(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048506
(43)【公開日】2022-03-28
(54)【発明の名称】アライナ装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20220318BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
H01L21/68 N
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020154361
(22)【出願日】2020-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】井浦 惇
【テーマコード(参考)】
2H197
5F131
【Fターム(参考)】
2H197EB20
2H197HA03
5F131AA02
5F131BA13
5F131CA18
5F131CA37
5F131EA02
5F131EA14
5F131EA22
5F131EA23
5F131EB01
5F131FA17
5F131KA12
5F131KA34
5F131KB54
5F131KB55
(57)【要約】
【課題】少ない駆動軸によって平面方向(X-Y方向)および垂直軸周りの回転方向(θ方向)の位置ずれ補正を行うことが可能なアライナ装置を提供する。
【解決手段】本発明のアライナ装置A1は、ワークWを支持す第1支持部11、および第1支持部11を第1垂直軸V1の周りに回転駆動させるための第1駆動源12を有する第1回転駆動機構1と、ワークWを支持する第2支持部21、および第2支持部21を第2垂直軸V2の周りに回転駆動させるための第2駆動源22を有する第2回転駆動機構2と、第2支持部21に支持されたワークWを上下動させる昇降機構3と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを支持する第1支持部、および上記第1支持部を第1垂直軸の周りに回転駆動させるための第1駆動源を有する第1回転駆動機構と、
上記ワークを支持する第2支持部、および上記第2支持部を第2垂直軸の周りに回転駆動させるための第2駆動源を有する第2回転駆動機構と、
上記第2支持部に支持された上記ワークを上下動させる昇降機構と、を備える、アライナ装置。
【請求項2】
上記第1支持部は、上記ワークが載置される第1載置面を有し、
上記昇降機構は、上記ワークが載置される第2載置面を有し、当該第2載置面を、上記第1載置面よりも下方の第1位置と、上記第1載置面よりも上方の第2位置との間で上下動させる、請求項1に記載のアライナ装置。
【請求項3】
上記昇降機構は、水平方向において互いに離間して配置される複数の昇降シリンダを含み、
上記各昇降シリンダは、その上端部に上記第2載置面を有する、請求項2に記載のアライナ装置。
【請求項4】
上記第1回転駆動機構は、上記第1駆動源に連結され、水平面に沿って延びる第1アームと、上記第1駆動源により回転駆動される第1駆動プーリと、上記第1垂直軸を中心として上記第1アームにより回転可能に支持された第1従動プーリと、上記第1駆動プーリおよび上記第1従動プーリに掛け回された第1ベルトと、を有し、
上記第1支持部は、上記第1従動プーリよりも上方に配置され、かつ上記第1従動プーリと連結されており、
上記第2回転駆動機構は、上記第2駆動源に連結され、水平面に沿って延びる第2アームと、上記第2駆動源により回転駆動される第2駆動プーリと、上記第2垂直軸を中心として上記第2アームにより回転可能に支持された第2従動プーリと、上記第2駆動プーリおよび上記第2従動プーリに掛け回された第2ベルトと、を有し、
上記第2支持部は、水平面に沿って延びるワーク支持用アームを含み、
上記複数の昇降シリンダは、互いに離間するように上記ワーク支持用アームに支持されている、請求項3に記載のアライナ装置。
【請求項5】
上記第1駆動源は、上記第1従動プーリに対し、水平面に沿う第1方向の一方側に配置され、
上記第2従動プーリおよび上記第2駆動源は、上記第1従動プーリに対し、上記第1方向の他方側に配置されており、
上記昇降機構は、一対の上記昇降シリンダにより構成されており、
当該一対の上記昇降シリンダは、上記第1垂直軸を挟んで互いに反対側に配置される、請求項4に記載のアライナ装置。
【請求項6】
複数の上記第1回転駆動機構、複数の上記第2回転駆動機構および複数の上記昇降機構を備え、
複数の上記第1回転駆動機構それぞれにおける上記第1従動プーリは、上下方向において互いに間隔を隔て、かつ平面視において重なるように配置されており、
複数の上記第1回転駆動機構それぞれにおける上記第1駆動源および上記第1駆動プーリは、平面視において上記第1垂直軸の周方向に間隔を隔てて配置されており、
複数の上記第2回転駆動機構それぞれにおける上記第2従動プーリは、上下方向において互いに間隔を隔て、かつ平面視において重なるように配置されており、
