IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 佐藤 義信の特許一覧

<>
  • 特開-道路コーンの設置回収装置 図1
  • 特開-道路コーンの設置回収装置 図2
  • 特開-道路コーンの設置回収装置 図3
  • 特開-道路コーンの設置回収装置 図4
  • 特開-道路コーンの設置回収装置 図5
  • 特開-道路コーンの設置回収装置 図6
  • 特開-道路コーンの設置回収装置 図7
  • 特開-道路コーンの設置回収装置 図8
  • 特開-道路コーンの設置回収装置 図9
  • 特開-道路コーンの設置回収装置 図10
  • 特開-道路コーンの設置回収装置 図11
  • 特開-道路コーンの設置回収装置 図12
  • 特開-道路コーンの設置回収装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022049512
(43)【公開日】2022-03-29
(54)【発明の名称】道路コーンの設置回収装置
(51)【国際特許分類】
   E01F 1/00 20060101AFI20220322BHJP
   E01F 13/02 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
E01F1/00
E01F13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020155747
(22)【出願日】2020-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】598035598
【氏名又は名称】佐藤 義信
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 義信
【テーマコード(参考)】
2D101
【Fターム(参考)】
2D101CA11
2D101EA05
2D101FA12
(57)【要約】
【課題】道路コーンの設置・回収を自動で行うことができる道路コーンの設置回収装置を提供する。
【解決手段】車両2の荷台3に設置される基台4と、前記基台4上に設置される装置本体5と、前記装置本体5に取り付けられたアーム部6と、前記アーム部6を水平方向に旋回させる水平旋回装置7と、前記アーム部6を垂直方向に旋回させる垂直旋回装置8とを備え、前記アーム部6は、道路コーンCを載置する載置部12と、前記道路コーンCを保持する保持部13とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の荷台に設置される基台と、
前記基台上に設置される装置本体と、
前記装置本体に取り付けられたアーム部と、
前記アーム部を水平方向に旋回させる水平旋回装置と、
前記アーム部を垂直方向に旋回させる垂直旋回装置と、を備え、
前記アーム部は、道路コーンを載置する載置部と、前記道路コーンを保持する保持部と、
を有することを特徴とする道路コーンの設置回収装置。
【請求項2】
前記アーム部は、前記道路コーンを案内するガイド部を有し、
前記ガイド部は、前記アーム部に回動自在に取り付けられ、
前記ガイド部は、前記車両の前進方向が閉塞し、前記車両の後進方向が開口し、
前記アーム部の前記垂直方向の旋回に伴って回動することを特徴とする請求項1記載の道路コーンの設置回収装置。
【請求項3】
前記アーム部は、
前記道路コーンを前記載置部に載置又は前記道路コーンを前記載置部から回収する待機位置から、
前記水平方向への旋回と前記垂直方向への旋回を切り換える切換位置までを前記水平方向の旋回範囲とし、
前記切換位置から前記道路コーンの設置及び回収を行う設置回収位置までを前記垂直方向の旋回範囲とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の道路コーンの設置回収装置。
【請求項4】
前記アーム部は、前記待機位置のときに前記荷台の上方に位置し、前記切換位置と前記設置回収位置のときに前記車両の側方に位置することを特徴とする請求項3に記載の道路コーンの設置回収装置。
【請求項5】
前記保持部は、前記道路コーンを挟持して前記道路コーンを保持し、
前記アーム部が前記設置回収位置のとき及び前記待機位置のときに前記道路コーンの保持及び解除を行うことを特徴とする請求項3に記載の道路コーンの設置回収装置。
【請求項6】
前記アーム部が前記待機位置のとき及び前記設置回収位置のときに、前記道路コーンの前記保持部により保持される被保持部を検知する第1検知部と、前記道路コーンの前記被保持部以外の部分を検知する第2検知部を備えることを特徴とする請求項3に記載の道路コーンの設置回収装置。
【請求項7】
前記基台に前記道路コーンを載置するコーン載置台が取り付けられ、
