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特開2022-48536収容容器、間隔保持具、収容容器と間隔保持具との構造体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048536
(43)【公開日】2022-03-28
(54)【発明の名称】収容容器、間隔保持具、収容容器と間隔保持具との構造体
(51)【国際特許分類】
   B25H 3/00 20060101AFI20220318BHJP
   B65D 21/028 20060101ALI20220318BHJP
   B65D 21/02 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
B25H3/00 Z
B65D21/028
B65D21/02 301
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020154406
(22)【出願日】2020-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】520358106
【氏名又は名称】有限会社鬼頭精密工業
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 ▲芳▼▲高▼
【テーマコード(参考)】
3C012
3E006
【Fターム(参考)】
3C012BG05
3C012BH03
3E006AA10
3E006BA01
3E006GA01
3E006GA03
3E006GA05
(57)【要約】
【課題】収容孔を有する収容容器同士の間隔を開けて配置する。
【解決手段】収容容器Aは直方体形状に形成され、その上面に収容孔60の開口を有し、間隔保持具Bと嵌合可能であり収容容器Aとは嵌合不可な嵌合凹部70を有する。また間隔保持具Bは、収容容器Aの間に配置されるものであって、収容容器Aの嵌合凹部70と嵌合可能であり、間隔保持具Bとは嵌合不可な嵌合凸部140を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に収容孔の開口を有し、間隔保持具と嵌合可能であり収容容器とは嵌合不可な嵌合部を有する収容容器。
【請求項2】
前記収容容器の嵌合部は、前記収容容器を水平方向に180°回転した場合に同じ位置となるように形成されている請求項1に記載の収容容器。
【請求項3】
前記収容容器の嵌合部は、前記収容容器と前記間隔保持具とを上下方向に相対移動させることにより両者の嵌合及びその解除が可能である請求項1又は2に記載の収容容器。
【請求項4】
収容容器の間に配置され、前記収容容器の嵌合部と嵌合可能であり間隔保持具とは嵌合不可な嵌合部を有する間隔保持具。
【請求項5】
前記間隔保持具は幅が異なる複数の種類がある請求項4に記載の間隔保持具。
【請求項6】
上面に収容孔の開口を有し、間隔保持具と嵌合可能であり収容容器とは嵌合不可な嵌合部を有する少なくとも2つの収容容器と、
収容容器と別の収容容器との間に配置され、収容容器の前記嵌合部と嵌合可能であり間隔保持具とは嵌合不可な嵌合部を有する間隔保持具と、
前記両収容容器と前記間隔保持具とが前記各嵌合部により嵌合された状態で、同状態を保持する嵌合状態保持手段と、を有する収容容器と間隔保持具との構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容容器、間隔保持具、収容容器と間隔保持具との構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、工具の保管手段として、ウレタン等の発泡樹脂シートに各工具の抜き型を複数形成し、その抜き型内に工具をはめ込んで保管するという手段がある。なお、工具とは、モンキーレンチやパイプレンチ、ラジオペンチ、プライヤー、クランプ、ニッパー、ノギス、マイクロメータ等の締結、切断、切削、挟持、測定、研磨等に使用する道具をいう。
【0003】
また、他の保管手段として筆立てのような容器を連結可能としてこれに工具を収容するという手段がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-51087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、前者の手段で工具を保管すると複数の工具を平面的に配置する必要があるため広い面積が必要となる。
