(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022049618
(43)【公開日】2022-03-29
(54)【発明の名称】建物の調査・評価システム、装置、方法、プログラム並びに記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20220322BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020155907
(22)【出願日】2020-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】516318961
【氏名又は名称】有限会社村上不動産鑑定士事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100199451
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 隆滋
(72)【発明者】
【氏名】村上 幸二郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC27
(57)【要約】 (修正有)
【課題】利用者が容易に建物の調査・評価に関する詳細な情報を取得し建物を正確に調査・評価することができる建物の調査・評価システム、装置、方法、プログラム並びに記録媒体を提供する。
【解決手段】方法は、建築材に取り付けられたICタグをスキャンし、読み取った情報を所定の端末の算出手段に送信する。算出手段は、建物の調査や査定に必要な情報を全て読み取った場合に、得られた情報を用いて建物の調査結果・評価額を算出し、建物の評価額や調査結果を出力する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の調査又は評価に関する情報が記憶された情報記憶媒体と、
前記情報記憶媒体から前記情報を読み取る情報読取手段と、
前記情報から前記建物の調査結果又は評価額を算出する算出手段と、
前記算出手段において算出した前記調査結果又は前記評価額を出力するインターフェース部を有し、
前記情報記憶媒体は、前記建物に設けられる、建物の調査・評価システム。
【請求項2】
前記情報記憶媒体は、前記建物を構成する複数の建築材に設けられ、
前記情報記憶媒体は、設けられた建築材に関する情報が記憶されている、請求項1に記載の建物の調査・評価システム。
【請求項3】
前記算出手段は、前記建築材に関する情報を集計することで前記調査結果又は前記評価額を算出する、請求項2に記載の建物の調査・評価システム。
【請求項4】
前記情報読取手段が搭載されたドローンを有し、
前記ドローンを用いて、前記情報記憶媒体が設けられた前記建築材にアプローチし、該情報記憶媒体から前記情報を読み取る、請求項3に記載の建物の調査・評価システム。
【請求項5】
前記情報記憶媒体は、2次元コードで構成され、前記建物の外部に露出する位置に設けられる、請求項1に記載の建物の調査・評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の調査・評価システム、装置、方法、プログラム並びに記録媒体に関し、特に、中古住宅の建物の調査・評価システム、装置、方法、プログラム並びに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中古住宅の性能に関する客観的な情報を、簡単且つ低コストでユーザーに提供することが可能な建物の評価システムがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物が中古物件として売り出される場合においては、通常、建物を建ててから長い期間が経過し、建物の調査・評価に関する情報の一部棄損や遺失等が発生している。特に、建築主と売主が異なる場合においては、施工主が誰であるのかさえ簡単に確認することができない場合が多い。したがって、構造や使用建築部材が不明である中古建物の増改築は非効率となる。また、中古物件の調査・評価額の算出は、新築時の建物価格から経過年数に応じた一般的な減価を行い算出する方法や簡単な内覧や外覧を行うことで得られる情報やその他の一般的に取得可能な情報に基づいて算出する方法が行われており、評価額と実際の価値との乖離が問題となっている。実際には、高い経済価値を有する建物にもかかわらず、適正価格よりも低額の評価がされている。一方、特許文献1に記載された発明は、中古住宅の性能に関する客観的な情報を、簡単且つ低コストでユーザーに提供することが可能な建物の調査・評価システムであるが、特定のサーバーにアクセスする必要があるため、特定のサーバーがわからないユーザーは、この調査・評価システムを利用することができない。また、この調査・評価システムでは、中古物件の性能に関する情報を提供することを目的としているため、詳細な建物の情報や実際の建物の情報に基づいて中古物件の調査・評価をするものでなく、売主、買い手(仲介業者も含む)の双方が納得する調査・評価額を算出することが困難である。
