(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022049741
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】ホースガイド
(51)【国際特許分類】
A01G 25/02 20060101AFI20220323BHJP
B65H 57/14 20060101ALI20220323BHJP
B65H 57/26 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
A01G25/02 603
B65H57/14
B65H57/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020155931
(22)【出願日】2020-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】392013497
【氏名又は名称】ハラックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092808
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 亘
(74)【代理人】
【識別番号】100140981
【弁理士】
【氏名又は名称】柿原 希望
(72)【発明者】
【氏名】原澤 俊
(72)【発明者】
【氏名】小菅 聡也
【テーマコード(参考)】
3F110
【Fターム(参考)】
3F110BA09
3F110DA09
3F110DB01
3F110DB11
(57)【要約】
【課題】ホースの着脱が容易で且つ外れにくいホースガイドを提供する。
【解決手段】このホースガイド80はホース係止部40を持ち上げて開状態とすることでホース1の出し入れが可能となる。このため、ホース1を簡単に着脱することができる。また、ホース係止部40はホース1が弛んだ状態では底側が下がった閉状態となる。この閉状態ではホース係止部40の開口部44が本体部30の内面によって覆われるため、ホース1がホース係止部40から外れることはない。即ち、このホースガイド80はホース1を引いても弛めてもホース係止部40から外れることはなく、これにより使用者はホースガイド80からの脱落を気にすることなくホース1を自由に取り回すことができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱に接続可能な本体部と、
前記本体部に対し回動可能に設けられたホース係止部と、を有し、
前記ホース係止部は側面視で略フック状を呈して凹部に複数のローラが設けられるとともに頂部で前記本体部と接続し、
前記ホース係止部が閉じた閉状態では、前記ホース係止部の開口部が前記本体部によって覆われ、
前記ホース係止部が上方に回動した開状態では、前記開口部が開いてホースの出し入れが可能となることを特徴としたホースガイド。
【請求項2】
略フック状のホース係止部の凹部が側面視で2つの直角によって形成され、さらに前記ホース係止部の頂部側の本体部側に開口部が位置することを特徴とする請求項1記載のホースガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農地や庭園等に薬剤散布や散水等を行うためのホースをガイドするホースガイドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
農地や庭園等に薬剤散布や散水等を広範囲に行う場合、ノズルを備えたホースを用いて行うことが一般的である。ただし、ホースが長い場合には、ホースが農作物や植栽に引っ掛かり取り回し難い。このため、ホースの円滑な取り回しやホースが農地内に進入することを防止するための例えば下記[特許文献1]に記載のホースガイドが市販されている。この[特許文献1]に記載のホースガイドは、地面に刺し込んで固定する杭部分と、ホースをガイドするローラ部分とを備え、例えば農地の通路脇に固定することで、散水時にホースが農地内に進入することを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、[特許文献1]に記載のホースガイドは、例えばホースが弛んだ際にローラ部分から外れ易く、ホースの取り回しに注意が必要という問題点がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ホースの着脱が容易で且つ外れにくいホースガイドの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
(1)支柱10に接続可能な本体部30と、前記本体部30に対し回動可能に設けられたホース係止部40と、を有し、
