IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特開-分光器 図1
  • 特開-分光器 図2
  • 特開-分光器 図3
  • 特開-分光器 図4A
  • 特開-分光器 図4B
  • 特開-分光器 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050664
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】分光器
(51)【国際特許分類】
   G01J 3/18 20060101AFI20220323BHJP
   G01J 3/36 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
G01J3/18
G01J3/36
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022007097
(22)【出願日】2022-01-20
(62)【分割の表示】P 2018511145の分割
【原出願日】2016-06-14
(31)【優先権主張番号】14/840,537
(32)【優先日】2015-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】599082218
【氏名又は名称】メトラー-トレド ゲーエムベーハー
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】クオ,チュン-ハン
(72)【発明者】
【氏名】コヴィッチ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ポル,トマシュ
(72)【発明者】
【氏名】クレヴァティン,マリオ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】所望のスペクトル域において光エネルギーの増大をもたらすとともに、迷光の捕捉の改善をもたらした分光器を提供する。
【解決手段】分光器100は、ハウジング102を備え、壁部104は、第1、第2および第3の開口106,108,110と、ハウジングの内部において第1の光路部分LP1に沿って光を方向付けるように構成された入口スリット112と、第1の光路部分に沿った入口スリットからの光を受け取り、ハウジングの内部において第2の光路部分LP2に沿って光を方向付けるように構成された分散素子114と、第2の光路部分に沿った分散素子からの光を受け入れるように構成された検出器116と、を備える。検出器は、第1および第2のグループの感光領域118,120を備えていてもよい。カバー105が、第1のグループの感光領域を光路から分離するように位置決めされてもよい。第2のグループの感光領域が光路にさらされる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分光器(100)であって、
ハウジング(102)を備え、
前記ハウジング(102)は、該ハウジングの内部に対面する内面を有する壁部(104)を備え、
前記壁部は、第1の開口(106)と、第2の開口(108)と、第3の開口(110)と、を備え、
前記壁部は、前記第2の開口(108)の内側に向けて延在する複数の突出部(122)を備え、
前記分光器(100)は、さらに、
前記第1の開口(106)のところに位置する入口スリット(112)であって、前記ハウジング(102)の前記内部において光路の第1の部分(LP1)に沿って光を方向付けるように構成された入口スリット(112)と、
前記第2の開口(108)のところに位置する分散素子(114)であって、前記光路の前記第1の部分(LP1)に沿った前記入口スリット(112)からの光を受け取り、前記ハウジング(102)の前記内部において前記光路の第2の部分(LP2)に沿って光を方向付けるように構成された分散素子(114)と
を備え、
前記分散素子(114)は、前記第2の開口(108)内へ延在する前記複数の突出部(122)に接触する寸法を有する輪郭部(124)を備え、
前記複数の突出部(122)および前記分散素子(114)の前記輪郭部(124)は、前記分散素子(114)が少なくとも部分的に前記第2の開口(108)内に位置する場合に前記分散素子(114)の前記輪郭部(124)が前記複数の突出部(122)の全てに接触するように、また、前記入口スリット(112)に対する前記分散素子(114)の向きが固定されるように相補的な寸法パラメータおよび相補的な公差パラメータを有し、
前記分光器(100)は、さらに、前記第3の開口(110)のところに位置する検出器(116)を備え、
前記検出器(116)は、前記光路の前記第2の部分(LP2)に沿った前記分散素子(114)からの光を受け入れるように構成された
分光器。
【請求項2】
請求項1に記載の分光器(100)であって、
前記第2の開口(108)は、内側開口(2081)と外側開口(2082)とを備え、
前記内側開口(2081)は、前記外側開口(2082)よりも前記ハウジングの前記内部の近くに位置し、
前記複数の突出部(122)は、前記内側開口の内側に向けて延在する第1のグループの突出部(122A)と、前記外側開口の内側に向けて延在する第2のグループの突出部(122B)と、を備える
分光器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の分光器(100)であって、
前記第1のグループの突出部(122A)および前記第2のグループの突出部(122B)のうちの少なくとも一方は、少なくとも3つの突出部を備える
分光器。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記内側開口(2081)および前記外側開口(2082)は、異なる直径を有する
分光器。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記検出器(116)は、第1のグループの感光領域(118)と第2のグループの感光領域(120)とを備え、
