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特開2022-48746ダンパ装置、トルクコンバータ、及びサポートプレート
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  • 特開-ダンパ装置、トルクコンバータ、及びサポートプレート 図1
  • 特開-ダンパ装置、トルクコンバータ、及びサポートプレート 図2
  • 特開-ダンパ装置、トルクコンバータ、及びサポートプレート 図3
  • 特開-ダンパ装置、トルクコンバータ、及びサポートプレート 図4
  • 特開-ダンパ装置、トルクコンバータ、及びサポートプレート 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048746
(43)【公開日】2022-03-28
(54)【発明の名称】ダンパ装置、トルクコンバータ、及びサポートプレート
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/134 20060101AFI20220318BHJP
   F16H 45/02 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
F16F15/134 D
F16H45/02 Y
F16F15/134 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020154744
(22)【出願日】2020-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000149033
【氏名又は名称】株式会社エクセディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】金 善慶
(57)【要約】
【課題】サポートプレートの変形を抑制する。
【解決手段】ダンパ装置10は、入力部材2、出力部材3、弾性部材4、及びサポートプレート5を備える。入力部材2は回転可能に配置される。出力部材3は、入力部材2に対して相対回転可能に配置される。弾性部材4は、入力部材2と出力部材3とを弾性的に連結する。サポートプレート5は弾性部材4を支持する。サポートプレート5は、円板部51及び支持部52を有する。円板部51は、軸方向において弾性部材4を支持する。支持部52は、円板部51の外周端部から軸方向の第1側に延びる。支持部52は、弾性部材4を径方向外側から支持する。支持部52は、円板部51よりも厚い厚肉部521を有する。厚肉部521は、径方向視において、弾性部材4の中心と重複する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に配置される入力部材と、
前記入力部材に対して相対回転可能に配置される出力部材と、
前記入力部材と前記出力部材とを弾性的に連結する弾性部材と、
前記弾性部材を支持するように構成されるサポートプレートと、
を備え、
前記サポートプレートは、
軸方向において前記弾性部材を支持するように構成された円板部と、
前記円板部の外周端部から軸方向の第1側に延び、前記弾性部材を径方向外側から支持するように構成された支持部と、
を有し、
前記支持部は、前記円板部よりも厚い厚肉部を有し、
前記厚肉部は、径方向視において、前記弾性部材の中心と重複する、
ダンパ装置。
【請求項2】
軸方向における前記厚肉部の長さは、前記弾性部材の半径よりも長い、
請求項1に記載のダンパ装置。
【請求項3】
前記支持部は、前記厚肉部よりも薄い先端部を有する、
請求項1又は2に記載のダンパ装置。
【請求項4】
前記サポートプレートは、前記円板部の内周端部から軸方向の第2側に折れ曲がって延びる補強部を有する、
請求項1から3のいずれかに記載のダンパ装置。
【請求項5】
前記円板部の内周端部は、軸方向の第1側に向かって傾斜している、
請求項4に記載のダンパ装置。
【請求項6】
カバーと、
インペラと、
前記インペラと対向して配置されるタービンと、
請求項1から5のいずれかに記載のダンパ装置と、
を備える、トルクコンバータ。
【請求項7】
弾性部材を支持するサポートプレートであって、
前記弾性部材を軸方向から支持する円板部と、
前記円板部の外周端部から軸方向内側に延び、前記弾性部材を径方向外側から支持する支持部と、
を備え、
前記支持部は、前記円板部よりも厚い厚肉部を有し、
前記厚肉部は、径方向視において、前記弾性部材の中心と重複する、
サポートプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンパ装置、トルクコンバータ、及びサポートプレートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