複数の上記第2回転駆動機構それぞれにおける上記第2駆動源および上記第2駆動プーリは、平面視において上記第2垂直軸の周方向に間隔を隔てて配置されている、請求項5に記載のアライナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アライナ装置に関し、より詳細には、半導体ウエハなどの板状ワークの基準位置に対する位置ずれ量情報に基づいて当該ワークの位置ずれを補正する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体プロセスにおいて、たとえばロードロックチャンバに搬入されたウエハ(ワーク)は、搬送ロボットにより処理チャンバに搬入される。処理チャンバ内で処理をする内容によっては、ウエハを処理チャンバ内の基準位置に正確に搬入する必要がある。そのために従来は、ワークを処理チャンバに搬入する前の段階において、たとえば特許文献1に示されるアライナ装置を介在させている。このアライナ装置は、載置台に置かれた1枚のウエハの平面方向(X-Y方向)および回転方向(θ方向)の位置ずれ量を検出することができるように構成されており、この位置ずれ量情報を用いてウエハを平面方向(X-Y方向)および回転方向(θ方向)に移動させるための移動部を具備する。より詳細には、当該移動部は、たとえば、載置台に置かれたウエハを水平面に沿う直交2軸それぞれに移動させるにx軸方向移動機構およびy軸方向移動機構と、ウエハを垂直軸の周りに回転させる回転機構と、を有する。このようなアライナ装置によれば、ウエハの位置ずれ量情報に基づいて当該ウエハを所定の位置(水平方向位置および回転方向位置)へ適宜移動させることで、ウエハの位置ずれを補正することが可能である。
【0003】
上記従来の特許文献1に示されたアライナ装置においては、ウエハの位置ずれを補正するために、X方向およびY方向それぞれの移動に直動軸を2軸使用し、回転方向への移動に回転軸を1軸使用している。これにより、1枚のウエハの位置ずれ補正のために3軸の駆動軸が必要である。特に2軸使用される直動軸については、ボールねじやガイド部材が必要で1軸あたりの構成部品が多い。したがって、上記3軸の駆動軸を構成する部品点数はさらに多くなり、アライナ装置全体の構造が複雑になるとともに装置の大型化を招いていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、少ない駆動軸によって平面方向(X-Y方向)および垂直軸周りの回転方向(θ方向)の位置ずれ補正を行うことが可能なアライナ装置を提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を採用した。
【0007】
本発明によって提供されるアライナ装置は、ワークを支持する第1支持部、および上記第1支持部を第1垂直軸の周りに回転駆動させるための第1駆動源を有する第1回転駆動機構と、上記ワークを支持する第2支持部、および上記第2支持部を第2垂直軸の周りに回転駆動させるための第2駆動源を有する第2回転駆動機構と、上記第2支持部に支持された上記ワークを上下動させる昇降機構と、を備える。
【0008】
好ましい実施の形態においては、上記第1支持部は、上記ワークが載置される第1載置面を有し、上記昇降機構は、上記ワークが載置される第2載置面を有し、当該第2載置面を、上記第1載置面よりも下方の第1位置と、上記第1載置面よりも上方の第2位置との間で上下動させる。
【0009】
好ましい実施の形態においては、上記第1回転駆動機構の上記第1支持部には、上記ワークを吸着するための吸着部が設けられている。
【0010】
好ましい実施の形態においては、上記昇降機構は、水平方向において互いに離間して配置される複数の昇降シリンダを含み、上記各昇降シリンダは、その上端部に上記第2載置面を有する。
【0011】
好ましい実施の形態においては、上記第1回転駆動機構は、上記第1駆動源に連結され、水平面に沿って延びる第1アームと、上記第1駆動源により回転駆動される第1駆動プーリと、上記第1垂直軸を中心として上記第1アームにより回転可能に支持された第1従動プーリと、上記第1駆動プーリおよび上記第1従動プーリに掛け回された第1ベルトと、を有し、上記第1支持部は、上記第1従動プーリよりも上方に配置され、かつ上記第1従動プーリと連結されており、上記第2回転駆動機構は、上記第2駆動源に連結され、水平面に沿って延びる第2アームと、上記第2駆動源により回転駆動される第2駆動プーリと、上記第2垂直軸を中心として上記第2アームにより回転可能に支持された第2従動プーリと、上記第2駆動プーリおよび上記第2従動プーリに掛け回された第2ベルトと、を有し、上記第2支持部は、水平面に沿って延びるワーク支持用アームを含み、上記複数の昇降シリンダは、互いに離間するように上記ワーク支持用アームに支持されている。
【0012】
好ましい実施の形態においては、上記第1駆動源は、上記第1従動プーリに対し、水平面に沿う第1方向の一方側に配置され、上記第2従動プーリおよび上記第2駆動源は、上記第1従動プーリに対し、上記第1方向の他方側に配置されており、上記昇降機構は、一対の上記昇降シリンダにより構成されており、当該一対の上記昇降シリンダは、上記第1垂直軸を挟んで互いに反対側に配置される。より好ましくは、上記一対の上記昇降シリンダは、水平面に沿い、かつ上記第1方向と直角である第2方向に離間して配置される。
【0013】
