(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022049586
(43)【公開日】2022-03-29
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、方法
(51)【国際特許分類】
G16H 30/40 20180101AFI20220322BHJP
G16H 50/20 20180101ALI20220322BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20220322BHJP
G06T 11/80 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
G16H30/40
G16H50/20
G06N20/00
G06T11/80 F
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020155866
(22)【出願日】2020-09-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】519123618
【氏名又は名称】BonBon株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】荘子 万能
(72)【発明者】
【氏名】伊部 達朗
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 由紀
(72)【発明者】
【氏名】山本 和幸
【テーマコード(参考)】
5B050
5L099
【Fターム(参考)】
5B050AA02
5B050CA07
5B050DA01
5B050EA06
5B050EA12
5B050FA02
5B050FA13
5L099AA04
5L099AA26
(57)【要約】
【課題】病理画像を含む情報を取得した結果に基づき、病理画像の特定の領域をユーザに提示する。
【解決手段】コンピュータのプロセッサに、患者の病理画像を含む第1情報を取得するステップと、前記取得した第1情報に基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための第2情報として特定するステップと、前記特定した第2情報に対応する前記一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、を実行させる、プログラム。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
患者の病理画像を含む第1情報を取得するステップと、
前記取得した第1情報に基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための第2情報として特定するステップと、
前記特定した第2情報に対応する前記一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータは、記憶部に、病理画像について、病理診断のために特定された一部の領域の情報を含む過去の前記病理画像の診断結果に基づき学習された学習済みモデルを記憶させており、
前記特定するステップにおいて、前記取得した第1情報と、前記学習済みモデルとに基づいて、前記第2情報を特定する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記特定するステップにおいて、特定した前記第2情報と、前記学習済みモデルとに基づいて、前記特定された前記第2情報に関連する過去の診断結果に関する第3情報を特定し、
前記提示するステップにおいて、前記特定した第3情報を前記第1ユーザに提示するステップを実行させる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記学習済みモデルは、前記学習済みモデルの学習用データである前記診断結果について診断を行ったユーザの情報と関連付けられており、
前記プログラムは、前記プロセッサに、前記第1ユーザの情報と、前記学習済みモデルに関連付けられるユーザの情報とに基づいて、前記特定するステップにおいて参照する前記学習済みモデルを特定し、
前記提示するステップにおいて、前記特定した学習済みモデルに基づいて特定した前記第2情報または第3情報の少なくともいずれかを提示するステップを実行させる、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記学習済みモデルは、前記学習済みモデルの学習用データである前記診断結果について診断を行ったユーザの情報と関連付けられており、
前記提示するステップにおいて、前記第1ユーザの情報と、前記学習済みモデルに関連付けられるユーザの情報とに基づいて、参照する学習済みモデルの候補を前記第1ユーザに提示するステップと、
前記提示される前記学習済みモデルの候補を指定する入力操作を前記第1ユーザから受け付けるステップとを実行させる、請求項2または3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記第1情報に含まれる前記病理画像と、前記学習済みモデルとに基づいて、前記第1ユーザが診断結果に含めるべき内容を前記第1ユーザに提示するステップを実行させる、請求項2から5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記第1ユーザの作成した診断結果に対し、前記第1ユーザとは異なる第2ユーザに確認を依頼する入力操作を前記第1ユーザから受け付け、
前記確認を依頼する入力操作に応答して、前記確認をする前記第2ユーザの候補を特定し、
前記特定した前記第2ユーザの候補を前記第1ユーザに提示するステップとを実行させる、請求項1から6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記プロセッサに、さらに、病理画像に含まれる前記第1情報に基づいて、当該病理画像について病理診断を担当するユーザの候補を特定するステップと、
前記特定される前記ユーザの候補を提示するステップとを実行させる、請求項1から7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
前記プロセッサに、さらに、
前記病理画像に含まれる前記第1情報第1ユーザの作成した診断結果と、前記学習済みモデルとに基づいて、前記病理画像における特定の兆候を特定するステップと、
前記特定した兆候に基づいて、前記ユーザに前記兆候の情報を提示するステップとを実行させる、請求項2から8のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
前記プログラムは、前記プロセッサに、
病理診断を行う各ユーザについて、前記病理画像に対する前記診断結果の作成回数に関する情報を取得し、
前記取得した各ユーザの前記作成回数に関する情報に基づいて、前記病理診断を担当するユーザを特定するステップを実行させる、請求項1から9のいずれかに記載のプログラム。
【請求項11】
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記病理画像ごとに、病理診断を担当することが可能なユーザの情報を取得し、
前記取得した前記可能なユーザの情報に基づいて、前記病理診断を担当する第1ユーザを特定し、
前記特定した第1ユーザの情報を提示するステップを実行させる、請求項1から10のいずれかに記載のプログラム。
【請求項12】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行される方法であって、
前記プログラムは、前記プロセッサが、
患者の病理画像を含む第1情報を取得するステップと、
前記取得した第1情報に基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための第2情報として特定するステップと、
前記特定した第2情報に対応する前記一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、を実行する、方法。
【請求項13】
制御部を備える情報処理装置であって、前記制御部は、
患者の病理画像を含む第1情報を取得するステップと、
前記取得した第1情報に基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための第2情報として特定するステップと、
前記特定した第2情報に対応する前記一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、を実行する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
取得した患者の検査画像に基づいて、病理診断を行うシステムが知られている。
【0003】
特開2020-38600号公報には、異なる複数の解像度を有する画像データを含む病理画像データについて、ユーザによる入力に基づいて画像データに対してアノテーションを付す技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
検査画像に基づいた病理診断において、ユーザの病理診断の効率をよりいっそう向上させる技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によると、プロセッサを備えるコンピュータによって実行されるプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、患者の病理画像を含む第1情報を取得するステップと、取得した第1情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための第2情報として特定するステップと、特定した第2情報に対応する一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、を実行させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、取得した病理画像に対する病理診断において、ユーザの病理診断の効率をよりいっそう向上させる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】システム1全体の構成を示すブロック図である。
【
図2】端末装置10の機能的な構成を示す図である。
【
図4】サーバ20の記憶部に記憶されているユーザ情報DB、症例情報DB、診断結果情報DB、のデータ構造である。
【
図5】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、病理診断を担当するユーザに当該情報を提示する処理を表すフローチャートである。
【
図6】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報と、学習済みモデルとに基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、病理診断を担当するユーザに当該情報を提示する処理を表すフローチャートである。
【
図7】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定結果に基づいて、過去の診断結果に関する情報を特定し、病理診断を担当するユーザに当該情報を提示する処理を表すフローチャートである。
【
図8】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報と、ユーザ情報に関連付けられた学習済みモデルとに基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定結果に基づいて、過去の診断結果に関する情報を特定し、病理診断を担当するユーザに当該情報を提示する処理を表すフローチャートである。
【
図9】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報と、ユーザ情報に関連付けられた学習済みモデルとに基づいて、ユーザからの学習済みモデルの候補の指定を受け付け、受け付けた学習済みモデルに基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定結果に基づいて、過去の診断結果に関する情報を特定し、病理診断を担当するユーザに当該情報を提示する処理を表すフローチャートである。
【
図10】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定結果に基づいて、過去の診断結果に関する情報を特定し、病理診断を担当するユーザに、ユーザが診断結果に含めるべき内容を提示する処理を表すフローチャートである。
【
図11】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定結果に基づいて、過去の診断結果に関する情報を特定し、特定結果に基づいてユーザが診断結果を作成後、作成した診断結果を確認する別ユーザの情報を提示する処理を表すフローチャートである。
【
図12】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて病理診断を担当するユーザを特定し、特定結果を、病理診断を担当するユーザを管理する立場のユーザなどに提示する処理を表すフローチャートである。
【
図13】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、過去の診断結果に関する情報を特定し、特定した過去の診断結果に関する情報に基づき、取得した病理画像における特定の兆候を特定し、特定結果をユーザに提示する処理を表すフローチャートである。
【
図14】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理診断を行う各ユーザについて、病理画像に対する診断結果の作成回数に関する情報を取得し、取得した各ユーザの作成回数に関する情報に基づいて、病理診断を担当するユーザを特定し、特定結果をユーザに提示する処理を表すフローチャートである。
【
