(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022049685
(43)【公開日】2022-03-29
(54)【発明の名称】付加製造のための試験物品及び関連方法
(51)【国際特許分類】
B22F 10/20 20210101AFI20220322BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20220322BHJP
B22F 10/30 20210101ALI20220322BHJP
B22F 10/80 20210101ALI20220322BHJP
C22C 14/00 20060101ALN20220322BHJP
B22F 10/28 20210101ALN20220322BHJP
B22F 10/25 20210101ALN20220322BHJP
B22F 1/00 20220101ALN20220322BHJP
【FI】
B22F10/20
B33Y80/00
B22F10/30
B22F10/80
C22C14/00 Z
B22F10/28
B22F10/25
B22F1/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021149824
(22)【出願日】2021-09-15
(31)【優先権主張番号】17/022,259
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】クレイ・トーマス・グリフィス
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・チャールズ・ウッズ
(72)【発明者】
【氏名】ティファニー・ミューラー・クラフト
(72)【発明者】
【氏名】エヴァン・ジョン・ドジエ
(72)【発明者】
【氏名】エリック・エイカー・マクノエル
【テーマコード(参考)】
4K018
【Fターム(参考)】
4K018AA06
4K018AA09
4K018AA10
4K018AA24
4K018AA33
4K018BA03
4K018BA04
4K018BA13
4K018BA17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】付加製造のための試験物品及び関連する方法を提供する。
【解決手段】形成された試験物品は、前面(202)と、前面(202)に水平に対向する後面(204)とを有する本体(200)を含むことができる。本体(200)の前面(202)と後面(204)との間に延在する第1の表面(210)は、本体(200)をビルドプレートに取り外し可能に結合するための複数の突出部(212、234)を含むことができる。本体(200)上の第2の表面(220)は、本体(200)の前面(202)と後面(204)との間に延在してもよく、複数の傾斜平坦面部分(220a~f、240a~f)を含んでもよい。複数の傾斜平坦面部分(220a~f、240a~f)の各々は、本体(200)の水平面に対して別個の角度を有することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面(202)、及び前記前面(202)の反対側の後面(204)を有する本体(200)と、
前記本体(200)の前記前面(202)と前記後面(204)との間に延在し、前記本体(200)をビルドプレート(118)に取り外し可能に結合するための複数の突出部(212、234)を含む第1の表面(210)と、
前記本体(200)の前記前面(202)と前記後面(204)との間に延在し、複数の傾斜平坦面部分(220a~f、240a~f)を含む前記本体(200)上の第2の表面(220)であって、前記複数の傾斜平坦面部分(220a~f、240a~f)の各々は水平面に対して別個の角度を有し、前記複数の傾斜平坦面部分(220a~f、240a~f)における隣接する各傾斜表面平坦面部分(220a~f、240a~f)の間の角度差は、実質的に均一である、第2の表面(220)と
を備える、付加製造(AM)によって形成される試験物品(104)。
【請求項2】
前記第1の表面(210)の反対側の、前記本体(200)の前記前面(202)と前記後面(204)との間の第3の表面(230)と、
前記本体(200)の前記第3の表面(230)に取り外し可能に結合された試験部材(232)と
をさらに備え、前記本体(200)の前記第3の表面(230)の上方の前記試験部材(232)の高さが前記ビルドプレート(118)上に製造された追加の構成要素に基づく、請求項1に記載の試験物品(104)。
【請求項3】
前記本体(200)内に開口部(262b)をさらに備え、前記開口部(262b)が、前記本体(200)の前記前面(202)から前記本体(200)の前記後面(204)まで延在する、請求項1に記載の試験物品(104)。
【請求項4】
前記本体(200)内の前記開口部(262b)は、前記本体(200)内の複数の開口部(260、262)を備え、前記本体(200)内の前記複数の開口部(260、262)の各々は別個の幾何学的プロファイルを有する、請求項3に記載の試験物品(104)。
【請求項5】
前記本体(200)の前記前面(202)内に少なくとも1つの曲線チャネル(270)をさらに備え、前記少なくとも1つの曲線チャネル(270)は最大でも部分的に前記本体(200)内に延在し、前記後面(204)はその中にチャネルが存在しない、請求項1に記載の試験物品(104)。
【請求項6】
前面(202)、及び前記前面(202)の反対側の後面(204)を有する本体(200)と、
前記本体(200)の前記前面(202)と前記後面(204)との間に延在し、前記本体(200)をビルドプレート(118)に取り外し可能に結合するための複数の突出部(212、234)を含む、前記本体(200)上の第1の表面(210)と、
前記本体(200)の前記前面(202)と前記後面(204)との間に延在し、第1の複数の傾斜平坦面部分(220a~f、240a~f)を含む前記本体(200)上の第2の表面(220)であって、前記第1の複数の傾斜平坦面部分(220a~f、240a~f)の各々は水平面に対して別個の角度を有し、隣接する各傾斜平坦面部分(220a~f、240a~f)の間の角度差は、前記第1の複数の傾斜平坦面部分(220a~f、240a~f)において実質的に均一である、第2の表面(220)と、
前記第1の表面(210)の反対側の、前記前面(202)と前記後面(204)との間に延在する前記本体(200)上の第3の表面(230)と、
前記第2の表面(220)の反対側にあり、前記前面(202)と前記後面(204)との間に延在し、第2の複数の傾斜平坦面部分(220a~f、240a~f)を含む前記本体(200)上の第4の表面(240)であって、前記第2の複数の傾斜平坦面部分(220a~f、240a~f)の各々は前記水平面に対して別個の角度を有し、隣接する各傾斜平坦面部分(220a~f、240a~f)の間の角度差は、前記第2の複数の傾斜平坦面部分(220a~f、240a~f)において実質的に均一である、第4の表面(240)と、
前記本体(200)上で前記前面(202)と前記後面(204)との間にあり、前記第1の表面(210)と前記第2の表面(220)又は前記第3の表面(230)の一方との間に延在する少なくとも1つの湾曲面(250)部分(272)と
を備える、付加製造(AM)によって形成される試験物品(104)。
【請求項7】
前記本体(200)の前記第3の表面(230)に取り外し可能に結合された試験部材(232)をさらに備え、前記本体(200)の前記第3の表面(230)の上方の前記試験部材(232)の高さは前記ビルドプレート(118)上に製造された追加の構成要素に基づく、請求項6に記載の試験物品(104)。
【請求項8】
前記第1又は第2の複数の傾斜平坦面部分(220a~f、240a~f)の各々の別個の角度が、前記水平面に対して約30度~約80度である、請求項6に記載の試験物品(104)。
【請求項9】
前記第1又は第2の複数の傾斜平坦面部分(220a~f、240a~f)の隣接する各傾斜平坦面部分(220a~f、240a~f)間の角度差が、約10度である、請求項8に記載の試験物品(104)。
【請求項10】
