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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022049066
(43)【公開日】2022-03-29
(54)【発明の名称】照明制御システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/165 20200101AFI20220322BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20220322BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20220322BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20220322BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20220322BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20220322BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20220322BHJP
【FI】
H05B47/165
H05B45/10
H05B45/20
H05B47/105
H05B47/155
H05B47/18
H05B47/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020155098
(22)【出願日】2020-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】元西 洋平
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA05
3K273QA11
3K273QA27
3K273RA16
3K273RA17
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA22
3K273TA28
3K273TA46
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA63
3K273TA66
3K273UA12
3K273UA13
3K273UA14
3K273UA15
3K273UA17
3K273UA22
3K273VA08
(57)【要約】
【課題】断調光の発生を防止または低減させることができる照明制御システムを提供する。
【解決手段】照明制御システムは、通信機能を有する照明機器の状態を変化させる制御信号を送受信しながら照明機器との通信を行う。また、照明制御システムは、照明機器の状態の変化量に基づいて、照明機器への機器情報の送信を中断させる制御装置を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機能を有する照明機器の状態を変化させる制御信号を送受信しながら前記照明機器との通信を行う照明制御システムにおいて、
前記照明機器の状態の変化量に基づいて、前記照明機器への機器情報の送信を中断させる制御装置を有する照明制御システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記照明機器の制御に関する情報を受け付ける受付部と;
前記受付部が受け付けた前記情報に基づいて前記照明機器の制御信号を生成する生成部と;
前記生成部が生成した前記情報に基づいて前記変化量を監視する監視部と;
を具備する請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記照明機器の制御に関する操作を受け付ける操作部と;
前記操作部が受け付けた前記操作に基づいて前記変化量を監視する監視部と;
を具備する請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記操作部が受け付けた前記操作に基づいて、所定時間経過後に前記機器情報の送信を中断させる
請求項3に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
上位装置から受信する前記照明機器の制御信号に基づいて前記変化量を監視する監視部;
を具備する請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記照明機器が接続されたノードである
請求項5に記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記照明機器が接続されたノードと前記上位装置との間に位置する中継装置である
請求項5に記載の照明制御システム。
【請求項8】
前記制御装置は、前記上位装置に対し、前記機器情報に代えてダミー信号を送信させる