好ましい実施の形態においては、複数の上記第1回転駆動機構、複数の上記第2回転駆動機構および複数の上記昇降機構を備え、複数の上記第1回転駆動機構それぞれにおける上記第1従動プーリは、上下方向において互いに間隔を隔て、かつ平面視において重なるように配置されており、複数の上記第1回転駆動機構それぞれにおける上記第1駆動源および上記第1駆動プーリは、平面視において上記第1垂直軸の周方向に間隔を隔てて配置されており、複数の上記第2回転駆動機構それぞれにおける上記第2従動プーリは、上下方向において互いに間隔を隔て、かつ平面視において重なるように配置されており、複数の上記第2回転駆動機構それぞれにおける上記第2駆動源および上記第2駆動プーリは、平面視において上記第2垂直軸の周方向に間隔を隔てて配置されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るアライナ装置によれば、第1支持部を第1垂直軸の周りに回転駆動させる第1回転駆動機構と、第2支持部を第2垂直軸の周りに回転駆動させる第2回転駆動機構との協働により、ワークの平面方向(X-Y方向)および回転方向(θ方向)の位置ずれを補正することができる。すなわち、本発明のアライナ装置によれば、従来よりも少ない2軸(回転軸)の駆動軸によって、板状のワークについて平面方向(X-Y方向)および垂直軸周りの回転方向(θ方向)の位置ずれの補正を適切に行うことができる。
【0015】
また、本発明に係るアライナ装置において、ワークの位置ずれ補正のための駆動軸として、第1回転駆動機構および第2回転駆動機構のいずれについても回転動作を伴う回転軸が使用される。本実施形態と異なり直線移動を伴う直動軸の場合、回転軸の場合と比べて部品点数が多く設置スペースも大きくなる。これに対し、本発明のアライナ装置では、第1回転駆動機構および第2回転駆動機構の構成部品が少なく、装置全体の構造の簡素化およびコスト削減を図ることができ、また、装置全体の小型化を図ることが可能である。
【0016】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るアライナ装置を示す平面図である。
【
図2】第1回転駆動機構の正面図であり、一部を縦断面図で表す。
【
図3】第2回転駆動機構の正面図であり、一部を縦断面図で表す。
【
図4】
図1に示すアライナ装置の正面図であり、一部を縦断面図で表す。
【
図5】
図1に示すアライナ装置の作動状態を説明するための平面図である。
【
図6】
図1に示すアライナ装置の作動状態を説明するための平面図である。
【
図7】
図1に示すアライナ装置の作動状態を説明するための正面図であり、一部を縦断面図で表す。
【
図8】
図1に示すアライナ装置の作動状態を説明するための平面図である。
【
図9】
図1に示すアライナ装置の作動状態を説明するための平面図である。
【
図10】
図1に示すアライナ装置の変形例を示す平面図である。
【
図11】
図10に示すアライナ装置の正面図であり、一部を縦断面図で表す。
【
図12】本発明の第1実施形態に係るアライナ装置を示す平面図である。
【
図13】
図12に示すアライナ装置を概略的に示す部分正面図であり、一部を縦断面図で表す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施形態につき、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0019】
図1~
図4は、本発明の第1実施形態に係るアライナ装置を示している。本実施形態のアライナ装置A1は、第1回転駆動機構1と、第2回転駆動機構2と、昇降機構3と、を備えており、たとえば、薄板状のワークWとしての半導体ウエハの位置ずれを補正するために用いるものである。詳細な図示は省略するが、アライナ装置A1は、たとえば、搬送ロボットにより処理チャンバに搬入されるワークWに対し、当該処理チャンバに搬入する前に所定の基準位置に対する位置ずれの補正を行う。
【0020】
第1回転駆動機構1は、
図1、
図2に示すように、第1支持部11、第1駆動源12、第1アーム13、第1駆動プーリ15、第1従動プーリ16および第1ベルト17を有する。第1支持部11は、ワークWを支持する部分であり、本実施形態では、円板状の載置台として構成されている。第1支持部11の上端面は、ワークWを載置するための第1載置面11aとされている。第1支持部11は、下方に延びる軸部112を有する。
【0021】
第1駆動源12は、第1支持部11を回転駆動させるためのものであり、たとえばモータからなる。第1駆動源12および第1支持部11は、水平方向に互いに離間して配置されている。第1アーム13は、水平面に沿って延びており、一方の端部が減速機14を介して第1駆動源12に連結されている。減速機14は、第1駆動源12の出力軸の回転を減速して出力するものであり、たとえばギア減速機である。第1駆動プーリ15は、減速機14の回転軸141に取り付けられており、第1駆動源12によって回転駆動させられる。
【0022】
第1従動プーリ16は、第1支持部11の軸部112に取り付けられている。これら第1支持部11および第1従動プーリ16は、第1アーム13の他方の端部に支持されている。具体的には、第1支持部11および第1従動プーリ16は、ベアリング等を介して第1アーム13に支持されており、第1垂直軸V1を中心として回転可能である。第1ベルト17は、無端ベルトであり、上記の第1駆動プーリ15および第1従動プーリ16に掛け回されている。
【0023】
上記構成により、第1駆動源12が駆動すると、第1駆動プーリ15が回転駆動し、この回転駆動力が第1ベルト17、第1従動プーリ16を介して第1支持部11に伝達される。このようにして、第1支持部11が第1垂直軸V1の周りに回転駆動させられる。