前記本体(200)内に開口部(262b)をさらに備え、前記開口部(262b)が前記本体(200)の前記前面(202)から前記本体(200)の前記後面(204)まで延在する、請求項6に記載の試験物品(104)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、付加製造技術に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、試験物品及び関連方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
従来の金属構成要素の製造は、一般に、材料のスラブからある領域をフライス削り又は切断してから、その切断された材料に加工及び修正を行うことにより、部品を作製することを含み、これについてはコンピュータモデルを使用して、例えばドラフティングソフトウェアで事前にシミュレートすることができる。金属から形成することができる製造構成要素としては、例えば航空機エンジン又は発電システムなどのターボ機械内に設置するための、翼形部構成要素が挙げられる。付加製造(AM)は、材料の除去ではなく、材料の連続的な層形成により構成要素を作製する様々なプロセスを含む。そのため、付加製造では、いかなる種類の工具、金型、又は固定具も使用することなく、かつ材料をほとんど又は全く無駄にすることなく、複雑な幾何学的形状を作成することができる。材料の中実ビレットから構成要素を機械加工して、その大半を切断して廃棄するのではなく、付加製造では、構成要素を成形するために必要となる材料のみが使用される。付加製造技術は、通常、形成予定の構成要素の三次元コンピュータ支援設計(CAD)ファイルを取得することと、この構成要素を、例えば18~102マイクロメートル厚の層に電子的にスライスすることと、ベクトル、画像又は座標を含む各層の二次元画像を有するファイルを作成することとを含む。次いで、構成要素を異なるタイプの付加製造システムによって造形することができるように、ファイルを解釈する準備ソフトウェアシステムにこのファイルをロードすることができる。3D印刷、ラピッドプロトタイピング(RP)、及び直接デジタル製造(DDM)形式の付加製造では、材料層を選択的に分注、焼結、溶融、形成、堆積させるなどして構成要素を形成する。
【0003】
直接金属レーザ溶融(DMLM)(選択的レーザ溶融(SLM)とも呼ばれる)などの金属粉末付加製造技術では、金属粉末層を共に順次溶融して構成要素を形成する。より具体的には、金属粉末床上のアプリケータを使用して微細な金属粉末層を均一に分散した後、これらを順次溶融させる。各アプリケータは、金属製、プラスチック製、セラミック製、炭素繊維製、又はゴム製のリップ、ブラシ、ブレード、又はローラの形態にある、金属粉末をビルドプレート上に均一に広げるアプリケータ要素を含む。金属粉末床は、垂直軸に沿って移動させることができる。プロセスは、精密に制御された雰囲気を有する処理チャンバ内で行われる。ひとたび各層が作成されると、金属粉末を選択的に溶融させることによって、構成要素の幾何学的形状の各二次元スライスを溶融させることができる。この溶融を100ワットのイッテルビウムレーザなどの高出力溶融ビームによって実行することにより、金属粉末を完全に溶接(溶融)して中実金属を形成する。この溶融ビームはX-Y方向に移動又は偏向され、金属粉末を完全に溶接(溶融)して中実金属を形成するのに十分な強度を有する。後続の二次元層ごとに金属粉末床を下げてもよく、構成要素が完全に形成されるまでプロセスを繰り返す。
【0004】
付加製造は、高可変構成要素を作製するための効率的かつ効果的な機構であることが証明されている。しかしながら、部品自体の設計、及び/又は付加製造装置の根本的な問題から、欠陥が生じる可能性がある。多くの場合、部品上の欠陥が、製造される部品の元の設計に関係しない問題に起因するかどうかを識別することは困難である可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示の態様は、付加製造(AM)によって形成される試験物品を提供し、試験物品は、前面、及び前面の反対側の後面を有する本体と、本体の前面と後面との間に延在し、本体をビルドプレートに取り外し可能に結合するための複数の突出部を含む第1の表面と、本体の前面と後面との間に延在する本体上の第2の表面とを含み、第2の表面は複数の傾斜平坦面部分を含み、複数の傾斜平坦面部分の各々は水平面に対して別個の角度を有し、複数の傾斜平坦面部分における隣接する各傾斜平坦面部分の間の角度差は実質的に均一である。
【0006】
本開示のさらなる態様は、付加製造(AM)によって形成された試験物品を提供し、試験物品は、前面、及び前面の反対側の後面を有する本体と、本体の前面と後面との間に延在し、本体をビルドプレートに取り外し可能に結合するための複数の突出部を含む本体上の第1の表面と、本体の前面と後面との間に延在する本体上の第2の表面であって、第1の複数の傾斜平坦面部分を含み、第1の複数の傾斜平坦面部分の各々は水平面に対して別個の角度を有し、第1の複数の傾斜平坦面部分における隣接する各傾斜平坦面部分の間の角度差は実質的に均一である、第2の表面と、第1の表面の反対側で、前面と後面との間に延在する本体上の第3の表面と、第2の表面の反対側で、前面と後面との間に延在する本体上の第4の表面であって、第2の複数の傾斜平坦面部分を含み、第2の複数の傾斜平坦面部分の各々は水平面に対して別個の角度を有し、第2の複数の傾斜平坦面部分における隣接する各傾斜平坦面部分の間の角度差は実質的に均一である、第4の表面と、前面と後面との間の本体上にあり、第1の表面と第2の表面又は第3の表面の一方との間に延在する少なくとも1つの曲面部分とを含む。
【0007】
本開示の別の態様は、付加製造(AM)システムにおいて造形品質を試験するための方法を提供し、この方法は、ビルドプレート上にAMシステムを用いて構成要素を形成することであって、構成要素は水平面に対する少なくとも1つの傾斜面部分を含む、形成することと、ビルドプレート上にAMシステムを用いて試験物品を形成することであって、試験物品はビルドプレートに取り外し可能に結合された第1の表面、及び第1の複数の傾斜平坦面部分を有する第2の表面を含む本体を含み、第1の複数の傾斜平坦面部分の各々は水平面に対して別個の角度を有し、第1の複数の傾斜平坦面部分における隣接する各傾斜平坦面部分の間の角度差は実質的に均一である、形成することと、第1の複数の傾斜平坦面部分のうちの少なくとも1つを構成要素の幾何学的仕様と比較することと、比較に基づいて、構成要素に欠陥が含まれているかどうかを評価することとを含む。
【0008】
本発明のこれらの及び他の特徴は、本発明の様々な実施形態を描く添付図面と併せて、本発明の様々な態様の以下の詳細な説明から、より容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施形態による、試験物品を表すコードを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む、例示的な付加製造システム及びプロセスのブロック図である。
【
図2】本開示の実施形態による、試験物品の第1の斜視図である。
【
図3】本開示の実施形態による、試験物品の第2の斜視図である。
【
図4】本開示の実施形態による、試験物品の平面図である。
【
図5】本開示の実施形態による、試験物品からの密度ブロックの斜視図である。
【
図6】本開示の実施形態による、試験物品のサンプル半径窓の拡大平面図である。
【
図7】本開示の実施形態による、取り付け固定具内にあり、形状測定装置で測定可能な試験物品の斜視図である。
【
図8】本開示の実施形態による、付加製造によって同時に形成された試験物品及び部品の斜視図である。
【
図9】本開示の実施形態による、付加製造(AM)システムにおける造形品質を試験する方法の例示的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の図面は一定の比率ではないことに留意されたい。図面は、本発明の典型的な態様だけを示すことを目的としており、したがって、本発明の範囲を限定するものと見なすべきではない。図面において、類似する符号は、図面間で類似の要素を表す。
【0011】
