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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050161
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】調味料取出器具
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/18 20060101AFI20220323BHJP
【FI】
A47G19/18
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020156604
(22)【出願日】2020-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】396011174
【氏名又は名称】くら寿司株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100166811
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 剛
(72)【発明者】
【氏名】田中 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】尾越 健二
(72)【発明者】
【氏名】奥野 雅之
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA26
3B001CC25
3B001CC26
3B001CC28
3B001DB01
3B001DB02
(57)【要約】
【課題】従来の調味料取出器具においては、ユーザが容器に入ったペースト状の調味料を適量取り出すことが難しい場合があった。
【解決手段】内部に封入されているペースト状の調味料を取り出すことができる調味料取出器具1であって、提供口51が設けられている第一端部45及び雌ねじ48が設けられている第二端部47を有する筒形状の収容ユニット41と、雌ねじ48と嵌まり合う雄ねじ62を有し、第二端部47を貫通するように配置されている棒状部材61と、収容ユニット41の内部に配置されており、棒状部材61が収容ユニット41に対して所定の回転方向に回転するのに伴って、収容ユニット41の内周面に沿って第一端部45に近づく方向に変位可能な変位ユニット65とを備える、調味料取出器具1により、容易に所望量のペースト状の調味料を容器から取り出すことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に封入されているペースト状の調味料を取り出すことができる調味料取出器具であって、
前記調味料が取り出される提供口が設けられている第一端部及び雌ねじが設けられている第二端部を有し、内部が筒形状に形成されている収容ユニットと、
前記雌ねじと嵌まり合う雄ねじを有し、前記第二端部を貫通するように配置されている棒状部材と、
前記収容ユニットの内部に配置されており、前記棒状部材が前記収容ユニットに対して所定の回転方向に回転するのに伴って、前記収容ユニットの内面に沿って前記第一端部に近づく方向に変位可能な変位ユニットとを備え、
前記棒状部材が前記収容ユニットに対して所定の回転方向に回転するのに伴って前記変位ユニットが前記第一端部に近づくことにより、前記収容ユニットの内部において前記変位ユニットと前記第一端部との間に封入されている前記調味料の一部が、前記提供口から前記収容ユニットの外に出るように構成されている、調味料取出器具。
【請求項2】
前記第一端部には、逆止弁が設けられている、請求項1に記載の調味料取出器具。
【請求項3】
前記逆止弁は、ダックビルタイプの弁である、請求項2に記載の調味料取出器具。
【請求項4】
前記収容ユニットの外部において、ユーザが操作可能であって前記棒状部材の回転に伴い回転するノブが設けられている、請求項1から3のいずれかに記載の調味料取出器具。
【請求項5】
前記収容ユニットの外部において、前記棒状部材の回転に伴い回転する回転部が設けられており、
前記回転部は、ユーザが用いる把持部材に係合する係合部を有する、請求項1から4のいずれかに記載の調味料取出器具。
【請求項6】
前記収容ユニットを、前記第一端部が前記第二端部より下に位置する姿勢で保持する保持部材をさらに備える、請求項1から5のいずれかに記載の調味料取出器具。
【請求項7】
前記保持部材は、設置面上に配置されるベース部及び前記ベース部から上に延びる支持部とを有し、
前記収容ユニットは、前記支持部に保持されており、
上下方向において、前記提供口と前記ベース部との間には、食器の一部が入り込む空間が設けられている、請求項6に記載の調味料取出器具。
【請求項8】
前記保持部材は、設置壁面に設けられた被取付部に着脱可能な取付部を有する、請求項6に記載の調味料取出器具。
【請求項9】
食器が飲食物搬送装置の搬送路上を循環する回転寿司店で用いられ、
前記保持部材は、上下方向において前記提供口より下の所定の範囲において、前記提供口よりも奥に位置する部材から前記提供口までの水平方向における寸法が、前記食器の水平方向の寸法の半分よりも大きくなるように構成されている、請求項7又は8に記載の調味料取出器具。
【請求項10】
前記保持部材は、被嵌合部を有し、
前記収容ユニットは、前記被嵌合部と嵌まり合う嵌合部を有し、前記嵌合部と前記被嵌合部とが嵌まり合うことにより前記保持部材に対して回転不能に保持される、請求項6から9のいずれかに記載の調味料取出器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内の調味料を食器の上に取り出すことができる調味料取出器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
