IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リストラの特許一覧

<>
  • 特開-折畳み式通行表示パネル 図1
  • 特開-折畳み式通行表示パネル 図2
  • 特開-折畳み式通行表示パネル 図3
  • 特開-折畳み式通行表示パネル 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048639
(43)【公開日】2022-03-28
(54)【発明の名称】折畳み式通行表示パネル
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/608 20160101AFI20220318BHJP
   E04G 21/32 20060101ALI20220318BHJP
   G09F 7/18 20060101ALI20220318BHJP
   E01F 13/02 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
E01F9/608
E04G21/32 C
G09F7/18 S
G09F7/18 Y
E01F13/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020154571
(22)【出願日】2020-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】391050824
【氏名又は名称】株式会社リストラ
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(74)【代理人】
【識別番号】100166659
【弁理士】
【氏名又は名称】楠 和也
(72)【発明者】
【氏名】岩田 昌樹
【テーマコード(参考)】
2D064
2D101
【Fターム(参考)】
2D064AA11
2D064AA21
2D064AA29
2D064BA03
2D064CA01
2D064CA02
2D064CA05
2D064DA05
2D064EA02
2D064EB22
2D064EB28
2D101CA12
2D101DA04
2D101DA05
2D101DA06
2D101EA08
2D101FA33
2D101FA35
2D101FB23
2D101GA04
2D101GA22
(57)【要約】
【課題】配置時に安定性の良い表示パネルを提供する。
【解決手段】この発明の表示パネルは、表面側に表示用のパネル1を備え、前後に開脚して折畳み開閉可能な自立型の表示パネルであって、パネル1の折畳み開閉に伴ってパネル1の背面側で折畳み開閉するウェイト載置用のラック7を上記パネル1の下端側に連結し、パネル1の開脚状態で伸展されたラック7がパネル1の自立姿勢の保持を行う機構とし、上記パネル1を接地させた開脚姿勢でラック7の底面内に畳み込まれ、パネル1を持ち上げることによってラック7の底面より下向きに突出し、パネル1を再度接地方向に下降することにより突出した端部が接地してラック7の折畳み作動を開始させ、該折畳み作動に連動してパネル1を開脚姿勢から折畳み作動させる開脚用のアタッチメント24をラック7に設けている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面側に表示用のパネル(1)を備え、前後に開脚して折畳み開閉可能な自立型の表示パネルであって、パネル(1)の折畳み開閉に伴ってパネル(1)の背面側で折畳み開閉するウェイト載置用のラック(7)を上記パネル(1)の下端側に連結し、パネル(1)の開脚状態で伸展されたラック(7)がパネル(1)の自立姿勢の保持を行う機構とした表示パネルにおいて、上記パネル(1)を接地させた開脚姿勢でラック(7)の底面内に畳み込まれ、パネル(1)を持ち上げることによってラック(7)の底面より下向きに突出し、パネル(1)を再度接地方向に下降させることにより突出した端部が接地してラック(7)の折畳み作動を開始させ、該折畳み作動に連動してパネル(1)を開脚姿勢から折畳み作動させる開脚用のアタッチメント(24)をラック(7)に設けた折畳み式通行表示パネル。
【請求項2】
パネル(1)の折畳みに伴ってアタッチメント(24)が折畳まれるパネル(1)の背面側に格納される機構とした請求項1に記載の折畳み式通行表示パネル。
【請求項3】
所定長さの棒状のアタッチメント(24)の一端を上下揺動可能にラック(7)側に軸支し、パネル(1)を持ち上げに際してアタッチメント(24)が揺動端側の自重により下向きに揺動してラック(7)の底面側に下向きに突出する機構とした請求項1又は2に記載の折畳み式通行表示パネル。