図15】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理診断を担当することが可能なユーザを特定し、特定結果をユーザに提示する処理を表すフローチャートである。
【
図16】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、病理診断を担当するユーザに当該情報を提示する画面例である。
【
図17】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定した結果などの情報に基づいてユーザが病理診断を行った結果を提示する画面例である。
【
図18】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定した結果などの情報に基づいてユーザが病理診断を行った結果において、過去の診断結果を参照する際の画面例である。
【
図19】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定した結果などの情報に基づいてユーザが病理診断を行った結果において、過去の診断結果を参照し、ユーザが病理診断を行った結果と比較表示した際の画面例である。
【
図20】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定した結果などの情報に基づいてユーザが病理診断を行った結果において、ユーザが作成した診断結果を、他のユーザに確認を依頼する際の画面例である。
【
図21】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理診断を担当するユーザの候補を特定する画面例である。
【
図22】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定する画面において、特定の兆候を特定したときに、当該特定した兆候をユーザに提示する画面例である。
【
図23】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、各症例の病理診断の担当件数に基づいて、病理診断を担当するユーザの候補を特定する画面例である。
【
図24】取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、各症例における、専門知識の要否などに基づいて、病理診断を担当するユーザの候補を特定する画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
<第1の実施の形態>
<概要>
システム1は、病院等の医療施設において、医師等のユーザが、患者の病理画像に基づき診断をした結果に基づいてレポートを作成する業務を支援する。当該業務としては、日々、発生するレポート作成のタスクを、複数の医師に割り振る(アサインする)業務と、タスクをアサインされた医師が、実際の患者の病理画像に基づき当該レポートを作成する業務等がある。病理診断の対象によっては、複数の医師がダブルチェック等によりレポート作成にかかわることがある。以下、病理診断のレポートの作成を支援する技術について詳細に説明する。
【0011】
システム1は、ユーザが操作するPC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末などの端末装置を用いて、患者の病理画像を含む情報を取得する。システム1において、取得した情報に基づいて、病理画像の特定の領域の情報をユーザに提示することができる。また、システム1は、取得した患者の病理画像を含む情報に基づいて、過去の病理診断の結果などを参照し、過去の診断結果、治療方針などを提示することができる。これにより、比較的病理診断の経験の少ないユーザが病理診断を担当しても、正確な診断結果を作成することができる。
【0012】
以上のように、システム1は、患者の病理画像を含む情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のために特定してユーザに提示し、病理診断におけるユーザの診断効率を向上させることのできるシステムを提供する。
【0013】
システム1は、例えば、各種病院における病理診断のシステムに使用され得る。ユーザは取得した患者の病理画像を含む情報に基づいて、病理診断を行うべき病理画像の一部の特定の領域を確認して病理診断を行うことができる。そのため、ユーザは病理診断の経験が不足した症例においても、過去の診断結果を基に病理診断を行うことができ、病理診断の効率化および診断結果の品質を一定程度以上に維持することが可能となる。
【0014】
<1 システム全体の構成図>
図1は、第1の実施の形態におけるシステム1の全体の構成を表している。
【0015】
図1に示すように、システム1は、端末装置と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して通信接続する。
【0016】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCにより実現される。この他に、端末装置10は、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などとしてもよい。
図1に端末装置10として示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0017】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、LAN(Local Area Network)ケーブルを利用した有線接続、5G、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などの無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することによりネットワーク80に接続される。
【0018】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0019】
サーバ20は、病理画像を含む情報に基づいた病理診断に関連する情報を管理する。サーバ20は、病理診断を担当するユーザについての各種情報、病理診断を行う対象となる症例についての各種情報、各症例を診断した結果についての各種情報を記憶する。
【0020】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0021】
本実施形態において、各装置(端末装置、サーバ等)を情報処理装置として把握することもできる。すなわち、各装置の集合体を1つの「情報処理装置」として把握することができ、システム1を複数の装置の集合体として形成してもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るシステム1を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はシステム1に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0022】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施の形態1のシステム1を構成する端末装置10のブロック図である。
図2に示すように、端末装置10は、アンテナ111と、アンテナ111に対応する第1無線通信部121と、アンテナ112と、アンテナ112に対応する第2無線通信部122と、記憶部16と、メモリ15と、プロセッサ19と、操作受付部130(タッチ・センシティブ・デバイス131を含む)と、ディスプレイ132と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、位置情報センサ150と、カメラ160と、を含む。端末装置10は、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリ、バッテリから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。
図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0023】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0024】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0025】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調、および周波数変換を行い、受信信号をプロセッサ19へ与える。
【0026】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、タッチスクリーンとして構成され、タッチ・センシティブ・デバイス131を含む。タッチ・センシティブ・デバイス131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。タッチ・センシティブ・デバイス131は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチ・センシティブ・デバイス131は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作としてプロセッサ19へ出力する。
【0027】
ディスプレイ132は、プロセッサ19の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0028】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号をプロセッサ19へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0029】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。例えば、システム1において、病理診断の結果にユーザの位置情報を取得し記録する場合において、ユーザの位置情報を参照可能にしている場合、ユーザの位置情報に基づいた医局情報などを取得して診断結果に反映することができる。
【0030】
カメラ160は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ160は、例えば、カメラ160の前にいるユーザの画像を撮影するカメラである。
【0031】
記憶部16は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部16は、ユーザ情報161と、症例情報162と、診断結果情報163と、学習済みモデル情報164と、を記憶する。ある局面において、端末装置10は、サーバ20と通信せずとも、記憶部16に記憶された各種情報に基づいて病理診断を行うための病理画像を含む情報をユーザに提示することができる。
【0032】
ユーザ情報161は、ユーザの年齢、所属医局、専門分野、勤務年数などの情報である。一連の病理診断において、端末装置10が、病理診断のタスクを複数の担当者に対して割り振る管理者等に対し、ユーザの情報を表示する。これにより、管理者等が病理診断の担当者を特定する際に、当該ユーザ情報161から専門分野、勤務年数、所属医局などを参照して、病理診断の担当者の特定に使用することができる。端末装置10が、ユーザ情報161に基づいて、病理診断のタスクを担当するユーザの候補を特定して、管理者等に提示してもよい。また、端末装置10が、管理者等が担当者を指定する操作によらず、ユーザ情報161に基づいて、病理診断のタスクを各担当者に割り振ることとしてもよい。
【0033】
症例情報162は、疾患名、患者名、患者の既往歴、患者の治療歴などの情報である。一連の病理診断において、端末装置10が、病理診断の各担当者に対し、患者の情報を表示する。これにより、各担当者が、当該症例情報162から疾患名、患者名などを参照して、病理診断に使用することができる。
【0034】
診断結果情報163は、各症例に対する診断結果、担当医、診断方針などの情報である。一連の病理診断において、端末装置10が、病理診断の各担当者に対し、過去の診断結果の情報を表示する。これにより、各担当者が、当該診断結果情報163を参照して、過去の診断結果の参照、病理診断レポートの作成に使用することができる。
【0035】
学習済みモデル情報164は、病理画像について、病理診断のために特定された一部の領域の情報を含む過去の病理画像の診断結果に基づき学習された学習済みモデルの情報である。一連の病理診断において、端末装置10が、当該学習済みモデル情報164を参照して、病理画像について、特定の一部の領域の特定などに使用し、特定した結果を各担当者に表示する。これにより、各担当者は、過去の病理画像の診断結果に基づいて特定された病理診断の一部の領域等を用いて病理診断をすることができる。
【0036】
プロセッサ19は、記憶部16に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。プロセッサ19は、例えばアプリケーションプロセッサである。プロセッサ19は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部191と、送受信部192と、データ処理部193と、報知制御部194としての機能を発揮する。
【0037】
入力操作受付部191は、入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0038】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0039】
データ処理部193は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0040】
データ処理部193は、取得した病理画像を含む情報にもとづいて、病理診断を行った結果の情報などを受け付ける。例えば、ユーザが、サーバ20内に記憶されている、患者の症例に関連する病理画像を含む情報を参照し、病理診断のための特定の領域を特定する。
