(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022049976
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】シンク及びキッチン
(51)【国際特許分類】
E03C 1/18 20060101AFI20220323BHJP
A47B 77/06 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
E03C1/18
A47B77/06
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020156296
(22)【出願日】2020-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】313014077
【氏名又は名称】トクラス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002033
【氏名又は名称】特許業務法人東名国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三島 亮祐
【テーマコード(参考)】
2D061
3B260
【Fターム(参考)】
2D061BA04
2D061BB10
2D061BC04
2D061BC14
3B260FA06
(57)【要約】
【課題】シンクの側壁部を利用して洗い物を載せ置くラック部材を支持するにあたり、傾斜面を支持部として利用できるようにして汚れを堆積しないようにすること。
【解決手段】シンク10の前後の側壁部12、13に、上部側壁部12A、13Aと、これらの下方に位置する下部側壁部12B、13Bと、上部側壁部及び下部側壁部の間に位置する中間傾斜部12C、13Cが形成されている。上部側壁部12A、13A、下部側壁部12B、13B及び中間傾斜部12C、13Cは下方に向うにつれてシンク内寸を小さくする傾斜面に設けられている。上部側壁部12A、13Aと下部側壁部12B、13Bは、水平面に対して略同一の傾斜角度であり、中間傾斜部12C、13Cは、その傾斜角度よりも小さい傾斜角度に設けられている。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と、当該底部に連なる前後及び左右の側壁部とを備えたシンクにおいて、
少なくとも前後の側壁部は、上部側壁部と、当該上部側壁部の下方に位置する下部側壁部と、上部側壁部及び下部側壁部の間に位置する中間傾斜部とを含み、これら上部側壁部、下部側壁部及び中間傾斜部は、下方に向うにつれてシンクの前後内寸を小さくする傾斜面に設けられ、
前記上部側壁部と下部側壁部は、水平面に対して略同一の傾斜角度に設けられている一方、前記中間傾斜部は、上部側壁部、下部側壁部の傾斜角度よりも小さい傾斜角度に設けられていることを特徴とするシンク。
【請求項2】
前記上部側壁部の上方に上部傾斜部が設けられ、当該上部傾斜部は、前記中間傾斜部と同一の傾斜角度に設けられていることを特徴とする請求項1記載のシンク。
【請求項3】
洗い物等を載せ置き可能なラック部材を含み、当該ラック部材は、前記上部傾斜部及び中間傾斜部を支持部として着脱自在に支持されることを特徴とする請求項1又は2記載のシンク。
【請求項4】
前記ラック部材は、前記上部傾斜部及び/又は中間傾斜部に突き合わされるエンド部材を含み、当該エンド部材の突き合わせ面は、前記上部傾斜部、中間傾斜部の傾斜面に相対する傾斜角度に設けられた上部端面と、当該上部端面の下端より下方に位置して前記上部側壁部又は下部側壁部の上部側に相対する下部端面とを備えて構成されていることを特徴とする請求項3記載のシンク。
【請求項5】
前記上部傾斜部にラック部材を支持させたときに、当該ラック部材の上面が水栓取付面と略同一平面上に位置することを特徴とする請求項3又は4記載のシンク。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れかに記載のシンクと、当該シンクが配置されるカウンターとを含むキッチンにおいて、