前記コーン載置台は、前記アーム部が前記待機位置のときに前記載置部と並列となるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の道路コーンの設置回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路コーンの設置回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すような道路コーンの人力による設置は、トラックの荷台に段積みされたラバーコーンを荷台に搭乗している作業員によって、荷台から半身のり出して走行中にそれをある一定間隔をもって設置していた。また、設置された道路コーンを回収する場合、設置とは逆に、トラックのバック走行によって、それぞれのラバーコーンを半身のり出して、手で道路コーンの頭をつかみ、振り上げてトラックの荷台に回収していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用登録第3046097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、高速道路上でのラバーコーン設置回収作業は、迅速且つ安全に行わなければならないが、人力で走行中に一定間隔で設置していくタイミングと、転倒しない様に置く作業は、かなりの熟練を要求される。これらの作業を機械化して行うときは、人力に依る設置速度と同等ないし、それ以上の速度が要求され、且つ転倒しないで正確に設置できることが困難という課題であった。
【0005】
そこで、本発明は、道路コーンの設置・回収を自動で行うことができる道路コーンの設置回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、車両の荷台に設置される基台と、前記基台上に設置される装置本体と、前記装置本体に取り付けられたアーム部と、前記アーム部を水平方向に旋回させる水平旋回装置と、前記アーム部を垂直方向に旋回させる垂直旋回装置と、を備え、前記アーム部は、道路コーンを載置する載置部と、前記道路コーンを保持する保持部と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、前記アーム部は、前記道路コーンを案内するガイド部を有し、前記ガイド部は、前記アーム部に回動自在に取り付けられ、前記ガイド部は、前記車両の前進方向が閉塞し、前記車両の後進方向が開口し、前記アーム部の前記垂直方向の旋回に伴って回動することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、前記アーム部は、前記道路コーンを前記載置部に載置又は前記道路コーンを前記載置部から回収する待機位置から、前記水平方向への旋回と前記垂直方向への旋回を切り換える切換位置までを前記水平方向の旋回範囲とし、前記切換位置から前記道路コーンの設置及び回収を行う設置回収位置までを前記垂直方向の旋回範囲とすることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、前記アーム部は、前記待機位置のときに前記荷台の上方に位置し、前記切換位置と前記設置回収位置のときに前記車両の側方に位置することを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、前記保持部は、前記道路コーンを挟持して前記道路コーンを保持し、前記アーム部が前記設置回収位置のとき及び前記待機位置のときに前記道路コーンの保持及び解除を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、前記アーム部が前記待機位置のとき及び前記設置回収位置のときに、前記道路コーンの前記保持部により保持される被保持部を検知する第1検知部と、前記道路コーンの前記被保持部以外の部分を検知する第2検知部を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、前記基台に前記道路コーンを載置するコーン載置台が取り付けられ、前記コーン載置台は、前記アーム部が前記待機位置のときに前記載置部と並列となるように配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、道路コーンの設置回収を迅速かつ安全に行うことができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、ガイド部をアーム部の旋回動作に連動させることで、ガイド部の動作を自動で行うことができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、アーム部を待機位置から水平方向への旋回と垂直方向への旋回を経て設置回収位置に移行させることで、アーム部の効率の良い動作を実現することができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、待機位置のときにアーム部を荷台の上方に位置することで道路コーンの設置回収作業以外でアーム部が車両の走行の邪魔になることを防ぐ。
