(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022049674
(43)【公開日】2022-03-29
(54)【発明の名称】接触ラグを有する電気化学セル
(51)【国際特許分類】
H01M 50/559 20210101AFI20220322BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20220322BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20220322BHJP
H01M 50/109 20210101ALI20220322BHJP
H01M 50/547 20210101ALI20220322BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20220322BHJP
H01M 50/202 20210101ALI20220322BHJP
H01M 50/562 20210101ALI20220322BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20220322BHJP
【FI】
H01M50/559
H01M10/058
H01M10/04 Z
H01M50/109
H01M50/547
H01M50/342 101
H01M50/202 301
H01M50/562
H01M50/548 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137956
(22)【出願日】2021-08-26
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2020-10-19
(31)【優先権主張番号】20 2020 105 319.1
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】317008263
【氏名又は名称】ヴァルタ マイクロバッテリー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ネスレ, マルク オリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】シッダンナヴァー, スニール
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H028
5H029
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA01
5H011AA13
5H011CC06
5H012AA04
5H012DD17
5H012FF01
5H028AA07
5H028CC12
5H028HH05
5H029AJ11
5H029AJ12
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL06
5H029AL07
5H029BJ03
5H029BJ14
5H029HJ04
5H040AA14
5H040AT03
5H040DD02
5H040LL01
5H040NN01
5H043AA01
5H043AA04
5H043BA19
5H043CA07
5H043CA12
5H043DA13
5H043JA06D
5H043JA11D
5H043KA06D
5H043KA07D
5H043LA02D
(57)【要約】 (修正有)
【課題】改良された接触ラグを含む電気化学セルを提供する。
【解決手段】以下の特徴を有する電気化学セル400:(a)セルは内部空間を包囲する円筒形ハウジングを含み、円筒形ハウジングは第一端面2及び第二端面を有し、それらの端面は環状シェルによって相互接続される;(b)正極及び負極がハウジングの内部に配置される;(c)負極は直接又は別個の電気伝導体によって第一端面2に電気的に接続されて陰極を構成し、正極は直接又は別個の電気伝導体によって第二端面に電気的に接続されて陽極を構成する:(d)ハウジングの第一又は第二端面に接触ラグ40が固定される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)~(d)の特徴を有し、さらに以下の(e)~(h)の特徴を有する電気化学セル(200;300;400):
(a)セルは、内部空間を包囲する円筒形ハウジングを含み、円筒形ハウジングは、第一端面(2)及び第二端面を有し、それらの端面は、環状シェルによって相互接続されている;
(b)正極及び負極が、ハウジングの内部に配置されている;
(c)負極は、直接又は別個の電気伝導体によって第一端面(2)に電気的に接続されて陰極を構成し、正極は、直接又は別個の電気伝導体によって第二端面に電気的に接続されて陽極を構成している:
(d)ハウジングの第一又は第二端面(2)に接触ラグ(20;30;40)が固定されている;
(e)接触ラグ(20;30;40)は、端面に装着された第一接触接続区域(24;34;44)を含み、そこで接触ラグは端面(2)に固定されている;
(f)接触ラグ(20;30;40)は、外部電気伝導体と電気化学セルの接触接続のために端面に装着された第二接触接続区域(25;35;45)を含む;
