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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048572
(43)【公開日】2022-03-28
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20220318BHJP
【FI】
G09F9/00 313
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020154457
(22)【出願日】2020-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503185921
【氏名又は名称】株式会社タテイシ広美社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】落合 功
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 晴之
(72)【発明者】
【氏名】▲瀬▼田 亮
(72)【発明者】
【氏名】立石 良典
【テーマコード(参考)】
5G435
【Fターム(参考)】
5G435AA00
5G435BB04
5G435CC09
5G435FF03
5G435FF08
5G435HH01
5G435LL04
5G435LL19
(57)【要約】
【課題】情報の表示手法の多様化を図ることが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置1は、発光により読み取り可能な可変表示情報を表示する表示面10aを有する可変情報表示部10と、表示面10aに重ねて設けられ、反射光RLにより読み取り可能な固定表示情報を有し、表示面10aから出射する可変表示情報用の光Lを透過可能な固定情報表示部20と、を備える。表示面10aから出射する光Lの輝度は可変である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光により読み取り可能な可変表示情報を表示する表示面を有する可変情報表示部と、
前記表示面に重ねて設けられ、反射光により読み取り可能な固定表示情報を有し、前記表示面から出射する前記可変表示情報用の光を透過可能な固定情報表示部と、を備え、
前記表示面から出射する前記光の輝度が可変である表示装置。
【請求項2】
前記固定情報表示部を透過した前記可変情報表示部の前記光の輝度と、前記反射光の輝度とが同等である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記固定情報表示部は、前記固定表示情報を含み、前記表示面に直接印刷される印刷層である請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記可変情報表示部は、前記光が出射する凹凸面を有するベース部と、少なくとも前記凹凸面の凹部に充填されて前記凹凸面の少なくとも一部を覆う被覆樹脂と、を備え、
前記表示面の少なくとも一部が、前記被覆樹脂によって構成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表示面に沿って配列された多数の発光素子が発光することで映像や画像などの情報を表示するディスプレイが開示されている。特許文献1のディスプレイでは、多数の発光素子が適宜発光することで、様々な情報(変化可能な情報)を表示することができる。
特許文献2には、面発光体の表面に文字や図柄などの情報を印刷した表示板が開示されている。特許文献2の表示板では、面発光体から出た光が印刷された情報(変化しない情報)に届くことで、当該情報が明るく映し出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-255862号公報
【特許文献2】特許第5931330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のディスプレイでは、多数の発光素子が発光していない状態では情報を表示することができない。また、特許文献2の表示板では、面発光体が発光することで変化しない情報が映し出されるだけである。このため、情報を表示する手法には改善の余地がある。
【0005】
上記事情を踏まえ、本発明は、情報の表示手法の多様化を図ることができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、光により読み取り可能な可変表示情報を表示する表示面を有する可変情報表示部と、前記表示面に重ねて設けられ、反射光により読み取り可能な固定表示情報を有し、前記表示面から出射する前記可変表示情報用の光を透過可能な固定情報表示部と、を備える表示装置である。