前記分光器(100)は、さらに、前記第1のグループの感光領域(118)を前記光路から分離するように位置決めされるカバー(105)を備え、
前記第2のグループの感光領域(120)は、前記光路にさらされる
分光器。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記検出器(116)は、電荷結合素子アレイ検出器、ライン電荷結合素子検出器、フォトダイオードアレイ検出器、および、相補的な金属酸化膜半導体検出器のうちの1つである
分光器。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記第1のグループの感光領域(118)は、第1の波長帯の光を検出し、
前記第2のグループの感光領域(120)は、第2の波長帯の光を検出し、
前記第1の波長帯と前記第2の波長帯とは異なっている
分光器。
【請求項8】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記第1のグループの感光領域(118)は、第1の波長帯の光を検出し、
前記第2のグループの感光領域(120)は、第2の波長帯の光を検出し、
前記第1の波長帯と前記第2の波長帯とは重複しない
分光器。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記検出器(116)の前段に配置されたフィルタ(117)を備え、その結果、前記光路の前記第2の部分(LP2)に沿って移動する光は、まず前記フィルタ(117)を超え、次いで前記検出器(116)に達する
分光器。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記カバー(105)は、前記ハウジング(102)の前記壁部と一体である
分光器。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記カバー(105)は、前記ハウジング(102)の前記壁部と別体である
分光器。
【請求項12】
請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記入口スリット(112)は、前記第1の開口(106)のところに、前記ハウジング(102)の前記内面に対して角度付けられた平面に沿って延在するくさび状部(126)を備え、
前記くさび状部(126)は、前記光路の前記第1の部分(LP1)についての前記分散素子(114)に対する所定の向きで前記入口スリット(112)を固定するように構成される
分光器。
【請求項13】
請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記入口スリット(112)は、前記くさび状部(126)に対して90度の角度で延在する長手方向の隙間(113)を備える
分光器。
【請求項14】
請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
光ファイバー(128)と組み合わせられ、
前記光ファイバー(128)は、光が前記光ファイバー(128)を通って前記分光器(100)内へ方向付けられるように構成され、
前記ファイバーは前記入口スリット(112)と光学的に連通する
分光器。
【請求項15】
請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記入口スリットを所定の向きで固定するために前記入口スリット(112)の前記くさび状部(126)に当接して位置決めされたネジ(130)を備える
分光器。
【請求項16】
請求項15に記載の分光器(100)であって、
前記入口スリット(112)は、該入口スリット(112)の周囲にフランジ(132)を備え、
前記くさび状部(126)は、前記フランジのくさび状部である
分光器。
【請求項17】
請求項15または請求項16に記載の分光器(100)であって、
光ファイバー(128)と組み合わせられ、
前記光ファイバー(128)は、光が前記光ファイバーを通って前記分光器内へ方向付けられるように構成され、
前記フランジ(132)は、前記入口スリット(112)と光学的に連通する前記光ファイバーを収容するチューブ状部材を備える
分光器。
【請求項18】
分光計(500)であって、
請求項1ないし請求項17のいずれか一項に記載の分光器(100)と、
光源(502)と、
サンプルまたはサンプルキャリアを保持するように構成された測定領域(504)と、
前記光源(502)からの光を前記測定領域(504)へ方向付けるように構成された第1の光学素子(506)と、
前記測定領域(504)からの光を前記分光器(100)の前記入口スリット(112)へ方向付けるように構成された第2の光学素子(508)と
を備える
分光計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、分光器に関し、それには、サンプルの分光計測または光度測定を行うための分光器が含まれるが、それに限定はされない。
【背景技術】
【0002】
[0002]市場では様々な分光器を入手可能である。公知の分光器は、一般的に、高度なアクティブアライメントを必要とする。例えば、公知の分光器は、顕微鏡下での方向付けが必要なスリットと、分光器の光路とのアライメントを行うための調節可能なマウント上に取り付けることが必要な回折素子と、を備えている。本明細書で記載される分光器の例示的な実施形態は、所望のスペクトル域(単数または複数)において光エネルギーの増大をもたらすとともに、迷光の捕捉の改善をもたらし、それによって、迷光が低減されるか最小化される。さらに、本明細書に記載される例示的な分光器は、冗長なアライメントを必要とすることの影響を受けにくい。さらに、本明細書に記載される例示的な分光器は、向上した全体性能を示す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]分光器が開示される。この分光器は、ハウジングを備えている。ハウジングは、当該ハウジングの内部に面する内面を有する壁部を備えている。壁部は、第1、第2および第3の開口を備えている。壁部は、第2の開口の内側に向けて延在する複数の突出部を備えている。分光器は、さらに、第1の開口のところに位置し、ハウジングの内部において光路の第1の部分に沿って光を方向付けるように構成された入口スリットと、第2の開口のところに位置し、光路の第1の部分に沿った入口スリットからの光を受け入れるとともに、ハウジングの内部において光路の第2の部分に沿って光を方向付けるように構成された分散素子と、を備えている。分散素子は、第2の開口内へ延在する突出部に接触する寸法を有する輪郭部を有している。突出部および分散素子の輪郭部は、相補的な寸法パラメータおよび相補的な公差パラメータを有しており、その結果、分散素子が少なくとも部分的に第2の開口内に位置するときに、分散素子の輪郭部は、複数の突出部の全てと接触し、また、入口スリットに対する分散素子の向きが固定される。分光器は、さらに、第3の開口のところに位置し、光路の第2の部分に沿った分散素子からの光を受け入れるように構成された検出器を備えている。