(g)第一接触接続区域(24;34;44)と第二接触接続区域(25;35;45)の間の接触ラグ(20;30;40)が、自由振動することができる減衰区域(26;36;46)を含む;
(h)第一接触接続区域(24;34;44)及び減衰区域(26;36;46)は、接触ラグが固定されているハウジングの端面(2)の平面に平行な面において延び、第二接触接続区域(25;35;45)は、前記平面に対して角度をなして延びているか、又は第二接触接続区域(25;35;45)と減衰区域(26;36;46)は同じ平面に配置されている。
【請求項2】
以下の追加の特徴(a)を有する、請求項1に記載の電気化学セル:
(a)減衰区域(26;36;46)は、接触ラグが固定されている端面(2)に直接接続されない。
【請求項3】
以下の追加の特徴(a)~(c)の少なくとも一つを有する、請求項1又は2に記載の電気化学セル:
(a)減衰区域(26;36;46)は、ストリップ形状で構成されている;
(b)減衰区域は、本質的に一定の幅の少なくとも一つのストリップ形状区域を含む;
(c)接触ラグは、第一接触接続区域(24;34;44)から減衰区域(26;36;46)までの移行区域を含み、そこでは接触ラグの幅は、接触ラグの横断面が少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%減少されるように減少している。
【請求項4】
以下の追加の特徴(a)を有する、請求項1~3のいずれかに記載の電気化学セル:
(a)減衰区域(36;46)は、湾曲したプロファイル、特に環状プロファイルをとる。
【請求項5】
以下の追加の特徴(a)~(c)の少なくとも一つを有する、請求項1~4のいずれか、特に請求項4に記載の電気化学セル:
(a)セルは、安全弁(50)を含む;
(b)セル(400)は、破断面の形の安全弁を含む;
(c)減衰区域(36;46)は、安全弁のまわりで湾曲したプロファイルをとる。
【請求項6】
以下の追加の特徴(a)を有する、請求項1~5のいずれかに記載の電気化学セル:
(a)接触ラグ(20;30;40)は、それが固定されている端面(2)の縁を越えて延びている。
【請求項7】
以下の追加の特徴(a)及び(b)を有する、請求項1~6のいずれかに記載の電気化学セル:
(a)セルは、第一接触ラグとして、ハウジングの第一又は第二端面(2)に固定された接触ラグ(20;30;40)を含む;
(b)セルは、第一接触ラグ(20;30;40)が固定された端面(2)とは反対に配置されたハウジングの端面の上に第二接触ラグを含む。
【請求項8】
以下の追加の特徴(a)を有する、請求項7に記載の電気化学セル:
(a)第二接触ラグ(6)は、反対の端面(2)の平面において角度の付いた接触ラグ領域(8)にわたって延びている。
【請求項9】
以下の追加の特徴(a)を有する、請求項1~8のいずれかに記載の電気化学セル:
(a)セルは、回路板に固定されるために構成されている。
【請求項10】
以下の追加の特徴(a)及び(b)の少なくとも一つを有する、請求項1~9のいずれかに記載の電気化学セル:
(a)接触ラグ(20;30;40)(単数又は複数)は、シート金属部品である;
(b)接触ラグ(20;30;40)(単数又は複数)は、型押部品である。
【請求項11】
以下の追加の特徴(a)を有する、請求項1~10のいずれかに記載の電気化学セル:
(a)接触ラグ(20;30;40)(単数又は複数)は、0.05mm~2.5mm、好ましくは0.25mm~2.5mmの範囲の厚さを有する。
【請求項12】
以下の追加の特徴(a)又は(b)を有する、請求項1~11のいずれかに記載の電気化学セル:
(a)接触ラグ(20;30;40)(単数又は複数)は、鋼、特に特殊鋼から構成されている;
(b)接触ラグ(10;30;40)(単数又は複数)は、ニッケル又はニッケルめっき金属又はニッケル合金から構成されている。
【請求項13】
以下の追加の特徴を有する、請求項1~12のいずれかに記載の電気化学セル:
(a)セルは、リチウムイオンセルである。
【請求項14】
以下の追加の特徴(a)~(c)の少なくとも一つを有する、請求項1~13のいずれかに記載の電気化学セル:
(a)セルは、ボタンセルである;
(b)セルは、5mm~25mmの範囲の直径を有する;
(c)セルは、1.5mm~15mm、好ましくは3mm~15mmの範囲の高さを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒形ハウジング及び少なくとも一つの接触ラグ(contact lug)を有する電気化学セルに関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学セルの機能は、エネルギーの貯蔵である。それらは、正極及び負極を含み、それらは、セパレーターによって互いから分離されている。このタイプのエネルギー貯蔵セルでは、電気化学及びエネルギー放出反応が起こり、それは、二つの電気的に相互接続されているが相互に空間的に分離された部分反応から構成されている。比較的低いレドックス電位で起こる部分反応は、負極で進行する。他の部分反応は、正極で比較的高いレドックス電位で起こる。放電時に、電子は、酸化プロセスによって負極で放出され、それは電子流れをもたらし、それは外部負荷により正極に流れ、そこで対応する量の電子が吸収される。従って、正極で還元プロセスが起こる。同時に、電荷均等化の目的のため、電極反応に相当するイオン流れがセル内に存在する。このイオン流れは、セパレーターを通過し、イオン伝導性の電解質によって送出される。
