(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022049958
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】印刷実行部に印刷を実行させるための制御装置とそのためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20220323BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20220323BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
G06F3/12 353
G06F3/12 303
G06F3/12 344
G06F13/00 640
B41J29/38 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020156275
(22)【出願日】2020-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 健
【テーマコード(参考)】
2C061
5B084
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AS02
2C061HJ06
2C061HK11
2C061HN05
2C061HN26
5B084AA06
5B084AA11
5B084AB02
5B084AB03
5B084AB04
5B084AB06
5B084BA09
5B084BB01
5B084CB06
5B084CB22
5B084CF14
5B084DC02
5B084DC03
(57)【要約】
【課題】画像が挿入されている本文部を含む電子メールに関する印刷を適切に実行し得る技術を提供すること。
【解決手段】制御装置は、ヘッダ部と本文部とを含む電子メールを受信する。本文部には、第1のファイルによって表わされる第1のファイル画像が挿入されている。制御装置は、本文部が第1のファイル画像とは異なるテキストを含む場合に、第1の印刷画像を第1の印刷媒体に印刷するための第1の印刷データを印刷実行部に供給する。第1の印刷画像は、ヘッダ部に含まれる少なくとも一部の情報であるヘッダ情報と、テキストと、第1のファイル画像と、を含む。制御装置は、本文部が第1のファイル画像とは異なるテキストを含まない場合に、第2の印刷画像を第2の印刷媒体に印刷するための第2の印刷データを印刷実行部に供給する。第2の印刷画像は、第1のファイル画像を含むと共にヘッダ情報を含まない。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷実行部に印刷を実行させるための制御装置であって、
ヘッダ部と本文部とを含む電子メールを受信する電子メール受信部であって、前記本文部には、第1のファイルによって表わされる第1のファイル画像が挿入されている、前記電子メール受信部と、
前記本文部が前記第1のファイル画像とは異なるテキストを含む場合に、第1の印刷画像を第1の印刷媒体に印刷するための第1の印刷データを前記印刷実行部に供給する第1の供給部であって、前記第1の印刷画像は、前記ヘッダ部に含まれる少なくとも一部の情報であるヘッダ情報と、前記テキストと、前記第1のファイル画像と、を含む、前記第1の供給部と、
前記本文部が前記第1のファイル画像とは異なる前記テキストを含まない場合に、第2の印刷画像を第2の印刷媒体に印刷するための第2の印刷データを前記印刷実行部に供給する第2の供給部であって、前記第2の印刷画像は、前記第1のファイル画像を含むと共に前記ヘッダ情報を含まない、前記第2の供給部と、
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記制御装置は、さらに、
ユーザによって指定される設定情報であって、第1の値と第2の値とのうちのどちらかの値を示す前記設定情報を記憶するメモリを備え、
前記第1の供給部は、
前記設定情報が前記第1の値を示し、かつ、前記本文部が前記テキストを含む場合に、前記第1の印刷データを前記印刷実行部に供給し、
前記設定情報が前記第2の値を示す場合に、前記第1の印刷データを前記印刷実行部に供給しない、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第2の供給部は、前記本文部が前記テキストを含まない場合に、前記設定情報が前記第1の値を示すのか前記第2の値を示すのかに関わらず、前記第2の印刷データを前記印刷実行部に供給する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御装置は、さらに、
前記第1のファイルが所定のファイル形式を有さない場合に、第3の印刷画像を第3の印刷媒体に印刷するための第3の印刷データを前記印刷実行部に供給する第3の供給部であって、前記第3の印刷画像は、前記第1のファイル画像を含むと共に前記ヘッダ情報を含まない、前記第3の供給部と、を備え、
前記第1の供給部は、前記第1のファイルが前記所定のファイル形式を有し、かつ、前記本文部が前記テキストを含む場合に、前記第1の印刷データを前記印刷実行部に供給する、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第3の供給部は、前記第1のファイルが前記所定のファイル形式を有さず、かつ、前記本文部が前記テキストを含む場合に、前記第3の印刷データと、第4の印刷画像を前記第3の印刷媒体とは異なる第4の印刷媒体に印刷するための第4の印刷データと、を前記印刷実行部に供給し、
前記第4の印刷画像は、前記ヘッダ情報と前記テキストとを含む、請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御装置は、さらに、
ユーザによって指定される設定情報であって、第1の値と第2の値とのうちのどちらかの値を示す前記設定情報を記憶するメモリを備え、
前記第3の供給部は、
