(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022049791
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】被ばく体験シミュレーションシステム
(51)【国際特許分類】
G01T 1/00 20060101AFI20220323BHJP
G01T 7/00 20060101ALI20220323BHJP
G01T 1/02 20060101ALI20220323BHJP
G09B 9/00 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
G01T1/00 D
G01T7/00 A
G01T1/02 A
G09B9/00 Z
G09B9/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020156011
(22)【出願日】2020-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】000153100
【氏名又は名称】株式会社日本環境調査研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】上田 明彦
(72)【発明者】
【氏名】平野 雄生
(72)【発明者】
【氏名】木梨 秀二
(72)【発明者】
【氏名】茂木 道教
(72)【発明者】
【氏名】青木 英二
【テーマコード(参考)】
2G188
【Fターム(参考)】
2G188AA09
2G188AA19
2G188BB17
2G188BB19
2G188CC00
2G188DD30
2G188EE01
2G188EE39
2G188GG02
2G188GG08
(57)【要約】
【課題】放射線に被ばくした汚染区域又は放射線を使用する使用区域を仮想しつつ、仮想した3次元被ばく仮想空間における各種作業や放射線の疑似被ばくを体験させることができる被ばく体験シミュレーションシステムを提供する。
【解決手段】被ばく体験シミュレーションシステム10は、疑似放射線源16から放射線が放射されたと仮定した場合の被ばく線量率を3次元被ばく仮想空間12をマッピングした各第1~第n被ばく仮想空間毎に設定し、第1~第n被ばく仮想空間における疑似放射線源16の3次元位置データ及び第1~第n被ばく仮想空間において作業する被ばく体験者(作業者)の3次元位置データを取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間のうちの被ばく体験者が所定時間作業した被ばく仮想空間を特定するとともに、特定した被ばく仮想空間において被ばく体験者が被ばくしたと推定される被ばく線量を算出し、算出した被ばく体験者の被ばく線量を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線の被ばく体験を模擬的に現出する被ばく体験シミュレーションシステムにおいて、
前記被ばく体験シミュレーションシステムが、前記放射線に被ばくした汚染区域又は該放射線を使用する使用区域を仮想した3次元被ばく仮想空間と、前記3次元被ばく仮想空間の任意の位置に配置されて前記放射線を放射する放射線源と仮定する疑似放射線源と、前記3次元被ばく仮想空間を3次元の複数の第1~第n被ばく仮想空間にマッピングする仮想空間マッピング手段と、前記疑似放射線源から放射線が放射されたと仮定した場合の被ばく線量率を前記仮想空間マッピング手段によってマッピングした各第1~第n被ばく仮想空間毎に設定する被ばく線量率設定手段と、前記第1~第n被ばく仮想空間における前記疑似放射線源の3次元位置データ及び該第1~第n被ばく仮想空間において作業する被ばく体験者の3次元位置データを取得しつつ、前記第1~第n被ばく仮想空間のうちの前記被ばく体験者が所定時間作業した被ばく仮想空間を特定する3次元位置データ特定手段と、前記3次元位置データ特定手段によって特定した被ばく仮想空間において前記被ばく体験者が被ばくしたと推定される被ばく線量を算出する被ばく線量算出手段と、前記被ばく線量算出手段によって算出した前記被ばく体験者の被ばく線量を出力する被ばく線量第1出力手段とを有することを特徴とする被ばく体験シミュレーションシステム。
【請求項2】
前記3次元位置データ特定手段が、前記3次元被ばく仮想空間を撮影する1台又は2台以上のカメラと、前記疑似放射線源に設置された疑似放射線源用LED照明と、前記被ばく体験者に設置された被ばく体験者用LED照明とを利用し、前記カメラによって撮影した画像の中から前記疑似放射線源用LED照明及び前記被ばく体験者用LED照明の発光又は発色を信号として受信し、受信した信号から第1~第n被ばく仮想空間における前記疑似放射線源の3次元位置データ及び前記被ばく体験者の3次元位置データを取得する請求項1に記載の被ばく体験シミュレーションシステム。
【請求項3】
前記被ばく線量算出手段が、前記被ばく線量率設定手段によって設定された各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量率に、前記3次元位置データ特定手段によって特定した被ばく仮想空間における前記被ばく体験者の作業時間を乗じて前記被ばく線量を算出する請求項1又は請求項2に記載の被ばく体験シミュレーションシステム。
【請求項4】
前記被ばく線量算出手段が、前記被ばく体験者が被ばくしたと推定される被ばく線量を前記第1~第n被ばく仮想空間のうちの該被ばく体験者が作業した被ばく仮想空間毎に算出し、前記被ばく線量第1出力手段が、前記被ばく体験者が作業した各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量率と該被ばく体験者が作業した各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量とを時系列に出力する請求項1ないし請求項3いずれかに記載の被ばく体験シミュレーションシステム。
【請求項5】
前記被ばく体験シミュレーションシステムが、前記第1~第n被ばく仮想空間における前記被ばく体験者の作業中に該被ばく体験者が被ばくした放射線の被ばく線量が被ばく限度値に達した場合、被ばく線量が被ばく限度値に達したことを知らせる所定のアラーム又は所定のメッセージを発音する発音手段を含む請求項1ないし請求項4いずれかに記載の被ばく体験シミュレーションシステム。
【請求項6】
前記被ばく体験シミュレーションシステムが、前記被ばく体験者に所持させて前記第1~第n被ばく仮想空間において作業する被ばく体験者の被ばく線量を出力する疑似線量計と、前記被ばく線量算出手段によって算出した被ばく線量を前記疑似線量計に送信しつつ算出した該被ばく線量を該疑似線量計に出力する被ばく線量第2出力手段とを含む請求項1ないし請求項5いずれかに記載の被ばく体験シミュレーションシステム。
【請求項7】
前記被ばく体験シミュレーションシステムが、前記3次元被ばく仮想空間の任意の位置に配置されて前記疑似放射線源から放射された放射線を遮蔽すると仮定する疑似遮蔽材を含み、前記3次元位置データ特定手段が、前記第1~第n被ばく仮想空間における前記疑似遮蔽材の3次元位置データを取得し、前記被ばく線量算出手段が、前記疑似放射線源から放射された放射線が前記疑似遮蔽材によって遮蔽されたと推定しつつ、前記被ばく仮想空間特定手段によって特定した被ばく仮想空間において前記被ばく体験者が被ばくしたと推定される被ばく線量を算出する請求項1ないし請求項6いずれかに記載の被ばく体験シミュレーションシステム。
【請求項8】
前記被ばく線量算出手段が、前記被ばく線量率設定手段によって設定された各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量率に、前記被ばく仮想空間特定手段によって特定した被ばく空間における前記被ばく体験者の作業時間を乗じるとともに、前記疑似遮蔽材によって放射線が遮蔽されたと推定した場合の軽減率を乗じて前記被ばく線量を算出する請求項7に記載の被ばく体験シミュレーションシステム。
【請求項9】
前記3次元位置データ特定手段が、前記疑似遮蔽材に設置された疑似遮蔽材用LED照明を利用し、前記カメラによって撮影した画像の中から前記疑似遮蔽材用LED照明の発光又は発色を信号として受信し、受信した信号から第1~第n被ばく仮想空間における前記疑似遮蔽材の3次元位置データを取得する請求項7又は請求項8に記載の被ばく体験シミュレーションシステム。
【請求項10】
前記被ばく体験シミュレーションシステムが、前記被ばく体験者に所持させて前記第1~第n被ばく仮想空間における放射線を測定すると仮定する疑似放射線測定器を含み、前記3次元位置データ特定手段が、前記第1~第n被ばく仮想空間における前記疑似放射線測定器の3次元位置データを取得し、前記被ばく体験シミュレーションシステムが、前記疑似放射線測定器を第1~第n被ばく仮想空間のうちのいずれかの被ばく仮想空間に位置させたときに、前記第1~第n被ばく仮想空間のいずれかの被ばく仮想空間に位置する疑似放射線測定器によって測定されたと仮定する測定線量を算出する測定線量算出手段と、前記測定線量算出手段によって算出した測定線量を前記疑似放射線測定器に送信しつつ算出した該被ばく線量を該疑似放射線測定器に出力する測定線量出力手段とを含む請求項1ないし請求項9いずれかに記載の被ばく体験シミュレーションシステム。
【請求項11】
前記測定線量算出手段が、前記被ばく線量率設定手段によって設定された各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量率に、前記3次元位置データ特定手段によって特定した被ばく仮想空間における前記疑似放射線測定器の測定時間を乗じて前記測定線量を算出する請求項10に記載の被ばく体験シミュレーションシステム。
【請求項12】
前記3次元位置データ特定手段が、前記疑似放射線測定器に設置された疑似放射線測定器用LED照明を利用し、前記カメラによって撮影した画像の中から前記疑似放射線測定器用LED照明の発光又は発色を信号として受信し、受信した信号から第1~第n被ばく仮想空間における前記疑似放射線測定器の3次元位置データを取得する請求項10又は請求項11に記載の被ばく体験シミュレーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線の被ばく体験を模擬的に現出する被ばく体験シミュレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者に設定された刺激強度に基づいてその利用者に提示する疑似体験を構成するシーンを選択する選択部と、選択部が選択したシーンを利用者に提示する提示部と、利用者の生体情報を計測する計測装置が計測した生体情報を取得する生体情報取得部と、生体情報取得部が取得した生体情報に基づいて刺激強度を再設定する強度調整部とを備え、選択部が、強度調整部によって刺激強度が再設定された場合、再設定後の刺激強度に基づいて利用者に提示する疑似体験を構成するシーンを選択する疑似体験提供装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示の疑似体験提供装置は、バーチャルリアリティを用いた訓練効果を安定化させ、疑似体験による訓練効果を実感することができる。しかし、放射線に被ばくした汚染区域や放射線を使用する使用区域を仮想することはできず、汚染区域や使用区域における放射線の疑似被ばくを体験させることはできない。放射線は目視することができず、人間の五感で感知することはできないものであり、被ばくによって痛みを伴うことはない。放射線に被ばくした汚染区域での作業や放射線を使用する使用区域での作業では、放射線被ばくによるリスクを最小にすることを目標として更なる放射線被ばくの低減を目ざし、様々な方策が実施されている。
【0005】
しかし、汚染区域や使用区域での被ばく量は、作業の方法や作業時間、線源からの離間距離、モックアップの有無等により大きく増減する。そのため被ばく低減の4原則「線源の移動・遮蔽・距離・時間」に基づいて被ばく低減教育が随時実施されているが、知識の蓄積の域を出ず、実効性に乏しいのが現実である。尚、原子力発電所内での作業には被ばくが伴うのは周知のことである。作業者は50mSv/年又は100mSv/5年に被ばく線量が制限されており、特に廃炉作業に従事する福島第一原子力発電所での被ばく低減は喫緊の課題となっている。
【0006】
本発明の目的は、放射線に被ばくした汚染区域又は放射線を使用する使用区域を仮想しつつ、仮想した汚染区域や使用区域における各種作業や放射線の疑似被ばくを体験させることができ、被ばくを実感させることができる被ばく体験シミュレーションシステムを提供することにある。本発明の他の目的は、放射線の疑似被ばくを体験させることで、放射線被ばくを各被ばく体験者の身体に覚えさせることができ、放射線被ばくの低減を各被ばく体験者が確実に訓練することができるとともに、実体験に基づいて被ばく低減の4原則「線源の移動・遮蔽・距離・時間」を被ばく体験者に意識付けすることができる被ばく体験シミュレーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明の前提は、放射線の被ばく体験を模擬的に現出する被ばく体験シミュレーションシステムである。
【0008】
前記前提における本発明の特徴は、被ばく体験シミュレーションシステムが、放射線に被ばくした汚染区域又は放射線を使用する使用区域を仮想した3次元被ばく仮想空間と、3次元被ばく仮想空間の任意の位置に配置されて放射線を放射する放射線源と仮定する疑似放射線源と、3次元被ばく仮想空間を3次元の複数の第1~第n被ばく仮想空間にマッピングする仮想空間マッピング手段と、疑似放射線源から放射線が放射されたと仮定した場合の被ばく線量率を仮想空間マッピング手段によってマッピングした各第1~第n被ばく仮想空間毎に設定する被ばく線量率設定手段と、第1~第n被ばく仮想空間における疑似放射線源の3次元位置データ及び第1~第n被ばく仮想空間において作業する被ばく体験者の3次元位置データを取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間のうちの被ばく体験者が所定時間作業した被ばく仮想空間を特定する3次元位置データ特定手段と、3次元位置データ特定手段によって特定した被ばく仮想空間において被ばく体験者が被ばくしたと推定される被ばく線量を算出する被ばく線量算出手段と、被ばく線量算出手段によって算出した被ばく体験者の被ばく線量を出力する被ばく線量第1出力手段とを有することにある。
【0009】
本発明の一例としては、被ばく線量算出手段が、被ばく線量率設定手段によって設定された各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量率に、3次元位置データ特定手段によって特定した被ばく仮想空間における被ばく体験者の作業時間を乗じて前記被ばく線量を算出する。
【0010】
本発明の他の一例としては、被ばく線量算出手段が、被ばく体験者が被ばくしたと推定される被ばく線量を第1~第n被ばく仮想空間のうちの被ばく体験者が作業した被ばく仮想空間毎に算出し、被ばく線量第1出力手段が、被ばく体験者が作業した各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量率と被ばく体験者が作業した各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量とを時系列に出力する。
【0011】
本発明の他の一例としては、3次元位置データ特定手段が、3次元被ばく仮想空間を撮影する1台又は2台以上のカメラと、疑似放射線源に設置された疑似放射線源用LED照明と、被ばく体験者に設置された被ばく体験者用LED照明とを利用し、カメラによって撮影した画像の中から疑似放射線源用LED照明及び被ばく体験者用LED照明の発光又は発色を信号として受信し、受信した信号から第1~第n被ばく仮想空間における疑似放射線源の3次元位置データ及び被ばく体験者の3次元位置データを取得する。
【0012】
本発明の他の一例としては、被ばく体験シミュレーションシステムが、第1~第n被ばく仮想空間における被ばく体験者の作業中に被ばく体験者が被ばくした放射線の被ばく線量が被ばく限度値に達した場合、被ばく線量が被ばく限度値に達したことを知らせる所定のアラーム又は所定のメッセージを発音する発音手段を含む。
【0013】
本発明の他の一例としては、被ばく体験シミュレーションシステムが、被ばく体験者に所持させて第1~第n被ばく仮想空間において作業する被ばく体験者の被ばく線量を出力する疑似線量計と、被ばく線量算出手段によって算出した被ばく線量を疑似線量計に送信しつつ算出した被ばく線量を疑似線量計に出力する被ばく線量第2出力手段とを含む。
【0014】
本発明の他の一例としては、被ばく体験シミュレーションシステムが、3次元被ばく仮想空間の任意の位置に配置されて疑似放射線源から放射された放射線を遮蔽すると仮定する疑似遮蔽材を含み、3次元位置データ特定手段が、第1~第n被ばく仮想空間における疑似遮蔽材の3次元位置データを取得し、被ばく線量算出手段が、疑似放射線源から放射された放射線が疑似遮蔽材によって遮蔽されたと推定しつつ、被ばく仮想空間特定手段によって特定した被ばく仮想空間において被ばく体験者が被ばくしたと推定される被ばく線量を算出する。
【0015】
