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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050586
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】パラミクソウイルスおよび使用方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/45 20060101AFI20220323BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20220323BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20220323BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20220323BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20220323BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20220323BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20220323BHJP
   C07K 14/115 20060101ALI20220323BHJP
   C07K 16/10 20060101ALI20220323BHJP
   C12Q 1/6813 20180101ALI20220323BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20220323BHJP
   C12N 7/01 20060101ALI20220323BHJP
   C12N 15/86 20060101ALI20220323BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20220323BHJP
   A61K 39/155 20060101ALI20220323BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20220323BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20220323BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
C12N15/45 ZNA
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/02 Z
C07K14/115
C07K16/10
C12Q1/6813 Z
C12Q1/686 Z
C12N7/01
C12N15/86 Z
A61K48/00
A61K39/155
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61K39/395 S
A61K35/76
A61P31/14
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022002835
(22)【出願日】2022-01-12
(62)【分割の表示】P 2019149331の分割
【原出願日】2013-07-02
(31)【優先権主張番号】61/667,194
(32)【優先日】2012-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501051125
【氏名又は名称】ザ ヘンリー エム. ジャクソン ファウンデーション フォー ザ アドヴァンスメント オブ ミリタリー メディシン インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】590003283
【氏名又は名称】コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション
(71)【出願人】
【識別番号】515000719
【氏名又は名称】ザ ステイト オブ クイーンズランド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン リンファ
(72)【発明者】
【氏名】マーシュ グレン エー.
(72)【発明者】
【氏名】フィールド ヒューム
(72)【発明者】
【氏名】ブロダー クリストファー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シダーウイルスと呼ばれる新規のウイルス、及びその使用方法を提供する。
【解決手段】パラミクソウイルス亜科の新規なへニパウイルス属であるシダーウイルス(CedPV)を単離し、その全ゲノム配列を明らかした。ゲノム配列から予想されるウイルスタンパク質、組換えウイルスタンパク質の生産方法、ウイルスタンパク質に特異的に結合する抗体、抗体又はその断片を含むワクチン、ゲノム配列を基にしたウイルスポリヌクレオチドの検出方法、さらにポリヌクレオチドを含む組換えウイルスを提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1のヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド。
【請求項2】
配列番号1のヌクレオチド配列の少なくとも50、100、150、200、250、
300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、
800、850、900、950、1,000、1,050、1,100、1,150、
1,200、1,250、1,300、1,350、1,400、1,450、1,50
0、1,550、1,600、1,650、1,700、1,750、1,800、1,
850、1,900、1,950、2,000、2,500、3,000、3,500、
4,000、4,500、5,000、5,500、6,000、6,500、7,00
0、7,500、8,000、8,500、9,000、9,500、10,000、1
0,500、11,000、11,500、12,000、12,500、13,000
、13,500、14,000、14,500、15,000、15,500、16,0
00、16,500、17,000、17,500、または18,000個の連続したヌ
クレオチドまたはその相補体のヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチド配
列。
【請求項3】
ポリヌクレオチドがRNAである、請求項1または2に記載のポリヌクレオチド。
【請求項4】
分子がDNAである、請求項1または2に記載のポリヌクレオチド。
【請求項5】
請求項4に記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項6】
請求項5に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項7】
宿主細胞が原核細胞である、請求項6に記載の宿主細胞。
【請求項8】
前記宿主細胞が真核細胞である、請求項6に記載の宿主細胞。
【請求項9】
前記宿主細胞が哺乳類細胞である、請求項8に記載の宿主細胞。
【請求項10】
ポリペプチドを産生するための方法であって、タンパク質産生を促進する条件下で請求
項6に記載の宿主細胞を培養することと、培養物から前記ポリペプチドを単離することと
、を含む、方法。
【請求項11】
請求項1または2に記載の核酸分子と、薬学的に許容される担体と、を含む、組成物。
【請求項12】
単離されたポリペプチドであって、
a.配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を有するポリペ
プチド、
b.配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
c.配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチド、
d.配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を有するポリペ
プチド、
e.配列番号3のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
f.配列番号3のアミノ酸配列からなるポリペプチド、
g.配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を有するポリペ
プチド、
h.配列番号4のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
i.配列番号4のアミノ酸配列からなるポリペプチド、
j.配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を有するポリペ
プチド、
k.配列番号5のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
l.配列番号5のアミノ酸配列からなるポリペプチド、
m.配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を有するポリペ
プチド、
n.配列番号6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
o.配列番号6のアミノ酸配列からなるポリペプチド、
p.配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を有するポリペ
プチド、
q.配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
r.配列番号7のアミノ酸配列からなるポリペプチド、
s.配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を有するポリペ
プチド、
t.配列番号8のアミノ酸配列を含むポリペプチド、および、
u.配列番号8のアミノ酸配列からなるポリペプチドからなる群から選択されるアミノ
酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
【請求項13】
請求項12に記載のポリペプチドまたはその相補体をコードする単離されたポリヌクレ
オチド。
【請求項14】
前記ポリヌクレオチドがRNAである、請求項13に記載のポリヌクレオチド。
【請求項15】
前記分子がDNAである、請求項14に記載のポリヌクレオチド。
【請求項16】
請求項15に記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項17】
請求項16に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項18】
前記宿主細胞が原核細胞である、請求項17に記載の宿主細胞。
【請求項19】
前記宿主細胞が真核細胞である、請求項17に記載の宿主細胞。
【請求項20】
前記宿主細胞が哺乳類細胞である、請求項19に記載の宿主細胞。
【請求項21】
ポリペプチドを産生するための方法であって、タンパク質産生を促進する条件下で請求
項17に記載の宿主細胞を培養することと、培養物から前記ポリペプチドを単離すること
と、を含む、方法。
【請求項22】
請求項12に記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体またはその断片。
【請求項23】
前記抗体が、モノクローナル抗体もしくはその断片、ポリクローナル抗体もしくはその
断片、ヒト化抗体もしくはその断片、組換えにより産生された抗体もしくはその断片、ま
たはキメラ抗体もしくはその断片である、請求項22に記載の抗体。
【請求項24】
請求項22に記載の抗体またはその断片を含むワクチン。
【請求項25】
対象におけるヘンドラウイルス、ニパウイルス、シダーウイルス、または他のパラミク
ソウイルスの感染を治療または予防する方法であって、必要時、またはその治療もしくは
予防において対象に請求項24に記載のワクチンを投与することを含む、方法。
【請求項26】
試料中の第1のポリヌクレオチドの存在を検出する方法であって、前記第1のポリヌク
レオチドが、配列番号1の少なくとも100個の連続したヌクレオチドのヌクレオチド配
列を含み、前記方法が、前記試料を、前記第1のポリヌクレオチドの少なくとも一部分ま
たはその相補体に選択的に結合する結合分子と接触させることと、前記第1のポリヌクレ
オチドへの前記結合分子の結合を検出することと、を含む、方法。
【請求項27】
前記第1のポリヌクレオチドが、配列番号1の少なくとも200、300、400、5
00、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5
000、6000、7000、8000、9000、10000、11000、1200
0、13000、14000、15000、16000、17000、または18000
個の連続したヌクレオチドのヌクレオチド配列を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記結合分子が、少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、10
0、200、300、400、500、600、700、800、900、または100
0ヌクレオチド長を含む第2のポリヌクレオチドである、請求項26または27に記載の
方法。
【請求項29】
前記第1のポリヌクレオチドが、検出前にPCRまたはRT-PCRを使用して増幅さ
れる、請求項26または27に記載の方法。
【請求項30】
請求項1~4のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含む組換えウイルス。
【請求項31】
前記ウイルスが弱毒化ウイルスである、請求項30に記載の組換えウイルス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、シダーウイルスと呼ばれる新規のウイルス、およびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘニパウイルスは、オーストラリアおよびマレーシアでの家畜およびヒトにおける病気
の発生で1990年代に最初に発見された(1、2)。これらのウイルスは、パラミクソ
ウイルス科の唯一の既知のバイオセーフティレベル4(BSL4)剤を含み(3)、死亡
率は、ウイルス、動物種、および発生の地理的位置に応じて、ヒトおよび動物の両方とも
に40%~100%である(4、5)。パラミクソウイルス亜科のヘニパウイルス属は、
現在、これら両ウイルスの主な天然リザーバーと特定されている、一般にフオオコウモリ
として知られているフルーツコウモリのヘンドラウイルス(HeV)およびニパウイルス
(NiV)の2員のメンバーを含む。しかしながら、血清学的証拠は、ヘニパウイルスが
他のタイプのコウモリ(7~10)においても循環し得ることを示唆する。
【0003】
ヘニパウイルスの発見は、我々のパラミクソウイルスの総合的な理解に大きな影響を及
ぼしている。実際、麻疹ウイルスおよびイヌジステンパーウイルスなどのパラミクソウイ
ルスは、狭い宿主範囲を有し、パラミクソウイルスの全てのメンバーによって共有される
均一なゲノムサイズに近く、遺伝的に安定していることで知られている(3)。しかしな
がら、ヘニパウイルスは、これらのウイルスがはるかに広い宿主範囲および著しく大きい
ゲノムを有するため、これらのパラダイムをシフトさせた(6)。
【0004】
近年、ヘニパウイルスの研究で、機能細胞受容体を識別することに成功し、新しい診断
、ワクチン、および治療法の開発を推進してきた(15~25)。しかしながら、一つに
は生の感染症研究を行うために必要な高いセキュリティ(BSL4)の施設の必要性によ
り、また一つには現在の動物モデルで使用される利用可能な研究手段の限られた数により
、これらの非常に致死的なウイルスの病因についてはほとんど理解されていない。ヘニパ
ウイルス病因の機構の研究はまた、比較病原研究に用いることができる、関連する非病原
性または低病原性のウイルスの欠如によって妨げられている。
【0005】
