(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050172
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】複数位相の発振回路
(51)【国際特許分類】
H03K 3/03 20060101AFI20220323BHJP
H03K 3/354 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
H03K3/03
H03K3/354 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020156627
(22)【出願日】2020-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】501266589
【氏名又は名称】滝沢 彰
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 彰
【テーマコード(参考)】
5J043
5J300
【Fターム(参考)】
5J043AA22
5J043CC04
5J043EE01
5J043LL01
5J300AA22
5J300CC04
5J300EE01
5J300LL01
(57)【要約】
【課題】多様なパルスの生成が可能な発振回路を提供する。
【解決手段】奇数個のインバータがリング状に接続されたメインリング回路20と、2つのインバータを直列に接続した複数の出力回路とを具備し、メインリング回路20を構成する各インバータ同士の接続点に出力端子を設け、メインリング回路を構成する奇数個のインバータのうち、当該奇数の所定の約数である数のインバータをまたいだ2つの出力端子同士において、一方の出力端子の先端のカソードと、他方の出力端子のインバータ同士の接続点との間を第1出力部として設け、一方の出力端子のインバータ同士の接続点と他方の出力端子の先端のカソードとの間を第2出力部として設ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
奇数個のインバータがリング状に接続されたメインリング回路と、
2つのインバータを直列に接続した、複数の出力回路と、を具備し、
前記メインリング回路を構成する各インバータ同士の接続点に、前記出力回路のアノード側を接続して出力端子として設け、
前記メインリング回路を構成する奇数個のインバータのうち、当該奇数の所定の約数である数のインバータをまたいだn個(nは1以上の自然数であって、前記奇数を前記所定の約数で除算した商)の出力端子同士において、
複数の出力端子におけるいずれか一つの出力端子のインバータ同士の接続点と、当該出力端子と前記所定の約数である数のインバータをまたいで隣接する出力端子の先端のカソードとの間を出力部として設け、
先端のカソードが出力部の一端として設けられた前記出力端子のインバータ同士の接続点と、当該出力端子と前記所定の約数である数のインバータをまたいで隣接する出力端子の先端のカソードとの間を出力部として設けることを、前記メインリング回路を一周して複数行われてn個の出力部が設けられていることを特徴とする複数位相の発振回路。
【請求項2】
前記メインリング回路を構成する各インバータ同士の接続点1か所において、前記出力回路を2つそれぞれのアノード側を接続して2つの出力端子が設けられ、
前記メインリング回路の各インバータ同士の接続点1か所に設けられた2つの出力端子のうち一方の出力端子のインバータ同士の接続点と、当該出力端子と前記所定の約数である数のインバータをまたいで隣接する2つの出力端子のうちの一方の出力端子の先端のカソードとの間を出力部として設け、
先端のカソードが出力部の一端として設けられた前記出力端子のインバータ同士の接続点と、当該出力端子と前記所定の約数である数のインバータをまたいで隣接する出力端子の先端のカソードとの間を出力部として設けることを、前記メインリング回路を一周して複数行われてn個の出力部が設けられ、
前記メインリング回路の各インバータ同士の接続点1か所に設けられた2つの出力端子のうち他方の出力端子の先端のカソードと、当該出力端子と前記所定の約数である数のインバータをまたいで隣接する出力端子のインバータ同士の接続点との間を逆位相出力部として設け、
インバータ同士の接続点が出力部の一端として設けられた前記出力端子の先端のカソードと、当該出力端子と前記所定の約数である数のインバータをまたいで隣接する出力端子のインバータ同士の接続点との間を逆位相出力部として設けることを、前記メインリング回路を一周して複数行われてn個の逆位相出力部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の複数位相の発振回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数位相の発振回路に関する。
【背景技術】
【0002】
インバータを奇数個接続して閉回路を構成したものは発振器となる。このような回路はリング発振器として一般的に知られている。
【0003】