【請求項4】
表示パネルが前面側と背面側の一対のパネル(1,1)の上端を開閉回動可能に連結した側面視逆V字形の山形の表示パネルである請求項1~3のいずれかに記載の折畳み式通行表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は通称矢印板と称される表示パネル等に適用される折畳み式通行表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来一対の長方形パネルの上端を開閉回動可能に連結し、両端をパネルと共に折畳み可能なラックで連結した前後両面に表示面を設けた矢印板が特許文献1に示すように公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記矢印板は、前後のパネルが逆V字形に開かれて、地面上に配置した際に、内側下端の伸展状態のラック上にウェイトを載せておくことにより、強風や大型車両通過時の風圧又はその他の振動等に対して、転倒や移動、他の物への衝突等を防止できる安定姿勢を保つことができる利点がある。またパネル上端中央に設けた把手を持って開脚状態、折畳み状態を問わず簡単に移動や持ち運びができる利点がある。
【0005】
他方、開脚した配置状態から撤去や移動に際して表示パネルを折畳む際には、ウェイトを降ろした後にパネルの左右いずれかの側に回って、ラックの中央の枠体の連結点を上方に移動(前後の枠体を回動)させる手作業が必要であり、工事現場や災害現場又は緊急の通行案内現場等で迅速性が求められる作業現場では、より迅速な撤去や案内方向の変換(パネルの矢印の指示方向を変える置き換えや持ち運び)作業が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の通行表示パネルは、第1に表面側に表示用のパネル1を備え、前後に開脚して折畳み開閉可能な自立型の表示パネルであって、パネル1の折畳み開閉に伴ってパネル1の背面側で折畳み開閉するウェイト載置用のラック7を上記パネル1の下端側に連結し、パネル1の開脚状態で伸展されたラック7がパネル1の自立姿勢の保持を行う機構とした表示パネルにおいて、上記パネル1を接地させた開脚姿勢でラック7の底面内に畳み込まれ、パネル1を持ち上げることによってラック7の底面より下向きに突出し、パネル1を再度接地方向に下降させることにより突出した端部が接地してラック7の折畳み作動を開始させ、該折畳み作動に連動してパネル1を開脚姿勢から折畳み作動させる開脚用のアタッチメント24をラック7に設けたことを特徴とする。
【0007】
第2に、パネル1の折畳みに伴ってアタッチメント24が折畳まれるパネル1の背面側に格納される機構としたことを特徴とする。
【0008】
第3に、所定長さの棒状のアタッチメント24の一端を上下揺動可能にラック7側に軸支し、パネル1を持ち上げに際してアタッチメント24が揺動端側の自重により下向きに揺動してラック7の底面側に下向きに突出する機構としたことを特徴とする。
【0009】
第4に、表示パネルが前面側と背面側の一対のパネル1,1の上端を開閉回動可能に連結した側面視逆V字形の山形の表示パネルであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上のように構成される本発明の表示パネルによれば、開脚状態で配置したパネルを一定高さ持ち上げて再度接地方向に下げ降ろすことにより、前後のパネルが自動的に折畳まれるので、持ち運びや保管の便宜のためにパネルを折畳むためのラックの折畳みの手作業が必要なく、現場の作業効率が改善される。特に前後両面がパネルのものでは、ラックの折畳みのために左右の開口側からの手作業が必要ないので上記効果はさらに大きい。
【0011】
さらに折畳み作動用のアタッチメントは、折畳みによって折畳まれたパネルの背面(内側)に格納されるので、突出状態のアタッチメントが他の作業やパネルの取扱いの妨げになることはなく、アタッチメントの一端をラック側に回動可能に軸支しているので、パネル配置時にはパネルを前後移動させて垂れ下がったアタッチメントはラック底面内に簡単に揺動収納させることができ、アタッチメントが配置時の妨げになることはない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の表示パネルの全体斜視図である。
図2】表示パネルを床面に配置した状態の要部拡大側面断面図である。
図3】表示パネルを積み重ねた状態の要部側面断面図である。
