(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050208
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】成形用組成物、成形体、およびガス発生抑制方法
(51)【国際特許分類】
C08L 101/02 20060101AFI20220323BHJP
【FI】
C08L101/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020156677
(22)【出願日】2020-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】000226507
【氏名又は名称】株式会社ニックス
(72)【発明者】
【氏名】坪 俊介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 徹
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AA03W
4J002CL01X
4J002CL03X
4J002CQ03W
4J002FD20W
4J002GD00
4J002GH01
4J002GJ02
4J002HA09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】射出成形など成形加工において、樹脂を加熱して溶融させた際に発生するガスを低減させることが可能な、成形用組成物及び成形体を提供する。
【解決手段】金属イオン及び有機配位子を含有する多孔性配位高分子と、プラスチック樹脂、ゴム類、及びシーリング材からなる群より選択される1種以上のベース材料とを含み、前記多孔性配位高分子及び前記ベース材料が、それぞれ下記条件(A)又は(B)を満たす成形用組成物。(A)前記ベース材料に由来するガスの酸解離定数が16.6以下の場合、前記多孔性配位高分子の金属イオンの半径が62×10
-12m以下である。(B)前記ベース材料に由来するガスの酸解離定数が17.0以下の場合、前記多孔性配位高分子の金属イオンの半径が68×10
-12m以上である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属イオン及び有機配位子を含有する多孔性配位高分子と、プラスチック樹脂、ゴム類、及びシーリング材からなる群より選択される1種以上のベース材料とを含み、前記多孔性配位高分子及び前記ベース材料が、それぞれ下記条件(A)又は(B)を満たす成形用組成物。
(A) 前記ベース材料に由来するガスの酸解離定数が16.6以下の場合、前記多孔性配位高分子の金属イオンの半径が62×10-12m以下である。
(B) 前記ベース材料に由来するガスの酸解離定数が17.0以下の場合、前記多孔性配位高分子の金属イオンの半径が68×10-12m以上である。
【請求項2】
前記金属イオンが、Ag(I)、Al(III)、Be(II)、Ca(II)、Cd(II)、Ce(III)、Co(III)、Co(II)、Cr(III)、Cu(II)、Cu(I)、Dy(III)、Er(III)、Eu(III)、Fe(III)、Fe(II)、Ga(III)、Gd(III)、Ho(III)、In(III)、Li(I)、Mg(II)、Mn(III)、Mo(III)、Nd(III)、Ni(II)、Sc(III)、Sm(II
I)、Sn(II)、Tb(III)、Ti(IV)Tm(III)、V(III)、W(IV)、Y(III)、Yb(III)、Zn(II)、Pd(II)、Au(I)、Tl(I)、Hg(I)、Pt(I)及びZr(IV)からなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載の成形用組成物。
【請求項3】
請求項1および2のいずれか1項に記載の成形用組成物の成形体。
【請求項4】
プラスチック樹脂、ゴム類、及びシーリング材からなる群より選択される1種以上のベース材料に、金属イオン及び有機配位子を含有する多孔性配位高分子を配合することにより、前記ベース材料に由来するガスの発生を抑制する方法であって、前記多孔性配位高分子及び前記ベース材料が、それぞれ下記条件(A)又は(B)を満たす方法。
(A) 前記ベース材料に由来するガスの酸解離定数が16.6以下の場合、前記多孔性配位高分子の金属イオンの半径が62×10-12m以下である。
(B) 前記ベース材料に由来するガスの酸解離定数が17.0以下の場合、前記多孔性配位高分子の金属イオンの半径が68×10-12m以上である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形用組成物及び成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチック樹脂を用いた成形体を軸受等の用途に用いる場合には、高精度化が求められている。一方、プラスチック樹脂を用いた成形体を給湯器用継手等の用途に用いる場合には、ボイド削減による高強度化及びシール部の高精度化が求められている。また、プラスチック樹脂由来のガスの発生に起因する成形体表面の外観不良(例えば、ヤケ及びウェルド)、成形加工時における金型の上記ガス成分の蓄積、上記ガスによる腐食等の問題点を改善することが求められている。また、成形体を使用する際に、微量ではあるが成形体から、プラスチック樹脂由来のガスの発生に起因する環境悪化等(特に作業環境に敏感な半導体関連生産現場では、部品等の上記ガスの発生に起因する環境悪化等)の問題を改善することが求められている。このようなプラスチック樹脂由来のガスの発生に起因する問題を改善するために様々な検討がなされているが、未だ改善の余地がある。
【0003】
上記ガスの発生を抑制する方法としては、まず、金型に相当数のガスベントを追加し、成形機にガス吸引装置を取り付けることによりガスの発生を抑制する方法がある。また、プラスチック樹脂がポリフェニルサルファイド(PPS)である場合には、酸化物質を存在させた条件下でポリフェニルサルファイドを加熱する熱酸化処理を行い、酸化架橋処理させることにより、揮発ガス成分の発生量を大きく減少させる方法がある(例えば、特許文献1及び特許文献2)。しかし、いずれの方法においてもガスの発生を十分に抑制できるといえない。特に、前述の酸化架橋処理方法では、熱酸化処理の度合いが大きいため、熱酸化処理後のペレット状のPPSを溶融させると、ゲル化物が生じ、成形体が安定しないなどの別の問題が生じる。
【0004】
ガスの発生を抑制する別の方法としては、上記ガスをプラスチック樹脂中で吸着させる方法がある。この方法には、例えば、モリブデン、タングステン等の金属化合物をプラスチック樹脂中に添加する方法(特許文献3)、酸化亜鉛をプラスチック樹脂中に添加する方法(特許文献4)、ハイドロタルサイト物質をプラスチック樹脂中に添加する方法(特許文献5)、PAN系炭素繊維をプラスチック樹脂中に添加する方法(特許文献6)、ゼオライト多孔質体をプラスチック樹脂中に添加する方法(特許文献7)、特定の値のルイス酸価を有する多孔性配位高分子添加する方法(特許文献8)などがある。上記ガスをプラスチック樹脂中で吸着させる方法では、一定の効果があるものの、さらなる改良が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63-207827号公報
【特許文献2】特開昭62-197422号公報
【特許文献3】特許3245253号
【特許文献4】再表2005-037924号公報
【特許文献5】特許3235035号
【特許文献6】特開2017-190426号公報
【特許文献7】特開2016-132710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、プラスチック樹脂等のベース材料由来のガスの発生を抑制する方法は、いずれにおいても一定の効果があるが、更なる改善の余地がある。
したがって、本発明の目的は、プラスチック樹脂、ゴム類、及びシーリング材からなる群より選択される1種以上のベース材料由来のガスの外部への発生を抑制可能な成形用組成物及び成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の金属イオン半径を有する金属イオン及び有機配位子を含有する多孔性配位高分子と、ベース材料とを組み合わせると、得られる成形用組成物は、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0008】
(1)
金属イオン及び有機配位子を含有する多孔性配位高分子と、プラスチック樹脂、ゴム類、及びシーリング材からなる群より選択される1種以上のベース材料とを含み、前記多孔性配位高分子及び前記ベース材料が、それぞれ下記条件(A)又は(B)を満たす成形用組成物。
(A) 前記ベース材料に由来するガスの酸解離定数が15.7以下の場合、前記多孔性配位高分子の金属イオンの半径が62×10-12m以下である。
(B) 前記ベース材料に由来するガスの酸解離定数が16.2以下の場合、前記多孔性配位高分子の金属イオンの半径が68×10-12m以上である。
【0009】
(2)
前記金属イオンが、Ag(I)、Al(III)、Be(II)、Ca(II)、Cd(II)、Ce(III)、Co(III)、Co(II)、Cr(III)、Cu(II)、Cu(I)、Dy(III)、Er(III)、Eu(III)、Fe(III)、Fe(II)、Ga(III)、Gd(III)、Ho(III)、In(III)、Li(I)、Mg(II)、Mn(III)、Mo(III)、Nd(III)、Ni(II)、Sc(III)、Sm(III)、Sn(II)、Tb(III)、Tm(III)、Ti(IV)、V(III)、W(IV)、Y(III)、Yb(III)、Zn(II)、Pd(II)、Au(I)、Tl(I)、Hg(I)、Pt(I)及びZr(IV)からなる群より選択される1種以上である成形用組成物。
【0010】
(3)
上記成形用組成物の成形体。
【0011】
(4)
プラスチック樹脂、ゴム類、及びシーリング材からなる群より選択される1種以上のベース材料に、金属イオン及び有機配位子を含有する多孔性配位高分子を配合することにより、前記ベース材料に由来するガスの発生を抑制する方法であって、前記多孔性配位高分子及び前記ベース材料が、それぞれ下記条件(A)又は(B)を満たす方法。
(A) 前記ベース材料に由来するガスの酸解離定数が16.6以下の場合、前記多孔性配位高分子の金属イオンの半径が62×10-12m以下である。
(B) 前記ベース材料に由来するガスの酸解離定数が17.0以下の場合、前記多孔性配位高分子の金属イオンの半径が68×10-12m以上である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プラスチック樹脂、ゴム類、及びシーリング材からなる群より選択される1種以上のベース材料由来のガスの外部への発生を抑制可能な成形用組成物及び成形体を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】熱分解ガスクロマトグラフによる分析例として、芳香族ポリアミド樹脂(PA6T)の分析結果のクロマトグラムを示す図
【
図2】ガス吸着率15%を閾値としたガス成分の酸解離定数と多孔性配位高分子を構成する金属イオンのイオン半径の関係を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)を説明する。本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。
【0015】
金属イオン及び有機配位子を含有する多孔性配位高分子と、プラスチック樹脂、ゴム類、及びシーリング材からなる群より選択される1種以上のベース材料とを含み、前記多孔性配位高分子及び前記ベース材料が、それぞれ下記条件(A)又は(B)を満たす。
(A) 前記ベース材料に由来するガスの酸解離定数が16.6以下の場合、前記多孔性配位高分子の金属イオンの半径が62×10-12m以下である。
(B) 前記ベース材料に由来するガスの酸解離定数が17.0以下の場合、前記多孔性配位高分子の金属イオンの半径が68×10-12m以上である。
【0016】
本実施形態の成形用組成物は、上記多孔性配位高分子及びベース材料を組み合わせることにより、ベース材料に由来するガスの外部への発生を抑制可能である。ベース材料に由来するガスは、より詳細には、ベース材料から発生するガスだけでなく、ベース材料に不純物として含まれ得る成分(例えば、樹脂合成時の重合剤、触媒残渣)、並びにベース材料と成形用組成物に含まれ得る他の材料(例えば、硬化剤、無機充填剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、難燃剤)との相互作用に由来するガスであってもよい。ここでいうガスは、例えば、ベース材料を含む成形用組成物を加熱成形する過程で上記成分が分解して発生するガスであってもよく、成形体の形態において、経時的に空気接触等により上記成分が分解して発生するガスであってもよい。このため、本実施形態の成形用組成物を用いて成形すると、発生ガスによる精度の低下を抑制できること、ボイド等による強度の低下を抑制できること、クリーン度等の環境劣化を抑制できること、成形加工時における金型腐食を抑制できること等の利点が得られる。その結果、成形用組成物は、成形体の品質を向上したり、金型メンテナンス等の頻度低減によるコスト低減を図れたりできる。なお、成形用組成物から発生するガスは、そのガスを分析してその種類を特定すると共に、そのガスの発生原因となるベース材料やその他の成形用組成物に含まれ得る成分の種類、及びそのガスが発生する条件などを総合的に考慮して、ベース材料に由来するガスか否かを判別することができる。
