。
図16Aに示すように、閉止部44Hは金属容器4Hの口部12に挿入される。次に
図16Bを参照すると、ねじ42、60が金属容器4Hおよび閉止部44Hに同時に形成されて、金属容器4Hと閉止部44Hとの間にシールを作る。一実施形態では、装置89のねじローラ90が金属容器4Hの外側に押し付けられて下方に駆動され、所定のねじピッチを有する容器ねじ42および閉止部ねじ60を形成する。装置89は、ねじローラ90の位置を変えて、所望のピッチのねじ42、60を作ることができる。場合により、装置89は、タンパインジケータ82Hを閉止部44Hおよび金属容器4Hに施すことができる。タンパインジケータ82Hは、少なくとも閉止部44Hに相互接続された第1の部分と、少なくとも金属容器4Hのカール部28に相互接続された第2の部分とを有するストリップからなる。本発明の一実施形態では、タンパインジケータ82Hのストリップは、収縮性フィルム、ろう、金属箔、紙、または塗料から形成される。
【0108】
次に
図16Cを参照すると、閉止部44Hを回転させて金属容器4Hを開けたときに、タンパインジケータ82Hが視認可能な変化を示し、閉止部44Hが金属容器4Hから少なくとも部分的に取り外されたことを示す。一実施形態では、タンパインジケータ82Hが少なくとも部分的に損傷される。閉止部44Hが金属容器4Hの口部12から取り外されると、閉止部44Hの本体46は元に戻り、閉止部44Hを金属容器4Hで再利用することができない。別の実施形態では、閉止部の本体46は、形状記憶を有する材料から形成され、閉止部44Hが金属容器4Hからから取り外されるときに、本体46はすべてまたは一部のねじ60を保持する。一実施形態では、閉止部44Hが金属容器4Hから取り外されるときに、タンパインジケータ82Hの一部が、閉止部44Hおよび金属容器4Hの両方に相互接続されたままとなる。
【0109】
次に
図17を参照すると、本発明の代替実施形態による、テーパねじ領域24Iおよびテーパねじ付閉止部44Iを有する金属容器4Iが示される。テーパねじ領域24Iは、一般に円錐形を有するが、当業者により理解されるように、他の幾何形状および形状を使用してもよい。ねじ付閉止部44Iは、テーパねじ領域24Iのテーパにほぼ一致する幾何形状を持つテーパ形状を有する。ねじ付閉止部44Iの底部57近くのねじの山47の外径は、閉止部ねじ60Iの頂部近くのねじの谷48の径に実質的に等しい。一実施形態では、ねじの山47の外径は、ねじの谷48の径よりも小さい。
図17において、金属容器4Iおよびねじ付閉止部44Iのテーパ量が例示のために誇張されていることを当業者は理解するであろう。
【0110】
テーパねじ領域24Iにより、消費者は閉止部44Iを金属容器4Iから迅速に取り外すことができる。例えば、ほぼ直線のねじ付領域を有する金属容器では、一般的に、ねじ付閉止部をねじ領域の周りのねじの巻き数に等しい回転数だけ回転させて、ねじ付閉止部を金属容器の口部から取り外さなければならない。テーパねじ領域24Iを有する金属容器4Iでは、ねじ付閉止部44Iを回転させて金属容器4Iを開けるときに、テーパねじ領域24Iにより、閉止部ねじ60Iが、ねじの巻き数よりも少ない回転で、容器ねじ42Iとねじ係合しなくなる。言い換えると、ねじ付閉止部44Iの閉止部ねじ60Iは、ねじ付閉止部44Iが約1回転した後に容器ねじ42Iとねじ係合しなくなり得る。したがって、本実施形態では、金属容器4Iおよびねじ付閉止部44Iに複数巻きのねじを設けて、消費者がねじ付閉止部44Iを解放するためにねじ付閉止部44Iを等しい回転数だけ回転させる必要なく、確実なシールをもたらすことができる。
【0111】
図17はまた、ねじ付閉止部44Iのチャンバ52に封止された製品99Aを示す。製品99Aは、液体、固体、または気体であってよく、カバー53を取り外すことにより、上部開口49を通してこれにアクセスできる。ねじ付閉止部44Iを口部12に挿入して金属容器4Iを封止する前または後に、製品99Aを開口52内に封止することができる。
【0112】
次に
図18を参照すると、本発明の一実施形態による、閉止部ねじ60より下にシール79を有するねじ付閉止部44Jが示される。孔97が、閉止部ねじ60の真下に閉止部本体46を貫通するように形成される。一実施形態では、シール79は、孔97の真下でねじ付閉止部44Jまたは金属容器4Jの内面26に配置されたガスケット、詰め物、または液体シーラントであってよい。シール79は、二酸化炭素および/または酸素を実質的に透過しない材料から形成される。別の実施形態では、酸化ケイ素材料の薄層が閉止部の外面を覆う。本実施形態では、シール79が、金属容器4Jに形成された環状リング22の内面とねじ付閉止部44Jの外面との接触によって形成される。別の実施形態では、シール79の材料が、二酸化炭素および/または酸素を除去または吸収する。さらに別の実施形態では、シール79はライナ80と同じ材料から形成される。さらに別の実施形態では、ねじ付閉止部44Jの所定の部分と金属容器4Jとの接触によってシールが形成される。
【0113】
金属容器4Jに製品が充填された後、ねじ付閉止部44Jが、装置89により口部12に第1の位置まで挿入される。前述したように、装置89はねじ42を金属容器4Jに形成する。場合により、ねじ付閉止部44Jおよび金属容器4Jは、
