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特開2022-50318堆積装置用マスク構造、堆積装置及びその操作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050318
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】堆積装置用マスク構造、堆積装置及びその操作方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/04 20060101AFI20220323BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20220323BHJP
   C23C 14/56 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
C23C14/04 A
H01L21/68 N
C23C14/56 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021136851
(22)【出願日】2021-08-25
(31)【優先権主張番号】17/024,677
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】315002243
【氏名又は名称】ユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】特許業務法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 聡
【テーマコード(参考)】
4K029
5F131
【Fターム(参考)】
4K029AA02
4K029AA06
4K029AA09
4K029AA11
4K029AA24
4K029CA05
4K029DA10
4K029HA03
4K029JA01
4K029KA01
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA21
5F131AA22
5F131AA23
5F131BA03
5F131BA04
5F131CA06
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA03
5F131EA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】堆積プロセスにおいて基板上の膜抑制領域をより正確に且つより簡便に制御可能な堆積装置用マスク構造、堆積装置、及び堆積装置の操作方法を提供する。
【解決手段】マスク構造20は、複数の第1セグメント22の群及び複数の第2セグメント24の群を含む。第1セグメント22群は、中心軸AXを囲む方向(例えば、図2に示す方向D3)に配置され、互いに離間される。第2セグメント24群の各々は、中心軸AXの延びる方向に平行な垂直方向D1において、第1セグメント22群のうちの互いに隣接する2つと重複する。マスク構造20は、プロセスチャンバ内に設けられ、ステージの上方に位置し、ステージ上に保持された基板の周辺領域を覆い異なる堆積プロセスの間で第1セグメント群及び第2セグメント群の位置をそれぞれ水平方向に調整する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を囲む方向に設けられ、互いに離間された第1セグメント群と、
前記第1セグメント群の上方に設けられ、各々が、前記中心軸の延びる方向と平行な垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つと重複する第2セグメント群と
を含むことを特徴とする堆積装置用マスク構造。
【請求項2】
前記第2セグメント群の各々は、前記垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つの間の隙間と重複することを特徴とする請求項1に記載の堆積装置用マスク構造。
【請求項3】
前記第2セグメント群の各々は、前記第1セグメント群から離間されていることを特徴とする請求項1に記載の堆積装置用マスク構造。
【請求項4】
前記垂直方向における前記第2セグメント群の各々の投影面積は、前記垂直方向における前記第1セグメント群の各々の投影面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の堆積装置用マスク構造。
【請求項5】
前記中心軸を囲む方向は、円周方向であることを特徴とする請求項1に記載の堆積装置用マスク構造。
【請求項6】
前記中心軸から外側に向かう半径方向における前記第1セグメント群の各々の長さは、前記中心軸から外側に向かう半径方向における前記第2セグメント群の各々の長さ未満であることを特徴とする請求項1に記載の堆積装置用マスク構造。
【請求項7】
プロセスチャンバと、
少なくとも部分的に前記プロセスチャンバ内に設けられ、基板の保持構造を含むステージと、
前記プロセスチャンバ内に設けられ、ステージの上方に位置し、ステージ上に保持される基板の周辺領域を覆うマスク構造と
を含み、
前記マスク構造は、
中心軸を囲む方向に設けられ、互いに離間された第1セグメント群と、
前記第1セグメント群の上方に設けられ、各々が、前記中心軸の延びる方向と平行な垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つと重複する第2セグメント群と
を含むことを特徴とする堆積装置。
【請求項8】
前記中心軸の少なくとも一部は、前記ステージの上方に設けられ、前記ステージの上面に直交する方向に延びることを特徴とする請求項7に記載の堆積装置。
【請求項9】
各々が前記第1セグメント群のうちの少なくとも1つと接続される第1支持構造群と、
各々が前記第2セグメント群のうちの少なくとも1つと接続される第2支持構造群と
を含むことを特徴とする請求項7に記載の堆積装置。
【請求項10】
前記第2支持構造群のうちの1つの一部は、前記垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの1つの下に設けられることを特徴とする請求項9に記載の堆積装置。
【請求項11】
前記第1支持構造群のうちの1つの一部は、前記垂直方向において、前記第2セグメント群のうちの1つの下に設けられることを特徴とする請求項9に記載の堆積装置。
【請求項12】
前記第2セグメント群の各々は、前記垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つの間の隙間と重複することを特徴とする請求項7に記載の堆積装置。
【請求項13】
前記第2セグメント群の各々は、前記第1セグメント群から離間されていることを特徴とする請求項7に記載の堆積装置。
【請求項14】
前記基板の中心点は、前記垂直方向において、前記中心軸と重複することを特徴とする請求項7に記載の堆積装置。
【請求項15】
プロセスチャンバと、
少なくとも部分的に前記プロセスチャンバ内に設けられ、基板の保持構造を含むステージと、
前記プロセスチャンバ内に設けられ、ステージの上方に位置し、ステージ上に保持される基板の周辺領域を覆うマスク構造と
を含み、
前記マスク構造は、
中心軸を囲む方向に設けられ、互いに離間された第1セグメント群と、
前記第1セグメント群の上方に設けられ、各々が、前記中心軸の延びる方向と平行な垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つと重複する第2セグメント群と
を含む堆積装置を準備する工程と、
異なる堆積プロセスの間で前記第1セグメント群及び前記第2セグメント群の位置をそれぞれ水平方向に調整する工程と
を含むことを特徴とする堆積装置の操作方法。
【請求項16】
前記堆積プロセスの各々において、前記第1セグメント群のうちの1つの内縁と前記中心軸との間の距離は、前記第2セグメント群のうちの1つの内縁と前記中心軸との間の距離と少なくとも部分的に等しいことを特徴とする請求項15に記載の堆積装置の操作方法。
【請求項17】
第1基板に第1堆積プロセスを実施する工程と、
第2基板に第2堆積プロセスを実施する工程と
を含み、
前記第1堆積プロセス後、前記第1基板の周辺領域上に第1膜抑制領域が形成され、前記第1膜抑制領域は、前記第1堆積プロセスにおける前記第1セグメント群及び前記第2セグメント群の位置に対応して形成され、
前記第2堆積プロセス後、前記第2基板の周辺領域上に第2膜抑制領域が形成され、前記第2膜抑制領域は、前記第2堆積プロセスにおける前記第1セグメント群及び前記第2セグメント群の位置に対応して形成される
ことを特徴とする請求項15に記載の堆積装置の操作方法。
【請求項18】
前記第1堆積プロセスにおける前記第1セグメント群のうちの1つの内縁と前記中心軸との間の距離は、前記第2堆積プロセスにおける前記第1セグメント群のうちの1つの内縁と前記中心軸との間の距離とは異なることを特徴とする請求項17に記載の堆積装置の操作方法。
【請求項19】
前記第1膜抑制領域の幅は、前記第2膜抑制領域の幅とは異なることを特徴とする請求項17に記載の堆積装置の操作方法。
【請求項20】
異なる堆積プロセスの間で前記第1セグメント群及び前記第2セグメント群の位置をそれぞれ水平方向に調整する工程は、
前記第1セグメント群及び前記第2セグメント群をそれぞれ前記中心軸に向かう方向又は前記中心軸から離れる方向に移動する工程を含むことを特徴とする請求項15に記載の堆積装置の操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
[0001]本発明は、堆積装置用マスク構造、堆積装置及びその操作方法に関し、特に、互いに重複するセグメント群を含むマスク構造、マスク構造を含む堆積装置、及び堆積装置の操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2.先行技術の説明
[0002]半導体集積回路は、その製造過程で、膜の堆積、フォトリソグラフィ、エッチング等の様々なプロセスステップを経る。化学気相成長(CVD)及び物理気相成長(PVD)は、半導体製造プロセスで適用される一般的な膜堆積アプローチである。スパッタリング堆積プロセス等の膜堆積プロセスでは、ウェハの周辺領域への材料膜の形成を防止し、ウェハ端での膜剥離等の関連する問題を回避するため、ウェハの周辺領域に膜抑制領域が定められる。更に、膜抑制領域は、好ましくは、ウェハ当たりの有効チップ数を増やし、チップ当たりのコストを削減するために縮小され得る。従って、膜堆積プロセスでは、膜抑制領域を正確に制御することが重要になる。一般に、スパッタリング堆積プロセスでは、ウェハの周辺領域を覆うように構成されるクランプリングが適用される。複数の膜堆積プロセス後には材料膜がクランプリングの内縁に堆積し、ウェハの膜抑制領域に影響を及ぼすため、クランプリングに対応する膜抑制領域を正確に制御することは困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]堆積装置用マスク構造、堆積装置、及び堆積装置の操作方法が提供される。マスク構造は、堆積プロセスにおいて基板上の膜抑制領域をより正確に且つより簡便に制御するため、互いに離間された第1セグメント群、及び互いに隣接する第1セグメント群と重複する第2セグメント群を含む。
【0004】
[0004]1つの態様では、堆積装置用マスク構造が提供される。マスク構造は、第1セグメント群及び第2セグメント群を含む。第1セグメント群は、中心軸を囲む方向に設けられ、互いに離間される。第2セグメント群は、第1セグメント群の上方に設けられる。第2セグメント群の各々は、中心軸の延びる方向と平行な垂直方向において、第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つと重複する。
【0005】
[0005]1つの態様では、堆積装置が提供される。堆積装置は、プロセスチャンバ、ステージ及びマスク構造を含む。ステージは、少なくとも部分的にプロセスチャンバ内に設けられ、基板の保持構造を含む。マスク構造は、プロセスチャンバ内に設けられ、ステージの上方に位置し、ステージ上に保持される基板の周辺領域を覆う。マスク構造は、第1セグメント群及び第2セグメント群を含む。第1セグメント群は、中心軸を囲む方向に設けられ、互いに離間される。第2セグメント群は、第1セグメント群の上方に設けられる。第2セグメント群の各々は、中心軸の延びる方向と平行な垂直方向において、第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つと重複する。
【0006】
[0006]1つの態様では、堆積装置の操作方法が提供される。操作方法は、以下の工程を含む。堆積装置が準備される。堆積装置は、プロセスチャンバ、ステージ及びマスク構造を含む。ステージは、少なくとも部分的にプロセスチャンバ内に設けられ、基板の保持構造を含む。マスク構造は、プロセスチャンバ内に設けられ、ステージの上方に位置し、ステージ上に保持される基板の周辺領域を覆う。マスク構造は、第1セグメント群及び第2セグメント群を含む。第1セグメント群は、中心軸を囲む方向に設けられ、互いに離間される。第2セグメント群は、第1セグメント群の上方に設けられる。第2セグメント群の各々は、中心軸の延びる方向と平行な垂直方向において、第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つと重複する。第1セグメント群及び第2セグメント群の位置はそれぞれ、異なる堆積プロセスの間で水平方向に調整される。
