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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050624
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】仮想レストランシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20220323BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004396
(22)【出願日】2022-01-14
(62)【分割の表示】P 2020503967の分割
【原出願日】2018-07-25
(31)【優先権主張番号】62/536,690
(32)【優先日】2017-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519397541
【氏名又は名称】チェイス,アーノルド
(71)【出願人】
【識別番号】519397552
【氏名又は名称】チェイス,ウィリアム
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェイス,アーノルド
(72)【発明者】
【氏名】チェイス,ウィリアム
(57)【要約】      (修正有)
【課題】連繋した食品注文、食品準備及び食品配達サービスを提供する。
【解決手段】仮想レストランシステム(VRS)は、顧客が、VRSアプリケーションを起動することと、コンピュータ注文システムが、顧客ID、顧客位置又は配達場所を要求し、メニュー/食品注文フォームを顧客に送ることと、顧客が、提示されたメニュー/食品注文フォームを使用して、食品注文情報を提供し、食品注文を完了すると、コンピュータ注文システムが、食品注文を受け取り、対応する一意の食品注文ID割り当て、食品注文IDを顧客に送信し、食品注文情報及び食品注文IDを含む食品注文を選択された中央キッチン施設に送信することと、施設コンピュータサーバが、受け取った食品注文内のすべての食品を分析し、中央キッチン施設に、食品注文内の食品を同時に生産するように指示することと、希望配達場所に食品を配達することと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
様々なレストランの一元管理された食品注文、同時の食品生産および同時の食品配達を提供するための仮想レストランシステム(VRS)であって、
複数の中央キッチン施設を備え、
前記中央キッチン施設の各々は、特定のメニューのブランドの食品を生産するように作られており、
前記中央キッチン施設の各々は、前記中央キッチン施設内に共同配置された複数のブランドのキッチンを含み、
前記中央キッチン施設の各々の前記ブランドのキッチンの各々は、前記特定のメニュー内のブランドの食品の対応するサブセットを生産し、
前記中央キッチン施設と通信するコンピュータ注文システム(COS)と、リモートコンピューティングデバイスにインストールされた複数のVRSアプリケーションとをさらに備え、
前記COSは、前記VRSアプリケーションを介して複数の食品注文を受け取り、前記食品注文の各々に一意の食品注文IDを割り当て、
前記食品注文の各々には、配達場所と前記特定のメニューから選択された食品とが含まれ、
前記食品注文ごとに、前記COSは前記配達場所に基づいて前記中央キッチン施設の1つを選択し、
前記食品注文ごとに、前記COSは前記食品注文とそれに対応する食品注文IDとを前記選択された中央キッチン施設に送信し、
前記選択された中央キッチン施設は、前記食品注文を受け取り、前記選択されたブランドの食品の各々が対応するブランドのキッチンで生産され、前記食品注文IDがラベル付けされるように指示し、
前記選択された中央キッチン施設は、前記ラベル付けされた食品注文IDに基づいて、前記キッチンで生産された食品を分類し、同一の食品注文に属する食品をグループ化し、
前記選択された中央キッチン施設は、完成した食品注文を注文積み込みゾーンに移動し、前記食品が配達車両に積み込まれ配達され
配達車両に設置された食品配達機器をさらに備え、
前記食品配達機器は、電子的にロック/ロック解除および監視される複数の保管用コンパートメントを備えた保管システムを含み、
前記保管システムは、保管用コンパートメントが食品注文の食品を保管しているかどうかを電子的に監視し、
前記食品注文に関連付けられた配達場所に到着すると、前記保管システムは、前記食品注文に関連付けられた食品を保管している前記保管用コンパートメントのロックを解除し、前記食品注文に関連付けられた食品が確実に取り出されるように前記ロック解除された保管用コンパートメントの開放を監視する、
VRS。
【請求項2】
前記保管システムは、前記食品注文に関連付けられた取り出される食品を含むロック解除された前記保管用コンパートメントが開かれていないことを示す視覚的および/または音声による警報を提供することを特徴とする、
請求項に記載のVRS。
【請求項3】
前記保管用コンパートメントの各々は、前記保管用コンパートメントがロック解除されたことおよび前記食品注文に関連付けられた取り出される食品が入っていることを示すために点灯するように構成された表示ライトを含むことを特徴とする、
請求項に記載のVRS。
【請求項4】
前記保管用コンパートメントの各々は、食品の積み降ろしを容易にし、食品の保管および配達を追跡するための保管用コンパートメントIDを有することを特徴とする、
請求項1に記載のVRS。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、連繋した食品注文、食品準備および食品配達サービスに関する。
【背景技術】
【0002】