【0003】
二次(再充電可能)電気化学エネルギー貯蔵セルでは、この放電反応は可逆的であり、従ってそれは、放電と関連して、化学エネルギーの電気エネルギーへの変換が逆転することが可能である。
【0004】
ボタンセルのような小さなセルは、特に多数の適用分野を持つ。ボタンセルは、定義によれば、それらの直径より小さい高さを持つセルである。それらは、一般的に円筒形ハウジングを含み、それは、二つの金属ハウジング部品から構成され、それらの部品は、電気的に互いに絶縁され、それらの一方は、陽極として接続され、他方は、陰極として接続される。ハウジングは、一般的に第一及び第二端面を含み、それらは、それぞれ円形又は楕円形の周囲形状をとり、環状シェルによって相互接続されている。
【0005】
電子装置(例えば回路板)においてボタンセルのようなセルを固定するためには、接触ラグが要求されることが頻繁である。接触ラグは、第一に機械的固定手段として機能するが、第二に電気伝導体としても機能する。一般に、一つの接触ラグは、陽極に接続され、第二の接触ラグは、陰極に接続される。ボタンセルのハウジングとの接続は、特にはんだ付け又は溶接によって実施される。
【0006】
技術的な製造上の理由のため、接触ラグは、一般的にボタンセルの端面に適合される。
【0007】
接触ラグの一つを90°曲げることによって、この接触ラグは、反対の端面の側にもたらされることができる。もし接触ラグが同じ平面内にあるなら、その回路板への固定は、特に簡単である。
【0008】
接触ラグを有するセルは、例えばEP3667761A1及びUS2011/001618A1から知られている。
【0009】
近年において、再充電可能なボタンセルは、リチウムイオン技術に基づいて開発されている(例えばWO2010/089152A1参照)。このタイプのボタンセルは、損傷時に、それらの高いエネルギー密度及び容易に燃焼可能な成分が消費者に対する主要な危険を構成しうるという理由で高い安全手段を要求する。
【0010】
ボタンセルのための既知の安全手段は、それらの端面の一つにおける破断面の形成を含む。セル内に圧力しきい値を越える過度の圧力が生じる場合には、ボタンセルのハウジングは、制御された態様で破断面の領域において開放し、過剰の圧力を解放することができる。
【0011】
しかしながら、このタイプの破断面は、破断面を含む端面に接触ラグを溶接すると容易にふさがれてしまう。
【0012】
接触ラグを有するセルでは、さらなる問題が起こり、そこでは接触ラグが、それらがさらされる衝撃、振動(oscillations又はvibrations)に反応してそれらが固定されるそれぞれの端面から脱着されることがある。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、上述の問題に関して、改良された接触ラグを含む電気化学セルを提供する目的に対処する。改良された接触ラグを有するセルは、上述の機械的負荷に対して大きい抵抗性を示し、かつ/又は特に上述の破断面のような圧力解放弁と組み合わせて、改良された安全性によって特徴づけられる。
【0014】
この目的は、請求項1の特徴を有する電気化学セルによって満たされる。この円筒形セルの有利な構成は、従属請求項の主題である。
【0015】
本発明による電気化学セルは、まず以下の特徴によって特徴づけられる:
(a)セルは、内部空間を包囲する円筒形ハウジングを含み、円筒形ハウジングは、第一端面及び第二端面を有し、それらの端面は、環状シェルによって相互接続されている;
(b)正極及び負極が、ハウジングの内部に配置されている;
(c)負極は、直接又は別個の電気伝導体によって第一端面に電気的に接続されて陰極を構成し、正極は、直接又は別個の電気伝導体によって第二端面に電気的に接続されて陽極を構成している:
(d)ハウジングの第一又は第二端面に接触ラグが固定されている。
【0016】
本発明によれば、電気化学セルはさらに、接触ラグに関して、以下の特徴によって特徴づけられる:
(e)接触ラグは、端面に装着された第一接触接続区域を含み、そこで接触ラグは端面に固定されている;
(f)接触ラグは、外部電気伝導体と電気化学セルの接触接続のために端面に装着された第二接触接続区域を含む;
(g)第一接触接続区域と第二接触接続区域の間の接触ラグが、自由振動することができる減衰区域を含む;
(h)第一接触接続区域及び減衰区域は、接触ラグが固定されているハウジングの端面の平面に平行な面において延び、第二接触接続区域は、好ましくは前記平面に対して角度をなして延びている。
【0017】
接触ラグを端面に固定するための端面に装着された第一接触接続区域、及び外部電気伝導体と、特に介在する減衰区域との接触接続のための端面に装着された第二接触接続区域を有する接触ラグの構成によって、本発明によるセルは、電気化学セルの衝撃及び振動感受性に関して有意な改良を達成する。特に、接触ラグの中央領域における減衰区域によって、接触ラグがさらされる衝撃、振動は、緩衝され、かつ減衰されることができ、従って前記衝撃又は振動の大きさの全てが接触接続区域に、特に第一接触接続区域に付与されることはなく、その結果として接触接続区域、特に第一接触接続区域は、振動に対して実質的に保護される。
