(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022049628
(43)【公開日】2022-03-29
(54)【発明の名称】発電機
(51)【国際特許分類】
F03D 5/06 20060101AFI20220322BHJP
F03D 9/45 20160101ALI20220322BHJP
H02K 35/02 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
F03D5/06
F03D9/45
H02K35/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020169437
(22)【出願日】2020-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】505061665
【氏名又は名称】伊藤 富美子
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 富美子
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA18
3H178AA22
3H178AA43
3H178BB90
3H178CC21
3H178DD12X
3H178DD51X
3H178DD67X
(57)【要約】
【課題】風の強弱が変化するときに発電出来るようにした、既設の建造物の壁面や固定面などに設置しておける、発電機を提供する。
【解決手段】板の片面にコイルを固定して、別の板の片面には磁石を固定しておき、2枚の板を、コイルを固定してある面と磁石を固定してある面とを向かい合わせて、2枚の板の間にはコイルのある箇所と磁石のある箇所とは別の箇所に弾性体を挟んで、これに2枚の板を貼り合わせる。一方の板を建造物の壁面や固定面に設置する。風が吹く際にもう一方の板を風が押して、風の強弱が変化するときに、その2枚の板の間隔を弾力的に変化させることにより、磁石とコイルとの距離や磁石がコイルの中に入っている部分の長さを変化させて、コイルに電流を流させて発電することができる。板に固定するコイルと磁石の数を多くすることにより、多くの電気を発電することができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板の片面にコイルを固定して、別の板の片面に磁石を固定して、2枚の板をコイルを固定してある面と磁石を固定してある面とを向かい合わせて、2枚の板の間にはコイルのある箇所と磁石のある箇所とは別の箇所に弾性体を挟んでこれに2枚の板を貼り合わせて、一方の板を建造物に固定して設置しておき、風が吹く際にもう一方の板を風が押して2枚の板の間隔が狭くなることにより、磁石がコイルに近づいたり、磁石のコイルの中に入っている部分の長さが変わって長くなることにより、コイルに電流を流させて発電し、風がそのときよりも弱くなるときに、2枚の板の間隔が広くなることにより、磁石がコイルから遠ざかったり、磁石のコイルの中に入っている部分の長さが変わって短くなることにより、コイルに電流を流させて発電することを特徴とする、発電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚の板の間にコイルと磁石と弾性体を挟んで、2枚の板を貼り合わせて、風が吹く際に、風の強弱が変化するときに板の間隔を弾力的に変化させることにより発電させることを工夫した、既設の建造物の壁面や固定面などに設置しておける、発電機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、風が吹く際に発電させる発電機としては、羽が風を受けて回転板を回転させて発電させる、風車による風力発電機があった。従来の方法の風車による風力発電機は、設置する場所にある程度の広さが必要であり、設置場所に制約が多く、また、騒音が出て環境に影響を及ぼすこともある。台風や落雷の被害も受けやすい。個人のどのような環境の家庭でも設置できる条件を整えるのが難しかった。
【0003】
これまでは、風が吹く際に板の間隔を変化させることにより発電させる方法の発電機はなかった。そして、既設の建造物の壁面や既設の建造物の固定面に板を設置して発電させる方法の発電機はなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これからは地球温暖化を防ぐために、再生可能エネルギーとして、自然エネルギーの利用が大切な課題である。自然エネルギーを電気エネルギーに変える発電機として、様々な環境の場所で活用できる発電機が必要である。広い設置場所を必要とせず、騒音を出しにくく、台風や落雷の被害を受けにくい発電機が必要な課題である。既設の建造物の壁面や固定面などを利用して設置することができる発電機が必要な課題である。