【0017】
なお、本実施形態において、多孔性配位高分子のイオン半径は、ディプロマプログラム化学資料集、Shannon et al., Acta A 32 (1976) 751.、http://pmsl.planet.sci.kobe-u.ac.jp/~seto/?page_id=51&lang=jaなどに記載された内容に準拠して分類される。
【0018】
(多孔性配位高分子)
多孔性配位高分子は、金属イオン及び有機配位子を含有する。多孔性配位高分子は、例えば、金属イオンが有機配位子に吸着した形態を有している。有機配位子は、例えば、金属イオンと結合可能な有機配位子である。多孔性配位高分子は、MOF(Metal-Organic Framework)又はPCP(Porous Coordination Polymer)ともいう。
多孔性配位高分子は、例えば、マクロ孔又はメソ孔領域の細孔を多数有し、細孔径(細孔の直径)が結晶構造に由来して決定されるために均一な細孔径を有する。多孔性配位高分子は、有機配位子の長さ、化学構造による親和性を制御することにより、ベース材料からの発生ガスの保持力を高くするとともに、細密充填化することができる。同様の観点から、多孔性配位高分子の平均細孔径は、発生ガスの分子径以上であることが好ましく、多孔性配位高分子のBET法による比表面積は、400m2/g以上であることが好ましい。なお、多孔性配位高分子の平均細孔径は、BET法によるガス吸着等温線から求められる。
【0019】
(金属イオン)
ベース材料に由来するガスの外部への発生を抑制できる観点から、前記ガスの酸解離定数が16.0以下の場合、多孔性配位高分子の金属イオンの半径は62×10-12m以下である。また、ベース材料に由来するガスの酸解離定数が17.0以下の場合、多孔性配位高分子の金属イオンの半径は68×10-12m以上である。
金属イオン半径が62×10-12m以下の金属イオンとしては、Al(III)、Be(II)、Cr(III)、Fe(III)、Fe(II)、Ga(III)、Ti(IV)などが挙げられる。
一方、金属イオンの半径が68×10-12m以上の金属イオンとしては、Ag(I)、Be(II)、Ca(II)、Cd(II)、Ce(III)、Co(III)、Co(II)、Cu(II)、Cu(I)、Dy(III)、Er(III)、Eu(III)、Ga(III)、Gd(III)、Ho(III)、In(III)、Li(I)、Mg(II)、Mn(III)、Mo(III)、Nd(III)、Ni(II)、Sc(III)、Sm(III)、Sn(II)、Tb(III)、Tm(III)、V(III)、W(IV)、Y(III)、Yb(III)、Zn(II)、Pd(II)、Au(I)、Tl(I)、Hg(I)、Pt(I)、Zr(IV)などが挙げられる。
【0020】
(有機配位子)
有機配位子は、金属イオンに架橋可能な架橋配位子であることが好ましい。架橋配位子としては、例えば、2-メチルイミダゾール、テレフタル酸、2,5-ジヒドロキシテレフタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸、4,4′-ビフェニルジカルボン酸、4,4″-p-テルフェニルジカルボン酸、イソフタル酸、1,3,5-ベンゼントリカルボキシル酸、1,3,5-トリ-4-カルボキシルフェニルベンゼン、メチルイミダゾール、4,4′-ビフェニルジカルボキシ酸、フマル酸、ナフタレンジカルボン酸、ヘキサアザトリフェニレン、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、5-シアノ-ベンゼンジカルボン酸、5-エチル-1,3ベンゾジカルボン酸、テレフェニル-3,3′,5,5′-テトラカルボン酸、9,10-アントラセンジカルボン酸、イミダゾール、2,2′-ジアミノ-4,4′-スチルベンジカルボン酸、2,2′-ジニトロ-スチルベンジカルボン酸、2,5-ジヒドロキシテレフタル酸、3,3′,5,5′-テトラカルボキシジフェニルメタン、1,2,4,5-テトラキス(4-カルボキシフェニル)ベンゼン、4,4′,4″-s-トリアジン-2,4,6トレイル-三安息香酸、2-ヒドロキシテレフタル酸、ビフェニル-3,3′,5,5′-テトラカルボン酸、ビフェニル-3,4,5-トリカルボン酸、5-ブロモイソフタル酸、マロン酸、5-シアノ-ベンゼンジカルボン酸、5-エチル-1,3ベンゾジカルボン酸、テレフェニル-3,3″,5,5″テトラカルボン酸、9,10-アントラセンジカルボン酸、イミダゾール、2,2′-ジアミノ-4,4-スチルベンジカルボン酸、2,2′-ジニトロ-スチルベンジカルボン酸、2,5-ジヒドロキシテレフタル酸、3,3′,5,5′テトラカルボキシジフェニルメタン、1,2,4,5-テトラキス(4-カルボキシフェニル)ベンゼン、4,4′,4″-s-トリアジン-2,4,6トレイル-三安息香酸、2-ヒドロキシテレフタル酸、ビフェニル-3,3′,5,5′-テトラカルボン酸、ビフェニル-3,4′,5′-トリカルボン酸、5-ブロモイソフタル酸、マロン酸等が挙げられる。
【0021】
成形体用組成物を製造する方法において、多孔性配位高分子の表面、細孔内に付着したり、存在したりしている残渣物質を除去してから、多孔性配位高分子をベース材料に複合させることが望ましい。残渣物質が存在すると、残渣物質によって細孔が狭められたり完全に塞がれたりして、発生ガスを多孔性配位高分子の細孔に注入しにくくなる虞がある。残渣物質を除去する方法としては、例えば溶媒で多孔性配位高分子を洗浄する方法等が挙げられる。洗浄に用いられる溶媒としては、例えば、水、メタノール、THF、及びDMFが挙げられ、溶媒は、水、及び/又はメタノールであることが好ましい。溶媒が水及び/又はメタノールであると、溶媒の分子径が小さいため、溶媒が多孔性配位高分子の細孔内に容易に入り込み、細孔内の残渣物質を容易に除去できる。また、残渣物質を洗浄する工程において、溶剤に多孔性配位高分子を長時間浸漬してもよい。浸漬時間は、12時間以上であることが好ましく、24時間以上であることがより好ましい。未反応物質又は不純物を除去する方法としては、加熱処理によって残渣物質を脱離させる方法が挙げられる。未反応物質又は不純物が有機物であり、有機物を除去したい場合は、空気中又は酸素雰囲気中で加熱処理を行うことが好ましい。未反応物質又は不純物が揮発性物質であり、揮発性物質を除去したい場合は、真空加熱処理を行うことが好ましい。加熱温度は100~300℃であることが好ましい。溶剤による洗浄を行った後、加熱処理を行って溶剤を完全に除去する方法が好ましい。
【0022】
(ベース材料)
ベース材料は、プラスチック樹脂、ゴム類、及びシーリング材からなる群より選択される1種以上である。また、必要に応じて、無機充填剤、可塑剤、耐候性付与添加剤などを添加しても良く、前記ベース材料に対して一般的に配合される添加剤であれば特に限定されなく、使用可能である。ベース材料に由来されるガスは、これら配合材料から発生する。
ガスの酸解離定数は、酸の一般式を HA、溶媒を Hsol とすると、解離平衡反応は次のようになる。
【数1】
このとき、酸解離定数 Ka は、溶媒の濃度 [Hsol] を定数内に含めた形で次のように表せる。
【数2】
http://www.fm.ehcc.kyoto-u.ac.jp/pKa_compilation_Williams_RipinEvans.pdf
上記の文献集および中和滴定や吸光光度計法、キャピラリー電気泳動法により実験的に求めた。酸解離定数は一般的に-10から40の範囲の値をとる場合が多い。
また、解離基が存在しない物質の酸解離定数については30.0と設定した。
【0023】
(プラスチック樹脂)
プラスチック樹脂は、1種類又は2種類以上の樹脂を含む。樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、EVA樹脂、芳香族ポリアミド樹脂及びポリアミド66のようなポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、及び熱可塑性ポリウレタン樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂、カゼイン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリウレア樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、キシレン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びエピスルフィド樹脂が挙げられる。これらの中でも、ベース材料由来のガスを更に低減させる観点から、芳香族ポリアミド樹脂及びポリアミド66のようなポリアミド樹脂及びポリフェニレンスルファイド樹脂が好ましく、芳香族ポリアミド樹脂及びポリフェニレンスルファイド樹脂がより好ましい。
【0024】
(ゴム類)
ゴム類としては、人工ゴム、天然ゴム等が挙げられる。人工ゴムとしては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン-ブタジエンのランダム共重合体及びブロック共重合体、ブロック共重合体の水素添加物、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ブタジエン-イソプレン共重合体等のジエン系ゴム、エチレン-プロピレンのランダム共重合体及びブロック共重合体、エチレン-ブテンのランダム共重合体及びブロック共重合体、エチレンとα-オレフィンとの共重合体、エチレン-アクリル酸、エチレン-メタクリル酸等のエチレン-不飽和カルボン酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル、エチレン-メタクリル酸エステル等のエチレン-不飽和カルボン酸エステル共重合体、不飽和カルボン酸の一部が金属塩である、エチレン-アクリル酸-アクリル酸金属塩、エチレン-メタクリル酸-メタクリル酸金属塩等のエチレン-不飽和カルボン酸-不飽和カルボン酸金属塩共重合体、アクリル酸エステル-ブタジエン共重合体ブチルアクリレート-ブタジエン共重合体等のアクリル系弾性重合体、エチレン-酢酸ビニルなどのエチレンと脂肪酸ビニルとの共重合体、エチレン-プロピレン-エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン-プロピレン-ヘキサジエン共重合体等のエチレン-プロピレン非共役ジエン3元共重合体、ブチレン-イソプレン共重合体、塩素化ポリエチレン及びそれらの変性物等が挙げられる。これらのゴム類は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0025】
(シリコーン材)
シーリング材としては、例えば、シリコーン系シーリング材、変成シリコーン系シーリング材、ポリウレタン系シーリング材(例えば、アクリルウレンタン系シーリング材)、シリル化アクリレート系シーリング材、ポリサルファイド系シーリング材、ポリイソブチレン系シーリング材等が挙げられる。これらのシーリング材は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0026】
(無機充填材)