前記設定情報が前記第1の値を示し、かつ、前記第1のファイルが前記所定のファイル形式を有さず、かつ、前記本文部が前記テキストを含む場合に、前記第3の印刷データと前記第4の印刷データとを前記印刷実行部に供給し、
前記設定情報が前記第2の値を示し、かつ、前記第1のファイルが前記所定のファイル形式を有さず、かつ、前記本文部が前記テキストを含む場合に、前記第4の印刷データを前記印刷実行部に供給することなく、前記第3の印刷データを前記印刷実行部に供給する、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御装置は、さらに、
前記本文部が前記テキストを含み、かつ、前記電子メールが第2のファイルを添付ファイルとして含む場合に、第5の印刷画像を前記第1の印刷媒体とは異なる第5の印刷媒体に印刷するための第5の印刷データを前記印刷実行部に供給する第4の供給部であって、前記本文部には、前記第2のファイルによって表わされる第2のファイル画像は挿入されず、前記第5の印刷画像は、前記第2のファイル画像を含むと共に前記ヘッダ情報を含まない、前記第4の供給部を備え、
前記第4の供給部は、さらに、前記本文部が前記テキストを含まず、かつ、前記電子メールが前記第2のファイルを添付ファイルとして含む場合に、前記第5の印刷画像を前記第2の印刷媒体とは異なる前記第5の印刷媒体に印刷するための前記第5の印刷データを前記印刷実行部に供給する、請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記電子メールは、HTML(Hyper Text Markup Languageの略)に従って記述されており、
前記制御装置は、さらに、
前記本文部から、開始タグと、終了タグと、前記開始タグと前記終了タグとの間の文字列と、が消去された後に、1個以上の文字が残る場合に、前記本文部が前記テキストを含むと判断し、1個の文字も残らない場合に、前記本文部が前記テキストを含まないと判断する判断部を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記ヘッダ情報は、送信元アドレスと宛先アドレスと件名と日時情報とのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御装置は、前記印刷実行部とは別体に構成されているサーバである、請求項1から9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
印刷実行部に印刷を実行させるための制御装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記制御装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
ヘッダ部と本文部とを含む電子メールを受信する電子メール受信部であって、前記本文部には、第1のファイルによって表わされる第1のファイル画像が挿入されている、前記電子メール受信部と、
前記本文部が前記第1のファイル画像とは異なるテキストを含む場合に、第1の印刷画像を第1の印刷媒体に印刷するための第1の印刷データを前記印刷実行部に供給する第1の供給部であって、前記第1の印刷画像は、前記ヘッダ部に含まれる少なくとも一部の情報であるヘッダ情報と、前記テキストと、前記第1のファイル画像と、を含む、前記第1の供給部と、
前記本文部が前記第1のファイル画像とは異なる前記テキストを含まない場合に、第2の印刷画像を第2の印刷媒体に印刷するための第2の印刷データを前記印刷実行部に供給する第2の供給部であって、前記第2の印刷画像は、前記第1のファイル画像を含むと共に前記ヘッダ情報を含まない、前記第2の供給部と、
として機能させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、電子メールに含まれるファイルによって表わされる画像の印刷を印刷実行部に実行させる制御装置を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ゲスト端末とプリンタとサーバとを備えるシステムが開示されている。ゲスト端末は、添付ファイルを含む電子メールをサーバに送信する。この場合、サーバは、電子メールの本文と添付ファイルとを印刷対象として印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、画像が挿入されている本文を含む電子メールについて、何ら考慮されていない。本明細書では、画像が挿入されている本文部を含む電子メールに関する印刷を適切に実行し得る技術を提供する。
【0005】
本明細書では、印刷実行部に印刷を実行させるための制御装置を開示する。制御装置は、ヘッダ部と本文部とを含む電子メールを受信する電子メール受信部であって、前記本文部には、第1のファイルによって表わされる第1のファイル画像が挿入されている、前記電子メール受信部と、前記本文部が前記第1のファイル画像とは異なるテキストを含む場合に、第1の印刷画像を第1の印刷媒体に印刷するための第1の印刷データを前記印刷実行部に供給する第1の供給部であって、前記第1の印刷画像は、前記ヘッダ部に含まれる少なくとも一部の情報であるヘッダ情報と、前記テキストと、前記第1のファイル画像と、を含む、前記第1の供給部と、前記本文部が前記第1のファイル画像とは異なる前記テキストを含まない場合に、第2の印刷画像を第2の印刷媒体に印刷するための第2の印刷データを前記印刷実行部に供給する第2の供給部であって、前記第2の印刷画像は、前記第1のファイル画像を含むと共に前記ヘッダ情報を含まない、前記第2の供給部と、を備えてもよい。
【0006】
上記の構成によると、制御装置は、第1のファイル画像が挿入されている本文部がテキストを含む場合に、ヘッダ情報とテキストと第1のファイル画像とを含む第1の印刷画像の印刷を印刷実行部に実行させることができる。一方、制御装置は、第1のファイル画像が挿入されている本文部がテキストを含まない場合に、第1のファイル画像を含むと共にヘッダ情報を含まない第2の印刷画像の印刷を印刷実行部に実行させることができる。このように、制御装置は、第1のファイル画像が挿入されている本文部がテキストを含むのか否かに応じて、ヘッダ情報とテキストと第1のファイル画像を含む第1の印刷画像の印刷を印刷実行部に実行させるのか、第1のファイル画像を含む第2の印刷画像の印刷を印刷実行部に実行させるのか、を変えることができる。従って、制御装置は、第1のファイル画像が挿入されている本文部を含む電子メールに関する印刷を印刷実行部に適切に実行させ得る。