図4】本発明の表示パネルのセルフ折畳み機構を示す拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1図4は本発明の表示パネルの1実施形態を示し、図1は表示パネルの全体斜視図で、前後の長方形又は正方形のアルミ板製のパネル1を、上端で回動開閉可能なアルミ押出成形品からなるヒンジ状のジョイント部材2に対して、折畳み開閉可能にビス又はリベット等の固着具3で上端を連結固定しており、両パネル1の下端には全長にわたり弾力性を備えたゴム又はプラスチック材よりなるU字形断面の接地用脚部4が外装嵌合されてビス又はリベット等の固着具6で固着されている。
【0014】
上記パネル1は、開脚状態では側面視逆V字形でグランド面GLに安定的に配置され、両パネル1の下端側の両端間には開脚時に伸展してグランド面に接地して開脚状態を保持し、折畳み状態ではパネル1の内面側にパネル1と共に折畳まれた状態で収納されるラック7が連結して設けられている。
【0015】
パネル1の表面側には、プラスチック製の反射シート1aが全面に貼着されており、この反射シート1aは例えばプリズムレンズ型反射シート,カプセルレンズ型反射シート,高輝度反射板と呼ばれる乱反射型で、昼夜を問わずドライバーその他の通行人にとって視認性の高いものが使用され、左右両端には上記反射シート1aの端部表面と端面を覆う帯状のアルミ部材からなるL字形断面の端部カバー8がビス又はリベット等により固着されている。端部カバー8は反射シート1aの保護とパネル1の端部補強及び取扱い時の作業者の安全のためである。さらに反射シート1aの略中央部には通行方向を示す矢印とその影を表した表示部9が印刷表示されている。
【0016】
ジョイント部材2には図2図3で示すように側面視で円弧状断面のスライド壁2a-1,2b-1が一部重なり合い、円弧の中心(軸心O1)に回動支点2cを有し、スライド壁2a-1,2b-1の外側端から下向きに延びて前後のパネル1の上端を取付けるスカート部2a-2,2b-2を備えた一対のジョイント片2a,2bとからなる公知の部材を用いている。
【0017】
ジョイント部材2の中央には、パネル1内にフック12を設けた正面視ゲート状に折曲形成した把手13が、スライド昇降自在に且つジョイント部材2の開閉回動を妨げない状態で上下方向に挿通されている。またジョイント部材2の左右端には、前後一対のゴム製のカバー14が端部周面及び端面を覆うように取付けられている。
【0018】
上記フック12には土のう等からなるウェイト16の吊下げ部(紐)17を吊下げ、ウェイト16は後述するようにラック7上に載置されてラック7を十分に伸展させ且つグランド面に沿って近接又は接地させ、表示パネルのグランド面に対する固定力と安定性を高めるものである。
【0019】
前記パネル1の露出した表面の上下端には、図1図2に示すように表面側に向って開放されたチャンネル状断面で、左右方向の細長形状の弾性部材よりなる保護部材18が取付けられており、この例ではパネル1の上下両端にビス又はリベット等の固着具19により固定して取付けられている。また保護部材18のチャンネル状断面の内部には帯状の金属板からなる取付板21が収容され、この取付板21を介してパネル1の上下端に固着具19により保護部材18が取付固定されている。
【0020】
ラック7は四角形断面のアルミパイプ材を格子状に組立てた前後の枠体7a,7bを、前後中央において連結軸15の回動支点(軸心O2)で連結して折畳み回動可能に組合わせて構成されている。他方、ラック7の前後の各端部は、下端がチャンネル状で全体がL字形断面の軸受部材22内に収容された連結軸20の回動支点(軸心O3)を介して前後のパネル1の下端内面間に回動可能に軸支連結されている。
【0021】
この例では図4に示すように軸受部材22とその下端のチャンネル状断面内に収納された連結軸20は、パネル下端の脚部4の内面に沿って左右方向に固着具6によって取付けられ、固着具6のヘッド(ボルトヘッド)により、軸受部材22内での収容姿勢を保持している。
【0022】
この機構によりラック7は、軸心O1を中心にしてパネル1を矢印a方向に、軸心O3を中心にして枠体7a,7bを矢印b方向に回動させることにより、開脚状態から閉状態に折畳むことが可能であり、逆作動で開脚することが可能である。そしてパネル1の開脚状態では、図1図2に示すようにラック7の枠体7a,7bの連結端側で縦横に交差する格子(枠材)同士が重なり合う後述のストッパー機構7cによってそれ以上下向き回動せず、平板状の進展姿勢で固定され、グランド面に接地又は近接停止する。
【0023】
この伸展状態でウェイト16を載置すると、ウェイト16の重量によってラック7の伸展姿勢、即ち表示パネルの側面視二等辺三角形の開姿勢が強固に且つ安定的に保持され、強い風圧や他の機材との接触に対しても転倒や移動することなくグランド面上で定置姿勢を保つことができる。