図4Aに示すようにラグねじ64を有してもよい。装置89はまた、環状リング22を金属容器4Jに形成する。一実施形態では、装置89はピルファローラ91を首部20の外面に押し付けて、環状リング22を形成する。環状リング22の内面26はシール79に接触することにより、シール79Aを内面26とねじ付閉止部44Jとの間で圧縮する。環状リング22はねじ付閉止部44Jの外径58よりも小さい内径を有して、ねじ付閉止部44Jが金属容器4Jの口部12から取り外されないようにする。したがって、飲料用缶のステイオンタブと同様に、環状リング22により、ねじ付閉止部44Jがごみにならないようにする。さらに、環状リング22によってねじ付閉止部44Jが金属容器4Jから取り外されないようにするため、金属容器4Jは、同様の径の口部を有する他の容器よりも高圧で製品を収納することができる。
【0114】
圧縮されたシール79Aを解放するために、消費者はねじ付閉止部44Jを第1の方向に回転させて、ねじ付閉止部44Jを第2の位置まで口部12内に深く動かして、環状リング22がシール79に接触しないようにする。その後、
図18に示すように、金属容器4Jの内容物99は、ねじ付閉止部44Jの外面と首部20の内面26との間を、孔97を貫通するようにねじ付閉止部44Jのチャンバ52内へ流れることができる。その後、消費者はチャンバ52を飲料用カップとして使用して、内容物をチャンバ52から消費することができる。ねじ付閉止部44Jを第2の方向に回転させ、シール79を上昇させて環状リング22との封止接触に戻し、シール79Aを圧縮することによって、金属容器4Jを再封止および/または再閉鎖することができる。
【0115】
一実施形態では、金属容器4Jがねじ付閉止部44Jによって封止された後、ねじ付閉止部44Jが第1の位置にあるときに、容器ねじ42と閉止部ねじ60との間の空間を洗浄液によって洗浄することができる。したがって、
図11に関連して前述した方法と同様の方法で、洗浄液をねじ付閉止部44Jのチャンバ52に注入することができる。洗浄液は、ねじ42、60間で上方へ流れることができる。場合により、第2のシールを、ねじ付閉止部44Jの本体46に、孔97より上で高い位置に配置してもよい。ねじ付閉止部44Jが第2の位置にあって環状リング22がシール79に接触していないときに、ねじ付閉止部44Jと金属容器4Jとの封止接触を維持する圧縮性材料から、第2のシールを形成してもよい。このようにして、第2の封止により、金属容器4Jの内容物99が金属容器4Jとねじ付閉止部44Jとの間で孔97より上を流れることを防ぐ。
【0116】
次に
図19を参照すると、本発明の一実施形態による、ねじ付閉止部44Kにより封止された金属容器4Kの部分横断正面図が示される。気体および液体を透過しないシーラント78のリングまたはビードを使用して、ねじ付閉止部44Kのシール68、70、72の1つまたは複数に置き換える。ねじ付閉止部44Kを金属容器4の口部12に挿入する前に、シーラント78をねじ付閉止部44Kに施す。場合により、シーラント78をカール部28の上面32に施してもよい。
【0117】
装置89がねじ付閉止部44Kを口部12に挿入すると、押圧ブロック93(
図5Aに示す)が、頂部力をねじ付閉止部44Kに加えて、ねじ付閉止部44Kを口部12に押し込み、シーラント78Aをねじ付閉止部44Kとカール部28の上面32との間で圧縮することができる。シーラント78Aは、カール部28の周りで変形して、ねじ付閉止部44Kとカール部28との間の空間を実質的に満たし、金属容器4とねじ付閉止部44Kとの間にシールを形成する。
【0118】
シーラント78は、王冠閉止部と共に使用されるシーラントと同様であってよく、当業者に周知である。一実施形態では、シーラント78は、金属容器4Kとねじ付閉止部44Kとの間を少なくとも部分的に流れ、硬化してシールを作ることができる液体シーラントである。別の実施形態では、シーラント78は圧縮性材料の詰め物である。一実施形態では、シーラント78により、少量の気体が金属容器4Kからゆっくりと逃げ、または金属容器4Kに入ることができる。さらに他の実施形態では、金属容器4Kとねじ付閉止部44Kとの間のシールを、1つまたは複数のシール68、70、72とシーラント78との組合せから形成することができる。さらに別の実施形態では、シーラント78は、
図8Aに示すライナ80と同じ材料から作られる。
【0119】
金属容器4Kのねじ領域24は、容器ねじ42が形成される前24Aおよび後24Bに示される。ねじ24Bは、
図5に関連して前述した方法により、装置89によって形成される。
図19に示さないが、前述したオプションのタンパインジケータ82または当技術分野で公知の他のピルファシールもしくはタンパプルーフバンドを、ねじ付閉止部44Kまたは金属容器4Kに形成してもよい。
【0120】
図19はまた、本発明のすべての実施形態においてねじ付閉止部44に形成可能なオプションの補強バンド62を示す。ねじ付閉止部44Kが金属容器4Kの口部12に挿入される前または後に、補強バンド62を形成することができる。一実施形態では、第2のシーラント材料または可撓性ガスケットを、場合により、金属容器4Kの首部20の内面26に封止接触して補強バンド62に配置してもよい。
【0121】
次に
図20Aを参照すると、金属容器4Lの封止中に閉止部本体46Lが再形成される前の、本発明の一実施形態によるねじ付閉止部44Lが示される。ねじ付閉止部44Lは、閉止部ねじ60より上にねじ無し領域55を有する。