また、切替位置でアーム部を車両の側方に位置させることでアーム部を垂直方向に旋回させて設置回収位置に移行させることが容易になる。
【0017】
請求項5の発明によれば、道路コーンの保持及び解除をアーム部の設置回収位置と待機位置に限定することで、切換位置でアーム部から道路コーンが離脱するのを防ぎ、道路コーンの設置回収を確実に行うことができる。
【0018】
請求項6の発明によれば、待機位置及び設置回収位置での保持部による道路コーンの保持を確実に行うことができるとともに、道路コーンの状態を確実に把握することで道路コーンの設置回収を確実に行うことができる。
【0019】
請求項7の発明によれば、コーン載置台と載置部との間での道路コーンの移動を容易にし、道路コーンの設置回収を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例1における設置回収装置の設置回収位置における斜視図である。
図2】同上、設置回収装置の設置回収位置における要部の拡大斜視図である。
図3】同上、設置回収装置の設置回収位置における側面図である。
図4】同上、設置回収装置の設置回収位置における車両後方から見た図である。
図5】同上、設置回収装置の設置回収位置における平面図である。
図6】同上、設置回収装置の切換位置における要部の拡大斜視図である。
図7】同上、設置回収装置の切換位置における側面図である。
図8】同上、設置回収装置の切換位置における車両後方から見た図である。
図9】同上、設置回収装置の切換位置における平面図である。
図10】同上、設置回収装置の待機位置における要部の拡大斜視図である。
図11】同上、設置回収装置の待機位置における側面図である。
図12】同上、設置回収装置の待機位置における車両後方から見た図である。
図13】同上、設置回収装置の待機位置における平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例0022】
図1図13は本発明の実施例1を示すものであり、図中、車両2の前後方向をX方向とし、車両2の左右方向をY方向として説明する。図1に示すように本実施例の設置回収装置1は、車両2の荷台3に設置される基台4と、基台4上に設置される装置本体5と、装置本体5に取り付けられたアーム部6と、アーム部6を水平方向に旋回させる水平旋回装置7と、アーム部6を垂直方向に旋回させる垂直旋回装置8を備えている。
【0023】
図7に示すように装置本体5は、アーム部6を備えた上側筐体5Aと、基台4上に固定される下側筐体5Bからなる。上側筐体5Aは、水平旋回装置7を介して下側筐体5Bの上部に水平方向に旋回可能に配置される。
【0024】
ここで図7に示すように水平旋回装置7は、垂直軸線と同軸に配置されたリングギア(図示せず)と、駆動モータ(図示せず)と、駆動モータの回転をリングギアへ伝達するギア群からなる減速機構(図示せず)と、リングギア上に設置された回転テーブル9を有する構造を採用しており、リングギア、駆動モータおよび減速機構は下側筐体5Bに配置される。そして、上側筐体5Aが回転テーブル9の上部に固定されることで、駆動モータの回転駆動力を受けたリングギアとともに回転テーブル9が水平方向に旋回すると、回転テーブル9の水平方向の旋回に伴いアーム部6も水平方向に旋回が可能となる。尚、水平旋回装置7としては、上側筐体5Aを下側筐体5Bに対して水平方向に旋回可能とする構造であれば別の構造としてもよく、また装置本体5を基台4に対して水平方向に旋回可能とする構造や、装置本体5全体を荷台3に対して水平方向に旋回可能とする構造でもよいものとする。
【0025】
図2に示すように垂直旋回装置8は、軸受10を介して上側筐体5Aに水平方向と平行となるように取り付けられた揺動シャフト11と、揺動シャフト11に回転駆動力を供給する駆動モータ(図示せず)とを備えている。尚、アーム部6は揺動シャフト11の先端に取り付けられる。
【0026】
図2及び図3に示すようにアーム部6は、道路コーンCを載置する載置部12と、道路コーンCを保持する保持部13と道路コーンCを案内するガイド部14とを備えている。尚、アーム部6は、図3に示すように垂直状態で車両2の前進方向に向いた面を前面6Aとし、後進方向に向いた面を後面6Bとする。揺動シャフト11は、アーム部6の前面6Aの上部に取り付けられている。
【0027】
ここで、図3及び図6に示すように道路コーンCは、円錐状の立部C1と、四角状の底部C2を備えたプラスチックやゴム等の合成樹脂製からなる。
【0028】