【0024】
なお、本実施形態では、第1支持部11には吸着部111が設けられている。吸着部111は、第1支持部11の上面(第1載置面11a)に開口する吸着パッド等により構成されており、第1アーム13内に形成された通気流路131に連通している。図示しない真空ポンプにより作用する真空圧によって、第1支持部11の第1載置面11aに載置されたワークWは吸着部111に吸着される。また、吸着部111における吸着作用は、適宜オン-オフの切り替えがなされる。
【0025】
第2回転駆動機構2は、
図1、
図3に示すように、第2支持部21、第2駆動源22、第2アーム23、第2駆動プーリ25、第2従動プーリ26および第2ベルト27を有する。第2支持部21は、ワークWを支持する部分であり、本実施形態では、基部210、ワーク支持用アーム211および軸部212を有する。ワーク支持用アーム211は、基部210に繋がり、水平面に沿って延びている。軸部212は、基部210の下方に延びている。具体的には、ワーク支持用アーム211は、平面視において略C字状に形成されており、当該平面視C字状の中央において基部210に繋がっている。
【0026】
第2駆動源22は、第2支持部21を回転駆動させるためのものであり、たとえばモータからなる。第2駆動源22および第2支持部21は、水平方向に互いに離間して配置されている。第2アーム23は、水平面に沿って延びており、一方の端部が減速機24を介して第2駆動源22に連結されている。減速機24は、第2駆動源22の出力軸の回転を減速して出力するものであり、たとえばギア減速機である。第2駆動プーリ25は、減速機24の回転軸241に取り付けられており、第2駆動源22によって回転駆動させられる。
【0027】
第2従動プーリ26は、第2支持部21の軸部212に取り付けられている。これら第2支持部21および第2従動プーリ26は、第2アーム23の他方の端部に支持されている。具体的には、第2支持部21および第2従動プーリ26は、ベアリング等を介して第2アーム23に支持されており、第2垂直軸V2を中心として回転可能である。第2ベルト27は、無端ベルトであり、上記の第2駆動プーリ25および第2従動プーリ26に掛け回されている。
【0028】
上記構成により、第2駆動源22が駆動すると、第2駆動プーリ25が回転駆動し、この回転駆動力が第2ベルト27、第2従動プーリ26を介して第2支持部21に伝達される。このようにして、第2支持部21が第2垂直軸V2の周りに回転駆動させられる。
【0029】
昇降機構3は、第2支持部21に支持されたワークWを上下動させるためのものである。
図1に示すように、昇降機構3は、複数の昇降シリンダ31を含んで構成される。本実施形態において、昇降機構3は、一対の昇降シリンダ31により構成される。当該一対の昇降シリンダ31は、ワーク支持用アーム211の両端部に設けられており、水平方向において互いに離間するように配置されている。本実施形態において、一対の昇降シリンダ31は、第1垂直軸V1を挟んで互いに反対側に配置される。
【0030】
各昇降シリンダ31は、たとえば、エアシリンダからなり、
図3に示すようにシリンダ部32およびロッド部33を有する。ロッド部33は、Z方向(上下方向)に沿って往復動可能であり、当該ロッド部33の上端部の端面が、ワークWを載置するための第2載置面33aとされている。第2載置面33aは、第1支持部11の第1載置面11aよりも下方の第1位置(
図3において実線で表す)と、第1載置面11aよりも上方の第2位置(
図3において仮想線で表す)との間で上下動させられる。
【0031】
図1、
図4に示すように、第1回転駆動機構1は、水平面に沿うX方向(第1方向)に延びるように配置される。具体的には、第1回転駆動機構1の第1駆動源12は、第1従動プーリ16に対し、X方向の一方側(
図1、
図4における図中右側)に配置されている。第2回転駆動機構2の第2従動プーリ26および第2駆動源22は、第1回転駆動機構1の第2従動プーリ26に対し、X方向の他方側(
図1、
図4における図中左側)に配置されている。また、第2駆動源22は、第2従動プーリ26に対し、X方向の他方側に配置されている。これにより、第1回転駆動機構1の第1アーム13および第2回転駆動機構2の第2アーム23は、全体としてX方向に延びるように配置されている。
【0032】
図1、
図4から理解されるように、一対の昇降シリンダ31は、Y方向(第2方向)において離間して配置されている。Y方向は、水平面に沿い、かつX方向と直角である。
【0033】
本実施形態のアライナ装置A1は、たとえば処理チャンバに隣接する搬送エリアに配置される。搬送エリアにおいては、搬送ロボット(図示略)によりワークWが搬送されてアライナ装置A1にセットされる。搬送ロボットは、ワークWを支持するためのハンド8(
図1、
図4において仮想線で表す)を備える。ハンド8は、たとえば二股状のフォーク81を有し、当該フォーク81にワークWが載置される。
図1に示したハンド8は、図中上方からY方向に沿って図中下方に移動し、アライナ装置A1上に進入させられる。ここでハンド8を下げると、
