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特開2022-48879車両走行管理システム、管制センター、車両制御装置、車両走行管理プログラム及び車両走行管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048879
(43)【公開日】2022-03-28
(54)【発明の名称】車両走行管理システム、管制センター、車両制御装置、車両走行管理プログラム及び車両走行管理方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20220318BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20220318BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20220318BHJP
【FI】
G08G1/00 X
B60W40/02
B60W60/00
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020154926
(22)【出願日】2020-09-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-18
(71)【出願人】
【識別番号】000153443
【氏名又は名称】株式会社 日立産業制御ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松雪 克哉
(72)【発明者】
【氏名】穴澤 誠
(72)【発明者】
【氏名】田口 健一
(72)【発明者】
【氏名】織野 真琴
(72)【発明者】
【氏名】國貞 祐貴
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA01
3D241BA31
3D241CE02
3D241CE05
3D241DB01Z
3D241DC01Z
3D241DC21Z
3D241DC25Z
3D241DC35Z
3D241DC50Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H181FF11
5H181MA08
(57)【要約】
【課題】自動運転車両の走行に寄与する情報を効率的に収集し、円滑な走行を実現すること。
【解決手段】複数の自動運転車両の走行を管理する車両走行管理システムは、前記複数の自動運転車両に対して走行に係る設定を送信する管制センターと、前記複数の自動運転車両の各々に設けられ、前記管制センターから受信した設定に基づいて自車両に搭載された各種センサのオンオフを制御するセンサ制御部と、前記複数の自動運転車両の各々に設けられ、前記センサ制御部によりオンに設定されたセンサの出力を収集する情報収集部とを備え、前記管制センターは、前記複数の自動運転車両から設定対象車両を選択し、前記設定対象車両の走行経路の近傍を走行する他の自動運転車両から補助情報提供車両を選択し、前記補助情報提供車両の前記情報収集部から受信した補助情報を用いて前記設定対象車両に係る設定を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の自動運転車両の走行を管理する車両走行管理システムであって、
前記複数の自動運転車両に対して走行に係る設定を送信する管制センターと、
前記複数の自動運転車両の各々に設けられ、前記管制センターから受信した設定に基づいて自車両に搭載された各種センサのオンオフを制御するセンサ制御部と、
前記複数の自動運転車両の各々に設けられ、前記センサ制御部によりオンに設定されたセンサの出力を収集する情報収集部と
を備え、
前記管制センターは、前記複数の自動運転車両から設定対象車両を選択し、前記設定対象車両の走行経路の近傍を走行する他の自動運転車両から補助情報提供車両を選択し、前記補助情報提供車両の前記情報収集部から受信した補助情報を用いて前記設定対象車両に係る設定を行う
ことを特徴とする車両走行管理システム。
【請求項2】
前記補助情報提供車両の前記センサ制御部は、前記管制センターから補助情報収集指令を受信した場合に、自車両の走行に寄与するセンサに加え、前記補助情報の収集に寄与するセンサをオンに設定し、前記補助情報提供車両の前記情報収集部は、前記補助情報の収集に寄与するセンサの出力を前記補助情報として前記管制センターに送信することを特徴とする請求項1に記載の車両走行管理システム。
【請求項3】
前記管制センターは、前記補助情報を取得する場所を指定し、
前記補助情報提供車両の前記情報収集部は、前記管制センターから指定された場所で収集した補助情報を前記管制センターに送信することを特徴とする請求項1に記載の車両走行管理システム。
【請求項4】
前記管制センターは、前記指定した場所の補助情報を用い、前記設定対象車両が前記指定した場所を走行する際の設定内容を定めることを特徴とする請求項3に記載の車両走行管理システム。
【請求項5】
前記管制センターは、前記自動運転車両の挙動の指針となるシーンを指定する情報を前記走行に係る設定として送信し、