前記ラック部材は折り畳み可能に設けられ、折り畳んだ状態で最下位のラック部材を前記上部傾斜部に支持させたときに、最上位のラック部材の上面が前記カウンターの上面と略同一平面上に位置することを特徴とするキッチン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシンク及びキッチンに係り、更に詳しくは、洗い場を形成する側壁部間に、食器等の洗い物を一時的に載せ置くラック部材を掛け渡して支持可能とし、側壁部に形成されたラック部材の支持部に汚れが堆積することがないシンクと、当該シンクをカウンターの面内に配置したキッチンに関する。
【背景技術】
【0002】
シンクの前後側壁部間にラック部材を掛け渡し、当該ラック部材に食器等の洗い物を一時的に載せ置いて水切り等を行うことができるように構成されたシンクが知られている。
特許文献1には、シンクを形成する前後の側壁部内面に仮置き部材(ラック部材)の支持部をそれぞれ形成し、当該支持部に仮置き部材の前後各縁部を載せて支持する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載のシンクにあっては、前記支持部の上面が略水平な面内に形成された構成となっているため、その水平な面に水滴が常に残る傾向をもたらし、これに起因して支持部に汚れが堆積し易くなり、面倒な手入れが必要になるという不都合がある。
また、支持部は段部に相当するものであるため、側壁部を洗う際にスポンジを上下方向に動かすと、当該スポンジが段部に引っ掛かってしまい、スムースなスポンジ操作ができない。
更に、支持部は、その前後幅の存在によって、当該支持部がはっきり見えるものとなり、前後の側壁部間の寸法により、洗い場を見た目に狭く感じさせてしまう、という傾向をもたらす。
加えて、水平面の中間段差が増えるにつれて、シンクの成形性(特に離型性)が悪くなる、という傾向をもたらす。
【0005】
[発明の目的]
本発明はこのような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、洗い物等を載せ置くラック部材の支持部、すなわち側壁部の中間部分に汚れが堆積することがなく、面倒な手入れを行う必要性がないシンクを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ラック部材を支持する部位を傾斜面とすることで洗い場の幅を狭めない設計を可能とし、且つ、ラック部材を支持する部位の視認性を確保しつつ、見た目の幅も狭く感じさせ難く、成形性の良好なシンクを提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、ラック部材の上面とシンクの水栓取付面とを略同一の平面上に位置させることによって、ラック部材と水栓取付面とに跨る態様で洗い物等を載せても、それを安定して支持することができるシンクを提供することにある。
また、本発明の更に他の目的は、ラック部材の上面及びカウンターの上面を略同一の平面上に位置するように設けることで、ラック部材又はカウンターの拡張的な利用を図ることができるキッチンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、特許請求の範囲記載の構成を採用したものである。具体的には、底部と、当該底部に連なる前後及び左右の側壁部とを備えたシンクにおいて、
少なくとも前後の側壁部は、上部側壁部と、当該上部側壁部の下方に位置する下部側壁部と、上部側壁部及び下部側壁部の間に位置する中間傾斜部とを含み、これら上部側壁部、下部側壁部及び中間傾斜部は、下方に向うにつれてシンクの前後内寸を小さくする傾斜面に設けられ、
前記上部側壁部と下部側壁部は、水平面に対して略同一の傾斜角度に設けられている一方、前記中間傾斜部は、上部側壁部、下部側壁部の傾斜角度よりも小さい傾斜角度に設けられる、という構成を採っている。
【0007】
本発明において、前記上部側壁部の上方に上部傾斜部が設けられ、当該上部傾斜部は、前記中間傾斜部と同一の傾斜角度に設けられる、という構成を採ることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係るシンクは、洗い物等を載せ置き可能なラック部材を含み、当該ラック部材は、前記上部傾斜部及び中間傾斜部を支持部として着脱自在に支持される、という
構成を採っている。
【0009】
更に、前記ラック部材は、前記上部傾斜部及び/又は中間傾斜部に突き合わされるエンド部材を含み、当該エンド部材の突き合わせ面は、前記上部傾斜部、中間傾斜部の傾斜面に相対する傾斜角度に設けられた上部端面と、当該上部端面の下端より下方に位置して前記上部側壁部又は下部側壁部の上部側に相対する下部端面とを備えて構成されている。