請求項6または7に記載の照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スタジオや舞台等では、遠隔操作に従って複数の照明機器を制御する照明制御システムが導入されている。例えば、このような照明制御システムの照明制御装置は、DMX512と呼ばれる規格を拡張したRDM(Remote Device Management)と呼ばれる規格に沿って、スタジオや舞台等に設置された照明機器から照明機器の情報を収集し、収集した情報に基づいて、調光や調色を制御し、照明演出を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-224406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、想定した照明演出が再現されない場合があった。具体的には、従来技術においては、調光制御中に照明機器の情報を収集すると、段階的に明るさが変化する段調光が予期せずに発生する場合があり、違和感や不快感を生じさせるおそれがある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、断調光の発生を防止または低減させることができる照明制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る照明制御システムは、通信機能を有する照明機器の状態を変化させる制御信号を送受信しながら照明機器との通信を行う。また、照明制御システムは、照明機器の状態の変化量に基づいて、照明機器への機器情報の送信を中断させる制御装置を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、断調光の発生を防止または低減させることができる照明制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る照明制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る照明制御システムが有する各装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る照明制御システムの照明制御装置が有する制御部の構成を示すブロック図である。
図4図4は、第2の実施形態に係る照明制御システムが有する各装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、第2の実施形態に係る照明制御システムの照明制御装置が有する制御部の構成を示すブロック図である。
図6図6は、第3の実施形態に係る照明制御システムが有する各装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態に係る照明制御システムを説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下で説明する照明制御システムは、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。
【0010】
以下に説明する実施形態に係る照明制御システム1は、通信機能を有する照明機器10の状態を変化させる制御信号を送受信しながら照明機器10との通信を行う。また、照明制御システム1は、照明機器10の状態の変化量に基づいて、照明機器10への機器情報の送信を中断させる制御装置(照明制御装置100)を有する。
【0011】
以下に説明する実施形態に係る制御装置(照明制御装置100)は、受付部151と、生成部152と、監視部154とを具備する。受付部151は、照明機器10の制御に関する情報を受け付ける。生成部152は、照明機器10の制御信号を生成する。監視部154は、生成部152が生成した情報に基づいて変化量を監視する。
【0012】
以下に説明する実施形態に係る制御装置(照明制御装置100)は、操作部140と監視部154とを具備する。操作部140は、照明機器10の制御に関する操作を受け付ける。監視部154は、操作部140が受け付けた操作に基づいて変化量を監視する。
【0013】
以下に説明する実施形態に係る制御装置(照明制御装置100)は、操作部140が受け付けた操作に基づいて、所定時間経過後に機器情報の送信を中断する。
【0014】
以下に説明する実施形態に係る制御装置は、上位装置(照明制御装置100)から受信する照明機器10の制御信号に基づいて変化量を監視する監視部を具備する。
【0015】
以下に説明する実施形態に係る制御装置は、照明機器10が接続されたノード20である。
【0016】
以下に説明する実施形態に係る制御装置は、照明機器10が接続されたノード20と上位装置(照明制御装置100)との間に位置する中継装置40である。
【0017】
以下に説明する実施形態に係る制御装置は、上位装置(照明制御装置100)に対し、機器情報に代えてダミー信号を送信させる。
【0018】
[第1の実施形態]
(照明制御システムの構成)