また、特許文献1には、より高い発振周波数を実現するためのリング発振器が開示されている。
特許文献1のリング発振器は、4個のインバータ(偶数個のインバータ)から成る四角形状のメインループ回路に、3個のインバータ(奇数個のインバータ)から成る三角形状のループ回路を、励起回路として複数設ける構成を採用している。
【0004】
特許文献2には、3個のインバータからなるリング状のメインリングが複数設けられ、複数のインバータがリング状に接続された位相結合リングが設けられ、各メインリングの接続ノードが、それぞれ位相結合リングの異なる第2接続ノードに接続され、位相結合リングの第2接続ノード間が、第2位相結合素子である抵抗により接続された発振回路が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-50591号公報
【特許文献2】特開2011-19053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の発振器では、高速での発振が可能とされているが、単に位相が異なるパルスを複数発生できるというものであった。
しかし、本発明者は、位相だけでなくパルス周期も変更できるようにして、多様なパルスを出力するようにできれば、コンピュータ等において多くの並列処理を実行できるようになり処理速度の向上につながると考えた。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、多様なパルスの生成が可能な発振回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる複数位相の発振回路によれば、奇数個のインバータがリング状に接続されたメインリング回路と、2つのインバータを直列に接続した、複数の出力回路と、を具備し、前記メインリング回路を構成する各インバータ同士の接続点に、前記出力回路のアノード側を接続して出力端子として設け、前記メインリング回路を構成する奇数個のインバータのうち、当該奇数の所定の約数である数のインバータをまたいだn個(nは1以上の自然数であって、前記奇数を前記所定の約数で除算した商)の出力端子同士において、複数の出力端子におけるいずれか一つの出力端子のインバータ同士の接続点と、当該出力端子と前記所定の約数である数のインバータをまたいで隣接する出力端子の先端のカソードとの間を出力部として設け、先端のカソードが出力部の一端として設けられた前記出力端子のインバータ同士の接続点と、当該出力端子と前記所定の約数である数のインバータをまたいで隣接する出力端子の先端のカソードとの間を出力部として設けることを、前記メインリング回路を一周して複数行われてn個の出力部が設けられていることを特徴としている。
この構成を採用することによって、パルスを出力する出力部として、例えばインバータが15個で構成されたメインリング回路において出力部を6か所、10か所又は30か所に設けることができるので、パルス周期や位相が異なる多様なパルスを出力することが可能となる。
【0009】
また、前記メインリング回路を構成する各インバータ同士の接続点1か所において、前記出力回路を2つそれぞれのアノード側を接続して2つの出力端子が設けられ、前記メインリング回路の各インバータ同士の接続点1か所に設けられた2つの出力端子のうち一方の出力端子のインバータ同士の接続点と、当該出力端子と前記所定の約数である数のインバータをまたいで隣接する2つの出力端子のうちの一方の出力端子の先端のカソードとの間を出力部として設け、先端のカソードが出力部の一端として設けられた前記出力端子のインバータ同士の接続点と、当該出力端子と前記所定の約数である数のインバータをまたいで隣接する出力端子の先端のカソードとの間を出力部として設けることを、前記メインリング回路を一周して複数行われてn個の出力部が設けられ、前記メインリング回路の各インバータ同士の接続点1か所に設けられた2つの出力端子のうち他方の出力端子の先端のカソードと、当該出力端子と前記所定の約数である数のインバータをまたいで隣接する出力端子のインバータ同士の接続点との間を逆位相出力部として設け、インバータ同士の接続点が出力部の一端として設けられた前記出力端子の先端のカソードと、当該出力端子と前記所定の約数である数のインバータをまたいで隣接する出力端子のインバータ同士の接続点との間を逆位相出力部として設けることを、前記メインリング回路を一周して複数行われてn個の逆位相出力部が設けられていることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の複数位相の発振回路によれば、パルス周期や位相が異なる多様なパルスを出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】第1の実施形態の発振回路により出力されるパルスのタイムチャートである。
【
図4】第2の実施形態の発振回路により出力されるパルスのタイムチャートである。
【
図7】他の実施形態の発振回路により出力されるパルスの周期図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
