(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048449
(43)【公開日】2022-03-28
(54)【発明の名称】室内除菌システム
(51)【国際特許分類】
A61L 9/015 20060101AFI20220318BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20220318BHJP
F24F 7/007 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
A61L9/015
A61L9/20
F24F7/007 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020154273
(22)【出願日】2020-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】518142281
【氏名又は名称】南 孝司
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】南 孝司
【テーマコード(参考)】
3L056
4C180
【Fターム(参考)】
3L056BG09
4C180AA07
4C180CA01
4C180CA10
4C180CB01
4C180DD03
4C180EA16X
4C180EA17X
4C180EA52Y
4C180EA54X
4C180EB06Y
4C180HH05
4C180HH17
4C180LL06
(57)【要約】
【課題】簡単容易に素早く室内を除菌・有機物分解し、早期に人が室内に入出可能な状態にすることができる室内除菌システムを提供する。
【解決手段】室内に設けられると共に、点灯することによりオゾンを発生させる第1ランプ21と、
室内に設けられると共に、点灯することにより紫外線を照射する第2ランプ22と、
第1ランプ21及び/又は第2ランプ22の点灯/消灯を制御する制御装置4と、を有し、
制御装置4は、
第1ランプ21及び第2ランプ22が同時に点灯するように制御し、所定時間経過すると、第2ランプ22の点灯を継続させる一方で、第1ランプ21を消灯させるように制御してなる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内に設けられると共に、点灯することによりオゾンを発生させる第1ランプと、
室内に設けられると共に、点灯することにより紫外線を照射する第2ランプと、
前記第1ランプ及び/又は前記第2ランプの点灯/消灯を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記第1ランプ及び前記第2ランプが同時に点灯するように制御し、所定時間経過すると、前記第2ランプの点灯を継続させる一方で、前記第1ランプを消灯させるように制御してなる室内除菌システム。
【請求項2】
前記所定時間は、前記室内のオゾン濃度が所定濃度に達するまでの時間である請求項1に記載の室内除菌システム。
【請求項3】
前記第1ランプ及び前記第2ランプは、筒体内に設置されてなる請求項1又は2に記載の室内除菌システム。
【請求項4】
前記室内には、該室内全体の空気を攪拌可能な外部送風機が設置されてなる請求項1~3の何れか1項に記載の室内除菌システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライブハウス、飲食店、カラオケ店などの室内を簡単容易に素早く除菌・有機物分解し、早期に人が室内に入出可能な状態にすることができる室内除菌システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の室内除菌システムとして、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1に記載の発明は、住宅室内の天井および/または壁面の少なくとも一部分に可視光型光触媒が塗布されてなる光触媒塗布面と、この光触媒塗布面の近傍に設けられた光源と、この光源からの光を光触媒塗布面に向けて反射する反射部材と、光触媒塗布面の少なくとも一ヶ所に形成された排気口とを備えたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような技術は、大掛かりで複雑であるため費用がかかるばかりか、室内を完全に除菌するのに膨大な時間を要するという問題があった。それゆえ、顧客の入れ替えが発生するライブハウス、飲食店、カラオケ店などの室内を簡単容易に素早く除菌し、接触感染を防止すると共に、早期に人が室内に入出可能な状態にするには不向きであるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、簡単容易に素早く室内を除菌・有機物分解し、早期に人が室内に入出可能な状態にすることができる室内除菌システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