【0007】
[0007]本発明のこれらの及び他の目的は、様々な図面において示された好適な実施の形態の以下の詳細な説明を読むことで当業者に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008]図1は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置を示す概略図である。
図2】[0009]図2は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の上面視を示す概略図である。
図3】[0010]図3は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の断面視を示す概略図である。
図4-7】[0011]図4-7は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置の操作方法を示す概略図であって、図4は、第1堆積プロセスにおけるマスク構造と第1基板の位置を示す概略図であり、図5は、第1堆積プロセス後の第1基板を示す概略図であり、図6は、第2堆積プロセスにおけるマスク構造及び第2基板の位置を示す概略図であり、図7は、第2堆積プロセス後の第2基板を示す概略図である。
図8】[0012]図8は、本発明の一実施の形態に係る堆積プロセス後のマスク構造を示す概略図である。
図9】[0013]図9は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置の操作方法における搭載動作を示す概略図である。
図10】[0014]図10は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置の操作方法における搭載動作を示す上面視の概略図である。
図11】[0015]図11は、本発明の第2の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の上面視を示す概略図である。
図12】[0016]図12は、本発明の第3の実施の形態に係る堆積装置の操作方法における搭載動作を示す概略図である。
図13】[0017]図13は、本発明の第3の実施の形態に係る堆積装置の操作方法における搭載動作を示す上面視の概略図である。
図14】[0018]図14は、本発明の第3の実施の形態の形態における堆積装置用マスク構造の一部を示す概略図である。
図15】[0019]図15は、本発明の第4の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の上面視を示す概略図である。
図16】[0020]図16は、本発明の第4の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の一部を示す概略図である。
図17】[0021]図17は、本発明の第5の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の一部を示す概略図である。
図18】[0022]図18は、本発明の第6の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の一部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
[0023]具体的な構造及び構成を説明するが、これは単に例示を目的とするものである。本開示の意図及び範囲を逸脱せずに他の構造や構成が可能であることは、当業者ならば理解するであろう。本発明が他の様々な形態において実施することも可能であることは、当業者ならば明らかなことであろう。
【0010】
[0024]明細書中の“一実施の形態”、“任意の実施の形態”、“幾つかの実施の形態”等への言及は、記載される実施の形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示しているが、各実施の形態がその特徴、構造、又は特性を必ず含む必要はない。さらに、そのような語句は必ずしも同じ実施の形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、特性が任意の実施の形態に関連して記載される場合、明確に記載されているか否かに関わらず、他の実施の形態に関連してそのような特徴、構造、又は特性に影響を与えることは当業者の知識の範囲内である。
【0011】
[0025]第1、第2等の語句は、様々な要素、構成部品、領域、層、及び/又は部分を説明するために使用されるが、これらの要素、構成部品、領域、層、及び/又は部分はこれらの語句に限定されないことを理解すべきである。これらの語句は、単に1つの要素、構成部品、領域、層、及び/又は部分を他のものと区別するために使用される。かくして、以下に記載される第1要素、構成部品、領域、層、又は部品は、本開示の記載から逸脱することなく、第2の要素、構成部品、領域、層、又は部品と呼ばれてもよい。
【0012】
[0026]“上に(on)”、“より上に(above)”、及び“上方に(over)”の意味は、“上に”が何かの“直上に”という意味だけでなく、中間の機能や層が間に挟まる何かの“上”の意味も含み、“より上に”や“上方に”は、何かの“より上”や“上方”の意味だけでなく、中間の機能や層が間に挟まらない何かの“より上”や“上方”(つまり、直上)の意味も含むことを理解されたい。
【0013】
[0027]図1は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置を示す概略図であり、図2は、本実施の形態における堆積装置用マスク構造の上面視を示す概略図である。図1及び図2に示すように、堆積装置用マスク構造20が提供される。マスク構造20は、複数の第1セグメント22の群及び複数の第2セグメント24の群を含む。第1セグメント22群は、中心軸AXを囲む方向(例えば、図2に示す方向D3)に配置され、互いに離間される。第2セグメント24群は、第1セグメント22群の上方に設けられる。第2セグメント24群の各々は、中心軸AXの延びる方向に平行な垂直方向D1において、第1セグメント22群のうちの互いに隣接する2つと重複する。マスク構造20は、図1に示す堆積装置100等の堆積装置に使用され得るが、これに限定されない。言い換えると、本発明の堆積装置用マスク構造20は、構造設計、堆積方法、及び/又は他の側面において堆積装置100とは異なる堆積装置にも適用され得る。
【0014】
[0028]幾つかの実施の形態において、第2セグメント24群もまた、中心軸AXを囲む方向D3に配置されてよく、中心軸AXを囲む方向D3は円周方向であってよいが、これに限定されない。第2セグメント24群は、互いに離間されてよく、第2セグメント24群の各々は、第1セグメント22群から離間されてよい。幾つかの実施の形態において、第1セグメント22群の各々や第2セグメント24群の各々は、マスク構造20の上面視(例えば、図2)で弓形であってよいが、これに限定されない。また、第2セグメント24群の各々はさらに、垂直方向D1において第1セグメント22群のうちの互いに隣接する2つの間の隙間G1と重複してよく、垂直方向D1における第2セグメント24群の各々の投影面積(例えば、図2に示す第2セグメント24群の1つの面積)は、垂直方向D1における第1セグメント22群の各々の投影面積(例えば、図2に示す第1セグメント22群の1つの面積)よりも小さくてよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、第1セグメント22群は、マスク構造20の比較的大きな面積を有する主セグメント群としてみなしてよく、第2セグメント24群は、マスク構造20において比較的小さな面積を有する副セグメント群とみなしてよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、垂直方向D1における第2セグメント24群の各々の投影面積は、垂直方向D1における第1セグメント22群の各々の投影面積以下であってよい。幾つかの実施の形態において、水平方向(垂直方向D1に直交する水平面の半径方向)において、第2セグメント24群の各々の外周サイズは、第1セグメント群の各々の外周サイズよりも大きくてよい。
【0015】
[0029]幾つかの実施の形態において、第1セグメント22群の各々の材料や第2セグメント24群の各々の材料は、高い耐熱性、低い熱膨張係数、及び/又は堆積材料とマスク構造20との間の反応を回避するための高い安定性を有する石英、金属、又は他の好適な材料を含んでよい。幾つかの実施の形態において、設計計画に応じて、第2セグメント24群の各々の材料組成は、第1セグメント22群の各々と同じ材料組成でも異なる材料組成でもよい。幾つかの実施の形態において、マスク構造20における第2セグメント24群の数は、マスク構造20における第1セグメント22群の数と等しくてよい。例えば、マスク構造20における第1セグメント22群の数及び第2セグメント24群の数はそれぞれ4つとされてよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、堆積プロセスにおける基板上の膜抑制領域をより正確に制御するため、マスク構造20における第1セグメント22群の数及び第2セグメント24群の数を増やしてもよい。
【0016】
[0030]図1および図2に示すように、幾つかの実施の形態において、堆積装置100は、プロセスチャンバ90、ステージ10、及び上述のマスク構造20を含んでよい。ステージ10は、少なくとも部分的にプロセスチャンバ90内に設けられ、基板12の保持構造10Sを含む。マスク構造20は、プロセスチャンバ90内に配置され、ステージ10の上方に位置し、ステージ10上に保持される基板12の周辺領域PRを覆う。堆積装置100は、プロセスチャンバ90内に運ばれてステージ10上に配置される基板12に堆積プロセスを実施し、基板12上に堆積膜を形成するために使用され得る。幾つかの実施の形態において、堆積装置100は、スパッタリング堆積装置又は他の物理気相成長を実施することができる堆積装置を含み得る。
【0017】
[0031]幾つかの実施の形態において、中心軸AXの少なくとも一部は、ステージ10の上方に位置し、ステージ10の上面に直交する方向に延びてよい。幾つかの実施の形態において、中心軸AXは、ステージ10の少なくとも一部を貫通してよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、ステージ10上に配置される基板12の中心点は、垂直方向D1において中心軸AXと重複してよいが、これに限定されない。基板12の中心点は、基板12の幾何学中心、質量中心、及び/又は重心であってよい。基板12は半導体基板又は非半導体基板を含んでよい。上述の半導体基板は、シリコン基板、エピタキシャルシリコン基板、シリコンゲルマニウム基板、炭化ケイ素基板、又はSilicon-on-insulator(SOI)基板を含んでよいが、これに限定されない。上述の非半導体基板は、ガラス基板、プラスチック基板、セラミック基板、ステンレス基板、又は他の好適な材料で形成された基板を含んでよい。
【0018】
[0032]幾つかの実施の形態において、堆積装置100はさらに、複数の第1支持構造32の群と複数の第2支持構造34の群を含んでよい。第1支持構造32群の各々は、第1セグメント22群のうちの少なくとも1つと接続されてよく、第2支持構造34群の各々は、第2セグメント24群のうちの少なくとも1つと接続されてよい。幾つかの実施の形態において、第1支持構造32群の各々は、対応する第1セグメント22の下に位置されてよく、第2支持構造34群の各々は、対応する第2セグメント24の下に位置され、少なくともその一部が方向D3において第1セグメント22群のうちの互いに隣接する2つの間の隙間G1に位置されてよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、第1支持構造32群及び第2支持構造34群は、マスク構造20の第1セグメント22群及び第2セグメント24群を支持すると共に、それぞれ第1セグメント22群及び第2セグメント24群を垂直に(例えば、垂直方向に)及び/又は水平に(例えば、図1に示す水平方向D2に)移動するために使用されてよい。
【0019】
