(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022049941
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】ブリスタ包装機及びブリスタシートの製造方法
(51)【国際特許分類】
B65B 57/00 20060101AFI20220323BHJP
B65B 57/10 20060101ALI20220323BHJP
B65B 57/14 20060101ALI20220323BHJP
B65B 9/04 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
B65B57/00 C
B65B57/10 D
B65B57/14
B65B9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020156252
(22)【出願日】2020-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】大谷 剛将
(72)【発明者】
【氏名】畠山 肇
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA09
3E050BA12
3E050CA01
3E050CB03
3E050DA01
3E050DA06
3E050DE01
3E050FA01
3E050FB08
3E050GB02
3E050HA01
3E050HA02
3E050HA03
3E050HB03
3E050HB09
3E050JA10
(57)【要約】
【課題】内容物の破損を効果的に抑制可能であるとともに、シュート内における内容物の詰まりをより確実に防止することができるブリスタ包装機などを提供する。
【解決手段】スプリングシュート582へと投入される前の錠剤5を撮像する第一カメラ53が設けられており、第一カメラ53により得られた撮像データに基づき形状特徴情報が取得されるとともに、該形状特徴情報と所定の基準情報とを比較することに基づき、スプリングシュート582を用いた搬送に係る錠剤5の適否が判定される。不適と判定された錠剤5、すなわち詰まりやすいと推定された錠剤5は、スプリングシュート582よりも上流にて排出される。これにより、錠剤5の詰まりをより確実に防止することができる。また、詰まり防止を図るにあたって、スプリングシュート582や錠剤5に対し外力を付与する必要がないため、錠剤5の破損を効果的に抑制することができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器フィルムに形成されたポケット部に内容物が収容されるとともに、該ポケット部を塞ぐように前記容器フィルムに対しカバーフィルムが取着されてなるブリスタシートを製造するためのブリスタ包装機であって、
内側空間を通して内容物を上流側から下流側へと搬送するように構成されたシュートと、
前記シュートよりも上流にて、該シュートへと投入される前の内容物を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により得られた撮像データに基づき、内容物の形状に係る特徴を示す形状特徴情報を取得するとともに、該形状特徴情報と所定の基準情報とを比較することに基づき、前記シュートを用いた搬送に係る内容物の適否を判定するシュート搬送適否判定手段と、
前記シュートよりも上流にて、前記シュート搬送適否判定手段により不適と判定された内容物を排出する不適品排出手段とを備えることを特徴とするブリスタ包装機。
【請求項2】
前記シュートよりも下流にて、帯状の前記容器フィルムに形成された前記ポケット部に対し、前記シュートを経て供給された内容物を充填する充填手段と、
前記充填手段よりも下流にて前記ポケット部における内容物の有無を判定することで、内容物に起因した前記シュートの詰まりを検出する詰まり検出手段とを備え、
前記詰まり検出手段によって前記シュートの詰まりが検出された場合、該シュートの先頭に位置する内容物に係る前記形状特徴情報と同一の前記形状特徴情報を有する内容物が前記シュート搬送適否判定手段により不適と判定されるように、前記基準情報を修正可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のブリスタ包装機。
【請求項3】
前記不適品排出手段により排出された内容物が収容される第一収容手段と、
前記撮像手段により得られた撮像データに基づき、内容物に欠陥があるか否かを判定することで、前記シュートを用いた搬送に係る点とは別に内容物自体の良否を判定する良否判定手段と、
前記シュートよりも上流にて、前記良否判定手段により不良判定された内容物を排出する不良排出手段と、
前記不良排出手段により排出された内容物が収容される第二収容手段とを備え、
前記第一収容手段及び第二収容手段は別々に設けられ、前記第一収容手段に収容された内容物と前記第二収容手段に収容された内容物とが混合しないように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のブリスタ包装機。
【請求項4】
前記シュート搬送適否判定手段は、1つの内容物に対し、複数の前記形状特徴情報を取得するとともに、取得した複数の前記形状特徴情報に基づき前記シュートを用いた搬送に係る内容物の適否を判定するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のブリスタ包装機。
【請求項5】
内容物は口腔内崩壊錠であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のブリスタ包装機。
【請求項6】
容器フィルムに形成されたポケット部に内容物が収容されるとともに、該ポケット部を塞ぐように前記容器フィルムに対しカバーフィルムが取着されてなるブリスタシートの製造方法であって、
シュートの内側空間を通して内容物を上流側から下流側へと搬送するシュート搬送工程と、
前記シュートよりも上流にて、該シュートへと投入される前の内容物を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程により得られた撮像データに基づき、内容物の形状に係る特徴を示す形状特徴情報を取得するとともに、該形状特徴情報と所定の基準情報とを比較することに基づき、前記シュートを用いた搬送に係る内容物の適否を判定するシュート搬送適否判定工程と、
前記シュートよりも上流にて、前記シュート搬送適否判定工程において不適と判定された内容物を排出する不適品排出工程とを含むことを特徴とするブリスタシートの製造方法。
【請求項7】
前記シュートよりも下流にて、所定の充填手段を用いて、帯状の前記容器フィルムに形成された前記ポケット部に対し、前記シュートを経て供給された内容物を充填する充填工程と、
前記充填手段よりも下流にて前記ポケット部における内容物の有無を判定することで、内容物に起因した前記シュートの詰まりを検出する詰まり検出工程とを含み、
前記詰まり検出工程によって前記シュートの詰まりが検出された場合、該シュートの先頭に位置する内容物に係る前記形状特徴情報と同一の前記形状特徴情報を有する内容物が前記シュート搬送適否判定工程において不適と判定されるように、前記基準情報を修正可能であることを特徴とする請求項6に記載のブリスタシートの製造方法。
【請求項8】
前記撮像工程により得られた撮像データに基づき、内容物に欠陥があるか否かを判定することで、前記シュートを用いた搬送に係る点とは別に内容物自体の良否を判定する良否判定工程と、
前記良否判定工程により不良判定された内容物を排出する不良排出工程とを含み、
前記不適品排出工程及び前記不良排出工程において、内容物はそれぞれ別々の収容手段へと排出され、これら収容手段に収容された内容物が混合しないようにされることを特徴とする請求項6又は7に記載のブリスタシートの製造方法。
【請求項9】
前記シュート搬送適否判定工程では、1つの内容物に対し、複数の前記形状特徴情報を取得するとともに、取得した複数の前記形状特徴情報に基づき前記シュートを用いた搬送に係る内容物の適否を判定することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載のブリスタシートの製造方法。
【請求項10】
内容物は口腔内崩壊錠であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載のブリスタシートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を収容してなるブリスタシートを製造するためのブリスタ包装機、及び、ブリスタシートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に医薬品や食料品等の分野において用いられるブリスタシートとしてPTP(プレススルーパック)シートが知られている。PTPシートは、錠剤等の内容物が収容されるポケット部を有する容器フィルムと、その容器フィルムに対しポケット部の開口側を密封するように取着されるカバーフィルムとを備えている。
【0003】
かかるPTPシートは、ブリスタ包装機の一種であるPTP包装機を用いて製造される。PTP包装機は、容器フィルムに対しポケット部を形成する手段、ポケット部に内容物を充填する手段(充填手段)、ポケット部の開口側を密封するように容器フィルムに対しカバーフィルムを取着する手段、容器フィルム及びカバーフィルムからなる帯状のPTPフィルムをPTPシート単位に打ち抜く手段等を備えている。
【0004】
また、ブリスタ包装機において、内容物を整列させつつ搬送して充填手段へと供給するための筒状のシュートを設けることがある。シュートは、内側空間を通して内容物を1列に並べた状態で搬送する。シュートとしては、例えば、線材が螺旋状に巻かれてなるスプリングシュートや、内側空間が湾曲状をなすように構成されたRシュートなどがある。
【0005】
ところで、シュートを用いた内容物の搬送中に、シュート内にて内容物が詰まることがある。このような詰まりが生じると、充填手段に対する内容物の供給が滞って、ポケット部に対する内容物の充填を行えなくなり、その結果、PTPシートの製造効率の低下を招くおそれがある。
【0006】
そこで、詰まりの発生を抑制すべく、所定の取付板に対しシュートの端部を固定するとともに、所定の振動発生装置によって前記取付板を介してシュートに振動を付与する技術が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。また、シュートを構成する線材に接触しながら上方に移動することで、該線材を扱き上げ可能な部材を設けることにより、仮に詰まりが生じた場合であっても、その詰まりを解消可能な技術も提案されている(例えば、特許文献2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平7-26302号公報
【特許文献2】特開2019-147668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記特許文献1,2に記載された各技術では、詰まりの発生防止又は解消のために、シュートに対し外力が付与される。そのため、外力の付与に伴う負荷が内容物に加わることとなり、内容物において割れや欠けといった破損が生じるおそれがある。特に、内容物が比較的脆いもの(例えば、唾液や少量の水で速やかに溶けるように構成された口腔内崩壊錠など)である場合には、外力の付与に伴い内容物が容易に破損するおそれがある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内容物の破損を効果的に抑制可能であるとともに、シュート内における内容物の詰まりをより確実に防止することができるブリスタ包装機などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0011】
手段1.容器フィルムに形成されたポケット部に内容物が収容されるとともに、該ポケット部を塞ぐように前記容器フィルムに対しカバーフィルムが取着されてなるブリスタシートを製造するためのブリスタ包装機であって、
内側空間を通して内容物を上流側から下流側へと搬送するように構成されたシュートと、