前記センサ制御部は、前記シーンに求められる機能を提供するシステムを特定し、該システムの動作に必要なセンサをオンにすることを特徴とする請求項1に記載の車両走行管理システム。
【請求項6】
前記管制センターは、隊列を組んで走行する自動運転車両に対しては、隊列における位置と前記シーンを指定する情報とを前記走行に係る設定として送信することを特徴とする請求項5に記載の車両走行管理システム。
【請求項7】
前記センサ制御部は、前記シーンを終了する場合に、当該シーンで使用したセンサであって、当該シーンの終了後に使用しないセンサを特定し、選択的にオフにすることを特徴とする請求項5に記載の車両走行管理システム。
【請求項8】
複数の自動運転車両の走行を管理する管制センターであって、
前記複数の自動運転車両から走行に係る設定の対象である設定対象車両を選択する機能部と、
前記設定対象車両の走行経路の近傍を走行する他の自動運転車両から補助情報提供車両を選択する機能部と、
補助情報収集指令を生成して前記補助情報提供車両に送信する機能部と、
前記補助情報提供車両から受信した補助情報を用いて前記設定対象車両に係る設定を行って、前記設定対象車両に送信する機能部と
を備えることを特徴とする管制センター。
【請求項9】
自動運転車両に搭載され、管制センターから走行に係る設定を受信して前記自動運転車両の走行を制御する車両制御装置であって、
前記管制センターから受信した設定に基づいて自車両に搭載された各種センサのオンオフを制御するセンサ制御部と、
前記センサ制御部によりオンに設定されたセンサの出力を収集する情報収集部と
を備え、
前記センサ制御部は、他の自動運転車両の走行を補助する補助情報の収集を命じる補助情報収集指令を前記管制センターから受信した場合に、自車両の走行に寄与するセンサに加え、前記補助情報の収集に寄与するセンサをオンに設定し、
前記情報収集部は、前記補助情報の収集に寄与するセンサの出力を前記補助情報として前記管制センターに送信する
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項10】
前記センサ制御部は、前記自動運転車両の挙動の指針となるシーンを指定する情報を前記走行に係る設定として前記管制センターから受信し、
前記センサ制御部は、前記シーンに求められる機能を提供するシステムを特定し、該システムの動作に必要なセンサをオンにすることを特徴とする請求項9に記載の車両制御装置。
【請求項11】
前記センサ制御部は、前記シーンを終了する場合に、当該シーンで使用したセンサであって、当該シーンの終了後に使用しないセンサを特定し、選択的にオフにすることを特徴とする請求項10に記載の車両制御装置。
【請求項12】
複数の自動運転車両の走行を管理する車両走行管理プログラムであって、
コンピュータが、前記複数の自動運転車両から走行に係る設定の対象である設定対象車両を選択するプロセスと、
前記コンピュータが、前記設定対象車両の走行経路の近傍を走行する他の自動運転車両から補助情報提供車両を選択するプロセスと、
前記コンピュータが、補助情報収集指令を生成して前記補助情報提供車両に送信するプロセスと、
前記コンピュータが、前記補助情報提供車両から受信した補助情報を用いて前記設定対象車両に係る設定を行って、前記設定対象車両に送信するプロセスと
含むことを特徴とする車両走行管理プログラム。
【請求項13】
複数の自動運転車両の走行を管理する車両走行管理方法であって、
前記複数の自動運転車両に対して走行に係る設定を送信する管制センターが、前記複数の自動運転車両から設定対象車両を選択し、前記設定対象車両の走行経路の近傍を走行する他の自動運転車両から補助情報提供車両を選択し、前記補助情報提供車両に対して補助情報収集指令を送信するステップと、
前記補助情報収集指令を受けた前記補助情報提供車両が、前記設定対象車両の走行に寄与するセンサをオンに設定するステップと、
前記補助情報収集指令を受けた前記補助情報提供車両が、前記センサの出力を収集して補助情報として前記管制センターに送信するステップと、
前記管制センターが、前記補助情報に基づいて前記設定対象車両の走行に係る設定を定めるステップと
を含むことを特徴とする車両走行管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の自動運転車両の走行を管理する車両走行管理システム、管制センター、車両制御装置、車両走行管理プログラム及び車両走行管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の車両の走行を管理するため、特開2019-151179号公報(特許文献1)に記載の技術がある。この公報には、「複数の車両10によって形成された隊列1での走行を支援する走行支援装置100は、実施判断部103、および変更制御部104を備える。実施判断部103は、隊列1の車線移動を実施するか否かを判断する。変更制御部104は、実施判断部103により隊列1の車線移動を実施すると判断された場合、隊列1のうち最後尾車両10bから車線変更させる。」という記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-151179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、自動運転車両の隊列全体を円滑に車線移動させることができるが、車線移動以外について円滑な走行を実現するものではない。自動運転車両を円滑に走行させるためには、自車両の周囲の状況、目的地とその周囲の状況、目的までの経路とその状況など、自動運転車両の走行に寄与する情報を効率よく収集し、どのように走行させるかを状況に応じて決定することが求められる。