成形用組成物は、機械的物性が向上する観点から、無機充填材を含有してもよい。無機充填材としては、公知の無機充填材が用いられ、例えば、粒子状無機充填材、繊維状無機充填材、及び鱗片状又は板状無機充填材が挙げられる。粒子状無機充填材としては、例えば、ミクロンサイズを有する粒子状無機充填材であっても、ナノサイズを有する粒子状無機充填材であってもよい。ミクロンサイズを有する粒子状無機充填材としては、例えば、炭酸カルシウム粒子、シリカ粒子、ガラスビーズ、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、チタン酸カリウム粒子、チタニア粒子、単斜晶系チタニア粒子、リン酸カルシウム粒子、ワラストナイト、バーミキュライト、シラスバルーン、ガラスバルーン等が挙げられる。ナノサイズを有する粒子状無機充填材としては、例えば、ナノ酸化チタン、ナノシリカ、カーボンブラック、カーボンフィラー等が挙げられる。無機充填材は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、粒子状無機充填材は、機能徐放性液体(特に小動物防除剤)の徐放性に一層優れる観点から、チタン酸カリウム粒子であることが好ましい。繊維状無機充填材は、成形体の外観に悪影響を与えない観点から、0.05~10μmの平均繊維径、及び3~150μmの平均繊維長を有する繊維状無機充填材であることが好ましく、0.1~7μmの平均繊維径、及び5~50μmの平均繊維長を有する繊維状無機充填材であることがより好ましい。繊維状無機充填材としては、例えば、ミクロンサイズを有する繊維状無機充填材であってもよく、ナノサイズを有する繊維状無機充填材であってもよい。ミクロンサイズを有する繊維状無機充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、石墨繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、木綿、麻繊維、ケナフ繊維、竹繊維、レーヨン、スチール繊維、アルミニウム繊維、石膏繊維、4チタン酸カリウム繊維、6チタン酸カリウム繊維、8チタン酸カリウム繊維、チタニア繊維、単斜晶系チタニア繊維、シリカ繊維、ワラストナイト、ゾノトライト等が挙げられる。ナノサイズを有する繊維状無機充填材としては、例えば、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレン、コットンフィブリル、窒化珪素ウイスカー、アルミナウイスカー、炭化珪素ウイスカー、ニッケルウイスカー等が挙げられる。これらの繊維状無機充填材は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。鱗片状又は板状無機充填材としては、例えば、ミクロンサイズを有する鱗片上又は板状無機充填材であっても、ナノサイズを有する鱗片状又は板状無機充填材であってもよい。ミクロンサイズを有する鱗片状又は板状無機充填材としては、例えば、タルク、カオリンクレイ、マイカ(合成マイカ又は天然マイカ)、ガラスフレーク、アラゴナイト、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、チタン酸カリウムリチウム、チタン酸カリウムマグネシウム、セリサイト、板状アルミナ、窒化ホウ素等が挙げられる。ナノサイズを有する鱗片状又は板状無機充填材としては、例えば、有機化モンモリロナイト、膨潤性合成マイカ、黒鉛、グラファイト等が挙げられる。鱗片状無機充填材は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。無機充填材は、そのまま用いてもよく、樹脂との界面接着性を向上させたり、機械的物性を一層向上させたりする観点から、アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン等のシランカップリング剤又はチタネートカップリング剤等の表面処理剤で表面処理した形態で用いてもよい。
【0027】
(可塑剤)
成形用組成物は、成形体の加工性及び柔軟性を一層向上させる観点から、可塑剤を含有してもよい。可塑剤としては、例えば、カルボン酸エステル誘導体、リン酸エステル誘導体、ホスファゼン誘導体、カルボン酸アミド誘導体、スルホン酸エステル誘導体、及びスルホンアミド誘導体が挙げられる。可塑剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0028】
カルボン酸エステル誘導体としては、例えば、水酸基、ニトロ基、アミノ基、エポキシ基、ハロゲン等で置換されてもよい各種カルボン酸のアルキルエステル、及び芳香族エステルが挙げられる。カルボン酸エステル誘導体の具体例としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジ-n-オクチルフタレート、ジフェニルフタレート、ベンジルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、4,5-エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)、4,5-エポキシシクロヘキサヒドロフタル酸ジ(7,8-エポキシ-2-オクテニル)、4,5-エポキシシクロヘキサヒドロフタル酸ジ(9,10-エポキシオクタデシル)、4,5-エポキシシクロヘキサヒドロフタル酸ジ(10,11-エポキシウンデシル)、フタル酸ジ(テトラヒドロフルフリロキシエチル)、各種フタル酸混合エステル及びフタル酸混合エステルのエチレンオキシド付加物等のフタル酸エステル誘導体、イソフタル酸エステル誘導体、テトラヒドロフタル酸エステル誘導体、パラヒドロキシ安息香酸ブトキシエチル、パラヒドロキシ安息香酸シクロヘキシロキシエトキシエトキシエチル、パラヒドロキシ安息香酸2-エチルヘキシル、ω-アルキルオリゴエチレンオキシドのヒドロキシ安息香酸エステル、ウンデシルグリシジルエーテルのパラヒドロキシ安息香酸付加物等の安息香酸エステル誘導体、チオジプロピオン酸ジ(テトラヒドロフルフリロキシエチル)等のプロピオン酸エステル誘導体、アジピン酸エステル誘導体、アゼライン酸エステル誘導体、セバシン酸エステル誘導体、ドデカン-2-酸エステル誘導体、マレイン酸エステル誘導体、フマル酸エステル誘導体、トリメット酸エステル誘導体、クエン酸トリ(ブトキシエトキシエチル)、クエン酸ジ-n-オクチル-モノ(ノニルフェノキシエチル)、クエン酸トリ-n-オクチル、クエン酸ジオクチル(テトラヒドロフルフリロキシエチル)、クエン酸トリミリスチル、トリエチルシトレート等のクエン酸エステル誘導体、イタコン酸エステル誘導体、オレイン酸テトラヒドロフルフリル等のオレイン酸エステル誘導体、リシノール酸エステル誘導体、乳酸(n-ブチル)、乳酸(2-エチルヘキシル)、乳酸(n-ブトキシエトキシエチル)、乳酸(n-オクトキシエトキシエチル)、乳酸(n-デシルオキシエトキシエチル)等の乳酸エステル誘導体、酒石酸ジ(オクトキシエトキシエチル)、酒石酸(n-オクチル)(ノニルフェノキシエチル)、酒石酸ジ(オクトキシエトキシエチル)等の酒石酸エステル誘導体、リンゴ酸ジブトキシエチル、リンゴ酸ジ(n-ブトキシエトキシエチル)、リンゴ酸ジステアリル、リンゴ酸オクタデセニルイソノニル等のリンゴ酸エステル誘導体、ベンジルグリシジルエーテルのサリチル酸付加物等のサリチル酸エステル誘導体が挙げられる。
【0029】
リン酸エステル誘導体としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ-(2-エチルヘキシル)ホスフェート、2-エチルヘキシル・ジフェニル・ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、イソデシル・ジフェニル・ホスフェート、トリクレジル・ホスフェート、トリキシレニル・ホスフェート、トリ(クロロエチル)ホ
スフェート、キシレニル・ジフェニルホスフェート、及びテトラキス(2,4-ジ第三ブチルフェニル)4,4′-ビフェニレンジホスフォネートが挙げられる。
【0030】
ホスファゼン誘導体としては、例えば、下記一般式(1)で表される環状ホスファゼン化合物が挙げられる。
【化1】
式中、mは3~25の整数を示し、R1、及びR2は互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1~8のアルキル基、あるいは炭素数1~8のアルキル基及び/又はアリル基で置換されていてもよいフェニル基を示す。ホスファゼン誘導体は、式(1)で表される直鎖状ホスファゼン化合物の1種類で構成されてもよく、2種類以上の混合物の形態で構成されていてもよい。
【0031】
ホスファゼン誘導体としては、例えば、下記一般式(2)で表される直鎖状ホスファゼン化合物も挙げられる。
【化2】
式中、nは3~1000の整数を示し、R3、及びR4は互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1~8のアルキル基、あるいは、炭素数1~8のアルキル基及び/又はアリル基で置換されていてもよいフェニル基を示し、Xは、基-N=P(OR
3)
3、基-N=P(OR
4)
3、基-N=P(O)(OR
3)又は基-N=P(O)(OR
4)を示し、Yは、基-P(OR
3)
4、基-P(OR
4)
4、基-P(O)(OR
3)
2又は基-P(O)(OR
4)
2を示す。ホスファゼン誘導体は、式(2)で表される直鎖状ホスファゼン化合物の1種類で構成されてもよく、2種類以上の混合物の形態で構成されていてもよい。
【0032】
ホスファゼン誘導体としては、下記式(3)で表される架橋基により、式(1)又は式(2)中のR
1、R
2、R
3、R
4からアルキル基等が脱離し、2つの酸素原子間が架橋されたホスファゼン化合物であってもよい。
【化3】
式中、rは、0又は1を示し、Aは2価の基である-SO
2-、-S-、-O-又は-C(CH3)2-を示す。
【0033】
式(1)で表わされる環状ホスファゼン化合物の具体例としては、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン、オクタフェノキシシクロテトラホスファゼン、デカフェノキシシクロペンタホスファゼン、ヘキサプロポキシシクロトリホスファゼン、オクタプロポキシキシシクロテトラホスファゼン、及びデカプロポキシシクロペンタホスファゼンが挙げられる。また、式(2)で表わされる直鎖状ホスファゼン化合物の具体例としては、鎖状ジクロルホスファゼンにプロポキシ基及び/又はフェノキシ基を置換した鎖状ホスファゼン化合物が挙げられる。式(3)で表される架橋構造の具体例としては、4,4′-スルホニルジフェニレン(ビスフェノール-S残基)、4,4′-オキシジフェニレン基、4,4′-チオジフェニレン基、及び4,4′-ジフェニレン基が挙げられる。これらのホスファゼン誘導体は、任意の位置にアミノ基及び/又はフェニルアミノ基が置換したものであってもよい。これらのホスファゼン誘導体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0034】
カルボン酸アミド誘導体としては、例えば、N-シクロヘキシル安息香酸アミド等を例示できる。また、スルホンアミド誘導体としては、N-メチル-ベンゼンスルホンアミド、N-エチル-ベンゼンスルホンアミド、N-ブチル-ベンゼンスルホンアミド、N-シクロヘキシル-ベンゼンスルホンアミド、N-エチル-P-トルエンスルホンアミド、N-ブチル-トルエンスルホンアミド、N-シクロヘキシル-トルエンスルホンアミドが挙げられる。
【0035】
スルホン酸エステル誘導体としては、例えば、ベンゼンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸2-メトキシエチル、メタンスルホン酸2,2,2-トリフルオロエチル、p-トルエンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホン酸エチル、p-トルエンスルホン酸n-プロピル等が挙げられる。
【0036】
スルホン酸アミド誘導体としては、例えば、N-メチルメタンスルホン酸アミド、p-トルエンスルホン酸アミド、p-アミノベンゼンスルホンアミド、o-アミノベンゼンスルホンアミド、m-アミノベンゼンスルホンアミド、アニリン-4-スルホン酸アミド、1-アミノベンゼン-4-スルホン酸アミド、1-アミノベンゼン-4-スルホンアミド、4-アミノベンゼンスルホン酸アミド、p-スルファニル酸アミド等が挙げられる。
【0037】
(耐候性付与添加剤)
成形用組成物は、屋外放置における耐候性を一層向上させる観点から、耐候性付与添加剤を含有してもよい。耐候性付与添加剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤のような酸化防止剤、紫外線吸収性光安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤、及びカーボンからなる群より選択される1種が挙げられる。
【0038】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)]、ビス-[3,3-ビス-(4′-ハイドロキシ-3′-tert-ブチルフェニル)-ブタノイックアシッド]-グリコールエステル、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,3′,3″,5,5′,5″-ヘキサ-tert-ブチル-a,a′,a″-(メチレン-2,4,6-トリイル)トリ-p-クレゾール、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、及びメチレン-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートが挙げられる。
【0039】
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスファイト、トリス[2-[[2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン-6-イル]オキシ]エチル]アミン、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)[1,1-ビフェニル]-4,4′-ジイルビスホスフォナイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-フェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、及びビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリストールジフォスファイトが挙げられる。
【0040】
紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ペンチルフェノール、プロパンジオックアシッド,及び[(4-メトキシフェニル)-メチレン]-ジメチルエステルが挙げられる。
