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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050692
(43)【公開日】2022-03-30
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20220323BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20220323BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20220323BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220323BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21V23/00 160
F21V23/00 120
F21V19/00 170
F21V19/00 150
F21V19/00 450
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010371
(22)【出願日】2022-01-26
(62)【分割の表示】P 2020094729の分割
【原出願日】2016-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】尾形 大輔
(72)【発明者】
【氏名】酒井 和志
(57)【要約】
【課題】導電体を用いて製造工数を削減できる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、LED素子2031がLED基板2033に実装されてなるLEDモジュールと、回路部品が回路基板に実装され且つLED素子2031に電力供給する電源回路ユニットと、LED基板2031が表側に回路基板が裏側に配されるベース部材とを備え、LED基板2033と回路基板とを電気接続する導電体がLED基板2031に設けられ、回路基板に導電体用の貫通孔と導電体の通過により弾性変形する導電バネ片とが設けられ、LED基板2033と回路基板は平行で一部が表裏方向に重なり、LED基板2033の導電体は、回路基板との重なる部分から立設し、LED基板2031と回路基板とを近づけることで、複数の導電体がベース部材と回路基板との貫通孔を貫通して導電バネ片と電気的に接続する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED素子がLED基板に実装されてなるLEDモジュールと、
複数個の回路部品が回路基板に実装されてなり且つ前記LED素子に電力を供給する電源回路ユニットと、
前記LED基板が表側に配され且つ前記回路基板が裏側に配されるベース部材と
を備える照明装置であって、
前記LED基板と前記回路基板とを電気的に接続する複数の導電体が前記LED基板に設けられ、
前記ベース部材に、前記導電体が挿通するための貫通孔が設けられ、
前記回路基板に、前記導電体が挿通するための貫通孔と、前記貫通孔を塞ぎ且つ前記導電体の前記貫通孔の通過に伴って弾性変形する導電バネ片とが設けられ、
前記LED基板と前記回路基板は平行な状態であって一部が表裏方向に重なり、
前記LED基板に設けられた前記導電体は、前記回路基板と前記表裏方向に重なる部分から前記貫通孔を通過するように立設し、
前記LED基板と前記回路基板とを近づけることで、前記複数の導電体が前記ベース部材の前記貫通孔と前記回路基板の前記貫通孔とを貫通して前記導電バネ片と電気的に接続する
照明装置。
【請求項2】
前記ベース部材の前記貫通孔は、前記複数の導電体が貫通する1つの貫通孔となっている
請求項1に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED素子と電源回路ユニットとを備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境意識の高まりから、省電力化に優れたLED素子を光源に使用したLED照明装置が盛んに用いられ、LED素子をLED基板に実装してなるLEDモジュールを安価に提供する技術が提案されている(例えば特許文献1)。
特許文献1の技術は、LED基板上の配線パターンと電気的に接続するように金属ピンをLED基板の貫通孔に嵌挿するものであり、外部との電気的接続を金属ピンを介して行うため、製造工数を削減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-258606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術では、LEDモジュール以外の外部(例えば、電源回路ユニット等である。)と金属ピン(導電体)との電気的接続が具体的でなく、接続すべき外部の端子の形態によっては製造工数が削減できない場合も生じ得る。
本発明は、導電体を用いて製造工数を削減できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、LED素子がLED基板に実装されてなるLEDモジュールと、複数個の回路部品が回路基板に実装されてなり且つ前記LED素子に電力を供給する電源回路ユニットと、前記LED基板が表側に配され且つ前記回路基板が裏側に配されるベース部材とを備える照明装置であって、前記LED基板と前記回路基板とを電気的に接続する複数の導電体が前記LED基板に設けられ、前記ベース部材に、前記導電体が挿通するための貫通孔が設けられ、前記回路基板に、前記導電体が挿通するための貫通孔と、前記貫通孔を塞ぎ且つ前記導電体の前記貫通孔の通過に伴って弾性変形する導電バネ片とが設けられ、前記LED基板と前記回路基板は平行な状態であって一部が表裏方向に重なり、前記LED基板に設けられた前記導電体は、前記回路基板と前記表裏方向に重なる部分から前記貫通孔を通過するように立設し、前記LED基板と前記回路基板とを近づけることで、前記複数の導電体が前記ベース部材の前記貫通孔と前記回路基板の前記貫通孔とを貫通して前記導電バネ片と電気的に接続する。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、導電体と電気的接続を行う相手側に導電バネ片を設けているので、導電体を相手側の基板の貫通孔に相対的に挿通させることで、電気的接続を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る照明装置の正面図である。
