(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050274
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220323BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020156787
(22)【出願日】2020-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100188307
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 昌宏
(74)【代理人】
【識別番号】230128026
【弁護士】
【氏名又は名称】駒木 寛隆
(72)【発明者】
【氏名】林 晃平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】データ管理ソリューションの利用を更に促進可能な情報処理方法、情報処理装置、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】あらかじめ登録された複数の広告に含まれる広告を測定機器のユーザに提供する情報処理システムにおいて、情報処理装置が、各広告について、測定機器の構成及び利用状況の少なくともいずれかに関するサンプリングデータと、広告の提供の要否を示す情報である正解ラベルとを教師データとして機械学習された予測モデルを取得し、広告提供の対象である対象ユーザが使用した測定機器の構成及び利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるユーザ装置データを取得し、各広告につきその広告についての予測モデルを用いてユーザ装置データから予測される対象ユーザに対して広告を提供すべき度合いを判定し、判定された提供すべき度合いに応じて、提供対象である広告を決定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ登録された複数の広告に含まれる広告を測定機器のユーザに提供する情報処理システムにおいて、
情報処理装置の制御部が、
前記複数の広告の各々について、前記測定機器の構成及び前記測定機器の利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるサンプリングデータと、当該広告の提供の要否を示す情報である正解ラベルとを教師データとして機械学習された予測モデルを取得し、
広告提供の対象である対象ユーザが使用した測定機器の構成及び当該測定機器の前記対象ユーザによる利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるユーザ装置データを取得し、
前記複数の広告の各々について、当該広告について取得された前記予測モデルを用いて前記ユーザ装置データから予測される前記対象ユーザに対して当該広告を提供すべき度合いを判定し、
前記複数の広告の各々について判定された前記提供すべき度合いに応じて、前記対象ユーザへの提供対象である少なくとも1つの広告を決定する、
情報処理方法。
【請求項2】
前記複数の広告の各々について、前記サンプリングデータと当該広告についての前記正解ラベルとを教師データとして機械学習を行い、前記予測モデルを生成する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記複数の広告の各々について、当該広告を提供させるべきサンプリングデータを選択するためのユーザインタフェースを提供し、
前記ユーザインタフェースを介した前記サンプリングデータの選択に基づき前記正解ラベルを生成する、
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記提供対象として決定された少なくとも1つの広告である対象広告の各々について、ユーザの属性を示す属性データ及び当該ユーザについての前記ユーザ装置データの少なくともいずれかを含むデータであるユーザデータと、当該広告を提供すべき優先度との関係を示す判定モデルを取得し、
前記少なくとも1つの対象広告の各々について、当該対象広告について取得された前記判定モデルを用いて、前記対象ユーザについての前記ユーザデータに対応する、当該対象広告を提供すべき優先度を判定し、
前記少なくとも1つの対象広告の各々について判定された前記優先度に応じて、前記少なくとも1つの対象広告の提供順位を決定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記対象ユーザと少なくとも一人の他のユーザとの少なくともいずれかを含む少なくとも一人のサンプルユーザについて過去に取得された、当該サンプルユーザについての前記ユーザデータを前記少なくとも一人のサンプルユーザごとに取得し、
前記少なくとも一人のサンプルユーザごとに取得された前記ユーザデータを複数のクラスタにクラスタリングし、
前記複数のクラスタの各々について、当該クラスタに属するユーザに対して広告を提供すべき優先度の大きさを示す優先度情報を、前記複数の広告ごとに取得し、
前記複数のクラスタ及び前記優先度情報に基づいて、前記複数の広告ごとに前記判定モデルを生成する、
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記複数の広告の各々について、前記複数のクラスタの各々に当該広告を提供すべき優先度の大きさを選択するためのユーザインタフェースを提供し、
前記ユーザインタフェースを介した前記優先度情報の選択に基づき、前記優先度情報を取得する、
請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
あらかじめ登録された複数の広告に含まれる広告を測定機器のユーザに提供する情報処理システムにおける情報処理装置であって、
前記複数の広告の各々について、前記測定機器の構成及び前記測定機器の利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるサンプリングデータと、当該広告の提供の要否を示す情報である正解ラベルとを教師データとして機械学習された予測モデルを取得し、
広告提供の対象である対象ユーザが使用した測定機器の構成及び当該測定機器の前記対象ユーザによる利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるユーザ装置データを取得し、
前記複数の広告の各々について、当該広告について取得された前記予測モデルを用いて前記ユーザ装置データから予測される前記対象ユーザに対して当該広告を提供すべき度合いを判定し、
前記複数の広告の各々について判定された前記提供すべき度合いに応じて、前記対象ユーザへの提供対象である少なくとも1つの広告を決定する、
制御部を備える情報処理装置。
【請求項8】
あらかじめ登録された複数の広告に含まれる広告を測定機器のユーザに提供する情報処理システムにおける情報処理装置に実行させるコンピュータプログラムであって、