図4に示すように、ワークWが第1支持部11(第1回転駆動機構1)の第1載置面11aに載置され、アライナ装置A1に受け渡される。なお、ワークW(半導体ウエハ)は、通常、円形の板状をしており、その外周には、周方向の回転姿勢を検出するためのノッチN1またはオリエンテーションフラットと呼ばれる切欠き部(図示せず)が形成されている。
【0034】
アライナ装置A1は、ワークWの基準位置に対する位置ずれ量情報に基づき、ワークWの位置を補正する。ワークWの位置ずれ量は、たとえば、アライナ装置A1に近接して配置される位置ずれ量検出手段9によって取得される。位置ずれ量検出手段9は、ワークWの平面方向(X-Y方向)および回転方向(θ方向)の位置ずれ量を検出することが可能であれば、どのような構成であってもよい。位置ずれ量検出手段9は、たとえば発光部および受光センサ(エリアセンサ)を有する構成とすることができる。この場合、第1回転駆動機構1によりワークWを第1垂直軸V1の周りに1回転させつつ受光センサによりワークWの輪郭形状に応じた受光量の変化を検知し、データ化する。そして、ワークWの外周全体の輪郭形状のデータから、所定の演算処理を行うことで、ワークWの平面方向(X-Y方向)および回転方向(θ方向)の位置ずれ量が算出される。
【0035】
次に、上記構成のアライナ装置A1の作動例について、
図5~
図9を参照しつつ、以下に説明する。
【0036】
図5は、ハンド8からアライナ装置A1に受け渡されたワークWについて、仮想線で表すとともに輪郭付近に斜線を付している。また、当該ワークWにおける中心位置をワーク中心O1として表す。
【0037】
図5において、ワークWが位置補正後に到達するべき位置を、「基準ワーク位置Wx」と定めて仮想線で表しており、その基準ワーク位置Wxにおける中心位置を基準中心Oxとして表し、基準ワーク位置Wxにおけるノッチの位置を基準ノッチ位置Nxとして表す。基準中心Oxは、平面視において、第1回転駆動機構1の第1支持部11の回転中心である第1垂直軸V1と重なっている。
【0038】
図5において、平面視における第1垂直軸V1を中心とし、第1垂直軸V1からワーク中心O1までの距離を半径(以下、第1半径R1という)とする円を第1軌道円C1として設定する。また、平面視における第2垂直軸V2を中心とし、第2垂直軸V2から第1垂直軸V1までの距離を半径(以下、第2半径R2という)とする円を第2軌道円C2として設定する。ここで、上記の第1半径R1は、アライナ装置A1に載置されるワークWが異なるとワーク中心O1の位置が変化する。したがって、上記の第1半径R1および第1軌道円C1は変動し得る。その一方、第2半径R2は、第1回転駆動機構1および第2回転駆動機構2の配置によって決定する。したがって、アライナ装置A1に載置されるワークWが異なっても、上記の第2半径R2および第2軌道円C2は一定である。
【0039】
次に、
図6に示すように、第1回転駆動機構1を駆動し、第1支持部11を太矢印で表すように図中時計回りに回転させる。ここで、第1支持部11の第1載置面11aに載置されたワークWは、吸着部111により吸着保持されつつ第1垂直軸V1を中心として回転し、ワーク中心O1を、第1軌道円C1に沿って第1軌道円C1と第2軌道円C2の交点の位置に移動させる。ワーク中心O1が上記交点に移動した後、吸着部111による吸着がオフとされる。
【0040】
次いで、
図7に示すように、一対の昇降シリンダ31の各ロッド部33を上昇させる。ここで、昇降シリンダ31の第2載置面33aは、第1支持部11の第1載置面11aよりも下方の第1位置から第1載置面11aよりも上方の第2位置まで上昇する。これにより、ワークWは、一対の昇降シリンダ31により持ち上げられて、第2載置面33aに載置された状態となる。このとき、ワークWは、一対の昇降シリンダ31(昇降機構3)を介して第2支持部21に支持されている。
【0041】
次いで、
図8に示すように、第2回転駆動機構2を駆動し、第2支持部21を太矢印で表すように図中時計回りに回転させる。ここで、第2支持部21のワーク支持用アーム211に設けられた一対の昇降シリンダ31は、第2垂直軸V2を中心として回転する。また、当該一対の昇降シリンダ31の第2載置面33aに載置されたワークWも第2垂直軸V2を中心として回転し、ワーク中心O1を、第2軌道円C2に沿って第1垂直軸V1と重なる位置(基準中心Ox)に移動させる。このようにしてワーク中心O1が基準中心Oxと一致し、ワークWの平面方向(X-Y方向)の補正が完了する。
【0042】
次いで、一対の昇降シリンダ31の各ロッド部33を降下させる。ここで、昇降シリンダ31の第2載置面33aは、第1支持部11の第1載置面11aよりも上方の第2位置から第1載置面11aよりも下方の第1位置まで降下する。これにより、ワークWは、第1載置面11aに載置され、第1支持部11に支持される。また、第2回転駆動機構2についても駆動し、第2支持部21を
図5に示したのと同様の元の位置に戻す。
【0043】
次いで、
図9に示すように、第1回転駆動機構1を駆動し、第1支持部11を太矢印で表すように図中反時計回りに回転させる。ここで、第1支持部11の第1載置面11aに載置されたワークWは、吸着部111により吸着保持されつつ第1垂直軸V1(ワーク中心O1)を中心として回転し、ノッチN1を、基準ワーク位置Wxにおける基準ノッチ位置Nxと一致するように移動させる。ノッチN1が基準ノッチ位置Nxと一致するように移動した後、吸着部111による吸着がオフとされる。
【0044】
なお、
