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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022049851
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】冷却庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 21/14 20060101AFI20220323BHJP
【FI】
F25D21/14 A
F25D21/14 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020156109
(22)【出願日】2020-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】000239585
【氏名又は名称】フクシマガリレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148138
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡
(72)【発明者】
【氏名】井口 晃
【テーマコード(参考)】
3L048
【Fターム(参考)】
3L048AA01
3L048AA07
3L048AA09
3L048BA01
3L048BC01
3L048BD02
3L048CA04
3L048CB03
3L048CB05
3L048CC03
3L048CC04
3L048CC05
3L048CE04
3L048DA03
3L048DB07
3L048EA03
3L048GA02
(57)【要約】
【課題】冷却庫において、冷蔵室などの庫内の有効容積を損なうことなくドレンタンクを設置できるようにする。
【解決手段】断熱箱体14(本体ケース1)の外箱16と内箱15の間の発泡樹脂からなる断熱材17の充填空間内にドレンタンク20を配する。これにより、冷却室2内(庫内)にドレンタンクが配置されている従来の冷却庫のように、冷却室2の有効容積が損なわれることはなく、冷却室2の有効容積をより大きくすることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱箱体(14)からなる本体ケース(1)と、
本体ケース(1)の内部に設けられた冷却室(2)と、
冷却室(2)に供給される冷気の生成を担う蒸発器(9)と、
蒸発器(9)から排出されたドレン水を受けるドレンカバー(11)と、
ドレン水を貯留するドレンタンク(20)と、
ドレンカバー(11)とドレンタンク(20)との間に設けられてドレンカバー(11)で受けられたドレン水をドレンタンク(20)に流下させる受水管(21)と、
を備え、
本体ケース(1)を構成する断熱箱体(14)は、外箱(16)と、この外箱(16)の内部に所要の対向間隙を存して設けられた内箱(15)と、両箱(16・15)の間の充填空間内に充填された発泡樹脂からなる断熱材(17)とで構成されており、
ドレンタンク(20)が、断熱箱体(14)の外箱(16)と内箱(15)の間の充填空間内に配置されていることを特徴とする冷却庫。
【請求項2】
内箱(15)とドレンタンク(20)との間に断熱材(17)が配されている、請求項1に記載の冷却庫。
【請求項3】
ドレンタンク(20)は、上向きに開口するタンク本体(30)を備えており、
受水管(21)の管終端部の下端は、タンク本体(30)の底壁と隙間(E)を介して対向しており、
ドレンタンク(20)内のドレン水の最低水位が、受水管(21)の管終端部の下端よりも上方位置に設定されている、請求項1又は2に記載の冷却庫。
【請求項4】
ドレン水を蒸発させる蒸発容器(22)と、
ドレンタンク(20)内のドレン水を蒸発容器(22)へ送給する揚水ポンプ(23)と、
蒸発容器(22)とドレンタンク(20)の間に設けられた揚水管路(24)と、
ドレンタンク(20)内のドレン水の水位を検知する液位センサー(26)と、
を備え、
ドレンタンク(20)内のドレン水の液位が所定位置まで達したことが液位センサー(26)で検知されたとき、揚水ポンプ(23)が起動されてドレン水が蒸発容器(22)へ揚水されるように構成されている、請求項1乃至3のいずれかひとつに記載の冷却庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫やショーケースなどの冷却庫に関して、特に蒸発器から排出されたドレン水を貯留するドレンタンクの配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却庫の分野において、除霜運転時に蒸発器から発生するドレン水を一時的に貯留するドレンタンクを設けることは周知技術である。例えば特許文献1の冷蔵庫では、冷却室(冷蔵室)の室内に蒸発器(エバポレータ)と、蒸発器の下面を覆うドレンカバー(エバカバー)と、ドレンタンクとを配置している。ドレンタンクは、ドレンカバーの後端に設けられている。