前記複数の広告の各々について、測定機器の構成及び測定機器の利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるサンプリングデータと、当該広告の提供の要否を示す情報である正解ラベルとを教師データとして機械学習された予測モデルを取得する処理と、
広告提供の対象である対象ユーザが使用した測定機器の構成及び当該測定機器の前記対象ユーザによる利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるユーザ装置データを取得する処理と、
前記複数の広告の各々について、当該広告について取得された前記予測モデルを用いて前記ユーザ装置データから予測される前記対象ユーザに対して当該広告を提供すべき度合いを判定する処理と、
前記複数の広告の各々について判定された前記提供すべき度合いに応じて、前記対象ユーザへの提供対象である少なくとも1つの広告を決定する処理と、
を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理装置、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
顕微鏡をはじめとする測定機器により撮像された画像データをクラウドに保存し、インターネットに接続された他の装置が画像データを解析したり、閲覧・管理したりすることが可能なデータ管理ソリューションを実現するシステムが知られている。
【0003】
特許文献1には、顕微鏡システムにおいてデジタル画像内に含まれる特徴に基づきメンテナンス処置を必要とする顕微鏡システムのコンポーネント・グループを判定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の構成は、データ管理ソリューションの利用促進という観点からは限定的な特性しか有していなかった。
【0006】
本開示の目的は、データ管理ソリューションの利用を更に促進可能な情報処理方法、情報処理装置、及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
幾つかの実施形態に係る情報処理方法は、あらかじめ登録された複数の広告に含まれる広告を測定機器のユーザに提供する情報処理システムにおいて、情報処理装置の制御部が、前記複数の広告の各々について、前記測定機器の構成及び前記測定機器の利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるサンプリングデータと、当該広告の提供の要否を示す情報である正解ラベルとを教師データとして機械学習された予測モデルを取得し、広告提供の対象である対象ユーザが使用した測定機器の構成及び当該測定機器の前記対象ユーザによる利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるユーザ装置データを取得し、前記複数の広告の各々について、当該広告について取得された前記予測モデルを用いて前記ユーザ装置データから予測される前記対象ユーザに対して当該広告を提供すべき度合いを判定し、前記複数の広告の各々について判定された前記提供すべき度合いに応じて、前記対象ユーザへの提供対象である少なくとも1つの広告を決定する。これにより、ユーザが使用した測定機器の構成又は測定機器のユーザによる利用状況に応じた広告を提供することができ、データ管理ソリューションの利用を更に促進することができる。
【0008】
一実施形態に係る情報処理方法において、前記複数の広告の各々について、前記サンプリングデータと当該広告についての前記正解ラベルとを教師データとして機械学習を行い、前記予測モデルを生成する。これにより、測定機器の構成又はその利用状況に応じた広告を提供するための予測モデルを生成することができる。
【0009】
一実施形態に係る情報処理方法において、前記複数の広告の各々について、当該広告を提供させるべきサンプリングデータを選択するためのユーザインタフェースを提供し、前記ユーザインタフェースを介した前記サンプリングデータの選択に基づき前記正解ラベルを生成する。これにより、広告主は、正解ラベルの入力を容易に行うことができる。
【0010】
一実施形態に係る情報処理方法において、前記提供対象として決定された少なくとも1つの広告である対象広告の各々について、ユーザの属性を示す属性データ及び当該ユーザについての前記ユーザ装置データの少なくともいずれかを含むデータであるユーザデータと、当該広告を提供すべき優先度との関係を示す判定モデルを取得し、前記少なくとも1つの対象広告の各々について、当該対象広告について取得された前記判定モデルを用いて、前記対象ユーザについての前記ユーザデータに対応する、当該対象広告を提供すべき優先度を判定し、前記少なくとも1つの対象広告の各々について判定された前記優先度に応じて、前記少なくとも1つの対象広告の提供順位を決定する。これにより、ユーザの属性、測定機器の構成又はその利用状況に応じて、効果的な順序で広告を提供することができる。
【0011】
一実施形態に係る情報処理方法において、前記対象ユーザと少なくとも一人の他のユーザとの少なくともいずれかを含む少なくとも一人のサンプルユーザについて過去に取得された、当該サンプルユーザについての前記ユーザデータを前記少なくとも一人のサンプルユーザごとに取得し、前記少なくとも一人のサンプルユーザごとに取得された前記ユーザデータを複数のクラスタにクラスタリングし、前記複数のクラスタの各々について、当該クラスタに属するユーザに対して広告を提供すべき優先度の大きさを示す優先度情報を、前記複数の広告ごとに取得し、前記複数のクラスタ及び前記優先度情報に基づいて、前記複数の広告ごとに前記判定モデルを生成する。これにより、ユーザの属性、測定機器の構成又はその利用状況に応じて、効果的な順序で広告を提供するための判定モデルを生成することができる。
【0012】
一実施形態に係る情報処理方法において、前記複数の広告の各々について、前記複数のクラスタの各々に当該広告を提供すべき優先度の大きさを選択するためのユーザインタフェースを提供し、前記ユーザインタフェースを介した前記優先度情報の選択に基づき、前記優先度情報を取得する。これにより、広告主は、優先度情報の入力を容易に行うことができる。
【0013】
幾つかの実施形態に係る情報処理装置は、あらかじめ登録された複数の広告に含まれる広告を測定機器のユーザに提供する情報処理システムにおける情報処理装置であって、前記複数の広告の各々について、前記測定機器の構成及び前記測定機器の利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるサンプリングデータと、当該広告の提供の要否を示す情報である正解ラベルとを教師データとして機械学習された予測モデルを取得し、広告提供の対象である対象ユーザが使用した測定機器の構成及び当該測定機器の前記対象ユーザによる利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるユーザ装置データを取得し、前記複数の広告の各々について、当該広告について取得された前記予測モデルを用いて前記ユーザ装置データから予測される前記対象ユーザに対して当該広告を提供すべき度合いを判定し、前記複数の広告の各々について判定された前記提供すべき度合いに応じて、前記対象ユーザへの提供対象である少なくとも1つの広告を決定する。これにより、ユーザが使用した測定機器の構成又は測定機器のユーザによる利用状況に応じた広告を提供することができ、データ管理ソリューションの利用を更に促進することができる。