トルクコンバータは、エンジンなどからのトルク変動を吸収するためにダンパ装置を有している。ダンパ装置は、複数の弾性部材を支持するためのサポートプレートを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-190844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ダンパ装置が回転すると、各弾性部材によってサポートプレートは径方向外側に押圧される。この結果、サポートプレートが変形するという問題が生じる。
【0005】
本発明の課題は、サポートプレートの変形を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1側面に係るダンパ装置は、入力部材、出力部材、弾性部材、及びサポートプレートを備える。入力部材は、回転可能に配置される。出力部材は、入力部材に対して相対回転可能に配置される。弾性部材は、入力部材と出力部材とを弾性的に連結する。サポートプレートは、弾性部材を支持するように構成される。サポートプレートは、円板部及び支持部を有する。円板部は、軸方向において弾性部材を支持するように構成される。支持部は、円板部の外周端部から軸方向の第1側に延びる。支持部は、弾性部材を径方向外側から支持するように構成される。支持部は、円板部よりも厚い厚肉部を有する。厚肉部は、径方向視において、弾性部材の中心と重複する。
【0007】
この構成によれば、サポートプレートの支持部が厚肉部を有しているため、支持部が弾性部材によって径方向外側に押圧されても、支持部における変形が抑制される。また、サポートプレート全体を厚くするのではないため、サポートプレート全体を厚くしたものに比べて質量を低減することができる。
【0008】
好ましくは、軸方向における厚肉部の長さは、前記弾性部材の半径よりも長い。
【0009】
好ましくは、支持部は、前記厚肉部よりも薄い先端部を有する。このように支持部の先端部を厚肉部よりも薄くすることによって、支持部に作用する遠心力を低減し、遠心力による支持部の変形を抑制することができる。
【0010】
好ましくは、サポートプレートは、前記円板部の内周端部から軸方向の第2側に折れ曲がって延びる補強部を有する。
【0011】
好ましくは、円板部の内周端部は、軸方向の第1側に向かって傾斜している。
【0012】
本発明の第2側面に係るトルクコンバータは、カバーと、インペラと、タービンと、上記いずれかのダンパ装置とを備える。タービンは、インペラと対向して配置される。
【0013】
本発明の第3側面に係るサポートプレートは、弾性部材を支持するように構成されている。サポートプレートは、円板部及び支持部を備える。円板部は、弾性部材を軸方向から支持する。支持部は、円板部の外周端部から軸方向内側に延びる。支持部は、弾性部材を径方向外側から支持する。支持部は、円板部よりも厚い厚肉部を有する。厚肉部は、径方向視において、弾性部材の中心と重複する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、サポートプレートの変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】トルクコンバータの断面図。
図2】ダンパ装置の断面図。
図3】サポートプレートの断面図。
図4】ダンパ装置の拡大断面図。
図5】変形例に係るサポートプレートの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施形態に係るトルクコンバータについて図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、軸方向とは、ダンパ装置の回転軸が延びる方向である。また、周方向とは、回転軸を中心とした円の周方向であり、径方向とは、回転軸を中心とした円の径方向である。軸方向の第1側とは支持部が延びる側を意味し、軸方向の第2側とは軸方向の第1側と反対側を意味する。なお、本実施形態では、図1の右側が軸方向の第1側であり、図1の左側が軸方向の第2側となる。
【0017】
[トルクコンバータ]
図1に示すように、トルクコンバータ100は、ダンパ装置10、カバー11、インペラ12、タービン13、ステータ14、及び出力ハブ15を備えている。なお、図示していないが、図1において、エンジンがトルクコンバータ100の左側に配置されており、トランスミッションがトルクコンバータ100の右側に配置されている。トルクコンバータ100内においてオイルが循環する。
【0018】