【0041】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、N,N′,N″,N′′′-テトラキス-(4,6-ビス-(ブチル-(Nメチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)-トリアジン-2-イル)-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、ポリ[(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン((2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ))、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、2,2,4,4-テトラメチル-7-オキサ-3,20-ジアザ-ジスピロ-[5.1.11.2]-ヘンエイコサン-21-オン、プロパン二酸,[(4-メトキシフェニル)-メチレン]-,ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)エステル、1,3-ベンゼンジカルボキシアミド、N,N-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)、及び2-エチル,2′-エトキシ-オキサラニリドが挙げられる。
【0042】
耐候性付与添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、耐候性付与添加剤は、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)]、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)[1,1-ビフェニル]-4,4′-ジイルビスホスフォナイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-エチル,2′-エトキシ-オキサラニリド、N,N′,N″,N′′′-テトラキス-(4,6-ビス-(ブチル-(Nメチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)-トリアジン-2-イル)-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、ポリ[(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン((2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ))、1,3-ベンゼンジカルボキシアミド、及びN,N′-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)からなる群より選択される1種以上が挙げられる。
【0043】
また、ベース材料由来のガスの外部への発生を更に抑制する観点から、下記式(4)で表される酸化防止剤及び下記式(5)で表される酸化防止剤からなる群より選択される1種以上の酸化防止剤を含むことも可能である。このようなヒンダードフェノール系酸化防止剤を成形用組成物に添加すると、成形用組成物の成形時の加熱によるベース材料又は多孔性配位高分子の酸化及びそれに続く分解が一層抑制され、ベース材料由来のガスの外部への発生をより低減させることができる。なお、本明細書中、式(4)、(6)、(7)及び(9)において、結合末端に特に記号がない基は、メチル基を示す。例えば、下記式(4)においては、結合末端に記号がない3つの基がベンゼン環に結合しているが、それらはいずれもメチル基である。
【化4】
【化5】
ここで、式(4)及び(5)中、Rはそれぞれ独立にヒンダードフェノール基を示す。
【0044】
本実施形態の成形用組成物において、ベース材料由来のガスの外部への発生を更に抑制する観点から、Rは3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル基又は4-tert-ブチル-3-ヒロドキシ-2,6-ジメチルフェニル基であることが好ましい。同様の観点から、酸化防止剤は、1,3,5-トリス[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオン、1,3,5-トリス[(4-tert-ブチル-3-ヒロドキシ-2,6-ジメチルフェニル)メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオン、及び4-[[3,5-ビス[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-2,4,6-トリメチル-フェニル]メチル]-2,6-ジ-tert-ブチル-フェノールからなる群より選択されることがより好ましい。さらに同様の観点から、酸化防止剤は、下記式(6)で表される酸化防止剤及び下記式(7)で表される酸化防止剤のうちの少なくとも一方であることが特に好ましい。また、同様の観点から、酸化防止剤として、上記の好ましい酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを併用することも好ましい。
【化6】
【化7】
【0045】
本実施形態の成形用組成物において、成形用組成物の成形時の加熱による酸化防止剤自身の分解を抑制し、ベース材料由来のガスの外部への発生を更に抑制する観点から、酸化防止剤の融点は、150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、220℃以上が更に好ましい。
【0046】
本実施形態の成形用組成物が上記の酸化防止剤を含まない場合、成形用組成物中のベース材料と多孔性配位高分子との合計の含有量は、成形用組成物100質量%に対して、60質量%以上100質量%以下であることが好ましく、70質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。上記の合計の含有量が上述の範囲内にあることにより、ベース材料由来のガスの外部への発生をより抑制し、製品に要求される物性を成形用組成物に更に効果的に付与する
ことができる。
【0047】
製品に要求される物性を成形用組成物に更に付与する観点から、成形用組成物中のベース材料の含有量は、ベース材料と多孔性配位高分子との合計100質量%に対して、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
【0048】
ベース材料由来のガスの外部への発生を更に抑制する観点から、多孔性配位高分子の含有量は、ベース材料と多孔性配位高分子との合計100質量%に対して、0.01~15質量%であることが好ましく、0.1~10質量%であることがより好ましく、0.5~5質量%であることが更に好ましい。
【0049】
成形用組成物が酸化防止剤以外の耐候性付与添加剤を含む場合、その耐候性付与添加剤の含有量は、成形用組成物100質量%に対して、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。上記の含有量が上述の範囲内にあることにより、ベース材料由来のガスの外部への発生をより抑制し、製品に要求される物性を成形用組成物に更に効果的に付与することができる。
【0050】
成形用組成物は、無機充填剤、可塑剤、難燃剤のような他の任意の成分を、本発明の課題の解決を阻害しない量含んでいてもよい。例えば、成形用組成物中の他の任意の成分の含有量は、ベース材料と多孔性配位高分子と酸化防止剤以外の耐候性付与添加剤との合計100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることが更に好ましい。
【0051】
本実施形態の成形用組成物が上記の酸化防止剤を含む場合、成形用組成物中のベース材料と多孔性配位高分子と酸化防止剤との合計の含有量は、成形用組成物100質量%に対して、60質量%以上100質量%以下であることが好ましく、70質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。上記の合計の含有量が上述の範囲内にあることにより、ベース材料由来のガスの外部への発生をより抑制し、製品に要求される物性を成形用組成物に更に効果的に付与することができる。
【0052】
製品に要求される物性を成形用組成物に更に付与する観点から、成形用組成物中のベース材料の含有量は、ベース材料と多孔性配位高分子と酸化防止剤との合計100質量%に対して、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
【0053】
ベース材料由来のガスの外部への発生を更に抑制する観点から、多孔性配位高分子の含有量は、ベース材料と多孔性配位高分子と酸化防止剤との合計100質量%に対して、0.01~15質量%であることが好ましく、0.1~10質量%であることがより好ましく、0.5~5質量%であることが更に好ましい。
【0054】
同様の観点から、酸化防止剤の含有量は、ベース材料と多孔性配位高分子と酸化防止剤との合計100質量%に対して、0.01~10質量%であることが好ましく、0.05~5質量%であることがより好ましく、0.1~3質量%であることが更に好ましい。
【0055】
成形用組成物が酸化防止剤以外の耐候性付与添加剤を含む場合、その耐候性付与添加剤の含有量は、成形用組成物100質量%に対して、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。上記の含有量が上述の範囲内にあることにより、ベース材料由来のガスの外部への発生をより抑制し、製品に要求される物性を成形用組成物に更に効果的に付与することができる。
【0056】
成形用組成物は、無機充填剤、可塑剤、難燃剤のような他の任意の成分を、本発明の課題の解決を阻害しない量含んでいてもよい。例えば、成形用組成物中の他の任意の成分の含有量は、ベース材料と多孔性配位高分子と酸化防止剤と酸化防止剤以外の耐候性付与添加剤との合計100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることが更に好ましい。
【0057】
(用途)
成形用組成物は、所定形状を有する成形体に加工して利用するだけでなく、そのままの状態で、例えば塗料、シーリング剤、クッション材又は詰め物として利用することもできる。成形用組成物は、例えば、適宜のプラスチック樹脂を選択し、かつ多孔性配位高分子の添加量及び充填剤、可塑剤等の添加量を適宜調整することにより、流動性、半流動性又はゴム状弾性を有する成形体を製造できる。このため、本発明には、本実施形態の成形用組成物から成形された成形体も含む。流動性を有するものは、例えば塗料として利用でき、半流動性を有するものは、例えばシーリング剤として利用できる。また、ゴム状弾性を有するものは、例えばクッション材や詰め物として利用できる。なお、成形用組成物を塗料、シーリング剤、クッション材又は詰め物として利用する場合には、必要に応じてマトリックス樹脂中に着色剤や顔料等の色材を添加することができる。成形用組成物の成形加工に際しては、例えば射出成形、圧縮成形、トランスファー成形、押出成形、ブロー成形、カレンダー成形、FRP成形、積層成形、注型成形、溶液流延法、真空・圧空成形、押出複合成形、発泡成形、熱成形、インサート成形、溶融含浸法等の公知に属する適宜の成形法を適用することができる。また、製品である成形体の形状に関しては特に制限があるものではなく、平板状、棒状、円筒状、櫛形、球状等、あらゆる形状とすることができる。また、成形用組成物を単体で成形するほか、金属等と組み合わせた二色乃至多色の成形を行うこともできる。
【0058】
本発明の別の実施形態は、プラスチック樹脂、ゴム類、及びシーリング材からなる群より選択される1種以上のベース材料に、金属イオン及び有機配位子を含有する多孔性配位高分子を配合することにより、前記ベース材料に由来するガスの発生を抑制する方法であって、前記多孔性配位高分子及び前記ベース材料が、それぞれ下記条件(A)又は(B)を満たす方法である。
(A) 前記ベース材料に由来するガスの酸解離定数が16.6以下の場合、前記多孔性配位高分子の金属イオンの半径が62×10-12m以下である。
(B) 前記ベース材料に由来するガスの酸解離定数が17.0以下の場合、前記多孔性配位高分子の金属イオンの半径が68×10-12m以上である。
【0059】
以下に実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されない。
【0060】
[実施例1]
金属イオンとしてチタンイオン(酸化数4、イオン半径42pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「MIL-125(Ti)」)を用いた。0.5gの多孔性配位高分子と50gの芳香族ポリアミド樹脂(三井化学株式会社製品の「RA230NK」)とを、320℃にてラボプラストミル装置にてコンパウンド加工及び混合し、成形用組成物を作製した。
作製した成形用組成物を加熱プレス機にて320℃、10MPaの加熱条件にて成形し、厚さ1.0mmのプレート上の成形体を作製した。
【0061】
[実施例2]
MIL-125(Ti)に代えて、アルミニウムイオン(酸化数3、イオン半径54pm)、有機配位子としてフマル酸から構成される多孔性配位高分子(「Al-PCP-F」)を用いた以外は実施例1と同様にして成形体を作製した。
【0062】
[実施例3]
MIL-125(Ti)に代えて、鉄イオン(酸化数3、イオン半径55pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Fe-BTC」)を用いた以外は実施例1と同様にして成形体を作製した。
