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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048980
(43)【公開日】2022-03-28
(54)【発明の名称】麺類の洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/14 20060101AFI20220318BHJP
【FI】
A47J27/14 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130330
(22)【出願日】2021-08-06
(31)【優先権主張番号】P 2020154846
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592263931
【氏名又は名称】小林熱機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100117835
【弁理士】
【氏名又は名称】谷山 尚史
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】小林 敬之
【テーマコード(参考)】
4B054
【Fターム(参考)】
4B054AA02
4B054AA16
4B054AB02
4B054AB20
4B054AC13
4B054CA01
4B054CA04
4B054CB02
4B054CC13
4B054CC14
4B054CD10
4B054CE06
4B054CE15
4B054CH14
4B054CH15
(57)【要約】
【課題】麺に触れることなく麺を洗浄することができるとともに、複数人分の麺を1食分ずつ一度に洗浄することができる麺類の洗浄装置を提供する。
【解決手段】麺類の洗浄装置1は、底が閉じられて水を貯留可能な筒状の洗浄槽10であって、テボ2を受け入れ可能な複数の洗浄槽10と、複数の洗浄槽10に対応して設けられ、対応する洗浄槽10内に水を噴出可能な複数の噴出部20とを備える。噴出部20は、対応する洗浄槽10に上から水を噴出可能な上部噴出部、および、対応する洗浄槽10の底から水を噴出可能な下部噴出部、の少なくとも一方を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底が閉じられて水を貯留可能な筒状の洗浄槽であって、テボを受け入れ可能な複数の洗浄槽と、
前記複数の洗浄槽に対応して設けられ、対応する洗浄槽内に水を噴出可能な複数の噴出部と、を備え、
前記噴出部は、対応する洗浄槽に上から水を噴出可能な上部噴出部、および、対応する洗浄槽の底から水を噴出可能な下部噴出部、の少なくとも一方を有することを特徴とする麺類の洗浄装置。
【請求項2】
前記噴出部は、前記上部噴出部および前記下部噴出部の両方を有し、
さらに、
前記上部噴出部から噴出される水の量を調整可能な第1調整バルブと、
前記下部噴出部から噴出される水の量を調整可能な第2調整バルブと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の麺類の洗浄装置。
【請求項3】
前記複数の洗浄槽は、複数の第1洗浄槽と、複数の第2洗浄槽とを有し、
前記複数の噴出部は、前記複数の第1洗浄槽に対応して設けられた複数の第1噴出部と、前記複数の第2洗浄槽に対応して設けられた複数の第2噴出部とを有し、
さらに、
前記複数の第1噴出部の水の噴出と水の噴出の停止とを切り替える第1開閉バルブと、
前記複数の第2噴出部の水の噴出と水の噴出の停止とを切り替える第2開閉バルブと、を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の麺類の洗浄装置。
【請求項4】
前記複数の噴出部の水の噴出と水の噴出の停止とを切り替える開閉バルブであって、電磁弁である開閉バルブと、
前記開閉バルブの開閉を切り替えて、設定された所定時間の間、前記開閉バルブを開いた状態にするタイマと、を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の麺類の洗浄装置。
【請求項5】
前記複数の噴出部の水の噴出と水の噴出の停止とを切り替える開閉バルブと、
前記開閉バルブと前記複数の噴出部との間に設けられ、水流に空気を取り込むエジェクタと、を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の麺類の洗浄装置。
【請求項6】
前記複数の洗浄槽から溢れ出た水を回収するオーバーフロー槽を備え、
前記オーバーフロー槽は、回収した水を排水するための1つの排水口を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の麺類の洗浄装置。
【請求項7】
