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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050501
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】被覆生産物
(51)【国際特許分類】
   C09C 1/36 20060101AFI20220323BHJP
   C09C 3/06 20060101ALI20220323BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20220323BHJP
   C09D 7/62 20180101ALI20220323BHJP
   C01G 23/053 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
C09C1/36
C09C3/06
C09D201/00
C09D7/62
C01G23/053
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213224
(22)【出願日】2021-12-27
(62)【分割の表示】P 2017561042の分割
【原出願日】2016-02-08
(31)【優先権主張番号】1502250.2
(32)【優先日】2015-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】517283503
【氏名又は名称】ベネター マテリアルズ ユーケー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】テンパーリー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】エドワーヅ ジョン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ロブ ジョン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】使用中に太陽に曝される生産物の耐久性及び/または存続期間を改善するための被覆微粒子無機材料、及びその使用を提供する。
【解決手段】(i)二酸化チタン、ドープ二酸化チタン、及びそれらの組み合わせから選択される微粒子無機材料を含み、前記微粒子無機材料は、0.4μm~2μmの平均結晶サイズを有し、及び(ii)前記微粒子無機材料上に被覆を含み、前記被覆は、第一層及び第二層を含む、被覆微粒子無機材料を提供する。前記第一層のための材料は、無機酸化物及び無機リン酸塩から選択される一つ以上の材料であり、第二層のための材料はアルミナである。微粒子無機材料上における第一層の量は、0.1%w/w~2.2%w/wであり、第二層の量は、0.1%w/w~3.5%w/wである。被覆の全量は、前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層および前記第二層の全量を考慮すると、0.2%w/w~4.5%w/wである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆微粒子無機材料であって、
(i)二酸化チタン、ドープ二酸化チタン、およびそれらの組み合わせから選択される微粒子無機材料を含み、ここで、前記微粒子無機材料は、0.4μm~2μmの平均結晶サイズを有し、および
(ii)前記微粒子無機材料上に被覆を含み、前記被覆は、第一層および第二層を含み、ここで、前記第一層のための材料は、無機酸化物および無機リン酸塩から選択される一つ以上の材料であり、
前記無機酸化物は、(またはそれぞれ、)
(a)Ti、Zr、およびZnから選択されるグループ4(IVB)およびグループ12(IIB)遷移金属、および
(b)Si、P、およびSnから選択されるグループ13~グループ15(IIIA-VA)p-ブロック要素、および
(c)ランタニド、
の酸化物から独立して選択され、
前記無機リン酸塩は、(またはそれぞれ、)
(i)H、Li、Na、K、Rb、Be、Mg、Ca、およびSrから選択されるグループ1(IA)アルカリ金属、およびグループ2(IIA)アルカリ土類金属、および
(ii)Sc、Y、TiおよびZrから選択されるグループ3(IIIA)およびグループ4(IVB)遷移金属、および
(iii)Al、Ga、In、Tl、Ge、Sn、およびPbから選択されるグループ13~グループ15(IIIA-VA)p-ブロック要素
のリン酸塩から独立して選択され、 ここで、前記第二層のための材料はアルミナであり、
ここで、前記微粒子無機材料上における前記第一層の量は、前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層の材料の全量を考慮すると、0.1%w/w~2.2%w/wであり、
および、ここで、前記微粒子無機材料上における前記第二層の量は、前記微粒子無機材料の全量に対して前記第二層の材料の全量を考慮すると、0.1%w/w~3.5%w/wであり、
および、ここで、前記被覆の全量は、前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層および前記第二層の全量を考慮すると、0.2%w/w~4.5%w/wである、
被覆微粒子無機材料。
【請求項2】
微粒子無機材料の光触媒活性をより低くするための微粒子無機材料上における被覆の使用であって、ここで、
(i)前記微粒子無機材料は、二酸化チタン、ドープ二酸化チタン、およびそれらの組み合わせから選択され、ここで、前記微粒子無機材料は、0.4μm~2μmの平均結晶サイズを有し、および
(ii)前記微粒子無機材料上における前記被覆は、第一層および第二層を含み、
ここで、前記第一層のための材料は、無機酸化物および無機リン酸塩から選択される一つ以上の材料であり、
前記無機酸化物は、(またはそれぞれ、)
(a)Ti、Zr、およびZnから選択されるグループ4(IVB)およびグループ12(IIB)遷移金属、および
(b)Si、P、およびSnから選択されるグループ13~グループ15(IIIA-VA)p-ブロック要素、および
(c)ランタニド、
の酸化物から独立して選択され、
前記無機リン酸塩は、(またはそれぞれ、)
(i)H、Li、Na、K、Rb、Be、Mg、Ca、およびSrから選択されるグループ1(IA)アルカリ金属、およびグループ2(IIA)アルカリ土類金属、および
(ii)Sc、Y、TiおよびZrから選択されるグループ3(IIIA)およびグループ4(IVB)遷移金属、および
(iii)Al、Ga、In、Tl、Ge、Sn、およびPbから選択されるグループ13~グループ15(IIIA-VA)p-ブロック要素のリン酸塩から独立して選択され、 ここで、前記第二層のための材料はアルミナであり、
ここで、前記微粒子無機材料上における前記第一層の量は、前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層の材料の全量を考慮すると、0.1%w/w~2.2%w/wであり、
および、ここで、前記微粒子無機材料上における前記第二層の量は、前記微粒子無機材料の全量に対して前記第二層の材料の全量を考慮すると、0.1%w/w~3.5%w/wであり、
および、ここで、前記被覆の全量は、前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層および前記第二層の全量を考慮すると、0.2%w/w~4.5%w/wである、
使用。
【請求項3】
前記第一層のための材料は、Ti、Zr、Zn、Si、P、Sn、およびCeの酸化物から独立して選択される一つ以上の無機酸化物、および/または、Al、Ti、Zr、およびSnのリン酸塩から独立して選択される一つ以上の無機リン酸塩である、請求項1に記載の微粒子材料、または請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記第一層のための材料は、Zr、Si、P、およびCeの酸化物から独立して選択される一つ以上の無機酸化物、および/または、Al、およびZrのリン酸塩から独立して選択される一つ以上の無機リン酸塩である、請求項3に記載の微粒子材料、または使用。
【請求項5】
前記第一層のための材料は、シリカ、および/またはリン酸アルミニウムを含む、請求項4に記載の微粒子材料、または使用。
【請求項6】
前記第一層のための材料は、シリカを含む、請求項5に記載の微粒子材料、または使用。
【請求項7】
前記第一層のための材料は、密なシリカを含む、請求項6に記載の微粒子材料、または使用。
【請求項8】
前記微粒子無機材料上における前記第一層の量は、
(a)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層の材料の全量を考慮すると、0.1%w/w~2%w/wであり、
(b)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層の材料の全量を考慮すると、0.2%w/w~1.5%w/wであり、
(c)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層の材料の全量を考慮すると、0.3%w/w~1.4%w/wであり、
(d)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層の材料の全量を考慮すると、0.4%w/w~1.3%w/wであり、または
(e)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層の材料の全量を考慮すると、0.5%w/w~1.2%w/wであり、または
(f)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層の材料の全量を考慮すると、0.7%w/w~1.2%w/wである、
請求項1または請求項3~請求項7のいずれか一項に記載の微粒子材料、または請求項
2~請求項7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記微粒子無機材料上における前記第一層の量は、
(a)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層の材料の全量を考慮すると、0.3%w/w~1.2%w/wであり、または
(b)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層の材料の全量を考慮すると、0.3%w/w~1.1%w/wであり、または
(c)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層の材料の全量を考慮すると、0.4%w/w~1.1%w/wであり、または
(d)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層の材料の全量を考慮すると、0.5%w/w~1%w/wであり、または
(e)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層の材料の全量を考慮すると、0.6%w/w~1%w/wであり、または
(f)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層の材料の全量を考慮すると、0.7%w/w~1%w/wである、
請求項1または請求項3~請求項8のいずれか一項に記載の微粒子材料、または請求項2~請求項8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記微粒子無機材料上における前記第二層の量は、
(a)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第二層の材料の全量を考慮すると、0.2%w/w~3.5%w/wであり、
(b)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第二層の材料の全量を考慮すると、0.3%w/w~3.5%w/wであり、
(c)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第二層の材料の全量を考慮すると、0.4%w/w~3.2%w/wであり、
(d)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第二層の材料の全量を考慮すると、0.4%w/w~3.1%w/wであり、または
(e)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第二層の材料の全量を考慮すると、0.5%w/w~3%w/wである、
請求項1または請求項3~請求項9のいずれか一項に記載の微粒子材料、または請求項2~請求項9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
前記被覆の全量は、
(a)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層および前記第二層の材料の全量を考慮すると、0.3%w/w~4.5%w/wであり、
(b)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層および前記第二層の材料の全量を考慮すると、0.5%w/w~4.5%w/wであり、
(c)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層および前記第二層の材料の全量を考慮すると、1%w/w~4.3%w/wであり、
(d)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層および前記第二層の材料の全量を考慮すると、1.2%w/w~4.2%w/wであり、
(e)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層および前記第二層の材料の全量を考慮すると、1.5%w/w~4.2%w/wであり、または
(f)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層および前記第二層の材料の全量を考慮すると、1.6%w/w~4.1%w/wである、
請求項1または請求項3~請求項10のいずれか一項に記載の微粒子材料、または請求項2~請求項10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
前記被覆の全量は、
(a)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層および前記第二層の材料の全量を考
慮すると、0.7%w/w~4.3%w/wであり、
(b)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層および前記第二層の材料の全量を考慮すると、0.8%w/w~4.2%w/wであり、
(c)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層および前記第二層の材料の全量を考慮すると、1%w/w~4.1%w/wであり、
(d)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層および前記第二層の材料の全量を考慮すると、1.5%w/w~3.5%w/wであり、
(e)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層および前記第二層の材料の全量を考慮すると、1.5%w/w~3.3%w/wであり、または
(f)前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層および前記第二層の材料の全量を考慮すると、1.6%w/w~3.2%w/wである、
請求項1または請求項3~請求項11のいずれか一項に記載の微粒子材料、または請求項2~請求項11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