前記ホース係止部40は側面視で略フック状を呈して凹部に複数のローラ42が設けられるとともに頂部で前記本体部30と接続し、
前記ホース係止部40が閉じた閉状態では、前記ホース係止部40の開口部44が前記本体部30によって覆われ、
前記ホース係止部40が上方に回動した開状態では、前記開口部44が開いてホース1の出し入れが可能となることを特徴としたホースガイド80を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)略フック状のホース係止部40の凹部が側面視で2つの直角によって形成され、さらに前記ホース係止部40の頂部側の本体部側に開口部44が位置することを特徴とする上記(1)記載のホースガイド80を提供することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るホースガイドはホース係止部を持ち上げて開状態とすることでホースの出し入れが可能となる。このため、ホースを簡単に着脱することができる。また、本発明に係るホースガイドはホースが弛んだ状態ではホース係止部が閉状態となる。よって、本発明に係るホースガイドはホースを引いても弛めてもホースが外れることはなく、これにより使用者はホースガイドからの脱落を気にすることなくホースを自由に取り回すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】本発明に係るホースガイドの使用状態を示す図である。
【
図4】固定手段を取り付けた本発明に係るホースガイドを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るホースガイドの実施の形態を図面に基づいて説明する。ここで、
図1(a)~(g)は、本発明に係るホースガイド80の上面図、正面図、側面図、背面図、底面図、X-X断面図、開いた状態の側面図であり、
図2は本発明に係るホースガイド80の斜視図である。また、
図3は本発明に係るホースガイド80の使用状態を示す図であり、
図4は固定手段を取り付けた状態を示す図である。
【0010】
図1~
図4に示す本発明に係るホースガイド80は、支柱10に接続可能な本体部30と、この本体部30に対し回動可能に設けられたホース係止部40と、を有する。そして本体部30は、側壁32を備えた略コの字状の保持部と、この保持部の背面側に設けられ支柱10が挿入可能な接続孔34と、を有している。また、ホース係止部40は側面視で略フック状を呈し、凹部に複数のローラ42が回転可能に設けられている。尚、ローラ42の設置個数は複数であれば特に限定はないが、部材コストの低減と組立作業の簡易化の観点から2つとすることが最も好ましい。また、ローラ42はホース1をガイド可能なようにローラ面の中央部分が湾曲して凹んだ索輪を用いる。
【0011】
そして、略フック状のホース係止部40の頂部(上端部)が本体部30の側壁32に回動可能に接続する。この際、ホース係止部40の開口部44は本体部30側とする。これにより、ホース係止部40は本体部30に対し、上下方向(支柱10の軸方向)に回動する。また、ホース係止部40がフリーの状態では、ローラ42の重量等によってホース係止部40の凹部(底側)が下がり、
図1(a)~(f)に示す閉状態となる。この閉状態では
図1(f)の断面図に示すように、ホース係止部40の開口部44は本体部30の内面によって覆われ、閉じた状態となる。また、ホース係止部40を上方向に回動させると開口部44は本体部30側から離れて開き、
図1(g)に示す開状態となる。そしてホース1は、この開いた開口部44を通してホース係止部40内への出し入れ(着脱)が可能となる。尚、ホース係止部40の凹部は、側面視で2つの直角によって形成されたものを用いることが特に好ましい。このようなホース係止部40としては、側面視で底側が2つの直角によって形成された略直角台形のものが挙げられる。このようなホース係止部40の構成では、略フック状の頂部側(上部)の本体部30側で、本体部30との接続部分の下側に開口部44が位置する。
【0012】
次に、本発明に係るホースガイド80の使用方法を説明する。先ず、本体部30の接続孔34に固定手段を設置する。この固定手段としては、例えば
図4(a)に示す打ち込み支柱20aが挙げられる。この打ち込み支柱20aは、支柱10と、この支柱10の下部に固定した杭部12と、この杭部12の上端に固定した打ち込みバー14と、を有している。また、支柱10の上端にホースガイド80の接続孔34が回転可能に固定する。そして、使用者が設置個所の地面に杭部12を挿し、打ち込みバー14を足等で踏み付けるなどして土中に打ち込む。これにより、ホースガイド80が目的の地面に固定される。
【0013】
また、固定手段の他の例としては、