【0004】
[0004]第2の開口は、内側開口および外側開口を備えている。内側開口は、外側開口よりもハウジングの内部の近くに位置している。
【0005】
[0005]さらに、突出部は、内側開口の内側に向けて延在する第1のグループの突出部と、外側開口の内側に向けて延在する第2のグループの突出部と、を備えている。
【0006】
[0006]一実施形態では、第1のグループの突出部および第2のグループの突出部のうちの少なくとも一方は、少なくとも3つの突出部を備えている。
【0007】
[0007]さらなる実施形態では、内側開口および外側開口は、異なる直径を有していてもよい。
【0008】
[0008]代替の例示的な実施形態では、分光器が開示される。この分光器は、例示的な実施形態では、ハウジングを備えている。ハウジングは、当該ハウジングの内部に面する内面を有する壁部を備えている。壁部は、第1、第2および第3の開口を備えている。分
光器は、さらに、第1の開口のところに位置し、ハウジングの内部において光路の第1の部分に沿って光を方向付けるように構成された入口スリットと、第2の開口のところに位置し、光路の第1の部分に沿った入口スリットからの光を受け入れるとともに、ハウジングの内部において光路の第2の部分に沿って光を方向付けるように構成された分散素子と、第3の開口のところに位置し、光路の第2の部分に沿った分散素子からの光を受け入れるように構成された検出器と、を備えている。検出器は、第1のグループの感光領域と、第2のグループの感光領域と、を備えている。分光器は、さらに、第1のグループの感光領域を光路から分離するように位置決めされるカバーを備えている。第2のグループの感光領域は、光路に露出される。
【0009】
[0009]検出器は、好ましくは、電荷結合素子アレイ検出器、ライン電荷結合素子検出器、フォトダイオードアレイ検出器、および、相補的な金属酸化膜半導体検出器のうちの1つである。
【0010】
[0010]一実施形態では、第1のグループの感光領域は、第1の波長帯の光を検出し、第2のグループの感光領域は、第2の波長帯の光を検出する。第1の波長帯と第2の波長帯とは異なっている。上述の形態のバリエーションでは、第1のグループの感光領域、および、第2のグループの感光領域は、第1および第2の非重複波長帯の光をそれぞれ検出してもよい。
【0011】
[0011]他の実施形態では、分光器は、検出器の前段に配置されたフィルタを備えており、その結果、光路の第2の部分に沿って移動する光は、まずフィルタを超え、次いで検出器に達するように配置される。
【0012】
[0012]分光器の一実施形態では、カバーは、ハウジングの壁部と一体化されている。他の実施形態では、カバーは、ハウジングの壁部と別体であってもよい。
【0013】
[0013]他の例示的な実施形態では、分光器が開示される。この分光器は、ハウジングを備えている。ハウジングは、当該ハウジングの内部に面する内面を有する壁部を備えている。壁部は、第1、第2および第3の開口を備えている。分光器は、さらに、第1の開口のところに位置し、ハウジングの内部において光路の第1の部分に沿って光を方向付けるように構成された入口スリットを備えている。入口スリットは、第1の開口のところにハウジングの内面に対して角度付けられた平面に沿って延在するくさび状部を備えている。分光器は、さらに、第2の開口のところに位置し、光路の第1の部分に沿った入口スリットからの光を受け入れるとともに、ハウジングの内部において光路の第2の部分に沿って光を方向付けるように構成された分散素子と、第3の開口のところに位置し、光路の第2の部分に沿った分散素子からの光を受け入れるように構成された検出器と、を備えている。くさび状部は、光路の第1の部分についての分散素子に対する所定の向きで入口スリットを固定するように構成される。
【0014】
[0014]一実施形態では、入口スリットは、くさび状部に対して90度の角度で延在する長手方向の隙間を備えている。
【0015】
[0015]他の実施形態では、上述の分光器と組み合わせて光ファイバーが設けられてもよい。光ファイバーは、入口スリットと光学的に連通する光ファイバーを通って光が分光器内へ方向付けられるように構成される。
【0016】
[0016]分光器は、さらに、入口スリットを所定の向きで固定するために入口スリットのくさび状部に当接して位置決めされたネジを備えていてもよい。入口スリットは、入口スリットの周囲にフランジを備えている。くさび状部は、フランジのくさび状部である。
【0017】
[0017]さらなる実施形態では、分光器は、光ファイバーを備えていてもよい。光ファイバーは、光が光ファイバーを通って分光器内へ方向付けられるように構成される。さらに、フランジは、入口スリットと光学的に連通する光ファイバーを収容するチューブ状部材を備えている。
【0018】
[0018]さらに、本発明によれば、分光計は、上述の分光器を備えており、その上述の実施形態が開示される。分光計は、好ましくは、光源と、サンプルまたはサンプルキャリアを保持するように構成された測定領域と、光源からの光を測定領域へ方向付けるように構成された第1の光学素子と、測定領域からの光を分光器の入口スリットへ方向付けるように構成された第2の光学素子と、を備えている。
【0019】