[0033]例えば、図1及び図2に示すように、第1セグメント22群のうちの1つは水平方向D21に可動であってよく、第2セグメント24群のうちの1つは水平方向D22に可動であってよく、第1セグメント22群のうちの1つは水平方向D23に可動であってよく、第2セグメント24群のうちの1つは水平方向D24に可動であってよく、第1セグメント22群のうちの1つは水平方向D25に可動であってよく、第2セグメント24群のうちの1つは水平方向D26に可動であってよく、第1セグメント22群のうちの1つは水平方向D27に可動であってよく、第2セグメント24群のうちの1つは水平方向D28に可動であってよいが、これらに限定されない。水平方向D21-D28は、中心軸AXから外向きの半径方向とみなしてよいが、これに限定されない。言い換えると、第1セグメント22群及び第2セグメント24群はそれぞれ、中心軸AXに向かう方向又は中心軸AXから離れる方向に移動されてよい。幾つかの実施の形態において、マスク構造20が重複する基板12の領域を制御するため、上述の水平方向における中心軸AXと第1セグメント22群の各々の内縁E1との間の距離は、上述の水平方向における中心軸AXと第2セグメント24群の各々の内縁E2との間の距離と実質的に等しくてよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、例えば、中心軸AXと第1セグメント22群の各々の内縁E1との間の距離は、中心軸AXと第2セグメント24群の各々の内縁E2との間の距離と許容差±2%で実質的に等しくてよい。言い換えると、好適には、中心軸AXと第1セグメント22群の各々の内縁E1との間の距離は、中心軸AXと第2セグメント24群の各々の内縁E2との間の距離と等しくてよいが、動作上不可避な誤差のため、中心軸AXと第1セグメント22群の各々の内縁E1との間の距離は、中心軸AXと第2セグメント24群の各々の内縁E2との間の距離の0.98倍から1.02倍の範囲であってよい。幾つかの実施の形態において、中心軸AXと第1セグメント群の各々の内縁E1との間の距離は、中心軸AXと第2セグメント群の各々の内縁E2との間の距離と少なくとも部分的に等しい。
【0020】
[0034]図3は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造20の断面視を示す概略図である。図1-3に示すように、幾つかの実施の形態において、第2支持構造34のスペースの確保及び/又は第2セグメント24群が水平方向に移動する経路上の堆積膜の蓄積を回避するため、水平方向における第1セグメント22群の各々の長さL1は、水平方向における第2セグメント24群の各々の長さL2よりも短くてよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、第1セグメント22群の各々の内壁SW11及び第2セグメント24群の各々の内壁SW21の上に堆積される堆積膜が内壁SW11及び内壁SW21から剥離しないように、内壁SW11及び内壁SW21にそれぞれ傾斜を持たせてもよく、また、第1セグメント22群及び第2セグメント24群の上に形成される堆積膜の総量を少なくするために、第1セグメント22群の各々の外壁SW12及び第2セグメント24群の各々の外壁SW22にそれぞれ傾斜を持たせてもよい。また、本明細書において、水平方向における、中心軸AXと、相対的に内側の位置及び/又は相対的に内側の部分との間の距離は、水平方向における、中心軸AXと、相対的に外側の位置及び/又は相対的に外側の部分との間の距離よりも短い。各対象の内側部は、対象の外側部よりも、水平方向において中心軸AXに近くてよい。
【0021】
[0035]また、特に垂直方向D1における各第1セグメント22の投影面積が垂直方向D1における各第2セグメント24の投影面積と異なる場合、各第1セグメント22上に形成される堆積膜と各第2セグメント24上に形成される堆積膜との堆積量の差を小さくするため、内壁SW11は内壁SW21と異なる傾斜を有してもよい。例えば、内壁SW21の傾斜は、内壁SW11の傾斜よりも小さくてよく、内壁SW21と第2セグメント24の下面との挟角は、内壁SW11と第1セグメント22の下面との挟角よりも小さくてよいが、これに限定されない。しかしながら、本発明における第1セグメント22及び第2セグメント24の形状は、図3に示す形状に限定されず、他の設計計画に応じて他の好適な形状が適用されてよい。また、第1セグメント22と第2セグメント24を離間するために、垂直方向D1において第1セグメント22と第2セグメント24との間には隙間G2があってよく、上述の膜抑制領域を制御するうえでの第2セグメント24群の影響を減らすために、垂直方向D1における第1セグメント22と第2セグメント24との間の距離DS3が調整されてもよい。例えば、垂直方向D1における第1セグメント22と第2セグメント24との間の距離DS3は、0.01mmから6mmの範囲であってよいが、これに限定されない。
【0022】
[0036]図4-7は、本実施の形態における堆積装置の操作方法を示す概略図であって、図4は、第1堆積プロセスにおけるマスク構造20と第1基板12Aの位置を示す概略図であり、図5は、第1堆積プロセス後の第1基板12Aを示す概略図であり、図6は、第2堆積プロセスにおけるマスク構造20及び第2基板12Bの位置を示す概略図であり、図7は、第2堆積プロセス後の第2基板12Bを示す概略図である。図1及び図4-7に示すように、堆積装置100の操作方法は、次の工程を含むが、これに限定されない。まず、上述の堆積装置100が準備される。次に、複数の基板12の各々に堆積プロセスが実施される。例えば、図1図4図5に示すように、第1基板12A上に堆積膜14Aを形成するために堆積装置100によって第1堆積プロセスが第1基板12Aに実施されてよく、第1堆積プロセス後の第1基板12Aの周辺領域PR上に第1膜抑制領域SR1が形成されてよい。第1堆積プロセスにおいて、第1基板12Aの周辺領域PRの少なくとも一部を覆うマスク構造20により、堆積膜14Aが第1膜抑制領域SR1上に形成されることが抑えられ、従って、第1堆積プロセスにおいて、第1セグメント22群及び第2セグメント24群の位置に対応して第1膜抑制領域SR1が形成され得る。図1図6図7に示すように、第2基板12B上に堆積膜14Bを形成するために堆積装置100によって第2堆積プロセスが第2基板12Bに実施されてよく、第2堆積プロセス後の第2基板12Bの周辺領域PR上に第2膜抑制領域SR2が形成されてよい。第2堆積プロセスにおいて、第2基板12Bの周辺領域PRの少なくとも一部を覆うマスク構造20により、堆積膜14Bが第2膜抑制領域SR2上に形成されることが抑えられ、従って、第2堆積プロセスにおいて、第1セグメント22群及び第2セグメント24群の位置に対応して第2膜抑制領域SR2が形成され得る。幾つかの実施の形態において、基板12及び/又は基板12上に形成される材料を保護するために、マスク構造20は、基板12と直接接することなく離間される。
【0023】
[0037]図1及び図4-7に示すように、幾つかの実施の形態において、堆積プロセス(例えば、上述の第1堆積プロセスや第2堆積プロセス)の間、ステージ10上に配置される基板12の中心点CPは、垂直方向D1において中心軸AXと重複してよく、各堆積プロセスにおいて、第1セグメント22群の1つの内縁E1と中心軸AXとの間の距離は、第2セグメント24群の1つの内縁と中心軸AXとの間の距離と実質的に等しくてよい。例えば、第1堆積プロセス(図4に図示)において、水平方向における中心軸AXと第1セグメント22群の各々の内縁E1との間の距離DS1は、水平方向における中心軸AXと第2セグメント24群の各々の内縁E2との間の距離DS2と実質的に等しくてよい。言い換えると、水平方向における中心軸AXと弓形に反った形状で示された第1セグメント22群の各々の内縁E1との間の距離DS1は、水平方向における中心軸AXと弓形に反った形状で示された第2セグメント24群の各々の内縁E2との間の距離DS2と少なくとも部分的に等しくてよい。第2堆積プロセス(図6に図示)において、水平方向における中心軸AXと第1セグメント22群の各々の内縁E1との間の距離DS1’は、水平方向における中心軸AXと第2セグメント24群の各々の内縁E2との間の距離DS2’と実質的に等しくてよい。言い換えると、水平方向における中心軸AXと弓形に反った形状で示された第1セグメント22群の各々の内縁E1との間の距離DS1’は、水平方向における中心軸AXと弓形に反った形状で示された第2セグメント24群の各々の内縁E2との間の距離DS2’と少なくとも部分的に等しくてよい。
【0024】
[0038]幾つかの実施の形態において、第1セグメント22群及び第2セグメント24群の位置はそれぞれ、異なる堆積プロセス(例えば、上述の第1堆積プロセス及び第2堆積プロセス)の間で水平方向に調整されてもよい。例えば、幾つかの実施の形態において、第1堆積プロセスは、第2堆積プロセスの前に実施されてよく、第2堆積プロセスにおいてマスク構造20が重複する基板12の面積を小さくするため、第1堆積プロセス後で第2堆積プロセスの前に、第1セグメント22群及び第2セグメント24群はそれぞれ、中心軸AXから離れる方向に移動されてよい。言い換えると、第1堆積プロセスにおける第1セグメント22群のうちの1つの内縁E1と中心軸AXとの間の距離DS1は、第2堆積プロセスにおける該第1セグメント22の内縁E1と中心軸AXとの間の距離DS1’と異なる距離でよく、第1堆積プロセスにおける第2セグメント24群のうちの1つの内縁E2と中心軸AXとの間の距離DS2は、第2堆積プロセスにおける該第2セグメント24の内縁E2と中心軸AXとの間の距離DS2’と異なる距離でよい。幾つかの実施の形態において、第1基板12A上に形成される第1膜抑制領域SR1の幅W1は、第2基板12B上に形成される第2膜抑制領域SR2の幅W2よりも大きくてよいが、これに限定されない。言い換えると、第2膜抑制領域SR2は、第1膜抑制領域SR1と異なってよいが、これに限定されない。
【0025】
[0039]幾つかの実施の形態において、第1堆積プロセスは、第2堆積プロセスの後に実施されてよく、第1堆積プロセスにおいてマスク構造20が重複する基板12の面積を大きくするため、第2堆積プロセス後で第1堆積プロセスの前に、第1セグメント22群及び第2セグメント24群はそれぞれ、中心軸AXに近づく方向に移動されてよい。言い換えると、基板12の各々の上に形成される膜抑制領域SRを制御するため、第1セグメント22群及び第2セグメント24群はそれぞれ、中心軸AXに近づく方向に又は中心軸AXから離れる方向に移動されてよい。幾つかの実施の形態において、第1堆積プロセスと第2堆積プロセスとの間で第1セグメント22群及び第2セグメント24群の位置がそれぞれ水平方向に調整されることにより、第1膜抑制領域SR1の幅W1は、第2膜抑制領域SR2の幅W2と異なってもよい。言い換えると、異なる堆積プロセス用の従来のクランプリングの変更による手間を取られずに、本発明の堆積装置では、膜抑制領域に関して異なる要件を有する堆積プロセスが順次実施され得る。従って、堆積装置のスループットが向上され得る。
【0026】
[0040]図8は、本発明の一実施の形態に係る堆積プロセス後のマスク構造を示す概略図である。図8に示すように、複数回の堆積プロセス後、堆積膜14は、第1セグメント22及び第2セグメント24の上に蓄積され、第1セグメント22及び第2セグメント24の内縁に蓄積した堆積膜14は、堆積プロセスにおいて基板上の重複領域に影響を及ぼす可能性がある。従って、幾つかの実施の形態において、各基板上に形成される膜抑制領域を実質的に維持するため、第1セグメント群及び第2セグメント群の位置はそれぞれ、異なる堆積プロセスの間で水平方向に調整されてよい。例えば、図4-8に示すように、幾つかの実施の形態において、第1堆積プロセスが第2堆積プロセスの前に実施され、第2堆積プロセスにおけるマスク構造20とマスク構造20上に形成される堆積膜14が重複する第2基板12Bの領域が、第1堆積プロセスにおけるマスク構造20とマスク構造20上に形成される堆積膜14が重複する第1基板12Aの領域に実質的に一致するように、第1堆積プロセス後で第2堆積プロセスの前に、第1セグメント22群及び第2セグメント24群がそれぞれ中心軸AXから遠ざかる方向に移動されてよい。言い換えると、第1堆積プロセス後で第2堆積プロセスの前に第1セグメント22群及び第2セグメント24群の位置を水平方向に調整する場合において、第1膜抑制領域SR1の幅W1は、第2膜抑制領域SR2の幅W2と実質的に等しくてよい。幾つかの実施の形態において、例えば、第1膜抑制領域SR1の幅W1は、許容差±10%で第2膜抑制領域SR2の幅W2と実質的に等しくてよい。言い換えると、幅W1は幅W2と等しくてよく、或いは、不可避なプロセス変化のため、幅W1は幅W2の0.9倍から1.1倍の範囲であってよい。例えば、許容範囲内に収まるように、マスク構造20の第1セグメント22群の数及び第2セグメント24群の数はそれぞれ、5つ以上に増やされてよいが、これに限定されない。
【0027】
[0041]幾つかの実施の形態において、第1堆積プロセスと第2堆積プロセスとの間に実施される堆積プロセス後に、第1セグメント22群及び第2セグメント24群の内縁に蓄積した堆積膜14に応じて、第1セグメント22群及び第2セグメント24群の位置が水平方向に調整されてよい。例えば、幾つかの実施の形態において、堆積装置の累積消費電力と係数を積算して第1セグメント22及び/又は第2セグメント24の内縁に蓄積した堆積膜14の幅W3が算出されてよく、第1セグメント22群及び第2セグメント24群が幅W3に対応する距離だけ中心軸AXから離れる方向に移動されてよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、第1セグメント22群及び第2セグメント24群の位置は、第1堆積プロセスと第2堆積プロセスとの間に実施される堆積プロセスの間で次第に調整されていってよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、第1セグメント22及び/又は第2セグメント24の内縁に蓄積した堆積膜14について算出した幅W3は、マスク構造20が交換及び/又は清掃されるべきか否かの判断基準として使用可能である。
【0028】