【0024】
また表示パネルは前後のパネル1及びラック7を折畳んだ状態では、図3に示すように枠体7a,7bの下端同士が当接して重なり合った状態で前後のパネル1が概ね平行に保たれるように枠体7a,7bの厚みが設計されている。さらにこの折畳み状態で複数の表示パネルを重ね積みする場合は、同図に示すように重ね合わせ面において保護部材18のチャンネル状断面の開放端が、他方の表示パネルの保護部材18のチャンネル内の取付板21に当接し且つチャンネル状同士が噛み合う状態で積み重ねられる。
【0025】
このため各表示パネルのパネル1の表面は、積み重ね状態においても、他の表示パネルの表面や凹凸部分との接触が防止され、パネル1表面の印刷表示がこれらの接触による損傷や磨耗によって傷つけられることもない。特に図示する実施形態のようにパネル1の表示面に高輝度反射シート等の高価な反射シート1aを用いた場合は、表示部9や反射ヒート1aを保護することにより、パネル1自体の反射機能の寿命を長期に保持でき、経済効果も大きい。
【0026】
また、保護部材18はそれ自体がパネル1の表面より全幅にわたって突出しているので、少なくとも両保護部材18にまたがる他の部材との接触も防止されるほか、上記のように弾力性のある保護部材18同士を、互に噛み合い状態で重ね合わせることにより、積み重ね時のパネル1に掛かる外力も弾力的に分散され耐衝撃性にも優れるとともに、表示パネル同士の横滑りや横滑りによる積荷の荷崩れも防止できる利点がある。
【0027】
次に本発明のラックの折畳み機構について説明すると、ラック7の左右の枠体7a,7bを中間位置で連結する回動支点Oの連結軸15には、枠体7aの前後方向の外側の縦枠材23aに沿った棒状のアタッチメント24の一端が回動(揺動)可能に軸支されている。他方、前後の枠体7a,7bは、図1図2図4に示すように、パネル1の開脚状態では、水平に伸展して左枠体7aの内端上の横枠材23cが右枠体7bの上面に当接した平板状態で停止するストッパー機構7cを構成している。この平板状の停止状態により、ラック7は最大幅に開脚してロックされる。
【0028】
図示する例ではアタッチメント24は、ラック7の枠材と同一断面のアルミ製角材で、その先端(揺動端)は連結軸15と隣り合って上面側に固着して設けられた横枠材23bの下面に当接して停止する長さに形成されている。したがってパネル1が開脚姿勢で接地している時は、アタッチメント24はグランド面GLに当接して縦枠材23aに沿って水平姿勢でラック7内に納められている。
【0029】
これに対し、パネル1が作業者により把手13でアタッチメント24の長さ以上に持ち上げられると、アタッチメント24は自重により反時計回りの矢印c方向に回動し、図示する仮想線の位置まで略垂直方向下向きに垂れ下がる。ここでアタッチメント24が垂直方向以上に回動しないように、縦枠材23a上には、プレート状のストッパー26が設けられ、アタッチメント24は垂直方向に下降回動した時点でその基端部背面がストッパー26の片面に当接して回動規制される機構になっている。
【0030】
上記状態からパネル1を閉じて折畳むには、持ち上げられたパネル1を下方に降し(矢印a方向)、アタッチメント24の突出高さH(図4参照)迄下降させると、アタッチメント24がグランド面GLに当接して枠体7a,7bの連結軸心O2が矢印b方向に上向きに移動し、ラック7がこの移動と共に山形方向に折畳まれ、枠体7a,7bもこれに連動して矢印a´方向に折畳み移動し、最終的に前後のパネルの自重により図3に示すように両者が重なり合うまで回動して折畳みを完了する。
【0031】
上記折畳み状態では一対のパネルが略平行に重なり合って一体のパネル状になるので、把手による持ち運び移動も簡単である。この折畳み状態ではアタッチメント24は、ラック7の折畳みに連動して前後のパネル間に上昇して収容される。
【0032】
尚、折畳み状態のパネル1を開脚するには前後のパネル1,1を人手により押し開く必要があるが、グランド面GLに配置する際にはアタッチメント24が垂れ下がっているので、パネル1を前後方向(この例では前方)に水平移動させながらアタッチメント24の先端を接地させることにより、アタッチメント24がパネル1の接地とともに水平方向に倒され、配置時にアタッチメント24の作動によりパネルが折畳まれることはない。
【符号の説明】
【0033】
1 パネル
7 ラック
7a,7b 枠体
7c ストッパー機構
23a~23c 枠材
24 アタッチメント
26 ストッパー
図1
図2
図3
図4