中国や他の地域における最近の血清学的調査は、異種のコウモリにおけるヘニパウイル
スへの、交差反応性だが必ずしも相互中和性でない抗体の存在を示した(8)。アフリカ
のコウモリにおけるヘニパウイルスのようなゲノム配列の検出は、血清学的調査から取得
された結果を更に裏付ける(26)。
【0006】
本明細書に開示された本発明は、新たに発見されたヘニパウイルスの単離および特徴付
けを対象とする。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、シダーウイルスと呼ばれる新規のウイルス(「CedPV」)、およびその
使用方法を対象とする。
【0008】
本発明はまた、個々のタンパク質およびその断片、ならびにCedPVを構成する個々
のタンパク質のコード配列を対象とする。
【0009】
本発明はまた、CedPVに特異的に結合する抗体または断片を対象とする。
【0010】
本発明はまた、CedPVの少なくとも一部を含むワクチンおよび/または他の治療用
組成物を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】パラミクソウイルス亜科において既存の5種類の模範ウイルスのものと比較した、CedPVのゲノムサイズおよび組織を示している。コーディングおよび非コーディング領域の各々は、一定の縮尺で描かれている。全てのパラミクソウイルスのゲノムに存在する6個の主要な遺伝子が、以下のように示される:影付き=RNAポリメラーゼおよびヌクレオカプシド遺伝子(N、P、およびL)、斜線=包絡膜タンパク質遺伝子(Fおよび付着タンパク質)、点線=マトリックスタンパク質(M)。ムンプスウイルスのゲノムにおける小さなものは、遺伝子(SH)が通常、亜科のメンバー間で共有されていないことを表す。
図2】異なるヘニパウイルス間のゲノムの特徴の比較を示している。(A)リーダおよびトレーラ配列の整列(アンチゲノム配列を示す)。(B)遺伝子間領域(IGR)の配列、ならびにHeVおよびniVのものと比較した、CedPVの転写開始および停止部位。
図3】選択したパラミクソウイルスの系統樹を示している。2A:樹は、Nタンパク質配列のウイルス名(略称)に基づき、GenBank受託番号は以下の通りである:トリパラミクソウイルス6(APMV6)AY029299、大西洋サーモンパラミクソウイルス(AsaPV)EU156171、Beilongウイルス(BeiPV)DQ100461、ウシパラインフルエンザウイルス3(bPIV3)AF178654、イヌジステンパーウイルス(CDV)AF014953、シダーウイルス(CedPV)JQ001776、Ferドランスウイルス(FdlPV)AY141760、ヘンドラウイルス(HeV)AF017149、ヒトパラインフルエンザウイルス2(hPIV2)AF533010、ヒトパラインフルエンザウイルス3(hPIV3)Z11575、ヒトパラインフルエンザウイルス4a(hPIV4a)AB543336、ヒトパラインフルエンザウイルス4b(hPIV4b)EU627591、Jウイルス(JPV)AY900001、メナングルウイルス(MenPV)AF326114、麻疹ウイルス(MeV)AB016162、モスマンウイルス(MosPV)AY286409、Mapeuraウイルス(MprPV)EF095490、ムンプスウイルス(MuV)AB000388、ニューカッスル病ウイルス(NDV)AF077761、ニパウイルス、バングラデシュ菌株(NiV-B)AY988601、ニパウイルス、マレーシア菌株(NiV-M)AJ627196、パラインフルエンザウイルス5(PIV5)AF052755、小反芻獣疫(PPRV)X74443、ブタルブラウイルス(PorPV)BK005918、牛疫ウイルス(RPV)Z30697、セーラムウイルス(SalPV)AF237881、センダイウイルス(SeV)M19661、シミアンウイルス41(SV41)X64275、ティオマンウイルス(TioPV)AF298895、Tupaiaパラミクソウイルス(TupPV)AF079780。(B)樹は、全ゲノム配列に基づく。(C)樹は、L遺伝子の550ヌクレオチドの領域に基づく。
図4】CedPV P遺伝子の編集部位と比較した、HeVおよびNiV用のP遺伝子の編集部位のための配列決定トレースファイルを示している。トレースファイルは、感染細胞中のHeVおよびNiV P遺伝子(*印で示される)の編集とCedPV P遺伝子のmRNAにおける編集の欠如とを示している。CedPVのP遺伝子の全部の潜在的な編集部位に及ぶPCR産物の配列決定は、いかなるRNA編集活性も明らかにしなかった。CedPV P遺伝子の代表的な潜在的編集部位が示されている。
図5】CedPVおよびHeVの間の抗原交差反応性を示している。CedPVおよびHeVに感染したベロ細胞はそれぞれ、各ウイルスの組換えNタンパク質に対して惹起されたウサギ血清で染色された。
図6】他のパラミクソウイルスとのCedPVの抗原交差反応性を示している。それぞれのJパラミクソウイルス(JPV)、牛疫ウイルス(RPV)、センダイウイルス(SeV)、メナングルウイルス(MenPV)およびCedPVに感染ベロ細胞上の抗CedPV血清で実行される間接蛍光抗体(IFAT)アッセイ。偽感染細胞単層は、陰性制御として含められた。反応性を示す唯一のパネルは、CedPVパネルである。
図7】CedPVのエントリ受容体としてエフリンB2およびB3の機能テストを示している。エフリン遺伝子産物の存在下および非存在下でのHeLa-USU細胞中へのCedPVの感染が示されている。受容体機能の間接的測定としての感染の感受性は、合胞体細胞変性効果(CPE)の形成によって証明される。
図8】CedPV感染フェレットの気管支リンパ節の免疫組織化学的分析を示している。6日目に安楽死させられたフェレット#2の気管支リンパ節はそれぞれ、CedPV(B)およびNiV(D)の組換えNタンパク質に対するウサギ抗血清で染色された。(別の実験からのインフルエンザH5N1に感染した)無関係なフェレットの気管支リンパ節は、陰性制御として使用され、同一の条件下で同じ抗CedPV(A)および抗NiV(C)抗血清で染色された。
図9】HeVおよびNiV糖タンパク質とのCedPV糖タンパク質媒介性細胞-細胞融合およびヘテロ型混合の結果を示している。種々の標的細胞集団が凡例に示されている。
図10】沈殿し、SDS-PAGEおよびクマシーによって分析した、単独でまたはCedPV-sGと予備混合された精製された可溶性エフリン-FCタンパク質を示している。分離sGがマークされ、異なるエフリンタンパク質パターンが言及される。CedPV-sGおよびエフリンB2は、レーン3で共に近接で実行される。
図11】エフリン受容体構築物にトランスフェクトすることにより調製され、次いで、CedPV、Hev、NiV FおよびG糖タンパク質のいずれかを発現するエフェクタ細胞を用いた細胞-細胞融合アッセイで使用されるHela-USU標的細胞集団の結果、および標準的な融合レポータ遺伝子アッセイが行われたことを示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、シダーウイルスと呼ばれる新規のウイルス(「CedPV」)、およびその
使用方法を対象とする。本発明はまた、個々のタンパク質およびその断片、ならびにCe
dPVを構成する個々のタンパク質のコード配列を対象とする。
【0013】
本発明者らは、特定のヘニパウイルス中で新規のパラミクソウイルスを単離した。十分
に確立されているように、ヘニパウイルス属は、パラミクソウイルス科のウイルスに属し
、ヘンドラウイルス(HeV)およびニパウイルス(NiV)の両方を含む。十中八九、
新たに単離されたCedPVは、系統発生の研究に基づいたヘニパウイルス属に属するで
あろう(図3を参照されたい)。その分類に関わらず、本発明者らは、数ある特性の中で
も、CedPVがヘンドラウイルスと抗原特性を共有する新型ウイルスであることを本明
細書で確立する。新たに発見されたCedPVは、RNAの一本鎖を含有するRNAウイ
ルスである。
【0014】
ウイルスのゲノムは、配列番号1として本明細書に示される。
【0015】
【表1】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
本発明は、CedPVゲノムに関連する核酸を提供する。具体的には、本発明は、配列
番号1のポリヌクレオチド配列と少なくとも約60%、61%、62%、63%、64%
、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%
、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%
、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%
、95%、96%、97%、98%、または99%同一のポリヌクレオチド配列を有する
核酸を提供する。
【0022】
本発明はまた、配列番号1のポリヌクレオチドの断片(例えば、プライマーおよびプロ
ーブ)を提供する。
【0023】
本発明はまた、本明細書に開示された核酸のいずれかを含有するベクターを含む。本明
細書で使用する「ベクター」は、多数の核酸のいずれかであり得、該核酸中で、所望の配
列が、異なる遺伝子環境間の輸送のためのまたは宿主細胞における発現のための制限およ
び連結により挿入され得る。RNAベクターもまた利用可能であるが、ベクターは、典型
的には、DNAで構成される。ベクターとしては、プラスミドおよびファージミドが挙げ
られるが、これらに限定されない。クローニングベクターは、宿主細胞中で複製すること
ができ、1個以上のエンドヌクレアーゼ制限部位によって更に特徴づけられ、該部位でベ
クターを判定可能な方法で切ることができ、該部位中に、新しい組換えベクターが宿主細
胞中で複製する能力を保持するように所望のDNA配列を連結することができる。プラス
ミドの場合、所望の配列の複製は、宿主細菌内でプラスミドの複製数が増加するにつれ何
度も発生し得る、または宿主が有糸分裂によって繁殖する前に宿主毎に1回のみ発生し得
る。ファージの場合、複製は溶菌相の間に能動的に、または溶原性相の間に受動的に発生
し得る。発現ベクターは、所望のDNA配列が、それが調節配列に作動可能に結合されて
RNA転写物として発現され得るように、制限および連結により挿入され得るものである
。ベクターは、ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた細胞の識別および選択
での使用に好適な1個以上のマーカー配列を更に含み得る。マーカーとしては、例えば、
抗生物質または他の化合物に対して耐性または感受性のいずれかを増加または減少させる
タンパク質をコードする遺伝子、活性が当該技術分野で公知の標準的なアッセイにより検
出される酵素をコードする遺伝子(例えば、β-ガラクトシダーゼまたはアルカリホスフ
ァターゼ)、ならびに形質転換またはトランスフェクトされた細胞、宿主、コロニー、ま
たはプラークの表現型に可視的に影響を与える遺伝子が挙げられる。ベクターの例として
は、動作可能に結合されているDNAセグメント中に存在する構造的遺伝子産物の自律複
製および発現が可能なものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
上記の配列番号1のゲノム配列は、CedPVのヌクレプラスミド(nuclepla
smid)タンパク質(「Nタンパク質」)、リンタンパク質(「Pタンパク質」)、マ
トリックスタンパク質(「Mタンパク質」)、融合タンパク質(「Fタンパク質」)、糖
タンパク質または付着タンパク質(「Gタンパク質」)、および大型タンパク質(「Lタ
ンパク質」)をコードする。加えて、P遺伝子もまた、CedPVのCタンパク質をコー
ドする。「タンパク質」および「ポリペプチド」という用語は、本明細書において同義的
にアミノ酸のポリマーを指す。
【0025】
ポリペプチドに関して本明細書で使用されるとき、「実質的に純粋な」という用語は、
ポリペプチドが、それの意図された使用のために実用的かつ適切な程度に自然またはイン
ビボ系において見出され得る他の物質を本質的に含まないことを意味する。具体的には、
ポリペプチドは十分に純粋であり、その宿主細胞の他の生体成分を十分な程度に含まず、
例えば、抗体を産生する、配列決定する、または医薬調製物を産生するのに有用である。
当該技術分野で周知の技術によって、実質的に純粋なポリペプチドは、本明細書に開示さ
れた核酸およびアミノ酸配列に照らして産生され得る。本発明の実質的に精製されたポリ
ペプチドが、医薬調製物中の薬学的に許容される担体と混合され得るので、ポリペプチド
は、調製物の重量の一定割合のみを含み得る。それでもなお、ポリペプチドは、それが生
物系において関連し得る物質から実質的に分離されているという点で実質的に純粋である
【0026】
核酸およびタンパク質に関して本明細書で使用されるとき、「単離された」という用語
は、その天然環境で見出されないことを意味し、これらの状況を含むが、これらに限定さ
れない:(i)例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってインビトロで増幅され
る(ii)クローニングするおよび/または培養することによって組換え的に産生される
(iii)開裂およびゲル分離によって精製される(iv)調製されたプラスミドまたは
発現ベクターの一部である、または(v)例えば、化学合成などによって合成される。単
離された核酸は、当該技術分野で周知の組換えDNA技術によって容易に操作可能なもの
である。したがって、ベクターに含まれるヌクレオチド配列であって、5’および3’制
限部位がそれで知られているか、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマー配列
がそれに関して開示されている、ベクターに含まれるヌクレオチド配列は、単離されてい
ると考えられるが、その自然宿主中にその天然状態で存在する核酸配列はそうではない。
単離された核酸またはタンパク質は、実質的に精製されてもよいが、そうである必要はな
い。例えば、クローニングベクターまたは発現ベクター内で単離された核酸は、それが常
駐する細胞内物質の微小な割合のみを含み得るという点で純粋ではない。しかしながら、
それは当業者に公知の標準的な技術により容易に操作されるため、この用語が本明細書で
使用されるとき、このような核酸は単離されている。
【0027】
上記の配列番号1のヌクレオチド配列を参照すると、Nタンパク質のコード配列は、位
置144で始まり、1676で終了し、配列番号2に開示されているように510アミノ
酸長のポリペプチドをもたらす。したがって、本発明は、配列番号2のアミノ酸配列をコ
ードする核酸を提供する。加えて、本発明はまた、配列番号1の位置144~1673に
あるヌクレオチド配列と少なくとも約60%、61%、62%、63%、64%、65%
、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%
、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%
、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%
、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリヌクレオチド配列を有す
る核酸を提供する。
【0028】
本発明はまた、ポリペプチド、CedPV N-タンパク質の誘導体および断片を提供
する。特に、本発明は、配列番号2のポリペプチドと少なくとも約60%、61%、62
%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72
%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82
%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92
%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一の
ポリペプチドを提供する。本明細書で使用されるとき、参照ポリペプチドの「誘導体」は
、参照ポリペプチドと100%未満のアミノ酸同一性を有するポリペプチドである。例え
ば、本発明は、本明細書に記載のCedPV Nタンパク質の誘導体を提供する。本発明