【0018】
第一接触接続区域における接触ラグの固定は、溶接によって実施されることが一般的であり、例えばレーザー溶接、特に有利な方法では、抵抗溶接がこの目的のために使用される。この目的のために、複数の溶接点、例えば二つ又は四つ又は六つの溶接点が、第一接触接続区域に与えられることができる。従来の電気化学セルでは、セルに作用する衝撃又は振動の結果として、これらの溶接点の一つ以上が傷つけられ、従って端面からの接触ラグの緩み、さらには脱着さえ潜在的に生じるという問題が起こりうる。本発明による電気化学セルでは、この問題は減小され、そこでは接触ラグに作用する衝撃又は振動は、端面に装着された接触接続区域の間に配置される減衰区域によって緩和され、減衰される。
【0019】
上記の本発明によるセルの接触ラグは、従来の接触ラグを置き換えることができる。従来の接触ラグは、接触ラグがセルの端面に固定される平坦な接触接続区域(第一接触接続区域)、及び電気化学セルが外部電気伝導体と接触接続されることができる接触スパイクのみから構成される。この接触スパイクは、狭い突起の形で平坦な接触接続区域の上に直接構成されることが一般的であり、外部電気伝導体が例えば前記接触スパイクにはんだ付け又はクランプされることができるように角度を付けられることができる。角度の付いていない接触スパイクを有する接触ラグの一例は、EP3667761A1の
図1(参照番号106)に示されている。
【0020】
減衰区域によって衝撃又は振動を緩和することによって、第二接触接続区域と外部電気伝導体の間の接続もまた、保護されることができる。従って、例えば第二接触接続区域と外部電気伝導体の間のはんだ付け点又はクランプ点における疲労又は欠陥及び/又はクラックの発現が防止されることができる。
【0021】
任意選択的に、本発明による接触ラグの減衰区域はまた、本発明によるセルに対して損傷効果を持ちうる電磁波をそらし、かつ/又は減衰することができる。
【0022】
上記のように、第二接触接続区域は、好ましい実施形態では、接触ラグが固定される端面の平面に対して角度を付けて延びる。換言すれば、第二接触接続区域は、第一接触接続区域及び減衰区域に対して角度を付けられることが好ましい。90°の角度が特に好ましい。これらの好ましい実施形態では、第二接触接続区域と減衰区域の間の境界は、接触ラグが上で曲げられる湾曲区域によって構成されることが好ましい。この場合において、端面と平行に配向されない接触ラグの区域は、第二接触接続区域である。
【0023】
各場合において、本発明によるセルのハウジングの第一及び第二端面は、円形又は楕円形の周囲形状をとり、環状シェルによって相互接続されることが好ましい。
【0024】
本発明による円筒形セルの製造では、第一接触接続区域、第二接触接続区域、及びそれらの間に配置される減衰区域を有する接触ラグは、平坦な構成要素、例えば型押シート金属部品として最初に構成されることが好ましく、それらの全ての区域は、単一平面内に配置される。この形態では、接触ラグは、第一接触接続区域でセルの端面に固定されることができる。外部電気伝導体と第二接触接続区域の接続を容易にするための第二接触接続区域の曲げ又は角度付けは、後の段階まで実施される必要はない。
【0025】
あるいは、曲げ又は角度付けはまた、端面への接触ラグの固定前に実施されることができる。
【0026】
上述の接触ラグが固定される端面は、セルの陰極を構成する円筒形電気化学セルの端面であることが好ましい。
【0027】
本発明による円筒形セルの特に好ましい構成では、セルは、以下に特定される追加の特徴によって特徴づけられる:
(a)減衰区域は、接触ラグが固定されている端面に直接接続されない。
【0028】
上記で特定される特徴(a)によれば、減衰区域は、端面に間接的にのみ接続される。従って、減衰区域は、第一接触接続区域の自由に振動する範囲をある程度構成し、この自由に振動する範囲は、端部に装着された第二接触接続区域への移行部を形成し、それを介して外部電気伝導体への電気化学セルの接触接続が実施されることができる。
【0029】
特に好ましい態様では、円筒形セルの減衰区域は、以下で特定される特徴(a)~(c)の少なくとも一つによって特徴づけられる:
(a)減衰区域は、ストリップ形状で構成されている;
(b)減衰区域は、本質的に一定の幅を有する少なくとも一つのストリップ形状区域を含む;
(c)接触ラグは、第一接触接続区域から減衰区域までの移行区域を含み、そこでは接触ラグの幅は、接触ラグの横断面が少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%減少されるように減少している。
【0030】
好ましくは、上記の特徴の(a)及び(b)、特に好ましくは上記の特徴(a)~(c)が互いに組み合わせて実現される。
【0031】
本質的に一定の幅を有するストリップ形状区域、又は減衰区域、特にストリップ形状減衰区域が第二接触接続区域の最大長さを少なくとも2倍、特に好ましくは少なくとも4倍越える長さをとることが特に好ましい。
【0032】