前記洗浄槽は、底に開閉可能な排水栓を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の麺類の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、そば、うどん、きしめん、ひやむぎ、そうめん、中華麺などの麺類の洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、飲食店などで使用される麺類の茹で装置は知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-037624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、麺類は、茹で上げた後、表面にできた、糊化したデンプンなどを含む、ぬめりを取り除くため、清水にて洗浄する必要がある。これをしないと、食べたときの食感が悪くなったり、麺同士がくっついて食べるときに適量取り分けにくくなったりするからである。しかし、飲食店などで使用できる麺類の洗浄装置は知られていない。従来の、飲食店などでの麺類の洗浄作業は、人が手作業で複数人分の麺をまとめて洗浄し、1食分ずつ取り分けることにより行われていた。そのため、作業効率が悪く、食事の提供までに時間がかかることがあった。また、洗浄の際に麺に触れることになるので、衛生面から客に嫌悪感を持たれてしまう可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、麺に触れることなく麺を洗浄することができるとともに、複数人分の麺を1食分ずつ一度に洗浄することができる麺類の洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するため、本発明の麺類の洗浄装置は、底が閉じられて水を貯留可能な筒状の洗浄槽であって、テボを受け入れ可能な複数の洗浄槽と、前記複数の洗浄槽に対応して設けられ、対応する洗浄槽内に水を噴出可能な複数の噴出部と、を備え、前記噴出部は、対応する洗浄槽に上から水を噴出可能な上部噴出部、および、対応する洗浄槽の底から水を噴出可能な下部噴出部、の少なくとも一方を有することを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、テボに入った麺を、テボに入れたまま水が貯留された洗浄槽内に入れ、噴出部から水を噴出させることで、水流により麺に触れることなく麺を洗浄することができる。そして、このような洗浄槽と洗浄槽に対応した噴出部を複数備えることで、複数人分の麺をテボごとに1食分ずつ一度に洗浄することができる。
【0008】
また、前記噴出部は、前記上部噴出部および前記下部噴出部の両方を有し、前記洗浄装置は、さらに、前記上部噴出部から噴出される水の量を調整可能な第1調整バルブと、前記下部噴出部から噴出される水の量を調整可能な第2調整バルブと、を備えていてもよい。
【0009】
これによれば、上部噴出部から噴出される水の量と、下部噴出部から噴出される水の量を個別に調整することができる。これにより、例えば、麺の種類に応じて噴出させる水の量を調整することができる。また、例えば、上部噴出部と下部噴出部の両方を使用するモードと、上部噴出部だけを使用するモードと、下部噴出部だけを使用するモードとを切り替えることができる。
【0010】
また、前記複数の洗浄槽は、複数の第1洗浄槽と、複数の第2洗浄槽とを有し、前記複数の噴出部は、前記複数の第1洗浄槽に対応して設けられた複数の第1噴出部と、前記複数の第2洗浄槽に対応して設けられた複数の第2噴出部とを有し、前記洗浄装置は、さらに、前記複数の第1噴出部の水の噴出と水の噴出の停止とを切り替える第1開閉バルブと、前記複数の第2噴出部の水の噴出と水の噴出の停止とを切り替える第2開閉バルブと、を備えていてもよい。
【0011】
これによれば、例えば、昼食時などのピークタイムには、第1洗浄槽と第2洗浄槽の両方を使用して麺を洗浄し、アイドルタイムには、第1洗浄槽と第2洗浄槽のうちの片方のみを使用して麺を洗浄するという使い分けを行うことができる。そして、第1洗浄槽と第2洗浄槽のうちの片方のみを使用した場合には、節水をすることができる。
【0012】
また、前記洗浄装置は、前記複数の噴出部の水の噴出と水の噴出の停止とを切り替える開閉バルブであって、電磁弁である開閉バルブと、前記開閉バルブの開閉を切り替えて、設定された所定時間の間、前記開閉バルブを開いた状態にするタイマと、を備えていてもよい。
【0013】
これによれば、同じ条件で麺の洗浄を行うことができる。これにより、誰にでも簡単に、麺の仕上がり具合を揃えることができる。
【0014】
また、前記洗浄装置は、前記複数の噴出部の水の噴出と水の噴出の停止とを切り替える開閉バルブと、前記開閉バルブと前記複数の噴出部との間に設けられ、水流に空気を取り込むエジェクタと、を備えていてもよい。
【0015】
これによれば、噴出部から噴出される水の中に気泡を取り込むことができるので、噴出部から噴出される水の洗浄能力を高めることができる。
【0016】
また、前記洗浄装置は、前記複数の洗浄槽から溢れ出た水を回収するオーバーフロー槽を備え、前記オーバーフロー槽は、回収した水を排水するための1つの排水口を有していてもよい。
【0017】
これによれば、複数の洗浄槽から溢れ出た水を1つの排水口から排水することができるので、排水系統を簡単にすることができる。
【0018】
また、前記洗浄槽は、底に開閉可能な排水栓を有していてもよい。
【0019】
これによれば、業務終了後などに排水栓を開くことで、洗浄槽内の水を排水することができる。これにより、洗浄槽の清掃を簡単に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、麺に触れることなく麺を洗浄することができるとともに、複数人分の麺を1食分ずつ一度に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態に係る洗浄装置の斜視図である。
図2】実施形態に係る洗浄装置の平面図である。
図3】洗浄槽、オーバーフロー槽、噴出部を示す、図2のX-X断面に相当する断面図である。
図4】洗浄槽とオーバーフロー槽を示す、図2のY-Y断面に相当する断面図である。