本発明の目的は、これらの課題を解決する発電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発電機は、2枚の板の間に、コイルと磁石と弾性体を挟んで、2枚の板を貼り合わせて作る。1枚の板の片面にコイルを固定して、もう1枚の板の片面には磁石を固定しておき、2枚の板を、コイルを固定してある面と磁石を固定してある面とを向かい合わせて、コイルと磁石が向かい合うように位置を合わせて、2枚の板の間には、コイルのある箇所と磁石のある箇所とは別の箇所に弾性体を挟んで、これに2枚の板を貼り合わせる。弾性体は弾性を有するもので、様々な材質のものを選択できる。一方の板を建造物の壁面や固定面に設置する。あるいは独立して固定設置する。風が吹く際に、建造物の固定面に設置していない方の板を風が押して、風の強弱が変化するときに、その2枚の板の間隔を弾力的に変化させることにより、磁石とコイルとの距離を変化させたり、磁石がコイルの中に入っている部分の長さを変化させて、コイルに電流を流させる。風が吹く際に、建造物の固定面に設置していない方の板を風が押して2枚の板の間隔が狭くなることにより磁石がコイルに近づいたり、磁石のコイルの中に入っている部分の長さが変わって長くなることにより、コイルに電流を流させて発電し、風がそのときよりも弱くなるときに、2枚の板の間隔が広くなることにより、磁石がコイルから遠ざかったり、磁石のコイルの中に入っている部分の長さが変わって短くなることにより、コイルに電流を流させて発電する。2枚の板のそれぞれに固定するコイルと磁石の数を多くすることにより、多くの電気を発電する。本発明は、以上を特徴とする発電機である。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、自然エネルギーである風の風圧の強弱の変化を利用して、発電することができる。本発明により、自然エネルギーである風のエネルギーを電気エネルギーに変える機会を多くすることができる。
【0007】
本発明の発電機は、既設の建造物の壁面や固定面に設置して発電することができ、蓄電池に蓄電して、蓄電した電気を使用することができる。個人のさまざまな環境の家庭でも発電することができ、各家庭で発電した電気を各家庭で直接使うこともできる。
【0008】
本発明の発電機は、板の材質や大きさを変えることにより、設置する場所に適応した大きさにすることができる。2枚の板のそれぞれに固定するコイルと磁石のそれぞれの材質と形と大きさと、その数を選択することにより、発電する電気の量を選択することができる。2枚の板の間に貼り合わせる弾性体は、弾性を有するもので、さまざまなものを選択することができ、貼り合わせる位置もさまざまな位置を選択することができる。
【0009】
2枚の板のそれぞれに固定するコイルと磁石を薄型にすれば、薄型の発電機にすることができる。
【0010】
コイルを板に固定するには、板に取り付ける方法だけでなく、板の中に埋め込む方法もある。磁石を板に固定するには、板に取り付ける方法だけでなく、板の中に埋め込む方法もある。コイルと磁石をそれぞれ板の中に埋め込めば薄型の発電機にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図8】 一方の板にコイルと保護カバーのみを取り付けた状態の斜視図(実施例)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
この発電機は、1枚の板(1)の片面にコイル(7)を固定する。もう1枚の板(2)の片面に磁石(8)を固定する。2枚の板(1)(2)を、コイル(7)を固定してある面と磁石(8)を固定してある面とを向かい合わせる。コイル(7)と磁石(8)が向かい合うように位置を合わせて、2枚の板(1)(2)の間に、コイル(7)のある箇所と磁石(8)のある箇所とは別の箇所に弾性体(3)(4)(5)(6)を挟んで、これに2枚の板(1)(2)を貼り合わせる。 コイル(7)の導線の表面は絶縁されているが、コイル(7)から出ている部分の導線をさらに保護するために、コイル(7)から出ている部分の導線をそれぞれ保護カバー(9)(10)で覆う。2つの保護カバー(9)(10)をさらに保護するために保護カバー(11)で覆う。
【0013】
コイル(7)を板(1)に固定するには、板(1)に貼り付けたり留めたりして取り付けてもよく、板(1)の中に埋め込んでもよい。磁石(8)を板(2)に固定するには、板(2)に貼り付けたり留めたりして取り付けてもよく、板(2)の中に埋め込んでもよい。コイル(7)の形は、円形コイルに限らず、長方形などの多角形コイルでもよい。平板コイルでもよい。磁石(8)の形は、円形に限らず、長方形など、多角形でもよい。コイル(7)と磁石(8)を薄型にすれば、薄型の発電機にすることができる。コイル(7)を板(1)の中に埋め込んで固定して、磁石(8)を板(2)の中に埋め込んで固定すれば、薄型の発電機にすることができる。
【0014】