本質的に一定の幅を有するストリップ形状区域、又は減衰区域、特にストリップ形状減衰区域が第一接触接続区域の最大長さを少なくとも1.1倍、特に好ましくは少なくとも2倍、特に3倍越えることがさらに好ましい。
【0033】
第一接触接続区域から減衰区域までの移行部の存在は、少なくとも局所的に、接触ラグの幅の、即ち断面のさらなる増加を減衰区域内に含めることを除外しない。
【0034】
移行部における接触ラグの幅の変化は、徐々に又は連続的に増加するように構成されることができる。減衰区域のこの構成によって、接触ラグに作用する第二接触接続区域から生じる振動又は衝撃は、それらが第一接触接続区域に到達する前に、特に効果的な方法で緩和され、減衰されることができる。
【0035】
特に好ましい構成では、減衰区域は、以下の特徴によって特徴づけられる:
(a)減衰区域は、湾曲したプロファイル、特に環状プロファイルをとる。
【0036】
減衰区域の湾曲したプロファイルはまず、相対的に長い長さの減衰区域が達成されることができるという特別な利点を与え、そこでは円筒形セルの端面の限られた表面積が最適な方法で利用されることができる。かくして可能になった減衰区域の拡張によって、衝撃又は振動は、さらに効果的に緩和されることができる。
接触ラグ内の減衰区域は、ある程度、トラック又はストリップ形状であることができ、好ましくは湾曲されることができる。湾曲されたプロファイルは、好ましくは円弧に従うことができる。例えば、減衰区域は、3/4の円の近似形態をとることができる。
【0037】
湾曲したプロファイルを有する減衰区域の構成は、追加の特別な利点をさらに与える。特に、湾曲したプロファイルによって、接触ラグは、端面の中央領域が他の目的のために利用可能であるように、中央領域を空の状態に保つことができる。
【0038】
特に好ましい構成では、本発明によるセルは、以下に特定される特徴(a)~(c)の少なくとも一つによって特徴づけられる:
(a)セルは、安全弁を含む;
(b)セルは、破断面の形の安全弁を含む;
(c)減衰区域は、安全弁のまわりで湾曲したプロファイルをとる。
【0039】
好ましくは、上述の特徴(a)及び(c)の両方、特に好ましくは上述の特徴(a)~(c)が互いに組み合わせて実現される。
【0040】
セル、特にボタンセルのための既知の安全手段が与えられ、そこでは、安全弁、特に破断面の形の安全弁が端面の一つに含められる。特定の圧力しきい値を越える、セル内に構築された過剰な圧力が出現した場合には、予め決められた破壊点を構成する、安全弁(例えば破断面)は、過剰な圧力が解放されることができるように開放することができる。
【0041】
本発明の特に好ましい実施形態では、端面の上述の空の状態の中央領域は、安全目的のため、特に安全弁の位置のために使用される。安全弁、特に破断面は、端面の領域、特に中央領域に位置されることが特に有利であり、中央領域は、接触ラグの湾曲したプロファイルによって空の状態に保たれる。従って、破断面、又は任意選択的に異なる態様で構成される安全弁は、接触ラグによって妨げられないことが達成される。
【0042】
本発明による円筒形セルの接触ラグは、以下に特定される追加の特徴によって特徴づけられることが好ましい:
(a)接触ラグは、それが固定されている端面の縁を越えて延びている。
【0043】
上記のように、本発明によるセルの第一及び第二端面の各々は、円形又は楕円形の周囲形状をとり、環状シェルによって相互接続されることが好ましい。
【0044】
もし第二接触接続区域及び減衰区域が同じ平面に配置されるなら、接触ラグは、それが固定される端面の縁を越えて、好ましくはシェルの周囲を越えて突出することが好ましい。この場合において、端面と係合しない接触ラグの部分は、第二接触接続区域を構成する。第二接触接続区域は、端面と係合しないが、そこから角度を付けられるか、又はそれが固定される端面の縁を越えて突出するので、それは、接触接続のために特に実行可能な方法でアクセス可能であり、従って外部電気伝導体への特に簡単な接続が可能である。例えば、それ自体知られた方法で、第二接触接続区域は、はんだ付け又はクランピングによって電気伝導体(例えばワイヤー)に接続されることができ、従って本発明によるセルのそれぞれの極との接触が構成される。
【0045】
特に好ましい方法では、本発明によるセルは、以下に特定される追加の特徴(a)及び(b)によって特徴づけられる:
(a)セルは、第一接触ラグとして、ハウジングの第一又は第二端面に固定される接触ラグを含む;
(b)セルは、第一接触ラグが固定される端面とは反対に配置されたハウジングの端面の上に第二接触ラグを含む。
【0046】
既に詳細に記載された第一接触ラグに加えて、セルは、反対の端面に固定される、さらなる接触ラグをさらに含むことができる。上述したように、接触ラグは、好ましい実施形態では、90°にわたって曲げることによって反対の端面の側に導かれることができる。対応して、本発明によるセルは、以下に特定される追加の特徴(a)によって特徴づけられることが好ましい:
(a)第二接触ラグは、反対の端面の平面において角度の付いた接触ラグ領域にわたって延びている。
【0047】
角度の付いた接触ラグ領域によって、円筒形セルの両極の接触接続は、セルの一つの側から特に実行可能な方法で実施されることができる。従って、本発明による円筒形セルのこの構成は、例えば、特に好ましい構成で、セルの回路板への簡単な固定を可能にする。