[0042]図9は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置の操作方法における搭載動作を示す概略図であり、図10は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置の操作方法における搭載動作を示す上面視の概略図である。図9及び図10に示すように、堆積装置はさらに、複数のリフト構造40、及び搭載構造50を含んでよい。幾つかの実施の形態において、リフト構造40は、基板12を持ち上げる又は保持構造10S上に基板12を配置するため、垂直方向に可動であってよく、搭載構造50は、基板12をプロセスチャンバ90内に運び、そして基板12をプロセスチャンバ90外に運ぶために使用されてよい。本発明の一実施の形態に係る搭載動作において、リフト構造40は基板12を保持構造10Sから離れた位置まで持ち上げるため、保持構造10Sを貫通してよく、搭載構造50は、基板12に実施される堆積プロセス後に基板12をプロセスチャンバ90外に運ぶため、基板12と保持構造10Sとの間のスペースまで延びてよい。同様に、基板12は、搭載構造50によってプロセスチャンバ90内に運ばれてリフト構造40上に配置されてよく、搭載構造50がプロセスチャンバ90外に移動された後、リフト構造40は、基板12を保持構造10S上に配置するために下方に移動されてよい。幾つかの実施の形態において、上述の搭載動作との干渉を防ぐため、マスク構造20の第1セグメント22群及び第2セグメント24群は、第1支持構造32群、第2支持構造34群、及び/又は他の機械的構造(図示せず)によって水平方向に及び/又は垂直方向に移動されてよい。例えば、垂直方向D1において基板12と重複を防ぐため、マスク構造20の第1セグメント22群及び第2セグメント24群は、水平方向に移動されてよく、上述の搭載動作の間、リフト構造40によって持ち上げられる基板12の位置は、垂直方向D1におけるマスク構造20の位置よりも高くされてよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、上述の搭載動作のため、マスク構造20の第1セグメント22群及び第2セグメント24群は、上方に移動されずに中心軸AXから離れる方向に移動されてよく、又は中心軸AXから離れる方向に移動されて僅かに上方に移動されてよい。
【0029】
[0043]因みに、本発明に係る堆積装置の操作方法における搭載動作は上述の方法に限定されず、他の好適な搭載動作を本発明に係る堆積装置の操作方法における搭載動作にも適用できる。
【0030】
[0044]本発明の他の実施の形態を説明する。説明の簡素化のため、以下の実施の形態の各々において同一の要素には同一の符号が付されている。実施の形態間の相違点を容易に理解するため、異なる実施の形態での相違点を詳細に説明し、同一の特徴についての説明は省略する。
【0031】
[0045]図11は、本発明の第2の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の上面視を示す概略図である。図11に示すように、本実施の形態の堆積装置では、第1セグメント22群及び第2セグメント24群の支持性能の向上のため、2つ以上の第1支持構造32が第1セグメント22群のうちの1つに接続されてよく、2つ以上の第2支持構造34が第2セグメント24群のうちの1つに接続されてよい。幾つかの実施の形態において、第1セグメント22群の移動への干渉を防ぐため、第2支持構造34は、対応する第2セグメント24の外側部分の下に設けられてよいが、これに限定されない。
【0032】
[0046]図12は、本発明の第3の実施の形態に係る堆積装置の操作方法における搭載動作を示す概略図であり、図13は、本実施の形態に係る堆積装置の操作方法における搭載動作を示す上面視の概略図であり、図14は、本実施の形態における堆積装置用マスク構造20の一部を示す概略図である。図12及び図13に示すように、本実施の形態の搭載動作において、リフト構造40は、基板12を保持構造10Sから離れた位置まで持ち上げるため、保持構造10Sを貫通してよく、搭載構造50は、基板12に実施される堆積プロセス後に基板12をプロセスチャンバ90外に運ぶために、基板12と保持構造10Sとの間のスペースに延びてよい。同様に、基板12は、搭載構造50によってプロセスチャンバ90内に運ばれてリフト構造40上に配置されてよく、搭載構造50がプロセスチャンバ90外に移動された後、リフト構造40は、基板12を保持構造10S上に配置するために下方に移動されてよい。幾つかの実施の形態において、マスク構造20の第1セグメント22群及び第2セグメント24群は、上述の搭載動作の前に第1支持構造32群、第2支持構造34群、及び/又は他の機械的構造によって水平方向に移動されてよい。例えば、マスク構造20の第1セグメント22群及び第2セグメント24群は、垂直方向D1において基板12と重複したまま上方に移動されてよく、上述の搭載動作の間、リフト構造40によって持ち上げられる基板12の位置は、垂直方向D1においてマスク構造20の位置よりも低くされてよいが、これに限定されない。
【0033】
[0047]図13及び図14に示すように、本実施の形態において、上述の搭載動作への干渉を防ぐため、第1支持構造32群のうちの1つの一部は、垂直方向D1において第2セグメント24群のうちの1つの下方に設けられてよく、第2支持構造34群のうちの1つの一部は、垂直方向D1において第1セグメント22群のうちの1つの下方に設けられてよい。例えば、幾つかの実施の形態において、第1支持構造32群のうちの1つは、第1部分32A、第2部分32B、及び第3部分32Cを含んでよく、第2支持構造34群の各々は、第1部分34Aと、第2部分34Bと、第3部分34Cとを含んでよい。第1支持構造32の第1部分32Aは、垂直方向D1に延び、対応する第1セグメント22の下に設けられてよく、第1支持構造32の第2部分32Bは、中心軸AXを囲む方向に延び、一部が対応する第1セグメント22の下方に設けられ、一部が1つの第2セグメント24の下方に設けられ、一部が対応する第1セグメント22に隣接する他の第1セグメント22の下方に設けられてよく、第1支持構造32の第3部分32Cは、垂直方向D1に延び、対応する第1セグメント22に隣接する該他の第1セグメント22の下方に設けられてよい。第1部分32Aは、対応する第1セグメント22に直接接続されてよく、第2部分32Bは、第1部分32A及び第3部分32Cを接続するため、第1部分32Aと第3部分32Cとの間に設けられてよい。また、第2支持構造34の第1部分34Aは、垂直方向D1に延び、対応する第2セグメント24の下に設けられてよく、第2支持構造34の第2部分34Bは、中心軸AXを囲む方向に延び、一部が対応する第2セグメント24の下方に設けられ、一部が対応する第2セグメント24に隣接する1つの第1セグメント22の下方に設けられてよく、第2支持構造34の第3部分34Cは、垂直方向D1に延び、対応する第2セグメント24に隣接する1つの第1セグメント22の下方に設けられてよい。第1部分34Aは、対応する第2セグメント24に直接接続されてよく、第2部分34Bは、第1部分34A及び第3部分34Cを接続するため、第1部分34Aと第3部分34Cとの間に設けられてよい。
【0034】
[0048]第1支持構造32群のうちの少なくとも幾つか及び第2支持構造34群のうちの少なくとも幾つかの構造を図13及び図14に示すように変更することにより、上述の搭載動作時の搭載構造50及び搭載構造50上に配置される基板12の動きが、第1支持構造32群や第2支持構造34群によって干渉されることが回避されるようになる。従って、マスク構造20の第1セグメント22群及び第2セグメント24群は、上述の搭載動作のために、垂直方向D1において基板12と重複しない位置まで中心軸AXから離れる方向に移動される必要がなく、そのため、本実施の形態のプロセスチャンバ90のサイズは、低減されてもよい。幾つかの実施の形態において、上述の搭載動作のため、マスク構造20の第1セグメント22群及び第2セグメント24群は、中心軸AXから離れる方向に移動されずに上方に移動されてよく、又は上方に移動されて中心軸AXから離れる方向に僅かに移動されてもよい。
【0035】
[0049]図15は、本発明の第4の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造20の上面視を示す概略図であり、図16は、本実施の形態のマスク構造20の一部を示す概略図である。図15及び図16に示すように、第1支持構造32群のうちの1つは、2つの第1部分32A,第2部分32B,第3部分32C,第4部分32D、及び第5部分32Eを含んでよい。図の簡略化のため、図15では、図16に示す第2部分32B、第3部分32C、及び第5部分32Eの図示は省略されている。幾つかの実施の形態において、第1支持構造32の第4部分32Dは、中心軸AXを囲む方向に延び、対応する第1セグメント22の下方に設けられてよく、第1支持構造32の第5部分32Eは、垂直方向D1に延び、第4部分32Dと第2部分32Bとの間に設けられてよい。第4部分32Dは、2つの第1部分32Aにそれぞれ接続されてよく、第5部分32Eは、第4部分32D及び第2部分32Bにそれぞれ接続されてよい。1つの第1セグメント22に接続される複数の第1部分32Aが設けられることで、第1支持構造32の支持強度及び/又は支持安定性が向上され得る。
【0036】
[0050]図17は、本発明の第5の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の一部を示す概略図である。図17に示すように、第1支持構造32は、第1セグメント22群のうちの互いに隣接する2つに接続されてよい。例えば、第1支持構造32は、第1セグメント22群のうちの互いに隣接する2つにそれぞれ接続された2つの第1部分32Aを有してよく、第1支持構造32の第2部分32Bは、その2つの第1部分32Aに接続されてよい。幾つかの実施の形態において、第1支持構造32の簡略化、そして上述の搭載動作への干渉の回避のため、第1支持構造32群のうち少なくとも1つは、第1セグメント22群のうちの互いに隣接する2つに接続されてよい。幾つかの実施の形態において、第2部分32Bに接続された異なる第1セグメント22群を水平方向に移動して対応する膜抑制領域の幅を維持するため、この第2部分32Bは、伸縮可能とされてよい。
【0037】
[0051]図18は、本発明の第6の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造20の一部を示す概略図である。図18に示すように、本実施の形態において、水平方向における第1セグメント22の長さL1は、水平方向における第2セグメント24の長さL2よりも長くてよく、第2セグメント24に対応する第2支持構造は、2つの隣接する第1セグメント22の間に設けられてよい。幾つかの実施の形態において、水平方向(垂直方向D1に直交する水平面における半径方向)において、第1セグメント22群の各々の外周サイズは、第2セグメント24群の各々の外周サイズよりも大きくてよい。幾つかの実施の形態において、第1セグメント22上に堆積する堆積膜による、第2セグメント24が水平方向に移動する経路への干渉を回避するため、マスク構造20を清掃する頻度が増やされ及び/又は垂直方向D1における第1セグメント22と第2セグメント24との間の隙間G2が比較的大きくされてもよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、プロセスチャンバ90のサイズは低減されてもよく、第2セグメント24は比較的小さくなることで軽量化されてもよいが、これに限定されない。
【0038】
[0052]以上より、本発明の堆積装置用マスク構造、堆積装置、及び堆積装置の操作方法によると、堆積プロセスにおいて基板上の膜抑制領域をより正確に且つより簡便に制御するため、互いに離間された第1セグメント群と、互いに隣接する第1セグメント群と重複する第2セグメント群とを含むマスク構造が使用される。
【0039】
[0053]本発明の教示を維持しながら装置及び方法の様々な変更や変形を行い得ることが当業者に容易に明らかとなるであろう。従って、上記の開示は、添付の請求項の境界及び範囲によってのみ限定されるとして解釈するべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2021-09-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
[0001]本発明は、堆積装置用マスク構造、堆積装置及びその操作方法に関し、特に、互いに重複するセグメント群を含むマスク構造、マスク構造を含む堆積装置、及び堆積装置の操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2.先行技術の説明