図3に示すように載置部12は、道路コーンCの立部C1の下側の径の大きな側面を保持するための第1載置部15と、道路コーンCの立部C1における第1載置部15が保持する範囲より上側の径の小さな側面を保持するための第2載置部16を備えている。第1載置部15と第2載置部16は、アーム部6の下部に第1載置部15、第2載置部16の順に下から上に上下方向に並設されている。
【0029】
図3に示すように第1載置部15は、アーム部6の左右の側面の下部に取り付けられた矩形状の金属製プレートからなる第1取付片17と、左右一対の第1取付片17の先端に取り付けられた第1受け片18を備えている。第1取付片17の基端には、第1取付片17の基端から先端に向けて形成された複数の長孔19が互いに平行に形成されている。
【0030】
図6に示すように第1受け片18は、矩形状の金属製プレートを第1折り筋20で平面視略V字状に折り曲げ形成されている。第1受け片18は、第1折り筋20が第1取付片17の複数の長孔19の長手方向と略直角となるように第1取付片17の先端に取り付けられる。
【0031】
図3に示すように第2載置部16は、アーム部6の左右の側面の下部において第1取付片17の取付位置の上側に取り付けられた矩形状の金属製プレートからなる第2取付片21と、左右一対の第2取付片21の先端に取り付けられた第2受け片22を備えている。第2取付片21の基端には、第2取付片21の基端から先端に向けて形成された複数の長孔23が互いに平行に形成されている。
【0032】
図6に示すように第2受け片22は、矩形状の金属製プレートを第2折り筋24で平面視略V字状に折り曲げ形成されている。第2受け片22は、第2折り筋24が第2取付片21の複数の長孔23の長手方向と略直角となるように第1取付片17の先端に取り付けられる。
【0033】
図3に示すように保持部13に保持された道路コーンCの中心軸は、アーム部6の長手方向と平行となる。
【0034】
そして、図6に示すように第1受け片18と第2受け片22では、保持部13に保持された道路コーンCの立部C1のテーパ状の側面と正対した状態で当接するように、第1折り筋20と第2折り筋24は保持部13に保持された道路コーンCの立部C1の側面と平行になる。
【0035】
そして図3に示すように第1取付片17及び第2取付片21は、各長孔19、23に挿通された複数のボルト25、26によってアーム部6に長孔19、23の長手方向にスライド自在に取り付けられている。第1載置部15及び第2載置部16は、載置される道路コーンCの立部C1の形状に合わせて第1取付片17及び第2取付片21をアーム部6に対してスライドさせて位置調整可能としており、道路コーンCを第1載置部15及び第2載置部16に収まり良く載置することができる。
【0036】
また、図6に示すように第1取付片17及び第2取付片21では、各長孔19、23の長手方向がそれぞれ第1折り筋20及び第2折り筋24と直交するように傾斜している。
【0037】
図2に示すように保持部13は、一対の挟持部27と、駆動装置であるプランジャー28と、プランジャー28の進退動作を一対の挟持部27の開閉動作に変換して伝達するためのリンク機構29を備えている。そして、保持部13は、プランジャー28の進退動作に伴い一対の挟持部27を開閉させて、道路コーンCの立部C1の上部(被保持部)を挟持して保持・開放することができる。
【0038】
図3に示すようにガイド部14は、一対のガイドバー30と、アーム部6に回動自在に取り付けられた一対のベース部材31と、アーム部6の垂直方向の旋回に連動させて一対のベース部材31の展開動作を案内するガイド用リンク機構32と、一対のベース部材31に備えた一対の抑え部33を備えている。
【0039】
尚、一対のガイドバー30は、ベース部材31の先端側の上面31Aに取り付けられている。また、一対のガイドバー30では、ベース部材31と平行となるように取り付けられた基端30A側に対して、先端30B側は中間部分30Cから折り曲げ形成されている。そのため、図3に示すようにベース部材31が上面31Aを上向きとした水平状態のときのガイドバー30では、基端30Aから中間部分30Cに沿って平行に延びた水平な仮想直線Pに対して、中間部分30Cから先端30Bに向けて上向き傾斜となっている。一対のベース部材31は、基端がアーム部6の下端に回動自在に取り付けられている。
【0040】
図3に示すようにガイド用リンク機構32は、アーム部6に軸支された三角状のリンク片34と、リンク片34とベース部材31の先端にそれぞれ両端が軸支された第1リンク杆35と、リンク片34と上側筐体5Aの取付杆36にそれぞれ両端が軸支された第2リンク杆37とを備えている。尚、取付杆36は上側筐体5Aにおいて揺動シャフト11の下方に備えている。第1リンク杆35は第2リンク杆37より長いものとする。
【0041】