前記シュートよりも上流にて、該シュートへと投入される前の内容物を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により得られた撮像データに基づき、内容物の形状に係る特徴を示す形状特徴情報を取得するとともに、該形状特徴情報と所定の基準情報とを比較することに基づき、前記シュートを用いた搬送に係る内容物の適否を判定するシュート搬送適否判定手段と、
前記シュートよりも上流にて、前記シュート搬送適否判定手段により不適と判定された内容物を排出する不適品排出手段とを備えることを特徴とするブリスタ包装機。
【0012】
上記手段1によれば、シュートよりも上流にて、該シュートへと投入される前の内容物が撮像される。そして、得られた撮像データに基づき形状特徴情報が取得されるとともに、取得された形状特徴情報と所定の基準情報とを比較することに基づき、シュートを用いた搬送に係る内容物の適否が判定される。つまり、内容物が、その形状の点で、シュート内にて詰まりやすいものであるか否かがシュートへの投入前に前もって判定される。そして、不適と判定された内容物、つまりシュート内にて詰まりやすいと推定された内容物は、不適品排出手段によってシュートよりも上流にて排出される。従って、詰まりやすいと推定される内容物がシュート内に投入されることを防止できる。これにより、シュートにおける内容物の詰まりをより確実に防止することができる。
【0013】
また、上記手段1によれば、内容物の詰まり防止を図るにあたって、シュートや内容物に対し外力を付与する必要がない。従って、内容物の破損を効果的に抑制することができる。
【0014】
手段2.前記シュートよりも下流にて、帯状の前記容器フィルムに形成された前記ポケット部に対し、前記シュートを経て供給された内容物を充填する充填手段と、
前記充填手段よりも下流にて前記ポケット部における内容物の有無を判定することで、内容物に起因した前記シュートの詰まりを検出する詰まり検出手段とを備え、
前記詰まり検出手段によって前記シュートの詰まりが検出された場合、該シュートの先頭に位置する内容物に係る前記形状特徴情報と同一の前記形状特徴情報を有する内容物が前記シュート搬送適否判定手段により不適と判定されるように、前記基準情報を修正可能に構成されていることを特徴とする手段1に記載のブリスタ包装機。
【0015】
上記手段2によれば、シュートの詰まりが検出された場合には、今後のシュート搬送適否判定手段による判定において、該シュートの先頭(つまり最下流)に位置する内容物に係る形状特徴情報と同一の形状特徴情報を有する内容物が不適と判定されるように、基準情報が修正される。すなわち、実際に詰まりを生じさせたと考えられる内容物の形状特徴情報を用いて、基準情報が、詰まりの発生をより抑えることが可能な情報へとフィードバック修正される。従って、次回以降、詰まりの発生頻度をより低減させることが可能となる。その結果、充填手段に対する内容物の供給が滞るといった事態を経時的に生じにくくすることができ、ブリスタシートの製造効率をより高めることができる。
【0016】
手段3.前記不適品排出手段により排出された内容物が収容される第一収容手段と、
前記撮像手段により得られた撮像データに基づき、内容物に欠陥があるか否かを判定することで、前記シュートを用いた搬送に係る点とは別に内容物自体の良否を判定する良否判定手段と、
前記シュートよりも上流にて、前記良否判定手段により不良判定された内容物を排出する不良排出手段と、
前記不良排出手段により排出された内容物が収容される第二収容手段とを備え、
前記第一収容手段及び第二収容手段は別々に設けられ、前記第一収容手段に収容された内容物と前記第二収容手段に収容された内容物とが混合しないように構成されていることを特徴とする手段1又は2に記載のブリスタ包装機。
【0017】
上記手段3によれば、良否判定手段により、内容物に欠陥(例えば、割れや欠けといった破損、異種内容物の混入など)があるか否かが判定されることで、シュートを用いた搬送に係る点とは別に内容物自体の良否が判定される。そして、欠陥のある不良品の内容物は、不良排出手段によってシュートよりも上流にて排出される。従って、不良品の内容物がシュートに投入されることを防止でき、ひいては不良品の内容物に起因する詰まりの発生をより確実に防止することができる。
【0018】
ところで、シュート搬送適否判定手段により不適と判定された内容物は、シュートを用いた搬送の点で不適(シュートとの関係で不適)と判定されたものに過ぎず、良否判定手段により不良と判定された内容物とは異なり、単体の状態では良品であることがある。この点を踏まえ、上記手段3によれば、シュート搬送適否判定手段により不適と判定された内容物を収容するための第一収容手段と、良否判定手段により不良と判定された内容物を収容するための第二収容手段とは別々に設けられており、第一収容手段に収容された内容物と第二収容手段に収容された内容物とが混合しないようになっている。従って、シュートとの関係で不適と判定されたに過ぎない良品の内容物が、不良品の内容物と混在して該不良品の内容物と区別不能となることを防止できる。これにより、シュートとの関係で不適と判定された内容物を有効的に利用すること(例えば、あるシュートとの関係で不適と判定された内容物を、他のシュートを用いてポケット部に充填すること等)が容易に可能となる。
【0019】
また、シュートとの関係で不適と判定された内容物のみを簡便に抽出することができるため、シュート搬送適否判定手段や不適品排出手段が正常に動作しているか否かの確認を容易に行うことができる。
【0020】
手段4.前記シュート搬送適否判定手段は、1つの内容物に対し、複数の前記形状特徴情報を取得するとともに、取得した複数の前記形状特徴情報に基づき前記シュートを用いた搬送に係る内容物の適否を判定するように構成されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のブリスタ包装機。
【0021】
上記手段4によれば、1の内容物に対し複数の形状特徴情報(例えば「外径」及び「厚さ」といった複数の情報)が取得される。そして、取得された複数の形状特徴情報に基づき、シュート内にて詰まりやすい内容物であるか否かが判定される。従って、シュート内にて詰まりやすいと推定される内容物をより精度よく検出することができる。その結果、シュート内における内容物の詰まりを一層確実に防止することができる。
【0022】
手段5.内容物は口腔内崩壊錠であることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のブリスタ包装機。
【0023】
上記手段5によれば、内容物は比較的脆い口腔内崩壊錠である。そのため、詰まりの発生防止などのためにシュートへと外力を付与する構成の場合、内容物の破損が容易に生じるおそれがあるが、上記手段1等を採用することで、詰まりの発生防止などを図りつつ、内容物の破損を効果的に抑えることができる。換言すれば、上記手段1等は、内容物が口腔内崩壊錠である場合に特に有効である。
【0024】
手段6.容器フィルムに形成されたポケット部に内容物が収容されるとともに、該ポケット部を塞ぐように前記容器フィルムに対しカバーフィルムが取着されてなるブリスタシートの製造方法であって、
筒状のシュートの内側空間を通して内容物を上流側から下流側へと搬送するシュート搬送工程と、
前記シュートよりも上流にて、該シュートへと投入される前の内容物を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程により得られた撮像データに基づき、内容物の形状に係る特徴を示す形状特徴情報を取得するとともに、該形状特徴情報と所定の基準情報とを比較することに基づき、前記シュートを用いた搬送に係る内容物の適否を判定するシュート搬送適否判定工程と、
前記シュートよりも上流にて、前記シュート搬送適否判定工程において不適と判定された内容物を排出する不適品排出工程とを含むことを特徴とするブリスタシートの製造方法。
【0025】
上記手段6によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏されることとなる。
【0026】
手段7.前記シュートよりも下流にて、所定の充填手段を用いて、帯状の前記容器フィルムに形成された前記ポケット部に対し、前記シュートを経て供給された内容物を充填する充填工程と、
前記充填手段よりも下流にて前記ポケット部における内容物の有無を判定することで、内容物に起因した前記シュートの詰まりを検出する詰まり検出工程とを含み、
前記詰まり検出工程によって前記シュートの詰まりが検出された場合、該シュートの先頭に位置する内容物に係る前記形状特徴情報と同一の前記形状特徴情報を有する内容物が前記シュート搬送適否判定工程において不適と判定されるように、前記基準情報を修正可能であることを特徴とする手段6に記載のブリスタシートの製造方法。
【0027】
上記手段7によれば、上記手段2と同様の作用効果が奏されることとなる。
【0028】
手段8.前記撮像工程により得られた撮像データに基づき、内容物に欠陥があるか否かを判定することで、前記シュートを用いた搬送に係る点とは別に内容物自体の良否を判定する良否判定工程と、
前記良否判定工程により不良判定された内容物を排出する不良排出工程とを含み、
前記不適品排出工程及び前記不良排出工程において、内容物はそれぞれ別々の収容手段へと排出され、これら収容手段に収容された内容物が混合しないようにされることを特徴とする手段6又は7に記載のブリスタシートの製造方法。
【0029】
上記手段8によれば、上記手段3と同様の作用効果が奏されることとなる。
【0030】
手段9.前記シュート搬送適否判定工程では、1つの内容物に対し、複数の前記形状特徴情報を取得するとともに、取得した複数の前記形状特徴情報に基づき前記シュートを用いた搬送に係る内容物の適否を判定することを特徴とする手段6乃至8のいずれかに記載のブリスタシートの製造方法。
【0031】
上記手段9によれば、上記手段4と同様の作用効果が奏されることとなる。
【0032】
手段10.内容物は口腔内崩壊錠であることを特徴とする手段6乃至9のいずれかに記載のブリスタシートの製造方法。
【0033】
上記手段10によれば、上記手段5と同様の作用効果が奏されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図4】PTP包装機の概略構成を示す模式図である。
【
図5】錠剤検査充填装置の概略構成を示す正面模式図である。
【
図6】錠剤検査充填装置の概略構成を示す斜視模式図である。
【
図7】不適品排出装置や不良品除去装置などを示す斜視模式図である。
【
図10】錠剤バッファ装置及び第二搬送装置などを示す斜視模式図である。
【
図11】スプリングシュートなどの斜視模式図である。
【
図12】スプリングシュートなどの一部破断斜視模式図である。
【
図14】制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図15】判定結果記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【
図16】第一ポジションに先頭の錠剤が到達したときにおいて、判定結果記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【
図17】第一ポジションに錠剤が順次到達したときにおいて、判定結果記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【
図18】判定結果記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【
図19】錠剤の排出に伴い情報を消去したときにおける、判定結果記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【
図20】錠剤の排出に伴い情報をシフトしたときにおける、判定結果記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【
図21】錠剤の排出に伴い情報をシフトしたことで、現時点で最も大きな「通番」に対応するセルグループの情報が空の状態となったことを示す図である。
【
図22】新たに第一ポジションに到達した錠剤に係る情報を、空の状態となったセルグループに記憶させたときにおける、判定結果記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【