使用中に太陽に曝される生産物の耐久性および/または存続期間を改善するための、請求項1、または請求項3~請求項12のいずれか一項に従って定義される被覆微粒子無機材料の使用。
【請求項14】
担体と共に使用される請求項1、または請求項3~請求項12のいずれか一項に従って定義される被覆微粒子無機材料を含む生産物。
【請求項15】
前記生産物は、塗料であり、樹脂と共に前記被覆微粒子無機材料を含む請求項13に記載の使用、または請求項14に記載の生産物。
【請求項16】
前記樹脂は、300nmで0.02/ミクロン未満の減衰係数を有する、請求項15に記載の使用、または生産物。
【請求項17】
前記樹脂は、300nmで0.015/ミクロン未満の減衰係数を有する、請求項16に記載の使用、または生産物。
【請求項18】
前記樹脂は、300nmで0.012/ミクロン未満の減衰係数を有する、請求項17に記載の使用、または生産物。
【請求項19】
前記樹脂は、ポリエステルメラミンホルムアルデヒド、PVDFアクリル、およびアクリルメラミンホルムアルデヒドからなる群から選択される、請求項17に記載の使用、または生産物。
【請求項20】
被覆微粒子無機材料の調製方法であって、
(i)微粒子無機材料を提供すること、ここで、前記微粒子無機材料は、二酸化チタン、ドープ二酸化チタン、およびそれらの組み合わせから選択され、ここで、前記微粒子無機材料は、0.4μm~2μmの平均結晶サイズを有し、および
(ii)前記微粒子無機材料上に被覆を適用すること、
を含み、
ここで、前記微粒子無機材料上の被覆は、第一層および第二層を含み、
前記第一層のための材料は、無機酸化物および無機リン酸塩から選択される一つ以上の材料であり、
前記無機酸化物は、(またはそれぞれ、)
(a)Ti、Zr、およびZnから選択されるグループ4(IVB)およびグループ12(IIB)遷移金属、および
(b)Si、P、およびSnから選択されるグループ13~グループ15(IIIA-
VA)p-ブロック要素、および
(c)ランタニド、
の酸化物から独立して選択され、
前記無機リン酸塩は、(またはそれぞれ、)
(i)H、Li、Na、K、Rb、Be、Mg、Ca、およびSrから選択されるグループ1(IA)アルカリ金属、およびグループ2(IIA)アルカリ土類金属、および
(ii)Sc、Y、TiおよびZrから選択されるグループ3(IIIA)およびグループ4(IVB)遷移金属、および
(iii)Al、Ga、In、Tl、Ge、Sn、およびPbから選択されるグループ13~グループ15(IIIA-VA)p-ブロック要素
のリン酸塩から独立して選択され、 ここで、前記第二層のための材料はアルミナであり、
ここで、前記微粒子無機材料上における前記第一層の量は、前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層の材料の全量を考慮すると、0.1%w/w~2.2%w/wであり、
および、ここで、前記微粒子無機材料上における前記第二層の量は、前記微粒子無機材料の全量に対して前記第二層の材料の全量を考慮すると、0.1%w/w~3.5%w/wであり、
および、ここで、前記被覆の全量は、前記微粒子無機材料の全量に対して前記第一層および前記第二層の全量を考慮すると、0.2%w/w~4.5%w/wである、
方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、被覆二酸化チン微粒子材料およびそれらの材料を含む生産物に関する。
[発明の背景]
電磁スペクトル(700nm~2500nm)の近赤外領域(NIR)において高反射率および減少吸収を有する材料は、多くの適用において有利であり得る。例えば、当該材料から作られた生産物は、日光照明下での冷却を維持するようになり、低い温度は、熱劣化の低下、耐久性の向上、より良い快適性、空調コストの低下、環境影響への減少をもたらす。
【0002】
高い日光反射率は、さまざまな方法で達成されてもよい。例えば、白い外表面を有するアイテムは、高い日光反射率を有するが、色が所望される場合、このアプローチは、不満足なものである。例えば、近赤外領域における高い日光反射率および減少吸収は、非NIR吸収有色顔料および染料と従来の二酸化チタン顔料を組み合わせることによって達成されてもよい。
【0003】
しかしながら、塗料およびプラスチック生産物のような二酸化チタンを含む生産物が、太陽に曝されても、生産物の寿命は、太陽曝露に続く劣化によって過度に短縮しないということは重要である。
【0004】
二酸化チタンおよび他の顔料充填剤を含む当該屋外/太陽曝露生産物は、光安定性がなく、光化学反応および光触媒反応を介して早期に質を低下させることになることは公知である。
【0005】
二酸化チタン自体は、質を下げることはないが、二酸化チタンを含むアイテムが質を低下させる程度は、アイテムで使用される二酸化チタン色素の光触媒活性に依存してもよい。
【0006】
特定の無機材料の被覆層は、光触媒活性を減少させるために二酸化チタン粒子および顔料粒子を適用してもよい。例えば、シリカ層を有する被覆は、二酸化チタン粒子の光触媒活性を減少させてもよい。
【0007】
密な、またはふわふわなSiO層は、例えば、H.Weber,“Silicic acid as a constituent of titanium dioxide pigments”,Kronos Information 6.1(1978)に記述されるように、二酸化チタン粒子を適用することができる。例えば、SiO、ZrO、SnO、Alなどの無機酸化剤を有する被覆は、TiO粒子の光安定性を増加させることができる。外側のAl層は、エンドマトリックス中の粒子の分散性を向上させ得る。
【0008】
当業者は、二酸化チタン顔料の光触媒活性の大きな減少をもたらすために高いレベルの密なシリカ被覆層を期待するだろう。チタニア上の被覆レベルは、10w/w%または20w/w%に達する量が考えられている。
【0009】
現在の商品(例えば、0.25~0.32ミクロンの粒子サイズを有する物)は、少なくとも3w/w%または3.5w/w%シリカ(または他の無機酸化物)を用いて、少なくとも2w/w%アルミナと共に被覆され得る。
【0010】
同様に、高レベルの密なシリカ被覆は、大きい二酸化チタンを取り扱うために使用されている。例えば、米国2014/0073729 A1は、0.4ミクロン~1.0ミクロンの平均粒子サイズを有するドープ二酸化チタン顔料粒子を開示する。これらの粒子は、無機表面処理および/または有機表面処理を受ける。特に、二酸化チタン粒子は、3w/w%レベルのシリカを用いて被覆され、続いて3w/w%レベルのアルミナを用いて被覆される。
【0011】
EP 2 285 912は、被覆微粒子二酸化チタン材料を開示し、ここで、材料は、0.40ミクロンより大きい平均結晶サイズを有する。被覆は、例えばシリカなどの一つ以上の酸化物材料を含む。ある実施例において、3%シリカおよび2%アルミナは、微粒子材料を被覆するために使用される。
【0012】
屋外適用において使用される塗料および生産物の構成要素は、より光安定性を有するようになっているが、当該適用に適切である被覆を有する充填剤粒子を取り扱う費用は、生産物の費用を増加させる。
【0013】
太陽に曝されるアイテムの長い生産物寿命を助けるために、超低光触媒活性を有する二酸化チタン粒子のような無機微粒子材料は引き続き必要である。
例えば、二酸化チタン粒子などの無機微粒子材料を含む塗料などの被覆が必要であり、それらの被覆は、一定期間、ある要素に曝される場合、良い耐久性を維持する。
[発明の要旨]
本発明は、最初の態様において、
(i)二酸化チタン、ドープ二酸化チタン、およびそれらの組み合わせから選択される微粒子無機材料を含み、ここで、微粒子無機材料は、0.4μm~2μmの平均結晶サイズを有し、および
(ii)前記微粒子無機材料上に被覆を含み、被覆は、第一層および第二層を含み、
ここで、第一層のための材料は、無機酸化物および無機リン酸塩から選択される一つ以上の材料であり、
前記無機酸化物は、(またはそれぞれ、)
(a)Ti、Zr、およびZnから選択されるグループ4(IVB)およびグループ12(IIB)遷移金属、および
(b)Si、P、およびSnから選択されるグループ13~グループ15(IIIA-VA)p-ブロック要素、および
(c)ランタニド、
の酸化物から独立して選択され、
前記無機リン酸塩は、
(i)H、Li、Na、K、Rb、Be、Mg、Ca、およびSrから選択されるグループ1(IA)アルカリ金属、およびグループ2(IIA)アルカリ土類金属、および
(ii)Sc、Y、TiおよびZrから選択されるグループ3(IIIA)およびグループ4(IVB)遷移金属、および
(iii)Al、Ga、In、Tl、Ge、Sn、およびPbから選択されるグループ13~グループ15(IIIA-VA)p-ブロック要素
のリン酸塩から独立して選択され、
ここで、第二層のための材料はアルミナであり、ここで、微粒子無機材料上における第一層の量は、微粒子無機材料の全量に対して第一層の材料の全量を考慮すると、0.1%w/w~2.2%w/wであり、および、ここで、微粒子無機材料上における第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対して第二層の材料の全量を考慮すると、0.1%w/w~3.5%w/wであり、および、ここで、被覆の全量は、微粒子無機材料の全量に対して第一層および第二層の全量を考慮すると、0.2%w/w~4.5%w/wである、
被覆微粒子材料を提供する。
【0014】
大きい粒子サイズ(0.4~2ミクロン)を有するこれらの二酸化チタン顔料に関して、電磁スペクトルの近赤外線部分を散乱するのに役立ち、驚くべきことに、高いレベルの無機酸化物(例えば、シリカ)の被覆は、良いレベルの光安定性につながるという広く受け入れられている仮定を適用しないということが判明している。実際に、本発明は、はるかに少ない量の抗光触媒性被覆が、高いレベルの無機酸化物被覆層と比較して、同等、またはより低い光触媒活性を与えることができることが判明している。
【0015】
したがって耐久性が向上した生産物を、最も効果的であると判明している範囲内にあるように効果的な被覆を減少させることによって得ることができる。
米国2014/0073729において、二酸化チタン粒子は、3w/w%レベルのシリカを用いて被覆され、続いて3w/w%レベルのアルミナを用いて被覆されるので、全体で6%レベルの被覆がある。欧州 2 285 912において、二酸化チタン粒子は、3%シリカおよび2%アルミナを用いて被覆されるので、全体で5%レベルの被覆がある。したがって、第一層のレベル、および全被覆のレベルは共に本発明とは異なる。
【0016】
本発明において、驚くべきことに、最良の結果を与えるのが最高レベルの被覆、または最低レベルの被覆ではないことが判明している。代わりに、被覆レベルの範囲は明確であり、個々の被覆および全被覆レベルの両方に関して、その範囲内で最良の結果が達成される。
【0017】
クレームされた範囲内の、比較的少量の被覆は、効果の改善、およびより光安定性があるシステムにつながる。
より光安定性のあるシステムに関して、最良の結果を得るために、最適な範囲の被覆レベルがあることは予測されていないだろうし、この最適な範囲は、当該技術分野において使用される従来の被覆レベルより重大に少ない被覆量の使用を含む。
【0018】
先行技術は、大きな粒子サイズを有する二酸化チタン顔料の特定の量、および被覆材料のタイプを選択することを開示、または示唆することを失敗しており、改善した効果を得るために増加した被覆量を単に適用する方法ではなく、低い光触媒活性の点で最良の結果につながるだろう。
【0019】
したがって、本発明は、近赤外線における光学特性と組み合わせて高い耐久性を有する被覆微粒子材料に関し、先行技術から予想または予測され得るものより優れている。
本発明は、既存の二酸化チタン生産物が光触媒活性により不適当になるだろう表面(例えば、フルオロポリマー表面)に、不透明性が提供されることも可能にする。
【0020】
第二の態様において、本発明は、前記材料の光触媒活性を低くするための微粒子無機材料上における被覆の使用を提供し、ここで、
(i)微粒子無機材料は、二酸化チタン、ドープ二酸化チタン、およびそれらの組み合わせから選択され、ここで、微粒子無機材料は、0.4μm~2μmの平均結晶サイズを有し、および
(ii)前記微粒子無機材料上における被覆は、第一層および第二層を含み、
ここで、第一層のための材料は、無機酸化物および無機リン酸塩から選択される一つ以上の材料であり、
前記無機酸化物は、(またはそれぞれ、)
(a)Ti、Zr、およびZnから選択されるグループ4(IVB)およびグループ12(IIB)遷移金属、および
(b)Si、P、およびSnから選択されるグループ13~グループ15(IIIA-VA)p-ブロック要素、および
(c)ランタニド、
の酸化物から独立して選択され、
前記無機リン酸塩は、(またはそれぞれ、)
(i)H、Li、Na、K、Rb、Be、Mg、Ca、およびSrから選択されるグループ1(IA)アルカリ金属、およびグループ2(IIA)アルカリ土類金属、および
(ii)Sc、Y、TiおよびZrから選択されるグループ3(IIIA)およびグループ4(IVB)遷移金属、および
(iii)Al、Ga、In、Tl、Ge、Sn、およびPbから選択されるグループ13~グループ15(IIIA-VA)p-ブロック要素のリン酸塩から独立して選択され、 ここで、第二層のための材料はアルミナであり、ここで、微粒子無機材料上における第一層の量は、微粒子無機材料の全量に対して第一層の材料の全量を考慮すると、0.1%w/w~2.2%w/wであり、および、ここで、微粒子無機材料上における第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対して第二層の材料の全量を考慮すると、0.1%w/w~3.5%w/wであり、および、ここで、被覆の全量は、微粒子無機材料の全量に対して第一層および第二層の全量を考慮すると、0.2%w/w~4.5%w/wである。
【0021】
第三の態様において、本発明は、担体と共に第一の態様に従う被覆無機微粒子材料を含む生産物を提供する。
一実施形態において、生産物は使用中に太陽に曝されるものであり、第一の態様に従う被覆無機微粒子材料を含む生産物である。
【0022】
一実施形態において、生産物は、樹脂、またはバインダ、または同様なものである担体と共に提供される。
一実施形態において、生産物は塗料であり、担体は樹脂である。
【0023】
樹脂は、300nmで0.02/ミクロン未満、例えば、0.00001~0.02/ミクロン、0.0001~0.02/ミクロンなど、の減衰係数を有する樹脂を使用すると有利である。減衰係数を、ビール(Beer) ランバート(Lambert)式を用いて計算することができる。
【0024】
特に、樹脂のための減衰係数を次のように決定してもよい:
1)乾燥した樹脂の厚さが約40ミクロン、顕微鏡スライド厚が約1000ミクロンになるように、石英顕微鏡のスライドに透明無着色樹脂を引き下ろす。(NB石英顕微鏡スライドは、300nm~400nmで透明である。)
2)スライドの透過スペクトルを、分光計を用いて300nm~400nmの範囲で測定した。(これは、例えば、積分球を用いて透過モードにおいてケアリー(Cary)5000UV/Vis/NIR分光計を使用して行われてもよい。)
3)乾燥樹脂の実際の厚さは、プローブを用いて測定される。(例えば、磁気誘導法および/または渦電流法を介する。これは、例えば、フィッシャー(Fischer)デュアルスコープ(Dualscope)FMP100を使用して行われてもよい。)
4)その後、(相反ミクロンにおいて)フィルムの減衰係数を、ビール(Beer)ランバート(Lambert)式を用いて計算することができる。
[自然対数(非被覆スライドの%透過率/樹脂被覆スライドの%透過率)]/乾燥フィルム厚。
【0025】
この減衰係数値は、各ミクロン単位の膜厚によって減衰される放射線の比率を表す。値が高いほど、伝達は低くなる。
