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特開2022-50477アラミド繊維のための塩基性染料混合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050477
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】アラミド繊維のための塩基性染料混合物
(51)【国際特許分類】
   C09B 67/22 20060101AFI20220323BHJP
   C09B 44/08 20060101ALI20220323BHJP
   C09B 5/02 20060101ALI20220323BHJP
   D06P 1/08 20060101ALI20220323BHJP
   D06P 1/42 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
C09B67/22 D
C09B67/22 A
C09B44/08
C09B5/02
D06P1/08
D06P1/42 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210589
(22)【出願日】2021-12-24
(62)【分割の表示】P 2019524448の分割
【原出願日】2017-12-07
(31)【優先権主張番号】16204228.7
(32)【優先日】2016-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】514321633
【氏名又は名称】ダイスター・カラーズ・ディストリビューション・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000095
【氏名又は名称】特許業務法人T.S.パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100090918
【弁理士】
【氏名又は名称】泉名 謙治
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100181331
【弁理士】
【氏名又は名称】金 鎭文
(74)【代理人】
【識別番号】100183597
【弁理士】
【氏名又は名称】比企野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100161997
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 大一郎
(72)【発明者】
【氏名】ムーガトロイド、アドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ホッペ、マンフレート
(72)【発明者】
【氏名】グルント、クレメンス
(72)【発明者】
【氏名】コノリー、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ステパンスキ、トーマス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】合成m-アラミド繊維材料の染色に適した、特に赤味を帯びた色、紫色、濃紺色、褐色、カーキ色、オリーブ色、緑色、及び黒色の色調範囲の改良された堅牢度、特に耐光堅牢度を実現する改良された塩基性染料混合物を提供する。
【解決手段】カチオン型アントラキノン染料、複素環とベンゼン環を有するカチオン型アゾ染料および2つの複素環を有するカチオン型アゾ染料の3種の染料混合物で、3種の染料の総量の、50~80重量%の該アントラキノン染料の染料と、30~10重量%の該複素環とベンゼン環を有するカチオン型アゾ染料と、25~10重量%の該2つの複素環を有するカチオン型アゾ染料とを含む、染料混合物とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I-1)の染料と、
【化1】

(式中、Xは、陰イオンである)
式(IIa-1)の染料と、
【化2】

(式中、Xは、陰イオンである)
式(III-1)の染料とを含む染料混合物であって、
【化3】

(式中、Xは、陰イオンである)
前記染料混合物中の染料の総量の、
50~80重量%の式(I-1)の染料と、
30~10重量%の式(IIa-1)の染料と、
25~10重量%の式(III-1)の染料と
を含む、染料混合物。
【請求項2】
前記陰イオンは、ハロゲンイオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、アミノ硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、リン酸二水素イオン、リン酸水素イオン、ポリリン酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、メトサルフェートイオン、エトサルフェートイオン、シアン酸イオン、トリクロロ亜鉛酸イオン、テトラクロロ亜鉛酸イオン、(C~C)アルキルスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、ナフタリンスルホン酸イオン、ホウ酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、(C~C)アルキルカルボン酸イオン、ヒドロキシ(C~C)アルキルカルボン酸イオン、ベンゼンカルボン酸イオン、及びナフタリンカルボン酸イオンからなる群から選択される、請求項1に記載の染料混合物。
【請求項3】
前記陰イオンは、ホルミエートイオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、乳酸イオン、安息香酸イオン、塩化物イオン、トリクロロ亜鉛酸イオン、テトラクロロ亜鉛酸イオン、メトサルフェートイオン、及びエトサルフェートイオンからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の染料混合物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の染料混合物を含む染色用溶液。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載の染料混合物を製造するためのプロセスであって、
a)前記染料混合物の前記成分を混合するステップと、
b)ステップa)で得られた混合物を均質化するステップと
を含むプロセス。
【請求項6】
材料を染色又は捺染するためのプロセスであって、前記材料を、請求項1~3のいずれか一項に記載の染料混合物及び/又は請求項4に記載の溶液と接触させることを含むプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成アクリル(ポリアクリロニトリル、PAN)系繊維材料の染色及び捺染に使用される周知の塩基性染料の分野に関する。加えて、塩基性染料は、芳香族ポリアミド系繊維(アラミド繊維)の着色にも使用され得る。アラミド繊維は、様々な商品名で知られている。
【背景技術】
【0002】
アラミド繊維は、結晶化度及び緻密性が極めて高いために染色処理が困難であり、一部のカチオン性染料の有用性等が幅広く評価及び公開されている(特許文献1、特許文献2、及び特許文献3)。
【0003】
アラミド繊維の染色処理に関する問題以外にも、染色された布帛の堅牢度、特に耐光堅牢度に関する重大な欠点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許文献1 米国特許第3,674,420号明細書
特許文献2 米国特許第4,780,105号明細書
特許文献3 米国特許出願公開第2002/0144362号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、合成m-アラミド繊維材料の染色に適した、特に赤味を帯びた色、紫色、濃紺色、褐色、カーキ色、オリーブ色、緑色、及び黒色の色調範囲の改良された堅牢度、特に耐光堅牢度を実現する改良された塩基性染料混合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、式(I)
【化1】