図20Bに示すように、ねじ付閉止部44Lは、装置89によって金属容器4Lの口部12に挿入される。装置89は、垂直に上下に、かつ/または径方向に左右に動くように動作可能なマンドレル110を含む。マンドレル110は、ねじ付閉止部44Lのチャンバ52内に少なくとも部分的に配置される。マンドレル110は、閉止部本体46Lのねじ無し領域55に力を加え、ねじ無し領域55Aを再形成して、閉止部本体46Lの一部をシーラント78に密着させる。シーラント78Aは、ねじ付閉止部44Lとカール部28の上面32との間で圧縮されて、ねじ付閉止部44Lとカール部28との間の空間を実質的に満たす。このようにして、金属容器4Lとねじ付閉止部44Lとの間にシールが形成される。
図20Bは、本発明の例示的な一実施形態によるマンドレル110を示す。マンドレル110のサイズ、形状、および幾何形状を変化させて、ねじ付閉止部44Lのねじ無し領域55を所定の幾何形状に再形成することができ、かつ本発明の範囲および精神に適合し得ることが特に考えられる。
【0122】
図21A~
図21Bに示す別の実施形態では、装置89が、金属容器4Mおよび閉止部44Mにねじを同時に形成するように使用されるねじ付マンドレル106を含む。ねじ付マンドレル106は、所定の形状の凹凸部を持つ輪郭外面108を有して、金属容器4Mおよび閉止部44Mの両方にねじ42、60を形成する。ねじ無し閉止部44Mは、ねじ無しねじ領域24Aを有する金属容器4Mの口部12に挿入される。ねじ無し閉止部44Mは、上向きに開いた開口49を通してアクセス可能なチャンバ52を有する。
図21Aに示すように、ねじ付マンドレル106は、閉止部44Mのチャンバ52内に配置される。
【0123】
その後、装置89は、金属容器4Mのねじ領域24の外面に力を加える。力により、金属容器4Mの材料および閉止部本体46の材料を輪郭面108に対して圧縮して、ねじ42、60を形成する。一実施形態では、装置89は、
図5Aに関連して前述したように、水圧バッグ、水圧ツール、またはEM形成ツールにより、金属容器4Mおよび閉止部44Mにねじを形成する。別の実施形態では、
図21Bに示すように、装置89は、金属容器4Mの首部20のねじ領域24の外面に接触して配置されたねじローラ90を用いて、ねじ42、60を形成する。ねじ42、60を形成した後、装置89はマンドレル106を回転させ、マンドレル106を閉止部44Mのチャンバ52から緩めて取り外す。別の実施形態では、マンドレル106が潰れて、チャンバ52から取り外すことができる。さらに別の実施形態では、マンドレル106がねじ無しで、少なくとも部分的に圧縮性の材料から形成される。したがって、
図16に示すものと同様の方法で、装置89は、ねじ領域24の外面に力を加えて、マンドレル106の材料を少なくとも部分的に圧縮することにより、ねじ42、60を形成する。装置89は、力の加え方を変えて、所望のピッチの容器ねじ42、60を作ることができる。ねじが形成され、マンドレル106が口部から取り外された後に、マンドレル106は、元の非圧縮形状に戻り、別の金属容器4Mおよび閉止部44Mにねじを形成するために再利用することができる。
【0124】
金属容器4Mを、本明細書に記載のいずれかのシールによって封止することができる。例えば、一実施形態では、
図5Aに示すように、閉止部44Mと金属容器4Mのカール部28との接触によってシールを形成してもよい。別の実施形態では、
図8または
図9に示すように、閉止部44Mは、金属容器4Mに形成された環状リング22に接触するライナ80を含んでもよい。さらに別の実施形態では、
図10に示すように、閉止部44Mは、環状リング22に接触するプラグシール72Cを含むことができる。さらに別の実施形態では、
図12および
図13に示すものと同様の方法で、閉止部44Mが金属容器4Mに挿入される前または後に形成された環状リング22により、閉止部44Mに相互接続されたライナ80Eを圧縮して、ライナ80Eに封止接触する。一実施形態では、閉止部44Mは、閉止部ねじ60より下に配置されたスカートを含む。スカートは、
図30に示すスカート75と同じまたは同様であり、金属瓶4Mの内面に封止接触する。
【0125】
次に
図22を参照すると、一実施形態では、装置89は、ねじ付マンドレル106Aを金属容器4の口部12に挿入することによって、容器ねじ42を金属容器4に形成することができる。ねじ付マンドレル106Aは、金属容器4を封止し閉鎖するように意図されたねじ付閉止部44の実質的に同じ径およびねじ幾何形状を有してもよい。ねじ付マンドレル106Aが口部12に配置された後、
図5Aに関連して説明した方法によって力をねじ領域24に加えることにより、容器ねじ42が装置89によって形成される。一実施形態では、前述したように、装置89は、ねじローラ90をねじ無しねじ領域24Aの外面に押し付けることによって容器ねじ42を形成する。ねじローラ90が容器ねじ42を形成した後、ねじ付マンドレル106Aを回転させて、ねじ付マンドレルを金属容器4から緩めて取り外す。その後、ねじ付金属容器4に飲料を充填することができる。金属容器4の充填後、ねじ付閉止部44を口部12に回転可能に挿入して、金属容器4を封止することができる。
【0126】