はまた、配列番号2のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドを提供す
る。
【0029】
本発明はまた、配列番号2のポリペプチドの断片を提供する。本明細書で使用されると
き、参照ポリペプチドの断片は、参照ポリペプチドの長さ未満の長さを有するポリペプチ
ドである。この断片は、断片を含有する分子の全長が参照タンパク質を超えるように、キ
メラタンパク質などのより大きな分子内にあってもよい。配列番号2のポリペプチド断片
は、少なくとも約15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65
、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、1
25、130、135、140、145、150、155、160、165、170、1
75、180、185、190、195、200、205、210、215、220、2
25、230、235、240、245、250、255、260、265、270、2
75、280、285、290、295、300、305、310、315、320、3
25、330、335、340、345、350、355、360、365、370、3
75、380、385、390、395、400、405、410、415、420、4
25、430、435、440、445、450、455、460、465、470、4
75、480、485、490、495、500、505、506、507、508、ま
たは509アミノ酸長の断片であり得る。本明細書で使用されるとき、上記で開示された
断片の長さはまた、一定の範囲内のいくつかのアミノ酸を有するポリペプチドを示すため
に使用される。例えば、本明細書で使用されるとき、「配列番号2のポリペプチド断片は
、少なくとも約15、20、25、30...アミノ酸長の断片であり得る」によって、
断片が15~20アミノ酸長であり得る、および断片が20~25アミノ酸長であり得る
などを意味する。配列番号2のポリペプチド断片(例えば、「少なくとも約...440
、445...アミノ酸長」)として、440~445アミノ酸長であるポリペプチド断
片が挙げられることを当業者は認識するであろう。
【0030】
【表2】
【0031】
上記の配列番号1のヌクレオチド配列を参照すると、Pタンパク質のコード配列は、位
置2112で始まり、4325で終了し、配列番号3に開示されているように737アミ
ノ酸長のポリペプチドをもたらす。したがって、本発明は、配列番号3のアミノ酸配列を
コードする核酸を提供する。加えて、本発明はまた、配列番号1の位置2112~432
5にあるポリヌクレオチド配列と少なくとも約60%、61%、62%、63%、64%
、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%
、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%
、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%
、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリヌクレオチド配
列を有する核酸を提供する。
【0032】
本発明はまた、ポリペプチド、CedPV P-タンパク質の誘導体および断片をコー
ドする核酸分子を提供する。特に、本発明は、配列番号3のポリペプチドと少なくとも約
60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、
70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、
80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、
90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、
または100%同一のポリペプチドを提供する。本発明はまた、配列番号3のアミノ酸配
列を含むか、またはそれからなるポリペプチドを提供する。
【0033】
配列番号3のポリペプチド断片は、少なくとも約15、20、25、30、35、40
、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、10
5、110、115、120、125、130、135、140、145、150、15
5、160、165、170、175、180、185、190、195、200、20
5、210、215、220、225、230、235、240、245、250、25
5、260、265、270、275、280、285、290、295、300、30
5、310、315、320、325、330、335、340、345、350、35
5、360、365、370、375、380、385、390、395、400、40
5、410、415、420、425、430、435、440、445、450、45
5、460、465、470、475、480、485、490、495、500、50
5、510、515、520、525、530、535、540、545、550、55
5、560、565、570、575、580、585、590、595、600、60
5、610、615、620、625、630、635、640、645、650、65
5、660、665、670、675、680、685、690、695、700、70
5、710、715、720、725、730、731、732、733、734、73
5、または736アミノ酸長の断片であり得る。本明細書で使用されるとき、上記で開示
された断片の長さはまた、一定の範囲内のいくつかのアミノ酸を有するポリペプチドを示
すために使用される。例えば、本明細書で使用されるとき、「配列番号3のポリペプチド
断片は、少なくとも約15、20、25、30...アミノ酸長の断片であり得る」によ
って、断片が15~20アミノ酸長であり得る、および断片が20~25アミノ酸長であ
り得るなどを意味する。配列番号3のポリペプチド断片(例えば、「少なくとも...約
720、725...アミノ酸長」)として、720~725アミノ酸長であるポリペプ
チド断片が挙げられることを当業者は認識するであろう。
【0034】
【表3】
【0035】
Cタンパク質のコード配列は、Pタンパク質をコードする配列内にあり、(配列番号1
の)位置2137から始まり、位置2670で終了し、配列番号4に開示されているよう
に177アミノ酸長のポリペプチドをもたらす。したがって、本発明は、配列番号4のア
ミノ酸配列をコードする核酸を提供する。加えて、本発明はまた、配列番号1の位置21
37~2670にあるポリヌクレオチド配列と少なくとも約60%、61%、62%、6
3%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、7
3%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、8
3%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、9
3%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリヌ
クレオチド配列を有する核酸を提供する。
【0036】
本発明はまた、ポリペプチド、CedPV C-タンパク質の誘導体および断片をコー
ドする核酸分子を提供する。特に、本発明は、配列番号4のポリペプチドと少なくとも約
60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、
70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、
80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、
90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、
または100%同一のポリペプチドを提供する。本発明はまた、配列番号4のアミノ酸配
列を含むか、またはそれからなるポリペプチドを提供する。
【0037】
配列番号4のポリペプチド断片は、少なくとも約15、20、25、30、35、40
、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、10
5、110、115、120、125、130、135、140、145、150、15
5、160、165、166、167m 168、169、170、171、172、1
73、174、175、または176アミノ酸長の断片であり得る。本明細書で使用され
るとき、上記で開示された断片の長さはまた、一定の範囲内のいくつかのアミノ酸を有す
るポリペプチドを示すために使用される。例えば、本明細書で使用されるとき、「配列番
号4のポリペプチド断片は、少なくとも約15、20、25、30...アミノ酸長の断
片であり得る」によって、断片が15~20アミノ酸長であり得る、および断片が20~
25アミノ酸長であり得るなどを意味する。配列番号4のポリペプチド断片(例えば、「
少なくとも...約140、145...アミノ酸長」)として、140~145アミノ
酸長であるポリペプチド断片が挙げられることを当業者は認識するであろう。
【0038】
【表4】
【0039】
上記の配列番号1のヌクレオチド配列を参照すると、Mタンパク質のコード配列は、位
置4635で始まり、5717で終了し、配列番号5に開示されているように360アミ
ノ酸長のポリペプチドをもたらす。したがって、本発明は、配列番号5のアミノ酸配列を
コードする核酸を提供する。加えて、本発明はまた、配列番号1の位置4635~571
7にあるポリヌクレオチド配列と少なくとも約60%、61%、62%、63%、64%
、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%
、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%
、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%
、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリヌクレオチド配
列を有する核酸を提供する。
【0040】
本発明はまた、ポリペプチド、CedPV M-タンパク質の誘導体および断片をコー
ドする核酸分子を提供する。特に、本発明は、配列番号5のポリペプチドと少なくとも約
60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、
70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、
80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、
90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、
または100%同一のポリペプチドを提供する。本発明はまた、配列番号5のアミノ酸配
列を含むか、またはそれからなるポリペプチドを提供する。
【0041】
配列番号5のポリペプチド断片は、少なくとも約15、20、25、30、35、40
、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、10
5、110、115、120、125、130、135、140、145、150、15
5、160、165、170、175、180、185、190、195、200、20
5、210、215、220、225、230、235、240、245、250、25
5、260、265、270、275、280、285、290、295、300、30
5、310、315、320、325、330、335、340、345、350、35
1、352、353、354、355、356、357、358、または359アミノ酸
長の断片であり得る。本明細書で使用されるとき、上記で開示された断片の長さはまた、
一定の範囲内のいくつかのアミノ酸を有するポリペプチドを示すために使用される。例え
ば、本明細書で使用されるとき、「配列番号5のポリペプチド断片は、少なくとも約15
、20、25、30...アミノ酸長の断片であり得る」によって、断片が15~20ア
ミノ酸長であり得る、および断片が20~25アミノ酸長であり得るなどを意味する。配
列番号5のポリペプチド断片(例えば、「少なくとも...約280、285...アミ
ノ酸長」)として、280~285アミノ酸長であるポリペプチド断片が挙げられること
を当業者は認識するであろう。
【0042】
【表5】
【0043】
上記の配列番号1のヌクレオチド配列を参照すると、Fタンパク質のコード配列は、位
置6405で始まり、8078で終了し、配列番号6に開示されているように557アミ
ノ酸長のポリペプチドをもたらす。したがって、本発明は、配列番号6のアミノ酸配列を
コードする核酸を提供する。加えて、本発明はまた、配列番号1の位置6405~807
8にあるポリヌクレオチド配列と少なくとも約60%、61%、62%、63%、64%
、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%
、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%
、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%
、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリヌクレオチド配
列を有する核酸を提供する。
【0044】
本発明はまた、ポリペプチド、CedPV F-タンパク質の誘導体および断片をコー
ドする核酸分子を提供する。特に、本発明は、配列番号6のポリペプチドと少なくとも約
60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、
70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、
80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、
90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、
または100%同一のポリペプチドを提供する。本発明はまた、配列番号6のアミノ酸配
列を含むか、またはそれからなるポリペプチドを提供する。
【0045】
配列番号6のポリペプチド断片は、少なくとも約15、20、25、30、35、40
、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、10
5、110、115、120、125、130、135、140、145、150、15
5、160、165、170、175、180、185、190、195、200、20
5、210、215、220、225、230、235、240、245、250、25
5、260、265、270、275、280、285、290、295、300、30
5、310、315、320、325、330、335、340、345、350、35
5、360、365、370、375、380、385、390、395、400、40
5、410、415、420、425、430、435、440、445、450、45
5、460、465、470、475、480、485、490、495、500、50
5、510、515、520、525、530、535、540、545、546、54
7、548、549、550、551、552、553、554、555、または556
アミノ酸長の断片であり得る。本明細書で使用されるとき、上記で開示された断片の長さ
はまた、一定の範囲内のいくつかのアミノ酸を有するポリペプチドを示すために使用され
る。例えば、本明細書で使用されるとき、「配列番号6のポリペプチド断片は、少なくと
も約15、20、25、30...アミノ酸長の断片であり得る」によって、断片が15
~20アミノ酸長であり得る、および断片が20~25アミノ酸長であり得るなどを意味
する。配列番号6のポリペプチド断片(例えば、「少なくとも...約515、520.
