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  • 特開-ウォータージェット加工装置 図1
  • 特開-ウォータージェット加工装置 図2
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  • 特開-ウォータージェット加工装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048499
(43)【公開日】2022-03-28
(54)【発明の名称】ウォータージェット加工装置
(51)【国際特許分類】
   B26F 3/00 20060101AFI20220318BHJP
   B25J 9/22 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
B26F3/00 M
B25J9/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020154351
(22)【出願日】2020-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】396018726
【氏名又は名称】株式会社ROSECC
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】矢本 洋一
【テーマコード(参考)】
3C060
3C707
【Fターム(参考)】
3C060CE08
3C707AS12
3C707BS10
3C707LS08
(57)【要約】
【課題】ウォータジェット噴射ノズル部を固定支持している多関節ロボットが、ウォータジェット噴射ノズル部を駆動して所定の加工動作を行うウォータージェット加工装置において、省人化、作業効率の改善を図ることのできるウォータージェット加工装置を提案する。
【解決手段】3次元CADデータを基に、種々のワークそれぞれの形状、構造に対応するウォータジェット噴射ノズル部の位置、姿勢となるNL(Nozzle Location)を3次元CAMにより算出するNLデータ算出処理部と、前記NLデータを機械座標系に変換し、前記多関節ロボットの動作を制御するロボット言語プログラムに翻訳するロボット言語プログラム作成処理部と、前記ロボット言語プログラムに基づいて多関節ロボットの動作を制御するロボット制御部とを備えているウォータージェット加工装置。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォータジェット噴射ノズル部を固定支持している多関節ロボットが、ウォータジェット噴射ノズル部を駆動して所定の加工動作を行うウォータージェット加工装置であって、
3次元CADデータを基に、種々のワークそれぞれの形状、構造に対応するウォータジェット噴射ノズル部の位置、姿勢となるNL(Nozzle Location)を3次元CAMにより算出するNLデータ算出処理部と、
前記NLデータを機械座標系に変換し、前記多関節ロボットの動作を制御するロボット言語プログラムに翻訳するロボット言語プログラム作成処理部と、
前記ロボット言語プログラムに基づいて前記多関節ロボットの動作を制御するロボット制御部と
を備えているウォータージェット加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はウォータージェット加工装置に関し、特に、ウォータジェット噴射ノズル部を固定支持している多関節ロボットが、ウォータジェット噴射ノズル部を駆動して所定の加工動作を行うウォータージェット加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ウォータジェット噴射ノズル部を固定支持している多関節ロボットが、ウォータジェット噴射ノズル部を駆動して所定の加工動作を行うウォータージェット加工装置に関しては従来から種々の提案が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、入力された切断プログラムに基づいてコンピュータの演算処理部が切断形状、当該切断形状に適切な切断速度を演算し、ウォータジェット切断を行うことが記載されている。この中の一実施形態として、ウォータジェット噴射ノズル部を固定支持している多関節ロボットが、ウォータジェット噴射ノズル部を駆動して前記加工動作を行うことが可能であるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-178143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、多関節ロボットは、現場においてオフラインでのティーチングにより位置決め座標値を教示することが一般的であった。このため、ウォータジェット噴射ノズル部を固定支持している多関節ロボットが、ウォータジェット噴射ノズル部を駆動して所定の加工動作を行うウォータージェット加工装置においても、現場において、種々の加工対象物(以下、本明細書において「ワーク」という)それぞれの形状、構造に対応させた、ウォータジェット噴射ノズル部の位置、姿勢を、オフラインティーチングで設定する必要があった。