【0003】
特許文献2の冷蔵庫では、冷却室(冷蔵室)の室内にドレンタンクを配置している。より詳しくは、冷却室の上端部に、ダンパサーモスタットを内蔵するコントロールボックスを配置し、このコントロールボックスの上方にドレンタンク(タンク)を配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-132446号公報
【特許文献2】実公昭63-42295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2のように、冷却室の室内にドレンタンクが配置されていると、当該ドレンタンクの容量分だけ冷却室の有効容積が小さくなることが避けられない。尤も、冷却庫の背面や側面といった庫外にドレンタンクを配置することは可能であるが、その場合には、冷却庫の背面や側面からドレンタンクが突出することとなる。
【0006】
本発明の目的は、冷却庫において、ドレンタンクの設置に伴って冷却室の有効容積が損なわれることを防ぐことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る冷却庫は、断熱箱体14からなる本体ケース1と、本体ケース1の内部に設けられた冷却室2と、冷却室2に供給される冷気の生成を担う蒸発器9と、蒸発器9から排出されたドレン水を受けるドレンカバー11と、ドレン水を貯留するドレンタンク20と、ドレンカバー11とドレンタンク20との間に設けられてドレンカバー11で受けられたドレン水をドレンタンク20に流下させる受水管21とを備える。本体ケース1を構成する断熱箱体14は、外箱16と、この外箱16の内部に所要の対向間隙を存して設けられた内箱15と、両箱16・15の間の充填空間内に充填された発泡樹脂からなる断熱材17とで構成されている。そして、ドレンタンク20が、断熱箱体14の外箱16と内箱15の間の充填空間内に配置されていることを特徴とする。
【0008】
内箱15とドレンタンク20との間に断熱材17が配されている。
【0009】
ドレンタンク20は、上向きに開口するタンク本体30を備えており、受水管21の管終端部の下端は、タンク本体30の底壁と隙間Eを介して対向しており、ドレンタンク20内のドレン水の最低水位が、受水管21の管終端部の下端よりも上方位置に設定されている。
【0010】
ドレン水を蒸発させる蒸発容器22と、ドレンタンク20内のドレン水を蒸発容器22へ送給する揚水ポンプ23と、蒸発容器22とドレンタンク20の間に設けられた揚水管路24と、ドレンタンク20内のドレン水の水位を検知する液位センサー26とを備える。そして、ドレンタンク20内のドレン水の液位が所定位置まで達したことが液位センサー26で検知されたとき、揚水ポンプ23が起動されてドレン水が蒸発容器22へ揚水されるように構成されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る冷却庫においては、断熱箱体14の外箱16と内箱15の間の発泡樹脂からなる断熱材17の充填空間内にドレンタンク20を配したので、冷却室2内(庫内)にドレンタンクが配置されている従来の冷却庫のように、冷却室の有効容積が損なわれることはなく、冷却室2の有効容積をより大きくすることができる。したがって、本発明によれば、ドレンタンク20の設置に伴って冷却室2の有効容積が損なわれることを防ぐことができる。
【0012】
内箱15とドレンタンク20との間に断熱材17が配されていると、該断熱体17で両者15・20の間を断熱することができるので、外部空気の熱がドレンタンク20と断熱体17と内箱15とを介して庫内に伝わるのを抑えて、庫内温度が不用意に上昇することを防ぐことができる。
【0013】
ドレンタンク20内のドレン水の最低水位が、受水管21の管終端部の下端よりも上方位置に設定されていると、ドレンタンク20内のドレン水の水位が充分に高い場合はもちろん、最低水位時においてもドレン水とタンク本体30と受水管21とを排水トラップと同様に機能させることができる。したがって、庫内の冷気が受水管21とタンク本体30を介して庫外へ漏れ出ることを防止でき、さらに庫外の空気がタンク本体30と受水管21を介して庫内に侵入することを防止できる。