【0063】
[実施例4]
MIL-125(Ti)に代えて、クロムイオン(酸化数3、イオン半径63pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例1と同様にして成形体を作製した。
【0064】
[実施例5]
MIL-125(Ti)に代えて、ニッケルイオン(酸化数2、イオン半径68pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例1と同様にして成形体を作製した。
【0065】
[実施例6]
MIL-125(Ti)に代えて、ジルコニウムイオン(酸化数4、イオン半径72pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Uio-66)」)を用いた以外は実施例1と同様にして成形体を作製した。
【0066】
[実施例7]
MIL-125(Ti)に代えて、銅イオン(酸化数2、イオン半径73pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Cu-BTC」)を用いた以外は実施例1と同様にして成形体を作製した。
【0067】
[実施例8]
MIL-125(Ti)に代えて、亜鉛イオン(酸化数2、イオン半径74pm)、有機配位子として2-イミダゾールから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例1と同様にして成形体を作製した。
【0068】
[実施例9]
MIL-125(Ti)に代えて、プラチナイオン(酸化数2、イオン半径80pm)、有機配位子として4,4′-ビピリジンとエチレンアミンから構成される多孔性配位高分子(「Pt-PCP」)を用いた以外は実施例1と同様にして成形体を作製した。
【0069】
[実施例10]
MIL-125(Ti)に代えて、ランタンイオン(酸化数3、イオン半径103pm)、有機配位子として1、3、5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼンから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例1と同様にして成形体を作製した。
【0070】
[実施例11]
MIL-125(Ti)に代えて銀イオン(酸化数1、イオン半径115pm)、有機配位子としてジ-p-キシリレンから構成される多孔性配位高分子(「Ag-PCP」)を用いた以外は実施例1と同様にして成形体を作製した。
【0071】
[実施例12]
金属イオンとしてチタンイオン(酸化数4、イオン半径42pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「MIL-125(Ti)」)を用いた。0.5gの多孔性配位高分子と50gのポリアミド6樹脂(東レ株式会社製品の「CM1007」)とを280℃にてラボプラストミル装置にてコンパウンド加工及び混合し、成形用組成物を作製した。
作製した成形用組成物を加熱プレス機にて280℃、10MPaの加熱条件にて成形し、厚さ1.0mmのプレート上の成形体を作製した。
【0072】
[実施例13]
MIL-125(Ti)に代えて、アルミニウムイオン(酸化数3、イオン半径54pm)、有機配位子としてフマル酸から構成される多孔性配位高分子(「Al-PCP-F」)を用いた以外は実施例12と同様にして成形体を作製した。
【0073】
[実施例14]
MIL-125(Ti)に代えて、鉄イオン(酸化数3、イオン半径55pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Fe-BTC」)を用いた以外は実施例12と同様にして成形体を作製した。
【0074】
[実施例15]
MIL-125(Ti)に代えて、クロムイオン(酸化数3、イオン半径63pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例12と同様にして成形体を作製した。
【0075】
[実施例16]
MIL-125(Ti)に代えて、ニッケルイオン(酸化数2、イオン半径68pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例1と同様にして成形体を作製した。
【0076】
[実施例17]
MIL-125(Ti)に代えて、ジルコニウムイオン(酸化数4、イオン半径72pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Uio-66)」)を用いた以外は実施例12と同様にして成形体を作製した。
【0077】
[実施例18]
MIL-125(Ti)に代えて、銅イオン(酸化数2、イオン半径73pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Cu-BTC」)を用いた以外は実施例12と同様にして成形体を作製した。
【0078】
[実施例19]
MIL-125(Ti)に代えて、亜鉛イオン(酸化数2、イオン半径74pm)、有機配位子として2-イミダゾールから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例12と同様にして成形体を作製した。
【0079】
[実施例20]
MIL-125(Ti)に代えて、プラチナイオン(酸化数2、イオン半径80pm)、有機配位子として4,4′-ビピリジンとエチレンアミンから構成される多孔性配位高分子(「Pt-PCP」)を用いた以外は実施例12と同様にして成形体を作製した。
【0080】
[実施例21]
MIL-125(Ti)に代えて、ランタンイオン(酸化数3、イオン半径103pm)、有機配位子として1、3、5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼンから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例12と同様にして成形体を作製した。
【0081】
[実施例22]
MIL-125(Ti)に代えて銀イオン(酸化数1、イオン半径115pm)、有機配位子としてジ-p-キシリレンから構成される多孔性配位高分子(「Ag-PCP」)を用いた以外は実施例12と同様にして成形体を作製した。
【0082】
[実施例23]
金属イオンとしてチタンイオン(酸化数4、イオン半径42pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「MIL-125(Ti)」)を用いた。0.5gの多孔性配位高分子と50gのポリフェニレンスルフィド樹脂(ポリプラスチック株式会社製品の「1140A6」)とを、300℃にてラボプラストミル装置にてコンパウンド加工及び混合し、成形用組成物を作製した。
作製した成形用組成物を加熱プレス機にて300℃、10MPaの加熱条件にて成形し、厚さ1.0mmのプレート上の成形体を作製した。
【0083】
[実施例24]
MIL-125(Ti)に代えて、アルミニウムイオン(酸化数3、イオン半径54pm)、有機配位子としてフマル酸から構成される多孔性配位高分子(「Al-PCP-F」)を用いた以外は実施例23と同様にして成形体を作製した。
【0084】
[実施例25]
MIL-125(Ti)に代えて、鉄イオン(酸化数3、イオン半径55pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Fe-BTC」)を用いた以外は実施例23と同様にして成形体を作製した。
【0085】
[実施例26]
MIL-125(Ti)に代えて、クロムイオン(酸化数3、イオン半径63pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例23と同様にして成形体を作製した。
【0086】
[実施例27]
MIL-125(Ti)に代えて、ニッケルイオン(酸化数2、イオン半径68pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例23と同様にして成形体を作製した。
【0087】
[実施例28]
MIL-125(Ti)に代えて、ジルコニウムイオン(酸化数4、イオン半径72pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Uio-66)」)を用いた以外は実施例23と同様にして成形体を作製した。
【0088】
[実施例29]
MIL-125(Ti)に代えて、銅イオン(酸化数2、イオン半径73pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Cu-BTC」)を用いた以外は実施例23と同様にして成形体を作製した。
【0089】
[実施例30]
MIL-125(Ti)に代えて、亜鉛イオン(酸化数2、イオン半径74pm)、有機配位子として2-イミダゾールから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例23と同様にして成形体を作製した。
【0090】
[実施例31]
MIL-125(Ti)に代えて、プラチナイオン(酸化数2、イオン半径80pm)、有機配位子として4,4′-ビピリジンとエチレンアミンから構成される多孔性配位高分子(「Pt-PCP」)を用いた以外は実施例23と同様にして成形体を作製した。
【0091】
[実施例32]
MIL-125(Ti)に代えて、ランタンイオン(酸化数3、イオン半径103pm)、有機配位子として1、3、5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼンから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例23と同様にして成形体を作製した。
【0092】
[実施例33]
MIL-125(Ti)に代えて銀イオン(酸化数1、イオン半径115pm)、有機配位子としてジ-p-キシリレンから構成される多孔性配位高分子(「Ag-PCP」)を用いた以外は実施例23と同様にして成形体を作製した。
【0093】
[実施例34]
金属イオンとしてチタンイオン(酸化数4、イオン半径42pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「MIL-125(Ti)」)を用いた。0.5gの多孔性配位高分子と50gのABS樹脂(東レ株式会社製品の「700-314」)とを240℃にてコンパウンド加工及び混合し、成形用組成物を作製した。
作製した成形用組成物を加熱プレス機にて240℃、10MPaの加熱条件にて成形し、厚さ1.0mmのプレート上の成形体を作製した。
【0094】
[実施例35]
MIL-125(Ti)に代えて、アルミニウムイオン(酸化数3、イオン半径54pm)、有機配位子としてフマル酸から構成される多孔性配位高分子(「Al-PCP-F」)を用いた以外は実施例34と同様にして成形体を作製した。
【0095】
[実施例36]
MIL-125(Ti)に代えて、鉄イオン(酸化数3、イオン半径55pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Fe-BTC」)を用いた以外は実施例34と同様にして成形体を作製した。
【0096】
[実施例37]
MIL-125(Ti)に代えて、クロムイオン(酸化数3、イオン半径63pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例34と同様にして成形体を作製した。
【0097】
[実施例38]
MIL-125(Ti)に代えて、ニッケルイオン(酸化数2、イオン半径68pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例34と同様にして成形体を作製した。
【0098】
[実施例39]
MIL-125(Ti)に代えて、ジルコニウムイオン(酸化数4、イオン半径72pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Uio-66)」)を用いた以外は実施例34と同様にして成形体を作製した。
【0099】
[実施例40]
MIL-125(Ti)に代えて、銅イオン(酸化数2、イオン半径73pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Cu-BTC」)を用いた以外は実施例34と同様にして成形体を作製した。
【0100】
[実施例41]
MIL-125(Ti)に代えて、亜鉛イオン(酸化数2、イオン半径74pm)、有機配位子として2-イミダゾールから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例34と同様にして成形体を作製した。
【0101】
[実施例42]
MIL-125(Ti)に代えて、プラチナイオン(酸化数2、イオン半径80pm)、有機配位子として4,4′-ビピリジンとエチレンアミンから構成される多孔性配位高分子(「Pt-PCP」)を用いた以外は実施例34と同様にして成形体を作製した。
【0102】
[実施例43]
MIL-125(Ti)に代えて、ランタンイオン(酸化数3、イオン半径103pm)、有機配位子として1、3、5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼンから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例34と同様にして成形体を作製した。