【0006】
この発明は、ウォータジェット噴射ノズル部を固定支持している多関節ロボットが、ウォータジェット噴射ノズル部を駆動して所定の加工動作を行うウォータージェット加工装置において、省人化、作業効率の改善を図ることのできるウォータージェット加工装置を提案することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ウォータジェット噴射ノズル部を固定支持している多関節ロボットが、ウォータジェット噴射ノズル部を駆動して所定の加工動作を行うウォータージェット加工装置であって、
3次元CADデータを基に、種々のワークそれぞれの形状、構造に対応するウォータジェット噴射ノズル部の位置、姿勢となるNL(Nozzle Location)を3次元CAMにより算出するNLデータ算出処理部と、
前記NLデータを機械座標系に変換し、前記多関節ロボットの動作を制御するロボット言語プログラムに翻訳するロボット言語プログラム作成処理部と、
前記ロボット言語プログラムに基づいて前記多関節ロボットの動作を制御するロボット制御部と
を備えているウォータージェット加工装置。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、ウォータジェット噴射ノズル部を固定支持している多関節ロボットが、ウォータジェット噴射ノズル部を駆動して所定の加工動作を行うウォータージェット加工装置において、省人化、作業効率の改善を図ることのできるウォータージェット加工装置を提供することができる。
【0009】
この発明のウォータージェット加工装置では、加工対象である種々のワークそれぞれの形状、構造に対応させた、ウォータジェット噴射ノズル部の位置、姿勢(Nozzle Location)を、オフラインティーチングで設定する必要がなくなり、省人化、作業効率の改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るウォータージェット加工装置の一実施形態の側面図。
図2図1図示のウォータージェット加工装置における多関節ロボットの側面図。
図3】本発明に係るウォータージェット加工装置の一実施形態におけるCAD/CAMシステムのブロック図。
図4】本発明に係るウォータージェット加工装置ではウォータジェット噴射ノズル部の位置、姿勢(Nozzle Location)をオフラインティーチングで設定する必要がなくなることを説明するフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この実施形態のウォータージェット加工装置1は、ウォータジェット噴射ノズル部5を固定支持している多関節ロボット2が、ウォータジェット噴射ノズル部5を駆動して、テーブル30の上に搭載されているワーク31に対する切断加工、穿孔加工、等の所定の加工動作を行うものである。
【0012】
水を高圧(例えば、100~400MPa)に圧縮するポンプ(不図示)が、不図示の配管を介して、ウォータジェット噴射ノズル部5に接続されており、ウォータジェット噴射ノズル部5からワーク31に対して高圧水が噴射されてワーク31の加工が行われる。
【0013】
多関節ロボット2は、コンピュータからなるロボット制御部3からの制御の下で前述の加工動作を行うようになっている。ロボット制御部3は、CPU、ROM、RAM、記憶装置などを備えているコンピュータから構成することができる。
【0014】
このようなウォータージェット加工装置は従来公知のものである。この実施形態のウォータージェット加工装置1は、ロボット制御部3が、後述する3次元CADデータ取得部41、NLデータ算出処理部42、ロボット言語プログラム作成処理部43を備えているCAD/CAMシステム4から、後述するロボット言語プログラムを取得し、この取得したロボット言語プログラムに基づいて、上述した加工を行う際の多関節ロボット2の動作を制御する点に特徴を有している。
【0015】
以下では、この特徴的な構成についてのみ説明し、ウォータージェット加工装置について従来公知の部分についてはその説明を省略する。
【0016】
CAD/CAMシステム4は、図3図示のように、3次元CAD(Computer Aided Design)データ取得部41と、NL(Nozzle Location)データ算出処理部42と、ロボット言語プログラム作成処理部43とを備えている。
【0017】
3次元CADデータ取得部41は、後述するNLデータ算出処理部42がその処理を実行するために必要な3次元CADデータを取得する。例えば、インターフェース部からなる情報取得・送出部を介して3次元CADデータを取得する。
【0018】