図3に示すようにリンク片34は、鈍角三角形かつ不等辺三角形に形成されている。リンク片34の鈍角側には第1回動軸部38が設けられ、第1回動軸部38には第2リンク杆37が軸支される。また、リンク片34の一方の鋭角側には第2回動軸部39が設けられ、第2回動軸部39にはアーム部6の中間部分が軸支される。さらに、リンク片34の他方の鋭角側には第3回動軸部40が設けられ、第3回動軸部40には第1リンク杆35が軸支されている。
【0042】
尚、図3に示すように第2回動軸39と第3回動軸40を結ぶ仮想直線L1は、第1回動軸38と第2回動軸39を結ぶ仮想直線L2及び第1回動軸38と第3回動軸40を結ぶ仮想直線L3より長い。そして、仮想直線L2は仮想直線L3より長い(L3<L2<L1)。
【0043】
図2図3及び図6に示すように抑え部33は、金属プレートを略L型に折り曲げ形成されたもので、垂直面部41と水平面部42を備えている。その垂直面部41は、垂直方向に対して斜めに形成された複数の長孔43を備えている。抑え部33は、各長孔43に挿通されたボルト44によって各長孔43の長手方向に沿ってベース部材31の底面31に対して進退可能に固定されており、抑え部33はベース部材31の底面31Bに対して位置調整可能に備えている。図3及び図4に示すように、後述する設置回収位置でガイド部14が展開した際に、保持部13に保持された状態の道路コーンCの底部C2の上面と抑え部33の水平面部42との間隔が狭まるように抑え部33を位置調整しておくことで、抑え部33の水平面部42は道路コーンCの底部C2の上面に対向して道路コーンCの跳ね上がりを抑え、道路コーンCの転倒を防止するものである。
【0044】
図3に示すように道路コーンCを検知する検知部として、リンク機構29に配置された第1検知部45と、ベース部材31に配置された第2検知部46とを備えている。
【0045】
図1に示すように設置回収装置1を荷台3に固定する基台4の上部4Aには、道路コーンCを載置する浅底型トレイ状のコーン載置台47を備えている。
【0046】
また、図1に示すように設置回収装置1は荷台3のY方向の一方(車両2の左側)に寄せて配置されており、荷台3のY方向の他方(車両2の右側)には待機位置の道路コーンCの底部C2を保持するコーン保持部48を備えている。コーン保持部48は、横臥状態の道路コーンCの底部C2の底面C3(図6参照)を保持する底面保持部49と、横臥状態の道路コーンCの底部C2の側面C4(図6参照)を面接触状態で保持する側面保持部50を備えている。
【0047】
図13に示すようにコーン載置台47は、車両2の左右方向(Y方向)と平行な仮想直線Q上で待機位置のアーム部6及びコーン保持部48と並列するように配置されている。
【0048】
図12に示すようにコーン載置台47の下部には、待機位置のアーム部6のガイド部14が収納可能となっている。
【0049】
図1に示すように基台4の前方には設置回収装置1の各種制御を行う制御盤51を備えている。制御盤51には、各種操作ボタン(図示せず)と制御手段(図示せず)を備え、各種操作ボタンからの制御信号に基いて制御手段が水平旋回装置7の駆動モータ、垂直旋回装置8の駆動モータ、第1検知部15、第2検知部16等の各種制御を行うものとする。
【0050】
設置回収装置1における道路コーンCの設置作業及び回収作業に係る各位置について説明する。図12に示す待機位置では、アーム部6は荷台3内において装置本体5の上側筐体5Aの後方でY方向と平行且つ水平状態で保持されており、保持部13に保持された道路コーンCの中心軸も水平状態となる。また、ベース部材31はアーム部6側に傾倒しガイドバー30は格納されている。
【0051】
図7に示す切換位置では、アーム部6は荷台3の外側に露出した状態でX方向と平行且つ水平状態で保持されており、保持部13に保持された道路コーンCの中心軸も水平状態となる。また、ベース部材31はアーム部6側に傾倒しガイドバー30は格納されている。
【0052】
図3に示す設置回収位置では、荷台3の外側に露出されたアーム部6は垂直状態で保持されており、保持部13に保持された道路コーンCの中心軸も垂直状態となる。また、ベース部材31はアーム部6と垂直となりガイドバー30は展開している。
【0053】
ガイド部14の展開・格納動作について説明する。ガイド部14は、ガイド用リンク機構32を介してアーム部6の垂直方向の旋回に伴って回動するように構成されており、図3に示すようにアーム部6が垂直状態のときにガイドバー30が展開状態となり、図7に示すようにアーム部6が水平状態のときにガイドバー30が格納状態となる。
【0054】
そして、アーム部6の動作範囲は、待機位置から切換位置への移行又は切換位置から待機位置への移行では、水平旋回装置7によって水平方向に旋回する水平方向の旋回範囲となり、切換位置から設置回収位置への移行又は設置回収位置から切換位置への移行では、垂直旋回装置8によって垂直方向に旋回する垂直方向の旋回範囲となる。