【0005】
そこで、本発明では、自動運転車両の走行に寄与する情報を効率的に収集し、円滑な走行を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、代表的な本発明の車両走行管理システムの一つは、複数の自動運転車両の走行を管理する車両走行管理システムであって、前記複数の自動運転車両に対して走行に係る設定を送信する管制センターと、前記複数の自動運転車両の各々に設けられ、前記管制センターから受信した設定に基づいて自車両に搭載された各種センサのオンオフを制御するセンサ制御部と、前記複数の自動運転車両の各々に設けられ、前記センサ制御部によりオンに設定されたセンサの出力を収集する情報収集部とを備え、前記管制センターは、前記複数の自動運転車両から設定対象車両を選択し、前記設定対象車両の走行経路の近傍を走行する他の自動運転車両から補助情報提供車両を選択し、前記補助情報提供車両の前記情報収集部から受信した補助情報を用いて前記設定対象車両に係る設定を行う。
また、代表的な本発明の車両走行管理方法の一つは、複数の自動運転車両の走行を管理する車両走行管理方法であって、前記複数の自動運転車両に対して走行に係る設定を送信する管制センターが、前記複数の自動運転車両から設定対象車両を選択し、前記設定対象車両の走行経路の近傍を走行する他の自動運転車両から補助情報提供車両を選択し、前記補助情報提供車両に対して補助情報収集指令を送信するステップと、前記補助情報収集指令を受けた前記補助情報提供車両が、前記設定対象車両の走行に寄与するセンサをオンに設定するステップと、前記補助情報収集指令を受けた前記補助情報提供車両が、前記センサの出力を収集して補助情報として前記管制センターに送信するステップと、前記管制センターが、前記補助情報に基づいて前記設定対象車両の走行に係る設定を定めるステップとを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、自動運転車両の走行に寄与する情報を効率的に収集し、円滑な走行を実現することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る車両走行の管理についての説明図。
図2】車両走行管理システムの構成図。
図3】シーンに基づくセンサの制御についての説明図。
図4】自動運転車両の機能構成図。
図5】フリート走行情報の収集の処理手順を示すフローチャート。
図6図5に示したシステム制御信号生成処理の詳細を示すフローチャート。
図7図5に示したセンサ制御信号生成処理の詳細を示すフローチャート。
図8】自動運転機能テーブルの具体例(その1)。
図9】自動運転機能テーブルの具体例(その2)。
図10】センサテーブルの具体例。
図11】隊列走行のシーン変更の具体例。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施例を図面を用いて説明する。
【実施例0010】
図1は、本発明に係る車両走行の管理についての説明図である。管制センターS1は、複数の自動運転車両と通信し、自動運転車両に対して走行に係る設定を送信することで、自動運転車両の走行を管理する。
【0011】
例えば、管制センターS1が複数の自動運転車両を無人タクシーとして運用する場合、タクシー待ちをしている人物Wの位置を目的地とする設定を行い、1台の自動運転車両に送信する。設定を受信した自動運転車両は、目的地まで自動で走行し、タクシー待ちをしている人物を認識するとドアを開けて乗車させ、乗車した人物の指定する目的地まで走行する。
【0012】
ここで、管制センターS1が目的地などの設定を送信する自動運転車両を、便宜上、設定対象車両S3という。管制センターS1は、目的地を設定していない自動運転車両から設定対象車両S3を選択し、走行に係る設定を送信する。設定対象車両S3に送信される「走行に係る設定」には、目的地、経路、走行のシーンを含む。走行のシーンとは、自動運転車両の挙動の指針として指定するものであり、先行車両追従、車線変更などである。管制センターS1は、これらの情報を自動運転機能制御信号として設定対象車両S3に送信する。
【0013】
設定対象車両S3は、自動運転機能制御信号を受信したならば、指定されたシーンに応じたセンサをオンに設定し、指定された経路を通って指定された目的地に向かう。例えば、シーンが先行車追従であれば、設定対象車両S3は、フロントカメラやレーダーをオンにして先行車の情報を収集し、先行車に追従して走行する。
【0014】