本発明の他の一例としては、被ばく線量算出手段が、被ばく線量率設定手段によって設定された各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量率に、被ばく仮想空間特定手段によって特定した被ばく空間における被ばく体験者の作業時間を乗じるとともに、疑似遮蔽材によって放射線が遮蔽されたと推定した場合の軽減率を乗じて被ばく線量を算出する。
【0016】
本発明の他の一例としては、3次元位置データ特定手段が、疑似遮蔽材に設置された疑似遮蔽材用LED照明を利用し、カメラによって撮影した画像の中から疑似遮蔽材用LED照明の発光又は発色を信号として受信し、受信した信号から第1~第n被ばく仮想空間における疑似遮蔽材の3次元位置データを取得する。
【0017】
本発明の他の一例としては、被ばく体験シミュレーションシステムが、被ばく体験者に所持させて第1~第n被ばく仮想空間における放射線を測定すると仮定する疑似放射線測定器を含み、3次元位置データ特定手段が、第1~第n被ばく仮想空間における疑似放射線測定器の3次元位置データを取得し、被ばく体験シミュレーションシステムが、疑似放射線測定器を第1~第n被ばく仮想空間のうちのいずれかの被ばく仮想空間に位置させたときに、第1~第n被ばく仮想空間のいずれかの被ばく仮想空間に位置する疑似放射線測定器によって測定されたと仮定する測定線量を算出する測定線量算出手段と、測定線量算出手段によって算出した測定線量を疑似放射線測定器に送信しつつ算出した被ばく線量を疑似放射線測定器に出力する測定線量出力手段とを含む。
【0018】
本発明の他の一例としては、測定線量算出手段が、被ばく線量率設定手段によって設定された各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量率に、3次元位置データ特定手段によって特定した被ばく仮想空間における疑似放射線測定器の測定時間を乗じて測定線量を算出する。
【0019】
本発明の他の一例としては、3次元位置データ特定手段が、疑似放射線測定器に設置された疑似放射線測定器用LED照明を利用し、カメラによって撮影した画像の中から疑似放射線測定器用LED照明の発光又は発色を信号として受信し、受信した信号から第1~第n被ばく仮想空間における疑似放射線測定器の3次元位置データを取得する。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る被ばく体験シミュレーションシステムによれば、3次元被ばく仮想空間をマッピングした3次元の複数の第1~第n被ばく仮想空間における疑似放射線源の3次元位置データ及び第1~第n被ばく仮想空間において作業する被ばく体験者の3次元位置データを取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間のうちの被ばく体験者が所定時間作業した被ばく仮想空間を特定し、特定した被ばく仮想空間において被ばく体験者が被ばくしたと推定される被ばく線量(mSv)を算出するとともに、算出した被ばく体験者の被ばく線量(mSv)を出力するから、放射線に被ばくした汚染区域又は放射線を使用する使用区域を3次元被ばく仮想空間として仮想しつつ、仮想した3次元被ばく仮想空間(汚染区域や使用区域)における放射線の疑似被ばくを被ばく体験者に体験させることができ、各被ばく体験者に放射線の被ばくを実感させることができる。被ばく体験シミュレーションシステムは、3次元被ばく仮想空間において放射線の疑似被ばくを体験させることで、放射線の被ばくを各被ばく体験者の身体に覚えさせることができ、放射線被ばくの低減方法を各被ばく体験者が確実に習得することができるとともに、実体験に基づいて被ばく低減の4原則「時間・遮蔽、離間距離・線源の移動」を体験者に意識付けすることができる。被ばく体験シミュレーションシステムは、各被ばく体験者が3次元被ばく仮想空間において各作業内容に合わせて位置や高さを変えて作業をした場合において、どうすれば被ばくを少なくすることができるかの訓練を行うことができ、3次元被ばく仮想空間における作業手順や使用工具、モックアップ・ミーティングの有無等を通じて被ばく低減の4原則に基づいた様々な訓練が可能となる。
【0021】
3次元被ばく仮想空間を撮影する1台又は2台以上のカメラと、疑似放射線源に設置された疑似放射線源用LED照明と、被ばく体験者に設置された被ばく体験者用LED照明とを利用し、カメラによって撮影した画像の中から疑似放射線源用LED照明及び被ばく体験者用LED照明の発光又は発色を信号として受信し、受信した信号から第1~第n被ばく仮想空間における疑似放射線源の3次元位置データ及び被ばく体験者の3次元位置データを取得する体験シミュレーションシステムは、疑似放射線源用LED照明や被ばく体験者用LED照明の発光で信号を伝え、又は、疑似放射線源用LED照明や被ばく体験者用LED照明の発色(赤・緑・青の3色の一定間隔における色の変化)で信号を伝え、カメラのピクセル情報を位置測位の元となるデータとすることで、3次元被ばく仮想空間において高精度・広範囲の位置測位を実現することができ、第1~第n被ばく仮想空間における疑似放射線源の正確な3次元位置データ及び被ばく体験者の正確な3次元位置データを取得することができる。被ばく体験シミュレーションシステムは、第1~第n被ばく仮想空間における疑似放射線源の正確な3次元位置データ及び被ばく体験者の正確な3次元位置データを取得しつつ、取得した被ばく体験者の3次元位置データに基づいて被ばく体験者が所定時間作業した被ばく仮想空間を特定し、特定した被ばく仮想空間において被ばく体験者が被ばくしたと推定される被ばく線量(mSv)を算出するから、被ばく体験者が被ばくしたと推定される正確な被ばく線量(mSv)を算出することができ、各被ばく体験者に放射線の被ばくを確実に実感させることができる。
【0022】
各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量率(mSv/h)に、第1~第n被ばく仮想空間のうちの被ばく体験者が所定時間作業した被ばく仮想空間における作業時間を乗じて被ばく線量(mSv)を算出する被ばく体験シミュレーションシステムは、各被ばく体験者が3次元被ばく仮想空間において位置や高さを変えて作業をした場合であっても、第1~第n被ばく仮想空間のうちの被ばく体験者が所定時間作業した被ばく仮想空間における正確な被ばく線量(mSv)を算出することができ、算出した被ばく線量(mSv)の参照しつつ、3次元被ばく仮想空間を利用してどうすれば被ばくを少なくすることができるかの訓練を行うことができるとともに、放射線被ばくの低減方法を各被ばく体験者が確実に習得することができる。
【0023】
被ばく体験者が被ばくしたと推定される被ばく線量(mSv)を第1~第n被ばく仮想空間のうちの被ばく体験者が作業した各被ばく仮想空間毎に算出し、被ばく体験者が作業した各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量率(mSv/h)と被ばく体験者が作業した各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量(mSv)とを時系列に出力する被ばく体験シミュレーションシステムは、各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量率(mSv/h)及び時間の経過とともに変化する被ばく線量(mSv)の線量変化を時系列に知ることができ、時間の経過とともに変化する放射線の被ばくを各被ばく体験者に確実に実感させることができる。被ばく体験シミュレーションシステムは、各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量率(mSv/h)及び時間の経過とともに変化する被ばく線量(mSv)の線量変化を時系列に知ることで、時間の経過とともに変化する放射線の被ばくを各被ばく体験者に確実に実感させることができるから、放射線被ばくを各被ばく体験者の身体に覚えさせることができ、放射線被ばくの低減方法を各被ばく体験者が確実に習得することができるとともに、実体験に基づいて被ばく低減の4原則「線源の移動・遮蔽・距離・時間」を被ばく体験者に確実に意識付けすることができる。
【0024】
第1~第n被ばく仮想空間における被ばく体験者の作業中に被ばく体験者が被ばくした放射線の被ばく線量が被ばく限度値に達した場合、被ばく線量が被ばく限度値に達したことを知らせる所定のアラーム又は所定のメッセージを発音する被ばく体験シミュレーションシステムは、3次元被ばく仮想空間において被ばく体験者が作業中に、放射線の被ばく線量(mSv)が被ばく限度値に達した場合、それを知らせるアラーム又はメッセージを発音するから、放射線の被ばく線量(mSv)が被ばく限度値に達するまでの大凡の時間を知ることができ、その時間内に実施することが可能な作業内容や作業手順を知ることができるとともに、その時間内に所定の作業を実施することができるように訓練することができる。
【0025】
被ばく体験者に所持させて第1~第n被ばく仮想空間において作業する被ばく体験者の被ばく線量を出力する疑似線量計を含み、算出した被ばく線量(mSv)を疑似線量計に送信しつつ算出した被ばく線量を疑似線量計に出力する被ばく体験シミュレーションシステムは、被ばく体験者が疑似線量計を所持した状態で3次元被ばく仮想空間において所定の作業をした場合に、被ばく体験者が被ばくしたと推定される被ばく線量(mSv)を疑似線量計に出力(表示)するから、被ばく体験者が疑似線量計を利用して事故が被ばくした被ばく線量(mSv)を知ることができ、各被ばく体験者に放射線の被ばくを確実に実感させることができる。被ばく体験シミュレーションシステムは、疑似線量計を利用して放射線被ばくを各被ばく体験者の身体に覚えさせることができ、放射線被ばくの低減方法を各被ばく体験者が確実に習得することができるとともに、実体験に基づいて被ばく低減の4原則「線源の移動・遮蔽・距離・時間」を被ばく体験者に確実に意識付けすることができる。
【0026】
3次元被ばく仮想空間の任意の位置に配置されて疑似放射線源から放射された放射線を遮蔽すると仮定する疑似遮蔽材を含み、第1~第n被ばく仮想空間における疑似遮蔽材の3次元位置データを取得し、疑似放射線源から放射された放射線が疑似遮蔽材によって遮蔽されたと推定しつつ、第1~第n被ばく仮想空間のうちの被ばく体験者が所定時間作業した被ばく仮想空間を特定し、特定した被ばく仮想空間において被ばく体験者が被ばくしたと推定される被ばく線量(mSv)を算出する被ばく体験シミュレーションシステムは、放射線が疑似遮蔽材によって遮蔽されたと推定することで、疑似遮蔽材を利用しない場合と比較し、被ばく体験者が被ばくしたと推定される被ばく線量(mSv)が低くなり、被ばく体験者が疑似遮蔽材を利用した場合の被ばく線量(mSv)と疑似遮蔽材を利用しない場合の被ばく線量(mSv)とを知ることができる。被ばく体験シミュレーションシステムは、遮蔽材(疑似遮蔽材)を利用することによって各被ばく体験者が被ばくする放射線の被ばく量(mSv)を低減させることが可能であることを学ぶことができ、各被ばく体験者が遮蔽材の必要性や重要性を知ることができる。
【0027】
各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量率(mSv/h)に、第1~第n被ばく仮想空間のうちの被ばく体験者が所定時間作業した被ばく仮想空間における作業時間を乗じるとともに、疑似遮蔽材によって放射線が遮蔽されたと推定した場合の軽減率を乗じて被ばく線量(mSv)を算出する被ばく体験シミュレーションシステムは、被ばく線量(mSv)の算出に疑似遮蔽材によって放射線が遮蔽されたと推定した場合の軽減率を勘案するから、疑似遮蔽材を利用しない場合と比較し、被ばく体験者が被ばくしたと推定される被ばく線量(mSv)が低くなり、被ばく体験者が疑似遮蔽材を利用した場合の被ばく線量(mSv)と疑似遮蔽材を利用しない場合の被ばく線量(mSv)とを知ることで、遮蔽材(疑似遮蔽材)を利用することによって各被ばく体験者が被ばくする放射線の被ばく量(mSv)を低減させることが可能であることを学ぶことができ、各被ばく体験者が遮蔽材の必要性や重要性を知ることができる。
【0028】
疑似遮蔽材に設置された疑似遮蔽材用LED照明を利用し、カメラによって撮影した画像の中から疑似遮蔽材用LED照明の発光又は発色を信号として受信し、受信した信号から第1~第n被ばく仮想空間における疑似遮蔽材の3次元位置データを取得する体験シミュレーションシステムは、疑似放射線源用LED照明や被ばく体験者用LED照明の発光で信号を伝え、又は、疑似放射線源用LED照明や被ばく体験者用LED照明の発色(赤・緑・青の3色の一定間隔における色の変化)で信号を伝え、カメラのピクセル情報を位置測位の元となるデータとすることで、3次元被ばく仮想空間において高精度・広範囲の位置測位を実現することができ、第1~第n被ばく仮想空間における疑似放射線源の正確な3次元位置データ及び被ばく体験者の正確な3次元位置データを取得することができる。被ばく体験シミュレーションシステムは、第1~第n被ばく仮想空間における疑似放射線源の正確な3次元位置データ及び被ばく体験者の正確な3次元位置データを取得しつつ、取得した被ばく体験者の3次元位置データに基づいて被ばく体験者が所定時間作業した被ばく仮想空間を特定し、特定した被ばく仮想空間において被ばく体験者が被ばくしたと推定される被ばく線量(mSv)を算出するから、被ばく体験者が被ばくしたと推定される正確な被ばく線量(mSv)を算出することができ、各被ばく体験者に放射線の被ばくを確実に実感させることができる。
【0029】
被ばく体験者に所持させて第1~第n被ばく仮想空間における放射線を測定すると仮定する疑似放射線測定器を含み、第1~第n被ばく仮想空間における疑似放射線測定器の3次元位置データを取得し、疑似放射線測定器を第1~第n被ばく仮想空間のうちのいずれかの被ばく仮想空間に位置させたときに、第1~第n被ばく仮想空間のいずれかの被ばく仮想空間に位置する疑似放射線測定器によって測定されたと仮定する測定線量を算出するとともに、算出した測定線量を疑似放射線測定器に送信しつつ算出した被ばく線量を疑似放射線測定器に出力する被ばく体験シミュレーションシステムは、第1~第n被ばく仮想空間のいずれかの被ばく仮想空間に位置する疑似放射線測定器によって測定されたと仮定する測定線量を算出し、算出した測定線量を疑似放射線測定器に出力するから、被ばく体験者が疑似放射線測定器に出力された測定線量を見ることで、疑似放射線測定器によって測定されたと仮定された測定線量を知ることができ、被ばく体験者が疑似放射線測定器によって放射線の測定を体験することができる。被ばく体験シミュレーションシステムは、3次元被ばく仮想空間と疑似放射線測定器とを利用して放射線測定の訓練を行うことができ、放射線測定の方法や手順、内容を各被ばく体験者確実に習得することができる。
【0030】
各第1~第n被ばく仮想空間毎の被ばく線量率(mSv/h)に、第1~第n被ばく仮想空間のうちの疑似放射線測定器を利用して所定時間測定した被ばく仮想空間における測定時間を乗じて測定線量(mSv)を算出する被ばく体験シミュレーションシステムは、疑似放射線測定器を利用して3次元被ばく仮想空間において位置や高さを変えて測定した場合であっても、第1~第n被ばく仮想空間のうちの疑似放射線測定器を利用して測定した被ばく仮想空間における正確な測定線量(mSv)を算出することができ、3次元被ばく仮想空間と疑似放射線測定器とを利用して放射線測定の訓練を行うことができるとともに、放射線測定の方法や手順、内容を各被ばく体験者が確実に習得することができる。
【0031】
疑似放射線測定器に設置された疑似放射線測定器用LED照明を利用し、カメラによって撮影した画像の中から疑似放射線測定器用LED照明の発光又は発色を信号として受信し、受信した信号から第1~第n被ばく仮想空間における疑似放射線測定器の3次元位置データを取得する被ばく体験シミュレーションシステムは、疑似放射線測定器用LED照明の発光で信号を伝え、又は、疑似放射線測定器用LED照明の発色(赤・緑・青の3色の一定間隔における色の変化)で信号を伝え、カメラのピクセル情報を位置測位の元となるデータとすることで、3次元被ばく仮想空間において高精度・広範囲の位置測位を実現することができ、第1~第n被ばく仮想空間における疑似放射線測定器の正確な3次元位置データを取得することができる。被ばく体験シミュレーションシステムは、第1~第n被ばく仮想空間における疑似放射線測定器の正確な3次元位置データを取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間のうちの疑似放射線測定器を利用して測定した被ばく仮想空間における正確な測定線量(mSv)を算出することができ、3次元被ばく仮想空間と疑似放射線測定器とを利用して放射線測定の訓練を行うことができるとともに、放射線測定の方法や手順、内容を各被ばく体験者が確実に習得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】一例として示す被ばく体験シミュレーションシステムの構成図。
【
図2】第1~第n被ばく仮想空間に区分した一例として示す3次元被ばく仮想空間の斜視図。
【
図3】ディスプレイに出力(表示)されたメニュー画面(初期画面)の一例を示す図。
【
図4】ディスプレイに出力(表示)された被ばく体験者選択画面の一例を示す図。