前記表示面から出射する前記光の輝度は可変である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、可変情報表示部による可変表示情報、及び、固定情報表示部による固定表示情報に加え、可変表示情報及び固定表示情報を合成した新たな表示情報(合成表示情報)を表示することが可能となる。したがって、情報の表示手法の多様化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置であって、固定表示情報のみを視認できる状態を示す斜視図である。
図2図1の表示装置の要部を示す拡大断面図である。
図3図1の表示装置において、可変表示情報のみを視認できる状態を示す斜視図である。
図4図1の表示装置において、固定表示情報及び可変表示情報の両方を視認できる状態を示す斜視図である。
図5】本発明の他の実施形態に係る表示装置の要部を示す拡大断面図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る表示装置の要部を示す拡大断面図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る表示装置の要部を示す拡大断面図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る表示装置の要部を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1~4を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1,2に示すように、本実施形態に係る表示装置1は、可変情報表示部10と、固定情報表示部20と、を備える。
【0010】
図2,3に示すように、可変情報表示部10は、発光によって読み取り可能な可変表示情報I1を表示する表示面10aを有する。可変表示情報I1は、発光に応じて表示が適宜切り換えられる動画や静止画である。図3において、可変情報表示部10は表示面10aに沿う第一方向Xに延びる多数の直線によって表されている。可変情報表示部10の表示面10aから出射する可変表示情報I1用の光L(図2参照)の輝度は可変である。以下、可変情報表示部10の具体的な構成について説明する。
【0011】
図2に示すように、本実施形態の可変情報表示部10は、ベース部11と、被覆樹脂12と、を備える。ベース部11は、可変表示情報I1用の光Lが出射する凹凸面11aを有する。本実施形態のベース部11は、基板13と、基板13の第一面13aに設けられた複数の発光素子14と、を備える。
基板13の第一面13aは、平坦に形成されている。複数の発光素子14は、可変表示情報I1用の光Lを出射する。発光素子14から出射する光Lの輝度は可変であり、多数の段階(例えば256段階)で変えることができる。複数の発光素子14は、基板13の第一面13aに沿って縦横(アレイ状)に互いに間隔をあけて配列されている。基板13の第一面13aに設けられた複数の発光素子14の頂面14aの高さ位置は、互いに異なっていてもよいが、本実施形態では互いに等しい。基板13の第一面13aから突出するように設けられた発光素子14の頂面14aは、平坦面となっている。これら基板13の第一面13a及び複数の発光素子14が、ベース部11の凹凸面11aを構成している。また、隣り合う発光素子14の間の部分が、凹凸面11aの凹部15を構成している。
上記したベース部11は、例えば発光素子14として発光ダイオード(LED)を用いたLEDディスプレイであってよい。
【0012】
被覆樹脂12は、ベース部11の凹凸面11a全体を覆うように設けられている。すなわち、被覆樹脂12は、隣り合う発光素子14の間の凹部15に充填され、さらに、発光素子14の頂面14aを覆っている。本実施形態における被覆樹脂12は、光Lを透過可能な透明樹脂である。このため、ベース部11の凹凸面11a(発光素子14)から出射した光Lは、被覆樹脂12を透過することができる。また、被覆樹脂12は、例えば流動性がある状態でベース部11の凹凸面11a側に流し込んだ後に硬化することで形成することができる。このため、発光素子14の頂面14aを覆う被覆樹脂12の厚さを簡単に調整することができる。
被覆樹脂12の表面は、平坦に形成され、可変情報表示部10の表示面10a全体を構成している。これにより、発光素子14の光Lは、被覆樹脂12を透過した上で表示面10aから可変情報表示部10の外側に出射される。