図5】実施形態に係る洗浄装置の内部構造を示す正面図である。
図6】実施形態に係る洗浄装置の内部構造を示す側面図である。
図7】噴出部に水を供給するための給水系統の模式図である。
図8】第1の変形例における、洗浄槽とオーバーフロー槽を示す斜視図である。
図9】第2の変形例における、洗浄槽とオーバーフロー槽を示す斜視図である。
図10】第3の変形例に係る洗浄装置の平面図である。
図11】第4の変形例に係る洗浄装置の平面図である。
図12】第5の変形例に係る洗浄装置の給水系統の模式図である。
図13】第6の変形例に係る洗浄装置の給水系統の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、麺類の洗浄装置1は、茹で上げた麺をテボ2に入れた状態のままで洗浄することができる装置である。洗浄装置1は、テボ2を受け入れ可能な複数の洗浄槽10と、洗浄槽10内に水を噴出可能な複数の噴出部20とを備えている。
【0023】
図2および図3に示すように、洗浄槽10は、水を貯留可能な筒状の槽であって、底が閉じられている。詳しくは、洗浄槽10は、上が開放された有底の円筒状である。洗浄槽10の底11は、円形の平らな面となっている。洗浄槽10は、底11に開閉可能な蓋付きの排水栓12を有している。洗浄槽10は、排水栓12を閉じることで水をためることができ、排水栓12を開くことで洗浄槽10内の水を排出することができる。
【0024】
洗浄装置1は、6つの洗浄槽10A,10B,10C,10D,10E,10Fを備えている。6つの洗浄槽10A~10Fは、1列3つで、左右2列に配置されている。詳しくは、6つの洗浄槽10A~10Fは、前後に並んだ3つの洗浄槽10A~10Cの列と、前後に並んだ3つの洗浄槽10D~10Fの列とが、左右に並んで配置されている。
【0025】
ここで、本実施形態においては、洗浄槽10A~10Cが「複数の第1洗浄槽」に相当し、洗浄槽10D~10Fが「複数の第2洗浄槽」に相当する。すなわち、複数の洗浄槽10は、複数の第1洗浄槽としての洗浄槽10A~10Cと、複数の第2洗浄槽としての洗浄槽10D~10Fとを有している。
【0026】
図4に示すように、洗浄装置1は、オーバーフロー槽30をさらに備えている。オーバーフロー槽30は、複数の洗浄槽10から溢れ出た水を回収するための槽である。オーバーフロー槽30は、オーバーフロー回収槽31と、オーバーフロー回収槽31よりも深いオーバーフロー排水槽32とを有している。
【0027】
オーバーフロー回収槽31は、底面を構成する底板に、複数の、具体的には、6つの円形の貫通穴(符号省略)を有している。洗浄槽10は、上端部が、オーバーフロー回収槽31の底板に設けられた貫通穴の縁部に溶接などによって接合されている。なお、図4では、洗浄槽10の上端部(上端面)が、オーバーフロー回収槽31の底面と略面一となっているが、洗浄槽10の上端部は、オーバーフロー回収槽31の底面から上に飛び出していてもよい。
【0028】
オーバーフロー排水槽32は、底に回収した水を排水するための1つの排水口33を有している。図4に仮想線で示すように、洗浄槽10からオーバーフロー回収槽31内に溢れ出た水は、オーバーフロー回収槽31の底面上を流れてオーバーフロー排水槽32内に流れ込み、排水口33から排出される。
【0029】
図5および図6に示すように、洗浄装置1は、洗浄槽10(10A~10F)の下に配置された排水槽40をさらに備えている。排水槽40は、排水栓12を開くことによって洗浄槽10内から排出された水を受けるための槽である。排水槽40は、底に水を排出するための排水栓41を有している。なお、排水栓41は、常に開いているものであってもよいし、蓋などによって開閉可能なものであってもよい。排水槽40は、洗浄槽10やオーバーフロー槽30などを支持する架台部60に対して着脱可能に設けられている。
【0030】
図2に示すように、噴出部20は、複数の洗浄槽10に対応して1つずつ設けられている。詳しくは、噴出部20は、洗浄槽10Aに対応する噴出部20Aと、洗浄槽10Bに対応する噴出部20Bと、洗浄槽10Cに対応する噴出部20Cと、洗浄槽10Dに対応する噴出部20Dと、洗浄槽10Eに対応する噴出部20Eと、洗浄槽10Fに対応する噴出部20Fとを有している。噴出部20(20A~20F)は、対応する洗浄槽10(10A~10F)内に水を噴出可能である。
【0031】
ここで、本実施形態においては、噴出部20A~20Cが「複数の第1洗浄槽に対応して設けられた複数の第1噴出部」に相当し、噴出部20D~20Fが「複数の第2洗浄槽に対応して設けられた複数の第2噴出部」に相当する。すなわち、複数の噴出部20は、複数の第1噴出部としての噴出部20A~20Cと、複数の第2噴出部としての噴出部20D~20Fとを有している。
【0032】
図3に示すように、各噴出部20(20A~20F)は、上部噴出部21と、下部噴出部22とを有している。
【0033】
上部噴出部21は、対応する洗浄槽10に上から水を噴出可能な部分である。上部噴出部21は、対応する洗浄槽10より上の位置に設けられている。詳しくは、上部噴出部21は、オーバーフロー槽30の左右の枠部34の上面に設けられている。さらに説明すると、上部噴出部21は、左右方向において、対応する洗浄槽10の外側に設けられている。具体的には、洗浄槽10A~10Cに対応する上部噴出部21は、洗浄槽10A~10Cの、向かって右側に設けられており、洗浄槽10D~10Fに対応する上部噴出部21は、洗浄槽10D~10Fの、向かって左側に設けられている。上部噴出部21は、水を対応する洗浄槽10内に向けて噴出するための上部噴出口21Aを有している。上部噴出口21Aは、直径数mm程度の穴である。