[0002]半導体集積回路は、その製造過程で、膜の堆積、フォトリソグラフィ、エッチング等の様々なプロセスステップを経る。化学気相成長(CVD)及び物理気相成長(PVD)は、半導体製造プロセスで適用される一般的な膜堆積アプローチである。スパッタリング堆積プロセス等の膜堆積プロセスでは、ウェハの周辺領域への材料膜の形成を防止し、ウェハ端での膜剥離等の関連する問題を回避するため、ウェハの周辺領域に膜抑制領域が定められる。更に、膜抑制領域は、好ましくは、ウェハ当たりの有効チップ数を増やし、チップ当たりのコストを削減するために縮小され得る。従って、膜堆積プロセスでは、膜抑制領域を正確に制御することが重要になる。一般に、スパッタリング堆積プロセスでは、ウェハの周辺領域を覆うように構成されるクランプリングが適用される。複数の膜堆積プロセス後には材料膜がクランプリングの内縁に堆積し、ウェハの膜抑制領域に影響を及ぼすため、クランプリングに対応する膜抑制領域を正確に制御することは困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]堆積装置用マスク構造、堆積装置、及び堆積装置の操作方法が提供される。マスク構造は、堆積プロセスにおいて基板上の膜抑制領域をより正確に且つより簡便に制御するため、互いに離間された第1セグメント群、及び互いに隣接する第1セグメント群と重複する第2セグメント群を含む。
【0004】
[0004]1つの態様では、堆積装置用マスク構造が提供される。マスク構造は、第1セグメント群及び第2セグメント群を含む。第1セグメント群は、中心軸を囲む方向に設けられ、互いに離間される。第2セグメント群は、第1セグメント群の上方に設けられる。第2セグメント群の各々は、中心軸の延びる方向と平行な垂直方向において、第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つと重複する。
【0005】
[0005]1つの態様では、堆積装置が提供される。堆積装置は、プロセスチャンバ、ステージ及びマスク構造を含む。ステージは、少なくとも部分的にプロセスチャンバ内に設けられ、基板の保持構造を含む。マスク構造は、プロセスチャンバ内に設けられ、ステージの上方に位置し、ステージ上に保持される基板の周辺領域を覆う。マスク構造は、第1セグメント群及び第2セグメント群を含む。第1セグメント群は、中心軸を囲む方向に設けられ、互いに離間される。第2セグメント群は、第1セグメント群の上方に設けられる。第2セグメント群の各々は、中心軸の延びる方向と平行な垂直方向において、第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つと重複する。
【0006】
[0006]1つの態様では、堆積装置の操作方法が提供される。操作方法は、以下の工程を含む。堆積装置が準備される。堆積装置は、プロセスチャンバ、ステージ及びマスク構造を含む。ステージは、少なくとも部分的にプロセスチャンバ内に設けられ、基板の保持構造を含む。マスク構造は、プロセスチャンバ内に設けられ、ステージの上方に位置し、ステージ上に保持される基板の周辺領域を覆う。マスク構造は、第1セグメント群及び第2セグメント群を含む。第1セグメント群は、中心軸を囲む方向に設けられ、互いに離間される。第2セグメント群は、第1セグメント群の上方に設けられる。第2セグメント群の各々は、中心軸の延びる方向と平行な垂直方向において、第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つと重複する。第1セグメント群及び第2セグメント群の位置はそれぞれ、異なる堆積プロセスの間で水平方向に調整される。
【0007】
[0007]本発明のこれらの及び他の目的は、様々な図面において示された好適な実施の形態の以下の詳細な説明を読むことで当業者に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008]図1は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置を示す概略図である。
図2】[0009]図2は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の上面視を示す概略図である。
図3】[0010]図3は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の断面視を示す概略図である。
図4-7】[0011]図4-7は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置の操作方法を示す概略図であって、図4は、第1堆積プロセスにおけるマスク構造と第1基板の位置を示す概略図であり、図5は、第1堆積プロセス後の第1基板を示す概略図であり、図6は、第2堆積プロセスにおけるマスク構造及び第2基板の位置を示す概略図であり、図7は、第2堆積プロセス後の第2基板を示す概略図である。
図8】[0012]図8は、本発明の一実施の形態に係る堆積プロセス後のマスク構造を示す概略図である。
図9】[0013]図9は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置の操作方法における搭載動作を示す概略図である。
図10】[0014]図10は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置の操作方法における搭載動作を示す上面視の概略図である。
図11】[0015]図11は、本発明の第2の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の上面視を示す概略図である。
図12】[0016]図12は、本発明の第3の実施の形態に係る堆積装置の操作方法における搭載動作を示す概略図である。
図13】[0017]図13は、本発明の第3の実施の形態に係る堆積装置の操作方法における搭載動作を示す上面視の概略図である。
図14】[0018]図14は、本発明の第3の実施の形態の形態における堆積装置用マスク構造の一部を示す概略図である。
図15】[0019]図15は、本発明の第4の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の上面視を示す概略図である。
図16】[0020]図16は、本発明の第4の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の一部を示す概略図である。
図17】[0021]図17は、本発明の第5の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の一部を示す概略図である。
図18】[0022]図18は、本発明の第6の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の一部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
[0023]具体的な構造及び構成を説明するが、これは単に例示を目的とするものである。本開示の意図及び範囲を逸脱せずに他の構造や構成が可能であることは、当業者ならば理解するであろう。本発明が他の様々な形態において実施することも可能であることは、当業者ならば明らかなことであろう。
【0010】
[0024]明細書中の“一実施の形態”、“任意の実施の形態”、“幾つかの実施の形態”等への言及は、記載される実施の形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示しているが、各実施の形態がその特徴、構造、又は特性を必ず含む必要はない。さらに、そのような語句は必ずしも同じ実施の形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、特性が任意の実施の形態に関連して記載される場合、明確に記載されているか否かに関わらず、他の実施の形態に関連してそのような特徴、構造、又は特性に影響を与えることは当業者の知識の範囲内である。
【0011】
[0025]第1、第2等の語句は、様々な要素、構成部品、領域、層、及び/又は部分を説明するために使用されるが、これらの要素、構成部品、領域、層、及び/又は部分はこれらの語句に限定されないことを理解すべきである。これらの語句は、単に1つの要素、構成部品、領域、層、及び/又は部分を他のものと区別するために使用される。かくして、以下に記載される第1要素、構成部品、領域、層、又は部品は、本開示の記載から逸脱することなく、第2の要素、構成部品、領域、層、又は部品と呼ばれてもよい。
【0012】
[0026]“上に(on)”、“より上に(above)”、及び“上方に(over)”の意味は、“上に”が何かの“直上に”という意味だけでなく、中間の機能や層が間に挟まる何かの“上”の意味も含み、“より上に”や“上方に”は、何かの“より上”や“上方”の意味だけでなく、中間の機能や層が間に挟まらない何かの“より上”や“上方”(つまり、直上)の意味も含むことを理解されたい。
【0013】
[0027]図1は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置を示す概略図であり、図2は、本実施の形態における堆積装置用マスク構造の上面視を示す概略図である。図1及び図2に示すように、堆積装置用マスク構造20が提供される。マスク構造20は、複数の第1セグメント22の群及び複数の第2セグメント24の群を含む。第1セグメント22群は、中心軸AXを囲む方向(例えば、図2に示す方向D3)に配置され、互いに離間される。第2セグメント24群は、第1セグメント22群の上方に設けられる。第2セグメント24群の各々は、中心軸AXの延びる方向に平行な垂直方向D1において、第1セグメント22群のうちの互いに隣接する2つと重複する。マスク構造20は、図1に示す堆積装置100等の堆積装置に使用され得るが、これに限定されない。言い換えると、本発明の堆積装置用マスク構造20は、構造設計、堆積方法、及び/又は他の側面において堆積装置100とは異なる堆積装置にも適用され得る。
【0014】
[0028]幾つかの実施の形態において、第2セグメント24群もまた、中心軸AXを囲む方向D3に配置されてよく、中心軸AXを囲む方向D3は円周方向であってよいが、これに限定されない。第2セグメント24群は、互いに離間されてよく、第2セグメント24群の各々は、第1セグメント22群から離間されてよい。幾つかの実施の形態において、第1セグメント22群の各々や第2セグメント24群の各々は、マスク構造20の上面視(例えば、図2)で弓形であってよいが、これに限定されない。また、第2セグメント24群の各々はさらに、垂直方向D1において第1セグメント22群のうちの互いに隣接する2つの間の隙間G1と重複してよく、垂直方向D1における第2セグメント24群の各々の投影面積(例えば、図2に示す第2セグメント24群の1つの面積)は、垂直方向D1における第1セグメント22群の各々の投影面積(例えば、図2に示す第1セグメント22群の1つの面積)よりも小さくてよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、第1セグメント22群は、マスク構造20の比較的大きな面積を有する主セグメント群としてみなしてよく、第2セグメント24群は、マスク構造20において比較的小さな面積を有する副セグメント群とみなしてよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、垂直方向D1における第2セグメント24群の各々の投影面積は、垂直方向D1における第1セグメント22群の各々の投影面積以下であってよい。幾つかの実施の形態において、水平方向(垂直方向D1に直交する水平面の半径方向)において、第2セグメント24群の各々の外周サイズは、第1セグメント群の各々の外周サイズよりも大きくてよい。
【0015】
[0029]幾つかの実施の形態において、第1セグメント22群の各々の材料や第2セグメント24群の各々の材料は、高い耐熱性、低い熱膨張係数、及び/又は堆積材料とマスク構造20との間の反応を回避するための高い安定性を有する石英、金属、又は他の好適な材料を含んでよい。幾つかの実施の形態において、設計計画に応じて、第2セグメント24群の各々の材料組成は、第1セグメント22群の各々と同じ材料組成でも異なる材料組成でもよい。幾つかの実施の形態において、マスク構造20における第2セグメント24群の数は、マスク構造20における第1セグメント22群の数と等しくてよい。例えば、マスク構造20における第1セグメント22群の数及び第2セグメント24群の数はそれぞれ4つとされてよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、堆積プロセスにおける基板上の膜抑制領域をより正確に制御するため、マスク構造20における第1セグメント22群の数及び第2セグメント24群の数を増やしてもよい。
【0016】
[0030]図1および図2に示すように、幾つかの実施の形態において、堆積装置100は、プロセスチャンバ90、ステージ10、及び上述のマスク構造20を含んでよい。ステージ10は、少なくとも部分的にプロセスチャンバ90内に設けられ、基板12の保持構造10Sを含む。マスク構造20は、プロセスチャンバ90内に配置され、ステージ10の上方に位置し、ステージ10上に保持される基板12の周辺領域PRを覆う。堆積装置100は、プロセスチャンバ90内に運ばれてステージ10上に配置される基板12に堆積プロセスを実施し、基板12上に堆積膜を形成するために使用され得る。幾つかの実施の形態において、堆積装置100は、スパッタリング堆積装置又は他の物理気相成長を実施することができる堆積装置を含み得る。
【0017】