【0014】
幾つかの実施形態に係るコンピュータプログラムは、あらかじめ登録された複数の広告に含まれる広告を測定機器のユーザに提供する情報処理システムにおける情報処理装置に実行させるコンピュータプログラムであって、前記複数の広告の各々について、前記測定機器の構成及び前記測定機器の利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるサンプリングデータと、当該広告の提供の要否を示す情報である正解ラベルとを教師データとして機械学習された予測モデルを取得する処理と、広告提供の対象である対象ユーザが使用した測定機器の構成及び当該測定機器の前記対象ユーザによる利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるユーザ装置データを取得する処理と、前記複数の広告の各々について、当該広告について取得された前記予測モデルを用いて前記ユーザ装置データから予測される前記対象ユーザに対して当該広告を提供すべき度合いを判定する処理と、前記複数の広告の各々について判定された前記提供すべき度合いに応じて、前記対象ユーザへの提供対象である少なくとも1つの広告を決定する処理と、を実行させる。これにより、ユーザが使用した測定機器の構成又は測定機器のユーザによる利用状況に応じた広告を提供することができ、データ管理ソリューションの利用を更に促進することができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示の一実施形態によれば、ユーザによる測定機器の利用の状況に応じた広告を提供可能とすることで、データ管理ソリューションの利用を更に促進可能な情報処理方法、情報処理装置、及びコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】広告管理サービスの機能構成例を示す図である。
【
図4】データ活用サービスの機能構成例を示す図である。
【
図5】データ管理サービスの機能構成例を示す図である。
【
図8】広告管理サービスとストレージの関係の一例を示す図である。
【
図9】データ活用サービスと広告管理サービス及びストレージとの関係の一例を示す図である。
【
図10】データ管理サービスとストレージの関係の一例を示す図である。
【
図11】広告管理サービスが広告学習器を生成する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】サンプリングデータから教師データを抽出する一例を示す図である。
【
図13】サンプリングデータから教師データを抽出する一例を示す図である。
【
図14】データ活用サービスがクライアントデータ学習器を生成する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】クライアントデータの一例を示す図である。
【
図16】広告管理サービスが広告表示リストを生成する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図17】データ活用サービスが広告表示リストの順に広告を表示する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<比較例>
比較例に係る情報処理システムとしては、測定機器により測定された画像データ及び時系列データをはじめとする測定データの保存、閲覧・管理、及び解析等のデータ管理ソリューションを実現するものが知られている。しかし、比較例の構成は、データ管理ソリューションの利用促進という観点からは限定的な特性しか有していなかった。
【0018】
<本開示の実施形態>
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して説明する。各図面中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0019】
(情報処理システム)
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。情報処理システム1において、本実施形態に係る情報処理装置10は、ユーザ31による測定機器の利用状況又はユーザ31の属性等に応じて、ユーザ31に提供すべき広告を決定し、その広告をユーザ31に提供する機能を備えたデータ管理ソリューションを実現する。このような測定機器としては、顕微鏡及び工業計器等が含まれうるが、これらに限られない。
【0020】
本実施形態に係る情報処理装置10は、互いに通信可能に接続された、広告管理サービス100、データ活用サービス400、データ管理サービス500、及びストレージ300を備える。本実施形態では、「サービス」の用語は、情報処理装置により実現される機能の実体の意味で使用される。本実施形態では、情報処理装置10がこれらのサービス及びストレージを備える例を説明するが、これらサービス及びストレージはプラットフォーム事業者が提供するプラットフォーム上に構築されてもよい。また、例えば、広告管理サービス100、データ活用サービス400、データ管理サービス500、及びストレージ300は、それぞれ別の装置又はプラットフォーム上で実装され、インターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されるように構成してもよい。
【0021】
広告管理サービス100は、広告の登録、変更、削除、及び管理等を含む各機能を実現する。データ活用サービス400は、データ管理サービス500及び広告管理サービス100と連携して、ユーザ31が登録データを活用できるようにするためのサービスを提供する。データ管理サービス500は、ユーザ31により登録された測定機器の利用状況に関するデータを含む各種データの管理機能を提供する。
【0022】
広告主21、ユーザ31、及びサービス提供者41は、情報処理装置10により実現されるデータ管理ソリューションを使用する。データ管理ソシューションとしては、例えば、測定機器により測定された画像データ及び時系列データをはじめとする測定データの保存、閲覧・管理、及び解析等が含まれうる。
【0023】
広告主21は、広告主端末20を介して広告管理サービス100を使用し、広告を提供する。ユーザ31は、測定機器を使用して測定データを取得し、その測定データ等を情報処理装置10に保存する。さらに、ユーザ31は、ユーザ端末30を介してデータ活用サービス400を使用し、登録データを活用する。登録データには、前述の測定データの他、測定データを解析したデータ及び測定データを利用したデータ等が含まれうる。サービス提供者41は、サービス提供者端末40を介して、ユーザ31に対して提供をする広告を決定する後述の表示対象判定部141を生成するために用いられる、各測定機器のサンプリングデータの提供等を行う。本実施形態では、広告は、静止画又は動画を含む画像(音声付きのものが含まれる)として表示により提供される場合の例が説明されるが、音声、テキスト、アプリ等、又はこれらの組み合わせ等として提供されてもよい。