【0014】
ドレンタンク20内のドレン水の液位が所定位置まで達したことが液位センサー26で検知されたとき、揚水ポンプ23が起動されてドレン水が蒸発容器22へ揚水されるように構成されていると、除霜運転に伴ってドレンタンク20内のドレン水の液位が所定位置まで達した場合にのみ、ドレン水を揚水ポンプ23で蒸発容器22に送給することができるので、電力が無駄に消費されるのを防止できる。因みに、保冷運転が再開された状態でポンプを駆動する場合には、タンク内のドレン水の量とは無関係にポンプが駆動されるので無駄がある。なお、ドレンタンク20内のドレン水の液位が所定位置まで達する毎に、ドレン水を蒸発容器22へ揚水するので、ドレンタンク20に流下したドレン水がドレンタンク20から溢れ出ることもない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例に係る冷却庫の要部の縦断側面図である。
図2】冷却庫の縦断側面図である。
図3】冷却ユニットを概念的に示す説明図である。
図4】ドレンタンク収容構造を示す要部の背面図である。
図5】蒸散構造を示す要部の平面図である。
図6】ドレンタンク収容構造を示す斜視図である。
図7】ドレンパンの通気・排水構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施例) 本発明の冷却庫を業務用の冷蔵庫に適用した実施例を、図1ないし図7に示す。本実施例における前後、左右、上下とは、図2図5および図7に示す交差矢印と、矢印の近傍の前後、左右、上下の表記に従う。図2に示すように冷蔵庫は、縦長直方体状の断熱箱体14からなる本体ケース1を備える。本体ケース1の内部には、冷蔵室(冷却室)2が形成されている。本体ケース1の前方には、上下一対のドア開口が形成されており、各ドア開口には、これを開閉するドア3が設けられている。図2において符号4は、上下のドア開口を区分するドア受桟を示す。
【0017】
本体ケース1の内部には、冷蔵室2内に冷気を供給する冷却ユニットが設けられている。冷却ユニットは、本体ケース1の上方に形成された機械室5内に収容された圧縮機6、凝縮器7、および凝縮器ファン8と、冷蔵室2の上方に配置された蒸発器9と循環ファン10と、これら蒸発器9および循環ファン10の下面を覆うドレンカバー11などで構成される。冷蔵室2内の空気は、循環ファン10で吸引されて、蒸発器9に向って送給され、蒸発器9を通過する間に冷却されて庫内へ吹出される。そのために、ドレンカバー11の前部に吸込口12が形成され、ドレンカバー11の後部に吹出口13が形成されている。ドレンカバー11は、本体ケース1の後部へ向かって下り傾斜されている。機械室5の前部には制御箱が設けられており、その前面の制御パネルに設けた制御ボタンなどを操作することにより、図外の制御装置を介して冷却ユニットを構成する各機器の運転状態を制御して、庫内の温度状態を調整することができる。
【0018】
図1に示すように、本体ケース1を構成する断熱箱体14は、ステンレス板材で形成される内箱15および外箱16と、これら両者15・16の間の充填空間内に充填される発泡樹脂からなる断熱体(断熱材)17で構成される。冷蔵室2の内部には、上下4段のトレー棚18が設けられている(図2参照)。冷蔵庫を使用していると、庫内の空気が蒸発器9の冷媒管やフィンと接触して霜となり、これら冷媒管やフィンに付着する。そのため、一定時間おきに除霜運転を行って、蒸発器9に付着した霜を液化しドレン水として排水している。また、庫内の冷却動作時には、冷媒管やフィンに接触した循環空気に含まれる水分が液化して、蒸発器9から滴下することもある。こうしたドレン水を蒸散させるために、本実施例の冷蔵庫においては蒸散構造が設けられている。
【0019】
図4に示すように、蒸散構造は、ドレン水を一時的に貯留するドレンタンク20と、ドレンカバー11から流下するドレン水を受継いでドレンタンク20に流下させる受水管21と、機械室5に収容される蒸発容器22と、ドレンタンク20内のドレン水を蒸発容器22へ送給する揚水ポンプ23および揚水管路24と、蒸発容器22内のドレン水を加熱して蒸散させる加熱体25と、ドレンタンク20内におけるドレン水の液位を検知する液位センサー26などで構成される。加熱体25は凝縮器7の入口側冷媒管路7aの中途部に形成されて、蒸発容器22の内底に収容されている。したがって、ドレン水が揚水ポンプ23で蒸発容器22へ揚水されると、加熱体25はドレン水に浸漬される。
【0020】