図23】詰まりが検出されなかったことに伴い情報をシフトしたときにおける、判定結果記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【
図24】詰まりが検出されなかったことに伴い情報をシフトしたことで、現時点で最も大きな「通番」に対応するセルグループの情報が空の状態となったことを示す図である。
【
図25】新たに第一ポジションに到達した錠剤に係る情報を、空の状態となったセルグループに記憶させたときにおける、判定結果記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【
図26】別の実施形態における錠剤検査充填装置の概略構成を示す斜視模式図である。
【
図27】別の実施形態における第一搬送装置の吸着孔などを示す斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず、「ブリスタシート」としてのPTPシートの構成について説明する。
【0036】
図1,2に示すように、PTPシート1は、複数のポケット部2を備えた容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルム4とを有している。
【0037】
本実施形態における容器フィルム3は、例えばPP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)等の透明の熱可塑性樹脂材料により形成されている。一方、カバーフィルム4は、例えばポリプロピレン樹脂等からなるシーラントが表面に設けられた不透明材料(例えばアルミニウム箔等)により構成されている。勿論、各フィルム3,4の材料は、これらに限定されるものではなく、他の材質のものを採用してもよい。
【0038】
PTPシート1は、帯状の容器フィルム3及び帯状のカバーフィルム4から形成された帯状のPTPフィルム6(
図3参照)が打抜かれることによって製造されるものであり、平面視略矩形状に形成されている。
【0039】
PTPシート1には、その長手方向に沿って配列された5個のポケット部2からなるポケット列が、その短手方向に2列形成されている。各ポケット部2には、「内容物」としての錠剤5が1つずつ収容されている。本実施形態において、錠剤5は、唾液や少量の水で速やかに溶けるように構成された口腔内崩壊錠である。
【0040】
次に、上記PTPシート1を製造するためのPTP包装機10の概略構成について説明する。本実施形態では、PTP包装機10が「ブリスタ包装機」を構成する。
【0041】
図4に示すように、PTP包装機10の最上流側では、帯状の容器フィルム3の原反がロール状に巻回されている。ロール状に巻回された容器フィルム3の引出し端側は、ガイドロール13に案内されている。容器フィルム3は、ガイドロール13の下流側において間欠送りロール14に掛装されている。間欠送りロール14は、間欠的に回転するモータに連結されており、容器フィルム3を間欠的に搬送する。
【0042】
ガイドロール13と間欠送りロール14との間には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、加熱装置15及びポケット部形成装置16が順に配設されている。そして、加熱装置15によって容器フィルム3が加熱されて該容器フィルム3が比較的柔軟になった状態において、ポケット部形成装置16によって容器フィルム3の所定位置に複数のポケット部2が形成される。ポケット部2の形成は、間欠送りロール14による容器フィルム3の搬送動作間のインターバルの際に行われる。
【0043】
間欠送りロール14から送り出された容器フィルム3は、テンションロール18、ガイドロール19及びフィルム受けロール20の順に掛装されている。フィルム受けロール20は、一定回転するモータに連結されているため、容器フィルム3を連続的に且つ一定速度で搬送する。テンションロール18は、容器フィルム3を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、間欠送りロール14とフィルム受けロール20との搬送動作の相違による容器フィルム3の弛みを防止して容器フィルム3を常時緊張状態に保持する。
【0044】
ガイドロール19とフィルム受けロール20との間には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、錠剤検査充填装置21及び検査装置22が順に配設されている。
【0045】
錠剤検査充填装置21は、錠剤5の検査を行うとともに、検査後の錠剤5をポケット部2に充填する。錠剤検査充填装置21の構成については後に説明する。
【0046】
検査装置22は、充填後の錠剤5における異常の有無、ポケット部2への異物混入の有無などに関する検査を行う。
【0047】
一方、帯状に形成されたカバーフィルム4の原反は、最上流側においてロール状に巻回されている。ロール状に巻回されたカバーフィルム4の引出し端は、ガイドロール24によって加熱ロール25の方へと案内されている。
【0048】
加熱ロール25は、前記フィルム受けロール20に圧接可能となっており、両ロール20,25間に容器フィルム3及びカバーフィルム4が送り込まれるようになっている。そして、両フィルム3,4が両ロール20,25間を加熱圧接状態で通過することで、容器フィルム3にカバーフィルム4が取着され、ポケット部2がカバーフィルム4で塞がれる。これにより、錠剤5が各ポケット部2に収容された帯状のPTPフィルム6が製造される。
【0049】
フィルム受けロール20から送り出されたPTPフィルム6は、テンションロール27及び間欠送りロール28の順に掛装されている。間欠送りロール28は、間欠的に回転するモータに連結されているため、PTPフィルム6を間欠的に搬送する。テンションロール27は、PTPフィルム6を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、フィルム受けロール20と間欠送りロール28との搬送動作の相違によるPTPフィルム6の弛みを防止してPTPフィルム6を常時緊張状態に保持する。
【0050】
間欠送りロール28から送り出されたPTPフィルム6は、テンションロール31及び間欠送りロール32の順に掛装されている。間欠送りロール32は、間欠的に回転するモータに連結されているため、PTPフィルム6を間欠的に搬送する。テンションロール31は、PTPフィルム6を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、間欠送りロール28,32間でのPTPフィルム6の弛みを防止する。
【0051】
間欠送りロール28とテンションロール31との間には、PTPフィルム6の搬送経路に沿って、スリット形成装置33及び刻印装置34が順に配設されている。スリット形成装置33は、PTPフィルム6の所定位置に切離用スリットを形成する。また、刻印装置34はPTPフィルム6の所定位置(例えばタグ部)に刻印を付す。尚、
図1等では、切離用スリットや刻印の図示を省略している。
【0052】
間欠送りロール32から送り出されたPTPフィルム6は、その下流側においてテンションロール35及び連続送りロール36の順に掛装されている。間欠送りロール32とテンションロール35との間には、PTPフィルム6の搬送経路に沿って、シート打抜装置37が配設されている。シート打抜装置37は、PTPフィルム6をPTPシート1単位にその外縁を打抜く。
【0053】
シート打抜装置37によって得られたPTPシート1は、コンベア39によって搬送され、完成品用ホッパ40に一旦貯留される。但し、検査装置22によって不良判定がなされた場合、この不良判定に係るPTPシート1は、完成品用ホッパ40へ送られることなく、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
【0054】
尚、連続送りロール36の下流側には、裁断装置41が配設されている。そして、シート打抜装置37による打抜き後に帯状に残った残材部(スクラップ部)を構成する不要フィルム部42は、テンションロール35及び連続送りロール36に案内された後、裁断装置41に導かれる。裁断装置41は、不要フィルム部42を所定寸法に裁断する。裁断された不要フィルム部42(スクラップ)はスクラップ用ホッパ43に貯留された後、別途廃棄処理される。
【0055】
次いで、錠剤検査充填装置21の構成について詳しく説明する。
図5,6に示すように、錠剤検査充填装置21は、供給装置51、第一搬送装置52、第一カメラ53、不適品排出装置54、不良品除去装置55、受渡装置56、第二搬送装置57、錠剤バッファ装置58、充填装置59、第二カメラ60及び制御装置61を備えている。本実施形態では、第一カメラ53が「撮像手段」を構成し、同様に、不適品排出装置54が「不適品排出手段」を、不良品除去装置55が「不良排出手段」を、充填装置59が「充填手段」を構成する。
【0056】
供給装置51は、多数の錠剤5が貯留された図示しない貯留部(例えばホッパ等)から搬送装置52へと錠剤5を供給する。供給装置51は、供給シュート511及び供給ドラム512を備えている。
【0057】
供給シュート511は、前記貯留部から供給された錠剤5を1つずつ供給ドラム512へと受け渡すものであり、供給ドラム512により搬送される錠剤5の列数と同数(本実施形態では、5つ)並んで設けられている。各供給シュート511は、筒状をなしており、錠剤5を鉛直方向に一列で積載できるように構成されている。各供給シュート511は、その下側開口部が供給ドラム512の回転軸の真上において該供給ドラム512に近接した状態で設置されている。
【0058】
各供給シュート511の下側開口部近傍には、該開口部を開閉可能なシャッタ(不図示)が設けられている。これらシャッタの開閉動作によって、錠剤5が供給シュート511から1つずつ落下して供給ドラム512へ供給される。
【0059】
供給ドラム512は、供給シュート511から供給された錠剤5を受け取った上で、該錠剤5を吸着保持しつつ、第一搬送装置52側へと搬送する。供給ドラム512は、円筒形状をなすとともに、図示しない駆動手段によって回転可能に構成されている。
【0060】
供給ドラム512の外周面には、錠剤5を吸着保持するための吸着部512aが多数形成されている。各吸着部512aは、供給ドラム512の回転軸の真上から真下付近まで移動する間、所定の吸引機構(図示せず)により負圧が供給された状態となるように構成されている。これにより、各吸着部512aは、供給ドラム512の回転軸の真上から真下付近まで移動する間、錠剤5を吸着保持する。一方、各吸着部512aは、供給ドラム512の回転軸の真下から真上付近まで移動する間、大気に開放された状態となるように構成されている。これにより、吸着部512aにより吸着保持された錠剤5は、供給ドラム512の回転軸の真下にて吸着解除されて、第一搬送装置52へと受け渡される。
【0061】
また、吸着部512aは、供給ドラム512の周方向及び軸方向に所定間隔で規則的に配列されている。本実施形態において、吸着部512aは、供給ドラム512の周方向に沿って等間隔で多数設けられている。そして、この周方向に並ぶ吸着部512aの列が、供給ドラム512の軸方向に沿って等間隔にm(mは自然数であり、本実施形態では5)列設けられている。
【0062】
第一搬送装置52は、供給装置51から受け渡された錠剤5を吸着保持しつつ、第二搬送装置57側へと搬送するものである。第一搬送装置52は、一対の上流側プーリ52a,52bと、これら上流側プーリ52a,52bに掛け渡された上流側搬送ベルト52cとを備えている。
【0063】
一対の上流側プーリ52a,52bは、所定間隔をあけた状態で配設されており、それぞれ供給ドラム512の回転軸と平行な回転軸にて回転可能とされている。
【0064】
上流側搬送ベルト52cは、上流側プーリ52a,52bの回転に伴い回転移動する。上流側搬送ベルト52cは、錠剤5を吸着保持するための吸着孔52dを備えている。
【0065】
吸着孔52dは、上流側搬送ベルト52cの移動方向つまり錠剤5の搬送方向に沿って、等間隔で多数並んで設けられている。そして、上流側搬送ベルト52cの移動方向に沿って並ぶ吸着孔52dの列がm列形成されている。
【0066】
また、上流側搬送ベルト52cで囲まれてなる上流側搬送ベルト52cの内部空間には、図示しない吸引機構によって負圧が供給されており、該内部空間は真空状態となっている。これにより、該内部空間に連通する吸着孔52dに負圧が供給された状態となる。その結果、錠剤5は、吸着孔52dによって吸着保持されつつ、上流側プーリ52a,52bの回転に伴い搬送される。尚、