さらに、管制センターS1は、設定対象車両S3の走行に係る設定を定める際に、他の車両に情報収集を行わせて、収集された情報を利用することができる。設定対象車両S3の走行に係る設定に用いるため、他の車両によって収集される情報を、便宜上、補助情報という。また、補助情報を収集する車両を補助情報提供車両といい、補助情報の収集を指示する管制センターS1からの指令を、補助情報収集指令という。
【0015】
補助情報収集指令には、補助情報の種類、場所、時刻などが含まれる。管制センターS1は、これらの情報を例えば自動運転機能制御信号として補助情報提供車両に送信する。補助情報提供車両は、受信した補助情報収集指令の自動運転機能制御信号に基づき、指定された情報の収集に必要なセンサをオンにし、指定された場所と時刻に補助情報を収集し、管制センターS1に送信する。
【0016】
すなわち、補助情報収集指令を受信した補助情報提供車両は、自車両の走行に寄与しないセンサであっても、補助情報の収集のために起動して、その出力を使用することができる。
【0017】
図1を参照し、管制センターS1の処理を時系列に沿って説明する。まず、管制センターS1は、設定対象車両S3を選択する(1)。次に、管制センターS1は、選択した設定対象車両S3に補助情報を提供する補助情報提供車両S2を選択する(2)。補助情報提供車両S2は、設定対象車両S3の目的地や走行経路となる可能性ある場所の近傍を走行する自動運転車両から選択すればよい。管制センターS1は、補助情報の種類、場所、時刻などを示す補助情報収集指令を生成し(3)、選択した補助情報提供車両S2に送信する(4)。
【0018】
補助情報収集指令を受信した補助情報提供車両S2は、必要なセンサをオンに設定し、センサ出力を収集し、補助情報として管制センターに送信する(5)。管制センターS1は、補助情報提供車両S2から受信した補助情報を利用して、設定対象車両S3の走行に係る設定の内容を決定し(6)、自動運転機能制御信号を設定対象車両S3に送信する(7)。管制センターS1は、(1)~(4)及び(6)~(7)に示した機能を実現する機能部を有する。これらの機能部は、ハードウェアで実現してもよいし、プロセッサが所定のプログラムを実行することで実現してもよい。
【0019】
設定対象車両S3は、補助情報を利用することで、例えば、補助情報提供車両S2が人物Wの認識に成功した場所に近づいたときに自車両の人物認識を起動する、などの効率的な動作を行うことができる。
【0020】
このように、管制センターS1は、自動運転車両が備える各種のセンサや機能を、その車両の走行にのみ用いるのではなく、他の自動運転車両の走行にも使用する。このため、複数の自動運転車両に搭載されたセンサや機能を、総合して有効利用し、自動運転車両の走行に寄与する情報を効率的に収集し、円滑な走行を実現することができる。換言するならば、管制センターS1は、複数の自動運転車両の走行を個別に制御するのではなく、一群の車両の集合、すなわちフリートとして総合管理している。
【0021】
そこで、以降の説明では、設定対象車両S3以外の自動運転車両であって、管制センターS1の管理下にある自動運転車両、特に補助情報提供車両S2として動作しうる自動運転車両をフリート走行車両という。また、補助情報をフリート走行情報といい、補助情報収集指令をフリート情報収集指令という。
【0022】
図2は、車両走行管理システムの構成図である。図2に示すように車両走行管理システムは、管制センターS1、フリート走行車両S2、設定対象車両S3を含む。管制センターS1は、フリート情報収集指令を自動運転機能制御信号としてフリート走行車両S2に送信し、フリート走行車両S2からフリート走行情報を受信する。そして、フリート走行情報を利用して設定対象車両S3の制御内容を決定し、自動運転機能制御信号を送信する。
【0023】
図3は、シーンに基づくセンサの制御についての説明図である。図3に示したように、シーンの決定は、管制センターS1によって行われる。このとき、管制センターS1は、設定対象車両S3の状態、設定対象車両S3の現在位置、周辺の状況、目的地、経路などに基づいて、設定対象車両S3のシーンを決定する。シーンには、先行車両追従、車線変更などがあり、設定対象車両S3がどのように動作すべきかを示す。
【0024】
管制センターS1は、決定したシーンを自動運転機能制御信号に含めて設定対象車両S3に送信する。
【0025】
設定対象車両S3は、自動運転機能制御信号からシーンを読み出すと、シーンに対応するシステムを特定する。具体的には、設定対象車両S3は、衝突回避システム、先行車認識システム、区画線認識システム、後側方車両認識システム、周辺認識システムなどを搭載している。設定対象車両S3は、管制センターS1に指定されたシーンに応じて、システムごとに有効無効を切り替える。
【0026】
さらに、設定対象車両S3は、有効にしたシステムに対応するセンサをオンにするセンサ制御を行う。具体的には、設定対象車両S3は、フロントカメラ、サイドカメラ、リアカメラ、ソナー、レーダーなどをセンサとして搭載している。設定対象車両S3は、各センサについて、そのセンサを使用するいずれかのシステムが有効であれば、センサをオンに設定する。
【0027】
