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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022049630
(43)【公開日】2022-03-29
(54)【発明の名称】発熱体
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/12 20060101AFI20220322BHJP
【FI】
H05B3/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020169439
(22)【出願日】2020-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】500111806
【氏名又は名称】荒井 優章
(72)【発明者】
【氏名】荒井 優章
【テーマコード(参考)】
3K092
【Fターム(参考)】
3K092QB02
3K092QB24
3K092QB26
3K092QB30
(57)【要約】      (修正有)
【課題】発熱体に歪みを生じさせずに発熱体の熱伝導を大幅に向上させるとともに発熱量をも向上させることができる発熱体を提供する。
【解決手段】鉄・クロム・ニッケル基に、銅、チタンの他、アルミを含む13~15族範囲の卑金属とシリコンを含む非金属から3種類以上を組み合わせて配合した鉄・クロム・ニッケル基合金を含有し、通電により発熱する発熱体であり、鉄・クロム・ニッケル基の質量に対し、銅・チタンが鉄・クロム・ニッケル基の質量比に対し7%以下、アルミを含む13~15族範囲の卑金属と非金属の3種類以上の組み合わせが鉄・クロム・ニッケル基の質量比に対し3%以下の質量比を組み合わせて配合した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄・クロム・ニッケル基に、銅,チタンの他,アルミを含む13~15族範囲の卑金属とシリコンを含む非金属から3種類以上を組み合わせて配合した鉄・クロム・ニッケル基合金を含有し、通電により発熱することを特徴とする発熱体。
【請求項2】
前記鉄・クロム・ニッケル基の質量に対し、銅・チタンが鉄・クロム・ニッケル基の質量比に対し7%以下、アルミを含む13~15族範囲の卑金属と非金属の3種類以上の組み合わせが鉄・クロム・ニッケル基の質量比に対し3%以下の質量比を組み合わせて配合したことを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
【請求項3】
前記発熱体は、線状,板状,テープ状,コイル状,ゼンマイ状又はポーラス状、マッド(微細起伏)状、平板に穴開けしたパンチング状、微細線の積層状、網状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発熱体。
【請求項4】
前記発熱体は、厚さが0.05~5mm範囲内で幅が1~50mm範囲内であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の発熱体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱体に関し、特に、発熱体の熱伝導を大幅に向上させるとともに発熱量をも向上させることを図った発熱体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、水道水を給湯する場合、通常のジュール熱を発生させるニクロム線を用いたシーズヒーター発熱給湯器では、スイッチオンして60~180秒以上の時間で常温から40℃の給湯ができる。また、家庭用でもオフィスビル用でも、通常の場合、給湯器は使用する蛇口から遠い所に設置され、必要なお湯が出るまで給湯器から蛇口までの水は捨てることになる。
【0003】
ビルなどは使用頻度が高いので、配管内に待機している温水が有るが、配管内に待機する場合、常に熱が大気中に放散されエネルギーロスとなり、使用電力や各種の使用エネルギーの浪費となってしまう。
【0004】
また、例えば、ガス調理器で鍋を使用して調理をする場合、ガスの炎は遠赤外線も殆ど無く熱風として瞬間的に鍋の側面を通過してしまい、鍋を温めるエネルギーの効率が低く、更に、ガスの炎から発散している熱の多くは鍋による反射として放散してしまい、鍋を温めるエネルギーの多くは発散してしまう。換言すると、ガスの炎から出される熱風の一部はほんの少しだけ鍋に接し、多くの熱は鍋の表面に触れ、熱伝導することなく放散されてしまう。
【0005】