【0041】
報知制御部194は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理、被写体の撮影をカメラ160に実行させる処理を行う。
【0042】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0043】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0044】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、ユーザ情報データベース2021と、症例情報データベース2022と、診断結果情報データベース2023と、学習済みモデル情報データベース2024等を記憶する。
【0045】
ユーザ情報データベース2021は、病理診断を行うユーザの各種情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0046】
症例情報データベース2022は、症例ごとに、当該症例に罹患している患者に関する患者名、既往歴などの各種情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0047】
診断結果情報データベース2023は、症例ごとの、診断結果、担当医、治療方針などの各種情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0048】
学習済みモデル情報データベース2024は、病理画像を含む情報に基づいて、病理診断のために特定された一部の領域の情報などを学習した学習済みモデルを管理するためのデータベースである。ここで、学習済みモデルの作成方法について例示する。例えば、病理画像を含む情報を取得したのち、病理診断を担当するユーザが、取得したデータを解析することにより、病理画像における一部の特定の領域において、病理診断に使用するためのタグ(過去、変異が確認された領域、同じ患者の病理画像)などの情報を付与し、病理診断を行った結果の情報(例えば、変異が進行している、治療方針として〇〇を採用する、など)と関連付ける。サーバ20は、取得した病理画像を含む情報と、診断結果とを関連付け、学習済みモデルを生成する。
【0049】
サーバ20は、このようにして、病理画像を含む情報に基づいた、病理診断のための一部の特定の領域に関する情報、関連する診断結果などを学習済みモデルとして保持しておく。端末装置10は、サーバ20の学習済みモデル情報データベース2024を参照することにより、病理診断のための一部の特定の領域の情報、当該領域に関連付けられた診断結果などの情報をユーザに提示する。また、ある局面では、学習済みモデルはユーザの情報と関連付けられており、病理診断を担当するユーザの情報に基づいて、取得した病理画像を含む情報を解析するときに、参照する学習済みモデルを特定することとしてもよい。
【0050】
ある局面において、サーバ20は、学習済みモデルデータベース2024に記憶されている学習済みモデルのうち、特定のユーザに基づいた学習済みモデルの参照回数(何回参照されたか)、または参照日時についての情報を取得してもよい。例えば、病理診断を担当するユーザが学習済みモデルを参照するときに、どのユーザが参照されることが多いか、または、どのユーザが最近参照されたか、などの情報を取得してもよい。そして、サーバ20は、当該情報に基づいて、病理診断を担当するユーザに提示する学習済みモデルの優先度などを特定してもよい。これにより、病理診断を担当するユーザは、より参照回数の多いユーザ、つまり、診断精度の高いユーザ、治療方針が的確なユーザ、などに基づいた学習済みモデルを参照することができる。そのため、病理診断を担当するユーザは、より品質の高いレポートの作成ができることが期待できる。また、病理診断を担当するユーザは、最近参照された学習済みモデルを参照することで、最新の情報(法改正、最新の治療方針など)に基づいた学習済みモデルを参照することができる。そのため、病理診断を担当するユーザは、治療のトレンドなどを考慮した上でレポートを作成することが期待できる。
【0051】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0052】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0053】
ユーザ情報取得モジュール2033は、病理診断を担当するユーザの各種情報を取得する。
【0054】
症例情報取得モジュール2034は、症例情報、患者情報などの各種情報を取得する。
【0055】
診断結果情報取得モジュール2035は、病理診断を担当するユーザが病理画像を含む情報に基づいて病理診断を行ったときの担当医、診断結果などの各種情報を取得する。
【0056】
学習済みモデル情報参照モジュール2036は、取得した病理画像を含む情報に基づいて、病理診断を担当するユーザが病理診断を行った結果に基づいて、病理画像を含む情報のうち、病理診断のための一部の特定の領域をユーザに提示する内容などに対応した学習済みモデルを参照する。
【0057】
<2 データ構造>
図4は、サーバ20が記憶するユーザ情報データベース2021、症例情報データベース2022、診断結果情報データベース2023のデータ構造を示す図である。
【0058】
図4に示すように、ユーザ情報データベース2021は、項目「ユーザID」と、項目「ステータス」と、項目「年齢」と、項目「性別」と、項目「所属医局」と、項目「専門分野」と、項目「勤務年数」等を含む。
【0059】
項目「ユーザID」は、病理診断を担当するユーザそれぞれを識別する情報である。
【0060】
項目「ステータス」は、ユーザそれぞれの役職、例えば、研修医、医師、などの情報である。
【0061】
項目「年齢」は、病理診断を担当するユーザの年齢を示す情報である。
【0062】
項目「性別」は、病理診断を担当するユーザの性別を示す情報である。
【0063】
項目「所属医局」は、病理診断を担当するユーザが所属している医局を示す情報である。例えば、ユーザID「U001」のステータス「研修医」のユーザは、「〇●医局」に所属していることを示す。
【0064】
これにより、当該ユーザが病理画像を含む情報に基づいて病理診断を担当するときに、所属する医局の情報に基づいて、当該医局、または、当該医局に所属するユーザなど、関連するユーザを基に作成された学習済みモデルを参照することができる。
【0065】
項目「専門分野」は、各ユーザの専門とする分野を示す情報である。例えば、ユーザID「U001」のステータス「研修医」のユーザは、専門分野が「**」であることを示す。
【0066】
これにより、端末装置10または病理診断のタスクをアサインする管理者等が、病理診断を担当するユーザを特定するときに、専門知識を必要とする症例である場合に、当該専門分野の情報を参照することで、適切な病理診断の担当者を特定することができる。
【0067】
項目「勤務年数」は、各ユーザが所属している医局に勤務している年数を示す情報である。
【0068】
症例情報データベース2022は、項目「症例ID」と、項目「疾患名」と、項目「患者名」と、項目「患者年齢」と、項目「患者性別」と、項目「既往歴」と、項目「治療歴」等の情報を含む。
【0069】
項目「症例ID」は、病理診断を行う症例それぞれを識別する情報である。
【0070】
項目「疾患名」は、疾患それぞれの具体的な名称を示す情報である。
【0071】
項目「患者名」は、疾患それぞれに関連付けられた患者を識別する情報である。例えば、症例ID「D001」の疾患名「**」は、患者名が「田中」であるため、当該疾患名「**」は「田中」という名前の患者の疾患であることがわかる。
【0072】
項目「患者年齢」は、疾患それぞれに関連付けられた患者の年齢を示す情報である。
【0073】
項目「患者性別」は、患者の性別を示す。
【0074】
項目「既往歴」は、疾患それぞれに関連付けられた患者がこれまでに罹患した疾患を示す情報である。例えば、症例ID「D002」の疾患名「++」の患者名「森」は、既往歴「糖尿病」であるため、治療時には、当該既往歴に配慮した治療方針をとる必要があることがわかる。ユーザは、この情報を参照することにより、患者の治療方針などを決定するときに、併用してはいけない薬などの情報を事前に確認することができる。
【0075】
項目「治療歴」は、疾患それぞれに関連付けられた患者がこれまでに受けた治療の内容を示す情報である。例えば、症例ID「D002」の疾患名「++」の患者名「森」は、過去に「++」という疾患で入院したことを示す。これにより、ユーザは患者が過去にどのような治療を受けたことがあるか、事前に確認し、治療方針などを決定することができる。ここで、治療歴は、症例IDと関連付けられた疾患に対する治療歴を示していてもよいし、別の疾患を示していてもよい。
【0076】
診断結果情報データベース2023は、項目「診断ID」と、項目「症例ID」と、項目「担当医」と、項目「診断結果」と、項目「治療方針」と、項目「診断日時」と、項目「臨床診断結果」と、項目「緊急度」等を含む。
【0077】
項目「診断ID」は、病理画像を含む情報に基づいて病理診断を行った結果それぞれを識別する情報である。
【0078】
項目「症例ID」は、診断結果と関連付けられる症例を示す情報である。例えば、診断ID「R001」は、症例ID「D001」で紐づけられる症例に関しての診断結果であることを示す。
【0079】
項目「担当医」は、診断を担当したユーザの情報を示す。例えば、診断ID「R001」は症例ID「D001」で紐づけられる症例に関しての診断結果であり、当該診断を担当したユーザがユーザID「U001」で示されるユーザであることを示す。これにより、各診断結果と症例、病理診断を担当したユーザそれぞれを紐づけることができ、各ユーザによる診断結果としてデータが蓄積される。
【0080】
項目「診断結果」は、ユーザが各症例に対する病理診断をした結果を示す情報である。例えば、診断ID「R001」は症例ID「D001」で紐づけられる症例に関しての診断結果であり、診断結果は「***」であることがわかる。
【0081】
項目「治療方針」は、病理診断の結果に基づいて、患者に対して行う治療の方針を示す情報である。例えば、診断ID「R001」は症例ID「D001」で紐づけられる症例に関しての診断結果であり、診断結果は「***」であるため、治療方針として「手術」が選択されたことを示す。これにより、各症例に対する診断結果だけでなく、選択した治療方針についての情報も蓄積することができるため、当該情報を参照するときに、治療の有効性などを事前に判断することができる。
【0082】
項目「診断日時」は、病理画像を含む情報に基づいて病理診断を実施した日時を示す情報である。
【0083】
項目「臨床診断結果」は、臨床診断における診断結果に関する情報である。具体的には、病理診断を実施する前に、臨床医が患者を診断した結果の情報を示す。例えば、診断ID「R001」の症例ID「D001」で紐づけられる症例の臨床診断結果は「なし」であり、診断ID「R002」の症例ID「D003」で紐づけられる症例の臨床診断結果は「+++の所見あり」であることを示す。ある局面において、病理診断を担当するユーザが病理診断を行う前に、臨床医などが患者を診断し、所見として事前に診断することがある。このとき、サーバ20は、当該臨床診断の結果に基づいて、病理診断を担当するユーザが病理診断を行うときに、臨床診断で診断された所見の情報に基づいて関連する学習済みモデルを参照することとしてもよい。
【0084】
これにより、病理診断を担当するユーザは、臨床診断の結果に基づいて病理診断を行うことができる。そのため、臨床診断を担当したユーザがそのまま病理診断を担当するときなどに、自身の臨床診断結果に関連した学習済みモデルを参照するなど、効率的に診断レポートなどを作成することができる。
【0085】
項目「緊急度」は、診断した症例ごとに、症状の重篤度を示す情報である。例えば、診断ID「R001」は症例ID「D001」で紐づけられる症例に関しての診断結果であり、診断結果は「***」であり、緊急度が「高」であることが示される。このため、治療方針としても「手術」が選択されていることがわかる。これにより、各症例に関して、患者の重篤度も含めた診断結果のデータを蓄積することができ、当該情報を参照する際に、患者の重篤度も加味した治療方針を決定することができる。
【0086】
<3 動作>
以下、システム1が取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づき、ユーザに一部の領域を特定した情報などを提示する処理について説明する。
【0087】
(3.1 取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいた、一部の領域の特定)
図5~
図6は、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、病理診断を担当するユーザに当該情報を提示する処理を表すフローチャートである。
【0088】
ステップS501において、端末装置10のプロセッサ19は、患者の病理画像を含む画像診断のための情報を取得する。具体的には、プロセッサ19は、検査画像、症例名、患者情報などを示す情報等を取得し、取得したデータをサーバ20に送信する。
【0089】
ステップS551において、サーバ20の制御部203は、端末装置10から取得した、患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、診断結果情報データベース2023を参照することにより、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定結果を端末装置10に送信する。
【0090】
例えば、サーバ20は、端末装置10から取得した、患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、診断結果情報データベース2023を参照することにより、過去の類似の症例(過去の症例の診断結果に含まれるレポートの文言、病理画像等と、端末装置10から取得した病理画像等とを比較し、類似する度合いが一定程度以上であると判定される)における診断結果、治療方針などの各種情報を取得する。サーバ20は、取得した各種情報と、患者の病理画像を含む画像診断のための情報とに基づき、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定する。