【0010】
また、前記上部傾斜部にラック部材を支持させたときに、当該ラック部材の上面がシンクの水栓取付面と略同一平面上に位置する、という構成を採ることが好ましい。
【0011】
更に、本発明は、請求項1ないし5の何れかに記載のシンクと、当該シンクが配置されるカウンターとを含むキッチンにおいて、
前記ラック部材は折り畳み可能に設けられ、折り畳んだ状態で最下位のラック部材を前記上部傾斜部間に支持させたときに、最上位のラック部材の上面が前記カウンターの上面と略同一平面上に位置する、という構成を採っている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上部側壁部と下部側壁部との間に、これらの傾斜角度よりも小さい傾斜角度の中間傾斜部を設けたから、前後の中間傾斜部間を支持部として、例えば、ラック部材等を掛け渡す部位として利用することができる。この際、中間傾斜部は水平面ではないため、水平面とした場合における汚れの堆積やお手入れ性、シンクの成形性等の従来の不都合は生じない。また、中間傾斜部の上下に設けた上部側壁部と下部側壁部とが略同一の傾斜角度であるから、側壁部が連続性を保ち、中間傾斜部の視認性を確保しつつ、見た目がすっきりでシンクを狭く感じさせ難い。
【0013】
更に、上部傾斜部を設けて当該上部傾斜部が中間傾斜部と同一の傾斜角に設けられた構成では、当該上部傾斜部も支持部として利用することができ、ラック部材を構成するエンド部材を共通化することもできる。
【0014】
また、ラック部材が上部傾斜部、中間傾斜部に突き合わされるエンド部材を含み、その突き合わせ面が上部傾斜部、中間傾斜部の傾斜面に相対する傾斜角度の上部端面と、当該上部端面の下端から下方に位置して上部側壁部、下部側壁部の上部側に相対する下部端面とを備えた構成によれば、ラック部材を確実に傾斜部に係合させることができる他、ラック部材に対して前後方向に力が作用しても、下部端面によって移動が規制されるようになり、意図しない脱落を効果的に回避することができる。なお、上部側壁部と下部側壁部とを略同一の傾斜角度に設けた構成によれば、エンド部材の共通化に際して、下部端面との当たりが上下で略同一となりラック部材を掛け渡す操作が分り易い。
【0015】
更に、ラック部材の上面が水栓取付面と略同一平面上に位置する構成によれば、これらを跨ぐような態様で、食器等の洗い物を載せ置くことができる。
【0016】
また、前記シンクをカウンター内に配置したキッチンにおいて、ラック部材を折り畳んだ状態で前記傾斜部間に支持したときに、最上位のラック部材の上面がカウンターの上面と略同一平面上に位置する構成であれば、ラック部材を折り畳んで洗い場領域を広く使えるようにすることができる一方で、カウンターを拡張的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図6】ラック部材を構成する水切りプレートの平面図。
【
図7】(A)は水切りプレートの正面図、(B)は
図7(A)のE部拡大図。
【
図10】キッチンにおけるラック部材の使用状態を示す部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において位置若しくは方向を示す用語は、特に明示しない限り、
図3を基準として用いる。具体的には、同図中左側を「前」、右側を「後」とし、紙面直交方向の手前側を「右」、奥行側を「左」とする。
【0019】
図1に示されるように、シンク10は、例えば、公知の人造大理石によって形成されたものであり、左右方向に長い略方形の平面形状をなす底部11と、この底部11の外周部から立ち上がる前側壁部12、後側壁部13、左側壁部14及び右側壁部15とを備えて構成されている。底部11の後部領域は上面位置を幾分低くした排水導入部17とされ、当該排水導入部17の左右方向中央部には排水口18Aが形成される排水筒18が設けられている。
【0020】
前後の側壁部12、13、左右の側壁部14、15の各上端には、略水平方向外側に向けられたフランジ部20が連設されており、当該フランジ部20を介してシンク10がキッチンK(
図10参照)を構成するキャビネット21上に載置されるようになっている。また、フランジ20はキッチンカウンター30の下面側に接着等の手段を介して固定されている。