さらに別の実施形態では、装置89は、圧縮性材料から形成された円筒形マンドレル100、100Aをねじ無し金属容器の口部12に挿入する。その後、装置89は、
図16に示す方法と同様に首部のねじ領域24をねじローラ90で圧縮することによって、ねじ42を形成することができる。装置89は、ねじローラ90の位置を変えて、所望のピッチのねじ42を作ることができる。
【0127】
次に
図23を参照すると、本発明の一実施形態では、装置89は、ねじスプリット112をさらに含む。装置89によりねじスプリット112を使用して、金属容器4Nおよび閉止部44Nにねじ42、60を同時に形成する。一実施形態では、ねじスプリット112は、垂直方向および水平方向に動くように動作可能であり、略垂直な軸に対して回転することができる。別の実施形態では、ねじスプリット112は、金属容器4Nの首部20の外周に嵌合する少なくとも2つの部品から形成される。ねじ無し閉止部44Nは、装置89によって、金属容器4Nの口部12内に配置される。その後、ねじスプリット112は、金属容器4Nの首部20の外面の近くに配置される。その後、金属容器4Nおよび閉止部44Nの材料を外方へねじスプリット112の輪郭面114に押し付けることによって、金属容器4および閉止部44Nにねじが形成される。一実施形態では、ねじローラ90Aは、閉止部44Nのチャンバ52内に配置される。ねじローラ90Aは、閉止部44Nの内面51に力を加えて、ねじ42、60を同時に形成する。あるいは、装置89は、
図5Aに関連して前述したように、水圧バッグ、液圧成形、および電磁成形の1つまたは複数を使用して、または、閉止部44Nおよび金属容器4Nの材料を外方へねじスプリット112の輪郭面114に押し付けてねじ42、60を形成するための他の手段を使用して、ねじを形成することができる。
【0128】
次に
図24A~
図24Cを参照すると、本発明の別の実施形態の閉止部44Oおよび金属容器4Oが示される。閉止部44Oは、金属容器4Oのカール部28の外面30に嵌合するように構成された、下方に突出する溝116を有する伸長部66を含む。
図24Bに示す軸方向の鋸歯状切込部87が溝116に形成される。一実施形態では、軸方向の鋸歯状切込部87は、溝116の内部で谷118に形成される。軸方向の鋸歯状切込部87は、所定量の力が溝116に加わると、壊れるか分離するように構成される。
【0129】
金属容器4Oを封止するために、
図19に関連して前述したように、シーラント78のリングまたはビードを閉止部44Oまたは金属容器4Oのカール部28の上面32に施す。その後、
図24Cに示すように、閉止部44Oは、装置89によって金属容器4Oの口部12内に配置される。溝116は、金属容器4Oのカール部28の外面30にかしめられ、または押し付けられて、閉止部44Oをさらに口部12内へ引っ張り、シーラント78Aを圧縮して、閉止部44Oと金属容器4との間にシールを作る。一実施形態では、装置89は、垂直に上下に動くことのできるツールを含む。ツールは、溝をカール部28の外面30に押し付ける。当業者が理解するように、ツールは、王冠閉止部を容器に施す際に使用するツールと同様である。別の実施形態では、ツールは、全体として、ほぼ中心に空隙を有するドーナツ形である。空隙は、閉止部44Oを少なくとも部分的に受けて、溝116に力を加えるように構成される。さらに別の実施形態では、ツールを、装置89のチャック94に相互接続してもよい。
【0130】
図5に関連して前述したように、装置89は、金属容器4Oおよび閉止部44Oに少なくとも1つの巻きを有するねじ42、60を形成する。一実施形態では、ねじローラ90は、金属容器4Oのねじ領域24を押し付けることによってねじ42、60を形成する。場合により、ねじ42、60が形成されたときに、マンドレル(図示せず)を閉止部44Oのチャンバ52内に配置してもよい。一実施形態では、マンドレルはねじ付マンドレル106である。
【0131】
動作中に、消費者が閉止部44Oを回転させて金属容器4Oを開けると、溝116がカール部28に押し付けられて、軸方向の鋸歯状切込部87を破断させ、閉止部44Oが金属容器4Oから少なくとも部分的に緩められたことを示す。溝116の谷118に軸方向の鋸歯状切込部87を形成することにより、軸方向の鋸歯状切込部87が内向きになり、溝116の切断されない山119の径方向内方になるため、消費者の指が軸方向の鋸歯状切込部87の切断縁部に接触しない。一実施形態では、溝116の切断部が、金属容器4Oの首部20の外側部分から外方へ広がる。別の実施形態では、ねじ付閉止部44Oを形成するために使用する材料とは異なるプラスチックまたは金属材料から、溝116を形成することができる。
【0132】
次に
図25~
図27を参照すると、本発明のねじ付閉止部44を、場合により、中実頂部54を持つ閉止部本体46を有して形成してもよい。中実頂部54を持つねじ付閉止部44を、
図3~
図24に関連して前述したねじ付閉止部44と区別なく使用することができる。場合により、中実頂部54を持つねじ付閉止部44は、ねじ付閉止部44を構造的に支持する内部ウェブを有してもよい。
【0133】
次に
図28を参照すると、本発明のねじ付閉止部44Sの別の実施形態が示される。ライナ80Aは、閉止部44Sの伸長部66Sの下面に相互接続される。ねじが金属容器に形成される前に、
