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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050283
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】飲食店管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20220323BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20220323BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20220323BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20220323BHJP
   G06Q 30/04 20120101ALI20220323BHJP
【FI】
G06Q50/12
G07G1/00 311Z
G07G1/01 301D
G07G1/12 361C
G06Q30/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020156800
(22)【出願日】2020-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】596180319
【氏名又は名称】株式会社協立
(72)【発明者】
【氏名】井出 尚武
(72)【発明者】
【氏名】井出 正之
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA07
3E142BA01
3E142CA20
3E142EA04
3E142EA30
3E142GA13
3E142HA01
3E142HA14
3E142JA04
5L049BB11
5L049CC24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】遠隔地の飲食店における商品の重複注文を抑制することが可能な飲食店管理システムを提供する。
【解決手段】飲食店管理システム1は、通信網2に接続され、第1飲食店10及び第2飲食店20の各種商品の注文ができる第1飲食店10の第1端末11及び第2飲食店20の第2端末21と、通信網2に接続され、第2端末21で第1飲食店10の商品を注文すると、注文後から第1端末11の使用者に該商品が提供されるまでの間は、第1端末11での商品の注文を不能にすると共に、商品の代金を第2端末21の使用者の支払いとして会計処理する制御装置30と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網に接続され、第1飲食店及び第2飲食店の各種商品の注文ができる該第1飲食店の第1端末及び該第2飲食店の第2端末と、
該通信網に接続され、該第2端末で該第1飲食店の商品を注文すると、該注文後から該第1端末の使用者に該商品が提供されるまでの間は、該第1端末での該商品の注文を不能にすると共に、該商品の代金を該第2端末の使用者の支払いとして会計処理する制御装置と、
を有する飲食店管理システム。
【請求項2】
該第1飲食店は、該第1端末又は該第2端末で注文した商品が提供される食卓上の特定領域を異なる角度から撮像する複数の撮像装置を備えており、
該制御装置は、該複数の撮像装置が撮像した複数の映像を、該第2端末に送信する請求項1に記載の飲食店管理システム。
【請求項3】
該制御装置は、該複数の映像の内の少なくとも1つの映像について、該特定領域以外の該食卓の領域をマスク処理すると共に、該マスク処理後の該映像を該第2端末に送信する請求項2に記載の飲食店管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、互いに遠隔にいる少なくとも第1の参加者と第2の参加者とが映像及び音声の通信を用いて会話をしながらの飲食(所謂オンライン飲み会など)を可能にする情報処理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6677852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、遠隔地の飲食店における商品の重複注文を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の飲食店管理システムは、通信網に接続され、第1飲食店及び第2飲食店の各種商品の注文ができる該第1飲食店の第1端末及び該第2飲食店の第2端末と、該通信網に接続され、該第2端末で該第1飲食店の商品を注文すると、該注文後から該第1端末の使用者に該商品が提供されるまでの間は、該第1端末での該商品の注文を不能にすると共に、該商品の代金を該第2端末の使用者の支払いとして会計処理する制御装置と、を有する。
【0006】
請求項2の飲食店管理システムは、請求項1の飲食店管理システムにおいて、該第1飲食店は、該第1端末又は該第2端末で注文した商品が提供される食卓の特定領域を異なる角度から撮像する複数の撮像装置を備えており、該制御装置は、該複数の撮像装置が撮像した複数の映像を、該第2端末に送信する。
【0007】
請求項3の飲食店管理システムは、請求項2に記載の飲食店管理システムにおいて、該制御装置は、該複数の映像の内の少なくとも1つの映像について、該特定領域以外の該食卓の領域をマスク処理すると共に、該マスク処理後の該映像を該第2端末に送信する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の飲食店管理システムによれば、第1端末での商品の注文を不能にする制御装置を備えていない構成と比して、第1飲食店における商品の重複注文を抑制して、第1端末の使用者に商品を提供できる。
【0009】
請求項2の飲食店管理システムによれば、第1飲食店が食卓上の特定領域を異なる角度から撮像する複数の撮像装置を備えていない構成と比して、第2端末による誤注文の発生を抑制できる。
【0010】
請求項3の飲食店管理システムによれば、制御装置が映像のマスク処理をする機能を備えていない構成と比して、第2端末による誤注文の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】飲食店管理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図2】飲食店内部の一例を示す模式図である。
図3】制御装置の一例を示すブロック図である。
図4】飲食店管理システムの動作フロー図である。
図5】飲食店内部の一例を示す模式図である。
図6】飲食店内部の一例を示す模式図である。
図7】通信端末の画面に表示される映像の説明図である。
図8】飲食店内部の一例を示す模式図である。
図9】通信端末の画面に表示される映像の説明図である。
図10】通信端末の画面に表示される映像の説明図である。
図11】通信端末の画面の説明図である。
図12】通信端末の画面の説明図である。
図13】通信端末の画面の説明図である。
図14】通信端末の画面の説明図である。
図15】通信端末の画面の説明図である。
図16】通信端末の画面の説明図である。
図17】通信端末の画面の説明図である。
図18】通信端末の画面の説明図である。
図19】通信端末の画面の説明図である。
図20】通信端末の画面の説明図である。
図21】通信端末の画面の説明図である。
図22】通信端末の画面の説明図である。
図23】通信端末の画面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態について、複数の実施形態を例示して説明する。
【0013】
<第1実施形態>
第1実施形態の飲食店管理システム1について説明する。
まず、飲食店管理システム1の全体構成を説明する。次いで、制御装置30の構成について説明する。次いで、飲食店管理システム1における情報の流れについて説明する。
【0014】
〔全体構成〕
飲食店管理システム1は、図1及び図2に示すように、第1飲食店10のテーブル16に設置され、第1飲食店10に来店した顧客である第1顧客13が使用する通信端末であるノートPC11を有している。
【0015】
飲食店管理システム1は、第2飲食店20のテーブル26に設置され、第2飲食店20に来店した顧客である第2顧客23が使用する通信端末であるノートPC21を有している。
【0016】
第1飲食店10及び第2飲食店20は、距離が離れた遠隔地にあるレストラン、居酒屋などの飲食店であって、顧客が注文した飲料、食事などの各種商品を顧客に提供する飲食店のことである。
【0017】
ノートPC11は第1端末の一例であり、ノートPC21は第2端末の一例である。第1顧客は第1端末の使用者の一例であり、第2顧客は第2端末の使用者の一例である。テーブルは、食卓の一例である。
【0018】
飲食店管理システム1は、第1飲食店10の従業員が使用する通信端末である第1飲食店端末12と、第2飲食店20の従業員が使用する通信端末である第2飲食店端末22と、を有している。
【0019】