容器内の調味料を食器の上に取り出すことができる調味料取出器具としては、例えば、醤油滴下機構の下方空間ににぎり寿司が位置したことを近接センサにより感知し、弁操作用ソレノイドがピストンロッド弁を上昇させ滴下開口部を開放させることでにぎり寿司に所要の醤油を垂らすように構成された醤油滴下装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3200711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、飲食を行う者(ユーザ)が各自で容器に入った調味料を料理にかける場合に、容器から適量の調味料を出すことが難しい場合があった。この理由としては、以下のようなものが挙げられる。例えば、調味料の状態(粘度)や、容器に設けられた取出口の状態などの種々の要因によって、容器からの調味料の出方が異なりうる。また、例えば、容器を変形させることで容器内の圧力を高めて容器内の調味料を取出口から吐出させる場合(容器を変形させて容器内の調味料を絞り出す場合も含む)には、容器の変形しやすさや、容器内の気体の状態、容器内の調味料等の残量等、種々の要因によって、容器からの調味料の出方が異なりうる。このような問題は、特に、ペースト状の調味料について顕著である。各ユーザが、これらの要因についてそれほど意識することなく、容易に所望量のペースト状の調味料を容器から取り出すことができるようにすることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の調味料取出器具は、内部に封入されているペースト状の調味料を取り出すことができる調味料取出器具であって、調味料が取り出される提供口が設けられている第一端部及び雌ねじが設けられている第二端部を有し、内部が筒形状に形成されている収容ユニットと、雌ねじと嵌まり合う雄ねじを有し、第二端部を貫通するように配置されている棒状部材と、収容ユニットの内部に配置されており、棒状部材が収容ユニットに対して所定の回転方向に回転するのに伴って、収容ユニットの内周面に沿って第一端部に近づく方向に変位可能な変位ユニットとを備え、棒状部材が収容ユニットに対して所定の回転方向に回転するのに伴って変位ユニットが第一端部に近づくことにより、収容ユニットの内部において変位ユニットと第一端部との間に封入されている調味料の一部が、提供口から収容ユニットの外に出るように構成されている、調味料取出器具である。
【0006】
かかる構成により、容易に所望量のペースト状の調味料を容器から取り出すことができる。ことができる。
【0007】
また、本第二の発明の調味料取出器具は、第一の発明に対して、第一端部には、逆止弁が設けられている、調味料取出器具である。
【0008】
かかる構成により、調味料取出器具の姿勢にかかわらず、調味料を収容ユニットの内部に保持することができる。
【0009】
また、本第三の発明の調味料取出器具は、第二の発明に対して、逆止弁は、ダックビルタイプの弁である、調味料取出器具である。
【0010】
かかる構成により、調味料を収容ユニットの内部に保持することができる。
【0011】
また、本第四の発明の調味料取出器具は、第一から三のいずれかの発明に対して、収容ユニットの外部において、ユーザが操作可能であって棒状部材の回転に伴い回転するノブが設けられている、調味料取出器具である。
【0012】
かかる構成により、ユーザが、ノブを操作することにより容易に調味料を取り出すことができる。
【0013】
また、本第五の発明の調味料取出器具は、第一から四のいずれかの発明に対して、収容ユニットの外部において、棒状部材の回転に伴い回転する回転部が設けられており、回転部は、ユーザが用いる把持部材に係合する係合部を有する、調味料取出器具である。
【0014】
かかる構成により、把持部材を用いるユーザが、調味料取出器具に触れることなく容易に調味料を取り出すことができる。
【0015】
また、本第六の発明の調味料取出器具は、第一から五のいずれかの発明に対して、収容ユニットを、第一端部が第二端部より下に位置する姿勢で保持する保持部材をさらに備える、調味料取出器具である。
【0016】
かかる構成により、ユーザが、調味料取出器具を支えることなく調味料取出器具を利用することができる。
【0017】
また、本第七の発明の調味料取出器具は、第六の発明に対して、保持部材は、設置面上に配置されるベース部及びベース部から上に延びる支持部とを有し、収容ユニットは、支持部に保持されており、上下方向において、提供口とベース部との間には、食器の一部が入り込む空間が設けられている、調味料取出器具である。
【0018】
かかる構成により、調味料取出器具をテーブル等の台上に設置して用いることができる。
【0019】
また、本第八の発明の調味料取出器具は、第六の発明に対して、保持部材は、設置壁面に設けられた被取付部に着脱可能な取付部を有する、調味料取出器具である。
【0020】
かかる構成により、調味料取出器具をテーブル等の台上に設置して用いることができる。
【0021】
また、本第九の発明の調味料取出器具は、第七又は八の発明に対して、食器が飲食物搬送装置の搬送路上を循環する回転寿司店で用いられ、保持部材は、上下方向において提供口より下の所定の範囲において、提供口よりも奥に位置する部材から提供口までの水平方向における寸法が、食器の水平方向の寸法の半分よりも大きくなるように構成されている、調味料取出器具である。
【0022】
かかる構成により、調味料取出器具を用いて食器の上に調味料を取り出すことができる。
【0023】
また、本第十の発明の調味料取出器具は、第六から九のいずれかの発明に対して、保持部材は、被嵌合部を有し、収容ユニットは、被嵌合部と嵌まり合う嵌合部を有し、嵌合部と被嵌合部とが嵌まり合うことにより保持部材に対して回転不能に保持される、調味料取出器具である。