【
図5】ディスプレイに出力(表示)された3次元被ばく仮想空間選択画面の一例を示す図。
【
図7】3次元被ばく仮想空間における被ばく体験者の作業の一例を説明する図。
【
図8】ディスプレイに出力された作業終了後の被ばく線量出力画面の一例を示す図。
【
図9】3次元被ばく仮想空間における遮蔽材の設置作業の一例を説明する図。
【
図10】ディスプレイに出力された設置作業終了後の被ばく線量出力画面の一例を示す図。
【
図11】3次元被ばく仮想空間における経路探索作業の一例を説明する図。
【
図12】ディスプレイに出力された経路探索作業終了後の被ばく線量出力画面の一例を示す図。
【
図13】3次元被ばく仮想空間における低線量エリアを活用したロボット点検作業の一例を説明する図。
【
図14】ディスプレイに出力されたロボット点検作業終了後の被ばく線量出力画面の一例を示す図。
【
図15】低線量エリアの活用作業においてモックアップ訓練を行った場合のロボット点検作業終了後の被ばく線量出力画面の他の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
一例として示す被ばく体験シミュレーションシステム10の構成図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る被ばく体験シミュレーションシステムの詳細を説明すると、以下のとおりである。尚、
図2は、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnに区分した一例として示す3次元被ばく仮想空間12の斜視図である。
【0034】
被ばく体験シミュレーションシステム10は、放射線の被ばく体験を模擬的に現出し、被ばく体験者Mに各種の作業を行わせるとともに、放射線の疑似被ばくを体験させる。尚、各種作業は以下に説明する作業に限定されず、被ばく体験シミュレーションシステム10において行われる作業には、放射線に被ばくした汚染区域又は放射線を使用する使用区域において行われるあらゆる作業が含まれる。
【0035】
被ばく体験シミュレーションシステム10は、管理コンピュータ11(管理サーバ)によって管理(コントロール)される。被ばく体験シミュレーションシステム10は、放射線に被ばくした汚染区域又は放射線を使用する使用区域を仮想した所定容積の3次元被ばく仮想空間12(所定容積の3次元仮想作業空間12)と、3次元被ばく仮想空間12を撮影するカメラ13と、LED照明14(被ばく体験者M用LED照明14A、疑似放射線源用LED照明14B、疑似遮蔽材用LED照明14C、疑似放射線測定器用LED照明14D、遠隔操作ロボット用LED照明14E)と、出力装置15(ディスプレイやプロジェクタ、スマートフォン等)とから形成されている。尚、以下の説明では、出力装置15としてディスプレイ15が利用されたものとする。
【0036】
被ばく体験シミュレーションシステム10では、複数台の疑似放射線源16、複数台の疑似線量計17、複数台の疑似遮蔽材18、複数台の疑似放射線測定器19(疑似サーベイメーター)、複数台の疑似遠隔操作ロボット20が利用される。LED照明14には、被ばく体験者Mに設置される被ばく体験者M用LED照明14A、疑似放射線源16に設置される疑似放射線源用LED照明14B、疑似遮蔽材17に設置される疑似遮蔽材用LED照明14C、疑似放射線測定器19に設置される疑似放射線測定器用LED照明14D、疑似遠隔操作ロボット20に設置される遠隔操作ロボット用LED照明14Eが利用される。被ばく体験シミュレーションシステム10では、カメラ可視光通信を利用して被ばく体験者Mや疑似放射線源16、疑似遮蔽材17、疑似放射線測定器18、疑似遠隔操作ロボット19の3次元被ばく仮想空間12における位置測位が行われるが、他の通信方式を利用してそれらの3次元被ばく仮想空間12における位置測位を行うこともできる。
【0037】
管理コンピュータ11は、3次元被ばく仮想空間12から離れた室内の所定の箇所に設置されている。管理コンピュータ11は、中央処理部(CPU又はMPU)とメモリ(メインメモリ及びキャッシュメモリ)とを有して独立したオペレーティングシステム(OS)によって動作する物理的なコンピュータであり、大容量記憶領域(大容量ハードディスク)を内蔵している。管理コンピュータ11のメインメモリには、このシステム10を実施するための被ばく体験アプリケーションがインストールされている。管理コンピュータ11には、キーボードやマウス等の入力装置、ディスプレイ15やマイクロフォン(図示せず)、スピーカー(図示せず)、プリンタ(図示せず)等の出力装置15がインターフェイス(無線又は有線)を介して接続されている。
【0038】
尚、管理コンピュータ11として所定のデータセンター(図示せず)に形成されたクラウド(クラウドコンピューティング)を利用することもできる。クラウドとしては、Infrastructure as a Service(IaaS)、Platform as a Service(PaaS)、Software as a Service(SaaS)を利用することができる。クラウドは、仮想CPU又は仮想MPU(中央処理部)と仮想メインメモリ及び仮想キャッシュメモリ(メモリ)とを有して独立したオペレーティングシステム(仮想OS)によって動作する仮想コンピュータであり、大容量仮想記憶領域が形成されている。
【0039】
管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域には、管理コンピュータ11を特定するコンピュータ特定情報(コンピュータ特定識別子)、3次元被ばく仮想空間12における被ばく限度値(mSv/日)、事前に登録された複数の被ばく体験者M(体験予定者)の個人情報、被ばく体験者Mの被ばく線量が被ばく限度値(上限値)に達した場合に発する所定のアラーム音又は所定のメッセージが格納(記憶)されている。被ばく体験者Mの個人情報には、被ばく体験者Mの氏名、住所、FAX番号、年齢、性別、メールアドレス、被ばく体験者Mが所持するスマートフォン(携帯端末)の携帯端末特定情報、スマートフォンのURL、スマートフォンの携帯電話番号等が記憶(格納)されている。被ばく体験者Mの個人情報は、個人特定情報(個人特定識別子)に関連付けられた状態で大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)されている。
【0040】
被ばく限度値は、入力装置によって任意に変更することができる。コンピュータ特定情報としては、管理コンピュータ11のIPアドレスやMACアドレス、URL、メールアドレス、Cookie情報、固体識別番号等を利用することができる他、管理コンピュータ11がそれを識別するユニークな識別子を独自に生成し、生成した識別子をコンピュータ特定情報とすることができる。個人特定情報(個人特定識別子)には、ID番号やパスワードを利用することができる他、管理コンピュータ11が独自に生成したユニーク識別子を個人特定情報とすることができる。
【0041】
管理コンピュータ11には、DNSサーバ、データベース・ファイルサーバ、Webサーバ、メールサーバ、ドキュメントサーバ等の各種サーバが接続され、それらサーバがサーバ群を形成している。尚、管理コンピュータ11は、それ自体がDNSサーバ機能、データベースサーバ機能、Webサーバ機能、メールサーバ機能、ドキュメントサーバ機能を有し、各サーバ機能別にソフトウェア的に区分されている場合がある。管理コンピュータ11は、インターネットに接続された各種複数のDNSサーバ等を経由しつつ、インターネットを利用してアクセス制限がない他のあらゆるサーバにアクセスすることができる。管理コンピュータ11は、被ばく体験者Mが所持するスマートフォンへ各種データを送信し、スマートフォンから各種データを受信する。
【0042】
3次元被ばく仮想空間12は、建造物の室内に仮想(設定)されている。尚、3次元被ばく仮想空間12が室外に仮想(設定)される場合もある。3次元被ばく仮想空間12では、現実に放射線に被ばくした汚染区域や放射線を使用する使用区域において行われる所定の作業を仮定した模擬作業が行われる。尚、3次元被ばく仮想空間12には、図示はしていないが、模擬作業において使用される柄の長さが短いトング(作業治具)や柄の長さが中程度の中尺マジックハンド(作業治具)、柄の長さが1番長い長尺マジックハンド(作業治具)、それらマジックハンドやトングに掴み取らせる(把持させる)各種形状の複数のブロック(作業材)、それらブロックを収容した第1トレー(作業材)、それらブロックを移動させる第2トレー(作業材)等の各種の作業治具や作業道具が用意されている。
【0043】
被ばく体験者Mは、被爆体験時(模擬作業時)にヘルメット21(作業基材)を被り、3次元被ばく仮想空間12に進入する。ヘルメット21の頂部には、被ばく体験者用LED照明14Aが設置されている。ヘルメット21の内部には、図示はしていないが、被ばく体験者用LED照明14Aに電力を供給するバッテリーが内蔵されている。ヘルメット21の外面には、図示はしていないが、ヘルメット番号(第1番~第n番)が表示されている。被ばく体験者用LED照明14Aの制御部は、インターフェイス(無線又は有線)を介して管理コンピュータ11に接続されている。
【0044】
それら被ばく体験者用LED照明14Aは、3次元被ばく仮想空間12における被ばく体験者Mの模擬作業中(模擬作業訓練中)や模擬測定作業中(模擬測定訓練中)、模擬点検作業中(模擬点検訓練中)に発光する。又は、その光の色(発光色)を変化させつつ(発光色に含まれる赤・緑・青の3色を一定間隔で変化させつつ)発光(発色)する。それら被ばく体験者用LED照明14Aの発光は、各被ばく体験者用LED照明14Aを特定する信号(疑似放射線源用LED照明特定信号)となる。それら被ばく体験者用LED照明14Aの発光色の変化は、各被ばく体験者用LED照明14Aによって異なり、異なる発光色の変化が各被ばく体験者用LED照明14A独自の異なる信号(被ばく体験者用LED照明特定信号)となる。
【0045】
管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域には、それらヘルメット21に設置された各被ばく体験者用LED照明14Aの発光又は発光色(光の色)の変化による被ばく体験者用LED照明特定信号(ID情報)とヘルメット番号とが互いに関連付けられた状態で格納(記憶)されている。各被ばく体験者用LED照明の発光又は発光色の変化はカメラ13によって撮影されてカメラ13から管理コンピュータ11に送信され、管理コンピュータ11が被ばく体験者用LED照明14Aから発信された信号として処理する。管理コンピュータ11は、被ばく体験者用LED照明14Aから発信された信号(被ばく体験者用LED照明特定信号)からヘルメット番号を特定する。
【0046】
カメラ13は、
図1,2に示すように、3次元被ばく仮想空間12の全域を撮影可能な箇所(高所)に設置されている。それらカメラ13の制御部は、インターフェイス(無線又は有線)を介して管理コンピュータ11に接続されている。カメラ13は、カメラ特定情報(カメラ特定識別子)に関連付けられた状態で管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)されている。カメラ特定情報には、任意の数字列や文字列、又は、管理コンピュータ11が生成したユニークな識別子が使用される。カメラ13は、被ばく体験者Mの模擬作業中や模擬測定中、模擬点検作業中3次元被ばく仮想空間12を撮影し、撮影した3次元被ばく仮想空間12のデジタル画像を管理コンピュータ11に連続して送信する。尚、
図1,2では、2台のカメラ13を図示しているが、1台又は3台以上のカメラ13が設置されていてもよい。
【0047】
それら疑似放射線源16(作業基材)は、3次元被ばく仮想空間12の任意の位置に配置される。疑似放射線源16は、3次元被ばく仮想空間12に放射線を放射する放射線源と仮定される。疑似放射線源16の頂部には、疑似放射線源用LED照明14Bが設置されている。疑似放射線源16の内部には、図示はしていないが、疑似放射線源用LED照明14Bに電力を供給するバッテリーが内蔵されている。疑似放射線源16の外周面には、図示はしていないが、疑似放射線源番号(第1番~第n番)が表示されている。疑似放射線源用LED照明14Bの制御部は、インターフェイス(無線又は有線)を介して管理コンピュータ11に接続されている。
【0048】
それら疑似放射線源用LED照明14Bは、疑似放射線源16が放射線を放射していると仮定した場合(3次元被ばく仮想空間12における被ばく体験者Mの模擬作業中や模擬測定作業中、模擬点検作業中)に発行する。又は、その光の色(発光色)を変化させつつ(発光色に含まれる赤・緑・青の3色を一定間隔で変化させつつ)発光する。それら疑似放射線源用LED照明14Bの発光は、各被ばく体験者用LED照明14Bを特定する信号(疑似放射線源用LED照明特定信号)となる。それら疑似放射線源用LED照明14Bの発光色の変化は、各疑似放射線源用LED照明14Bによって異なり、異なる発光色の変化が各疑似放射線源用LED照明B独自の異なる信号(疑似放射線源用LED照明特定信号)となる。
【0049】
管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域には、それら疑似放射線源16に設置された疑似放射線源用LED照明14Bの発光又は発光色(光の色)の変化による疑似放射線源用LED照明特定信号(ID情報)と疑似放射線源番号とが互いに関連付けられた状態で格納(記憶)されている。各疑似放射線源用LED照明14Bの発光又は発光色の変化はカメラ13によって撮影されてカメラ13から管理コンピュータ11に送信され、管理コンピュータ11が疑似放射線源用LED照明14Bから発信された信号として処理する。管理コンピュータ11は、疑似放射線源用LED照明14Bから発信された信号(疑似放射線源用LED照明特定信号)から疑似放射線源番号を特定する。
【0050】
それら疑似線量計17(作業基材)は、被ばく体験者Mが模擬作業や模擬測定作業、模擬点検作業において所持する(身に着ける)。疑似線量計17には、ディスプレイ22が設置されている。疑似線量計17の外面には、図示はしていないが、疑似線量計番号(第1番~第n番)が表示されている。疑似線量計17のディスプレイ22には、被ばく体験者Mが被ばくした被ばく線量が出力(表示)される。疑似線量計17の制御部は、インターフェイス(無線又は有線)を介して管理コンピュータ11に接続されている。疑似線量計17は、管理コンピュータ11との間でデータの送受信機能(通信機能)を有する。疑似線量計17は、疑似線量計特定情報(疑似線量計特定識別子)に関連付けられた状態で管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)されている。疑似線量計特定情報には、任意の数字列や文字列、又は、管理コンピュータ11が生成したユニークな識別子が使用される。
【0051】
それら疑似遮蔽材18(作業基材)は、3次元被ばく仮想空間12における疑似放射線源16を遮蔽する箇所に配置される。疑似遮蔽材18は、半透明の板材(有色透明の熱可塑性合成樹脂板(プラスチック板)又は白濁した熱可塑性合成樹脂板(プラスチック板)が使用される。疑似遮蔽材18の頂部には、疑似遮蔽材用LED照明14Cが設置されている。疑似遮蔽材18には、図示はしていないが、疑似遮蔽材用LED照明14Cに電力を供給するバッテリーが内蔵されている。疑似遮蔽材18の外面には、図示はしていないが、疑似遮蔽材番号(第1番~第n番)が表示されている。疑似遮蔽材用LED照明14Cの制御部は、インターフェイス(無線又は有線)を介して管理コンピュータ11に接続されている。
【0052】
それら疑似遮蔽材用LED照明14Cは、3次元被ばく仮想空間12において被ばく体験者Mが模擬作業中や模擬測定作業中、模擬点検作業中に発行する。又は、その光の色(発光色)を変化させつつ(発光色に含まれる赤・緑・青の3色を一定間隔で変化させつつ)発光する。それら疑似遮蔽材用LED照明14Cの発光は、各疑似遮蔽材用LED照明14Cを特定する信号(疑似遮蔽材用LED照明特定信号)となる。それら疑似遮蔽材用LED照明14Cの発光色の変化は、各疑似遮蔽材用LED照明14Cによって異なり、異なる発光色の変化が各疑似遮蔽材用LED照明独自の異なる信号(疑似遮蔽材用LED照明特定信号)となる。
【0053】
管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域には、それら疑似遮蔽材18に設置された疑似遮蔽材用LED照明14Cの発光又は発光色(光の色)の変化による疑似遮蔽材用LED照明特定信号(ID情報)と疑似遮蔽材番号とが互いに関連付けられた状態で格納(記憶)されている。各疑似遮蔽材用LED照明14Cの発光又は発光色の変化はカメラ13によって撮影されてカメラ14から管理コンピュータ11に送信され、管理コンピュータ11が疑似遮蔽材用LED照明14Cから発信された信号として処理する。管理コンピュータ11は、疑似遮蔽材用LED照明14Cから発信された信号(疑似遮蔽材用LED照明特定信号)から疑似遮蔽材番号を特定する。
【0054】