【0055】
まずは、図3に示す展開状態のガイド部14について説明する。アーム部6が、垂直旋回装置8によって後面6Bが上方を向いた水平状態から後面6Bが車両2の後進方向へと向いた垂直状態へと垂直方向に旋回して姿勢を変えると、ベース部材31はアーム部6の後面6B側で路面Gと平行となるように水平状態に展開される。ここで、リンク片34では、上から第2回動軸部39、第1回動軸部38、第3回動軸部40の順に位置している。
【0056】
ベース部材31と一体に備えたガイドバー30は、基端30Aを水平状態とし、先端30Bを上向きに傾斜させた状態となる。この展開状態のガイド部14では、一対のガイドバー30は車両2の前進方向に対して閉塞し、車両2の後進方向に対しては開口する。
【0057】
次に、図7に示す格納状態のガイド部14について説明する。アーム部6が、垂直旋回装置8によって後面6Bが車両2の後進方向へと向いた垂直状態から後面6Bが上向きとなる水平状態へと垂直方向に旋回して姿勢を変えると、リンク片34は、展開状態同様、上から第2回動軸部39、第1回動軸部38、第3回動軸部40という順に位置を保持したまま上昇する。ここで、各回動軸部38~40において最下部にある第3回動軸部40は回転テーブル9の上方に位置しており、アーム部6の水平方向の旋回を妨げない構造となっている。
【0058】
仮想直線L1がアーム部6の前面6A側でアーム部6の長手方向に対して略垂直状態となる。そして、ベース部材31の先端がアーム部6側に引っ張られ、ベース部材31の上面31Aがアーム部6の後面6Bに近づくようにベース部材31の先端がアーム部6の上部に向けて傾倒する。そして、ベース部材31は底面31Aが上を向くようにしてアーム部6に対して畳み込まれる。
【0059】
図7に示すようにベース部材31が畳み込まれると、ガイドバー30の先端30Bが基端30Aから平行に延びた仮想直線Pに対してアーム部6の後面6B寄りになるように中間部分30Cで折り曲げられているため、ガイドバー30の最高位置が低く抑えられている。そのため、格納状態のガイド部14では、最も上方に突出しているガイドバー30の先端30Bもコーン載置台47の下方に位置しており、ガイド部14をコーン載置台47の下部に格納可能としている。この格納状態のガイド部14において、第1受け片18と第2受け片22はベース部材31より上方に位置しており、載置部12に載置された道路コーンCの取り扱い時にベース部材31が邪魔にならない。
【0060】
本実施例の設置回収装置1を用いた道路コーンCの設置作業について説明する。制御盤51で設置回収装置1の動作を設置作業に設定すると第1検知部45と第2検知部46はともにON状態となり、図10図13に示すような荷台3の上方の待機位置での設置回収装置1では予め一対の挟持部27は開いた開放状態となる。車両2を所定の速度で前進させながら、作業者はコーン載置台47に載置された道路コーンCを設置回収装置1の載置部12に載置する。
【0061】
図12に示すようにコーン載置台47から載置部12へと移された道路コーンCは、底部C2がコーン保持部48に位置決め保持された状態で、立部C1の側面が載置部12に載置される。
【0062】
そして、載置部12に道路コーンCが正しく載置され、第1の検知部45が道路コーンCの立部C1の上部(被保持部)が接近したことを検知すると一対の挟持部27が閉じて道路コーンCの立部C1の上部(被保持部)が挟持された状態で保持され、さらに第2検知部46が道路コーンCの立部C1の側面(被検知部)を検知して、第1検知部45と第2検知部46のどちらも道路コーンCを検知すると、制御手段が水平旋回装置7を作動させて駆動モータがリングギアを回転させると、回転テーブル9に配置された装置本体5の上側筐体5Aが水平方向に90度旋回する。この装置本体5の上側筐体5Aの水平方向の旋回に伴い、アーム部6も水平方向に90度旋回して荷台3の側方に位置して、図6図9に示す切換位置となる。そして、図6図9に示す切換位置から制御手段が垂直旋回装置8を作動させて駆動モータが揺動シャフト11を下向きに90度回転させるとアーム部6も垂直方向に下向きに90度回転して、設置回収装置1は荷台3の側方で図1図5に示す設置回収位置となり、ガイド部14もアーム部6の垂直方向の下向きの旋回に伴い展開状態となる。
【0063】