上述のように、本開示は、付加製造(AM)によって形成された試験物品、並びにAMシステムの造形品質及び/又は他の関連パラメータを試験するために試験物品を使用するための関連方法を提供する。本開示の実施形態による1つ又は複数の試験物品は、単一のビルドプレート及び/又はAMシステム上で1つ又は複数の構成要素と共に製造することができる。構成要素は、実際の装置(例えば、ターボ機械及び/又は他の機械的ハードウェア)で使用するために組み立てられてもよいが、試験物品は、場合によっては、装置で実質的に実用的には使用されないことがある。ターボ機械の場合、付加製造された構成要素は、様々な例において、ホイール、ダイアフラム、シュラウドなどを含む翼形部及び/又は非翼形部構造を含むことができる。試験物品は、構成要素と共に造形された結果として、AMシステム内の様々な設定、例えば、試験物品の理想的な形状(例えば、本明細書で説明されるような幾何学的仕様として記憶される)とは異なる平坦な傾斜面、湾曲部、開口部などによって引き起こされる構造アーチファクトを有する。
【0012】
本開示の実施形態は、検査員が、幾何学的仕様の様々な属性と付加製造された試験物品の属性を比較して、例えば、AMシステムが誤った較正がされているかどうか、欠陥構成要素を有するかどうかなどを判定することを可能にする。さらに、本開示の実施形態による試験物品は、機能部品を作製するために使用される材料の造形品質を判定するために(例えば、顕微鏡又は他のツールを使用して)取り付け、分析することもできる。本開示の実施形態による試験物品を作製する顕著な利点は、実際の構成要素を目視検査することなく、同時に製造された構成要素の同様の欠陥を検出できることである。これは、例えば、構成要素の形状及びサイズが構成要素の物理的属性を物理的に検査することを困難又は不可能にする場合に、特に有益であり得る。さらなる例では、試験物品は、AM構成要素102の材料を物理的に損傷することなくAM構成要素102の物理的特性を分析するために、応力下に配置、分解、破壊などされ得る。
【0013】
ここで図面を参照すると、いくつかの図を通して同様の符号は同様の要素を示しており、
図1は、最初に付加製造(AM)構成要素102、及び少なくとも1つの試験物品104を生成するための例示的なコンピュータ化された金属粉末付加製造システム100(以下、「AMシステム100」)の概略/ブロック図を示す。AM構成要素102は、単一の大きなAM構成要素又は複数のAM構成要素を含むことができ、例示を容易にするために、単一のAM構成要素102のみが示されている。同様に、複数の試験物品104は、AMシステム100を用いて、1つ又は複数のAM構成要素102と共に形成されてもよい。本開示の教示内容は、AMシステム100を使用して造形されるAM構成要素102に適用することができる。AMシステム100では、例えば4つのレーザ110、112、114、116などの複数の溶融ビーム源を使用しているが、本開示の教示内容は、任意の数、すなわち1つ又は複数の溶融ビーム源を使用して、複数のAM構成要素102又は単一のAM構成要素102を造形するためにも等しく適用可能であることをここで強調し、またこれが容易に認識されるものとする。
【0014】
本例では、AMシステム100が直接金属レーザ溶融(DMLM)用に配置されている。本開示の全体的な教示内容は、例えば直接金属レーザ焼結(DMLS)、選択的レーザ焼結(SLS)、電子ビーム溶融(EBM)、及び場合によっては付加製造の他の形態が挙げられるがこれらに限定されない、他の形態の金属粉末付加製造に等しく適用することができる。AM構成要素102を、翼形部の幾何学的プロファイルを有する要素として
図1に例示しているが、内部開口部を有し、かつビルドプレート118上に形成される任意の形状のAM構成要素、様々な種類のAM構成要素、及び多数のAM構成要素を作製するにあたり、付加製造プロセスを容易に適合させることができると理解される。
【0015】
AMシステム100は、概して金属粉末付加製造制御システム120(「制御システム」)と、AMプリンタ122とを含む。後述するように、制御システム120は、複数の溶融ビーム源110、112、114、116を使用してAM構成要素102及び試験物品104を生成するための、コンピュータ実行可能命令のセット又はプログラムコード124を実行する。図示の例では、4つの溶融ビーム源は4つのレーザを含んでもよい。しかしながら、本開示の教示は、任意の溶融ビーム源、例えば電子ビーム、レーザなどに適用可能である。制御システム120は、コンピュータプログラムコードとしてコンピュータ126に実装されて示されている。この意味において、メモリ130及び/又はストレージシステム132、プロセッサユニット(PU)134、入出力(I/O)インターフェース136、及びバス138を含むものとして、コンピュータ126を示している。さらに、外部I/O装置又はリソース140及びストレージシステム132と通信しているものとして、コンピュータ126を示している。
【0016】
プロセッサユニット(PU)134は通常、メモリ130及び/又はストレージシステム132に記憶されているコンピュータプログラムコード124を実行する。コンピュータプログラムコード124を実行している間、プロセッサユニット(PU)134は、メモリ130、ストレージシステム132、I/O装置140及び/又はAMプリンタ122に対してデータを読み書きすることができる。バス138は、コンピュータ126の各々の構成要素間における通信リンクを提供し、またI/O装置140は、ユーザがコンピュータ126と対話できるようにする任意の装置(例えば、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイなど)を備えることができる。コンピュータ126は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにおいて多様に想定できるものの代表にすぎない。例えば、プロセッサユニット(PU)134は単一のプロセッシングユニットを備えてもよく、あるいはプロセッサユニット(PU)134を、例えばクライアント及びサーバ上などの1つ又は複数の場所で1つ又は複数のプロセッシングユニットに分散させてもよい。同様に、メモリ130及び/又はストレージシステム132は、1つ又は複数の物理的な場所に存在してもよい。メモリ130及び/又はストレージシステム132は、磁気媒体、光学媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)などを含む様々な種類の非一時的コンピュータ可読記憶媒体の任意の組み合わせを含むことができる。コンピュータ126は、産業用コントローラ、ネットワークサーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、ハンドヘルド装置などの任意の種類のコンピューティング装置を含むことができる。
【0017】
上記のように、AMシステム100、及び具体的には制御システム120は、プログラムコード124を実行してAM構成要素102及び/又は試験物品104を生成する。プログラムコード124はとりわけ、AMプリンタ122又は他のシステム部品を作動させるためのコンピュータ実行可能命令のセット(本明細書では「システムコード124S」と呼ぶ)、並びにAMプリンタ122によって物理的に生成されるAM構成要素(複数可)102及び/又は試験物品104を定義するコンピュータ実行可能命令のセット(本明細書では「オブジェクトコード124O」と呼ぶ)を含むことができる。本明細書に記載しているように、付加製造プロセスは、プログラムコード124を記憶している非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ130、ストレージシステム132など)から開始される。AMプリンタ122を作動させるためのコンピュータ実行可能命令のセットは、AMプリンタ122を作動させることが可能な、既知又は今後開発される任意のソフトウェアコードを含んでもよい。
【0018】