【0034】
下部噴出部22は、対応する洗浄槽10の底(下)から水を噴出可能な部分である。下部噴出部22は、対応する洗浄槽10の底11に設けられている。図2に示すように、下部噴出部22は、水を対応する洗浄槽10内に向けて噴出するための下部噴出口22Aを有している。下部噴出口22Aは、洗浄槽10の底11に設けられた直径数mm程度の穴である。本実施形態において、下部噴出部22は、対応する洗浄槽10の中心Cとは異なる位置に設けられている。詳しくは、下部噴出部22は、左右方向において、対応する洗浄槽10の中心Cと上部噴出部21との間の位置に設けられている。なお、下部噴出部22は、洗浄槽10の中心Cの位置に設けられていてもよい。
【0035】
次に、噴出部20に水を供給するための給水系統の構成について説明する。
図7に模式的に示すように、洗浄装置1は、噴出部20A~20Cに水を供給するための第1給水系統50Aと、噴出部20D~20Fに水を供給するための第2給水系統50Bとをさらに備えている。
【0036】
第1給水系統50Aは、一次接続管51と、上部用ヘッダ52Aと、下部用ヘッダ52Bと、上部用二次接続管53と、下部用二次接続管54と、第1開閉バルブ55Aと、上部用一次調整バルブ56Aと、下部用一次調整バルブ56Bと、上部用二次調整バルブ57と、下部用二次調整バルブ58とを備えている。また、第2給水系統50Bは、一次接続管51と、上部用ヘッダ52Aと、下部用ヘッダ52Bと、上部用二次接続管53と、下部用二次接続管54と、第2開閉バルブ55Bと、上部用一次調整バルブ56Aと、下部用一次調整バルブ56Bと、上部用二次調整バルブ57と、下部用二次調整バルブ58とを備えている。第1給水系統50Aと第2給水系統50Bは、略左右対称の構造を有している。
【0037】
一次接続管51は、水道などの給水源Wからの水を上部用ヘッダ52Aおよび下部用ヘッダ52Bに供給するための管である。一次接続管51は、給水源Wとヘッダ52A,52Bとを接続する。一次接続管51は、途中で分岐して、一方が上部用ヘッダ52Aに接続され、他方が下部用ヘッダ52Bに接続されている。
【0038】
上部用ヘッダ52Aは、給水源Wから給水された水を噴出部20A~20Fの各上部噴出部21に分配するための機器であり、下部用ヘッダ52Bは、給水源Wから給水された水を噴出部20A~20Fの各下部噴出部22に分配するための機器である。下部用ヘッダ52Bには、ドレンバルブ52D(図5参照)が設けられている。上部用ヘッダ52Aにも、ドレンバルブ(図示省略)が設けられている。
【0039】
上部用二次接続管53は、水を上部用ヘッダ52Aから上部噴出部21に供給するための管である。上部用二次接続管53は、噴出部20A~20Fの各上部噴出部21に対応して設けられ、上部用ヘッダ52Aと、対応する上部噴出部21とを接続する。
下部用二次接続管54は、水を下部用ヘッダ52Bから下部噴出部22に供給するための管である。下部用二次接続管54は、噴出部20A~20Fの各下部噴出部22に対応して設けられ、下部用ヘッダ52Bと、対応する下部噴出部22とを接続する。
【0040】
第1開閉バルブ55Aは、噴出部20A~20Cの水の噴出と水の噴出の停止とを切り替えるバルブであり、第2開閉バルブ55Bは、噴出部20D~20Fの水の噴出と水の噴出の停止とを切り替えるバルブである。開閉バルブ55A,55Bは、給水源Wと一次接続管51の分岐部分との間に設けられている。図5に示すように、第1開閉バルブ55Aは、洗浄槽10Aの前側に配置されており、第2開閉バルブ55Bは、洗浄槽10Dの前側に配置されている。第1開閉バルブ55Aは、操作用の第1ハンドルH1を有し、第2開閉バルブ55Bは、操作用の第2ハンドルH2を有している。ハンドルH1,H2は、洗浄装置1の前側に配置されている(図1参照)。
【0041】
図7に示すように、上部用一次調整バルブ56Aは、上部用ヘッダ52Aに供給される水の量を調整可能なバルブであり、一次接続管51と上部用ヘッダ52Aとの接続部分に設けられている。
下部用一次調整バルブ56Bは、下部用ヘッダ52Bに供給される水の量を調整可能なバルブであり、一次接続管51と下部用ヘッダ52Bとの接続部分に設けられている。
【0042】
上部用二次調整バルブ57は、上部噴出部21から噴出される水の量を調整可能なバルブであり、上部用ヘッダ52Aと各上部用二次接続管53との接続部分に、噴出部20A~20Fの各上部噴出部21に対応して設けられている。
下部用二次調整バルブ58は、下部噴出部22から噴出される水の量を調整可能なバルブであり、下部用ヘッダ52Bと各下部用二次接続管54との接続部分に、噴出部20A~20Fの各下部噴出部22に対応して設けられている。
【0043】
ここで、本実施形態においては、上部用一次調整バルブ56Aおよび上部用二次調整バルブ57が「第1調整バルブ」に相当し、下部用一次調整バルブ56Bおよび下部用二次調整バルブ58が「第2調整バルブ」に相当する。
【0044】
次に、本実施形態に係る洗浄装置1の作用効果について説明する。
洗浄装置1を用いて麺を洗浄する場合、茹で上がった麺が入ったテボ2を洗浄槽10に入れる。その後、ハンドルH1,H2を操作して開閉バルブ55A,55Bを開く。これにより、給水源Wからの水は、一次接続管51と、流量が調整された上部用一次調整バルブ56Aを経て、上部用ヘッダ52Aに流入するとともに、一次接続管51と、流量が調整された下部用一次調整バルブ56Bを経て、下部用ヘッダ52Bに流入する。