図28に示すねじ付閉止部44Sが金属容器4Sの口部12に挿入されると、ライナ80Aが、伸長部66Sの下面70Sと金属容器4Sのカール部28の上面32との間で圧縮される。ライナ80Aの圧縮によりシールを形成して、金属容器4Sの内容物の排出、および/または金属容器4Sの内部へ、または内部からの二酸化炭素または酸素の透過を防ぐ。前述したように、ねじ42は、装置89によって金属容器4Sに形成される。
図8に関連して前述したライナ80と同じ、部分的に可撓性で実質的に不透過性の材料から、ライナ80Aを形成してもよい。一実施形態では、ライナ80Aは、二酸化炭素および/または酸素を吸収する材料から形成される。
【0134】
消費者がねじ付閉止部44Sを回転させて金属容器4Sを開けると、伸長部66Sの下面70Sおよびライナ80Aが、カール部28の上面32から離れる。ライナ80Aが上面32から離れることにより、ねじ付閉止部44Sのねじ60が金属容器4Sに形成された容器ねじとねじ係合しなくなる前に、金属容器4S内から圧力を制御して解放することができる。圧力を制御して解放することにより、ねじ付閉止部44Sが金属容器4Sから制御されずに飛び出すことを防ぐ。ねじ付閉止部44Sを、金属容器4Sの口部12に戻してねじ込むことにより、ライナ80Aを再び圧縮して金属容器4Sを再封止および/または再閉鎖することができる。
【0135】
ねじ付閉止部44Sはまた、オプションのデボス加工部61を有する頂部54を含む。場合により、頂部54は、エンボス加工部を含んでもよい。デボス加工部61およびエンボス加工部は、ねじ付閉止部44Sの剛性を高めるように構成される。一実施形態では、頂部54のデボス加工部61および/またはエンボス加工部により、頂部54が意図せず半球状に隆起することを防ぐ。
【0136】
次に
図29A、
図29Bを参照すると、本発明のねじ付閉止部44Tおよび金属瓶4Tのさらに別の実施形態が示される。ねじ付閉止部44を形成するために使用される一部の材料は、少なくともわずかに気体透過性であり、二酸化炭素および/または酸素などの気体を、閉止部本体46を通って金属容器4Tの内部へ、または内部からいくらか透過することができる。この意図しない気体の透過により、金属容器4Tの内容物が傷み、炭酸が抜け、または酸化することがある。
図29Aに示すように、気体は、金属容器4Tのカール部28の内面34間の領域120で金属容器4Tに出入りすることができる。領域120のサイズは、閉止部本体46を通る気体透過速度と、金属容器4T内に封止された製品が、どれくらいの速さで痛み、炭酸が抜け、または酸化するかに直接的に関係する。
【0137】
次に
図29Bを参照すると、気体透過の領域120のサイズを小さくするために、ねじ付閉止部44Tが金属容器4Tの口部12に挿入される前に、ねじ付閉止部44Tの頂部54の内面に気体透過バリア124が施される。気体透過バリア124により、領域120のサイズを領域122まで小さくして、金属容器4Tに封止される製品の保存期間を長くする。このようにして、ねじ付閉止部44Tを形成するために異なる材料または費用のかカール部材料を使用することなく、ねじ付閉止部44Tを通る気体の透過を遅くする、または防ぐことができる。場合により、一実施形態では、ねじ付閉止部44Tの本体46の内面51の少なくとも一部に、気体透過バリア126を施して、本体46を通る気体の透過をさらに減らすことができる。気体透過バリア126Aは、ねじ付閉止部44Tの内面51の一部を覆うことができる。場合により、気体透過バリア126Bは、ねじ付閉止部44Tの内面51の実質的にすべてを覆うことができる。二酸化炭素および/もしくは酸素の透過を少なくとも部分的に防ぐ、かつ/または二酸化炭素および/もしくは酸素を除去する材料から、気体透過バリア124、126を形成してもよい。一実施形態では、気体透過バリア124、126は、
図8に関連して前述したライナ80と同じ材料から形成される。別の実施形態では、バリア124、126は、
図15に関連して前述した気体透過バリア76と同じ材料から作られる。本明細書に記載のねじ付閉止部のすべての実施形態について、気体透過バリア124、126を金属容器に封止される製品側の面に施してもよい。一実施形態では、気体透過バリア124、126を組み合わせて、単一の気体透過バリアを形成してもよい。
【0138】
次に
図30を参照すると、本発明のねじ付閉止部44Uのさらに別の実施形態が示される。可撓性のスカート75が、閉止部本体46Uの下部に形成される。スカート75は、ねじ領域より下の金属容器4(図示せず)の口部12の内径10の所定の部分よりもわずかに大きいように構成された最大外径を有する。ねじ付閉止部44Uが口部12に挿入されると、スカート75の下部77が金属容器4の口部12の内面に接触する。スカート75は、径方向内方に偏向する。下部77は、閉止部本体46Uの外面に接触することができる。スカート75は、口部12内で圧縮される際に応力を受けて、口部12の内面と干渉嵌めを生じさせ、ねじ付閉止部44Uと金属容器4との間にシールを形成する。スカート75が可撓性であるため、口部12の内径10とスカート75の外径との公差は、他の干渉嵌めシールより大きくてもよい。スカート75を異なる径に適応させることができるからである。ねじ付閉止部44Uが口部12から取り外されると、スカート75は外方へ略初期位置まで跳ね返る。