このため、例えば、特許文献1に示されるように、ニッケルに、インジウムとチタンと他の金属を含んだニッケル基合金を用いた発熱体が提案されている。
【0006】
また、特許文献2に示されるように、鉄クロムに、インジウムとチタンと他の金属を含んだ鉄クロム基合金を用いた発熱体が提案されている。
【0007】
特許文献1の発熱体によれば、インジウム/ニッケルの質量比が0.001~0.2、チタン/ニッケルの質量比が0.03~0.3であるので、通電したときに瞬時に所定の高温に到達することができ、発熱効率に優れ、かつ通電耐久性が優れ、そして加工性が良好な発熱体を経済的有利に提供することが出来る、としている。
【0008】
特許文献2の発熱体によれば、インジウム/鉄クロムの質量比が0.001~0.2、チタン/鉄クロムの質量比が0.02~0.3であるので、通電したときに瞬時に所定の高温に到達することができ、発熱効率に優れ、かつ通電耐久性が優れ、そして加工性が良好な発熱体を経済的有利に提供することができる、としている。
【0009】
また、それぞれに、合金中における元素の成分比、印加電圧および発熱体の形状を調整すれば、発熱体の発熱量を所望の水準に自動調整することができる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008-156711号公報
【特許文献2】特開2009-041099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載されたニッケル基合金を用いた発熱体および特許文献2に記載された鉄クロム基合金を用いた発熱体によれば、以下のような問題があった。
(1)インジウムを含んだ発熱合金は、瞬間発熱と電気的低抵抗値が特徴であり、抵抗値が低いゆえに大電流が流れてしまうという課題があった。
(2)発熱体の厚さが50~80μと薄く、薄膜状の発熱体では瞬間発熱性能は高いが熱量が少ない課題があった。
(3)発熱体を水中に浸漬して電源のON・OFFを繰り返し行うと、面状表面は即座に平面が歪んで平面と密着させた加熱体との密着性が格段に低下し、熱伝導に大きなロスを生じさせてしまい、精密な温度制御に支障を生じさせてしまうという課題があった。
(4)コンデンサーには突入電力が瞬間的に大きくなり、それに対応する定格以上の配線が必要となるなどの課題があった。
(5)電源ONの瞬間のオーバー電力による消費電力の損失や、突入電力上昇による消費電力削減の為に、一秒間に1~10回又は20回等のスイッチングスイッチを採用しなければならず、突入電力上昇現象は不都合となるという課題があった。
【0012】
この原因は、電子量の少ないインジウムの高い熱膨張率および硬度および剛性率が起因することや突入電力が瞬時に高くなるためと考えられる。
【0013】
そのために、鉄クロム/ニッケルに対する他の混合金属の配合比及び溶解温度及び溶解時間及び圧延方法を変更することが解決方法であると考えられる。加えて、硬度と熱膨張率が高く、錆びにくく、更に電子量が多く電気的抵抗値の低い元素の利用環境による配合比変更が不可欠と考えられる。
【0014】
従って、本発明の目的とするところは、発熱体に歪みを生じさせずに発熱体の熱伝導を大幅に向上させるとともに発熱量をも向上させることができる発熱体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、鉄・クロム・ニッケル基に、銅,チタンの他,アルミを含む13~15族範囲の卑金属とシリコンを含む非金属から3種類以上を組み合わせて配合した鉄・クロム・ニッケル基合金を含有し、通電により発熱することを特徴とする発熱体を提供するものである。
【0016】
以上の構成において、前記鉄・クロム・ニッケル基の質量に対し、銅・チタンが鉄・クロム・ニッケル基の質量比に対し7%以下、アルミを含む13~15族範囲の卑金属と非金属の3種類以上の組み合わせが鉄・クロム・ニッケル基の質量比に対し3%以下の質量比を組み合わせて配合したことを特徴とする。
【0017】
また、前記発熱体は、線状,板状,テープ状,コイル状,ゼンマイ状又はポーラス状、マッド(微細起伏)状、平板に穴開けしたパンチング状、微細線の積層状、網状であることを特徴とする。
【0018】
また、前記発熱体は、厚さが0.05~5mm範囲内で幅が1~50mm範囲内であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、以上のような構成としたので、以下のような効果を得られる。
・歪みが少なく且つ2・3秒でマックス温度に到達出来ると加熱対象物の必要加熱温度到達までの余熱時間が短時間で済む。