【0045】
上部用ヘッダ52A内に流入した水は、流量が調整された上部用二次調整バルブ57と、上部用二次接続管53を経て、上部噴出部21内に流入し、上部噴出口21Aから、洗浄槽10にたまった水の水面に向けて上から噴出される。また、下部用ヘッダ52B内に流入した水は、流量が調整された下部用二次調整バルブ58と、下部用二次接続管54を経て、下部噴出部22の下部噴出口22Aから洗浄槽10内に噴出される。
【0046】
図3に示すように、下部噴出部22から噴出された水は、洗浄槽10の底11から噴き上げられる。これにより、テボ2内の麺は、網目を通ってテボ2内に流入した水によって、沈むことなく、噴き上げられ、攪拌されながら、洗浄槽10内の渦巻き状に攪拌された水に揉まれて麺の表面にできたぬめりが取り除かれる。
【0047】
一方、上部噴出部21からの水は、洗浄槽10にたまった水の水面に向かって水面よりも上から斜め下に向けて噴出され、水面付近で空気を巻き込みながら、洗浄槽10内(テボ2内)に流入する。流入した水は、下部噴出部22から噴出された水とともに、テボ2内に水流を形成し、麺を攪拌する。形成された水流によって麺がよく攪拌されることで、麺の表面にできたぬめりを取り除く効果を高めることができる。また、巻き込んだ空気により水中に気泡ができることによっても、ぬめりを取り除く効果を高めることができる。
【0048】
なお、洗浄する麺が、例えば、固めに茹でた麺や、うどんなどのような太い麺などの場合には、調整バルブ56A,56B,57,58を調整して、下部噴出部22よりも、上部噴出部21からの水の流量や圧力を大きくすることが望ましい。また、洗浄する麺が、例えば、多加水麺やよく茹でた麺のようなやわらかい麺、切れやすい手打ちそばなどの場合には、調整バルブ56A,56B,57,58を調整して、下部噴出部22よりも、上部噴出部21からの水の流量や圧力を小さくすることが望ましい。すなわち、洗浄装置1は、調整バルブ56A,56B,57,58を調整することで、どのような麺の洗浄にも対応することができる。
【0049】
洗浄槽10内の水は、噴出部20から水が供給されることで、麺の表面から取り除かれたぬめりとともに洗浄槽10から溢れ出る。そして、洗浄槽10から溢れ出た水は、オーバーフロー回収槽31の底面上を流れてオーバーフロー排水槽32内に流れ込み、排水口33から排出される。
【0050】
麺の洗浄を終了する場合には、ハンドルH1,H2を操作して開閉バルブ55A,55Bを閉じる。これにより、上部噴出部21および下部噴出部22からの水の噴出が停止する。その後、テボ2を洗浄槽10から取り出し、水を切った後、盛りつけるなどして、麺を客に提供する。
【0051】
洗浄装置1は、第1開閉バルブ55Aだけを開くことで、噴出部20A~20Cのみから対応する洗浄槽10A~10Cに水を噴出することができる。これにより、洗浄槽10A~10Cだけを使って麺の洗浄を行うことができる。同様に、洗浄装置1は、第2開閉バルブ55Bだけを開くことで、噴出部20D~20Fのみから対応する洗浄槽10D~10Fに水を噴出することができる。これにより、洗浄槽10D~10Fだけを使って麺の洗浄を行うことができる。
【0052】
業務終了後などに槽内を清掃する場合、開閉バルブ55A,55Bを閉じた状態とし、各洗浄槽10の排水栓12を開く。これにより、洗浄槽10内の水を排出することができる。各洗浄槽10内から排出された水は、排水槽40で一旦受けられ、排水槽40の排水栓41からまとめて排出される。排水栓12を開いた後、槽内、具体的には、洗浄槽10内やオーバーフロー槽30内を清掃する。次回、洗浄装置1を使用する場合には、各洗浄槽10の排水栓12を閉じる。
【0053】
洗浄装置1は、上部用一次調整バルブ56Aおよび上部用二次調整バルブ57を調整することで、上部噴出部21から噴出される水の流量や圧力を、複数の洗浄槽10の間で均一とする設定にすることもできるし、洗浄槽10ごとに異なる設定にすることもできる。同様に、洗浄装置1は、下部用一次調整バルブ56Bおよび下部用二次調整バルブ58を調整することで、下部噴出部22から噴出される水の流量や圧力を、複数の洗浄槽10の間で均一とする設定にすることもできるし、洗浄槽10ごとに異なる設定にすることもできる。
【0054】
また、洗浄装置1は、下部用一次調整バルブ56Bを閉じることで、上部噴出部21のみから洗浄槽10内に水を噴出可能である。また、洗浄装置1は、上部用一次調整バルブ56Aを閉じることで、下部噴出部22のみから洗浄槽10内に水を噴出可能である。すなわち、洗浄装置1は、上部噴出部21と下部噴出部22の両方を使用するモードだけでなく、上部噴出部21だけを使用するモードと、下部噴出部22だけを使用するモードを実行することができる。
【0055】
以上説明した本実施形態に係る洗浄装置1によれば、テボ2に入った麺を、テボ2に入れたまま水が貯留された洗浄槽10内に入れ、噴出部20から水を噴出させることで、水流により麺に触れることなく麺を洗浄することができる。そのため、衛生的である。そして、このような洗浄槽10と洗浄槽10に対応した噴出部20を複数備えることで、複数人分の麺をテボ2ごとに1食分ずつ一度に洗浄することができる。一度に多人数分の麺を洗浄できることにより、短時間での麺の洗浄が可能となり、作業効率が非常に良くなる。
【0056】