【0091】
具体的には、ある局面において、サーバ20は、患者の病理画像を含む画像診断のための情報について、過去の症例における、病理診断を実際に行った画像領域に基づいて、病理診断を担当するユーザに対し、病理診断を行うために適切な画像領域を提示する。これにより、ユーザは過去の診断結果に基づいて、適切な画像領域における病理診断を行うことができ、病理診断の効率化、病理診断のミスなどが生じることを防ぐことができる。
【0092】
ステップS502において、端末装置10は、特定した結果を、ディスプレイ132等に表示することで、病理診断を担当するユーザに提示する。
【0093】
次に、
図6を参照して説明する。
図6では、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報と、学習済みモデルとに基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定する例を説明する。
【0094】
ステップS651において、サーバ20は、取得した画像診断のための情報と、学習済みモデル情報データベース2024に記憶されている学習済みモデルとに基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定結果を端末装置10に送信する。
【0095】
ここで、サーバ20が、学習済みモデル情報データベース2024を参照して、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定する方法について説明する。サーバ20は、端末装置10から、患者の病理画像を含む画像診断のための情報を取得する。サーバ20は、取得した情報について、診断結果情報データベース2023に予め記憶されている各症例における病理診断結果のほかに、学習済みモデル情報データベース2024内の学習済みモデルに基づいた病理画像の一部の領域などの情報をユーザに提示してもよい。
【0096】
当該学習済みモデルは、以下のようにして生成される。例えば、病理診断を担当するユーザが、同様、または類似した症例において患者の病理画像を含む画像診断のための情報について、病理画像の一部の領域を特定したとする。その後、サーバ20は、一部の領域を特定した結果に基づいて病理診断を行った結果(つまり、特定した病理画像の一部の領域についてユーザが病理診断を行った結果)を、症例情報データベース2022および診断結果情報データベース2023に蓄積させる。サーバ20は、症例情報データベース2022、診断結果情報データベース2023等に基づいて、学習済みモデルを生成する。
【0097】
これにより、病理診断を担当するユーザは、診断結果情報データベース2023による過去の診断結果の情報だけでなく、学習済みモデル情報データベース2024内の学習済みモデルを参照することができる。そのため、病理診断を担当するユーザは、類似の病理画像だけでなく、類似の度合の低い病理画像においても、病理診断のための適切な画像領域を特定することができるため、より効率的に病理診断を行うことができる。
【0098】
ステップS601において、端末装置10は、特定した結果(病理画像の一部の領域)を、ディスプレイ132等に表示することで、病理診断を担当するユーザに提示する。すなわち、端末装置10は、学習済みモデルにより、病理画像から、診断の対象とする領域を切り出してユーザに提示する。これにより、ユーザによる病理診断のレポートの作成がより効率化されることが期待される。
【0099】
(3.2 取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいた、過去の診断結果の特定)
図7~
図9は、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定結果に基づいて、過去の診断結果に関する情報を特定し、病理診断を担当するユーザに当該情報を提示する処理を表すフローチャートである。
【0100】
ステップS751において、サーバ20は、取得した画像診断のための情報と、学習済みモデル情報データベース2024に記憶されている学習済みモデルとに基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定する。
【0101】
ステップS752において、サーバ20は、特定した病理診断のための情報と、学習済みモデルとに基づいて、特定された病理診断のための情報に関連する過去の診断結果に関する情報を特定し、特定結果を端末装置10に送信する。
【0102】
例えば、サーバ20は、端末装置10から取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報が、診断結果情報データベース2023における、診断ID「R002」で病理診断した症例(症例ID「D003」の疾患名「〇●」)と類似の症例であった場合には、診断結果情報データベース2023の当該症例に対する診断結果を特定する。または、当該症例が診断ID「R002」の症例(症例ID「D002」)との類似の度合が低い症例である(過去の症例の診断結果に含まれるレポートの文言、病理画像等と、端末装置10から取得した病理画像等とを比較し、類似する度合いが一定程度以下であると判定される)場合には、学習済みモデル情報データベース2024内の学習済みモデルを参照することで、当該症例における診断結果として特定する。
【0103】
これにより、ユーザは、類似の症例の場合に、過去の診断結果を参照することができるだけでなく、類似の度合が低い症例の場合にも、同様の診断結果、治療方針を示す可能性の高い症例の診断結果の情報を参照することができる。そのため、ユーザは、初めて対応する症例に対しても、ある程度の治療方針の予測を立てたうえで病理診断を行うことができる。
【0104】
ステップS701において、端末装置10は、特定した結果を、ディスプレイ132等に表示することで、病理診断を担当するユーザに提示する。すなわち、端末装置10は、取得した病理画像の情報と共に、過去の診断結果をユーザに提示する。これにより、ユーザによる病理診断のレポートの作成が効率化されること、および、ユーザによる病理診断のレポートの品質が一定程度以上に向上することなどが期待される。
【0105】
次に、
図8を参照して説明する。
図8では、病理診断において参照する学習済みモデルを、学習済みモデルに関連付けられるユーザ等の情報に基づいて特定する例を説明する。
【0106】
ステップS851において、サーバ20は、ユーザ情報と学習済みモデルに関連付けられるユーザ情報とに基づいて、参照する学習済みモデルを特定する。
【0107】
例えば、ある局面において、サーバ20は、学習済みモデルを作成する際に蓄積した病理診断の結果において、病理診断を担当したユーザの情報を紐づけておく。サーバ20は、当該ユーザと同じ医局に所属するユーザが同じ、または類似した症例に対する病理診断を担当するときに、同じ医局に所属しているユーザの作成した病理診断結果に基づいて作成された学習済みモデルを参照する。
【0108】
これにより、ユーザは、自身の所属する医局のユーザが病理診断を行った結果に基づいたデータを参照することができるため、診断の方針、治療の方針など、医局ごとに異なる方針などを考慮した上で、病理診断を行うことができる。
【0109】
ステップS852において、サーバ20は、取得した画像診断のための情報と、学習済みモデル情報データベース2024に記憶されている学習済みモデルとに基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定する。
【0110】
ステップS853において、サーバ20は、特定した病理診断のための情報と、学習済みモデルとに基づいて、特定された病理診断のための情報に関連する過去の診断結果に関する情報を特定し、特定結果を端末装置10に送信する。
【0111】
ステップS801において、端末装置10は、特定した結果を、ディスプレイ132等に表示することで、病理診断を担当するユーザに提示する。すなわち、端末装置10は、病理診断を担当するユーザに関連付けられた学習済みモデルにより、取得した病理画像の情報と共に、過去の診断結果をユーザに提示する。これにより、ユーザは医局の違いによる方針の違いなどを考慮した上で病理診断のレポートの作成を行うことができる。
【0112】
次に、
図9を参照して説明する。
図9では、病理診断において参照する学習済みモデルの候補を、病理診断を担当するユーザに提示し、ユーザから参照する学習済みモデルの指定の操作を受け付け、受け付けた学習済みモデルに基づいて、過去の診断結果の情報を特定する例を説明する。
【0113】
ステップS951において、サーバ20は、ユーザ情報と学習済みモデルに関連付けられるユーザ情報とに基づいて、参照する学習済みモデルの候補を特定し、特定結果を端末装置10に送信する。
【0114】
例えば、ある局面において、サーバ20は、学習済みモデルを作成する際に蓄積した病理診断の結果において、病理診断を担当したユーザの情報を紐づけておく。そして、当該ユーザと同じ医局に所属するユーザが同じ、または類似した症例に対する病理診断を担当するときに、参照する学習済みモデルの候補をユーザに提示する。ユーザは、参照する学習済みモデルの候補の指定をすることで、自身が参照したい学習済みモデルを指定することができる。
【0115】
これにより、サーバ20は、ユーザの所属する医局の情報のみで学習済みモデルを参照するだけでなく、ユーザ自身による参照する学習済みモデルの指定を受け付けることができる。そのため、ユーザは、ユーザ自身が所属する医局の他のユーザが過去に行った病理診断の結果、別の医局に所属する、当該領域におけるベテランのユーザによる病理診断の結果などを任意に参照できるようになり、より精度の高い病理診断を行うことができる。
【0116】
ステップS901において、端末装置10は、特定した結果を、ディスプレイ132などに表示することで、ユーザに提示し、その後、ユーザからの学習済みモデルの候補の指定を受け付け、受け付けた結果をサーバ20に送信する。
【0117】
ステップS952において、サーバ20は、取得した診断情報と指定を受け付けた学習済みモデルとに基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定する。
【0118】
ステップS953において、サーバ20は、特定した病理診断のための情報と、指定を受け付けた学習済みモデルとに基づいて、特定された病理診断のための情報に関連する過去の診断結果に関する情報を特定し、特定結果を端末装置10に送信する。
【0119】
ステップS902において、端末装置10は、特定した結果を、ディスプレイ132等に表示することで、ユーザに提示する。すなわち、端末装置10は、ユーザから指定を受け付けた学習済みモデルにより、取得した病理画像の情報と共に、過去の診断結果をユーザに提示する。これにより、ユーザは症例に応じて適切な学習済みモデルを参照して病理診断のレポートの作成をすることができる。
【0120】
(3.3 取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいた、ユーザが診断結果に含めるべき内容の特定)
図10は、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定結果に基づいて、過去の診断結果に関する情報を特定し、病理診断を担当するユーザに、ユーザが診断結果に含めるべき内容を提示する処理を表すフローチャートである。
【0121】
ステップS1051において、サーバ20は、取得した診断情報と学習済みモデルとに基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定する。
【0122】
ステップS1052において、サーバ20は、特定した病理診断のための情報と、学習済みモデルとに基づいて、特定された病理診断のための情報に関連する過去の診断結果に関する情報を特定する。
【0123】
ステップS1053において、サーバ20は、取得した診断情報に含まれる病理画像と、学習済みモデルとに基づいて、ユーザが診断結果に含めるべき内容を特定し、特定結果を端末装置10に送信する。
【0124】
具体的には、サーバ20は、端末装置10から取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、ユーザが病理診断を行い、診断結果を作成するときに、過去の診断結果に記載されており、診断結果にも含めるべき情報(例えば、変異の速度が大きいため、注意が必要、服薬している薬があるため、併用薬に注意が必要、など)をユーザに提示する。
【0125】
これにより、ユーザは過去の診断結果を参照しながら、自身の作成する診断結果に含めるべき情報を確認することができるため、より正確な診断結果を作成できるだけでなく、診断結果における記載ミス、重要事項の漏れなどを防ぐことができる。
【0126】
ステップS1002において、端末装置10は、特定した結果を、ディスプレイ132等に表示することで、ユーザに提示する。すなわち、端末装置10は、学習済みモデルにより、病理診断のレポートを作成するときにレポートに含めるべき内容をユーザに提示する。これにより、ユーザが病理診断のレポートの作成を行うときに、含めるべき内容の記載ミスなどが低減されることが期待される。
【0127】
(3.4 取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいた、ユーザが作成した診断結果を確認する別ユーザの特定)
図11は、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定結果に基づいて、過去の診断結果に関する情報を特定し、特定結果に基づいてユーザが診断結果を作成後、作成した診断結果を確認する別ユーザの情報を提示する処理を表すフローチャートである。