【0024】
(情報処理装置)
図2は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10の構成例を示すブロック図である。情報処理装置10は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置である。情報処理装置10は、これらに限定されず、PC等の任意の汎用の電子機器であってもよいし、専用の他の電子機器であってもよい。
図2に示すように、情報処理装置10は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、及び出力部15を備える。
【0025】
制御部11は、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部11は、情報処理装置10を構成する各構成部と通信可能に接続され、情報処理装置10全体の動作を制御する。
【0026】
記憶部12は、HDD、SSD、EEPROM、ROM、及びRAMを含む任意の記憶モジュールを含む。記憶部12は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、情報処理装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部13によって受信された各種情報等を記憶してもよい。記憶部12は、情報処理装置10に内蔵されているものに限定されず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続されている外付けのデータベース又は外付け型の記憶モジュールであってもよい。HDDはHard Disk Driveの略称である。SSDはSolid State Driveの略称である。EEPROMはElectrically Erasable Programmable Read-Only Memoryの略称である。ROMはRead-Only Memoryの略称である。RAMはRandom Access Memoryの略称である。USBはUniversal Serial Busの略称である。
【0027】
通信部13は、任意の通信技術によってスキャナ等の他の装置と通信接続可能な、任意の通信モジュールを含む。通信部13は、さらに、他の装置との通信を制御するための通信制御モジュール、及び他の装置との通信に必要となる識別情報等の通信用データを記憶する記憶モジュールを含んでもよい。
【0028】
入力部14は、操作者の入力操作を受け付けて、操作者の操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インタフェースを含む。例えば、入力部14は、物理キー、静電容量キー、ポインティングディバイス、出力部15のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイク等であるが、これらに限定されない。
【0029】
出力部15は、操作者に対して情報を出力し、操作者に通知する1つ以上の出力インタフェースを含む。例えば、出力部15は、情報を画像で出力するディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカ等であるが、これらに限定されない。なお、上述の入力部14及び出力部15の少なくとも一方は、情報処理装置10と一体に構成されてもよいし、別体として設けられてもよい。
【0030】
情報処理装置10の機能は、本実施形態に係るコンピュータプログラム(プログラム)を、制御部11に含まれるプロセッサで実行することにより実現されうる。すなわち、情報処理装置10の機能は、ソフトウェアにより実現されうる。コンピュータプログラムは、情報処理装置10の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、各ステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させる。すなわち、コンピュータプログラムは、コンピュータを本実施形態に係る情報処理装置10として機能させるためのプログラムである。
【0031】
コンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD又はCD-ROMなどの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「DVD」は、Digital Versatile Discの略称である。「CD-ROM」は、Compact Disc Read Only Memoryの略称である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、ネットワークを介して、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムは流通されてもよい。プログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0032】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。このような処理は、サーバからコンピュータへのプログラムの転送を行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって実行されてもよい。「ASP」は、Application Service Providerの略称である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0033】
情報処理装置10の一部又は全ての機能が、制御部11に含まれる専用回路により実現されてもよい。すなわち、情報処理装置10の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。また、情報処理装置10は単一の情報処理装置により実現されてもよいし、複数の情報処理装置の協働により実現されてもよい。
【0034】
情報処理装置10の制御部11は、測定機器の構成及び利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるサンプリングデータと、広告の提供の要否を示す情報である正解ラベルとを教師データとして機械学習された予測モデルを取得する。制御部11は、広告提供の対象である対象ユーザが使用した測定機器の構成及び対象ユーザによる利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるユーザ装置データを取得する。制御部11は、ユーザ装置データに基づいて、広告を対象ユーザに対して提供すべき度合いを広告ごとに判定する。具体的には、制御部11は、各広告について取得された予測モデルを用いて、ユーザ装置データから予測される、対象ユーザに対して広告を提供すべき度合いを広告ごとに判定する。制御部11は、各広告について判定された提供すべき度合いに応じて、対象ユーザへの提供対象である少なくとも1つの広告を決定する。したがって、情報処理装置10によれば、対象ユーザが使用した測定機器の構成及び利用状況の少なくともいずれかに応じて適切な広告を対象ユーザに提供することができ、それによりデータ管理ソリューションの利用を更に促進することが可能である。