飲食店管理システム1は、ノートPC11、ノートPC21、第1飲食店端末12及び第2飲食店端末22が送受信する全ての情報を制御する制御装置30を有している。換言すると、ノートPC11、ノートPC21、第1飲食店端末12又は第2飲食店端末22が送受信する情報は、制御装置30を介する。
【0020】
ノートPC11、ノートPC21、第1飲食店端末12、第2飲食店端末22及び制御装置30は、それぞれ通信網2に接続されている。
【0021】
ここで、通信端末とは、通信網2を介して互いに通信可能なタブレット、スマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータ(ノートPC)、ディスプレイを備えたデスクトップ型パーソナルコンピュータ(デスクトップPC)などの端末のことある。
【0022】
また、通信端末は、音声を電気信号(通信網2を介して通信可能な情報)に変換するマイクと、電気信号を音声に変換するスピーカーと、電気信号を映像として表示する画面(ディスプレイ)と、映像を電気信号に変換するカメラ(撮像装置の一例)と、を備えている。例えば、通信端末の一例としてのノートPCは、一般的に、マイク、スピーカー及びカメラを内蔵しており、ディスプレイも備えている。
【0023】
通信網2は、通信端末同士でデータ通信(情報通信)ができるものであれば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット回線などの種類を問わない。
【0024】
また、通信網2は、有線、無線を間わず、有線と無線を併用したものであっても良い。また、通信網2は、ルータなどの中継装置を用いて、前記した複数種類の通信網を併用したものであっても良い。
【0025】
〔制御装置〕
次に制御装置の構成について、図3を用いて説明する。
【0026】
制御装置30は、ノートPC11、ノートPC21、第1飲食店端末12及び第2飲食店端末22のそれぞれの情報の流れを制御する機能を有する。
【0027】
具体的には、制御装置30は、コンピュータ31を含んで構成されている。コンピュータ31は、CPU(Central Processing Unit)31A、ROM(Read Only Memory)31B、RAM(Random Access Memory)31C、不揮発性メモリ31D、入出力インタフェース(I/O)31Eなどがバス31Fを介して接続されている。
【0028】
CPU31Aは、制御装置30の全体の動作を司るものである。ROM31Bは、制御装置30の動作を制御する制御プログラム等を予め記憶する記憶手段として機能するものである。RAM31Cは、各種プログラムの実行時のワークエリア、情報の一時的な記憶等として用いられるものである。不揮発性メモリ31Dは、制御装置30の電源スイッチが切られても保持しなければならない各種情報を記憶するものである。
【0029】
I/O31Eには、制御装置30に関する操作を行うための操作ボタン等(キーボード、マウス等)を含んで構成された操作部32と、制御装置30に関する表示を行う液晶ディスプレイ等で構成された表示部33と、通信網2等と、が接続されている。
【0030】
〔情報の流れ〕
次に、飲食店管理システム1の情報の流れについて、図4を用いて説明する。図4において、「S」は、ステップの略字である。
【0031】
説明を簡単にするため、図2に示すように、第1飲食店10に来店した第1顧客13が第1飲食店10のテーブル16に設置されたノートPC11を使用し、かつ、第2飲食店20に来店した第2顧客23が第2飲食店20のテーブル26に設置されたノートPC21を使用することにより、所謂オンライン飲み会で飲食を楽しむ場合を例示して説明する。
【0032】
第1顧客13は、ノートPC11を用いて、第1飲食店10及び第2飲食店20に対して各種商品の注文をすることができる。同様に、第2顧客23は、ノートPC21を用いて、第1飲食店10及び第2飲食店20に対して各種商品の注文をすることができる。
【0033】
第1顧客13又は第2顧客23が第1飲食店10に注文した商品は、第1飲食店10の第1顧客13のみに提供され、第2飲食店20の第2顧客23には提供されない。同様に、第1顧客13又は第2顧客23が第2飲食店20に注文した商品は、第2飲食店20の第2顧客23のみに提供され、第1飲食店10の第1顧客13には提供されない。
【0034】
商品には、第1飲食店10が第1顧客13に提供する商品(例えば、第1商品14、第2商品15等)、及び第2飲食店20が第2顧客23に提供する商品(例えば、第3商品24、第4商品25等)の少なくとも一方が含まれる。
【0035】
(事前手続)
第1顧客13と第2顧客23がオンライン飲み会をするに際し、事前にすべき手続について説明する。
【0036】
第1顧客13は、ノートPC11を用いて、オンライン飲み会をする相手である第2顧客23が使用するノートPC21を選択する(図4のS1)。
【0037】
具体的には、第1顧客13は、ノートPC11の画面200に表示された複数の飲食店201の中から、第2顧客23がいる第2飲食店20(例えば、「居酒屋B」)を選択(クリック、タップ等)する(図11)。そして、ノートPC11の画面200に表示された第2飲食店20の複数の通信端末211の中から、第2顧客23が使用する通信端末であるノートPC21(例えば、「PC-B」)を選択する(図12)。
【0038】
そうすると、ノートPC11は、第1飲食店10のノートPC11と、第2飲食店20のノートPC21の接続を要求する信号(例えば、特定の文字列)を含む情報Aを、通信網2を介して、制御装置30に送信する。
【0039】
情報Aには、少なくとも、当該接続を要求する信号と、両通信端末(ノートPC11及びノートPC21)を特定する情報(例えば、IP(Internet Protoco1)アドレス等)と、が含まれる。
【0040】
なお、この手続は、第2顧客23が行っても良い。つまり、第2顧客23は、ノートPC21を用いて、第1顧客13が使用する第1飲食店10のノートPC11を選択しても良い(図4のS1)。
【0041】
具体的には、第2顧客23は、ノートPC21の画面300に表示された複数の飲食店301の中から、第1顧客13がいる第1飲食店10(例えば、「居酒屋A」)を選択する(図11)。そして、ノートPC21の画面300に表示された第1飲食店10の複数の通信端末311の中から、第1顧客13が使用するノートPC11(例えば、「PC-A」)を選択する(図12)。
【0042】
そうすると、ノートPC21は、情報Aを、通信網2を介して制御装置30に送信する。上記手続は、第1顧客13又は第2顧客23が行えばよく、第1顧客13及び第2顧客23が行う必要はない。
【0043】
情報Aを受信した制御装置30は、情報AをRAM31Cに記憶すると共に、両通信端末を映像及び音声を用いた会話ができるように、通信網2を介して接続する。
【0044】
制御装置30は、少なくとも、両通信端末を特定する情報と、両通信端末が接続された旨の画面の表示を要求する信号と、商品の注文先を選択する画面の表示を要求する信号と、を含む情報Bを、両通信端末に送信する。
【0045】
情報Bを受信した両通信端末は、両通信端末のそれぞれの画面に、両通信端末が接続された旨の表示と、商品の注文先である飲食店(第1飲食店10又は第2飲食店20)の選択を促す表示をする(図4のS2、図13)。
【0046】
第1顧客13及び第2顧客23は、この時点で、両通信端末を用いて映像及び音声を用いた会話が可能となる。つまり、ノートPC11は、ノートPC11に内蔵されたカメラ(後述する第1カメラ)とマイクにより、第1顧客13の映像と音声をノートPC21に送信する。ノートPC21は、ノートPC11から送信された第1顧客13の映像をノートPC21の画面300に表示し(図13)、音声をノートPC21に内蔵されたスピーカーで再生する。
【0047】
同様に、ノートPC21は、ノートPC21に内蔵されたカメラ(後述する第2カメラ)とマイクにより、第2顧客23の映像と音声をノートPC11に送信する。ノートPC11は、ノートPC21から送信された第2顧客23の映像をノートPC11の画面200に表示し(図13)、音声をノートPC11に内蔵されたスピーカーで再生する。
【0048】
なお、両通信端末を用いて映像及び音声を用いた会話が可能となった後は、当該会話は継続して行うことが可能である。このため、両通信端末の画面表示を変えても、両通信端末のカメラは相手方に映像を送り続け、両通信端末のマイクは相手方に音声を送り続ける。また、両通信端末の画面表示を変えても、両通信端末の画面は、常に相手方の映像を表示し(例えば、図13等)、かつ、両通信端末のスピーカーは常に相手方の音声を再生する。なお、一方の通信端末が送信する当該映像及び音声は、通信網2及び制御装置30を介して他方の通信端末が受信する。同様に、他方の通信端末が送信する当該映像及び音声は、通信網2及び制御装置30を介して一方の通信端末が受信する。
【0049】
(第1顧客による第1飲食店への商品の注文)
次に、第1顧客13がノートPC11を用いて、自ら飲食する商品を第1飲食店10に注文する場合の情報の流れについて説明する。
【0050】