また、洗浄槽10は、円筒状であり、テボ2の周りを包囲する形状なので、噴出部20から噴出された水は、ほとんどがテボ2の中を通過する。これにより、使用する水の量を最小限にしつつ、無駄なく、効率良く麺を洗浄することができる。また、洗浄槽10は、テボ2がちょうど入るような大きさであり、容積が小さいので、洗浄後の水は洗浄槽10から溢れ出し、噴出部20から供給される清水と入れ替わりやすく、水の入れ替え作業を必要としない。
【0057】
また、調整バルブ56A,56B,57,58を備えることで、上部噴出部21から噴出される水の量と、下部噴出部22から噴出される水の量を個別に調整することができる。これにより、例えば、麺の種類に応じて噴出させる水の量を調整することができる。また、上部噴出部21と下部噴出部22の両方を使用するモードと、上部噴出部21だけを使用するモードと、下部噴出部22だけを使用するモードとを切り替えることができる。
【0058】
また、2つの開閉バルブ55A,55Bを備えることで、例えば、昼食時などのピークタイムには、洗浄槽10A~10Cと洗浄槽10D~10Fの両方を使用して麺を洗浄し、アイドルタイムには、洗浄槽10A~10Cと洗浄槽10D~10Fのうちの片方のみを使用して麺を洗浄するという使い分けを行うことができる。そして、洗浄槽10A~10Cと洗浄槽10D~10Fのうちの片方のみを使用した場合には、節水をすることができる。
【0059】
また、複数の洗浄槽10から溢れ出た水をオーバーフロー槽30の1つの排水口33から排水することができるので、排水系統を簡単にすることができる。
【0060】
また、洗浄槽10が、底11に開閉可能な排水栓12を有することで、営業終了後などに排水栓12を開くことで、洗浄槽10内の水を排水することができる。これにより、洗浄槽10の清掃を簡単に行うことができる。
【0061】
また、複数の洗浄槽10から排出された水を排水槽40の1つの排水栓41からまとめて排水することができるので、排水系統を簡単にすることができる。
【0062】
また、開閉バルブ55A,55BがハンドルH1,H2を手動で開閉操作するタイプのバルブであることで、電力を使わずに、洗浄装置1を動作させることができる。
【0063】
なお、洗浄装置1は、麺の洗浄だけでなく、例えば、茹でた卵や野菜などを洗浄槽10に入れることで、これらの熱取りに使用することもできる。洗浄槽10の底11から水が噴出され、溢れ出た水は排出されるため、効率良く、そして、素早く熱取りをすることができる。これにより、例えば、好みの半熟度の卵を作ったり、時間が経過しても色合いが鮮やかな茹で野菜を作ったりすることができる。
【0064】
以上に発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように適宜変形して実施することができる。なお、以下では、前記実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0065】
前記実施形態では、洗浄槽10が底11を有するものであったが、これに限定されない。例えば、図8に示すように、洗浄槽110は、上下が開放された筒状のものであってもよく、下端部がオーバーフロー槽130の底に溶接などによって接合されたときに、洗浄槽110の底が閉じられる構成であってもよい。なお、図8に示す変形例では、対応する洗浄槽110内に下から水を噴出する下部噴出部22と、対応する洗浄槽110内から水を抜くための排水栓12が、オーバーフロー槽130の底に設けられている。
【0066】
また、洗浄槽は、オーバーフロー槽と接合されていなくてもよい。例えば、図9に示すように、洗浄槽210は、上下が開放された筒状のものが、オーバーフロー槽230の底に載っているだけの構成であってもよい。洗浄槽210は、オーバーフロー槽230の底に載せられることで、底が閉じられる。
【0067】
なお、図9に示す変形例では、オーバーフロー槽230は、内部が仕切板235によって仕切られており、洗浄槽210が設置されるオーバーフロー回収槽231と、洗浄槽210から溢れ出た水を排水するオーバーフロー排水槽232とを有している。オーバーフロー回収槽231の底には、各洗浄槽210に対応して下部噴出部22と排水栓12が設けられており、オーバーフロー排水槽232の底には、排水口33が設けられている。複数の洗浄槽210は、洗浄槽210から溢れ出た水をオーバーフロー排水槽232に流すための集水板200に、上端部が溶接などによって接合されている。
【0068】
また、前記実施形態では、洗浄装置1は、6つの洗浄槽10を備えていたが、洗浄槽の数は、任意である。また、洗浄槽の配置も任意である。例えば、前記実施形態では、図2に示したように、6つの洗浄槽10が、1列3つで、左右2列に配置されていたが、これに限定されない。例えば、図10に示すように、洗浄装置1は、9つの洗浄槽10を備え、9つの洗浄槽10が、1列3つで、左右3列に配置されていてもよい。
【0069】
また、前記実施形態では、洗浄槽10が円筒状であったが、これに限定されない。例えば、図11に示すように、洗浄槽410は、角筒状であってもよい。また、洗浄槽は、筒状であって、底に近づくほど径が小さくなるような形状などであってもよい。また、前記実施形態では、洗浄槽10の底11が平らな面であったが、これに限定されず、例えば、洗浄槽の底は、半球面状などの曲面であってもよい。
【0070】
また、前記実施形態では、複数の洗浄槽10は、形状、大きさが同一であったが、これに限定されない。例えば、複数の洗浄槽は、一部の洗浄槽の形状が、他の洗浄槽の形状と異なっていてもよい。また、複数の洗浄槽は、一部の洗浄槽の大きさが、他の洗浄槽の大きさと異なっていてもよい。
【0071】