【0007】
上記の制御装置のためのコンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体、及び、上記の制御装置によって実行される方法も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】印刷仲介サーバによって実行される処理のフローチャートを示す。
【
図6】本文印刷設定が有効である場合の印刷結果を示す。
【
図7】本文印刷設定が有効である場合の印刷結果を示す。
【
図8】本文印刷設定が無効である場合の印刷結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(通信システム2の構成:
図1)
図1に示されるように、通信システム2は、印刷仲介サーバ10と、複数個のプリンタ100A,100Bと、PC200と、を備える。これらの各デバイス10,100A等は、インターネット4に接続されており、インターネット4を介して相互に通信可能である。
【0010】
プリンタ100A、プリンタ100Bは、それぞれ、プリンタを識別する識別情報であるプリンタID「P1」、「P2」を有する。PC200は、プリンタ100A等に印刷を実行させるためのユーザ端末である。
【0011】
(印刷仲介サーバ10の構成)
印刷仲介サーバ10は、プリンタ100A等のベンダによってインターネット4上に設置される。ただし、変形例では、印刷仲介サーバ10は、当該ベンダとは異なる事業者によって設置されてもよい。印刷仲介サーバ10は、PC200がプリンタ100A等に印刷を実行させるための通信を仲介する。特に、印刷仲介サーバ10は、電子メール印刷機能を実現する。電子メール印刷機能は、PC200から電子メールを受信して、当該電子メールに含まれるファイルによって表わされる画像の印刷をプリンタ100A等に実行させる。以下では、印刷仲介サーバ10のことを「仲介サーバ10」と短縮して記載する。
【0012】
仲介サーバ10は、通信インターフェース20と制御部30とを備える。通信インターフェース20は、インターネット4に接続されている。制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム40に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成され、上記のプログラム40に加えて、プリンタテーブル42を記憶する。
【0013】
プリンタテーブル42は、電子メールアドレスとプリンタIDと本文印刷設定とを対応付けて記憶する。例えば、電子メールアドレス「aaa@print.com」とプリンタ100AのプリンタID「P1」とが対応付けられている。これは、仲介サーバ10が、電子メールアドレス「aaa@print.com」を宛先として含む電子メールを受信する際に、当該電子メールに含まれるファイルによって表わされる画像の印刷をプリンタ100Aに実行させることを意味する。本文印刷設定は、電子メールの本文部に記述されているテキストの印刷を実行することを示す「有効」と、本文部に記述されているテキストの印刷を実行しないことを示す「無効」と、のどちらかの値を示す。
【0014】
プリンタテーブル42内の電子メールアドレス及びプリンタIDは、仲介サーバ10、プリンタ100A等、及び、PC200の間で様々な通信が実行されることによって記憶される情報である。プリンタ100A等のユーザは、電子メール印刷機能の利用を望む場合に、電子メールアドレス及びプリンタIDを仲介サーバ10に記憶させるための作業を予め実行しておく。プリンタテーブル42内の本文印刷設定は、プリンタ100A等のユーザによって指定される情報である。プリンタ100A等のユーザは、電子メールアドレス及びプリンタIDがプリンタテーブル42に記憶された後に、本文印刷設定として「有効」又は「無効」を指定する作業を実行する。
【0015】
(仲介サーバ10によって実行される処理:
図2)
続いて、
図2を参照して、仲介サーバ10のCPU32によって実行される処理を説明する。以下の各通信は、通信インターフェース20及びインターネット4を介して実行される。従って、以下の説明では、「通信インターフェース20を介して」及び「インターネット4を介して」という記載を省略する。
【0016】
S10では、CPU32は、PC200から電子メールを受信することを監視する。CPU32は、PC200から電子メールを受信する場合に、S10でYESと判断し、S20に進む。
【0017】
S20では、CPU32は、まず、電子メールに含まれる宛先アドレスを特定し、プリンタテーブル42から、当該宛先アドレスに対応付けられている本文印刷設定を特定する。そして、CPU32は、当該本文印刷設定が「有効」を示すのか「無効」を示すのかを判断する。CPU32は、「有効」を示すと判断する場合(S20でYES)にはS30に進み、「無効」を示すと判断する場合(S20でNO)にはS32に進む。
【0018】
S30では、CPU32は、有効印刷処理(
図3参照)を実行する。有効印刷処理は、電子メールの本文部に記述されているテキストを含む画像を印刷するための処理である。
【0019】
S32では、CPU32は、無効印刷処理(
図4参照)を実行する。無効印刷処理は、電子メールの本文部に記述されているテキストを含まない画像を印刷するための処理である。
【0020】
S40では、CPU32は、電子メールが添付ファイルを含むのか否かを判断する。CPU32は、添付ファイルを含むと判断する場合(S40でYES)にはS42に進み、添付ファイルを含まないと判断する場合(S40でNO)にはS42をスキップしてS10の処理に戻る。