図1は、第1の実施形態に係る照明制御システムの構成の一例を示すブロック図である。第1の実施形態に係る照明制御システム1は、複数の照明機器10(図1では、照明機器10-1~照明機器10-nとして示す。個々を区別する必要のない場合、「照明機器10」と総称する)、複数のノード20(図1では、ノード20-1~ノード20-nとして示す。個々を区別する必要のない場合、「ノード20」と総称する)、ハブ30、電源装置50、照明制御装置100を有する。なお、照明制御システム1に含まれる照明機器10およびノード20の種別や数などは、任意に変更可能である。
【0019】
照明制御システム1において、照明機器10は、DMX規格に従った通信プロトコルや、DMXを拡張したRDM規格に沿った通信方式により、ノード20や照明制御装置100と双方向通信が可能な照明機器である。また、照明機器10は、LED(Light Emitting Diodes)等の半導体発光素子を有し、制御信号に従って、明るさ、範囲、色彩等を変化させることで、スタジオや舞台等の照明演出を行う。照明機器10は、スタジオや舞台等の任意の空間に設置される設備であって、照明機器等を吊るために用いられるバトンに設置される。図1の例では、バトンB1には、照明機器10-1~照明機器10-nが設置されることを示している。なお、照明機器10は、バトンに設置されていないものを含んでよい。
【0020】
ノード20は、DMX規格に従った通信プロトコルや、DMXを拡張したRDM規格に沿った通信方式により、照明機器10や照明制御装置100と双方向通信が可能な制御情報を分配する分配器である。ノード20は、照明制御装置100と照明機器10との通信を中継する装置であり、例えば、DMXノードやRDMノードと称される装置により実現される。具体的には、ノード20は、イーサネット(登録商標)等の有線または無線によるネットワークによって、双方向通信が可能な態様でハブ30と接続され、ハブ30を介して、照明制御装置100等と通信する。
【0021】
また、図1の例において、ノード20は、照明機器10と同様、バトンに設置される。図1の例では、バトンB1には、ノード20-1が設置され、バトンB2には、ノード20-2が設置され、バトンBnには、ノード20-nが設置される。また、ノード20は、自身が設置されるバトンに関する情報と、自身に接続される照明機器10の情報とを記憶する。言い換えれば、ノード20は、バトンと照明機器10との対応関係を示した、照明機器10の配置情報を記憶する。なお、ノード20は、バトンに設置されなくてもよい。
【0022】
ハブ30は、イーサネット(登録商標)等の有線または無線によるネットワークによって、照明制御装置100と双方向通信が可能な態様で接続され、照明制御装置100と各ノード20-1~20-nとの通信を中継する中継器である。
【0023】
電源装置50は、各照明機器10-1~10-nに電力を供給する電源装置であり、例えば、電圧変換の機能、ブレーカー、UPS(Uninterruptible Power Supply)等の機能を有する。なお、電源装置50は、ハブ30を介さずに、照明機器10等に直接接続されてもよい。
【0024】
照明制御装置100は、双方向性を有する制御信号(例えば、RDM規格に対応する制御信号)を照明機器10との間で通信可能な制御装置であり、一般に、調光卓や制御卓等と呼ばれる装置である。照明制御装置100は、ユーザ(例えば、照明制御装置100を操作するオペレータ)から照明機器10に対する操作指令を受け付けると、照明機器10-1~10-nに付与された制御アドレスを含む制御信号を生成し、ハブ30を介してノード20-1~20-nに制御信号を送信する。ノード20-1~20-nは、照明制御装置100から受信した制御信号を、例えば、RDM規格に沿った信号(RDM信号)に変換し、制御アドレスが示す照明機器10に対して出力する。これにより、照明機器10-1~10-nの制御が行われる。このように、照明制御装置100は、例えば、RDM対応の制御信号に含まれる制御アドレスを用いて、照明機器10-1~10-nを遠隔制御する。照明制御装置100は、制御装置の一例である。
【0025】
また、照明制御装置100は、ノード20を介して、「型番」、「ポート番号」、「UID」、「DMXアドレス」、「動作モード」、「点灯時間」などの照明機器情報を各照明機器10から収集する。照明制御装置100は、各照明機器10から収集した機器情報を照明機器情報121として記憶部120に格納する。
【0026】
(照明制御装置100が実行する処理の概要)
ここで、従来の照明制御システムでは、照明制御装置100が照明機器10の調光制御中に機器情報を収集すると段調光が発生する可能性があった。このため、段調光の発生を回避するには、例えば、照明機器10の明るさを変化させる調光制御、あるいは照明機器10の情報を収集する通信のうち、いずれか一方を実行し、他方を実行不能とする処理を実施するようにしていた。
【0027】