【0103】
[実施例44]
MIL-125(Ti)に代えて銀イオン(酸化数1、イオン半径115pm)、有機配位子としてジ-p-キシリレンから構成される多孔性配位高分子(「Ag-PCP」)を用いた以外は実施例34と同様にして成形体を作製した。
【0104】
[実施例45]
金属イオンとしてチタンイオン(酸化数4、イオン半径42pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「MIL-125(Ti)」)を用いた。0.5gの多孔性配位高分子と50gのポリフェニレンオキシド樹脂(旭化成株式会社製品の「XYRON 100V」とを320℃にてコンパウンド加工及び混合し、成形用組成物を作製した。
作製した成形用組成物を加熱プレス機にて320℃、10MPaの加熱条件にて成形し、厚さ1.0mmのプレート上の成形体を作製した。
【0105】
[実施例46]
MIL-125(Ti)に代えて、アルミニウムイオン(酸化数3、イオン半径54pm)、有機配位子としてフマル酸から構成される多孔性配位高分子(「Al-PCP-F」)を用いた以外は実施例45と同様にして成形体を作製した。
【0106】
[実施例47]
MIL-125(Ti)に代えて、鉄イオン(酸化数3、イオン半径55pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Fe-BTC」)を用いた以外は実施例45と同様にして成形体を作製した。
【0107】
[実施例48]
MIL-125(Ti)に代えて、クロムイオン(酸化数3、イオン半径63pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例45と同様にして成形体を作製した。
【0108】
[実施例49]
MIL-125(Ti)に代えて、ニッケルイオン(酸化数2、イオン半径68pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例45と同様にして成形体を作製した。
【0109】
[実施例50]
MIL-125(Ti)に代えて、ジルコニウムイオン(酸化数4、イオン半径72pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Uio-66)」)を用いた以外は実施例45と同様にして成形体を作製した。
【0110】
[実施例51]
MIL-125(Ti)に代えて、銅イオン(酸化数2、イオン半径73pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Cu-BTC」)を用いた以外は実施例45と同様にして成形体を作製した。
【0111】
[実施例52]
MIL-125(Ti)に代えて、亜鉛イオン(酸化数2、イオン半径74pm)、有機配位子として2-イミダゾールから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例45と同様にして成形体を作製した。
【0112】
[実施例53]
MIL-125(Ti)に代えて、プラチナイオン(酸化数2、イオン半径80pm)、有機配位子として4,4′-ビピリジンとエチレンアミンから構成される多孔性配位高分子(「Pt-PCP」)を用いた以外は実施例45と同様にして成形体を作製した。
【0113】
[実施例54]
MIL-125(Ti)に代えて、ランタンイオン(酸化数3、イオン半径103pm)、有機配位子として1、3、5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼンから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例45と同様にして成形体を作製した。
【0114】
[実施例55]
MIL-125(Ti)に代えて銀イオン(酸化数1、イオン半径115pm)、有機配位子としてジ-p-キシリレンから構成される多孔性配位高分子(「Ag-PCP」)を用いた以外は実施例45と同様にして成形体を作製した。
【0115】
[実施例56]
金属イオンとしてチタンイオン(酸化数4、イオン半径42pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「MIL-125(Ti)」)を用いた。0.5gの多孔性配位高分子と50gのポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱ケミカル株式会社「5010-CR2」)とを120℃にてコンパウンド加工及び混合し、成形用組成物を作製した。
作製した成形用組成物を加熱プレス機にて120℃、10MPaの加熱条件にて成形し、厚さ1.0mmのプレート上の成形体を作製した。
【0116】
[実施例57]
MIL-125(Ti)に代えて、アルミニウムイオン(酸化数3、イオン半径54pm)、有機配位子としてフマル酸から構成される多孔性配位高分子(「Al-PCP-F」)を用いた以外は実施例56と同様にして成形体を作製した。
【0117】
[実施例58]
MIL-125(Ti)に代えて、鉄イオン(酸化数3、イオン半径55pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Fe-BTC」)を用いた以外は実施例56と同様にして成形体を作製した。
【0118】
[実施例59]
MIL-125(Ti)に代えて、クロムイオン(酸化数3、イオン半径63pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例56と同様にして成形体を作製した。
【0119】
[実施例60]
MIL-125(Ti)に代えて、ニッケルイオン(酸化数2、イオン半径68pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例56と同様にして成形体を作製した。
【0120】
[実施例61]
MIL-125(Ti)に代えて、ジルコニウムイオン(酸化数4、イオン半径72pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Uio-66)」)を用いた以外は実施例56と同様にして成形体を作製した。
【0121】
[実施例62]
MIL-125(Ti)に代えて、銅イオン(酸化数2、イオン半径73pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Cu-BTC」)を用いた以外は実施例56と同様にして成形体を作製した。
【0122】
[実施例63]
MIL-125(Ti)に代えて、亜鉛イオン(酸化数2、イオン半径74pm)、有機配位子として2-イミダゾールから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例56と同様にして成形体を作製した。
【0123】
[実施例64]
MIL-125(Ti)に代えて、プラチナイオン(酸化数2、イオン半径80pm)、有機配位子として4,4′-ビピリジンとエチレンアミンから構成される多孔性配位高分子(「Pt-PCP」)を用いた以外は実施例56と同様にして成形体を作製した。
【0124】
[実施例65]
MIL-125(Ti)に代えて、ランタンイオン(酸化数3、イオン半径103pm)、有機配位子として1、3、5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼンから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例56と同様にして成形体を作製した。
【0125】
[実施例66]
MIL-125(Ti)に代えて銀イオン(酸化数1、イオン半径115pm)、有機配位子としてジ-p-キシリレンから構成される多孔性配位高分子(「Ag-PCP」)を用いた以外は実施例56と同様にして成形体を作製した。
【0126】
[実施例67]
金属イオンとしてチタンイオン(酸化数4、イオン半径42pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「MIL-125(Ti)」)を用いた。0.5gの多孔性配位高分子と50gのポリ塩化ビニル樹脂(信越化学工業株式会社製品の「GR―800―T」とを200℃にてコンパウンド加工及び混合し、成形用組成物を作製した。
作製した成形用組成物を加熱プレス機にて200℃、10MPaの加熱条件にて成形し、厚さ1.0mmのプレート上の成形体を作製した。
【0127】
[実施例68]
MIL-125(Ti)に代えて、アルミニウムイオン(酸化数3、イオン半径54pm)、有機配位子としてフマル酸から構成される多孔性配位高分子(「Al-PCP-F」)を用いた以外は実施例67と同様にして成形体を作製した。
【0128】
[実施例69]
MIL-125(Ti)に代えて、鉄イオン(酸化数3、イオン半径55pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Fe-BTC」)を用いた以外は実施例67と同様にして成形体を作製した。
【0129】
[実施例70]
MIL-125(Ti)に代えて、クロムイオン(酸化数3、イオン半径63pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例67と同様にして成形体を作製した。
【0130】
[実施例71]
MIL-125(Ti)に代えて、ニッケルイオン(酸化数2、イオン半径68pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例67と同様にして成形体を作製した。
【0131】
[実施例72]
MIL-125(Ti)に代えて、ジルコニウムイオン(酸化数4、イオン半径72pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Uio-66)」)を用いた以外は実施例67と同様にして成形体を作製した。
【0132】
[実施例73]
MIL-125(Ti)に代えて、銅イオン(酸化数2、イオン半径73pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Cu-BTC」)を用いた以外は実施例67と同様にして成形体を作製した。
【0133】
[実施例74]
MIL-125(Ti)に代えて、亜鉛イオン(酸化数2、イオン半径74pm)、有機配位子として2-イミダゾールから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例67と同様にして成形体を作製した。
【0134】
[実施例75]
MIL-125(Ti)に代えて、プラチナイオン(酸化数2、イオン半径80pm)、有機配位子として4,4′-ビピリジンとエチレンアミンから構成される多孔性配位高分子(「Pt-PCP」)を用いた以外は実施例67と同様にして成形体を作製した。
【0135】
[実施例76]
MIL-125(Ti)に代えて、ランタンイオン(酸化数3、イオン半径103pm)、有機配位子として1、3、5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼンから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例67と同様にして成形体を作製した。
【0136】
[実施例77]
MIL-125(Ti)に代えて銀イオン(酸化数1、イオン半径115pm)、有機配位子としてジ-p-キシリレンから構成される多孔性配位高分子(「Ag-PCP」)を用いた以外は実施例67と同様にして成形体を作製した。
【0137】
[実施例78]
金属イオンとしてチタンイオン(酸化数4、イオン半径42pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「MIL-125(Ti)」)を用いた。0.5gの多孔性配位高分子と50gのPTFE樹脂(ダイキン工業株式会社製品の「M-12」)とを340℃にてコンパウンド加工及び混合し、成形用組成物を作製した。
作製した成形用組成物を加熱プレス機にて340℃、10MPaの加熱条件にて成形し、厚さ1.0mmのプレート上の成形体を作製した。
【0138】
[実施例79]
MIL-125(Ti)に代えて、アルミニウムイオン(酸化数3、イオン半径54pm)、有機配位子としてフマル酸から構成される多孔性配位高分子(「Al-PCP-F」)を用いた以外は実施例78と同様にして成形体を作製した。
【0139】
[実施例80
MIL-125(Ti)に代えて、鉄イオン(酸化数3、イオン半径55pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Fe-BTC」)を用いた以外は実施例78と同様にして成形体を作製した。
【0140】
[実施例81]
MIL-125(Ti)に代えて、クロムイオン(酸化数3、イオン半径63pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例78と同様にして成形体を作製した。
【0141】
[実施例82]
MIL-125(Ti)に代えて、ニッケルイオン(酸化数2、イオン半径68pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例78と同様にして成形体を作製した。
【0142】