【0035】
(各サービスの機能構成)
次に、広告管理サービス100、データ活用サービス400、データ管理サービス500、及びストレージ300の機能構成を説明する。本実施形態では、これらの機能構成は情報処理装置10上でソフトウェアにより実現されるが、それぞれ別個の装置により実現されてもよい。
【0036】
図3は、広告管理サービス100の機能構成例を示す図である。広告管理サービス100は、広告主21に対して広告の管理に関するサービスを提供する。
図3に示すように、広告管理サービス100は、広告データセット管理部110、広告設定部120、及び広告再配置部140を備える。広告設定部120はパラメータ学習部121を有する。広告再配置部140は表示対象判定部141を有する。広告データセット管理部110は、ストレージ300に記憶された後述の広告データセット200を管理する。広告設定部120は、パラメータ学習部121により、複数の広告の各々について、サンプリングデータと広告についての正解ラベルとを教師データとして機械学習を行い、予測モデルを生成する。広告再配置部140は、予測モデルに応じてユーザ端末30に広告を提供すべき度合いを判定し、提供対象である少なくとも1つの広告を決定する。
【0037】
図4は、データ活用サービス400の機能構成例を示す図である。データ活用サービス400は、ユーザ31に対して、ユーザ31の属性、ユーザ31が使用した測定機器の構成及び測定機器の対象ユーザによる利用状況の少なくともいずれかに関するユーザデータに基づき、そのユーザ31に合わせた広告を提供する。
図4に示すように、データ活用サービス400は、データ活用機能部410、順位判定部420、及び広告表示部430を備える。データ活用機能部410はクライアントデータ学習部411を有する。データ活用機能部410は、クライアントデータ学習部411により、過去に取得されたサンプルユーザについてのユーザデータに対してクラスタリングを行って、ユーザデータと広告を提供すべき優先度との関係を示す判定モデルを生成する。順位判定部420は、生成した判定モデルを用いて、対象ユーザについてのユーザデータに対応する対象広告を提供すべき優先度を判定する。広告表示部430は、対象広告の各々について判定された提供すべき優先度に応じて、少なくとも1つの対象広告の表示順位を決定し、ユーザ端末30に表示させる。
【0038】
図5は、データ管理サービス500の機能構成例を示す図である。データ管理サービス500は、ストレージ300に記憶されたデータを管理する。
図5に示すように、データ管理サービス500はデータ制御部510を備える。データ制御部510は、登録部511、更新部512、及び読出部513を有する。登録部511は、ストレージ300にデータを新たに登録する制御を行う。更新部512は、ストレージ300に記録されたデータを更新する制御を行う。読出部513は、ストレージ300に記録されたデータを読み出す制御を行う。
図10を参照して後述するように、広告管理サービス100及びデータ活用サービス400は、データ管理サービス500を介してストレージ300にアクセスする。
【0039】
図6は、ストレージ300の機能構成を示す図である。ストレージ300は、例えば、記憶部12により、データを記憶する。
図6に示すように、ストレージ300は、広告データセット記憶部310、サンプリングデータ記憶部320、及びクライアントデータ記憶部330を備える。
【0040】
広告データセット記憶部310は広告データセット200を記憶する。
図7は、広告データセット200の構成例を示す図である。
図7に示すように、広告データセット200は、広告データ210、メタデータ220、及び学習器保持部240を備える。広告データ210はユーザ31に提供する広告のデータそのものであり、広告内容211を有する。広告データ210は、具体的には、静止画又は動画を含む画像(音声付きのものが含まれる)のデータであるが、音声データ、テキストデータ、アプリケーションプログラム等、又はこれらの組み合わせでもよい。広告内容211は、顕微鏡、顕微鏡の付随装置、光源、容器、試薬、細胞、対物レンズ、フィルタ、ミラー、カメラ、ソフトウェア、イメージング、フローサイトメトリ、超解像、ライブセル、HCS、HCA、サポート、校正、学会、展示会に関するものであってもよい。HCSはHigh-Content Screeningの略称である。HCAはHigh-Content Analysisの略称である。
【0041】
メタデータ220は、広告データ210の性質を示す付帯情報である。メタデータ220には、その広告を提供すべき潜在的なユーザ31が使用すると想定される測定機器の装置構成231、及び測定機器の利用データ232等が含まれうる。測定機器の装置構成231は、例えば、測定機器の種類、型番、年式、複数の測定機器が組み合わされて用いられている場合は、その組み合わせ等の情報を含みうる。具体的には、装置構成231の例は、顕微鏡システムの装置構成のデータである。測定機器の利用データ232は、例えば、測定により得られた測定データの他、測定機器の利用開始日、利用頻度、測定場所等の情報を含みうる。具体的には、利用データ232の例は、顕微鏡の画像データに対して定義された、画像の分解能、輝度値、時系列変化、又は、チャネル関係情報等のデータであってもよい。あるいは、利用データ232に、顕微鏡装置の動作結果に基づき定義されたオートフォーカスの合焦精度が含まれてもよい。装置構成231及び利用データ232は、新規に定義されるか、または、後述のサンプリングデータから選択又は使用して定義されてもよい。
【0042】
学習器保持部240は、対象ユーザが使用した測定機器の構成及び利用状況の少なくともいずれかに関するデータ(ユーザ装置データ)に基づきその広告を提供すべき度合いを予測するための予測モデルとしての広告学習器を保持する。後述するように、広告学習器は、測定機器の構成及び測定機器の利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるサンプリングデータと、広告の提供の要否を示す情報である正解ラベルとを教師データとして機械学習により生成される。
【0043】