【0048】
第二接触ラグは、例えば上述のEP3667761A1の
図2の参照番号107によって特定された接触ラグのように構成されることができる。
【0049】
従来の円筒形セルでは、特に第一接触ラグは、相対的に小さい構成要素であり、それは、原則として、接触ラグがセルの端面に固定される平坦な接触接続区域、及び接触スパイクの形の第二接触接続区域のみから構成される。この構成要素の小さなサイズは、セル製造プロセスにおける困難性をもたらしうる。なぜならこの小さな構成要素は、端面への接触ラグの固定中に取り扱うことが難しいからである。逆に、本発明による減衰区域を有する接触ラグは、円筒形セルの製造プロセスにおける、特に自動化された製造における接触ラグのためのピックアップ選択が有意に改良され、結果として単純化されるという特別な利点を与え、従って本発明によるセルはまた、製造及びその製造コストに対して特に有利である。それゆえ、本発明によるセルは、自動化された製造のために特に適切である。
【0050】
特に好ましい態様では、本発明による円筒形セルの接触ラグ(単数又は複数)は、以下に特定される追加の特徴(a)及び(b)の少なくとも一つによって特徴づけられる:
(a)接触ラグ(単数又は複数)は、シート金属部品である;
(b)接触ラグ(単数又は複数)は、型押部品である。
【0051】
シート金属部品、特に型押部品の形のものは、極めて簡単にかつコスト効果的に製造されることができ、さらに得られた円筒形セルの重量を有意に増加しない。
【0052】
好ましくは、接触ラグ(単数又は複数)は、極めて薄いシート材料部品である。特に好ましい態様では、本発明による円筒形セルの接触ラグ(単数又は複数)は、接触ラグの厚さに関して、以下に特定された追加の特徴を含むことができる:
(a)接触ラグ(単数又は複数)は、0.05mm~2.5mm、好ましくは0.25mm~2.5mmの範囲の厚さを有する。
【0053】
上述の範囲内の接触ラグの厚さは、接触ラグの十分な安全性を確実にする。他方、接触ラグのこの厚さは、接触ラグの減衰区域における第一接触ラグの十分な振動能力を確実にし、従って結果として第一接触ラグに作用する衝撃又は振動は、特に効果的な方法で緩和され、減衰されることができる。
【0054】
金属材料は、接触ラグ材料として特に適切である。特に好ましい態様では、本発明による円筒形セルは、接触ラグ(単数又は複数)のために使用される材料に対して、以下に特定される追加の特徴を含むことができる:
(a)接触ラグ(単数又は複数)は、鋼、特に特殊鋼から構成される。
【0055】
鋼として、例えば「CRCA鋼」(CRCA=冷間圧延密閉焼鈍)を使用することができる。
【0056】
あるいは、接触ラグ(単数又は複数)はまた、ニッケル又はニッケルめっき金属、又はニッケル合金から構成されることができる。
【0057】
電気化学円筒形セルの特に好ましい構成では、円筒形セルは、リチウムイオンセルである。リチウムイオンセルは、特に高いエネルギー密度によって特徴づけられ、それゆえ特に有利な態様で様々な用途に使用されることができる。リチウムイオンセルと関連して、本発明による第一接触ラグの構成は、リチウムイオンセルの安全性の側面がまた、特定の方法で考慮されているという点でさらに利点を与える。特に、本発明による第一接触ラグは、安全弁、特に破断面が妨げられないように、特に湾曲した形で減衰区域の構成のための選択肢を与える。
【0058】
本発明による円筒形セルの特に好ましい構成では、セルは、以下に特定される追加の特徴の少なくとも一つによって特徴づけられる:
(a)セルは、ボタンセルである;
(b)セルは、5mm~25mmの範囲の直径を有する;
(c)セルは、1.5mm~15mm、好ましくは3mm~15mmの範囲の高さを有する。
【0059】
好ましくは、上記の特徴の(a)及び(b)、又は(a)及び(c)、特に好ましくは上記の特徴の(a),(b)及び(c)は、互いに組み合わせて実現される。
【0060】
本発明によるセルのハウジングは、二つの金属ハウジング部品から形成されることが好ましく、それらは、カップ形状で構成されることが好ましい。それぞれ好ましい円形ベースに加えて、それらは、中空円筒形シェルを含むことが好ましい。ベースの外側は、上述の端面を構成することが好ましい。
【0061】
二つの金属ハウジング部品間には、環状プラスチックシールが配置されることが好ましく、それは、ハウジング部品を互いから電気的に絶縁する。シールはさらに、セルの流体封止閉鎖を確実にする。
【0062】
ハウジング部品は、例えばニッケルめっきされた鋼又は鋼材料から構成されることができる。三つの金属の組み合わせ、例えばニッケル、鋼(又は特殊鋼)及び銅の配列を有する金属材料も考えられる。一つのハウジング部品はアルミニウム又はアルミニウム合金から構成され、他は鋼又は三金属材料から構成されることも考えられる。
【0063】
セルの電極は、好ましくはストリップ形態で構成され、複合巻き体の構成要素であり、それは、ハウジングの内部空間に配置される。これは、巻き軸のまわりに螺旋状に巻かれる少なくとも二つのストリップ電極(正極及び負極)、及び巻き軸のまわりに螺旋状に巻かれる少なくとも一つのセパレーターストリップから構成されることが好ましい。好ましくは、複合巻き体はまた、円柱体として構成され、同様に対応して二つの円形の端面を含むことが好ましい。