[実施例83]
MIL-125(Ti)に代えて、ジルコニウムイオン(酸化数4、イオン半径72pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Uio-66)」)を用いた以外は実施例78と同様にして成形体を作製した。
【0143】
[実施例84]
MIL-125(Ti)に代えて、銅イオン(酸化数2、イオン半径73pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Cu-BTC」)を用いた以外は実施例78と同様にして成形体を作製した。
【0144】
[実施例85]
MIL-125(Ti)に代えて、亜鉛イオン(酸化数2、イオン半径74pm)、有機配位子として2-イミダゾールから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例78と同様にして成形体を作製した。
【0145】
[実施例86]
MIL-125(Ti)に代えて、プラチナイオン(酸化数2、イオン半径80pm)、有機配位子として4,4′-ビピリジンとエチレンアミンから構成される多孔性配位高分子(「Pt-PCP」)を用いた以外は実施例78と同様にして成形体を作製した。
【0146】
[実施例87]
MIL-125(Ti)に代えて、ランタンイオン(酸化数3、イオン半径103pm)、有機配位子として1、3、5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼンから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例78と同様にして成形体を作製した。
【0147】
[実施例88]
MIL-125(Ti)に代えて銀イオン(酸化数1、イオン半径115pm)、有機配位子としてジ-p-キシリレンから構成される多孔性配位高分子(「Ag-PCP」)を用いた以外は実施例78と同様にして成形体を作製した。
【0148】
[実施例89]
金属イオンとしてチタンイオン(酸化数4、イオン半径42pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「MIL-125(Ti)」)を用いた。0.5gの多孔性配位高分子と50gのポリカーボネイト樹脂(三菱化学株式会社製品の「S-3000」)とを300℃にてコンパウンド加工及び混合し、成形用組成物を作製した。
作製した成形用組成物を加熱プレス機にて300℃、10MPaの加熱条件にて成形し、厚さ1.0mmのプレート上の成形体を作製した。
【0149】
[実施例90]
MIL-125(Ti)に代えて、アルミニウムイオン(酸化数3、イオン半径54pm)、有機配位子としてフマル酸から構成される多孔性配位高分子(「Al-PCP-F」)を用いた以外は実施例89と同様にして成形体を作製した。
【0150】
[実施例91]
MIL-125(Ti)に代えて、鉄イオン(酸化数3、イオン半径55pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Fe-BTC」)を用いた以外は実施例89と同様にして成形体を作製した。
【0151】
[実施例92]
MIL-125(Ti)に代えて、クロムイオン(酸化数3、イオン半径63pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例89と同様にして成形体を作製した。
【0152】
[実施例93]
MIL-125(Ti)に代えて、ニッケルイオン(酸化数2、イオン半径68pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例89と同様にして成形体を作製した。
【0153】
[実施例94]
MIL-125(Ti)に代えて、ジルコニウムイオン(酸化数4、イオン半径72pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Uio-66)」)を用いた以外は実施例89と同様にして成形体を作製した。
【0154】
[実施例95]
MIL-125(Ti)に代えて、銅イオン(酸化数2、イオン半径73pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Cu-BTC」)を用いた以外は実施例89と同様にして成形体を作製した。
[実施例96]
【0155】
MIL-125(Ti)に代えて、亜鉛イオン(酸化数2、イオン半径74pm)、有機配位子として2-イミダゾールから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例89と同様にして成形体を作製した。
【0156】
[実施例97]
MIL-125(Ti)に代えて、プラチナイオン(酸化数2、イオン半径80pm)、有機配位子として4,4′-ビピリジンとエチレンアミンから構成される多孔性配位高分子(「Pt-PCP」)を用いた以外は実施例89と同様にして成形体を作製した。
【0157】
[実施例98]
MIL-125(Ti)に代えて、ランタンイオン(酸化数3、イオン半径103pm)、有機配位子として1、3、5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼンから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例89と同様にして成形体を作製した。
【0158】
[実施例99]
MIL-125(Ti)に代えて銀イオン(酸化数1、イオン半径115pm)、有機配位子としてジ-p-キシリレンから構成される多孔性配位高分子(「Ag-PCP」)を用いた以外は実施例89と同様にして成形体を作製した。
【0159】
[実施例100]
金属イオンとしてチタンイオン(酸化数4、イオン半径42pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「MIL-125(Ti)」)を用いた。0.5gの多孔性配位高分子と50gのポリアセタール樹脂(ポリプラスチック株式会社製品の「M-90-44」)とを210℃にてコンパウンド加工及び混合し、成形用組成物を作製した。
作製した成形用組成物を加熱プレス機にて210℃、10MPaの加熱条件にて成形し、厚さ1.0mmのプレート上の成形体を作製した。
【0160】
[実施例101]
MIL-125(Ti)に代えて、アルミニウムイオン(酸化数3、イオン半径54pm)、有機配位子としてフマル酸から構成される多孔性配位高分子(「Al-PCP-F」)を用いた以外は実施例100と同様にして成形体を作製した。
【0161】
[実施例102]
MIL-125(Ti)に代えて、鉄イオン(酸化数3、イオン半径55pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Fe-BTC」)を用いた以外は実施例100と同様にして成形体を作製した。
【0162】
[実施例103]
MIL-125(Ti)に代えて、クロムイオン(酸化数3、イオン半径63pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例100と同様にして成形体を作製した。
【0163】
[実施例104]
MIL-125(Ti)に代えて、ニッケルイオン(酸化数2、イオン半径68pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例100と同様にして成形体を作製した。
【0164】
[実施例105]
MIL-125(Ti)に代えて、ジルコニウムイオン(酸化数4、イオン半径72pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Uio-66)」)を用いた以外は実施例100と同様にして成形体を作製した。
【0165】
[実施例106]
MIL-125(Ti)に代えて、銅イオン(酸化数2、イオン半径73pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Cu-BTC」)を用いた以外は実施例100と同様にして成形体を作製した。
【0166】
[実施例107]
MIL-125(Ti)に代えて、亜鉛イオン(酸化数2、イオン半径74pm)、有機配位子として2-イミダゾールから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例100と同様にして成形体を作製した。
【0167】
[実施例108]
MIL-125(Ti)に代えて、プラチナイオン(酸化数2、イオン半径80pm)、有機配位子として4,4′-ビピリジンとエチレンアミンから構成される多孔性配位高分子(「Pt-PCP」)を用いた以外は実施例100と同様にして成形体を作製した。
【0168】
[実施例109]
MIL-125(Ti)に代えて、ランタンイオン(酸化数3、イオン半径103pm)、有機配位子として1、3、5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼンから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例100と同様にして成形体を作製した。
【0169】
[実施例110]
MIL-125(Ti)に代えて銀イオン(酸化数1、イオン半径115pm)、有機配位子としてジ-p-キシリレンから構成される多孔性配位高分子(「Ag-PCP」)を用いた以外は実施例100と同様にして成形体を作製した。
【0170】
[実施例111]
金属イオンとしてチタンイオン(酸化数4、イオン半径42pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「MIL-125(Ti)」)を用いた。0.5gの多孔性配位高分子と50gのウレタン系エラストマー(BASF社製品の「エラストンC80A」)とを280℃にてコンパウンド加工及び混合し、成形用組成物を作製した。
作製した成形用組成物を加熱プレス機にて280℃、10MPaの加熱条件にて成形し、厚さ1.0mmのプレート上の成形体を作製した。
【0171】
[実施例112]
MIL-125(Ti)に代えて、アルミニウムイオン(酸化数3、イオン半径54pm)、有機配位子としてフマル酸から構成される多孔性配位高分子(「Al-PCP-F」)を用いた以外は実施例111と同様にして成形体を作製した。
【0172】
[実施例113]
MIL-125(Ti)に代えて、鉄イオン(酸化数3、イオン半径55pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Fe-BTC」)を用いた以外は実施例111と同様にして成形体を作製した。
【0173】
[実施例114]
MIL-125(Ti)に代えて、クロムイオン(酸化数3、イオン半径63pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例111と同様にして成形体を作製した。
【0174】
[実施例115]
MIL-125(Ti)に代えて、ニッケルイオン(酸化数2、イオン半径68pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例111と同様にして成形体を作製した。
【0175】
[実施例116]
MIL-125(Ti)に代えて、ジルコニウムイオン(酸化数4、イオン半径72pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Uio-66)」)を用いた以外は実施例111と同様にして成形体を作製した。
【0176】
[実施例117]
MIL-125(Ti)に代えて、銅イオン(酸化数2、イオン半径73pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Cu-BTC」)を用いた以外は実施例111と同様にして成形体を作製した。
【0177】
[実施例118]
MIL-125(Ti)に代えて、亜鉛イオン(酸化数2、イオン半径74pm)、有機配位子として2-イミダゾールから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例111と同様にして成形体を作製した。
【0178】
[実施例119]
MIL-125(Ti)に代えて、プラチナイオン(酸化数2、イオン半径80pm)、有機配位子として4,4′-ビピリジンとエチレンアミンから構成される多孔性配位高分子(「Pt-PCP」)を用いた以外は実施例111と同様にして成形体を作製した。
【0179】
[実施例120]
MIL-125(Ti)に代えて、ランタンイオン(酸化数3、イオン半径103pm)、有機配位子として1、3、5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼンから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例111と同様にして成形体を作製した。
【0180】
[実施例121]
MIL-125(Ti)に代えて銀イオン(酸化数1、イオン半径115pm)、有機配位子としてジ-p-キシリレンから構成される多孔性配位高分子(「Ag-PCP」)を用いた以外は実施例111と同様にして成形体を作製した。
【0181】
[実施例122]