の少なくとも1種の染料と、式(IIa)、(IIb)、及び(IIc)
【化2】

(式中、互いに独立に、
及びRは、C~C-アルキルであり、
、R、及びR13は、水素又は(C~C)アルキルであり、
は、水素、(C~C)アルキル、又はフェニルであり、
は、水素、(C~C)アルキル、又は(C~C)アルコキシであり、
10+は、-(CH-N(CH又は-(CH-N(CH)-CH-CHCH-OHであり、ここで、pは、2~4であり、
、R11、及びR12は、(C~C)アルキル、ハロゲンで置換された(C~C)アルキル、フェニル、又は(C~C)アルキルで置換されたベンジルであり、
nは、0又は1であり、
は、陰イオンであり、
Yは、水素、シアノ、又はハロゲンであり、及び
zは、水素、ニトロ、シアノ、又はハロゲンである)
の染料からなるリストから選択される少なくとも1種の染料とを含む染料混合物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一般構造式(I)の染料は、例えば、実施例項で後述するように合成することができる。一般構造式(II)の染料は、“Industrial Dyes”(Editor:Klaus Hunger)Wiley-VCH Verlag GmbH&Co.KGaA,Weinheim,2003;Chapter 3.7,Page 227 ff;ISBN:3-527-30426-6に従って合成することができる。特に、一般式(IIa)の構造の合成は、特開2011-184493号公報に開示されており、一般構造(IIb)の合成は、独国特許第OS2915323号明細書に開示されており、構造(IIc)の合成は、英国特許第1282281号明細書に開示されている。
【0008】
染料(IIc)は、合成により、いずれも(IIc)
【化3】

によって表される2種の異なる異性体(IIc-a)及び(IIc-b)として生成する。
【0009】
好ましい染料混合物は、式(I)に従う1種の染料及び式(II)に従う1種の染料を含む。式(I)の1種の染料及び式(II)の2種以上の染料を含む染料混合物は、本発明の他の好ましい態様を形成する。
- 式(I)に従う1種の染料と、(IIa)、(IIb)、及び(IIc)のいずれか1つに従う1種の染料とを含む組成、
- 式(I)の1種の染料と、式(IIa)の1種の染料と、式(IIb)の1種の染料とを含む組成、
- 式(I)の1種の染料と、式(IIa)の1種の染料と、式(IIc)の1種の染料とを含む組成、
- 式(I)の1種の染料と、式(IIb)の1種の染料と、式(IIc)の1種の染料とを含む組成、及び
- 式(I)の1種の染料と、式(IIa)の1種の染料と、式(IIb)の1種の染料と、式(IIc)の1種の染料とを含む組成
を有するこの種の染料混合物は、全て本発明の好ましい実施形態を形成する。
【0010】
より好ましいのは、式(III)
【化4】