【0064】
複合巻き体の端面は、好ましくは少なくとも一つのセパレーターストリップの長手方向の縁によって構成され、円形の相互に平行なハウジングベースの方向に向けられ、従って巻き軸は、垂直方向に又は本質的にハウジングベースに平行に向けられる。巻き軸及び円柱軸は、一致することが好ましい。このタイプの例示的な複合巻き体は、特にWO2010/089152A1に記載されている。
【0065】
正極及び負極はともに、電極材料で被覆されたストリップ形状金属電流コレクターを含むことが好ましい。電流コレクターの機能は、最大可能な表面積にわたる電極材料の電気接触接続である。それらは、一般的に、例えば金属箔又は金属フォーム又は金属被覆布のストリップ形状平坦金属物質から構成される。
【0066】
ハウジング部品と電極の電気接触接続のために、これらの電流コレクターは、ハウジング部品に、好ましくはハウジング部品のベースの内側に直接溶接されることができる。あるいは、電流コレクターはまた、別個の電気伝導体に溶接されることができ、それは、次にハウジング部品に電気的に接続される。
【0067】
特に、本発明によるセルの電極のための電極材料として、リチウムイオンを取り込み、次いで放出することができる全ての材料が考えられる。二次リチウムイオンシステムの負極について、グラファイトのような炭素ベース材料、又はリチウムのインターカレーションが可能なノングラファイト炭素ベース材料が特に好適である。二次リチウムイオンシステムの正極について、例えばリチウム金属酸化物化合物及びリチウム金属燐酸化合物(例えばLiCoO2及びLiFePO4)が考えられる。
【0068】
電極は、電極結合剤及び導電剤をさらに含むことができる。電極結合剤は、電極の機械安定性を確実にし、電気化学的に活性な材料の粒子の相互接触接続のため、及び電流コレクターとのその接触接続のための役割を持つ。カーボンブラックのような導電剤は、電極の電気伝導性を高める。
【0069】
電極は、適切な電解質に含侵されることが好ましい。
【0070】
本発明はさらに、本発明による上述の電気化学セルを製造するための方法を含む。原則として、この製造方法は主に、端面に装着された第一接触接続区域、及び端面に装着された第二接触接続区域に加えて、それらの間に介在する減衰区域を含む上述の第一接触ラグの使用によって円筒形セルの製造のための従来方法とは異なる。
【0071】
好ましくは、その製造方法によれば、それ自体知られた方法で、例えば複合巻き体の形の対応して作られた電極は、円筒形セルのハウジングの内部に導入され、ハウジングは、閉鎖され、任意選択的に封止され、電極は、円筒形セルの極又は端面と接触接続される。円筒形セルの端面の少なくとも一方の上に、減衰区域を有する接触ラグ(第一接触ラグ)が固定され、そこでは、ハウジングの端面への接触ラグの固定は、もっぱら第一接触接続区域において実施される。この目的のため、例えば複数の溶接点が与えられることができ、それらは、抵抗溶接又はレーザー溶接法を使用する溶接によって形成される。第一接触接続区域の後に続く接触ラグの減衰区域は、端面に直接接続されず、従って自由振動することができる。この減衰区域の終わりに、第二接触接続区域が設けられ、それは、それ自体知られた方法で、外部電気伝導体と接触ラグの、従ってセルのそれぞれの極の接触接続のために与えられる。
【0072】
本発明のさらなる特徴及び利点は、図面と結合して例示的な実施形態の以下の記載から明らかになるだろう。個々の特徴は、それぞれ単独で又は相互に組み合わせて実現されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】
図1は、第一接触ラグ及び第二接触ラグを有する、従来技術からのボタンセルの斜視図を示す。
【
図2】
図2は、円筒形セルの一つの端面に固定された従来技術からの(部分的な)接触ラグの斜視図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の好ましい実施形態で円筒形セルの一つの端面に固定された接触ラグの図を示す。
【
図4】
図4は、本発明のさらに好ましい実施形態による円筒形セルの一つの端面に固定された接触ラグの図を示す。
【
図5】
図5は、円筒形セルの一つの端面に固定された本発明による(部分的な)接触ラグのさらに好ましい実施形態の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0074】
図1は、従来技術からのボタンセル1の斜視図を示す。ここで見ることができる上部の端面2は、ボタンセル1の陰極を構成し、下方に面する端面(見えず)は、ボタンセル1の陽極を構成する。端面2には、接触ラグ3が固定され、それは、平坦な第一接触接続区域4と接触スパイクの形の第二接触接続区域5に分割される。接触ラグは、第一接触接続区域4において、ボタンセル1の端面2に固定される。外部電気伝導体への接続は、第二接触接続区域5によって実施される。本ケースでは、外部電気伝導体は、セルが例えば回路板又は同様物に直接的に又は間接的に接続される電気伝導体として理解される。ボタンセル1はさらに、さらなる接触ラグ6を含む。さらなる接触ラグ6は、接触ラグ6が下方に面する端面に固定される第一接触接続区域7、角度の付いた接触ラグ区域8、及び外部電気伝導体との接触接続が反対の端面2の領域で実施されることができる、さらなる接触接続区域9に分割される。このタイプのボタンセルは、例えばEP3667761A1から知られている。