そこで、実施形態に係る照明制御装置100は、断調光が発生する可能性の高い状態であるか否かを監視し、断調光が発生する可能性が高い状態下では各照明機器10からの機器情報の収集を中断させる処理を実行する。具体的には、照明制御装置100は、照明機器10の状態の変化量を監視する。照明制御装置100は、照明機器10の状態の変化量に基づいて、照明機器10からの機器情報の送信を中断させる。
【0028】
このように、実施形態に係る照明制御装置100は、断調光が生じやすい状態では照明機器10からの機器情報の送信を中断する処理を実行する。これにより、断調光の発生を防止または低減させることができる。
【0029】
(第1の実施形態に係る各装置の機能構成)
上記した照明制御装置100が実行する処理について、図2を用いて、第1の実施形態に係る各装置の機能構成の説明とともに、詳細に説明する。図2は、第1の実施形態に係る照明制御システムが含む各装置の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、図1で説明した内容については、適宜説明を省略する。
【0030】
まず、照明機器10の構成について説明する。本実施形態に係る照明機器10は、RDM規格に対応する制御情報から生成される制御信号によって制御される照明機器であり、記憶部13と、制御部14と、光源部15とを有する。
【0031】
記憶部13は、照明機器10が有する不揮発性のメモリであり、照明機器10の機器情報が登録される。機器情報の一例としては、製造会社名、機器型番、UID、制御アドレス、使用するチャンネル数、使用するモード情報、点灯時間、通電時間、質量、パーソナリティー設定といった情報が含まれる。
【0032】
ここで、製造会社名とは、照明機器10の製造会社名である。機器型番とは、製造会社によって定められた照明機器10の型番である。UIDとは、各照明機器10-1~10-nを識別するための識別子である。UIDは、例えば、各照明機器10-1~10-nに予め付与される12桁の16進数で表される情報である。また、制御アドレスとは、DMXのデータリンク上におけるアドレス、すなわち、照明制御装置100が照明機器10を制御する際に用いる制御アドレスである。また、チャンネル数とは、照明機器10の制御に用いられる制御アドレスの数である。例えば、チャネル数が「4」の照明機器10は、照度(I)、赤色(R)、青色(B)、緑色(G)のそれぞれに対して個別の制御アドレスが設定されることで、照度、赤色、青色、緑色のそれぞれを個別に制御することができる。なお、以下の説明では、照明機器10に設定された1つ又は複数の制御アドレスのうち、値が最も小さい制御アドレスをスタートアドレスと記載する場合がある。
【0033】
また、点灯時間とは、照明機器10の光源を点灯させた時間の合計を示す情報である。また、通電時間とは、照明機器10に電力が供給された時間の合計を示す情報である。また、質量とは、照明機器10の質量を示す情報である。また、パーソナリティー設定とは、照明機器10の動作のモードを示す情報である。
【0034】
制御部14は、照明の制御を行う。例えば、ノード20-1は、照明制御装置100から制御信号を受信すると、受信した制御信号をRDM信号に変換し、制御アドレスに対応する照明機器10に出力する。そして、制御部14は、ノード20-1から受信したRDM信号に従って、光源部15を制御する。
【0035】
また、ノード20-1は、機器情報の送信要求を各照明機器10-1~10-nに出力する場合がある。例えば、ノード20-1は、照明制御装置100からの要求に従い、自身に接続されている各照明機器10の機器情報の送信要求を、各照明機器10に出力する。この場合、制御部14は、記憶部13に登録された機器情報を読み出し、読み出した機器情報をノード20-1に出力する。
【0036】
また、ノード20-1は、照明制御装置100から新たな制御アドレスへの割当処理の命令を受信した場合には、照明機器10に新たに割り当てられる制御アドレスの値を示す設定信号を各照明機器10に出力する。この場合、制御部14は、ノード20-1から受信した設定信号が示す制御アドレスを記憶部13に登録する。
【0037】
光源部15は、照明機器10が有する光源である。光源部15は、制御部14の制御に従って、照度、照明する範囲、色彩等を制御可能なLED等の半導体発光素子により実現される。
【0038】
次に、ノード20-1の構成について説明する。本実施形態に係るノード20-1は、通信部23、設定部24、メモリ25、取得部26、複数のポート27-1~27-nを有する(個々を区別する必要のない場合、「ポート27」と総称する)。また、メモリ25には、アドレステーブル25aが登録されている。
【0039】
まず、アドレステーブル25aに格納される情報の一例について説明する。アドレステーブル25aには、ノード20-1に設置された照明機器10-1~10-nを制御するための制御アドレスが、ノード20-1が有する位置情報や、ノード20-1のポート番号と対応付けて登録される。すなわち、本実施形態に係るアドレステーブル25aには、照明機器10の配置情報と、制御アドレスとが対応付けて登録される。