また、前記実施形態では、1つの洗浄槽10がテボ2を1つのみ受け入れ可能な大きさであったが、これに限定されず、例えば、1つの洗浄槽が複数のテボを受け入れ可能な大きさであってもよい。なお、1つの洗浄槽が複数のテボを受け入れ可能な構成とした場合には、噴出部は、対応する洗浄槽内に水を噴出する上部噴出部、下部噴出部を、受け入れ可能なテボの数に応じて複数有していてもよい。
【0072】
また、前記実施形態では、各上部噴出部21が1つの上部噴出口21Aを有していたが、これに限定されず、複数の上部噴出口を有していてもよい。同様に、前記実施形態では、各下部噴出部22が1つの下部噴出口22Aを有していたが、これに限定されず、複数の下部噴出口を有していてもよい。
【0073】
また、前記実施形態では、噴出部20が上部噴出部21および下部噴出部22の両方を有する構成であったが、これに限定されない。例えば、噴出部は、上部噴出部のみを有する構成であってもよい。また、噴出部は、下部噴出部のみを有する構成であってもよい。
【0074】
また、例えば、複数の上部噴出部は、水を分配するヘッダを用いて連通していてもよく、このヘッダに、複数の洗浄槽に対応して、水を噴出するための複数の噴出口やノズルなどを設けた構成としてもよい。なお、ノズルを設ける場合、ノズルを口径が異なるものに交換可能な構成としてもよいし、ノズルとして口径を変更可能なノズルを用いてもよい。
【0075】
また、前記実施形態では、開閉バルブ55A,55Bは、ハンドルH1,H2を手動で操作するタイプのバルブであったが、これに限定されない。例えば、開閉バルブは、手動ではなく、通電することにより開き、通電を停止することにより閉じる電磁弁などであってもよい。
【0076】
一例として、図12に示すように、洗浄装置1は、手動式の開閉バルブ55A,55B(図7参照)の代わりに、電磁弁である開閉バルブとしての第1開閉バルブ155Aおよび第2開閉バルブ155Bを備えている。また、洗浄装置1は、タイマとしての第1タイマTM1および第2タイマTM2と、第1スイッチSW1と、第2スイッチSW2と、第1パイロットランプPL1と、第2パイロットランプPL2とをさらに備えている。
【0077】
第1開閉バルブ155Aは、複数の噴出部20A~20Cの水の噴出と水の噴出の停止とを切り替えるバルブであり、第2開閉バルブ155Bは、複数の噴出部20D~20Fの水の噴出と水の噴出の停止とを切り替えるバルブである。開閉バルブ155A,155Bは、給水源Wと一次接続管51の分岐部分との間に設けられている。開閉バルブ155A,155Bは、通電することにより全開となり、通電を停止することにより全閉となる電磁弁である。
【0078】
第1タイマTM1は、第1開閉バルブ155Aの開閉を切り替えて、設定された所定時間の間、第1開閉バルブ155Aを開いた状態にするタイマであり、第2タイマTM2は、第2開閉バルブ155Bの開閉を切り替えて、設定された所定時間の間、第2開閉バルブ155Bを開いた状態にするタイマである。第1タイマTM1および第2タイマTM2は、電源Pに接続されている。
【0079】
第1タイマTM1は、第1スイッチSW1が操作されると第1開閉バルブ155Aに通電し、予め設定された所定時間が経過したときに第1開閉バルブ155Aへの通電を停止する。これにより、洗浄装置1は、第1スイッチSW1が操作されると第1開閉バルブ155Aが全開となって噴出部20A~20Cから対応する洗浄槽10A~10C内に水を噴出し、所定時間が経過すると第1開閉バルブ155Aが全閉となって噴出部20A~20Cからの水の噴出を停止する。
【0080】
また、第2タイマTM2は、第2スイッチSW2が操作されると第2開閉バルブ155Bに通電し、予め設定された所定時間が経過したときに第2開閉バルブ155Bへの通電を停止する。これにより、洗浄装置1は、第2スイッチSW2が操作されると第2開閉バルブ155Bが全開となって噴出部20D~20Fから対応する洗浄槽10D~10F内に水を噴出し、所定時間が経過すると第2開閉バルブ155Bが全閉となって噴出部20D~20Fからの水の噴出を停止する。
【0081】
このように洗浄装置1は、スイッチSW1,SW2が操作されると所定時間の間だけ噴出部20から対応する洗浄槽10に水を噴出して麺を洗浄可能に構成されている。なお、所定時間は、麺の種類、粉の質、加水量、茹で加減、洗浄水の温度、水質などに応じて任意に設定することができる。また、所定時間(タイマTM1,TM2の設定時間)は、個別に設定することができる。
【0082】
第1スイッチSW1および第2スイッチSW2は、例えば、押しボタンスイッチである。
【0083】
第1パイロットランプPL1は、第1開閉バルブ155Aに通電されている間だけ点灯し、第1開閉バルブ155Aへの通電が停止されているときは消灯する。これにより、第1パイロットランプPL1は、噴出部20A~20Cが対応する洗浄槽10A~10C内に水を噴出している間だけ、言い換えると、洗浄槽10A~10Cで麺の洗浄が行われている間だけ点灯する。
【0084】
また、第2パイロットランプPL2は、第2開閉バルブ155Bに通電されている間だけ点灯し、第2開閉バルブ155Bへの通電が停止されているときは消灯する。これにより、第2パイロットランプPL2は、噴出部20D~20Fが対応する洗浄槽10D~10F内に水を噴出している間だけ、言い換えると、洗浄槽10D~10Fで麺の洗浄が行われている間だけ点灯する。
【0085】