..アミノ酸長」)として、515~520アミノ酸長であるポリペプチド断片が挙げら
れることを当業者は認識するであろう。
【0046】
【表6】
【0047】
Fタンパク質の断片の一例は、CedPVのF糖タンパク質の細胞外ドメインの全部ま
たは一部を含む可溶性CedPV F糖タンパク質である。F糖タンパク質の可溶性形態
は、F糖タンパク質の膜貫通および/または細胞質尾部ドメインの全部または一部を欠失
することによって産生され得る。例を挙げると、可溶性F糖タンパク質は、CePV F
糖タンパク質の完全な細胞外領域を含み得る。いくつかの実施形態において、可溶性F糖
タンパク質は、配列番号6においてK490の後で切り捨てられ得る。また、例を挙げる
と、可溶性F糖タンパク質は、細胞外領域の全部または一部とCedPV F糖タンパク
質の膜貫通ドメインの一部とを含み得る。更に例を挙げると、可溶性F(sF)糖タンパ
ク質のいくつかのバージョンは、主にタンパク質を固定する細胞質尾部および/または膜
貫通ドメインを除去することを介して、構築され得る。本明細書で使用されるとき、「可
溶性F糖タンパク質」または「F糖タンパク質の可溶性形態」または「sF糖タンパク質
」は、細胞外ドメインまたはその一部分を含有する天然F糖タンパク質の断片または一部
のためのアミノ酸配列を指す。sF糖タンパク質は、天然ウイルスF糖タンパク質と構造
的に類似している。
【0048】
本発明のsF糖タンパク質は、天然ウイルスF糖タンパク質と構造的に類似している。
例を挙げると、本発明のsF糖タンパク質は、CedPVを対象とするポリクローナル抗
体によって認識され得る。例を挙げると、本発明のsF糖タンパク質は、天然CedPV
F糖タンパク質に匹敵する(三量体などの)オリゴマー形態(複数可)で組み立て得る
【0049】
本発明のsFまたはsG糖タンパク質は、例えば、ワクチン開発と、ワクチンとしてま
たは組換えモノクローナル抗体の単離に使用されるときに抗ウイルス抗体を生成するため
に抗原として作用することとに好適である。sFまたはsG糖タンパク質は、天然のFま
たはG糖タンパク質を認識し得る抗体を生成するのに好適である。モノマーまたは三量体
などのオリゴマー形態で組み立てられる本発明のsFまたはsG糖タンパク質は、例えば
、構造に基づく抗ウイルス調査を支援するように更なる情報を提供するために結晶化およ
び構造決定のためなどに更に有用であり得る。本発明のsFまたはsG糖タンパク質のオ
リゴマー形態はまた、天然のFまたはG糖タンパク質およびその天然オリゴマー形態を認
識し得る抗体を更に生成し得る。「可溶性」という用語は、水性または非水性溶媒中で溶
解するタンパク質の能力に関係がない。
【0050】
上記の配列番号1のヌクレオチド配列を参照すると、Gタンパク質のコード配列は、位
置8268で始まり、10136で終了し、配列番号7に開示されているように622ア
ミノ酸長のポリペプチドをもたらす。したがって、本発明は、配列番号7のアミノ酸配列
をコードする核酸を提供する。加えて、本発明はまた、配列番号1の位置8268~10
136にあるポリヌクレオチド配列と少なくとも約60%、61%、62%、63%、6
4%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、7
4%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、8
4%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、9
4%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリヌクレオチ
ド配列を有する核酸を提供する。
【0051】
本発明はまた、ポリペプチド、CedPV G-タンパク質の誘導体および断片をコー
ドする核酸分子を提供する。特に、本発明は、配列番号7のポリペプチドと少なくとも約
60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、
70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、
80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、
90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、
または100%同一のポリペプチドを提供する。本発明はまた、配列番号7のアミノ酸配
列を含むか、またはそれからなるポリペプチドを提供する。
【0052】
配列番号7のポリペプチド断片は、少なくとも約15、20、25、30、35、40
、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、10
5、110、115、120、125、130、135、140、145、150、15
5、160、165、170、175、180、185、190、195、200、20
5、210、215、220、225、230、235、240、245、250、25
5、260、265、270、275、280、285、290、295、300、30
5、310、315、320、325、330、335、340、345、350、35
5、360、365、370、375、380、385、390、395、400、40
5、410、415、420、425、430、435、440、445、450、45
5、460、465、470、475、480、485、490、495、500、50
5、510、515、520、525、530、535、540、545、550、55
5、560、565、570、575、580、585、590、595、600、60
5、610、612、613、614、615、616、617、618、619、62
0、または621アミノ酸長の断片であり得る。本明細書で使用されるとき、上記で開示
された断片の長さはまた、一定の範囲内のいくつかのアミノ酸を有するポリペプチドを示
すために使用される。例えば、本明細書で使用されるとき、「配列番号7のポリペプチド
断片は、少なくとも約15、20、25、30...アミノ酸長の断片であり得る」によ
って、断片が15~20アミノ酸長であり得る、および断片が20~25アミノ酸長であ
り得るなどを意味する。配列番号7のポリペプチド断片(例えば、「少なくとも...約
300、305...アミノ酸長」)として、300~305アミノ酸長であるポリペプ
チド断片が挙げられることを当業者は認識するであろう。
【0053】
【表7】
【0054】
Gタンパク質CedPVの断片の例としては、ワクチン、診断、およびスクリーニング
の迅速な高処理量産生を可能にする天然ウイルスG糖タンパク質の特徴を保持するCed
PV Gタンパク質の可溶性形態が挙げられる。
【0055】
CedPV G糖タンパク質の可溶性形態は、G糖タンパク質の外部ドメイン(例えば
、細胞外)の少なくとも一部を含む。選択された実施形態において、CedPVは一般に
、G糖タンパク質の膜貫通ドメインの全部または一部と、G糖タンパク質の細胞質尾部の
全部または一部とを欠失することによって産生される。一実施形態において、CedPV
の可溶性Gタンパク質は、完全長のGタンパク質の細胞質領域の任意の部分を含まない。
別の実施形態において、CedPVの可溶性Gタンパク質は、膜貫通ドメインの任意の部
分を含まない。更に別の実施形態において、CedPVの可溶性Gタンパク質は、膜貫通
ドメインおよび細胞質ドメインの一部分を含まない。本明細書で使用されるとき、「可溶
性」という用語は単に、Gタンパク質が、その細胞質尾部の一部または全部を欠落してい
ること、またはGタンパク質が、膜貫通ドメインの全部または一部を欠落していること、
またはその両方を意味する。いくつかの実施形態において、可溶性G糖タンパク質は、配
列番号7においてK87の後で切り捨てられる。「可溶性」という用語は、水性または非
水性溶媒中で溶解するタンパク質の能力に関係がない。
【0056】
本発明の可溶性CedPV G糖タンパク質は、一般に、対応している天然ウイルス糖
タンパク質の1個以上の特徴(ウイルス宿主細胞受容体と相互作用するまたはそれに結合
する能力など)を保持し、モノマーおよび/またはオリゴマー形態(複数可)で産生され
得るか、または抗体(ウイルス中和抗体を含むが、これに限定されない)を誘発する能力
により、天然G糖タンパク質を認識することができる。付加的な特徴の例としては、宿主
細胞の感染を阻止または防止する能力が挙げられるが、これに限定されない。従来の方法
を用いて、1個以上の特徴について可溶性CedPV G糖タンパク質を評価し得る。使
用され得る方法の例としては、本明細書の実施例に記載のアッセイが挙げられるが、これ
に限定されない。
【0057】
上記の配列番号1のヌクレオチド配列を参照すると、Lタンパク質のコード配列は、位
置10572で始まり、18077で終了し、配列番号8に開示されているように250
1アミノ酸長のポリペプチドをもたらす。したがって、本発明は、配列番号8のアミノ酸
配列をコードする核酸を提供する。加えて、本発明はまた、配列番号1の位置10572
~18077にあるポリヌクレオチド配列と少なくとも約60%、61%、62%、63
%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73
%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83
%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93
%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリヌク
レオチド配列を有する核酸を提供する。
【0058】
本発明はまた、ポリペプチド、CedPV L-タンパク質の誘導体および断片をコー
ドする核酸分子を提供する。特に、本発明は、配列番号8のポリペプチドと少なくとも約
60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、
70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、
80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、
90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、
または100%同一のポリペプチドを提供する。本発明はまた、配列番号8のアミノ酸配
列を含むか、またはそれからなるポリペプチドを提供する。
【0059】
配列番号8のポリペプチド断片は、少なくとも約15、20、25、30、35、40
、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、10
5、110、115、120、125、130、135、140、145、150、15
5、160、165、170、175、180、185、190、195、200、20
5、210、215、220、225、230、235、240、245、250、25
5、260、265、270、275、280、285、290、295、300、30
5、310、315、320、325、330、335、340、345、350、35
5、360、365、370、375、380、385、390、395、400、40
5、410、415、420、425、430、435、440、445、450、45
5、460、465、470、475、480、485、490、495、500、50
5、510、515、520、525、530、535、540、545、550、55
5、560、565、570、575、580、585、590、595、600、60
5、610、615、620、625、630、635、640、645、650、65
5、660、665、670、675、680、685、690、695、700、70
5、710、715、720、725、730、735、740、745、750、75
5、760、765、770、775、780、785、790、795、800、80
5、810、815、820、825、830、835、840、845、850、85
5、860、865、870、875、880、885、890、895、900、90
5、910、915、920、925、930、935、940、945、950、95
5、960、965、970、975、980、985、990、995、1000、1
005、1010、1015、1020、1025、1030、1035、1040、1
045、1050、1055、1060、1065、1070、1075、1080、1
085、1090、1095、1100、1105、1110、1115、1120、1
125、1130、1135、1140、1145、1150、1155、1160、1
165、1170、1175、1180、1185、1190、1195、1200、1
205、1210、1215、1220、1225、1230、1235、1240、1
245、1250、1255、1260、1265、1270、1275、1280、1
285、1290、1295、1300、1305、1310、1315、1320、1
325、1330、1335、1340、1345、1350、1355、1360、1
365、1370、1375、1380、1385、1390、1395、1400、1
405、1410、1415、1420、1425、1430、1435、1440、1
445、1450、1455、1460、1465、1470、1475、1480、1
485、1490、1495、1500、1505、1510、1515、1520、1
525、1530、1535、1540、1545、1550、1555、1560、1
565、1570、1575、1580、1585、1590、1595、1600、1
605、1610、1615、1620、1625、1630、1635、1640、1
645、1650、1655、1660、1665、1670、1675、1680、1
685、1690、1695、1700、1705、1710、1715、1720、1
725、1730、1735、1740、1745、1750、1755、1760、1
765、1770、1775、1780、1785、1790、1795、1800、1
805、1810、1815、1820、1825、1830、1835、1840、1
845、1850、1855、1860、1865、1870、1875、1880、1
885、1890、1895、1900、1905、1910、1915、1920、1