図6等では、上流側搬送ベルト52cや後述する下流側搬送ベルト57cの各内部空間が外部に開放された状態を示しているが、実際には、これら内部空間は密閉された状態となっている。
【0067】
第一カメラ53は、第一搬送装置52によって搬送される錠剤5が所定の第一ポジションP1に到達する度に、後述するスプリングシュート582に投入される前の該錠剤5を撮像する。
【0068】
第一カメラ53は、例えばCCDカメラやCMOSカメラ等によって構成されており、上流側搬送ベルト52cの斜め上方に配置されている。第一カメラ53は、第一搬送装置52により搬送される錠剤5が前記第一ポジションP1に至ったときに、少なくとも該第一ポジションP1に位置する複数の錠剤5を撮像可能である。第一カメラ53の撮像タイミングは、制御装置61により制御される。
【0069】
また、第一カメラ53によって得られた撮像データ(画像データ)は、錠剤5における少なくとも外径及び厚さに関する情報を含むものであり、制御装置61に送信される。本実施形態では、第一カメラ53により錠剤5を撮像する工程が「撮像工程」に相当する。
【0070】
尚、本実施形態において、第一カメラ53による撮像処理は、先頭(最下流)の錠剤5が第一ポジションP1に到達したタイミングから開始されるようになっている。従って、錠剤5が第一ポジションP1に到達する前の段階では、撮像データは得られない。錠剤5が第一ポジションP1に到達したか否かは、制御装置61によって、供給シュート511における前記シャッタの開放タイミングや後述するエンコーダ80から送られる信号等に基づき判断される。
【0071】
不適品排出装置54は、後述する比較判定部73bにより不適と判定された錠剤5を系外(つまり第一搬送装置52による搬送経路の外)へと排出するための装置である。不適品排出装置54は、上流側搬送ベルト52cの内部空間であって、第一カメラ53よりも下流における所定の第二ポジションP2に対応して設けられている。不適品排出装置54は、制御装置61により動作制御される。
【0072】
不適品排出装置54は、
図7に示すように、第二ポジションP2に到達した吸着孔52dに対しブローを行うことで第二ポジションP2に位置する錠剤5の吸着保持を解除して、該錠剤5を系外へと排出可能な不適品用ブローノズル54aを複数備えている。これら不適品用ブローノズル54aは、錠剤5の搬送方向と直交する方向に沿って、吸着孔52dの列数と同数並んで設けられている。各不適品用ブローノズル54aは、錠剤5の搬送方向に沿って並ぶ1列の錠剤5の排出をそれぞれ担当する。これにより、不適と判定された錠剤5のみを選択的に系外へと排出可能である。
【0073】
不適品用ブローノズル54aのブロー動作によって排出された錠剤5は、該錠剤5を収容するための不適品収容部54bへと投入される。本実施形態では、不適品収容部54bが「第一収容手段」を構成する。また、不適と判定された錠剤5を系外に排出する工程が「不適品排出工程」に相当する。
【0074】
不良品除去装置55は、後述する良否判定部74により不良判定された錠剤5を系外へと排出するための装置である。不良品除去装置55は、上流側搬送ベルト52cの内部空間であって、不適品排出装置54よりも下流における所定の第三ポジションP3に対応して設けられている。不良品除去装置55は、制御装置61により動作制御される。
【0075】
不良品除去装置55は、第三ポジションP3に到達した吸着孔52dに対しブローを行うことで第三ポジションP3に位置する錠剤5の吸着保持を解除して、該錠剤5を系外へと排出可能な不良品用ブローノズル55aを複数備えている。これら不良品用ブローノズル55aは、不適品用ブローノズル54aと同様に、吸着孔52dの列数と同数並んで設けられている。各不良品用ブローノズル55aは、錠剤5の搬送方向に沿って並ぶ1列の錠剤5の排出をそれぞれ担当する。これにより、不良と判定された錠剤5のみを選択的に系外へと排出可能である。
【0076】
不良品用ブローノズル55aのブロー動作によって排出された錠剤5は、該錠剤5を収容するための不良品収容部55bへと投入される。不良品収容部55bは、不適品収容部54bとは別に設けられており、不適品収容部54bに収容された錠剤5と、不良品収容部55bに収容された錠剤5とが混合しないようになっている。本実施形態では、不良品収容部55bが「第二収容手段」を構成し、不適品収容部54b及び不良品収容部55bがそれぞれ「収容手段」を構成する。また、不良と判定された錠剤5を系外に排出する工程が「不良排出工程」に相当する。
【0077】
次いで、受渡装置56の説明に先立って、第二搬送装置57について説明する。第二搬送装置57は、第一搬送装置52によって搬送された錠剤5を受け取るとともに、該錠剤5を錠剤バッファ装置58側へと搬送する。第二搬送装置57は、基本的には第一搬送装置52と同様の構成を有するものであり、
図10に示すように、前記上流側プーリ52a,52bに相当する一対の下流側プーリ57a,57bと、下流側プーリ57a,57bに掛け渡された、前記上流側搬送ベルト52cに相当する下流側搬送ベルト57cとを備えている。
【0078】
下流側搬送ベルト57cは、錠剤5を吸着保持するための吸着孔57dを備えている。吸着孔57dは、上流側搬送ベルト52cにおける吸着孔52dと同様の態様で設けられており、下流側搬送ベルト57cの移動方向(錠剤5の搬送方向)に沿って並ぶ吸着孔57dの列がm列形成されている。
【0079】
加えて、下流側搬送ベルト57cで囲まれてなる下流側搬送ベルト57cの内部空間であって、受渡装置56の直下のポジションから後述するシュート入口部581の側方のポジションまでの間に対応する空間には、図示しない吸引機構によって負圧が供給されており、該内部空間は真空状態となっている。これにより、該内部空間に連通する吸着孔57dに負圧が供給された状態となり、受渡装置56により排出された錠剤5は、該吸着孔57dによって吸着保持される。そして、吸着保持された錠剤5は、下流側プーリ57a,57bの回転に伴い、複数列に並んだ状態で錠剤バッファ装置58側へと搬送される。その後、錠剤5がシュート入口部581の側方のポジションに到達すると、該錠剤5の吸着保持が解除される。
【0080】
尚、本実施形態において、各搬送装置52,57のそれぞれには、所定のエンコーダ80(
図14参照)が設けられており、該エンコーダ80から制御装置61へと各プーリ52a,52b,57a,57bの回転量(移動量)に関する信号が所定時間毎に送信されるようになっている。これにより、制御装置61は、各搬送装置52,57により搬送される錠剤5の位置を把握可能となっている。
【0081】
次いで、受渡装置56について説明する。受渡装置56は、不良品除去装置55の下流において、第一搬送装置52から錠剤5を排出して、該錠剤5を第二搬送装置57へと受け渡す。受渡装置56は、
図8,9に示すように、上流側搬送ベルト52cの内部に配置された複数のブローノズル56aを備えている。
【0082】
ブローノズル56aは、吸着孔52dに対しブローを行うことで錠剤5の吸着保持を解除して、該錠剤5を第二搬送装置57側へと排出する。ブローノズル56aは、第一搬送装置52による搬送方向に沿って並ぶ錠剤5の各列に対応して1本ずつ設けられている。従って、本実施形態では、m個のブローノズル56aが設けられている。
【0083】
また、各ブローノズル56aは、錠剤5の搬送方向に沿った各吸着孔52dのピッチ(吸着孔52d中心間の距離)と同じ距離だけ、該搬送方向に沿ってずれて配置されている。これにより、第一搬送装置52により1列に並んだ状態で搬送される錠剤5は、第二搬送装置57における特定の1列に並んだ吸着孔57dへと受渡されることとなる。例えば、上流側搬送ベルト52cの幅方向一端側において1列に並んだ状態で搬送される錠剤5は、下流側搬送ベルト57cの幅方向一端側において1列に並んだ吸着孔57dへと受渡されることとなる。
【0084】
錠剤バッファ装置58は、第二搬送装置57及び充填装置59間に設けられ、各搬送装置52,57により搬送された錠剤5を一時的に貯留する。錠剤バッファ装置58には、後述する良否判定部74により良品と判定されるとともに、後述する比較判定部73bにより適切と判定された錠剤5のみが貯留される。錠剤バッファ装置58は、
図10に示すように、シュート入口部581及び複数本のスプリングシュート582を備えている。本実施形態では、スプリングシュート582が「シュート」を構成する。
【0085】
シュート入口部581は、第二搬送装置57により搬送された錠剤5が投入される部位である。シュート入口部581は、下流側搬送ベルト57cの外周面に近接した状態で設置されており、下流側搬送ベルト57cの幅方向に並ぶm個の投入口581aを備えている。第二搬送装置57により搬送される複数列の錠剤5は、列毎にそれぞれ異なる投入口581aへと投入される。例えば、下流側搬送ベルト57cの幅方向中央に位置する1列の錠剤5は、前記幅方向中央に位置する投入口581aへと投入される。尚、錠剤5は、立った状態(錠剤5の径方向がほぼ鉛直方向となった状態)で、投入口581aへと投入される。
【0086】
スプリングシュート582は、筒状をなすとともに、内側空間の少なくとも一部が湾曲状をなし得る(湾曲したり螺旋状にねじれたりし得る)ものであり、該内側空間を通して錠剤5を上流側から下流側へと搬送する。本実施形態では、複数のスプリングシュート582が湾曲状をなす状態で設置されている。スプリングシュート582は、
図11に示すように、所定の線材を螺旋状に巻回してなるものであり、可撓性を有している。尚、
図5等では、スプリングシュート582を簡略化して示している。
【0087】
各スプリングシュート582は、シュート入口部581と連結されており、各スプリングシュート582の内側空間は、それぞれ異なる投入口581aと連通している。これにより、1の投入口581aに投入された錠剤5は、該投入口581aに対応する特定の1のスプリングシュート582内に入ることとなる。スプリングシュート582内に入った錠剤5は、
図12に示すように、通常、スプリングシュート582内にて1列に並んだ状態で貯留されつつ、充填装置59側へと搬送される。スプリングシュート582の内側空間を通して錠剤5を搬送する工程が「シュート搬送工程」に相当する。
【0088】
充填装置59は、スプリングシュート582よりも下流にて、帯状の容器フィルム3に形成されたポケット部2に対し、スプリングシュート582を経て供給された錠剤5を充填する。充填装置59は、
図13に示すように、充填用シュート591及び充填ドラム592を備えている。
【0089】
充填用シュート591は、錠剤バッファ装置58を経て供給された錠剤5を、1錠ずつ充填ドラム592へと受け渡す。充填用シュート591は、スプリングシュート582及び容器フィルム3の幅方向に沿ったポケット部2のそれぞれの数と同数(本実施形態では5つ)設けられており、それぞれスプリングシュート582と連結されている。各充填用シュート591は、基本的には、前記供給シュート511と同様の機能を有しており、所定のシャッタを開閉動作させることで、錠剤5を1錠ずつ落下させて充填ドラム592へと供給する。
【0090】
充填ドラム592は、充填用シュート591から供給された錠剤5を吸着保持しつつ、搬送される容器フィルム3のポケット部2へと該錠剤5を充填する。充填ドラム592は、円筒形状をなすとともに、図示しない駆動手段によって回転可能に構成されている。
【0091】
充填ドラム592の外周面には、錠剤5を吸着保持するための吸着部592aが多数形成されている。各吸着部592aは、基本的には、前記供給ドラム512の吸着部512aと同様の機能を備えており、充填ドラム592の回転軸の真上から真下付近まで移動する間、錠剤5を吸着保持する一方、該回転軸の真下にて錠剤5の吸着を解除する。吸着解除により、錠剤5はポケット部2へと充填される。
【0092】
また、吸着部592aは、充填ドラム592の周方向及び軸方向に所定間隔で規則的に配列されている。本実施形態において、吸着部592aは、充填ドラム592の周方向に沿って等間隔で多数設けられている。そして、この周方向に並ぶ吸着部592aの列が、容器フィルム3の幅方向に沿ったポケット部2の列数に対応するようにして、充填ドラム592の軸方向に沿って等間隔にm列設けられている。これにより、充填装置59は、吸着部592aに吸着保持されて複数列に並んだ錠剤5を、容器フィルム3の幅方向に複数個並んだポケット部2へと順次充填していく。本実施形態では、充填装置59によって錠剤5をポケット部2に充填する工程が「充填工程」に相当する。