第1顧客13は、ノートPC11の画面200に表示された第1飲食店10と第2飲食店20から、商品の注文先として第1飲食店10を選択する(図4のS2、図13)。
【0051】
そうすると、ノートPC11は、第1飲食店10のメニュー画面の表示を要求する信号を含む情報C1を、通信網2を介して、制御装置30に送信する。
【0052】
情報C1には、少なくとも、上記表示を要求する信号と、注文先(第1飲食店10)と、表示先(ノートPC11)と、が含まれる。ここで、表示先は、メニュー画面の表示を要求する信号を送信する通信端末のことであるから、ノートPC11により、自動で設定される。
【0053】
情報C1を受信した制御装置30は、情報C1に含まれる注文先(第1飲食店10)と同一の飲食店であって、不揮発性メモリ31Dに記憶された飲食店のメニュー情報D1を、情報C1に含まれる表示先(ノートPC11)に送信する。
【0054】
メニュー情報D1を受信したノートPC11は、ノートPC11の画面200に第1飲食店10のメニュー情報D1を表示させる(図14)。
【0055】
第1顧客13は、ノートPC11の画面200に表示された第1飲食店10のメニュー情報D1を見て、自ら飲食を希望する商品と、その数量と、を入力(選択)する(S3)。
【0056】
ここでは、説明を分かり易くするため、第1顧客13は、第1飲食店10の2つの異なる商品である第1商品14(図14の商品A)と、第2商品15(図14の商品B)について、第1商品14を1個と、第2商品15を2個と、を入力したとする。
【0057】
そうすると、ノートPC11は、入力された商品及びその数量に関するデータ(以下、「入力データ」と称す。)を含む情報E1を、通信網2を介して、制御装置30に送信する(S3)。
【0058】
情報E1には、少なくとも、注文元(ノートPC11)と、入力データ(第1商品14を1個、第2商品15を2個)と、注文先(第1飲食店10)と、提供先(ノートPC11)と、が含まれる。
【0059】
ここで、情報E1の注文元は、情報E1を制御装置30に送信する通信端末であるため、ノートPC11により自動で設定される。また、情報E1の注文先は、ステップ2(S2)により第1顧客13が選択した飲食店であるため、ノートPC11により自動で設定される。また、情報E1の提供先は、上記注文先の飲食店の顧客(第1顧客13)が使用する通信端末であるノートPC11が、注文元のノートPC11により自動で設定される。
【0060】
情報E1を受信した制御装置30は、情報E1をRAM31Cに記憶する。また、制御装置30は、RAM31Cに記憶された情報E1の入力データの商品と同一の商品について、情報E1の注文元(ノートPC11)とは異なる他の通信端末(ノートPC21)から、情報E1の提供先(ノートPC11)に対する存続する注文の有無を確認する(S4)。
【0061】
ここで、他の通信端末とは、情報Aに含まれる通信端末の内、情報E1の注文元(ノートPC11)を除いた通信端末(ノートPC21)のことである。
【0062】
また、存続する注文とは、提供先(ノートPC11)の顧客(第1顧客13)に提供される前(例えば、第1飲食店10が調理中等)の商品に関する注文であって、当該顧客(第1顧客13)への提供を終えた当該商品に関する注文を含まない。
【0063】
なお、存続する注文であるか否かは、制御装置30のRAM31Cに記憶されたフラグの有無で判断される。当該グラグが立っている(フラグ有りの)場合は、存続する注文である。また、提供先(ノートPC11)の顧客(第1顧客13)に対して、注文に係る商品が提供されると、フラグが降りる(フラグ無しとなる=存続する注文ではなくなる)。
【0064】
その後の情報の流れは、ケース1~3に分けて説明する。
ケース1は、第1顧客13が自ら飲食する第1飲食店10の商品を、ノートPC11を用いて注文する場合である。
【0065】
ケース2は、上記ケース1において、第1顧客13が注文する前に、完全同一の商品を、第2顧客23がノートPC21を用いて既に注文していた場合である。換言すると、第1顧客13が自ら飲食しようとする第1飲食店10の商品と完全同一の商品を、第1顧客13が知らない間に、第2顧客23がノートPC21を用いて既に第1飲食店10に注文していた場合である。具体的には、第2顧客23が、第1顧客13を接待しており、第2顧客23の費用負担で、第1顧客13に第1飲食店10の商品を提供する等である。
【0066】
ケース3は、上記ケース1において、第1顧客13が注文する前に、一部同一の商品を、第2顧客23がノートPC21を用いて既に注文していた場合である。換言すると、第1顧客13が自ら飲食する第1飲食店10の商品と一部同一の商品を、第1顧客13が知らない間に、第2顧客23がノートPC21を用いて既に第1飲食店10に注文していた場合である。
【0067】
(ケース1)
制御装置30は、RAM31Cにアクセスして、他の通信端末(ノートPC21)からの情報E1の提供先(ノートPC11)への存続する注文の有無を確認する(S4)。
【0068】
その結果、制御装置30は、情報E1の入力データ(第1商品14=1個、第2商品15=2個)について、他の通信端末(ノートPC21)からの存続する注文が無いことを確認した場合、情報E1の注文元(ノートPC11)及び注文先(第1飲食店10)の通信端末(第1飲食店端末12)に対して、注文を受け付けた旨の表示を要求する信号を含む情報F1を、通信網2を介して送信する(S6)。
【0069】
さらに、制御装置30は、情報E1の入力データについて、存続する注文としてのフラグを立てる。具体的には、制御装置30は、RAM31Cに記憶した情報E1の入力データに関連させてRAM31Cに記憶した特定のビットを1に設定する。
【0070】
なお、注文先(第1飲食店10)の通信端末(第1飲食店端末12)と、当該通信端末を特定する情報(例えば、IP(Internet Protoco1)アドレス等)は、予め制御装置30の不揮発性メモリ31Dに記憶されている。
【0071】
情報F1には、少なくとも、注文を受け付けた旨の表示を要求する信号と、情報E1と、が含まれる。
【0072】
情報F1を受信したノートPC11は、その画面200に、情報E1の入力データの注文を受け付けた旨の表示をする(図4のS6、図15)。
【0073】
また、情報F1を受信した第1飲食店端末12は、その画面400に、情報E1の入力データ等の表示をする(図16)。そして、当該画面400の表示を見た第1飲食店10の従業員は、当該入力データの商品について調理等を行い、情報E1の提供先(ノートPC11)の使用者(第1顧客13)に提供する。換言すると、第1飲食店10の従業員は、顧客に提供する準備を終えた当該入力データの商品を、情報E1の提供先(ノートPC11)が置かれたテーブル16に運ぶ(図2)。
【0074】
その後、第1飲食店10の従業員は、第1飲食店端末12を用いて、当該入力データの商品について第1顧客13への提供を終えた旨の信号を含む情報G1を、通信網2を介して制御装置30に送信する。具体的には、図16に示す第1飲食店端末12の画面400において、「提供完了」アイコンを選択(タップ、クリック等)する。
【0075】
情報G1には、少なくとも、入力データの商品について第1顧客13への提供を終えた旨の信号と、情報E1と、が含まれる。
【0076】
情報G1を受信した制御装置30は、情報E1の入力データについて、存続する注文としてのフラグを降ろす。具体的には、制御装置30は、RAM31Cに記憶した情報E1の入力データに関連させてRAM31Cに記憶した特定のビットを0に設定する。
【0077】
第1顧客13は、会計処理(商品代金の精算処理)を希望せず(S7)、次の商品を注文(選択)する場合は、ステップ2(S2)に戻る。具体的には、第1顧客13は、図15に示すノートPC11の画面200において、「注文」アイコンを選択する。そうすると、ノートPC11の画面200には、飲食店を選択する画面が表示される(図13)。
【0078】
第1顧客13は、会計処理を希望する場合は、ノートPC11の画面200に表示された「会計」アイコンを選択する(図4のS7、図15)。そうすると、ノートPC11は、会計処理を要求する信号を含む情報H1を、通信網2を介して、制御装置30に送信する。
【0079】
情報H1には、少なくとも、当該会計処理を要求する信号と、要求元(ノートPC11)と、が含まれる。ここで、要求元は、会計処理を要求する信号を送信する通信端末のことであるため、ノートPC11により、自動で設定される。
【0080】
情報H1を受信した制御装置30は、RAM31Cに記憶された入力データと、不揮発性メモリ31Dに記憶された飲食店のメニュー情報D1とから、要求元であるノートPC11の使用者(第1顧客13)に請求すべき商品代金を計算する(図4のS8)。換言すると、制御装置30は、情報E1の入力データの商品代金を、ノートPC11の使用者(第1顧客13)の支払いとして会計処理する。
【0081】
商品代金の計算は、情報H1の要求元(ノートPC11)と、情報E1の注文元(ノートPC11)が同一である情報E1の入力データについて、なされる。
【0082】