【0075】
図2は、従来技術から同様に知られかつ原則として
図1による接触ラグ3のように構造化される接触ラグ3を示す。接触ラグ3の第一接触接続区域4は、四つの個々の溶接点41によってボタンセルの端面2に固定される。第二接触接続区域5は、接触ラグ3のこの形態では、端面2の平面に、従って同時に第一接触接続区域4の平面に対して角度の付いた位置に位置され、第二接触接続区域5は、外部電気伝導体との接触接続のために明確にアクセス可能である。
【0076】
接触ラグ内の減衰区域のそれぞれの提供によって
図3~5で表わされる本発明による接触ラグの構成は、従来技術による接触ラグ3が衝撃及び振動に対して特に受けやすいという問題を解決する。
【0077】
図3は、ボタンセル200の端面2の上に設けられた、本発明による接触ラグ20の特に好ましい実施形態を示す。接触ラグ20は、接触ラグ20をボタンセル200の端面2に固定する個々の溶接点241を有する第一接触接続区域24を含む。端面に装着された第二接触接続区域25は、外部電気伝導体と円筒形セル200の接触接続のためにさらに与えられる。第一接触接続区域24と第二接触接続区域25の間に、減衰区域26が与えられ、それは、この実施形態の形では、ストリップ形状であり、第一接触接続区域24より狭い幅である。接触ラグは、第一接触接続区域24から減衰区域26までの移行部28を含み、そこでは接触ラグの幅は、接触ラグの断面積が少なくとも50%減少するように減少する。第二接触接続区域25は、90°湾曲し、従って第一接触接続区域24及び減衰区域26に対して垂直にかつ軸方向に配向される。第二接触接続区域25への湾曲された移行部のすぐ先で、減衰区域26は、さらに先細りになる。
【0078】
図4は、本発明による接触ラグ30のさらに特に好ましい実施形態を示す。ボタンセル300の端面2への接触ラグ30の固定のために使用される個々の接触点又は溶接点341を有する第一接触接続区域34に加えて、接触ラグ30は、この場合において第二接触接続区域35をさらに含み、それは、外部電気伝導体とセル300の電気接触接続のために90°湾曲される。第一接触接続区域34と第二接触接続区域35の間に、減衰区域36が設けられ、それは、この実施形態では、湾曲したストリップ形状をとる。この構成では、減衰区域36の湾曲した形は、減衰区域36のプロファイルにおける二つの方向変化によって達成される。接触ラグは、第一接触接続区域34から減衰区域36までの移行部38を含み、そこでは接触ラグの幅は、接触ラグの断面積が少なくとも50%減少するように減少する。
【0079】
図5は、第一接触接続区域44を有する接触ラグ40のさらに特に好ましい実施形態を示し、第一接触接続区域44は、四つの溶接点441又は匹敵する接触点によって円筒形セル400の端面2に固定される。接触ラグ40の他端には、第二接触接続区域45が設けられ、それによって外部電気伝導体との接触接続が実施されることができる。
図5に示された図では、第二接触接続区域45の角度付けを見ることができる。従って、第二接触接続区域45は、第一接触接続区域44及び減衰区域46がある平面からほぼ直角に湾曲されている。第二接触接続区域45と減衰区域46の間の境界は、曲げ線58に沿って延びる。減衰区域46は、ストリップ形状の湾曲プロファイルをとり、それは、ほぼ3/4の円を描く。減衰区域46のこの湾曲によって、相対的に長い減衰区域46が、同時に制限された空間条件とともに構成される。衝撃又は振動は、かくして最適に減衰されることができる。
【0080】
減衰区域46の円形の湾曲、特に弧は、他の目的のために使用されうる、特に円筒形セル400の端面2の中央領域の露出又は凹所をさらに可能にする。
図6に示された円筒形セル400の構成では、特に端面2のこの中央領域において、安全弁50が破断膜の形で与えられる。減衰区域46の円形の湾曲及び弧の結果として、安全弁50は、妨げられず、さらにいかなる破断プロセスも損われない。
【0081】
この実施形態では、第二接触接続区域45は、二つの側方ウイング47を含み、それらによって外部電気伝導体との接触接続は、クリンププロセス又はクランプ法によって支持されることができ、そこではウイング47は電気伝導体のまわりで曲げられる。
【0082】
全体として、従来の接触ラグ(例えば
図1又は2参照)と比較して、減衰区域によって特徴づけられる、本発明による円筒形セルの第一接触ラグによって、第一接触接続区域の固定点の使用寿命は、延ばされることができ、前記固定点を傷つける衝撃又は振動は、緩和される。同じことは、原則として第二接触接続区域の接続にも当てはまる。従って、減衰区域は、接触ラグの接触接続区域から衝撃又は振動をそらす。
【0083】
図3及び4の各々において、第二接触ラグのさらなる接触接続区域9をさらに見ることができ、それは、セル200及び300が例えば回路板上で特に簡単な方法で接触接続されることができるように、円筒形セルの外部シェル表面のまわりで端面2の平面への反対の端面からの接触を導く。