レストランはここ数年の間にその業態を発展させており、元来の「イートイン」コンセプト以外にも、顧客に様々な形式の「テイクアウト」サービスを提供している。例えば、最初は「テイクアウト」カウンターエリア、次に「ドライブスルー」窓口を追加し、現在は成長分野である第三者の集荷・配達サービスに対応しようとしている。これらの新しいサービスが拡大するにつれて、レストランのインフラや労働資源に対する負担が増加し、「旧来からの」顧客に望ましいレベルの食品品質とサービスを提供するレストランの能力が要求されている。これらの新しい配達チャンネルに対応する必要性が高まっている結果、レストランの全体的なサービス品質が低下する可能性がある。さらに、ますます重要になっている「第三者の」配達チャンネルにおいては、適時な集荷を行うのが困難(すなわち、準備が整う前に注文を受け取るために到着したり、すでに完成した注文の集荷が遅れて長期間放置されるなど)であるだけでなく、レストラン内の食事やドライブスルーでのテイクアウトの場合と同等の品質レベル(例えば、提供温度)での提供が困難である。加えて、例えば配達サービスを介して、特定のレストランから作りたての食品を配達してもらいたいという顧客からの要望に対しては、指定された車両が、目的の食品に関連付けられた特定のレストランの場所まで行き、それを集荷し、特定の配達場所に食品を配達するというタスクに単独で割り当てられることになる。そのため、車両は完全に1件の特定の集配にのみ割り当てられる。同一の顧客に対する別のレストランからの同時注文が行われた場合には、配達代金が倍増し、配達に必要な時間が大幅に増加し、運用が非効率となってしまう。さらに、調理済みまたは冷蔵済みの食事を集荷して配達するための現在の方法では、断熱容器を使用することによって、食品温度の損失を制限しようとしているに過ぎない。従来の移動式加熱または冷蔵機器ではエネルギー効率が悪く、サイズが適切ではないため、これらの手段を実用化することは一般的に困難である。現在の第三者による配達システムとは異なり、仮想レストランシステム(VRSでは、配達用に食品が集荷されるときにのみ注文と配達指示をドライバー/配達車両に割り当てる独自のドライバー/配達車両集約システムを使用している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のレストランにおける人手や設備への負担を無くしながら、「レストランの」食品をオフサイトで注文、生産、配達するための「エンドツーエンドの」アプローチを最適化するように設計された仮想レストランシステム(VRS)を提供する。VRSは、独自の食品注文システム、食品生産システム、および食品配達システムで構成され、これらは統合された方法で連携し、顧客が利用できるメニューの数を増加し、顧客が選択した食品の生産効率を向上させ、顧客が選択した食品を最適な提供条件で配達する効率と有効性が改善される。VRSを使用すると、別々の場所にある複数のレストランのメニューから同時に食品を要望している顧客が、別個の配達サービスを雇って各レストランから目的の食品を集荷させたり、単独の配達サービスにそれぞれ異なる場所のレストランから目的の食品を順次集荷させて最終的に統合された食品を顧客に配達させたりする必要がなくなる。たとえば、ある場所にいる10人が、それぞれ別々のレストランから提供される食品を注文し、別々のレストランからの注文をまとめて同時にその場所に配達することを要望している場合、現在の食品注文・配達システムおよび方法を使用することは、様々な理由から実用的ではない。ただし、VRSを使用することで、上記の注文例に簡単かつ定常的に対応でき、様々なメニューからの選択をすべて1度に配達できるため、現在の食品配達方法と比較して配達コストを削減し、配達速度を向上させ、到着時の温度を改善できる。VRSでは、単一の注文システムにより様々な別々のレストランのメニューから食品を選択できるが、様々な別々のレストランのメニューから利用可能な食品をすべて単一の食品生産施設で生産し、別々のレストランのメニューから注文した食品を1度の配達に統合することができる。VRSは、当初は前述の食品の生産と配達のために人間が完全に関与するように構成されるが、本質的には完全に自動化された食品生産と自律車両配達業務に段階的に移行できる。加えて、注文された食品を独自のエネルギー効率の高い構成を利用して常に保温および/または保冷する特殊なVRS配達機器、あるいは従来の配達手段によって配達を行うことができる。本出願のタイトルにもかかわらず、同様のシステム構成要素を、温度に敏感な食料品の注文および配達にも代替的に使用することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の一実施形態では、様々なレストランの一元管理された食品注文、食品生産および食品配達を提供するための仮想レストランシステム(VRS)は、複数の中央キッチン施設と、中央キッチン施設と通信するコンピュータ注文システム(COS)と、リモートコンピューティングデバイスにインストールされた複数のVRSアプリケーションとを含む。各中央キッチン施設は、特定のメニューの食品を生産するように作られている。さらに、各中央キッチン施設は複数のキッチンを含み、各中央キッチン施設内の各キッチンでは、特定のメニュー内の食品の対応するブランドのサブセットが生産される。COSは、VRSアプリケーションを介して複数の食品注文を受け取り、各食品注文に一意の食品注文IDを割り当て、各食品注文には、配達場所と特定のメニューから選択された食品とが含まれている。食品注文ごとに、COSは配達場所に基づいて中央キッチン施設の1つを選択する。食品注文ごとに、COSは食品注文とそれに対応する食品注文IDとを選択された中央キッチン施設に送信する。選択された中央キッチン施設は、食品注文を受け取り、選択された食品の各々が対応するキッチンで生産され、食品注文IDがラベル付けされるように指示する。選択された中央キッチン施設は、ラベル付けされた食品注文IDに基づいて、キッチンで生産された食品を分類し、同一の食品注文に属する食品をグループ化する。選択された中央キッチン施設は、完成した食品注文を注文積み込みゾーンに移動し、食品が配達車両に積み込まれ配達される。
【0005】
上記VRSの実施形態のいくつかでは、選択された中央キッチン施設は、配達される食品注文の配達場所と食品注文IDとを配達車両に通信する。
【0006】
上記VRSの実施形態のいくつかでは、選択された中央キッチン施設は、食品注文の希望配達場所を監視し、配達最適化アルゴリズムを使用して、積み込みの準備ができている複数の食品注文を1台の配達車両によって順次配達できるようにグループ化する。配達最適化アルゴリズムは、一連の注文と配達用にグループ化された複数の食品注文を配達するための配達ルートとを特定する。