【0021】
S42では、CPU32は、添付ファイルに対応する印刷データを生成する。具体的には、CPU32は、添付ファイルに対する変換処理を実行して、プリンタ(例えば100A)が解釈可能なデータ形式を有する印刷データを生成する。ここで、プリンタが解釈可能なデータ形式は、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Groupの略)等の広く知られているデータ形式であってもよいし、プリンタのベンダによって開発されたデータ形式であってもよい。ここで生成される印刷データは、電子メールのヘッダ部内の情報(例えば、件名、宛先アドレス、送信元アドレス、日時情報等)を含まないと共に、電子メールの本文部内の情報(例えば、テキスト、本文部に挿入されている画像等)を含まない。
【0022】
S42では、CPU32は、さらに、電子メールに含まれる宛先アドレス(例えばaaa@print.com)を特定し、プリンタテーブル42(
図1参照)から、特定済みの電子メールアドレスに対応付けられているプリンタID(例えばP1)を特定する。次いで、CPU32は、特定済みのプリンタIDによって識別されるプリンタ(例えば100A)に印刷データを送信する。この結果、当該プリンタにおいて、当該印刷データによって表わされる画像、即ち、添付ファイルによって表わされる画像の印刷が実行される。
【0023】
なお、実際には、CPU32は、印刷データをプリンタに送信する前に、印刷データが生成されたことを示す通知を当該プリンタに送信し、当該プリンタから印刷データの送信要求を受信し、その後、印刷データをプリンタに送信する。ただし、本実施例では、上記の通知及び送信要求の通信を図示省略している。印刷データを送信するための以下の処理(例えば
図3のS124等)でも同様である。また、説明を省略しているが、インターネット4上の仲介サーバ10からプリンタに上記の通知を送信するためには、仲介サーバ10とプリンタとの間にXMPP(Extensible Messaging and Presence Protocolの略)接続が予め確立されている必要がある。仲介サーバ10は、XMPP接続を利用することによって、プリンタが所属するLANのファイヤウォールを超えて、上記の通知をプリンタに送信することができる。
【0024】
(有効印刷処理:
図3)
続いて、
図3を参照して、
図2のS30の有効印刷処理を説明する。S100では、CPU32は、本文部が1個以上の本文ファイルを含むのか否かを判断する。換言すると、CPU32は、1個以上の本文ファイルによって表わされる1個以上の画像が本文部に挿入されているのか否かを判断する。CPU32は、本文部が1個以上の本文ファイルを含むと判断する場合(S100でYES)にはS110に進み、本文部が1個の本文ファイルも含まないと判断する場合(S100でNO)にはS140に進む。
【0025】
S110では、CPU32は、1個以上の本文ファイルの中から1個の本文ファイルを特定する。
【0026】
S120では、CPU32は、特定済みの本文ファイルによって表わされる画像を本文内で印刷可能であるのか否かを判断する。換言すると、CPU32は、当該画像を、本文部に含まれるテキストと共に同じ印刷媒体に印刷可能であるのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、特定済みの本文ファイルが所定のファイル形式を有する場合に、本文内で印刷可能であると判断し(S120でYES)、S122に進む。ここで、本実施例では、所定のファイル形式は、JPEG及びPNGである。ただし、変形例では、所定のファイル形式は、他のファイル形式(例えば、GIF、TIFF、BMP等)であってもよい。以下では、所定のファイル形式を有する本文ファイルのことを「本文印刷可能ファイル」と記載する。一方、CPU32は、特定済みの本文ファイルが所定のファイル形式を有さない場合に、本文内で印刷可能でないと判断し(S120でNO)、S124に進む。例えば、特定済みの本文ファイルがPDFである場合には、CPU32は、本文内で印刷可能でないと判断する。以下では、所定のファイル形式を有さない本文ファイルのことを「本文印刷不可能ファイル」と記載する。
【0027】
S122では、CPU32は、本文部がテキストを含むのか否かを判断する。
図5を参照して、S122の処理の詳細を説明する。電子メール300は、HTML(Hyper Text Markup Languageの略)に従って記述されており、ヘッダ部310と本文部350と添付ファイル390とを含む。
【0028】
ヘッダ部310は、送信元アドレスと宛先アドレスと日時情報と件名とを含む。本文部350は、HTMLの各コマンドを含み、特に、テキスト「I send photograph」を含む。従って、本文部350を表わす画像350A(例えば、電子メールの送信元のメーラで表示される画像)は、テキスト「I send photograph」を含む。本文部350は、さらに、本文ファイル370を含む。即ち、本文部350を表わす画像350Aは、さらに、本文ファイル370によって表わされる画像370Aを含む。換言すると、本文部350には画像370Aが挿入されている。添付ファイル390は、画像390Aを表わす。電子メールがメーラで表示されている状態では、ヘッダ部310の情報と画像350Aとが表示され、画像390Aが表示されない。メーラ上で添付ファイル390がユーザによって開かれる場合に、画像390Aが表示される。
【0029】
S122では、CPU32は、まず、本文部350から、1個の開始タグ「<」と、当該1個の開始タグに対応する終了タグ「>」と、当該1個の開始タグと当該1個の終了タグとの間の文字列「!DOCTYPE html」と、を消去する。CPU32は、同様の処理を他の開始タグ及び終了タグのセットについて実行する。この場合、