コイル(7)と磁石(8)の数を多くすれば、多くの電流を流させることができる。2枚の板(1)(2)のそれぞれに固定するコイル(7)と磁石(8)の数を多くすることにより、多くの電気を発電することができる。
【0015】
磁石(8)の形と大きさを選択する際には、磁石(8)がコイル(7)の中に入る形と大きさを選択する場合と、磁石(8)がコイル(7)の中に入らない形や入らない大きさを選択する場合とがある。磁石(8)がコイル(7)の中に入る形と大きさを選択する場合には、2枚の板(1)(2)を貼り合わせる時に、磁石(8)がコイル(7)の中に入るように位置を合わせて2枚の板(1)(2)を貼り合わせる。2枚の板(1)(2)の間隔の設定は、風が強くなって2枚の板(1)(2)の間隔が狭くなったときに、磁石(8)がコイル(7)の中に入ることができるような間隔に設定してもよいし、磁石(8)がコイル(7)の中に入ることができないような間隔に設定してもよい。磁石(8)がコイル(7)の中に入らない形や入らない大きさを選択する場合には、風が強くなって2枚の板(1)(2)の間隔が狭くなったときに磁石(8)がコイル(7)に接しないように2枚の板(1)(2)の間隔を設定しておく。
【0016】
コイル(7)を固定した板(1)と磁石(8)を固定した板(2)とのどちらか一方の板を建造物の壁面や固定面に設置する。あるいは、独立して固定設置する。
【0017】
風が吹いたときには、建造物の壁面や固定面に設置していない方の板を風が押して、弾力的に2枚の板(1)(2)の間隔が狭くなる。すると、磁石(8)がコイル(7)に近づいたり、磁石(8)のコイル(7)の中に入っている部分の長さが変わって長くなる。そのことにより、コイル(7)に電流を流させて発電することができる。風がそのときよりも弱くなるときには、弾力的に2枚の板(1)(2)の間隔が広くなる。すると、磁石(8)がコイル(7)から遠ざかったり、磁石(8)のコイル(7)の中に入っている部分の長さが変わって短くなる。そのことにより、コイル(7)に電流を流させて発電することができる。建造物の壁面や固定面に設置していない方の板を風が押す力を利用して、2枚の板(1)(2)の間隔を弾力的に変化させることにより、磁石(8)とコイル(7)との距離を変化させたり、磁石(8)がコイル(7)の中に入っている部分の長さを変化させて、コイル(7)に電流を流させて発電する。
【0018】
本発明により発電した電気を利用する方法は、従来の発電機により発電した電気を利用する場合の方法と同様である。発電機から整流器や蓄電池に接続することができる。蓄電池に蓄電した後には、そこから、様々な形態で電気を利用することができる。
【実施例0019】
この実施例は、1枚の板(1)の片面に一つの円形コイル(7)を、埋め込まずに取り付けて、もう1枚の板(2)の片面に一つの円形磁石(8)を埋め込まずに取り付けた場合である。2枚の板(1)(2)を、コイル(7)を固定してある面と磁石(8)を固定してある面とを向かい合わせる。コイル(7)と磁石(8)が向かい合うように位置を合わせて、2枚の板(1)(2)の間に、コイル(7)のある箇所と磁石(8)のある箇所とは別の箇所に弾性体(3)(4)(5)(6)を挟んで、これに2枚の板(1)(2)を貼り合わせる。コイル(7)の導線の表面は絶縁されているが、コイル(7)から出ている部分の導線をさらに保護するために、コイル(7)から出ている部分の導線をそれぞれ保護カバー(9)(10)で覆う。2つの保護カバー(9)(10)をさらに保護するために保護カバー(11)で覆う。
【0020】
コイル(7)を取り付けた板(1)を建造物の壁面に設置する。
【0021】
風が吹いたときには、磁石(8)を取り付けた板(2)を風が押して、弾力的に2枚の板(1)(2)の間隔が狭くなる。すると、磁石(8)がコイル(7)に近づいたり、磁石(8)のコイル(7)の中に入っている部分の長さが変わって長くなる。そのことにより、コイル(7)に電流を流させて発電することができる。風がそのときよりも弱くなるときには、弾力的に2枚の板(1)(2)の間隔が広くなる。すると、磁石(8)がコイル(7)から遠ざかったり、磁石(8)のコイル(7)の中に入っている部分の長さが変わって短くなる。そのことにより、コイル(7)に電流を流させて発電することができる。風が板(2)を押す力を利用して、2枚の板(1)(2)の間隔を弾力的に変化させることにより、磁石(8)とコイル(7)との距離を変化させたり、磁石(8)がコイル(7)の中に入っている部分の長さを変化させて、コイル(7)に電流を流させて発電する。
【0022】
図3は実施例の左側面図であり、
図4は実施例の右側面図である。
図5は、
図2における、実施例の場合のA-A線断面図である。
図6は
図3におけるB-B線断面図である。
図7は
図4におけるC-C線断面図である。
図8は実施例で一方の板にコイルと保護カバーのみを取り付けた状態での斜視図である。