【0007】
上記VRSの実施形態のいくつかでは、選択された中央キッチン施設は、食品注文の希望配達場所と待ち行列で待機している配達車両の数とを常時監視する。未処理の注文数と利用可能な配達車両の数とのバランスを取るため、VRSは配達最適化アルゴリズムを使用して、必要に応じて複数の一連の配達地点を各配達車両に動的に割り当て、常に各中央キッチン施設の配達能力を最適化する。
【0008】
上記VRSの実施形態のいくつかでは、選択された中央キッチン施設は、注文積み込みゾーンの単一の連続したラインに並ぶように配達車両を調整して、順次食品注文を積み込む。
【0009】
上記VRSの実施形態のいくつかでは、選択された中央キッチン施設は、当初は積み込みゾーンの単一の連続したラインに並ぶように配達車両を調整するが、その後、個々の配達車両を注文積み込みゾーンにおける個別積み込みポートに向かわせ、多くの配達車両に同時に食品を積み込み、配達情報を割り当てる。
【0010】
上記VRSの実施形態のいくつかでは、選択された中央キッチン施設は、一連の注文と配達用にグループ化された複数の食品注文を配達するための配達ルートとを配達車両に通信する。
【0011】
上記VRSの実施形態のいくつかでは、COSは、VRSアプリケーションを介して食品注文ステータス通知を送信し、完成した食品注文の配達待ちについて顧客に通知する。
【0012】
上記VRSの実施形態のいくつかでは、COSは、VRSアプリケーションを介して食品注文確認を送信し、顧客が食品注文の配達を配達場所で待っていることを確認する。
【0013】
上記VRSの実施形態のいくつかでは、VRSは、配達車両に設置された食品配達機器をさらに備える。食品配達機器は、複数の保管用コンパートメントと1つ以上の保温/保冷用熱ユニットとを備えた温度管理保管システムを含む。1つ以上の保温/保冷用熱ユニットの高温側および低温側の両方を利用して、複数の保管用コンパートメントの第1グループを冷蔵し、複数の保管用コンパートメントの第2グループを加熱する。
【0014】
上記VRSの実施形態のいくつかでは、VRSは、配達車両に設置された食品配達機器をさらに備える。食品配達機器は、電子的にロック/ロック解除および監視される複数の保管用コンパートメントを備えた保管システムを含む。保管システムは、保管用コンパートメントが食品注文の食品を保管しているかどうかを電子的に監視する。食品注文に関連付けられた配達場所に到着すると、保管システムは、食品注文に関連付けられた食品を保管している保管用コンパートメントのロックを解除し、食品注文に関連付けられた食品が確実に取り出されるようにロック解除された保管用コンパートメントの開放を監視する。
【0015】
上記VRSの実施形態のいくつかでは、保管システムは、食品注文に関連付けられた取り出される食品を含むロック解除された保管用コンパートメントが開かれていないことを示す視覚的および/または音声による警報を提供する。
【0016】
上記VRSの実施形態のいくつかでは、保管用コンパートメントの各々は、保管用コンパートメントがロック解除されたことおよび食品注文に関連付けられた取り出される食品が入っていることを示すために点灯するように構成された表示ライトを含む。
【0017】
上記VRSの実施形態のいくつかでは、保管用コンパートメントの各々は、食品の積み降ろしを容易にし、食品の保管および配達を追跡するための保管用コンパートメントIDを有する。
【0018】
上記VRSの実施形態のいくつかでは、VRSは、配達車両に設置された食品配達機器をさらに備える。食品配達機器は、ドアベルシステムまたはその他のホームアクセスシステムと相互に通信し、食品注文配達の到着を知らせるように構成されたドアベルシステムインターフェースモジュールまたはその他のホームアクセスインターフェースモジュールを含む。
【0019】
本出願の一実施形態では、様々なレストランの一元管理された食品注文、食品生産および食品配達を提供するための方法は、リモートコンピューティングデバイスにインストールされた仮想レストランシステム(VRS)アプリケーションを介して顧客と通信するコンピュータ注文システム(COS)を含む。COSは、VRSアプリケーションを介して顧客位置および/または配達場所を自動的に受信および/または要求する。COSは、VRSアプリケーションを介して、特定の顧客のための注文を作成する中央キッチン施設向けに最適化およびカスタマイズされた、選択されたメニュー/食品注文フォームを送る。COSは、VRSアプリケーションを介して食品注文を受け取り、食品注文には、選択したメニュー/食品注文からの食品選択、希望配達場所、希望配達日時が含まれる。COSは、一意の食品注文IDを食品注文に割り当て、VRSアプリケーションを介して顧客に食品注文IDを送信する。COSは、食品注文および食品注文IDを、複数のキッチンを含む適切な中央キッチン施設に送信し、複数のキッチンの各々は、選択されたメニュー/食品注文フォームから別々のブランドの食品を生産する。選択された中央キッチン施設は、食品注文からの選択された各ブランドの食品が対応するブランドのキッチンで生産され、食品注文IDがラベル付けされるように指示する。中央キッチン施設は、ラベル付けされた食品注文IDに基づいて、キッチンで生産された食品を分類し、同一の食品注文に属する食品をグループ化する。中央キッチン施設は、完成した食品注文を注文積み込みゾーンに移動し、食品が配達車両に積み込まれ配達される。
【0020】
上記方法の実施形態のいくつかでは、選択されたメニュー/食品注文フォームは、複数のメニュー/食品注文フォームから選択される。複数のメニュー/食品注文フォームの各々は、規定のサービスエリアを有する特定の中央キッチン施設に対応している。選択されたメニュー/食品注文フォームは、顧客位置および/または配達場所が中央キッチン施設の規定のサービスエリア内にあるかどうかに基づいて選択される。
【0021】
上記方法の実施形態のいくつかでは、中央キッチン施設は、配達車両に積み込みを行う際、配達場所と配達される食品注文の食品注文IDとを配達車両に通信する。
【0022】