[0031]幾つかの実施の形態において、中心軸AXの少なくとも一部は、ステージ10の上方に位置し、ステージ10の上面に直交する方向に延びてよい。幾つかの実施の形態において、中心軸AXは、ステージ10の少なくとも一部を貫通してよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、ステージ10上に配置される基板12の中心点は、垂直方向D1において中心軸AXと重複してよいが、これに限定されない。基板12の中心点は、基板12の幾何学中心、質量中心、及び/又は重心であってよい。基板12は半導体基板又は非半導体基板を含んでよい。上述の半導体基板は、シリコン基板、エピタキシャルシリコン基板、シリコンゲルマニウム基板、炭化ケイ素基板、又はSilicon-on-insulator(SOI)基板を含んでよいが、これに限定されない。上述の非半導体基板は、ガラス基板、プラスチック基板、セラミック基板、ステンレス基板、又は他の好適な材料で形成された基板を含んでよい。
【0018】
[0032]幾つかの実施の形態において、堆積装置100はさらに、複数の第1支持構造32の群と複数の第2支持構造34の群を含んでよい。第1支持構造32群の各々は、第1セグメント22群のうちの少なくとも1つと接続されてよく、第2支持構造34群の各々は、第2セグメント24群のうちの少なくとも1つと接続されてよい。幾つかの実施の形態において、第1支持構造32群の各々は、対応する第1セグメント22の下に位置されてよく、第2支持構造34群の各々は、対応する第2セグメント24の下に位置され、少なくともその一部が方向D3において第1セグメント22群のうちの互いに隣接する2つの間の隙間G1に位置されてよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、第1支持構造32群及び第2支持構造34群は、マスク構造20の第1セグメント22群及び第2セグメント24群を支持すると共に、それぞれ第1セグメント22群及び第2セグメント24群を垂直に(例えば、垂直方向に)及び/又は水平に(例えば、図1に示す水平方向D2に)移動するために使用されてよい。
【0019】
[0033]例えば、図1及び図2に示すように、第1セグメント22群のうちの1つは水平方向D21に可動であってよく、第2セグメント24群のうちの1つは水平方向D22に可動であってよく、第1セグメント22群のうちの1つは水平方向D23に可動であってよく、第2セグメント24群のうちの1つは水平方向D24に可動であってよく、第1セグメント22群のうちの1つは水平方向D25に可動であってよく、第2セグメント24群のうちの1つは水平方向D26に可動であってよく、第1セグメント22群のうちの1つは水平方向D27に可動であってよく、第2セグメント24群のうちの1つは水平方向D28に可動であってよいが、これらに限定されない。水平方向D21-D28は、中心軸AXから外向きの半径方向とみなしてよいが、これに限定されない。言い換えると、第1セグメント22群及び第2セグメント24群はそれぞれ、中心軸AXに向かう方向又は中心軸AXから離れる方向に移動されてよい。幾つかの実施の形態において、マスク構造20が重複する基板12の領域を制御するため、上述の水平方向における中心軸AXと第1セグメント22群の各々の内縁E1との間の距離は、上述の水平方向における中心軸AXと第2セグメント24群の各々の内縁E2との間の距離と実質的に等しくてよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、例えば、中心軸AXと第1セグメント22群の各々の内縁E1との間の距離は、中心軸AXと第2セグメント24群の各々の内縁E2との間の距離と許容差±2%で実質的に等しくてよい。言い換えると、好適には、中心軸AXと第1セグメント22群の各々の内縁E1との間の距離は、中心軸AXと第2セグメント24群の各々の内縁E2との間の距離と等しくてよいが、動作上不可避な誤差のため、中心軸AXと第1セグメント22群の各々の内縁E1との間の距離は、中心軸AXと第2セグメント24群の各々の内縁E2との間の距離の0.98倍から1.02倍の範囲であってよい。幾つかの実施の形態において、中心軸AXと第1セグメント群の各々の内縁E1との間の距離は、中心軸AXと第2セグメント群の各々の内縁E2との間の距離と少なくとも部分的に等しい。
【0020】
[0034]図3は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造20の断面視を示す概略図である。図1-3に示すように、幾つかの実施の形態において、第2支持構造34のスペースの確保及び/又は第2セグメント24群が水平方向に移動する経路上の堆積膜の蓄積を回避するため、水平方向における第1セグメント22群の各々の長さL1は、水平方向における第2セグメント24群の各々の長さL2よりも短くてよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、第1セグメント22群の各々の内壁SW11及び第2セグメント24群の各々の内壁SW21の上に堆積される堆積膜が内壁SW11及び内壁SW21から剥離しないように、内壁SW11及び内壁SW21にそれぞれ傾斜を持たせてもよく、また、第1セグメント22群及び第2セグメント24群の上に形成される堆積膜の総量を少なくするために、第1セグメント22群の各々の外壁SW12及び第2セグメント24群の各々の外壁SW22にそれぞれ傾斜を持たせてもよい。また、本明細書において、水平方向における、中心軸AXと、相対的に内側の位置及び/又は相対的に内側の部分との間の距離は、水平方向における、中心軸AXと、相対的に外側の位置及び/又は相対的に外側の部分との間の距離よりも短い。各対象の内側部は、対象の外側部よりも、水平方向において中心軸AXに近くてよい。
【0021】
[0035]また、特に垂直方向D1における各第1セグメント22の投影面積が垂直方向D1における各第2セグメント24の投影面積と異なる場合、各第1セグメント22上に形成される堆積膜と各第2セグメント24上に形成される堆積膜との堆積量の差を小さくするため、内壁SW11は内壁SW21と異なる傾斜を有してもよい。例えば、内壁SW21の傾斜は、内壁SW11の傾斜よりも小さくてよく、内壁SW21と第2セグメント24の下面との挟角は、内壁SW11と第1セグメント22の下面との挟角よりも小さくてよいが、これに限定されない。しかしながら、本発明における第1セグメント22及び第2セグメント24の形状は、図3に示す形状に限定されず、他の設計計画に応じて他の好適な形状が適用されてよい。また、第1セグメント22と第2セグメント24を離間するために、垂直方向D1において第1セグメント22と第2セグメント24との間には隙間G2があってよく、上述の膜抑制領域を制御するうえでの第2セグメント24群の影響を減らすために、垂直方向D1における第1セグメント22と第2セグメント24との間の距離DS3が調整されてもよい。例えば、垂直方向D1における第1セグメント22と第2セグメント24との間の距離DS3は、0.01mmから6mmの範囲であってよいが、これに限定されない。
【0022】
[0036]図4-7は、本実施の形態における堆積装置の操作方法を示す概略図であって、図4は、第1堆積プロセスにおけるマスク構造20と第1基板12Aの位置を示す概略図であり、図5は、第1堆積プロセス後の第1基板12Aを示す概略図であり、図6は、第2堆積プロセスにおけるマスク構造20及び第2基板12Bの位置を示す概略図であり、図7は、第2堆積プロセス後の第2基板12Bを示す概略図である。図1及び図4-7に示すように、堆積装置100の操作方法は、次の工程を含むが、これに限定されない。まず、上述の堆積装置100が準備される。次に、複数の基板12の各々に堆積プロセスが実施される。例えば、図1図4図5に示すように、第1基板12A上に堆積膜14Aを形成するために堆積装置100によって第1堆積プロセスが第1基板12Aに実施されてよく、第1堆積プロセス後の第1基板12Aの周辺領域PR上に第1膜抑制領域SR1が形成されてよい。第1堆積プロセスにおいて、第1基板12Aの周辺領域PRの少なくとも一部を覆うマスク構造20により、堆積膜14Aが第1膜抑制領域SR1上に形成されることが抑えられ、従って、第1堆積プロセスにおいて、第1セグメント22群及び第2セグメント24群の位置に対応して第1膜抑制領域SR1が形成され得る。図1図6図7に示すように、第2基板12B上に堆積膜14Bを形成するために堆積装置100によって第2堆積プロセスが第2基板12Bに実施されてよく、第2堆積プロセス後の第2基板12Bの周辺領域PR上に第2膜抑制領域SR2が形成されてよい。第2堆積プロセスにおいて、第2基板12Bの周辺領域PRの少なくとも一部を覆うマスク構造20により、堆積膜14Bが第2膜抑制領域SR2上に形成されることが抑えられ、従って、第2堆積プロセスにおいて、第1セグメント22群及び第2セグメント24群の位置に対応して第2膜抑制領域SR2が形成され得る。幾つかの実施の形態において、基板12及び/又は基板12上に形成される材料を保護するために、マスク構造20は、基板12と直接接することなく離間される。
【0023】
[0037]図1及び図4-7に示すように、幾つかの実施の形態において、堆積プロセス(例えば、上述の第1堆積プロセスや第2堆積プロセス)の間、ステージ10上に配置される基板12の中心点CPは、垂直方向D1において中心軸AXと重複してよく、各堆積プロセスにおいて、第1セグメント22群の1つの内縁E1と中心軸AXとの間の距離は、第2セグメント24群の1つの内縁と中心軸AXとの間の距離と実質的に等しくてよい。例えば、第1堆積プロセス(図4に図示)において、水平方向における中心軸AXと第1セグメント22群の各々の内縁E1との間の距離DS1は、水平方向における中心軸AXと第2セグメント24群の各々の内縁E2との間の距離DS2と実質的に等しくてよい。言い換えると、水平方向における中心軸AXと弓形に反った形状で示された第1セグメント22群の各々の内縁E1との間の距離DS1は、水平方向における中心軸AXと弓形に反った形状で示された第2セグメント24群の各々の内縁E2との間の距離DS2と少なくとも部分的に等しくてよい。第2堆積プロセス(図6に図示)において、水平方向における中心軸AXと第1セグメント22群の各々の内縁E1との間の距離DS1’は、水平方向における中心軸AXと第2セグメント24群の各々の内縁E2との間の距離DS2’と実質的に等しくてよい。言い換えると、水平方向における中心軸AXと弓形に反った形状で示された第1セグメント22群の各々の内縁E1との間の距離DS1’は、水平方向における中心軸AXと弓形に反った形状で示された第2セグメント24群の各々の内縁E2との間の距離DS2’と少なくとも部分的に等しくてよい。
【0024】
[0038]幾つかの実施の形態において、第1セグメント22群及び第2セグメント24群の位置はそれぞれ、異なる堆積プロセス(例えば、上述の第1堆積プロセス及び第2堆積プロセス)の間で水平方向に調整されてもよい。例えば、幾つかの実施の形態において、第1堆積プロセスは、第2堆積プロセスの前に実施されてよく、第2堆積プロセスにおいてマスク構造20が重複する基板12の面積を小さくするため、第1堆積プロセス後で第2堆積プロセスの前に、第1セグメント22群及び第2セグメント24群はそれぞれ、中心軸AXから離れる方向に移動されてよい。言い換えると、第1堆積プロセスにおける第1セグメント22群のうちの1つの内縁E1と中心軸AXとの間の距離DS1は、第2堆積プロセスにおける該第1セグメント22の内縁E1と中心軸AXとの間の距離DS1’と異なる距離でよく、第1堆積プロセスにおける第2セグメント24群のうちの1つの内縁E2と中心軸AXとの間の距離DS2は、第2堆積プロセスにおける該第2セグメント24の内縁E2と中心軸AXとの間の距離DS2’と異なる距離でよい。幾つかの実施の形態において、第1基板12A上に形成される第1膜抑制領域SR1の幅W1は、第2基板12B上に形成される第2膜抑制領域SR2の幅W2よりも大きくてよいが、これに限定されない。言い換えると、第2膜抑制領域SR2は、第1膜抑制領域SR1と異なってよいが、これに限定されない。
【0025】
[0039]幾つかの実施の形態において、第1堆積プロセスは、第2堆積プロセスの後に実施されてよく、第1堆積プロセスにおいてマスク構造20が重複する基板12の面積を大きくするため、第2堆積プロセス後で第1堆積プロセスの前に、第1セグメント22群及び第2セグメント24群はそれぞれ、中心軸AXに近づく方向に移動されてよい。言い換えると、基板12の各々の上に形成される膜抑制領域SRを制御するため、第1セグメント22群及び第2セグメント24群はそれぞれ、中心軸AXに近づく方向に又は中心軸AXから離れる方向に移動されてよい。幾つかの実施の形態において、第1堆積プロセスと第2堆積プロセスとの間で第1セグメント22群及び第2セグメント24群の位置がそれぞれ水平方向に調整されることにより、第1膜抑制領域SR1の幅W1は、第2膜抑制領域SR2の幅W2と異なってもよい。言い換えると、異なる堆積プロセス用の従来のクランプリングの変更による手間を取られずに、本発明の堆積装置では、膜抑制領域に関して異なる要件を有する堆積プロセスが順次実施され得る。従って、堆積装置のスループットが向上され得る。
【0026】