【0093】
第二カメラ60は、容器フィルム3の搬送経路に沿った、充填装置59よりも下流に位置する少なくとも所定の第四ポジションP4を撮像範囲とするものである。第二カメラ60は、例えばCCDカメラやCMOSカメラ等によって構成されており、搬送される容器フィルム3の鉛直上方に配置されている。第二カメラ60は、第四ポジションP4に位置する、容器フィルム3や該容器フィルム3の幅方向に並ぶ複数のポケット部2、ポケット部2に充填された複数の錠剤5を撮像可能とされている。
【0094】
第二カメラ60の撮像タイミングは、制御装置61により制御される。第二カメラによる撮像は、容器フィルム3の幅方向に並ぶ複数個のポケット部2が第四ポジションP4に到達する度に行われる。第二カメラ60によって得られた撮像データ(画像データ)は、ポケット部2に錠剤5が充填されているか否かを確認するための情報を含むものである。該撮像データは、制御装置61に送信される。
【0095】
本実施形態では、上記のように搬送装置52,57やスプリングシュート582等が構成されることで、第一ポジションP1から第四ポジションP4にかけての錠剤5の搬送経路は、並列的に5本存在することとなる。そして、1の錠剤5は、不適品排出装置54等によって排出されない限り、5本の搬送経路のうちの1本のみを通って搬送されることとなる。従って、第二カメラ60により得られた撮像データにおいて、例えば、複数のポケット部2のうちの1つに錠剤5が充填されていない場合には、錠剤5の充填されていないポケット部2の位置から、本来充填されるべき錠剤5が通過するはずの搬送経路を容易に特定可能であり、ひいては該搬送経路を構成するスプリングシュート582も容易に特定可能となっている。
【0096】
次いで、制御装置61について説明する。制御装置61は、演算手段としてのCPUや、各種プログラムを記憶するROM、各種データを一時的に記憶するRAM、情報を長期記憶するための記憶媒体(例えばハードディスク等)などを備えている。制御装置61は、CPUが所定のプログラムを実行することによって、PTP包装機10に対する制御処理を実行する。
【0097】
制御装置61は、
図14に示すように、基準情報記憶部71、判定結果記憶部72、シュート搬送適否判定部73、良否判定部74、排出制御部75、判定結果更新部76、詰まり有無判定部77及び基準情報更新部78を備えている。本実施形態では、シュート搬送適否判定部73が「シュート搬送適否判定手段」を構成し、良否判定部74が「良否判定手段」を構成する。
【0098】
基準情報記憶部71は、錠剤5がスプリングシュート582における詰まりの原因となるか否かを判定するための情報である基準情報を記憶する。基準情報記憶部71には、基準情報として、錠剤5の外径に係る情報(外径基準情報)と、錠剤5の厚さに係る情報(厚さ基準情報)とが記憶されている。外径基準情報は、許容される最大外径に係る閾値(最大外径閾値X1)と、許容される最小外径に係る閾値(最小外径閾値X2)とを含む。厚さ基準情報は、許容される最大厚さに係る閾値(最大厚さ閾値Y1)と、許容される最小厚さに係る閾値(最小厚さ閾値Y2)とを含む。基準情報の初期値は、例えば、錠剤5の設計上の寸法などを利用して制御装置61へと入力することにより、基準情報記憶部71に予め記憶されている。
【0099】
また、本実施形態において、基準情報は、スプリングシュート582ごとにそれぞれ個別に定められている。すなわち、本実施形態においては、スプリングシュート582の数と同数の5つの基準情報が存在している。そして、各基準情報は、それぞれ同一種類の情報を含むものであるが、後述するように個別に更新され得る。そのため、1のスプリングシュート582に対応する基準情報と、その他の1のスプリングシュート582に対応する基準情報とは、必ずしも一致せず、相違することがある。
【0100】
判定結果記憶部72は、錠剤5を特定するための「通番」と、該錠剤5に係る情報として、「錠剤の有無」、「錠剤の良否」、「形状特徴情報」及び「搬送適否」とを記憶する(
図15参照)。判定結果記憶部72は、並列的に存在する5本の錠剤5の搬送経路ごとに、これら情報を記憶している。つまり、判定結果記憶部72では、各搬送経路に対応して、「通番」、「錠剤の有無」、「錠剤の良否」、「形状特徴情報」及び「搬送適否」がそれぞれ別々に記憶されている。従って、
図15,16等にて示す情報は、1の搬送経路に対応するものに過ぎない。尚、
図15等における「通番」などは一例である。
【0101】
「通番」は、基本的には、錠剤5の搬送経路に沿って、第二カメラ60(第四ポジションP4)から何番目の錠剤5であるのかを示すための数値情報である。但し、本来存在すべき位置に錠剤5が存在しない場合に、錠剤5ではなく、この位置に対応して「通番」が設定されることがある。「通番」は、後述する比較判定部73bによって設定される。
【0102】
「錠剤の有無」は、第一ポジションP1(第一カメラ53による撮像位置)にて錠剤5が存在しているか否かを示す情報である。「錠剤の有無」は、第一カメラ53により得られた撮像データに基づき、良否判定部74により取得される。
【0103】
「錠剤の良否」は、第一ポジションP1を通過した錠剤5における欠陥の有無を示す情報である。「錠剤の良否」は、第一カメラ53により得られた撮像データに基づき、良否判定部74により取得される。
【0104】
「形状特徴情報」は、錠剤5の形状に係る特徴を示す情報であり、第一カメラ53により得られた撮像データに基づき、後述する形状特徴情報取得部73aにより取得される。本実施形態では、「形状特徴情報」として、錠剤5の外径及び厚さが取得される。すなわち、複数の「形状特徴情報」が取得される。
【0105】
「搬送適否」は、スプリングシュート582を用いた搬送に係る錠剤5の適否を示す情報である。「搬送適否」は、第一カメラ53により得られた撮像データに基づき、後述する比較判定部73bにより取得される。
【0106】
判定結果記憶部72は、1の「通番」に対応する複数のセルに対し、「錠剤の有無」、「錠剤の良否」、「形状特徴情報」及び「搬送適否」をそれぞれ記憶する。尚、判定結果記憶部72においては、1の「通番」に対応する複数のセルのグループ(セルグループ)に記憶された情報を、その他の「通番」に対応するセルグループへと記憶させたり、セルグループに記憶された情報を消去したりするといった処理が行われる。
【0107】
シュート搬送適否判定部73は、第一カメラ53により得られた撮像データに基づき「形状特徴情報」を取得するとともに、取得された「形状特徴情報」と基準情報とを比較することに基づき「搬送適否」を判定する。本実施形態では、シュート搬送適否判定部73によって「形状特徴情報」の取得及び「搬送適否」に関する判定を行う工程が「シュート搬送適否判定工程」に相当する。シュート搬送適否判定部73は、形状特徴情報取得部73a及び比較判定部73bを備えている。
【0108】
形状特徴情報取得部73aは、第一カメラ53から撮像データが送信される度に、該撮像データに対し所定の画像処理及び解析処理を行うことで、「形状特徴情報」を取得する。取得された「形状特徴情報」は、比較判定部73bに送られる。本実施形態では、錠剤5の外径に係る「形状特徴情報」(例えば平均外径等)と、錠剤5の厚さに係る「形状特徴情報」(例えば平均厚さ等)とが取得される。
【0109】
比較判定部73bは、形状特徴情報取得部73aから「形状特徴情報」が送られる度に、該「形状特徴情報」と基準情報とを比較して「搬送適否」を判定する。より詳しくは、比較判定部73bは、複数の基準情報の中から、1のスプリングシュート582に対応するものを選択する。このスプリングシュート582は、不適品排出装置54等によって錠剤5が排出されない限り、取得された「形状特徴情報」に係る錠剤5が投入される予定のものである。そして、比較判定部73bは、選択した基準情報と「形状特徴情報」とを比較することで、「搬送適否」を判定する。
【0110】
本実施形態では、錠剤5の外径に係る「形状特徴情報」と、前記外径基準情報の最大外径閾値X1及び最小外径閾値X2とが比較される。そして、錠剤5の外径に係る「形状特徴情報」が閾値X2以上閾値X1以下である場合、錠剤5の外径は適切と判定される。一方、錠剤5の外径に係る「形状特徴情報」が閾値X2未満又は閾値X1超である場合、錠剤5の外径は不適と判定される。
【0111】
また、錠剤5の厚さに係る「形状特徴情報」と、前記厚さ基準情報の最大厚さ閾値Y1及び最小厚さ閾値Y2とが比較される。そして、錠剤5の厚さに係る「形状特徴情報」が閾値Y2以上閾値Y1以下である場合、錠剤5の厚さは適切と判定される。一方、錠剤5の厚さに係る「形状特徴情報」が閾値Y2未満又は閾値Y1超である場合、錠剤5の厚さは不適と判定される。
【0112】
そして、比較判定部73bは、錠剤5の外径及び厚さの双方が適切である場合、「搬送適否」に関し、スプリングシュート582を用いた搬送を行う上で「問題なし」(OK)と判定する。一方、比較判定部73bは、錠剤5の外径及び厚さの少なくとも一方が不適である場合、「搬送適否」に関し「問題あり」(NG)と判定する。
【0113】
さらに、比較判定部73bは、「適否判定」に係る判定後、「通番」を設定するとともに、設定した「通番」に対応するセルに対し、「形状特徴情報」と該「形状特徴情報」に基づき得られた「搬送適否」とを記憶する。
図15等では、「形状特徴情報」をD(n)(nは自然数)で示す。
【0114】
尚、本実施形態において、比較判定部73bは、「通番」として、供給カウンタの示す数値から経路外カウンタの示す数値を減じた数値を設定する。
【0115】
供給カウンタは、錠剤5が第一ポジションP1に到達・供給された回数を示す。供給カウンタの数値は、比較判定部73bによる判定処理が行われる度に1つ増加させられる。従って、供給カウンタが初期値(0)に設定されている場合において、比較判定部73bによる1回目の判定処理が行われると、供給カウンタの数値が「1」に更新される。尚、上記の通り、錠剤5が第一ポジションP1に到達する前の段階では、撮像データは得られず、撮像データを基にした比較判定部73bによる判定処理は行われないため、供給カウンタの数値は変動しない。
【0116】
経路外カウンタは、不適品排出装置54や不良品除去装置55により排出されたり、第四ポジションP4を通過したりすることで、前記搬送経路のうち第一ポジションP1から第四ポジションP4までの経路の外に位置することになった錠剤5の数を示す。経路外カウンタの数値は、判定結果記憶部72に記憶された情報のシフトが行われる度に1つ増加させられる。情報のシフトについては後述する。
【0117】
良否判定部74は、第一カメラ53により得られた撮像データに基づき、錠剤5に欠陥があるか否かを判定することで、スプリングシュート582を用いた搬送に係る点とは別に錠剤5自体の良否を判定する。本実施形態では、良否判定部74により錠剤5自体の良否を判定する工程が「良否判定工程」に相当する。
【0118】
良否判定部74は、第一カメラ53から撮像データが送信される度に、該撮像データに対し所定の画像処理及び解析処理を行う。そして、良否判定部74は、これら処理により得られた結果データと予め記憶された検査用データとに基づき、錠剤5において欠けや割れ、表面剥離、異種錠剤の混入などの欠陥があるか否かを判定する。
【0119】
そして、良否判定部74は、錠剤5に欠陥がない場合、「錠剤の良否」に関して問題なし(OK)と判定する。一方、錠剤5に欠陥がある場合、良否判定部74は、「錠剤の良否」に関して問題あり(NG)と判定する。
【0120】
また、本実施形態において、良否判定部74は、第一カメラ53から撮像データが送信される度に、該撮像データに対し所定の画像処理及び解析処理を行うことで、第一ポジションP1における錠剤5の有無に関する判定も行う。そして、良否判定部74は、第一ポジションP1に錠剤5がある場合、「錠剤の有無」に関して「問題なし」(OK)と判定する。一方、第一ポジションP1に錠剤5がない場合、良否判定部74は、「錠剤の有無」に関して「問題あり」(NG)と判定する。
【0121】