【0013】
図1,2に示すように、固定情報表示部20は、可変情報表示部10の表示面10aに重ねて設けられている。固定情報表示部20は、固定表示情報I2を有する。固定表示情報I2は、固定情報表示部20において反射する反射光RLによって読み取り可能な情報である。固定表示情報I2は、切り換えられることが無い固定された情報(すなわち変化しない情報)である。固定表示情報I2は、例えば図柄(例えば木目、タイル、大理石、抽象柄などの模様)や文字、写真などであってよい。また、固定表示情報I2は、例えば単色の情報(例えば映像を映し出すスクリーンなどを構成し得る白色の情報)であってもよい。図1において、固定表示情報I2は、表示面10aに沿って第一方向Xに交差する第二方向Yに延びる多数の直線によって表されている。
固定情報表示部20は、表示面10aから出射する可変情報表示部10の光Lを透過可能である。
【0014】
本実施形態における固定情報表示部20は、表示面10aに直接印刷される印刷層21である。印刷層21は、固定表示情報I2を含む。例えば、印刷層21の厚さを適宜調整したり、印刷層21を構成するインキの種類などを適宜選択したりすることで、印刷層21は、固定情報表示部20の外側からの光を反射させたり、可変情報表示部10の光Lを透過させたりすることができる。
【0015】
印刷層21は、スクリーン印刷など任意の印刷方法によって形成されてよいが、本実施形態ではインキジェット印刷によって形成されている。このため、高精細な固定表示情報I2を形成することができる。また、厚盛印刷が可能となるため、木目等を微小な凹凸で表現した固定表示情報I2を形成することもできる。
【0016】
以上のように構成される本実施形態の表示装置1では、可変情報表示部10から出射する光Lの輝度を適宜調整することで、固定表示情報I2だけを視認できる状態と、可変表示情報I1だけを視認できる状態と、可変表示情報I1及び固定表示情報I2の両方を視認できる状態と、に切り換えることができる。以下、この点について説明する。
【0017】
表示装置1において、例えば可変情報表示部10から光L(図2参照)が出射していない状態、すなわち、発光による可変表示情報I1が表示されていない状態とする。この状態において表示装置1を見る観察者は、図1に示すように固定情報表示部20において反射する反射光RL(図2参照)によって固定表示情報I2だけを視認することができる。
なお、可変情報表示部10から光Lが出射していても、固定情報表示部20を透過した可変情報表示部10の光Lの輝度が反射光RLの輝度よりも十分に低い状態では、観察者は固定表示情報I2だけを視認することができる。
【0018】
また、表示装置1において、例えば固定情報表示部20を透過した可変情報表示部10の光Lの輝度を反射光RLの輝度よりも十分に高い状態とする。この状態において観察者は、図3に示すように可変情報表示部10に表示された可変表示情報I1だけを視認することができる。
【0019】
また、表示装置1において、例えば固定情報表示部20を透過した可変情報表示部10の光Lの輝度と、反射光RLの輝度との差を小さい状態とする。あるいは、固定情報表示部20を透過した可変情報表示部10の光Lの輝度と、反射光RLの輝度とが同等になる状態とする。このような状態において観察者は、図4に示すように、固定表示情報I2及び可変表示情報I1の両方を視認することができる。すなわち、観察者は固定表示情報I2及び可変表示情報I1を合成した新たな表示情報(合成表示情報)を視認することができる。
【0020】
以上説明したように、本実施形態の表示装置1によれば、可変情報表示部10による可変表示情報I1、及び、固定情報表示部20による固定表示情報I2に加え、可変情報表示部10及び固定表示情報I2を合成した合成表示情報を表示することが可能となる。したがって、情報の表示手法の多様化を図ることができる。
このような表示装置1は、例えば、テレビジョンなどのディスプレイの他、壁材、床材、絵画として活用することが可能であり、今までにない新たな視覚効果を観察者に与えることができる。
【0021】
また、このような表示装置1は、広告媒体(例えばデジタルサイネージ)にも有効に活用することができる。例えば、固定表示情報I2だけを表示する状態と、可変表示情報I1だけを表示する状態と、固定表示情報I2及び可変表示情報I1の両方を含む合成表示情報を表示する状態と、に適宜切り換えることで、広告のアイキャッチ効果を高めることができる。
また、固定表示情報I2だけを表示する状態(すなわち可変情報表示部10が光を発していない状態)では、表示装置1の消費電力を小さく抑える又は無くすことができる。これにより、可変表示情報I1だけで広告を表示する場合と比較して、低いコストで広告表示を行うことが可能となる。