それら疑似放射線測定器19(模擬サーベイメーター)(作業基材)は、模擬測定作業において被ばく体験者Mが所持し、被ばく体験者Mの放射線測定の訓練(練習)に使用される。疑似放射線測定器19には、図示はしていないが、ディスプレイが設置されている。疑似放射線測定器19のディスプレイには、疑似放射線測定器19によって測定された測定線量が出力(表示)される。疑似放射線測定器19の頂部には、疑似放射線測定器用LED照明14Dが設置されている。疑似放射線測定器19の内部には、図示はしていないが、疑似放射線測定器用LED照明14Dに電力を供給するバッテリーが内蔵されている。疑似放射線測定器19の外面には、図示はしていないが、疑似放射線測定器番号(第1番~第n番)が表示されている。疑似放射線測定器用LED照明14Dの制御部は、インターフェイス(無線又は有線)を介して管理コンピュータ11に接続されている。疑似放射線測定器10は、管理コンピュータ11との間でデータの送受信機能(通信機能)を有する。
【0055】
それら疑似放射線測定器用LED照明14Dは、3次元被ばく仮想空間12において被ばく体験者Mが模擬測定中に発行する。又は、その光の色(発光色)を変化させつつ(発光色に含まれる赤・緑・青の3色を一定間隔で変化させつつ)発光する。それら疑似放射線測定器用LED照明14Dの発光は、各疑似放射線測定器用LED照明14Dを特定する信号(疑似放射線測定器用LED照明特定信号)となる。それら疑似放射線測定器用LED照明14Dの発光色の変化は、各疑似放射線測定器用LED照明14Dによって異なり、異なる発光色の変化が各疑似放射線測定器用LED照明14D独自の異なる信号(疑似放射線測定器用LED照明特定信号)となる。
【0056】
管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域には、それら疑似放射線測定器19に設置された疑似放射線測定器用LED照明14Dの発光又は発光色(光の色)の変化による疑似放射線測定器用LED照明特定信号(ID情報)と疑似放射線測定器番号とが互いに関連付けられた状態で格納(記憶)されている。各疑似放射線測定器用LED照明14Dの発光又は発光色の変化はカメラ13によって撮影されてカメラ13から管理コンピュータ11に送信され、管理コンピュータ11が疑似放射線測定器用LED照明14Dから発信された信号として処理する。管理コンピュータ11は、疑似放射線測定器用LED照明14Dから発信された信号(疑似放射線測定器用LED照明特定信号)から疑似放射線測定器番号を特定する。
【0057】
それら疑似遠隔操作ロボット20(作業基材)は、被ばく体験者Mがプロポ(RC用送信機)(図示せず)によって遠隔操作し、3次元被ばく仮想空間12における各種の模擬作業に使用される。疑似遠隔操作ロボット20には、3次元被ばく仮想空間12を走行する走行車タイプ、又は、3次元被ばく仮想空間12を飛行するドローンタイプ等が使用される。疑似遠隔操作ロボット20の頂部には、遠隔操作ロボット用LED照明14Eが設置されている。疑似遠隔操作ロボット20の内部には、図示はしていないが、遠隔操作ロボット用LED照明14Eに電力を供給するバッテリーが内蔵されている。疑似遠隔操作ロボット20の外面には、図示はしていないが、疑似遠隔操作ロボット番号(第1番~第n番)が表示されている。遠隔操作ロボット用LED照明14Eの制御部は、インターフェイス(無線又は有線)を介して管理コンピュータ11に接続されている。
【0058】
それら疑似遠隔操作ロボット用LED照明14Eは、3次元被ばく仮想空間12において被ばく体験者Mが疑似遠隔操作ロボット20を使用した模擬測定作業中に発行する。又は、その光の色(発光色)を変化させつつ(発光色に含まれる赤・緑・青の3色を一定間隔で変化させつつ)発光する。それら疑似遠隔操作ロボット用LED照明14Eの発光は、各疑似遠隔操作ロボット用LED照明14Eを特定する信号(疑似遠隔操作ロボット用LED照明特定信号)となる。それら疑似遠隔操作ロボット用LED照明14Eの発光色の変化は、各疑似遠隔操作ロボット用LED照明14Eによって異なり、異なる発光色の変化が各疑似遠隔操作ロボット用LED照明14E独自の異なる信号(疑似遠隔操作ロボット用LED照明特定信号)となる。
【0059】
管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域には、それら疑似遠隔操作ロボット20に設置された疑似遠隔操作ロボット用LED照明14Eの発光又は発光色(光の色)の変化による疑似遠隔操作ロボット用LED照明特定信号(ID情報)と疑似遠隔操作ロボット番号とが互いに関連付けられた状態で格納(記憶)されている。各疑似遠隔操作ロボット用LED照明14Eの発光又は発光色の変化はカメラ13によって撮影されてカメラ13から管理コンピュータ11に送信され、管理コンピュータ11が疑似遠隔操作ロボット用LED照明14Eから発信された信号として処理する。管理コンピュータ11は、疑似遠隔操作ロボット用LED照明14Eから発信された信号(疑似遠隔操作ロボット用LED照明特定信号)から疑似遠隔操作ロボット番号を特定する。
【0060】
管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域には、各種面積及び各種容積の3次元被ばく仮想空間12のレイアウトが空間特定情報(空間特定識別子)に関連付けた状態で格納(記憶)されている(3次元被ばく仮想空間記憶手段)。管理コンピュータ11は、それら3次元被ばく仮想空間12を各第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにマッピング(区分)する(仮想空間マッピング手段)。3次元被ばく仮想空間12は、
図2に示すように、前後方向及び横方向並びに上下方向の3次元の複数の第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnに区分(細分化)される。
【0061】
管理コンピュータ11は、仮想空間マッピング手段によってマッピング(区分)した第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnの3次元位置データ(X,Y,Z座標)を、空間特定情報(空間特定識別子)に関連付けた状態で大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)する(3次元位置データ記憶手段)。尚、管理コンピュータ11は、各種の条件に合わせて3次元被ばく仮想空間12を各種の第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにマッピング(区分)し、マッピング(区分)した各種の第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnを各空間特定情報(各空間特定識別子)に関連付けた状態で大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)する。3次元被ばく仮想空間12を区分する区分数(細分化数)については、各種の条件に合わせて任意に設定することができる。
【0062】
図3は、ディスプレイ15に出力(表示)されたメニュー画面(初期画面)の一例を示す図であり、
図4は、ディスプレイ15に出力(表示)された被ばく体験者選択画面の一例を示す図である。
図5は、ディスプレイ15に出力(表示)された3次元被ばく仮想空間選択画面の一例を示す図であり、
図6は、基材選択画面の一例を示す図である。
図4,5では、表示エリアに表示される具体的データの図示を省略している。
【0063】
被ばく体験シミュレーションシステム10を利用して被ばく体験(模擬作業、模擬測定作業、模擬点検作業)をするには、システム管理者が管理コンピュータ11のスイッチをONにする。管理コンピュータ11のスイッチをONにすると、管理コンピュータ11に接続されたディスプレイ15に被ばく体験シミュレーションシステム10を示すアイコンが出力(表示)される。そのアイコンをクリック(タップ)すると、
図3に示すメニュー画面(初期画面)が出力(表示)される。
【0064】
図3のメニュー画面(初期画面)には、被ばく線量の被ばく限度値入力ボタン3a、被ばく体験者選択ボタン3b、被ばく体験者再選択ボタン3c、3次元被ばく仮想空間選択ボタン3d、3次元被ばく仮想空間再選択ボタン3e、基材選択ボタン3f、基材再選択ボタン3g、作業開始ボタン3h、キャンセルボタン3iが表示される。キャンセルボタン3iをクリックすると、被ばく体験シミュレーションシステム10からログアウトする(以下のキャンセルボタンも同様)。
【0065】
被ばく線量の被ばく限度値を設定・変更するには、被ばく限度値入力ボタン3aをクリックする。被ばく限度値入力ボタン3aをクリックすると、図示はしていないが、被ばく限度値入力画面がディスプレイ15に出力(表示)される。被ばく限度値入力画面には、既に設定された限度値を表示する被ばく限度値表示エリア、新たな限度値を入力する被ばく限度値入力エリア、被ばく限度値決定ボタン、戻るボタン、クリアボタン、キャンセルボタンが出力(表示)される。戻るボタンをクリックすると1つ前の画面に戻る(以下の戻るボタンも同様)。クリアボタンをクリックすると、入力エリアに入力されたデータがクリアされる(以下のクリアボタンも同様)。
【0066】
被ばく限度値入力エリアに設定又は変更する被ばく限度値を入力した後、被ばく限度値決定ボタンをクリックする。被ばく限度値決定ボタンをクリックすると、被ばく限度値入力エリアに入力された被ばく限度値が管理コンピュータ11に送信され、その被ばく限度値が管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)される。被ばく限度値を格納した後、管理コンピュータ11は、
図3のメニュー画面をディスプレイ15に出力(表示)する。
【0067】
被ばく限度値を設定・変更した後、
図3のメニュー画面の被ばく体験者選択ボタン3bをクリックし、被ばく体験者をエントリーする。被ばく体験者選択ボタン3bをクリックすると、
図4に示す被ばく体験者選択画面がディスプレイ15に出力(表示)される。被ばく体験者選択画面には、管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)された被ばく体験者の一覧を表示した被ばく体験者一覧表示エリア4a、被ばく体験者決定ボタン4b、クリアボタン4c、戻るボタン4d、キャンセルボタン4eが出力(表示)される。
【0068】
被ばく体験者一覧表示エリア4aに表示された被ばく体験者一覧から特定の体験者Mを選択(反転)する(複数選択可)。体験者Mを選択(反転)した後、被ばく体験者決定ボタン4bをクリックする。被ばく体験者決定ボタン4bをクリックすると、管理コンピュータ11は、選択された被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)を一時的にキャッシュメモリに格納(記憶)する。尚、被ばく体験者一覧から特定の体験者Mをダブルクリックすることで、その体験者Mの個人情報がディスプレイ15に出力(表示)される。
【0069】
個人特定情報(個人特定識別子)を一時的にキャッシュメモリに格納(記憶)した後、管理コンピュータ11は、
図3のメニュー画面をディスプレイ15に出力(表示)する。尚、メニュー画面には、被ばく体験者選択済みメッセージが表示される。被ばく体験者Mを変更するには、
図3のメニュー画面の被ばく体験者再選択ボタン3cをクリックし、
図4の被ばく体験者選択画面において被ばく体験者Mの選択を再度行う。
【0070】
次に、
図3のメニュー画面の3次元被ばく仮想空間選択ボタン3dをクリックし、3次元被ばく仮想空間12を選択する。3次元被ばく仮想空間選択ボタン3dをクリックすると、
図5に示す3次元被ばく仮想空間選択画面がディスプレイ15に出力(表示)される。
図5の3次元被ばく仮想空間選択画面には、管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)された各種の3次元被ばく仮想空間12の一覧を表示した3次元被ばく仮想空間一覧表示エリア5a、仮想空間決定ボタン5b、クリアボタン5c、戻るボタン5d、キャンセルボタン5eが出力(表示)される。
【0071】
3次元被ばく仮想空間一覧表示エリア5aに表示された3次元被ばく仮想空間一覧から特定の3次元被ばく仮想空間12を選択(反転)する(複数選択不可)。3次元被ばく仮想空間12を選択(反転)した後、仮想空間決定ボタン5bをクリックする。仮想空間決定ボタン5bをクリックすると、管理コンピュータ11は、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)及び第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnの3次元位置データ(X,Y,Z座標)をエントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)に関連付けた状態で一時的にキャッシュメモリに格納(記憶)する。
【0072】
3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)及び第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnの3次元位置データを一時的にキャッシュメモリに格納(記憶)した後、管理コンピュータ11は、
図3のメニュー画面をディスプレイ15に出力(表示)する。尚、3次元被ばく仮想空間一覧から特定の3次元被ばく仮想空間をダブルクリックすることで、前後方向及び横方向並びに上下方向の3次元の複数の第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnに区分(細分化)された3次元被ばく仮想空間12がディスプレイ15に出力(表示)される(
図2参照)。メニュー画面には、被ばく体験者選択済みメッセージ及び3次元被ばく仮想空間選択済みメッセージが表示される。3次元被ばく仮想空間12を変更するには、
図3のメニュー画面の3次元被ばく仮想空間再選択ボタン3eをクリックし、
図5の3次元被ばく仮想空間選択画面において3次元被ばく仮想空間12の選択を再度行う。
【0073】
所定の3次元被ばく仮想空間12を選択した後、
図3のメニュー画面の基材選択ボタン3fをクリックし、使用する作業基材や3次元被ばく仮想空間12に配置する作業基材を選択する。基材選択ボタン3fをクリックすると、
図6に示す基材選択画面がディスプレイ15に出力(表示)される。
【0074】
図6の基材選択画面には、管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)されたヘルメット21を番号順に表示したヘルメット表示エリア6a、管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)された疑似放射線源16を番号順に表示した疑似放射線源表示エリア6b、管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)された疑似線量計17を番号順に表示した疑似線量計表示エリア6c、管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)された疑似遮蔽材18を番号順に表示した疑似遮蔽材表示エリア6d、管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)された疑似放射線測定器19を番号順に表示した疑似放射線測定器表示エリア6e、管理コンピュータ11の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)された疑似遠隔操作ロボット20を番号順に表示した疑似遠隔操作ロボット表示エリア6f、決定ボタン6g、クリアボタン6h、戻るボタン6i、キャンセルボタン6jが出力(表示)される。
【0075】
ヘルメット表示エリア6aから所定のヘルメット21(作業基材)を選択(反転)(複数選択可)し、疑似放射線源表示エリア6bから所定の疑似放射線源16(作業基材)を選択(反転)(複数選択可)するとともに、疑似線量計表示エリア6cから所定の疑似線量計17(作業基材)を選択(反転)(複数選択可)する。疑似遮蔽材表示エリア6dから所定の疑似遮蔽材18(作業基材)を選択(反転)(複数選択可)し、疑似放射線測定器表示エリア6eから所定の疑似放射線測定器19(作業基材)を選択(反転)(複数選択可)するとともに、疑似遠隔操作ロボット表示エリア6fから所定の疑似遠隔操作ロボット20(作業基材)を選択(反転)(複数選択可)する。
【0076】
それら作業基材を選択(反転)した後、決定ボタンをクリックする。決定ボタン6gをクリックすると、管理コンピュータ11は、選択されたヘルメット21の被ばく体験者用LED照明特定信号(ID情報)及びヘルメット番号、選択された疑似放射線源16の疑似放射線源用LED照明特定信号(ID情報)及び疑似放射線源番号、選択された疑似線量計17の疑似線量計特定情報(疑似線量計特定識別子)、選択された疑似遮蔽材18の疑似遮蔽材用LED照明特定信号(ID情報)及び疑似遮蔽材番号、選択された疑似放射線測定器19の疑似放射線測定器用LED照明特定信号(ID情報)及び疑似放射線測定器番号、選択された疑似遠隔操作ロボット20の疑似遠隔操作ロボット用LED照明特定信号(ID情報)及び疑似遠隔操作ロボット番号を、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)及び選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)に関連付けた状態で一時的にキャッシュメモリに格納(記憶)する。