図30ではスカート75が閉止部ねじより下に示されるが、スカート75を閉止部ねじより上に配置してもよいことを当業者は理解するであろう。一実施形態では、スカート75が閉止部本体46Uと一体形成される。別の実施形態では、スカート75は、別個に形成されて閉止部本体46Uに相互接続される。さらに別の実施形態では、ねじ付閉止部44Uが金属容器4の口部12に挿入される前または後に形成された環状リング22によって、スカート75を圧縮してもよい。一実施形態では、
図5Aおよび
図10に関連して前述したように、スカート75は非軸対称である
次に
図31A~
図31Dを参照すると、本発明の別の実施形態のねじ付閉止部44Vおよび金属容器4Vが示される。ねじ付閉止部44Vは、ねじ付閉止部本体46の外面に複数のタンパ突起81を含む。タンパ突起81は、少なくとも部分的に径方向に可撓性であるが、軸方向には可撓性でない。タンパ突起81は閉止部ねじ60より下に配置されて示されるが、タンパ突起81を閉止部ねじ60より上に配置してもよいことを当業者は理解するであろう。一実施形態では、タンパ突起81は、ねじ付閉止部本体46に相互接続される。別の実施形態では、タンパ突起81は、ねじ付閉止部本体46に一体形成される。
【0139】
金属容器4Vに製品を充填した後、
図31Aに示すように、ねじ付閉止部44Vが金属容器4Vの口部12に挿入される。タンパ突起81は、一般に非折曲げ位置または非折畳み位置81Aにある。ねじ付閉止部44Vの伸長部66の下面は、金属容器4Vのカール部28の上面32の近くに配置される。ねじ付閉止部本体46に形成されたシール72Vは、首部20の内面26に接触して、ねじ付閉止部44Vと金属容器4Vとの間にシールを作る。シール72Vは、プラグシール72、72C、72F、シール79、シーラント78を含むシール、スカート75、またはライナ80を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載のいずれかのシールを含むことができる。
図31A~
図31Dに示す一実施形態では、シール72Vが閉止部ねじ60より上に配置される。別の実施形態では、シール72Vは、シール72C、72F、スカート75、もしくはライナ80、80Eと同じまたは同様であってよく、閉止部ねじより下に配置される。
【0140】
次に
図31Bおよび
図31Cを参照すると、例えば、装置89のねじローラ90によって、容器ねじ42が金属容器4Vの首部に形成される。ピルファローラ91は、ねじ付閉止部44Vのタンパ突起81の近くに存在する金属容器4Vの首部20の一部に環状リング22を形成する。環状リング22の近くに存在する首部20の内面26がタンパ突起81に接触し、タンパ突起81は少なくとも部分的な折曲げ位置または折畳み位置81Bへ動く。ピルファローラ91は、金属容器4Vの首部20の外周に沿って継続し、環状リング22が形成されるとタンパ突起81のすべてが折畳み位置81Bへ動く。
図31Aおよび
図31Bで、ねじ付閉止部44Vは予備成形されたねじ60を有して示されるが、タンパ突起81がねじ無し閉止部本体を有する閉止部に含まれていてもよいことを当業者は理解するであろう。
図21および
図23に関連して前述したように、ねじ無し閉止部がねじ無し金属容器4Vの口部12に挿入された後、ねじ42、60を金属容器4Vおよび閉止部44Vに同時に形成することができる。
【0141】
次に
図31Dを参照し、ねじ付閉止部44Vが金属容器4Vから少なくとも部分的に取り外されると、タンパ突起81が環状リング22を過ぎて軸方向上方へ動き、実質的な非折畳み位置81Aへ戻る。タンパ突起81の外径は容器ねじ42の内径よりも小さいため、ねじ付閉止部44Vを金属容器4Vから完全に取り外すことができる。ねじ付閉止部44Vを使用して、金属容器4Vを再閉鎖および/または再封止することができる。しかしながら、折り畳まれていないタンパ突起81Aが環状リング22の内面26に接触してねじ付閉止部44Vの下方への動きを防ぐため、ねじ付閉止部44Vは、
図31Bに示す位置まで金属容器4Vの口部12内へ完全に回転することができない。したがって、ねじ付閉止部44Vの伸長部66の下面は、金属容器4Vのカール部28の上面32よりも少なくともわずかに上に突出する。伸長部66の下面がカール部28の上面32から離れることにより、ねじ付閉止部44Vが容器ねじ42から少なくとも部分的に緩められたことを示すタンパインジケータ82Vを形成する。
【0142】
次に
図32A、
図32Bを参照すると、本発明のねじ付閉止部44Wおよび金属容器4Wのさらに別の実施形態が示される。ねじ付閉止部本体46の外面は、少なくとも部分的に可撓性のタンパスカート85を含む。タンパスカート85は、単一の要素であっても、いくつかの個々の部品から形成されてもよい。タンパスカート85を、ねじ付閉止部本体46に相互接続しても、ねじ付閉止部本体46に一体形成してもよい。
図32A、
図32Bでは、タンパスカート85が閉止部ねじ60より下に配置されて示されるが、タンパスカート85を閉止部ねじ60より上に配置してもよいことを当業者は理解するであろう。
【0143】