図4(b)に示すクランプ支柱20bが挙げられる。このクランプ支柱20bは、支柱10と、この支柱10の下部に固定したクランプ16a、16bと、これらクランプ16a、16bを締め付けるネジ部材18と、を有している。そして、打ち込み支柱20aと同様に支柱10の上端にホースガイド80の接続孔34が回転可能に固定する。そして、クランプ支柱20bでは、使用者がネジ部材18を緩めてクランプ16a、16bを開き目的の場所、例えば手摺や柵、軽トラック等の荷台のアオリ部分等を挟む。そして、使用者がネジ部材18を締め付けることでホースガイド80を目的の場所に固定する。
【0014】
尚、
図4(b)に示すように、固定手段の支柱10を外筒10aにスライド可能に挿入し、外筒10a側にクランプ16a、16bや杭部12を設けることで、ホースガイド80の高さ位置を調節可能としても良い。
【0015】
また、他の固定手段としては接続孔34に接続可能なフックやワイヤ等が挙げられる。この構成では固定手段としてのフックやワイヤ等を目的の場所、例えば樹木の枝や手摺、柵、農業用ハウスの柱等に引掛けることで、ホースガイド80を目的の位置に吊り下げて設置することができる。尚、ホースガイド80を吊り下げて使用する際も、ホースガイド80の上下方向は維持し、負荷の掛からないフリーな状態でホース係止部40の凹部側が下方に位置するようにする。
【0016】
次に、使用者がホース係止部40を持ち上げる。これにより、ホース係止部40の凹部側が上方に回動し、
図1(g)、
図4(b)に示す開状態となって開口部44が開く。次に、使用者はホース1を開口部44からホース係止部40内に入れる。そして、ホース係止部40を閉じる。これにより、ホース係止部40は下方に回動し閉状態となる。そして、ホース1はローラ42の周面の凹みに嵌り、これによりホース1はホースガイド80によって保持される。尚、この閉状態ではホース係止部40の開口部44が本体部30によって覆われるためホース1がホース係止部40から外れることはない。
【0017】
次に、使用者はホース1を使用して薬剤散布や散水等を行う。この際、使用者がホース1を引くと、ホースガイド80が支柱10に対して適宜回転するとともに、ローラ42がホース1を支持しながら回転することでホース1の送り出しが行われる。尚、ここで例えばローラ42が1つであった場合、ホース1を引く方向によってはホース1の湾曲の角度が鋭角化して取り回しの抵抗が大きくなる可能性がある。しかしながら、本発明に係るホースガイド80は複数のローラ42を並べて配置するためホース1の湾曲は鋭角化せず、ホース1をスムーズに送り出すことができる。また、ホース1が引かれることでホース係止部40は
図3に示すように適宜上方に回動し、ローラ42の回転方向をホース1が引かれる方向とする。これにより、ローラ42はホース1を保持しながらスムーズに回転でき、ホース1の送り出しを円滑に行うことができる。尚、このときホース係止部40は開状態となるが、ホース1はローラ42側(底側)に引かれているため、開口部44側には移動せずホース係止部40から外れることはない。
【0018】
また、使用者がホース1を弛めると、ホース係止部40は下方に回動して閉状態となる。前述のように、この閉状態では開口部44は本体部30の内面に覆われて閉塞するため、ホース1がホース係止部40から外れることはない。
【0019】
また、薬剤散布や散水等が終了すると、使用者はホース係止部40を持ち上げホース係止部40を開状態とする。そして、開口部44を通してホース1をホース係止部40から取り出す。取り外されたホース1は適宜巻き取り等が行われる。
【0020】
以上のように、本発明に係るホースガイド80はホース係止部40を持ち上げて開状態とすることでホース1の出し入れが可能となる。このため、ホース1を簡単に着脱することができる。また、使用者がホース1を引くとホース係止部40が回動しローラ42の回転方向をホース1が引かれる方向とする。これにより、ローラ42はホース1が引かれた状態でもホース1を保持しながら回転でき、ホース1をスムーズに送り出すことができる。さらに、ホース係止部40はホース1が弛んだ状態では底側が下がった閉状態となる。この閉状態ではホース係止部40の開口部44が本体部30の内面によって覆われるため、ホース1がホース係止部40から外れることはない。即ち、本発明に係るホースガイド80はホース1を引いても弛めてもホース係止部40から外れることはなく、これにより使用者はホースガイド80からの脱落を気にすることなくホース1を自由に取り回すことができる。
【0021】
尚、上記に示したホースガイド80の各部の構成、形状、デザイン等は一例であるから、上記の例に限定されるわけでは無く、本発明は本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0022】
1 ホース
10 支柱
30 本体部
40 ホース係止部
42 ローラ
44 開口部
80 ホースガイド