【0077】
選択された作業基材の特定情報を一時的にキャッシュメモリに格納(記憶)した後、管理コンピュータ11は、
図3のメニュー画面をディスプレイ15に出力(表示)する。メニュー画面には、被ばく体験者選択済みメッセージ、3次元被ばく仮想空間選択済みメッセージ、基材選択済みメッセージが表示される。作業基材を変更するには、
図3のメニュー画面の基材再選択ボタン3gをクリックし、
図6の基材選択画面において作業基材の選択を再度行う。
【0078】
図7は、3次元被ばく仮想空間12における被ばく体験者Mの作業の一例を説明する図であり、
図8は、ディスプレイ15に出力された作業終了後の被ばく線量出力画面の一例を示す図である。
図7では、カメラ13の図示を省略している。尚、
図6の基材選択画面において、ヘルメット21、疑似放射線源16、疑似線量計17、疑似遮蔽材18、疑似放射線測定器19が選択されたものとする。
図7に示す作業は、3次元被ばく仮想空間12の作業位置に移動し、作業位置において所定の作業を行った後、作業位置から離れる。又、3次元被ばく仮想空間12の所定の位置で疑似放射線測定器19を利用して放射線の測定を行う。システム管理者は、3次元被ばく仮想空間選択画面において選択されて建造物の室内に設定された所定面積及び所定容積の3次元被ばく仮想空間12の任意の位置に疑似放射線源16及び疑似遮蔽材18を配置する。
【0079】
図7では、2台の疑似放射線源16のうちの一方の疑似放射線源16が3次元被ばく仮想空間12の空中に配置され、他方の疑似放射線源16が3次元被ばく仮想空間12の床面に配置されている。1台の疑似遮蔽材18が一方の疑似放射線源16を遮るように3次元被ばく仮想空間12の床面に配置されている。尚、1台の疑似放射線源16が3次元被ばく仮想空間12に配置されてもよく、3台以上の疑似放射線源16が3次元被ばく仮想空間12に配置されてもよい。又、2台以上の疑似遮蔽材18が3次元被ばく仮想空間12に配置されていてもよい。
【0080】
疑似放射線源16及び疑似遮蔽材18を配置し、エントリーされた被ばく体験者M(作業者)がヘルメット21を被り、疑似線量計17を身に着けた後、システム管理者は、被ばく体験者Mに3次元被ばく仮想空間12において行う作業の説明を行う。作業の説明を行った後、システム管理者は、
図3のメニュー画面の作業開始ボタン3hをクリックする。作業開始ボタン3hをクリックすると、管理コンピュータ11は、カメラ13の制御部、被ばく体験者用LED照明14Aの制御部、疑似放射線源用LED照明14Bの制御部、疑似遮蔽材用LED照明14Cの制御部、疑似放射線測定器用LED照明14Dの制御部に起動信号を送信する。
【0081】
起動信号を受信したそれら制御部は、カメラ13を起動させるとともに、ヘルメット21に設置された被ばく体験者用LED照明14A、疑似放射線源用LED照明14B、疑似遮蔽材用LED照明14C、疑似放射線測定器用LED照明14Dを点灯させる。それらカメラ13は、3次元被ばく仮想空間12全域(被ばく体験者用LED照明14Aが発する光や疑似放射線源用LED照明14Bが発する光、疑似遮蔽材用LED照明14Cが発する光、疑似放射線測定器用LED照明14Dが発する光を含む)を撮影し、仮想空間デジタル画像を管理コンピュータ11に送信する。
【0082】
管理コンピュータ11は、カメラ13から送信された仮想空間デジタル画像の中から疑似放射線源用LED照明14Bから発信された疑似放射線源用LED照明特定信号を抽出するとともに、疑似放射線源用LED照明14Bのカメラ画像内座標(ピクセル単位)を抽出する。管理コンピュータ11は、抽出した疑似放射線源用LED照明特定信号と大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に格納された疑似放射線源用LED照明特定信号とを照合して疑似放射線源16の疑似放射線源番号を特定する。
【0083】
更に、管理コンピュータ11は、それら仮想空間デジタル画像(カメラ画像内座標)から三角測量方式によって疑似放射線源用LED照明14B(疑似放射線源16)の3次元位置を測量し、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける疑似放射線源用LED照明14Bの3次元位置データ(X,Y,Z座標)を取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちの疑似放射線源16が配置された被ばく仮想空間L1~Lnを特定する(3次元位置データ特定手段)。管理コンピュータ11は、取得した疑似放射線源用LED照明14Bの3次元位置データを、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、疑似放射線源番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に時系列に格納(記憶)する(3次元位置データ記憶手段)。
【0084】
管理コンピュータ11は、カメラ13から送信された仮想空間デジタル画像の中から疑似遮蔽材用LED照明14Cから発信された疑似遮蔽材用LED照明特定信号を抽出するとともに、疑似遮蔽材用LED照明14Cのカメラ画像内座標(ピクセル単位)を抽出する。管理コンピュータ11は、抽出した疑似遮蔽材用LED照明特定信号と大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に格納された疑似遮蔽材用LED照明特定信号とを照合して疑似遮蔽材18の疑似遮蔽材番号を特定する。
【0085】
更に、管理コンピュータ11は、それら仮想空間デジタル画像(カメラ画像内座標)から三角測量方式によって疑似遮蔽材用LED照明14C(疑似遮蔽材18)の3次元位置を測量し、第1~第n被ばく仮想空間仮想空間デジタル画像における疑似遮蔽材用LED照明14Cの3次元位置データ(X,Y,Z座標)を取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間仮想空間デジタル画像のうちの疑似遮蔽材18が配置された被ばく仮想空間仮想空間デジタル画像を特定する(3次元位置データ特定手段)。管理コンピュータ11は、取得した疑似遮蔽材用LED照明14Cの3次元位置データを、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、疑似遮蔽材番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に時系列に格納(記憶)する(3次元位置データ記憶手段)。
【0086】
管理コンピュータ11は、疑似放射線源18から放射線が放射されたと仮定した場合の被ばく線量率(mSv/h)を、仮想空間マッピング手段によってマッピング(区分)した各第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln毎(各3次元位置データ毎)に設定する(被ばく線量率設定手段)。管理コンピュータ11は、被ばく線量率設定手段によって設定した被ばく線量率(mSv/h)を、空間特定情報(空間特定識別子)及び第1~第n被ばく仮想空間の3次元位置データ(X,Y,Z座標)に関連付けた状態で大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)する(被ばく線量率記憶手段)。
【0087】
ヘルメット21を被り、疑似線量計17を所持した(身に付けた)被ばく体験者Mは、3次元被ばく仮想空間12に進入し、マジックハンド、トング等の作業治具やブロック、トレー等の作業材を使用して3次元被ばく仮想空間12において所定の作業を行うとともに、疑似放射線測定器19を利用して3次元被ばく仮想空間12において所定の測定作業を行う。管理コンピュータ11は、カメラ13から送信された仮想空間デジタル画像の中から被ばく体験者用LED照明14Aから発信された被ばく体験者用LED照明特定信号を抽出するとともに、被ばく体験者用LED照明14Aのカメラ画像内座標(ピクセル単位)を抽出する。管理コンピュータ11は、抽出した被ばく体験者用LED照明特定信号と大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に格納された被ばく体験者用LED照明特定信号とを照合して被ばく体験者Mが被るヘルメット21のヘルメット番号を特定する。
【0088】
更に、管理コンピュータ11は、それら仮想空間デジタル画像(カメラ画像内座標)から三角測量方式によって被ばく体験者用LED照明14A(被ばく体験者M)の3次元位置を測量し、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける被ばく体験者用LED照明14Aの3次元位置データ(X,Y,Z座標)を取得しつつ(第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおいて作業する被ばく体験者Mの3次元位置データを取得しつつ)、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちの被ばく体験者Mが所定時間作業した被ばく仮想空間L1~Lnを特定するとともに(3次元位置データ特定手段)、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける被ばく体験者用LED照明14A(被ばく体験者M)の存在時間(作業時間)を取得する。尚、被ばく体験者用LED照明14Aが3次元被ばく仮想空間12を移動する度毎に被ばく体験者用LED照明14Aの3次元位置データ及び存在時間を取得する。
【0089】
管理コンピュータ11は、取得した被ばく体験者用LED照明14Aの3次元位置データ及び存在時間(作業時間)を、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、ヘルメット番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に時系列に格納(記憶)する(3次元位置データ記憶手段)。
【0090】
管理コンピュータ11は、3次元位置データ特定手段によって特定した被ばく仮想空間12において被ばく体験者Mが被ばくしたと推定される被ばく線量(mSv)を算出する(被ばく線量算出手段)。被ばく線量算出手段では、被ばく線量率設定手段によって設定された各第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln毎の被ばく線量率(mSv/h)に、3次元位置データ特定手段によって特定した第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける被ばく体験者Mの作業時間(h)を乗じて被ばく線量(mSv)を算出する。管理コンピュータ11は、被ばく線量算出手段において被ばく体験者Mが被ばくしたと推定される被ばく線量を第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちの被ばく体験者Mが作業した各被ばく仮想空間L1~Ln毎(取得した被ばく体験者用LED照明14Aの各3次元位置データ毎)に算出する。
【0091】
尚、疑似遮蔽材18によって疑似放射線源16から遮蔽された第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける被ばく線量(mSv)の算出では、疑似放射線源16から放射された放射線が疑似遮蔽材18によって遮蔽されたと推定しつつ、被ばく仮想空間特定手段によって特定した被ばく仮想空間L1~Lnにおいて被ばく体験者Mが被ばくしたと推定される被ばく線量(mSv)を算出する。具体的には、被ばく線量率設定手段によって設定された各第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln毎の被ばく線量率(mSv/h)に、被ばく仮想空間特定手段によって特定した被ばく空間L1~Lnにおける被ばく体験者Mの作業時間(h)を乗じるとともに、疑似遮蔽材16によって放射線が遮蔽されたと推定した場合の軽減率を乗じて被ばく線量(mSv)を算出する。
【0092】
管理コンピュータ11は、算出した第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln毎の被ばく線量(mSv)を、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、ヘルメット番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に格納(記憶)する(被ばく線量記憶手段)。
【0093】
管理コンピュータ11は、カメラ13から送信された仮想空間デジタル画像の中から疑似放射線測定器用LED照明14Dから発信された疑似放射線測定器用LED照明特定信号を抽出するとともに、疑似放射線測定器用LED照明14Dのカメラ画像内座標(ピクセル単位)を抽出する。管理コンピュータ11は、抽出した疑似放射線測定器用LED照明特定信号と大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に格納された疑似放射線測定器用LED照明特定信号とを照合して疑似放射線測定器19の疑似放射線測定器番号を特定する。
【0094】
更に、管理コンピュータ11は、それら仮想空間デジタル画像(カメラ画像内座標)から三角測量方式によって疑似放射線測定器用LED照明14D(疑似放射線測定器19)の3次元位置を測量し、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける疑似放射線測定器用LED照明14Dの3次元位置データ(X,Y,Z座標)を取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちの疑似放射線測定器19が位置する被ばく仮想空間L1~Lnを特定する(3次元位置データ特定手段)。管理コンピュータ11は、取得した疑似放射線測定器用LED照明14Dの3次元位置データを、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、疑似放射線測定器番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に時系列に格納(記憶)する(3次元位置データ記憶手段)。
【0095】
管理コンピュータ11は、疑似放射線測定器19を第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちのいずれかの被ばく仮想空間L1~Lnに位置させたときに、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのいずれかの被ばく仮想空間L1~Lnに位置する疑似放射線測定器19によって測定されたと仮定する測定線量(mSv)を算出する(測定線量算出手段)。測定線量算出手段では、被ばく線量率設定手段によって設定された各第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln毎の被ばく線量率(mSv/h)に、3次元位置データ特定手段によって特定した被ばく仮想空間L1~Lnにおける疑似放射線測定器19の測定時間(h)を乗じて測定線量(mSv)を算出する。管理コンピュータ11は、疑似放射線測定器19によって測定されたと仮定する測定線量を第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちの疑似放射線測定器19が位置した各被ばく仮想空間L1~Ln毎(取得した疑似放射線測定器用LED照明14Dの各3次元位置データ毎)に算出する。
【0096】
尚、疑似遮蔽材18によって疑似放射線源16から遮蔽された第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける測定線量(mSv)の算出では、疑似放射線源17から放射された放射線が疑似遮蔽材18によって遮蔽されたと推定しつつ、被ばく仮想空間特定手段によって特定した被ばく仮想空間L1~Lnにおいて疑似放射線測定器19によって測定されたと仮定する測定線量(mSv)を算出する。具体的には、被ばく線量率設定手段によって設定された各第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln毎の被ばく線量率(mSv/h)に、被ばく仮想空間特定手段によって特定した被ばく空間L1~Lnにおける疑似放射線測定器19の測定時間(h)を乗じるとともに、疑似遮蔽材18によって放射線が遮蔽されたと推定した場合の軽減率を乗じて測定線量(mSv)を算出する。
【0097】
管理コンピュータ11は、算出した第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln毎の測定線量(mSv)を、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、ヘルメット番号及び疑似放射線測定器番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に格納(記憶)する(測定線量記憶手段)。