本発明において、最良の結果は、被覆された大結晶TiOを用いる塗料生産物で得られるということが判明しており、ここで、被覆レベルは、(上述のように)低く、ここで樹脂は、低い透過率を有する。大結晶TiOを選択すること、その後、効果的な被覆を
用いるが、従来使用されるより低いレベルで大結晶TiOを被覆することを選択すること、その後、樹脂が低い透過率を有する塗料システムにおいてこれを使用することを選択することによって、驚くほどに良い結果が見られるだろうということは、以前は認識されていなかった。当該生産物は、驚くほど光触媒活性を下げている。
【0026】
したがって、最初の態様における被覆された生産物は、多くのUVを吸収しないこれらのシステムにおいて特に有用であり、多くのUVを吸収しないことはUV透過レベルによって確認することができる。
【0027】
したがって、本発明は、被覆生産物が300nmで0.02/ミクロン未満の減衰係数を有する樹脂と共に使用される場合、特に重要な利点を提供する。このことは、特に、および驚くほどの耐久性生産物につながる。
【0028】
したがって、本発明の一実施形態において、最初の態様にしたがって樹脂と共に被覆無機微粒子材料を含む塗料を提供し、ここで樹脂は、300nmで0.02/ミクロン未満、例えば0.00001/ミクロン~0.02/ミクロン、0.0001/ミクロン~0.02/ミクロンなどのような、減衰係数を有する。
【0029】
特に、有利な結果は、300nmで0.015/ミクロン未満、例えば0.00001/ミクロン~0.015/ミクロン、0.0001/ミクロン~0.015/ミクロンなどのような、減衰係数を有する樹脂を用いる場合に見られる。一実施形態において、使用される樹脂は、300nmで0.01/ミクロン未満、例えば0.00001/ミクロン~0.01/ミクロン、0.0001/ミクロン~0.01/ミクロンなどのような、減衰係数を有するものである。
【0030】
第四の態様において、本発明は、使用中に太陽に曝される生産物の耐久性および/または寿命を向上させるための第一の態様に従う材料の使用も提供する。
一実施形態において、生産物は塗料であり、担体は樹脂である。
【0031】
上述のように、300nmで0.02/ミクロン未満、例えば0.00001/ミクロン~0.02/ミクロン、0.0001/ミクロン~0.02/ミクロンなどのような、減衰係数を有する樹脂を使用することは有利である。
【0032】
第五の態様において、本発明は被覆微粒子材料を調製する方法を提供し、
(i)微粒子無機材料を提供すること、ここで、微粒子無機材料は、二酸化チタン、ドープ二酸化チタン、およびそれらの組み合わせから選択され、ここで、微粒子無機材料は、0.4μm~2μmの平均結晶サイズを有し、および
(ii)前記微粒子無機材料上に被覆を適用すること、
を含み、
ここで、前記微粒子無機材料上の被覆は、第一層および第二層を含み、
ここで、第一層のための材料は、無機酸化物および無機リン酸塩から選択される一つ以上の材料であり、
前記無機酸化物は、(またはそれぞれ、)
(a)Ti、Zr、およびZnから選択されるグループ4(IVB)およびグループ12(IIB)遷移金属、および
(b)Si、P、およびSnから選択されるグループ13~グループ15(IIIA-VA)p-ブロック要素、および
(c)ランタニド、
の酸化物から独立して選択され、
前記無機リン酸塩は、(またはそれぞれ、)
(i)H、Li、Na、K、Rb、Be、Mg、Ca、およびSrから選択されるグループ1(IA)アルカリ金属、およびグループ2(IIA)アルカリ土類金属、および
(ii)Sc、Y、TiおよびZrから選択されるグループ3(IIIA)およびグループ4(IVB)遷移金属、および
(iii)Al、Ga、In、Tl、Ge、Sn、およびPbから選択されるグループ13~グループ15(IIIA-VA)p-ブロック要素
のリン酸塩から独立して選択され、 ここで、第二層のための材料はアルミナであり、
ここで、微粒子無機材料上における第一層の量は、微粒子無機材料の全量に対して第一層の材料の全量を考慮すると、0.1%w/w~2.2%w/wであり、
および、ここで、微粒子無機材料上における第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対して第二層の材料の全量を考慮すると、0.1%w/w~3.5%w/wであり、
および、ここで、被覆の全量は、微粒子無機材料の全量に対して第一層および第二層の全量を考慮すると、0.2%w/w~4.5%w/wである。
【0033】
本発明のいくつかの態様において、参照が第一層および第二層を含む被覆であるように作られる場合、本発明は、これらの二つの層が完全に別であり分離することを必ずしも必要でない。
【0034】
代わりに、二つの層は、少なくともある程度まで、共に混合されてもよい。このことは、特に、実施形態において起こり得り、実施形態で二層を適用するために使用される技術は、例えば被覆を単一の段階で起こるようにすることである。
【0035】
例えば、濃度勾配があってもよく、微粒子無機材料の表面に向かってより濃縮される第一の被覆層材料、および微粒子無機材料の表面から離れてより濃縮される第二の被覆層材料を有する。
【0036】
しかしながら、他の例において、二層は、完全に別で分離してもよい、または、二つの層の間は相対的に少ない重複または混合があってもよい。
いくつかの実施形態において、第一の被覆層は、第一の段階で適用されてもよく、その後、第二の被覆層は、第二の段階で適用される。当該実施形態において、二つの層は、実質的に別であり分離されていてもよい。
【0037】
したがって、被覆された生産物は、(本願において定められるような無機酸化物およびリン酸塩から選択される)第一の被覆層材料、およびアルミナである第二の被覆層材料を共に有する。この被覆は、本願において記述される量で微粒子無機材料上に存在されてもよい。
【0038】
好ましくは、被覆材料は、微粒子無機材料の表面に直接(すなわち、微粒子無機材料の界面に)あり、実質的に100%第一の被覆層材料である。代替的に、微粒子無機材料の表面に直接ある被覆材料は、(50%~99.9%のような)少なくとも50wt%の第一の被覆層材料を含んでもよく、例えば75wt%以上、80wt%以上、または90wt%以上、または95wt%以上の被覆材料を微粒子無機材料の表面に、第一の被覆層材料と共に被覆してもよい。
【0039】
好ましくは、被覆の外部表面にある被覆材料は、第二の被覆層材料である。代替的に、被覆の外部表面にある被覆材料は、(50%~99.9%のような)少なくとも50wt%の第二の被覆層材料を含んでもよく、被覆の外部表面にある、例えば75wt%以上、80wt%以上、または90wt%以上、または95wt%以上の被覆材料は、第二の被覆層材料であってもよい。
[図面の簡単な説明]
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、および一部を形成し、本発明の実施形態を説明し、本発明を制限するよりむしろ説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は、PVDFアクリルベース塗料で試験される場合、実施例1において得られる4サンプルの被覆されたチタニアの質量減少を時間と共に示すグラフである。
図2図2は、粒子上に被覆しているシリカのレベルに関してプロットされている結果であり、異なる塗料ベースにおいて実施例1で得られる4サンプルの被覆されたチタニアの耐久性率を示すグラフである。
図3図3は、粒子上に被覆しているシリカのレベルに関してプロットされている結果であり、アクリルメラミンホルムアルデヒドベース塗料において試験される場合、実施例3において得られる5サンプルの被覆された大結晶チタニアの2750時間後の質量減少を示すグラフである。
図4図4は、アクリルメラミンホルムアルデヒドベース塗料において試験される場合、実施例3において得られる6サンプルの被覆されたチタニアの質量減少を時間と共に示すグラフである。
図5図5は、ポリエステルメラミンホルムアルデヒド塗料において試験される場合、参照実施例5において得られる5サンプルのチタニアそれぞれの光沢特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
[発明の詳細な説明]
本発明の被覆微粒子材料は、微粒子無機材料を含み、ここで、微粒子無機材料は、二酸化チタン、ドープ二酸化チタン、およびそれらの組み合わせから選択され、ここで、材料は、0.4μm~2μmの平均結晶サイズを有する。したがって、本発明の被覆微粒子材料は、電磁スペクトルの近赤外部分を散乱するために役立つ大結晶サイズ顔料である。
【0042】
一好ましい実施形態において、無機微粒子材料は、0.45μmより大きい平均結晶サイズを有する。好ましくは、粒子は、0.50μmより大きい、例えば0.55μmより大きい平均結晶サイズを有する。好ましくは、平均結晶サイズは、0.60μmより大きい、例えば、0.65μm以上、より好ましくは、0.70μm以上、例えば、0.75μm以上、例えば、0.80μm以上、である。
【0043】
一つの好ましい実施形態において、無機微粒子材料は、2.0μmまでの平均結晶サイズを有する。例えば、粒子は、1.9μmまでの、例えば1.8μmまでの平均結晶サイズを有してもよい。平均結晶サイズが1.7μmまでの、例えば、1.6μmまでの、または1.5μmまでのサイズであってもよい。
【0044】
一実施形態において、無機微粒子材料は、0.40~2μm、または0.45~2μm、または0.50~2μm、または0.55~2μm、または0.60~2μm、または0.65~2μm、または0.70~2μm、または0.75~2μm、または0.80~2μmの平均結晶サイズを有する。
【0045】
一実施形態において、無機微粒子材料は、0.40~1.75μm、または0.45~1.75μm、または0.50~1.75μm、または0.55~1.75μm、または0.60~1.75μm、または0.65~1.75μm、または0.70~1.75μm、または0.75~1.75μm、または0.80~1.75μmの平均結晶サイズを有する。
【0046】
一実施形態において、無機微粒子材料は、0.40~1.5μm、または0.45~1
.5μm、または0.50~1.5μm、または0.55~1.5μm、または0.60~1.5μm、または0.65~1.5μm、または0.70~1.5μm、または0.75~1.5μm、または0.80~1.5μmの平均結晶サイズを有する。
【0047】
一実施形態において、無機微粒子材料は、0.45~1.5μm、または0.45~1.45μm、または0.45~1.4μm、または0.45~1.3μmの平均結晶サイズを有する。一実施形態において、無機微粒子材料は、0.5~1.5μm、または0.5~1.45μm、または0.5~1.4μm、または0.5~1.3μmの平均結晶サイズを有する。一実施形態において、無機微粒子材料は、0.6~1.5μm、または0.6~1.45μm、または0.6~1.4μm、または0.6~1.3μmの平均結晶サイズを有する。一実施形態において、無機微粒子材料は、0.7~1.5μm、または0.7~1.45μm、または0.7~1.4μm、または0.7~1.3μmの平均結晶サイズを有する。
【0048】
好ましいのは、無機微粒子材料は、0.6~1.4μm、または0.7~1.4μm、または0.8~1.4μm、例えば、0.6~1.3μm、または0.7~1.3μm、または0.8~1.3μm、例えば、0.6~1.2μm、または0.7~1.2μm、または0.8~1.2μmの平均結晶サイズを有することができる。
【0049】
平均結晶サイズは、こすり取られた試料の透過型電子顕微鏡によって、得られた写真の画像解析と共に(例えば、クアンチメット(Quantimet)570画像解析を用いて)、決定されてもよい。これは、199+/-6nmの認証サイズで、NITSからラテックス ナノスフェア(NANOSPHERE)(商標)サイズ標準3200への参照によって検証されてもよい。
【0050】
従来のルチルTiOは、0.17μm~0.29μmの平均結晶サイズを有し、一方、従来のアナターゼTiOは、0.10μm~0.25μmの平均結晶サイズを有する。
【0051】
結晶サイズは、粒径とは区別される。粒子サイズは、使用される範囲内でのシステムにおいて顔料の分散の有効性に依存する。粒子サイズは、結晶サイズ、および、例えば、乾式、湿式、または組み込まれる(incorporative)粉砕などの粉砕技術などのような因子によって決定される。従来のルチルTiOの粒子サイズは、0.25μm~0.40μmであり、一方、従来のアナターゼTiOは、0.20μm~0.40μmの粒子サイズを有する。使用される技術が、結晶が凝集するようなものである場合に、結果的に粒子サイズは大きくなる。
【0052】
本発明において、微粒子材料は、好ましくは、X-線沈降によって決定され、0.4μmより大きい平均粒子サイズを有する。例えば、平均粒子サイズは、0.4μmより大きく2μmまで、または0.4μmより大きく1.8μmまで、または0.4μmより大きく1.7μmまで、または0.4μmより大きく1.5μmまでであってもよい。好ましくは、平均サイズは、0.45μm以上、例えば、0.45μm~2μm、例えば、0.50μm~1.8μm、または0.60μm~1.5μm、または0.70μm~1.3μm、または0.80μm~1.2μmである。
【0053】
一実施形態において、使用される無機微粒子材料は、粒子の30%以上が1.5ミクロン未満であるような粒子サイズ分布を有する。これは、ブルックヘブン(Brookhaven)X線ディスク遠心分離機を用いて測定されてもよい。他の実施形態において、使用される無機微粒子材料は、粒子の30%以上が1ミクロン未満であるような粒子サイズ分布を有する。
【0054】
上述のように、微粒子無機材料は、二酸化チタン、ドープ二酸化チタン、およびそれらの組み合わせから選択される。二酸化チタンを、任意の公知の方法によって調製することができる。例えば、いわゆる「硫酸塩」ルート、またはいわゆる「塩化物」ルートを使用してもよく、それらは広く商業的使用の2つのルートである。同様に、フッ化物工程、熱水工程、エアロゾル工程、または浸出(leaching)工程は、二酸化チタンを調製するために使用されてもよい。
【0055】
二酸化チタンは、ルチル型、またはアナターゼ型のどちらかの結晶型であってもよい。本発明において、ルチル結晶型は、当該高い屈折率のために好ましいものであり得る。一実施形態において、二酸化チタンは、50重量%以上、例えば、60重量%以上、例えば、70重量%以上、好ましくは、80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、最も好ましくは95重量%以上、例えば、99重量%以上、例えば99.5重量%以上のルチル型である。
【0056】
二酸化チタンは、白色または半透明であってもよく、または着色されてもよい。一実施形態において、実質的に白であってもよく、例えば、5未満のa値、および5未満のb値で95より大きい明度L(CIE L色空間)を有してもよい。
【0057】
二酸化チタンは、例えば、20wt%までの、特に15wt%以下、または10wt%以下、例えば8wt%以下、例えば5wt%以下のレベルの不純物を含んでもよい。これらの不純物は、不完全な精製に起因し、例えば、原料に含む二酸化チタンに典型的に存在する鉄、シリカ、ニオビア(niobia)、または他の不純物であってもよい。一実施形態において、二酸化チタンは、最大0.5wt%以下、例えば、0.1wt%以下、例えば、0.01wt%以下のレベルで不純物を含んでもよく、これらの不純物は、例えば、原料に含む二酸化チタンに典型的に存在する鉄、リン、ニオビア、または他の不純物であってもよい。
【0058】
好ましくは、二酸化チタンは、90wt%以上、例えば、92wt%以上、例えば93wt%以上のTiO含有量を有する。より好ましくは、二酸化チタンは、95wt%以上、例えば、99wt%以上、例えば99.5wt%以上のTiO含有量を有する。
【0059】