【0128】
ステップS1151において、サーバ20は、取得した診断情報と学習済みモデルとに基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定する。
【0129】
ステップS1152において、サーバ20は、特定した病理診断のための情報と、学習済みモデルとに基づいて、特定された病理診断のための情報に関連する過去の診断結果に関する情報を特定し、端末装置10に送信する。
【0130】
ステップS1101において、端末装置10は、特定した結果を、ディスプレイ132等に表示することで、ユーザに提示する。
【0131】
ステップS1102において、端末装置10は、ユーザが診断結果を作成したのち、別ユーザへの確認を依頼する入力操作を受け付け、受け付けた結果をサーバ20に送信する。
【0132】
例えば、ある局面において、患者の病理画像を含む病理診断のための情報に基づいて、ユーザが病理診断を行い、診断結果を作成したとき、ユーザが病理診断の経験が浅い研修医である場合がある。その場合、学習済みモデルなどを参照したとしても、作成された診断結果の内容が不十分である場合がある。そこで、端末装置10は、別ユーザへの確認を依頼する入力操作を受け付け、受け付けた入力操作に基づいて、別ユーザにより診断結果を確認してもらうことができる。
【0133】
これにより、病理診断の経験が少ないユーザなどが病理診断を担当したとしても、経験豊富なユーザによるダブルチェックが受けられ、診断結果の内容に対する品質の維持と、経験の少ないユーザの教育の両方が期待できる。
【0134】
ステップS1153において、サーバ20は、入力操作に応答して、確認するユーザの候補を特定し、特定結果を端末装置10に送信する。
【0135】
ステップS1103において、端末装置10は、特定した結果を、ディスプレイ132等に表示することで、ユーザに提示する。すなわち、端末装置10は、ユーザが作成した病理診断のレポートのダブルチェックを行うユーザの候補をユーザに提示する。これにより、経験が少ないユーザが作成した病理診断のレポートでも、ダブルチェックを受けることでレポートの品質が一定程度以上に向上されることが期待される。
【0136】
(3.5 取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいた、病理診断を担当するユーザの特定)
図12は、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて病理診断を担当するユーザを特定し、特定結果を、病理診断を担当するユーザを管理する立場のユーザなどに提示する処理を表すフローチャートである。
【0137】
ステップS1251において、サーバ20は、取得した病理画像に含まれる診断情報に基づいて、当該病理画像について病理診断を担当するユーザの候補を特定し、特定結果を端末装置10に送信する。
【0138】
例えば、ある局面において、症例によっては、どのユーザが病理診断を行っても、診断結果に大きなばらつきが生じない場合がある。このとき、サーバ20は、病理診断を担当するユーザとして、ユーザ情報データベース2021に記憶されているユーザ情報から、病理診断を担当するユーザを無作為に特定してもよい。また、他の局面においては、ある特定の条件を有したユーザ(例えば、勤務年数が10年以上のベテラン、など)が病理診断を行わないと、病理診断の結果に大きくばらつきが生じる場合がある。このとき、サーバ20は、病理診断を担当するユーザとして、「勤務年数が10年以上」等のように、ユーザを絞り込むための情報を受け付けて、当該ユーザに限定して病理診断を担当するユーザを特定し、端末装置10または病理診断のタスクをアサインする管理者等に提示してもよい。
【0139】
これにより、端末装置10または病理診断のタスクをアサインする管理者等は、診断結果にばらつきの出る可能性のある症例はベテランのユーザに、診断結果にばらつきの出ない症例は経験の少ないユーザに病理診断を担当させる、などの割り振りをすることができる。そのため、管理者等は、効率的に病理診断を行うための担当者を特定することができるだけでなく、管理者等は、病理診断の経験の少ないユーザなどに、比較的診断に困難の伴わない症例の病理診断を担当させ、経験を積ませることもできる。
【0140】
ステップS1201において、端末装置10は、特定した結果を、ディスプレイ132等に表示することで、ユーザに提示する。すなわち、端末装置10は、症例の情報などに基づいて、病理診断を行うべきユーザの候補を病理診断のタスクをアサインする管理者等に提示する。これにより、病理診断のタスクのアサインが効率化されることが期待される。
【0141】
(3.6 取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいた、病理画像における特定の兆候の特定)
図13は、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、過去の診断結果に関する情報を特定し、特定した過去の診断結果に関する情報に基づき、取得した病理画像における特定の兆候を特定し、特定結果をユーザに提示する処理を表すフローチャートである。
【0142】
ステップS1351において、サーバ20は、取得した病理診断のための情報と学習済みモデルとに基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定する。
【0143】
ステップS1352において、サーバ20は、特定した病理診断のための情報と、学習済みモデルとに基づいて、特定された病理診断のための情報に関連する過去の診断結果に関する情報を特定する。
【0144】
ステップS1353において、サーバ20は、病理画像に含まれる診断情報と、学習済みモデルとに基づいて、病理画像における特定の兆候を特定し、特定結果を端末装置10に送信する。
【0145】
例えば、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報において、当該情報が、新規に病理診断を行うのではなく、複数回、定期的に病理診断を行っている患者の情報である場合がある。このとき、サーバ20は、同じ患者における、過去の診断結果に関する情報、異なる患者における、同様の症例についての経過観察の情報などを参照し、病理診断の対象となっている情報に関して、特定の兆候があるか否かを特定する。これにより、ユーザは、病理診断を行う情報について、変異(例えば、悪性腫瘍に変わる、など)の兆候があるか否か、あるいは、今後どのような兆候がおこる可能性があるかなどを予測して診断結果を作成し、適切な治療方針を決定することができるため、より患者の生存率の向上にも寄与できる。
【0146】
ステップS1301において、端末装置10は、特定した結果を、ディスプレイ132等に表示することで、ユーザに提示する。すなわち、端末装置10は、学習済みモデルにより、取得した画像診断のための情報における特定の兆候の情報をユーザに提示する。これにより、重要な兆候の見落としなどの低減が期待される。
【0147】
(3.7 取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報と、ユーザの病理診断の作成回数とに基づいた、病理診断を担当するユーザの特定)
図14は、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理診断を行う各ユーザについて、病理画像に対する診断結果の作成回数に関する情報を取得し、取得した各ユーザの作成回数に関する情報に基づいて、病理診断を担当するユーザを特定し、特定結果をユーザに提示する処理を表すフローチャートである。
【0148】
ステップS1451において、サーバ20は、取得した情報に基づいて、病理診断を行う各ユーザについて、病理画像に対する診断結果の作成回数に関する情報を取得する。
【0149】
例えば、ある局面において、サーバ20は、患者の病理画像を含む病理診断のための情報に基づいて、病理診断を担当するユーザを特定するときに、病理診断を担当した回数の少ないユーザを優先的に選択し、当該病理診断を担当するユーザとして特定してもよい。また、サーバ20は、患者の病理画像を含む病理診断のための情報と、過去の診断結果とを参照したときに、病理診断を担当した回数の多いベテランのユーザに当該症例の病理診断を担当させた方が良い場合には、病理診断を担当した回数の多いユーザを優先的に選択し、当該病理診断を担当するユーザとして特定してもよい。
【0150】
これにより、端末装置10または病理診断のタスクをアサインする管理者等は、病理診断の経験回数などの情報に基づいて担当者を特定することができる。そのため、管理者等は、病理診断の経験の少ないユーザに対し、優先的に経験を積ませることができる。加えて、管理者等は、ベテランのユーザによる病理診断が必要な場合に、優先的にベテランのユーザに病理診断を担当させること、各症例の変異などの状況に応じて、適切なユーザに病理診断を担当させることができる。
【0151】
ステップS1452において、サーバ20は、取得した各ユーザの作成回数に関する情報に基づいて、病理診断を担当するユーザを特定し、特定結果を端末装置10に送信する。
【0152】
ステップS1401において、端末装置10は、特定した結果を、ディスプレイ132等に表示することで、ユーザに提示する。すなわち、端末装置10は、病理診断の経験回数などに基づいて病理診断の担当者の候補の情報を病理診断のタスクをアサインする管理者等に提示する。これにより、適切に病理診断のタスクを各ユーザにアサインすることが期待できる。
【0153】
(3.8 取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいた、病理診断を担当することが可能なユーザの特定)
図15は、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理診断を担当することが可能なユーザを特定し、特定結果をユーザに提示する処理を表すフローチャートである。
【0154】
ステップS1551において、サーバ20は、取得した情報に基づいて、病理画像ごとに、病理診断を担当することが可能なユーザの情報を取得する。
【0155】
ステップS1552において、サーバ20は、取得した、病理診断を担当することが可能なユーザの情報に基づいて、病理診断を担当するユーザを特定し、特定結果を端末装置10に送信する。
【0156】
例えば、ある局面において、取得した患者の病理画像を含む病理診断のための情報について、情報へアクセス可能なユーザが制限される場合、当該情報を診断可能な知識を有するユーザが限定される場合などが存在する。そこで、サーバ20は、取得した患者の病理画像を含む病理診断のための情報に基づき、病理診断を担当することが可能なユーザの情報を特定し、特定したユーザのみが、当該情報に関する病理診断を担当するユーザとして特定する。
【0157】
これにより、端末装置10または病理診断のタスクをアサインする管理者等は、患者の病理画像を含む病理診断のための情報に対するアクセス可能なユーザが制限される場合などでも、病理診断を担当可能なユーザを特定することができる。加えて、端末装置10または病理診断のタスクをアサインする管理者等は、下記のような状況に陥ることを防ぐことができるため、適切なユーザを病理診断の担当者として特定することができる。(1)本来病理診断を担当してはならないユーザが病理診断を担当する(2)専門知識のないユーザが専門知識を必要とする症例の病理診断を担当する
【0158】
ステップS1501において、端末装置10は、特定した結果を、ディスプレイ132等に表示することで、ユーザに提示する。すなわち、端末装置10は、病理診断を担当することが可能なユーザの情報を病理診断のタスクをアサインする管理者等に提示する。これにより、適切なユーザに対し、病理診断のタスクをアサインすることが期待される。
【0159】
<4 画面例>
図16~
図24は、端末装置10に表示される画面例を示す図である。
【0160】
図16は、端末装置10において、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、病理診断を担当するユーザに当該情報を提示する画面例を示す図である。
【0161】
図16において、病理画像情報1601は、患者の病理画像を含む、病理診断のための情報を示す。
【0162】
具体的には、項目「患者」には当該情報に関連付けられた患者名、項目「疾患名」には、当該患者の罹患している疾患の名称、項目「撮影日時」には、当該画像を撮影した検査日時が記載されており、下の画面に表示されている画像が、実際に撮影された病理診断のための病理画像を示す。また、画像中の点線で囲んだ領域は、病理診断をするために、学習済みモデル等により病理画像の一部の領域を特定した結果を示す。端末装置10は、ユーザから、病理診断を行うために、病理画像の一部の領域を指定する操作を受け付けることとしてもよい。
【0163】
病理診断用画像1602は、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報のうち、病理診断のために、ユーザの操作、または、学習済みモデル等により当該画像の一部の領域を特定した図を示す。
【0164】
コメント付与欄1603は、特定した病理画像の一部の領域について病理診断を担当するユーザが診断を行った際に、所見などのコメントの入力を受け付ける欄を示す。具体的には、端末装置10は、コメント付与欄1603において、当該コメントを、診断中の画面のみに表示してもよく、後述する診断結果作成時に、受け付けたコメントを反映して表示してもよい。また、端末装置10は、コメント付与欄1603において、ユーザからの文書での入力を受け付けてもよいし、何らかのタグ(例えば、悪化の兆候あり、要検査)による関連付けの操作を受け付けてもよい。
【0165】
これにより、病理診断を担当するユーザは、病理診断を行った後、診断結果を作成するときに、いちいち病理診断を行うための画面を参照しなくてもよく、病理診断のときに付したコメント、タグに基づいて、診断結果を作成することができる。