請求項1の発明によれば、室内(H)に設けられると共に、点灯することによりオゾンを発生させる第1ランプ(21)と、
室内(H)に設けられると共に、点灯することにより紫外線を照射する第2ランプ(22)と、
前記第1ランプ(21)及び/又は前記第2ランプ(22)の点灯/消灯を制御する制御手段(制御装置4)と、を有し、
前記制御手段(制御装置4)は、
前記第1ランプ(21)及び前記第2ランプ(22)が同時に点灯するように制御し、所定時間経過すると、前記第2ランプ(22)の点灯を継続させる一方で、前記第1ランプ(21)を消灯させるように制御してなることを特徴としている。
【0008】
また、請求項2の発明によれば、上記請求項1に記載の室内除菌システムにおいて、前記所定時間は、前記室内(H)のオゾン濃度が所定濃度に達するまでの時間であることを特徴としている。
【0009】
さらに、請求項3の発明によれば、上記請求項1又は2に記載の室内除菌システムにおいて、前記第1ランプ(21)及び前記第2ランプ(22)は、筒体(20)内に設置されてなることを特徴としている。
【0010】
またさらに、請求項4の発明によれば、上記請求項1~3の何れか1項に記載の室内除菌システムにおいて、前記室内(H)には、該室内(H)全体の空気を攪拌可能な外部送風機(家庭用扇風機5)が設置されてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
請求項1の発明によれば、第1ランプ(21)及び第2ランプ(22)を室内(H)に設け、制御手段(制御装置4)にて、第1ランプ(21)及び第2ランプ(22)が同時に点灯するように制御し、室内(H)に、オゾン(O3)と活性酸素種を拡散させる。これにより、室内(H)を素早く除菌・有機物分解することが可能となる。そして、所定時間経過後、制御手段(制御装置4)にて、第1ランプ(21)を消灯するように制御し、第2ランプ(22)の点灯をそのまま継続するように制御し、室内(H)の除菌と有機物分解を継続し、室内(H)のオゾン(O3)の分解を促進する。これにより、早期に人が室内(H)に入出可能な状態にすることができる。
【0013】
しかして、本発明によれば、第1ランプ(21)及び第2ランプ(22)を室内(H)に設け、制御手段(制御装置4)にて、第1ランプ(21)及び第2ランプ(22)の点灯/消灯を制御するだけで良いから、簡単容易に素早く室内(H)を除菌・有機物分解し、早期に人が室内(H)に入出可能な状態にすることができる。
【0014】
また、請求項2の発明によれば、前記所定時間は、室内(H)のオゾン濃度が所定濃度に達するまでの時間であるから、室内(H)を確実に除菌・有機物分解することが可能となる。
【0015】
さらに、請求項3の発明によれば、第1ランプ(21)及び第2ランプ(22)は、筒体(20)内に設置されているから、紫外線が室内(H)に照射されないことに加え、拡散したオゾン(O3)を短時間で分解することが可能となる。これにより、建屋及び室内の備品等が劣化してしまう可能性を低減させることができる。
【0016】
またさらに、請求項4の発明によれば、外部送風機(家庭用扇風機5)を室内(H)に設置し、その外部送風機(家庭用扇風機5)にて、室内(H)全体の空気を循環させている。これにより、小型のファンに比べ室内(H)内の空気の撹拌能力を高めることができ、もって、室内(H)の空気撹拌効率を向上させることができる。さらに、室内(H)の除菌・有機物分解効率が向上することによって、オゾン(O3)の光促進酸化反応、及び、室内(H)のオゾン(O3)の分解を促進させることができる。これにより、より簡単容易に素早く室内(H)を除菌・有機物分解し、早期に人が室内(H)に入出可能な状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る室内除菌システムを室内に設置した状態を示す概略構成図である。