続いて、図1図5に示す設置回収位置へと移行した設置回収装置1では、揺動シャフト11の回転角度からアーム部6が垂直であると判断した制御盤51の制御手段によって一対の挟持部27が開いた開放状態に保持されると道路コーンCが開放され、道路コーンCが路面Gに設置される。道路コーンCを設置した設置回収装置1は一対の挟持部27を開いた状態のまま、制御手段が垂直旋回装置8を作動させて駆動モータが揺動シャフト11を上向きに90度回転させるとアーム部6も垂直方向に上向きに90度回転して、設置回収装置1は図6図10に示す切換位置に移行する。この設置回収装置1が切換位置のときにガイド部14もアーム部6の垂直方向の上向きの旋回に伴い格納状態となる。続けて、制御手段は水平旋回装置7を作動させて駆動モータがリングギアを回転させると、回転テーブル9に配置された装置本体5の上側筐体5Aが水平方向に90度旋回する。この装置本体5の上側筐体5Aの水平方向の旋回に伴い、アーム部6も水平方向に90度旋回してコーン載置台47の下部に収容されて、設置回収装置1は荷台3の上方の図10図13に示す待機位置へと戻る。図11及び図12に示すようにガイド部14は水平状態のアーム部6に伴って格納状態となり、コーン載置台47の下部に格納されている。上述の動作を繰り返して、順次、路面Gに間隔をおいて道路コーンCを設置していく。
【0064】
次に、本実施例の設置回収装置1を用いた道路コーンCの回収作業について説明する。設置回収装置1は図10図13に示すような予め荷台3の上方の待機位置に位置しており、図12に示すようにガイド部14も水平状態のアーム部6に伴って格納状態となっている。制御盤51で設置回収装置1の動作を回収作業に設定すると第1検知部45と第2検知部46はともにON状態となり、制御手段が水平旋回装置7を作動させて駆動モータがリングギアを回転させると、回転テーブル9に配置された装置本体5の上側筐体5Aが水平方向に90度旋回する。この装置本体5の上側筐体5Aの水平方向の旋回に伴い、アーム部6も水平方向に90度旋回して荷台3の側方に位置して、図6図10に示す切換位置となり、さらに制御手段が垂直旋回装置8を作動させて駆動モータが揺動シャフト11を下向きに90度回転させるとアーム部6も垂直方向に下向きに90度回転して、設置回収装置1は荷台3の側方で図1図5に示す設置回収位置となり、図3に示すようにガイド部14もアーム部6の垂直方向の下向きの旋回に伴い展開状態となる。
【0065】
車両2を所定の速度で後進させると、図1図5に示す設置回収位置での設置回収装置1では一対の挟持部27は開いた開放状態であり、設置回収装置1を路面Gの道路コーンCに接近させて、第1検知部45が道路コーンCの立部C1の上部(被保持部)を検知すると一対の挟持部27を閉じた状態に保持するとことで道路コーンCの立部C1の上部(被保持部)を挟持した状態で保持し、さらに第2検知部46が道路コーンCの立部C1の側面(被検知部)を検知して、第1検知部45と第2検知部46のどちらも道路コーンCを検知すると、制御盤51の制御手段が垂直旋回装置8を作動させて駆動モータが揺動シャフト11を上向きに90度回転させるとアーム部6も垂直方向に上向きに90度回転して、設置回収装置1は図6図10に示す切換位置に移行する。この設置回収装置1が切換位置のときに図7に示すようにガイド部14もアーム部6の垂直方向の上向きの旋回に伴い格納状態となる。続けて、制御手段は水平旋回装置7を作動させて駆動モータがリングギアを回転させると、回転テーブル9に配置された装置本体5の上側筐体5Aが水平方向に90度旋回する。この装置本体5の上側筐体5Aの水平方向の旋回に伴い、アーム部6も水平方向に90度旋回してコーン載置台47の下部に収容されて、設置回収装置1は荷台3の上方の図11図15に示す待機位置へ移行する。図12に示すようにガイド部14は水平状態のアーム部6に伴って格納状態となり、コーン載置台47の下部に格納されている。
【0066】
続いて、図11図15に示す待機位置へと移行した設置回収装置1では、制御盤51の制御手段によって一対の挟持部27が開いた開放状態に保持されると道路コーンCが開放され、道路コーンCが回収可能となる。作業者によって載置部から道路コーンCが回収され第1検知部45と第2検知部46のいずれも道路コーンCを検知しなくなると、設置回収装置1は一対の挟持部27を開いた状態のまま、切換位置を経て設置回収位置へと戻る。上述の動作を繰り返して、順次、道路コーンCを回収していく。
【0067】
以上のように本実施例は、車両2の荷台3に設置される基台4と、前記基台4上に設置される装置本体5と、前記装置本体5に取り付けられたアーム部6と、前記アーム部6を水平方向に旋回させる水平旋回装置7と、前記アーム部6を垂直方向に旋回させる垂直旋回装置8と、を備え、前記アーム部6は、道路コーンCを載置する載置部12と、前記道路コーンCを保持する保持部13と、を有することで、道路コーンCの設置回収を迅速かつ安全に行うことができる。
【0068】
また、本実施例は、アーム部6は、道路コーンCを案内するガイド部14を有し、ガイド部14は、アーム部6に回動自在に取り付けられ、ガイド部14は、車両2の前進方向が閉塞し、車両2の後進方向が開口し、アーム部6の垂直方向の旋回に伴って回動することにより、ガイド部14の動作を自動で行うことができる。