AM構成要素102及び/又は試験物品104を定義するオブジェクトコード124Oは、AM構成要素102及び/又は試験物品104の正確に定義された3Dモデルを含むことができ、AutoCAD(登録商標)、TurboCAD(登録商標)、DesignCAD 3D Maxなどの多様な周知のコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアシステムのいずれかから生成することができる。この点に関して、オブジェクトコード124Oは、任意の既知又は今後開発されるファイルフォーマットを含むことができる。さらに、AM構成要素102を表すオブジェクトコード124Oを、異なるフォーマット間で変換してもよい。例えば、オブジェクトコード124Oは、3DシステムのステレオリソグラフィCADプログラム用に作成された標準テッセレーション言語(STL)ファイル、又は米国機械学会(ASME)の規格であり、任意のAMプリンタ上で作製される任意の三次元AM構成要素の形状及び構成を任意のCADソフトウェアが記述できるように設計された、拡張可能なマークアップ言語(XML)ベースのフォーマットである付加製造ファイル(AMF)を含んでもよい。AM構成要素102を表すオブジェクトコード124Oをさらにデータ信号のセットへと変換して送信し、かつデータ信号のセットとして受信し、また必要に応じてコードに変換し、記憶させるなどしてもよい。いずれにせよ、オブジェクトコード124OはAMシステム100への入力であり得ると共に、部品設計者、知的財産(IP)提供者、設計会社、AMシステム100のオペレータ若しくは所有者、又は他の提供源からもたらされるものであってもよい。いずれにせよ、制御システム120はシステムコード124S及びオブジェクトコード124Oを実行して、AM構成要素102及び/又は試験物品104を一連の薄いスライスに分割し、この一連の薄いスライスは、AMプリンタ122を使用して材料の連続層で組み立てられる。
【0019】
AMプリンタ122は、AM構成要素102及び/又は試験物品104の印刷を行うための制御された雰囲気として、例えばレーザに対する設定圧力及び設定温度、又は電子ビーム溶融のための真空を提供するように密閉された処理チャンバ142を含んでもよい。AM構成要素102及び/又は試験物品104が造形されるビルドプレート118は、処理チャンバ142内に位置決めされる。いくつかの溶融ビーム源110、112、114、116は、ビルドプレート118上の金属粉末の層を溶融させてAM構成要素102及び/又は試験物品104を生成するように構成される。本明細書では4つの溶融ビーム源110、112、114、116について記載しているが、本開示の教示内容は、例えば1つ、2つ、3つ、若しくは5つ又はそれ以上の任意の数のビーム源を使用するシステムに適用可能であることを強調しておく。
【0020】
引き続き
図1を参照すると、アプリケータ164は、空白キャンバスとして広がる原材料166の薄層を作成することができ、ここから最終的なAM構成要素の一連のスライスがそれぞれ形成されることになる。アプリケータ164は、線形搬送システム168の制御下で移動してもよい。線形搬送システム168は、アプリケータ164を移動させるための既知又は今後開発される任意の配置構成を含んでもよい。一実施形態では、線形搬送システム168は、ビルドプレート118の両側に延在している一対の対向レール170、172と、アプリケータ164をレール170、172に沿って移動させるためにアプリケータ164に結合される、電気モータなどの線形アクチュエータ174とを含んでもよい。アプリケータ164を移動させるために、制御システム120によって線形アクチュエータ174を制御する。他の形態の線形搬送システムを同様に採用してもよい。アプリケータ164は様々な形態をとってもよい。一実施形態では、アプリケータ164は、対向レール170、172に沿って移動するように構成された部材176と、原材料の層を形成するために金属粉末をビルドプレート118上に、すなわちビルドプレート118又は以前に形成されたAM構成要素102及び/又は試験物品104の層上に均一に広げるように構成された、チップ、ブレード又はブラシの形態のアクチュエータ要素(
図1には示さず)とを含むことができる。このアクチュエータ要素を、ホルダ(図示せず)を使用して任意の数の方法で部材176に結合してもよい。
【0021】
本プロセスでは、金属粉末の形態をとる様々な原材料166を使用してもよい。原材料166を、いくつかの方法でアプリケータ164に供給してもよい。
図1に示す一実施形態では、原材料166のストックを、アプリケータ164によってアクセス可能なチャンバの形態の原材料源178内に保持してもよい。他の配置構成では、アプリケータ164を通して、例えばそのアプリケータ要素の前にある部材176を通して、ビルドプレート118上に原材料を送達してもよい。いずれにせよ、オーバーフローチャンバ179をアプリケータ164の反対側に設けて、ビルドプレート118上に成層されない原材料のあらゆる溢出を捕捉してもよい。
図1では、1つのアプリケータ164のみを示している。いくつかの実施形態では、アプリケータ164を複数のアプリケータの中の1つとしてもよく、その場合は、アプリケータ164がアクティブアプリケータとなり、他の交換用アプリケータ(図示せず)は、線形搬送システム168と共に使用するために保管される。使用済みアプリケータ(図示せず)を、それ以上使用することができなくなった後に同様に保管してもよい。
【0022】
一実施形態では、AM構成要素102及び/又は試験物品104を、純金属又は合金を含み得る金属で作製してもよい。一例では、金属は、例えば、コバルトクロムモリブデン(CoCrMo)合金、ステンレス鋼、オーステナイトニッケル-クロム基合金、例えばニッケル-クロム-モリブデン-ニオブ合金(NiCrMoNb)(例えば、Inconel 625又はInconel 718)、ニッケル-クロム-鉄-モリブデン合金(NiCrFeMo)(例えば、Haynes International,Inc.から入手可能なHastelloy(登録商標)X)、又はニッケル-クロム-コバルト-モリブデン合金(NiCrCoMo)(例えば、Haynes International,Inc.から入手可能なHaynes282)を含むが、これらに限定されない、実質的に任意の非反応性金属粉末、すなわち非爆発性又は非導電性粉末を含んでもよい。別の例では、金属は、例えば工具鋼(例えば、H13)、チタン合金(例えば、Ti6Al4V)、ステンレス鋼(例えば、316L)、コバルト-クロム合金(例えば、CoCrMo)、及びアルミニウム合金(例えば、AlSi10Mg)を含むが、これらに限定されない実質的に任意の金属を含んでもよい。別の例では、金属は、例えば、Inconel 738、MarM247又はCM247のようなニッケル基超合金を含むが、これらに限定されないガンマプライム硬化超合金、あるいは、例えばIN738LC、Rene108、FSX414、X-40、X-45、MAR-M509、MAR-M302又はMerl 72/Polymet972という商標名で知られるものを含むが、これらに限定されないコバルト基超合金を含んでもよい。
【0023】
使用する特定の種類の溶融ビーム源に合わせて、処理チャンバ142内の雰囲気を制御する。例えば、レーザの場合、アルゴン又は窒素などの不活性ガスで処理チャンバ142を充填し、酸素を最小限化又は排除するように制御してもよい。ここで、制御システム120は、不活性ガスの供給源182からの処理チャンバ142内の不活性ガス混合物180の流れを制御するように構成される。この場合、制御システム120は、ポンプ184、及び/又は不活性ガス用のフローバルブシステム186を制御して、ガス混合物180の含有量を制御してもよい。このフローバルブシステム186は、特定のガスの流れを精密に制御することができる、1つ又は複数のコンピュータ制御可能なバルブ、フローセンサ、温度センサ、圧力センサなどを含んでもよい。ポンプ184は、バルブシステム186を備えていても備えていなくてもよい。ポンプ184を省略する場合、不活性ガスは処理チャンバ142に導入される前に、導管又はマニホールドに単に進入することができる。不活性ガスの供給源182は、その中に含有される物質に合わせて、例えばタンク、リザーバ又は他の供給源などの、任意の従来型供給源の形態をとってもよい。ガス混合物180を測定するのに必要となる、任意のセンサ(図示せず)を設けてもよい。ガス混合物180を、フィルタ188を使用して従来の方法で濾過してもよい。代替的に、電子ビームの場合、真空を維持するように処理チャンバ142を制御してもよい。ここで、制御システム120はポンプ184を制御して真空を維持してもよく、またフローバルブシステム186、不活性ガスの供給源182、及び/又はフィルタ188を省略してもよい。真空を維持するために必要となる、任意のセンサ(図示せず)を採用してもよい。