具体的には、ケース1では、第1顧客13は、ノートPC11(情報E1の注文元=情報H1の要求元)を用いて、情報E1の入力データ(第1商品14を1個、及び第2商品15を2個)、を注文している。情報E1の入力データは、RAM31Cに記憶されている。また、第1商品14の単価(500円)及び第2商品15の単価(800円)は、不揮発性メモリ31Dに、第1飲食店10のメニュー情報D1として記憶されている(図14)。
【0083】
このため、制御装置30は、これらRAM31Cと不揮発性メモリ31Dに記憶された各種情報に基づいて、(500円×1)+(800円×2)=2100円の会計処理を行う。そして、制御装置30は、当該金額を含む情報J1を、通信網2を介して、ノートPC11及び第1飲食店10の第1飲食店端末12に送信する。情報J1には、少なくとも、商品代金(ケース1では、2100円)と、情報E1と、が含まれる。
【0084】
ノートPC11及び/又は第1飲食店端末12に表示された商品代金を見た第1顧客13は、この商品代金を、第1飲食店10から離れる際に、第1飲食店10の従業員に支払う。
【0085】
(ケース2)
ケース2は、前記した通り、ケース1において、第1顧客13が注文する前に、第1顧客13が飲食する第1飲食店10の商品と同一(完全同一)の商品を、第2顧客23がノートPC21を用いて既に注文していた場合である。
【0086】
ケース2では、第1顧客13による第1飲食店10への商品の注文の前に、第2顧客23による第1飲食店10への商品の注文が既になされているため、時系列に沿って説明する。つまり、まず、第2顧客23による第1飲食店10への商品の注文について説明する。次いで、第1顧客13による第1飲食店10への商品の注文について説明する。
【0087】
まず、第2顧客23による第1飲食店10への商品の注文について説明する。第2顧客23は、ノートPC21の画面300に表示された第1飲食店10と第2飲食店20から、商品の注文先として第1飲食店10(居酒屋A)を選択する(図4のS2、図13)。
【0088】
そうすると、ノートPC21は、第1飲食店10のメニュー画面の表示を要求する信号を含む情報C2を、通信網2を介して、制御装置30に送信する。
【0089】
情報C2には、少なくとも、上記表示を要求する信号と、注文先(第1飲食店10)と、表示先(ノートPC21)と、が含まれる。ここで、表示先は、メニュー画面の表示を要求する信号を送信する通信端末のことであるから、ノートPC21により、自動で設定される。
【0090】
情報C2を受信した制御装置30は、情報C2に含まれる注文先(第1飲食店10)と同一の飲食店であって、不揮発性メモリ31Dに記憶された飲食店(第1飲食店10)のメニュー情報D1を、情報C2の表示先(ノートPC21)に送信する。
【0091】
メニュー情報D1を受信したノートPC21は、ノートPC21の画面300に第1飲食店10のメニュー情報D1を表示させる(図14)。
【0092】
第2顧客23は、ノートPC21の画面300に表示された第1飲食店10のメニュー情報D1を見て、第2顧客23の商品代金の負担で、第1顧客13に提供を希望する商品と、その数量と、を入力(選択)する(S3)。
【0093】
ここでは、第2顧客23は、第1飲食店10の2つの異なる商品である第1商品14と第2商品15について、第1商品14を1個と、第2商品15を2個と、を入力したとする。
【0094】
そうすると、ノートPC21は、入力された商品及びその数量に関する入力データを含む情報E2を、通信網2を介して、制御装置30に送信する(S3)。
【0095】
情報E2には、少なくとも、注文元(ノートPC21)と、入力データ(第1商品14を1個、第2商品15を2個)と、注文先(第1飲食店10)と、提供先(ノートPC11)と、が含まれる。
【0096】
ここで、情報E2の注文元は、情報E2を制御装置30に送信する通信端末のことであるため、当該通信端末(ノートPC21)により自動で設定される。また、情報E2の注文先は、ステップ2(S2)により第2顧客23が選択した飲食店(第1飲食店10)であるため、当該通信端末(ノートPC21)により自動で設定される。また、情報E2の提供先は、情報E2の注文先(第1飲食店10)の通信端末であって、第2顧客23と通信網2により接続されている通信端末(ノートPC11)が、注文元の通信端末(ノートPC21)により自動で設定される。
【0097】
情報E2を受信した制御装置30は、情報E2をRAM31Cに記憶する。また、制御装置30は、RAM31Cに記憶された情報E2の入力データの商品と同一の商品について、情報E2の注文元(ノートPC21)とは異なる他の通信端末(ノートPC11)から、情報E2の提供先(ノートPC11)に対する存続する注文の有無を確認する(S4)。
【0098】
ここで、他の通信端末とは、情報Aに含まれる通信端末の内、情報E2の注文元(ノートPC21)を除いた通信端末(ノートPC11)のことである。
【0099】
また、存続する注文とは、情報E2の提供先(ノートPC11)の顧客(第1顧客13)に提供される前(例えば、第1飲食店10が調理中等)の商品に関する注文であって、当該顧客(第1顧客13)への提供を終えた当該商品に関する注文を含まない。
【0100】
制御装置30は、他の通信端末(ノートPC11)からの情報E2の提供先(ノートPC11)への存続する注文の有無を確認した結果、情報E2の入力データ(第1商品14を1個、第2商品15を2個)について、他の通信端末(ノートPC11)からの存続する注文が無いと判断した場合、情報E2の注文元(ノートPC21)及び注文先(第1飲食店10)の通信端末(第1飲食店端末12)に対して、注文を受け付けた旨の表示を要求する信号を含む情報F2を、通信網2を介して送信する(図4のS6)。
【0101】
さらに、制御装置30は、情報E2の入力データについて、存続する注文としてのフラグを立てる。具体的には、制御装置30は、RAM31Cに記憶した情報E2の入力データに関連させてRAM31Cに記憶した特定のビットを1に設定する。
【0102】
情報F2には、少なくとも、注文を受け付けた旨の表示を要求する信号と、情報E2と、が含まれる。
【0103】
情報F2を受信したノートPC21は、その画面300に、情報E2の入力データの注文を受け付けた旨の表示をする(図4のS6、図15)。
【0104】
情報F2を受信した第1飲食店端末12は、その画面400に、情報E2の入力データ等の表示をする(図17)。そして、当該画面400の表示を見た第1飲食店10の従業員は、当該入力データの商品について調理等を行なう。
【0105】
次いで、第1顧客13による第1飲食店10の商品の注文について説明する。換言すると、前記した第2顧客23による情報E2に係る注文がなされた後の第1顧客13による第1飲食店10の商品の注文について説明する。
【0106】
制御装置30は、他の通信端末(ノートPC21)からの情報E1の提供先(ノートPC11)への存続する注文の有無を確認する(S4)。
【0107】
その結果、制御装置30は、情報E1の入力データ(第1商品14を1個、第2商品15を2個)について、他の通信端末(ノートPC21)からの存続する同一(完全同一)の注文(第1商品14を1個、第2商品15を2個=情報E2の入力データの商品)が既に有ることを確認した場合、情報E1の入力データ(第1商品14を1個、第2商品15を2個)から、ノートPC21からの同一商品の注文(第1商品14を1個、第2商品15を2個=情報E2の入力データの商品)を差し引いて(除いて)、RAM31Cに記憶された情報E1の入力データを更新する(S5)。換言すると、制御装置30は、RAM31Cに記憶された情報E1を更新する(S5)。
【0108】
そして、制御装置30は、更新された情報E1の注文元(ノートPC11)及び注文先(第1飲食店10)の通信端末(第1飲食店端末12)に対して、注文を受け付けた旨の表示を要求する信号を含む情報F3を、通信網2を介して送信する(図4のS6)。
【0109】
情報F3には、少なくとも、当該注文を受け付けた旨の表示を要求する信号と、更新された情報E1と、他の通信端末(ノートPC21)と、が含まれる。
【0110】
ここで、更新された情報E1は、少なくとも、注文元(ノートPC11)と、更新された入力データ(なし)と、注文先(第1飲食店10)と、提供先(ノートPC11)と、が含まれる。
【0111】
情報F3を受信したノートPC11は、その画面200に、情報F3の他の通信端末(ノートPC21)から既に同一(完全同一)の注文が入っている旨の表示と、更新された情報E1における入力データの注文を受け付けた旨の表示をする(図4のS6、図18)。ここでは、更新された情報E1の入力データは「なし」となっているため、「0」を表示する。
【0112】
つまり、第1顧客13は、情報E1(更新前の情報E1)の入力データ(第1商品14を1個、第2商品15を2個)について、他の通信端末(ノートPC21)から、情報E1の提供先(ノートPC11)に対する存続する同一(完全同一)の注文(第1商品14を1個、第2商品15を2個)が既にある場合は、当該存続する同一の注文が消滅するまでは、同一の商品(第1商品14を1個、第2商品15を2個)についての注文をすることができない。