図9に示したノッチN1位置の補正の前に、必要に応じて位置ずれ量検出手段9による検出を行ってもよい。この場合、ワーク中心O1が基準中心Oxと一致した時点でのノッチN1の位置をより正確に把握することが可能である。
【0045】
上記したアライナ装置A1の一連の作動により、ワークWの平面方向(X-Y方向)および回転方向(θ方向)の位置ずれが補正され、ワークWが基準ワーク位置Wxに移動させられる。その後、アライナ装置A1上にハンド8(図示せず)を進入させてワークWを持ち上げ、処理チャンバ等にワークWが搬送される。
【0046】
本実施形態のアライナ装置A1においては、第1支持部11を第1垂直軸V1の周りに回転駆動させる第1回転駆動機構1と、第2支持部21を第2垂直軸V2の周りに回転駆動させる第2回転駆動機構2との協働により、ワークWの平面方向(X-Y方向)および回転方向(θ方向)の位置ずれを補正することができる。すなわち、アライナ装置A1によれば、従来よりも少ない2軸(回転軸)の駆動軸によって、板状のワークWについて平面方向(X-Y方向)および垂直軸周りの回転方向(θ方向)の位置ずれの補正を適切に行うことができる。
【0047】
本実施形態のアライナ装置A1において、ワークWの位置ずれ補正のための駆動軸として、第1回転駆動機構1および第2回転駆動機構2のいずれについても回転動作を伴う回転軸が使用される。本実施形態と異なり直線移動を伴う直動軸の場合、回転軸の場合と比べて部品点数が多く設置スペースも大きくなる。これに対し、本実施形態のアライナ装置A1では、第1回転駆動機構1および第2回転駆動機構2の構成部品が少なく、装置全体の構造の簡素化およびコスト削減を図ることができ、また、装置全体の小型化を図ることが可能である。
【0048】
第1垂直軸V1周りに回転させられる第1支持部11は、ワークWが載置される第1載置面11aを有する。第2垂直軸V2周りに回転させられる第2支持部21には、一対の昇降シリンダ31(昇降機構3)が設けられている。一対の昇降シリンダ31には、ワークWが載置される第2載置面33aが設けられており、第2載置面33aは、第1支持部11の第1載置面11aよりも下方の第1位置と第1載置面11aよりも上方の第2位置との間で上下動可能である。このような構成によれば、ワークWが第1支持部11に支持される状態と、第2支持部21に支持される状態とに容易に切り替えることができる。
【0049】
第1回転駆動機構1の第1支持部11には、ワークWを吸着するための吸着部111が設けられている。このような構成によれば、ワークWを支持した第1支持部11が回転する際に、当該ワークWがずれ動くとは防止される。
【0050】
昇降機構3は複数の昇降シリンダ31を含んで構成されており、各昇降シリンダ31は、その上端部に第2載置面33aを有する。このような構成によれば、複数の昇降シリンダ31における複数の第2載置面33aによってワークWが支持される。したがって、比較的簡単な構造により、ワークWを安定的に支持しながら上下動させることができる。
【0051】
第1回転駆動機構1は、第1駆動源12、第1アーム13、第1駆動プーリ15、第1従動プーリ16および第1ベルト17を有するベルト駆動機構によって構成されており、第2回転駆動機構2は、第2駆動源22、第2アーム23、第2駆動プーリ25、第2従動プーリ26および第2ベルト27を有するベルト駆動機構によって構成されている。また、一対(複数)の昇降シリンダ31は、水平方向において互いに離間するように、ワーク支持用アーム211(第2支持部21)の支持されている。このような構成によれば、第1駆動源12、第2駆動源22、および複数の昇降シリンダ31(昇降機構3)を適宜位置に配置することができる。
【0052】
第2支持部21に支持された昇降機構3は、一対の昇降シリンダ31により構成されており、当該一対の昇降シリンダ31は、第1垂直軸V1を挟んで互いに反対側に配置される。このような構成によれば、第2支持部21に支持されるワークWは、一対の昇降シリンダ31によりバランスよく支持される。
【0053】
第1回転駆動機構1において、第1駆動源12は、第1従動プーリ16に対し、水平面に沿うX方向の一方側に配置されている。また、第2回転駆動機構2(第2従動プーリ26および第2駆動源22)は、第1従動プーリ16に対し、X方向の他方側に配置されている。その一方、一対の昇降シリンダ31は、水平面に沿い、かつX方向と直角であるY方向に離間して配置されている。このような構成によれば、ワークWを搬送するためのハンド8について、Y方向に沿って進行させることで、アライナ装置A1との干渉を回避しつつ、当該アライナ装置A1とワークWの受け渡しが可能な位置(アライナ装置A1の上方位置)に進入させることが可能である。
【0054】
図10、
図11は、上記第1実施形態に係るアライナ装置A1の変形例を示している。本変形例のアライナ装置A11は、第1回転駆動機構1および第2回転駆動機構2の構成が上記のアライナ装置A1と異なっている。なお、
図10以降の図面において、上記実施形態のアライナ装置A1と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0055】
図10、