図4は、自動運転車両の機能構成図である。図4では、車両走行管理システムに関係する構成要素を選択的に示している。フリート走行車両S2は、システム制御信号生成部S21、センサ制御信号生成部S22、フリート走行情報収集部S23を備える。また、フリート走行車両S2は、衝突回避システムS24、先行車認識システムS25、区画線認識システムS26、後側方車認識システムS27、周辺認識システムS28を備える。さらに、フリート走行車両S2は、センサとして、ソナー、レーダー、フロントカメラ、リアカメラ、サイドカメラなどを備える。
【0028】
設定対象車両S3は、フリート走行車両S2と同様の構成を有する。具体的には、設定対象車両S3は、システム制御信号生成部S31、センサ制御信号生成部S32、フリート走行情報収集部S33を備える。また、設定対象車両S3は、衝突回避システムS34、先行車認識システムS35、区画線認識システムS36、後側方車認識システムS37、周辺認識システムS38を備える。さらに、設定対象車両S3は、センサとして、ソナー、レーダー、フロントカメラ、リアカメラ、サイドカメラなどを備える。
【0029】
また、管制センターS1は、フリート走行車両S2や設定対象車両S3の走行を制御する走行制御部S11を有する。走行制御部S11は、乗降場所など特定の地点を通過するフリート走行車両S2に対し、その設備の位置や識別に必要な情報および必要な自動運転機能制御信号を含むフリート情報収集指令D112を出力する。
【0030】
フリート走行車両S2のシステム制御信号生成部S21は、走行制御部S11より入力されたフリート情報収集指令D112に含まれる自動運転機能制御信号に従い、各自動運転制御システムの有効もしくは無効を制御する情報を含むシステム制御信号D21を生成する。
【0031】
次に、センサ制御信号生成部S22は、システム制御信号生成部S21より入力されたシステム制御信号D21に従い、各自動運転に必要なシステムに対し、センサ機能の有効もしくは無効の指示情報を含むセンサ制御信号D22を生成する。
【0032】
各センサは、センサ制御信号D22に従って機能の開始もしくは停止を実施される。フリート走行情報収集部S23は、フリート情報収集指令D112に従い、情報収集終了指示が出るまで指定されたセンサによる認識を行い、その結果として、フリート走行情報D23を出力する。
【0033】
走行制御部S11はフリート走行車両S2から得られるフリート走行情報D23と、設定対象車両S3の走行情報D33を元に、走行シーン情報D111を生成する。
【0034】
設定対象車両S3のシステム制御信号生成部S31は、走行制御部S11より入力された走行シーン情報D111に従い、走行シーンに必要な自動運転制御システムの機能の有効もしくは無効を制御する情報を含むシステム制御信号D31を生成する。
【0035】
センサ制御信号生成部S32は、システム制御信号生成部S31より入力されたシステム制御信号D31に従い、各センサの有効もしくは無効の指示情報を含むセンサ制御信号D32を生成して、各センサの有効・無効を切り替える。
【0036】
図5は、フリート走行情報の収集の処理手順を示すフローチャートである。管制センターS1の走行制御部S11は、設定対象車両S3を選択した後、特定地点を走行しているフリート走行車両S2が存在するか否かを判定する(ステップA101)。特定地点とは、設定対象車両S3の目的地や、設定対象車両S3が走行する可能性のある経路上の地点である。特定地点を走行するフリート走行車両S2が存在しなければ(ステップA101;False)、フリート走行情報の収集を終了する。
【0037】
特定地点を走行するフリート走行車両S2が存在するならば(ステップA101;True)、走行制御部S11は、フリート情報収集指令を生成する(ステップA102)。走行制御部S11は、フリート情報収集指令から自動運転機能制御信号を生成して(ステップA103)、特定地点を走行するフリート走行車両S2に送信する。
【0038】
フリート走行車両S2のシステム制御信号生成部S21は、走行制御部S11より入力されたフリート情報収集指令D112に含まれる自動運転機能制御信号に従い、システム制御信号生成処理を実行する(ステップA104)。
【0039】
センサ制御信号生成部S22は、システム制御信号生成処理で生成されたシステム制御信号D21に従い、センサ制御信号生成処理を実行する(ステップA105)。
【0040】
各センサは、センサ制御信号生成処理で生成されたセンサ制御信号D22に従って機能の開始もしくは停止を実施される。フリート走行情報収集部S23は、フリート情報収集指令D112に従い、センサの出力を取得することでフリート走行情報を収集する(ステップA106)。フリート走行情報収集部S23は、収集したフリート走行情報を管制センターS1に送信する(ステップA107)。
【0041】
ステップA107の後、フリート走行情報収集部S23は、フリート走行情報の収集を終了するか否かを判定する(ステップA108)。終了しない場合には(ステップA108;False)、ステップA106に戻る。終了すると判定したならば(ステップA108;True)、同図の処理手順は終了する。なお、フリート走行情報の収集を終了する条件としては、指定された場所から離れた場合、指定された時間の収集を終えた場合、管制センターS1から終了の指令を受信した場合など、任意の条件を用いることができる。