前後の側壁部12、13及び左右の側壁部14、15は、
図2及び
図3に示されるように、下方に向うにつれて前後及び左右内寸を小さくする傾斜面に設けられている。左右の側壁部14、15は、
図2に示されるように、それらの内面が斜め直線上の傾斜面内に位置する傾斜面とされている。
【0021】
この一方、前側壁部12は、
図3及び
図4に示されるように、上部側壁部12Aと、当該上部側壁部12Aの下方に位置する下部側壁部12Bと、上部側壁部12A及び下部側壁部12Bの間に位置する中間傾斜部12Cと、上部側壁部12Aの上部に設けられた上部傾斜部12Dと、この上部傾斜部12Dの上部に設けられた上端側壁部12Eとを含んで構成されている。
【0022】
前記上部側壁部12A、下部側壁部12B、中間傾斜部12C、上部傾斜部12D及び上端側壁部12Eは、それらの内面が下方に向うにつれてシンク10の前後内寸を小さくする傾斜面に設けられている。ここで、上部側壁部12A、下部側壁部12Bは、水平面に対して略同一の傾斜角度α1に設けられている一方、中間傾斜部12Cは、上部側壁部12A、下部側壁部12Bの傾斜角度α1よりも小さい傾斜角度α2に設けられている。本実施形態では、特に限定されるものではないが、α1、α2は、それぞれ85°、60°にそれぞれ設定されている。また、上部傾斜部12Dの内面は中間傾斜部12Cの傾斜角度α2と同一の角度に設けられているとともに、上端側壁部12Eの内面は、上部側壁部12A、下部側壁部12Bの傾斜角度α1と略同一の角度に設けられている。
【0023】
後側壁部13は、前側壁部12の上部側の形状を除き、前後対称位置に配置された傾斜面を備えて構成されている。すなわち、後側壁部13は、上部側壁部13A、下部側壁部13B、中間傾斜部13C、上部傾斜部13Dと、当該上部傾斜部13Dの上端から後方に連なる水栓取付面13Eと、この水栓取付面13Eの後端に連なる上端側壁部13Fとを備えて構成されている。ここで、上部側壁部13A、下部側壁部13B、中間傾斜部13C、上部傾斜部13Dは、前側壁部12の上部側壁部12A、下部側壁部12B、中間傾斜部12C、上部傾斜部12Dと対称位置でそれぞれ同一の傾斜角度を備えた傾斜面に設けられ、これにより、
図10に示されるように、前後の中間傾斜部12C、13C、及び、上部傾斜部12D、13Dを支持部として、ラック部材を構成する水切りラック22(
図8、9参照)及び水切りプレート23(
図6、7参照)を前後方向に掛け渡しできるようになっている。
【0024】
前記水切りラック22と水切りプレート23は同一のエンド部材24を含み、水切りラック22は、
図10に示されるように、水切りプレート23よりも下方位置で、前後の中間傾斜部12C、13Cに突き合わされる状態で、それらの間に掛け渡されるようになっている。水切りラック22は、
図8、
図9に示されるように、エンド部材24間に複数本の管状部材25を所定間隔を隔てて配置することによって形成されている。本実施形態では、二つの水切りラック22を横方向に連結したものが採用されている。具体的には、左右(
図8では上下)に位置するエンド部材24がヒンジ26を介して連結されることによって、相互に重なり合うように折り畳み可能に設けられている。
ここで、エンド部材24は、
図7(B)に示されるように、突き合わせ面(端面)が、前記中間傾斜部12C、13Cの傾斜面に相対する傾斜角度α2に設けられた上部端面24Aと、当該上部端面24Aの下端から下方に位置して下部側壁部12B、13Bの上部側内面に相対する下部端面24Bとを備えて構成されている。水切りラック22は、前後のエンド部材24の各上部端面24Aが前後の中間傾斜部12C、13Cにぴったり接する状態で突き合わされたときに、下部端面24Bが下部側壁部12B、13Bの上部側内面との間に隙間を形成するように設計されている。
【0025】
前記水切りプレート23は、そのエンド部材24が前後の上部傾斜部12D、13Dに突き合わされる状態で掛け渡されるように設けられている。この水切りプレート23は、前後のエンド部材24間における部材が多数の穴28Aを備えたプレート28に代わるとともに、前後方向に若干長くなるだけで、実質的には、水切りラック22と同様に構成されている。