[0019]本明細書で開示される他の特徴および利点は、添付図面と併せて読めば、例示的な実施形態の次の詳細な説明からいっそう明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】分光器の例示的な実施形態を示している。
図2】分光器の代替の例示的な実施形態を示している。
図3】分光器の代替の例示的な実施形態の断面図を示している。
図4A】入口スリットの代替の例示的な実施形態を示している。
図4B】入口スリットの代替の例示的な実施形態を示している。
図5】分光計の例示的な実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0020]図1,2,3は、分光器100の例示的な実施形態を示している。分光器100は、壁部104を有するハウジング102を備えている。壁部104は、ハウジング102の内部に面する内面を有している。壁部は、第1の開口106と、第2の開口108と、第3の開口110と、を備えている。分光器100は、第1の開口106のところに位置する入口スリット112を備えている。入口スリット112は、ハウジング102の内部において光路の第1の部分LP1に沿って光を方向付けるように構成される。分光器100は、第2の開口108のところに位置する分散素子114を備えている。分散素子114は、光路の第1の部分LP1に沿った入口スリット112からの光を受け入れるとともに、ハウジング102の内部において光路の第2の部分LP2に沿って光を方向付けるように構成される。分光器100は、第3の開口110のところに位置する検出器116を備えている。検出器116は、光路の第2の部分LP2に沿った分散素子114からの光を受け入れるように構成される。
【0022】
[0021]分光器100の例示的な実施形態では、ハウジング102は、特定のスペクトル域の光を遮るために、黒色の陽極酸化材料、および/または、当該技術分野で公知もしくは今後開発される他の材料を含有している。例示的な実施形態では、第1の開口106および第3の開口110は、ハウジング102の同じ側に位置しており、第2の開口108は、ハウジング102の反対側に位置している。その結果、光は、ハウジング102の一方側から入口スリット112を通って入り、ハウジング102の反対側において分散素子114によって分散され、ハウジング112の、入口スリット112が位置する側で検出器116に到達する。図3に示されるように、ハウジングカバー103が、ハウジング102を閉じるために配置されており、ハウジング102の内部の暗環境を提供する。
【0023】
[0022]分光器100の例示的な実施形態では、入口スリット112によって光路の第1の部分LP1に沿って方向付けられた光は、入口スリット112と光学的に連通するファイバー128から来る。
【0024】
[0023]分光器100の例示的な実施形態では、分散素子114は、透過回折格子、溝付き回折格子、ホログラフィック回折格子、および/または、プリズム、および/または、当該技術分野で公知または今後開発される他の適切な分散素子を備えている。例示的な実施形態では、分散素子114は、四角形又は正方形のプレートと、凹状円形反射・回折面であるアクティブ領域と、を備えている。
【0025】
[0024]例示的な実施形態では、分光器100、光源、および/または、光源と検出器116との間の光学部品の一部または全部は、「UV/Vis」(紫外可視)域で動作するように構成される。他の例示的な実施形態では、分光器100、光源、および/または、光源と検出器116との間の光学部品の一部または全部は、UV/Vis、Vis(可視)、MIR(中赤外)および/またはNIR(近赤外)のスペクトル域のうちのいずれか1つ、または、それらの任意の組み合わせで動作するように構成される。例えば、検出器116および/または分散素子114は、電磁スペクトルのこれらの範囲のいずれかまたは任意の組み合わせについて最適化され得る。
【0026】
[0025]分光器100の例示的な実施形態では、入口スリット112は、入口スリット112から分散素子114を介して検出器116まで光が移動する距離を調節することによって、焦点アライメントのためにz-位置合わせされてもよい。検出器116は、検出器116の平面において検出器116を移動させることによって、焦点面アライメントのためにx/y-位置合わせされてもよい。また、検出器116は、ネジを使用して手動操作で細かく位置合わせされてもよい。入口スリット112上の焦点アライメントも調節されてもよい。光の焦点は、検出器116のところで光をシャープにするために最適化されてもよい。
【0027】
[0026]本明細書に記載される例示的な実施形態では、分光器100の性能は、迷光を低減または最小化することによって、所望のスペクトル域(単数または複数)における光エネルギーを増大させることによって、および、迷光を適切に捕捉することによって、向上することができる。さらに、本明細書に記載される例示的な実施形態は、冗長なアライメントを必要とすることの影響を受けにくい。
【0028】
[0027]図1および図2に示されるように、検出器116は、感光領域118の第1のグループと、感光領域120の第2のグループと、を備えている。分光器100は、感光領域118の第1のグループを光路から分離するように位置決めされるカバー105を備えている。感光領域120の第2のグループは、光路に露出される。
【0029】
[0028]分光器100の例示的な実施形態では、カバー105は、光路に沿って方向付けられた光のゼロ次(オーダー)信号を遮る。例示的な実施形態では、これは望ましい。なぜなら、例えば、1次信号は、分光計測についての対象となるからである。カバー105がゼロ次信号を遮るので、別体の光トラップが不要となり、光が検出器116上に焦点を結ぶ状態に維持することができ、ゼロ次光を光トラップに向けて、ひいては、検出器116から離れる方向に方向付ける必要がない。検出器116に到達する迷光が実質的に低減され、ピクセルオーバーフローまたは散乱光によって光が漏洩するリスクが低減されるか、取り除かれる。カバー105を使用することによって、暗電流を測定して、補償強度値を取得することが可能になり、また、サンプル測定と同一温度で同時に暗電流測定を行うことが可能になる。このことは、望ましい。なぜなら、測定される光度は温度感性だからである。