【0040】
通信部23は、受信部23aおよび送信部23bを有し、ハブ30を介して、照明制御装置100との間で情報の送受信を行う通信装置であり、例えば、NIC(Network Interface Card)等の通信装置によって実現される。例えば、通信部23は、後述する取得部26によって取得された照明機器10に関する情報を送信するために照明制御装置100と通信する。言い換えれば、通信部23に係る送信部23bは、取得部26によって取得された照明機器10に関する情報を照明制御装置100に送信する。
【0041】
取得部26は、接続端子であるポート27に接続された照明機器10に関する情報を取得する。例えば、取得部26は、所定の時間間隔で、各ポート27-1~27-nから照明機器情報の送信要求を出力する。そして、取得部26は、照明機器10からの応答として機器情報を受信した場合には、機器情報を受信したポートのポート番号を設定部24に通知する。
【0042】
次に、照明制御装置100の構成について説明する。本実施形態に係る照明制御装置100は、通信部110、記憶部120、表示部130、操作部140、制御部150を有する。通信部110は、ハブ30及びノード20を介して、照明機器10との間で制御信号の送受信を行う。通信部110は、例えば、NIC等の通信装置によって実現される。
【0043】
記憶部120は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置により実現される。図2に示すように、記憶部120には、照明機器情報121と、制御情報122と、監視パラメータ123とが記憶されている。
【0044】
照明機器情報121は、照明機器10の送信部23bから送信された照明機器10に関する機器情報である。
【0045】
照明機器情報121には、例えば、「制御アドレス」、「照明機器UID」、「照明機器情報」、「機能」、「バトン番号」、「設置位置情報」といった項目が含まれる。
【0046】
「制御アドレス」は、制御アドレスの数値を示す。「照明機器UID」は、照明機器を識別する識別情報、すなわちUIDを示す。なお、照明機器UIDは、実際には照明機器に予め付与される12桁の16進数で表される情報であるが、実施形態では、参照符号(10a-1等)で示している。「照明機器情報」は、照明機器に関する情報を示す。例えば、照明機器情報には、「スポットライト」や「ベースライト」といった照明機器の種別や、「1kW(キロワット)」といった照明機器の消費電力を示す情報が含まれる。
【0047】
「機能」は、制御アドレスに対応する機能を示す。例えば、4chを使用する照明機器であって、それぞれのチャンネルにR(Red)、G(Green)、B(Blue)のように色調整を行う機能と、総合的な明かりの強さを示す情報であるI(Intensity)を調整する機能を有する照明機器の場合には、それぞれの制御アドレスに対応する機能が、照明機器情報121に登録される。なお、機能には、レンズの焦点位置を定めるZ(Zoom)や、操作情報であるS(Strobe)やC(Curve)等の情報が登録されてもよい。
【0048】
「バトン番号」は、照明機器情報の送信元となるノード20、すなわち、照明機器10が接続されたノード20を識別するための番号である。「設置位置情報」は、照明機器10がノード20のどのポートに接続されているかを示す情報であり、例えば、ポート番号である。なお、設置位置情報には、ノードを識別する情報等がさらに記憶されてもよい。
【0049】
制御情報122は、各照明機器10を制御するための情報であり、例えば、調光制御や操作部140が有する複数のフェーダの操作に関する情報を含む。具体的には、制御情報122は、例えばフェーダやサブマスタ(SM)等のレベル値、照度や色彩等を照明機器10ごとに対応付けた情報や各種シーンの情報を含む。
【0050】
監視パラメータ123は、照明機器10への照明機器情報(機器情報)の要求信号の送信を中断させるか否かを判断する基準となる閾値である。換言すれば、監視パラメータ123は、照明機器10からの機器情報の送信を中断させるか否かを判断する閾値である。監視パラメータ123は、例えば、照明機器10の状態の変化量に関する閾値を含む。監視パラメータ123は、例えば、照明機器10の調光制御に関するパラメータである。監視パラメータ123は、複数であってもよい。また、監視パラメータ123は、複数の要素を組み合わせた関数またはマップであってもよい。さらに、例えば照明機器10の調光レベルの程度に応じて異なる監視パラメータ123を採用してもよい。
【0051】