一方、後者の手段では、工具を個別の区画に収容したとしても隣接する容器間の間隔が近いため工具同士が接触したり、工具同士の間隔が狭くなって工具を取り出す際に工具を手でつかみにくいという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み収容孔を有する収容容器同士の間隔を開けて配置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、上面に収容孔の開口を有し、間隔保持具と嵌合可能であり収容容器とは嵌合不可な嵌合部を有する収容容器である。これにより収容容器を間隔保持具と連結して収容容器の収容孔同士の間隔を保持することができる。
【0008】
請求項2の発明は、前記収容容器の嵌合部は、前記収容容器を水平方向に180°回転した場合に同じ位置となるように形成されている。これにより収容容器の向きを180°異ならせても連結することができる。
【0009】
請求項3の発明は、前記収容容器の嵌合部は、前記収容容器と前記間隔保持具とを上下方向に相対移動させることにより両者の嵌合及びその解除が可能である。これにより、連結した収容容器と間隔保持具を設置面上で離間方向に移動させても連結は解除されない。
【0010】
請求項4の発明は、収容容器の間に配置され、前記収容容器の嵌合部と嵌合可能であり間隔保持具とは嵌合不可な嵌合部を有する間隔保持具である。これにより間隔保持具を収容容器にのみ連結することができる。
【0011】
請求項5の発明は、前記間隔保持具は幅が異なる複数の種類がある請求項4に記載の間隔保持具である。これにより、必要な幅に合わせた間隔保持具を使用することができる。
請求項6の発明は、上面に収容孔の開口を有し、間隔保持具と嵌合可能であり収容容器とは嵌合不可な嵌合部を有する少なくとも2つの収容容器と、収容容器と別の収容容器との間に配置され、収容容器の前記嵌合部と嵌合可能であり間隔保持具とは嵌合不可な嵌合部を有する間隔保持具と、前記両収容容器と前記間隔保持具とが前記各嵌合部により嵌合された状態で、同状態を保持する嵌合状態保持手段と、を有する収容容器と間隔保持具との構造体である。これにより、収容容器と間隔保持具の嵌合部が嵌合状態を保持することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、収容孔を有する収容容器同士の間隔を開けて配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】収容容器の斜視図。
図2図2(a)は収容容器の側面図、図2(b)は収容容器の平面図。
図3】間隔保持具の斜視図。
図4図4(a)は間隔保持具の側面図、図4(b)は間隔保持具の平面図。
図5】収容容器と間隔保持具を嵌合した斜視図。
図6図5の収容容器に工具を収容した正面図。
図7図7(a)は収容孔の変更例、図7(b)は収容容器の変更例。
図8図8(a)、図8(b)は、間隔保持具の変更例。
図9】変更例に係る収容容器と間隔保持具とを嵌合した斜視図。
図10図10(a)、図10(b)は、嵌合部の変更例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を工具の収容容器と間隔保持具とに具体化した収容容器Aと間隔保持具Bの一実施形態を図1図6にしたがって説明する。
まず、方向について説明すると、図1の斜視図に示す収容容器Aにおいて、図中の右下がりの辺の向きを幅(幅方向)、上下を高さ(高さ方向)、右上がりの辺り向きを長さ(長さ方向)、とそれぞれいう。また、高さ方向に直交する方向を水平方向という。これらの方向は収容容器Aのみならず間隔保持具B、収容容器Aと間隔保持具Bを構成する各部材についても同様である。
【0015】
収容容器Aについて
図1に収容容器Aの斜視図を示す。同図に示すように収容容器Aは基本構造として幅方向の長さに対して長さ方向が長い略直方体形状をなし、上面に開口が形成された構成をなす。
【0016】
具体的には、収容容器Aは、図示しない略長方形の底面と、その底面における一対の長さ方向に延びる辺(以下、長辺という)から底面に対して垂直に立ち上がる一対の長側面10と、底面における一対の幅方向に延びる辺(以下、短辺という)から底面に対して垂直に立ち上がる一対の短側面20を備えている。
【0017】
一対の長側面10は底面を挟んで平行に位置し、一対の短側面20も底板を挟んで平行に位置している。各長側面10と各短側面20の高さは同じであり、長側面10と短側面20とが接する4つの内角はそれぞれ直角である。