図6の説明に戻る。サンプリングデータ記憶部320は、測定機器の構成及び測定機器の利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるサンプリングデータを記憶する。サンプリングデータは、サービス提供者41により提供される。サンプリングデータは、具体的には、例えば、実験・測定・解析・データマイニングのプロトコル及びその結果である。前述のように、広告データセット200のメタデータ220は、広告主21がサンプリングデータからその広告に関連付けるものを選択して生成される場合がある。また、予測モデルとしての広告学習器は、サンプリングデータ及び正解ラベルを教師データとして機械学習を行うことにより生成される。
【0044】
クライアントデータ記憶部330は、ユーザ31の属性を示す属性データ及びユーザ31についての前述のユーザ装置データの少なくともいずれかを含むデータであるユーザデータとしてのクライアントデータを記憶する。ユーザ31の属性としては、ユーザ31の職業、業界、地位、年齢等が含まれうる。
【0045】
各サービスの接続関係について
図8~
図10を参照して説明する。
図8は、広告管理サービス100とストレージ300の関係の一例を示す図である。
図8に示すように、広告データセット管理部110は、広告データセット記憶部310とネットワークで接続される。また、広告管理サービス100は、広告主端末20と、ネットワーク・クラウド50を介して接続される。広告設定部120は、広告データセット記憶部310とサンプリングデータ記憶部320とそれぞれネットワークで接続される。なお、
図10を参照して後述するように、広告管理サービス100は、データ管理サービス500を介してストレージ300にアクセスするが、
図8では、データ管理サービス500を省略している。
【0046】
図9は、データ活用サービス400と広告管理サービス100及びストレージ300との関係の一例を示す図である。
図9に示すように、データ活用サービス400のデータ活用機能部410及び広告管理サービス100の広告再配置部140は、クライアントデータ記憶部330とネットワークで接続される。データ活用サービス400は、ユーザ端末30とネットワーク・クラウド50を介して接続される。広告管理サービス100は広告データセット記憶部310とネットワークで接続される。このような構成により、広告管理サービス100の広告再配置部140は、クライアントデータ記憶部330からユーザデータとしてのクライアントデータをロードできる。広告管理サービス100は、広告データセット記憶部310から広告データセット200をロードできる。なお、
図10を参照して後述するように、データ活用サービス400は、データ管理サービス500を介してストレージ300にアクセスするが、
図8では、データ管理サービス500を省略している。
【0047】
図10は、データ管理サービス500とストレージ300の関係の一例を示す図である。
図10に示すように、データ管理サービス500は、ストレージ300とネットワークで接続される。また、データ管理サービス500、広告管理サービス100、及びデータ活用サービス400を物理的に別の装置に設けた場合、データ管理サービス500、広告管理サービス100、及びデータ活用サービス400は、ネットワーク・クラウド50を介して接続される。広告管理サービス100及びデータ活用サービス400がストレージ300へアクセスする際は、データ管理サービス500を介してアクセスする。
【0048】
(情報処理システムの動作)
次に、
図11~
図17を参照して、情報処理システム1の動作を説明する。
図11~
図17を参照して説明する情報処理装置10の動作は本実施形態に係る情報処理方法に相当し、各ステップの動作は制御部11の制御に基づき実行される。
図11は、広告管理サービス100が広告学習器を生成する処理の一例を示すフローチャートである。予測モデルとしての広告学習器の生成は、広告データセット管理部110が、広告設定部120に対して、広告データセット200の学習を指示することに応じて行われる。
【0049】
ステップS11において、広告主21は、自身の広告対象物のアピールポイント及び改善指標を念頭において、パラメータ230を含む広告データセット200を設定する。表1は、広告主21が念頭に置くアピールポイントの例を示す。
【0050】
【0051】
広告主21は、広告管理サービス100へ広告データセット200を登録する。具体的には、サービス提供者41により提供されたサンプリングデータの中から、広告に関連付けるべきサンプリングデータを選択して、メタデータ220のパラメータ230として設定する。すなわち、サンプリングデータの各要素は、広告主21により正解ラベルかどうかの選択がそれぞれなされる。このような広告主21の選択を容易にするため、制御部11は、複数の広告の各々について、広告を提供させるべきサンプリングデータを選択するためのユーザインタフェースを提供する。
【0052】
図12及び
図13は、サンプリングデータから教師データを抽出する一例を示す図である。
図12は、サンプリングデータがオートフォーカスログである場合の例を示している。オートフォーカスログとは、顕微鏡におけるオートフォーカス動作シグナルの時系列データであり、ユーザデータとしてのクライアントデータの顕微鏡データ動作結果として存在する。広告主21は、ユーザインタフェース321を使用して、広告に関連付けるべきサンプリングデータを選択する。
図12の例では、装置として異常なデータ(シグナル低下、波形割れ有)が選択されて、正解ラベル付けされている。このような異常なデータを生じている顕微鏡は故障している可能性があるため、そのような顕微鏡のユーザ31は、顕微鏡の潜在的な顧客になる可能性がある。そのため、顕微鏡メーカの広告主21は、このような異常なデータを生じている顕微鏡のユーザ31に広告を提供するために、異常なデータに対して正解ラベルを付与することが考えられる。
【0053】
図13は、サンプリングデータが解析手法テンプレートである場合の例を示している。解析手法テンプレートとは、顕微鏡データをいかにして解析するかの手法のテンプレートであり、ユーザデータとしてのクライアントデータに含まれる顕微鏡データを解析するための解析プロトコルの定義に使用される。広告主21は、ユーザインタフェース322を使用して、広告に関連付けるべきサンプリングデータを選択する。
図13の例では、細胞内顆粒を解析するテンプレートが正解ラベル付けされている。細胞内顆粒を解析するテンプレートに対応する顕微鏡メーカの広告主21は、例えば、このような正解ラベルを付与することが考えられる。
【0054】
再び
図11を参照すると、ステップS12において、広告設定部120は、ステップS11において取得した広告主21によるサンプリングデータの選択に関する情報を取得する。ステップS13において、広告設定部120は、サンプリングデータ記憶部320から、サンプリングデータをロードする。このようにして、制御部11は、サンプリングデータ記憶部320から複数の広告の各々について、測定機器の構成及び測定機器の利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるサンプリングデータと、その広告の提供の要否を示す情報である正解ラベルとを取得する。正解ラベルは、例えば、広告主21の選択が「1」に、非選択が「0」に対応付けられる。