【0024】
垂直調整システム190が、新たな層の追加にそれぞれ対応するためにAMプリンタ122の各種部品の位置を垂直方向に調整するように設けられてもよく、例えば、各層後にビルドプレート118を引き下げ、かつ/又はチャンバ142及び/又はアプリケータ164を引き上げてもよい。垂直調整システム190は、そのような調整を提供するために、制御システム120の制御下にある、既知又は今後開発される任意の線形アクチュエータを含んでもよい。
【0025】
作動中、金属粉末が置かれたビルドプレート118を処理チャンバ142内に設け、制御システム120が処理チャンバ142内の雰囲気を制御する。制御システム120はまた、AMプリンタ122、特にアプリケータ164(例えば、線形アクチュエータ174)及び溶融ビーム源110、112、114、116を制御し、ビルドプレート118上の金属粉末の層を連続的に溶融させて、本開示の実施形態によるAM構成要素102及び/又は試験物品104を生成する。上記のように、AMプリンタ122の各種部品は垂直調整システム190を介して垂直に移動して、新たな層の追加にそれぞれ対応することができ、例えば、各層後にビルドプレート118を引き下げ、かつ/又はチャンバ142及び/又はアプリケータ164を引き上げてもよい。
【0026】
ここで
図2~
図4を参照すると、本開示の実施形態による試験物品104の実施形態が示されている。試験物品104の正面斜視図及び背面斜視図を、それぞれ
図2及び
図3のX-Y-Z空間に示す。
図4は、特定の幾何学的特徴を示すための追加の注釈を有する、X-Z平面における試験物品104の平面図を提供する。試験物品104は、本明細書の他の箇所に記載されているように付加製造(AM)によって形成されてもよく、AM構成要素102(
図1)と同時に形成されてもよい。試験物品104は、AM構成要素102とは異なる構造であってもよく、試験物品104と同じビルドプレート(例えば、ビルドプレート118)上に形成されたAM構成要素102の造形品質を分析するための様々な幾何学的特徴を含んでもよい。
【0027】
試験物品104は、第1の方向(例えば、
図2~
図4の正のY方向)に配向された前面202と、第2の方向(例えば、
図2~
図4の負のY方向)に配向された後面204とを有する本体200を含んでもよい。説明の便宜上、「前方」は正のY方向を示し、「後方」は負のY方向を示し、「水平」はX軸の方向を示し、「垂直」はY軸の方向を示す。これらの用語は、試験物品104が見られる視点に基づいて交換及び/又は置換され得ることが理解される。本体200は、
図1に関連して記載したような、任意の金属粉末付加製造プロセスによって作製することができる。本明細書で論じる本体200及びその様々な構成要素は、上述の金属粉末のいずれかを使用して作製することができる。そのような材料は、本明細書の他の箇所で述べている様々なレーザ焼結可能な例示的金属及び/又は他の付加製造材料のうちの1つ又は複数と共に、又はその代用として使用することができる。そのような場合、本体200は、アルミニウム、チタン、ニッケル、コバルト、鉄、及び/又は既知又は今後開発される他の金属を含んでもよい。鋳造金属はさらに、ステンレス鋼、鋼ベースの複合材料、合金、超合金、及び/又は鋳造によって形成できる他の材料のうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0028】
試験物品104の本体200は、試験物品104の物理的属性に基づいて、例えばAMシステム100内のAM構成要素102の造形品質を試験するための様々な構造的特徴を含むことができる。例えば、試験物品104は、前面202と後面204との間に延在する本体200上の第1の表面210、例えば最下部の垂直面を含んでもよい。第1の表面210は、本体200をビルドプレート118に取り外し可能に結合するための複数の突出部212を含むことができる(
図1)。各突出部212は、例えば、それらの間に開口部を有する付加製造可能な材料の複数の薄い支持体を形成することによって形成され、本体200をその下のビルドプレート118からより容易に取り外すことを可能にすることができる。したがって、AMシステム100を使用して試験物品104が形成される場合、本体200は、第1の表面210においてビルドプレート118に取り外し可能に結合されてもよい。
【0029】
本体200は、本体200の前面202と後面204との間に延在する第2の表面220を含むことができる。第2の表面220は、第1の複数の傾斜平坦面部分(それぞれ220a、220b、220c、220d、220e、220fとして別々に識別される)を含んでもよく、場合によっては第1の複数の傾斜平坦面部分によって画定されてもよい。
図2~
図4には一例として6つの傾斜平坦面部分220a、220b、220c、220d、220e、220fが設けられているが、試験物品104の第2の表面220内には、わずか2つの傾斜平坦面部分、又は数十以上の傾斜平坦面部分が形成されてもよいことが理解される。傾斜平坦面部分220a、220b、220c、220d、220e、220fは、実質的に平面状、すなわち、二次元構造を有し、それらの二次元平面に垂直な方向の成分を実質的に有しないことによって、「平坦」であると見なすことができる。したがって、各傾斜平坦面部分220a、220b、220c、220d、220e、220fは、X-Y、Y-Z、及び/又はX-Z平面内に完全に含有されていなくてもよく、これらの平面のいずれか又はすべてに対してある角度で延在するそれぞれの平面内で実質的に二次元状であってもよいことが理解される。
【0030】
特に
図4を参照すると、各傾斜平坦面部分220a、220b、220c、220d、220e、220fは、水平面(すなわち、X軸の平面)に対して別個の角度を有してもよい。各傾斜平坦面部分220a、220b、220c、220d、220e、220fの別個の角度は、本体200の水平軸に対して測定することができる。本体200の水平軸の射影が、水平軸に対して別個の角度(Θ
1、Θ
2、Θ
3、Θ
4、Θ
5、Θ
6)を有し得る各傾斜平坦面部分220a、220b、220c、220d、220e、220fに対して仮想線で示されている。一具体例によれば、隣接する各平坦面部分の水平軸に対する角度は、順次所定量ずつ増加又は減少してもよい。
【0031】
試験物品104の各傾斜平坦面部分220a、220b、220c、220d、220e、220fは、AM構成要素102(
図1)に傾斜面を形成するAMシステム100(
図1)の能力、及び所定の角度におけるそのような表面の造形品質を示すことができる。一例によれば、角度Θ
1、Θ
2、Θ
3、Θ
4、Θ
5、Θ
6は、水平軸に対して約30度から約80度まで及ぶことができるが、他の範囲も可能である。30度から80度の範囲の場合、各平坦面部分220a、220b、220c、220d、220e、220fは、その隣接部分に対して例えば約10度の角度差を有することができる。この場合、角度Θ
1、Θ
2、Θ
3、Θ
4、Θ
5、Θ
6はそれぞれ、水平軸に対して約30度、40度、50度、60度、70度、80度とすることができる。任意の考えられる配置構成における他の角度及び/又は角度差も可能であることが理解される。隣接する各平坦面部分220a、220b、220c、220d、220e、220fの間の角度差は、実質的に均一であってもよい。本明細書で使用される「実質的に均一」という用語は、1つの傾斜平坦面部分とその隣接する傾斜平坦面部分との間の角度差が、すべての傾斜平坦面部分220a、220b、220c、220d、220e、220fについて実質的に同じであることを指す。この文脈における「実質的に」という用語は、隣接する傾斜平坦面部分間の角度差が約3度以下だけ異なり得ることを意味してもよい。例えば、傾斜平坦面部分220a、220b、220c、220d、220e、220fは、その隣接する傾斜平坦面部分と約10度の角度差を有するように設計することができる。しかしながら、この場合の角度差のいくつかは、約7度又は約13度までであってもよい。さらなる例では、角度差は、8度から12度、9度から11度、9.5度から10.5度などの範囲であってもよい。さらなる文脈では、「実質的に均一」という用語は、隣接する各傾斜平坦面部分220a、220b、220c、220d、220e、220fの間の角度差が観察者にとって同一に見えることを意味してもよい。