【0098】
管理コンピュータ11は、被ばく体験者Mが作業した各第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln毎の被ばく線量率(mSv/h)と被ばく線量算出手段によって算出した被ばく体験者Mの被ばく線量(mSv)とをディスプレイ15に出力(表示)する(被ばく線量第1出力手段)。ディスプレイ15には、
図8に示す被ばく線量出力画面が出力(表示)される。尚、管理コンピュータ11は、被ばく線量第1出力手段において、被ばく体験者Mが作業した各第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln毎の被ばく線量率と被ばく体験者Mが作業した各第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln毎の被ばく線量とを時系列に出力(表示)する。システム管理者は、ディスプレイ15に時系列に出力(表示)された被ばく線量を見ることで、作業中に被ばく体験者Mに放射された被ばく線量を知ることができる。
【0099】
管理コンピュータ11は、測定線量算出手段によって算出した測定線量を疑似放射線測定器19に送信しつつ測定線量を疑似放射線測定器19のディスプレイに時系列に出力(表示)する(測定線量出力手段)。尚、管理コンピュータ11は、測定線量出力手段において、疑似放射線測定器19によって測定された各第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln毎の被ばく線量を疑似放射線測定器19のディスプレイに時系列に出力(表示)する。被ばく体験者M(作業者)は、疑似放射線測定器19のディスプレイに時系列に出力(表示)された測定線量を見ることで、作業中に疑似放射線測定器19によって測定された測定線量を知ることができる。
【0100】
管理コンピュータ11は、作業の過程において算出した被ばく線量(mSv)を疑似線量計17に送信しつつ算出した被ばく線量を疑似線量計17のディスプレイ22に出力(表示)する(被ばく線量第2出力手段)。被ばく体験者M(作業者)は、疑似線量計17のディスプレイ22に時系列に出力(表示)された被ばく線量を見ることで、作業中における自己の被ばく線量を知ることができる。
【0101】
被ばく体験シミュレーションシステム10は、被ばく体験者Mが作業した各第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln毎の被ばく線量(mSv)を体験者Mが身に着けた疑似線量計17に送信しつつ算出した被ばく線量を疑似線量計17のディスプレイ22に出力(表示)するから、各第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln毎の被ばく線量率(mSv/h)及び時間の経過とともに変化する被ばく線量(mSv)の線量変化を被ばく体験者Mが時系列に知ることができ、時間の経過とともに変化する放射線の被ばくを各被ばく体験者Mに確実に実感させることができる。
【0102】
図8の被ばく線量出力画面には、被ばく体験者Mの氏名を表示した氏名表示エリア8a、被ばく仮想空間L1~Lnにおける経過作業時間を表示した経過作業時間表示エリア8b、線量等表示エリア8c、作業終了ボタン8d、作業中止ボタン8eが出力(表示)される。線量等表示エリア8cには、座標番号及び被ばく体験者Mの3次元位置データ(X,Y,Z座標)、第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln(3次元位置データ)における存在時間(作業時間)、第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln(3次元位置データ)における被ばく線量率(mSv/h)、第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln(3次元位置データ)における被ばく線量(mSv)が表示される。
【0103】
管理コンピュータ11は、被ばく仮想空間12における被ばく体験者Mの作業中に体験者Mに放射された放射線(体験者Mが浴びた放射線)の被ばく線量(mSv)が被ばく限度値を超えかを判断する(被ばく限度判断手段)。管理コンピュータ11は、被ばく体験者Mに放射された放射線の被ばく線量(mSv)が被ばく限度値を超えたと判断した場合、スピーカーに所定のアラーム(放射線の被ばく線量(mSv)が被ばく限度値を超えたことを知らせる効果音)又は所定のメッセージ(放射線の被ばく線量(mSv)が被ばく限度値を超えたことを知らせるメッセージ)を発音させる(発音手段)。システム管理者は、スピーカーからアラーム又はメッセージが発音された場合、
図8の被ばく線量出力画面の作業中止ボタン8eをクリックするとともに、被ばく体験者Mに被ばく仮想空間12における作業を中止させる。
【0104】
被ばく体験シミュレーションシステム10は、3次元被ばく仮想空間12において被ばく体験者M(作業者)が作業中に、放射線の被ばく線量(mSv)が被ばく限度値に達した場合、管理コンピュータ11に接続されたスピーカーを利用してそれを知らせるアラーム又はメッセージを発音するから、放射線の被ばく線量(mSv)が被ばく限度値に達するまでの大凡の時間を知ることができ、その時間内に実施することが可能な作業内容や作業手順を知ることができるとともに、その時間内に所定の作業を実施することができるように訓練することができる。
【0105】
被ばく仮想空間12における作業が終了した場合、システム管理者は、
図8の被ばく線量出力画面の作業終了ボタン8dをクリックする。作業終了ボタン8dや作業中止ボタン8eをクリックすると、管理コンピュータ11は、カメラ13、被ばく体験者用LED照明14A、疑似放射線源用LED照明14B、疑似遮蔽材用LED照明14C、放射線測定器用LED照明14DをOFFにするとともに、
図3のメニュー画面をディスプレイ15に出力(表示)する。
【0106】
被ばく体験シミュレーションシステム10は、3次元被ばく仮想空間12をマッピング(区分)した3次元の複数の第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける疑似放射線源16の3次元位置データ及び第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおいて作業する被ばく体験者Mの3次元位置データを取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちの被ばく体験者Mが所定時間作業した被ばく仮想空間L1~Lnを特定し、特定した被ばく仮想空間L1~Lnにおいて被ばく体験者Mが被ばくしたと推定される被ばく線量(mSv)を算出するとともに、算出した被ばく体験者Mの被ばく線量(mSv)を出力するから、放射線に被ばくした汚染区域又は放射線を使用する使用区域を3次元被ばく仮想空間12として仮想しつつ、仮想した3次元被ばく仮想空間12(汚染区域や使用区域)における放射線の疑似被ばくを被ばく体験者Mに体験させることができ、各被ばく体験者Mに放射線の被ばくを実感させることができる。
【0107】
被ばく体験シミュレーションシステム10は、3次元被ばく仮想空間12において被ばく体験者M(作業者)に放射線の疑似被ばくを体験させることで、放射線の被ばくを各被ばく体験者Mの身体に覚えさせることができ、放射線被ばくの低減方法を各被ばく体験者Mが確実に習得することができるとともに、実体験に基づいて被ばく低減の4原則「線源の移動・遮蔽・距離・時間」を体験者に意識付けすることができる。
【0108】
被ばく体験シミュレーションシステム10は、各被ばく体験者Mが3次元被ばく仮想空間12において各作業内容に合わせて位置や高さを変えて作業をした場合において、どうすれば被ばくを少なくすることができるかの訓練を行うことができ、3次元被ばく仮想空間12における作業手順や使用工具、モックアップ・ミーティングの有無等を通じて被ばく低減の4原則に基づいた様々な作業の訓練をすることができる。
【0109】
被ばく体験シミュレーションシステム10は、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのいずれかの被ばく仮想空間L1~Lnに位置する疑似放射線測定器19によって測定されたと仮定する測定線量を算出し、算出した測定線量を出力(表示)するから、被ばく体験者M(作業者)が出力された測定線量を見ることで、疑似放射線測定器19によって測定されたと仮定された測定線量を知ることができ、被ばく体験者Mが疑似放射線測定器19によって放射線の測定を体験することができる。被ばく体験シミュレーションシステム10は、3次元被ばく仮想空間12と疑似放射線測定器19とを利用して放射線測定の訓練を行うことができ、放射線測定の方法や手順、内容を各被ばく体験者Mが確実に習得することができる。
【0110】
図9は、3次元被ばく仮想空間12における遮蔽材の設置作業の一例を説明する図であり、
図10は、ディスプレイ15に出力された設置作業終了後の被ばく線量出力画面の一例を示す図である。
図9では、カメラ13の図示を省略している。尚、
図6の基材選択画面において、ヘルメット21、疑似放射線源16、疑似線量計17、疑似遮蔽材18、疑似放射線測定器19が選択されたものとする。
図9に示す遮蔽材設置作業は、3次元被ばく仮想空間12の中央に設置された作業盤23の点検を行う場合において、放射物質に汚染された基材(疑似放射線源16)が存在するが、その位置や放射線強度が不明である。被ばく体験者M(作業者)は、疑似放射線測定器19(疑似サーベイメーター)を使用して基材(疑似放射線源16)の位置や放射線強度を推定し、被ばくが最も少なくなるように疑似遮蔽材18(遮蔽材)を設置する。
【0111】
システム管理者は、3次元被ばく仮想空間選択画面において選択されて建造物の室内に設定された所定面積及び所定容積の3次元被ばく仮想空間12の任意の位置に疑似放射線源16を配置する。疑似放射線源16を配置し、エントリーされた被ばく体験者M(作業者)がヘルメット21を被り、疑似線量計17を身に着けた後、システム管理者は、被ばく体験者Mに3次元被ばく仮想空間12において行う遮蔽材設置作業の説明を行う。作業の説明を行った後、システム管理者は、
図3のメニュー画面の作業開始ボタン3hをクリックする。
【0112】
作業開始ボタン3hをクリックすると、カメラ13が起動するとともに、ヘルメット21に設置された被ばく体験者用LED照明14A、疑似放射線源用LED照明14B、疑似遮蔽材用LED照明14C、疑似放射線測定器用LED照明14Dが点灯する。それらカメラ13は、3次元被ばく仮想空間12全域(被ばく体験者用LED照明14Aが発する光や疑似放射線源用LED照明14Bが発する光、疑似遮蔽材用LED照明14Cが発する光、疑似放射線測定器用LED照明14Dが発する光を含む)を撮影し、仮想空間デジタル画像を管理コンピュータ11に送信する。
【0113】
管理コンピュータ11は、遮蔽材設置作業において
図7の作業において説明したと同様の手順により、仮想空間デジタル画像(カメラ画像内座標)から三角測量方式によって疑似放射線源用LED照明14Bの3次元位置を測量し、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける疑似放射線源用LED照明14Bの3次元位置データ(X,Y,Z座標)を取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちの疑似放射線源16が配置された被ばく仮想空間L1~Lnを特定する(3次元位置データ特定手段)。
【0114】
管理コンピュータ11は、遮蔽材設置作業において取得した疑似放射線源用LED照明14Bの3次元位置データを、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、疑似放射線源番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に時系列に格納(記憶)する(3次元位置データ記憶手段)。
【0115】
管理コンピュータ11は、遮蔽材設置作業において
図7の作業において説明したと同様の手順により、仮想空間デジタル画像(カメラ画像内座標)から三角測量方式によって疑似遮蔽材用LED照明14Cの3次元位置を測量し、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける疑似遮蔽材用LED照明14Cの3次元位置データ(X,Y,Z座標)を取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちの疑似遮蔽材18が配置された被ばく仮想空間L1~Lnを特定する(3次元位置データ特定手段)。
【0116】
管理コンピュータ11は、遮蔽材設置作業において取得した疑似遮蔽材用LED照明14Cの3次元位置データを、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、疑似遮蔽材番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に時系列に格納(記憶)する(3次元位置データ記憶手段)。
【0117】
管理コンピュータ11は、疑似放射線源16から放射線が放射されたと仮定した場合の被ばく線量率(mSv/h)を、仮想空間マッピング手段によってマッピング(区分)した各第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln毎(各3次元位置データ毎)に設定し(被ばく線量率設定手段)、被ばく線量率設定手段によって設定した被ばく線量率(mSv/h)を、空間特定情報(空間特定識別子)及び第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnの3次元位置データ(X,Y,Z座標)に関連付けた状態で大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)する(被ばく線量率記憶手段)。
【0118】
ヘルメット21を被り、疑似線量計17を身に付けた被ばく体験者Mは、3次元被ばく仮想空間12に進入し、疑似放射線測定器19を使用して疑似放射線源16に位置及び放射線強度を探りつつ、疑似遮蔽材18を所定の箇所に配置する。管理コンピュータ11は、遮蔽材設置作業の過程において
図7の作業において説明したと同様の手順により、仮想空間デジタル画像(カメラ画像内座標)から三角測量方式によって被ばく体験者用LED照明14Aの3次元位置を測量し、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける被ばく体験者用LED照明14Aの3次元位置データ(X,Y,Z座標)を取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちの被ばく体験者Mが位置する被ばく仮想空間L1~Lnを特定するとともに(3次元位置データ特定手段)、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける被ばく体験者用LED照明14A(被ばく体験者M)の存在時間(作業時間)を取得する。
【0119】
管理コンピュータ11は、遮蔽材設置作業の過程において取得した被ばく体験者用LED照明14Aの3次元位置データ及び存在時間(作業時間)を、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、ヘルメット番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に時系列に格納(記憶)する(3次元位置データ記憶手段)。
【0120】
管理コンピュータ11は、遮蔽材設置作業の過程において
図7の作業において説明したと同様の手順により、仮想空間デジタル画像(カメラ画像内座標)から三角測量方式によって疑似放射線測定器用LED照明14Dの3次元位置を測量し、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける疑似放射線測定器用LED照明14Dの3次元位置データ(X,Y,Z座標)を取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちの疑似放射線測定器19が位置する被ばく仮想空間L1~Lnを特定する(3次元位置データ特定手段)。
【0121】
管理コンピュータ11は、取得した疑似放射線測定器用LED照明14Aの3次元位置データを、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、疑似放射線測定器番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に時系列に格納(記憶)する(3次元位置データ記憶手段)。
【0122】
管理コンピュータ11は、疑似遮蔽材18を設置しない場合において、被ばく線量率設定手段によって設定された所定の被ばく仮想空間L1~Lnの被ばく線量率(mSv/h)に、被ばく仮想空間特定手段によって特定した被ばく空間L1~Lnにおける被ばく体験者Mの作業時間(h)を乗じて被ばく線量(mSv)を算出する(被ばく線量算出手段)。
【0123】