一実施形態において、微粒子材料は、ドープ二酸化チタン、すなわちTiOを含む無機材料であり、またはドープ二酸化チタン、すなわちTiOを含む無機材料含む。ドープ二酸化チタンは、10wt%以上、好ましくは、12wt%以上、例えば、25%以上、または40%以上のTiO含有量を有してもよい。好ましくは、ドープ二酸化チタンは、50wt%以上、好ましくは60wt%以上のTiO含有量を有してもよい。
【0060】
ドープ二酸化チタンは、ルチル結晶型、またはアナターゼ結晶型であってもよい。好ましくは、ドープ二酸化チタンは、ルチル結晶構造を有する。ドープ二酸化チタンは、ルチルであるが、ルチル型を有するイソ構造である材料であり得ることを必ずしも意味しないと、当業者は理解するだろう。
【0061】
本発明において、ルチル結晶型は、当該高い屈折率のために好ましくあり得る。例えば、ドープ二酸化チタンは、50重量%以上、例えば、60重量%以上、例えば、70重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは、90重量%以上、最も好ましくは、95重量%以上、例えば99重量%以上、例えば99.5重量%以上、ルチルであってもよい。
【0062】
ドープ二酸化チタンは、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、アルミニウム、アン
チモン、リン、およびセシウムのようなドーパントをドープされてもよい。
ドープ二酸化チタンは、例えば、10wt%以下まで、例えば8wt%以下、例えば、5wt%以下、の不純物を含んでもよい。これらの不純物は、不完全な精製に起因し、これらの不純物は、例えば、原料に含む二酸化チタンに典型的に存在する鉄、シリカ、ニオビア、または他の不純物であってもよい。
【0063】
酸化チタンは、穴および電子の再結合中心として作用する不純物をドープした格子を有する。例えば、Cr、Mn、およびVは、全て、再結合を促進するためのドーパントとして使用されることができる。これらの不純物は、沈殿したスラリー/パルプに塩を添加することによって、焼成前に塩の形で添加される傾向がある。代替的に、不純物を、制御された量で、チタン鉱石から入ってくるようにすることができる。使用されるドーパントの量は、耐久性の利点が、退色に対して平衡を保たれなければいけないので、通常2ppm~10ppmである。
【0064】
上述のように、本発明において、被覆は第一層を含む。第一層は、無機酸化物および無機リン酸塩から選択される一つ以上の材料である。無機酸化物材料のみであってもよく、または無機リン酸塩材料のみであってもよく、または無機酸化物材料および無機リン酸塩材料の両方の組み合わせであってもよい。
【0065】
無機酸化物(または各無機酸化物)は、
(a)Ti、Zr、およびZnから選択されるグループ4(IVB)およびグループ12(IIB)遷移金属、および
(b)Si、P、およびSnから選択されるグループ13~グループ15(IIIA-VA)p-ブロック要素、および
(c)ランタニド、
の酸化物から独立して選択される。
【0066】
適切なランタニドの例は、Ceを含む。
当業者は、酸化物材料が、要素+酸素のみを含む酸化物の形態だけでなく、オキシヒドロキシドなどのような混合酸化物の形態で、または水和酸化物の形態であってもよいことを理解するだろう。
【0067】
したがって、使用に適した被覆材は、無機酸化物および水和酸化物を含む。これらの材料は、粒子の外表面に無機酸化物または水和酸化物を被覆するために一般的に使用される。第一層への被覆材として使用するために述べられ得る典型的な無機酸化物および含水酸化物は、シリコン、チタン、ジルコニウム、亜鉛、セリウム、リン、または錫の一つ以上の酸化物、および/または含水酸化物を含む。
【0068】
無機リン酸塩(または各無機リン酸塩)は、
(i)H、Li、Na、K、Rb、Be、Mg、Ca、およびSrから選択されるグループ1(IA)アルカリ金属、およびグループ2(IIA)アルカリ土類金属、および
(ii)Sc、Y、TiおよびZrから選択されるグループ3(IIIA)およびグループ4(IVB)遷移金属、および
(iii)Al、Ga、In、Tl、Ge、Sn、およびPbから選択されるグループ13~グループ15(IIIA-VA)p-ブロック要素
のリン酸塩から独立して選択される。
【0069】
したがって、使用に適した被覆材は、無機リン酸塩を含む。これらは、無色リン酸塩であることが適切である。第一層への被覆材として使用するために述べられ得る典型的な無色無機リン酸塩は、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、または錫を含む。例えば、無
機リン酸塩は、アルミニウムリン酸塩および/またはジルコニウムリン酸塩であってもよい。
【0070】
一実施形態において、第一層は、Ti、Zr、Zn、Si、P、Sn、およびCeの酸化物から独立して選択される一つ以上の無機酸化物を含む。例えば、第一層のための材料は、Zr、Si、P、およびCeから独立して選択される一つ以上の無機酸化物であってもよい。
【0071】
一実施形態において、第一層は、Al、Ti、Zr、およびSnのリン酸塩から独立して選択される一つ以上の無機リン酸塩を含む。
一実施形態において、第一層は、(1)Ti、Zr、Zn、Si、P、Sn、およびCeの酸化物から独立して選択される一つ以上の無機酸化物、および/または(2)Al、Ti、Zr、およびSnの無機リン酸塩から独立して選択される一つ以上の無機リン酸塩を含む。
【0072】
第一層のための材料は、適切には、SiO、ZrO、CeO、およびPから独立して選択される一つ以上の無機酸化物、および/またはAlPOおよびZrPOから独立して選択される一つ以上の無機リン酸塩であってもよい。
【0073】
いくつかの実施形態において、第一層のための材料は、一つの無機酸化物のみであることを理解するだろう。例えば、単にSIO、または単にZrO、または単にCeO、または単にPであってもよい。
【0074】
他の実施形態において、第一層のための材料は、2つの無機酸化物である。例えば、SiOとZrOであってもよく、またはSiOとCeOであってもよく、またはSiOとPであってもよく、またはZrOとCeOであってもよく、またはZrOとPであってもよく、またはCeOとPであってもよい。
【0075】
他の実施形態において、第一層のための材料は、一つの無機リン酸塩のみである。例えば、単にAlPOであってもよく(当業者は理解するように、AlPOはシリカと同形であり、有用な密な被覆を形成することができる)、または単にZrPOであってもよい。
【0076】
他の実施形態において、第一層のための材料は、2つの無機リン酸塩、または1つの無機酸化物および1つの無機リン酸塩である。
一実施形態において、第一層のための材料は、シリカを含み、例えば、第一層のための材料の50%w/w以上は、シリカであってもよい。一実施形態において、第一層のための材料は、本質的にはシリカからなる。当該一実施形態において、第一層のための材料は、シリカである。
【0077】
第一層の被覆は、密であっても、または密でなくてもよい。例えば、密な、または密でないシリカ被覆が使用されてもよく、および/または密でないアルミニウムリン酸塩被覆が言及されてもよい。
【0078】
第一層に適用するために使用される被覆材は、例えば、SiO、ZrO、CeO、P、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、またはそれらの混合物であってもよい。ケイ酸も言及されてもよい。
【0079】
一実施形態において、第一層に適用するために使用される被覆材は、密な型で適用される二酸化ケイ素を含み、被覆は、米国2,885,366に記述されるような型の密なシ
リカ被覆を含む。
【0080】
密なシリカ被覆は、次のラインに沿って、次の方法によって適用されてもよい。
【0081】
【表1】
密なアルミニウムリン酸塩被覆は、リン酸にアルミン酸ナトリウム(またはその逆)を添加することによって作られてもよい。添加の順番に関係なく、アルミナは、リン酸塩に対する対イオンである。
【0082】
実施形態において、2つ以上の被覆材料を、第一層のために使用し、これらの被覆材料は、単一の操作で同時に、または連続してのどちらかで適用されてもよい。同時に適用される場合、異なる被覆材料は、第一層を形成する単一被覆を生産するために組み合わせて使用されてもよい。連続して適用される場合、異なる被覆材料は、第一層を形成する2つ以上の被覆を生産するために分割して使用されてもよく、各被覆は、異なる組成を有する。
【0083】
例えば、一実施形態において、粒子は、被覆を生産するために、密なシリカのようなシリカを用いて、および他の被覆を生産するためにジルコニアを用いても被覆される。
他の実施形態において、粒子は、被覆を生産するために、Pを用いて被覆され、任意に、CeO被覆を生産するためにCeOを用いても被覆される。
【0084】
酸化物材料を用いての無機粒子の表面処理は、当該技術分野でよく知られている。したがって、いくつかの適切な技術を、粒子上の酸化物被覆を被覆するステップにおいて使用することができる。
【0085】
同様に、リン酸塩材料を用いての無機粒子の表面処理は、当該技術分野でよく知られている。したがって、いくつかの適切な技術を、粒子上のリン酸塩被覆を被覆するステップにおいて使用することができる。例えば、リン酸塩被覆は、リン酸から(塩基性試薬を添加することによって)、またはアルカリ金属リン酸塩から(酸性試薬を添加することによって)促進されてもよい。
【0086】
本発明の一実施形態において、微粒子無機材料上の第一層の量は、微粒子無機材料の全量に対して第一層の材料の全量を考慮すると、0.1%w/w~2.2%w/wである。驚くべきことに、この範囲内では、効果は、高いまたは低い量の被覆を利用する場合と比較して改善する。
【0087】
特定の狭い範囲内での被覆量の選択は、特に、多いよりはむしろ少ない効果的な被覆材料を利用することを含む場合に、最良の結果を与えるだろうということは予測されていな
いだろう。本発明は、狭い範囲内の被覆の添加レベルで、最良の結果を得るということを証明している。
【0088】
微粒子無機材料上の第一層の量は、微粒子無機材料の全量に対して第一層の材料の全量を考慮すると、0.1%w/w~2.1%w/wであってもよく、たとえば、0.1%w/w~2%w/w、または0.1%w/w~1.9%w/w、または0.1%w/w~1.8%w/w、または0.1%w/w~1.7%w/w、または0.1%w/w~1.6%w/wであってもよい。好ましくは、0.1%w/w~1.5%w/wであってもよい。
【0089】
微粒子無機材料上の第一層の量は、微粒子無機材料の全量に対して第一層の材料の全量を考慮すると、0.2%w/w~2.1%w/wであってもよく、たとえば、0.2%w/w~2%w/w、または0.2%w/w~1.9%w/w、または0.2%w/w~1.8%w/w、または0.2%w/w~1.7%w/w、または0.2%w/w~1.6%w/wであってもよい。好ましくは、0.2%w/w~1.5%w/wであってもよい。
【0090】
特に、良い結果は、微粒子無機材料の全量に対する第一層の材料の全量が最大1.5%w/w、例えば、最大1.4%w/w、または最大1.3%w/w、特に最大1.2%w/w、より特に最大1.1%w/w、例えば、最大1.0%w/w、である場合に達成されている。
【0091】
特に、良い結果は、微粒子無機材料の全量に対する第一層の材料の全量が0.2%w/w以上、例えば、0.3%w/w以上、特に0.4%w/w、および、より特に0.5%w/w以上、例えば、0.6%w/w以上である場合に達成されている。
【0092】
一つの好ましい実施形態において、微粒子無機材料上の第一層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第一層の材料の全量を考慮すると、0.2%w/w~1.5%w/w、例えば、0.2%w/w~1.4%w/w、または0.2%w/w~1.3%w/w、または0.2%w/w~1.2%w/w、または0.2%w/w~1.1%w/wであってもよい。
【0093】
一実施形態において、微粒子無機材料上の第一層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第一層の材料の全量を考慮すると、0.3%w/w~1.5%w/w、例えば、0.3%w/w~1.4%w/w、または0.3%w/w~1.3%w/w、または0.3%w/w~1.2%w/w、または0.3%w/w~1.1%w/wであってもよい。
【0094】
一実施形態において、微粒子無機材料上の第一層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第一層の材料の全量を考慮すると、0.4%w/w~1.5%w/w、例えば、0.4%w/w~1.4%w/w、または0.4%w/w~1.3%w/w、または0.4%w/w~1.2%w/w、または0.4%w/w~1.1%w/wであってもよい。
【0095】
一実施形態において、微粒子無機材料上の第一層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第一層の材料の全量を考慮すると、0.5%w/w~1.5%w/w、例えば、0.5%w/w~1.4%w/w、または0.5%w/w~1.3%w/w、または0.5%w/w~1.2%w/w、または0.5%w/w~1.1%w/w、または0.5%w/w~1.0%w/wであってもよい。
【0096】
一実施形態において、微粒子無機材料上の第一層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第一層の材料の全量を考慮すると、0.6%w/w~1.5%w/w、例えば、0.6
%w/w~1.4%w/w、または0.6%w/w~1.3%w/w、または0.6%w/w~1.2%w/w、または0.6%w/w~1.1%w/w、または0.6%w/w~1.0%w/wであってもよい。
【0097】
一実施形態において、微粒子無機材料上の第一層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第一層の材料の全量を考慮すると、0.7%w/w~1.5%w/w、例えば、0.7%w/w~1.4%w/w、または0.7%w/w~1.3%w/w、または0.7%w/w~1.2%w/w、または0.7%w/w~1.1%w/w、または0.7%w/w~1.0%w/wであってもよい。
【0098】
本願において、二酸化チタン粒子上の被覆の添加レベルについて述べられる場合、添加レベルはw/w量、すなわち、処理される二酸化チタン粒子の全量に対する添加される被覆材料の全量として与えられる。したがって、例えば、シリカ被覆を考慮する場合、「SiOの添加レベルは、TiOに対して1.5%w/wであった」と、述べられてもよい。
【0099】
被覆材料は、提供される分散体において、分散体に被覆材料を添加することによって、また被覆材料に分散体を添加することによって、二酸化チタン粒子を処理するために使用されてもよい。好ましくは、被覆材料および分散体の混合が、当該技術分野で公知の従来の混合機器を用いて行われる。
【0100】
混合は、任意の適切な長さの時間、例えば、1分以上、2分以上、3分以上、4分以上、または5分以上で行われてもよい。混合は、3時間以下、例えば2時間以下、例えば、1時間以下で行われてもよい。一実施形態において、混合は、5分~1時間、例えば、10分~45分、例えば、20分~40分行われる。
【0101】
被覆は、添加されるとすぐに反応しないということは留意されるべきである。代わりに、当業者は、被覆が続くpH変化に応答して反応/促進すると理解するだろう。例えば、シリカの場合、必須の密な被覆の提供は、試薬がタンク中にある時点でのpH変化の速度に依存する。pH変化の速度は、典型的に、時間毎に-1~-2単位であり、例えば、1時間で約-1.5単位である。
【0102】