【0024】
かかる構成により、簡素な構成で、収容ユニットを保持部材に対して回転不能に支持することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明による調味料取出器具によれば、容易に所望量のペースト状の調味料を容器から取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施の形態の1つに係る調味料取出器具の斜視図
図2】同調味料取出器具の分解斜視図
図3】同調味料取出器具の側断面図
図4】同調味料取出器具の使用状態の一例を示す側断面図
図5】同調味料取出器具の用途の一例を示す図
図6】本実施の形態の一変形例に係る調味料取出器具の用途の一例を説明する図
図7】同調味料取出器具の側断面図
図8】本実施の形態の別の変形例に係る調味料取出器具の回転部材を示す斜視図
図9】本実施の形態のさらに別の変形例に係る調味料取出器具の回転部材を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、調味料取出器具の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0028】
なお、以下の説明において、図面において示される方向(上下、左右、手前、奥)は、各図同士で共通している。上及び下は、水平面に対して垂直な方向である。手前方向は、調味料取出器具の正面が向いている方向であり、前方ということもある。奥方向は、手前方向とは反対の方向であり、後方ということもある。右は、調味料取出器具の正面に対面して右手側の方向である。左は、右の反対側の方向である。なお、左右方向は、幅方向といってもよい。以下において、このように各方向を示して各部の形状や位置関係を説明することがあるが、これらはあくまで説明の便宜のために定義したものである。前後左右の各方向の明示は、本発明に係る調味料取出器具の使用時における向きや姿勢などを限定するものではない。
【0029】
(実施の形態)
【0030】
図1は、本発明の実施の形態の1つに係る調味料取出器具1の斜視図である。図2は、同調味料取出器具1の分解斜視図である。図3は、同調味料取出器具1の側断面図である。
【0031】
実施の形態1に係る調味料取出器具1の概要は、以下のようである。すなわち、本実施の形態において、調味料取出器具1は、棒状部材61を回転させることで収容ユニット41内に収容されたペースト状の調味料を提供口51から取り出すことができるように構成されたものである。収容ユニット41の第一端部45には逆止弁53が設けられており、この逆止弁53は、例えばダックビル弁とすることができる。棒状部材61には、ノブ21が設けられている。収容ユニット41は、保持部材11に取り付けて用いられる。保持部材11は、ベース部12とベース部12から上に延びる支持部13とを有している。上下方向において、提供口51とベース部12との間には、食器3が入るスペースが設けられている。調味料取出器具1は、例えば、搬送路上で皿が移動する回転寿司店で用いられる。以下、このような調味料取出器具1の構成について説明する。
【0032】
本実施の形態において、調味料取出器具1は、ペースト状の調味料を対象として用いられる。調味料には、薬味と呼ばれるものも含まれる。ペースト状の調味料とは、粉体や粉末、小さな固体等が液体とともに練られたり液体と混合された調味料や、とろみを有する液体の調味料、粘性を有する液体の調味料、流動性が乏しい液体の調味料、ゲル化した調味料、それらと固体の混合物などをいう。ペースト状の調味料は、より具体的には、一例として、ねりわさびやねり辛子等の練った調味料が含まれうる。また、おろしわさび、おろしにんにく、おろししょうが、おろしもみじおろしやだいこんおろし等の摺りおろされた食材が含まれうる。また、各種の味噌や、ジャム、蜂蜜、マヨネーズ、ソース、ケチャップ等が含まれうる。
【0033】
また、本実施の形態において調味料取出器具1から醤油が取り出される先の食器3は、図に示されるような皿である。皿は、例えば、皿板3bと、その下の高台3cとを有するものである。調味料取出器具1は、例えば、にぎり寿司等の食品5が食器3の皿板3bの上に乗せられた状態で客であるユーザに提供される飲食店(いわゆる回転寿司店等)において用いられるものである。調味料取出器具1は、例えば、客が飲食を行うためのテーブル上やその傍に載置されたり、テーブル等の什器に固定されたりした状態で用いられうる。
【0034】
調味料取出器具1は、保持部材11、ノブ21、収容ユニット41、棒状部材61、及び変位ユニット65を備える。各部は、主に、樹脂を用いて形成された部材で構成されるが、これに限られない。金属やその他の素材を用いて構成されていてもよい。
【0035】
本実施の形態において、収容ユニット41と、棒状部材61と、変位ユニット65と、ノブ21とは、1つの軸上に、同軸に並んでいる。これらの各部が並ぶ軸は、調味料取出器具1の使用時の姿勢において上下方向に平行である。以下の説明においては、調味料取出器具1がこのような姿勢をとっている状態を前提として、各部の相対的な位置関係について「上」、「下」などと呼ぶことがある。
【0036】
収容ユニット41は、調味料を収容する。収容ユニット41の内部は、上下方向が軸方向となる筒形状に形成されている。本実施の形態においては、収容ユニット41は、円筒面を有するスペース(シリンダ)を内部に有している。換言すると、収容ユニット41の内部には、筒状の収容部41bが形成されているといえる。収容ユニット41の内部には、調味料が収容可能である。すなわち、調味料は、収容部41bに収容可能である。
【0037】