【0042】
図6は、図5に示したシステム制御信号生成処理の詳細を示すフローチャートである。システム制御信号生成処理が開始されると、システム制御信号生成部S21は、自動運転機能テーブルを参照し、自動運転機能制御信号で指定されたシーンに必要な機能を提供するシステムをオンに設定する。具体的には、必要な機能を提供するシステムで使用するセンサの組合せを特定し、システム制御信号として出力することになる。
【0043】
図6では、衝突回避システムをオンにする場合には、ソナーとフロントカメラがオンになる。また、先行車認識システムをオンにする場合には、レーダーとフロントカメラがオンになる。画線認識システムをオンにする場合には、フロントカメラがオンになる。後側方車両認識システムをオンにする場合には、レーダーとリアカメラがオンになる。周辺認識システムをオンにする場合には、レーダー、フロントカメラ及びサイドカメラがオンになる。
【0044】
図7は、図5に示したセンサ制御信号生成処理の詳細を示すフローチャートである。センサ制御信号生成処理が開始されると、センサ制御信号生成部S22は、センサテーブルを参照し、システム制御信号で特定されたセンサをオンに設定する。
【0045】
図7では、フロントカメラ、サイドカメラ、リアカメラ、ソナー及びレーダーについて、設定がオンであるか否かを判定し、設定がオンであるセンサに対して機能オンのセンサ信号を生成している。
【0046】
図8及び図9は、自動運転機能テーブルの具体例である。図8及び図9では、走行シーンとして「先行車追従」と「車線変更」を例示し、シーンごとに各システムのオンオフを示している。ここで、自動運転機能テーブルは、対象の車両が単独で走行している場合と、隊列を組んで走行している場合とで異なるものを使用する。図8は、単独走行用の自動運転機能テーブルである。図9は、隊列走行用の自動運転機能テーブルである。図9に示すように、隊列走行では、先頭車両、最後尾車両、先頭車両と最後尾車両の間に所在する後続車両について、異なる自動運転機能テーブルを使用する。
【0047】
図8では、単独走行の車両について、走行シーンが「先行車追従」であれば、衝突回避システムをオフ、先行車認識システムをオン、区画線認識システムをオフ、後側方車両認識システムをオフ、周辺認識システムをオフにする旨を示している。同様に、走行シーンが「車線変更」であれば、衝突回避システムをオフ、先行車認識システムをオン、区画線認識システムをオフ、後側方車両認識システムをオン、周辺認識システムをオフにする旨を示している。
【0048】
図9に示した隊列走行時の自動運転機能テーブルについては詳細な説明を省略するが、例えば車線変更の走行シーンにおいて、最後尾車両が後側方を認識すれば先頭車両は後側方を認識しないなど、隊列内の位置に応じて役割が分担され、役割に対応したシステムがオンになる。
【0049】
図10は、センサテーブルの具体例である。図10では、フロントカメラは、衝突回避システム、先行車両認識システム、区画線認識システムおよび周辺認識システムで使用されることが示されている。サイドカメラは、周辺認識システムで使用されることが示されている。リアカメラは、後側方認識システムで使用されることが示されている。ソナーは、衝突回避システムで使用されることが示されている。レーダーは、先行車認識システム、後側方認識システム及び周辺認識システムで使用されることが示されている。
【0050】
これらのシステムとセンサの制御は、隊列走行にも用いられる。図11は、隊列走行のシーン変更の具体例である。図11では、3台の設定対象車両(S3-1、S3-2、S3―3)が隊列走行している場合において、走行シーンを先行車両追従から車線変更に変更し、その後、先行車追従に戻す場合を示している。
【0051】
最初の先行車追従の走行シーンでは、先頭の設定対象車両S3-1は、管制センターS1から送信される走行シーン情報D111に従い、後側方認識システムをオフにして、他のシステムをオンにしている。後続の設定対象車両S3-2と最後尾の設定対象車両S3-3は、管制センターS1から送信される走行シーン情報D111に従い、先行車認識システムのみをオンにしている。
この結果、フロントカメラとレーダーは全ての車両でオン、リアカメラは全ての車両でオフ、サイドカメラとソナーは先頭の設定対象車両S3-1のみでオンになっている。
【0052】
次に車線変更のため、管制センターS1から変更後の走行シーン情報D111が送信される。変更後の走行シーンは車線変更であるが、設定対象車両S3-1~S3-2が使用するシステムに変更はない。したがって、使用するセンサにも変更はない。
しかし、設定対象車両S3-3では、走行シーンが車線変更となったことで、後側方認識システムがオフからオンにかわる。この結果、設定対象車両S3-3のリアカメラがオンになる。
【0053】
車線変更が終了すると、管制センターS1は、走行シーンを先行車追従に戻して走行シーン情報D111を送信する。このため、設定対象車両S3-3は、後側方認識システムをオンからオフに切り替え、設定対象車両S3-3のリアカメラがオフになる。