【0022】
また、本実施形態の表示装置1によれば、固定情報表示部20を透過した可変情報表示部10の光Lの輝度と、反射光RLの輝度とを同等にすることができる。これにより、固定情報表示部20を透過した可変情報表示部10の光Lの輝度と、固定情報表示部20において反射する反射光RLの輝度との間に差がある場合と比較して、固定表示情報I2及び可変表示情報I1の両方をバランスよく視認することができる。したがって、固定表示情報I2及び可変表示情報I1を合成した合成表示情報をより鮮明に視認することができる。
【0023】
また、本実施形態の表示装置1では、固定情報表示部20が、固定表示情報I2を含み、可変情報表示部10の表示面10aに直接印刷されている。このため、固定情報表示部20が表示面10aに対して間隔をあけて位置する場合と比較して、表示面10aから出射した可変情報表示部10の光Lが表示面10aと固定情報表示部20との間で拡散することを抑制又は防止することができる。これにより、可変情報表示部10の光Lが固定情報表示部20を透過することで映し出される可変表示情報I1がぼやけることを抑制することができる。すなわち、可変表示情報I1を鮮明に映し出すことができる。
【0024】
また、本実施形態の表示装置1によれば、可変情報表示部10がベース部11及び被覆樹脂12を備えている。また、可変表示情報I1用の光Lが出射するベース部11の凹凸面11a全体が、被覆樹脂12によって覆われている。このため、凹凸面11aの段差を被覆樹脂12によって実質的に無くして、表示面10aの平坦化を図ることができる。また、図2に示すように、凹凸面11aの凸部16の頂面(発光素子14の頂面14a)が被覆樹脂12によって覆われることで、仮に凸部16の頂面に凹凸があっても当該凹凸を実質的になくして、表示面10aをより確実に平坦に形成することができる。
【0025】
表示面10aの平坦化を図ることで、可変情報表示部10の表示面10aに固定情報表示部20を安定に設けることができる。具体的には、表示面10aに窪みが無いことで、インキジェット印刷以外の印刷手法(例えばスクリーン印刷)であっても、表示面10aの窪みに起因して固定情報表示部20(印刷層21)に欠けが生じることを防止することができる。また、ベース部11の凹凸面11aに起因する凹凸が現れない固定情報表示部20(印刷層21)を形成することができる。したがって、凹凸面11aの影響を受けない固定表示情報I2を表示することができる。
【0026】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0027】
本発明の表示装置において、可変情報表示部10の表示面10aは、被覆樹脂12のみによって構成されることに限らず、例えば図5,6に示すように、被覆樹脂12及びベース部11の凹凸面11aの両方によって構成されてもよい。
図5,6に例示する表示装置1B,1Cでは、被覆樹脂12が凹凸面11aの凹部15に充填されているが、被覆樹脂12は凹凸面11aの凸部16の頂面(発光素子14の頂面14a)を覆っていない。このため、可変情報表示部10の表示面10aは、凹部15に充填された被覆樹脂12の表面と凸部16の頂面とによって構成されている。
【0028】
また、図5,6に例示する表示装置1B,1Cでは、凹凸面11aの一部が被覆樹脂12によって覆われずに露出する。このため、凹凸面11a(発光素子14)から出射した光は、被覆樹脂12を透過しなくても可変情報表示部10の外側に出射することができる。このため、図5,6に例示する表示装置1B,1Cにおいて、被覆樹脂12は、透明樹脂であってもよいし、光を透過しない樹脂であってもよい。
【0029】
図5,6に例示した表示装置1B,1Cでは、凹凸面11aから出射した光が被覆樹脂12で拡散されることなく、可変情報表示部10の表示面10aから外側に出射することができる。これにより、可変情報表示部10の光よって表示される可変表示情報をより鮮明に映し出すことができる。
【0030】
図5に例示する表示装置1Bでは、凹凸面11aの凹部15が被覆樹脂12によって完全に満たされ、凹部15に充填された被覆樹脂12の表面と凸部16の頂面(発光素子14の頂面14a)とが同じ高さに位置する。すなわち、被覆樹脂12の表面と凸部16の頂面との間には段差が無い。凹凸面11aの段差が無くなることで、表示面10aを平坦に形成することができる。これにより、上記実施形態と同様に、可変情報表示部10の表示面10aに固定情報表示部20を安定に設けることができる。
【0031】