そして、同一の撮像データに対し、比較判定部73b及び良否判定部74による処理がそれぞれ行われるところ、良否判定部74により得られた「錠剤の良否」及び「錠剤の有無」は、該撮像データに対する比較判定部73bの判定処理において設定された「通番」に対応する判定結果記憶部72のセルに記憶される。つまり、ある撮像データに対する比較判定部73bの判定処理に伴い、「通番」として「1」が設定された場合、この撮像データに基づき得られた「錠剤の良否」及び「錠剤の有無」は、「1」の「通番」に対応するセルに記憶される。
【0122】
排出制御部75は、不適品用ブローノズル54a及び不良品用ブローノズル55aの動作を制御することで、欠陥のある錠剤5やスプリングシュート582を用いた搬送を行う上で問題がある錠剤5を系外に排出させる。排出制御部75は、錠剤5が第二ポジションP2に到達する度に、該錠剤5に係るセルグループの情報を参酌する。尚、錠剤5が第二ポジションP2に到達したか否かは、エンコーダ80からの信号などに基づき把握することができる。
【0123】
そして、排出制御部75は、参照したセルグループの情報において、「搬送適否」が「問題あり」(NG)となっている場合、「問題あり」(NG)と判定された錠剤5を保持する吸着孔52dと不適品用ブローノズル54aのブロー口とが重なるタイミングでブローを行うように、該不適品用ブローノズル54aの動作を制御する。これにより、「搬送適否」が「問題あり」(NG)となっている錠剤5の吸着保持が解除されて、該錠剤5が系外に排出される。排出された錠剤5は、不適品収容部54bに収容される。
【0124】
また、排出制御部75は、参酌したセルグループの情報において、「錠剤の良否」が「問題あり」(NG)となっている場合には、「問題あり」(NG)と判定された錠剤5を保持する吸着孔52dと不良品用ブローノズル55aのブロー口とが重なるタイミングでブローを行うように、該不良品用ブローノズル55aの動作を制御する。これにより、「錠剤の良否」が「問題あり」(NG)となっている錠剤5の吸着保持が解除されて、該錠剤5が系外に排出される。排出された錠剤5は、不良品収容部55bに収容される。
【0125】
尚、不良品用ブローノズル55aは、排出対象の錠剤5が第三ポジションP3に到達したときに動作することとなるが、不良品用ブローノズル55aの動作タイミングは排出制御部75によって適切に制御される。
【0126】
一方、排出制御部75は、参照したセルグループの情報において、「搬送適否」及び「錠剤の良否」がそれぞれ「問題なし」(OK)となっている場合には、この判定結果に係る錠剤5の吸着保持を維持するように、ブローノズル54a,55aの動作を制御する。
【0127】
また、排出制御部75は、参照したセルグループの情報において、「錠剤の有無」、「錠剤の良否」及び「搬送適否」のいずれかが「問題あり」となっている場合、判定結果記憶部72における各セルグループの情報をシフトさせるための信号(以下、「シフト要求信号」という)と、参照したセルグループを特定するための「通番」を示す信号とを判定結果更新部76に送る。
【0128】
判定結果更新部76は、前記シフト要求信号が送られたときに、判定結果記憶部72に記憶された情報の更新を行う。尚、シフト要求信号は、排出制御部75のみならず、詰まり有無判定部77からも送られ得る。
【0129】
まず、排出制御部75からシフト要求信号が送られた場合、判定結果更新部76は、次のような処理を行う。すなわち、判定結果更新部76は、まず、セルグループを特定するための「通番」を示す信号に基づき、判定結果記憶部72において、該「通番」に対応するセルグループの情報を消去する。このセルグループにおいては、「錠剤の有無」、「錠剤の良否」及び「搬送適否」のいずれかが「問題あり」(NG)となっている。その上で、判定結果更新部76は、該「通番」よりも大きな数値に設定された「通番」に対応する各セルグループの情報を、それぞれ現「通番」よりも1つ小さな「通番」に対応する各セルグループに上書きして記憶する。いわば、各セルグループに記憶された情報を「通番」1つ分だけシフトさせる。
【0130】
例えば、セルグループを特定するための「通番」が「50」である場合、まず、この「50」に対応するセルグループの情報が消去される。その上で、「50」よりも大きな数値に設定された「51」、「52」、「53」…に対応する各セルグループの情報が、それぞれ現「通番」よりも1つ小さな「50」、「51」、「52」…に対応する各セルグループに上書きして記憶される。上記のような処理が行われることで、不適品排出装置54等により錠剤5が排出されたときには、例えば第2カメラ60(第四ポジションP4)から「51」、「52」、「53」番目に位置する錠剤5は、新たに「50」、「51」、「52」番目に位置することになるところ、この順番の変更に合うように、判定結果記憶部72に記憶された情報が更新(調節)されることになる。
【0131】
また、詰まり有無判定部77からシフト要求信号が送られた場合、判定結果更新部76は、次のような処理を行う。すなわち、判定結果更新部76は、まず、判定結果記憶部72において、「1」の「通番」に対応するセルグループの情報を消去する。その上で、判定結果更新部76は、各セルグループの情報を、それぞれ現「通番」よりも1つ小さな「通番」に対応する各セルグループに上書きして記憶する。従って、例えば、「2」、「3」、「4」…の「通番」に対応する各セルグループの情報は、「1」、「2」、「3」…の「通番」に対応する各セルグループに上書き記憶する。いわば、各セルグループに記憶された情報を「通番」1つ分だけシフトさせる。尚、「1」の「通番」に対応するセルグループの情報を消去せずに、単に情報のシフトのみを行ってもよい。
【0132】
さらに、判定結果更新部76は、セルグループの情報を「通番」1つ分だけシフトさせる度に、前記経路外カウンタの数値を1つ増加させる。
【0133】
詰まり有無判定部77は、第二カメラ60により得られた撮像データに基づき、ポケット部2における錠剤5の有無を判定することで、錠剤5に起因したスプリングシュート582の詰まりを検出する。
【0134】
詳述すると、詰まり有無判定部77は、第二カメラ60により得られた撮像データに対し、所定の画像処理及び解析処理を行うことで、第四ポジションP4に位置する各ポケット部2のそれぞれに錠剤5が充填されているか否かを判定する。そして、詰まり有無判定部77は、各ポケット部2に錠剤5がそれぞれ充填されている場合、各スプリングシュート582において詰まりは生じていないと判定する。詰まりが生じていないと判定した場合、詰まり有無判定部77は、判定結果更新部76に対しシフト要求信号を出力する。
【0135】
一方、詰まり有無判定部77は、各ポケット部2のうちのいずれかに錠剤5が充填されているものの、錠剤5が充填されていないポケット部2が少なくとも1つ存在している場合、錠剤5に起因したスプリングシュート582の詰まりが生じていると判定して、スプリングシュート582の詰まりを検出する。
【0136】
そして、詰まり有無判定部77は、スプリングシュート582の詰まりを検出すると、錠剤5が充填されていないポケット部2の位置に基づき、5本の錠剤5の搬送経路の中から、該ポケット部2に対し本来充填されるべき錠剤5が通るはずの搬送経路を特定する。その上で、詰まり有無判定部77は、特定した搬送経路に基づき、該搬送経路を構成する1本のスプリングシュート582を、詰まりの生じたスプリングシュート582として特定する。
【0137】
その上で、詰まり有無判定部77は、詰まりの検出されたスプリングシュート582を特定するための情報を基準情報更新部78へと送信する。本実施形態では、第二カメラ60及び詰まり有無判定部77によって、充填装置59よりも下流にてポケット部2における錠剤5の有無を判定することで、錠剤5に起因したスプリングシュート582の詰まりを検出する詰まり検出部81が構成されている。そして、本実施形態では、詰まり検出部81が「詰まり検出手段」を構成する。また、詰まり検出部81によって、スプリングシュート582の詰まりを検出する工程が「詰まり検出工程」に相当する。
【0138】
尚、本実施形態において、詰まり有無判定部77は、第二カメラ60により得られた撮像データにおいて、第四ポジションP4に位置する各ポケット部2の全てに錠剤5が充填されていない場合、PTP包装機10の始動直後等であって、充填装置59による錠剤5の充填が開始されていない段階であると判定し、詰まりの有無に関する判定処理を行わないようになっている。
【0139】
基準情報更新部78は、詰まり有無判定部77から、詰まりの生じたスプリングシュート582を特定するための情報が送信されると、判定結果記憶部72に記憶された「形状特徴情報」に基づき、基準情報記憶部71に記憶された基準情報を修正する。より詳しくは、基準情報更新部78は、詰まりの生じたスプリングシュート582を特定するための情報が送信されると、判定結果記憶部72から、該スプリングシュート582を通るはずの錠剤5のうち、先頭(最下流)に位置する錠剤5の「形状特徴情報」を取得する。つまり、基準情報更新部78は、判定結果記憶部72から、スプリングシュート582の詰まりの原因となっていると推定される錠剤5の「形状特徴情報」を取得する。この錠剤5の「形状特徴情報」は、「1」の「通番」に対応するセルグループに記憶されている。
【0140】
その上で、基準情報更新部78は、取得した「形状特徴情報」に基づき、該「形状特徴情報」と同一の「形状特徴情報」を有する錠剤5が比較判定部73bにより以後不適と判定されるように、詰まりの生じたスプリングシュート582に対応する基準情報を更新する。
【0141】
本実施形態では、基準情報を更新する際に、最大外径閾値X1、最小外径閾値X2,最大厚さ閾値Y1及び最小厚さ閾値Y2のうちの1つが更新対象とされる。更新対象の決定手法は適宜選択することができるが、例えば、次のような手法を利用することができる。
【0142】
すなわち、錠剤5の外径に係る「形状特徴情報」と閾値X1との差の絶対値Dx1、該「形状特徴情報」と閾値X2との差の絶対値Dx2、錠剤5の厚さに係る「形状特徴情報」と閾値Y1との差の絶対値Dy1、及び、該「形状特徴情報」と閾値Y2との差の絶対値Dy2をそれぞれ算出する。さらに、閾値X1,X2の中央値Xcに対する絶対値Dx1の割合Rx1,中央値Xcに対する絶対値Dx2の割合Rx2、閾値Y1,Y2の中央値Ycに対する絶対値Dy1の割合Ry1、及び、中央値Ycに対する絶対値Dy2の割合Ry2をそれぞれ算出する。そして、各割合Rx1,Rx2,Ry1,Ry2の中で最も小さな割合を特定する。その上で、特定した割合を算出したときに用いられた閾値X1,X2,Y1,Y2を更新対象としてもよい。尚、割合Rx1等を算出することなく、絶対値Dx1,Dx2,Dy1,Dy2をそれぞれ比較して更新対象を決定してもよい。
【0143】
例えば、最大外径閾値X1が11.0mmであり、最小外径閾値X2が9.0mmであり、最大厚さ閾値Y1が4.5mmであり、最小厚さ閾値Y2が3.5mmであるとする。そして、不適と判定された錠剤5について、外径に係る「形状特徴情報」が10.5mmであり、厚さに係る「形状特徴情報」が3.9mmであったとする。この場合、絶対値Dx1は0.5mmとなり、絶対値Dx2は1.5mmとなり、絶対値Dy1は0.6mmとなり、絶対値Dy2は0.4mmとなる。また、閾値X1,X2の中央値Xcは10.0mmとなり、閾値Y1,Y2の中央値Ycは4.0mmとなる。従って、割合Rx1は0.05(=0.5/10.0)となり、割合Rx2は0.15(=1.5/10.0)となり、割合Ry1は0.15(=0.6/4.0)となり、割合Ry2は0.10(=0.4/4.0)となる。そして、割合Rx1,Rx2,Ry1,Ry2の中で最も小さなものは割合Rx1でとなる。そのため、閾値X1が更新対象となる。
【0144】
また、更新後における閾値X1,X2,Y1,Y2の値は、更新対象と、取得された「形状特徴情報」とに基づき決定される。本実施形態では、更新対象が閾値X1又は閾値X2である場合、錠剤5の外径に係る「形状特徴情報」に基づき新たな閾値X1又は閾値X2が設定される。また、更新対象が閾値Y1又は閾値Y2である場合、錠剤5の厚さに係る「形状特徴情報」に基づき新たな閾値Y1又は閾値Y2が設定される。
【0145】
例えば、最大外径閾値X1が更新対象であり、錠剤5の外径に係る「形状特徴情報」が10.5mmである場合、閾値X1は10.5mm未満の数値(例えば10.4mm)に更新される。このように更新されることで、以後、外径が10.5mmの錠剤5は、比較判定部73bによって不適と判定されることとなる。
【0146】