表示部130は、後述する制御部150による制御に従い、照明制御装置100に接続された各照明機器10-1~10-nの配置情報と、各照明機器10-1~10-nに設定された制御アドレスとを表示する表示装置であり、例えば、液晶ディスプレイ等により実現される。具体的には、表示部130は、取得された照明機器10に関する情報に基づいて、照明機器10に関する情報(例えば、照明機器10に設定されている制御アドレス)を、照明機器10が配置された状況を示す情報である配置情報とともに表示する。なお、表示部130は、情報を表示(出力)するのみならず、入力装置としてのインターフェース機能を備えていてもよい。例えば、表示部130がタッチパネルディスプレイにより実現される場合、表示部130は、入力操作を受け付けるインターフェースとしても機能する。
【0052】
操作部140は、各照明機器10-1~10-nに対する操作を受け付けるものであり、例えば、複数のフェーダF01~Fnを有する。各フェーダF01~Fnには、それぞれ個別のフェーダ番号が付与される。フェーダF01~Fnは、例えば、各照明機器10-1~10-nの照度を変更する操作を受け付けるスライダである。なお、操作部140は、タッチパネル等を利用して実現されてもよい。また、操作部140は、物理的なボタンを有してもよい。
【0053】
制御部150は、各種の情報処理を実行する演算装置であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を採用できる。制御部150は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部150は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
【0054】
図3は、第1の実施形態に係る照明制御システムの照明制御装置が有する制御部の構成を示すブロック図である。制御部150は、受付部151と、生成部152と、収集部153と、監視部154とを有する。
【0055】
受付部151は、照明機器10の制御に関する情報を受け付ける。受付部151は、例えば、操作部140に対する操作に応じた情報を受け付ける。また、受付部151は、例えば、記憶部120に予め記憶された制御情報122を受け付けてもよい。
【0056】
生成部152は、照明機器10を制御するための制御信号を生成する。例えば、生成部152は、受付部151が受け付けた情報に基づいて制御信号を生成する。生成部152が生成した制御信号は、通信部110を介して照明機器10に送信される。
【0057】
収集部153は、ノード20を介して、照明機器10に関する情報を照明機器10から収集する。収集部153は、オペレータなどにより設定される所定のタイミングで、照明機器10に対し、機器情報の送信を要求する。収集部153は、要求に応じて照明機器10から送信された機器情報を取得する。収集部153は、収集した機器情報を照明機器情報121として記憶部120に格納する。収集部153は、記憶部120に「UID」が同一の照明機器情報121が存在する場合、収集した機器情報に基づいて照明機器情報121を上書き更新する。収集部153は、機器情報の送信を、予め定められた周期で繰り返し要求してもよい。これにより、照明制御装置100は、例えば、照明機器10の点灯時間など、収集部153が収集する直近の機器情報を常に把握することができる。
【0058】
監視部154は、照明機器10の状態の変化量を監視する。例えば、監視部154は、生成部152が生成した情報に基づいて照明機器10の状態の変化量を監視する。ここで、状態の変化量とは、例えば、照明機器10の調光レベルが変化する度合いである。また、単位時間当たりに照明機器10の調光レベルが変化する変化量、すなわち変化率を状態の変化量として採用してもよい。また、照明機器10の調光レベルの変化量に、たとえば色調や色温度など、複数の要素を組み合わせてもよい。
【0059】
また、監視部154は、照明機器10の状態を判定する。例えば、監視部154は、照明機器10の状態の変化量と監視パラメータ123とを比較し、照明機器10が断調光を発生させる状態か否かを判定する。例えば、照明機器10の状態の変化量が監視パラメータ123を超えると、照明機器10が断調光を発生させる状態であると判定する。
【0060】
また、照明機器10が断調光を発生させる状態であると判定されると、監視部154は、収集部153に対し、機器情報の収集を中断させる。換言すれば、監視部154は、照明機器10に対し、機器情報の送信を中断させる。また、監視部154は、収集部153に対し、照明機器10への機器情報の送信の要求を中断する。これにより、照明機器10による断調光の発生を防止または低減することができる。なお、機器情報の収集の中断は、断調光を発生させる状態であると判定された照明機器10を対象としてもよく、断調光を発生させる状態であると判定された照明機器10が接続されたノード20-1に接続された各照明機器10を対象としてもよい。さらに、各ノード20に接続されたすべての照明機器10を対象としてもよい。
【0061】
また、監視部154は、収集部153に対し、機器情報の収集を再開させる。具体的には、監視部154は、照明機器10に対し、機器情報の送信を再開させる。また、監視部154は、収集部153に対し、照明機器10への機器情報の送信の要求を再開させる。なお、機器情報の収集の再開は、例えば、照明機器10の状態の変化量が監視パラメータ123を下回ったことを契機とすることができる。