図5の例では、文字列「I send photograph」が残る。このように、CPU32は、本文部に対して上記の消去を実行した後に、1個以上の文字が残る場合に、本文部がテキストを含むと判断し(S122でYES)、S126に進む。一方、本文部に対して上記の消去を実行した後に、1個の文字も残らない場合に、本文部がテキストを含まないと判断し(S122でNO)、S124に進む。このように、仲介サーバ10は、タグを利用して、本文部がテキストを含むのか否かを適切に判断することができる。
【0030】
S124では、CPU32は、本文ファイルに対応する印刷データを生成する。具体的には、CPU32は、本文ファイルに対する変換処理を実行して印刷データを生成する。ここで生成される印刷データは、ヘッダ部内の情報を含まないと共に、本文部内の情報を含まない。S124では、CPU32は、さらに、上記のS42の説明と同様に、宛先アドレスからプリンタIDを特定し、特定済みのプリンタIDによって識別されるプリンタに印刷データを送信する。この結果、当該プリンタにおいて、当該印刷データによって表わされる画像、即ち、本文ファイルによって表わされる画像の印刷が実行される。
【0031】
S126では、CPU32は、本文部に含まれる1個以上の本文ファイルの全てをS110で特定済みであるのか否かを判断する。CPU32は、1個以上の本文ファイルの全てを特定済みであると判断する場合(S126でYES)には、S130に進む。一方、CPU32は、1個以上の本文ファイルの全てを特定済みでないと判断する場合(S126でNO)には、S110に戻り、まで特定されていない1個の本文ファイルを特定する。
【0032】
S130では、CPU32は、本文内で印刷可能である本文ファイル(即ち「印刷可能ファイル」)があり、かつ、本文部がテキストを含むのか否かを判断する。即ち、CPU32は、S120でYESと判断し、かつ、S122でYESと判断したのか否かを判断する。CPU32は、1個以上の印刷可能ファイルがあり、かつ、本文部がテキストを含む場合には、S130でYESと判断し、S132に進む。一方、CPU32は、1個の印刷可能ファイルもない場合、又は、本文部がテキストを含まない場合には、S130でNOと判断し、S140に進む。
【0033】
S132では、CPU32は、ヘッダ情報と、本文部に含まれるテキストと、1個以上の印刷可能ファイルと、に対応する印刷データを生成する。ヘッダ情報は、ヘッダ部に含まれる送信元アドレス及び件名である。具体的には、CPU32は、まず、ヘッダ情報が印刷媒体の先頭に印刷されるように、ヘッダ情報に対応する印刷データを生成する。次いで、CPU32は、テキストと1個以上の印刷可能ファイルとに対応する印刷データを生成する。ここで、CPU32は、電子メールの本文部に記述されている順序に従って、テキストと、1個以上の印刷可能ファイルによって表わされる1個以上の画像と、が上記の印刷媒体に印刷されるように、印刷データを生成する。例えば、
図5の電子メール300の例では、テキスト「I send photograph」がヘッダ情報の下に印刷され、画像370Aが当該テキストの下に印刷されるように、印刷データが生成される。なお、CPU32は、S132の印刷対象である各情報が1枚の印刷媒体に収まらない場合には、2枚以上の印刷媒体に亘って印刷するための印刷データを生成する。
【0034】
S132では、CPU32は、さらに、上記のS42の説明と同様に、宛先アドレスからプリンタIDを特定し、特定済みのプリンタIDによって識別されるプリンタに印刷データを送信する。この結果、当該プリンタにおいて、当該印刷データによって表わされる画像、即ち、ヘッダ情報とテキストと1個以上の画像との印刷が実行される。S132が終了すると、
図3の処理が終了する。
【0035】
S140では、CPU32は、S122と同様に、本文部がテキストを含むのか否かを判断する。CPU32は、本文部がテキストを含むと判断する場合(S140でYES)にはS142に進み、本文部がテキストを含まないと判断する場合(S140でNO)にはS142をスキップして
図3の処理を終了する。
【0036】
(無効印刷処理:
図4)
続いて、
図4を参照して、
図2のS32の無効印刷処理を説明する。S200では、CPU32は、本文部が1個以上の本文ファイルを含むのか否かを判断する。CPU32は、本文部が1個以上の本文ファイルを含むと判断する場合(S200でYES)にはS210に進み、本文部が1個の本文ファイルも含まないと判断する場合(S200でNO)には以降の処理を実行せずに
図4の処理を終了する。
【0037】
S210~S226は、
図3のS110~S126と同様である。S226でYESと判断されると、
図4の処理が終了する。
【0038】
(具体的な印刷結果:
図6~
図7)
続いて、
図6~
図8を参照して、
図3~
図5の処理によって実現される具体的な印刷結果を説明する。まず、
図6及び
図7を参照して、本文印刷設定が「有効」であるケースの印刷結果を説明する。
【0039】
(本文印刷設定が「有効」であり、かつ、1個の本文ファイルのみを含むケース:
図6)
本文ファイルのファイル形式がJPEGであり(
図3のS100でYES、S120でYES)、かつ、本文部がテキストを含む場合(S122でYES、S130でYES)には、仲介サーバ10は、ヘッダ情報とテキストとJPEG画像「X」とに対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタ(例えば100A)に送信する(S132)。これにより、当該プリンタにおいて、ヘッダ情報とテキストとJPEG画像「X」とが同じ印刷媒体P1に印刷される。
【0040】
ユーザは、テキストを本文部に記述する場合には、通常、テキストのみを印刷することを望むのではなく、ヘッダ情報とテキストとをまとめて印刷することを望む。そして、ユーザは、テキストのみならず印刷可能ファイル(即ちJPEG画像)を本文部にさらに挿入する場合には、通常、ヘッダ情報とテキストとJPEG画像とをまとめて印刷することを望む。印刷媒体P1に印刷される上記のケースでは、このようなユーザの要望を実現することができる。
【0041】
また、仲介サーバ10は、電子メールが添付ファイルを含む場合(