図1に、最も単純化した実施形態の発振回路を示す。
3個のインバータA、B、Cをリング状に接続したものをメインリング回路20とする。インバータAのカソードがインバータBのアノードに接続され、インバータBのカソードがインバータCのアノードに接続され、インバータCのカソードがインバータAのアノードに接続されている。
【0013】
インバータAとインバータBの接続点に、2個のインバータa、a´から構成される出力回路が接続される。この出力回路のアノード側がインバータAとインバータBの接続点に接続されて、出力端子21として設けられる。
インバータBとインバータCの接続点に、2個のインバータb、b´から構成される出力回路が接続される。この出力回路のアノード側がインバータBとインバータCの接続点に接続されて、出力端子22として設けられる。
インバータCとインバータAの接続点に、2個のインバータc、c´から構成される出力回路が接続される。この出力回路のアノード側がインバータCとインバータAの接続点に接続されて、出力端子23として設けられる。
【0014】
出力端子21におけるインバータaとインバータa´との接続点(インバータaのカソードとインバータa´のアノードの間の位置)と、出力端子22における先端のインバータb´のカソードとの間を、第1出力部24として設ける。
出力端子22におけるインバータbとインバータb´との接続点(インバータbのカソードとインバータb´のアノードの間の位置)と、出力端子23における先端のインバータc´のカソードとの間を、第2出力部25として設ける。
出力端子23におけるインバータcとインバータc´との接続点(インバータcのカソードとインバータc´のアノードの間の位置)と、出力端子21における先端のインバータa´のカソードとの間を、第3出力部26として設ける。
【0015】
図1の発振回路において出力されるパルスを
図2に示す。
1周期で3か所の出力部24~26から6つのパルス(6つのパルス幅は同一)が出力される。具体的には、パルスが連続して6つ出力されて1周期となり、1周期の間に1か所の出力部からは正パルス、負パルスそれぞれ1回のパルスが出力される。なお、本実施形態におけるパルスの正負については、
図1において各出力部24~26から時計回りに電流が流れる場合を正、反時計回りに電流が流れる場合を負としている。
【0016】
まず、第1出力部24から正パルスが出力される(
図1及び
図2の(1))。次に第2出力部25から負パルスが出力される(
図1及び
図2の(2))。次に第3出力部26から正パルスが出力される(
図1及び
図2の(3))。次に第1出力部24から負パルスが出力される(
図1及び
図2の(4))。次に第2出力部25から正パルスが出力される(
図1及び
図2の(5))。次に第3出力部26から負パルスが出力される(
図1及び
図2の(6))。
【0017】
このように、インバータが3個(奇数個)のメインリング回路20において、出力端子はインバータ1個おきに設けられており、出力端子の数は3個である。そして出力部は3か所に設けられているが、各出力部においては1周期の間に正パルス、負パルスを1回ずつ出力するので、1周期の間に6個のパルスが出力される。
【0018】
第1出力部24~第3出力部26から合わせて6個のパルスが出力されると1周期が終わり、次の周期となる。次の周期では
図2に示したパルスと同様に6個のパルスが出力される。これ以降、6個のパルスが出力される周期が繰り返し行われる。
したがって、本実施形態の発振回路によれば、6個のパルスが出力される周期が繰り返されるため、7進法によるデータ処理ができる可能性がある。
【0019】
なお、
図1では、正パルスか負パルスかの確認のために、2つのLEDを互いのアノードとカソードが逆方向になるように並列に接続したLED回路29を、各出力部24~26に設けているが、実際に各出力部24~26からパルスを出力する際にはLED回路29を設ける必要はない。
【0020】
(第2の実施形態)
次に、
図3に、インバータが3個(奇数個)のメインリング回路20において、各インバータの接続点に設けられる出力端子の数を2個とし、1周期で6個のパルスを出力する回路を2つ設けた発振回路の実施形態を示す。
なお、上述した
図1における実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
【0021】
図3の中央に記載した3個のインバータA~Cがリング状に接続された回路をメインリング回路20とする。
メインリング回路20のインバータAとインバータBの間に、出力端子21と、出力端子31の2つの出力端子が並列に接続される。出力端子21は2つのインバータa1、a1´が直列に接続された回路により構成されている。出力端子31も2つのインバータa2、a2´が直列に接続された回路により構成されている。
【0022】
メインリング回路20のインバータBとインバータCの間に、出力端子22と、出力端子32の2つの出力端子が並列に接続される。出力端子22は2つのインバータb1、b1´が直列に接続された回路により構成されている。出力端子32も2つのインバータb2、b2´が直列に接続された回路により構成されている。