一方、図6に例示する表示装置1Cでは、凹凸面11aの凹部15が被覆樹脂12によって完全には満たされず、凹部15に充填された被覆樹脂12の表面が凸部16の頂面(発光素子14の頂面14a)よりも低く位置する。すなわち、被覆樹脂12の表面と凸部16の頂面との間には段差がある。ただし、当該段差は、凹凸面11aの凹部15の底面(基板13の第一面13a)と凸部16の頂面との段差よりも小さい。
【0032】
凹凸面11aの段差を小さくする(例えば2mm以下の段差とする)ことで、表示面10aの平坦化を図ることができる。これにより、可変情報表示部10の表示面10aに固定情報表示部20を安定に設けることができる。具体的には、インキジェット印刷以外の印刷手法(例えばスクリーン印刷)であっても、固定情報表示部20が凹凸面11aのうち凸部16の頂面にだけ形成されることを抑制又は防止することができる。また、図6に例示する表示装置1Cでは、図2に示した上記実施形態の表示装置1や図5に例示した表示装置1Bと比較して、使用する被覆樹脂12の量を減らすことができるため、表示装置1Cの軽量化やコスト削減を図ることもできる。
【0033】
本発明の表示装置において、可変情報表示部10は、図7に例示する表示装置1Dのように、被覆樹脂12を備えず、凹凸面11aを有するベース部11のみによって構成されてもよい。すなわち、可変情報表示部10の表示面10aは、ベース部11の凹凸面11aのみによって構成されてもよい。この場合、固定情報表示部20は、インキジェット印刷によって形成される印刷層21であることが好ましい。インキジェット印刷では、図7に例示するように凹凸面11aに大きな段差があっても、固定情報表示部20を凹凸面11aの凹部15の底面(基板13の第一面13a)、及び、凸部16の頂面(発光素子14の頂面14a)の両方に形成することができる。
【0034】
本発明の表示装置において、固定情報表示部は、可変情報表示部10の表示面10aに直接印刷される印刷層21に限らない。固定情報表示部は、図8に例示するように、固定情報フィルム20Eであってもよい。固定情報フィルム20Eは、光を透過可能な透明フィルム22Eと、固定表示情報を含み、透明フィルム22Eに重ねて印刷された印刷層21と、を備える。この場合、固定情報フィルム20Eを可変情報表示部10の表示面10aに貼り付けることで、固定情報表示部を表示面10aに重ねて設けることができる。図8に例示する表示装置1Eにおいて、表示面10aはベース部11の凹凸面11a及び被覆樹脂12の両方によって構成されているが、図2に例示したように被覆樹脂12のみによって構成されてもよいし、図7に例示したようにベース部11の凹凸面11aのみによって構成されてもよい。
【0035】
なお、固定情報表示部として固定情報フィルム20Eを採用した図8の表示装置1Eでは、可変情報表示部10の表示面10aから出射した光が、透明フィルム22Eを透過する。このため、可変情報表示部10の光が透明フィルム22Eにおいて余分に拡散されてしまう。その結果として、可変情報表示部10の光によって表示される可変表示情報は、表示装置1Eの外側から見てぼやけてしまう。
これに対し、図2,5~7に例示したように、固定情報表示部として印刷層21を表示面10aに直接印刷した表示装置1,1B,1C,1Dでは、透明フィルム22Eが不要となるため、透明フィルム22Eに起因する光の余分な拡散が生じない。これにより、可変情報表示部10の光によって表示される可変表示情報をより鮮明に映し出すことができる。
【0036】
本発明の表示装置において、可変情報表示部10のベース部11のうち光が出射する面は、凹凸面11aに限らず、平坦面であってもよい。
本発明の表示装置において、可変情報表示部10のベース部11は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであってもよい。
【0037】
本発明の表示装置は、図1に例示した一枚の表示パネルだけで構成されてもよいし、例えば当該表示パネルを表示面10aに沿って縦横に複数配列して構成されてもよい。表示装置が複数の表示パネルによって構成される場合には、仮に表示装置に不具合が生じても、不具合が生じた表示パネルだけを交換することで、表示装置を簡単に修理することができる。
【符号の説明】
【0038】
1,1B,1C,1D,1E 表示装置
10 可変情報表示部
10a 表示面
11 ベース部
11a 凹凸面
12 被覆樹脂
15 凹部
20 固定情報表示部
20E 固定情報フィルム(固定情報表示部)
21 印刷層
I1 可変表示情報
I2 固定表示情報
RL 反射光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8