【0005】
本発明の目的は、このようなことに鑑みてなされたものであり、利用者が容易に建物の調査・評価に関する詳細な情報を取得し建物を正確に調査・評価することができる、建物の調査・評価システム、装置、方法、プログラム並びに記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、
建物の調査又は評価に関する情報が記憶された情報記憶媒体(1a、2a)と、
前記情報記憶媒体から前記情報を読み取る情報読取手段(101、103)と、
前記情報から前記建物の調査結果又は評価額を算出する算出手段と、
前記算出手段において算出した前記調査結果又は前記評価額を出力するインターフェース部を有し、
前記情報記憶媒体は、前記建物に設けられる、建物の調査・評価システム(1、2)
によって達成される。
【0007】
また、上記目的は、
前記情報記憶媒体(1a)は、前記建物を構成する複数の建築材に設けられ、
前記情報記憶媒体は、設けられた建築材に関する情報が記憶されている、上記の建物の調査・評価システム(1)
によっても達成される。
【0008】
また、上記目的は、
前記算出手段は、前記建築材に関する情報を集計することで前記調査結果又は前記評価額を算出する、上記の建物の調査・評価システム(1)
によっても達成される。
【0009】
また、上記目的は、
前記情報読取手段が搭載されたドローン(100)を有し、
前記ドローンを用いて、前記情報記憶媒体が設けられた建築材にアプローチし、該情報記憶媒体から前記情報を読み取る、上記の建物の調査・評価システム(1)
によっても達成される。
【0010】
また、上記目的は、
前記情報記憶媒体(2a)は、2次元コードで構成され、前記建物の外部に露出する位置に設けられる、上記の建物の調査・評価システム(2)
によっても達成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、利用者が容易に建物の調査・評価に関する詳細な情報を取得し建物を正確に調査・評価することができる、建物の調査・評価システム、装置、方法、プログラム並びに記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態による建物調査・評価システム1に用いるICタグ1aの取り付け位置を説明する図である。
【
図2】本発明の実施形態による建物調査・評価システム1に用いるICタグ1aの取り付け位置を説明する図である。
【
図3】本発明の実施形態による建物調査・評価システム1の運用状態を説明する図である。
【
図4】本発明の実施形態による建物調査・評価システム1の運用状態を説明する図である。
【
図5】本発明の実施形態による建物調査・評価システム1のICタグ1aの登録内容を説明する図である。
【
図6】本発明の実施形態による建物調査・評価システム1のICタグ1aの登録内容を説明する図である。
【
図7】本発明の実施形態による建物調査・評価システム1のICタグ1aの登録内容を説明する図である。
【
図8】本発明の実施形態による建物調査・評価システム1のフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態による建物調査・評価システム2に用いる二次元コード2aの取り付け位置を説明する図である。
【
図10】本発明の実施形態による建物調査・評価システム2のフローチャートである。
【
図11】本発明の実施形態による建物調査・評価システム2の変形例1のシステムのフローチャートである。
【
図12】本発明の実施形態による建物調査・評価システム2の変形例2のシステムのフローチャートである。
【
図13】本発明の実施形態による建物調査・評価システム1、2において算出された評価額に関する情報のアウトプット画面である。
【
図14】本発明の実施形態による建物調査・評価システム1、2において算出された調査結果に関する情報のアウトプット画面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、
図1~
図14を用いて、本発明の実施形態による建物調査・評価システム1、2を説明する。なお、以下の全ての図面においては、理解を容易にするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせて図示している。