本実施の形態において、収容ユニット41は、全体として上下方向が軸方向となる略円柱形状を有しているが、これに限られない。例えば、全体として多角柱形状であったり、その他の形状を有していてもよい。また、収容ユニット41の内部は、円筒面に限られず、その他の形状の筒状の面を有していてもよい。
【0038】
本実施の形態において、収容ユニット41は、筒部43、第一端部45、及び第二端部47を有している。第一端部45は、収容部41bの下端部、すなわち収容ユニット41の下端部に位置している。第二端部47は、収容部41bの上端部、すなわち収容ユニット41の上端部に位置している。
【0039】
筒部43は、例えば、円筒形状のパイプである。上下の各端部には、第一端部45を構成する部材及び第二端部47を構成する部材にねじ込まれるねじ(図示せず)が設けられている。筒部43の内部が、収容部41bとなる。
【0040】
第一端部45は、筒部43に係合する蓋部材46を有している。蓋部材46は、筒部43の下端部に係合した状態で、筒部43の下端部を覆う。第一端部45は、蓋部材46が筒部43の下側の端部にねじ込まれること(係合することの一例)によって取り付けられている。第一端部45には、調味料が取り出される取出口となる提供口51が設けられている。蓋部材46の一部には、提供口51が設けられる孔部が設けられている。
【0041】
また、第一端部45には、逆止弁53が設けられている。本実施の形態において、逆止弁53は、ダックビルタイプの弁であり、逆止弁53が提供口51となるように構成されている。なお、提供口51と逆止弁53とが異なる部材により構成されていてもよい。この場合、逆止弁53を通過した調味料が提供口51から外部に取り出されるように構成されていればよい。逆止弁53は、例えばシリコンゴム等の弾力性のある素材を用いて形成されているが、これに限られない。
【0042】
本実施の形態において、逆止弁53の周囲には、蓋部材46の孔部を塞ぐ程度には大きなフランジ部が設けられている。第一端部45は、内側に孔部を有する平板状のパッド55を有している。第一端部45は、上下方向において逆止弁53のフランジ部がパッド55と蓋部材46との間で挟んだ状態で筒部43に取り付けられている。上下方向において、パッド55と逆止弁53のフランジ部とが、筒部43の端部と蓋部材46とで挟まれて固定されている。これにより、収容部41bの内容物が漏れ出ることが防止されている。蓋部材46が筒部43から取り外されている状態において第一端部45の各部材は互いに容易に分離可能であり、各部材の洗浄等を容易に行い、再度の組み付けを行うことができるようになっている。
【0043】
ここで、第一端部45には、後述のように保持部材11の被嵌合部17に嵌まりあう嵌合部46bが設けられている。本実施の形態において、蓋部材46の外周面が嵌合部46bとなっている。蓋部材46の形状すなわち嵌合部46bの形状は、平面視で(上下方向から見て)、略正方形である。なお、嵌合部46bの形状はこれに限られず、多角形であってもよいし、キー溝又はキー溝に嵌まる突起部等を有していてもよいし、スプライン形状などの複数の歯を有する形状を有していてもよい。被嵌合部17は、このような嵌合部46bの形状に対応する形状を有していればよい。
【0044】
第二端部47は、本実施の形態においては、単一の部材である。なお、複数の部材が組み合わされて構成されていてもよい。第二端部47は、筒部43の上端部に係合した状態で、筒部43の上端部を覆う。第二端部47は、筒部43の上側の端部にねじ込まれること(係合することの一例)によって、筒部43に取り付けられている。
【0045】
第二端部47には、雌ねじ48が設けられている。雌ねじ48は、第二端部47の中央部に設けられている。雌ねじ48の軸は、上下方向に平行である。第二端部47には、空気等の気体が収容ユニット41の内部に出入り可能になるように、通気部が設けられていてもよい。通気部は、微小な穴等であってもよいし、雌ねじ48と雄ねじ62とが嵌まり合う隙間であってもよい。
【0046】
棒状部材61は、収容ユニット41の上部から、第二端部47を貫通するように配置されている。棒状部材61の上端部は収容ユニット41の外部にあり、棒状部材62の下端部は収容ユニット41の内部にある。
【0047】
本実施の形態において、棒状部材61は、ねじ軸である。すなわち、棒状部材61の外周面には、雄ねじ62が形成されている。雄ねじ62と雌ねじ48とは嵌まり合う(噛み合う、螺合するといってもよい。)。なお、雄ねじ62は、上下方向において、棒状部材61の一部分にのみ設けられていてもよい。棒状部材61は、収容ユニット41に対して、ねじ軸周りの所定の第一回転方向(雄ねじ62及び雌ねじ48に対応する方向)に回転するのに伴って、収容ユニット41に対して下に変位する。他方、棒状部材61は、収容ユニット41に対して、第一回転方向とは反対の第二回転方向に回転するのに伴って、収容ユニット41に対して上に変位する。すなわち、棒状部材61と第二端部47とで、直動機構が構成されているということができる。
【0048】
変位ユニット65は、本実施の形態においては、単一の部材である。なお、複数の部材が組み合わされて構成されていてもよい。変位ユニット65は、収容ユニット41の内部に配置されている。変位ユニット65は、筒部43の内周面に対応する外周面を有しており、筒部43の内部を上下に区切る。調味料が収容される収容部41bは、変位ユニット65と、筒部43と、第一端部45とで囲まれたスペースとなる。なお、変位ユニット65が、ピストンと呼ばれてもよい。
【0049】