【0113】
換言すると、制御装置30は、他の通信端末(ノートPC21)から第1飲食店10の商品(第1商品14を1個、第2商品15を2個)の注文がなされると、この注文後から、第1顧客13に該商品(第1商品14を1個、第2商品15を2個)が提供されるまでの間、ノートPC11での該商品(第1商品14を1個、第2商品15を2個)の注文を不能(不可能)にする。
【0114】
これにより、第1飲食店10における商品の重複注文を抑制できる。つまり、第1顧客13に対して、第1顧客13が望む以上の商品が第1飲食店10より提供されることを抑制できる。
【0115】
情報F3を受信した第1飲食店端末12は、その画面400に、更新された情報E1の入力データ等の表示をする(図19)。ここでは、更新された情報E1の入力データは「なし」なので、当該表示に基づいて第1飲食店10の従業員が行う具体的なアクションはない。
【0116】
第1飲食店10の従業員は、他の通信端末(ノートPC21)からの注文に係る商品(第1商品14を1個、第2商品15を2個)の調理を終え次第、当該商品を情報E2の提供先(ノートPC11)の通信端末の使用者である第1顧客13に提供する。
【0117】
換言すると、第1飲食店10の従業員は、顧客に提供する準備を終えた情報E2の入力データの商品を、情報E2の提供先であるノートPC11が置かれたテーブル16まで運ぶ。
【0118】
その後、第1飲食店10の従業員は、第1飲食店端末12を用いて、情報E2の入力データの商品について第1顧客13への提供を終えた旨の信号を含む情報G2を、通信網2を介して、制御装置30に送信する。具体的には、図17に示す第1飲食店端末12の画面400において、「提供完了」アイコンを選択する。
【0119】
情報G2には、少なくとも、入力データの商品について第1顧客13への提供を終えた旨の信号と、情報E2と、が含まれる。
【0120】
情報G2を受信した制御装置30は、情報E2の入力データについて、存続する注文としてのフラグを降ろす。具体的には、制御装置30は、RAM31Cに記憶した情報E2の入力データに関連させてRAM31Cに記憶した特定のビットを0に設定する。
【0121】
そうすると、その後、第1顧客13は、前記した情報E1の入力データと同一(完全同一または一部同一)の商品の注文が可能となる。換言すると、制御装置30は、RAM31Cに記憶した情報E2の入力データに関連させてRAM31Cに記憶した特定のビットを0に設定した後、ノートPC11による情報E1の商品の注文を不能とする処理をしない。
【0122】
第1顧客13は、会計処理を希望せず、次の商品を選択する場合は、ステップ2(図4のS2)に戻る。具体的には、第1顧客13は、図18に示すノートPC11の画面200において、「注文」アイコンを選択する。そうすると、ノートPC11の画面200には、飲食店を選択する画面が表示される(図13)。
【0123】
第1顧客13は、会計処理を希望する場合は、ノートPC11の画面200に表示された「会計」アイコンを選択する(図4のS7、図18)。そうすると、ノートPC11は、会計処理を要求する信号を含む情報H1を、通信網2を介して、制御装置30に送信する。
【0124】
情報H1を受信した制御装置30は、RAM31Cに記憶された入力データと、ROM31Bに記憶された各飲食店のメニュー情報と、から、要求元(ノートPC11)に請求すべき商品代金(料金)を計算する(S8)。
【0125】
当該計算は、情報H1の要求元(ノートPC11)と、情報E1(更新された情報E1を含む)の注文元(ノートPC11)が同一である当該情報E1の入力データについて、なされる。
【0126】
具体的には、ケース2では、第1顧客13は、ノートPC11(情報E1の注文元=情報H1の要求元)を用いた注文は「なし」(更新された情報E1の入力データ)となっている。
【0127】
このため、第1顧客13が第1飲食店10及び第2飲食店20に対して他に何も注文していない場合、制御装置30は、0円の会計処理を行う。そして、制御装置30は、当該商品代金を含む情報J2を、通信網2を介して、ノートPC11及び第1飲食店10の第1飲食店端末12に送信する。情報J2には、少なくとも、商品代金(0円)と、更新された情報E1と、が含まれる。
【0128】
第1顧客13は、情報J2の商品代金が0円であるから、第1飲食店10から離れる際に、第1飲食店10の従業員に商品代金を支払う必要がない。
【0129】
一方、前記した通り、第1商品14を1個と、第2商品15を2個は、第2顧客23がノートPC21を用いて注文したものである。このため、この商品代金は、第2顧客23が第2飲食店20から離れる際に、第2飲食店20の従業員に支払う。この手続について説明する。
【0130】
第2顧客23は、会計処理を希望する場合は、ノートPC21の画面300に表示された「会計」アイコンを選択する(図4のS7、図15)。そうすると、ノートPC21は、会計処理を要求する信号を含む情報H2を、通信網2を介して、制御装置30に送信する。
【0131】
情報H2には、少なくとも、会計処理を要求する信号と、要求元(ノートPC21)と、が含まれる。ここで、要求元は、会計処理を要求する信号を送信する通信端末のことであるから、ノートPC12により、自動で設定される。
【0132】
情報H2を受信した制御装置30は、RAM31Cに記憶された入力データと、不揮発性メモリ31Dに記憶された飲食店のメニュー情報D1とから、要求元であるノートPC21を使用する客(第2顧客23)に請求すべき商品代金を計算する(S8)。換言すると、制御装置30は、情報E2の入力データの商品代金を、第2顧客23の支払いとして会計処理する。
【0133】
当該計算は、情報H2の要求元(ノートPC21)と、情報E2の注文元(ノートPC21)が同一である当該情報E2の入力データについて、なされる。
【0134】
具体的には、ケース2では、第2顧客23は、ノートPC21(情報E2の注文元=情報H2の要求元)を用いて、情報E2の入力データの商品(第1商品14を1個、及び第2商品15を2個)、を注文している。情報E2の入力データの商品は、RAM31Cに記憶されている。また、第1商品14の単価(例えば、500円)及び第2商品15の単価(例えば、800円)は、不揮発性メモリ31Dに、第1飲食店10のメニュー情報D1として記憶されている。
【0135】
このため、制御装置30は、第2顧客23が他に商品の注文をしていなければ、これらRAM31Cと不揮発性メモリ31Dに記憶された情報に基づいて、(500円×1)+(800円×2)=2100円の会計処理を行う。そして、制御装置30は、当該金額を含む情報J3を、通信網2を介して、ノートPC21及び第2飲食店20の第2飲食店端末22に送信する。情報J3には、少なくとも、商品代金(ケース2では、2100円)と、情報E2と、が含まれる。
【0136】
ノートPC21及び/又は第2飲食店端末22に表示された商品代金を見た第2顧客23は、この商品代金を、第2飲食店20から離れる際に、第2飲食店10の従業員に支払う。この商品代金は、後日、第2飲食店20から第1飲食店10に支払われる。
【0137】
(ケース3)
ケース3は、前記した通り、ケース1において、第1顧客13が注文する前に、第1顧客13が飲食する第1飲食店10の商品と同一(一部同一)の商品を、第2顧客23がノートPC21を用いて既に注文していた場合である。
【0138】
ケース3では、第1顧客13による第1飲食店10への商品の注文の前に、第2顧客23による第1飲食店10への商品の注文がなされているため、時系列に沿って説明する。つまり、ケース2と同様に、まず、第2顧客23による第1飲食店10への商品の注文について説明する。次いで、第1顧客13による第1飲食店10への商品の注文について説明する。
【0139】
まず、第2顧客23による第1飲食店10への商品の注文について説明する。第2顧客23は、ノートPC21の画面300に表示された第1飲食店10と第2飲食店20から、商品の注文先として第1飲食店10を選択する(図4のS2、図13)。
【0140】
そうすると、ノートPC21は、第1飲食店10のメニュー画面の表示を要求する信号を含む情報C2を、通信網2を介して、制御装置30に送信する。
【0141】
情報C2を受信した制御装置30は、情報C2に含まれる注文先(第1飲食店10)と同一の飲食店であって、不揮発性メモリ31Dに記憶された飲食店(第1飲食店10)のメニュー情報D1を、情報C2の表示先(ノートPC21)に送信する。
【0142】
メニュー情報D1を受信したノートPC21は、ノートPC21の画面300に第1飲食店10のメニュー情報D1を表示させる(図14)。
【0143】
第2顧客23は、ノートPC21の画面300に表示された第1飲食店10のメニュー情報D1を見て、第2顧客23の商品代金の負担で、第1顧客13への提供を希望する商品と、その数量と、を入力(選択)する(図4のS3、図14)。
【0144】
ここでは、第2顧客23は、第1飲食店10の商品である第1商品14を1個入力したとする。
【0145】