本実施形態における水切りプレート23は3連タイプとされており、隣り合うエンド部材24はヒンジ26を介して折り畳み可能に連結され、これにより、3つの水切りプレート23が相互に重なり合うように折り畳み可能となり、折り畳んだ状態で、水切りプレート23の最上面が、
図10に示されるキッチンKのカウンター30の上面と略同一平面上に位置するようになっている。なお、水切りプレート23を折り畳まない状態では、その上面が水栓取付面13Eの上面と略同一平面上に位置するようになっている。
【0026】
以上の構成において、前後の中間傾斜部12C、13C間に前記水切りラック22が掛け渡し可能とされ、上部傾斜部12D、13D間に水切りプレート23が掛け渡し可能となる。
この際、水切りラック22のエンド部材24の上部端面24Aは中間傾斜面12C、13Cに、水切りプレート23のエンド部材24の上部端面24Aは上部傾斜面12D、13Dにそれぞれ密着する状態で突き合わされるため、掛け渡された状態を安定して維持することが可能となる。また、水切りラック22、水切りプレート23に前後方向に移動させるような力が作用することがあっても、エンド部材24の下部端面24Bが下部側壁部12B、13B、上部側壁部12A、13Aに接することで移動規制されるので、水切りラック22、水切りプレート23が不用意に脱落してしまうことも防止することができる。なお、下部端面24Bを、下部側壁部12B、13B、上部側壁部12A、13Aの傾斜角度と略同一にすることで、面接触で当たりが安定し、局所的な摩耗を抑止することができる。
これらの水切りラック22、水切りプレート23を支持する部位は、中間傾斜部12C、13C、上部傾斜部12D、13Dにより形成されているので、従来のように、支持面を水平面としたものに比べて水が溜まるようなことはなく、汚れが堆積するといった不都合や、シンクの成形性が悪いといった不都合は生じない。
また、側壁部12、13を清掃する際に用いられるスポンジを上下方向に移動させても、中間傾斜部12C、13C、上部傾斜部12D、13Dにスポンジが引っ掛かるといった不都合はなく、その移動方向に自由度を持たせることができる。
更に、中間傾斜部12C、13C、上部傾斜部12D、13Dは、段部を形成することのない傾斜面であり、上部側壁部12A、13Aと下部側壁部12B、13Bとが略同一の傾斜角度で連続性があるから、ラック部材を支持する部位がアクセントとなり視認性を確保しつつ、前後の側壁部12、13の内寸を狭くするようには感じさせることはない、という利点がある。
【0027】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施形態に対し、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
例えば、前記実施形態では、前後の側壁12、13間に水切りラック22、水切りプレート23を掛け渡す傾斜面を形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、シンク10の形状によっては、左右の側壁14、15間に水切りラック22等を掛け渡すための傾斜面を形成してもよい他、前後、左右の各側壁間にラック部材を選択的に掛け渡しできるようにしてもよい。
更に、水切りラック22、水切りプレート23は連結しないシングルタイプとしてもよい。
また、上部側壁部と下部側壁部や、中間傾斜部、上部傾斜部の傾斜角度は、前記実施形態に限定されるものではなく、α1>α2を維持し、且つ、支持部として作用する傾斜部への水溜まりを回避できる限り、角度変更を行うことができる。
更に、エンド部材24の下部端面24Bは、ラック部材の移動を規制できればよく、必ずしも上部側壁部12A、13A、下部側壁部12B、13Bの傾斜角度と略同一でなくともよい。
また、上部端面24Aが、前後の中間傾斜部12C、13C、上部傾斜部12D、13Dにぴったり接する状態で突き合わされたときに、下部端面24Bが、下部側壁部12B、13B、上部側壁部12A、13Aと接してもよい。
【符号の説明】
【0028】
10…シンク、11…底部、12、13、14、15…側壁部、12A…上部側壁部、12B…下部側壁部、12C…中間傾斜部、12D…上部傾斜部、13E…水栓取付面、22…水切りラック(ラック部材)、23…水切りプレート(ラック部材)、24…エンド部材、24A…上部端面、24B…下部端面、30…カウンター、K…キッチン