【0032】
図2及び
図5を一緒に参照すると、試験物品104の本体200は、前面202と後面204との間に延在する第3の表面230を含むことができる。第3の表面230は、第1の表面210の反対側にあってもよく、したがって、図示のように、本体200の最上面を画定してもよい(
図2)。第3の表面230は、AMシステム100の造形品質を試験するための追加構造のための付着点として、任意選択で構造化することができる。したがって、試験物品104は、本体200の第3の表面230上に位置決めされ、取り外し可能に結合された試験部材232(
図5に拡大図を示す)を含むことができる。突出部234のセットは、本体200の第1の表面210上の突出部212と構造が同様又は同一であってもよく、したがって、AMシステム100での製造後に試験部材232を本体200から取り外すことを可能にしてもよい。
【0033】
試験部材232は、本体200と同じ材料で形成されてもよく、ビルドプレート118(
図1)の上方のAM構成要素102(
図5)の高さH
C(
図5のみ)よりも小さいか、又は最大でもほぼ等しい本体200の上方の高さH
TMを有してもよい。
図5の試験部材232の高さH
TMは、AM構成要素102の高さH
Cよりも著しく低いものとして示されている。他の場合には、試験物品104の全高H
TS(
図2)は、AM構成要素102の高さH
Cにほぼ等しくてもよい。そのような状況では、試験部材232の高さH
TMは、試験構造104の高さの大部分を表すことができる。しかしながら、実施されると、試験部材232の高さH
TMは、やはりビルドプレート118上に形成されるAM構成要素102の高さに少なくとも部分的に基づいてもよい。試験部材232は、例えば、材料密度がいくつかの垂直位置で(すなわち、Z軸に沿って)均一であるか、及び/又は少なくとも目標に等しいかどうかを試験するために使用することができる。
【0034】
図2~
図4に戻ると、本体200は、本体200の前面202と後面204との間に延在する第4の表面240を含むことができる。第4の表面240は、第2の表面220と同様又は同一であってもよいが、垂直方向下向きに傾斜した表面の造形品質を検査するように成形されてもよい。したがって、第4の表面240は、第2の複数の傾斜平坦面部分(それぞれ240a、240b、240c、240d、240e、240fとして別個に識別される)を含んでもよい。
図2~
図4には一例として6つの傾斜平坦面部分240a、240b、240c、240d、240e、240fが設けられているが、試験物品104の第4の表面240内には、わずか2つの傾斜平坦面部分、又は数十以上の傾斜平坦面部分が形成されてもよいことが理解される。部分220a、220b、220c、220d、220eと同様の傾斜平坦面部分240a、240b、240c、240d、240e、240fは、他の「平坦」構成要素に関して本明細書の他の箇所で説明するように、実質的に平面状であることによって「平坦」と考えることができる。
【0035】
特に
図4を参照すると、各傾斜平坦面部分240a、240b、240c、240d、240e、240fは、水平面(すなわち、X軸の平面)に対して別個の角度を有してもよい。各傾斜平坦面部分240a、240b、240c、240d、240e、240fの別個の角度は、本体200の水平軸に対して測定することができる。本体200の水平軸の射影は、水平軸に対して別個の角度(λ
1、λ
2、λ
3、λ
4、λ
5、λ
6)を有してもよい各傾斜平坦面部分240a、240b、240c、240d、240e、240fに対して仮想線で示されている。一具体例によれば、隣接する各平坦面部分の水平軸に対する角度は、順次所定量ずつ増加又は減少してもよい。
【0036】
試験物品104の各傾斜平坦面部分240a、240b、240c、240d、240e、240fは、AM部品102(
図1)に傾斜面を形成するAMシステム100(
図1)の能力、及び所定の角度におけるそのような表面の造形品質を示すことができる。一例によれば、角度λ
1、λ
2、λ
3、λ
4、λ
5、λ
6は、水平軸に対して約30度から約80度に及ぶことができるが、他の範囲も可能である。30度から80度の範囲の場合、各平坦面部分240a、240b、240c、240d、240e、240fは、その隣接部分に対して例えば約10度の角度差を有することができる。この場合、角度λ
1、λ
2、λ
3、λ
4、λ
5、λ
6は、水平軸に対してそれぞれ約30度、40度、50度、60度、70度、80度であってもよい。任意の考えられる配置構成における他の角度及び/又は角度差も可能であることが理解される。このため、各隣接部の平坦面部分240a、240b、240c、240d、240e、240f間の角度差は、実質的に均一となってもよい。第2の表面220及び第4の表面240は共に、試験物品104がAM部品102(
図1)の上向き及び下向きの傾斜面の造形品質を示すことを可能にする。
【0037】
本体200は、AM構成要素102上の非線形表面の造形品質を示すために、前面202と後面204との間に1つ又は複数の湾曲面250をさらに含むことができる。一例として2つの湾曲面250が本体200上に示されているが、より多数又はより少数の湾曲面250が設けられてもよいことが理解される。湾曲面250は、例えば、X-Z平面内で、第1の表面210と第2の表面220との間で、第3の表面230と第4の表面240との間で、及び/又は様々な代替構成でのこれらの表面のさらなる組み合わせの間で延在してもよい。複数の湾曲面250が含まれる実施形態では、各湾曲面250の長さ、曲率、及び/又は他の属性は、任意選択で、複数の湾曲幾何形状の造形品質をさらに示すために互いに異なっていてもよい。本体200に含まれる場合、各湾曲面250は、例えば約50ミリメートル(mm)の所定の半径、又は隣接する第1の表面210及び/又は第3の表面230の水平長さの約半分の半径を有することができる。
【0038】
試験物品104は、任意選択で、本体200内に1つ以上の開口部260を含んでもよい。開口部260は、含まれる場合、本体200の前面202から本体200の後面204まで延在してもよい。開口部260は、任意の考えられる形状及び/又はサイズであってもよく、開口部260の内側のそのような表面の造形品質を示すために、平坦な、平坦で傾斜した、及び/又は湾曲した表面の組み合わせを含んでもよい。AM構成要素102の造形品質をさらに示すために、開口部260は、その中に支持部材を含まなくてもよい。すなわち、開口部260内において、試験物品104の横方向に延在する構成要素は存在しなくてもよい。検査員、プローブなどがアクセスできない、AM構成要素(複数可)102内の類似の開口部が欠陥を含有するかどうかをよりよく示すために、開口部(複数可)260内から支持部材を省略することができる。
【0039】
ここで
図2~
図4及び
図6を参照すると、本開示の実施形態は、本体200内に複数の開口部262を含むことができる。複数の開口部262は、例えば、複数の開口部262の各開口部が別個の幾何学的プロファイルを特徴とするという点で、開口部260と異なっていてもよい。複数の開口部262の各開口部の別個の幾何学的プロファイルにより、試験物品104は、複数の本体200を使用せずに、複数のタイプの開口部の造形品質を同時に示すことができる。
図6に具体的に示すように、複数の開口部262は、丸みを帯びた開口部262a、部分的に丸みを帯びた開口部262b(すなわち、直線状の辺が湾曲部分に接続されている)、部分的に長方形の開口部262c(すなわち、直線状の辺が湾曲した角部に接続されている)、及び長方形の開口部262dなどの幾何学的形状を特徴とすることができる。複数の開口部262内のさらなる幾何学的形状も可能であり、
図2~
図4及び