【0054】
上述してきたように、実施例に係る車両走行管理システムは、複数の自動運転車両の走行を管理する車両走行管理システムであって、前記複数の自動運転車両に対して走行に係る設定を送信する管制センターS1と、前記複数の自動運転車両の各々に設けられ、前記管制センターから受信した設定に基づいて自車両に搭載された各種センサのオンオフを制御するセンサ制御部として機能するシステム制御信号生成部S21及びセンサ制御信号生成部S22と、前記複数の自動運転車両の各々に設けられ、前記センサ制御部によりオンに設定されたセンサの出力を収集する情報収集部として機能するフリート走行情報収集部S23とを備える。
そして、前記管制センターS1は、前記複数の自動運転車両から設定対象車両を選択し、前記設定対象車両の走行経路の近傍を走行する他の自動運転車両から補助情報提供車両を選択し、前記補助情報提供車両の前記情報収集部から受信した補助情報を用いて前記設定対象車両に係る設定を行う。
かかる構成及び動作により、自動運転車両の走行に寄与する情報を効率的に収集し、円滑な走行を実現することができる。
【0055】
補助情報提供車両の前記センサ制御部は、前記管制センターS1から補助情報収集指令を受信した場合に、自車両の走行に寄与するセンサに加え、前記補助情報の収集に寄与するセンサをオンに設定し、前記補助情報提供車両の前記情報収集部は、前記補助情報の収集に寄与するセンサの出力を前記補助情報として前記管制センターS1に送信する。このため、補助情報提供車両のセンサを設定対象車両のために起動し、その検知結果を利用することができる。
【0056】
また、前記管制センターS1は、前記補助情報を取得する場所を指定し、前記補助情報提供車両の前記情報収集部は、前記管制センターS1から指定された場所で収集した補助情報を前記管制センターS1に送信する。
そして、前記管制センターS1は、前記指定した場所の補助情報を用い、前記設定対象車両が前記指定した場所を走行する際の設定内容を定める。
このため、設定対象車両の目的地や走行経路の情報を効率的に収集し、利用可能である。
【0057】
また、前記管制センターS1は、前記自動運転車両の挙動の指針となるシーンを指定する情報を前記走行に係る設定として送信し、前記センサ制御部は、前記シーンに求められる機能を提供するシステムを特定し、該システムの動作に必要なセンサをオンにする。
このため、管制センターS1が指定した挙動を、車両の構成に合わせて適用することができる。
【0058】
また、前記管制センターS1は、隊列を組んで走行する自動運転車両に対しては、隊列における位置と前記シーンを指定する情報とを前記走行に係る設定として送信するので、隊列走行の管理も可能である。
また、前記センサ制御部は、前記シーンを終了する場合に、当該シーンで使用したセンサであって、当該シーンの終了後に使用しないセンサを特定し、選択的にオフにするので、不要な情報を取得することなく、効率よく情報収集が可能である。
【0059】
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、かかる構成の削除に限らず、構成の置き換えや追加も可能である。
【符号の説明】
【0060】
S1:管制センター、S2:補助情報提供車両(フリート走行車両)、S3:設定対象車両、S11:走行制御部、S21,S31:システム制御信号生成部、S22,S32:センサ制御信号生成部、S23,S33:フリート走行情報収集部、S24,S34:衝突回避システム、S25,35:先行車認識システム、S26,36:区画線認識システム、S27,37:後側方車両認識システム、S28,S38:周辺認識システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2021-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の自動運転車両の走行を管理する車両走行管理システムであって、
前記複数の自動運転車両に対して走行に係る設定を送信する管制センターと、
前記複数の自動運転車両の各々に設けられ、前記管制センターから受信した設定に基づいて自車両に搭載された各種センサのオンオフを制御するセンサ制御部と、
前記複数の自動運転車両の各々に設けられ、前記センサ制御部によりオンに設定されたセンサの出力を収集する情報収集部と
を備え、
前記管制センターは、前記複数の自動運転車両から設定対象車両を選択し、前記設定対象車両の走行経路の近傍を走行する他の自動運転車両から補助情報提供車両を選択し、前記補助情報提供車両の前記情報収集部から受信した補助情報を用いて前記設定対象車両に係る設定を行い、
前記補助情報提供車両の前記センサ制御部は、前記管制センターから補助情報収集指令を受信した場合に、自車両の走行に寄与するセンサに加え、前記補助情報の収集に寄与するセンサをオンに設定し、前記補助情報提供車両の前記情報収集部は、前記補助情報の収集に寄与するセンサの出力を前記補助情報として前記管制センターに送信する
ことを特徴とする車両走行管理システム。
【請求項2】
前記管制センターは、前記補助情報を取得する場所を指定し、