(式中、互いに独立に、
は、C~C-アルキルであり、
は、水素、(C~C)アルキル、又は(C~C)アルコキシであり、
は、水素又は(C~C)アルキルであり、
は、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、又は-(CH-OHであり、ここで、mは、2~4であり、及び
は、陰イオンである)
の少なくとも1種の染料を含む上述の染料混合物である。
【0011】
また、一般構造式(III)の染料は、“Industrial Dyes”(Editor:Klaus Hunger)Wiley-VCH Verlag GmbH&Co.KGaA,Weinheim,2003;Chapter 3.7,Page 227 ff;ISBN:3-527-30426-6、又は例えばスイス特許第745871号明細書若しくは独国特許第OS2314406号明細書に従って合成することができる。
【0012】
更により好ましいのは、互いに独立に、
、R、R、R、及びR12が、(C~C)アルキルであり、
、R、及びR13が、水素又は(C~C)アルキルであり、
が、(C~C)アルキル又はフェニルであり、
が、(C~C)アルキル又は(C~C)アルコキシであり、
が、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、又は-(CH-OHであり、ここで、mが、2~4であり、
10+が、-(CH-N(CH又は-(CH-N(CH)-CH-CHCH-OHであり、ここで、pが、2又は3であり、
11が、(C~C)アルキル又はベンジルであり、
nが、0又は1であり、それにより、
nが0の場合、Yが、シアノ又はハロゲンであり、且つzが、ニトロ、シアノ、又はハロゲンであり、又は
nが1の場合、Y及びzが、両方とも水素であり、及び
が、陰イオンである、上述の染料混合物である。
【0013】
これらの染料混合物の群内には、単一の染料の好ましい選択に基づく好ましい染料混合物が存在する。
【0014】
したがって、式(I)の少なくとも1種の染料が、
【化5】

(式中、Xは、陰イオンである)
からなる群から選択される、上述の染料混合物が特に好ましい。
【0015】
式(IIa)の少なくとも1種の染料が存在し、且つ
【化6】

(式中、Xは、陰イオンである)
からなる群から選択される、上述の染料混合物も特に好ましい。
【0016】
式(IIb)の少なくとも1種の染料が存在し、且つ
【化7】

(式中、Xは、陰イオンである)
からなる群から選択される、上述の染料混合物も特に好ましい。
【0017】
式(IIc)の少なくとも1種の染料が存在し、且つ
【化8】

(式中、Xは、陰イオンである)
からなるリストから選択される、上述の染料混合物は、本発明の他の特に好ましい実施形態を形成する。
【0018】
式(III)の少なくとも1種の染料が存在し、且つ
【化9】