図2のS40でYES)には、添付ファイル画像「Z」に対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S42)。これにより、当該プリンタにおいて、添付ファイル画像「Z」が印刷媒体P1とは異なる印刷媒体P2に印刷される。添付ファイル画像「Z」が印刷される点は、以下の他のケースでも同様である(P4、P7、P9参照)。
【0042】
ユーザは、添付ファイルを電子メールに含ませる場合には、通常、添付ファイル画像を本文部とは別に印刷することを望む。印刷媒体P2に印刷される上記のケースでは、このようなユーザの要望を実現することができる。
【0043】
本文ファイルのファイル形式がJPEGであり(
図3のS100でYES、S120でYES)、かつ、本文部がテキストを含まない場合(S122でNO)には、仲介サーバ10は、JPEG画像「X」のみに対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S124)。これにより、当該プリンタにおいて、JPEG画像「X」のみが印刷媒体P3に印刷される。本文部がテキストを含まないので、ヘッダ情報に対応する印刷データが生成されず(S140でNO)、ヘッダ情報は印刷されない。
【0044】
ユーザは、テキストを本文部に記述せずに、印刷可能ファイル(即ちJPEG画像)を本文部に挿入する場合には、通常、電子メールに含まれる添付ファイルの印刷のように、JPEG画像のみを印刷することを望む。印刷媒体P3に印刷される上記のケースでは、このようなユーザの要望を実現することができる。
【0045】
本文ファイルのファイル形式がPDFであり(
図3のS100でYES、S120でNO)、かつ、本文部がテキストを含む場合には、仲介サーバ10は、PDF画像「Y」のみに対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S124)。これにより、当該プリンタにおいて、PDF画像「Y」のみが印刷媒体P6に印刷される。本文部がテキストを含むので(S140でYES)、仲介サーバ10は、さらに、ヘッダ情報とテキストとに対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S142)。これにより、当該プリンタにおいて、ヘッダ情報とテキストとが印刷媒体P6とは異なる印刷媒体P5に印刷される。
【0046】
印刷不可能ファイル(即ちPDF画像)が本文部に挿入されても、テキストと共にPDF画像を同じ印刷媒体に印刷することができない。このために、PDF画像のみが印刷媒体P6に印刷される。また、ユーザは、テキストを本文部に記述する場合には、通常、ヘッダ情報とテキストとをまとめて印刷することを望む。印刷媒体P5に印刷される上記のケースでは、このようなユーザの要望を実現することができる。
【0047】
本文ファイルのファイル形式がPDFであり(
図3のS100でYES、S120でNO)、かつ、本文部がテキストを含まない場合には、仲介サーバ10は、PDF画像「Y」のみに対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S124)。これにより、当該プリンタにおいて、PDF画像「Y」のみが印刷媒体P8に印刷される。本文部がテキストを含まないので(S140でNO)、ヘッダ情報に対応する印刷データが生成されず(S140でNO)、ヘッダ情報は印刷されない。
【0048】
(本文印刷設定が「有効」であり、かつ、2個の本文ファイルのみを含むケース:
図7)
続いて、
図7を参照して、2個の本文ファイルが存在するケースの印刷結果を説明する。2個の本文ファイルのそれぞれのファイル形式がJPEGであり(
図3のS100でYES、S120でYES)、かつ、本文部がテキストを含む場合(S122でYES、S130でYES)には、仲介サーバ10は、ヘッダ情報とテキストと2個のJPEG画像「X1」,「X2」とに対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S132)。これにより、当該プリンタにおいて、ヘッダ情報とテキストと2個のJPEG画像「X1」,「X2」とが同じ印刷媒体P11に印刷される。
【0049】
また、仲介サーバ10は、電子メールが添付ファイルを含む場合(
図2のS40でYES)には、添付ファイル画像「Z」に対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S42)。これにより、当該プリンタにおいて、添付ファイル画像「Z」が印刷媒体P11とは異なる印刷媒体P12に印刷される。添付ファイル画像「Z」が印刷される点は、以下の他のケースでも同様である(P15、P23、P26参照)。
【0050】
2個の本文ファイルのそれぞれのファイル形式がJPEGであり(
図3のS100でYES、S120でYES)、かつ、本文部がテキストを含まない場合(S122でNO)には、仲介サーバ10は、まず、JPEG画像「X1」のみに対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S124)。これにより、当該プリンタにおいて、JPEG画像「X1」のみが印刷媒体P13に印刷される。また、仲介サーバ10は、JPEG画像「X2」のみに対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S124)。これにより、当該プリンタにおいて、JPEG画像「X2」のみが印刷媒体P13とは異なる印刷媒体P14に印刷される。本文部がテキストを含まないので、ヘッダ情報に対応する印刷データが生成されず(S140でNO)、ヘッダ情報は印刷されない。
【0051】
2個の本文ファイルのうちの1個の本文ファイルのファイル形式がJPEGであり(
図3のS100でYES、S120でNO)、かつ、本文部がテキストを含む場合(S122でYES、S130でYES)には、仲介サーバ10は、ヘッダ情報とテキストとJPEG画像「X」とに対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S132)。これにより、当該プリンタにおいて、ヘッダ情報とテキストとJPEG画像「X」とが同じ印刷媒体P21に印刷される。また、2個の本文ファイルのうちの他の1個の本文ファイルのファイル形式がPDFであり(
