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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048941
(43)【公開日】2022-03-28
(54)【発明の名称】閉塞性無呼吸症の検査器
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/08 20060101AFI20220318BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
A61B5/08
A61B5/107 110
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020183952
(22)【出願日】2020-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】516289683
【氏名又は名称】酒井 荘一郎
(71)【出願人】
【識別番号】516289708
【氏名又は名称】酒井 経介
(72)【発明者】
【氏名】酒井 経雄
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038SS09
4C038VA04
4C038VA05
4C038VB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】歯科医師が上顎模型から閉塞性無呼吸症(OSA)を容易に判定可能な検査器を提供する。
【解決手段】上顎模型の左右第2大臼歯口蓋側遠心部位M,N(B-B)歯軸方向切断面において,点Jを中心として点M(M0),N(N0)に立つ半径2cmの劣弧の形態となるとき即ち,小劣弧のOvs器で測定可能のとき,閉塞性無呼吸症と判定する。また切断面(H0I)に立つ半径2.8cmの劣弧となる大劣弧のOvs器で測定可能のとき,健常人と鑑定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上顎模型の左右第2大臼歯に蓋遠心部の歯軸方向切断面形態において、小劣弧(半径2cm)のOvs器で測定可能のとき.OSA患者であり.大劣弧(半径2.8cm)のOvs器で測定可能な場合は健常者と判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は歯科医師が上顎模型から閉塞性無呼吸症(OSA)を容易に判定可能な検査器である。
【背景技術】
【0002】
歯科における顎骨形態を調べる方法としてはセファログラム(側方頭部X線写真)の解析検査がある。
セファログラム解折検査では、OSA患者は健常者と比較してB-N-S角の減少,Ba-S-N角の減少,Mp-Hの延長がある。
CTscan,MRI画像によるOSA患者と健常者との形態比較は立体的に困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】
【0006】
【非特許文献1】對木悟,福田竜弥,田中恭恵,小林正治,閉塞性睡眠時無呼吸に対する口腔内装置のタイトレーション,睡眠口腔医学 2018,5,1-10.
【非特許文献2】本間日臣 睡眠時無呼吸症候群,克誠堂出版,2002.東京.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
閉塞性無呼吸症(OSA)は上気道の閉塞から発症する。無呼吸症(SAS)の診断は医科における睡眠時ポリソムノグラフィ(PSG)検査と簡易検査(OCST)に限られている。
SASの80~90(%)は閉塞性無呼吸症(OSA)である。
上気道の閉塞によるOSA患者は潜在的に多いが見過ごされている。これは自己認識できない疾患であるためである。OSAを放置すると高血圧症,心房細動,糖尿病等が発症しやすくなる。
歯科医師は口腔内を診察するため,上気道の閉塞状態を発見する機会は多い。
しかし上気道上部の硬口蓋から軟口蓋移行部の形態を立体的に計測するのは困難である。
顎骨形態を調べる方法としてはセファログラム解折があるが,平面的で立体的表示は不可能である。
【0008】
本発明は一般歯科医が上顎模型から,OSA患者か健常人かを容易に判別できる歯科検査器である。
小児ではアデノイド,口蓋扁桃の肥大がOSAの要因となる。大人では巨舌により発症することもある。しかし上顎口蓋の硬口蓋から軟口蓋移行部の上気道形態の狭小化が主な要因と考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
○健常人とOSA患者の硬口蓋,軟口蓋移行部の形態を解明するため,本院に歯科医療で来院した130名(50才以上)の患者の上顎模型を作製した。
上顎模型の計測値から健常人(A)とOSA(B)を比較した。
健常人(A)の場合
上顎模型の左右第2大臼歯口蓋側遠心部位
(H,I)において歯軸方向に切断した断面が
上顎模型の口蓋側面(硬口蓋,軟口蓋)を複写し,切歯乳頭上線Oと口蓋縫線上Rより
点Jを中心とし,点H,Iに立つ劣弧の半円を描く。劣弧の頂点Pを求める。
点O,Pの口蓋縫線上で模型を切断し,
口蓋側歯頚部放物平面(HOI)がX軸となす角をαを求める(図4)。
OPR切断面(A-A)はy=2ax
この式が健常人の口蓋形態を示す(図2)。
(B)OSA(B)の場合
左右第2大臼歯口蓋遠心部位(M N)において
となる模型を作る(図1,4)。
点Jを中心として点M(M),N(N)に立つ劣弧の半円を
を作る。
点O(切歯乳頭切線),Rの口蓋縫線上で模型を切断した断面がORB断面(A-A)。
よりαを求める(図4)。
放物面はy+z=axより.aの値を求める。
この式がOSAの口蓋形態を示す(図3)。
図2,3はOR,α,aの関係を示す。
上顎模型の切断面(B-B)の形態おいて,
統計処理により,健常者およびOSA患者(Stop-Bang検査)のユニバーサルモデルを動的平行線図で表現した(図13,14)。
今回発明した検査器は切断面(B-B)の測定器であり,Oral vertical section(Ovs)器と命名した。
大劣弧Ovs検査器(半径2.8cm),小劣弧Ovs検査器(半径2.0cm)を上顎模型の切断面(B-B)にあてて計測する(図16)。
健常人およびOSA患者のユニバーサルモデルの動的平行線図からおおよそのS求めることができる。
健常者とOSA患者の閾値S=5.5(cm)である(図15)。
【発明の効果】
【0010】
歯科における従来のセファログラムの解析では平面的計測により骨格構造のB-N-S角,Ba-S-N角およびMp-Hの距離を健常者とOSA患者について比較している。
軟組織の形態か不明であることが欠点である。
OSAの場合は健常者と比べ硬口蓋から軟口蓋移行部の上気道の狭小化にある。
【0011】
左右第2大臼歯口蓋側遠心部位に立つ劣弧の半径から上気道の断面形態と断面積から立体的構造が把握できる。
セファログラムと比較し,購入費用と手間も節約できる。
口腔内装置(OA)の設計上の目安となる。
本歯科医院と大学病院との連携により、Ovs器検診において、OSAと認定した21人全員がPSG検査,およびOCST検査において重症(30≦AHI),中等症(15≦AHI<30)
であった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】健常人(A)と閉塞性無呼吸症患者(B)の硬口蓋から軟口蓋移行部の立体的形態である。
図2】健常人(A)の立体的形態
図3】閉塞性無呼吸症(B)の立体的形態
図4】OSAと健常者のS(断面積)の比較。左右第2大臼歯口蓋側遠心歯頚部の縦断面Sの比較。
図5
図6
図7
図8
図9
図10】OSA(B)の上顎模型のMRN(B-B)の切断面とORBの切断面(A-A)
図11】OSA(B)の上顎模型の(MRN)(B-B)の切断面とORBの切断面(A-A)
図12
図13】健常人(A)のユニバーサルモデルを動的平行線図で表現
図14】閉塞性無呼吸症(OSA)のユニバーサルモデルを動的平行線図で表現(Stop-Bang スコア)
図15】健常者と閉塞性無呼吸症(OSA)のSの比較
図16
Ovs検査器
【数1】
【数2】
【数1】
【数2】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2021-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9