図2】第1の実施形態に係る照明装置の断面正面図である。
図3】第1の実施形態において、(a)は照明装置から筐体を取り外した状態を表側から見た斜視図であり、(b)は照明装置から筐体を取り外した状態を裏側から見た斜視図である。
図4】第1の実施形態において、(a)はベース部材に電源回路ユニットとLEDモジュールとが取付けられた状態を表側から見た斜視図であり、(b)はベース部材に電源回路ユニットとLEDモジュールとが取付けられた状態を裏側から見た斜視図である。
図5】第1の実施形態において、(a)はベース部材に電源回路ユニットとLEDモジュールとが取付けられた状態の断面を表側から見た斜視図であり、(b)はベース部材に電源回路ユニットとLEDモジュールとが取付けられた状態の断面を裏側から見た斜視図である。
図6】(a)は第2の実施形態に係る照明装置を表側から見た斜視図であり、(b)は第2の実施形態に係る照明装置を裏側から見た斜視図である。
図7】第2の実施形態において、(a)は照明装置から透光性カバーを取り外した状態を表側から見た斜視図であり、(b)は(a)の状態から内カバーを取り外した状態を表側から見た斜視図である。
図8】第2の実施形態において、(a)は照明装置を裏側から見た斜視図であり、(b)は(a)の状態から裏カバーを取り外した状態を裏側から見た斜視図である。
図9】第2の実施形態において、(a)は照明装置から裏カバーを取り外した状態を裏側から見た図であり、(b)は照明装置から透光性カバー及び内カバーを取り外した状態を表側から見た図である。
図10】第2の実施形態において、電源回路ユニットとLEDモジュールとの電気的接続を説明する図である。
図11】第2の実施形態において、電源回路ユニットとLEDモジュールとの電気的接続を説明する断面図である。
図12】第2の実施形態において、LEDモジュールの固定を説明する断面図である。
図13】第3の実施形態に係る照明装置の正面図である。
図14】第3の実施形態に係る照明装置の分解斜視図である。
図15】第3の実施形態に係る照明装置の断面図である。
図16】第3の実施形態において、(a)は図13のA-A断面を矢印方向から見た図であり、(b)は図13のB-B断面を矢印方向から見た図である。
図17】第3の実施形態において、(a)は筒体を透光性カバー側から見た斜視図であり、(b)は筒体を口金側から見た斜視図である。
図18】第4の実施形態に係る照明装置の分解斜視図である。
図19】第4の実施形態に係る照明装置の断面図である。
図20】第4の実施形態において、(a)は図13のA-A断面に相当する断面を矢印方向から見た図であり、(b)は図13のB-B断面に相当する断面を矢印方向から見た図である。
図21】第4の実施形態において、(a)は筒体を透光性カバー側から見た斜視図であり、(b)は筒体を口金側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
実施形態の一態様に係る照明装置は、LED素子がLED基板に実装されてなるLEDモジュールと、複数個の回路部品が回路基板に実装されてなり且つ前記LED素子に電力を供給する電源回路ユニットとを備える照明装置において、前記LED基板と前記回路基板とを電気的に接続する導電体が前記LED基板と前記回路基板との一方の基板に設けられ、前記LED基板と前記回路基板との他方の基板に、前記導電体が挿通するための貫通孔と、前記貫通孔を塞ぎ且つ前記導電体の前記貫通孔の通過に伴って弾性変形する導電バネ片とが設けられ、前記LED基板と前記回路基板は平行な状態であって一部が表裏方向に重なり、前記一方の基板に設けられた前記導電体は前記一方の基板における前記他方の基板と表裏方向に重なる部分から前記貫通孔を通過するように立設し、前記LED基板と前記回路基板とを近づけることで、前記導電体が前記貫通孔を通過して前記導電バネ片と電気的に接続する。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記一方の基板は前記回路基板であり、前記他方の基板は前記LED基板であり、前記導電バネ片は前記LED基板における前記回路基板と反対側の面に設けられている。
実施形態の別態様に係る照明装置において、表面に前記LED基板が装着され、裏面に前記回路基板が装着される板状のベース部材を備え、前記LED基板は円板状をし、前記LED基板の周縁部分に近い部位が締結具により前記ベース部材に締結されている。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記導電体は、板状又は棒状をし、前記導電バネ片は、1枚の矩形状の金属板を湾曲させてなり、前記金属板の長手方向の中央に前記導電体通過用の孔を有し、前記孔の両側が「く」字状に湾曲している。