【0166】
領域特定画面1604は、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報と、過去の類似の症例における診断結果、または学習済みモデルとに基づいて、病理診断をするための病理画像の一部の領域を特定し、特定した領域における過去の診断情報などをユーザに提示する画面である。
【0167】
具体的には、端末装置10は、領域特定画面1604において、サーバ20が診断結果情報データベース2023を参照して特定した患者の病理画像の一部の領域について、点線などで囲むことで、ユーザに病理診断のときに着目すべき領域について提示してもよい。また、端末装置10は、領域特定画面1604において、サーバ20が診断結果情報データベース2023を参照した結果に基づき、当該症例に関連する予後の情報、診断日時の情報などをユーザに提示してもよい。
【0168】
これにより、ユーザは、画像診断のための領域を認識することができるだけでなく、病理診断を行う病理画像に関連する症例において、どのような変異が起こる可能性があるか、などを認識したうえで病理診断をすることができる。
【0169】
図17は、端末装置10において、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定した結果などの情報に基づいてユーザが病理診断を行った結果を提示する画面例を示す図である。
【0170】
図17において、病理画像情報1701は、患者の病理画像を含む、病理診断のための情報を示す。
【0171】
具体的には、病理画像情報1701において、項目「作成日時」には、病理診断の診断結果を作成した日時に関する情報、項目「担当医」には、当該病理診断を担当したユーザの情報、項目「ID」には、症例に紐づけられた患者のIDなどの情報、項目「患者氏名」は、当該病理画像の患者の氏名の情報、項目「年齢」は、当該病理画像の患者の年齢の情報、項目「性別」は、当該病理画像の患者の性別の情報、項目「標本数」は、当該病理画像を含む情報を取得するにあたり、検査などにより取得した病理画像の数を示す情報などが記載されている。また、下に表示されている病理画像の数は、項目「標本数」の数と対応している。
【0172】
病理診断用画像1702、1704は、
図16における病理診断用画像1602と同様に、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報のうち、病理診断のために当該画像の一部の領域を特定した図を示す。当該画像は、本画面例のように、複数の病理診断の担当者が診断結果を記載するために、複数表示されていてもよい。
【0173】
診断結果画面1703、1705は、患者の病理画像を含む、病理診断のための情報に基づいて、病理診断を担当するユーザが病理診断を行った結果を記載した画面を示す。
【0174】
具体的には、診断結果画面1703は、病理診断を担当するユーザ(
図17においては、担当医は「***」と識別される)が病理診断をした結果を表示する画面である。ユーザは、患者氏名「〇〇」に関する病理診断用画像1702などに基づいて、病理診断を実施し、その結果を、当該診断結果画面1703等に入力する。端末装置10は、診断結果画面1703に、例えば、「++の部分に***の病変が認められる。」など、当該病理画像などの情報に基づいた診断結果、今後の予測、治療方針など、ユーザが記載した結果を表示する。
【0175】
ここで、端末装置10は、診断結果画面1703において、病理画像情報1701、病理診断用画像1702などに基づいた病理診断結果をユーザが入力した結果を表示してもよい。また、端末装置10は、診断結果画面1703において、
図16におけるコメント付与欄1603にユーザが記載したコメントを引用する形で、診断結果画面1703にユーザが入力した結果を表示してもよい。また、端末装置10は、当該診断結果画面1703において、本画面例のように、複数の診断結果を同時に表示する構成としてもよい。
【0176】
これにより、病理診断を担当するユーザは、病理画像の一部の領域を特定する際に記載したコメントを引用しながら診断結果を作成することができるため、円滑な診断結果の作成が可能となる。
【0177】
図18は、端末装置10において、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定した結果などの情報に基づいてユーザが病理診断を行った結果において、過去の診断結果を参照する際の画面例を示す図である。
【0178】
図18において、病理画像情報1801は、
図17における病理画像情報1701と同様に、患者の病理画像を含む、病理診断のための情報を示す。
【0179】
過去の診断結果参照画面1802は、類似した症例において実施された、過去の病理診断結果を参照するための情報を示す。この画面は、
図18に図示されているように、他の画面に重畳されるように表示していてもよいし、別ウィンドウなどをポップアップさせて表示してもよい。
【0180】
具体的には、端末装置10は、過去の診断結果参照画面1802において、類似する症例について過去に診断を行った別のユーザの候補を表示する。診断を行うユーザ自身が過去に類似する症例について診断を行った場合は、端末装置10は、当該ユーザ自身の過去の診断結果を参照できるよう、過去に診断を行ったユーザの候補をディスプレイ132等に表示してもよい。これにより、ユーザが病理診断を行う症例と類似する症例について、「過去の診断結果」として、ユーザとは異なる別のユーザが病理診断を行った結果を参照することができる。
【0181】
ここで、端末装置10は、参照する症例の候補として、ユーザが病理診断を行う症例と類似の症例以外にも、変異の状況が類似した症例、治療方針が類似した症例などから過去の診断結果の候補を特定してもよい。また、端末装置10は、過去の診断結果参照画面1802において、サーバ20がユーザ情報データベース2021を参照した結果に基づいて、病理診断を担当するユーザと関連のある他のユーザ(例えば、ユーザと同じ医局に所属している他のユーザ)を優先して、過去の診断結果を参照するユーザの候補として表示してもよい。
【0182】
これにより、ユーザは、類似の症例における診断結果、治療方針などの情報を参照することができるだけでなく、類似度合の低い症例における診断結果および治療方針なども参照でき、多角的な視点での病理診断を行うことができる。また、他ユーザの過去の診断結果だけでなく、ユーザ自身の過去の診断結果を参照することで、過去の自分の診断に対する振り返り、治療方針などへの考え方の再確認などを行うことができる。
【0183】
病理診断用画像1803は、
図17における病理診断用画像1702、1704と同様に、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報のうち、病理診断のために当該画像の一部の領域を特定した画像である。
【0184】
診断結果画面1804は、
図17における診断結果画面1703、1705と同様に、患者の病理画像を含む、病理診断のための情報に基づいて、病理診断を担当するユーザが病理診断を行った結果を記載した画面である。
【0185】
図19は、端末装置10において、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定した結果などの情報に基づいてユーザが病理診断を行った結果において、過去の診断結果を参照し、ユーザが病理診断を行った結果と比較表示した際の画面例を示す図である。
【0186】
図19において、病理画像情報1901は、
図18における病理画像情報1801と同様に、患者の病理画像を含む、病理診断のための情報を示す。
【0187】
病理診断用画像1902、1904は、
図18における病理診断用画像1803と同様に、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報のうち、病理診断のために当該画像の一部の領域を特定した画像である。
【0188】
診断結果画面1903は、
図18における診断結果画面1804と同様に、患者の病理画像を含む、病理診断のための情報に基づいて、病理診断を担当するユーザが病理診断を行った結果を記載した画面である。
診断結果画面1905は、
図18の過去の診断結果参照画面1802において参照した、過去の診断結果を記載した画面である。
【0189】
具体的には、端末装置10は、診断結果画面1903において、
図18における診断結果画面1804と同様に、「++の部分に***の病変が認められる。」など、当該病理画像などの情報に基づいた診断結果、今後の予測、治療方針などを記載した画面を表示してもよい。端末装置10は、診断結果画面1905において、「過去の診断結果」として、「□□が・・の場合***の病変の可能性が高い。」などの結果を表示してもよい。
【0190】
これにより、病理診断を担当するユーザは、過去の同様の症例における自身の診断結果の妥当性などを確認することができる。さらに、病理診断を担当するユーザは、過去の同様の症例において、他のユーザが診断した結果、予測などを参照し、診断結果を作成することができる(この場合、「□□が・・の場合***の病変の可能性が高い。」というコメント)。そのため、病理診断を担当するユーザは、自身の経験では想定が困難な変異の予測などを知ることができ、当該症例における見識を深めることができる。
【0191】
図20は、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定し、特定した結果などの情報に基づいてユーザが病理診断を行った結果において、ユーザが作成した診断結果を、他のユーザに確認を依頼する際の画面例を示す図である。
【0192】
図20において、病理画像情報2001は、
図19における病理画像情報1901と同様に、患者の病理画像を含む、病理診断のための情報を示す。
【0193】
確認依頼画面2002は、ユーザが作成した診断結果を、他のユーザに確認を依頼するために、確認を担当する他のユーザの候補を示す図である。この画面は、
図20に図示されているように、他の画面に重畳されるように表示していてもよいし、別ウィンドウなどをポップアップさせて表示してもよい。
【0194】
具体的には、端末装置10は、確認依頼画面2002において、ユーザに対し、ユーザが診断結果の確認を依頼する候補について、「確認依頼」として、例えば、医局ごとに分類された状態で、確認依頼を行う他のユーザの候補(「++医局」の「〇●先生」など)を提示してもよい。このとき、端末装置10は、確認依頼を行う他のユーザの候補として、(i)サーバ20がユーザ情報データベース2021を参照し、病理診断を担当するユーザと同じ医局に所属するユーザを候補として特定した結果を示しても良いし、(ii)他の医局に所属するユーザを候補として特定した結果を示してもよい。また、端末装置10は、確認依頼画面2002において、ユーザが確認依頼を行う他のユーザを選択するための入力操作を受け付けるときに、診療報酬などの加算対象か否かの表示をユーザに提示してもよい。
【0195】
これにより、病理診断を担当するユーザは、同じ医局に所属しているユーザに対し確認依頼を行うこともできるし、他の医局に所属しているユーザに確認依頼を行うこともできる。そのため、同じ医局に、病理診断を行う症例の専門知識を有するユーザがいなかった場合でも、他の医局などに所属する、専門知識を有するユーザに診断結果の確認を依頼することができる。
【0196】
図21は、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理診断を担当するユーザの候補を特定する画面例を示す図である。
【0197】
図21において、担当医候補画面2101は、後述する症例リスト2102において表示される病理診断が必要な症例の候補に対し、病理診断を担当するユーザの候補の情報を示す。ここで、端末装置10は、担当医候補画面2101において、当該画面に表示される情報としては限定されず、サーバ20がユーザ情報データベース2021を参照し、担当医候補の氏名、年齢、専門分野などの情報に基づいた情報を表示してもよい。
【0198】
また、端末装置10は、担当医候補画面2101において、病理診断を担当するユーザの候補として、(i)サーバ20がユーザ情報データベース2021を参照した情報に基づいて特定した結果を表示してもよい。(ii)端末装置10は、サーバ20がユーザ情報データベース2021と、症例情報データベース2022とを参照し、病理診断を担当するユーザによっては、診断結果にばらつきが生じる可能性がある症例を特定した結果に基づいて、当該症例に適したユーザ候補を特定してもよい。(iii)端末装置10は、いずれのユーザが病理診断を担当しても、診断結果にばらつきが生じる可能性が低い症例、などを特定した結果に基づいて、各症例に適したユーザ候補を特定してもよい。端末装置10は、ユーザ候補を特定した結果を当該画面に表示してもよい。
【0199】
これにより、ユーザが病理診断を行う際に、症例に応じて、適切な病理診断の担当者を決定することができる。例えば、端末装置10は、病理診断を担当するユーザによっては診断結果にばらつきが生じる可能性のある症例に対しては、当該症例における専門知識を有するユーザをユーザ候補として提示することとしてもよい。また、端末装置10は、いずれのユーザが診断を担当した場合でも、診断結果にばらつきが生じる可能性の低い症例に対しては、病理診断の経験が少ないユーザを優先的に候補として提示することとしてもよい。
【0200】
症例リスト2102は、病理診断が必要のある症例の候補を示す。ここで、当該画面に表示される情報は限定されておらず、端末装置10は、サーバ20が症例情報データベース2022を参照して診断が必要な症例、患者名などの情報を特定した結果を、当該症例リスト2102において表示してもよい。このとき、症例リスト2102と、担当医候補画面2101とを対応付ける方法として、病理診断のタスクをアサインする管理者等が各症例の情報と担当医候補の情報とを参照して対応付けても良いし、サーバ20がユーザ情報データベース2021と症例情報データベース2022とを参照し、各症例の病理診断を行うのに適切なユーザを対応付けても良い。