【0014】
図1は、本発明の実施形態による建物調査・評価システム1に用いるICタグ1aと金属テープ1bを建築材料の木材10に取り付けた状態を示している。ICタグ1aは、木材10の上端部と下端部に取り付ける。後述するスキャナを用いてICタグ1aの情報を取得することで、木材10の情報のみならず、木材10の取り付け方向の情報も取得することが可能となる。また、ICタグ1aや金属テープ1bは、木材10の製造工場で取り付けられる場合があってもよいし、建築現場にて取り付けられる場合があってもよい。なお、ICタグ1aに変えて、二次元バーコードが用いられる場合があってもよい。また、金属テープ1bを木材10に取り付けることで、壁材によって隠れた場所に設置される場合でも、x線等のカメラ(例えば、x線カメラ、赤外線カメラ)を用いることで現在の設置状態を確認することができる。
【0015】
図2は、ICタグ1aを屋根材20に取り付けた状態を示している。なお、本実施形態では、屋根材20においては、寸法や材質等が同じ構成の材料毎にICタグ1aを取り付けるものであるが、全ての屋根材毎にICタグ1aを取り付ける場合があってもよい。また、ICタグ1aは屋根材20の様々な位置に取り付ける場合があってもよい。また、ICタグ1aは、屋根材20の製造工場で取り付けられる場合があってもよいし、建築現場にて取り付けられる場合があってもよい。なお、ICタグ1aに変えて、二次元コードが用いられる場合があってもよい。
【0016】
図3を用いて、本発明の実施形態による建物調査・評価システム1の運用状態を説明する。建物調査・評価システム1は、ドローン100を用いて調査・評価対象の建物1000のスキャニングや撮影を行う。ドローン100は、ICタグ1aに記憶された情報を読み取るスキャナ101や通常のカメラやx線等のカメラを搭載し、ドローン100が建物1000の周りを移動しながらICタグ1aのスキャニングや建物の外観画像やx線画像を取得する構成である。また、スキャナ101でICタグ1aに記憶された情報を読み取った時刻とドローン100の位置情報や方向情報を同期させることで、ICタグ1aの位置情報を推定させることも可能である。また、建物1000の調査・評価に必要な情報を全て取得したと判断した場合には、
図4に示す方法でのスキャニングは不要である。
【0017】
図4を用いて、本発明の実施形態による建物調査・評価システム1の運用状態を説明する。建物調査・評価システム1は、人が移動してスキャナ103や通常のカメラやx線等のカメラを用い建物の内部から建物1000のスキャニングや撮影を行う場合もある。なお、人が移動してスキャナ103を用い建物の外部から建物1000のスキャニングを行う場合があってもよいし、高出力のスキャナを用いて、人が移動することなく、建物1000のスキャニングを行う場合があってもよい。なお、
図4に示す人の移動によるスキャニングは、
図3に示すドローンを用いたスキャニングを補完するためのものであるが、
図3に示すドローンを用いたスキャニングが
図4に示す人の移動によるスキャニングを補完する場合があってもよいし、
図4に示す人の移動によるスキャニングのみが実行される場合があってもよい。
【0018】
図5~
図7を用いて、ICタグ1aに記憶される登録情報を説明する。
<登録情報1>
図5に示すように、ICタグ1aに記憶される登録情報1は、番号、用途、種類(大分類)、種類(小分類)、最大数、設置階、配置位置、定価、耐用年数、および製造日である。これらの登録情報がコード化されて記憶されている。
<登録情報2>
図5に示すように、ICタグ1aに記憶される登録情報2は、縦(mm)、横(mm)、長さ(mm)、x(mm)、y(mm)、z(mm)、角度x(度)、角度y(度)、角度z(度)である。
【0019】
<番号>
番号は、ICタグ毎に付与される通しの番号である。
<用途>
用途は、建築材料の用途を示している。
図6に示すように、登録される用途は、屋根:1、外壁:2、内壁:3、天井:4、床:5、基礎:6、骨組み:7、戸:8、窓:9、風呂場:10、および、その他:11であるが、これら以外の用途が登録されてもよい。
【0020】
<種類(大分類)、種類(小分類)>
図7に示すように、種類(大分類)、種類(小分類)は、建築材料の種類を示している。種類(大分類)と種類(小分類)の組み合わせにより、建築材料の種類を詳細に区別してコード化することができる。例えば、屋根材の場合では、大分類で屋根の形状の分類を行い、小分類で屋根の材質の分類を行うことができる。また、外壁材の場合では、大分類で外壁の材質の分類を行い、小分類でさらに細かな材質の分類を行うことができる。
【0021】