前記補助情報提供車両の前記情報収集部は、前記管制センターから指定された場所で収集した補助情報を前記管制センターに送信することを特徴とする請求項1に記載の車両走行管理システム。
【請求項3】
前記管制センターは、前記指定した場所の補助情報を用い、前記設定対象車両が前記指定した場所を走行する際の設定内容を定めることを特徴とする請求項2に記載の車両走行管理システム。
【請求項4】
前記管制センターは、前記自動運転車両の挙動の指針となるシーンを指定する情報を前記走行に係る設定として送信し、
前記センサ制御部は、前記シーンに求められる機能を提供するシステムを特定し、該システムの動作に必要なセンサをオンにすることを特徴とする請求項1に記載の車両走行管理システム。
【請求項5】
前記管制センターは、隊列を組んで走行する自動運転車両に対しては、隊列における位置と前記シーンを指定する情報とを前記走行に係る設定として送信することを特徴とする請求項4に記載の車両走行管理システム。
【請求項6】
前記センサ制御部は、前記シーンを終了する場合に、当該シーンで使用したセンサであって、当該シーンの終了後に使用しないセンサを特定し、選択的にオフにすることを特徴とする請求項4に記載の車両走行管理システム。
【請求項7】
複数の自動運転車両の走行を管理する管制センターであって、
前記複数の自動運転車両から走行に係る設定の対象である設定対象車両を選択する機能部と、
前記設定対象車両の走行経路の近傍を走行する他の自動運転車両から補助情報提供車両を選択する機能部と、
前記補助情報提供車両に対し、当該車両の走行に寄与するセンサに加え補助情報の収集に寄与するセンサをオンに設定して前記補助情報の収集に寄与するセンサの出力を前記補助情報として送信することを求める補助情報収集指令を生成して前記補助情報提供車両に送信する機能部と、
前記補助情報提供車両から受信した補助情報を用いて前記設定対象車両に係る設定を行って、前記設定対象車両に送信する機能部と
を備えることを特徴とする管制センター。
【請求項8】
自動運転車両に搭載され、管制センターから走行に係る設定を受信して前記自動運転車両の走行を制御する車両制御装置であって、
前記管制センターから受信した設定に基づいて自車両に搭載された各種センサのオンオフを制御するセンサ制御部と、
前記センサ制御部によりオンに設定されたセンサの出力を収集する情報収集部と
を備え、
前記センサ制御部は、他の自動運転車両の走行を補助する補助情報の収集を命じる補助情報収集指令を前記管制センターから受信した場合に、自車両の走行に寄与するセンサに加え、前記補助情報の収集に寄与するセンサをオンに設定し、
前記情報収集部は、前記補助情報の収集に寄与するセンサの出力を前記補助情報として前記管制センターに送信し、
前記センサ制御部は、前記自動運転車両の挙動の指針となるシーンを指定する情報を前記走行に係る設定として前記管制センターから受信し、
前記センサ制御部は、前記シーンに求められる機能を提供するシステムを特定し、該システムの動作に必要なセンサをオンにする
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項9】
前記センサ制御部は、前記シーンを終了する場合に、当該シーンで使用したセンサであって、当該シーンの終了後に使用しないセンサを特定し、選択的にオフにすることを特徴とする請求項に記載の車両制御装置。
【請求項10】
複数の自動運転車両の走行を管理する車両走行管理プログラムであって、
コンピュータが、前記複数の自動運転車両から走行に係る設定の対象である設定対象車両を選択するプロセスと、
前記コンピュータが、前記設定対象車両の走行経路の近傍を走行する他の自動運転車両から補助情報提供車両を選択するプロセスと、
前記コンピュータが、前記補助情報提供車両に対し、当該車両の走行に寄与するセンサに加え補助情報の収集に寄与するセンサをオンに設定して前記補助情報の収集に寄与するセンサの出力を前記補助情報として送信することを求める補助情報収集指令を生成して前記補助情報提供車両に送信するプロセスと、
前記コンピュータが、前記補助情報提供車両から受信した補助情報を用いて前記設定対象車両に係る設定を行って、前記設定対象車両に送信するプロセスと
含むことを特徴とする車両走行管理プログラム。
【請求項11】
複数の自動運転車両の走行を管理する車両走行管理方法であって、
前記複数の自動運転車両に対して走行に係る設定を送信する管制センターが、前記複数の自動運転車両から設定対象車両を選択し、前記設定対象車両の走行経路の近傍を走行する他の自動運転車両から補助情報提供車両を選択し、前記補助情報提供車両に対して補助情報収集指令を送信するステップと、
前記補助情報収集指令を受けた前記補助情報提供車両が、自車両の走行に寄与するセンサに加え、前記設定対象車両の走行に寄与するセンサをオンに設定するステップと、
前記補助情報収集指令を受けた前記補助情報提供車両が、前記センサの出力を収集して補助情報として前記管制センターに送信するステップと、
前記管制センターが、前記補助情報に基づいて前記設定対象車両の走行に係る設定を定めるステップと
を含むことを特徴とする車両走行管理方法。