【0030】
[0029]分光器100の例示的な実施形態では、カバー105は、反射して分散素子114および/または入口スリット112に戻る光が低減されるか、なくなり、したがって、迷光が低減されるように、ゼロ次信号がカバー105によって受け入れられるように方向付けられる。検出器116は、分散素子114によって反射された光の湾曲焦点面に一致するように傾けられてもよい。
【0031】
[0030]分光器100の例示的な実施形態では、検出器116は、電荷結合素子(CCD)アレイ検出器、ラインCCD検出器、フォトダイオードアレイ検出器、または、相補的な金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、および/または、当該技術分野で公知または今後開発される他の適切な検出器のうちの1つである。
【0032】
[0031]分光器100の例示的な実施形態では、第1のグループの感光領域118は、第1の波長域の光を検出し、第2のグループの感光領域120は、第2の波長域の光を検出し、第1の波長域と第2の波長域とは異なっている。
【0033】
[0032]分光器100の例示的な実施形態では、第1のグループの感光領域118は、第1の波長域の光を検出し、第2のグループの感光領域120は、第2の波長域の光を検出し、第1の波長域と第2の波長域とは重複していない。
【0034】
[0033]例示的な実施形態では、分光器100は、検出器116の前段に配置されたフィルタ117を備えており、その結果、光路の第2の部分LP2に沿って移動する光がまずフィルタ117を超え、その後、検出器116に到達する。第2のグループの感光領域120は、フィルタ117が第2のグループの感光領域120とハウジング112の内部との間に配置される場合であっても、光路にさらされる。例示的な実施形態では、フィルタ117は、分散素子114からの高次光を抑制する、当該技術分野で公知または今後開発される任意のフィルタを備えている。例示的な実施形態では、フィルタ117は、オーダソーティングフィルタである。例示的な実施形態では、フィルタ117は、検出器116に接触している。例示的な実施形態では、フィルタ117は、公知のシステムで使用される検出器ウィンドウに取って代わる。換言すれば、フィルタ117は、オーダソーティングフィルタおよび検出器ウィンドウの機能を実行するように構成される。例えば、フィルタ117は、二次光または三次光が検出器116に到達する可能性を低減する。
【0035】
[0034]分光器100の例示的な実施形態では、カバー105は、黒色の陽極酸化金属プレートを備えている。代替的に、カバー105は、特定のスペクトル域の光を遮るために、当該技術分野で公知または今後開発される他の任意の材料を含有していてもよい。
【0036】
[0035]分光器100の例示的な実施形態では、カバー105は、ハウジング102の壁部104と一体的である。例えば、カバー105は、ハウジング102の壁部104の隣接部分と連続しており、当該隣接部分と同一の材料から形成される。
【0037】
[0036]分光器100の例示的な実施形態では、カバー105は、ハウジング102の壁部104と別体である。例示的な実施形態では、カバー105は、ハウジング102の壁部104に結合される。他の例示的な実施形態では、カバー105は、ハウジング102の壁部104から離間している。
【0038】
[0037]図1および図2に示されるように、壁部104は、第2の開口108の内側に向けて延在する複数の突出部122を備えている。分散素子114は、第2の開口108内へ延在する突出部122に接触する寸法を有する輪郭部124を備えている。分散素子114の輪郭部124および突出部122は、相補的な寸法パラメータおよび相補的な公差パラメータを有しており、その結果、分散素子114の輪郭部124は、分散素子114が少なくとも部分的に第2の開口108内に位置する場合に複数の突出部122の全てに接触し、また、入口スリット112に対する分散素子114の向きが固定される。分光器100の例示的な実施形態では、分散素子114の輪郭部124は、ハウジング102の内部に向かう方向において分散素子114に力が作用する場合に、複数の突出部122の全てと接触する。
【0039】
[0038]相補的な寸法パラメータおよび相補的な公差パラメータは、分散素子114が少なくとも部分的に第2の開口108内に位置するときに、分散素子114の輪郭部124が複数の突出部122の全てと接触するように、また、分散素子114の向きが固定されるように、製造時に決定される。換言すれば、分散素子114が特定の用途のために一意的に構成され得ることを説明するために、分散素子114を第2の開口108内に配置されるように構成するのに使用される寸法および公差に基づいて第2の開口108が構成される。結果として、第2の開口108および突出部122を形成する際に、分散素子114の製造時に生じるズレが考慮される。突出部122の構成は、組み立て時に追加的なアライメントが必要になる可能性を低減する。例示的な実施形態では、分散素子114が製造されるとき、分散素子114は、分散素子114の基材における欠陥に基づいて調整される。例えば、分散素子114の寸法および心出しが調整される。例示的な実施形態では、ハウジング102の第2の開口108は、これらの調整に基づいて構成される。
【0040】
[0039]分光器100の例示的な実施形態では、第2の開口108は、内側開口2081と外側開口2082とを備えている。内側開口2081は、外側開口2082よりもハウジング102の内部に近い。突出部122は、内側開口2081の内側に向けて延在する第1のグループの突出部122Aと、外側開口2082の内側に向けて延在する第2のグループの突出部122Bと、を備えている。
【0041】