<最大数>
最大数は、同種かつ同価格となる建築材料の取り付け個数である。最大数を取得することで、スキャン漏れによる調査・評価ミスを防止することができる。なお、建物の調査・評価額の算定にこの最大数を用いてもよい。
<設置階>
設置階は、建築材料が取り付けられた階数を示している。なお、2階建ての屋根材は、2階を示す2で登録する。
<配置位置>
配置位置は、建築材料に取り付けられたICタグ1aの配置位置を示している。
図1に示す木材10の場合は、木材10を縦方向に取り付ける場合では、上端のICタグ1aには1を登録し、下端のICタグ1aには2を登録する。木材10を横方向に取り付ける場合では、玄関を外側から見て左側のICタグ1aには3、右側のICタグ1aを4とし、玄関を外側から見て手前側のICタグ1aには5、奥側のICタグ1aには6を登録する。なお、配置位置の情報を用いない建築材料の場合は、配置位置の情報を0とする。
【0022】
<定価>
定価は、建築材料の価格を示している。
<耐用年数>
耐用年数は、建築材料の耐用年数を示している。
<製造日>
製造日は、建築材料の製造日、建築材料を取り付けた日、若しくは建築物の施工完了日を示している。
<縦(mm)、横(mm)、長さ(mm)>
縦(mm)、横(mm)、長さ(mm)は、建築材料の寸法を示している。
<x(mm)、y(mm)、z(mm)>
x(mm)、y(mm)、z(mm)は、建物の頂点(玄関に近い位置にある頂点)のグランドの位置を(0,0,0)の原点とし、建築材料の配置位置において原点に最も近い位置の座標を示している。
<角度x(度)、角度y(度)、角度z(度)>
角度x(度)、角度y(度)、角度z(度)は、建築材料が配置される角度を、x軸方向、y軸方向、z軸方向のそれぞれを示している。
【0023】
図8は、建物調査・評価システム1のフローチャートである。建物調査・評価システム1は、ステップS1にて、
図3や
図4に示す方法を用いて建物1000の建築材に取り付けられたICタグ1aをスキャンしたり、通常のカメラやx線カメラを用いて建物の撮影を行う。次のステップS2では、スキャナ101、103が所定の端末(例えば、スマートフォン)に設けられた算出手段(例えば、CPUやメモリ)に読み取った情報を送信する。また、通常のカメラによる建物外観画像やx線等のカメラによる画像も所定の通信機や外部記憶装置を用いて、所定の端末に送信(出力)する。なお、ステップS2では、算出手段はサーバーに設けられたCPUやメモリであってもよい。次のステップS3では、所定の端末の算出手段(例えば、CPUやメモリ)は、建物の調査や査定に必要な情報を全て読み取ったかどうかを判断する。当該判断は、所定の端末にて適宜設定することが可能である。例えば、各ICタグ1aに記憶された用途、最大数、他の建築物の登録例等のデータベースの情報を用いて、想定される査定額を導出し、その査定額の80%以上となる建築材料の情報を取得している場合は建物の査定に必要な情報を全て読み取ったと判断する場合があってもよい。また、その際には最終的に出力される査定額は、推定額とし、この査定額と共に査定額の信頼性を表示する場合があってもよい。
【0024】
次のステップS4では、所定の端末の算出手段(例えば、CPUやメモリ)は、得られた情報を用いて建物の調査結果・評価額を算出する。具体的には、評価額は、各建築材料の定価、耐用年数及び製造日の情報を考慮して、定価から経過年数分の減価を行い各建築材料の調査・評価額を算定し、算定した各建築材料の調査・評価額の合計をとることで建物の調査・評価額を算出する。また、調査結果は、建築材料の寸法や配置位置等の情報を集計することで建物を立体的に再現するための計算を行う。次のステップS5では、
図13、
図14に示すように所定の端末の画面に建物の評価額や調査結果を出力する。また、
図14に示す調査結果は、建物を立体的に表示し、カーソル等で建築材料を指定した場合に、その建築材料に取り付けられたICタグ1aの登録情報を出力するようにする。なお、建物調査・評価システム1においては、建物の調査結果のみを出力する場合や建物の評価額のみを出力する場合があってもよい。なお、調査結果には、建物の外観画像やx線等の画像が含まれる場合があってもよい。x線等の画像とICタグ1aの情報をつき合わせて解析することで、柱や梁の取付位置や取付角度に異常がないかを検出することも可能である。
【0025】
本実施形態による建物調査・評価システム1は、以下の効果を奏する。
(あ)建築材料に取り付けられたICタグを読み取ることで実際の建築物の情報が取得でき、正確な情報に基づいて建物調査・評価を行うことができる。