図6に示す例は非限定的な例である。さらなる実施態様では、開口部262は、同様の形状であるが別個の半径を有することができる。例えば、開口部262のうちの1つ又は複数は、湾曲面(例えば、90度の角度)を有していなくてもよく、さらなる開口部は、半径が徐々に増加する湾曲面(例えば、0.25ミリメートル(mm)、0.50mm、0.75mmなど)を有する。隣接する開口部262の半径は、線形的に(例えば、一定の差によって)、及び/又はランダム若しくは指数関数的に増加してもよい。さらに、開口部262は、上向き、下向き、及び/又は互い違いの水平方向に向けられた同じ半径を有してもよく、又はさらなる実施態様では方向性フェージングに基づいて変化してもよい。しかしながら、実施されると、複数の開口部262を有する試験物品104は、本明細書に記載されるように、取り付けられ、顕微鏡、形状測定装置などのツールを用いて検査されてもよい。
【0040】
図2に示すように、試験物品104は、追加的又は代替的に、例えば、本体200内に1つ又は複数の曲線チャネル270を含んでもよい。曲線チャネル270は、本体200の一方の面(例えば、前面202)のみに形成され、他方の対向面(例えば、後面204)に形成されなくてもよい。さらなる例では、曲線チャネル270は、本体200の前面202及び後面204に形成されてもよい。曲線チャネル270は、開口部260及び/又は複数の開口部262とは異なり、一方の面(例えば、前面202)から他方の面(例えば、後面204)に延在することなく、最大でも部分的に本体200内に延在することができる。曲線チャネル270は、試験物品104に形成されると、AM構成要素102(
図1)内に形成された同様のチャネルの造形品質を示すことができる。
【0041】
曲線チャネル270は、AM構成要素102の構造内の薄壁の造形品質を試験する能力を提供することができる。この特徴を提供するために、2つの曲線チャネル270の間の前面202の部分272は、最大で曲線チャネル270の一方に等しい厚さ(例えば、最大で約5ミリメートル)を有することができる。部分272の厚さを最大でその隣接する曲線チャネル270のサイズに等しくなるように制限することにより、試験物品104は、そのような壁を本体200の他の場所に形成することなく、薄壁の造形品質を示すことができる。さらに、後面204が曲線チャネル270を含まない場合、試験物品104は、より大きな平坦面の造形品質を示すことができる。したがって、試験物品104の少なくとも一部は、平坦面の造形品質を示すために、開口部260、複数の開口部262、及び/又は曲線チャネル270を含まなくてもよい。
【0042】
ここで
図7を参照して、AM構成要素102(
図1)の造形品質を評価するために試験物品104を使用する方法について説明する。
図7は、ビルドプレート118(
図1)から取り外された後の試験物品104を示す。試験物品104は、試験物品104を内部に受容するように成形された取り付け固定具280内に設置されてもよい。次いで、取り付け固定具280を、試験物品104の物理的プロファイル及び/又は他の特徴を測定するために、形状測定装置282の動作走査範囲内に設置することができる。形状測定装置282は、そのトポグラフィに基づいて物体の表面形状を測定するための任意の既知又は今後開発される計測器の形態をとることができる。形状測定装置282は、例えば、表面粗さ、曲率、平坦度などを測定することができてもよい。形状測定装置282は、繊維ベース及び/又は顕微鏡ベースの計測器などの接触ベースの計測器及び/又は非接触ベースの計測器、及び/又は同一又は同様の機能を実行するための任意の他の装置であってもよい。しかしながら、実施されると、形状測定装置282は、本明細書で論じられる試験物品104の任意の/すべての物理的属性を測定することができてもよい。さらに、形状測定装置282は、分析のためにそのような属性を定量化して、同じビルドプレート118上で、かつ/又は同じAMシステム100を用いて作製したAM構成要素102の造形品質を評価することができる。さらなる実施態様では、試験物品104は、ポリマーに取り付けられ、研磨され、顕微鏡下で観察されることによって冶金分析に使用することができる。さらに別の実施態様では、試験物品104は、AM構成要素102の材料を直接損傷することなくAM構成要素102の弾性を試験するために、部分的又は完全に破壊及び/又は分解することができる。
【0043】
図8に示すように、AM構成要素102は、試験物品104が、AMシステム100が使用される事例を正確に表すことを保証するために、1つ又は複数の試験物品104と同時に製造することができる。
図8に示す例では、ビルドプレート118上に一緒に形成される1つのAM構成要素102及び4つの試験物品104が示されている。AM構成要素102は、試験物品104上の傾斜平坦面部分220a、220b、220c、220d、220e、220f、240a、240b、240c、240d、240e、240fのうちの1つ又は複数と同じ配向又は類似の配向を有することができる少なくとも1つの傾斜面290を含むことができる。しかしながら、2つ以上のAM構成要素102、及び/又は4つより多数又は少数の試験物品104がビルドプレート118上に形成されてもよいことが理解される。この場合、AM構成要素102の様々な属性(例えば、密度、チャネル形状、壁形状、傾斜面の配向など)は、試験物品104に基づき、AM構成要素102を直接分析することなく決定することができる。
【0044】
ここで
図9はAMシステム100における造形品質を試験するための方法の例示的なフロー図を提供するが、
図2、
図8、及び
図9を一緒に参照して、本開示による方法をさらに詳細に説明する。本開示による方法のプロセスP1は、AMシステム100を用いてAM構成要素102を形成することを含むことができ、AM構成要素102は少なくとも1つの傾斜面を含む。AM構成要素102内の傾斜面は、水平軸(例えば、
図2、
図8のX軸方向又はY軸方向)に対して任意の考えられる角度で延在してもよく、AM構成要素102が製造された後に観察者に視認可能であっても、視認不可能であってもよい。本開示の実施形態のプロセスP2は、プロセスP1と同時に行われてもよく、ビルドプレート118上に1つ以上の試験物品104を形成することを含むことができる。試験物品104は、本明細書で説明するように、
図2~
図6に示す特徴のいずれか又はすべてを含むことができる。試験物品104は、特定の例では、ビルドプレート118に取り外し可能に結合された少なくとも第1の表面210を含んでもよい。試験物品104はまた、本明細書で説明するように、各々が水平面に対して別個の角度を有する複数の傾斜平坦面部分220a、220b、220c、220d、220e、220fを含む第2の表面210を含むことができる。本明細書でも説明するように、隣接する各平坦面部分210a、210b、210c、210d、210e、210fの間の角度差は、均一(例えば、約10度)であってもよい。
【0045】
本開示の方法のプロセスP3は、試験物品104の1つ又は複数の属性(例えば、傾斜平坦面部分220a、220b、220c、220d、220e、220fのうちの少なくとも1つ)をAM構成要素102の幾何学的仕様と比較することを含むことができる。本明細書で使用される「幾何学的仕様」という用語は、AM構成要素102に欠陥がないこと又は欠陥がない可能性が高いことを示す、試験構造104の目標及び/又は理想的なパラメータのライブラリを指すことができる。幾何学的仕様は、例えば、ルックアップテーブル、アルゴリズム、及び/又は物理的パラメータ(例えば、形状測定装置282(
図7)を使用して測定される)を基準値と比較するための他の解決策の形態をとることができる。幾何学的仕様は、例えば、目標角度方向、目標密度、幾何学的プロファイル、曲率、及び/又は他の属性のうちの1つ又は複数を含むことができる。いくつかの実装形態では、幾何学的仕様は、例えば、制御システム120、及び/又は形状測定装置282の内部メモリ内に含まれてもよい。
【0046】