一実施形態において、被覆は次のように適用されてもよい:二酸化チタンの粒子を含む水性分散体を、撹拌用のタンクに導入する。分散体の温度を、その後(例えば75℃~95℃に)調節し、当該pHを(例えば約10.5に)調節する。被覆材料を、その後、所望の被覆を生産するために十分な量で撹拌タンクに導入する。例えば、1重量%の密なシリカ被覆を生産するために、1%シリカ(二酸化チタン上に%wt/wt)を、30分間にわたって撹拌タンクに添加し、その後30分間混合する。一方、3重量%の密なシリカ被覆を生産するために、3%シリカ(二酸化チタン上に%wt/wt)を同じ方法で添加する。一実施形態において、シリカを、被覆材料としてケイ酸ナトリウムの形で撹拌タンクに添加してもよい。粒子上で密なシリカ被覆を促進させるために、pHを、例えば、撹拌タンクに硫酸を添加することによって、調節する。一つの特有の実施形態において、硫酸をpHが約8になるように60分間にわたって添加する。
【0103】
当業者は、もちろん、この方法を、本発明の範囲内において、所望とされるような異なる被覆量を添加するために容易に修正することができることを理解するだろう。チタニアのような無機微粒子材料の被覆を、当業者によって容易に行うことができる。
【0104】
第一層は、好ましくは、直接的に微粒子材料表面に適用される。
上述のように、第二層の材料は、アルミナである。この第二層を用いて粒子の被覆を、
上述されるような第一層のための被覆技術によって行うことができる。
【0105】
例えば、被覆材は、Al、アルミン酸ナトリウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、またはそれらの混合物であってもよい。
アルミナ被覆は、密であってもよく、または密でなくてもよい。
【0106】
一実施形態において、第一層は、密なシリカ被覆を含み、第二層は、密なアルミナ被覆を含む。
一実施形態において、第一層は、密なリン酸アルミニウム被覆を含み、第二層は、密なアルミナ被覆を含む。
【0107】
当業者は、第一層はリン酸アルミニウムを含み、その後、当該リン酸アルミニウム被覆を作る場合(例えば、リン酸にアルミン酸ナトリウムを添加することによって、またはその逆)、アルミナが化学量論的に過剰であると確証することが可能であると理解するだろう。したがって、その場合において、いくつかのアルミナは、リン酸塩の対イオンとして存在するであろうが、いくつかのアルミナは、アルミナ層である所望の第二層を提供するだろう。したがって、当該実施形態において、アルミナの層を粒子に適用する分離した適用ステップを有することは必須ではない。代わりに、第一層の形成、および第二層の形成は、単一の段階で行うことができる。
【0108】
当業者は、そのような場合において、層は不明瞭であり分離されないだろうと理解するだろう。しかしながら、層は、生産物の外部に対して(被覆の外表面)多くのアルミナ、および粒子の表面に対して多くのリン酸アルミニウムを有し濃度勾配があるだろう。したがって、所望の特性が結果的に得られるだろう。
【0109】
微粒子無機材料上の第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第二層の材料の全量を考慮すると、0.1%w/w~3.5%w/wであってもよい。
微粒子無機材料上の第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第二層の材料の全量を考慮すると、0.2%w/w~3.5%w/wであり、例えば、0.3%w/w~3.5%w/w、または0.4%w/w~3.5%w/wであってもよい。微粒子無機材料上の第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第二層の材料の全量を考慮すると、0.2%w/w~3.4%w/w、または0.3%w/w~3.4%w/w、または0.4%w/w~3.4%w/wであってもよい。
【0110】
一実施形態において、微粒子無機材料上の第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第二層の材料の全量を考慮すると、0.3%w/w~3.2%w/wであってもよく、例えば、0.4%w/w~3.2%w/w、または0.5%w/w~3.2%w/wであってもよい。微粒子無機材料上の第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第二層の材料の全量を考慮すると、0.4%w/w~3.1%w/w、または0.5%w/w~3.1%w/w、または0.6%w/w~3.1%w/wであってもよい。
【0111】
一実施形態において、微粒子無機材料上の第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第二層の材料の全量を考慮すると、0.4%w/w~3%w/wであってもよく、例えば、0.5%w/w~3%w/w、または0.6%w/w~3%w/wであってもよい。
【0112】
一実施形態において、微粒子無機材料上の第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第二層の材料の全量を考慮すると、0.2%w/w~2.8%w/wであってもよく、例えば、0.3%w/w~2.7%w/w、または0.4%w/w~2.6%w/wであってもよく、好ましくは、0.5%w/w~2.5%w/wである。微粒子無機材料上の第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第二層の材料の全量を考慮すると、0.6
%w/w~2.5%w/wであってもよい。
【0113】
一実施形態において、第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第二層の材料の全量を考慮すると、0.7%w/w~3.5%w/wの量で存在し、例えば、0.8%w/w~3.5%w/w、または0.9%w/w~3.5%w/w、または1%w/w~3.5%w/wであってもよい。第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第二層の材料の全量を考慮すると、0.7%w/w~3.4%w/w、または0.8%w/w~3.4%w/w、または0.9%w/w~3.4%w/w、または1%w/w~3.4%w/wであってもよい。
【0114】
一実施形態において、微粒子無機材料上の第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第二層の材料の全量を考慮すると、0.7%w/w~3.2%w/wであってもよく、例えば、0.8%w/w~3.2%w/w、または0.9%w/w~3.2%w/w、または1%w/w~3.2%w/wであってもよい。微粒子無機材料上の第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第二層の材料の全量を考慮すると、0.7%w/w~3.1%w/w、または0.8%w/w~3.1%w/w、または0.9%w/w~3.1%w/w、または1%w/w~3.1%w/wであってもよい。
【0115】
一実施形態において、微粒子無機材料上の第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第二層の材料の全量を考慮すると、0.7%w/w~3%w/wであってもよく、例えば、0.8%w/w~3%w/w、または0.9%w/w~3%w/wであってもよい。
【0116】
一実施形態において、微粒子無機材料上の第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第二層の材料の全量を考慮すると、0.7%w/w~2.8%w/wであってもよく、例えば、0.7%w/w~2.7%w/w、または0.8%w/w~2.6%w/wであってもよく、好ましくは0.9%w/w~2.5%w/wである。微粒子無機材料上の第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第二層の材料の全量を考慮すると、1%w/w~2.5%w/wであってもよい。
【0117】
一実施形態において、微粒子無機材料上の第二層の量は、0.7%w/w~2.5%w/w、または0.8%w/w~2.5%w/w、または0.9%w/w~2.5%w/wであってもよい。一実施形態において、微粒子無機材料上の第二層の量は、1%w/w~2.5%w/wである。一実施形態において、微粒子無機材料上の第二層の量は、1.1%w/w~2.5%w/w、または1.2%w/w~2.5%w/w、または1.3%w/w~2.5%w/wであってもよい。一実施形態において、微粒子無機材料上の第二層の量は、1.4%w/w~2.5%w/wである。微粒子無機材料上の第二層の量は、微粒子無機材料の全量に対する第二層の材料の全量を考慮すると、1.5%w/w~2.5%w/wであってもよい。
【0118】
一実施形態において、第二層は、第一層に直接的に適用される。しかしながら、上述されるように、いくつかの実施形態において、アルミナ層は、リン酸アルミニウムを含む第一層を形成する場合、含まれているアルミナの量が化学量論的に過剰であるために、分離した適用ステップを必要とせずに形成されてもよい。
【0119】
本発明において、被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、0.2%w/w~4.5%w/wである。驚くべきことに、この範囲内で、光触媒活性抑制効果は、高い、または低い全被覆量を利用する場合と比較して改善する。
【0120】
特定の狭い範囲内での全被覆量の選択は、特に、多いよりはむしろ少ない被覆材料を利
用することを含む場合に、最良の結果を与えるだろうということは予測されていないだろう。本発明は、最良の結果が、正確な範囲内の被覆の添加レベルで得られるということを証明している。
【0121】
一実施形態において、被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、0.2%w/w~4.4%w/wであり、例えば、0.2%w/w~4.3%w/wであってもよく、好ましくは0.2%w/w~4.2%w/wである。被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、0.2%w/w~4.1%w/w、または0.2%w/w~4%w/w、または0.2%w/w~3.9%w/w、または0.2%w/w~3.8%w/wであってもよい。
【0122】
一実施形態において、被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、0.3%w/w~4.5%w/wであり、例えば、0.3%w/w~4.4%w/w、または0.3%w/w~4.3%w/wであってもよく、好ましくは0.3%w/w~4.2%w/wである。被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、0.3%w/w~4.1%w/w、または0.3%w/w~4%w/w、または0.3%w/w~3.9%w/w、または0.3%w/w~3.8%w/wであってもよい。
【0123】
一実施形態において、被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、0.5%w/w~4.5%w/wであり、例えば、0.5%w/w~4.4%w/w、または0.5%w/w~4.3%w/wであってもよく、好ましくは0.5%w/w~4.2%w/wである。被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、0.5%w/w~4.1%w/w、または0.5%w/w~4%w/w、または0.5%w/w~3.9%w/w、または0.5%w/w~3.8%w/wであってもよい。
【0124】
特に、良い結果は、被覆の全量(第一層+第二層)が、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、最大4.1%w/w、例えば、最大4%w/w、または3.9%w/w、または3.8%w/wであり、特に、最大3.7%w/w、より特には最大3.6%w/w、例えば、最大3.5%w/wである場合に達成されている。
【0125】
特に、良い結果は、被覆の全量(第一層+第二層)が、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、0.6%w/w以上、、例えば、0.7%w/w以上、特に、0.8%w/w以上、より特には0.9%w/w以上、例えば、1%w/w以上、例えば、1.1%w/w以上、または1.2%w/w以上である場合に達成されている。
【0126】
一実施形態において、被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、0.7%w/w~4.3%w/wであり、例えば、0.7%w/w~4.1%w/w、または0.7%w/w~4%w/w、または0.7%w/w~3.9%w/w、または0.7%w/w~3.8%w/wであってもよく、好ましくは0.7%w/w~3.7%w/wである。被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、0.8%w/w~4.2%w/w、または0.8%w/w~4.1%w/w、または0.8%w/w~4%w/w、または0.8%w/w~3.9%w/wであってもよい。被覆の
全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、0.7%w/w~3.6%w/w、または0.7%w/w~3.5%w/wであってもよい。
【0127】
一実施形態において、被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、1%w/w~4.5%w/wであり、例えば、1%w/w~4.4%w/w、または1%w/w~4.3%w/wであってもよく、好ましくは1%w/w~4.2%w/wである。被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、1%w/w~4.1%w/w、または1%w/w~4%w/wであってもよい。例えば、被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、1%w/w~3.9%w/w、または1%w/w~3.8%w/wであってもよく、好ましくは1%w/w~3.7%w/wである。被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、1%w/w~3.6%w/w、または1%w/w~3.5%w/wであってもよい。被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、1.2%w/w~4.2%w/w、または1.2%w/w~4.1%w/w、または1.2%w/w~4%w/w、または1.2%w/w~3.9%w/wであってもよい。
【0128】
一実施形態において、被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、1.5%w/w~4.5%w/wであり、例えば、1.5%w/w~4.4%w/w、または1.5%w/w~4.3%w/wであってもよく、好ましくは1.5%w/w~4.2%w/wである。被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、1.5%w/w~4.1%w/w、または1.5%w/w~4%w/wであってもよい。例えば、被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、1.5%w/w~3.9%w/w、または1.5%w/w~3.8%w/wであってもよく、好ましくは1.5%w/w~3.7%w/wである。被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、1.5%w/w~3.6%w/w、または1.5%w/w~3.5%w/w、または1.5%w/w~3.4%w/w、または1.5%w/w~3.3%w/wであってもよい。
【0129】