(式中、Xは、陰イオンである)
からなるリストから選択される、上述の染料混合物が更により好ましい。
【0019】
本発明による好ましい染料の組合せは、単一の染料が上に概説した好ましい混合物の構成要素である組合せである。上述の選択に従う2種以上の好ましい染料を含む染料混合物が更により好ましい。
式(I-1)及び/又は(I-2)の染料と、
式(IIa-1)及び/又は(IIa-2)の染料と、
式(III-1)及び/又は(III-3)の染料と
を含む上述の染料混合物が特に好ましく、式(I-1)、及び(IIa-1)、及び(III-3)の染料を含む上述の染料混合物が最も好ましい。
【0020】
また、本発明の染料混合物に使用されるカチオン染料の対イオンの選択に関して好ましい対イオンが存在する。したがって、陰イオンが、ハロゲンイオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、アミノ硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、リン酸二水素イオン、リン酸水素イオン、ポリリン酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、メトサルフェートイオン、エトサルフェートイオン、シアン酸イオン、トリクロロ亜鉛酸イオン、テトラクロロ亜鉛酸イオン、(C~C)アルキルスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ホウ酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、(C~C)アルキルカルボン酸イオン、ヒドロキシ(C~C)アルキルカルボン酸イオン、ベンゼンカルボン酸イオン、及びナフタレンカルボン酸イオンからなる群から選択される、上述の染料混合物が好ましい。陰イオンが、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、乳酸イオン、安息香酸イオン、塩化物イオン、トリクロロ亜鉛酸イオン、テトラクロロ亜鉛酸イオン、メトサルフェートイオン、及びエトサルフェートイオンからなる群から選択される上述の染料混合物がより好ましい。
【0021】
本発明の染料混合物中の単一の染料の比率は、幅広い範囲で変化させることができ、染料混合物中の染料の総量の、
1~99重量%の式(I)の染料と、
99~1重量%の式(IIa)/(IIb)/(IIc)の染料と
を含む上述の染料混合物が好ましい。染料混合物中の染料の総量は、100重量%となる。
【0022】
染料混合物中の染料の総量の、
50~90重量%の式(I)の染料と、
45~5重量%の式(IIa)/(IIb)/(IIc)の染料と、
30~5重量%の式(III)の染料と
を含む上述の染料混合物がより好ましい。
【0023】
染料混合物中の染料の総量の、
50~80重量%の式(I)の染料と、
30~10重量%の式(IIa)/(IIb)/(IIc)の染料と、
25~10重量%の式(III)の染料と
を含む上述の染料混合物が最も好ましい。
【0024】
上述の染料混合物を含む染色用溶液は、本発明の他の好ましい実施形態を形成する。
【0025】
上述の染料混合物を製造するためのプロセスであって、
a)染料混合物の成分を混合するステップと、
b)ステップa)で得られた混合物を均質化するステップと
を含むプロセスも本発明の一態様を形成する。
【0026】
材料を染色又は捺染するためのプロセスであって、材料を、上述の染料混合物及び/又は上述の溶液と接触させることを含むプロセスは、本発明の更なる他の態様を形成する。
【実施例0027】
実施例A - 合成:
n-ブタノール(370部)及び水(41部)にキニザリン(CAS 81-64-1)(109.8部、0.517モル)及びロイコキニザリン(CAS 17648-03-2)(14.4部)を攪拌しながら加えた。この混合物にホウ酸(CAS 10043-35-3)(9.6部)及びp-トルイジン(CAS 106-49-0)(122部、1.14モル)を加えた。
【0028】
反応混合物を攪拌しながら加熱還流し(96℃)、攪拌下で20時間保持した。
【0029】
次いで、反応混合物を50~60℃に冷却し、生成物を濾過し、メタノール及び脱イオン水で洗浄した。
【0030】
真空条件下で乾燥させることにより、中間体A(130部)を得た。
【化10】
【0031】
実施例B - 合成:
前駆体A(10部)を55%硫酸(265部)に0~5℃で攪拌しながら加えた。
【0032】
次いで、反応混合物を攪拌しながら125℃に加熱し、この温度で11時間保持した。