上記方法の実施形態のいくつかでは、中央キッチン施設は、食品注文の希望配達場所と待ち行列で待機している配達車両の数とを常時監視する。未処理の注文数と利用可能な配達車両の数とのバランスを取るため、中央キッチン施設は配達最適化アルゴリズムを使用して、必要に応じて複数の一連の配達地点を各配達車両に動的に割り当て、常に各中央キッチン施設の配達能力を最適化する。
【0023】
上記方法の実施形態のいくつかでは、中央キッチン施設は、注文積み込みゾーンの単一の連続したラインに並ぶように配達車両を調整して、順次食品注文を積み込む。
【0024】
上記方法の実施形態のいくつかでは、中央キッチン施設は、当初は積み込みゾーンの単一の連続したラインに並ぶように配達車両を調整するが、その後、個々の配達車両を注文積み込みゾーンにおける個別積み込みポートに向かわせ、多くの配達車両に同時に食品を積み込み、配達情報を割り当てる。
【0025】
上記方法の実施形態のいくつかでは、中央キッチン施設は、完成した食品注文の配達場所を監視し、配達最適化アルゴリズムを使用して、積み込みの準備ができている複数の食品注文を1台の配達車両によって配達できるようにグループ化する。
【0026】
上記方法の実施形態のいくつかでは、配達最適化アルゴリズムは、一連の注文と配達用にグループ化された複数の食品注文を配達するための配達ルートとを特定する。
【0027】
上記方法の実施形態のいくつかでは、中央キッチン施設は、一連の注文と配達用にグループ化された複数の食品注文を配達するための配達ルートとを配達車両に通信する。
【0028】
上記方法の実施形態のいくつかでは、COSは、VRSアプリケーションを介して食品注文ステータス通知を送信し、完成した食品注文の配達待ちについて顧客に通知する。
【0029】
上記方法の実施形態のいくつかでは、COSは、VRSアプリケーションを介して食品注文確認を送信し、顧客が食品注文の配達を配達場所で待っていることを確認する。
【0030】
上記方法の実施形態のいくつかでは、COSは、VRSアプリケーションを介して食品注文確認を送信して顧客が食品注文の配達を配達場所で待っていることを確認し、1人以上の顧客が注文を待っていることを確定できない場合、COSアルゴリズムは配達順序を並べ替えて、応答しない場所を一時的に迂回し、応答のある場所を優先する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
前述の概要および以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことでより良く理解され得る。本発明を説明するために例示的な実施形態が図面に示されているが、本出願は開示された特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。
図1】例示的な仮想レストランシステム(VRS)を示す概略図である。
図2図1の例示的なVRSの動作を示すフロー図である。
図3図1の例示的なVRSの配達車両機器を示す概略図である。
図4図3の例示的な配達車両機器を示す別の概略図である。
図5図3の例示的な配達車両機器を示すさらに別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
様々な例示的な実施形態をさらに詳細に説明する前に、本発明は記載された特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明の特許請求の範囲を限定することを意図していないことも理解されたい。
【0033】
図面において、同様の参照番号は、本発明のシステムおよび方法の同様の特徴を指す。したがって、ある説明においては特定の図および参照番号のみを参照する場合があるが、そのような説明は他の図における同様の参照番号にも等しく適用できることを理解されたい。
【0034】
本出願は、別々のレストランのメニューから利用可能な食品の一元管理された注文、生産および配達を提供する仮想レストランシステム(VRS)を対象とする。VRSを使用することにより、顧客は1回の注文で別々のレストランのメニューから任意の食品を選択でき、選択された食品は単一の食品生産施設で同時に準備可能であり、さらには1度の配達で顧客に届けることができる。図1に示すように、仮想レストランシステム(VRS)1は、コンピューティングデバイス20にインストールされたVRSアプリケーション200を介して顧客10がアクセス可能なコンピュータ注文システム100を備えている。VRS1は、異なる地理的領域30に位置する1つ以上の中央キッチン施設300をさらに含んでいる。VRS1は、配達車両40に設置された食品配達機器400も含んでいる。
【0035】
各中央キッチン施設300は、別々の実在するレストラン(例えば、レストラン、レストランチェーン、レストラングループなど)に対応する複数の別個のキッチン310を含んでいる。別々の実在するレストランに対応するそれぞれの個別のキッチン310は、物理的に互いに隣接するように単一の中央キッチン施設300に共同配置されるが、完全に独立して稼働する。所定の中央キッチン施設300の複数のキッチン310は、別々の実在するレストラン(例えば、レストラン、レストランチェーン、レストラングループなど)に対応する別々のメニューの食品を生産するように作られている。したがって、所定の中央キッチン施設300は、複数のキッチン310によって提供される個々のメニューで利用可能で、中央キッチン施設300からの1回の注文で顧客が選択可能なすべての食品の集合である複合メニューを提供することができる。
【0036】
図1に示すように、コンピュータ注文システム100は、集中型または分散型コンピューティングアーキテクチャ内に1つ以上のコンピュータサーバ120を含んでいる。本明細書で説明されるコンピュータサーバ120の機能は、コンピュータプロセッサによって実行されるコンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータプログラムコードを備えるコンピュータアプリケーションを使用して実装することができる。本明細書で説明されるコンピュータサーバ120の機能は、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイスなどのプログラマブルハードウェアデバイスで実装することもできる。さらに、本明細書で説明されるコンピュータサーバ120の機能は、コンピュータプロセッサによって実行されるコンピュータプログラムとプログラマブルハードウェアデバイスの組み合わせを使用して実装することもできる。したがって、本出願のコンピュータサーバ120は、所望の機能を実行するための適切なコンピュータハードウェアおよびソフトウェアを備え、ハードウェアおよびソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