このような洗浄装置1によれば、装置を操作する者の熟練度や忙しさなどによって異なる可能性がある、開閉バルブの開き具合のばらつきや、洗浄時間のばらつきなどを解消して、同じ条件で麺の洗浄を行うことができる。これにより、誰にでも簡単に、麺の仕上がり具合を揃えることができる。また、熟練者を雇わずとも麺の仕上がり具合を揃えることができるので、人件費を抑えることができ、経営的に有利である。
【0086】
また、パイロットランプPL1,PL2が麺の洗浄が行われている間だけ点灯するので、例えば、スイッチSW1,SW2を操作した後、パイロットランプPL1,PL2が点灯している間は他の作業をすることができ、パイロットランプPL1,PL2が消灯したら麺を洗浄槽10から取り出し、水を切って盛りつけるという作業に戻ることができるため、大変便利である。
【0087】
また、第1開閉バルブ155Aに対応して第1タイマTM1と第1スイッチSW1を備え、第2開閉バルブ155Bに対応して第2タイマTM2と第2スイッチSW2を備えるので、洗浄槽10A~10Cおよび洗浄槽10D~10Fのうちの片方のみを使用して麺を洗浄することができる。これにより、例えば、一方のタイマが故障し、すぐに修理ができないような状況であっても、他方の系統を使用して麺の洗浄作業を行うことができる。
【0088】
なお、図12に示した変形例では、洗浄装置1がタイマ、スイッチおよびパイロットランプを2つずつ備える構成であったが、これに限定されない。例えば、図13に示すように、洗浄装置1は、1つのタイマTMと、1つのスイッチSWと、1つのパイロットランプPLとを備える構成であってもよい。
【0089】
タイマTMは、電磁弁である開閉バルブ155A,155Bの両方に接続され、開閉バルブ155A,155Bの開閉を切り替えて、設定された所定時間の間、開閉バルブ155A,155Bを開いた状態にする。タイマTMは、スイッチSWが操作されると開閉バルブ155A,155Bの両方に通電し、所定時間が経過したときに開閉バルブ155A,155Bへの通電を停止する。これにより、洗浄装置1は、スイッチSWが操作されると開閉バルブ155A,155Bが全開となってすべての噴出部20から水を噴出し、所定時間が経過すると開閉バルブ155A,155Bが全閉となってすべての噴出部20からの水の噴出を停止する。
【0090】
また、パイロットランプPLは、開閉バルブ155A,155Bに通電されている間だけ点灯し、開閉バルブ155A,155Bへの通電が停止されているときは消灯する。これにより、パイロットランプPLは、麺の洗浄が行われている間だけ点灯する。
【0091】
また、開閉バルブとして電磁弁を用い、タイマと組み合わせる場合において、例えば、電磁弁に通電してから所定の第1時間が経過した場合に電磁弁への通電を停止し、電磁弁への通電を停止してから所定の第2時間が経過した場合に再び電磁弁に通電し、これを繰り返すように制御するようにしてもよい。これによれば、ハンドルやスイッチなどを操作することなく、洗浄と洗浄の停止を交互に繰り返すように動作させることができる。また、毎回、同じような条件で麺の洗浄を行うことができる。これにより、誰にでも簡単に、麺の仕上がり具合を揃えることができる。
【0092】
また、例えば、図12に示すように、洗浄装置1は、エジェクタ59をさらに備えていてもよい。エジェクタ59は、水流で発生する負圧により水流に外部の空気を取り込む機器である。エジェクタ59は、第1開閉バルブ155Aと噴出部20A~20Cとの間、および、第2開閉バルブ155Bと噴出部20D~20Fとの間にそれぞれ設けられている。詳しくは、エジェクタ59は、第1開閉バルブ155Aと第1給水系統50Aの一次調整バルブ56A,56Bとの間、および、第2開閉バルブ155Bと第2給水系統50Bの一次調整バルブ56A,56Bとの間にそれぞれ設けられている。
【0093】
このような洗浄装置1によれば、噴出部20から噴出される水の中に気泡を取り込むことができるので、気泡により麺の表面にできたぬめりを取り除く効果を高めることができる。すなわち、エジェクタ59を備えることで、噴出部20から噴出される水の洗浄能力を高めることができる。
【0094】
また、前記実施形態では、洗浄装置1は、1つの開閉バルブで複数の噴出部20の水の噴出と停止を切り替える構成であったが、これに限定されない。例えば、洗浄装置は、1つの開閉バルブで、対応する1つの噴出部の水の噴出と停止を切り替える構成であってもよい。すなわち、洗浄装置は、噴出部(洗浄槽)ごとに開閉バルブを備えていてもよい。
【0095】
また、前記実施形態では、洗浄装置1が、第1調整バルブとして、上部用一次調整バルブ56Aおよび上部用二次調整バルブ57を備える構成であったが、これに限定されない。例えば、洗浄装置は、第1調整バルブとして、上部用一次調整バルブ56Aおよび上部用二次調整バルブ57の一方のみを備える構成であってもよい。第2調整バルブについても同様である。また、洗浄装置は、第1調整バルブ、第2調整バルブを備えない構成であってもよい。
【0096】
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 洗浄装置
2 テボ
10(10A~10F) 洗浄槽
11 底
12 排水栓
20(20A~20F) 噴出部
21 上部噴出部
22 下部噴出部
30 オーバーフロー槽
33 排水口
55A,155A 第1開閉バルブ
55B,155B 第2開閉バルブ
56A 上部用一次調整バルブ
56B 下部用一次調整バルブ
57 上部用二次調整バルブ
58 下部用二次調整バルブ
59 エジェクタ
TM タイマ
TM1 第1タイマ
TM2 第2タイマ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13