管理コンピュータ11は、疑似遮蔽材18を設置した場合において、被ばく線量率設定手段によって設定された所定の被ばく仮想空間L1~Lnの被ばく線量率(mSv/h)に、被ばく仮想空間特定手段によって特定した被ばく空間L1~Lnにおける被ばく体験者Mの遮蔽材設置作業時間(h)を乗じるとともに、疑似遮蔽材18によって放射線が遮蔽されたと推定した場合の軽減率を乗じて被ばく線量(mSv)を算出する(被ばく線量算出手段)。管理コンピュータ11は、算出した被ばく線量(mSv)を、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、ヘルメット番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に格納(記憶)する(被ばく線量記憶手段)。
【0124】
管理コンピュータ11は、疑似遮蔽材18を設置しない場合において、被ばく線量率設定手段によって設定された所定の被ばく仮想空間L1~Ln毎の被ばく線量率(mSv/h)に、被ばく仮想空間特定手段によって特定した被ばく空間L1~Lnにおける疑似放射線測定器19の測定時間(h)を乗じて測定線量(mSv)を算出する(測定線量算出手段)。
【0125】
管理コンピュータ11は、疑似遮蔽材18を設置した場合において、被ばく線量率設定手段によって設定された所定の被ばく仮想空間L1~Ln毎の被ばく線量率(mSv/h)に、被ばく仮想空間特定手段によって特定した被ばく空間L1~Lnにおける遮蔽材設置作業中の疑似放射線測定器19の測定時間(h)を乗じるとともに、疑似遮蔽材18によって放射線が遮蔽されたと推定した場合の軽減率を乗じて測定線量(mSv)を算出する(測定線量算出手段)。管理コンピュータ11は、算出した測定線量(mSv)を、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、ヘルメット番号及び疑似放射線測定器番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に格納(記憶)する(測定線量記憶手段)。
【0126】
管理コンピュータ11は、図示はしていないが、被ばく線量算出手段によって算出した被ばく体験者Mの被ばく線量(mSv)(疑似遮蔽材18を設置しない場合及び疑似遮蔽材18を設置した場合の被ばく線量)をディスプレイ15に出力(表示)するとともに(被ばく線量第1出力手段)。測定線量算出手段によって算出した測定線量(mSv)(疑似遮蔽材18を設置しない場合及び疑似遮蔽材18を設置した場合の測定線量)を疑似放射線測定器19に送信しつつ測定線量を疑似放射線測定器19のディスプレイに時系列に出力(表示)する(測定線量出力手段)。システム管理者や被ばく体験者M(作業者)は、ディスプレイ15や疑似放射線測定器19のディスプレイに時系列に出力(表示)された被ばく線量や測定線量を見ることで、遮蔽材設置作業中に被ばく体験者Mに放射された被ばく線量を知ることができ、遮蔽材設置作業中に疑似放射線測定器19によって測定された測定線量を知ることができる。
【0127】
管理コンピュータ11は、遮蔽材設置作業の過程において算出した被ばく線量(mSv)を疑似線量計17に送信しつつ算出した被ばく線量(mSv)を疑似線量計17のディスプレイ22に時系列に出力(表示)する(被ばく線量第2出力手段)。被ばく体験者M(作業者)は、疑似線量計17のディスプレイ22に時系列に出力(表示)された被ばく線量を見ることで、遮蔽材設置作業中における自己の被ばく線量を知ることができる。
【0128】
図10の設置作業終了後の被ばく線量出力画面には、被ばく体験者の氏名を表示した氏名表示エリア10a、被ばく仮想空間12における経過作業時間を表示した経過作業時間表示エリア10b、線量等表示エリア10c、作業終了ボタン10d、作業中止ボタン10eが出力(表示)される。線量等表示エリアに10cは、疑似遮蔽材18(遮蔽材)なしの場合の被ばく線量(mSv)、疑似遮蔽材18(遮蔽材)ありの場合の被ばく線量(mSv)、各作業時間、疑似遮蔽材18(遮蔽材)なしの場合及び疑似遮蔽材18(遮蔽材)ありの場合における被ばく線量の低減量(mSv)が表示される。
【0129】
被ばく仮想空間12における疑似遮蔽材18の設置作業が終了した場合、システム管理者は、
図10の設置作業終了後の被ばく線量出力画面の作業終了ボタン10dをクリックする。作業終了ボタン10dをクリックすると、管理コンピュータ11は、カメラ13、被ばく体験者用LED照明14A、疑似放射線源用LED照明14B、疑似遮蔽材用LED照明14C、疑似放射線測定器用LED照明14DをOFFにするとともに、
図3のメニュー画面をディスプレイ15に出力(表示)する。
【0130】
尚、
図7の作業と同様に、
図9の遮蔽材設置作業において、管理コンピュータ11は、被ばく仮想空間12における被ばく体験者Mの遮蔽材設置作業中に体験者Mに放射された放射線(体験者Mが浴びた放射線)の被ばく線量(mSv)が被ばく限度値を超えかを判断し(被ばく限度判断手段)、放射線の被ばく線量(mSv)が被ばく限度値を超えたと判断した場合、スピーカーに所定のアラーム又は所定のメッセージを発音させる(発音手段)。システム管理者は、スピーカーからアラーム又はメッセージが発音された場合、
図10の被ばく線量出力画面の作業中止ボタン10eをクリックするとともに、被ばく体験者Mに被ばく仮想空間12における遮蔽材設置作業を中止させる。
【0131】
被ばく体験シミュレーションシステム10は、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける疑似遮蔽材18の正確な3次元位置データを取得しつつ、放射線が疑似遮蔽材18によって遮蔽されたと推定した場合の被ばく線量(mSv)を算出するから、放射線が疑似遮蔽材18によって遮蔽されたと推定した場合における正確な被ばく線量(mSv)を算出することができる。
【0132】
被ばく体験シミュレーションシステム10は、放射線が疑似遮蔽材18によって遮蔽されたと推定することで、疑似遮蔽材18を利用しない場合と比較し、被ばく体験者M(作業者)が被ばくしたと推定される被ばく線量(mSv)が低くなり、被ばく体験者Mが疑似遮蔽材18を利用した場合の被ばく線量(mSv)と疑似遮蔽材18を利用しない場合の被ばく線量(mSv)とを知ることができる。
【0133】
被ばく体験シミュレーションシステム10は、被ばく体験者M(作業者)が疑似遮蔽材18を利用した場合の被ばく線量(mSv)と疑似遮蔽材18を利用しない場合の被ばく線量(mSv)とを知ることで、遮蔽材(疑似遮蔽材18)を利用することによって各被ばく体験者Mが被ばくする放射線の被ばく量(mSv)を低減させることが可能であることを学ぶことができ、各被ばく体験者Mが遮蔽材の必要性や重要性を知ることができる。
【0134】
被ばく体験シミュレーションシステム10は、各被ばく体験者M(作業者)が3次元被ばく仮想空間12において遮蔽材の適切な設置箇所の選定や設置手順を訓練することができ、被ばく低減の4原則に基づいた遮蔽材の設置作業の最適な訓練を行うことができる。被ばく体験シミュレーションシステム10は、3次元被ばく仮想空間12において疑似遮蔽材18を利用して放射線の疑似被ばくを体験させることで、放射線の被ばくを各被ばく体験者Mの身体に覚えさせることができ、放射線被ばくの低減方法を各被ばく体験者Mが確実に習得することができるとともに、実体験に基づいて被ばく低減の4原則「線源の移動・遮蔽・距離・時間」を体験者Mに意識付けすることができる。
【0135】
図11は、3次元被ばく仮想空間12における経路探索作業の一例を説明する図であり、
図12は、ディスプレイ15に出力された経路探索作業終了後の被ばく線量出力画面の一例を示す図である。
図11では、カメラ13の図示を省力している。尚、
図6の基材選択画面において、ヘルメット21、疑似放射線源16、疑似線量計17、疑似放射線測定器19が選択されたものとする。
図11に示す経路探索作業は、3次元被ばく仮想空間12の中央に設置された作業盤23の点検を行うために3次元被ばく仮想空間12を移動する場合において、放射物質に汚染された基材(疑似放射線源16)が存在するが、その位置や放射線強度が不明である。又、3次元被ばく仮想空間12には、多数の機材24(障害物)があり、移動にし難い箇所が存在する。被ばく体験者M(作業者)は、疑似放射線測定器19(疑似サーベイメーター)を使用して線源(疑似放射線源18)の位置や放射線強度を測定し、基材24(障害物)を避けつつ被ばくが最も少なくなる経路を設定する。
【0136】
システム管理者は、3次元被ばく仮想空間選択画面において選択されて建造物の室内に設定された所定面積及び所定容積の3次元被ばく仮想空間12の任意の位置に疑似放射線源16を配置する。疑似放射線源16を配置し、エントリーされた被ばく体験者M(作業者)がヘルメット21を被り、疑似線量計17を身に着けた後、システム管理者は、被ばく体験者Mに3次元被ばく仮想空間12において行う経路探索作業の説明を行う。作業の説明を行った後、システム管理者は、
図3のメニュー画面の作業開始ボタン3hをクリックする。
【0137】
作業開始ボタン3hをクリックすると、カメラ13が起動するとともに、ヘルメット21に設置された被ばく体験者用LED照明14A、疑似放射線源用LED照明14B、疑似放射線測定器用LED照明14Dが点灯する。それらカメラ13は、3次元被ばく仮想空間12全域(被ばく体験者用LED照明14Aが発する光や疑似放射線源用LED照明14Bが発する光、疑似放射線測定器用LED照明14Dが発する光を含む)を撮影し、仮想空間デジタル画像を管理コンピュータ11に送信する。
【0138】
管理コンピュータ11は、経路探索作業において
図7の作業において説明したと同様の手順により、仮想空間デジタル画像(カメラ画像内座標)から三角測量方式によって疑似放射線源用LED照明14Bの3次元位置を測量し、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける疑似放射線源用LED照明14Bの3次元位置データ(X,Y,Z座標)を取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちの疑似放射線源18が配置された被ばく仮想空間L1~Lnを特定する(3次元位置データ特定手段)。
【0139】
管理コンピュータ11は、経路探索作業において取得した疑似放射線源用LED照明14Bの3次元位置データを、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、疑似放射線源番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に時系列に格納(記憶)する(3次元位置データ記憶手段)。
【0140】
管理コンピュータ11は、疑似放射線源16から放射線が放射されたと仮定した場合の被ばく線量率(mSv/h)を、仮想空間マッピング手段によってマッピング(区分)した各第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln毎(各3次元位置データ毎)に設定し(被ばく線量率設定手段)、被ばく線量率設定手段によって設定した被ばく線量率(mSv/h)を、空間特定情報(空間特定識別子)及び第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnの3次元位置データ(X,Y,Z座標)に関連付けた状態で大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)する(被ばく線量率記憶手段)。
【0141】
ヘルメット21を被り、疑似線量計17を身に付けた被ばく体験者Mは、3次元被ばく仮想空間12に進入し、疑似放射線測定器19を使用して疑似放射線源16に位置及び放射線強度を探りつつ、進入口から作業盤23までの被ばくが最も少なくなる経路を探索する。管理コンピュータ11は、経路探索作業の過程において
図7の作業において説明したと同様の手順により、仮想空間デジタル画像(カメラ画像内座標)から三角測量方式によって被ばく体験者用LED照明14Aの3次元位置を測量し、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける被ばく体験者用LED照明14Aの3次元位置データ(X,Y,Z座標)を取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちの被ばく体験者Mが位置する被ばく仮想空間L1~Lnを特定するとともに(3次元位置データ特定手段)、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける被ばく体験者用LED照明14A(被ばく体験者M)の存在時間(作業時間)を取得する。
【0142】
管理コンピュータ11は、経路探索作業の過程において取得した被ばく体験者用LED照明14Aの3次元位置データ及び存在時間(作業時間)を、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、ヘルメット番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に時系列に格納(記憶)する(3次元位置データ記憶手段)。
【0143】
管理コンピュータ11は、経路探索作業の過程において
図7の作業において説明したと同様の手順により、仮想空間デジタル画像(カメラ画像内座標)から三角測量方式によって疑似放射線測定器用LED照明14Dの3次元位置を測量し、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける疑似放射線測定器用LED照明14Dの3次元位置データ(X,Y,Z座標)を取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちの疑似放射線測定器19が位置する被ばく仮想空間L1~Lnを特定する(3次元位置データ特定手段)。
【0144】
管理コンピュータ11は、経路探索作業の過程において取得した疑似放射線測定器用LED照明14Dの3次元位置データを、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、疑似放射線測定器番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に時系列に格納(記憶)する(3次元位置データ記憶手段)。
【0145】
管理コンピュータ11は、被ばく線量率設定手段によって設定された所定の被ばく仮想空間L1~Lnの被ばく線量率(mSv/h)に、被ばく仮想空間特定手段によって特定した被ばく空間L1~Lnにおける被ばく体験者Mの経路探索作業時間(h)を乗じて被ばく線量(mSv)を算出する(被ばく線量算出手段)。管理コンピュータ11は、算出した被ばく線量(mSv)を、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、ヘルメット番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に格納(記憶)する(被ばく線量記憶手段)。
【0146】
管理コンピュータ11は、被ばく線量率設定手段によって設定された所定の被ばく仮想空間L1~Ln毎の被ばく線量率(mSv/h)に、被ばく仮想空間特定手段によって特定した被ばく空間L1~Lnにおける経路探索作業中の疑似放射線測定器19の測定時間(h)を乗じて測定線量(mSv)を算出する(測定線量算出手段)。管理コンピュータ11は、算出した測定線量(mSv)を、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、ヘルメット番号及び疑似放射線測定器番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に格納(記憶)する(測定線量記憶手段)。
【0147】
管理コンピュータ11は、被ばく線量算出手段によって算出した被ばく体験者Mの被ばく線量(第1経路K1及び第2経路K2の被ばく線量)をディスプレイ15に出力(表示)するとともに(被ばく線量第1出力手段)。測定線量算出手段によって算出した測定線量(第1経路K1及び第2経路K2の測定線量)を疑似放射線測定器19に送信しつつ測定線量を疑似放射線測定器19のディスプレイに時系列に出力(表示)する(測定線量出力手段)。システム管理者や被ばく体験者M(作業者)は、ディスプレイ15や疑似放射線測定器19のディスプレイに時系列に出力(表示)された被ばく線量や測定線量を見ることで、移動経路探索作業中に被ばく体験者Mに放射された被ばく線量を知ることができ、移動経路探索作業中に疑似放射線測定器19によって測定された測定線量を知ることができる。
【0148】
管理コンピュータ11は、移動経路探索作業の過程において算出した被ばく線量(mSv)を疑似線量計17に送信しつつ疑似線量計17のディスプレイ22に時系列に出力(表示)する(被ばく線量第2出力手段)。被ばく体験者M(作業者)は、疑似線量計17のディスプレイ22に時系列に出力(表示)された被ばく線量を見ることで、移動経路探索中における自己の被ばく線量を知ることができる。
【0149】