さらに、例えば、閾値Y1が更新対象であり、錠剤5の厚さに係る「形状特徴情報」が4.4mmである場合、閾値Y1は4.4mm未満の数値(例えば4.3mm)に更新される。このように更新されることで、以後、厚さが4.4mmの錠剤5は、比較判定部73bによって不適と判定されることとなる。
【0147】
尚、基準情報を更新するにあたっては、詰まりの生じたと推定されるスプリングシュート582に対応する基準情報のみが更新される。換言すれば、基準情報のうち、詰まりの検出されていないスプリングシュート582に対応するものの更新は行われない。そのため、同一形状の錠剤5を各搬送経路に供給した場合、ある搬送経路を通る錠剤5は、「搬送適否」に関し「問題あり」と判定される一方、その他の搬送経路を通る錠剤5は、「搬送適否」に関し「問題なし」と判定されることがある。
【0148】
また、本実施形態において、詰まり有無判定部77によりスプリングシュート582の詰まりが検出されると、基準情報更新部78による基準情報の更新後に、PTP包装機10の動作が緊急停止される。緊急停止後には、例えば、各搬送経路に存在する錠剤5を取除くとともに、判定結果記憶部72を初期化(「通番」や判定結果に係る情報を消去)する等の対処を行った上で、PTP包装機10の動作が再開される。
【0149】
次いで、上述した錠剤検査充填装置21の動作について説明する。ここでは、錠剤5の各搬送経路における少なくともカメラ53,60間(ポジションP1,P4間)に錠剤5が存在していない状態でPTP包装機10を始動させたときからの、錠剤検査充填装置21の動作について説明する。
【0150】
尚、PTP包装機10の始動時において、基準情報記憶部71は、基準情報として予め初期値を記憶しており、判定結果記憶部72は、初期化されている(「通番」や判定結果に係る情報が記憶されていない)ものとする。また、供給カウンタ及び経路外カウンタの各数値は、それぞれ初期値(0)に設定されているものとする。
【0151】
まず、PTP包装機10が始動すると、供給装置51及び第一搬送装置52によって、錠剤5が第一ポジションP1に向けて搬送されていく。先頭(最下流)に位置する錠剤5が第一ポジションP1に到達すると、第一カメラ53によって、少なくとも第一ポジションP1に位置する錠剤5が撮像される。そして、第一カメラ53から制御装置61に対し撮像データが送信されるとともに、形状特徴情報取得部73aによって「形状特徴情報」が取得される。
【0152】
さらに、比較判定部73bによって、取得された「形状特徴情報」と基準情報とが比較されることに基づき、「搬送適否」が判定される。比較判定部73bによる判定処理に伴い供給カウンタの数値が1つ増加させられて、供給カウンタの数値は「1」となる。
【0153】
次いで、「通番」とともに、該「通番」に対応する判定結果記憶部72のセルへと「搬送適否」に関する判定結果と「形状特徴情報」〔D(1)〕とが記憶される。「通番」として、供給カウンタの数値(1)から経路外カウンタの数値(0)を減じた数値(1)が設定される。
【0154】
また、第一カメラ53により得られた撮像データに基づき、良否判定部74によって、「錠剤の有無」及び「錠剤の良否」に関する判定が行われる。そして、取得された「錠剤の有無」及び「錠剤の良否」は、「1」の「通番」に対応するセルに記憶される(
図16参照)。そして、錠剤5が第一ポジションP1へと到達する度に、上記処理が行われることで、「2」、「3」、「4」…といった「通番」と、これら「通番」に対応する「錠剤の有無」、「錠剤の良否」、「形状特徴情報」〔D(2)、D(3)、D(4)…〕及び「搬送適否」が判定結果記憶部72へと順次記憶されていく(
図17参照)。
【0155】
その後、錠剤5の搬送が進み、錠剤5が第二ポジションP2に到達すると、排出制御部75によって、第二ポジションP2に到達した錠剤5に係るセルグループの情報が参照される。例えば、先頭の錠剤5が第二ポジションP2に到達したときには、「1」の「通番」に対応するセルグループの情報が参照される。
【0156】
そして、参照した情報において「搬送適否」が「問題あり」(NG)となっている場合には、排出制御部75により不適品用ブローノズル54aが動作させられて、「問題あり」と判定された錠剤5が不適品収容部54bへと排出される。また、参照した情報において「錠剤の良否」が「問題あり」(NG)となっている場合には、排出対象の錠剤5が第三ポジションP3に到達した段階で、排出制御部75により不良品用ブローノズル55aが動作させられて、「問題あり」と判定された錠剤5が不良品収容部55bへと排出される。
【0157】
また、参照した情報において「錠剤の有無」、「錠剤の良否」及び「搬送適否」のいずれかが「問題あり」(NG)となっている場合、排出制御部75から判定結果更新部76に対し、シフト要求信号と、参照したセルグループを特定するための「通番」を示す信号とが送られる。
【0158】
上記各信号が判定結果更新部76へと送られると、判定結果更新部76によって、セルグループを特定するための「通番」を示す信号に基づき、該「通番」に対応するセルグループの情報が消去される。例えば、「11」の通番に対応するセルグループにおいて、「錠剤の良否」が「問題あり」(NG)である場合(
図18参照)、「11」の通番に対応するセルグループの情報が削除される(
図19参照)。
【0159】
その上で、判定結果更新部76によって、各セルグループに記憶された情報を「通番」1つ分だけシフトさせる。例えば、「11」よりも大きな数値に設定された「12」、「13」、「14」…に対応する各セルグループの情報が、それぞれ現「通番」よりも1つ小さな「11」、「12」「13」…に対応する各セルグループに上書きして記憶される(
図20参照)。
【0160】
さらに、セルグループの情報をシフトさせると、判定結果更新部76によって、経路外カウンタの数値が1つ増加させられる。
【0161】
尚、情報がシフトされることで、現時点で最も大きな「通番」に対応するセルグループの情報は、空の状態となる(
図21参照)。ここで、情報のシフトに伴い経路外カウンタの数値が1つ増加するため、比較判定部73bによる次の処理では、前の処理にて設定された「通番」と同じ「通番」が設定される。従って、次に第一ポジションP1に到達した錠剤5に係る「錠剤の有無」等と「形状特徴情報」〔D(41a)〕とは、現時点で最も大きな「通番」に対応する判定結果記憶部72のセルへと記憶される(
図22参照)。
【0162】
そして、錠剤5の搬送がさらに進み、第二カメラ60によって錠剤5が撮像される状態になると、詰まり有無判定部77によって、第四ポジションに位置する各ポケット部2に錠剤5が充填されているか否かが判定される。
【0163】
各ポケット部2の全てに錠剤5が充填されている場合には、詰まり有無判定部77から判定結果更新部76に対し、シフト要求信号が出力される。これにより、判定結果更新部76によって、「1」の「通番」に対応するセルグループの情報を消去される。さらに、各セルグループの情報がシフトされる(
図23,24参照)。
【0164】
また、情報のシフトに伴い経路外カウンタの数値が1つ増加するため、比較判定部73bによる次の処理では、直前の処理にて設定された「通番」と同じ「通番」が設定され、「錠剤の有無」等の各判定結果と「形状特徴情報」〔D(85a)〕とは、この「通番」に対応する判定結果記憶部72のセルへと記憶される(
図25参照)。以降においては、不適品排出装置54等により錠剤5が排出されない限り、第一ポジションP1に到達した錠剤5に係る「錠剤の有無」や「形状特徴情報」等は、常に同じ「通番」に対応するセルグループへと記憶されていくことになる。
【0165】
一方、各ポケット部2のうちのいずれかに錠剤5が充填されているものの、錠剤5が充填されていないポケット部2が存在する場合、詰まり有無判定部77によって、錠剤5に起因したスプリングシュート582の詰まりが生じていると判定される。そして、錠剤5が充填されていないポケット部2の位置に基づき、詰まりの生じたスプリングシュート582が特定される。その後、該スプリングシュート582を特定するための情報が基準情報更新部78へと送信される。
【0166】
詰まりの生じたスプリングシュート582を特定するための情報が送信されると、基準情報更新部78によって、該情報に基づき、判定結果記憶部72から、該スプリングシュート582を通るはずの錠剤5のうち、先頭(最下流)に位置する錠剤5の「形状特徴情報」が取得される。つまり、スプリングシュート582の詰まりの原因となっていると推定される錠剤5の「形状特徴情報」が取得される。
【0167】
その上で、取得された「形状特徴情報」に基づき、該「形状特徴情報」と同一の「形状特徴情報」を有する錠剤5が比較判定部73bにより不適と判定されるように、詰まりの生じたスプリングシュート582に対応する基準情報が更新される。基準情報の更新に伴い、以降、取得された「形状特徴情報」と同一の「形状特徴情報」を有する錠剤5は、該スプリングシュート582に対する投入前に、不適品排出装置54によって系外に排出されることとなる。
【0168】
以上詳述したように、本実施形態によれば、錠剤5が、その形状の点で、スプリングシュート582内にて詰まりやすいものであるか否かがスプリングシュート582への投入前に前もって判定される。そして、不適と判定された錠剤5、つまりスプリングシュート582内にて詰まりやすいと推定された錠剤5は、不適品排出装置54によってスプリングシュート582よりも上流にて排出される。従って、詰まりやすいと推定される錠剤5がスプリングシュート582内に投入されることを防止でき、スプリングシュート582における錠剤5の詰まりをより確実に防止することができる。
【0169】
また、錠剤5の詰まり防止を図るにあたって、スプリングシュート582や錠剤5に対し外力を付与する必要がない。従って、錠剤5の破損を効果的に抑制することができる。特に本実施形態では、錠剤5が比較的脆い口腔内崩壊錠であって破損の生じやすいものであるが、このような錠剤5であってもその破損防止をより確実に図ることができる。
【0170】
さらに、スプリングシュート582の詰まりが検出された場合には、今後のシュート搬送適否判定部73(比較判定部73b)による判定において、該スプリングシュート582の先頭(つまり最下流)に位置する錠剤5に係る「形状特徴情報」と同一の「形状特徴情報」を有する錠剤5が不適と判定されるように、基準情報が修正される。すなわち、実際に詰まりを生じさせたと考えられる錠剤5の「形状特徴情報」を用いて、基準情報が、詰まりの発生をより抑えることが可能な情報へとフィードバック修正される。従って、次回以降、詰まりの発生頻度をより低減させることが可能となる。その結果、充填装置59に対する錠剤5の供給が滞るといった事態を経時的に生じにくくすることができ、PTPシート1の製造効率をより高めることができる。
【0171】
加えて、良否判定部74により、スプリングシュート582を用いた搬送に係る点とは別に錠剤5自体の良否が判定される。そして、欠陥のある不良品の錠剤5は、不良品除去装置55によってスプリングシュート582よりも上流にて排出される。従って、不良品の錠剤5がスプリングシュート582に投入されることを防止でき、ひいては不良品の錠剤5に起因する詰まりの発生をより確実に防止することができる。
【0172】
また、シュート搬送適否判定部73(比較判定部73b)により不適と判定された錠剤5を収容するための不適品収容部54bと、良否判定部74により不良と判定された錠剤5を収容するための不良品収容部55bとは別々に設けられている。そして、不適品収容部54bに収容された錠剤5と不良品収容部55bに収容された錠剤5とが混合しないようになっている。従って、スプリングシュート582との関係で不適と判定されたに過ぎない良品の錠剤5が、不良品の錠剤5と混在して該不良品の錠剤5と区別不能となることを防止できる。これにより、スプリングシュート582との関係で不適と判定された錠剤5を有効的に利用すること(例えば、あるスプリングシュート582との関係で不適と判定された錠剤5を、他のスプリングシュート582を用いてポケット部2に充填すること等)が容易に可能となる。また、スプリングシュート582との関係で不適と判定された錠剤5のみを簡便に抽出することができるため、シュート搬送適否判定部73や不適品排出装置54が正常に動作しているか否かの確認を容易に行うことができる。
【0173】