図32Aに示すように、ねじ付閉止部44Wは、装置89によって金属容器4Wの口部12に挿入される。図示したように、タンパスカート85は、非折曲げ位置または非折畳み位置85Aにある。ねじ付閉止部44Wの伸長部66の下面は、金属容器4Wのカール部28の上面32の近くに存在する。金属容器4Wの首部20の内面26とねじ付閉止部本体46に形成されたシール72Wとの接触によって、ねじ付閉止部44Wと金属容器4Wとの間にシールを作る。シール72Wは、プラグシール72、72C、72F、シール79、シーラント78を含むシール、スカート75、またはライナ80を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載のいずれかのシールを含むことができる。
図32A、
図32Bに示す一実施形態では、シール72Wが閉止部ねじ60より上に配置される。別の実施形態では、シール72Wは、シール72C、72F、スカート75、もしくはライナ80、80Eと同じまたは同様であってよく、閉止部ねじより下に配置される。
【0144】
装置89のピルファローラ91は、ねじ付閉止部44Wのタンパスカート85の近くに存在する金属容器4Wの首部20の一部に環状リング22を形成する。
図32Aでは、環状リング22が部分的にのみ形成されて示される。環状リング22の近くに配置された首部20の内面26は、タンパスカート85に接触して力を加え、タンパスカート85は径方向内方へ、少なくとも部分的な折曲げ位置または折畳み位置85Bまで動く。ピルファローラ91が金属容器4Wの外側に沿って動いて環状リング22を形成すると、タンパスカート全体が折畳み位置85Bへ動く。装置89はまた、容器ねじ42を金属容器4Wに形成する。一実施形態では、容器ねじ42は、ねじローラ90を用いて形成される。別の実施形態では、タンパスカート85を有するねじ無し閉止部が、ねじ無し金属容器4Wの口部12に挿入される。その後、
図21および
図23に関連して前述したように、装置は、容器ねじ42および閉止部ねじ60を同時に形成する。
【0145】
次に
図32Bを参照し、ねじ付閉止部44Wを回転させて金属容器4Wを開けると、タンパスカート85が環状リング22より上へ軸方向上方に動く。タンパスカート85の自由端が環状リング22より上へ動くと、タンパスカート85は径方向外方へ動いて、実質的な非折畳み位置85Aへ戻る。タンパスカート85の外径は容器ねじ42の内径よりも小さく、ねじ付閉止部44Wを金属容器4Wから完全に取り外すことができる。しかしながら、ねじ付閉止部44Wを金属容器の口部12に再挿入すると、シール72Wは金属容器4Wを再封止するように動作可能である。シール72Wが金属容器4Wの内面26に封止接触した後に消費者が引き続きねじ付閉止部44Wを金属容器4W内へ回転させると、タンパスカート85の自由端が環状リング22の内面26に接触して、ねじ付閉止部44Wがさらに下方へ動くことを防ぎ、これによりシールが損なわれたことを消費者に示す可視標識を形成する。タンパインジケータ82Wを形成する間隙が、ねじ付閉止部44Wの伸長部66の下面と金属容器4Wのカール部28の上面32との間に残る。タンパインジケータ82Wは、ねじ付閉止部44Wが金属容器4Wから少なくとも部分的に取り外されたことを視覚的に識別する。
【0146】
次に
図33A~
図33Cを参照すると、本発明のさらに別の実施形態のねじ付閉止部44Xおよび金属容器4Xが示される。ねじ付閉止部44Xは、ねじ付閉止部本体46の外面から突出するいくつかの一方向伸長部73を含む。容器ねじ42が金属容器4Xに形成される前に、ねじ付閉止部44Xが金属容器4Xに軸方向に挿入される。金属容器4Xは不連続環状リング22Xを含む。ねじ付閉止部44Xが金属容器の口部12に挿入される前に、環状リング22Xを予備成形することができる。場合により、本発明の一実施形態では、ねじ付閉止部44Xが口部12に挿入された後に、不連続環状リング22Xを形成してもよい。伸長部73は、ねじ付閉止部44Xの直接的な垂直方向(または軸方向)の動きに応じて、径方向内方に可撓性であるように構成される。
【0147】
次に
図33Bを参照すると、容器ねじ42が形成された後、ねじ付閉止部44Xを回転させて、ねじ付閉止部44Xを金属容器4Xの口部12から取り外さなければならない。伸長部73は、ねじ付閉止部44Xを開放方向128へ回転させたときに、径方向内方へ折り曲がるかまたは屈曲するように方向付けされる。消費者が金属容器4Xを再閉鎖および/または再封止すると、ねじ付閉止部44Xは反対の閉鎖方向130へ回転する。金属容器4Xとねじ付閉止部44Xとの間にシール72Xが再び確立された後、消費者が引き続きねじ付閉止部44Xを閉鎖方向130へ回転させた場合、伸長部73は不連続環状リング22Xの内面26に接触する。伸長部73は、ラチェットと同様に、径方向外方への折曲げまたは屈曲を防ぐように方向付けされる。したがって、伸長部73は、ロックからなり、閉鎖方向130へのねじ付閉止部44Xのさらなる回転を防ぐ。
図33Cに示すように、ねじ付閉止部44Xの伸長部66の下面と金属容器4Xのカール部28の上面32との間に間隙が残る。間隙は、ねじ付閉止部44Xが金属容器4Xから少なくとも部分的に取り外されたか、または緩められたことを視覚的に示すタンパインジケータ82Xを形成する。
【0148】
一方向伸長部73を、閉止部ねじ60より軸方向に上に配置しても、軸方向に下に配置してもよい。任意の数の伸長部73および不連続環状リング22Xのセグメントを予め定められた通りに設けて、金属容器が再封止された後にねじ付閉止部44Xが閉鎖方向130へ回転することを防ぐ。一実施形態では、伸長部73は、ねじ付閉止部本体46に相互接続される。別の実施形態では、伸長部73は、ねじ付閉止部本体46に一体形成される。