【0069】
また本実施例は、アーム部6は、道路コーンCを載置部12に載置又は道路コーンCを載置部12から回収する待機位置から、水平方向への旋回と垂直方向への旋回を切り換える切換位置までを水平方向の旋回範囲とし、切換位置から道路コーンCの設置及び回収を行う設置回収位置までを垂直方向の旋回範囲とすることにより、アーム部6を待機位置から水平方向への旋回と垂直方向への旋回を経て設置回収位置に移行させることで、アーム部6の効率の良い動作を実現することができる。
【0070】
また本実施例は、アーム部6は、待機位置のときに荷台3の上方に位置し、切換位置と設置回収位置のときに車両2の側方に位置する。この場合、待機位置のときにアーム部6を荷台3の上方に位置することで道路コーンCの設置回収作業以外でアーム部6が車両2の走行の邪魔になることを防ぐ。また、切替位置でアーム部6を車両2の側方に位置させることでアーム部6を垂直方向に旋回させて設置回収位置に移行させることが容易になる。
【0071】
また本実施例は、保持部13は、道路コーンCを挟持して道路コーンCを保持し、アーム部6が設置回収位置のとき及び待機位置のときに道路コーンCの保持及び解除を行うことにより、道路コーンCの保持及び解除をアーム部6の設置回収位置と待機位置に限定することで、切換位置でアーム部6から道路コーンCが離脱するのを防ぎ、道路コーンCの設置回収を確実に行うことができる。
【0072】
また本実施例は、アーム部6が待機位置のとき及び設置回収位置のときに、道路コーンCの保持部13により保持される被保持部である立部C1の上部を検知する第1検知部45と、道路コーンCの被保持部以外の部分(被検知部)を検知する第2検知部46を備えることにより、待機位置及び設置回収位置での保持部13による道路コーンCの保持を確実に行うことができるとともに、道路コーンCの状態を確実に把握することで道路コーンCの設置回収を確実に行うことができる。
【0073】
また本実施例は、基台4に道路コーンCを載置するコーン載置台47が取り付けられ、コーン載置台47は、アーム部6が待機位置のときに載置部12と並列となるように配置されており、コーン載置台47と載置部12との間での道路コーンCの移動を容易にし、道路コーンCの設置回収を効率的に行うことができる。
【0074】
また本実施例上の効果として、基台4には、アーム部6が待機位置のときに道路コーンCの底部C2を保持するコーン保持部48を備えることにより、待機位置での道路コーンCの底部C2の向きを一方向に揃えることで、載置部12に載置された道路コーンCの保持が行いやすくなる。また、路面Gに設置される道路コーンCの底部C2の向きを揃えることで、設置後の道路コーンCの転倒を防ぐことができる。
【0075】
また本実施例上の効果として、ガイド部14は、待機位置及び切換位置のときに水平旋回装置7より上方となるように配置されており、待機位置から切換位置までのアーム部6の水平方向の旋回動作の邪魔にならない。
【0076】
また本実施例上の効果として、ガイド部14は、待機位置及び切換位置のときにコーン載置台47より下方となるように配置されており、待機位置から切換位置までのアーム部6の水平方向の旋回動作の邪魔にならない。また、ガイド部14をコーン載置台47の下方に格納することが可能となり、コーン載置台47から載置部12までの距離を近づけることが可能となり、コーン載置台47から載置部12への道路コーンCの移動と、載置部12からコーン載置台47への道路コーンCの回収が容易となる。
【0077】
また本実施例上の効果として、ガイド部14は、待機位置のときにコーン載置台47の下部に収容されることで、道路コーンCの設置作業時にコーン載置台47から載置部12へ道路コーンCを移すときに道路コーンCがガイド部14にひっかからず作業の邪魔にならない。また、道路コーンCの回収作業時に載置部12からコーン載置台47へ道路コーンCを移すときに道路コーンCがガイド部14にひっかからず作業の邪魔にならない。
【0078】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。尚、プランジャー28は単独でも複数であってもよく、挟持部27の形状および構造についても適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 設置回収装置
2 車両
3 荷台
4 基台
5 装置本体
6 アーム部
7 水平旋回装置
8 垂直旋回装置
12 載置部
13 保持部
14 ガイド部
C 道路コーン
45 第1検知部
46 第2検知部
47 コーン載置台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13