図12の経路探索作業終了後の被ばく線量出力画面には、被ばく体験者の氏名を表示した氏名表示エリア12a、被ばく仮想空間12における経過作業時間を表示した経過作業時間表示エリア12b、線量等表示エリア12c、作業終了ボタン12d、作業中止ボタン12eが出力(表示)される。線量等表示エリア12cには、第1経路K1の場合の被ばく線量(mSv)、第2経路K2の場合の被ばく線量(mSv)、各作業時間、第1経路K1及び第2経路K2における被ばく線量の低減量(mSv)が表示される。
【0150】
被ばく仮想空間12における経路探索作業が終了した場合、システム管理者は、
図12の経路探索作業後の被ばく線量出力画面の作業終了ボタン12dをクリックする。作業終了ボタン12dをクリックすると、管理コンピュータ11は、カメラ13、被ばく体験者用LED照明14A、疑似放射線源用LED照明14B、疑似放射線測定器用LED照明14CをOFFにするとともに、
図3のメニュー画面をディスプレイ15に出力(表示)する。
【0151】
尚、
図7の作業と同様に、
図11の経路探索作業において、管理コンピュータ11は、被ばく仮想空間12における被ばく体験者Mの経路探索作業中に体験者Mに放射された放射線(体験者が浴びた放射線)の被ばく線量(mSv)が被ばく限度値を超えかを判断し(被ばく限度判断手段)、放射線の被ばく線量(mSv)が被ばく限度値を超えたと判断した場合、スピーカーに所定のアラーム又は所定のメッセージを発音させる(発音手段)。システム管理者は、スピーカーからアラーム又はメッセージが発音された場合、
図12の被ばく線量出力画面の作業中止ボタン12eをクリックするとともに、被ばく体験者Mに被ばく仮想空間12における経路探索作業を中止させる。
【0152】
被ばく体験シミュレーションシステム10は、各被ばく体験者M(作業者)が3次元被ばく仮想空間12において移動経路の適切な選定や移動経路の探索手順を訓練することができ、被ばく低減の4原則に基づいた移動経路探索作業の最適な訓練を行うことができる。被ばく体験シミュレーションシステム10は、3次元被ばく仮想空間12において移動経路探索作業を通じて放射線の疑似被ばくを体験させることで、放射線の被ばくを各被ばく体験者Mの身体に覚えさせることができ、放射線被ばくの低減方法を各被ばく体験者Mが確実に習得することができるとともに、実体験に基づいて被ばく低減の4原則「線源の移動・遮蔽・距離・時間」を体験者Mに意識付けすることができる。
【0153】
図13は、3次元被ばく仮想空間12における低線量エリアE1を活用したロボット点検作業の一例を説明する図であり、
図14は、ディスプレイ15に出力されたロボット点検作業終了後の被ばく線量出力画面の一例を示す図である。
図15は、低線量エリアE1の活用作業においてモックアップ訓練を行った場合のロボット点検作業終了後の被ばく線量出力画面の他の一例を示す図である。尚、
図6の基材選択画面において、ヘルメット21、疑似放射線源16、疑似線量計17、疑似遠隔操作ロボット20が選択されたものとする。
【0154】
図13に示す低線量エリアE1を活用したロボット点検作業は、遠隔操作ロボット20を使用して操作盤23の点検中にロボット20に異常が発生し、急きょロボット20の点検を行う必要が生じた。操作盤23は放射性物質に汚染されており、線量が高く、被ばく体験者M(作業者)は予め遮蔽物25を設置しておいた低線量エリアE1にロボット20を移動して点検を行う。
【0155】
システム管理者は、3次元被ばく仮想空間選択画面において選択されて建造物の室内に設定された所定面積及び所定容積の3次元被ばく仮想空間12の任意の位置に疑似放射線源16を配置する。疑似放射線源16を配置し、エントリーされた被ばく体験者M(作業者)がヘルメット21を被り、疑似線量計17を身に着けた後、システム管理者は、被ばく体験者Mに3次元被ばく仮想空間12において行う低線量エリアE1及びその他のエリアE2を活用したロボット点検作業の説明を行う。作業の説明を行った後、システム管理者は、
図3のメニュー画面の作業開始ボタン3hをクリックする。
【0156】
作業開始ボタン3hをクリックすると、カメラ13が起動するとともに、ヘルメット21に設置された被ばく体験者用LED照明14A、疑似放射線源用LED照明14B、疑似遠隔操作ロボット用LED照明14Eが点灯する。それらカメラ13は、3次元被ばく仮想空間12全域(被ばく体験者用LED照明14Aが発する光や疑似放射線源用LED照明14Bが発する光、疑似遠隔操作ロボット用LED照明14Eが発する光を含む)を撮影し、仮想空間デジタル画像を管理コンピュータ11に送信する。
【0157】
管理コンピュータ11は、低線量エリアE1を活用したロボット点検作業において
図7の作業において説明したと同様の手順により、仮想空間デジタル画像(カメラ画像内座標)から三角測量方式によって疑似放射線源用LED照明14Bの3次元位置を測量し、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける疑似放射線源用LED照明14Bの3次元位置データ(X,Y,Z座標)を取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちの疑似放射線源16が配置された被ばく仮想空間L1~Lnを特定する(3次元位置データ特定手段)。
【0158】
管理コンピュータ11は、低線量エリアE1を活用したロボット点検作業において取得した疑似放射線源用LED照明14Bの3次元位置データを、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、疑似放射線源番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に時系列に格納(記憶)する(3次元位置データ記憶手段)。
【0159】
管理コンピュータ11は、疑似放射線源16から放射線が放射されたと仮定した場合の被ばく線量率(mSv/h)を、仮想空間マッピング手段によってマッピング(区分)した各第1~第n被ばく仮想空間L1~Ln毎(各3次元位置データ毎)に設定し(被ばく線量率設定手段)、被ばく線量率設定手段によって設定した被ばく線量率(mSv/h)を、空間特定情報(空間特定識別子)及び第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnの3次元位置データ(X,Y,Z座標)に関連付けた状態で大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に格納(記憶)する(被ばく線量率記憶手段)。
【0160】
ヘルメット21を被り、疑似線量計17を身に付けた被ばく体験者M(作業者)は、遮蔽物25に隠れた状態で3次元被ばく仮想空間12において遠隔操作用ロボット20を使用して操作盤23を点検中、ロボット20の異常が発生したため、低線量エリアE1及びそれ以外のエリアE2にてロボット20の点検を行う。
【0161】
管理コンピュータ11は、低線量エリアE1を活用したロボット点検作業の過程において
図7の作業において説明したと同様の手順により、仮想空間デジタル画像(カメラ画像内座標)から三角測量方式によって被ばく体験者用LED照明14Aの3次元位置を測量し、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける被ばく体験者用LED照明14Aの3次元位置データ(X,Y,Z座標)を取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちの被ばく体験者Mが位置する被ばく仮想空間L1~Lnを特定するとともに(3次元位置データ特定手段)、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける被ばく体験者用LED照明14A(被ばく体験者M)の存在時間(作業時間)を取得する。
【0162】
管理コンピュータ11は、低線量エリアE1を活用したロボット点検作業の過程において取得した被ばく体験者用LED照明14Aの3次元位置データ及び存在時間(作業時間)を、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、ヘルメット番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に時系列に格納(記憶)する(3次元位置データ記憶手段)。
【0163】
管理コンピュータ11は、低線量エリアE1を活用したロボット点検作業の過程において
図7の作業において説明したと同様の手順により、仮想空間デジタル画像(カメラ画像内座標)から三角測量方式によって疑似遠隔操作ロボット用LED照明14E(疑似遠隔操作ロボット20)の3次元位置を測量し、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnにおける疑似遠隔操作ロボット用LED照明14Eの3次元位置データ(X,Y,Z座標)を取得しつつ、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちの疑似遠隔操作ロボット20が位置する被ばく仮想空間L1~Lnを特定する(3次元位置データ特定手段)。
【0164】
管理コンピュータ11は、低線量エリアE1を活用したロボット点検作業の過程において取得した疑似遠隔操作ロボット用LED照明14Eの3次元位置データを、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、疑似遠隔操作ロボット番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に時系列に格納(記憶)する(3次元位置データ記憶手段)。
【0165】
管理コンピュータ11は、被ばく線量率設定手段によって設定された所定の被ばく仮想空間L1~Lnの被ばく線量率(mSv/h)に、被ばく仮想空間特定手段によって特定した被ばく空間L1~Lnにおける被ばく体験者Mのロボット点検作業時間(h)を乗じて被ばく線量(mSv)を算出する(被ばく線量算出手段)。管理コンピュータ11は、算出した被ばく線量(mSv)を、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、ヘルメット番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に格納(記憶)する(被ばく線量記憶手段)。
【0166】
管理コンピュータ11は、疑似遠隔操作ロボット20を第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのうちのいずれかの被ばく仮想空間L1~Lnに位置させたときに、第1~第n被ばく仮想空間L1~Lnのいずれかの被ばく仮想空間L1~Lnに位置する疑似遠隔操作ロボット20が被ばくしたと推定されるロボット被ばく線量を算出する(ロボット被ばく線量算出手段)。具体的には、被ばく線量率設定手段によって設定された所定の被ばく仮想空間L1~Ln毎の被ばく線量率(mSv/h)に、被ばく仮想空間特定手段によって特定した被ばく空間L1~Lnにおける遠隔操作ロボット20の作業時間(h)を乗じてロボット被ばく線量線量(mSv)を算出する(ロボット被ばく線量算出手段)。
【0167】
管理コンピュータ11は、算出したロボット被ばく線量(mSv)を、エントリーされた被ばく体験者Mの個人特定情報(個人特定識別子)、選択された3次元被ばく仮想空間12の空間特定情報(空間特定識別子)、ヘルメット番号及び遠隔操作ロボット番号に関連付けた状態で大容量記憶領域又は大容量仮想記憶領域に格納(記憶)する(ロボット被ばく線量記憶手段)。
【0168】
管理コンピュータ11は、図示はしていないが、被ばく線量算出手段によって算出した被ばく体験者Mの被ばく線量(低線量エリアE1及びそれ以外のエリアE2の被ばく線量)をディスプレイ15に出力(表示)するとともに(被ばく線量第1出力手段)。ロボット被ばく線量算出手段によって算出したロボット被ばく線量(高線量エリアE2のロボット被ばく線量)をディスプレイ15に出力(表示)する(測定線量出力手段)。システム管理者や被ばく体験者M(作業者)は、ディスプレイ15に出力(表示)されたロボット被ばく線量を見ることで、作業中における遠隔操作ロボット20のロボット被ばく線量を知ることができる。
【0169】
管理コンピュータ11は、ロボット点検作業の過程において算出した被ばく線量(mSv)を疑似線量計17に送信しつつ算出した被ばく線量(mSv)を疑似線量計17のディスプレイ22に時系列に出力(表示)する(被ばく線量第2出力手段)。被ばく体験者M(作業者)は、疑似線量計17のディスプレイ22に時系列に出力(表示)された被ばく線量を見ることで、ロボット点検作業中における自己の被ばく線量を知ることができる。
【0170】
図14のロボット点検作業終了後の被ばく線量出力画面には、被ばく体験者Mの氏名を表示した氏名表示エリア14A、被ばく仮想空間12における経過作業時間を表示した経過作業時間表示エリア14B、線量等表示エリア14C、作業終了ボタン14D、作業中止ボタン14Eが出力(表示)される。線量等表示エリア14Cには、低線量エリアE1を使用しない場合(高線量エリアE2を使用した場合)の被ばく線量(mSv)、低線量エリアE1を使用した場合の被ばく線量(mSv)、各作業時間、低線量エリアE1を使用しない場合及び低線量エリアE1を使用した場合における被ばく線量の低減量(mSv)が表示される。
【0171】
図15のモックアップ訓練(M/U訓練)を行った場合のロボット点検作業終了後の被ばく線量出力画面には、被ばく体験者Mの氏名を表示した氏名表示エリア15a、被ばく仮想空間12における経過作業時間を表示した経過作業時間表示エリア15b、線量等表示エリア15c、作業終了ボタン15d、作業中止ボタン15eが出力(表示)される。線量等表示エリア15cには、モックアップ(M/U)なし+低線量エリアE1を使用しない場合(高線量エリアE2を使用した場合)の被ばく線量(mSv)、モックアップ(M/U)あり+低線量エリアE1を使用した場合の被ばく線量(mSv)、各作業時間、モックアップなし+低線量エリアE1を使用しない場合及びモックアップあり+低線量エリアE1を使用した場合における被ばく線量の低減量(mSv)が表示される。
【0172】
被ばく仮想空間12におけるロボット点検作業が終了した場合、システム管理者は、
図14の経路探索作業後の被ばく線量出力画面又は
図15のモックアップ訓練を行った場合のロボット点検作業終了後の被ばく線量出力画面の作業終了ボタン14D,15dをクリックする。作業終了ボタン14D,15dをクリックすると、管理コンピュータ11は、カメラ13、被ばく体験者用LED照明14A、疑似放射線源用LED照明14B、疑似遠隔操作ロボット用LED照明14EをOFFにするとともに、
図3のメニュー画面をディスプレイ15に出力(表示)する。
【0173】
尚、
図7の作業と同様に、
図13のロボット点検作業において、管理コンピュータ11は、被ばく仮想空間12における被ばく体験者Mのロボット点検作業中に体験者Mに放射された放射線(体験者Mが浴びた放射線)の被ばく線量(mSv)が被ばく限度値を超えかを判断し(被ばく限度判断手段)、放射線の被ばく線量(mSv)が被ばく限度値を超えたと判断した場合、スピーカーに所定のアラーム又は所定のメッセージを発音させる(発音手段)。システム管理者は、スピーカーからアラーム又はメッセージが発音された場合、
図14又は
図15の被ばく線量出力画面の作業中止ボタン14E,15eをクリックするとともに、被ばく体験者Mに被ばく仮想空間12におけるロボット点検作業を中止させる。
【0174】
被ばく体験シミュレーションシステム10は、各被ばく体験者M(作業者)が3次元被ばく仮想空間12の低線量エリアE1を利用して遠隔操作ロボット20の点検手順や適切な点検作業を訓練することができ、被ばく低減の4原則に基づいたロボット点検作業の最適な訓練を行うことができる。被ばく体験シミュレーションシステム10は、3次元被ばく仮想空間12においてロボット点検作業を通じて放射線の疑似被ばくを体験させることで、放射線の被ばくを各被ばく体験者Mの身体に覚えさせることができ、放射線被ばくの低減方法を各被ばく体験者Mが確実に習得することができるとともに、実体験に基づいて被ばく低減の4原則「線源の移動・遮蔽・距離・時間」を体験者Mに意識付けすることができる。尚、この被ばく体験シミュレーションシステム10は、被ばく体験以外のあらゆる作業のシミュレーションが可能となる。又、被ばく体験シミュレーションシステム10は、原子力発電所等の被ばくを伴う作業のみならず、一般的な作業にも広く利用することができる。
【符号の説明】
【0175】
10 被ばく体験シミュレーションシステム
11 管理コンピュータ(管理サーバ)
12 3次元被ばく仮想空間
13 カメラ
14 LED照明
14A 被ばく体験者M用LED照明
14B 疑似放射線源用LED照明
14C 疑似遮蔽材用LED照明
14D 疑似放射線測定器用LED照明
14E 遠隔操作ロボット用LED照明
15 ディスプレイ(出力装置)
16 疑似放射線源
17 疑似線量計
18 疑似遮蔽材
19 疑似放射線測定器(疑似サーベイメーター)
20 疑似遠隔操作ロボット
21 ヘルメット
22 ディスプレイ
23 作業盤
24 機材(障害物)
25 遮蔽物
M 被ばく体験者(作業者)
L1~Ln 第1~第n被ばく仮想空間
E1 低線量エリア
E2 低線量エリア以外のエリア(高線量エリア)
K1 第1経路
K2 第2経路