変位ユニット65は、棒状部材61が収容ユニット41に対して第一回転方向に回転して下方に変位するのに伴って、収容ユニット41の内周面に沿って、下に変位可能すなわち第一端部45に近づく方向に変位可能である。本実施の形態において、棒状部材61の下端部に変位ユニット65の中央部が取り付けられている。棒状部材61と変位ユニット65との接続部は、例えば、一方に設けられた球状部が他方に設けられた凹部に摺動可能にはまり込むようにして構成されている。これにより、変位ユニット65と棒状部材61とは、互いの角度が若干量変化することが許容可能となるように接続されている。また、変位ユニット65に対して、棒状部材61は回転軸周りに回転自在である。棒状部材61が下に変位すると、それに伴って変位ユニット65が下に変位する。また、棒状部材61が上に変位すると、それに伴って変位ユニット65が上に変位する。
【0050】
なお、変位ユニット65と棒状部材61とは、互いに接続されていなくてもよい。例えば、収容ユニット41の内部に配置されている変位ユニット65の上面に棒状部材61の下端部が当接しうるように構成されていてもよい。この場合、棒状部材61が下に変位するのに伴って、棒状部材61に押されることにより、変位ユニット65が下に変位するように構成されていてもよい。
【0051】
ノブ21は、例えば、ユーザが把持することなどにより操作可能な、棒状部材61の径よりも大きな径を有する円盤形状を有している。本実施の形態において、ノブ21は、ノブ21の回転に伴って棒状部材61が回転するように、棒状部材61の上端部に取り付けられている。すなわち、ノブ21は、収容ユニット41の外部において、棒状部材61の回転に伴い回転するように設けられている。
【0052】
ノブ21は、棒状部材61に対して固定されており、棒状部材61と一体に回転する。なお、ノブ21と棒状部材61との関係は、これに限られない。ノブ21と棒状部材61との間に、例えば歯車やベルト等で構成されたトルク伝達機構が設けられていてもよい。この場合、ノブ21は上下方向とは異なる方向の回転軸周りに回転可能であってもよい。
【0053】
保持部材11は、ベース部12と支持部13とを有する。支持部13は、格納部15と、被嵌合部17と、開口部18とを備える。
【0054】
ベース部12は、例えば、板状の部材である。ベース部12は、テーブル面などの設置面上に配置される。ベース部12は、台座といってもよい。
【0055】
支持部13は、ベース部12から上に延びる部位である。本実施の形態において、支持部13は、ベース部12の奥側の端部近傍から上方に立つように設けられている。支持部13の上部は、手前側に張り出している。支持部13の手前側に張り出している部位の前端近傍部位には、上方に開口する格納部15が設けられている。格納部15には、収容ユニット41が配置される。
【0056】
格納部15には、収容ユニット41と、棒状部材61と、ノブ21と、変位ユニット65とが組み付けられた組立体が格納される。組立体は、上方の開口から、格納部15にセットされて、保持部材11に保持される。すなわち、保持部材11は、収容ユニット41を、第一端部45が第二端部47より下に位置する姿勢で保持する。なお、格納部15に組立体がセットされている状態で、上方の開口が蓋等により閉じられるようにしてもよい。
【0057】
開口部18は、格納部15の底面に設けられている孔部である。開口部18は、収容ユニット41の提供口51に対応する位置に形成されている。開口部18から、提供口51が、保持部材11の外部に露出する。格納部15に組立体がセットされている状態で、提供口51は、ベース部12の上面から所定の高さに位置している。すなわち、ベース部12の上面と提供口51との距離は、調味料を利用することが想定される食品5が載置されている状態の食器3の高さよりも若干大きくなるように設定されている。このように、支持部13は、ベース部12から上に延びる部位と、その上部の手前側に張り出している部位とを有している。そのため、上下方向において提供口51とベース部12との間には、食器3の一部が入り込む空間が設けられている。
【0058】
被嵌合部17は、格納部15の下部に配置されている。被嵌合部17は、嵌合部46bと嵌まり合う。すなわち、被嵌合部17は、嵌合部46bよりもわずかに大きい内周面を有する、平面視で略正方形の凹部を有している。蓋部材46は、被嵌合部17の凹部に嵌り込むように構成されている。なお、被嵌合部17の底部のうち、提供口51に対応する位置には、孔部が設けられている。すなわち、被嵌合部17の孔部と、開口部18とを通して、提供口51が、保持部材11の外部に露出するように構成されている。
【0059】
本実施の形態においては、このように嵌合部46bと被嵌合部17とが嵌まり合うことにより、収容ユニット41が、保持部材11に対して、棒状部材61の軸まわりに回転不能に保持される。また、収容ユニット41の姿勢に加えて、収容ユニット41の水平方向の位置が規制された状態となっており、また、収容ユニット41が下に変位しないように位置決めされている。これにより、比較的簡素な構成によって収容ユニット41を保持させることができる。したがって、ユーザが別途収容ユニット41を支えることなく、収容ユニット41に対して棒状部材61を回転させることが可能となる。
【0060】
調味料取出器具1への調味料の充填時等には、保持部材11から収容ユニット41等の組立体を取り外して、第二端部47等を収容ユニット41から容易に取り外すことができる。したがって、調味料の充填やメンテナンスを容易に行うことができる。
【0061】
図4は、同調味料取出器具1の使用状態の一例を示す側断面図である。
【0062】
本実施の形態において、棒状部材61が収容ユニット41に対して所定の第一回転方向に回転するのに伴って、変位ユニット65が第一端部45に近づく。そうすると、収容ユニット41の内部において変位ユニット65と第一端部45との間の収容部41bに封入されている調味料の一部が、提供口51から収容ユニット41の外に出る。すなわち、ユーザは、食器3を提供口51の下に配置した状態で、ノブ21にトルクを加えて棒状部材61を回転させることにより、調味料を食器3上に取り出すことができる。取り出される調味料の量は、変位ユニット65の変位量すなわち棒状部材61の回転量に対応するので、ユーザは、容易に所望の量の調味料を取り出すことができる。