・必要加熱温度到達の余熱時間が短いと作業開始時間のロスの低減や作業効率向上が可能となる。実質作業の効率ひいては生産性の改善効果が得られる。
・また、加熱対象物の許容温度帯の範囲内で電源をON・OFFすることで消費電力の大幅削減が可能になる。
・通電したときに瞬時に所定の高温度帯に到達することができ、真水等に発熱体を浸漬した場合にでも発熱体に歪みの低減を生じさせ、発熱効率に優れ、熱変動に対して平面部の歪みが少なく、かつ耐久性が優れた良好な発熱体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】発熱体の形状の一例を示す図であり、ステンレス製鋼管の断面図及び斜視図。
図2】発熱体の形状の一例を示す図であり、
図3】発熱体の形状の一例を示す図であり、漏電防止膜の断面図及び斜視図
図4】発熱体の形状の一例を示す図であり、板状発熱体の断面図及び斜視図。
図5】発熱体の形状の一例を示す図であり、板状シーズヒーターの断面図及び斜視図。
図6】発熱体の形状の一例を示す図であり、
図7】発熱体の形状の一例を示す図であり、
図8】発熱体の形状の一例を示す図であり、
図9】発熱体の形状の一例を示す図であり、
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明に係る発熱体は、鉄・クロム・ニッケル基に、銅,チタンの他,アルミを含む13~15族範囲の卑金属とシリコンを含む非金属を含有する。
【0022】
この場合、合金中、鉄・クロム・ニッケル基のその質量比は、全合金の95%を占めた発熱体の発熱量の大きさ、発熱即応性、長期使用時の劣化防止、および経済性の観点から、好ましくは92~96質量%の範囲である。
【0023】
また、合金中、(卑金属)/(鉄・クロム・ニッケル)、(13~15族)/(鉄・クロム・ニッケル)の質量比は、発熱体の発熱量の大きさ、発熱即応性および長期使用時の劣化と平面の歪み防止の観点から、好ましくは2~8質量%の範囲である。
さらに、本発明の合金においては、鉄・クロム・ニッケルのそれぞれが金属酸化物の形態を呈していても良い。なお、このように各金属成分が金属酸化物の形態を呈していても、金属的特性は発揮しうる。
【0024】
また、本発明の合金は、発熱体の発熱量の大きさ、発熱即応性および長期使用時の劣化防止及び加工性の観点から、さらに、チタン(Ti)と銅(CU)、卑金属からアルミ(Al)、非金属からシリコン(Si)を含めて3種類以上含有することが好ましい。
【0025】
より具体的には、鉄・クロム・ニッケル基合金に対して、1)チタンと銅・インジウムアルミ・シリコン、2)チタンとインジウムとシリコン、3)インジウム・シリコン含む卑金属、4)チタン・シリコン・インジウムと13から15族含む、5)ロジウムとルテニウムとシリコン、インジウム、6)チタンとインジウムと炭素とビスマスと銅のシリコン6通りの何れかの配合を行うことが望ましい。
【0026】
これらを配合するのは、剛性率が強く(チタン44、ロジウム150、ルテニウム173)、膨張率が低く(チタン8.6、ロジウム8.2、ルテニウム4.4、パラジウム11.8)、モース硬度が硬く(チタン6、ロジウム6、ルテニウム6.5、パラジウム4.75)、電気抵抗が少ない(チタン420Ω、ロジウム43Ω、ビスマス1.29、ルテニウム71Ω、パラジウム105Ω)ので発熱の抵抗が小さく、突入電力が大きくならないことに加え、密度も高く(チタン4.056、ロジウム12.4、インジウム7.3、チタン4.5、ニッケル8.9、クロム7.19)、シリコンの膨張率が2.6と低いので変形しにくい上に錆びにくさも兼ね備えているためである。配合比としては、それぞれ同量の配合量とする。
【0027】
これらの元素の酸化物の使用量は、合金を100質量%としたときに、鉄、クロム、ニッケル、銅・アルミ・シリコンおよびインジウム含めた酸化物の量を100質量%から差し引いたバランス量を用いる。
【0028】
さらに、これらの元素の鉄・クロム・ニッケル基合金に対する配合比は、3~5%であることが、より良好な発熱体の発熱量の大きさ、発熱即応性および長期使用時の劣化防止の観点から望まれる。
【0029】
本発明の発熱体は、鉄・クロム・ニッケル化合物、インジウム化合物、および、必要に応じ、チタン(Ti)、ルテニウム(Ru)、アルミ(Al)、ロジウム(Rh)、ビスマス(Bi)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)シリコン(Si)、カーボン(C)等の何れかを含む化合物(以下、「原料化合物」という)をミル状態に一次加工した後に乾式または湿式にて混合し、酸化雰囲気下1400℃以上にて焼成することにより得られる。