【0037】
実行可能なコンピュータプログラムコードは、オブジェクト、手順、プロセスまたは機能として編成され得るコンピュータ命令の1つ以上の物理的または論理的ブロックを備えてもよい。例えば、実行可能なコンピュータプログラムコードは、いくつかの別々のコードパーティションまたはセグメント、別々のプログラム間、および複数のデバイスにわたって分配可能である。したがって、実行可能なコンピュータプログラムは物理的にまとめて配置する必要はなく、論理的に結合された際にはコンピュータアプリケーションを構成し、コンピュータアプリケーションの上述の目的を達成する、別々の場所に格納された別個の命令を備えてよい。
【0038】
コンピュータサーバ120は、施設位置304、施設サービスエリア306、およびメニュー/食品注文フォーム308を含む、各中央キッチン施設300の施設記録302を保存および保持する。コンピュータ注文システム100のコンピュータサーバ120は、コンピューティングデバイス20にインストールされたVRSアプリケーション200と通信して、別々の中央キッチン施設300に対応するメニュー/食品注文フォーム308を送り、顧客10から食品注文110を受け取る。コンピュータ注文システム100は、コンピューティングデバイス20にインストールされたVRSアプリケーション200を介して顧客10から食品注文110を受け取る。コンピュータ注文システム100は、コンピューティングデバイス20にインストールされたVRSアプリケーション200から、各食品注文110に関連付けられた一意のユーザID12および各食品注文110に関連付けられた食品注文情報112を受け取る。食品注文情報112は、食品選択114、希望配達場所116、および希望配達日時118を含むことができる。
【0039】
コンピュータ注文システム100は、適切な通信プロトコル(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、WI-FI(登録商標)、ZIGBEE(登録商標)、イーサネット、SAP(登録商標)、SAS(登録商標)、ATP、GSM、TCP/IPなど)によって構築され、少なくとも部分的にはワイヤレスで構築された通信リンクを介してVRSアプリケーション200と通信する。VRSアプリケーション200は、非一時コンピュータ可読媒体に格納されてコンピューティングデバイス20のプロセッサによって実行されるコンピュータ実行可能命令のセットで実装され、顧客10に食品注文110を行うためのコンピュータ注文システム100へのアクセスが提供される。コンピューティングデバイス20は、VRSアプリケーション200を実行して本明細書に記載の機能を行うための任意の適切なデバイス(例えば、PC、ラップトップ、タブレット、スマートフォンなど)であり、好ましくは、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、タブレット、スマートフォンなど)である。
【0040】
顧客10がコンピューティングデバイス20上でVRSアプリケーション200を起動すると、コンピュータ注文システム100は、顧客ID12、顧客位置14、および/または配達場所を自動的に受信および/または要求する。受信した顧客位置14および/または希望配達場所116に基づいて、コンピュータ注文システム100は、選択されたメニュー/食品注文フォーム308をコンピューティングデバイス20上のVRSアプリケーション200を介して顧客10に送る。VRSアプリケーション200を介して顧客10に送られるメニュー/食品注文フォーム308は、顧客位置14および/または配達場所116を含むサービスエリア306を備えた選択された中央キッチン施設300に対応する。顧客位置14および/または配達場所116を含むサービスエリア306を備えた中央キッチン施設300が複数ある場合、コンピュータ注文システム100は、別々の中央キッチン施設300に対応するメニュー/食品注文フォーム308のうちの1つを選択するオプションを、VRSアプリケーション200を介して顧客10に提供してもよい。
【0041】
VRSアプリケーション200を介して顧客10に送られるメニュー/食品注文フォーム308は、別々のブランドのレストランから提供されるメニューを、VRSアプリケーション200を介した統一の「購入場所」に一体化する統合注文システムである。受け取った顧客位置14および/または希望配達場所116に基づいて、コンピュータ注文システム100は、コンピューティングデバイス20上のVRSアプリケーション200を介して、選択されたメニュー/食品注文フォーム308を顧客10に送る。あるサービスエリア306における中央キッチン施設300は、異なるサービスエリア306における別の中央キッチン施設300と比較して、異なるレストランのメニューを提供してもよい。顧客には、あたかもあるサービスエリア306における中央キッチン施設300によって提供される別々のレストランのメニューがすべて統合メニューに組み合わされているように見えるだろう。 さらに、別々のレストランのメニューから個別に注文するのではなく、1回の注文110の一部として、統合メニューのあらゆる食品を注文できる。注文110が1回のみ発注されるので、別々のレストランから食品を集荷して配達する複数の配達車両は必要なく、別々のレストランのメニューからの食品を含む注文を1台の配達車両40のみで遂行することができる。VRS1のもう1つの完全に新規な側面は、顧客がサービスエリアに物理的に店舗が存在しないレストランに注文したり、配達を受け取ったりすることができることである。
【0042】