[0040]分光器100の例示的な実施形態では、第1のグループの突出部122Aおよび第2のグループの突出部122Bのうちの少なくとも一方は、少なくとも3つの突出部122を備えている。分光器100の他の実施形態では、突出部の第1のグループ122Aおよび/または第2のグループ122Bは、2つの突出部、または、3つよりも多い突出部を備えていてもよい。例示的な実施形態では、突出部122は、分散素子114が第2の開口108に対して任意の方向に傾くリスクを低減するように構成される。例示的な実施形態では、第1のグループの突出部122Aは、分散素子114の反射面および/または回折面に向けて突出する3つの半球状のナッジを備えている。その結果、内側開口2081内に位置決めされたときに、この面が検出器116およびスリット112に対面する。
【0042】
[0041]分光器100の例示的な実施形態では、内側開口2081および外側開口2082は、異なる直径を有している。例示的な実施形態では、内側開口2081および外側開口2082は、異なる形状を有している。
【0043】
[0042]図3に示されるように、入口スリット112は、第1の開口106のところでハウジング102の内面に対して角度付けられた(すなわち、ゼロではない角度で傾いた)平面に沿って延在するくさび状部126を備えている。くさび状部126は、光路の第1の部分LP1についての分散素子114に対する所定の向きで入口スリット112を固定するように構成される。
【0044】
[0043]分光器100の例示的な実施形態では、入口スリット112は、図4Aに示されるように、くさび状部126に対して90度の角度で延在する長手方向の隙間113を備えている。図4Aは、例示的な入口スリット112を示している。他の例示的な実施形態では、長手方向の隙間113は、くさび状部126に対して他の任意の角度で延在する。
【0045】
[0044]例示的な実施形態では、分光器100は、光ファイバー128と組み合わされる。光ファイバー128は、光が光ファイバー128を通って分光器100内へ方向付けられるように構成される。光ファイバー128は、入口スリット112と光学的に連通する。
【0046】
[0045]分光器100の例示的な実施形態は、入口スリット112を所定の向きで固定するために、スリット112のくさび状部126に当接して位置決めされるネジ130を備えている。入口スリット112およびそのくさび状部126の構成は、顕微鏡でアライメントされる公知の入口スリットとは異なり、組み立て時に追加的なアライメントが必要になる可能性を低減する。
【0047】
[0046]分光器100の例示的な実施形態では、入口スリット112は、スリット112の周囲にフランジ132を備えている。くさび状部126は、フランジ132のくさび状部である。
【0048】
[0047]例示的な実施形態では、分光器100は、光ファイバー128と組み合わされる。光ファイバー128は、光が光ファイバー128を通って分光器100内へ方向付けられるように構成される。フランジ132は、入口スリット112と光学的に連通する光ファイバー128を収容するチューブ状部材を備えている。例示的な実施形態では、チューブ状部材は、フェルールである。
【0049】
[0048]図4Bは、入口スリット112の例示的な実施形態を示している。スリット112のフランジ132は、2つのファイバー128を収容する。これらのファイバー128は、互いに隣接しており、くさび状部126に直交する方向に整合される。他の例示的な実施形態では、長手方向の隙間113は、くさび状部126に対して他の任意の角度で延在する。
【0050】
[0049]図5は、分光計500の例示的な実施形態を示している。分光計500は、分光器100と、光源502と、サンプルまたはサンプルキャリアを保持するように構成された測定領域504と、光源502からの光を測定領域504へ方向付けるように構成された第1の光学素子506と、測定領域504からの光を入口スリット112へ方向付けるように構成された第2の光学素子508と、を備えている。第1の光学素子506は、第1の光ファイバー(例えば、ガラスファイバー)510を備えている。
【0051】
[0050]例示的な実施形態では、第1の光学素子506は、光源502と第2の光学素子508との間の光路の一部分の光が、分光計の他の構成部品によって遮られることなくサンプルを通って伝播するように、また、光ファイバー128によって集光されるように、方向付けられるように構成される。例示的な実施形態では、光は、サンプル上またはサンプル内に焦点を結ぶ。例示的な実施形態では、光は、第1の光学素子と第2の光学素子との間で実質的にコリメートされる。例示的な実施形態では、ガラスファイバー510(オプションとして、ガラスファイバー510の端部のところにあるコリメータレンズ512(および/またはコリメータミラー)と組み合わされる)の光学特性によって、分光器の他の構成部品によって遮られることなくサンプルを通って伝播するように、また、光ファイバー128によって集光され、サンプル上またはサンプル内に焦点を結び、あるいは、第1の光学素子と第2の光学素子との間で実質的にコリメートされるように、ビームが方向付けられる。ガラスファイバーを使用して構成された分光計は、公知の卓上分光計よりもコンパクトに構築され得る。
【0052】
[0051]第2の光学素子508は、第2の光ファイバー(例えば、光ファイバー128)を備えている。例示的な実施形態では、第1の光学素子506および第2の光学素子508は、光学素子(例えば、光源502から検出器116まで光路に沿って光を伝達するレンズおよびミラー)を備えている。例示的な実施形態では、レンズは、コリメートされた光を光ファイバー128上に焦点を結ばせる。例示的な実施形態では、光路内の全ての光学素子(例えば、光源502、第1の光学素子506、第2の光学素子508、ガラスファイバー510、ガラスファイバー128、フィルタ117(図5では図示されていない)および検出器116が含まれる)が特定のスペクトル域について最適化される。例示的な実施形態では、検出器116は、センサチップ514上に配置される。センサチップ514は、プロセッサと、一時的ではないコンピュータ読み取り可能なメモリと、を備えている。センサチップ514は、ディスプレイ516に接続されるか、あるいは、さらなる処理のためのコンピュータを介してディスプレイ516に接続される。
【0053】