冷蔵室2の有効容積が小さくなるのを避けるために、ドレンカバー11の傾斜下端側に臨む本体ケース1の後壁の内部にドレンタンク20が配置されている。つまり、本体ケース1の後壁を構成する断熱箱体14の内外の箱15・16の間の充填空間内にタンク収容部27を配置し、このタンク収容部27内にドレンタンク20を収容している。図1および図4に示すように、ドレンタンク20は、上向きに開口するタンク本体30と、タンク本体30の左右側縁の上部に固定される締結座31とを備えている。タンク収容部27の左右幅は、タンク本体30の左右幅よりも僅かに大きく設定されている。また、締結座31の張出し幅は、図4に示すように、タンク収容部27の左右幅より大きく設定されている。受水管21は、ドレンカバー11から流下するドレン水を受継ぐ受水部32と、受水部32で受止めたドレン水をドレンタンク20に流下させる排水部33とを一体に備えたプラスチック成形品からなり、全体が断熱体17の内部に埋め込まれて、排水部33の下半部がタンク収容部27の内部に突出されている。同様に、揚水管路24の吸込み口側はタンク収容部27の内部に突出されている。
【0021】
タンク収容部27は、断熱箱体14の外箱16の外面に開口する収容凹部35と、収容凹部35に嵌め込み固定されるステンレス板材製の収容箱36とで構成される。収容箱36の前後厚みは、本体ケース1の後壁の前後厚みより小さく設定されており、断熱箱体14の内箱15の後壁と収容箱36との間には断熱体17が配されている。これにより、外部空気の熱が収容箱36と断熱体17と内箱15を介して庫内に伝わるのを防ぐことができる。また、収容凹部35に収容箱36を嵌め込み固定することにより、外箱16と断熱体17との隙間に水分が侵入するのを防ぐことができる。図4に示すようにタンク収容部27は、本体ケース1の後壁の右側面寄りに凹み形成されており、受水管21もドレンカバー11の左右中央から右側寄りに偏寄した位置に配置されている。これに対応して、ドレンカバー11の傾斜下端の右側寄り位置に、同カバー11で集められたドレン水を受水管21に流出させる出口通路28が設けられており、その左右に冷気の吹出口13が形成されている(図7参照)。
【0022】
収容箱36の内部における排水部33の下端および揚水管路24の入口と、収容箱36の底壁との上下の対向間隔Lは、ドレンタンク20の上下高さhより大きく設定されている。これは、タンク収容部27の内部に突出する揚水管路24および排水部33を避けながら、ドレンタンク20を収容箱36に容易に組付けるためであり、例えば、ドレンタンク20を収容箱36の底壁に沿って同箱36内部に差込んだのち、ドレンタンク20を上方へ持ち上げた状態で、締結座31を外箱16にビス37で締結することで、ドレンタンク20をタンク収容部27に対して、容易に組み付けることができる。この状態のドレンタンク20は、タンク本体30の底壁が、排水部33の下端(受水管21の管終端部の下端)および揚水管路24の入口と隙間Eを介して対向している。
【0023】
使用時の冷蔵庫は、冷却運転時に蒸発器9の冷媒管やフィンに付着した霜を除去するために、一定時間おきに除霜運転を行う。除霜運転に伴って液化された霜は、蒸発器9から滴下してドレンカバー11で集められ、その出口通路28から受水管21に送出されて、ドレンタンク20に一時的に貯留される。ドレンタンク20内のドレン水の液位が予め設定された液位に達したことが液位センサー26で検知されると、該液位センサー26は検知信号を制御装置へ出力する。検知信号を受けた制御装置は、揚水ポンプ23を起動し、これによりドレンタンク20内のドレン水が蒸発容器22へ送給され、蒸発容器22の内部に収容した加熱体25はドレン水に浸漬される。この状態で、冷却ユニットが冷却運転状態に切換わると、圧縮機6において加圧された高温の冷媒が、加熱体25を経由して凝縮器7へ送給される。そのため、蒸発容器22内のドレン水は、高温の冷媒が通過する間に加熱体25で直接的に加熱されて昇温し、やがて蒸散する。ドレンタンク20内のドレン水を揚水ポンプ23で蒸発容器22へ送給するのに伴って、ドレン水の水位は徐々に低下するが、ドレン水の水位が最低水位まで低下すると、液位センサー26が検知信号を出力して揚水ポンプ23を停止させる。最低水位は排水部33の下端より僅かに上側に設定されており、最低水位時における排水部33の下端(最低水位時の受水管21の管終端部の下端)は常にドレン水に浸漬されるようになっている。
【0024】