図33Aでは、ねじ付閉止部44Xが予備成形されたねじ60を有して示されるが、伸長部73がねじ無し閉止部本体を有する閉止部に含まれてもよいことを当業者は理解するであろう。
図21および
図23に関連して前述したように、ねじ無し閉止部がねじ無し金属容器の口部に挿入された後、ねじ42、60を金属容器4Xおよび閉止部44Xに同時に形成することができる。時計方向の開放方向128を可能にするが、反時計方向の開放方向130を防ぐように、伸長部73を構成してもよいことを当業者は理解するであろう。
【0149】
本発明の様々な態様および実施形態を金属容器について説明したが、本発明は金属容器と共に使用することに限定されず、任意の材料から形成され、任意の所望のサイズまたは形状を有する容器と共に実施可能である。例えば、伸長部73、タンパ突起81、およびタンパスカート85を、プラスチック、ガラス、紙、または金属から形成された容器と共に使用してもよい。さらに、本発明の装置89を使用して、プラスチック、ガラス、紙、または金属、およびこれらの組合せを含むがこれらに限定されない任意の材料から形成された容器にねじまたは環状リングを形成してもよい。
【0150】
本発明は、先行技術の瓶および閉止部と比べて多くの利点を有する。本発明の金属容器4およびねじ付閉止部44は、外ねじを有する瓶または他の容器より安価に製造できる。本発明のねじ付閉止部44は、金属容器の外ねじに係合する閉止部よりも、圧力によって生じる噴出および漏れに対する抵抗が大きい。したがって、本発明の閉止部44によって封止された金属容器4は、公知の金属容器および容器の外ねじに係合する閉止部によって可能なものよりも、所与の内圧に対して大きい首部径10を有することができる。径の大きい首部ほど、製品の供給速度が速くなり、ゴボゴボと音を立てることなく容器から製品をより適切に注ぐことができるため、消費者にとってより楽しい経験となる。本発明のねじ付閉止部はねじチャネルを有し、閉止部ねじが容器ねじに係合したまま金属容器内から圧力を解放して、圧力によって生じる閉止部の噴出を防ぐことができる。加えて、消費者はねじ付閉止部44を使用して金属容器4を再閉鎖および/または再封止し、傷んだりこぼれたりすることによって失われる製品の量を少なくすることができる。また、本発明の金属容器4は、ガラス瓶よりも軽量で耐久性が高い。最後に、本発明のねじ付閉止部44により、封止可能であって、オプションの内容物を収納するために使用可能である新規な内部チャンバ52が提供される。一実施形態では、内部チャンバ52を使用して、製品を金属容器4内に収納することができる。
【0151】
本発明の記述は例示および説明のために示されたものであり、網羅的な、本発明を開示された形に限定するものではない。多くの修正および変形形態が、当業者に明らかであろう。記述し図示した実施形態は、本発明の原理、実際の適用を最もよく説明するため、および当業者が本発明を理解できるようにするために選択され記述されたものである。
【0152】
本発明の様々な実施形態について詳細に説明したが、当業者がこれらの実施形態の修正および変更に想到することは明らかである。さらに、本明細書における「本発明」またはその態様への言及は、本発明のある実施形態を意味するものと理解すべきであり、必ずしもすべての実施形態を特定の説明に限定するものと解釈すべきではない。以下の特許請求の範囲に記載するように、そのような修正および変更は本発明の範囲および精神に含まれることを特に理解されたい。
【符号の説明】
【0153】
4 金属容器
6 底部のドーム部
8 側壁
10 首部内径
12 口部
16 外径
20 首部
22 環状リング
24 ねじ領域
26 首部の内面
28 カール部
30 カール部外面
32 カール部上面
34 カール部内面
36 直線トリム部
38 フランジ
40 硬化ビード
41 容器ねじの下面
42 容器ねじ
43 閉止部ねじの上面
44 閉止部
45 閉止部ねじの下面
46 閉止部本体
47 ねじの山
48 ねじの谷
49 開口
51 内面
52 チャンバ
53 カバー
54 頂部
55 ねじ無し領域
56 閉止部深さ
57 底部
58 ねじの外径
59 ねじの内径
60 閉止部ねじ
61 デボス加工部
62 補強バンド
64 ラグねじ
66 伸長部
68 外側シール
70 頂部シール
72 プラグシール
73 一方向伸長部
74 気体バリア
75 スカート
76 気体バリア
77 スカートの下部
78 シーラント
79 シール
80 ライナ
81 タンパ突起
82 タンパインジケータ
83 タンパインジケータの上面
84 可撓性伸長部
85 タンパスカート
86 鋸歯状バンド
87 軸方向の鋸歯状切込部
88 凹部
89 装置
90 ねじローラ
91 ピルファローラ
92 垂直軸
93 押圧ブロック
94 チャック
95 把持機能
96 チャネル
97 開口
98 洗浄液
99 容器の内容物
100 円筒形マンドレル
102 外面
104 マンドレル区画
106 ねじ付マンドレル
108 マンドレルの輪郭面
110 マンドレル
112 ねじスプリット
114 ねじスプリットの輪郭面
116 溝
118 谷
119 山
120 気体透過領域
122 気体透過領域
124 気体バリア
126 気体バリア
128 開放方向
130 閉鎖方向