顧客10は、VRSアプリケーション200を介して提示されたメニュー/食品注文フォーム308を使用して、食品注文情報112(例えば、食品選択114、希望配達場所116および希望配達日時118)を提供し、食品注文110を完了する。顧客10がVRSアプリケーション200を介して食品注文110を完了すると、コンピュータ注文システム100は食品注文情報112を含む食品注文110を受け取り、食品注文110に食品注文ID111を割り当てる。コンピュータ注文システム100は、VRSアプリケーション200を介して、発注された食品注文110に対応する食品注文ID111を顧客10に送信する。コンピュータ注文システム100は、食品注文情報112(例えば、食品選択114、希望配達場所116および希望配達日時118)および食品注文ID111を含む食品注文110を選択された中央キッチン施設300に送信する。コンピュータサーバ120は、顧客ID12、食品注文ID111、および食品注文情報112(例えば、食品選択114、配達場所116および配達日時118)を含む食品注文110を格納および保持する。
【0043】
コンピュータ注文システム100は、適切な通信プロトコル(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、WI-FI(登録商標)、ZIGBEE(登録商標)、イーサネット、SAP(登録商標)、SAS(登録商標)、ATP、GSM、TCP/IPなど)によって構築された通信リンクを介して中央キッチン施設300と通信する。各中央キッチン施設300は、複数の別個のキッチン310、施設コンピュータサーバ320、ラベル付けシステム330および分類システム340を含み、それぞれが適切な通信プロトコル(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、WI-FI(登録商標)、ZIGBEE(登録商標)、イーサネット、SAP(登録商標)、SAS(登録商標)、ATP、GSM、TCP/IPなど)によって構築された通信リンクを介して互いに通信する。個々のキッチン310は、対応する「伝統的なレストラン」のキッチンの専門バージョンであり、人員、ブランドの食材および調理方法を用いて、配達注文用の対応するレストランメニューにおける食品を生産する。各中央キッチン施設300は、対応する「伝統的な」レストランの店舗で生産されるものと同一のブランドの食事を生産する目的でのみ稼働し、食品配達注文を遂行する。各中央キッチン施設300は、小売の「所在地」、伝統的なレストラン識別表示、公衆へのアクセス、座席、店舗内注文受付員、レジ係、従来の小売の「テイクアウト」ウィンドウ、などを有していない。中央キッチン施設300の唯一の目的は、VRSアプリケーション200を介してコンピュータ注文システム100が受け取った食品配達注文を遂行するためにブランドの食品を作成することである。したがって、中央キッチン施設300は、特別に設計されており、特殊な(つまり、公衆からアクセス不能な)食品生産出力専用に意図的に用いられる。
【0044】
コンピュータ注文システム100は、中央キッチン施設300の施設コンピュータサーバ320と通信して、食品注文情報112(例えば、食品選択114、希望配達場所116および希望配達日時118)と食品注文ID111とを含む食品注文110を送信する。施設コンピュータサーバ320は、受け取った食品注文110内のすべての食品114を分析し、中央キッチン施設300内の対応するキッチン310に、食品注文110内の食品114を同時に生産するように指示する。例えば、食品注文110の食品114が別々のキッチン310(すなわち、別々のレストラン)に対応するメニューから選択されている場合、各注文食品114および関連する食品注文ID111は、中央キッチン施設300に共同配置されたそれぞれのキッチン310に生産のために電子的に送信される。食品注文110に関連付けられた食品114を生産するように指示された各キッチン310は食品114を生産し、食品114および食品注文ID111に(例えば、ラベル付けシステム330を使用して)電子的にマーキングおよび/またはタグ付けされた包装を施し、次いで、電子的にマーキングおよび/またはタグ付けされた食品114を、中央キッチン施設300の施設コンピュータサーバ320によって制御される分類システム340に出力する。施設コンピュータサーバ320は、まず特定の注文110に含まれるすべての食品114を集めるように分類システム340に指示し、次に、完成した注文110を中央キッチン施設300の注文積み込みゾーンに送らせる。
【0045】
中央キッチン施設300の施設コンピュータサーバ320は、配達車両40と通信し、配達車両40が中央キッチン施設300から注文110を集荷して配達するために利用可能であることを確認する。施設コンピュータサーバ320は、適切な通信プロトコル(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、WI-FI(登録商標)、ZIGBEE(登録商標)、イーサネット、SAP(登録商標)、SAS(登録商標)、ATP、GSM、TCP/IPなど)によって構築され、少なくとも部分的にはワイヤレスで構築された通信リンクを介して配達車両40と通信する。例えば、施設コンピュータサーバ320は、配達車両40が中央キッチン施設300の注文集荷場所または積み込みエリアから1つ以上の注文110を集荷するために継続的に利用できるように、配達車両40を前もって列に並ぶよう配置することができる。配達車両40が中央キッチン施設300の注文積み込みゾーンに到着すると、配達車両40には1つ以上の食品注文110が積み込まれ、1つ以上の食品注文110の食品注文ID111および配達場所116が与えられる。配達車両40は、専用のVRS車両または「第三者」車両のいずれかであり、実際は手動運転されるものかあるいは自律型であり得る。
【0046】
中央キッチン施設300の施設コンピュータサーバ320は、処理中のすべての注文110の配達場所116を継続的に監視し、配達最適化アルゴリズムを使用して、積み込みの準備ができている食品注文110を1台の配達車両40による多目的地行程で配達できるようにグループ化する。配達最適化アルゴリズムは、一連の注文と1台の配達車両による配達のためにグループ化された複数の食品注文110を配達するための配達ルートとを特定する。1回の配達行程のために集められる注文の数は、システム内の注文110の数、配達場所116の近接性、利用可能な配達車両のタイプ、注文された食品の種類、気象条件、交通状況およびその他の要因に応じて、施設コンピュータサーバ320によって実行される配達最適化アルゴリズムによって動的に調整され得る。施設コンピュータサーバ320は、前もって列に並ぼうとしている第三者配達車両40に、注文を積み込むまでの予想待ち時間のリアルタイム表示を通信することができる。