【0063】
このようにユーザによりノブ21が操作されると、調味料は、逆止弁53を通過して、収容ユニット41の外に出る。ノブ21が静止しており、変位ユニット65の位置が維持されている場合、すなわち収容部41bの内部の圧力と、収容ユニット41の外部の圧力とがほぼ変わらない場合には、逆止弁53は閉じている状態である。なお、提供口51が下に位置する姿勢で収容ユニット41が配置されているが、調味料は、流動性の低いペースト状であるため、調味料の自重によっても収容ユニット41の外部に流れ出にくい。さらに、本実施の形態においては、逆止弁53が設けられているため、収容ユニット41の外部への調味料の流出がより確実に防止される。特に、逆止弁53はダックビルタイプの弁であるので、収容ユニット41の外部への調味料の流出がさらに確実に防止される。また、収容ユニット41の外部の圧力が収容部41bの内部の圧力よりも高くなったとしても、逆止弁53によって、収容部41bの内部への調味料や気体等の逆流は防止される。したがって、収容ユニット41に収容されている調味料が空気等に触れにくい状態で維持することができる。収容ユニット41に収容されている調味料が酸化等により変質することを防止することができ、より新鮮な調味料をユーザに提供することができる。
【0064】
図5は、同調味料取出器具1の用途の一例を示す図である。
【0065】
図5においては、飲食店などの店舗内における、飲食物搬送装置950の一例が示されている。飲食店は、例えばいわゆる回転寿司店であり、飲食物搬送装置950は、客であるユーザが飲食を行う店内と、厨房とにわたって設けられている。店内においては、例えば、ユーザが飲食を行う際のテーブル980や座席等が設けられている。テーブル980としては、ユーザが一列に並んで飲食を行うことが可能なカウンターテーブルが用いられていてもよい。
【0066】
飲食物搬送装置950は、飲食物である寿司等が載った食器3(回転寿司皿)が乗せられる搬送路960と、搬送路960の上方に配置された上側ユニット951とを有している。搬送路960は、各テーブル980の近傍において食器3が搬送されるように、店内に敷設されている。搬送路960は、例えば、上面がフラットに構成されたクレセントチェーンなどを用いて構成されているが、これに限られない。上側ユニット951は、照明手段を内蔵しており、搬送路960を照らすように、下方に光を照射するように構成されている。
【0067】
本実施の形態において、調味料取出器具1は、食器3が飲食物搬送装置950の搬送路960上を循環する回転寿司店で用いられうる。調味料取出器具1は、例えば寿司について薬味として用いられるすりおろしわさびなどを収容した状態で、テーブル980上に配置される。ユーザは、食器3を片手に保持し、調味料取出器具1の提供口51の直下に位置させた状態で、他方の手でノブ21を第一回転方向に回転させる操作を行う。これにより、ユーザは、容易に、所望の量の調味料を食器3に取り出すことができる。
【0068】
なお、本実施の形態において、保持部材11は、上下方向において提供口51より下の所定の範囲において、提供口51よりも奥に位置する部材である支持部13から提供口51までの水平方向における寸法D1(図3に示す)が、食器3の水平方向の寸法D2(図3に示す)の半分よりも大きくなるように構成されている。ここで、所定の範囲とは、提供口51の下において食器3を位置させることが可能な範囲である。所定の範囲とは、具体的には、例えば、格納部15の底面からベース部12の上面までの間の範囲とすることができる。このように、保持部材11において提供口51のオーバーハング寸法D1が設定されているため、平面視で食器3上のいずれの位置にも提供口51を位置させることができる。したがって、ユーザは、取り出した調味料を所望の位置にかけることができる。
【0069】
(変形例の説明)
【0070】
本実施の形態の変形例について、以下に説明する。以下の説明においては、上述の実施の形態とは異なる部分について説明し、特に言及しない部分については、上述の実施の形態と同様である。
【0071】
図6は、本実施の形態の一変形例に係る調味料取出器具201の用途の一例を説明する図である。図7は、同調味料取出器具201の側断面図である。
【0072】
調味料取出器具は、壁面等に取り付けて用いられるように構成されていてもよい。
【0073】
図6に示されるように、調味料取出器具201は、上述の保持部材11に代えて、設置壁面955に設けられた被取付部956に着脱可能に構成された保持部材211を有している。設置壁面955は、例えば、飲食物搬送装置950の筐体の側面であるが、これに限られない。例えば、店内の壁面であったり、上側ユニット951等の壁面であってもよい。被取付部956は、例えば、上方からフック状の金具を掛けることができるように形成された板金製の金具であるが、これに限られない。
【0074】
図7に示されるように、調味料取出器具201の保持部材211は、被取付部956に着脱可能に係合する(例えば、引っ掛けられる)取付部212と、取付部212から手前に張り出すように形成された支持部213とを有している。支持部213の手前側の端部近傍には、上述と同様に、組立体が格納される格納部15が設けられている。
【0075】
調味料取出器具201は、取付部212を被取付部956に取り付けることにより、設置壁面955に着脱可能に保持される。したがって、ユーザは、上述の実施の形態と同様にして、ノブ21を回転させることで、容易に調味料を取り出すことができる。また、その他の上述の実施の形態と同様の効果を得られる。