さらに、1の錠剤5に対し複数(本実施形態では2つ)の「形状特徴情報」が取得され、取得された複数の「形状特徴情報」に基づき、スプリングシュート582内にて詰まりやすい錠剤5であるか否かが判定される。従って、スプリングシュート582内にて詰まりやすいと推定される錠剤5をより精度よく検出することができる。その結果、スプリングシュート582内における錠剤5の詰まりを一層確実に防止することができる。
【0174】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0175】
(a)上記実施形態では、「シュート」としてスプリングシュート582を挙げているが、「シュート」はスプリングシュートに限定されるものではない。従って、「シュート」として、内側空間の少なくとも一部が湾曲したRシュートなどを用いてもよい。
【0176】
また、上記実施形態では、比較的詰まりの生じる可能性のあるスプリングシュート582を対象として本件発明の技術思想を適用しているが、その他のシュートを対象として本件発明の技術思想を適用してもよい。例えば、供給シュート511を対象として本件発明の技術思想を適用してもよい。この場合には、供給シュート511よりも上流にて、供給シュート511を用いた搬送に係る錠剤5の適否が判定され、不適と判定された錠剤5は供給シュート511へと投入される前に排出される。
【0177】
(b)上記実施形態では、第一搬送装置52により搬送される錠剤5の列数と、充填装置59により充填される錠剤5の列数とが同一となるように構成されている。これに対し、
図26に示すように、第一搬送装置52及び充填装置59間において、充填装置59により充填される錠剤5の列数を、第一搬送装置52により搬送される錠剤5の列数よりも多いものとするための列数変換装置62を設けることとしてもよい。
【0178】
図26に示す例において、列数変換装置62は、錠剤5の列数を3列から5列に変換するものであり、受渡装置56に代えて設けられた変換用排出装置621を備えている。変換用排出装置621は、複数のブローノズル621aを備えている。尚、変換前及び変換後の錠剤5の列数は、適宜変更可能である。
【0179】
複数のブローノズル621aは、第一搬送装置52による錠剤5の搬送方向に沿って、充填装置59により充填される錠剤5の列数と同数(本例では5つ)並んでおり、また、このブローノズル621aの列は、前記搬送方向に沿って並ぶ吸着孔52dの列数と同数(本例では3列)設けられている。さらに、各ブローノズル621aにおけるブロー口〔気体(例えばエア)の吹き出し口〕の全てが、一定タイミング毎に、吸着孔52dと重なるようになっている。
【0180】
そして、第二搬送装置57は、錠剤5の搬送方向に沿って並ぶ吸着孔57dの列を複数(本例では5列)備えるところ、変換用排出装置621は、各ブローノズル621aを選択的にブロー動作させることで、吸着孔57dの各列に対し錠剤5を分配する。これにより、充填装置59により充填される錠剤5の列数を、第一搬送装置52により搬送される錠剤5の列数よりも多いものとすることができる。
【0181】
尚、吸着孔57dの各列に対し錠剤5が均等に分配されるようにブローノズル621aの動作を制御することが好ましい。また、比較判定部73bや詰まり有無判定部77による判定処理を考慮すると、列数変換前における「通番」や「錠剤の有無」等の情報と、列数変換後における「通番」や「錠剤の有無」等の情報とを関連付けて記憶させることが好ましい。
【0182】
(c)上記実施形態において、第一搬送装置52の吸着孔52dは、上流側搬送ベルト52cの移動方向に沿って間隔をあけて設けられている。これに対し、
図27に示すように、前記移動方向に沿って吸着孔52eが連続する構成としてもよい。すなわち、第一搬送装置52は、スリット状の吸着孔52eを有するものであってもよい。この場合、搬送方向に沿った錠剤5同士の間隔が一定とはならないことがあるが、エンコーダ80からの信号などに基づき錠剤5の位置を把握することで、錠剤5に対する各種処理を適切に行うことができる。尚、第二搬送装置57においても、スリット状の吸着孔を設けてもよい。
【0183】
また、第一搬送装置52等として、搬送ベルトを備えない搬送装置を利用してもよい。例えば、搬送装置として吸着ドラムなどを用いてもよい。
【0184】
(d)上記実施形態では、詰まり有無判定部77によって、錠剤5に起因したスプリングシュート582の詰まりが検出されると、基準情報の更新が必ず行われるように構成されている。これに対し、錠剤5に起因したスプリングシュート582の詰まりが複数回検出されたときに初めて、該スプリングシュート582に対応する基準情報の更新を行うように構成してもよい。この場合には、イレギュラーな要因などにより基準情報が不適当な情報へと更新されることを回避でき、基準情報における適正性をより確実に担保することができる。
【0185】
(e)上記実施形態では、錠剤5に起因したスプリングシュート582の詰まりが検出されると、基準情報更新部78によって、基準情報が自動的に更新されるようになっている。これに対し、錠剤5に起因したスプリングシュート582の詰まりが検出されたときに、基準情報を手動で更新するように構成してもよい。例えば、所定の計測器などを用いて、詰まりの原因となった錠剤5の「形状特徴情報」を取得した上で、この取得した「形状特徴情報」に基づき基準情報の手動更新を行うようにしてもよい。
【0186】
(f)上記実施形態では、錠剤5の外径に係る「形状特徴情報」と、錠剤5の厚さに係る「形状特徴情報」とを挙げているが、「形状特徴情報」はこれらに限定されるものではなく、錠剤5の形状に係る特徴を示すその他の情報であってもよい。従って、例えば、錠剤5が平面視楕円形状をなす場合には、錠剤5の長径に係る「形状特徴情報」や、錠剤5の短径に係る「形状特徴情報」を用いてもよい。
【0187】
(g)上記実施形態では、複数の「形状特徴情報」に基づき錠剤5の適否を判定しているが、1の「形状特徴情報」に基づき錠剤5の適否を判定してもよい。
【0188】
また、上記実施形態において、比較判定部73bは、錠剤5の外径に係る「形状特徴情報」及び錠剤5の厚さに係る「形状特徴情報」を個別に利用することで、スプリングシュート582を用いた搬送に係る錠剤5の適否を判定している。これに対し、例えば、錠剤5の外径に係る「形状特徴情報」及び錠剤5の厚さに係る「形状特徴情報」に基づき、両情報に関連する「形状特徴情報」(例えば外径及び厚さを加算した数値)を生成し、該「形状特徴情報」を利用して錠剤5の適否を判定してもよい。すなわち、複数の「形状特徴情報」を総合的に利用して、錠剤5の適否を判定してもよい。
【0189】
(h)上記実施形態において、基準情報更新部78は、閾値X1,X2,Y1,Y2のうちの1つを更新対象とするものであるが、複数の閾値を更新対象とするものであってもよい。
【0190】
(i)上記実施形態では、第二カメラ60により得られた撮像データに基づき、ポケット部2における錠剤5の有無を判定するように構成されている。これに対し、例えば、ポケット部2の通過位置に対し所定の光を照射する投光部と、該光を受ける受光部とを備えてなる光電センサを用い、錠剤5によって該光が遮られるか否かに基づき、ポケット部2における錠剤5の有無を判定するように構成してもよい。
【0191】
(j)上記実施形態において、錠剤5に起因したスプリングシュート582の詰まりは、ポケット部2における錠剤5の有無を判定することで検出されているが、この検出手法はあくまで一例である。スプリングシュート582の詰まりは、該スプリングシュート582よりも下流における錠剤5の搬送経路において、錠剤5の有無を判定することにより検出することができる。従って、例えば、充填ドラム592の吸着部592aにおける錠剤5の有無を判定することにより、スプリングシュート582の詰まりを検出するように構成してもよい。
【0192】
(k)上記実施形態では、各供給シュート511に対し共通の貯留部から錠剤5が供給されるとともに、錠剤5の各搬送経路から排出された不適品の錠剤5は共通の不適品収容部54bへと投入されるように構成されている。これに対し、各供給シュート511に対し別々の貯留部から錠剤5が供給されるとともに、錠剤5の各搬送経路から排出された不適品の錠剤5が別々の不適品収容部54bへと投入されるように構成してもよい。
【0193】
この場合には、不適品収容部54bに貯留された錠剤5が、どのスプリングシュート582との関係で不適と判定されたのかを容易に把握することができる。従って、シュート搬送適否判定部73や不適品排出装置54が正常に動作しているか否かの確認をより容易に行うことができる。
【0194】
また、各貯留部は、それぞれ別のスプリングシュート582に向けて錠剤5を供給することになる。そのため、ある貯留部から供給されて、あるスプリングシュート582との関係で不適と判定された錠剤5を、その他の貯留部に投入して、その他のスプリングシュート582に向けて供給するといったことが容易に可能となる。この場合、新たな供給対象のスプリングシュート582に対応する基準情報によっては、錠剤5が不適品排出装置54によって排出されることなく、該スプリングシュート582を通ってポケット部2へと充填される。従って、不適と判定された錠剤5をより容易に有効利用することができる。
【0195】
(l)上記実施形態において、第二カメラ60及び検査装置22は別々に設けられているが、検査装置22及び第二カメラ60を一体的に設けてもよい。すなわち、検査装置22は、第二カメラ60を備え、該第二カメラ60により得られた撮像データに基づき、錠剤5における異常の有無、ポケット部2への異物混入の有無などに関する検査を行うものであってもよい。検査装置22及び第二カメラ60を一体化することで、装置の簡素化を図ることができる。
【0196】
(m)上記実施形態では、第二搬送装置57を介して、錠剤5がスプリングシュート582へと投入されるように構成されているが、第二搬送装置57を介することなく、第一搬送装置52からスプリングシュート582へと錠剤5が投入されるように構成してもよい。
【0197】
(n)上記実施形態では、不適と判定された錠剤5を排出する不適品排出装置54と、不良と判定された錠剤5を排出する不良品除去装置55とが別々に設けられている。これに対し、排出装置54,55に代えて、不適又は不良と判定された錠剤5を系外へと排出する1の排出装置を設けることとしてもよい。
【0198】
(o)上記実施形態では、内容物として錠剤5を挙げているが、内容物は錠剤に限定されるものではない。
【0199】
また、上記実施形態では、錠剤5として、平面視円形状をなす円盤状の口腔内崩壊錠を挙げているが、錠剤の種別や形状等については、上記実施形態に限定されるものではない。例えば錠剤には、医薬のみならず、飲食用に用いられる錠剤なども含まれる。また、錠剤には、素錠、糖衣錠、フィルムコーティング錠、腸溶錠及びゼラチン被包錠などが含まれるのは勿論のこと、硬カプセルや軟カプセルなどの各種カプセル錠なども含まれる。
【0200】
さらに、錠剤の形状に関しては、平面視円形状のみならず、例えば、平面視多角形状、平面視楕円形状、平面視長円形状等であってもよい。
【0201】
(p)製造されるPTPシートの構成は上記実施形態に限定されるものではない。例えばPTPシート1単位のポケット部2の配列や個数は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
【0202】
また、上記実施形態において、PTPフィルム6は、その幅方向に沿って1シート分に対応する数のポケット部2が配列された構成となっているが、これに限定されるものではなく、例えば、その幅方向に沿って複数シート分に対応する数のポケット部2が配列された構成であってもよい。
【0203】
さらに、上記実施形態では、ブリスタシートとしてPTPシート1を挙げているが、PTPシート1以外のブリスタシートに対し本発明の技術思想を適用してもよい。
【符号の説明】
【0204】
1…PTPシート(ブリスタシート)、2…ポケット部、3…容器フィルム、4…カバーフィルム、5…錠剤(内容物)、10…PTP包装機(ブリスタ包装機)、53…第一カメラ(撮像手段)、54…不適品排出装置(不適品排出手段)、54b…不適品収容部(第一収容手段)、55…不良品除去装置(不良排出手段)、55b…不良品収容部(第二収容手段)、59…充填装置(充填手段)、73…シュート搬送適否判定部(シュート搬送適否判定手段)、74…良否判定部(良否判定手段)、81…詰まり検出部(詰まり検出手段)、582…スプリングシュート(シュート)。