金属イオンとしてチタンイオン(酸化数4、イオン半径42pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「MIL-125(Ti)」)を用いた。0.5gの多孔性配位高分子と50gのEPDMゴム(JSR株式会社製品の「JSR EP331」とを180℃にてコンパウンド加工及び混合し、成形用組成物を作製した。
作製した成形用組成物を加熱プレス機にて180℃、10MPaの加熱条件にて成形し、厚さ1.0mmのプレート上の成形体を作製した。
【0182】
[実施例123]
MIL-125(Ti)に代えて、アルミニウムイオン(酸化数3、イオン半径54pm)、有機配位子としてフマル酸から構成される多孔性配位高分子(「Al-PCP-F」)を用いた以外は実施例122と同様にして成形体を作製した。
【0183】
[実施例124]
MIL-125(Ti)に代えて、鉄イオン(酸化数3、イオン半径55pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Fe-BTC」)を用いた以外は実施例122と同様にして成形体を作製した。
【0184】
[実施例125]
MIL-125(Ti)に代えて、クロムイオン(酸化数3、イオン半径63pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例122と同様にして成形体を作製した。
【0185】
[実施例126]
MIL-125(Ti)に代えて、ニッケルイオン(酸化数2、イオン半径68pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例122と同様にして成形体を作製した。
【0186】
[実施例127]
MIL-125(Ti)に代えて、ジルコニウムイオン(酸化数4、イオン半径72pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Uio-66)」)を用いた以外は実施例122と同様にして成形体を作製した。
【0187】
[実施例128]
MIL-125(Ti)に代えて、銅イオン(酸化数2、イオン半径73pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Cu-BTC」)を用いた以外は実施例122と同様にして成形体を作製した。
【0188】
[実施例129]
MIL-125(Ti)に代えて、亜鉛イオン(酸化数2、イオン半径74pm)、有機配位子として2-イミダゾールから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例122と同様にして成形体を作製した。
【0189】
[実施例130]
MIL-125(Ti)に代えて、プラチナイオン(酸化数2、イオン半径80pm)、有機配位子として4,4′-ビピリジンとエチレンアミンから構成される多孔性配位高分子(「Pt-PCP」)を用いた以外は実施例122と同様にして成形体を作製した。
【0190】
[実施例131]
MIL-125(Ti)に代えて、ランタンイオン(酸化数3、イオン半径103pm)、有機配位子として1、3、5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼンから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例122と同様にして成形体を作製した。
【0191】
[実施例132]
MIL-125(Ti)に代えて銀イオン(酸化数1、イオン半径115pm)、有機配位子としてジ-p-キシリレンから構成される多孔性配位高分子(「Ag-PCP」)を用いた以外は実施例122と同様にして成形体を作製した。
【0192】
[実施例133]
金属イオンとしてチタンイオン(酸化数4、イオン半径42pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「MIL-125(Ti)」)を用いた。0.5gの多孔性配位高分子と50gのSBRゴム(JSR株式会社製品の「JSR HPR850」)とを150℃にてコンパウンド加工及び混合し、成形用組成物を作製した。
作製した成形用組成物を加熱プレス機にて150℃、10MPaの加熱条件にて成形し、厚さ1.0mmのプレート上の成形体を作製した。
【0193】
[実施例134]
MIL-125(Ti)に代えて、アルミニウムイオン(酸化数3、イオン半径54pm)、有機配位子としてフマル酸から構成される多孔性配位高分子(「Al-PCP-F」)を用いた以外は実施例133と同様にして成形体を作製した。
【0194】
[実施例135]
MIL-125(Ti)に代えて、鉄イオン(酸化数3、イオン半径55pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Fe-BTC」)を用いた以外は実施例133と同様にして成形体を作製した。
【0195】
[実施例136]
MIL-125(Ti)に代えて、クロムイオン(酸化数3、イオン半径63pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例133と同様にして成形体を作製した。
【0196】
[実施例137]
MIL-125(Ti)に代えて、ニッケルイオン(酸化数2、イオン半径68pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Mil-101(Cr)」)を用いた以外は実施例133と同様にして成形体を作製した。
【0197】
[実施例138]
MIL-125(Ti)に代えて、ジルコニウムイオン(酸化数4、イオン半径72pm)、有機配位子としてテレフタル酸から構成される多孔性配位高分子(「Uio-66)」)を用いた以外は実施例133と同様にして成形体を作製した。
【0198】
[実施例139]
MIL-125(Ti)に代えて、銅イオン(酸化数2、イオン半径73pm)、有機配位子としてトリメシン酸から構成される多孔性配位高分子(「Cu-BTC」)を用いた以外は実施例133と同様にして成形体を作製した。
【0199】
[実施例140]
MIL-125(Ti)に代えて、亜鉛イオン(酸化数2、イオン半径74pm)、有機配位子として2-イミダゾールから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例133と同様にして成形体を作製した。
【0200】
[実施例141]
MIL-125(Ti)に代えて、プラチナイオン(酸化数2、イオン半径80pm)、有機配位子として4,4′-ビピリジンとエチレンアミンから構成される多孔性配位高分子(「Pt-PCP」)を用いた以外は実施例133と同様にして成形体を作製した。
【0201】
[実施例142]
MIL-125(Ti)に代えて、ランタンイオン(酸化数3、イオン半径103pm)、有機配位子として1、3、5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼンから構成される多孔性配位高分子(「Zif-8」)を用いた以外は実施例133と同様にして成形体を作製した。
【0202】
[実施例143]
MIL-125(Ti)に代えて銀イオン(酸化数1、イオン半径115pm)、有機配位子としてジ-p-キシリレンから構成される多孔性配位高分子(「Ag-PCP」)を用いた以外は実施例133と同様にして成形体を作製した。
【0203】
[比較例1]
多孔性配位高分子を用いなかった以外は実施例1と同様にして成形体を作製した。
【0204】
[比較例2]
多孔性配位高分子を用いなかった以外は実施例12と同様にして成形体を作製した。
【0205】
[比較例3]
多孔性配位高分子を用いなかった以外は実施例23と同様にして成形体を作製した。
【0206】
[比較例4]
多孔性配位高分子を用いなかった以外は実施例34と同様にして成形体を作製した。
【0207】
[比較例5]
多孔性配位高分子を用いなかった以外は実施例45と同様にして成形体を作製した。
【0208】
[比較例6]
多孔性配位高分子を用いなかった以外は実施例56と同様にして成形体を作製した。
【0209】
[比較例7]
多孔性配位高分子を用いなかった以外は実施例67と同様にして成形体を作製した。
【0210】
[比較例8]
多孔性配位高分子を用いなかった以外は実施例78と同様にして成形体を作製した。
【0211】
[比較例9]
多孔性配位高分子を用いなかった以外は実施例89と同様にして成形体を作製した。
【0212】
[比較例10]
多孔性配位高分子を用いなかった以外は実施例100と同様にして成形体を作製した。
【0213】
[比較例11]
多孔性配位高分子を用いなかった以外は実施例111と同様にして成形体を作製した。
【0214】
[比較例12]
多孔性配位高分子を用いなかった以外は実施例122と同様にして成形体を作製した。
【0215】
[比較例13]
多孔性配位高分子を用いなかった以外は実施例133と同様にして成形体を作製した。
【0216】
(ガス吸着率の評価)
作成した実施例及び比較例の試料について、以下の方法によりガス吸着率の評価を行った。
熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計(アジレントテクノロジー社製の製品名「7890A/5975C」)を用いて、各樹脂又はゴム類の混錬温度と同一温度で加熱し、発生したガス成分を分離し質量分析した。質量分析の結果をライブラリと照合し、発生ガス成分の同定を行った。発生ガス量はクロマトグラムの各ピーク高さから算出した。主なクロマトグラムの例を
図1に示す。今回の分析においては質量分析によって、ガス成分が同定できた物質のうち、全体のガス発生量の9割までの物質を対象とした。
【0217】
ガス吸着率は以下の式より算出した。
【数3】
なお、発生するガスを吸着し、ガス発生量を低減させることが出来る合否判断の下限値として、ガス吸着率15%以上と設定した。
【0218】
得られた結果から樹脂およびゴム類の溶融時に発生するガス成分および多孔性配位高分子の物性値について鋭意検討した結果、ガス成分の酸解離定数について以下の関連性を見出すことができた。
【0219】
まず、作製した実施例および比較例を表1~5に示す。各樹脂から発生するガス成分および基準となる比較例のガス量について表6に示す。上記式から算出されるガス吸着率について、樹脂毎に表7~19に示す。実施例1~143において、ガス吸着率が15%以上のガス成分の酸解離定数と多孔性配位高分子のイオン半径の関係を
図1に示す。また、ガス吸着率が15%未満のガス成分の酸解離定数と多孔性配位高分子のイオン半径の関係を
図2に示す。
図2からいずれの実施例ともに、各ガス成分の吸着率が15%以上の場合のガス成分の酸解離定数とイオン半径には以下の関連性があることがわかった。
条件(A)発生するガス成分の酸解離定数が16.61以下の場合、イオン半径が62pm以下の金属原子を有する多孔性配位高分子の組合せが有効である。
条件(B)発生するガス成分の酸解離定数が17.00以上の場合、イオン半径が69pm以上の金属原子を有する多孔性配位高分子の組合せが有効である。
【0220】
上記の条件部分を
図2では網掛けで表示している。
また、
図2から上記条件を満たさない不適当な組み合わせである、ガス吸着率15%未満の組合せは網掛け部分に該当しない部分である。
【0221】
多孔性配位高分子への物質の吸着は、多孔性配位高分子の細孔に吸着物質が保持されることと考えられる。特に、吸着物質の保持には金属原子と吸着する物質の分子間力が関与すると考えられる。分子間力による吸着には誘起効果と共鳴効果の2種類の力が働いていると考えられる。誘起効果が関与する結合は分極結合であり、電荷の偏りが発生する物質に起こる。吸着物質の電荷の偏りの目安として、酸解離定数に着目した。酸解離定数は酸から水素イオンが放出される解離反応を数値化したものであり、値が低い場合、電子の広がりが大きくなり、電荷の偏りが生じる。電荷の偏りは電子を引き付ける強さである電気陰性度に依存する。多孔性配位高分子を構成する金属原子のイオン半径が小さい場合、電気陰性度が大きくなる。そのため、広い電子軌道を有する吸着物質に対しては、電気陰性度の大きい金属原子を有する多孔性配位高分子が有効であると考えられる。一方で、共鳴効果が関与する結合は電子の非局在化によって生じる。そのため、酸解離定数が大きい物質のように、電荷の偏りが生じない物質と考えることができ、電荷の偏りが生じないため、電子の広がりも小さくなる。そのため、吸着する多孔性配位高分子は多孔性配位高分子を構成する金属原子の電気陰性度が小さく、電子を引き寄せる力の弱いイオン半径の大きい金属原子であることが有効であると考える。
【0222】
よって、樹脂およびゴム類の溶融時に発生するガスを低減させるためには、上記条件(A),(B)を満たすガス成分の酸解離定数と多孔性配位高分子の金属原子のイオン半径であることが求められる。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
上記表6の各マス目には、記号、物質名、酸解離定数、発生ガス量を順に記載している。
下記表7から表19のガス吸着率(%)欄の各物質名の後には酸解離定数を記載している。
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【産業上の利用可能性】
【0223】
本実施形態の成形用組成物は、OA機器、ハードディスク等の記憶媒体装置、半導体関連装置、モーター機器、水廻り部材等のインフラ装置等に適用される精密成形体用材料に好適に用いられる。