[0052]本発明は、その趣旨または本質的な特性から逸脱することなく他の具体的な形態で実施され得ることが当業者によって理解されるであろう。したがって、ここで開示されている実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではない。本発明の範囲は、上述の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、その意味、範囲および均等物内にある全ての変更が本発明に包含されることが意図されている。
【符号の説明】
【0054】
100…分光器
102…ハウジング
103…ハウジングカバー
104…壁部
105…カバー
106…第1の開口
108…第2の開口
110…第3の開口
112…入口スリット
113…長手方向の隙間
114…分散素子
116…検出器
117…フィルタ
118…第1のグループの感光領域
120…第2のグループの感光領域
122A…第1のグループの突出部
122B…第2のグループの突出部
124…輪郭部
126…くさび状部
128…光ファイバー/ファイバー
LP1…光路の第1の部分
LP2…光路の第2の部分
2081…内側開口
2082…外側開口
130…ネジ
132…フランジ
500…分光計
502…光源
504…測定領域
506…第1の光学素子
508…第2の光学素子
510…ガラスファイバー
512…コリメータレンズ
514…センサチップ
516…ディスプレイ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分光器(100)であって、
ハウジング(102)を備え、
前記ハウジング(102)は、該ハウジングの内部に対面する内面を有する壁部(104)を備え、
前記壁部は、第1の開口(106)と、第2の開口(108)と、第3の開口(110)と、を備え、
前記壁部は、前記第2の開口(108)の内側に向けて延在する複数の突出部(122)を備え、
前記分光器(100)は、さらに、
前記第1の開口(106)のところに位置する入口スリット(112)であって、前記ハウジング(102)の前記内部において光路の第1の部分(LP1)に沿って光を方向付けるように構成された入口スリット(112)と、
前記第2の開口(108)のところに位置する分散素子(114)であって、前記光路の前記第1の部分(LP1)に沿った前記入口スリット(112)からの光を受け取り、前記ハウジング(102)の前記内部において前記光路の第2の部分(LP2)に沿って光を方向付けるように構成された分散素子(114)と
を備え、
前記分散素子(114)は、前記第2の開口(108)内へ延在する前記複数の突出部(122)に接触する寸法を有する輪郭部(124)を備え、
前記複数の突出部(122)および前記分散素子(114)の前記輪郭部(124)は、前記分散素子(114)が少なくとも部分的に前記第2の開口(108)内に位置する場合に前記分散素子(114)の前記輪郭部(124)が前記複数の突出部(122)の全てに接触するように、また、前記入口スリット(112)に対する前記分散素子(114)の向きが固定されるように相補的な寸法パラメータおよび相補的な公差パラメータを有し、
前記分光器(100)は、さらに、前記第3の開口(110)のところに位置する検出器(116)を備え、
前記検出器(116)は、前記光路の前記第2の部分(LP2)に沿った前記分散素子(114)からの光を受け入れるように構成された
分光器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
[0052]本発明は、その趣旨または本質的な特性から逸脱することなく他の具体的な形態で実施され得ることが当業者によって理解されるであろう。したがって、ここで開示されている実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではない。本発明の範囲は、上述の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、その意味、範囲および均等物内にある全ての変更が本発明に包含されることが意図されている。
<付記>
[形態1]
分光器(100)であって、
ハウジング(102)を備え、
前記ハウジング(102)は、該ハウジングの内部に対面する内面を有する壁部(104)を備え、
前記壁部は、第1の開口(106)と、第2の開口(108)と、第3の開口(110)と、を備え、
前記壁部は、前記第2の開口(108)の内側に向けて延在する複数の突出部(122)を備え、
前記分光器(100)は、さらに、
前記第1の開口(106)のところに位置する入口スリット(112)であって、前記ハウジング(102)の前記内部において光路の第1の部分(LP1)に沿って光を方向付けるように構成された入口スリット(112)と、
前記第2の開口(108)のところに位置する分散素子(114)であって、前記光路の前記第1の部分(LP1)に沿った前記入口スリット(112)からの光を受け取り、前記ハウジング(102)の前記内部において前記光路の第2の部分(LP2)に沿って光を方向付けるように構成された分散素子(114)と
を備え、
前記分散素子(114)は、前記第2の開口(108)内へ延在する前記複数の突出部(122)に接触する寸法を有する輪郭部(124)を備え、
前記複数の突出部(122)および前記分散素子(114)の前記輪郭部(124)は、前記分散素子(114)が少なくとも部分的に前記第2の開口(108)内に位置する場合に前記分散素子(114)の前記輪郭部(124)が前記複数の突出部(122)の全てに接触するように、また、前記入口スリット(112)に対する前記分散素子(114)の向きが固定されるように相補的な寸法パラメータおよび相補的な公差パラメータを有し、
前記分光器(100)は、さらに、前記第3の開口(110)のところに位置する検出器(116)を備え、
前記検出器(116)は、前記光路の前記第2の部分(LP2)に沿った前記分散素子(114)からの光を受け入れるように構成された
分光器。
[形態2]
形態1に記載の分光器(100)であって、