【0030】
この場合において、原料化合物を十分に混和させるため、分散剤、および高分子化合物等のバインダーを使用してもよい。原料化合物はそれぞれの金属の金属粉末、酸化物、炭酸塩、硝酸塩等形態を含む。
本発明の発熱体は、上記したような合金を含有してなるものである。
【0031】
なお、国内のある技術研究所の分析によると、N核のある電子を多数持っている卑金属を数種類配合した発熱体などは、電気を印加するとニクロム合金等とは違い多数の自由電子が外れ易く、外れた穴に電子が入り込み、電気抵抗値に変化が起こらなくても発熱すると言うメカニズムが想定できるとのことである。
【0032】
本発明の発熱体は種々の形態に加工できる。例えば、線条、面状、帯状、板状、テープ状、板状・フィルム状、メッシュ状、バルク状、ポーラス状、積層状等の任意形状に成形して発熱体としたもののみならず、フィラー、粒子等として、樹脂ないしゴム組成物、塗料組成物などのような有機系媒体、あるいはガラス、カーボン、金属、セラミックス等の無機系媒体中に配合して発熱体としても良い。
【0033】
このうち、発熱体としては、発熱面積が大きいことが有利であるので、平板状または網状又はおろし金又は鮫肌上等の凹凸面あることが好ましい。
【0034】
平板状の発熱体は平面や波形状や渦巻き状または半円形やお椀状であることも可能である。また、焼結によりポーラス状の発熱体としても良い。
【0035】
発熱体の厚みは、好ましくは50μm~500μであり、幅は好ましくは1~70mmであり、長さは0.01~50m範囲で任意に設定できる。厚みを50μm~500μの範囲としたのは、この発熱体を水中に出し入れして瞬間的に高温または冷却された場合に厚み50μでは歪んでしまい、平面を保てないからである。
【0036】
また、ステンレス管に収納するシーズヒーターの場合は、概ヒーターを非電気伝導性の被覆をし、収納するステンレス丸鋼管に収めた後に、丸鋼管を圧し潰した平面板状のシーズヒーター発熱体とすることが出来る。更に、強い発熱量を必要な場合、前記の発熱体を2枚以上積層して管内に収め二重発熱体とするシーズヒーターとした発熱体としても良い。
【0037】
また、口径が5mm~200mm範囲であり、長さが30~500mm範囲の円筒形またはおよび各種角型筒状の発熱体とし、耐熱ガラスまたはおよび耐熱セラミックスまたはおよび耐熱樹脂の容器に収納し、加熱し室内空気を通過させ、浮遊ウイルや臭いなどの殺菌と消去に用いても良い。
【0038】
また、筒状の両端には各種加熱物の入口と出口を配設する。
【0039】
また、発熱体を、平板状およびテープ状/または太さ0.3~3mm範囲の線とし、ループ状に加工した発熱体および又は微細線の積層状および/または網状および/またはポーラス状にし、それらに電気導電防止皮膜材を被覆させ、他の金属および/またはセラミックおよびまたは耐熱樹脂と二枚以上に貼り合わせて積層に加工し、それらの加工発熱体を筒状の収納部に収納し、各種流体を筒の中を通過させながら加熱を処理行うようにしても良い。または、鉄板状加熱調理器または鍋・釜等の調理容器として成形し加熱処理を行うようにしても良い。
【0040】
なお、テープ状の発熱体に電気導伝防止皮膜材を巻き、ステンレス管に収納し、円筒を圧着してテープ状発熱体を挟んだ平面状のシーズヒーターに整形し、又は空隙率は15~97%範囲のポーラス状および積層状の発熱体が望ましい。
【0041】
本発明の発熱体は、合金中における上述の元素の成分比、印加電圧および発熱体の形状を調整すれば、発熱体の発熱量を所望の一定水準に自動調整することができるという優れた特性を示す。
【0042】
なお、本発明の発熱体を抵抗体部とし、その両端部に、端子を設けることができる。用いられる電極としては、良導電性のものであれば、特に限定されるものではなく、銅ないし銅合金、銀等各種のものを用いることができるが、特に、りん青銅を含有する端子を前記抵抗体部と一体成型することが、安定かつ良好な接合を形成できるので望ましい。
【0043】
<本発明の適用例>
本発明は、前述の発熱体に通電して発熱体を発熱させ、発熱体の周囲に存在する気体を加熱し、加熱された気体を送風する温風ヒーターとしてエアコンの吹き出し口に配設し、コンプレッサーを使用せず瞬間温風を提供することができる。
【0044】
また、予備加熱不要の広告用の大型印刷物の瞬間的乾燥ヒーター、予備加熱不要の新聞や書籍などのから印刷する場合の瞬間乾燥ヒーター、予備加熱不要のトナーの瞬間加熱の待ち時間不要のコピー機、加熱による瞬間消去インク製品の予備加熱不要の瞬間消去装置に用いることができる。
【0045】