【0076】
調味料取出器具201は、容易に設置壁面955から取りはずすことができる。したがって、不要な場合には調味料取出器具201を容易に撤去することができる。また、調味料取出器具201のメンテナンス作業等を容易に行うことができる。
【0077】
なお、本変形例においても、保持部材211は、上下方向において提供口51より下の所定の範囲において、提供口51よりも奥に位置する部材である設置壁面955から提供口51までの水平方向における寸法が、食器3の水平方向の寸法の半分よりも大きくなるように構成されていることが好ましい。ここで、所定の範囲とは、提供口51の下において食器3を位置させることが可能な範囲であり、具体的には、例えば、格納部15の底面からテーブル980の上面までの間の範囲とすることができる。なお、調味料取出器具201が、提供口51とその下方にある部材との距離が大きいような、比較的高い位置などに配置されている場合には、提供口51の下の、例えば長くとも数十センチメートル程度の範囲において、提供口51から設置壁面955までの水平方向における寸法が、食器3の水平方向の寸法の半分よりも大きくなるように構成されていればよい。このように、保持部材211において提供口51のオーバーハング寸法D1が設定されているため、平面視で食器3上のいずれの位置にも提供口51を位置させることができる。
【0078】
なお、本変形例において、提供口51の位置をユーザに示すマーキング298を設けてもよい。本変形例において、マーキング298は、テーブル980上の、提供口51の下に、提供口51の位置に対応するようにして設けられる。これにより、ユーザは、容易に提供口51の位置を知ることができる。なお、提供口51の位置をユーザに示すマーキングが、保持部材211に設けられていてもよい。また、マーキング298は、上述の実施の形態においてベース部12の上面や保持部材11などに設けられていてもよい。
【0079】
図8は、本実施の形態の別の変形例に係る調味料取出器具の回転部材321を示す斜視図である。
【0080】
ユーザは、素手ではなく、把持部材を用いて、棒状部材61を回転させることができるように構成されていてもよい。
【0081】
本変形例において、回転部材321は、上述の実施の形態におけるノブ21に代えて用いられるものである。回転部材321は、例えば、棒状部材61の径よりも大きな径を有する円盤状の部材であるが、形状はこれに限られない。回転部材321は、ノブ21と同様に、棒状部材61の回転に伴って回転するように構成されている。換言すると、回転部材321の回転に伴って、棒状部材61が回転するように構成されている。
【0082】
回転部材321の上面には、2つの係合部323が形成されている。各係合部323は、底を有する穴である。本変形例においては、ユーザは、把持部材8として箸を用いることができる。各係合部323は、把持部材8の先端部が嵌入可能な内径を有している。すなわち、把持部材8は、係合部323に係合可能である。
【0083】
本変形例において、ユーザは、把持部材8の先端部を係合部323に嵌入させた状態で、把持部材8を介して回転部材321にトルクをかけ、回転部材321を回転させることにより、調味料を取り出すことができる。ユーザは、手で直接に調味料取出器具1に触れることなく、調味料を取り出すことができる。
【0084】
なお、係合部の態様は、これに限られない。
【0085】
図9は、本実施の形態のさらに別の変形例に係る調味料取出器具の回転部材421を示す斜視図である。
【0086】
回転部材421は、回転部材321と比較して、形態が異なる係合部423を有している。係合部423は、回転部材421の側周面に設けられた3つの開口部と、各開口部同士を繋ぐ3つの穴部とを有している。各係合部423は、把持部材8の先端部が嵌入可能な内径を有している。すなわち、把持部材8は、係合部423に係合可能である。
【0087】
このような構成であっても、ユーザは、同様に、把持部材8の先端部を係合部423のいずれかの開口部から回転部材421に差し込み、係合部423に把持部材8を嵌入させることができる。そして、その状態で把持部材8を介して回転部材421にトルクをかけて回転部材421を回転させることにより、調味料を取り出すことができる。ユーザは、手で直接に調味料取出器具1に触れることなく、調味料を取り出すことができる。
【0088】
なお、回転部材321や回転部材421は、調味料取出器具1から容易に着脱可能であってもよい。ノブ21に対して部材を被せることにより、回転部材321や回転部材421などが構成されるようにしてもよい。これにより、ユーザのグループ毎に回転部材321や回転部材421を取替たり清掃するなどして、清潔な回転部材321や回転部材421を用いることができる。
【0089】
また、把持部材は箸に限られず、ユーザが把持可能な他の部材であってもよい。係合部の形態は上述に限られない。また、例えば、回転部材等が用いられず、棒状部材61に把持部材が直接係合可能な係合部が設けられていてもよい。
【0090】
(その他)
【0091】
逆止弁としては、ダックビルタイプのものに限られず、種々の他のタイプの構造を用いることができる。例えば、逆止弁は、ばねと、当該ばねにより付勢された弁体とを備えるものであってもよい。また、例えば、逆止弁は、いわゆるスイング式(フラップ式)の構造を有するものであってもよい。
【0092】
また、調味料取出器具は、逆止弁を備えなくてもよい。例えば、上述の実施の形態の逆止弁に代えて、第一端部において収容部を塞ぐように配置したシリコンゴムなどのスリット入りのシートを用いてもよい。スリットとしては、直線状のスリットや十字状のスリットなど、種々の形状を採用することができる。このような、弾性のあるゲート部材又は可撓性のあるゲート部材を用いることによっても、簡素な構造を採用しながら、次の効果を得ることができる。すなわち、変位ユニットが変位した場合など、収容部の内外の圧力差が高まった場合にのみ、調味料が収容ユニットの外部に取り出されるようにすることができる。