【0023】
メインリング回路20のインバータCとインバータAの間に、出力端子23と、出力端子33の2つの出力端子が並列に接続される。出力端子23は2つのインバータc1、c1´が直列に接続された回路により構成されている。出力端子33も2つのインバータc2、c2´が直列に接続された回路により構成されている。
【0024】
出力端子21におけるインバータa1とインバータa1´との接続点(インバータa1のカソードとインバータa1´のアノードの間の位置)と、出力端子22における先端のインバータb1´のカソードとの間を、第1出力部24として設ける。
出力端子22におけるインバータb1とインバータb1´との接続点(インバータb1のカソードとインバータb1´のアノードの間の位置)と、出力端子23における先端のインバータc1´のカソードとの間を、第2出力部25として設ける。
出力端子23におけるインバータc1とインバータc1´との接続点(インバータc1のカソードとインバータc1´のアノードの間の位置)と、出力端子21における先端のインバータa´のカソードとの間を、第3出力部26として設ける。
【0025】
第1出力部24~第3出力部26における回路構成は、
図1に示した回路構成と同様であり、第1出力部24~第3出力部26からは
図2に示したようなパルスが出力される。
【0026】
次に、
図3のメインリング回路20より左側に図示した回路構成について説明する。
出力端子31における先端のインバータa2´のカソードと、出力端子32におけるインバータb2とインバータb2´との接続点(インバータb2のカソードとインバータb2´のアノードの間の位置)との間を、逆位相第1出力部34として設ける。
出力端子32における先端のインバータb2´のカソードと、出力端子33におけるインバータc2とインバータc2´との接続点(インバータc2のカソードとインバータc2´のアノードの間の位置)との間を、逆位相第2出力部35として設ける。
出力端子33における先端のインバータc2´のカソードと、出力端子31におけるインバータa2とインバータa2´との接続点(インバータa2のカソードとインバータa2´のアノードの間の位置)との間を、逆位相第3出力部36として設ける。
【0027】
また、
図3においては、パルスの正負を確認するために、2つのLEDを互いのアノードとカソードが逆方向になるように並列に接続したLED回路29を、各出力部24~26及び各逆位相出力部34~36に設けているが、実際に各出力部24~26及び各逆位相出力部34~36からパルスを出力する際にはLED回路29を設ける必要はない。
【0028】
図3の発振回路において出力されるパルスを
図4に示す。
各出力部24~26から出力されるパルスは、
図2に示した場合と同様のパルスが出力されるので、ここでは詳細な説明を省略する。
逆位相出力部34~36から出力されるパルスは、出力部24~26から出力されるパルスと同じタイミングで逆位相のパルスが出力される。
【0029】
逆位相出力部34~36からは、6個のパルスが連続して出力されて1周期となる。逆位相出力部34~36から出力されるパルスは、出力部24~26から出力される6個のパルスのパルス幅と出力タイミングが同じであるため、出力部24~26から出力される6個のパルスと逆位相出力部34~36から出力される6個のパルスの周期は同一の周期である。
【0030】
6つのパルス幅は同一である。具体的には、1周期において、1か所の出力部からは正パルス、負パルスそれぞれ1回のパルスが出力される。各逆位相出力部34~36から出力される正パルス、負パルスは、出力部24~26から同じタイミングで出力されるパルスと逆位相になっている。
なお、
図3の実施形態におけるパルスの正負については、
図3において時計回りに電流が流れる場合を正、反時計回りに電流が流れる場合を負としている。
【0031】
まず、第1出力部24から正パルスが出力されると同時に逆位相第1出力部34から負パルスが出力される(
図3及び
図4の(1))。次に第2出力部25から負パルスが出力されると同時に逆位相第2出力部35から正パルスが出力される(
図3及び
図4の(2))。次に第3出力部26から正パルスが出力されると同時に逆位相第3出力部36から負パルスが出力される(
図3及び
図4の(3))。次に第1出力部24から負パルスが出力されると同時に逆位相第1出力部34から正パルスが出力される(
図3及び
図4の(4))。次に第2出力部25から正パルスが出力されると同時に逆位相第2出力部35から負パルスが出力される(
図3及び
図4の(5))。次に第3出力部26から負パルスが出力されると同時に逆位相第3出力部36から正パルスが出力される(
図3及び
図4の(6))。
【0032】
(第3の実施形態)
図5には、15個のインバータをリング状に接続したメインリング回路20において、インバータ3個おきに5か所の出力端子を設けた実施形態について示す。
なお、
図5には図示していないが、インバータ1個おきに全部で15か所の出力端子を設けておき、15か所の出力端子のうちインバータ3個おきに5か所の出力端子を選択して出力部を設けてもよい。