【
図2】同実施形態に係るランプ載置台にランプ設置部及び制御装置が設置されている状態を示し、(a)は一部横断面を示す平面図、(b)は一部横断面を示す正面図、(c)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る室内除菌システムの一実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0019】
図1に示すように、室内除菌システム1は、ライブハウス、飲食店、カラオケ店などの室内Hに設置されるもので、ランプ設置部2と、ランプ設置部2を載置可能なランプ載置台3と、制御装置4と、で主に構成されている。以下、各構成について詳しく説明することとする。
【0020】
ランプ設置部2は、
図2に示すように、円筒状の筒体20と、筒体20内に設置されている第1ランプ21と、筒体20内に設置されている第2ランプ22と、で構成されている。筒体20は、
図2(a),(b)に示すように右側面20a、左側面20bが開放され、内部に空間Sを形成している円筒状からなり、直径200mmのステンレス等で形成されているものである。
【0021】
一方、第1ランプ21は、長尺の円柱形状に形成され、オゾン(O3)を発生させるものである。より具体的に説明すると、この第1ランプ21は、185/254nmのUV波長を有する低圧水銀ランプである。そして、この第1ランプ21より、185nmの波長の紫外線が照射すると、筒体20内の空気中の酸素がオゾン化することとなる。これにより、オゾン(O3)が発生することとなる。
【0022】
また、第2ランプ22は、長尺の円柱形状に形成され、紫外線を照射するものである。より具体的に説明すると、この第2ランプ22は、254nmのUV波長を有する低圧水銀ランプである。しかして、254nmの波長の紫外線を照射すると、第1ランプ21により発生したオゾン(O
3)を光促進酸化し、酸素ラジカル(O・)、ヒドロキシラジカル(OH・)等のオゾン(O
3)よりも酸化力の高い物質である活性酸素種を発生させることができる。これにより、室内H(
図1参照)の除菌と有機物分解が行われることとなる。なお、この活性酸素種は、反応後、無害な酸素となる。それゆえ、室内Hのオゾン(O
3)が分解することとなる。
【0023】
ところで、上記のような第1ランプ21及び第2ランプ22を、
図2に示すように、筒体20の空間S内に設置するにあたっては、以下のように設置されることとなる。
【0024】
すなわち、
図2に示すように、筒体20内には、
図2(c)に示すように、側面視T型の支持板23が、筒体20の右側面20a側、左側面20b側にそれぞれ設けられている。そして、
図2(b),(c)に示すように、この支持板23の下面23aは、筒体20の下面20cに取り付け固定されている。そしてさらに、支持板23の上面23bには、
図2(a)に示すように、所定間隔を開けて、平面視矩形状の一対の固定具24が取り付け固定されている。しかして、
図2(a)に示すように、この固定具24に、第1ランプ21の左右端部、第2ランプ22の左右端部が取り付け固定されることにより、第1ランプ21及び第2ランプ22が筒体20の空間S内に設置できることとなる。
【0025】
ランプ載置台3は、
図2(b)に示すように、正面視矩形状の上板30と、上板30より下方向に離間した位置に設けられている正面視矩形状の下板31と、を有している。そして、
図2に示すように、この上板30と下板31の左右側面側には、上板30と下板31とを連結する棒状の連結部32がそれぞれ取り付け固定されている(
図2(a)に示すように、4個)。さらに、
図2(b),(c)に示すように、下板31の下面31aの左右側面側にはキャスタ33がそれぞれ取り付け固定されている。そしてさらに、
図2(a)に示すように、上板30の左側面30a側に位置する連結部32の上部側(
図2(b),(c)参照)には、平面視コ字状の取手部34が取り付け固定されている。
【0026】
かくして、このように構成されるランプ載置台3の上板30の上面30bには、