【0201】
これにより、端末装置10または病理診断のタスクをアサインする管理者等は、各症例の情報と各ユーザの情報とに基づいて、適切な病理診断の担当医を特定することができる。
【0202】
図22は、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための情報として特定する画面において、特定の兆候を特定したときに、当該特定した兆候をユーザに提示する画面例を示す図である。
【0203】
図22において、病理画像情報2201は、
図16における病理画像情報1601と同様に、患者の病理画像を含む、病理診断のための情報を示す。
【0204】
病理診断用画像2202は、
図16における病理診断用画像1602と同様に、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報のうち、病理診断のために当該画像の一部の領域を特定した図を示す。また、病理診断用画像2202は、後述する兆候表示画面2203において病理診断を担当するユーザに提示する、病理診断用画像2202から特定した特定の兆候を図示していてもよい。
【0205】
兆候表示画面2203は、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、当該病理画像における、特定の兆候を特定し、特定結果をユーザに提示する画面を示す。
【0206】
具体的には、端末装置10は、兆候表示画面2203において、サーバ20が症例情報データベース2022と、診断結果情報データベース2023とを参照し特定した、過去の病変の兆候などの情報を当該画面に提示してもよい。例えば、端末装置10は、兆候表示画面2203において、病理診断用画像2202に表示されている領域の情報を参照し、「□で囲んだ領域に変異が発生しています。」などの情報を当該画面に提示してもよい。また、端末装置10は、兆候表示画面2203において、サーバ20が学習済みモデル情報データベース2024を参照し、過去の類似した症例における変異の状況などから取得した病理画像における変異の可能性などを特定した結果を当該画面に提示してもよい。
【0207】
これにより、ユーザは患者の病理画像を含む画像診断のための情報を取得した時点で、ある程度の変異の可能性などの情報を得ることができるため、より適切な治療方針などの決定ができる。
【0208】
図23は、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、各症例の病理診断の担当件数に基づいて、病理診断を担当するユーザの候補を特定する画面例を示す図である。
【0209】
図23において、担当医候補画面2301は、後述する症例リスト2302において表示される病理診断が必要な症例の候補に対し、病理診断を担当するユーザの候補の情報を表示する領域である。端末装置10は、担当医候補画面2301において、ユーザの候補として、サーバ20で各ユーザの当該症例の担当件数に基づいて特定されたユーザを表示する。
【0210】
具体的には、氏名「****」で表示されるユーザは、症例「●●」と症例「□□」を担当した経験があり、症例「●●」は「2回」、症例「□□」は「1回」病理診断を担当した経験があることを示す。担当医候補画面2301は、サーバ20が症例ごとの経験回数に基づいて、病理診断を担当するユーザの候補として優先度を特定し、特定した優先度に基づいて、病理診断を担当するユーザの候補を特定した結果を当該画面に表示してもよい。
【0211】
これにより、端末装置10または病理診断のタスクをアサインする管理者等は、病理診断の担当者を特定する際に、病理診断を担当するユーザの候補について、症例ごとの経験回数に基づいて、病理診断の担当者を特定することができる。そのため、病理診断のタスクをアサインする管理者等は、病理診断の経験回数の少ないユーザを優先的に特定しアサインすることで、病理診断の経験回数の少ないユーザに対し、病理診断の担当経験を積ませることができる。
【0212】
症例リスト2302は、
図21における症例リスト2102と同様に、病理診断が必要のある症例の候補を示す。
【0213】
図24は、取得した患者の病理画像を含む画像診断のための情報に基づいて、各症例における、専門知識の要否などに基づいて、病理診断を担当するユーザの候補を特定する画面例を示す図である。
【0214】
図24において、担当医候補画面2401は、後述する症例リスト2402において表示される病理診断が必要な症例の候補に対し、病理診断を担当するユーザの候補の情報を表示する領域である。端末装置10は、担当医候補画面2401において、ユーザの候補として、サーバ20で各ユーザの当該症例に関連する専門知識を有するユーザの情報に基づいて特定されたユーザを表示する。
【0215】
具体的には、端末装置10は、担当医候補画面2401において、サーバ20がユーザ情報データベース2021と症例情報データベース2022とを参照し、ユーザの中から、病理診断をするのに専門知識などが必要な症例に対し、当該症例の領域を専門分野とするユーザを担当者として特定した結果を当該画面に提示してもよい。例えば、端末装置10は、担当医候補画面2401において、サーバ20が上記データベース等を参照し、症例「●●」において、病理診断に当該領域の専門知識が必要である場合には、病理診断を担当するユーザの候補として、氏名「****」、氏名「++++」など、専門分野が「●●」であるユーザを、病理診断を担当するユーザの候補として特定した結果を当該画面に提示してもよい。
【0216】
これにより、専門外のユーザが専門分野以外の病理診断を行うことを防ぐことができる。また、ある局面において、端末装置10または病理診断のタスクをアサインする管理者等が、特定の専門分野のユーザのみが情報を閲覧、管理可能などとしている場合でも、他の専門分野のユーザなどが当該情報を閲覧することなどを防ぐことができる。
【0217】
症例リスト2402は、
図23における症例リスト2302と同様に、病理診断が必要のある症例の候補を示す。
【0218】
<5 変形例>
本実施形態の変形例について説明する。すなわち、以下のような態様を採用してもよい。
(1)情報処理装置であって、このプログラムが予めインストールされていてもよいし、事後的にインストールされてもよいし、このようなプログラムを外部の非一時的な記憶媒体に記憶させてもよいし、クラウドコンピューティングで動作させてもよい。
(2)ユーザの病理診断を支援するための方法であって、コンピュータを情報処理装置として機能させ、当該情報処理装置に、このプログラムが予めインストールされていてもよいし、事後的にインストールされてもよいし、このようなプログラムを外部の非一時的な記憶媒体に記憶させてもよいし、クラウドコンピューティングで動作させてもよい。
【0219】
<6 付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0220】
(付記1)
コンピュータのプロセッサ29に、患者の病理画像を含む第1情報を取得するステップと、取得した第1情報に基づいて、病理画像の一部の領域を、病理診断のための第2情報として特定するステップと、特定した第2情報に対応する一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、を実行させる、プログラム。
【0221】
(付記2)
コンピュータは、記憶部202に、病理画像について、病理診断のために特定された一部の領域の情報を含む過去の病理画像の診断結果に基づき学習された学習済みモデルを記憶させており、特定するステップにおいて、取得した第1情報と、学習済みモデルとに基づいて、第2情報を特定する、付記1に記載のプログラム。
【0222】
(付記3)
プログラムは、プロセッサ29に、さらに、特定するステップにおいて、特定した第2情報と、学習済みモデルとに基づいて、特定された第2情報に関連する過去の診断結果に関する第3情報を特定し、提示するステップにおいて、特定した第3情報を第1ユーザに提示するステップを実行させる、付記2に記載のプログラム。
【0223】
(付記4)
学習済みモデルは、学習済みモデルの学習用データである診断結果について診断を行ったユーザの情報と関連付けられており、プログラムは、プロセッサ29に、第1ユーザの情報と、学習済みモデルに関連付けられるユーザの情報とに基づいて、特定するステップにおいて参照する学習済みモデルを特定し、提示するステップにおいて、特定した学習済みモデルに基づいて特定した第2情報または第3情報の少なくともいずれかを提示するステップを実行させる、付記3に記載のプログラム。
【0224】
(付記5)
学習済みモデルは、学習済みモデルの学習用データである診断結果について診断を行ったユーザの情報と関連付けられており、提示するステップにおいて、第1ユーザの情報と、学習済みモデルに関連付けられるユーザの情報とに基づいて、参照する学習済みモデルの候補を第1ユーザに提示するステップと、提示される学習済みモデルの候補を指定する入力操作を第1ユーザから受け付けるステップとを実行させる、付記2または3のいずれかに記載のプログラム。
【0225】
(付記6)
プログラムは、プロセッサ29に、第1情報に含まれる病理画像と、学習済みモデルとに基づいて、第1ユーザが診断結果に含めるべき内容を第1ユーザに提示するステップを実行させる、付記2から5のいずれかに記載のプログラム。
【0226】
(付記7)
プログラムは、プロセッサ29に、第1ユーザの作成した診断結果に対し、第1ユーザとは異なる第2ユーザに確認を依頼する入力操作を第1ユーザから受け付け、確認を依頼する入力操作に応答して、確認をする第2ユーザの候補を特定し、特定した第2ユーザの候補を第1ユーザに提示するステップとを実行させる、付記1から6のいずれかに記載のプログラム。
【0227】
(付記8)
プロセッサ29に、さらに、病理画像に含まれる第1情報に基づいて、当該病理画像について病理診断を担当するユーザの候補を特定するステップと、特定されるユーザの候補を提示するステップとを実行させる、付記1から7のいずれかに記載のプログラム。
【0228】
(付記9)
プロセッサ29に、さらに、病理画像に含まれる第1情報第1ユーザの作成した診断結果と、学習済みモデルとに基づいて、病理画像における特定の兆候を特定するステップと、特定した兆候に基づいて、ユーザに兆候の情報を提示するステップとを実行させる、付記2から8のいずれかに記載のプログラム。
【0229】
(付記10)
プログラムは、プロセッサ29に、病理診断を行う各ユーザについて、病理画像に対する診断結果の作成回数に関する情報を取得し、取得した各ユーザの作成回数に関する情報に基づいて、前記病理診断を担当するユーザを特定するステップを実行させる、請求項1から9のいずれかに記載のプログラム。
【0230】
(付記11)
プログラムは、プロセッサ29に、病理画像ごとに、病理診断を担当することが可能なユーザの情報を取得し、取得した可能なユーザの情報に基づいて、病理診断を担当する第1ユーザを特定し、特定した第1ユーザの情報を提示するステップを実行させる、付記1から10のいずれかに記載のプログラム。
【符号の説明】
【0231】
1 :システム
10 :端末装置
13 :入力装置
14 :出力装置
15 :メモリ
16 :記憶部
19 :プロセッサ
20 :サーバ
25 :メモリ
26 :ストレージ
29 :プロセッサ
80 :ネットワーク
111 :アンテナ
112 :アンテナ
121 :第1無線通信部
122 :第2無線通信部
130 :操作受付部
131 :デバイス
132 :ディスプレイ
140 :音声処理部
141 :マイク
142 :スピーカ
150 :位置情報センサ
160 :カメラ
161 :ユーザ情報
162 :症例情報
163 :診断結果情報
164 :学習済みモデル情報
191 :入力操作受付部
192 :送受信部
193 :データ処理部
194 :報知制御部
201 :通信部
202 :記憶部
203 :制御部
2021 :ユーザ情報データベース
2022 :症例情報データベース
2023 :診断結果情報データベース
2024 :学習済みモデル情報データベース
2031 :受信制御モジュール
2032 :送信制御モジュール
2033 :ユーザ情報取得モジュール
2034 :症例情報取得モジュール
2035 :診断結果情報取得モジュール
2036 :学習済みモデル情報参照モジュール
【手続補正書】
【提出日】2021-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
患者の病理画像を取得するステップと、
前記取得した病理画像と、病理診断を担当する第1ユーザの情報とに基づいて、過去の類似する診断結果を参照し、前記第1ユーザと関連のある他のユーザが作成した過去の診断結果を特定するステップと、
前記過去の類似する診断結果のうち、前記特定した前記他のユーザが作成した前記過去の診断結果を優先して、当該過去の診断結果を、当該過去の診断結果を作成した前記他のユーザの名称の情報と共に前記第1ユーザに提示するステップと、
を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記特定するステップにおいて、前記第1ユーザと関連のある他のユーザが作成した過去の診断結果として、前記第1ユーザと同じ医局の他のユーザが作成した前記過去の診断結果を特定する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記提示するステップにおいて、
前記第1ユーザが病理診断の診断結果の入力操作を受け付けるための画面において、前記特定した前記他のユーザが作成した過去の診断結果を優先して、当該過去の診断結果を作成した前記他のユーザの名称の情報と共に提示する、請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータは、記憶部に、病理画像について、病理診断のために特定された一部の領域の情報を含む過去の前記病理画像の診断結果に基づき学習された学習済みモデルを記憶させており、