ポーラ状の発熱体を筒状の中に収納し、浮遊ウイルスや臭い物質含んだ室内空気を通過させそれらの焼却装置に用いることが出来る。
【0046】
この温風ヒーターは居住する部屋、浴室の脱衣場やトイレの暖房に使用できる。また、バスタブに温湯を満たした状態で浴室のドアを閉じ、この温風ヒーターを運転し浴室内空気を循環されば簡易サウナにもなる。
【0047】
また、本発明の発熱体は自動車室内用ヒーターとして用いることもできる。特に、冬場の場合、通常はヒーターをオンにしても最初は冷風が出て暖かくないが、本発明の発熱体は電圧印加後に瞬時に温風を発生することができる。
【0048】
また、靴(長靴を含む)、手袋、ジャケットやズボン等の防寒用具に本発明の発熱体を装着し、バッテリー等で発熱させれば厳冬期でもすぐに暖かくなり、快適なアウトドアライフを楽しむことができる。
【0049】
更に、加熱される気体としての水蒸気を更に再加熱し200~400℃とし、再加熱した過熱水蒸気を調理器具等に使用することができる。
【0050】
また、このような再加熱された過熱水蒸気を用いれば、加熱調理が短時間で可能であり、旨味が食材から逃げず美味しい料理を提供することができる。
【0051】
また、本発明の発熱体はエアーコンディショナーにおける結露防止用のヒーターとして使用することが可能である。
【0052】
本発明によれば、前述の発熱体に通電し発熱体を発熱させ発熱体の周囲に存在する固体を加熱することができる。
【0053】
例えば、発熱体を複写機における印刷紙に付着させたトナーを定着させるトナー熱定着ローラー用ヒーターとすることができる。
【0054】
例えば、熱消去性インクの印刷物の消去装置における印刷紙加熱消去部の加熱用ヒーターとすることができる。
【0055】
また、融雪ヒーター、融氷ヒーターとして利用することができる。融雪ヒーターの一例として、雪掻きスコップや雪掻きシャベルの先端部に本発明の発熱体を装着し通電すれば雪掻きスコップやシャベルの先端部が発熱し、雪掻き作業の効率を極めて向上させることができる。
【0056】
また、金属、プラスチックや紙等を加熱し、該媒体を介して媒体の中の液体、例えば水、茶、コーヒー等の飲料や、保温を必要とする液状油や乳化物等の液体を加熱または保温することもできる。
【0057】
また、水を瞬時に加熱することができることから、湯沸かし器(温水器)、温水シャワーや温水プールや浴槽や水耕栽培水溶液やオンドル型床暖房のパイプ途中で再加熱ヒーターとして蛇口に取り付け、蛇口ごとに給湯使用することができる。
【0058】
さらに、本発明の発熱体は水に接触させても漏電し難いので、発熱体を発熱させ、直接、水等の液体と接触させて瞬時に加熱して温水出す温水器を提供することができる。また、温度を維持させる装置等が必要ないので、温水器をコンパクトにすることができる。
【0059】
さらに、本発明の発熱体は瀬戸物等の電気炉、ピザやナンやパンや魚や焼き鳥などの焼き物等の発熱元、水道管や軽油などの凍結防止等の発熱体として様々な用途に使うことが出来る。
【0060】
また、ステンレス管の中に配設して板状の平面に圧着加工したシーズヒーターとして使うことも出来る。ニクロム線では円形の丸い中空にしてステンレスとニクロム線が接触しないように絶縁体を介して使うが概発熱体は板状又はテープ状なので圧着して板状にしたシーズヒーターにすることが出来る。
【0061】
更に、胃がんや肺がんや乳がん等様々な癌細胞に42~45度の範囲内で短時間加熱し、駆除する医療用体内挿入発熱装置(電磁波印加)にも用いることができる。
【0062】
<その他の適用例>
本発明は、その他、加熱作用を必要とする様々な装置等に適用することができる。例えば、エアコン瞬間発熱温風部・加熱部を含んだ床暖房装置、調理オーブン、ピッザ焼き窯、ポット、フライパン、鉄板調理器、炊飯器、鍋、保温庫、浴槽、温風機、ヘアードライヤー、電気毛布、温風扇、ガラス加熱機、電気炉、真空炭化装置、靴敷き暖房シート、ヘルメット、手袋、潜水服、ダイビング衣、水耕栽培液加熱装置、椅子用シートヒーター、床暖房用シートヒーター、ガラス窓貼り付け加温シート、調理用焼き物コンロ、液送ポンプ、高圧・高熱亜臨界及び臨界装置、医療用オートクレーブ滅菌機、サイクロン式蒸気発生装置、食器洗浄除菌機、衣類乾燥機、各種燃焼装置の着火グローヒーター、コピー機のトナー加熱ヒーター・石油ストーブ発火燃焼発熱部、テレビ受像機・各種医療用又は及び厨房機器加熱消毒除菌置・空気除菌消臭温風機・食品加熱処理及び加工及び乾燥装置・各種給湯器・各種床暖房シート・暖房便座・アイロン・ズボンプレッサー・ポット等にも適用が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9