【0033】
混合物を攪拌しながら25℃に冷却すると黒色の懸濁液が認められた。混合物を濾過し、水で洗浄した。
【0034】
濾過した固体を脱イオン水(200ml)中で再スラリー化し、NHOH溶液でpHを11に調整し、3時間攪拌した。
【0035】
赤褐色の固体生成物を再び濾過し、脱イオン水で洗浄し、真空条件下で乾燥させ、中間体B(9.2g)を得た。
【化11】
【0036】
実施例C - 合成:
乾燥させた中間体B(水分<0.5%)(20部)及びMgO(2部)を無水クロロベンゼン(200部)に加えた。
【0037】
混合物を攪拌し、135℃に加熱し、溶液が得られるまで30~45分間攪拌した。硫酸ジメチル(20部)を加え、混合物を120~125℃で4時間攪拌した。反応混合物を70~75℃に冷却し、水(20部)及び希塩酸(10部)を加え、混合物を1時間攪拌した。
【0038】
混合物を50~55℃に冷却し、希塩酸(10部)を加え、50~55℃で2時間攪拌することにより過剰の硫酸ジメチルを分解した。次いで、混合物を濾過し、クロロベンゼン、メタノール、及び水で洗浄した。
【0039】
真空条件下で乾燥させることにより、X=CHSO である最終染料(I-1)(12g)を得た。
【化12】
【0040】
実施例D - 粉末配合物:
染料(I-2)(ここで、X=CHSO である)(36部)、及び染料(IIc-1)(ここで、X=ZnCl である)(14部)、及び発塵防止剤(4部)としての鉱油(90)、及び湿潤剤としてのAvolan(登録商標)IW(1部)、及び希釈剤としてのデキストリン(45部)を均一に混合し、目開きが2mmの篩を用いて、Bauermeister型粉砕機で粉砕した。こうすることにより、m-アラミド繊維を濃黒色の色調に染色する黒色粉末(97部)を得た。
【0041】
他の発塵防止剤、湿潤剤、及び希釈剤、例えば硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、コメデンプン、トウモロコシデンプン、アミドスルホン酸も粉末製品の配合に使用することができる。
【0042】
液体配合物は、特許請求の範囲に記載する染料の一部の用途において有利である。このような液体配合物は、液体配合物を直接生成する特殊な合成手順によるか、又は単離された最終生成物を水溶性有機溶媒若しくはこのような溶媒と水との混合物に溶解することによって調製することができる。
【0043】
実施例E - 液体配合物:
染料(I-1)(ここで、X=CHSO である)(8.25部)、及び染料(IIa-1)(ここで、X=Clである)(4.8部)、及び染料(III-1)(ここで、X=Clである)(2.2部)をエチレングリコール(85部)に室温で攪拌しながら加えた。透明な溶液が得られるまで混合物を3時間攪拌した。溶液を濾過して、存在する可能性がある不溶部分を除去した後、m-アラミド繊維上に濃黒色染料を送達した。
【0044】
染料試料は、上に概説した通りに合成した。染料混合物を次の実施例に記載するように調製した。
【0045】
実施例1 - 染料混合物:
実施例Dに従い、式(I-2)(ここで、X=ZnCl である)の緑色塩基性染料(72部)及び式(IIc-1)(ここで、X=ZnCl である)の赤色塩基性染料(28部)を調製した。
【0046】
得られた本発明の染料混合物は、先に記載した染色条件下において、メタアラミドを灰色及び黒色の染色及び捺染を提供する。
【0047】
実施例2 - 染料混合物:
実施例Dに従い、式(I-2)(ここで、X=CHCHSO である)の緑色塩基性染料(76部)、式(IIa-1)(ここで、X=Clである)の赤色塩基性染料(14部)、及び式(III-1)(ここで、X=ZnCl である)の青色塩基性染料(10部)を調製した。
【0048】
得られた本発明の染料混合物は、先に記載した染色条件下において、メタアラミドを灰色及び黒色の染色及び捺染を提供する。
【0049】
実施例3 - 染料混合物:
実施例Dに従い、式(I-1)(ここで、X=Clである)の緑色塩基性染料(85部)、式(IIc-1)(ここで、X=ZnCl である)の赤色塩基性染料(9部)、及び式(III-1)(ここで、X=Clである)の青色塩基性染料(6部)を調製した。
【0050】
得られた本発明の染料混合物は、先に記載した染色条件下において、メタアラミドをオリーブ色の染色及び捺染を提供する。
【0051】
以下の表に列挙する更なる混合物は、オリーブ色、褐色、灰色、及び黒色の色調の染色を提供する。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】