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記取得した病理画像と、前記学習済みモデルとに基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための領域として特定するステップを実行させる、請求項1から3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記特定するステップにおいて、特定した前記一部の領域と、前記学習済みモデルとに基づいて、前記特定された前記一部の領域に関連する過去の診断結果を特定し、
前記提示するステップにおいて、前記特定した前記過去の診断結果を前記第1ユーザに提示するステップを実行させる、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記学習済みモデルは、前記学習済みモデルの学習用データである前記診断結果について診断を行ったユーザの情報と関連付けられており、
前記プログラムは、前記プロセッサに、前記第1ユーザの情報と、前記学習済みモデルに関連付けられるユーザのうち、前記第1ユーザと関連のある他のユーザの情報とに基づいて、前記特定するステップにおいて参照する前記学習済みモデルを特定し、
前記提示するステップにおいて、前記特定した学習済みモデルに基づいて特定した前記一部の領域または前記過去の診断結果の少なくともいずれかを提示するステップを実行させる、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記学習済みモデルは、前記学習済みモデルの学習用データである前記診断結果について診断を行ったユーザの情報と関連付けられており、
前記提示するステップにおいて、前記第1ユーザの情報と、前記学習済みモデルに関連付けられるユーザのうち、前記第1ユーザと関連のある他のユーザの情報とに基づいて、参照する学習済みモデルの候補を前記第1ユーザに提示するステップと、
前記提示される前記学習済みモデルの候補を指定する入力操作を前記第1ユーザから受け付けるステップと、を実行させる、請求項4に記載のプログラム。
【請求項8】
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記病理画像と、前記学習済みモデルとに基づいて、前記第1ユーザが診断結果に含めるべき内容を前記第1ユーザに提示するステップを実行させる、
請求項5から7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
患者の病理画像を取得するステップと、
前記取得した病理画像に基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための領域として特定するステップと、
前記特定した前記一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、
前記第1ユーザの作成した診断結果に対し、前記第1ユーザとは異なる第2ユーザに確認を依頼する入力操作を前記第1ユーザから受け付け、
前記確認を依頼する入力操作に応答して、前記確認をする前記第2ユーザの候補を特定し、
前記特定した前記第2ユーザの候補を前記第1ユーザに提示するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項10】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
患者の病理画像を取得するステップと、
前記取得した病理画像に基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための領域として特定するステップと、
前記特定した前記一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、
前記病理画像に基づいて、当該病理画像について病理診断を担当するユーザの候補を特定するステップと、
前記特定される前記ユーザの候補を提示するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項11】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記患者の病理画像と、前記学習済みモデルとに基づいて、前記病理画像における特定の兆候を特定するステップと、
前記特定した兆候に基づいて、前記ユーザに前記兆候の情報を提示するステップと、を実行させる、請求項4に記載のプログラム。
【請求項12】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
患者の病理画像を取得するステップと、
前記取得した病理画像に基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための領域として特定するステップと、
前記特定した前記一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、
病理診断を行う各ユーザについて、前記病理画像に対する診断結果の作成回数に関する情報を取得し、
前記取得した各ユーザの前記作成回数に関する情報に基づいて、前記病理診断を担当するユーザを特定するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項13】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
患者の病理画像を取得するステップと、
前記取得した病理画像に基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための領域として特定するステップと、
前記特定した前記一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、
前記病理画像ごとに、病理診断を担当することが可能なユーザの情報を取得し、
前記取得した前記可能なユーザの情報に基づいて、前記病理診断を担当する第1ユーザを特定し、
前記特定した第1ユーザの情報を提示するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項14】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行される方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
患者の病理画像を取得するステップと、
前記取得した病理画像と、病理診断を担当する第1ユーザの情報とに基づいて、過去の類似する診断結果を参照し、前記第1ユーザと関連のある他のユーザが作成した過去の診断結果を特定するステップと、
前記過去の類似する診断結果のうち、前記特定した前記他のユーザが作成した前記過去の診断結果を優先して、当該過去の診断結果を、当該過去の診断結果を作成した前記他のユーザの名称の情報と共に、前記第1ユーザに提示するステップと、
を実行する、方法。
【請求項15】
制御部を備える情報処理装置であって、前記制御部が、
患者の病理画像を取得するステップと、
前記取得した病理画像と、病理診断を担当する第1ユーザの情報とに基づいて、過去の類似する診断結果を参照し、前記第1ユーザと関連のある他のユーザが作成した過去の診断結果を特定するステップと、
前記過去の類似する診断結果のうち、前記特定した前記他のユーザが作成した前記過去の診断結果を優先して、当該過去の診断結果を、当該過去の診断結果を作成した前記他のユーザの名称の情報と共に、前記第1ユーザに提示するステップと、
を実行する、情報処理装置。
【請求項16】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行される方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
患者の病理画像を取得するステップと、
前記取得した病理画像に基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための領域として特定するステップと、
前記特定した前記一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、
前記第1ユーザの作成した診断結果に対し、前記第1ユーザとは異なる第2ユーザに確認を依頼する入力操作を前記第1ユーザから受け付け、
前記確認を依頼する入力操作に応答して、前記確認をする前記第2ユーザの候補を特定し、
前記特定した前記第2ユーザの候補を前記第1ユーザに提示するステップと、を実行する、方法。
【請求項17】
制御部を備える情報処理装置であって、前記制御部が、
患者の病理画像を取得するステップと、
前記取得した病理画像に基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための領域として特定するステップと、
前記特定した前記一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、
前記第1ユーザの作成した診断結果に対し、前記第1ユーザとは異なる第2ユーザに確認を依頼する入力操作を前記第1ユーザから受け付け、
前記確認を依頼する入力操作に応答して、前記確認をする前記第2ユーザの候補を特定し、
前記特定した前記第2ユーザの候補を前記第1ユーザに提示するステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項18】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行される方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
患者の病理画像を取得するステップと、
前記取得した病理画像に基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための領域として特定するステップと、
前記特定した前記一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、
前記病理画像に基づいて、当該病理画像について病理診断を担当するユーザの候補を特定するステップと、
前記特定される前記ユーザの候補を提示するステップと、を実行する、方法。
【請求項19】
制御部を備える情報処理装置であって、前記制御部が、
患者の病理画像を取得するステップと、
前記取得した病理画像に基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための領域として特定するステップと、
前記特定した前記一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、
前記病理画像に基づいて、当該病理画像について病理診断を担当するユーザの候補を特定するステップと、
前記特定される前記ユーザの候補を提示するステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項20】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行される方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
患者の病理画像を取得するステップと、
前記取得した病理画像に基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための領域として特定するステップと、
前記特定した前記一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、
病理診断を行う各ユーザについて、前記病理画像に対する診断結果の作成回数に関する情報を取得し、
前記取得した各ユーザの前記作成回数に関する情報に基づいて、前記病理診断を担当するユーザを特定するステップと、を実行する、方法。
【請求項21】
制御部を備える情報処理装置であって、前記制御部が
患者の病理画像を取得するステップと、
前記取得した病理画像に基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための領域として特定するステップと、
前記特定した前記一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、
病理診断を行う各ユーザについて、前記病理画像に対する診断結果の作成回数に関する情報を取得し、
前記取得した各ユーザの前記作成回数に関する情報に基づいて、前記病理診断を担当するユーザを特定するステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項22】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行される方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
患者の病理画像を取得するステップと、
前記取得した病理画像に基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための領域として特定するステップと、
前記特定した前記一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、
前記病理画像ごとに、病理診断を担当することが可能なユーザの情報を取得し、
前記取得した前記可能なユーザの情報に基づいて、前記病理診断を担当する第1ユーザを特定し、
前記特定した第1ユーザの情報を提示するステップと、を実行する、方法。
【請求項23】
制御部を備える情報処理装置であって、前記制御部が、
患者の病理画像を取得するステップと、
前記取得した病理画像に基づいて、前記病理画像の一部の領域を、病理診断のための領域として特定するステップと、
前記特定した前記一部の領域を第1ユーザに提示するステップと、
前記病理画像ごとに、病理診断を担当することが可能なユーザの情報を取得し、
前記取得した前記可能なユーザの情報に基づいて、前記病理診断を担当する第1ユーザを特定し、
前記特定した第1ユーザの情報を提示するステップと、を実行する、情報処理装置。