NLデータ算出処理部42は、3次元CADデータを基に、種々のワークそれぞれの形状、構造に対応するウォータジェット噴射ノズル部5の位置、姿勢となるNL(Nozzle Location)を3次元CAM(Computer Aided Manufacturing)により算出する処理を行う。
【0019】
ロボット言語プログラム作成処理部43は、NLデータを機械座標系に変換し、多関節ロボット2の動作を制御するロボット言語プログラムに翻訳する処理を行う。
【0020】
図示の実施形態では、多関節ロボット2は、第一関節21、第二間接22、第三間接23、第四関節24、第五間接25、第六関節26を備えている多関節ロボットであるので、ロボット言語プログラム作成処理部43は、NLデータを機械座標系に変換し、多関節ロボット2を構成する6個のそれぞれの間接軸に配分する角度を計算し、多関節ロボット2の動作を制御するロボット言語プログラムに翻訳する処理を行う。
【0021】
CAD/CAMシステム4は、CPU、ROM、RAM、記憶装置や、キーボード、マウス、等の情報入力手段、インターフェース部からなる情報取得・送出部、液晶画面、等からなる情報表示部などを備えているコンピュータから構成することができる。
【0022】
コンピュータからなるCAD/CAMシステム4が所定のコンピュータプログラムの下に、3次元CADデータ取得部41、NLデータ算出処理部42、ロボット言語プログラム作成処理部43の上述した処理動作を実行することになる。
【0023】
ロボット制御部3が、CAD/CAMシステム4から上述したロボット言語プログラムを取得し、それに基づいて多関節ロボット2の動作を制御する。
【0024】
上述したように、この実施形態のウォータージェット加工装置1によれば、種々のワーク31それぞれの形状、構造に対応させた、ウォータジェット噴射ノズル部5の位置、姿勢NL(Nozzle Location)を、オフラインティーチングで設定する必要がなくなる。これによって、省人化、作業効率の改善を図ることができる。
【0025】
この実施形態のウォータージェット加工装置1では、オフラインティーチングでの設定が不要になることを、図4を参照して説明すると次のようになる。
【0026】
3次元CADデータ取得部41で上述した3次元CADデータを取得する(S401)。
【0027】
NLデータ算出処理部42が、3次元CADデータを基に、種々のワークそれぞれの形状、構造に対応するウォータジェット噴射ノズル部5の位置、姿勢となるNL(Nozzle Location)を3次元CAMにより算出する(S402)。
【0028】
図4ではロボット用ポストプロセッサーと表示しているロボット言語プログラム作成処理部43が、NLデータを機械座標系に変換し、多関節ロボット2の動作を制御するロボット言語プログラムに翻訳する(S403、S404)。
【0029】
翻訳されたロボット言語プログラムは、CAD/CAMシステム4のインターフェース部を介してロボット制御部3に出力され、ロボット制御部3が、取得したロボット言語プログラムに基づいて多関節ロボット2の動作を制御する(S405)。
【0030】
CAD/CAMシステム4、ロボット制御部3が上述した処理動作を実行することでこの実施形態のウォータージェット加工装置1では、現場において、種々の加工対象物(ワーク31)それぞれの形状、構造に対応させた、ウォータジェット噴射ノズル部5の位置、姿勢を、オフラインティーチングで設定する必要がなくなる。
【0031】
以上、添付図面を参照して本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
【0032】
例えば、上述した実施形態では、多関節ロボット2は、第一関節21、第二間接22、第三間接23、第四関節24、第五間接25、第六関節26を有する多関節ロボットで、ロボット言語プログラム作成処理部43は、NLデータを機械座標系に変換し、多関節ロボット2を構成する各軸(第一関節21~第六関節26のそれぞれ)に配分する角度を計算し、多関節ロボット2の動作を制御するロボット言語プログラムに翻訳する処理を行っていた。
【0033】
図示していないが、多関節ロボットが、テーブル30の支持面上のX軸方向、Y軸方向へも移動可能な多関節ロボットである場合、ロボット言語プログラム作成処理部43は、NLデータを機械座標系に変換し、多関節ロボット2のX軸方向、Y軸方向への移動距離、多関節ロボット2を構成する各軸に配分する角度を計算し、多関節ロボット2の動作を制御するロボット言語プログラムに翻訳する処理を行うことになる。
【0034】
また、図示の実施形態では、コンピュータからなるロボット制御部3と、コンピュータからなるCAD/CAMシステム4とが配備されていたが、一台のコンピュータによって、3次元CADデータ取得部41、NLデータ算出処理部42、ロボット言語プログラム作成処理部43、ロボット制御部3の上述した処理・動作が実行されるようにすることもできる。
図1
図2
図3
図4