【0047】
VRS1の一部として、注文110を有する配達車両40が中央キッチン施設300から配達場所116に出発する前に、コンピュータ注文システム100は、VRSアプリケーション200を介して、携帯電話テキストメッセージまたはその他の方法で食品注文配達ステータス通知402を送信して、処理中の配達を顧客10に知らせることができる。必要に応じて、コンピュータ注文システム100は、顧客10に対してテキストを送る、電子メールを送る、VRSアプリケーション200を介した通信を行う、または電話をするなどして、実際に誰かが配達場所116にいて配達される注文110を受け取る準備ができていることを確認することが可能である。VRSアプリケーション200を使用することにより、顧客10は、所定の代替配達半径内で配達場所116を変更することもできる。
【0048】
図2は、上記のVRS1の動作のいくつかの工程を示すフローチャートである。顧客10は、コンピューティングデバイス20にインストールされたVRSアプリケーション200を使用してVRS1にアクセスする。顧客10がVRSアプリケーション200を起動すると、コンピュータ注文システム100は、顧客ID12、顧客位置14、および/または配達場所116を自動的に受信および/または要求する。受信した顧客の物理的位置14および/または希望配達場所116に基づいて、コンピュータ注文システム100は、選択されたメニュー/食品注文フォーム308をコンピューティングデバイス20上のVRSアプリケーション200を介して顧客10に送る。VRSアプリケーション200を介して顧客10に送られるメニュー/食品注文フォーム308は、顧客位置14および/または配達場所116を含むサービスエリア306を有する選択された中央キッチン施設300に対応する。
【0049】
顧客10は、VRSアプリケーション200を介して提示されたメニュー/食品注文フォーム308を使用して、食品注文情報112(例えば、食品選択114、希望配達場所116および希望配達日時118)を提供し、食品注文110を完了する。顧客10がVRSアプリケーション200を介して食品注文110を完了すると、コンピュータ注文システム100は食品注文情報112を含む食品注文110を受け取り、対応する一意の食品注文ID111を食品注文110に割り当てる。コンピュータ注文システム100は、VRSアプリケーション200を介して、発注された食品注文110に対応する食品注文ID111を顧客10に送信する。コンピュータ注文システム100は、食品注文情報112(例えば、食品選択114、希望配達場所116および希望配達日時118)および食品注文ID111を含む食品注文110を選択された中央キッチン施設300に送信する。
【0050】
コンピュータ注文システム100は、中央キッチン施設300の施設コンピュータサーバ320と通信して、食品注文情報112(例えば、食品選択114、希望配達場所116および希望配達日時118)と食品注文ID111とを含む食品注文110を送信する。施設コンピュータサーバ320は、受け取った食品注文110内のすべての食品114を分析し、中央キッチン施設300内の対応するキッチン310に、食品注文110内の食品114を同時に生産するように指示する。例えば、食品注文110の食品114が別々のキッチン310(すなわち、別々のレストラン)に対応するメニューから選択されている場合、各注文食品114および関連する食品注文ID111は、中央キッチン施設300に共同配置されたそれぞれのキッチン310に生産のために電子的に送信される。食品注文110に関連付けられた食品114を生産するように指示された各キッチン310は食品114を生産し、食品114および食品注文ID111に(例えば、ラベル付けシステム330を使用して)電子的にマーキングおよび/またはタグ付けされた包装を施し、次いで、電子的にマーキングおよび/またはタグ付けされた食品114を、中央キッチン施設300の施設コンピュータサーバ320によって制御される分類システム340に出力する。施設コンピュータサーバ320は、まず特定の注文110に含まれるすべての食品114を集めるように分類システム340に指示し、次に、完成した注文110を中央キッチン施設300の注文積み込みゾーンに送らせる。
【0051】
中央キッチン施設300の施設コンピュータサーバ320は、処理中のすべての注文110の希望配達場所116を継続的に監視し、配達最適化アルゴリズムを使用して、積み込みの準備ができている注文110を1台の配達車両40による多目的地行程で配達できるようにグループ化する。配達車両40が中央キッチン施設300の注文積み込みゾーンに到着すると、配達車両40には1つ以上の食品注文110が積み込まれ、1つ以上の食品注文110の食品注文ID111および配達場所116が与えられる。配達車両40に複数の食品注文110が積み込まれている場合、食品注文110は、配達最適化アルゴリズムによって決定された所定のルートに沿って所定の順序で配達される。
【0052】
VRS1は、配達車両40に設置された食品配達機器400も含むことができる。食品配達機器400は、適切な通信プロトコル(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、WI-FI(登録商標)、ZIGBEE(登録商標)、イーサネット、SAP(登録商標)、SAS(登録商標)、ATP、GSM、TCP/IPなど)によって構築され、少なくとも部分的にはワイヤレスで構築された通信リンクを介して中央キッチン施設300の施設コンピュータサーバ320およびコンピュータ注文システム100と通信する配達制御システム410を含むことができる。配達車両40の配達制御システム410は、中央キッチン施設300の施設コンピュータサーバ320およびコンピュータ注文システム100と通信し、選択された中央キッチン施設300から連絡を受けて1つ以上の食品注文110を積み込んだり、食品注文情報112(例えば、希望配達場所116および食品注文ID111)を受信したり、車両位置情報404および食品注文配達ステータス402を送信することができる。