前記第2の開口(108)は、内側開口(2081)と外側開口(2082)とを備え、
前記内側開口(2081)は、前記外側開口(2082)よりも前記ハウジングの前記内部の近くに位置し、
前記複数の突出部(122)は、前記内側開口の内側に向けて延在する第1のグループの突出部(122A)と、前記外側開口の内側に向けて延在する第2のグループの突出部(122B)と、を備える
分光器。
[形態3]
形態1または形態2に記載の分光器(100)であって、
前記第1のグループの突出部(122A)および前記第2のグループの突出部(122B)のうちの少なくとも一方は、少なくとも3つの突出部を備える
分光器。
[形態4]
形態1ないし形態3のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記内側開口(2081)および前記外側開口(2082)は、異なる直径を有する 分光器。
[形態5]
形態1ないし形態3のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記検出器(116)は、第1のグループの感光領域(118)と第2のグループの感光領域(120)とを備え、
前記分光器(100)は、さらに、前記第1のグループの感光領域(118)を前記光路から分離するように位置決めされるカバー(105)を備え、
前記第2のグループの感光領域(120)は、前記光路にさらされる
分光器。
[形態6]
形態1ないし形態5のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記検出器(116)は、電荷結合素子アレイ検出器、ライン電荷結合素子検出器、フォトダイオードアレイ検出器、および、相補的な金属酸化膜半導体検出器のうちの1つである
分光器。
[形態7]
形態1ないし形態6のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記第1のグループの感光領域(118)は、第1の波長帯の光を検出し、
前記第2のグループの感光領域(120)は、第2の波長帯の光を検出し、
前記第1の波長帯と前記第2の波長帯とは異なっている
分光器。
[形態8]
形態1ないし形態6のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記第1のグループの感光領域(118)は、第1の波長帯の光を検出し、
前記第2のグループの感光領域(120)は、第2の波長帯の光を検出し、
前記第1の波長帯と前記第2の波長帯とは重複しない
分光器。
[形態9]
形態1ないし形態8のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記検出器(116)の前段に配置されたフィルタ(117)を備え、その結果、前記光路の前記第2の部分(LP2)に沿って移動する光は、まず前記フィルタ(117)を超え、次いで前記検出器(116)に達する
分光器。
[形態10]
形態1ないし形態9のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記カバー(105)は、前記ハウジング(102)の前記壁部と一体である
分光器。
[形態11]
形態1ないし形態10のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記カバー(105)は、前記ハウジング(102)の前記壁部と別体である
分光器。
[形態12]
形態1ないし形態11のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記入口スリット(112)は、前記第1の開口(106)のところに、前記ハウジング(102)の前記内面に対して角度付けられた平面に沿って延在するくさび状部(126)を備え、
前記くさび状部(126)は、前記光路の前記第1の部分(LP1)についての前記分散素子(114)に対する所定の向きで前記入口スリット(112)を固定するように構成される
分光器。
[形態13]
形態1ないし形態12のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記入口スリット(112)は、前記くさび状部(126)に対して90度の角度で延在する長手方向の隙間(113)を備える
分光器。
[形態14]
形態1ないし形態13のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
光ファイバー(128)と組み合わせられ、
前記光ファイバー(128)は、光が前記光ファイバー(128)を通って前記分光器(100)内へ方向付けられるように構成され、
前記ファイバーは前記入口スリット(112)と光学的に連通する
分光器。
[形態15]
形態1ないし形態13のいずれか一項に記載の分光器(100)であって、
前記入口スリットを所定の向きで固定するために前記入口スリット(112)の前記くさび状部(126)に当接して位置決めされたネジ(130)を備える
分光器。
[形態16]
形態15に記載の分光器(100)であって、
前記入口スリット(112)は、該入口スリット(112)の周囲にフランジ(132)を備え、
前記くさび状部(126)は、前記フランジのくさび状部である
分光器。
[形態17]
形態15または形態16に記載の分光器(100)であって、
光ファイバー(128)と組み合わせられ、
前記光ファイバー(128)は、光が前記光ファイバーを通って前記分光器内へ方向付けられるように構成され、
前記フランジ(132)は、前記入口スリット(112)と光学的に連通する前記光ファイバーを収容するチューブ状部材を備える
分光器。
[形態18]
分光計(500)であって、
形態1ないし形態17のいずれか一項に記載の分光器(100)と、
光源(502)と、
サンプルまたはサンプルキャリアを保持するように構成された測定領域(504)と、
前記光源(502)からの光を前記測定領域(504)へ方向付けるように構成された第1の光学素子(506)と、
前記測定領域(504)からの光を前記分光器(100)の前記入口スリット(112)へ方向付けるように構成された第2の光学素子(508)と
を備える
分光計。
【外国語明細書】