【0018】
また、収容容器Aは、一対の長側面10と一対の短側面20の各上辺に接して底面と平行に位置する略長方形の上面30を備えている。上面30には中央部に長さ方向を長辺とする長方形の開口40が形成されており、この開口40を形成する長方形の各辺から下方に延びて底板に至る矩形筒状の内枠50が配置されている。上面30に形成された開口40と開口40から下方に延びる矩形筒状の内枠50とにより収容孔60を構成する。なお、収容容器Aは、底面(図示しない)、一対の長側面10、一対の短側面20及び上面30と内枠50以外の部分は空洞(中空)となっている。
【0019】
図1図2(a)及び図2(b)に示すように、一対の長側面10には嵌合部を構成する嵌合凹部70がそれぞれ形成されている。また、図1図2(a)に示すように、各嵌合凹部70は長側面10の長さ方向中央において長側面10の高さ方向全体に亘って形成されている。なお、図2(a)内に破線で示しているのは収容孔60を構成する内枠50である。
【0020】
図2(b)に示すように、各嵌合凹部70は長側面10の長さ方向両端に位置する面から幅方向内側に向かって凹んだ形状をなしている。同図の平面視から明らかなように、各嵌合凹部70は幅方向内側に向かうほど凹部の長さが長くなる台形状をなす。このため、収容容器Aにおける各長側面10は平面ではなく長さ方向の中央に凹みを有する形状をなし、これにより、上面30及び図示しない底面の長辺も、長側面10の嵌合凹部70の凹みに対応した形状となっている。なお、短側面20は平面で構成されている。
【0021】
嵌合凹部70は一対の長側面10において収容容器Aを水平方向に180°回転しても長側面10の同じ位置(以下、点対称という)となるように形成されている。
また、各長側面10の下方における長さ方向両端であって、側面視(図2(a))にて収容孔60と干渉しない位置には長側面10を貫通する貫通孔80が形成されている。すなわち、1つの収容容器Aには、4つの貫通孔80が形成されている。一つの長側面10に形成される2つの貫通孔80は、長側面10の長さ方向の中心から高さ方向に伸びる仮想線(図示しない)に対して線対称、かつもう一方の長側面10に形成された2つの貫通孔80に対して点対称となる位置に形成されている。
【0022】
間隔保持具Bについて
図3に間隔保持具Bの斜視図を示す。同図に示すように間隔保持具Bは基本構造として収容容器Aと同様に、幅方向の長さに対して長さ方向が長い略直方体形状をなしている。なお、間隔保持具Bの上面は平面である。
【0023】
具体的には、間隔保持具Bは、図示しない略長方形の底面と、その底面における一対の長辺から立ち上がる一対の長側面110と、底面における一対の短辺から立ち上がる一対の短側面120とを備えている。
【0024】
一対の長側面110は底面を挟んで平行に位置し、一対の短側面120も底面を挟んで平行に位置している。各長側面110と各短側面120の高さは同じであり、長側面110と短側面120とが接する4つの内角はそれぞれ直角である。また、間隔保持具Bは、一対の長側面110と一対の短側面120の各上辺に接して底面と平行に位置する略長方形の上面130とを備えている。
【0025】
本実施形態の間隔保持具Bは、収容容器Aと同じ長さと高さを有し、幅は少し狭いものとして説明するが、間隔保持具Bの長さ、幅、高さについて特に制限はない。なお、間隔保持具Bは、底面(図示しない)、一対の長側面110、一対の短側面120及び上面130以外の部分は空洞(中空)となっており、この点は収容容器Aと同様である。
【0026】
図3図4(a)及び図4(b)に示すように、間隔保持具Bの一対の長側面110には嵌合部を構成する嵌合凸部140がそれぞれ形成されている。
図4(a)に示すように、各嵌合凸部140は長側面110の長さ方向中央において高さ方向全域に亘って形成されている。また、図4(b)に示すように、各嵌合凸部140は長側面110の長さ方向両端に位置する面から幅方向外側に突出した形状をなし、同図の平面視から明らかなように、各嵌合凸部140は幅方向外側に向かうほど凸部の長さが長くなる台形状をなす。このため、間隔保持具Bにおける各長側面110は平面ではなく長さ方向の中央に凸のある形状をなし、これにより上面130及び図示しない底面の長辺も、この長側面110の嵌合凸部140の凸に対応した形状となっている。なお、短側面120は平面で構成されている。嵌合凸部140は一対の長側面110において点対称となる位置に形成されている。