925、1930、1935、1940、1945、1950、1955、1960、1
965、1970、1975、1980、1985、1990、1995、2000、2
005、2010、2015、2020、2025、2030、2035、2040、2
045、2050、2055、2060、2065、2070、2075、2080、2
085、2090、2095、2100、2105、2110、2115、2120、2
125、2130、2135、2140、2145、2150、2155、2160、2
165、2170、2175、2180、2185、2190、2195、2200、2
205、2210、2215、2220、2225、2230、2235、2240、2
245、2250、2255、2260、2265、2270、2275、2280、2
285、2290、2295、2300、2305、2310、2315、2320、2
325、2330、2335、2340、2345、2350、2355、2360、2
365、2370、2375、2380、2385、2390、2395、2400、2
405、2410、2415、2420、2425、2430、2435、2440、2
445、2450、2455、2460、2465、2470、2475、2480、2
485、2490、2491、2492、2593、2494、2495、2496、2
497、2498、2499、または2500アミノ酸長の断片であり得る。本明細書で
使用されるとき、上記で開示された断片の長さはまた、一定の範囲内のいくつかのアミノ
酸を有するポリペプチドを示すために使用される。例えば、本明細書で使用されるとき、
「配列番号8のポリペプチド断片は、少なくとも約15、20、25、30...アミノ
酸長の断片であり得る」によって、断片が15~20アミノ酸長であり得る、および断片
が20~25アミノ酸長であり得るなどを意味する。配列番号8のポリペプチド断片(例
えば、「少なくとも...約2050、2055...アミノ酸長」)として、2050
~2055アミノ酸長であるポリペプチド断片が挙げられることを当業者は認識するであ
ろう。
【0060】
【表8】
【0061】
参照アミノ酸配列(例えば、配列番号7)に対して少なくとも、例えば、約95%「同
一」であるアミノ酸配列を有するポリペプチドは、アミノ酸配列が参照アミノ酸配列の各
100アミノ酸当たり最大約5個の修飾を含み得ることを除いて、ポリペプチドのアミノ
酸配列が参照配列と同一であることを意味すると理解される。換言すれば、参照アミノ酸
配列と少なくとも約95%同一のアミノ酸配列を有するペプチドを得るために、参照配列
のアミノ酸残基の最大約5%が欠失し得るもしくは別のアミノ酸で置換され得る、または
参照配列中の全アミノ酸の最大約5%のいくらかのアミノ酸が、参照配列中に挿入され得
る。参照配列のこれらの修飾は、参照アミノ酸配列のN末端またはC末端の位置またはそ
れらの末端位置の間のどこかで発生し得、参照配列中のアミノ酸の間で個別に、または参
照配列内の1個以上の連続した基中のいずれかにおいて散在する。
【0062】
本明細書で使用されるとき、「同一性」は、参照ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列
と比較して、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の同一性の尺度である。一般的に、配
列は、最上位の一致が取得されるように整列される。「同一性」それ自体は、当技術分野
で認識された意味を有し、公表された技術を用いて計算することができる。(例えば、C
omputational Molecular Biology, Lesk,A.M
.,ed.,Oxford University Press,New York(1
988);Biocomputing:Informatics And Genome
Projects,Smith,D.W.,ed.,Academic Press,
New York(1993);Computer Analysis of Sequ
ence Data,Part I,Griffin,A.M.,and Griffi
n,H.G., eds.,Humana Press,New Jersey(199
4);von Heinje,G.,Sequence Analysis In Mo
lecular Biology,Academic Press(1987);and
Sequence Analysis Primer,Gribskov,M.and
Devereux,J.,eds.,M Stockton Press,New Y
ork(1991)を参照されたい)。2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列
間の同一性を測定するためのいくつかの方法があるが、「同一性」という用語は、当業者
に周知である(Carillo,H.&Lipton,D.,Siam J Appli
ed Math 48:1073(1988))。2個の配列間の同一性または類似性を
判定するために一般的に使用される方法としては、Guide to Huge Com
puters,Martin J.Bishop,ed.,Academic Pres
s,San Diego(1994)and Carillo,H.&Lipton,D
.,Siam J Applied Math 48:1073(1988)に開示され
ているものが挙げられるが、これらに限定されない。コンピュータプログラムはまた、同
一性および類似性を計算する方法およびアルゴリズムを含み得る。2つの配列間の同一性
および類似性を判定するコンピュータプログラム法の例としては、GCGプログラムパッ
ケージ(Devereux,J.,et al.,Nucleic Acids Res
earch 12(i):387(1984))、BLASTP、ExPASy、BLA
STN、FASTA(Atschul,S.F.,et al.,J Molec Bi
ol 215:403(1990))、およびFASTDBが挙げられるが、これらに限
定されない。同一性および類似性を判定するための方法の例が、参照により組み込まれる
Michaels,G.and Garian,R.,Current Protoco
ls in Protein Science,Vol 1,John Wiley&S
ons,Inc.(2000)において議論されている。
【0063】
本発明の一実施形態において、2個以上のポリペプチド間の同一性を判定するために使
用されるアルゴリズムは、BLASTPである。本発明の別の実施形態において、2個以
上のポリペプチド間の同一性を判定するために使用されるアルゴリズムはFASTDBで
あり、これはBrutlagらのアルゴリズムに基づいている(Comp.App.Bi
osci.6:237-245(1990)、参照により組み込まれる)。FASTDB
配列整列において、クエリ配列および参照配列は、アミノ酸配列である。配列整列の結果
は、パーセント同一性による。一実施形態では、同一性パーセントを計算するためにアミ
ノ酸配列のFASTDB整列において使用され得るパラメータとしては、以下が挙げられ
るが、これらに限定されない:マトリックス=PAM、K-タプル=2、不一致ペナルテ
ィ=1、結合ペナルティ=20、無作為化グループ長=0、カットオフ得点=1、隙間ペ
ナルティ=5、隙間サイズペナルティ0.05、ウィンドウサイズ=500または対象ア
ミノ配列の長さのうちのいずれか短い方。
【0064】
内部付加または欠失のためではなくN末端またはC末端の付加または欠失のために、参
照配列がクエリ配列よりも短いまたは長い場合、FASTDBプログラムが、同一性パー
セントを計算するときにN末端およびC末端の切断または参照配列の付加を考慮しないた
めに、手動で補正を行うことができる。参照配列に対してN末端またはC末端で切断され
たクエリ配列について、同一性パーセントは、クエリ配列の全塩基のパーセントとして、
一致/整列していない参照配列に対して、N末端およびC末端であるクエリ配列の残基数
を計算することによって補正される。FASTDB配列整列の結果により、一致/整列を
判定する。整列パーセンテージは、次いで、同一性パーセントから減算され、最終同一性
パーセントの得点に到達するために、指定されたパラメータを用いて上記のFASTDB
プログラムによって計算される。この補正された得点は、整列が互いにどれだけ「対応す
る」か、ならびに同一性パーセンテージを判定する目的のために使用され得る。クエリ配
列のN末端またはC末端を越えて延在する参照配列の残基は、同一性パーセントの得点を
手動で調整する目的のためのものと考えられ得る。すなわち、比較配列のN末端またはC
末端と一致/整列しない残基は、同一性パーセント得点または整列番号付けを手動で調整
するとき、数えられる。
【0065】
例えば、90アミノ酸残基のクエリ配列は、同一性パーセントを判定するために100
残基の参照配列と整列される。欠失がクエリ配列のN末端で起こり、ゆえにFASTDB
整列は、N末端の最初の10残基の一致/整列を示さない。10個の不対残基は、参照配
列の10%を表し(N末端およびC末端における残基の数は一致しない/参照配列中の残
基の総数)、したがって、10%がFASTDBプログラムによって計算された同一性パ
ーセント得点から減算される。残りの90個の残基が完全に一致した(100%整列)場
合には、最終的な同一性パーセントは、90%(100%整列、10%不一致の突出)で
あろう。別の例では、欠失が内部欠失であることを除いて、90残基のクエリ配列は、1
00参照配列と比較される。この場合、FASTDBによって計算された同一性パーセン
トは、クエリと整合/整列されない対象配列のN末端またはC末端で残基が存在しないた
め、手動で補正されない。更に別の実施例において、110アミノ酸のクエリ配列は、同
一性パーセントを判定するために100残基の参照配列と整列される。クエリの付加がク
エリ配列のN末端で起こり、ゆえにFASTDB整列は、N末端の最初の10残基の一致
/整列を示さない場合もある。クエリ配列の残りの100個のアミノ酸残基が、参照配列
の全長に対して95%の同一性を有する場合、クエリのN末端付加は無視され、参照配列
に対するクエリの同一性パーセントは95%となるであろう。
【0066】
本明細書で使用されるとき、「に対応する(三人称含)」および「に対応している」と
いう用語は、それらが整列配列に関連するとき、参照タンパク質内の列挙された位置を意
味することが意図される(例えば、CedPV Gタンパク質、および参照タンパク質上
の位置と整列する修飾されるCedPV Gタンパク質におけるそれらの位置)。このよ
うに、対象CedPV Gタンパク質のアミノ酸配列が、参照CedPV Gタンパク質
のアミノ酸配列(例えば、配列番号7)と整列するとき、参照配列の一定の列挙された位
置「に対応する」対象配列中のアミノ酸は、参照配列(例えば、配列番号7)のこれらの
位置で整列するものであるが、参照配列のこれらの正確な数値位置にある必要は必ずしも
ない。配列間の対応しているアミノ酸を判定するために配列を整列するための方法が、本
明細書に記載されている。したがって、本発明は、配列が配列番号7の配列に対応する新
規のペプチドを提供する。
【0067】
発現ベクター系中へ本明細書に開示されたタンパク質をコードするポリヌクレオチドの
挿入から生じる変異体もまた、企図される。例えば、変異体は(通常、挿入)、修飾され
たタンパク質のアミノ末端および/またはカルボキシ末端は、別のポリペプチドに融合さ
れたときから生じ得る。
【0068】
別の態様において、本発明は、修飾されたタンパク質中の1つ以上のアミノ酸残基が、
除去される欠失変異体を提供する。欠失は、修飾されたタンパク質の一方または両方の末
端で、または修飾されたタンパク質の1つ以上の非末端アミノ酸残基の除去により、もた
らされ得る。欠失変異体は、したがって、修飾されたタンパク質の全ての断片を含む。
【0069】
開示された同一性パーセントの制限内で、本発明はまた、本発明の開示されたポリペプ
チドの置換変異体に関する。置換変異体は、修飾されたタンパク質の1つ以上のアミノ酸
残基が除去され、代替の残基と置換されるそれらのポリペプチドを含む。一態様では、置
換は本来保存的であるが、しかしながら、本発明はまた、非保存的である置換を包含する
。以下の表に記載のように、この目的のための保存的置換が定義され得る。アミノ酸は、
物理的特性および二次および三次タンパク質構造に対する寄与に応じて分類され得る。保
存的置換は、類似の特性を有する別のアミノ酸のための1個のアミノ酸の置換として、当
該技術分野で認識されている。例示的な保存的置換は、以下の通りである。
【0070】
【表9】
【0071】
代替的に、保存的アミノ酸は、以下の通り、Lehninger,[Biochems
itry,Second Edition;Worth Publishers,Inc
.NY、N.Y.(1975),pp.71 77]に説明されるようにグループ化され
得る。
【0072】
【表10】
【0073】
更に他の代替的で例示的な保存的置換は、以下の通りである。
【0074】
【表11】
【0075】
本発明のペプチドまたはペプチドの定義は、アミノ酸残基の挿入、欠失、または置換以
外の修飾を有するポリペプチドを含むことが意図されていることを理解すべきである。例
を挙げると、修飾は本来共有結合性であり、例えば、ポリマー、脂質、他の有機および無
機部分との化学結合を含み得る。このような誘導体は、ポリペプチドの循環半減期を増加
させるように調製され得るか、または、所望の細胞、組織、または器官のためのポリペプ
チドの標的化能力を改善するように設計され得る。同様に、本発明は、ポリエチレングリ
コール、ポリオキシエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールのような1つ以
上の水溶性ポリマー付着を含むように共有結合的に修飾された修飾ペプチドを更に包含す
る。
【0076】
本発明はまた、特に、CedPVまたは本明細書で開示された任意のCedPVタンパ
ク質の断片に結合する抗体またはその断片を対象とする。
【0077】
具体的には、本発明は、シダーウイルスのG糖タンパク質の頭部の4個の疎水性ポケッ
トに結合する抗体または抗体断片を提供する。抗体は、モノクローナルまたはポリクロー
ナルであり得る。シダーウイルスは恐らく、とりわけ、少なくとも内皮細胞上に存在する
エフリンB2の膜貫通タンパク質に結合することによって、感染過程を開始する。特に、
エフリンB2タンパク質は、シダーウイルスのG糖タンパク質の頭部上の4個の疎水性結
合ポケット中に挿入する「GH-ループ領域」を含み、したがって、ウイルスが、細胞表