特に、良い結果は、被覆の全量(第一層+第二層)が、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、1.8%w/w~4.5%w/wである場合に達成されており、例えば、被覆の全量(第一層+第二層)が、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、1.8%w/w~4.2%w/w、または1.8%w/w~4.1%w/wであってもよい。被覆の全量(第一層+第二層)が、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、1.8%w/w~3.8%w/w、または1.8%w/w~3.6%w/w、または1.8%w/w~3.4%w/w、または1.8%w/w~3.2%w/wであってもよい。
【0130】
一実施形態において、被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、1.9%w/w~4.5%w/wであり、例えば、1.9%w/w~4.4%w/w、または1.9%w/w~4.3%w/wであってもよく、好ましくは1.9%w/w~4.2%w/wである。被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、1.9%w/w~4.1%w/w、または1.9%w/w~4%w/wであっても
よく、例えば、1.9%w/w~3.9%w/w、または1.9%w/w~3.8%w/wであってもよく、好ましくは1.9%w/w~3.7%w/wである。被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、1.9%w/w~3.6%w/w、または1.9%w/w~3.5%w/wであってもよい。
【0131】
一実施形態において、被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、2%w/w~4.5%w/wであり、例えば、2%w/w~4.4%w/w、または2%w/w~4.3%w/wであってもよく、好ましくは2%w/w~4.2%w/wである。被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、2%w/w~4.1%w/w、または2%w/w~4%w/wであってもよい。例えば、被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、2%w/w~3.9%w/w、または2%w/w~3.8%w/wであってもよく、好ましくは、2%w/w~3.7%w/wである。被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、2%w/w~3.6%w/w、または2%w/w~3.5%w/wであってもよい。
【0132】
一実施形態において、被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、2.1%w/w~4.5%w/wであり、例えば、2.1%w/w~4.4%w/w、または2.1%w/w~4.3%w/wであってもよく、好ましくは2.1%w/w~4.2%w/wである。被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、2.1%w/w~4.1%w/w、または2.1%w/w~4%w/wであってもよい。例えば、被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、2.1%w/w~3.9%w/w、または2.1%w/w~3.8%w/wであってもよく、好ましくは、2.1%w/w~3.7%w/wである。被覆の全量(第一層+第二層)は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、2.1%w/w~3.6%w/w、または2.1%w/w~3.5%w/wであってもよい。
【0133】
一実施形態において、粒子は、凝集剤または分散剤とさらに処理される。これは被覆ステップ後に適切に行われる。微粒子無機材料は、更なる無機物処理、および/または有機表面処理を受けてもよい。有機表面処理は、ポリオール、アミン(例えばアルカノールアミンなど)、またはシリコーン誘導体などが使用されてもよい。このことは、特に、分散性を向上させ得る。使用される典型的な有機化合物は、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、トリエタノールアミン、n-オクチルホスホン酸、およびトリメチロールエタンである。
【0134】
本発明にしたがって、被覆材料を調製する場合、微粒子無機材料、例えば、二酸化チタンを、出発原料として使用する。
当業者が理解するように、微粒子無機材料、例えば、二酸化チタンを、粉砕ステップを含む工程を介して調製される。好ましい破砕ステップは、微媒体ミルおよびサンドミルから選択されるミルの使用を含む。当該ミルにおいて、微粉砕媒体は、重力以外の手段によって加速され、スラリー化した顔料凝集体をサブマイクロメーターサイズに減少させるために使用されてもよい。
【0135】
粉砕ステップから生じる粒子は、その後、本発明に従って、第一層、および第二層と共に被覆される。
例えば、二酸化チタンなどの微粒子無機材料の被覆は、当該技術分野で公知の従来の顔
料材料の被覆に類似してもよい。したがって、水中での材料の分散、続く硫酸アルミニウムなどのような適切な被覆試薬の添加を含んでもよい。pHはその後、材料表面上の被覆を形成するために所望の水和酸化物を沈殿させるように調節される。
【0136】
一実施形態において、被覆は、被覆される材料の水性スラリーに、シリカ被覆層を形成するためのケイ酸ナトリウム、およびアルミナ被覆層を形成するための硫酸アルミニウムなどの適切な被覆試薬の添加を含んでもよく、水性スラリーのpHは、その後、二酸化チタン、ドープ二酸化チタン、またはそれらの組み合わせの表面上に被覆を形成するために所望の水和酸化物を沈殿させるように調節される。
【0137】
被覆は、酸性pH(例えば、pH約1~2)または塩基性pH(例えば、pH約9.5~12)のどちらかで、微粒子材料に適切な塩を添加することによって、沈殿を効果的にするために中和されて、一般的に達成されてもよい。塩を第一に添加し、続いてpHの調節を行ってもよく、代替的に、pHは、塩が添加されながら調節されてもよい。
【0138】
被覆形成後、被覆された材料は、被覆ステップおよび/または乾燥ステップによって共にくっついている粒子を分離するために、例えば、流体エネルギーミル、またはマイクロナイザーなどでの粉砕が行われる前に洗浄され乾燥されてもよい。
【0139】
この最終粉砕段階で、例えば、ポリオール、アミン、アルキルホスホン酸、またはシリコーン誘導体を用いての有機表面処理を必要に応じて適用してもよい。
一実施形態において、微粒子材料は、特定のサイズ画分を選択的に除去するために処理されてもよい。例えば、直径が5μm以上であるいくつかの粒子を除去してもよく、一実施形態において、直径が3μm以上であるいくつかの粒子を除去してもよい。当該粒子を、例えば、遠心分離処理することによって、除去してもよい。
【0140】
本願に記述される被覆微粒子無機材料は、近赤外線において有利な光学特性を有し、光触媒活性を減少させ、多量の酸化物材料を用いて被覆された材料(例えば、シリカなどの光触媒性被覆が3重量%以上+耐久性のためのアルミナ被覆が2%または3%有する従来レベルで被覆されたもの)と比較して、耐久性の向上を提供する。これらの特性は、種々の用途、および使用中に太陽に曝される生産物に適している。
【0141】
例えば、本発明に係る被覆された二酸化チタン粒子を含む太陽曝露表面は、光沢、色、表面完全性が良好に保持される。本発明は、光触媒活性が既存の二酸化チタン生産物を不適切にするだろう表面(例えばフルオロポリマー表面)に、不透明度を提供することも可能である。
【0142】
したがって、本発明は、被覆微粒子無機材料を含む生産物を更に提供する。
生産物は、担体と共に被覆微粒子無機材料を適切に含む。担体は、樹脂、またはバインダ、または同様のものであってもよい。一実施形態において、生産物は、塗料であり、樹脂と共に被覆微粒子無機材料を含む。
【0143】
一つの好ましい実施形態において、生産物は使用中に太陽に曝される。当該生産物は、0.5vol%~70vol%、例えば、1vol%~60vol%、例えば、2vol%~50vol%、の量で被覆微粒子材料を含んでもよい。
【0144】
本出願における被覆微粒子材料のレベルは、適切に、対象とされる用途に依存して選択されてもよい。
使用中に太陽に曝される生産物は、プラスチック生産物(プラスチック容器など)、インク、被覆組成物(塗料および粉末被覆組成物を含む)、屋根ふき材料組成物(例えば、
こけら板、タイル、または粒状被覆であってもよい)、または地被組成物(道路表面製品
、床製品、私道表面製品、駐車場表面製品、または舗装道路表面製品)、および太陽反射
生産物から選択されてもよい。
【0145】
一実施形態において、生産物は、塗料であり、5%v/v~50%v/v、例えば、10%v/v~30%v/v、例えば、15%v/v~20%v/vの量で被覆微粒子材料を含んでもよい。
【0146】
一実施形態において、生産物は、プラスチック生産物であり、0.5%v/v~70%v/vの量で被覆微粒子材料を含んでもよく、例えば、50%v/v~70%v/vの多さの被覆微粒子材料のマスターバッチレベルで可能であってもよく、または望まれてもよく、一方、1%v/v~3%v/vの低さの被覆微粒子材料のポリエチレンバッグレベルで望まれてもよい。
【0147】
一実施形態において、生産物は、屋根ふき生産物、または地被生産物のための被覆組成物であり、1%v/v~50%v/vの量で被覆微粒子材料を含んでもよい。
一つの特定の有利な実施形態において、生産物は塗料であり、樹脂と共に被覆微粒子無機材料を含む。
【0148】
生産物は、300nmで0.02/ミクロン以下の、例えば、0.00001~0.02/ミクロン、例えば、0.0001~0.02/ミクロンの減衰係数を有する樹脂を使用すると有利である。減衰係数を、上述のように、ビール(Beer)ランバート(Lambert)式を用いて計算することができる。
【0149】
この減衰係数値は、各ミクロンのフィルム厚によって減衰される放射線の比率を表す。値が高いほど、透過は低くなる。
本発明において、最良の結果は、被覆された大結晶TiOを用いた塗料生産物で得られるということが判明しており、ここで、被覆レベルは、(上述のように)低く、および、ここで樹脂は、低い透過を有する。大結晶TiOを選択すること、その後、効果的な被覆を用いるが、従来使用されるより低いレベルで大結晶TiOを被覆することを選択すること、その後、樹脂が低い透過を有する塗料システムにおいてこれを使用することを選択することによって、驚くほどに良い結果が見られるだろうということは、以前は認識されていなかった。当該生産物は、驚くほど光触媒活性を下げている。
【0150】
したがって、本発明は、被覆生産物が300nmで0.02/ミクロン未満の減衰係数を有する樹脂と共に使用される場合、特に重要な利点を提供する。このことは、特に、および驚くほどの耐久性生産物につながる。
【0151】
一実施形態において、樹脂は、300nmで0.02/ミクロン未満、例えば0.00001/ミクロン~0.02/ミクロン、0.0001/ミクロン~0.02/ミクロンなどのような、減衰係数を有する。
【0152】
有利な結果は、特に、300nmで0.015/ミクロン未満、例えば0.00001/ミクロン~0.015/ミクロン、0.0001/ミクロン~0.015/ミクロン、または0.0005/ミクロン~0.015/ミクロンなどのような減衰係数を有する樹脂を用いる場合に見られる。
【0153】
一実施形態において、使用される樹脂は、300nmで0.012/ミクロン未満、例えば0.00001/ミクロン~0.012/ミクロン、0.0001/ミクロン~0.012/ミクロン、または0.0005/ミクロン~0.012/ミクロンなどのような
、減衰係数を有するものである。
【0154】
一実施形態において、使用される樹脂は、300nmで0.011ミクロン未満、例えば0.00001/ミクロン~0.011/ミクロン、0.0001/ミクロン~0.011/ミクロン、または0.0005/ミクロン~0.011/ミクロンなどのような、減衰係数を有するものである。
【0155】
一実施形態において、使用される樹脂は、300nmで0.01/ミクロン未満、例えば0.00001/ミクロン~0.01/ミクロン、0.0001/ミクロン~0.01/ミクロン、または0.0005/ミクロン~0.01/ミクロンなどのような、減衰係数を有するものである。
【0156】
適切な樹脂の例は、ポリエステルメラミンホルムアルデヒド、PVDFアクリル、アクリルメラミンホルムアルデヒドを含む。
本発明は、実例のみによって、次の限定しない例によって、今、さらに記述されるだろう。
[実施例]
[実施例1]
1.1a 微粒子無機材料の調製
平均粒子サイズが1ミクロンのTiO粒子を次のように調製した:
a)ブルーメンフェルト(Blumenfeld)沈殿を用いての出発材料の生産
チタン含有原料を、濃硫酸を用いて消化し、得られたケーキを、より希薄な硫酸溶液中で溶解し、硫酸チタンの溶液を生産した。この硫酸チタン溶液を、続いて、0.03%ブルーメンフェルトルチル核の添加後に含水酸化チタンの沈降を促進するために加熱した。この含水酸化チタンパルプを出発材料として使用した。
b)出発材料から大結晶TiOの形成
パルプをろ過し、洗浄した。その後、硫酸カリウムアルミニウム溶液を、パルプに添加し、0.2%KO、および0.08%Al(TiOに%wt/wtとして表される)を与えた。その後、パルプを乾燥し、回転窯で焼成した。焼成中に、温度を1℃/分の速度で1030℃まで上昇させた。その後、試料を、30分間1030℃で加熱し、冷却させた。
c)特徴づけ
結果として生じるTiOを、i)こすり取られた試料の電子顕微鏡写真を得て、続いて、カール ツァイス(Carl Zeiss)によるKS300画像分析器を使用して画像を分析し、質量平均結晶サイズを得ること、ii)%ルチルを得るために、X線回析パターンを測定すること、によって特徴付けした。
d)結果
得られたTiOは、約1μmの質量平均結晶サイズ、および>95%の%ルチルを有した。
【0157】
幾何重量標準偏差は、ブルックヘブン(Brookhaven)X線ディスク遠心分離機によって測定され、30%以上の粒子が、1ミクロン未満のサイズであったことを示した。典型的な対数正規分布は約1.3であった。
1.1b 比較微粒子無機材料
さらに、「超耐久性の」商用生産物を得た。この生産物は、0.25ミクロンの結晶サイズを有し、3w/w%のシリカ被覆、および2w/w%のアルミナ被覆を有した。
1.2 被覆微粒子無機材料の調製
区分1.1で作られたようにTiO粒子の水性分散体を調製し、粉砕した。この点について、粒子を、最初に、レイモンドミル(Raymond mill)を用いて乾燥粉砕し、その後、スラリー化し、350g/lの濃度を有する水性分散体を形成した。その
後、分散体を、オタワ砂を含む微媒体ミルで30分間湿式粉砕した。その後、砂を分散体から分離した。
【0158】
結果として生じる分散体を、部分ごとに分けて、それぞれを、シリカを用いて粒子を被覆するように処理した。使用される被覆レベルは、微粒子チタニアの全量に対するシリカ材料の全量を考慮すると、1%w/w、2%w/w、および3%w/wであった。各場合において、密なシリカ被覆を適用した。
【0159】
シリカ被覆を達成するために、TiOスラリーを撹拌タンクに導入し、pHを10.5に調節した。シリカの適切な重量を、ケイ酸ナトリウムとして30分にわたって添加し、その後、30分間撹拌した。硫酸を、60分にわたって添加し、pHを8.8に下げさせ、その後さらに35分間かけてpHを1.3にし、粒子上の被覆を促進した。
【0160】
その後も、各サンプルはアルミナ被覆と共に提供された。各場合において使用される被覆レベルは、微粒子チタニアの全量に対してアルミナ材料の全量を考慮すると、2%w/wであった。
【0161】