図3のS100でYES、S120でNO)、かつ、本文部がテキストを含む場合には、仲介サーバ10は、PDF画像「Y」のみに対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S124)。これにより、当該プリンタにおいて、PDF画像「Y」のみが印刷媒体P21とは異なる印刷媒体P22に印刷される。
【0052】
2個の本文ファイルのうちの1個の本文ファイルのファイル形式がJPEGであり(
図3のS100でYES、S120でNO)、かつ、本文部がテキストを含まない場合(S122でNO)には、仲介サーバ10は、JPEG画像「X」のみに対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S132)。これにより、当該プリンタにおいて、JPEG画像「X」のみが印刷媒体P24に印刷される。また、2個の本文ファイルのうちの他の1個の本文ファイルのファイル形式がPDFであり(
図3のS100でYES、S120でNO)、かつ、本文部がテキストを含まない場合には、仲介サーバ10は、PDF画像「Y」のみに対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S124)。これにより、当該プリンタにおいて、PDF画像「Y」のみが印刷媒体P24とは異なる印刷媒体P25に印刷される。本文部がテキストを含まないので(S140でNO)、ヘッダ情報に対応する印刷データが生成されず(S140でNO)、ヘッダ情報は印刷されない。
【0053】
(本文印刷設定が「無効」であるケース:
図8)
続いて、
図8を参照して、本文印刷設定が「無効」であるケースの印刷結果を説明する。本文ファイルのファイル形式がJPEGであり(
図4のS200でYES、S220でYES)、かつ、本文部がテキストを含む場合(S222でYES)には、仲介サーバ10は、ヘッダ情報とテキストとJPEG画像「X」とに対応する印刷データを生成せず、当該印刷データをプリンタに送信しない。
【0054】
ユーザは、本文印刷設定を「無効」に設定する場合には、本文部の印刷を望まない。印刷データを生成せずにプリンタに送信しない上記のケースでは、ユーザのこのような要望を実現することができる。
【0055】
また、仲介サーバ10は、電子メールが添付ファイルを含む場合(
図2のS40でYES)には、添付ファイル画像「Z」に対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S42)。これにより、当該プリンタにおいて、添付ファイル画像「Z」が印刷媒体P31に印刷される。添付ファイル画像「Z」が印刷される点は、以下の他のケースでも同様である(P33、P35、P37参照)。
【0056】
本文ファイルのファイル形式がJPEGであり(
図4のS200でYES、S220でYES)、かつ、本文部がテキストを含まない場合(S222でNO)には、仲介サーバ10は、JPEG画像「X」のみに対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S224)。これにより、当該プリンタにおいて、JPEG画像「X」のみが印刷媒体P32に印刷される。
【0057】
図6の印刷媒体P3のケース及び
図8の印刷媒体P32のケースのいずれでも、JPEG画像「X」のみが印刷される。即ち、本文部がテキストを含まない場合には、本文印刷設定が「有効」及び「無効」のどちらを示すのかに関わらず、JPEG画像のみを表わす印刷データの生成及び送信が実行される。ユーザは、本文印刷設定が「有効」及び「無効」のどちらに設定されていても、テキストを本文部に記述せずに、印刷可能ファイル(即ちJPEG画像)を本文部に挿入する場合には、通常、印刷可能ファイルが添付ファイルと同様に扱われることを望む。即ち、JPEG画像のみを印刷することを望む。印刷媒体P3又はP32に印刷される上記のケースでは、このようなユーザの要望を実現することができる。
【0058】
本文ファイルのファイル形式がPDFであり(
図4のS200でYES、S220でNO)、かつ、本文部がテキストを含む場合には、仲介サーバ10は、PDF画像「Y」のみに対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S224)。これにより、当該プリンタにおいて、PDF画像「Y」のみが印刷媒体P34に印刷される。
【0059】
ユーザは、本文印刷設定を「無効」に設定したが、印刷不可能ファイル(即ちPDF画像)を本文部に挿入する場合には、通常、通常、印刷可能ファイルが添付ファイルと同様に扱われることを望む。即ち、PDF画像のみを印刷することを望む。印刷媒体P34に印刷される上記のケースでは、このようなユーザの要望を実現することができる。
【0060】
本文ファイルのファイル形式がPDFであり(
図4のS200でYES、S220でNO)、かつ、本文部がテキストを含まない場合には、仲介サーバ10は、PDF画像「Y」のみに対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信する(S224)。これにより、当該プリンタにおいて、PDF画像「Y」のみが印刷媒体P36に印刷される。
【0061】
(本実施例の効果)
本実施例によると、仲介サーバ10は、JPEG画像「X」が挿入されている本文部がテキストを含む場合に、ヘッダ情報とテキストとJPEG画像「X」とを含む画像の印刷をプリンタに実行させることができる(