【0093】
上述の実施の形態において、棒状部材を回転させるための、ユーザにより操作される機構としては、種々の機構が採用されうる。例えば、歯車やラック等を用いて構成された機構や、複数の部材で構成されたリンク機構や、滑車等を用いた機構など、様々な機構が用いられうる。
【0094】
調味料取出器具の用途は、飲食店の店舗等に限られない。例えば、調理が行われる厨房等において用いられたり、食品が製造される製造工場などにおいて用いられたりしてもよい。また、調味料取出器具の設置場所、設置方法等は、適宜選択することができる。
【0095】
食器は、上述の実施の形態において示されるような皿に限られない。例えば、皿よりも深さがある汁椀やカップ等が食器として用いられるようにしてもよい。また、例えばスプーンなどのカトラリーや箸が食器として用いられてもよいし、食品の給仕に用いられる杓子やその他のサーバ等の器具が食器として用いられてもよい。
【0096】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものである。
【0097】
上述の実施の形態の構成そのものに限られず、上述の実施の形態のそれぞれの構成要素について、適宜、他の実施の形態等の構成要素と置換したり組み合わせたりしてもよい。また、上述の実施の形態のうち、一部の構成要素や機能が省略されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上のように、本発明にかかる調味料取出器具は、容易に所望量のペースト状の調味料を容器から取り出すことができるという効果を有し、調味料取出器具等として有用である。
【符号の説明】
【0099】
1、201 調味料取出器具
3 食器
3b 皿板
3c 高台
5 食品
8 把持部材
11、211 保持部材
12 ベース部
13、213 支持部
15 格納部
17 被嵌合部
18 開口部
21 ノブ
41 収容ユニット
41b 収容部
43 筒部
45 第一端部
46 蓋部材
46b 嵌合部
47 第二端部
48 雌ねじ
51 提供口
53 逆止弁
55 パッド
61 棒状部材
62 雄ねじ
65 変位ユニット
212 取付部
298 マーキング
321、421 回転部材
323、423 係合部
950 飲食物搬送装置
951 上側ユニット
955 設置壁面
956 被取付部
960 搬送路
980 テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-11-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に封入されているペースト状の調味料を取り出すことができる調味料取出器具であって、
前記調味料が取り出される提供口が設けられている第一端部及び雌ねじが設けられている第二端部を有し、内部が筒形状に形成されている収容ユニットと、
前記雌ねじと嵌まり合う雄ねじを有し、前記第二端部を貫通するように配置されている棒状部材と、
前記収容ユニットの内部に配置されており、前記棒状部材が前記収容ユニットに対して所定の回転方向に回転するのに伴って、前記収容ユニットの内面に沿って前記第一端部に近づく方向に変位可能な変位ユニットと
前記収容ユニットを、前記第一端部が前記第二端部より下に位置する姿勢で保持する保持部材とを備え、
前記棒状部材が前記収容ユニットに対して所定の回転方向に回転するのに伴って前記変位ユニットが前記第一端部に近づくことにより、前記収容ユニットの内部において前記変位ユニットと前記第一端部との間に封入されている前記調味料の一部が、前記提供口から前記収容ユニットの外に出るように構成されている、調味料取出器具。
【請求項2】
前記第一端部には、逆止弁が設けられている、請求項1に記載の調味料取出器具。
【請求項3】
前記逆止弁は、ダックビルタイプの弁である、請求項2に記載の調味料取出器具。
【請求項4】
前記収容ユニットの外部において、ユーザが操作可能であって前記棒状部材の回転に伴い回転するノブが設けられている、請求項1から3のいずれかに記載の調味料取出器具。
【請求項5】
前記収容ユニットの外部において、前記棒状部材の回転に伴い回転する回転部が設けられており、
前記回転部は、ユーザが用いる把持部材に係合する係合部を有する、請求項1から4のいずれかに記載の調味料取出器具。
【請求項6】
前記保持部材は、設置面上に配置されるベース部及び前記ベース部から上に延びる支持部とを有し、
前記収容ユニットは、前記支持部に保持されており、
上下方向において、前記提供口と前記ベース部との間には、食器の一部が入り込む空間が設けられている、請求項1から5のいずれかに記載の調味料取出器具。
【請求項7】
前記保持部材は、設置壁面に設けられた被取付部に着脱可能な取付部を有する、請求項1から5のいずれかに記載の調味料取出器具。
【請求項8】
食器が飲食物搬送装置の搬送路上を循環する回転寿司店で用いられ、
前記保持部材は、上下方向において前記提供口より下の所定の範囲において、前記提供口よりも奥に位置する部材から前記提供口までの水平方向における寸法が、前記食器の水平方向の寸法の半分よりも大きくなるように構成されている、請求項又はに記載の調味料取出器具。
【請求項9】
前記保持部材は、被嵌合部を有し、
前記収容ユニットは、前記被嵌合部と嵌まり合う嵌合部を有し、前記嵌合部と前記被嵌合部とが嵌まり合うことにより前記保持部材に対して回転不能に保持される、請求項からのいずれかに記載の調味料取出器具。