上記のように構成した本実施例の冷蔵庫によれば、凝縮器の排風でドレン水を蒸散させ、あるいは凝縮器からの伝導熱でドレン水を蒸散させていた従来の蒸散構造に比べて、圧縮された高温の冷媒の熱をドレン水に直接的に伝えることができるので、より短い時間で蒸発容器22内のドレン水を蒸散させることができる。また、高温の冷媒の熱を凝縮器7の前段に設けた加熱体25から放出することができるので、その分だけ凝縮器7の放熱効率の向上を図ることができる。
【0025】
また、本実施例の冷蔵庫によれば、断熱箱体14の外箱16と内箱15の間の発泡樹脂からなる断熱材17の充填空間内にドレンタンク20を配したので、冷蔵室2内(庫内)にドレンタンクが配置されている従来の冷却庫のように、冷蔵室の有効容積が損なわれることはなく、冷蔵室2の有効容積をより大きくすることができる。内箱15とドレンタンク20との間に断熱体17を配して、該断熱体17で両者15・20の間が断熱されるようにしたので、外部空気の熱がドレンタンク20と断熱体17と内箱15とを介して庫内に伝わるのを抑えて、庫内温度が不用意に上昇することを防ぐことができる。
【0026】
ドレンタンク20内のドレン水の最低水位を、受水管21の管終端部の下端よりも上方位置に設定したので、ドレンタンク20内のドレン水の水位が充分に高い場合はもちろん、最低水位時においてもドレン水とタンク本体30と受水管21とを排水トラップと同様に機能させることができる。したがって、庫内の冷気が受水管21とタンク本体30を介して庫外へ漏れ出ることを防止でき、さらに庫外の空気がタンク本体30と受水管21を介して庫内に侵入することを防止できる。
【0027】
ドレンタンク20の内部に液位センサー26を配置し、ドレンタンク20内のドレン水の液位が所定位置まで達したことを液位センサー26が検知した状態において、揚水ポンプ23が起動されてドレン水を蒸発容器22へ揚水できるようにした。これによれば、除霜運転に伴ってドレンタンク20内のドレン水の液位が所定位置まで達した場合に、ドレン水を揚水ポンプ23で蒸発容器22に送給することができるので、電力が無駄に消費されるのを防止できる。因みに、保冷運転が再開された状態でポンプを駆動する場合には、タンク内のドレン水の量とは無関係にポンプが駆動されるので無駄がある。ドレンタンク20内のドレン水の液位が所定位置まで達する毎に、ドレン水を蒸発容器22へ揚水するので、ドレンタンク20に流下したドレン水がドレンタンク20から溢れ出ることもない。
【0028】
ドレンカバー11の傾斜下端に出口通路28を設け、出口通路28の左右に冷気の吹出口13を形成したので、出口通路28が占める空間量を最小限にして、吹出口13における冷気の吹出し作用が出口通路28によって妨げられるのを防ぐことができる。したがって、ドレンカバー11で集められたドレン水の流下排出作用に支障をきたすこともなく、冷気を効果的に循環させることができる。
【0029】
収容箱36の内部における排水部33の下端と、収容箱36の底壁との対向間隔Lを、ドレンタンク20の上下高さhより大きく設定したので、タンク収容部27の内部に突出する揚水管路24および排水部33を避けながら、ドレンタンク20を収容箱36に支障なく組付けることができ、また、外箱16にねじ込んだビス37を取外すことにより、ドレンタンク20を、上記の逆の手順でタンク収容部27から分離することができる。したがって、ドレンタンク20や液位センサー26の清掃はもちろん、タンク収容部27の内部に突出する揚水管路24および排水部33のメンテナンスを簡便に行うことができる。
【0030】
上記以外に、本体ケース1の後壁にタンク収容部27を設けたが、その必要はなく、本体ケース1の一方の側壁にタンク収容部27を設けてもよい。その場合には、タンク収容部27が形成してある側壁に受水管21や揚水管路24を埋設するとよい。必要があれば、タンク収容部27は、本体ケース1の後面と片方の側面で開口するように形成してもよい。本体ケース1の内箱15と収容箱36の間を断熱する断熱体17は、発泡樹脂とは異なる断熱材で形成してあってもよい。冷却庫は、冷凍庫と冷蔵庫を備えている冷凍冷蔵庫であってもよく、冷凍温度帯でのみ使用される冷凍専用庫であってもよく、リーチイン型の冷却庫であってもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 本体ケース
2 冷却室(冷蔵室)
9 蒸発器
11 ドレンカバー
14 断熱箱体
17 断熱材(断熱体)
20 ドレンタンク
21 受水管
22 蒸発容器
23 揚水ポンプ
24 揚水管路
26 液位センサー
30 タンク本体
E 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7