【0055】
ステップS14において、パラメータ学習部121は、広告データセット200の正解ラベルに適するサンプリングデータかどうかを機械学習して、広告学習器を作成する。すなわち、制御部11は、複数の広告の各々について、測定機器の構成及び測定機器の利用状況の少なくともいずれかに関するデータ(離散データ)であるサンプリングデータと、その広告の提供の要否を示す情報である正解ラベルとを教師データとして機械学習する。これにより、制御部11は、予測モデルとしての広告学習器を生成する。広告学習器は、サンプリングデータと同種の離散データの入力に応じて、選択か非選択かの分類結果を出力するが、その値は0~1の範囲の値となる。
【0056】
制御部11は、ステップS14において、例えば、k近傍法、SSD(Single Shot MultiBox Detector)等の、すでに知られている教師ありアルゴリズムを用いて機械学習することができる。例えば、画像データ又は二次元データにマッピングされたサンプリングデータについては、制御部11は、サンプリングデータを人間の目で見て判別する処理をSSDにより機械学習することが可能である。すなわち、制御部11は、測定機器の構成及び測定機器の利用状況の少なくともいずれかに関するサンプリングデータの中で、画像データ又は二次元データにマッピングされたデータをSSDへのインプットとして、広告学習器を生成してもよい。具体的には、制御部11は、次のような用途にSSDを用いることができる。
(1)横軸に時間、縦軸にシグナルでマッピングした顕微鏡のオートフォーカス制御に関する波形のグラフを画像化してサンプリングデータとする。このようなサンプリングデータに対して、オートフォーカスの動作が正常か否かを判別するための教師データを作成し、SSDを用いて機械学習する。
(2)顕微鏡画像のサンプリングデータに対して、その顕微鏡画像が細胞画像に当たるか否かを判別とするための教師データを作成し、SSDを用いて機械学習する。
(1)における顕微鏡のオートフォーカスの動作が正常か否か、及び、(2)における顕微鏡画像が細胞画像に当たるか否かは、いずれも前述の正解ラベルにより示される広告提供の要否に対応する。例えば、(1)の場合、顕微鏡のオートフォーカスの動作が正常でないことは、その顕微鏡と類似する製品の広告を提供する必要があることに対応する。(2)の場合、顕微鏡画像が細胞画像に当たることは、細胞を取り扱う関連製品の広告を提供する必要があることに対応する。
【0057】
ステップS15において、制御部11は、生成した広告学習器を、広告データセット200の学習器保持部240に追加する。広告データセット200は広告データセット記憶部310に保存される。そして、制御部11は、広告学習器を生成する処理を終了する。なお、ここでは、機械学習における教師データが「0」又は「1」の値をとる正解ラベルである場合の例が説明されたが、広告主21が、サンプリングデータに対し、0~1の範囲の値の正解ラベルを付与できるようにしてもよい。制御部11は、このような正解ラベルの入力を容易にするためのユーザインタフェースを提供してもよい。これにより、広告主21の意向をより精密に反映した広告学習器を生成することができる。
【0058】
図14は、データ活用サービス400が判定モデルとしてのクライアントデータ学習器を生成する処理の一例を示すフローチャートである。
【0059】
ステップS21において、ユーザ31は、ユーザデータとしてのクライアントデータをデータ活用サービス400へ登録する。例えば、ユーザ31は、顕微鏡データを登録する。登録されたクライアントデータは、クライアントデータ記憶部330に記憶される。制御部11は、このようなユーザ31からのユーザデータの登録の他、ユーザデータの変更も受け付ける。
【0060】
図15は、クライアントデータの一例を示す図である。
図15の例では、クライアントデータとしての顕微鏡データが、MeasurementDataフォルダ331に保存されている。画像データはImageフォルダ332に保存される。測定ログデータはLogフォルダ333に保存される。顕微鏡データのメタデータはMeasurementResultファイル334として保存される。その他のクライアントデータはファイル335として保存される。
【0061】
ステップS22において、データ活用サービス400は、クライアントデータの分類のための機械学習をクライアントデータ学習部411にて行う。すなわち、制御部11は、サンプルユーザについて過去に取得された、サンプルユーザについてのユーザデータ(クライアントデータ)を少なくとも一人のサンプルユーザごとに取得する。このようなサンプルユーザとしては、例えば、対象ユーザと少なくとも一人の他のユーザとの少なくともいずれかを含む少なくとも一人のユーザとすることができる。制御部11は、少なくとも一人のサンプルユーザごとに取得されたユーザデータを複数のクラスタにクラスタリングする。クラスタリングは、例えば、k平均法、Invariant Information Clustering(IIC)等の、すでに知られている教師なしアルゴリズムを用いて実行することができる。制御部11は、複数のクラスタの各々について、そのクラスタに属するユーザ31に対して広告を提供すべき優先度を示す優先度情報を、広告ごとに取得する。具体的には、制御部11は、複数のクラスタの各々に対して優先度の大きさを選択するためのユーザインタフェースを広告主21に提供し、ユーザインタフェースを介した優先度の選択に基づき、優先度を取得してもよい。広告主21により選択される優先度は、例えば、優先度が高いほど値が大きな0~1の範囲の値となる。制御部11は、複数のクラスタ及び優先度情報に基づいて、複数の広告ごとに判定モデルとしてのクライアントデータ学習器を生成する。
【0062】
再び
図14を参照すると、ステップS23において、制御部11は、生成したクライアントデータ学習器をクライアントデータ記憶部330へ保存する。そして、制御部11は、クライアントデータ学習器を生成する処理を終了する。
【0063】
図16は、広告管理サービス100が広告表示リストを生成する処理の一例を示すフローチャートである。広告表示リストとは、ユーザ31に提供すべき広告を提供すべき順に示した広告のリストである。
【0064】
ステップS31において、制御部11の制御に基づき、データ活用サービス400は、広告管理サービス100に、クライアントデータが登録されたことを通知する。これに応じて、広告管理サービス100は、クライアントデータの登録を認識する。制御部11は、広告提供の対象である対象ユーザが使用した測定機器の構成及び測定機器の対象ユーザによる利用状況の少なくともいずれかに関するデータであるユーザ装置データを取得する。
【0065】