そうすると、ノートPC21は、入力された商品及びその数量に関する入力データを含む情報E3を、通信網2を介して、制御装置30に送信する(S3)。
【0146】
情報E3には、少なくとも、注文元(ノートPC21)と、入力データ(第1商品14を1個)と、注文先(第1飲食店10)と、提供先(ノートPC11)と、が含まれる。
【0147】
ここで、情報E3の注文元は、情報E3を制御装置30に送信する通信端末のことであるため、当該通信端末(ノートPC21)により自動で設定される。また、情報E3の注文先(第1飲食店10)は、ステップ2(S2)により第2顧客23が選択した飲食店であるため、当該通信端末(ノートPC21)により自動で設定される。また、情報E3の提供先は、情報E3の注文先(第1飲食店10)の通信端末であって、第2顧客23と通信網2により接続されている通信端末(ノートPC11)が、注文元の通信端末(ノートPC21)により自動で設定される。
【0148】
情報E3を受信した制御装置30は、情報E3をRAM31Cに記憶する。また、制御装置30は、RAM31Cに記憶された情報E3の入力データの商品と同一の商品について、情報E3の注文元(ノートPC21)とは異なる他の通信端末(ノートPC11)から、情報E3の提供先(ノートPC11)に対する存続する注文の有無を確認する(S4)。
【0149】
ここで、他の通信端末とは、情報Aに含まれる通信端末の内、情報E3の注文元(ノートPC21)を除いた通信端末(ノートPC11)のことである。
【0150】
また、存続する注文とは、情報E3の提供先(ノートPC11)の客(第1顧客13)に提供される前(例えば、第1飲食店10が調理中等)の商品に関する注文であって、当該客(第1顧客13)への提供を終えた当該商品に関する注文を含まない。
【0151】
制御装置30は、他の通信端末(ノートPC11)からの情報E3の提供先(ノートPC11)への存続する注文の有無を確認した結果、情報E3の入力データ(第1商品14を1個)について、他の通信端末(ノートPC11)からの存続する注文が無いと判断した場合、情報E3の注文元(ノートPC21)及び注文先(第1飲食店10)の通信端末(第1飲食店端末12)に対して、注文を受け付けた旨の表示を要求する信号を含む情報F4を、通信網2を介して送信する(S6)。
【0152】
さらに、制御装置30は、情報E3の入力データについて、存続する注文としてのフラグを立てる。具体的には、制御装置30は、RAM31Cに記憶した情報E3の入力データに関連させてRAM31Cに記憶した特定のビットを1に設定する。
【0153】
情報F4には、少なくとも、当該注文を受け付けた旨の表示を要求する信号と、情報E3と、が含まれる。
【0154】
情報F4を受信したノートPC21は、その画面300に、情報E3の入力データの注文を受け付けた旨の表示をする(図4のS6、図20)。
【0155】
情報F4を受信した第1飲食店端末12は、その画面400に、情報E3の入力データ等の表示をする(図21)。そして、当該画面400の表示を見た第1飲食店10の従業員は、当該入力データの商品について調理等を行なう。
【0156】
次いで、第1顧客13による第1飲食店10への商品の注文について説明する。換言すると、前記した第2顧客23による情報E3に係る注文がなされた後の第1顧客13による第1飲食店10への商品の注文について説明する。
【0157】
制御装置30は、他の通信端末(ノートPC21)からの情報E1の提供先(ノートPC11)への存続する注文の有無を確認する(S4)。
【0158】
その結果、制御装置30は、情報E1の入力データ(第1商品14を1個、第2商品15を2個)について、他の通信端末(ノートPC21)からの存続する同一(一部同一)の注文(第1商品14を1個=情報E3の入力データの商品)が既に有ることを確認した場合、情報E1の入力データ(第1商品14を1個、第2商品15を2個)から、ノートPC21からの同一商品の注文(第1商品14を1個=情報E3の入力データの商品)を差し引いて(除いて)、RAM31Cに記憶された情報E1の入力データを更新する(S5)。
【0159】
そして、制御装置30は、更新された情報E1の注文元(ノートPC11)及び注文先(第1飲食店10)の通信端末(第1飲食店端末12)に対して、注文を受け付けた旨の表示を要求する信号を含む情報F5を、通信網2を介して送信する(S6)。
【0160】
情報F5には、少なくとも、当該注文を受け付けた旨の表示を要求する信号と、更新された情報E1と、他の通信端末(ノートPC21)と、が含まれる。
【0161】
ここで、更新された情報E1は、少なくとも、注文元(ノートPC11)と、更新された入力データ(第2商品15を2個)と、注文先(第1飲食店10)と、提供先(ノートPC11)と、が含まれる。
【0162】
情報F5を受信したノートPC11は、その画面200に、情報F5の他の通信端末(ノートPC21)から既に同一(一部同一)の注文が入っている旨の表示と、更新された情報E1の入力データの注文を受け付けた旨の表示をする(図4のS6、図22)。ここでは、更新された情報E1の入力データは「第2商品15を2個」となっているため、ノートPC11は、その画面200に「第2商品15を2個」を表示する。
【0163】
つまり、第1顧客13は、情報E1(更新前の情報E1)の入力データ(第1商品14を1個、第2商品15を2個)について、他の通信端末(ノートPC21)から、情報E1の提供先(ノートPC11)に対する存続する同一(一部同一)の注文(第1商品14を1個)が既にある場合は、当該存続する同一の注文が消滅するまでは、同一の商品(第1商品14を1個)についての注文をすることができない。
【0164】
換言すると、制御装置30は、他の通信端末(ノートPC21)から第1飲食店10の商品(第1商品14を1個)の注文がなされると、この注文後から、第1顧客13に該商品(第1商品14を1個)が提供されるまでの間は、ノートPC11での該商品(第1商品14を1個)の注文を不能(不可能)にする。
【0165】
これにより、商品の重複注文を抑制でき、第1顧客13に対して、第1顧客13が望む以上の商品が第1飲食店10より提供されることを抑制できる。
【0166】
情報F5を受信した第1飲食店端末12は、その画面400に、更新された情報E1の入力データ等の表示をする(図23)。そして、当該画面400の表示を見た第1飲食店10の従業員は、当該入力データ(第2商品15を2個)の商品について調理等を行い、情報E1の提供先(ノートPC11)である第1顧客13に提供する。
【0167】
その後、第1飲食店10の従業員は、第1飲食店端末12を用いて、当該入力データ(第2商品15を2個)の商品について第1顧客13への提供を終えた旨の信号を含む情報G3を、通信網2を介して、制御装置30に送信する。具体的には、図23に示す第1飲食店端末12の画面400において、「提供完了」アイコンを選択する。
【0168】
情報G3には、少なくとも、入力データの商品について第1顧客13への提供を終えた旨の信号と、更新された情報E1と、が含まれる。
【0169】
情報G3を受信した制御装置30は、更新された情報E1の入力データについて、存続する注文としてのフラグを降ろす。具体的には、制御装置30は、RAM31Cに記憶した情報E1の入力データに関連させてRAM31Cに記憶した特定のビットを0に設定する。
【0170】
また、前記した通り、第1飲食店10の従業員は、情報E3の入力データの商品(第1商品14を1個)について調理等をしている。このため、第1飲食店10の従業員は、情報E3の入力データの商品(第1商品14を1個)も、情報E3の提供先(ノートPC11)である第1顧客13に提供する。
【0171】
その後、第1飲食店10の従業員は、第1飲食店端末12を用いて、他の通信端末(ノートPC21)からの注文に係る商品(第1商品14を1個)について第1顧客13への提供を終えた旨の信号を含む情報G4を、通信網2を介して、制御装置30に送信する。具体的には、図21に示す第1飲食店端末12の画面400において、「提供完了」アイコンを選択する。
【0172】
情報G4を受信した制御装置30は、他の通信端末(ノートPC21)からの注文に係る商品(第1商品14を1個)について、存続する注文としてのフラグを降ろす。具体的には、制御装置30は、RAM31Cに記憶した当該注文に関連させてRAM31Cに記憶した特定のビットを0に設定する。
【0173】
第1顧客13は、会計処理を希望せず、次の商品を選択する場合は、ステップ2(S2)に戻る。具体的には、第1顧客13は、図22に示すノートPC11の画面200において、「注文」アイコンを選択する。そうすると、ノートPC11の画面200は、図14に示す表示になる。
【0174】
第1顧客13は、会計処理を希望する場合は、ノートPC11の画面200に表示された「会計」アイコンを選択する(S7、図22)。そうすると、ノートPC11は、会計処理を要求する信号を含む情報H1を、通信網2を介して制御装置30に送信する。
【0175】
情報H1には、少なくとも、会計処理を要求する信号と、要求元(ノートPC11)と、が含まれる。
【0176】