【0027】
各長側面110の下方における長さ方向両端には長側面110を貫通する貫通孔150が形成されている。すなわち、1つの間隔保持具Bには、4つの貫通孔150が形成されている。一つの長側面110に形成される2つの貫通孔150は、長側面110の長さ方向の中心から高さ方向に伸びる仮想線(図示しない)に対して線対称、かつもう一方の長側面110に形成された2つの貫通孔150に対して点対称となる位置に形成されている。
【0028】
そして、この貫通孔150は、間隔保持具Bと収容容器Aとを嵌合したときに、収容容器Aの貫通孔80と対向して幅方向に孔同士が重なり合う位置に形成されている。
また、間隔保持具Bの嵌合凸部140は、収容容器Aの嵌合凹部70と上下方向から嵌め合わせることにより嵌合凹部70内に嵌合凸部140が挿入されて両者が嵌合可能となっている。このため、収容容器Aに形成された嵌合凹部70は間隔保持具Bに形成された嵌合凸部140を挿入可能なようにわずかに大きく形成されている。ただし、収容容器Aに形成された嵌合凹部70のうち最も長さの短い部分である開口部分の長さは、間隔保持具Bに形成された嵌合凸部140のうち最も長さの長い部分となる先端部分の長さよりも短くなっており、嵌合状態では収容容器Aと間隔保持具Bとを幅方向に離間するように移動させても嵌合は解除されない。
【0029】
収容容器A及び間隔保持具Bの材料について
収容容器A及び間隔保持具Bに使用する材料は成形の容易性から熱可塑性樹脂を用いることができる。使用することのできる樹脂は特に限定はないが、嵌合部が変形して容易に嵌合が解除される弾性材料は好ましくない。樹脂は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0030】
収容容器Aと間隔保持具Bの製造方法について
収容容器A及び間隔保持具Bの製造方法には特に限定はない。樹脂を用いて中空体を成形する方法により製造すればよい。なお、収容容器A及び間隔保持具Bを中実として成形してもよい。
【0031】
次に、収容容器Aと間隔保持具Bの嵌合方法について説明する。
先に説明したとおり、間隔保持具Bの嵌合凸部140は収容容器Aの嵌合凹部70と上下方向から嵌め合わせて嵌合可能となっている。このため、収容容器Aと間隔保持具Bとを嵌合するには、いずれか一方、例えば収容容器Aを設置面に設置した状態で、収容容器Aの嵌合凹部70に上方から間隔保持具Bの嵌合凸部140を嵌め合わせて間隔保持具Bをそのまま下方に設置面まで移動させる。そうすると、収容容器Aの嵌合凹部70に間隔保持具Bの嵌合凸部140が挿入された状態で収容容器Aと間隔保持具Bが嵌合される。
【0032】
収容容器Aの嵌合凹部70の開口部分の長さは、間隔保持具Bに形成された嵌合凸部140の突出部分の長さよりも短いため、嵌合状態にある収容容器Aと間隔保持具Bとを上下以外の方向、例えば収容容器Aと間隔保持具Bとを幅方向に離間する方向に移動させても両者の嵌合状態が保持され、解除されない。
【0033】
そして、間隔保持具Bのうち先に収容容器Aを嵌合した側とは反対側の嵌合凸部140にも同様に別の収容容器Aを嵌合する。
この状態では、2つの収容容器Aの各長側面10に形成された2つ貫通孔80と間隔保持具Bの各長側面110に形成された2つの貫通孔150が向かい合う形で重なり合っている。そして、最も端に位置する収容容器Aの各貫通孔80に、両端にネジを形成した貫通棒200の先端をそれぞれ挿入して、反対側に位置する収容容器Aの各貫通孔80から露出させる。そうすると、貫通棒200は収容容器Aと間隔保持具Bと収容容器Aの各貫通孔80、150を貫通して両端が露出した状態となる。
【0034】
そして、図5に示すように、貫通棒200の露出する両端にそれぞれナット210を螺合させると、2つの収容容器Aと間隔保持具Bとは上下方向への相対移動もできなくなり、嵌合部による嵌合状態が解除されなくなる。図5に示す構成で使用する貫通棒200は、2つの収容容器Aと間隔保持具Bとを嵌合した長さに加えて両端に露出したネジ部分の長さが必要となる。なお、貫通棒200とその両端にそれぞれ螺合されるナット210は嵌合状態保持手段として機能する。
【0035】
図6に示すように、一つの収容容器Aの収容孔60に工具、例えばスパナのグリップを収容し、また別の収容容器Aの収容孔60にノギスの本尺を収容しても、隣接する収容孔60同士は間隔保持具Bを介して離間して位置しており収容孔60から露出しているスパナのアゴ部分とノギスのジョウ部分との間に十分な間隔を確保することができる。