本開示の実施形態のプロセスP4は、試験物品104と幾何学的仕様との比較に基づいて、AM構成要素102が欠陥を含むかどうかを評価することを含むことができる。AM構成要素102が欠陥を含むかどうかの評価は、試験物品104と幾何学的仕様との間の比較のみに基づくことができ、AM構成要素102又はその一部(例えば、傾斜面290)の直接的な分析には基づいていないことが強調される。プロセスP4での評価のためにプロセスP3において比較される特定の属性は、実装間で異なってもよい。一例では、プロセスP3は、傾斜平坦面部分220a、220b、220c、220d、220e、220f、及び/又は傾斜平坦面部分240a、240b、240c、240d、240e、240fの角度方向を幾何学的仕様の基準値と比較することを含むことができる。測定された角度方向が幾何学的仕様における目標値と異なるとプロセスP4で評価された場合、AM構成要素102は、欠陥を有すると見なされる場合がある。別の例では、プロセスP3は、AM構成要素102の試験部材232の密度を幾何学的仕様における基準密度と比較することを含むことができる。測定された密度が幾何学的仕様における目標密度と異なるとプロセスP4で評価された場合、AM構成要素102は欠陥を有すると見なされる場合がある。さらに別の例では、試験物品104の曲線チャネル270のチャネル曲率が、プロセスP4での評価により幾何学的仕様の目標曲率と異なる場合、AM構成要素102は欠陥を有すると見なされる場合がある。さらに別の例では、開口部260及び/又は複数の開口部262の幾何学的プロファイルが、幾何学的仕様における目標プロファイルと閾値量だけ異なる場合、AM構成要素102は欠陥を有すると見なされる場合がある。そのような例は非限定的であり、AM部品102が欠陥を有するかどうかを評価するために、試験物品104の任意の考えられる属性を幾何学的仕様の1つ又は複数の対応する値と比較することができることが理解される。
【0047】
本開示の実施形態は、いくつかの技術的及び商業的利点を提供し、そのうちのいくつかを例として本明細書で説明する。試験物品104は、AM構成要素102の直接分析を必要とせずに分析することができる(例えば、形状測定装置282を使用する)、いくつかの物理的属性を有する単一の構造を提供する。試験物品104の分析は、AM構成要素102の部分的な分解及び再組み立て、並びに/又はAM構成要素102の傷つきやすい物理的構造を直接分析するために必要となる他の操作及び/又は機器を回避することができる。追加的に、試験物品104は、修正を必要とせずに、いくつかの種類のAM構成要素102のために製造することができる。AM構成要素102に対する試験物品104のコンパクトなサイズはまた、追加の製造材料の使用をほとんど必要としない場合がある。したがって、試験物品104の製造及び分析は、同様の多様なグループの機械及び/又は技術的用途のための多種多様な製造手法に容易に統合することができる。
【0048】
なお、いくつかの代替的な実施形態では、記載している動作が記載した順序から外れて実行されることがあり、又は例えば、関連する動作に応じて実質的に同時に、又は逆の順序で実際に実行される場合がある。さらに、当業者であれば、別のプロセスを追加してもよいことが認識されよう。
【0049】
本明細書で使用される専門用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「この(the)」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数形も含むことを意図している。「備える(comprise)」及び/又は「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用する場合、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素が存在することを明示するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループが存在すること又は追加することを除外しないことがさらに理解されよう。「任意選択の」又は「任意選択で」は、その後に記載される事象又は状況が生じても生じなくてもよいこと、並びに事象が生じる事例及び生じない事例をその記載が含むことを意味する。
【0050】
本明細書及び特許請求の範囲を通してここで使用される、近似を表す文言は、関連する基本的機能に変化をもたらすことなく、差し支えない程度に変動し得る任意の量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「およそ(about)」、「約(approximately)」、及び「実質的に(substantially)」などの1つ又は複数の用語で修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似を表す文言は、値を測定するための計測器の精度に対応することができる。ここで、並びに本明細書及び特許請求の範囲を通して、範囲の限定は組み合わせ及び/又は置き換えが可能であり、文脈及び文言が特に指示しない限り、このような範囲は特定され、それに包含されるすべての部分範囲を含む。範囲の特定の値に適用される「約」は、両端の値に適用され、値を測定する計測器の精度に特に依存しない限り、記載された値の+/-10%を示すことができる。
【0051】
以下の特許請求の範囲におけるミーンズプラスファンクション又はステッププラスファンクションの要素すべての、対応する構造、材料、動作、及び均等物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせてその機能を実施するための、一切の構造、材料、又は動作を包含することを意図している。本開示の記述は、例示及び説明の目的で提示されており、網羅的であることも、又は本開示を開示した形態に限定することも意図していない。当業者には、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく多くの修正及び変形が明らかであろう。本開示の原理及び実際の用途を最良に説明し、想定される特定の使用に適するように様々な修正を伴う様々な実施形態について本開示を他の当業者が理解することができるようにするために、本実施形態を選択し、かつ説明した。
【符号の説明】
【0052】
100 AMシステム、金属粉末付加製造システム
102 AM構成要素、付加製造構成要素、AM物品
104 試験物品、試験構造
110 溶融ビーム源、レーザ
112 溶融ビーム源、レーザ
114 溶融ビーム源、レーザ
116 溶融ビーム源、レーザ
118 ビルドプレート
120 金属粉末付加製造制御システム
122 AMプリンタ
124 コンピュータプログラムコード
124O オブジェクトコード
124S システムコード
126 コンピュータ
130 メモリ
132 ストレージシステム
134 プロセッサ(PU)ユニット
136 入出力(I/O)インターフェース
138 バス
140 外部I/O装置又はリソース
142 処理チャンバ
164 アプリケータ
166 原材料
168 線形搬送システム
170 対向レール
172 対向レール
174 線形アクチュエータ
176 部材
178 原材料源
179 オーバーフローチャンバ
180 不活性ガス混合物
182 不活性ガスの供給源
184 ポンプ
186 フローバルブシステム
188 フィルタ
190 垂直調整システム
200 本体
202 前面
204 後面
210 第1の表面
210a 平坦面部分
210b 平坦面部分
210c 平坦面部分
210d 平坦面部分
210e 平坦面部分
210f 平坦面部分
212 突出部
220 第2の表面
220a 傾斜平坦面部分
220b 傾斜平坦面部分
220c 傾斜平坦面部分
220d 傾斜平坦面部分
220e 傾斜平坦面部分
220f 傾斜平坦面部分
230 第3の表面
232 試験部材
234 突出部
240 第4の表面
240a 傾斜平坦面部分
240b 傾斜平坦面部分
240c 傾斜平坦面部分
240d 傾斜平坦面部分
240e 傾斜平坦面部分
240f 傾斜平坦面部分
250 湾曲面
260 開口部
262 開口部
262a 開口部
262b 開口部
262c 開口部
262d 開口部
270 曲線チャネル
272 部分
280 取り付け固定具
282 形状測定装置
290 傾斜面
P1 プロセス
P2 プロセス
P3 プロセス
P4 プロセス
【外国語明細書】