情報H1を受信した制御装置30は、RAM31Cに記憶された入力データと、ROM31Bに記憶された各飲食店のメニュー情報と、から、要求元(ノートPC11)に請求すべき商品代金を計算する(S8)。
【0177】
当該計算は、情報H1の要求元(ノートPC11)と、情報E1の注文元(ノートPC11)が同一である当該情報E1の入力データについて、なされる。
【0178】
具体的には、ケース3では、第1顧客13は、ノートPC11(情報E1の注文元=情報H1の要求元)を用いて、第2商品15を2個注文している。第2商品15を2個は、RAM31Cに、更新された情報E1の入力データとして記憶されている。
【0179】
また、第2商品15の単価(例えば、800円)は、不揮発性メモリ31Dに、第1飲食店10のメニュー情報D1として記憶されている。
【0180】
このため、制御装置30は、800円×2=1600円の会計処理を行う。そして、制御装置30は、当該金額を含む情報J4を、通信網2を介して、ノートPC11及び第1飲食店10の第1飲食店端末12に送信する(S8)。情報J4には、少なくとも、商品代金(ケース3では、1600円)と、更新された情報E1と、が含まれる。
【0181】
第1顧客13は、この商品代金を、第1飲食店10から離れる際に、第1飲食店10の従業員に支払う。
【0182】
また、情報E3の入力データの商品(第1商品14を1個)は、第2顧客23がノートPC21を用いて注文したものである。このため、第2顧客23がノートPC21を用いて会計処理を要求すると(S7、図20)、制御装置30は、上記と同様の手順により、第2顧客23に請求する商品代金を計算する。ケース3では、第2顧客23が他の商品を注文していないとすると、第2顧客23に請求する商品代金は、第1商品14を1個の代金(500円)となる(S8)。
【0183】
第2顧客23は、この商品代金を、第2飲食店20から離れる際に、第2飲食店10の従業員に支払う。この商品代金は、後日、第2飲食店20から第1飲食店10に支払われる。
【0184】
〔その他〕
前記したケース1~3は、第1顧客13に提供される第1飲食店10の2つの商品(第1商品14、第2商品15)に関する情報の流れについて説明したが、第2顧客23に提供される第2飲食店20の2つの商品(第3商品24、第4商品25)に関する情報の流れについても同様になる。
【0185】
第2顧客23に提供される第2飲食店20の2つの商品(第3商品24、第4商品25)の注文に関する情報の流れは、具体的には、ケース1~3において、下記の用語を入れ替えることにより説明できる。
第1飲食店10 第2飲食店20
ノートPC11 ノートPC21
第1飲食店端末12 第2飲食店端末22
第1顧客13 第2顧客23
第1商品14 第3商品24
第2商品15 第4商品25
第1テーブル16 第2テーブル26
画面200 画面300
メニュー情報D1 メニュー情報D2(第2飲食店20のメニュー情報)
【0186】
このため、第2顧客23に提供される第2飲食店20の2つの商品(第3商品24、第4商品25)の注文に関する情報の流れについては、説明を省略する。
【0187】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の飲食店管理システム40について説明する。
説明を分かり易くするため、第1実施形態と同一の構成は同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態との相違点について説明する。
【0188】
飲食店管理システム40は、各飲食店のテーブルの特定エリアを異なる角度から撮像する複数のカメラを備えている点が飲食店管理システム1との主な相違点である。この相違点について、飲食店管理システム1と対比しながら説明する。なお、第1飲食店10及び第2飲食店20は同様の構成であるため、第1飲食店10について説明し、第2飲食店20についての説明は省略する。
【0189】
〔飲食店管理システム1〕
飲食店管理システム1は、図2に示すように、第1顧客13と、第1顧客13が第1飲食店10の商品を飲食するために使用するテーブル16の特定エリア116(破線で囲まれた範囲、特定領域の一例)と、を撮像(撮影)する撮像装置としての第1カメラ17を備えている。
【0190】
第1カメラ17は、ノートPC11に設けられた1台の内臓カメラである。内臓カメラは、ノートPC11の画面200の上方の中央部に設けられている(図7)。
【0191】
第2顧客23は、第2顧客23の商品代金の負担で、第1顧客13に対して第1飲食店10の商品を提供したい場合がある。例えば、第2顧客23が第1顧客13を接待している場合などである(第1実施形態のケース2、3)。
【0192】
この場合、第2顧客23は、第1顧客13の商品の待ち時間(調理等の時間)を少なくして第1顧客13が飲食中の商品を提供する、第1顧客13が飲食していない商品を提供する等の目的で、第1顧客13が飲食中の商品の残量又は種類を、ノートPC21の画面300に表示される映像(第1カメラ17が撮像した映像)を見て知ろうとする。
【0193】
このとき、第2顧客23は、ノートPC21の画面300により、ノートPC11の第1カメラ17が撮像した映像を参照すると、テーブル16に置かれた他の商品の影になる等により、第1顧客13が飲食中の商品の残量又は種類を正確に把握することが困難な場合がある。
【0194】
図5を用いて具体的に説明する。ノートPC11は、その第1カメラ17により、第1顧客13と、テーブル16上の特定エリア116に置かれた第1飲食店10の商品(第1商品14、第2商品15、第5商品18等)を撮像する。
【0195】
そして、第1カメラ17が撮像した映像は、ノートPC11により、通信網2及び制御装置30を介して、第2顧客23が使用するノートPC21に送信される。当該映像を受信したノートPC21は、当該映像をその画面300に映し出す。
【0196】
しかし、第1商品14を挟んで、ノートPC11の反対側に第5商品18が置かれているような場合、ノートPC21の画面300を見た第2顧客23は、第1商品14が邪魔になって、第5商品18の残量又は種類を正確に把握することが困難になる。
【0197】
換言すると、第2顧客23は、第2顧客23の商品代金の負担で、第1顧客13に対して、適切な時期に第1顧客13が飲食中の第5商品18と同じ商品又は第5商品18と異なる商品について、第1顧客13に知らせることなく、第1飲食店10に注文を出すことが困難になる。
【0198】
〔飲食店管理システム40〕
これに対し、飲食店管理システム40は、各飲食店のテーブルの特定エリアを異なる角度から撮像する複数のカメラを備えている。
【0199】
具体的には、図6に示すように、第1飲食店10は、第1カメラ17と、第1飲食店10の天井等に設けられた第3カメラ19と、を備えており、これらの複数のカメラにより特定エリア116を異なる角度から撮像する。第3カメラ19は、テーブル16の特定エリア116を真上から撮像する。
【0200】
そして、第1カメラ17と第3カメラ19が撮像した複数(2つの)映像は、ノートPC13が、通信網2を介して制御装置60に送信する。制御装置60は、通信網2を介して受信した当該複数の映像を、通信網2を介してノートPC21に送信する。
【0201】
図7は、図6の第3カメラ19が撮像した映像の一例である(第1顧客13と、第1顧客13が座っている椅子の図示は省略)。図7に示すように、第1カメラ17では第1商品14に隠れて撮像することができなかった第5商品18は、第3カメラ19により撮像することができる。
【0202】
このため、第2顧客23は、第1顧客13が飲食中の第1飲食店10の商品であって、テーブル16の特定エリア116に置かれた商品の残量又は種類を、ノートPC21の画面300に映し出される複数のカメラ(第1カメラ17及び第3カメラ19)の映像により、正確に把握することができる。
【0203】
そうすると、第2顧客23は、第2顧客23の商品代金の負担で、適切な時期(例えば、第1顧客13が飲食を終える時間の数分前等)に、第1顧客13に対して、第1顧客13が飲食中の第5商品18と同じ商品について、第1顧客13に事前に知らせることなく、ノートPC21を用いて、第1飲食店10に注文を出すことができる。
【0204】
また、第2顧客23は、第2顧客23の商品代金の負担で、適切な時期に、第1顧客13に対して、第1顧客13が飲食していない他の商品(第1商品14、第2商品15、第5商品18以外の商品、特定エリア116には無い商品)について、第1顧客13に事前に知らせることなく、ノートPC21を用いて、第1飲食店10に注文を出すことができる。
【0205】
(変形例)
なお、飲食店管理システム40は、図8及び図9に示すような変形例にすることもできる。つまり、飲食店管理システム40は、第1飲食店10の1つのテーブル16に、第1顧客13が飲食を共にしない見ず知らずの第3顧客100が相席する場合、第3カメラ19を共用するものであっても良い。換言すると、飲食店管理システム40は、第1顧客13が使用するテーブル16の特定エリア116と、第3顧客100が使用するテーブル16の特定エリア103と、を第3カメラ19が撮像するものであっても良い。
【0206】