カバー11は、エンジンからの動力が入力される。詳細には、カバー11は、円板部111と、筒状部112とを有している。筒状部112は、円板部111の外周端部からトランスミッション側へと延びている。
【0019】
インペラ12は、インペラシェル121と、複数のインペラブレード122とを有する。インペラシェル121は、カバー11に固定されている。詳細には、インペラシェル121は、カバー11に溶接されている。インペラブレード122は、インペラシェル121に取り付けられている。
【0020】
タービン13は、タービンシェル131、及び複数のタービンブレード132を有している。タービン13は、インペラ12に対向して配置されている。タービンブレード132は、タービンシェル131に取り付けられている。
【0021】
ステータ14は、インペラ12とタービン13との間に配置され、タービン13からインペラ12へと戻る作動油を整流するための機構である。ステータ14は、ステータキャリア141と、ステータブレード142とを有している。ステータキャリア141は、ワンウエイクラッチ101を介して固定シャフトに支持されている。ステータブレード142は、ステータキャリア141の外周面に取り付けられている。
【0022】
出力ハブ15は、タービン13と一体的に回転する。詳細には、タービン13は、複数のリベット(図示省略)によって、出力ハブ15に固定されている。出力ハブ15は、孔部151を有している。この出力ハブ15の孔部151に、トランスミッションの入力シャフト(図示省略)が嵌合する。詳細には、入力シャフトは出力ハブ15の孔部151にスプライン嵌合する。
【0023】
[ダンパ装置]
ダンパ装置10は、エンジンからトランスミッションに動力を伝達するための動力伝達装置の一種である。ダンパ装置10は、カバー11とタービン13との間に配置されている。ダンパ装置10は、入力部材2、出力部材3、複数の第1コイルスプリング4(弾性部材の一例)、及びサポートプレート5、を備えている。
【0024】
[入力部材]
入力部材2は、エンジンなどの駆動源から動力が入力される。入力部材2は、回転可能に配置されている。入力部材2は、ピストンプレート21及びドライブプレート22を有している。
【0025】
ピストンプレート21は、カバー11のトランスミッション側(図1の右側)に配置されている。ピストンプレート21は、出力ハブ15に相対回転可能且つ軸方向移動可能に支持されている。ピストンプレート21は、カバー11側に移動することによって、カバー11と摩擦係合して一体的に回転する。これによって、ダンパ装置10は、エンジンからの動力が入力される。
【0026】
ピストンプレート21は、円板状であって、中央に開口を有している。ピストンプレート21の外周端部のカバー11側の面に、摩擦材211が固定されている。摩擦材211は環状である。この摩擦材211がカバー11に押し付けられることによって、カバー11からピストンプレート21に動力が伝達される。すなわち、ピストンプレート21はクラッチ部を構成している。
【0027】
ドライブプレート22は、ピストンプレート21に固定されており、ピストンプレート21と一体的に回転する。詳細には、ドライブプレート22は、ピストンプレート21のトランスミッション側の側面に固定されている。ドライブプレート22は、リベット102によりピストンプレート21に固定されている。ドライブプレート22は、円板状に形成されている。
【0028】
ドライブプレート22は、各第1コイルスプリング4と係合するように構成されている。具体的には、ドライブプレート22は、複数の第1係合部221を有している。各第1係合部221は、ドライブプレート22の外周端部をトランスミッション側に折り曲げることによって形成される。各第1係合部221は、周方向に間隔をあけて配置されている。隣り合う第1係合部221の間に、第1コイルスプリング4が配置されている。各第1係合部221は各第1コイルスプリング4の両端に係合している。
【0029】
[出力部材]
図2に示すように、出力部材3は回転可能に配置される。出力部材3は、入力部材2に対して相対回転可能である。出力部材3は、トランスミッションなどに動力を出力する。詳細には、出力部材3は、出力ハブ15に取り付けられており、出力ハブ15と一体的に回転する。
【0030】
出力部材3は、複数の第2コイルスプリング31と、中間プレート32と、出力プレート33とを有する。なお、本実施形態では、出力部材3は、一対の中間プレート32を有している。一対の中間プレート32は、互いに固定されており、一体的に回転する。一対の中間プレート32は、軸方向において、互いに間隔をあけて配置されている。
【0031】