[0040]図8は、本発明の一実施の形態に係る堆積プロセス後のマスク構造を示す概略図である。図8に示すように、複数回の堆積プロセス後、堆積膜14は、第1セグメント22及び第2セグメント24の上に蓄積され、第1セグメント22及び第2セグメント24の内縁に蓄積した堆積膜14は、堆積プロセスにおいて基板上の重複領域に影響を及ぼす可能性がある。従って、幾つかの実施の形態において、各基板上に形成される膜抑制領域を実質的に維持するため、第1セグメント群及び第2セグメント群の位置はそれぞれ、異なる堆積プロセスの間で水平方向に調整されてよい。例えば、図4-8に示すように、幾つかの実施の形態において、第1堆積プロセスが第2堆積プロセスの前に実施され、第2堆積プロセスにおけるマスク構造20とマスク構造20上に形成される堆積膜14が重複する第2基板12Bの領域が、第1堆積プロセスにおけるマスク構造20とマスク構造20上に形成される堆積膜14が重複する第1基板12Aの領域に実質的に一致するように、第1堆積プロセス後で第2堆積プロセスの前に、第1セグメント22群及び第2セグメント24群がそれぞれ中心軸AXから遠ざかる方向に移動されてよい。言い換えると、第1堆積プロセス後で第2堆積プロセスの前に第1セグメント22群及び第2セグメント24群の位置を水平方向に調整する場合において、第1膜抑制領域SR1の幅W1は、第2膜抑制領域SR2の幅W2と実質的に等しくてよい。幾つかの実施の形態において、例えば、第1膜抑制領域SR1の幅W1は、許容差±10%で第2膜抑制領域SR2の幅W2と実質的に等しくてよい。言い換えると、幅W1は幅W2と等しくてよく、或いは、不可避なプロセス変化のため、幅W1は幅W2の0.9倍から1.1倍の範囲であってよい。例えば、許容範囲内に収まるように、マスク構造20の第1セグメント22群の数及び第2セグメント24群の数はそれぞれ、5つ以上に増やされてよいが、これに限定されない。
【0027】
[0041]幾つかの実施の形態において、第1堆積プロセスと第2堆積プロセスとの間に実施される堆積プロセス後に、第1セグメント22群及び第2セグメント24群の内縁に蓄積した堆積膜14に応じて、第1セグメント22群及び第2セグメント24群の位置が水平方向に調整されてよい。例えば、幾つかの実施の形態において、堆積装置の累積消費電力と係数を積算して第1セグメント22及び/又は第2セグメント24の内縁に蓄積した堆積膜14の幅W3が算出されてよく、第1セグメント22群及び第2セグメント24群が幅W3に対応する距離だけ中心軸AXから離れる方向に移動されてよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、第1セグメント22群及び第2セグメント24群の位置は、第1堆積プロセスと第2堆積プロセスとの間に実施される堆積プロセスの間で次第に調整されていってよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、第1セグメント22及び/又は第2セグメント24の内縁に蓄積した堆積膜14について算出した幅W3は、マスク構造20が交換及び/又は清掃されるべきか否かの判断基準として使用可能である。
【0028】
[0042]図9は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置の操作方法における搭載動作を示す概略図であり、図10は、本発明の第1の実施の形態に係る堆積装置の操作方法における搭載動作を示す上面視の概略図である。図9及び図10に示すように、堆積装置はさらに、複数のリフト構造40、及び搭載構造50を含んでよい。幾つかの実施の形態において、リフト構造40は、基板12を持ち上げる又は保持構造10S上に基板12を配置するため、垂直方向に可動であってよく、搭載構造50は、基板12をプロセスチャンバ90内に運び、そして基板12をプロセスチャンバ90外に運ぶために使用されてよい。本発明の一実施の形態に係る搭載動作において、リフト構造40は基板12を保持構造10Sから離れた位置まで持ち上げるため、保持構造10Sを貫通してよく、搭載構造50は、基板12に実施される堆積プロセス後に基板12をプロセスチャンバ90外に運ぶため、基板12と保持構造10Sとの間のスペースまで延びてよい。同様に、基板12は、搭載構造50によってプロセスチャンバ90内に運ばれてリフト構造40上に配置されてよく、搭載構造50がプロセスチャンバ90外に移動された後、リフト構造40は、基板12を保持構造10S上に配置するために下方に移動されてよい。幾つかの実施の形態において、上述の搭載動作との干渉を防ぐため、マスク構造20の第1セグメント22群及び第2セグメント24群は、第1支持構造32群、第2支持構造34群、及び/又は他の機械的構造(図示せず)によって水平方向に及び/又は垂直方向に移動されてよい。例えば、垂直方向D1において基板12と重複を防ぐため、マスク構造20の第1セグメント22群及び第2セグメント24群は、水平方向に移動されてよく、上述の搭載動作の間、リフト構造40によって持ち上げられる基板12の位置は、垂直方向D1におけるマスク構造20の位置よりも高くされてよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、上述の搭載動作のため、マスク構造20の第1セグメント22群及び第2セグメント24群は、上方に移動されずに中心軸AXから離れる方向に移動されてよく、又は中心軸AXから離れる方向に移動されて僅かに上方に移動されてよい。
【0029】
[0043]因みに、本発明に係る堆積装置の操作方法における搭載動作は上述の方法に限定されず、他の好適な搭載動作を本発明に係る堆積装置の操作方法における搭載動作にも適用できる。
【0030】
[0044]本発明の他の実施の形態を説明する。説明の簡素化のため、以下の実施の形態の各々において同一の要素には同一の符号が付されている。実施の形態間の相違点を容易に理解するため、異なる実施の形態での相違点を詳細に説明し、同一の特徴についての説明は省略する。
【0031】
[0045]図11は、本発明の第2の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の上面視を示す概略図である。図11に示すように、本実施の形態の堆積装置では、第1セグメント22群及び第2セグメント24群の支持性能の向上のため、2つ以上の第1支持構造32が第1セグメント22群のうちの1つに接続されてよく、2つ以上の第2支持構造34が第2セグメント24群のうちの1つに接続されてよい。幾つかの実施の形態において、第1セグメント22群の移動への干渉を防ぐため、第2支持構造34は、対応する第2セグメント24の外側部分の下に設けられてよいが、これに限定されない。
【0032】
[0046]図12は、本発明の第3の実施の形態に係る堆積装置の操作方法における搭載動作を示す概略図であり、図13は、本実施の形態に係る堆積装置の操作方法における搭載動作を示す上面視の概略図であり、図14は、本実施の形態における堆積装置用マスク構造20の一部を示す概略図である。図12及び図13に示すように、本実施の形態の搭載動作において、リフト構造40は、基板12を保持構造10Sから離れた位置まで持ち上げるため、保持構造10Sを貫通してよく、搭載構造50は、基板12に実施される堆積プロセス後に基板12をプロセスチャンバ90外に運ぶために、基板12と保持構造10Sとの間のスペースに延びてよい。同様に、基板12は、搭載構造50によってプロセスチャンバ90内に運ばれてリフト構造40上に配置されてよく、搭載構造50がプロセスチャンバ90外に移動された後、リフト構造40は、基板12を保持構造10S上に配置するために下方に移動されてよい。幾つかの実施の形態において、マスク構造20の第1セグメント22群及び第2セグメント24群は、上述の搭載動作の前に第1支持構造32群、第2支持構造34群、及び/又は他の機械的構造によって水平方向に移動されてよい。例えば、マスク構造20の第1セグメント22群及び第2セグメント24群は、垂直方向D1において基板12と重複したまま上方に移動されてよく、上述の搭載動作の間、リフト構造40によって持ち上げられる基板12の位置は、垂直方向D1においてマスク構造20の位置よりも低くされてよいが、これに限定されない。
【0033】
[0047]図13及び図14に示すように、本実施の形態において、上述の搭載動作への干渉を防ぐため、第1支持構造32群のうちの1つの一部は、垂直方向D1において第2セグメント24群のうちの1つの下方に設けられてよく、第2支持構造34群のうちの1つの一部は、垂直方向D1において第1セグメント22群のうちの1つの下方に設けられてよい。例えば、幾つかの実施の形態において、第1支持構造32群のうちの1つは、第1部分32A、第2部分32B、及び第3部分32Cを含んでよく、第2支持構造34群の各々は、第1部分34Aと、第2部分34Bと、第3部分34Cとを含んでよい。第1支持構造32の第1部分32Aは、垂直方向D1に延び、対応する第1セグメント22の下に設けられてよく、第1支持構造32の第2部分32Bは、中心軸AXを囲む方向に延び、一部が対応する第1セグメント22の下方に設けられ、一部が1つの第2セグメント24の下方に設けられ、一部が対応する第1セグメント22に隣接する他の第1セグメント22の下方に設けられてよく、第1支持構造32の第3部分32Cは、垂直方向D1に延び、対応する第1セグメント22に隣接する該他の第1セグメント22の下方に設けられてよい。第1部分32Aは、対応する第1セグメント22に直接接続されてよく、第2部分32Bは、第1部分32A及び第3部分32Cを接続するため、第1部分32Aと第3部分32Cとの間に設けられてよい。また、第2支持構造34の第1部分34Aは、垂直方向D1に延び、対応する第2セグメント24の下に設けられてよく、第2支持構造34の第2部分34Bは、中心軸AXを囲む方向に延び、一部が対応する第2セグメント24の下方に設けられ、一部が対応する第2セグメント24に隣接する1つの第1セグメント22の下方に設けられてよく、第2支持構造34の第3部分34Cは、垂直方向D1に延び、対応する第2セグメント24に隣接する1つの第1セグメント22の下方に設けられてよい。第1部分34Aは、対応する第2セグメント24に直接接続されてよく、第2部分34Bは、第1部分34A及び第3部分34Cを接続するため、第1部分34Aと第3部分34Cとの間に設けられてよい。
【0034】
[0048]第1支持構造32群のうちの少なくとも幾つか及び第2支持構造34群のうちの少なくとも幾つかの構造を図13及び図14に示すように変更することにより、上述の搭載動作時の搭載構造50及び搭載構造50上に配置される基板12の動きが、第1支持構造32群や第2支持構造34群によって干渉されることが回避されるようになる。従って、マスク構造20の第1セグメント22群及び第2セグメント24群は、上述の搭載動作のために、垂直方向D1において基板12と重複しない位置まで中心軸AXから離れる方向に移動される必要がなく、そのため、本実施の形態のプロセスチャンバ90のサイズは、低減されてもよい。幾つかの実施の形態において、上述の搭載動作のため、マスク構造20の第1セグメント22群及び第2セグメント24群は、中心軸AXから離れる方向に移動されずに上方に移動されてよく、又は上方に移動されて中心軸AXから離れる方向に僅かに移動されてもよい。
【0035】
[0049]図15は、本発明の第4の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造20の上面視を示す概略図であり、図16は、本実施の形態のマスク構造20の一部を示す概略図である。図15及び図16に示すように、第1支持構造32群のうちの1つは、2つの第1部分32A,第2部分32B,第3部分32C,第4部分32D、及び第5部分32Eを含んでよい。図の簡略化のため、図15では、図16に示す第2部分32B、第3部分32C、及び第5部分32Eの図示は省略されている。幾つかの実施の形態において、第1支持構造32の第4部分32Dは、中心軸AXを囲む方向に延び、対応する第1セグメント22の下方に設けられてよく、第1支持構造32の第5部分32Eは、垂直方向D1に延び、第4部分32Dと第2部分32Bとの間に設けられてよい。第4部分32Dは、2つの第1部分32Aにそれぞれ接続されてよく、第5部分32Eは、第4部分32D及び第2部分32Bにそれぞれ接続されてよい。1つの第1セグメント22に接続される複数の第1部分32Aが設けられることで、第1支持構造32の支持強度及び/又は支持安定性が向上され得る。
【0036】
[0050]図17は、本発明の第5の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造の一部を示す概略図である。図17に示すように、第1支持構造32は、第1セグメント22群のうちの互いに隣接する2つに接続されてよい。例えば、第1支持構造32は、第1セグメント22群のうちの互いに隣接する2つにそれぞれ接続された2つの第1部分32Aを有してよく、第1支持構造32の第2部分32Bは、その2つの第1部分32Aに接続されてよい。幾つかの実施の形態において、第1支持構造32の簡略化、そして上述の搭載動作への干渉の回避のため、第1支持構造32群のうち少なくとも1つは、第1セグメント22群のうちの互いに隣接する2つに接続されてよい。幾つかの実施の形態において、第2部分32Bに接続された異なる第1セグメント22群を水平方向に移動して対応する膜抑制領域の幅を維持するため、この第2部分32Bは、伸縮可能とされてよい。
【0037】