第1顧客13は、ノートPC11を使用して、第2飲食店20の第2顧客23と会話をしながらテーブル16の特定エリア116を使用して、第1飲食店10の各種商品を飲食する。また、第3顧客100は、ノートPC102を使用して、第1飲食店10以外の飲食店にいる第三者と会話をしながらテーブル16の特定エリア103を使用して、第1飲食店10の各種商品を飲食する。
【0207】
この場合、第3カメラ19を2台(テーブル16上の特定エリア116を上方から撮像する第3カメラ19と、テーブル16上の特定エリア103を上方から撮像する第3カメラ19)設けると、第1飲食店10のイニシャルコスト(初期投資金額)が大きくなるという問題がある。
【0208】
そこで、図8に示すように、1台の第3カメラ19により、テーブル16の全体を撮像すると、第3カメラ19の台数を削減することができ、イニシャルコストを削減することができる。
【0209】
図9は、図8の第3カメラ19が撮像した映像の一例である(第1顧客13と、第1顧客13が座っている椅子と、第3顧客100と、第3顧客100が座っている椅子の図示は省略)。このように、1台の第3カメラ19で複数の特定エリアが撮像できるように、1台の第3カメラ19を複数の特定エリアで共用することによっても、前記した第2実施形態の作用効果を奏する。
【0210】
なお、第1飲食店10の天井に設置した1台の第3カメラ19は、第1飲食店10の複数のテーブル(テーブル16と、テーブル16以外の一又は複数の他のテーブル)における複数の特定エリアを撮像しても良い。この場合であっても、イニシャルコストの削減ができ、かつ、前記した第2実施形態の作用効果を奏する。
【0211】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の飲食店管理システム50について説明する。
説明を分かり易くするため、第2実施形態の変形例(図8及び図9)と同一の構成は同一の符号を付して説明を省略し、当該第2実施形態の変形例との相違点について主に説明する。
【0212】
飲食店管理システム50は、その制御装置60にマスク処理の機能を設けた点が飲食店管理システム40と異なる。この相違点について、図8及び図9を用いて説明した飲食店管理システム40(第2実施形態の変形例)と対比しながら説明する。なお、第1飲食店10及び第2飲食店20は同様の構成であるため、第1飲食店10について説明し、第2飲食店20についての説明は省略する。
【0213】
〔飲食店管理システム40〕
図8に示すように、1台の第3カメラ19でテーブル16の2つの特定エリア116及び103を撮像することにより、第3カメラ19を複数の特定エリアで共用すると、第3カメラ19から得られる映像は、図9のようになる。つまり、第2顧客23が使用するノートPC21の画面300には、図9に示す映像が表示される。
【0214】
そうすると、ノートPC21の画面300で、図9に示す映像を見た第2顧客23は、第1顧客13が使用する特定エリア116の近くに置かれた第3顧客100が飲食する第7商品101を、第1顧客13が飲食する商品であると誤認する可能性がある。
【0215】
このような誤認が生じると、第2顧客23が第1顧客13を接待している状況で、第2顧客23は、第2顧客23の商品代金の負担で、第1顧客13に知らせることなく、第1顧客13に対して第1飲食店10の商品を提供しようとしたときに、誤って第1飲食店10に第7商品101を注文する場合がある。具体的には、第2顧客23は、適切な時期(例えば、第1顧客13が第7商品101の飲食を終える時間の数分前等)に、ノートPC21を用いて、第1飲食店10に第7商品101を誤って注文する場合である。
【0216】
〔飲食店管理システム50〕
これに対し、飲食店管理システム50の制御装置60は、複数のカメラにより撮像された複数の映像の内の少なくとも1つの映像について、1つの特定エリア以外の特定エリアをマスク処理し、当該マスク処理後の映像を通信端末に送信する。ここで、マスク処理104とは、映像の特定部分(例えば、特定エリア103)を表示しないようにする映像処理のことである。
【0217】
具体的には、制御装置60は、ノートPC11がノートPC21に向けて送信する第1カメラ17及び第3カメラ19が撮像した2つの映像を、通信網2を介して受信する。そして、制御装置60は、ノートPC11から受信した上記2つの映像の内、第3カメラ19が撮像した映像(図9)について、第1顧客13が使用しない特定エリア103をマスク処理104する(図10)。
【0218】
その後、制御装置60は、2つの映像(第1カメラ17が撮像した映像、及びマスク処理104後の第3カメラ19が撮像した映像(図10))を、通信網2を介して、ノートPC21に送信する。
【0219】
通信網2を介して当該2つの映像を受信したノートPC21は、ノートPC21の画面300に、当該2つの映像を表示する。そうすると、ノートPC21の画面300を見た第2顧客23は、マスク処理104後の第3カメラ19が撮像した映像(図10)により、テーブル16の特定エリア116にある商品の情報のみを確認できる。
【0220】
このため、第2顧客23は、ノートPC21を用いて、第2顧客23の商品代金の負担により、第1顧客13に提供する目的で、第7商品101を第1飲食店10に誤って注文することを抑制できる。
【0221】
上記は、ノートPC11から受信した2つ(複数)の映像の内の1つの映像について、制御装置60がマスク処理104をしたものを示したが、全ての映像についてマスク処理104をしても良い。つまり、制御装置60は、ノートPC11の第1カメラ17が撮像した映像及び第3カメラ19が撮像した映像の両方の映像に写った特定エリア103をマスク処理104した後、マスク処理104後の2つの映像をノートPC21に送信しても良い。
【0222】
図10では、制御装置60によるマスク処理104の一例として、特定エリア103をハッチングしたものを示したが、制御装置60は、特定エリア103を黒塗りしても良い。
【0223】
また、制御装置60は、図10において、第1顧客13が使用する特定エリア116以外の全ての映像をマスク処理104しても良い。この場合は、ノートPC11がノートPC21に向けて送信する複数の映像の内、少なくとも第1カメラ17が撮像する映像をマスク処理104しない。ノートPC11がノートPC21に向けて送信する複数の映像全てについて、上記のようなマスク処理をすると、第2顧客23は、第1顧客13の映像(第1顧客13の表情等)を見ることができなくなるからである。
【0224】
制御装置60のハードウエアは、制御装置30のハードウエアと同一である。制御装置60と制御装置30の違いは、ROM31Bに記憶されているソフトウエアのみである。制御装置60のROM31Bには、特定部分のマスク処理104を行うソフトウエアが記憶されている。
【0225】
そして、通信端末から送信された撮像装置の映像は、制御装置60のRAM31Cに一時的に記憶され、ROM31Bに記憶されたマスク処理のソフトウエアを、CPU31Aが読み込むことにより、RAM31Cに記憶された映像に対してマスク処理104がなされる。
【0226】
なお、マスク処理104がされる特定エリアは、図4のステップ1(S1)により接続される通信端末が選択された時点で、制御装置60が認識(把握)することができる。
【0227】
具体的には、制御装置60の不揮発性メモリ31Dには、各店舗のテーブルと特定エリアが記憶されている。このため、例えば、ステップ1(S1)において、第1顧客13がノートPC11を用いて、ノートPC21を選択した時点で、制御装置60は、不揮発性メモリ31Dに記憶された情報により、第1店舗10の第3カメラ19が撮像する映像から特定エリア103をマスクすべきことと、第2店舗20の第4カメラ29が撮像する映像から特定エリア105をマスクすべきことを認識できる。
【0228】
前記した実施形態は、説明のために例示したものであって、本発明としてはこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0229】
例えば、前記した実施形態においては、1つの特定エリアを撮像するカメラが2台あるものを示したが、これに限るものではない。1つの特定エリアを撮像するカメラは、撮像する角度が異なれば、3台以上であってもよい。
【符号の説明】
【0230】
1 飲食店管理システム(第1実施形態)
2 通信網
10 第1飲食店
11 ノートPC(第1端末の一例)
17 第1カメラ(撮像装置の一例)
19 第3カメラ(撮像装置の一例)
20 第2飲食店
21 ノートPC(第2端末の一例)
27 第2カメラ(撮像装置の一例)
29 第4カメラ(撮像装置の一例)
30 制御装置(第1実施形態、第2実施形態)
40 飲食店管理システム(第2実施形態)
50 飲食店管理システム(第3実施形態)
60 制御装置(第3実施形態)
103 特定エリア(特定領域の一例)
104 マスク処理
105 特定エリア(特定領域の一例)
116 特定エリア(特定領域の一例)
126 特定エリア(特定領域の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23