各第2コイルスプリング31は、各第1コイルスプリング4よりも径方向内側に配置される。各第2コイルスプリング31は、アークスプリングである。すなわち、各第2コイルスプリング31は、ダンパ装置10に組み付ける前の単独の状態で、外周側に膨らむ円弧状に形成されている。
【0032】
中間プレート32は、各第1コイルスプリング4と、各第2コイルスプリング31とを直列に連結する。また、中間プレート32は、各第2コイルスプリング31を保持する機能も有している。中間プレート32は、ドライブプレート22及び出力プレート33に対して相対回転可能である。
【0033】
中間プレート32はピストンプレート21とタービンシェル131との間に配置された環状かつ円板状の部材である。
【0034】
中間プレート32は、複数の第2係合部321を有している。各第2係合部321は、各第1コイルスプリング4に係合する。各第2係合部321は、本体部321aから外周端部からエンジン側に向かって径方向に延びている。各第2係合部321は、円周方向に互いに間隔をあけて配置されている。隣り合う第2係合部321の間に、第1コイルスプリング4が配置されている。
【0035】
中間プレート32は、軸方向に貫通する窓部322が形成されている。窓部322は、円周方向に延びて形成されており、内周部と外周部には、軸方向に切り起こされた切り起こし部が形成されている。この中間プレート32の窓部322内に第2コイルスプリング31が配置されている。そして、第2コイルスプリング31は窓部322によって円周方向両端及び径方向両側が支持されている。さらに、第2コイルスプリング31は窓部322の切り起こし部によって径方向及び軸方向への飛び出しが規制されている。
【0036】
出力プレート33は、各第2コイルスプリング31からの動力を出力する。出力プレート33は、環状の部材である。出力プレート33は、出力ハブ15に固定されている。詳細には、出力プレート33の内周端部が、タービンシェル131とともにリベット(図示省略)によって出力ハブ15に固定されている。
【0037】
出力プレート33は、一対の中間プレート32の間に配置されている。出力プレート33は、中間プレート32に対して相対回転可能である。出力プレート33は、中間プレート32の窓部322に対応して、窓孔331が形成されている。窓孔331は軸方向に貫通する孔であり、この窓孔331に第2コイルスプリング31が配置されている。
【0038】
[第1コイルスプリング]
第1コイルスプリング4は、入力部材2と出力部材3とを弾性的に連結する。具体的には、第1コイルスプリング4は、ドライブプレート22と、中間プレート32とを弾性的に連結する。
【0039】
第1コイルスプリング4は、周方向に延びるように配置されている。第1コイルスプリング4は、アークスプリングである。各第1コイルスプリング4は、ダンパ装置10に組み付ける前の単独の状態で、外周側に膨らむ円弧状に形成されている。各第1コイルスプリング4は、周方向において互いに間隔をあけて配置されている。
【0040】
[サポートプレート]
サポートプレート5は、入力部材2及び出力部材3に対して相対回転可能である。また、サポートプレート5は、各第1コイルスプリング4に対して相対回転可能である。サポートプレート5は、第1コイルスプリング4を支持するように構成されている。
【0041】
図3に示すように、サポートプレート5は、円板部51と、支持部52と、補強部53とを有する。
【0042】
円板部51は、軸方向において第1コイルスプリング4を支持するように構成されている。円板部51は、環状且つ円板状である。円板部51は、軸方向において第1コイルスプリング4と対向している。円板部51は、ピストンプレート21と第1コイルスプリング4との間に配置されている。
【0043】
円板部51は、ピストンプレート21とドライブプレート22との間に配置されている。円板部51は、入力部材2と軸方向において当接している。詳細には、円板部51は、ピストンプレート21及びドライブプレート22の少なくとも一方と当接している。これにより、サポートプレート5の軸方向の移動が規制される。
【0044】
円板部51の内周端部511は、軸方向の第1側に向かって傾斜している。すなわち、円板部51の内周端部511は、径方向内側且つ軸方向の第1側に向かって延びている。円板部51の外周端部512は、軸方向の第1側に向かって傾斜している。すなわち、円板部51の外周端部512は、径方向外側且つ軸方向の第1側に向かって延びている。
【0045】
支持部52は、円板部51の外周端部512から軸方向の第1側に延びている。なお、本実施形態では支持部52は、円板部51からトランスミッション側に延びている。支持部52は、円筒状である。支持部52は、各第1コイルスプリング4に対して径方向外側に配置される。
【0046】