面タンパク質に特異的に結合し、感染プロセスを開始することを可能にする。エフリンB
2と結合するシダーウイルスの接触残基は、V507、F458、およびI401であり
、文字は標準的なアミノ酸の標準一文字略号を指し、番号は本明細書に開示された配列に
従って、配列番号7のアミノ酸番号を指す。このように、抗体または抗体断片であり、抗
体が、その全体が参照により本明細書に組み込まれる国際出願第PCT/US05/04
0050号および同第PCT/US12/35806号に開示されている抗体のいずれで
もないのであれば、本発明は、V507/F458/I401で定義されたシダーウイル
スの非直線エピトープに結合する抗体または抗体断片を提供する。
【0078】
例えば、本発明に包含される抗体としては、CedPV G糖タンパク質に特異的な抗
体、ヘンドラウイルスG糖タンパク質と交差反応する抗体、および/またはニパウイルス
G糖タンパク質および中和抗体が挙げられるが、これらに限定されない。例を挙げると、
中和抗体の特徴としては、宿主細胞の感染を阻止または防止する能力が挙げられるが、こ
れに限定されない。本発明の抗体はまた、当該技術分野で公知の方法を使用して特徴付け
され得る。
【0079】
本発明において有用な抗体は、抗体のグリコシル化変異体、抗体のアミノ酸配列変異体
、および共有結合的に修飾された抗体を含め、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体
、抗体断片(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、Fcなど)、キメラ抗
体、二重特異性抗体、ヘテロ接合抗体、単鎖(ScFv)、それらの変異体、抗体部分を
含む融合タンパク質、ヒト化抗体、および必要な特異性の抗原認識部位を含む免疫グロブ
リン分子のあらゆる他の修正された構成を包含することができる。抗体の例は、マウス、
ラット、ヒト、霊長類、または(キメラ抗体またはヒト化抗体を含む)他の任意の起源か
ら派生する。
【0080】
モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を調製する方法は、当該技術分野におい
て周知である。ポリクローナル抗体は、例えば、免疫剤、必要に応じて、補助剤、の1回
以上の注射により、哺乳類において高められ得る。補助剤の例としては、キーホールリン
ペット、ヘモシアニン、血清アルブミン、ウシチログロブリン、大豆トリプシン阻害剤、
フロインド完全補助剤、およびMPL-TDM補助剤が挙げられるが、これらに限定され
ない。免疫化プロトコルは、当業者によって判定され得る。
【0081】
抗体は、代替的に、モノクローナル抗体であり得る。モノクローナル抗体は、ハイブリ
ドーマ法を用いて産生され得る(例えば、Kohler,B.and Milstein
,C.(1975)Nature 256:495-497を、またはBuck,D.W
.,et al.,In Vitro,18:377-381(1982)による修正と
して参照されたい)。
【0082】
所望の場合、目的の抗体が配列決定され得、次いで、ポリヌクレオチド配列が、発現ま
たは増殖のためにベクター中にクローニングされ得る。目的の抗体をコードする配列は、
宿主細胞中のベクター中に維持され得、次いで、宿主細胞が拡大し、将来の使用のために
凍結され得る。代替的な方法では、ポリヌクレオチド配列は、抗体の「ヒト化」または親
和性、抗体もしくは他の特徴を改善するように遺伝子操作のために使用され得る(例えば
、G糖タンパク質に対してより大きな親和性、および/または宿主細胞受容体に対してシ
ダーウイルス、ヘンドラ、またはニパウイルスの融合を阻害するより大きな効力を得るよ
うに抗体配列を遺伝的に操作する)。
【0083】
抗体はまた、当該技術分野で既知の方法によってヒト化され得る。例えば、参照により
組み込まれる米国特許第4,816,567号、同第5,807,715号、同第5,8
66,692号、同第6,331,415号、同第5,530,101号、同第5,69
3,761号、同第5,693,762号、同第5,585,089号、および同第6,
180,370号を参照されたい。更に別の実施形態において、完全なヒト抗体は、特定
のヒト免疫グロブリンタンパク質を発現するように操作された市販のマウスを使用するこ
とによって取得され得る。
【0084】
別の実施形態において、抗体は、組換え的に生成され、当該技術分野で既知の任意の方
法を用いて発現させることができる。例を挙げると、抗体は、ファージディスプレイ技術
により組換え的に生成され得る。例えば、参照により組み込まれる米国特許第5,565
,332号、同第5,580,717号、同第5,733,743号、および同第6,2
65,150号、ならびにWinter et al.,Annu.Rev.Immun
ol.12:433-455(1994)を参照されたい。代替的に、ファージディスプ
レイ技術(McCafferty et al.,Nature 348:552-55
3(1990))を使用して、インビトロでヒト抗体および抗体断片を産生することがで
きる。ファージディスプレイは多様な形式で実施され得る(審査には、例えば、John
son,Kevin S,and Chiswell,David J.,Curren
t Opinion in Structural Biology 3:564-57
1(1993)を参照されたい)。例を挙げると、本明細書中に記載の可溶性G糖タンパ
ク質は、これらの技術によって組換え抗体を単離する目的のための抗原として使用するこ
とができる。
【0085】
抗体は、宿主動物から抗体および抗体産生細胞を最初に単離し、遺伝子配列を得て、宿
主細胞(例えば、CHO細胞)において組換え的に抗体を発現させる遺伝子配列を用いる
ことによって、組換え的に生成され得る。使用され得る別の方法は、植物(例えば、タバ
コ)における抗体配列またはトランスジェニックミルクを発現させることである。植物ま
たは牛乳中で組換え的に抗体を発現させるための方法が開示されている。例えば、参照に
より組み込まれるPeeters,et al.Vaccine 19:2756(20
01)、Lonberg,N.and D.Huszar Int.Rev.Immun
ol 13:65(1995)、およびPollock,et al.,J Immun
ol Methods 231:147(1999)を参照されたい。抗体の誘導体(例
えば、ヒト化された単鎖など)を作るための方法は、当技術分野で既知である。
【0086】
本発明の抗体は、例えば、生体試料もしくは検体中で、CedPV G糖タンパク質を
単離もしくは精製する、またはヘンドラもしくはニパG糖タンパク質を検出するために使
用する従来の方法によって担体に結合され得る。代替的に、例を挙げると、本発明の中和
抗体は、感染したか、またはヘンドラ、ニパ、および/またはシダーウイルスに感染して
いる疑いのある対象に受動的免疫療法として投与され得る。「対象」および「患者」とい
う用語は同義的に使用され、ヒト、サル、家畜、競技用動物、およびペットを含むが、こ
れらに限定されない。獣医学的使用もまた、本発明によって包含される。
【0087】
診断
【0088】
本発明のタンパク質、タンパク質断片、および/または抗体は、シダーウイルスについ
て様々な免疫アッセイで使用され得る。本発明の発現された組換えタンパク質の断片は、
高品質管理により産生され得、生体試料中の抗体を検出する目的のための抗原として好適
である。例を挙げれば、限定ではなく、可溶性CedPV G糖タンパク質は、対象の生
体試料中で抗体を検出するためにELISAアッセイにおいて抗原として使用することが
できる。
【0089】
本発明のプライマーおよびプローブを含む核酸はまた、シダーウイルスのための様々な
アッセイで使用される。本発明のプライマーおよびプローブを使用して、対象におけるシ
ダーウイルスをコードするリボ核酸の存在を検出する。本発明はまた、核酸増幅技術(例
えば、逆転写酵素PCR法)を利用するシダーウイルスの存在を検出するための方法を含
み、該方法は、DNAポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ)を用いて行われる変
性、プライマーアニーリング、および拡張の繰り返し周期を利用し、由来する核酸におけ
る指数関数的な増加につながり、ウイルスの存在の検出を容易にする。
【0090】
ワクチン
【0091】
本発明はまた、シダーウイルスのためのワクチンに関する。一態様において、ワクチン
は、ワクチンに基づくDNAである。当業者は、インビボでの外因性タンパク質の発現を
得るために発現ベクターの投与に精通している。例えば、米国特許第6,436,908
号、同第6,413,942号、および同第6,376,471号を参照されたい。所望
のポリヌクレオチドの送達および所望の細胞内での発現のためのウイルスに基づくベクタ
ーは当該技術分野で周知であり、非限定的な実施例が本明細書に記載されている。別の態
様において、ワクチンは、タンパク質に基づき、本発明のタンパク質の1つ以上の断片、
またはタンパク質の断片を含む。タンパク質断片の例としては、外部ドメイン、トランス
膜ドメイン、細胞質ドメイン、それらの機能部分、ならびに中和抗体に特異的に反応する
部分が挙げられるが、それらに限定されない。ワクチンはまた、感染に対するより迅速な
処置ならびに予防のための抗体に基づくワクチンであり得る。
【0092】
発現ベクターの投与としては、注射、経口投与、粒子銃、またはカテーテル挿入投与、
および局所投与を含む、局所投与または全身投与が挙げられるが、これらに限定されない
。発現ベクターまたはサブゲノムのポリヌクレオチドを含有する治療用組成物の標的送達
もまた、使用することができる。受容体媒介性DNA送達技術については、例えば、Fi
ndeis et al.,Trends Biotechnol.(1993)11:
202;Chiou et al.,Gene Therapeutics:Metho
ds And Applications Of Direct Gene Trans
fer(J.A.Wolff,ed.)(1994);Wu et al.,J.Bio
l.Chem.(1988)263:621;Wu et al.,J.Biol.Ch
em.(1994)269:542;Zenke et al., Proc. Nat
l.Acad.Sci.USA(1990)87:3655;Wu et al.,J.
Biol.Chem.(1991)266:338に記載されている。
【0093】
非ウイルス送達ビヒクルおよび方法はまた、死滅したアデノウイルスに単独で連結され
ているまたは連結されていないポリイーショニック(polyeationic)濃縮D
NA(例えば、Curiel,Hum.Gene Ther.(1992)3:147を
参照されたい)、リガンド連結DNA(例えば、Wu,J.Biol.Chem.(19
89)264:16985を参照されたい)、真核細胞送達ビヒクル細胞(例えば、米国
特許第5,814,482号、PCT国際公開特許第WO95/07994号、同第WO
96/17072号、同第WO95/30763号、および同第WO97/42338号
を参照されたい)(これらの全てが参照により組み込まれる)、および細胞膜を有する核
電荷中和または融合に対して採用され得るが、これらに限定されない。裸のDNAもまた
採用され得る。例示的な裸のDNA導入方法は、参照により組み込まれるPCT国際公開
特許第WO90/11092号および米国特許第5,580,859号に記載されている
。遺伝子送達ビヒクルとして作用し得るリポソームは、参照により組み込まれる米国特許
第5,422,120号、PCT国際公開特許第WO95/13796号、同第WO94
/23697号、同第WO91/14445号、および欧州公開特許第EP052496
8号に記載されている。更なる手法が、参照により組み込まれるPhilip,Mol.
Cell.Biol.(1994)14:2411、およびWoffendin,Pro
c.Natl.Acad.Sci.(1994)91:1581に記載されている。
【0094】
ヒトへの投与のために、タンパク質またはその断片をコードするポリヌクレオチドを含
むコドンが、ヒトへの使用のために最適化され得る。
【0095】
本発明の別の態様において、可溶性CedPV G糖タンパク質は、サブユニットのワ
クチンとして使用される。可溶性CedPV糖タンパク質またはそれらの組み合わせは、
それら自体で、または補助剤と組み合わせて投与され得る。補助剤の例としては、アルミ
ニウム塩、水中土壌乳剤、水中油型乳剤、サポニン、QuilAおよびその誘導体、イス
コム、リポソーム、ガンマインターフェロンまたはインターロイキン12を含むサイトカ
イン、DNA、固体または半固体粒子でのマイクロカプセル化、フロインド完全および不
完全補助剤またはムラミルジペプチドおよび類似体を含むその活性成分、DEAEデキス
トラン/鉱物油、アルヒドロゲル、アウスファーム(Auspharm)補助剤、および
アルガムリン(Algammulin)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
可溶性CedPV G糖タンパク質またはそれらの組み合わせを含むサブユニットのワ
クチンは、経口投与、静脈内投与、皮下投与、動脈内投与、筋肉内投与、心臓内投与、脊
髄内投与、胸腔内投与、腹腔内投与、脳室内投与、舌下投与、および/または経皮的に投
与することができる。
【0097】
用量および投与のスケジュールは、当該分野で既知の方法によって決定することができ
る。可溶性CedPV G糖タンパク質、またはシダー、ヘンドラ、ニパウイルス、また
は関連ヘニパウイルスウイルスのためのワクチンとしてのそれらの組み合わせの有効性は
また、当技術分野で既知の方法によって評価され得る。
【0098】
実施例
実施例1
尿(約0.5~1ml)を、オーストラリア南東クイーンズランドのシダーグローブで
オオコウモリのコロニーの下に配置されたプラスチックシートから収集した(主に、混合
された集団におけるいくらかのペトロパスポリオセファラス(Pteropus pol
iocephalus)を有するオオコウモリ属アレクト)0.5mlのウイルス輸送培
地(SPGA:スクロース、リン酸塩、グルタミン酸塩、およびアルブミン、ならびにペ
ニシリン、ストレプトマイシン、およびファンギゾンの混合物)を含有する2mlの管中
にプールした。管を、収集後、一時的に氷上で保存し、クイーンズランドの実験室に輸送
し、-80℃で凍結した。試料を4℃で解凍し、破片をペレット化し、1分間16,00
0×gで遠心分離した。上清(約0.5~1ml)中の尿を、細胞培養培地中で1:10
に希釈した。
【0099】