【0062】
(第1の実施形態に係る照明制御装置の変形例)
上記した実施形態では、監視部154は、生成部152が取得した情報に基づいて照明機器10の状態の変化量を監視するとして説明したが、これに限らない。監視部154は、操作部140が受け付けた操作に基づいて状態の変化量を監視してもよい。
【0063】
監視部154は、フェーダF01~Fnの操作やシーン再生など、操作部140が受け付けた照明機器10の状態を変化させる操作に基づいて状態の変化量を監視してもよい。
【0064】
また、照明制御装置100が、例えば操作部140の操作に基づいてシーン再生を実行する場合、監視部154による監視の結果、照明機器10の状態の変化量が所定時間経過後に上昇し、監視パラメータ123を超えると判定された場合、監視部154は、所定時間経過後に機器情報の収集を中断させることができる。
【0065】
監視部154は、照明機器10が断調光を発生させる状態であると判定されると、収集部153に対し、機器情報の収集を中断させる。なお、機器情報の収集は、例えば、機器情報の収集を中断して所定期間(例えば、1~5分間)状態の変化量が監視パラメータ123を上回らないことを契機として再開してもよく、操作部140が受け付けた操作により再生されたシーンの終了後に再開してもよい。
【0066】
このように、実施形態に係る照明制御システム1は、通信機能を有する照明機器10の状態を変化させる制御信号を送受信しながら照明機器10との通信を行う。また、照明制御システム1は、照明機器10の状態の変化量に基づいて、照明機器10への機器情報の送信を中断させる制御装置(照明制御装置100)を有する。これにより、断調光の発生を防止または低減させることができる。
【0067】
また、実施形態に係る制御装置(照明制御装置100)は、受付部151と、生成部152と、監視部154とを具備する。受付部151は、照明機器10の制御に関する情報を受け付ける。生成部152は、照明機器10の制御信号を生成する。監視部154は、生成部152が生成した情報に基づいて変化量を監視する。これにより、断調光の発生を防止または低減させることができる。
【0068】
また、実施形態に係る制御装置(照明制御装置100)は、操作部140と監視部154とを具備する。操作部140は、照明機器10の制御に関する操作を受け付ける。監視部154は、操作部140が受け付けた操作に基づいて変化量を監視する。これにより、断調光の発生を防止または低減させることができる。
【0069】
また、実施形態に係る制御装置(照明制御装置100)は、操作部140が受け付けた操作に基づいて、所定時間経過後に機器情報の送信を中断する。これにより、断調光の発生を防止または低減させることができる。
【0070】
[第2の実施形態]
図4は、第2の実施形態に係る照明制御システムが有する各装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図5は、第2の実施形態に係る照明制御システムの照明制御装置が有する制御部の構成を示すブロック図である。
【0071】
本実施形態に係る照明制御システム1Aは、照明制御装置100が監視部154を有さない制御部150aを制御部150に代えて有し、制御装置としてのノード20(ノード20-1)が監視部28を有する点で第1の実施形態に係る照明制御システム1と相違する。
【0072】
監視部28は、上位装置である照明制御装置100から受信部23aが受信した制御信号に基づいて照明機器10の状態の変化量を監視する。
【0073】
また、監視部28は、照明機器10の状態の変化量と監視パラメータ123とを比較し、照明機器10が断調光を発生させる状態か否かを判定する。例えば、照明機器10の状態の変化量が監視パラメータ123を超えると、照明機器10が断調光を発生させる状態であると判定する。なお、監視パラメータ123は、照明制御装置100が有してもよく、各ノード20のメモリ25がそれぞれ有していてもよい。
【0074】
また、照明機器10が断調光を発生させる状態であると判定されると、監視部28は、照明制御装置100に対し、機器情報の収集を中断させる。換言すれば、監視部28は、取得部26を介して、照明機器10への機器情報の送信を要求する制御信号の送信を中断させる。また、監視部28は、照明制御装置100への機器情報の送信を中断する。これにより、照明機器10による断調光の発生を防止または低減することができる。
【0075】
また、監視部28は、ノード20からの機器情報の送信を再開させる。なお、機器情報の収集の再開のタイミングは、第1の実施形態に係る照明制御システム1と同様である。
【0076】