図6の印刷媒体P1参照)。一方、仲介サーバ10は、JPEG画像「X」が挿入されている本文部がテキストを含まない場合に、JPEGファイル画像「X」のみを含む画像の印刷をプリンタに実行させることができる(印刷媒体P3参照)。このように、仲介サーバ10は、JPEG画像が挿入されている本文部がテキストを含むのか否かに応じて、ヘッダ情報とテキストとJPEG画像「X」とを含む画像の印刷をプリンタに実行させるのか、JPEGファイル画像「X」のみを含む画像の印刷をプリンタに実行させるのか、を変えることができる。従って、仲介サーバ10は、JPEG画像「X」が挿入されている本文部を含む電子メールに関する印刷をプリンタに適切に実行させることができる。
【0062】
(対応関係)
仲介サーバ10、プリンタ(例えば100A)が、それぞれ、「制御装置」、「印刷実行部」の一例である。
図6の印刷媒体P1、印刷媒体P3が、それぞれ、「第1の印刷媒体」、「第2の印刷媒体」の一例である。印刷媒体P6、印刷媒体P5が、それぞれ、「第3の印刷媒体」、「第4の印刷媒体」の一例である。印刷媒体P2及び印刷媒体P4が、「第5の印刷媒体」の一例である。本文印刷設定、「有効」、「無効」が、それぞれ、「設定情報」、「第1の値」、「第2の値」の一例である。JPEG及びPNGが、「所定のファイル形式」の一例である。
【0063】
図2のS10、S42が、それぞれ、「電子メール受信部」、「第4の供給部」によって実行される処理の一例である。
図3のS132、S124が、それぞれ、「第1の供給部」、「第2の供給部」によって実行される処理の一例である。
図4のS224も、「第2の供給部」によって実行される処理の一例である。
図3のS124及びS224が、「第3の供給部」によって実行される処理の一例である。S142も、「第3の供給部」によって実行される処理の一例である。S122、S140、及び、
図4のS222が、「判断部」によって実行される処理の一例である。
【0064】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0065】
(変形例1)仲介サーバ10を設けなくてもよい。例えば、プリンタ100は、仲介サーバ10を介さずに、PC200から電子メールを受信してもよい。この場合、プリンタ10の制御部(即ちCPU)は、
図2~
図4の処理を実行する。ここで、制御部は、
図2のS42、
図3のS124等において、印刷データを生成すると、当該印刷データをプリンタ100の印刷エンジンに供給する。本変形例では、プリンタの制御部、印刷エンジンが、それぞれ、「制御装置」、「印刷実行部」の一例である。
【0066】
(変形例2)仲介サーバ10は、本文印刷設定を記憶しなくてもよい。この場合、
図2のS20、S32、及び、
図4を省略可能である。本変形例では、「設定情報が第2の値を示す場合」に対応する処理を省略可能である。
【0067】
(変形例3)電子メールは、本文印刷可能ファイルのみを本文部に挿入可能であり、本文印刷不可能ファイルを本文部に挿入不可能であるように構成されていてもよい。この場合、
図3のS120及びS220を省略可能である。本変形例では、「第3の供給部」を省略可能である。
【0068】
(変形例4)電子メールは、本文ファイルが本文部に挿入される場合に、添付ファイルを含むことができないように構成されていてもよい。本変形例では、「第4の供給部」を省略可能である。
【0069】
(変形例5)仲介サーバ10は、上記の実施例とは異なる手法を利用して、本文部がテキストを含むのか否かを判断してもよい。例えば、電子メールは、HTMLに従って記述されるものではなく、テキスト形式に従って記述されるものであってもよい。この場合、仲介サーバ10は、本文部が文字列を含む場合に、本文部がテキストを含むと判断し、本文部が文字列を含まない場合に、本文部がテキストを含むと判断してもよい。
【0070】
(変形例6)ヘッダ情報は、送信元アドレス及び件名に代えて又は加えて、宛先アドレス及び日時情報の一方又は双方を含んでいてもよい。また、別の変形例では、ヘッダ情報じゃ、送信元アドレス、宛先アドレス、件名、及び、日時情報とは異なる情報(例えば電子メールのデータ形式を示す情報等)を含んでいてもよい。
【0071】
(変形例7)仲介サーバ10は、
図3のS140でNOの場合に、ヘッダ情報のみに対応する印刷データを生成し、当該印刷データをプリンタに送信してもよい。
【0072】
(変形例8)仲介サーバ10は、プリンタとのXMPP接続を確立していなくてもよい。この場合、例えば、仲介サーバ10は、電子メールを受信して印刷データを生成すると、電子メールの送信元のPCにPINを送信してもよい。仲介サーバは、印刷データとPINとを対応付けて記憶しておく。ユーザは、PCに表示されるPINを見た後に、当該PINをプリンタに入力する。この場合、当該プリンタは、PINを含む要求を仲介サーバ10に送信する。仲介サーバ10は、当該プリンタからPINを含む要求を受信すると、当該PINに対応付けられている印刷データを当該プリンタに送信する。別の変形例では、仲介サーバ10は、電子メールを受信して印刷データを生成すると、印刷データと送信元アドレスとを対応付けて記憶しておく。ユーザは、プリンタに記憶されている電子メールアドレスであって、上記の送信元アドレスに一致する電子メールアドレスを、当該プリンタの表示部から選択する。この場合、当該プリンタは、当該電子メールアドレスを含む要求を仲介サーバ10に送信する。仲介サーバ10は、当該プリンタから当該電子メールアドレスを含む要求を受信すると、当該電子メールアドレスに対応付けられている印刷データを当該プリンタに送信する。
【0073】
(変形例9)上記の実施例では、仲介サーバ10のCPU32がプログラム40(即ちソフトウェア)を実行することによって、
図2~
図4の各処理が実現される。これに代えて、いずれかの処理は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0074】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0075】
2:通信システム、4:インターネット、10:印刷仲介サーバ、20:通信インターフェース、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、40:プログラム、42:プリンタテーブル、100A,100B:プリンタ、200:PC