(い)ドローンを用いるため、実際に人が移動してアクセスすることができない場所の建築材料についても情報を取得することができる。また、建物の内部に侵入しなくてもドローンを用いて正確な情報を取得することができる。
(う)実際の建物の建築材料にICタグが取り付けられており所定のサーバーが用いられていないため、何人も当該システムを利用することができる。
(え)端末の画面に、建物を立体的に表示するため、建物の増改築や減築を行う際に有用である。
(お)x線等のカメラによる撮影をすることで、壁材や天井材に隠れている木材の状態を確認することができる。
【0026】
次いで、
図9および
図10を用いて、本実施形態による建物調査・評価システム2を説明する。建物調査・評価システム2は、建物調査・評価システム1で用いたICタグ1aに変えて、二次元コード2aを用いるシステムである。二次元コード2aは、建物調査・評価システム1のICタグ1aに記憶された情報を集計し、コード化したものであり、建物の一部に取り付けられる。
図9は、定礎プレート200に二次元コード2aを取り付けた実施例であり、二次元コード2aは、定礎プレート以外の建物の構造物に取り付けられる場合があってもよい。また、二次元コード2aは、建物の情報量によっては複数個あってもよいし、建物の増改築や減築を行う毎に施工主によって新たに取り付ける場合があってもよい。なお、二次元コード2aには、所定のアプリケーションをダウンロードするサーバーアドレスの情報が含まれる場合があってもよい。
【0027】
図10は、建物調査・評価システム2のフローチャートである。建物調査・評価システム2は、ステップS10にて、所定の端末(例えば、スマートフォン)を用いて、建物に取り付けられた二次元コード2aをスキャンする。また、ステップS10は、所定の端末は、二次元コードを読み取り(ステップS11)、記録された情報を解析し(ステップS13)、部材(建築材料)の査定額を算出する(ステップS15)ステップを実行する。次のステップS20では、所定の端末の算出手段(例えば、CPUやメモリ)は、建物の査定に必要な情報を全て読み取ったかどうかを判断する。建物の査定に必要な情報を全て読み取った場合は、次のステップS30の合計査定額算出を行い、次のステップS40にて、
図13に示す所定の端末の画面に不動産査定を出力する。
【0028】
本実施形態による建物調査・評価システム2は、以下の効果を奏する。
(あ)実際の建物に二次元コードが取り付けられており所定のサーバーが用いられていないため、何人も当該システムを利用することができる。
(い)増改築や減築毎に二次元コードを取り付けることで、利用者は容易に建物に関する正確な情報を取得することができる。
【0029】
図11は、本実施形態による建物調査・評価システム2の変形例1のフローチャートである。本変形例1では、所定の端末を用いて建物に取り付けられた二次元コード2aを読み取り、建築材料の部材データを所定のサーバーから取得して、所定の端末の画面に不動産査定額を出力するシステムである。本変形例1では、建物調査・評価システム2における二次元コード2aの情報の一部を所定のサーバーにて保存される。このため、二次元コード2aの情報と所定のサーバーに保存されたデータを突き合わすことで、建物の建築材料に関する情報を取得することが可能となる。
【0030】
図12は、本実施形態による建物調査・評価システム2の変形例2のフローチャートである。本変形例2では、所定の端末を用いて建物に取り付けられた二次元コード2aを読み取り、建物の全ての建築材料の情報を所定のサーバーから取得して、所定の端末の画面に不動産査定額を出力するシステムである。本変形例2は、建物調査・評価システム2における二次元コード2aの情報の全部を所定のサーバーから取得するシステムである。
【0031】
上述の実施形態は、本発明の好適な一例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、上述の説明によって不当に限定されるものではない。また、上述の実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。また、上述の実施形態で説明される構成は相互に付け足したり組み合わせたりしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、建物の調査・評価システム、装置、方法、プログラム並びに記録媒体において広く利用可能であり、特に、中古住宅の建物の調査・評価システム、装置、方法、プログラム並びに記録媒体において広く利用可能である。
【符号の説明】
【0033】
1a ICタグ
2a 二次元コード
10 木材
20 屋根材
100 ドローン
101、103 スキャナ
200 プレート
1000 建物