図11に示したアライナ装置A11において、第1回転駆動機構1および第2回転駆動機構2は、それぞれベルト駆動機構を具備していない。具体的には、第1回転駆動機構1は、上記のアライナ装置A1におけるに第1アーム13、第1駆動プーリ15、第1従動プーリ16および第1ベルト17を備えておらず、これに代えて連結部18を備える。本変形例において、第1駆動源12は第1支持部11の真下に配置されている。減速機14は、第1駆動源12の上方に配置されている。連結部18は、略円筒状とされており、減速機14の上端部に固定されている。減速機14の回転軸141は連結部18の内側に配置されており、この回転軸141に、第1支持部11の軸部112が相対回転不能な状態で外嵌されている。上記構成により、第1駆動源12が駆動すると、減速機14の回転軸141およびこれと相対回転不能な軸部112が回転駆動し、第1支持部11が第1垂直軸V1の周りに回転駆動させられる。
【0056】
第2回転駆動機構2は、上記のアライナ装置A1におけるに第2アーム23、第2駆動プーリ25、第2従動プーリ26および第2ベルト27を備えておらず、これに代えて連結部28を備える。本変形例において、第2駆動源22は第2支持部21(基部210)の真下に配置されている。減速機24は、第2駆動源22の上方に配置されている。連結部28は、略円筒状とされており、減速機24の上端部に固定されている。減速機24の回転軸241は連結部28の内側に配置されており、この回転軸241に、第2支持部21の軸部212が相対回転不能な状態で外嵌されている。上記構成により、第2駆動源22が駆動すると、減速機24の回転軸241およびこれと相対回転不能な軸部212が回転駆動し、第2支持部21が第2垂直軸V2の周りに回転駆動させられる。
【0057】
本変形例のアライナ装置A11は、
図5~
図9を参照して説明したアライナ装置A1と同様に作動させることによって、ワークWの平面方向(X-Y方向)および回転方向(θ方向)の位置ずれが補正され、当該ワークWを基準ワーク位置Wxに移動させることができる。
【0058】
本変形例のアライナ装置A11においては、第1支持部11を第1垂直軸V1の周りに回転駆動させる第1回転駆動機構1と、第2支持部21を第2垂直軸V2の周りに回転駆動させる第2回転駆動機構2との協働により、ワークWの平面方向(X-Y方向)および回転方向(θ方向)の位置ずれを補正することができる。すなわち、アライナ装置A1によれば、従来よりも少ない2軸(回転軸)の駆動軸によって、板状のワークWについて平面方向(X-Y方向)および垂直軸周りの回転方向(θ方向)の位置ずれの補正を適切に行うことができる。
【0059】
本変形例のアライナ装置A11において、ワークWの位置ずれ補正のための駆動軸として、第1回転駆動機構1および第2回転駆動機構2のいずれについても回転動作を伴う回転軸が使用される。本実施形態と異なり直線移動を伴う直動軸の場合、回転軸の場合と比べて部品点数が多く設置スペースも大きくなる。これに対し、本実施形態のアライナ装置A1では、第1回転駆動機構1および第2回転駆動機構2の構成部品が少なく、装置全体の構造の簡素化およびコスト削減を図ることができ、また、装置全体の小型化を図ることが可能である。
【0060】
第1垂直軸V1周りに回転させられる第1支持部11は、ワークWが載置される第1載置面11aを有する。第2垂直軸V2周りに回転させられる第2支持部21には、一対の昇降シリンダ31(昇降機構3)が設けられている。一対の昇降シリンダ31には、ワークWが載置される第2載置面33aが設けられており、第2載置面33aは、第1支持部11の第1載置面11aよりも下方の第1位置と第1載置面11aよりも上方の第2位置との間で上下動可能である。このような構成によれば、ワークWが第1支持部11に支持される状態と、第2支持部21に支持される状態とに容易に切り替えることができる。
【0061】
図12、
図13は、本発明の第2実施形態に係るアライナ装置を示している。なお、
図10以降の図面において、上記実施形態のアライナ装置A1と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0062】
本実施形態のアライナ装置A2は、複数の第1回転駆動機構1、複数の第2回転駆動機構2、および複数の昇降機構3を備えて構成される。
図12、
図13に示した例では、アライナ装置A2は、第1回転駆動機構1、第2回転駆動機構2および昇降機構3を5つずつ具備する。アライナ装置A2における各第1回転駆動機構1、各第2回転駆動機構2、および各昇降機構3の構成は、上記実施形態のアライナ装置A1における第1回転駆動機構1、第2回転駆動機構2、および昇降機構3(一対の昇降シリンダ31)と実質的に同一である。
【0063】
図12、
図13に示すように、複数の第1回転駆動機構1それぞれにおける第1従動プーリ16は、Z方向(上下方向)において互いに間隔を隔て、かつ平面視において重なるように配置されている。本実施形態において、複数の第1回転駆動機構1それぞれにおける第1垂直軸V1(第1従動プーリ16の回転軸線)は、平面視において一致している。また、
図12に示すように、複数の第1回転駆動機構1それぞれにおける第1駆動源12および第1駆動プーリ15は、平面視において第1垂直軸V1の周方向に間隔を隔てて配置されている。複数の第1回転駆動機構1それぞれにおける第1駆動源12は、いずれの第1従動プーリ16に対しても、水平面に沿うX方向(第1方向)の一方側(
図12における図中右側)に配置されている。