ところで、ノード20から照明制御装置100への機器情報の送信を中断すると、照明制御装置100は、送信を中断した照明機器10が存在しないと誤って検知することも想定される。そこで、監視部28は、ダミー生成部29で生成させたダミー信号を、送信部23bを介して照明制御装置100に送信し、誤検知を回避させてもよい。なお、ダミー信号は、断調光が発生しない程度の微弱な信号(例えば、最小限のパケットの信号など)とすることができる。
【0077】
このように、第2の実施形態に係る制御装置(ノード20-1)は、上位装置(照明制御装置100)から受信する照明機器10の制御信号に基づいて変化量を監視する監視部28を具備する。これにより、断調光の発生を防止または低減させることができる。
【0078】
また、実施形態に係る制御装置(ノード20-1)は、上位装置(照明制御装置100)に対し、機器情報に代えてダミー信号を送信させる。これにより、照明機器10の誤検知を回避することができる。
【0079】
[第3の実施形態]
図6は、第3の実施形態に係る照明制御システムが有する各装置の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態に係る照明制御システム1Bは、ノード20(ノード20-1)の監視部28およびダミー生成部29に代えて、監視部40aおよびダミー生成部40bを有する中継装置40をさらに有する点で第2の実施形態に係る照明制御システム1Aと相違する。
【0080】
中継装置40は、照明制御装置100とハブ30との間に位置している。中継装置40は、例えば、ノート型やデスクトップ型等の固定端末、スマートフォンやタブレット端末等の移動端末である。また、中継装置40は、複数の装置間での通信により上記した機能を協働して実現するものであってもよい。
【0081】
監視部40aは、上位装置である照明制御装置100から受信部23aが受信した制御信号に基づいて照明機器10の状態の変化量を監視する。
【0082】
また、監視部40aは、照明機器10の状態の変化量と監視パラメータ123とを比較し、照明機器10が断調光を発生させる状態か否かを判定する。例えば、照明機器10の状態の変化量が監視パラメータ123を超えると、照明機器10が断調光を発生させる状態であると判定する。なお、監視パラメータ123は、中継装置40の記憶部(不図示)が有してもよく、各ノード20のメモリ25がそれぞれ有していてもよい。
【0083】
また、照明機器10が断調光を発生させる状態であると判定されると、監視部40aは、照明制御装置100からの機器情報の送信を中断させる。換言すれば、監視部40aは、照明制御装置100と各ノード20との間の通信を中継する中継装置40から各ノード20への機器情報の送信を中断させる。また、監視部40aは、照明機器10からのノード20-1を介した照明制御装置100への機器情報の送信を中断させる。これにより、照明機器10による断調光の発生を防止または低減することができる。
【0084】
また、監視部40aは、照明制御装置100に対し、機器情報の収集を再開させる。具体的には、監視部40aは、照明制御装置100の収集部153に対し、照明機器10への機器情報の送信の要求を再開させる。また、監視部40aは、ノード20からの機器情報の送信を再開させる。なお、機器情報の収集の再開のタイミングは、上記した各実施形態と同様である。
【0085】
また、監視部40aは、ダミー生成部40bで生成させたダミー信号を、送信部23bを介して照明制御装置100に送信し、誤検知を回避させてもよい。なお、ダミー信号は、断調光が発生しない程度の微弱な信号とすることができる。なお、監視部40aは、ダミー生成部40bに代えて、ノード20-1が有するダミー生成部29(図4参照)を利用し、ダミー生成部29で生成させたダミー信号を照明制御装置100に送信させてもよい。
【0086】
なお、図6に示した例では、中継装置40は照明制御装置100とハブ30との間に位置させたが、これに限らず、例えば、ハブ30に接続させてもよい。
【0087】
このように、実施形態に係る制御装置(中継装置40)は、照明機器10が接続されたノード20-1と上位装置(照明制御装置100)との間に位置する中継装置40である。これにより、断調光の発生を防止または低減させることができる。
【0088】
また、制御装置(中継装置40)は、上位装置(照明制御装置100)に対し、機器情報に代えてダミー信号を送信させる。これにより、照明機器10の誤検知を回避することができる。
【0089】
[その他の変形例]
上記した各実施形態では、照明機器10はRDM規格に対応する機器として説明したが、RDM規格に非対応の機器(例えば、DMX規格に対応の機器やハロゲンランプ)を含んでもよい。
【0090】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0091】
1 照明制御システム
10 照明機器
20 ノード
30 ハブ
40 中継装置
100 照明制御装置
140 操作部
150 制御部
151 受付部
152 生成部
153 収集部
154 監視部
図1
図2
図3
図4
図5
図6