希釈された尿を、5分間1,200×gで遠心分離し、75cmの組織培養フラスコ
中でベロ、パキ、PaBr、PaSp、およびPaPl細胞単層の上に均等に分割した。
この研究で使用された細胞株は、ベロ(ATCC)、HeLa-USU(22)、および
腎臓(パキ)、脳(PaBr)、(脾臓)PaSp、および胎盤(PaPl)から派生し
たオオコウモリ属アレクトの一次細胞株であった。細胞は、37℃で5%のCOの存在
下で、二重強度の抗生物質-抗真菌剤(インビトロゲン)、10μg/mlのシプロフロ
キサシン(MP Biomedicals)、および10%のウシ胎児血清で補充された
Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium Nutri
ent Mixture F-12 Ham中で増殖した。フラスコを37℃で2時間揺
動し、14mlの新鮮な細胞培養培地を添加し、次いで、37℃で7日間インキュベート
した。毒性、汚染、またはウイルス細胞変性効果(CPE)について、フラスコを毎日観
察した。
【0100】
多核体CPEが、2個の異なる尿試料の接種の5日後(dpi)、腎細胞(パキ)単層
において観察された。CPEは、4個の他の細胞株のいずれにおいても観察されなかった
。上清収穫6dpiを使用して、新鮮なパキ細胞単層に接種した。パキ細胞内の2回の通
過後、ウイルスはベロ細胞中で感染し、CPEを引き起こすことが可能であった。しかし
ながら、ベロ細胞におけるウイルスのCPEの形態は、HeV感染のものとは異なってい
た。HeV特異的PCRプライマーを用いた更なる分析は、新規コウモリウイルスがHe
Vの分離株ではないことが示された。
【0101】
実施例2
多核体CPEを示す実施例1の細胞を、全ての既知のパラミクソウイルスおよびパラミ
クソウイルスのサブセットのための広く公開されている反応性プライマー(31)を使用
してスクリーニングした。PCR産物をゲル抽出し、M13プライマーを使用して、配列
決定を容易にするようにpGEM T-Easy(Promega)中にクローニングさ
れた。配列を取得し、初期分類を可能にする既知のパラミクソウイルス配列と整列させた
【0102】
全体のゲノム配列を、454個の配列決定(43)と、従来のサンガー配列決定の組み
合わせを使用して分析した。組織培養上清からのビリオンを、30,000×gで60分
間の遠心分離により回収し、140μlのPBS中に再懸濁させ、QIAamp Vir
al RNAミニキット(Qiagen)を使用して、RNA抽出のための560μlの
新たに作られたAVLと混合した。cDNAおよび無作為増幅の合成を、公開された手順
(44)の改変を用いて実行した。簡潔に述べると、cDNA合成を、17マー定義プラ
イマー配列に連結する無作為オクトマ(octomer)を使用して実施した:(5’-
GTTTCCCAGTAGGTCTCNNN NNNNN-3’)およびSupersc
ript III Reverse Transcriptase(Life Tech
nologies)。8μlのds-cDNAを、200μlのPCR反応物中でホット
スタートTaqポリメラーゼ酵素(Promega)および5’-A*G*C*A*C
TGTAGGTTTCCCAGTAGGTCTC-3’(*はチオール修飾を意味する)
を用いて、5分間95℃での初期変性ステップの後、95℃/1分間、48℃/1分間、
72℃/1分間の40周期、増幅プライマーとして増幅し、その後、QIAquick
PCR精製キット(Qiagen)で精製した。ロシュ454配列決定のための試料調製
(454 Life Sciences Branford、コネチカット州、アメリカ
)を、製造業者が示唆するプロトコル(Rapid Library Preparat
ion and emPCR Lib-L SV)に従って実施した。
【0103】
正確なCedPVのゲノム配列を取得するため、(低品質で曖昧なアダプタ配列を除去
した後の)454個の生成されたデータが、サンガー配列決定から派生したCedPVド
ラフトのゲノム配列上への未加工の読み取り値の新規アセンブリおよびマッピングの両方
によって分析された。454個の読み取りマッピングのため、CLCソフトウェアで生成
されたSNPおよびDIPが、マップされた未加工の読み取り値を視覚化することによっ
て精度について手動で評価された(無作為のPCRの誤りは、特に読み取り値範囲が深い
ときに実際のSNPおよびDIPと比較して明らかである)。454個の新規および読み
取りマッピングアセンブリ方法の両方のためのコンセンサス配列が、次いで、低カバレッ
ジ領域内での競合を解決するためにおよび454個のホモポリマーの誤りを解決するため
に、使用された後者を有するサンガー配列と比較された。
【0104】
ゲノム末端の配列を、以前に公開されたプロトコル(45)を使用して、3’および5
’-RACEによって判定した。簡潔に述べると、約100ngのRNAを、T4 RN
Aリガーゼ(Promega)を用いてアダプタDT88(配列情報についての参考文献
を参照されたい)と連結し、その後、Superscript III RTキット(L
ife Technologies)およびアダプタ特異的プライマー、DT89を用い
たcDNA合成を行う。次いで、PCR増幅を、DT89および1つ以上のゲノム特異的
プライマーを使用して行った。PCR産物を、ABIシーケンサー3100上で組織内の
サービス基によってDT89またはゲノム特異的プライマーのいずれかを使用して直接配
列決定した。
【0105】
CLC Genomics Workbench v4.5.1(CLC Inc、オ
ーフス、デンマーク)を使用して454個のアダプタおよびcDNA/PCRプライマー
配列を整え、低品質の曖昧で小さな読み取り値(<15bp)を除去して、全て既定の
パラメータで、新規および読み取りマッピングアセンブリを実施する。Clone Ma
nager Professionalバージョン9.11(科学教育ソフトウェア、米
国ノースカロライナ州ケアリー)を使用して、新規のアセンブリによって生成された重複
するコンティグを結合した。系統樹を、MEGA4ソフトウェアパッケージ(46)中で
の1000回の反復によって判定されたブートストラップ値を有する近隣結合アルゴリズ
ムを使用して構築した。
【0106】
この新しいウイルスによる多核体CPEの形成とコウモリの尿からパラミクソウイルス
を単離することにおける以前の成功とを考慮しながら、パラミクソウイルス科特異的およ
び属特異的プライマーが、この新しいウイルスがパラミクソウイルス科のメンバーである
かを判定するために使用された。予想されるサイズの陽性PCR断片を、Tongらによ
って開発されたパラミクソウイルス、レスピロウイルス(Respirovirus)/
モルビリウイルス/ヘニパウイルスプライマーセットから取得した(31)。
【0107】
PCR産物の配列決定は、それが、HeVおよびNiVと最も密接に関連する新しいパ
ラミクソウイルスであることを示した。これらの予備的データに基づいて、ウイルスは、
コウモリのコロニー採取された場所に因んで、シダーウイルス(CedPV)と命名され
た。
【0108】
図1に示されるように、CedPVのゲノムは18,162ヌクレオチド長であり、科
におけるHeVのものに最も類似している。完全なゲノム配列が、GenBank(受託
番号JQ001776)に堆積された。ゲノムサイズは6の倍数であり、これは、パラミ
クソウイルス亜科の既知の全メンバーについて観察された6の法則と完全に一致する(3
)。CedPVのゲノムは、7箇所の全ての位置で完全に保存されたCTTの3ヌクレオ
チド遺伝子間配列、ならびにHeVおよびNiV中に存在するものと類似する高度に保存
された遺伝子の開始および停止信号を有する(図2)。
【0109】
また、HeVゲノムと同様に、CedPVゲノムに比較的大きな非コード領域が存在す
る。(図1および第1表)。CedPVゲノムの全体的なタンパク質コード容量は、He
Vより82.12%高い87.41%である。CedPVおよびHeVのゲノムサイズが
非常に類似しているとき、CedPVの増大したコード能力は、6個の主要なタンパク質
のうちの5個についてのタンパク質サイズの増大に起因し、Lタンパク質は、更に257
アミノ酸大きい(第1表)。2,501アミノ酸では、CedPV Lタンパク質は、パ
ラミクソウイルス科の中でのみならず、モノネガウイルスの順番においても既知の全ウイ
ルスについて最大である。
【0110】
【表12】
【0111】
完全長のゲノム配列に基づく系統分析および各構造的タンパク質の推定されるアミノ酸
配列は、CedPVが科の中でヘニパウイルスに最も密接に関連しているという初期考察
を確認した。ヌクレオカプシドタンパク質(N)の推定される配列に基づく系統樹が、図
3Aに示されている。全ゲノム配列に基づいた系統樹分析により同様の結果を得た(図3
B)。実際に、CedPVは、550ヌクレオチドのL遺伝子断片(図3C)の利用可能
な唯一の配列に基づいた系統樹に示されるように、アフリカのコウモリ(26、32)に
検出されたヘニパウイルス様配列よりもHeVおよびNiVにより密接に関連している。
【0112】
実施例3
パラインフルエンザウイルス5のために最初に発見され(シミアンウイルス5として以
前から既知であるPIV5)、パラミクソウイルスのほぼ全てのメンバーがP遺伝子を有
し、該P遺伝子は、編集部位(3、33)から下向へ流れる異なる読み取り枠からN末端
共直線タンパク質の産生へ導く非鋳型G残基の添加によって、RNA編集機構を介して複
数のタンパク質を産生する。これらの複数の遺伝子産物は、感受性宿主の生得的反応に拮
抗する上で重要な役割を果たしていることが知られている(3)。
【0113】
CedPVゲノムは、737アミノ酸のPタンパク質および177アミノ酸のCタンパ
ク質をコードする。しかしながら、PCR分析は、ほとんどの他のパラミクソウイルスに
存在する高度に保存された、システインに富んだVタンパク質ORFを見つけることに失
敗した。Vタンパク質ORFの不在はRNA編集部位に起因し、現在までに発見された分
離株全ての他の既知のHeVおよびNiVの分離株中に保存されているAAAAGGGの
配列は、CedPV P遺伝子配列から欠落している。
【0114】
CedPV P遺伝子から産生される複数のmRNAsが存在していないことを確認す
るために、P遺伝子転写の直接配列決定を、P遺伝子のコード領域全体をカバーする重複
断片を生成するプライマーの複数のセットを使用して、CedPV感染ベロ細胞から実行
した。簡潔に述べると、定量的PCRアッセイ(qPCR)を、高スループット配列決定
から取得されたCedPV特異的配列に基づいて確立した。P遺伝子のTaqManアッ
セイが開発され、全てのその後の研究に使用された。プライマー/プローブの配列は、次
の通りである:順方向プライマー、5’-TGCAT TGAGC GAACC CAT
AT AC;逆方向プライマー、5’-GCACG CTTCT TGACA GAGT
T GT;プローブ、5’-TCCCG AGAAA CCCTC TGTGT TTG
A-MGB。
【0115】
RNA編集活性の欠如を示す各産生される均一なトレースファイル、これは、編集部位
の直後にHeVおよびNiVによって生成された混合ピークから非常に異なる(図4)。
CedPVが、そのP遺伝子中のRNA編集および任意のV関連コード配列の両方が欠如
しているパラミクソウイルスの最初に識別されたメンバーであると思われる。
【0116】
実施例4
ゲノムサイズと組織との顕著な類似性と、CedPVとヘニパウイルスとの間のN、M
、およびLタンパク質の間の高度に保存されたタンパク質ドメインの存在とは、CedP
Vが、HeVおよび/またはNiVに抗原的に関連し得ることを示すであろう。CedP
Vを対象とした抗体を調製するために、CedPV Nタンパク質のためのコード領域を
、前述したGST融合発現ベクター中へのクローニングのために、AscI(5’端部)
およびNotI(3’端部)部位によって隣接する一対のプライマーでPCRによって増
幅した(47)。前に説明されたように、ゲル溶出による発現および精製を実行した(4
8)。抗体産生のために、精製タンパク質を、0および27日目に2匹の大人の雌のニュ
ージーランド白兎の4箇所の異なる部位に(動物1匹あたり100マイクログラムの用量
で)皮下注射した。以前に公開された三重補助剤(49)を免疫化のために使用した。動
物は、5および42日後に特異的抗体を調べ、最終的な血液採取のために69日で安楽死
させた。
【0117】
免疫蛍光抗体試験のため、300μlの細胞培地中で30,000細胞/ウェルの濃度
で播種して、37℃で一晩インキュベートすることで、ベロ細胞単層を8ウェルのチャン
バースライド中で調製した。細胞単層をCedPV、HeV、またはNiVの0.01の
MOIで感染させ、感染後24時間100%氷冷メタノールで固定した。チャンバースラ
イドを、PBS中の1%BSAの100μl/ウェルを用いて30分間37℃で遮断した
後、1:1000で希釈されたCedPV NまたはNiV Nに対して50μl/ウェ
ルのウサギ血清を添加した。30分間37℃でインキュベートした後、スライドを、PB
S-Tで3回洗浄し、1:1000で希釈された50μl/ウェルの抗ウサギ488アレ
クサフオレ(Alexafluore)接合体(Life Technologies)
と共に30分間37℃でインキュベートした。次いで、スライドをPBS-T中で3回洗
浄し、蛍光顕微鏡下での観察のために50%グリセロール/PBS中に装着した。
【0118】
ウイルス中和試験のために、血清の連続2倍希釈液を、50μlの細胞培地(アール塩
を含有し、2mMのグルタミン、抗生物質-抗真菌剤、および10%のウシ胎児血清で補
充された最小必須培地)中で96ウェル組織培養プレートに二連で調製した。標的ウイル
スの200 TCID50を含有する等量を添加し、ウイルス血清混合物を加湿された5
%のCOインキュベーター中で、37℃で30分間インキュベートした。2×10
胞/mlを含有するベロ細胞懸濁液100μlを添加し、プレートを加湿された5%のC
インキュベーター中で、37℃でインキュベートした。4日後、プレートをウイルス
CPEについて検査した。CPEの完全な阻害を生成する最高血清希釈を、最終的な中和
力価として定義した。
【0119】
ウサギ抗ヘニパウイルス抗体を用いてベロ細胞に感染させたCedPV-の染色は、交
差反応性の存在を示した。この交差反応性は、組換えCedPV Nタンパク質に対して
惹起されたウサギ血清を用いたHeV感染ベロ細胞を染色することによって逆に、更に確
認された(図5)。しかしながら、ウイルス中和試験による分析は、ヘニパウイルス中和
抗体がCedPVを中和することができなかったこと、その逆も同様であることを見出し