[0051]図18は、本発明の第6の実施の形態に係る堆積装置用マスク構造20の一部を示す概略図である。図18に示すように、本実施の形態において、水平方向における第1セグメント22の長さL1は、水平方向における第2セグメント24の長さL2よりも長くてよく、第2セグメント24に対応する第2支持構造は、2つの隣接する第1セグメント22の間に設けられてよい。幾つかの実施の形態において、水平方向(垂直方向D1に直交する水平面における半径方向)において、第1セグメント22群の各々の外周サイズは、第2セグメント24群の各々の外周サイズよりも大きくてよい。幾つかの実施の形態において、第1セグメント22上に堆積する堆積膜による、第2セグメント24が水平方向に移動する経路への干渉を回避するため、マスク構造20を清掃する頻度が増やされ及び/又は垂直方向D1における第1セグメント22と第2セグメント24との間の隙間G2が比較的大きくされてもよいが、これに限定されない。幾つかの実施の形態において、プロセスチャンバ90のサイズは低減されてもよく、第2セグメント24は比較的小さくなることで軽量化されてもよいが、これに限定されない。
【0038】
[0052]以上より、本発明の堆積装置用マスク構造、堆積装置、及び堆積装置の操作方法によると、堆積プロセスにおいて基板上の膜抑制領域をより正確に且つより簡便に制御するため、互いに離間された第1セグメント群と、互いに隣接する第1セグメント群と重複する第2セグメント群とを含むマスク構造が使用される。
【0039】
[0053]本発明の教示を維持しながら装置及び方法の様々な変更や変形を行い得ることが当業者に容易に明らかとなるであろう。従って、上記の開示は、添付の請求項の境界及び範囲によってのみ限定されるとして解釈するべきである。
【0040】
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 中心軸を囲む方向に設けられ、互いに離間された第1セグメント群と、
前記第1セグメント群の上方に設けられ、各々が、前記中心軸の延びる方向と平行な垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つと重複する第2セグメント群と
を含むことを特徴とする堆積装置用マスク構造。
(付記2) 前記第2セグメント群の各々は、前記垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つの間の隙間と重複することを特徴とする付記1に記載の堆積装置用マスク構造。
(付記3) 前記第2セグメント群の各々は、前記第1セグメント群から離間されていることを特徴とする付記1又は2に記載の堆積装置用マスク構造。
(付記4) 前記垂直方向における前記第2セグメント群の各々の投影面積は、前記垂直方向における前記第1セグメント群の各々の投影面積よりも小さいことを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の堆積装置用マスク構造。
(付記5) 前記中心軸を囲む方向は、円周方向であることを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の堆積装置用マスク構造。
(付記6) 前記中心軸から外側に向かう半径方向における前記第1セグメント群の各々の長さは、前記中心軸から外側に向かう半径方向における前記第2セグメント群の各々の長さ未満であることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の堆積装置用マスク構造。
【0041】
(付記7) プロセスチャンバと、
少なくとも部分的に前記プロセスチャンバ内に設けられ、基板の保持構造を含むステージと、
前記プロセスチャンバ内に設けられ、ステージの上方に位置し、ステージ上に保持される基板の周辺領域を覆うマスク構造と
を含み、
前記マスク構造は、
中心軸を囲む方向に設けられ、互いに離間された第1セグメント群と、
前記第1セグメント群の上方に設けられ、各々が、前記中心軸の延びる方向と平行な垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つと重複する第2セグメント群と
を含むことを特徴とする堆積装置。
(付記8) 前記中心軸の少なくとも一部は、前記ステージの上方に設けられ、前記ステージの上面に直交する方向に延びることを特徴とする付記7に記載の堆積装置。
(付記9) 各々が前記第1セグメント群のうちの少なくとも1つと接続される第1支持構造群と、
各々が前記第2セグメント群のうちの少なくとも1つと接続される第2支持構造群と
を含むことを特徴とする付記7又は8に記載の堆積装置。
(付記10) 前記第2支持構造群のうちの1つの一部は、前記垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの1つの下に設けられることを特徴とする付記9に記載の堆積装置。
(付記11) 前記第1支持構造群のうちの1つの一部は、前記垂直方向において、前記第2セグメント群のうちの1つの下に設けられることを特徴とする付記9又は10に記載の堆積装置。
(付記12) 前記第2セグメント群の各々は、前記垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つの間の隙間と重複することを特徴とする付記7乃至11のいずれかに記載の堆積装置。
(付記13) 前記第2セグメント群の各々は、前記第1セグメント群から離間されていることを特徴とする付記7乃至12のいずれかに記載の堆積装置。
(付記14) 前記基板の中心点は、前記垂直方向において、前記中心軸と重複することを特徴とする付記7乃至13のいずれかに記載の堆積装置。
【0042】
(付記15) プロセスチャンバと、
少なくとも部分的に前記プロセスチャンバ内に設けられ、基板の保持構造を含むステージと、
前記プロセスチャンバ内に設けられ、ステージの上方に位置し、ステージ上に保持される基板の周辺領域を覆うマスク構造と
を含み、
前記マスク構造は、
中心軸を囲む方向に設けられ、互いに離間された第1セグメント群と、
前記第1セグメント群の上方に設けられ、各々が、前記中心軸の延びる方向と平行な垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つと重複する第2セグメント群と
を含む堆積装置を準備する工程と、
異なる堆積プロセスの間で前記第1セグメント群及び前記第2セグメント群の位置をそれぞれ水平方向に調整する工程と
を含むことを特徴とする堆積装置の操作方法。
(付記16) 前記堆積プロセスの各々において、前記第1セグメント群のうちの1つの内縁と前記中心軸との間の距離は、前記第2セグメント群のうちの1つの内縁と前記中心軸との間の距離と少なくとも部分的に等しいことを特徴とする付記15に記載の堆積装置の操作方法。
(付記17) 第1基板に第1堆積プロセスを実施する工程と、
第2基板に第2堆積プロセスを実施する工程と
を含み、
前記第1堆積プロセス後、前記第1基板の周辺領域上に第1膜抑制領域が形成され、前記第1膜抑制領域は、前記第1堆積プロセスにおける前記第1セグメント群及び前記第2セグメント群の位置に対応して形成され、
前記第2堆積プロセス後、前記第2基板の周辺領域上に第2膜抑制領域が形成され、前記第2膜抑制領域は、前記第2堆積プロセスにおける前記第1セグメント群及び前記第2セグメント群の位置に対応して形成される
ことを特徴とする付記15又は16に記載の堆積装置の操作方法。
(付記18) 前記第1堆積プロセスにおける前記第1セグメント群のうちの1つの内縁と前記中心軸との間の距離は、前記第2堆積プロセスにおける前記第1セグメント群のうちの1つの内縁と前記中心軸との間の距離とは異なることを特徴とする付記17に記載の堆積装置の操作方法。
(付記19) 前記第1膜抑制領域の幅は、前記第2膜抑制領域の幅とは異なることを特徴とする付記17又は18に記載の堆積装置の操作方法。
(付記20) 異なる堆積プロセスの間で前記第1セグメント群及び前記第2セグメント群の位置をそれぞれ水平方向に調整する工程は、
前記第1セグメント群及び前記第2セグメント群をそれぞれ前記中心軸に向かう方向又は前記中心軸から離れる方向に移動する工程を含むことを特徴とする付記15乃至19のいずれかに記載の堆積装置の操作方法。
【符号の説明】
【0043】
10 ステージ
10S 保持構造
12 基板
20 マスク構造
22 第1セグメント
24 第2セグメント
32 第1支持構造
34 第2支持構造
40 リフト構造
50 搭載構造
90 プロセスチャンバ
100 堆積装置
AX 中心軸
D1 垂直方向
D2 水平方向
E1,E2 内縁
PR 周辺領域
SR 膜抑制領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】特開2007-318121号公報
【特許文献2】特開2018-154851号公報
【特許文献3】特開2005-120410号公報
【特許文献4】特開2013-246352号公報
【特許文献5】特開2013-253316号公報
【特許文献6】特開平8-186074号公報
【特許文献7】特開平11-150085号公報
【特許文献8】特開2013-162075号公報
【特許文献9】米国特許出願公開第2017/0062246号明細書
【特許文献10】特開2000-77506号公報
【特許文献11】特開平8-78509号公報
【特許文献12】特開平8-264449号公報
【特許文献13】特開平9-246187号公報
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を囲む方向に設けられ、互いに離間された第1セグメント群と、
前記第1セグメント群の上方に設けられ、各々が、前記中心軸の延びる方向と平行な垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つと重複する第2セグメント群と
を含むことを特徴とする堆積装置用マスク構造。
【請求項2】
前記第2セグメント群の各々は、前記垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つの間の隙間と重複することを特徴とする請求項1に記載の堆積装置用マスク構造。
【請求項3】
前記第2セグメント群の各々は、前記第1セグメント群から離間されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の堆積装置用マスク構造。
【請求項4】
前記垂直方向における前記第2セグメント群の各々の投影面積は、前記垂直方向における前記第1セグメント群の各々の投影面積よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の堆積装置用マスク構造。
【請求項5】
前記中心軸を囲む方向は、円周方向であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の堆積装置用マスク構造。
【請求項6】
前記中心軸から外側に向かう半径方向における前記第1セグメント群の各々の長さは、前記中心軸から外側に向かう半径方向における前記第2セグメント群の各々の長さ未満であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の堆積装置用マスク構造。
【請求項7】
プロセスチャンバと、
少なくとも部分的に前記プロセスチャンバ内に設けられ、基板の保持構造を含むステージと、
前記プロセスチャンバ内に設けられ、ステージの上方に位置し、ステージ上に保持される基板の周辺領域を覆うマスク構造と
を含み、
前記マスク構造は、
中心軸を囲む方向に設けられ、互いに離間された第1セグメント群と、
前記第1セグメント群の上方に設けられ、各々が、前記中心軸の延びる方向と平行な垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つと重複する第2セグメント群と
を含むことを特徴とする堆積装置。
【請求項8】
各々が前記第1セグメント群のうちの少なくとも1つと接続される第1支持構造群と、
各々が前記第2セグメント群のうちの少なくとも1つと接続される第2支持構造群と
を含むことを特徴とする請求項7に記載の堆積装置。
【請求項9】
前記第2支持構造群のうちの1つの一部は、前記垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの1つの下に設けられることを特徴とする請求項に記載の堆積装置。
【請求項10】
前記第1支持構造群のうちの1つの一部は、前記垂直方向において、前記第2セグメント群のうちの1つの下に設けられることを特徴とする請求項8又は9に記載の堆積装置。
【請求項11】
プロセスチャンバと、
少なくとも部分的に前記プロセスチャンバ内に設けられ、基板の保持構造を含むステージと、
前記プロセスチャンバ内に設けられ、ステージの上方に位置し、ステージ上に保持される基板の周辺領域を覆うマスク構造と
を含み、
前記マスク構造は、
中心軸を囲む方向に設けられ、互いに離間された第1セグメント群と、
前記第1セグメント群の上方に設けられ、各々が、前記中心軸の延びる方向と平行な垂直方向において、前記第1セグメント群のうちの互いに隣接する2つと重複する第2セグメント群と
を含む堆積装置を準備する工程と、
異なる堆積プロセスの間で前記第1セグメント群及び前記第2セグメント群の位置をそれぞれ水平方向に調整する工程と
を含むことを特徴とする堆積装置の操作方法。
【請求項12】
前記堆積プロセスの各々において、前記第1セグメント群のうちの1つの内縁と前記中心軸との間の距離は、前記第2セグメント群のうちの1つの内縁と前記中心軸との間の距離と少なくとも部分的に等しいことを特徴とする請求項11に記載の堆積装置の操作方法。
【外国語明細書】