【0053】
専用のVRS配達車両40を使用して、配達中の食品注文110を温度管理しながら保管することが好ましい。あるいは、第三者の配達車両を使用してもよいが、配達温度を動的に安定化できる配達車両40が優先して用いられる。配達車両40に設置された食品配達機器400は、配達車両40の内部または外部からアクセス可能な複数のコンパートメント422を備えた温度管理保管システム420を含むことができる。各保管用コンパートメントは、断熱および保温および/または保冷機能を備えることができるが、別の態様では、それを必要としない食品に対しては温度管理機能を持たないように構成することも可能である。独特な構成として、温度管理保管システム420は、例えば、ペルチェ熱電モジュール、蒸気圧縮冷蔵ユニット、またはその他のユニット化された熱変性方法などによる保温/保冷用熱ユニット424の高温側および低温側の両方を同時に使用することができる。伝統的に、熱ユニット424の一方側は、他方側の利用に関係なく、熱を逃がすために(冷蔵ユニットの場合)または熱を吸収するために(ヒートポンプの場合)使用される。温度管理保管システム420は、熱ユニット424の「高温」側を使用して指定したコンパートメント422を周囲温度より高く保ち、同時に熱ユニット424の「低温」側を使用して指定したコンパートメント422を周囲温度より低く保つ。この新規の設計により、各熱ユニット424のエネルギー効率が最大化され、同時に必要とされる熱ユニットの数が半分に削減される。そのため、この独特な設計により、複数のコンパートメントを同時に保温および保冷するためのエネルギー効率の高い手段をバッテリー駆動の車両において実現する実用的な方法が提供される。
【0054】
図3に示すように、好適な実施形態では、温度管理保管システム420は、互いに対向して配置された複数の保温用コンパートメントH1~H6と複数の保冷用コンパートメントC1~C6との間に配置される保温/保冷用熱ユニット424の相対する熱出力を同時に利用している。典型的には、図3図5に示されるように、同種の熱的コンパートメント(例えば、H1~H6またはC1~C6)は、車両の一方側で互いに隣接するようにまとめてグループ化される。任意の数の種々のレイアウトおよび設計配置を使用することができるが、そのすべてにおいて、配達車両40の1つの領域内における保冷グループのコンパートメントC1~C6に熱ユニット424の「低温」熱出力が同時に送られ、配達車両40の別の領域内における保温グループのコンパートメントH1~H6に熱ユニット424の「高温」熱出力が同時に送られるという独特な構成が共有される。例えば、個々のペルチェモジュール424の場合は、配達車両40の両側の一対の保温および保冷用コンパートメント422を共有することができ、あるいは高出力熱ユニット424の場合は、中央分散方式で複数対の保温および保冷用コンパートメント422に同時に供給するようにも構成される。冷凍温度を維持することが必要とされるコンパートメント422については、高出力熱モジュール424を使用して各保冷用コンパートメントに前記冷凍温度を提供し、同時に各保温用コンパートメントには高い加熱温度を提供することができる。
【0055】
実施形態のいくつかでは、配達車両40は、自律型車両(すなわち、人間の運転者が行うすべての運転のための動的操縦を実行できる自動運転システムを装備した車両)である。自律型配達車両40の食品配達機器400は、1つ以上の外側に取り付けられたタッチスクリーン426を含む。食品注文110のための配達場所116に到着すると、顧客10は、1つ以上のタッチスクリーン426を介して注文ID111を入力するように促される。顧客10によって入力された注文ID111が、配達車両40によって配達された注文110と一致すると、注文110に対応する食品114を含むコンパートメント422はロック解除され、1つ以上のタッチスクリーン426上で(例えば、マーキングされた英数字の指定により)識別される。また、配達車両40の対応するコンパートメントドア422上の表示ライト428が点灯し、注文110の食品114を含む適切なコンパートメント422に顧客を誘導する。
【0056】
タッチスクリーン426は、顧客10に、タッチスクリーン426上の注文受領ボタンを押すことにより、食品注文110のすべての食品114が自律型配達車両40の保管用コンパートメント422から取り出されたことを確認するよう促す。食品注文110の食品114を含む1つ以上のコンパートメント422が1度も開かれていない場合には、タッチスクリーン426に警告が表示されるか、コンピューティングデバイス20にメッセージが送信されるか、あるいは音声によるアナウンスが行われ、顧客10に、注文110が配達車両40から完全に取り出されていないことを気付かせるようにする。さらに、自律型配達車両40は、食品注文110の食品114を含むすべてのコンパートメントドア422が開かれ、顧客が食品注文110のすべての食品114が取り出されたことを確認するまで、その場所から離れることができない。その確認が完了して初めて、自律型配達車両40は配達場所を出発する。加えて、自律型配達車両40の食品配達機器400は、食品配達機器400がドアベルシステムまたはその他のホームアクセスシステムと相互に通信し、食品注文配達の到着を知らせることを可能にするドアベルシステムインターフェースモジュールまたはその他のホームアクセスインターフェースモジュールを含むこともできる。
【0057】
本発明の実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提示されたものである。本発明を網羅的に説明していること、または本発明を開示された形態に限定することは意図されていない。上記の開示から自明な修正および変形が可能である。記載された実施形態は、当業者が様々な実施形態および特定の想定される用途に適した様々な変形例において本発明を利用できるように、本発明の原理およびその実際の応用を最もよく示すために選択されたものである。
図1
図2
図3
図4
図5