支持部52は、各第1コイルスプリング4を径方向外側から支持するように構成されている。支持部52は、各第1コイルスプリング4を囲むように配置される。支持部52は、径方向において各第1コイルスプリング4と対向している。
【0047】
支持部52は、各第1コイルスプリング4が径方向外側に移動することを規制する。なお、サポートプレート5は、各第1コイルスプリング4の周方向端部とは接触していない。
【0048】
サポートプレート5は、各第1コイルスプリング4と接触している。このため、ダンパ装置10が回転したとき、サポートプレート5は、各第1コイルスプリング4と摺動可能である。
【0049】
支持部52は、厚肉部521を有している。厚肉部521の板厚t1は、円板部51の板厚t2よりも厚い。厚肉部521は、周方向に延びている。厚肉部521は、環状である。すなわち、厚肉部521は、支持部52の全周に亘って形成されている。厚肉部521は、径方向外側に突出している。
【0050】
厚肉部521は、径方向視において、第1コイルスプリング4の中心と重複するように配置されている。第1コイルスプリング4が遠心力で径方向外側に移動した場合、第1コイルスプリング4は厚肉部521と当接する。
【0051】
図4に示すように、軸方向における厚肉部521の長さLは、第1コイルスプリング4の半径よりも長い。なお、厚肉部521は、円板部51よりも板厚が厚い部分を言う。
【0052】
図3に示すように支持部52は、先端部522を有している。先端部522の板厚t3は、厚肉部521の板厚t1よりも薄い。なお、先端部522の板厚t3は、円板部51の板厚t2と同じであってもよいし、板厚t2よりも厚くてもよいし、板厚t2よりも薄くてもよい。
【0053】
補強部53は、円板部51の内周端部511から軸方向の第2側に折れ曲がって延びている。詳細には、補強部53は、円板部51の内周端部511から、軸方向の第2側に傾斜した状態で、径方向内側に延びている。
【0054】
この補強部53は、環状であって周方向に延びている。すなわち、補強部53は、円板部51の内周端部の全周に亘って形成されている。なお、補強部53の内周端部は、径方向と平行に延びているが、軸方向の第2側に傾斜して延びていてもよいし、径方向の第1側に再度折れ曲がって延びてもよい。
【0055】
[特徴]
ダンパ装置10の作動時、各第1コイルスプリング4はサポートプレート5の支持部52を径方向外側に押圧する。このため、支持部52のうち各第1コイルスプリング4に押圧される部分は径方向外側に変形し、支持部52の残りの部分は径方向内側に変形するおそれがある。これに対して、本実施形態に係るサポートプレート5の支持部52は、厚肉部521を有しているため、上述したような変形を抑制することができる。
【0056】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0057】
変形例1
上記実施形態では、サポートプレート5は入力部材2と相対回転可能に配置されているが、サポートプレート5は、入力部材2と一体的に回転するように構成されていてもよい。具体的には、サポートプレート5は、ピストンプレート21に固定されていてもよい。または、サポートプレート5は、ピストンプレート21と一つの部材によって構成されていてもよい。具体的には、ピストンプレーと21の外周端部が第1コイルスプリング4を覆うように折れ曲がることによって、サポートプレート5を構成してもよい。
【0058】
変形例2
上記実施形態では、支持部52の先端部522は、厚肉部521よりも薄くなるように構成されていたが、支持部52の先端部522の構成はこれに限定されない。図5に示すように、厚肉部521は、支持部52の先端部522まで延びていてもよい。すなわち、先端部522は、厚肉部521と同じ厚さであってもよい。
【0059】
変形例3
上記実施形態では、補強部53は、軸方向の第2側に傾斜して径方向内側に延びていたが、補強部53の構成はこれに限定されない。例えば、補強部53は、円板部51の内周端部511から軸方向の第2側に向かって軸方向と略平行に延びていてもよい。
【0060】
変形例4
上記実施形態では、軸方向の第1側はトランスミッション側であったが、軸方向の第1側はエンジン側であってもよい。すなわち、円板部51は第1コイルスプリング4のトランスミッション側に配置され、支持部52は、円板部51からエンジン側に向かって延びていてもよい。
【符号の説明】
【0061】
2 :入力部材
3 :出力部材
4 :第1コイルスプリング
5 :サポートプレート
51 :円板部
511 :内周端部
52 :支持部
521 :厚肉部
522 :先端部
53 :補強部
10 :ダンパ装置
11 :カバー
12 :インペラ
13 :タービン
100 :トルクコンバータ
図1
図2
図3
図4
図5