【0064】
図12、
図13に示すように、複数の第2回転駆動機構2それぞれにおける第2従動プーリ26は、Z方向において互いに間隔を隔て、かつ平面視において重なるように配置されている。本実施形態において、複数の第2回転駆動機構2それぞれにおける第2垂直軸V2(第2従動プーリ26の回転軸線)は、平面視において一致している。また、
図12に示すように、複数の第2回転駆動機構2それぞれにおける第2駆動源22および第2駆動プーリ25は、平面視において第2垂直軸V2の周方向に間隔を隔てて配置されている。複数の第2回転駆動機構2それぞれにおける第2従動プーリ26および第2駆動源22は、いずれの第1従動プーリ16に対しても、X方向の他方側(
図12における図中左側)に配置されている。
【0065】
図12、
図13に示すように、複数の昇降機構3それぞれにおける一対の昇降シリンダ31は、水平面に沿い、かつX方向と直角であるY方向(第2方向)に離間して配置されている。
【0066】
本実施形態において、第1回転駆動機構1および第2回転駆動機構2の各組に対し、その上方にワークWを支持したハンド8が進入可能である。本実施形態では、ワークWの搬送に用いられ搬送ロボットとして、たとえば複数のワークWを一括して搬送することが可能な多段式のロボットハンドを有する搬送ロボットが用いられる。また、第1回転駆動機構1および第2回転駆動機構2の各組に対応して、ハンド8の上方位置には、たとえばセンサ91が配置されている。各センサ91は、接触または近接非接触により、その下位に位置する平面的な対象物の外形を像として捉えることができる機能を有するものが採用される。このようなセンサ91の例としては、たとえば、タッチパネルに採用されているように、静電式に対象物の存在を認識する技術を利用したもの、あるいは、CCD等の撮像素子を複数個平面的に配列したもの、等がある。
【0067】
本実施形態では、たとえばハンド8が第1回転駆動機構1および第2回転駆動機構2の上方に進入した状態において、当該ハンド8を上昇させる。そして、ワークWをセンサ91に接触または近接非接触させた状態にて、センサ91を利用してワークWの位置ずれ量情報を取得することがきでる。センサ91は、ワークWの外形形状を認識することができればよいため、ワークWのX-Y方向の位置ずれの可能性の範囲内で当該ワークWの外形を認識するに十分な平面的形状を有しておればよい。すなわち、各センサ91は、円形であってもよいし、矩形あるいはドーナツ形状であってもよい。
【0068】
本実施形態のアライナ装置A2において、複数ずつの第1回転駆動機構1、第2回転駆動機構2および昇降機構3(一対の昇降シリンダ31)の各組において、
図5~
図9を参照して説明したアライナ装置A1(第1回転駆動機構1、第2回転駆動機構2および昇降機構3)と同様に作動させることによって、複数のワークWの平面方向(X-Y方向)および回転方向(θ方向)の位置ずれが補正され、当該ワークWを基準ワーク位置Wxに移動させることができる。
【0069】
本実施形態においては、第1支持部11を第1垂直軸V1の周りに回転駆動させる第1回転駆動機構1と、第2支持部21を第2垂直軸V2の周りに回転駆動させる第2回転駆動機構2との協働により、ワークWの平面方向(X-Y方向)および回転方向(θ方向)の位置ずれを補正することができる。すなわち、アライナ装置A1によれば、従来よりも少ない2軸(回転軸)の駆動軸によって、板状のワークWについて平面方向(X-Y方向)および垂直軸周りの回転方向(θ方向)の位置ずれの補正を適切に行うことができる。
【0070】
本実施形態において、ワークWの位置ずれ補正のための駆動軸として、第1回転駆動機構1および第2回転駆動機構2のいずれについても回転動作を伴う回転軸が使用される。本実施形態と異なり直線移動を伴う直動軸の場合、回転軸の場合と比べて部品点数が多く設置スペースも大きくなる。これに対し、本実施形態のアライナ装置A1では、第1回転駆動機構1および第2回転駆動機構2の構成部品が少なく、装置全体の構造の簡素化およびコスト削減を図ることができ、また、装置全体の小型化を図ることが可能である。
【0071】
本実施形態のアライナ装置A2において、その他にも、上記第1実施形態のアライナ装置A1について上述したのと同様の作用効果を奏する。さらに、アライナ装置A2においては、複数のワークWについて、処理チャンバに搬入する前の段階で、一括して位置ずれの補正を行うことができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は上記した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した事項の範囲内でのあらゆる変更は、すべて本発明の範囲に包摂される。
【符号の説明】
【0073】
A1,A11,A2:アライナ装置、1:第1回転駆動機構、11:第1支持部、11a:第1載置面、111:吸着部、12:第1駆動源、13:第1アーム、15:第1駆動プーリ、16:第1従動プーリ、17:第1ベルト、2:第2回転駆動機構、21 :第2支持部、211:ワーク支持用アーム、22:第2駆動源、23:第2アーム、25:第2駆動プーリ、26:第2従動プーリ、27:第2ベルト、3:昇降機構、31:昇降シリンダ、33a:第2載置面、W:ワーク、X:方向(第1方向)、Y:方向(第2方向)、Z:方向(上下方向)