【0036】
上記実施形態の収容容器Aによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、収容容器Aに一対の嵌合凹部70をそれぞれ設け、間隔保持具Bに一対の嵌合凹部70に嵌合する嵌合凸部140をそれぞれ設けた。
【0037】
このため、収容容器Aと間隔保持具Bを嵌合することができ、また、収容容器Aの嵌合凹部70は収容容器A同士を嵌合することができず、間隔保持具Bの嵌合凸部140は間隔保持具B同士を嵌合することができないため、複数の収容容器Aの間隔を間隔保持具Bにより保持することができる。これにより、収容孔60同士の間隔も広く保持することができ、収容孔60に収容した工具同士が接触せず、工具を取り出す際に個々の工具を手でつかみやすい。
【0038】
(2)収容容器Aの嵌合凹部70、間隔保持具Bの嵌合凸部140は、点対称となる位置に形成されている。このため、収容容器A及び間隔保持具Bの向きに関わらず嵌合することができる。
【0039】
(3)収容容器Aの嵌合凹部70、間隔保持具Bの嵌合凸部140は、収容容器Aと間隔保持具Bとを上下方向に相対移動させることにより両者の嵌合及びその解除が可能となっている。このため、嵌合が容易である。また、嵌合状態では、収容容器Aと間隔保持具Bとを幅方向に移動させても嵌合は保持状態にあり解除されない。
【0040】
(4)2つの収容容器Aの各長側面10に形成された2つの貫通孔80と間隔保持具Bの各長側面110に形成された2つの貫通孔150とに貫通棒200を通して、その両端にそれぞれナット210を螺合させている。このため、2つの収容容器Aと間隔保持具Bとは上下方向にも相対移動ができなくなり、嵌合部による嵌合は解除されなくなる。
【0041】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 嵌合凹部70、嵌合凸部140を収容容器Aと間隔保持具Bとで逆に形成してもよい。すなわち、収容容器Aに嵌合凸部140を形成し、間隔保持具Bに嵌合凹部70を形成してもよい。そうすれば、収容容器Aに形成する収容孔60の幅が嵌合凹部70による幅方向の凹みの制限を受けなくなる。
【0042】
○ 嵌合凹部70、嵌合凸部140を長側面10、110において高さ方向に延びるに形成しているが、長側面10、110上にて90°向きを異ならせて長さ方向に延びるようにしてもよい。
【0043】
○ 収容容器Aに形成する収容孔60の形状や収容容器Aの形状を変更してもよい。例えば、図7(a)に示すように、収容容器A2の収容孔60を異なる形状(図では円柱状)としたり、複数(図では2つ)形成してもよい。また、図7(b)に示すように、収容容器A3を高く、長く形成すれば収容孔60も高く、長くすることができ、長尺物を収容することができる。なお、この場合でも嵌合凹部70の形状は図1に示した収容容器Aと同じである。また、収容容器A3の貫通孔150は収容容器Aの貫通孔150と同じ位置に形成する。収容容器A3の貫通孔150が収容孔60と干渉する場合には必要に応じて収容孔60の底を上げる等の対処をすればよい。
【0044】
○ 間隔保持具Bの幅を変更してもよい。図8(a)に示すように図3の間隔保持具Bよりも幅狭の間隔保持具B2、図8(b)に示すように図3の間隔保持具Bよりも幅広な間隔保持具B3としてもよい。そうすると、図9に斜視図を示すように大きさの異なる収容孔60を有する複数の収容容器A、A2、A3と幅の異なる複数の間隔保持具B、B2、B3を嵌合して、収容することのできる工具の種類や大きさ、向き等の自由度を高めることができる。なお、図10でも貫通棒200とナット210を使用しているが、嵌合した収容容器A、A2、A3と間隔保持具B、B2、B3の嵌合体の全幅に応じた長さの貫通棒200を使用する必要がある。
【0045】
○ 嵌合部の構成を変更してもよい。例えば、凹凸形状にて収容容器Aと間隔保持具Bとを嵌合する場合であっても、図10(a)に短側面20、120から見た状態を示すように、収容容器Aの底面に細長い溝状の嵌合凹部71を形成し、間隔保持具Bの底面から幅方向外側に延びるL字状の嵌合凸部141と形成して両者を嵌合可能としてもよい。
【0046】
○ また、図10(b)にも短側面20、120から見た状態を示すように、収容容器Aの長側面10に円状の嵌合凹部72と、間隔保持具Bの長側面110から幅方向外側に延び嵌合凹部72に嵌合可能な円柱状の嵌合凸部142とを形成して両者をオスメス嵌合可能としてもよい。こうすれば、収容容器Aと間隔保持具Bとを幅方向に移動させるだけで嵌合とその解除が可能となる。