アルミナ被覆は、苛性アルミン酸ナトリウムを25分にわたって添加し、pHを10.25にするとすぐに20分間撹拌することによって、達成された。その後、pHを、硫酸の添加によって6.5に調節した。
【0162】
被覆されたチタニアの分散体を、その後、それぞれ、ろ過、洗浄、乾燥、および液体エネルギーミルで微粉化し、3つのバッチの生産物を得た。各生産物は、粉末状の白色顔料であった。
1.3 塗料の生産
被覆チタニアの3つのバッチ(3w/w%シリカ被覆および2w/w%アルミナ被覆、2w/w%シリカ被覆および2w/w%アルミナ被覆、1w/w%シリカ被覆および2w/w%アルミナ被覆)は、その後、3つの異なる塗料にそれぞれ組み込まれた。
【0163】
使用される塗料システムは、
(i)アルキドメラミンホルムアルデヒドベース塗料
(ii)ポリエステルメラミンホルムアルデヒドベース塗料
(iii)PVDFアクリルベース塗料(17%pvc、PVDFカイナー(Kynar)500-アクリル)
であった。
【0164】
塗料は、下記の付録1の方法を用いて作られた。各塗料システム内で、使用された微粒子チタニアのレベルは同じであった。
3w/w%シリカ被覆および2w/w%アルミナ被覆を有する被覆チタニアの2つの試料を、PVDFアクリルベース塗料で試験した。
【0165】
さらに、1.1bに記述される「超耐久性」商用生産物を、同じようにそれぞれの塗料型に組み込むことによって試験した。この生産物は、0.25ミクロンの結晶サイズを有し、3w/w%のシリカ被覆、および2w/w%のアルミナ被覆を有した。
1.4耐久性
耐久性を、アトラス(Atlas) Ci65a ウェザオメター(Weatherometer)を用いて測定した。試験を下記の付録2にしたがって行った。
結果
図1は、PVDFアクリルベース塗料で試験された場合の、時間と共に4つの試料の質量-損失を示す。
【0166】
3%の密なシリカ被覆材料を考慮すると、大結晶サイズ(1ミクロンの平均結晶サイズ)の二酸化チタンが使用される生産物は、従来の結晶サイズ(従来の最適化された可視スペクトル)の二酸化チタンを有した商用生産物より低い重量損失を有した。したがって、クレームされた本発明に必要な結晶サイズに技術的な利点がある。
【0167】
被覆レベルが低いことの効果を考慮すると、試験コースにわたって、質量損失は、3w/w%被覆生産物と比較して2w/w%被覆生産物が明らかに低くなった。
同様に、試験コースにわたって、質量損失は、2w/w%被覆生産物と比較して1w/w%被覆生産物が明らかに低くなった。
【0168】
したがって、2w/w%および1w/w%シリカ被覆を有する試料の結果は、1w/w%被覆レベルが最もよい結果であり、3w/w%被覆の試料より顕著に良いということを明らかにみることができる。この事は驚くべきことであった。より多くの量の被覆が、より良い技術的効果、すなわち、粒子の光触媒効果をより著しく減少させるのでより少ない質量-損失につながるだろうと予測されていただろう。
【0169】
図2は、3つの塗料ベースのそれぞれにおいて、粒子上のシリカ被覆のレベル(1w/w%、2w/w%、または3w/w%)に関して、被覆チタニアの試料の耐久性比(標準的な顔料の質量-損失と相対的な試験顔料の質量損失の割合)を示す。最良のあてはめ線を、3つの塗料ベースのそれぞれの点線として示す。
【0170】
商用の試料(3w/w%被覆)の、ポリエステルメラミンホルムアルデヒドベース塗料およびPVDFアクリルベース塗料の両方における、耐久性比も、プロットされた。商用試料のデータ点は、アルキドメラミンホルムアルデヒドに関しては得られなかった(予測された結果は、Y軸から外れるだろう。)
3つの塗料システムのそれぞれにおいて、低いレベルの被覆が、最良の結果を与えた。各システムにおいて、2w/w%被覆生産物の耐久性比は、3w/w%被覆生産物、および商用生産物の耐久性比より低かった。各システムにおいて、1w/w%被覆生産物の耐久性比は、2w/w%被覆生産物の耐久性比より低かった。
【0171】
したがって、驚くべきことに、低い被覆の適用は、大結晶サイズの生産物にとってより高い耐久性を生じる。
シリカ被覆のレベルが低いと、PVDFアクリルにおいて最大の効果を有したことを見ることができる。このシステムは、光触媒的基礎で(光化学的基礎とは対照的に)ほとんど完全に区別されることを予測するだろう。
【0172】
したがって、このことは、(平均結晶サイズが0.4μm~2μmである)大サイズ粒子の有利な減少した光触媒効果を強調し、減少した光触媒効果は、粒子上に被覆を有するが、従来のものより低いレベルの被覆であることによって達成される。この事は、低い透過を有する樹脂の被覆生産物を利用することの利点を強調する。付録3に示されるように、PVDFアクリルは、300nmで0.001/ミクロンの減衰係数を有する。したがって、PVDFアクリルは非常に低い透過を有する。
[実施例2]
2.1 被覆TiO粒子の調製
1ミクロンの平均結晶サイズを有するTiO粒子を区分1.1にしたがって調製した。
2.2 被覆微粒子無機材料の調製
被覆を、区分1.2にしたがって、1ミクロンの平均結晶サイズを有するTiO粒子に適用した。
【0173】
調製された被覆レベルは、
【0174】
【表2】
であった。
2.3 塗料の生産
被覆チタニアの5つの試料は、その後、区分1.3のように、
(A)PVDFアクリルベース塗料(17%pvc、PVDFカイナー(Kynar)500-アクリル)
(B)アルキドメラミンホルムアルデヒドベース塗料
(C)ポリエステルメラミンホルムアルデヒドベース塗料
にそれぞれ組み込まれた。
【0175】
さらに、区分1.1bに記述される「超耐久性」商用生産物を、同じようにそれぞれ3つの塗料型に組み込むことによって試験した。この生産物は、0.25ミクロンの結晶サイズを有し、3w/w%のシリカ被覆、および2w/w%のアルミナ被覆を有した。
2.4耐久性
耐久性を、アトラス(Atlas) Ci65a ウェザオメター(Weatherometer)を用いて測定した。試験を下記の付録2にしたがって行った。耐久性比(標準的な顔料の質量-損失と相対的な試験顔料の質量-損失の割合)を各場合において計算した。
結果
耐久性比(DR)を、下記の表1で提示する。
【0176】
【表3】
0.25ミクロンの平均結晶サイズを有する「超耐久性」商用生産物の耐久性比(DR)値を、下記の表2で提示する。
【0177】
【表4】
したがって、生産物は、1未満のDR値によって示されるように、耐久性標準(カライス(Calais) TR92 TS45203)より良い耐久性の結果を与えるということを見ることができる。1のDRは、耐久性が耐久性標準と同じであることを意味すると当業者は理解するだろう。
【0178】
さらに、本発明にしたがって被覆された全ての試験された大結晶チタニアは、ほとんど全ての例において、「超耐久性」商用生産物と同等の、またはより良い耐久性比を示した。
【0179】
全体的に、被覆レベルが低いこれらの生産物は、良い耐久性を与えた。試験全体の最良の結果は、2%SiOおよび1.2%Alの被覆、1%SiOおよび2%Alの被覆、1%SiOおよび0.6%Alの被覆を有した生産物から得られた。
【0180】
したがって、試験された被覆量の範囲内で、少ない被覆の適用は、驚くほどに、大結晶サイズの生産物の高い耐久性を生じさせる。
最良の結果は、低い透過を有する樹脂が使用される場合の被覆生産物で得られたということを見ることもできる。付録3に示されるように、PVDF-アクリルは、300nmで0.001/ミクロンの減衰係数を有し、ポリエステルメラミンホルムアルデヒドは、300nmで0.009/ミクロンの減衰係数を有する。対照的に、アルキドメラミンホルムアルデヒドは、300nmで0.021/ミクロンの減衰係数を有し、結果的に生じる生産物の、低い耐久性を見ることができる。したがって、低透過樹脂の被覆生産物を使用することは、技術的な利点がある。
[実施例3]
3.1 被覆TiO粒子の調製
1ミクロンの平均結晶サイズを有するTiO粒子を区分1.1にしたがって調製した。
3.2 被覆微粒子無機材料の調製
区分3.1で作られるようにTiO粒子の水性分散体を調製し、粉砕した。この点について、粒子を、最初に、レイモンドミル(Raymond mill)を用いて乾燥粉砕し、その後、スラリー化し、350g/lの濃度を有する水性分散体を形成した。その後、分散体を、オタワ砂を含む微媒体ミルで30分間湿式粉砕した。その後、砂を分散体から分離した。
【0181】
結果として生じる分散体を、部分ごとに分けて、それぞれを、シリカを用いて粒子を被覆するように処理した。使用される被覆レベルは、微粒子チタニアの全量に対するシリカ材料の全量を考慮すると、0.3%/w/w、0.6%/w/w、0.9%/w/w、1.2%/w/w、および3%/w/wであった。各場合において、密なシリカ被覆を適用した。
【0182】
シリカ被覆を達成するために、TiOスラリーを撹拌タンクに導入し、pHを10.5に調節した。シリカの適切な重量を、ケイ酸ナトリウムとして30分にわたって添加し、その後、30分間撹拌した。硫酸を、60分にわたって添加し、pHを8.8に下げ、その後さらに35分間かけてpHを1.3にした。
【0183】
その後も、各サンプルはアルミナ被覆と共に提供された。各場合において使用されるアルミナの被覆レベルは、微粒子チタニアの全量に対してアルミナ材料の全量を考慮すると、2%w/wであった。
【0184】
アルミナ被覆は、苛性アルミン酸ナトリウムを25分にわたって添加し、pHを10.25にするとすぐに20分間撹拌することによって、達成された。最後に、pHを、硫酸の添加によって6.5に調節した。
【0185】
被覆されたチタニアの分散体を、その後、それぞれ、ろ過、洗浄、乾燥、および液体エネルギーミルで微粉化し、5つのバッチの生産物を得た。各生産物は、粉末状の白色顔料であった。
3.3 塗料の生産
被覆チタニアの5つのバッチを、その後、アクリルメラミンホルムアルデヒド塗料にそれぞれ組み込んだ。
【0186】
さらに、区分1.1bに記述される「超耐久性」商用生産物を、同じようにそれぞれ3つの塗料型に組み込むことによって試験した。この生産物は、0.25ミクロンの結晶サイズを有し、3w/w%のシリカ被覆、および2w/w%のアルミナ被覆を有した。
【0187】
アクリルメラミンホルムアルデヒド塗料を、下記の付録1の方法を用いて作った。顔料試料を、アクリルメラミンホルムアルデヒド樹脂系において21%容量画分で組み込まれた。
3.4耐久性
耐久性を、アトラス(Atlas) Ci500a ウェザオメター(Weatherometer)を用いて測定した。試験を下記の付録2にしたがって行った。
結果
図3は、アクリルメラミンホルムアルデヒドベース塗料において試験される場合、5サンプルの被覆された大結晶チタニアの2750時間後の質量-損失を示す。
【0188】
3%シリカ被覆および2%アルミナ被覆を有する生産物は、最悪な結果を与えた。しかしながら、大結晶サイズを有する生産物(1ミクロンの平均結晶サイズ)は、商用生産物より依然として良い結果を与えたことは留意される。ここで、商用生産物は、同じ被覆を有するが、従来の結晶サイズを有する。商用生産物を用いる試料は、0.048gのアクリルメラミンホルムアルデヒドベースの塗料で試験された場合、2750時間後に質量損失(すなわち、図3のy軸から高く外れるように)を示した。
【0189】
0.3%、0.6%、0.9%、および1.2%のシリカ被覆レベル(それぞれ2%アルミナを有する)の全ては、従来のシリカ被覆レベルである3%レベル(2%アルミナを有する)でシリカ被覆されて生産物より良い結果を与えた。
【0190】
0.9%レベルのシリカ被覆を有する試料の結果が、最良の結果を与えたことを見ることができる。したがって、最良の結果は、被覆レベルが最も高い、または最も低いものではなかった。代わりに、明らかに、最良の結果が達成される範囲内がある。
【0191】
最良の結果は、0.9%被覆レベルでおこり、続いて0.6%、続いて0.3%、続いて1.2%被覆レベルでおこった。
したがって、この事は、低量の被覆の使用が、効果の改善につながることができるという驚くべき見解を強力にする。
【0192】
粒子の光触媒効果の減少、それによる低い質量-損失に関して最良の結果を得るために
、最適な範囲の被覆レベルがあるだろうということは予測されていなかっただろう。ここで、この最適な範囲は、従来の被覆レベルの半分より少ない被覆量の使用を含む。
【0193】
図4は、アクリルメラミンホルムアルデヒドベース塗料において試験される場合、時間とともに6サンプルの質量減少を示す。
3%シリカ被覆および2%アルミナ被覆を有する生産物は、最悪な結果を与えた。しかしながら、それら2つの生産物をのぞいて、大結晶サイズを有する生産物(1ミクロンの平均結晶サイズ)は、商用生産物より良い結果を与えた。ここで、商用生産物は、同じ被覆を有したが従来の結晶サイズを有した。
【0194】
0.3%、0.6%、0.9%、および1.2%のシリカ被覆レベル(それぞれ2%アルミナを有する)の全ては、従来のシリカ被覆レベルである3%レベルでシリカ被覆されていた生産物より良い結果を与えた。
【0195】
0.9%レベルのシリカ被覆を有する試料の結果が、最良の結果を与えたことを見ることができる。したがって、最良の結果は、被覆レベルが最も高い、または最も低いものではなかった。代わりに、明らかに、最良の結果が達成される範囲内がある。
【0196】
最良の結果は、0.9%被覆レベルでおこり、続いて0.6%、続いて0.3%、続いて1.2%被覆レベルでおこった。
したがって、この事は、クレームされた範囲内の低量の被覆の使用が、効果の改善、およびより光安定なシステムにつながることができるという驚くべき見解を強力にする。
【0197】
より光安定なシステムに関して最良の結果を与えるために、最適な範囲の被覆レベルがあるだろうということは予測されていなかっただろう。ここで、この最適な範囲は、従来の被覆レベルの半分より少ない被覆量の使用を含む。
[実施例4]
4.1 被覆TiO粒子の調製
1ミクロンの平均結晶サイズを有するTiO粒子を区分1.1にしたがって調製した。
4.2 被覆微粒子無機材料の調製
被覆を、区分1.2の一般的な原理にしたがって1ミクロンの平均結晶サイズを有するTiO粒子に適用した。
【0198】
調製された被覆レベルは、表3に提示された。
【0199】
【表5】
被覆を適用するために、次の方法を使用した。
【0200】
二酸化チタン粒子の水性スラリー(350g/lの濃度)を、60℃に撹拌しながら加熱した。十分な硫酸を5分間にわたって加え、懸濁液のpHを2.0未満に減少させ、すぐにさらに5分間混合しpHを安定させた。この時点で、0.1%(TiO上にwt/
wt)のCeO(0.1M硫酸セリウム(IV)溶液)を1分間にわたって加えた。スラリーを5分間再び撹拌し、1.0%P(リン酸モノアンモニウムとして)を30分間にわたって加えた。
【0201】
さらに30分間撹拌しながら、30分間にわたって1.5%Al(硫酸アルミニウム溶液として)を添加することによって、pHを2.5未満に達することに成功した。このpHは、さらに30分間撹拌することによって固定された。この時点で、さらなる1.5%Al(苛性アルミン酸ナトリウムとして)を30分にわたって添加し、懸濁液のpHを約7.0に上昇させた。結果として得られる中性懸濁液を、ろ過、洗浄、および乾燥し、液体エネルギーミルで微粉化し、4つのバッチの被覆生産物を得た。各生産物は、粉末状の白色顔料であった。
4.3 塗料の生産
被覆チタニアの4つのバッチを、その後、アルキドメラミンホルムアルデヒドベース塗料に、区分3.3のようにそれぞれ組み込んだ。
4.4耐久性
耐久性を、アトラス(Atlas) Ci65a ウェザオメター(Weatherometer)を用いて測定した。試験を下記の付録2にしたがって行った。耐久性比(標準的な顔料の質量-損失と相対的な試験顔料の質量-損失の割合)を各場合において計算した。
結果
耐久性比(DR)を、下記の表4で提示する。
【0202】
【表6】
したがって、全ての生産物は、1未満のDR値によって示されるように、耐久性標準(カライス(Calais) TR92 TS45203)より良い耐久性の結果を与えるということを見ることができる。1のDRは、耐久性が耐久性標準と同じであることを意味すると当業者は理解するだろう。