ステップS32~ステップS35において、制御部11は、複数の広告のうちユーザ31への表示対象である広告のリスト(広告表示リスト)を生成する処理を行う。まず、ステップS32及びステップS33において、制御部11は、広告の広告データセット200をロードし、広告データセット200の学習器保持部240に保持された広告学習器により、ロードクライアントデータが広告提供対象であるか否かを表示対象判定部141により判定する。すなわち、ステップS32において、制御部11は、広告について取得された予測モデルとしての広告学習器を用いてユーザ装置データから予測される対象ユーザに対して広告を提供すべき度合いを判定する。前述のように、この度合いは、例えば、0~1の範囲の値となる。ステップS33において、制御部11は、判定された提供すべき度合いに応じて、その広告が対象ユーザへの提供対象であるか否かを判定する。制御部11は、例えば、提供すべき度合いの値が予め定められた閾値以上の広告を表示対象として判定することができる。制御部11は、ステップS33において表示対象であると判定された場合(S33でYES)はステップS34へ進み、表示対象でないと判定された場合(S33でNO)はステップS35へ進む。
【0066】
ステップS34において、制御部11は、ステップS33で表示対象であると判定された広告を広告表示リストへ登録する。
【0067】
ステップS35において、制御部11は、未処理の他の広告があるか否かを判定する。制御部11は、他の広告があると判定された場合(S35でYES)はステップS32へ戻り、他の広告がないと判定された場合(S35でNO)はステップS36へ進む。
【0068】
ステップS36において、制御部11は、順位判定部420において、判定モデルとしてのクライアントデータ学習器により、広告表示リストの表示順を最適化する。具体的には、制御部11は、広告表示リストに記載された対象広告としての広告の各々について、前述の判定モデルとしてのクライアントデータ学習器を取得する。制御部11は、対象広告の各々について、対象広告について取得された判定モデルを用いて、対象ユーザについてのユーザデータに対応する、対象広告を提供すべき優先度を判定する。前述のように、この優先度は、例えば、優先度が高いほど値が大きな0~1の範囲の値となる。制御部11は、対象広告の各々について判定された優先度に応じて、少なくとも1つの対象広告の提供順位を決定する。例えば、制御部11は、優先度の値が大きな順に広告の提供順位を決定する。制御部11は、このように決定された提供順位により、広告表示リストに含まれる広告の順序を入れ替えて最適化する。
【0069】
ステップS37において、制御部11は、広告表示リストをクライアントデータとしてクライアントデータ記憶部330に登録する。そして、制御部11は、広告表示リストを生成する処理を終了する。
【0070】
図17は、データ活用サービス400が広告表示リストの順に広告を表示する処理の一例を示すフローチャートである。
【0071】
ステップS41において、ユーザ31によるクライアントデータの活用の際に、制御部11は、データ活用機能部410により、クライアントデータをロードする。
【0072】
ステップS42において、制御部11は、そのユーザ31についての広告表示リストをロードする。
【0073】
ステップS43において、制御部11は、広告表示部430により、ステップS43でロードした広告表示リストに基づき広告を表示する。具体的には、制御部11は、例えば、広告表示リストにおいて提供すべき順位がより高い広告は、より高い頻度で、より長い時間、又はより目立つ場所に表示するようにしてもよい。
【0074】
上記のように、情報処理装置10は、複数の広告の各々について、測定機器の構成及び利用状況の少なくともいずれかに関するサンプリングデータと、広告の提供の要否を示す情報である正解ラベルとを教師データとして機械学習された予測モデルを取得する。情報処理装置10は、ユーザ31の属性を示す属性データ及びユーザ31についてのユーザ装置データの少なくともいずれかを含むデータであるユーザデータと、広告を提供すべき優先度との関係を示す判定モデルを取得する。そして、情報処理装置10は、予測モデル及び判定モデルを用いて、ユーザ31による測定機器の利用状況又はユーザ31の属性等に応じて、ユーザ31に提供すべき広告を決定し、ユーザ31が関心を持つと推定される関心度の高い順に、広告を並び替えて提供する。したがって、情報処理装置10は、ユーザ31による測定機器の利用の状況に応じた広告を提供可能とすることで、データ管理ソリューションの利用を更に促進することが可能である。
【0075】
具体的には、情報処理装置10によるデータ管理ソリューションは、例えば、故障診断の用途に用いることができる。すなわち、ユーザ31が顕微鏡データを登録すると、データ活用サービス400は、広告データセット200の学習器保持部240に保持された広告学習器により、顕微鏡データに付随する測定ログから顕微鏡に起こる可能性のある将来的な故障の有無を予測する。将来的な故障が予測されるならば、データ活用サービス400は、ユーザ31に対してその装置の予防保全サービスを実施することを推奨する広告を表示してもよい。
【0076】
あるいは、情報処理装置10によるデータ管理ソリューションは、例えば、ソリューション提供に用いることができる。すなわち、ユーザ31が顕微鏡データを登録すると、データ活用サービス400は、広告データセット200の広告学習器により、顕微鏡データのメタデータ又は画像データから、細胞成分の計測及び解析を行っている可能性の有無を判定する。細胞成分の計測及び解析を行っている可能性がある場合、データ活用サービス400は、ユーザ31に対して細胞成分を採取し、1細胞質量分析法又は1細胞遺伝子解析法などを用いて高感度に分析を行うソリューション提供の広告を表示してもよい。なお、測定機器のデータは、顕微鏡のデータだけでなく、工業計器及び測定器から得られるデータとしてもよい。
【0077】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックは統合されてもよいし、又は1つのブロックは分割されてもよい。フローチャートに記載の複数のステップは、記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行されてもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 入力部
15 出力部
20 広告主端末
21 広告主
30 ユーザ端末
31 ユーザ
40 サービス提供者端末
41 サービス提供者
50 ネットワーク・クラウド
100 広告管理サービス
110 広告データセット管理部
120 広告設定部
121 パラメータ学習部
140 広告再配置部
141 表示対象判定部
200 広告データセット
210 広告データ
211 広告内容
220 メタデータ
230 パラメータ
231 装置構成
232 利用データ
240 学習器保持部
300 ストレージ
310 広告データセット記憶部
320 サンプリングデータ記憶部
321 ユーザインタフェース
322 ユーザインタフェース
330 クライアントデータ記憶部
400 データ活用サービス
410 データ活用機能部
411 クライアントデータ学習部
420 順位判定部
430 広告表示部
500 データ管理サービス
510 データ制御部
511 登録部
512 更新部
513 読出部