【0047】
なお、図10(b)のような嵌合凹部72と嵌合凸部142による嵌合では、設置面上であっても同図中右側の収容容器Aを右方に移動させると間隔保持具Bとの嵌合が解除されてしまうなど嵌合状態を保持できない場合が多い。このため、図10(b)のような嵌合状態が解除されやすい構成では、図6に示すように貫通棒200とナット210を用いることが好ましい。
【0048】
また、嵌合部の構造として他に、収容容器Aと間隔保持具Bの長側面のいずれか一方に雄ネジを形成し、他方に雌ネジを形成して両者をネジ止め可能としたり、両者がバヨネット構造により嵌合できるようにしてもよい。本願にいう嵌合とは、これらを含む概念である。
【0049】
○ 図示しないが、図1ないし図6に示した嵌合凹部70と嵌合凸部140は収容容器A、間隔保持具Bの高さ方向全域に形成する必要はなく、一部でもよい。例えば側面において高さ方向の下半分にだけ嵌合凹部70と嵌合凸部140とを形成すれば、嵌合、解除時の上下の相対移動を半分とすることができる。
【0050】
○ 収容孔60に入れるものは工具に限らず、他の道具や異なる種類の道具の組み合わせ、あるいは材料等でもよい。
○ 収容容器A、間隔保持具Bは樹脂で形成しなくてもよい。金属や木材等を全部又は一部に使用したり、また面の内外を貫通する穴を有する材料や、メッシュ材料を一部又は全部に使用して形成してもよい。
【0051】
○ 収容容器A、間隔保持具Bの底面、短側面は省略してもよい。
○ 収容容器Aの上面30の収容孔60を一対の長側面10と一対の短側面20にて形成される孔部としてもよい。
【0052】
○ 収容容器A、間隔保持具Bは平面視で長方形状としたが、台形状、平行四辺形状、三角形状、その他多角形状としてもよい。
○ 上記実施形態では、収容容器Aと間隔保持具Bの嵌合体の貫通孔80、150に2本の貫通棒200を通した。嵌合部70、140の構成、コスト、使用方法等の各種理由によって貫通棒200及びナット210の使用を省略することができる。また、その場合には収容容器Aと間隔保持具Bの貫通孔80、150も形成する必要がない。
【0053】
○ 上記実施形態では、貫通棒200及びナット210を使用する場合でも、貫通棒200を1本としてもよい。1本の貫通棒200であっても、少なくとも収容容器Aと間隔保持具Bの上下方向の相対移動は規制されるため、両者の嵌合が解除されることはない。また、この場合には収容容器Aと間隔保持具Bにはそれぞれ長さ方向に2箇所(合計4つ)の貫通孔80、150を形成したが、長さ方向に1箇所(合計2つ)でもよい。なお、その場合、収容容器Aと間隔保持具Bを嵌合する際には、貫通孔80、150の位置をあわせる必要がある。
【0054】
○ 嵌合状態を保持する手段として貫通棒200とナット210以外の構成を使用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
【0055】
(a)収容容器は平面視で長方形状でありその両長側面に間隔保持具との嵌合部が成形され、間隔保持具は平面視で長方形状でありその両長側面に収容容器との嵌合部が成形されている収容容器と間隔保持具。
【0056】
これにより、収容容器と間隔保持具との長側面同士を嵌合することができ、嵌合した場合に幅を短くすることができる。
(b)上面に収容孔の開口を有し、間隔保持具と嵌合可能であり収容容器とは嵌合不可な嵌合部を有する少なくとも2つの収容容器と、
収容容器と別の収容容器との間に配置され、収容容器の前記嵌合部と嵌合可能であり間隔保持具とは嵌合不可な嵌合部を有する間隔保持具と、を有する収容容器と間隔保持具との構造体。
【0057】
これにより、2つの収容容器Aを間隔保持具Bで挟んで位置することができ、各収容容器の収容孔同旨の間隔を開けることができる。
【符号の説明】
【0058】
A、A2、A3・・・収容容器
B、B2、B3・・・間隔保持具
10、110・・・長側面
20、120・・・短側面
30、130・・・上面
40・・・開口
50・・・内枠
60・・・収容孔
70、71、72・・・嵌合凹部(嵌合部)
80、150・・・貫通孔
140、141、142・・・嵌合凸部(嵌合部)
200・・・貫通棒(嵌合状態保持手段)
210・・・ナット(嵌合状態保持手段)
図1
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