【0203】
さらに、全ての大結晶ベースの試料は、アルキドメラミンホルムアルデヒドベース塗料において、「超耐久性」商用生産物より良い耐久性比を示した。
全体的に、被覆レベルが低いこれらの生産物は、良い耐久性を与えた。試験全体の最良の結果は、1%SiOおよび2%Alの被覆、1%P、0.1%CeOおよび3%Al、および1%Pおよび3%Alの被覆を有した生産物から得られた。したがって、第一の被覆層が約1%レベルで示される生産物が最適である。
【0204】
一般的に、0.1%w/w~2.2%w/wの範囲内、例えば、0.3%w/w~1.2%w/w、特に約0.3%w/w~1.1%w/wのレベルで第一の被覆層の量を有すると、最適な結果を与える。0.1%w/w~3.5%w/w、例えば、0.3%w/w~3.3%w/w、特に0.4%w/w~3.2%w/wの第二層の量を有すると最適な結果を与える。0.2%w/w~4.5%w/w、例えば、0.5%w/w~4.3%w
/w、特に1%w/w~4.2%w/wの被覆の全量を有すると最適な結果を与える。
【0205】
したがって、驚くべきことに、相対的に低い被覆レベルの適用は、大結晶サイズ生産物にとってより良い耐久性を生じる。
[結果の要約]
第一層および第二層を使用する被覆システムの使用は、抗光触媒特性を有する効果的な被覆(例えば、シリカ)である第一層およびアルミナ被覆である第二層を有し、効果的な被覆量(第一層の量に関して、および被覆の全量に関して)が相対的に狭い特定の範囲内である場合に耐久性を達成するということに関して驚くほどにより効果的である。
【0206】
微粒子無機材料の全量に対して第一層の材料の全量を考慮すると、微粒子無機材料の第一層の量が0.1%w/w~2.2%w/w、特に0.2%w/w~1.5%w/w、例えば0.3%w/w~1.3%w/wである場合に良い結果を見る。
【0207】
最良の結果は、第一層の量が、0.3%w/w~1.1%w/w、例えば、0.3%w/w~1%w/w、または0.4%w/w~1.1%w/w、例えば、0.4%w/w~1%w/w、または0.5%w/w~1.1%w/w、例えば、0.5%w/w~1%w/wの範囲内で見られる。
【0208】
最良の結果が見られるこの被覆システムにおいて、被覆の全量は、微粒子無機材料の全量に対する第一層および第二層の材料の全量を考慮すると、0.2%w/w~4.5%w/wであり、特に、0.5%w/w~4.5%w/w、例えば、1%w/w~4.3%w/w、または1.2%w/w~4.2%w/wの範囲である。
[参照実施例5]
この参照実施例は、クレームされた発明の範囲内ではなく、本発明に関連する技術的効果は驚くべきものであり、予測されないということをさらに説明する。
【0209】
具体的には、小さい、従来サイズ(0.3ミクロン)の粒子は、被覆量の増加が良い耐久性につながる。これを本発明に対比させると、第一層および第二層を使用する被覆システムの場合、抗光触媒特性を有する効果的な被覆である第一層(例えばシリカ)、およびアルミナ被覆である第二層を有し、非従来サイズの粒子、すなわち大結晶サイズの粒子に適用されると、耐久性は、効果的な被覆量が、相対的に狭い、および相対的に低い特定の範囲内である場合に良くなる。
【0210】
この参照実施例において、0.3ミクロンの結晶サイズをそれぞれ有する商用のチタニア生産物を試験した。第一は、0w/w%シリカ被覆および2w/w%アルミナ被覆を有した。第二は、3w/w%シリカ被覆および2w/w%アルミナ被覆を有した。第三は、5w/w%シリカ被覆および2w/w%アルミナ被覆を有した。
【0211】
さらに、被覆レベルに関して第二の生産物に類似の生産物であるが、0.7ミクロンの結晶サイズを有する、および1ミクロンの結晶サイズを有する類似の生産物を調製した。
被覆チタニアの5つのバッチは、ポリエステルメラミンホルムアルデヒド塗料にそれぞれ組み込まれた。
【0212】
ポリエステルメラミンホルムアルデヒド塗料は、下記の付録1の方法を用いて作られた。顔料試料は、ポリエステルメラミンホルムアルデヒド樹脂システムにおいて21%容量画分で組み込まれた。
【0213】
塗料を、試験パネルに適用し、その後57月間、フロリダ-風化(Florida-weathered)した。定期的にパネルを、商用の光沢計を用いて(例えば、ASTM
D 523 標準測定プロトコルで)、光沢を評価した。
【0214】
図5は、時間と共に5つの試料それぞれを測定した光沢特性を示す。
結晶サイズが従来の0.3ミクロンである3つの試料にとって、3%~5%の被覆レベルの増加が、風化条件下で、時間と共に光沢特性の良好な保持につながることを見ることができる。特に、30月の期間を超えて、3%シリカ被覆と比較して5%シリカ被覆の利点は顕著である。
【0215】
大サイズ粒子を有することからの利点があることを見ることもできる。同じ被覆(3%シリカ2%アルミナ)を有するが、0.3ミクロンから0.7ミクロンへの、1ミクロンへの粒子サイズの増加は、明らかに、時間と共に、光沢特性の保持の改善につながるということを見ることもできる。
【0216】
したがって、厚い被覆、および大きい粒子サイズは、最良の結果につながるだろうということを予測するだろう。(特定の表面領域はサイズに反比例であるので、大きさいサイズの利点は、被覆厚からの利点と解釈されるべきである。)
与えられた大きい粒子サイズで薄い被覆を用いることの利点は、最も驚くべきものであるということは、本発明の背景に反対する。
【0217】
0.4μm~2μmの平均結晶サイズを有する大きい粒子サイズにとって、光触媒活性の減少/耐久性の増加の点で最良の効果は、高いレベルの被覆を適用することによっては達成されないだろうが、かわりに、より少ないレベルの光触媒性被覆は、高いレベルの無機酸化物被覆層の使用と比較して、同等、または低い光触媒活性を有する生産物になることができるということは、予測されていなかっただろう。
【0218】
大きいサイズ粒子にとって、より光安定なシステムに関して最良の結果を得るために最適な被覆レベルの範囲があるだろうということは、従来のサイズ粒子で見られる傾向から予測されていなかっだろう。ここで、この最適な範囲は、当該技術で使用される従来の被覆より著しく少ない被覆量の使用を含む。
[付録1 塗料化粧用製剤]
アルキドメラミンホルムアルデヒド製剤
ミルベース
28.0gの15%ビートル(Beetle) BA 595 アルキド樹脂溶液樹脂(サイティック インダストリーズ社(Cytec Industries Inc)によって供給される)を250mlガラス瓶に秤量した。これに試験用の68.0gの顔料を添加し、全ての顔料が濡れるまで瓶をかき混ぜた。170gの8mmガラスバロティーニを添加し、瓶を、側面がミルベースで覆われるまで振とうし、その後、16時間、トランドラー(trundlers)上に置いた。
[最終的な白色塗料の調製]
16時間後、瓶をトランドラーから除去し、15.0gの60%ビートル(Beetle) BA 595アルキド樹脂(サイティック インダストリーズ社(Cytec Industries Inc)によって供給される)の添加によって安定化した。瓶を、30分間トランドラー上に置き、その後、24.3gの60%ビートル(Beetle)BA595アルキド樹脂および15.3gの60%サイメル(Cymel)651メラミンホルムアルデヒド樹脂(n-ブタノール/キシレン溶媒中に部分的にn-ブチル化したメラミン樹脂、オルネクス ベルギウム社(Allnex Belgium)から入手可能、供給されて使用した)で作り上げた。塗料を、少なくとも30分間トランドラーに再び戻し、ラッカーを塗られていない250mlスズに静かに移し、その後、少なくとも15分間脱気させておいた。
【0219】
したがって、得られた塗料を、その後、金属基板に適用し、30分間150℃で硬化した。
[ポリエステルメラミンホルムアルデヒド製剤]
ミルベース
250mlmlガラス瓶に、トップコート用の35.6gのウララック(Uralac)(商標) SN804飽和ポリエステル樹脂(超耐久性)、(DSM粉末被覆用樹脂社(DSM Poewder Coating Resins)から入手可能)、0.4gのウラド(Urad)(商標)DD27アクリル樹脂、(DSM粉末被覆用樹脂社(DSM Poewder Coating Resins)から入手可能)、12.3gのソルベッソ(Solvesso)(商標)150ND芳香族炭化水素溶媒(エクソンモービル社(ExxonMobil)から入手可能)、および2.4gのブチルグリコールを秤量した。これに、69.1gの試験用顔料を加えた。170gの8mmガラスバロティーニを添加し、瓶を、側面がミルベースで覆われるまで振とうし、その後、16時間、トランドラー上に置いた。
[最終的な白色塗料の調製]
16時間後、瓶をトランドラーから除去した。39.3gのミルベースを瓶に静かに写し、28.7gの容量の化粧媒体(make-up-medium)の添加によって安定化した。
【0220】
化粧媒体は、次を含んだ:
ウララック(Uralac)(商標)SN804 18.20g
サイメル(Cymel)(登録商標)303 3.43g
ナキュア(Nacure)(登録商標)1419 0.17g
K-キュア(cure)(登録商標)1040 0.03g
ソルベッソ(Solvesso)(商標)150ND 4.73g
ブチルグリコール 2.14g
ウララック(Uralac)(商標) SN804樹脂は、トップコート用の飽和ポリエステル樹脂であり、DSM粉末被覆用樹脂社(DSM Poewder Coating Resins)から入試可能である。
【0221】
サイメル(Cymel)(登録商標)303樹脂は、>98%不揮発性の液体形態で供給されるヘキサメトキシメチルメラミンの商業用等級であり、架橋剤として作用し、オルネクス ベルギウム社(Allnex Belgium)から入手可能である。
【0222】
ナキュア(Nacure)(登録商標)1419触媒は、キングインダストリーズ社(King Industries)から入手可能な共有結合的に阻害されるジノニルナフタレンスルホン酸(DNNSA)触媒である。
【0223】
K-キュア(cure)(登録商標)1040触媒は、キングインダストリーズ社(King Industries)から入手可能なイソプロパノール中にパラ-トルエンスルホン酸(p-TSA)を有する溶液である。
【0224】
ソルベッソ(Solvesso)(商標)150ND溶媒は、芳香族炭化水素溶媒であり、エクソンモービル社(ExxonMobil)から入手可能である。
塗料を、少なくとも30分間トランドラーに再び戻し、ラッカーを塗られていない250mlスズに静かに移し、その後、少なくとも15分間脱気させておいた。
【0225】
したがって、得られた塗料を、その後、金属基板に適用し、10分間200℃で硬化した。
[PVDF-アクリル製剤]
ミルベース
トルエン中に20%パラロイド(Paraloid)(商標)B44固体等級アクリル樹脂有するもの(ダウ社(Dow)から入手可能)の43.0gを250mlガラス瓶に秤量した。これに、試験用の69.0gの顔料を添加し、瓶を、顔料が濡れるまでかき混ぜた。170gの8mmガラスバロティーニを添加し、瓶を、側面がミルベースで覆われるまで振とうし、その後、16時間、トランドラー上に置いた。
[最終的な白色塗料の調製]
33.7gのミルベースを、ガラス瓶に置いて、トルエン中に40%パラロイド(Pararoid)B44を有するものの22.3gを手撹拌しながら添加した。これに、55.0gのイソホロン中に27.0gのカイナー(Kynar)500(登録商標)(PVDF樹脂、アルケマ社(Arkema))を有する予め分散させた混合物を添加した。塗料を、その後、1時間、トランドラー上に戻した。
【0226】
したがって、得られた塗料を、その後、金属基板に適用し、一晩フラッシュオフし、その後、10分間232℃で硬化した。
[アクリルメラミンホルムアルデヒド製剤]
ミルベース
28.0gの20%シノクリル(Synocryl)(登録商標)826Sアクリル樹脂溶液(アルケマ社(Arkema)から入手可能)を250mlガラス瓶に秤量した。これに試験用の69.0gの顔料を添加し、全ての色素が濡れるまで瓶をかき混ぜた。170gの8mmガラスバロティーニを添加し、瓶を、側面がミルベースで覆われるまで振とうし、その後、16時間、トランドラー上に置いた。
[白色塗料の調製]
16時間後、ミルベース瓶をトランドラーから除去し、14.0gの60%シノクリル(Synocryl)(登録商標)826Sアクリル樹脂の添加によって安定化した。瓶を、30分間トランドラー上に置き、その後、62.2gの60%シノクリル(Synocryl)(登録商標)826Sアクリル樹脂(供給された)、および28.8gの60%サイメル(Cymel)(登録商標)651メラミンホルムアルデヒド樹脂(オルネクス ベルギウム社(Allnex Belgium)から入手可能)(供給された)で作り上げた。塗料を、少なくとも60分間トランドラーに再び戻し、ラッカーを塗られていない250mlスズに静かに移し、その後、少なくとも15分間脱気させておいた。
[濃淡濃縮物の調製]
250mlスズに、70gの60%シノクリル(Synocryl)(登録商標)826S樹脂、4.0gのキシレンブタノール、および高分子量ブロックコポリマーに基づかれる8.0gのディスパーbyk(Disperbyk)161湿潤分散添加剤(BYKアディティブズ(Additives)&インスツルメンツ社(Instruments)から入手可能)を秤量した。撹拌後、8.0gのフタロシアニンブルー15:1(サンケミカルズ社(Sun Chemicals)によって供給された)を添加し、続いて500gの6mm鋼鉄バロティーニを添加した。混合物を、その後、レッド デヴィル(Red Devil)振とう機を用いて全体で60秒間分散し、15分間隔で振とうし、各間隔の間に10分間冷却させた。
[最終的な、着色塗料の調製]
120mlガラス瓶に、50.0gの白色顔料を秤量し、続いて1.74gの濃淡濃縮物を秤量した。混合物を、その後、激しく振とうし、3時間トランドラー上に置いた。
【0227】
したがって、得られた塗料を、その後、金属基板に適用し、30分間150℃で硬化した。
[付録2 耐久性比の測定]
耐久性比を、アトラス(Atlas)Ci65aまたはCi5000aキセノン(Xenon)Arcウェザ-オ-メター(Weather-O-meter)で彩色された金
属プレートの質量-損失から計算した。質量-損失を250時間ごとに記録した。全曝露時間は、塗料製剤に依存し、次の通りであった。
【0228】
時間数
アルキドメラミンホルムアルデヒド 3000
ポリエステルメラミンホルムアルデヒド 5000
PVDF-アクリル 8000
試験顔料の耐久性比(DR)は、質量-損失(ml)から算出され、gで表される。試験顔料の耐久性比(DR)は、次の式を用いて、(公知のDRを有する)一次標準の耐久性比(DR)と比較して決定される。
【0229】
DR(試験)=ml(試験)×DR(標準)/ml(標準)
一次標準は、カライス(Calais)TR92 TS45203である。
したがって、耐久性比が高い値であることは、塗料からの大きい質量-損失を意味するので、大きい光化学的活性な顔料であることを意味する。よい耐久性を有する塗料、またはインクは、低い耐久性比を有するだろう。
[付録3 樹脂の減衰係数]
300nmでの減衰係数を、300nmでの透過率値、およびフィルム厚から算出した。
【0230】
【表7】
影付き背景の数字は透過率値である。
【0231】
300nmでの値は、次の式を用いて、各フィルムの減衰を算出するために使用される。
300nmでのフィルムの減衰=Ln(Tガラス/Tガラス+樹脂
その後、減衰係数は、フィルム厚によって減衰を割ることによって算出される
具体的には、Ln(I/I)=εcl
であり、したがって、ε={Ln(I/I)}/cl
ここで、εは減衰係数であり、Iは、ガラスを通過する透過強度であり、Iは、ガラス+樹脂を通過する透過強度であり、lは厚さであり、cは樹脂濃度(=1)である。
図1
図2
図3
図4
図5