図2(b),(c)に示すように、図示しないビス等によって、筒体20が取り付け固定されている。これにより、ランプ載置台3の上板30の上面30bにランプ設置部2が載置固定されることとなる。また、ランプ載置台3の下板31の上面31bには、制御装置4が載置固定されている。これにより、ランプ載置台3の取手部34を掴んだ使用者が、ランプ載置台3を移動させると、所望の位置に、ランプ設置部2及び制御装置4を移動させることができることとなる。
【0027】
制御装置4は、第1ランプ21及び第2ランプ22を制御するものである。具体的には、まず、制御装置4は、第1ランプ21及び第2ランプ22を同時に点灯するように制御する。これにより、第1ランプ21より、185nmの波長の紫外線が照射し、筒体20内の空気中の酸素がオゾン化することとなり、もって、オゾン(O
3)が発生することとなる。さらに、第2ランプ22より、254nmの波長の紫外線が照射し、第1ランプ21により発生したオゾン(O
3)が分解し、もって、酸素ラジカル(O・)、ヒドロキシラジカル(OH・)等のオゾン(O
3)よりも酸化力の高い物質である活性酸素種が発生することとなる。それゆえ、
図1に示すように、室内Hには、オゾン(O
3)と活性酸素種が拡散されることとなり、もって、室内Hを素早く除菌・有機物分解することが可能となる。
【0028】
次いで、制御装置4は、所定時間、第1ランプ21及び第2ランプ22を点灯させた後、第1ランプ21を消灯するように制御する一方、第2ランプ22の点灯をそのまま継続するように制御する。これにより、室内H内に残存しているオゾン(O
3)を分解させ、活性酸素種を発生させる。しかして、発生した活性酸素種は、室内Hの除菌や有機物を分解し、反応後、無害な酸素(
図1参照)となり、もって、室内Hのオゾン(O
3)が分解することとなる。それゆえ、室内Hのオゾン(O
3)の分解が促進され、もって、早期に人が室内Hに入出可能な状態にすることができる。
【0029】
ところで、第1ランプ21及び第2ランプ22を点灯させた後、第1ランプ21を消灯するように制御するまでの所定時間は、室内Hのオゾン濃度が所定濃度(例えば、0.5ppm)に達するまでの時間である。これは、予め実験により、室内Hのオゾン濃度が所定濃度(例えば、0.5ppm)に達するまでの時間を計測し、決定しておくものである。これにより、室内Hを確実に除菌・有機物分解することが可能となる。
【0030】
しかして、以上説明した本実施形態によれば、第1ランプ21及び第2ランプ22を室内Hに設置し、制御装置4にて、第1ランプ21及び第2ランプ22が同時に点灯するように制御し、室内Hに、オゾン(O3)と活性酸素種を拡散させる。これにより、室内Hを素早く除菌・有機物分解することが可能となる。そして、所定時間経過後、制御装置4にて、第1ランプ21を消灯するように制御する一方、第2ランプ22の点灯をそのまま継続するように制御し、室内Hの除菌や有機物分解を促進し、室内Hのオゾン(O3)の分解を促進する。これにより、早期に人が室内Hに入出可能な状態にすることができる。
【0031】
しかして、本実施形態によれば、第1ランプ21及び第2ランプ22を室内Hに設置し、制御装置4にて、第1ランプ21及び第2ランプ22の点灯/消灯を制御するだけで良いから、簡単容易に素早く室内Hを除菌・有機物分解し、早期に人が室内Hに入出可能な状態にすることができる。
【0032】
また、本実施形態によれば、第1ランプ21及び第2ランプ22を2本同時に点灯しているため、従来装置に比べ除菌・有機物分解効果が高くなる。
【0033】
さらに、本実施形態によれば、室内Hのオゾン(O3)の分解を促進させているから、オゾン(O3)の分解が遅れることにより発生する建屋、及び、室内の備品等の劣化を低減させることができる。
【0034】
ところで、
図1に示すように、室内Hには、家庭用扇風機5が設置されている。この家庭用扇風機5は、従来周知の構造のもので、室内H全体の空気を循環させるものである。すなわち、制御装置4にて、第1ランプ21、第2ランプ22の少なくとも何れか一方が点灯している際、家庭用扇風機5を稼働させ、室内H全体の空気を循環させておけば、オゾン(O
3)の分解が促進され、さらに、室内Hのオゾン(O
3)の分解を促進させることができる。これにより、より簡単容易に素早く室内Hを除菌・有機物分解し、早期に人が室内Hに入出可能な状態にすることができる。
【0035】
なお、本実施形態にて例示した内容は、あくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。
【0036】