た。Jパラミクソウイルス(JPV)、牛疫ウイルス(RPV)、センダイウイルス(S
eV)、メナングルウイルス(MenPV)およびCedPVにそれぞれ感染したベロ細
胞上の抗CedPV血清で実行されたIFATを示す図6もまた参照されたい。偽感染細
胞単層は、陰性制御として含められた。
【0120】
実施例 5
CedPVと認識されたヘニパウイルスとの間の関係を更に調べるために、エフリンB
2およびB3宿主細胞タンパク質のCedPVの使用を検査した。典型的には、HeVお
よびNiVは、CedPV感染に対する感染についてのエントリのポイントとしてエフリ
ンB2受容体を使用する(22、34)。ヒトのエフリンB2およびB3遺伝子をpQC
XIH(Clontech)中にクローニングし、結果として得られたプラスミドを、G
P2-293パッケージ細胞株(Clontech)中のレトロウイルス粒子中にパッケ
ージし、製造業者の指示に従って水疱性口内炎ウイルスG糖タンパク質(VSV-G)で
シュードタイプした。HeLa-USU細胞株(22)を、1μg/mlのポリブレン(
Sigma)の存在下でVSV-Gシュードタイプレトロウイルス粒子で感染させた。感
染の8時間後、培地を交換して、細胞を24時間置いて再生させた(これは、細胞ゲノム
へのレトロウイルスの挿入の完了のための、かつハイグロマイシン耐性遺伝子の発現のた
めの時間を与える)。
【0121】
感染から24時間後、レトロウイルスによって形質転換された細胞を、培地中で200
μg/mlのハイグロマイシンを添加することによって選択した。ハイグロに耐性であっ
た細胞の株を調製し、凍結した。HeLa-USU細胞およびエフリン発現HeLa-U
SU細胞を、6-ウェル組織培養プレート中で250,000細胞/ウェルの密度で一晩
播種した。ウイルス(HeVおよびCedPV)を0.01のMOIを得るために希釈し
、ウェルに接種した。細胞単層を多核体CPEについて毎日検査した。
【0122】
CedPVについて、同様の観察をエフリンB2受容体に関して行った。図7に示され
るように、CedPVは、HeLa-USUを感染させることに失敗したが、ヒトエフリ
ンB2遺伝子が発現したとき、感染させ、多核体CPEを引き起こすことが可能であった
。対照的に、エフリンB3分子を導入したとき、感染の証拠はなかった。
【0123】
実施例 6
フェレット、モルモット、およびマウスは、HeVおよびNiV感染に対する異なる応
答を呈し、フェレットおよびモルモットは、全身性血管炎に特徴付けられる重度の疾患を
発症したが、マウスは発症しなかった(20,35,36,37,38)。コウモリのパ
キ細胞内を2回通過したCedPV(2×10 TCID50/ml)を2匹の雄のフ
ェレット(1ml、口腔鼻に)、4匹の雌のモルモット(1ml、腹腔内に)、および5
匹の雌のBalb-Cマウス(50μl、口腔鼻に)に投与した。モルモットおよびマウ
スに温度感知マイクロチップ(LifeChip Bio-thermo(登録商標)、
Destron Fearing)を移植し、毎日計量した。フェレットの直腸温度およ
び体重を試料時間で記録した。動物は、病気の臨床徴候を毎日観察し、接種後21日目に
安楽死させた。CedPVに対する中和抗体について試験するために10、15、および
21日目に血清を収集した。
【0124】
フェレットにおいて言及されたCedPVへの無症候性セロコンバージョンに基づいて
、7匹の追加の雌フェレットを、3×10 TCID50の低用量で口腔鼻経路によっ
て暴露した。2匹の動物を、接種後6、8、および10日目の各日、1匹は20日目に安
楽死させた。鼻洗浄物、口腔スワブ、直腸スワブを2、4、6、8、および10日目に収
集し、尿を安楽死の日に採取した。各採取した検体をCedPVゲノムについて評価した
。広い範囲の組織試料が、死後の検査で収集され、ルーチン組織学、免疫組織化学(それ
ぞれ、組換えCedPVおよびはNiV Nタンパク質に対して惹起されたウサギ抗体を
用いた)、qPCR(上記参照)、ならびに試薬および以前に確立された手順を用いたウ
イルス分離によって評価された(16)。
【0125】
NiVおよびHeVへの暴露からの応答とは対照的に、CedPVに曝露されたフェレ
ットおよびモルモットは、中和抗体が10~21日の間に血清中に検出されたが、臨床的
に健康なままであった(第2表)。CedPVに暴露されるBalb-Cマウスもまた臨
床的に健康なままであったが、21日目までに血清中に中和抗体を発症しなかった。選択
的にそれ以前の時点で安楽死させたフェレットにおいて、浮腫および赤血球増加を伴う、
扁桃リンパ組織、咽頭後気管支リンパ節の反応性過形成が存在した。CedPV抗原が、
6日目に安楽死させられた1匹の動物の気管支リンパ節で検出され、その組織におけるウ
イルス複製と一致した。抗NiV Nタンパク質抗体に対する交差反応免疫染色にも言及
した(図8)。他の有意な組織学的病変は確認されなかった。
【0126】
【表13】
【0127】
ウイルスRNAは、6~8日目に試料として採取された3~4匹の雌フェレットの、咽
頭、脾臓、および咽頭後気管支リンパ節を含めた選択されたリンパ組織内、ならびに20
日目に安楽死させたフェレットの顎下リンパ節に検出された。CedPVゲノムは、影響
を受けた動物の鼻洗浄物、口腔スワブ、咽頭、または肺組織から回収されなかったが、リ
ンパ性関与のパターンは、上下気道に過渡的複製が存在し得ることを示唆している。
【0128】
実施例7
オーストラリアのクイーンズランド州から2003~2005年の間に収集された10
0匹のオオコウモリの血清を、CedPVに対する中和抗体についてスクリーニングした
。上で説明されるように(抗体試験)、ウイルス中和試験を実行した。全ての血清試料を
1:20の希釈で試験した。上で説明されたHeVおよびCedPVの間で観察される抗
原の交差反応性のために、ウイルス中和試験を、各ウイルスについてより正確な感染デー
タを取得するために実行した。全体的に、血清の23%がCedPV陽性、37%HeV
陽性であった。同時感染が試験された血清の8%に反映されていた。
【0129】
実施例8
CedPV-GおよびF糖タンパク質はまた、ヘニパウイルスGおよびF機能ドメイン
のマッピングを探索する重要な体系を代表する。CedPV-Fは、HeV-FおよびN
iV-Fとそれぞれ42%および43%同一であり、CedPV-Gは、HeV-Gおよ
びNiV-Gと29%および30%同一である。CedPV機能エフリン受容体の使用量
は、CedPV、HeV、およびNiVの組み合わせを使用して、ヘテロ型FおよびG共
発現および融合アッセイと共に特徴付けられた。コドン最適化クローンをpCDNAベク
ター中で調製し、S-ペプチドタグで検出のためにタグ付けした。両方の構築物を発現し
、検出し、我々のレポータ遺伝子の細胞-細胞融合アッセイにおいて機能的であることが
見出された。パイロットアッセイ(図9)は、この手法のこの実現可能性を示している。
エフリンB2およびB3陰性HeLa-USU細胞は、細胞株Hela-B3を発現する
エフリンB3を有する陰性CedPV細胞-細胞融合である。
【0130】
融合は、293T標的細胞およびHeLa-B2細胞株を発現するエフリンB2と共に
観察される。重要なことには、CedPV-Fは、HeV-GおよびNiV-Gの両方を
伴うヘテロ型機能を有するが、更に、CedPV-Gは、HeV-Fのみを伴うヘテロ型
機能を有し、NiV-F(図9)は伴わず、エフリン使用とも相関する。
【0131】
実施例 9
有意な詳細は、HeVとNiV-Gとの間の結合について利用可能であり、Gのエフリ
ンB2またはB3変異のうちのいずれかは、茎または球状頭部内の位置でエフリン受容体
結合能力を保持したまま、それを融合促進活性およびウイルス感染性において非機能的に
することができる。一連のエフリン受容体と共に3sGタンパク質(HeV、NiV、お
よびCedPV)を用いる共同IPアッセイにおいて、CedPV-sGが、B1、B2
、B3-弱、A1、A2、A4-弱、およびA5を含む複数のエフリン亜型に結合するこ
とが可能であることが観察された(図10)。この著しく広い受容体結合プロファイルは
、エフリンB2およびB3のみと結合するNiVおよびHeV-Gに対して明らかに対照
的である。
【0132】
実施例10
HeLa-USU標的細胞意志を使用したパイロット細胞-細胞融合実験、トランスフ
ェクトされ、発現された様々なエフリン受容体構築物が、図11に示されている。Hel
a-USU標的細胞集団が、示されるエフリン受容体構築物にトランスフェクトすること
により調製され、次いで、CedPV、Hev、NiV FおよびG糖タンパク質のいず
れかを発現するエフェクタ細胞を用いて細胞-細胞融合アッセイで使用され、標準的な融
合レポータ遺伝子アッセイが行われた。HeVおよびNiVがエフリンB2およびB3の
みを利用することを我々は知っているが、CedPV GおよびF媒介性融合は、エフリ
ンA1またはA2のいずれかであるとき(またはエフリンB1またはB2が利用された)
、非常に寛容であった。
【0133】
更に、Hela-USU細胞における(遺伝子配列データに基づく)エフリンA1の背
景内因性レベルは、非トランスフェクト細胞中の融合シグナルの原因である。この実験の
結果は、CedPV G糖タンパク質(図10)を有するエフリン受容体結合データが、
インビトロで行われるCedPV受容体結合および機能的細胞-細胞融合と良好に相関す
ることを示している。これまでに得られたエフリン受容体結合および融合データの要約が
以下の表3に示される。
【0134】
【表14】
【0135】
以下の参考文献は、本明細書で番号により参照され、その全体が参照により組み込まれ
る。
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【0180】
45. Li Z,Yu M,Zhang H,Wang HY,Wang LF(2
005)Improved rapid amplification of cDNA
ends(RACE)for mapping both the 5’ and 3’
terminal sequences of paramyxovirus gen
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【0181】
46. Tamura K,Dudley J,Nei M,Kumar S(200
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Analysis(MEGA)software version 4.0.Mol B
iol Evol 24:1596-1599.
【0182】
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)BTag:a novel six-residue epitope tag fo
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binant proteins.Gene 169:53-58.
【0183】
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pression of equine morbillivirus(EMV)mat
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tion as diagnostic reagents. Arch Virol
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【0184】
49. Prowse S(2000)A new adjuvant.ANZCCA
RT News 13:7.
【0185】
連邦政府支援の研究または開発に関する記述
【0186】
本発明の開発中に実施された作業の一部は、国立衛生研究所の助成金番号AI0547
15のもとで米国政府の資金を利用した。米国政府は、本発明においてある特定の権利を
有する。
EFS-Web経由での配列表の提出
【0187】
2013年7月2日またはその前後に作成された「044508-5045-WO-S
equenceListing.txt」と題される約70キロバイトのコンピュータ可
読テキストファイルは、本出願用の配列表を含み、その全体が参照より本明細書に組み込
まれる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11
【配列表】
2022050586000001.app
【手続補正書】
【提出日】2022-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラミクソウイルス感染を阻害するための候補薬剤を同定する方法であって、
(a)in vitro細胞群を、シダーウイルス(CedV)及び薬剤で処理すること、及び
(b)前記処理された細胞の生育応答を測定すること
を含み、
前記薬剤で処理された細胞の増殖が、処理されていないCedV感染細胞の増殖と比較して増大するとき、前記薬剤はパラミクソウイルス感染を阻害するための候補薬剤と同定され、
前記in vitro細胞群がエフリンB2遺伝子を発現する、
前記方法。
【請求項2】
前記薬剤がタンパク質である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記薬剤が抗体である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記in vitro細胞群がエフリンB2遺伝子を発現するように遺伝子改変されている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
パラミクソウイルス感染を阻害するための候補薬剤を同定する方法であって、
(a)in vitro細胞群を、シダーウイルス(CedV)及び薬剤で処理すること、及び
(b)前記処理された細胞の細胞変性効果(CPE)を測定すること、
を含み、
感染細胞におけるCPEの欠如が、被検体がパラミクソウイルスに曝露した際に前記薬剤がパラミクソウイルスの被検体に感染する能力を低減し得ることを示し、
前記in vitro細胞群がエフリンB2遺伝子を発現する、
前記方法。
【請求項6】
前記薬剤がタンパク質である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記薬剤が抗体である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記in vitro細胞群がエフリンB2遺伝子を発現するように遺伝子改変されている、請求項5に記載の方法。
【外国語明細書】