【0033】
5か所の出力端子のうち、インバータ1とインバータ15の間に設けられた出力端子を第1出力端子41とし、インバータ3とインバータ4の間に設けられた出力端子を第2出力端子42とし、インバータ6とインバータ7の間に設けられた出力端子を第3出力端子43とし、インバータ9とインバータ10の間に設けられた出力端子を第4出力端子44とし、インバータ12とインバータ13の間に設けられた出力端子を第5出力端子45とする。
【0034】
出力端子41における2つのインバータの間と、出力端子42における先端のインバータのカソードとの間を、第1出力部51として設ける。
出力端子42における2つのインバータの間と、出力端子43における先端のインバータのカソードとの間を、第2出力部52として設ける。
出力端子43における2つのインバータの間と、出力端子44における先端のインバータのカソードとの間を、第3出力部53として設ける。
出力端子44における2つのインバータの間と、出力端子45における先端のインバータのカソードとの間を、第4出力部54として設ける。
出力端子45における2つのインバータの間と、出力端子41における先端のインバータのカソードとの間を、第5出力部55として設ける。
【0035】
本実施形態の発振回路によれば、第1出力部51~第5出力部55の5つの出力部から1周期内に各2個のパルス(正パルス1個、負パルス1個)を出力し、計10個のパルスにより1周期を構成する。
1周期ののち10個のパルスが出力される周期が繰り返し行われる。
したがって、本実施形態の発振回路によれば、10個のパルスが出力される周期が繰り返されるため、11進法によるデータ処理ができる可能性がある。
【0036】
また、
図5において、メインリング回路20のインバータ3個おきに2つの接続端子を互いに並列に設けて、並列に設けた1つの接続端子のうちの一方の先端のカソードを、インバータ3個おきに隣接する2つの接続端子の一方のインバータ同士の間と接続するような上述した接続方式で接続し、並列に設けた1つの接続端子のうちの他方のインバータ同士の間を、インバータ3個おきに隣接する2つの接続端子の他方の先端のカソードと接続するようにしてもよい。
すなわち、この構成では、他方の接続端子同士を接続して設けた出力部が逆位相出力部となる。
【0037】
このような構成により、一方の接続端子同士を接続して設けた5つの出力部から1周期内に各2個のパルス(正パルス1個、負パルス1個)を出力し、計10個のパルスにより1周期を構成し、これと同時に他方の接続端子同士を接続して設けた5つの逆位相出力部から1周期内に出力部から出力されるパルスとは逆位相の各2個のパルス(正パルス1個、負パルス1個)を出力し、計10個のパルスにより1周期を構成する。
【0038】
(他の実施形態)
なお、
図6に示すように、15個のインバータをリング状に接続したメインリング回路20において、15の約数は1、3、5であるので、出力端子をインバータ1個おき、インバータ3個おき、インバータ5個おきに設ける3種類の発振回路を構成することができる。インバータ3個おきの例は
図5に示した通りである。
【0039】
また、
図7に示すように、インバータ1個おきに15個の出力端子を設けて15か所の出力部から出力される各パルスのパルス幅を1とした場合、インバータ3個おきに5個の出力端子を設けて5か所の出力部から出力される各パルスのパルス幅は3であり、インバータ5個おきに3個の出力端子を設けて3か所の出力部から出力される各パルスのパルス幅は5である。
【0040】
また、インバータ1個おきに15個の出力端子を設けて15か所の出力部から出力される各パルスは30個のパルスが出力されて1周期となる。このときの各パルス幅を1とすると1周期は30となる。
インバータ3個おきに5個の出力端子を設けて5か所の出力部から出力される各パルスのパルス幅は3であり、10個のパルスが出力されて1周期となる。このときの各パルス幅は3なので、1周期は30となる。
インバータ5個おきに3個の出力端子を設けて3か所の出力部から出力される各パルスのパルス幅は5であり、6個のパルスが出力されて1周期となる。このときの各パルス幅は5なので、1周期は30となる。
【0041】
このように、出力端子を、メインリング回路のインバータ数の約数個のインバータをまたいで設けることで、隣接する接続端子同士を接続してメインリング回路を1周すると最初の出力端子に戻るため、複数のパルス出力による1周期を確実に定義することができる。
そして、上記のように1周期の時間は同じで、異なるパルス幅で異なる数のパルスを出力する複数の回路を構成できる。
【符号の説明】
【0042】
20 メインリング回路
21 出力端子
22 出力端子
23 出力端子
24 第1出力部
25 第2出力部
26 第3出力部
29 LED回路
31 出力端子
32 出力端子
33 出力端子
34 第1出力部
35 第2出力部
36 第3出力部
41 第1出力端子
42 第2出力端子
43 第3出力端子
44 第4出力端子
45 第5出力端子
51 第1出力部
52 第2出力部
53 第3出力部
54 第4出力部
55 第5出力部