例えば、本実施形態においては、第1ランプ21及び第2ランプ22を点灯させた後、第1ランプ21を消灯するように制御するまでの所定時間を予め決定する例を示したが、それに限らず、オゾン濃度センサを用いて室内Hのオゾン濃度が所定濃度(例えば、0.5ppm)に達したら、第1ランプ21を消灯し、第2ランプ22の点灯を継続するようにしても良い。
【0037】
また、本実施形態においては、第1ランプ21及び第2ランプ22を2本用いる例を示したが、第1ランプ21及び第2ランプ22としてそれ以上のランプがあっても良い。複数本用いれば、それだけ除菌・有機物分解効果は向上することとなる。
【0038】
さらに、本実施形態においては、筒体20内に第1ランプ21及び第2ランプ22を設置する例を示したが、それに限らず、第1ランプ21及び第2ランプ22を筒体20内に設置せず、外部に露呈した状態にしても良い。しかしながら、第1ランプ21及び第2ランプ22を外部に露呈した状態で照射すると建屋及び室内の備品等が劣化する可能性があるため、第1ランプ21及び第2ランプ22は、筒体20内に設置した方が好ましい。
【0039】
ところで、本実施形態において、筒体20は、建屋及び室内の備品等の劣化、紫外線照射範囲、第1ランプ21及び第2ランプ22近傍の風量、並びに、温度に依存するオゾン発生効率、除菌・有機物分解効率等の最適条件を考慮し、200mmのステンレス製としているが、この材質および大きさに限りはない。また、筒体20の形状は、四角形状等、どのような形状でも良い。なお、建屋及び室内の備品等の劣化を考慮しないのであれば、筒体20等の紫外線の遮蔽物が無い場合の方が紫外線照射範囲、第1ランプ21及び第2ランプ22近傍の風量、並びに、温度に依存するオゾン発生効率、除菌・有機物分解効率等の処理条件は良く、除菌・有機物分解効果は向上することとなる。
【0040】
一方、本実施形態においては、室内Hに、家庭用扇風機5を設置する例を示したが、それに限らず、筒体20にファンを取り付けるようにしても良い。しかしながら、筒体20にファンを取り付けてしまうと、筒体20付近の空気が循環されるだけで、室内H全体の空気を循環させるのに非常に時間がかかってしまうという問題がある。また、室内H全体の空気を循環させるべく、ファンを大型化し、筒体20に取り付けることも考えられるが、そうしてしまうと、大型化したファンの風量により、第1ランプ21及び第2ランプ22が、過度に冷却されることとなり、もって、短寿命化する可能性がある。そのため、室内Hに、家庭用扇風機5を設置した方が好ましい。なお、家庭用扇風機5に限らず、室内H全体の空気を攪拌可能な外部送風機であれば、どのような種類のものでも良い。
【0041】
また、本実施形態においては、ランプ載置台3を用いて、所望の位置に、ランプ設置部2及び制御装置4を移動させる例を示したが、それに限らず、室内Hにランプ設置部2及び制御装置4を設置固定するようにしても良い。しかしながら、ランプ載置台3を用いて、所望の位置に、ランプ設置部2及び制御装置4を移動させた方が各部屋にランプ設置部2及び制御装置4を設置する必要がないため、ライブハウス、飲食店、カラオケ店などの店舗が導入し易いという利点がある。なお、室内Hにランプ設置部2及び制御装置4を設置固定するにあたっては、例えば、ランプ設置部2を室内Hの天井に取り付け、室内Hの床に制御装置4を設置固定すれば良い。
【0042】
他方、さらに除菌・有機物分解能力を向上させるため、加湿器を室内Hに設置しても良い。加湿器を上記説明した室内除菌システム1と併用し、室内Hの湿度を上昇させたうえで、室内除菌システム1を使用すると光促進酸化反応による活性酸素種の発生効率が向上することとなり、もって、除菌・有機物分解力が向上することとなる。なお、室内Hの湿度を上昇できるのであれば、加湿器に限定されず、どのようなものを用いても良い。
【0043】
また、さらに除菌・有機物分解能力を向上させるため、除菌対象の室内Hへアルコール剤の噴霧を行ったうえで、上記説明した室内除菌システム1を使用しても良い。このようにすれば、アルコール剤と光促進酸化反応による相乗効果により除菌・有機物分解力が向上することとなる。なお、アルコール剤の成分としては、エタノール等の種類やその含有量に限りはない。
【符号の説明】
【0044】
1 室内除菌システム
2 ランプ設置部
20 筒体
21 第1ランプ
22 第2ランプ
3 ランプ載置台
4 制御装置(制御手段)
5 家庭用扇風機(外部送風機)
H 室内