明細書の一態様に係る照明装置は、LED素子がLED基板に実装されてなるLEDモジュールと、複数個の回路部品が回路基板に実装されてなり且つ前記LED素子に電力を供給する電源回路ユニットとを備える照明装置において、前記LED基板と前記回路基板とを電気的に接続する導電体が前記LED基板と前記回路基板との一方の基板に設けられ、前記LED基板と前記回路基板との他方の基板に、前記導電体が挿通するための貫通孔と、前記貫通孔を塞ぎ且つ前記導電体の前記貫通孔の通過に伴って弾性変形する導電バネ片とが設けられ、前記他方の基板は、前記一方の基板が存在する側の面がベース部材に当接する部分で、締結具により前記ベース部材に締結されている。
明細書の別態様に係る照明装置において、前記一方の基板は前記回路基板であり、前記他方の基板は前記LED基板である。
明細書の別態様に係る照明装置において、前記LED基板は円板状をし、前記LED基板の周縁部分に近い部位が前記締結具により前記ベース部材に締結されている。これにより、LED素子から出射された光を遮るのを少なくできる。
明細書の別態様に係る照明装置において、前記締結具はねじ体である。これにより、容易に他方の基板をベース部材に固定できる。
【0009】
<第1の実施形態>
1.概要
第1の実施形態について図1図5を用いて説明する。
第1の実施形態に係る照明装置1は、天井等のダクトレール(図示省略)に取り付けられて使用する、所謂、スポットライトである。
照明装置1は、図2に示すように、ベース部材2を備え、ベース部材2の表側にLEDモジュール3を、ベース部材2の裏側に電源回路ユニット4をそれぞれ有している。なお、電源回路ユニット4とLEDモジュール3とは金属ピン45により電気的に接続されている。
照明装置1は、ベース部材2に装着され且つLEDモジュール3を表側から覆うレンズ部材5と、ベース部材2、LEDモジュール3、電源回路ユニット4及びレンズ部材5を収容する筐体6と、照明装置1をダクトレールに取り付けるためのプラグボックス7と、プラグボックス7と筐体6とを連結するアーム8とをさらに備える。
【0010】
2.各部構成
(1)ベース部材
主に、図4を用いて説明する。
ベース部材2は、円板状のベース部21と、ベース部21の裏面から裏側に延伸するフィン23を複数有するフィン部25と、ベース部材2をアーム8に取り付けるための取付部27を有する。
ベース部21は金属ピン45用の一対の貫通孔21aを中央部分に有している。フィン23は、複数本あり、ベース部21の中央部分を除いたその周辺部分に立設されている。取付部27は、ベース部21の裏面であってベース部21の中央を挟んだ2か所の部位から裏側へと延伸する延伸片27aと、延伸片27aに設けられ且つ筐体6の中心軸に向かうねじ孔27bとにより構成される。このねじ孔27bには、図2に示すように、アーム8と連結するねじ体11が螺合する。ベース部21の裏側の中央部分の空間には、図2及び図3に示すように、電源回路ユニット4が配される。
【0011】
(2)LEDモジュール
主に、図4の(a)及び図5の(a)を用いて説明する。
LEDモジュール3は、LED基板31と複数個のLED素子33とから構成される。LED基板31は金属ピン45用の貫通孔31aを有する。LEDモジュール3は金属ピン45と接触する金属バネ片35をLED基板31に有する。金属バネ片35は薄肉の矩形状の金属板を長手方向の中央で屈曲させてなる。金属バネ片35における屈曲部から一端部までが、図5の(a)に示すように、LED基板31に固定される固定部35aとなっている。金属バネ片35における屈曲部から他端部までが、図5の(a)に示すように、LED基板31の貫通孔31aを塞ぎ、金属ピン45の挿入(通過)に合わせて弾性変形する金属バネ片35bとなっている。
LED基板31は、図4の(a)に示すように、ベース部21の表面に裏面が接触する状態でねじ体37によりベース部21に固定されている。
【0012】
(3)電源回路ユニット
図2から図5を用いて説明する。
電源回路ユニット4は、図2に示すように、回路部品が回路基板41に実装された状態で絶縁ボックス43に収容されてなる。電源回路ユニット4は、図5に示すように、絶縁ボックス43(図5では現れていない。)、ベース部21の貫通孔21a及びLED基板31の貫通孔31aを貫通して、LEDモジュール3の金属バネ片35と接触する金属ピン45を有している。ここでの回路基板41は、LED基板31と直交する状態で、絶縁ボックス43内に支持されている。なお、絶縁ボックス43はベース部材2のフィン23から放出される熱を遮断する機能も有する。
【0013】
(4)レンズ部材
図2及び図3を用いて説明する。
レンズ部材5は、図2及び図3に示すように、各LED素子33に対向して配される複数個のレンズ51と、レンズ51をLED素子33と反対側で連結する連結板53と、連結板53の外周縁からベース部21に向かって筒状に延伸する筒部55と、レンズ部材5をベース部材2に固定するための固定部57とを有している。
筒部55の内径はLED基板31の外径よりも大きい。固定部57は筒部55から筒部55の中心軸方向に凹入した部分で構成され、凹入部分にねじ用の溝が設けられている。
レンズ部材5は、固定部57の裏面がLED基板31の表面の周縁部に当接する状態でベース部21に固定される。なお、筒部55の高さはレンズ51とLED素子33との距離が所定値となるように設定されている。また、レンズ部材5の筒部55とベース部材2のベース部21との間の隙間には、図2に示すように、後述の表側筐体63の内鍔部63bが嵌る。
【0014】
(5)筐体
主に、図1及び図2を用いて説明する。
筐体6は、主にベース部材2のベース部21の裏側に配される裏側筐体61と、LEDモジュール3及びレンズ部材5の外側に配される表側筐体63とを有する。
裏側筐体61は、有底筒状をし、開口側端部が表側筐体63に結合される。裏側筐体61は、周壁61a及び底壁61bに貫通孔61c(図1参照)を、周壁61aに貫通孔61d(図2参照)をそれぞれ有している。貫通孔61cは放熱用である。貫通孔61dは、アーム8への取付用であり、ベース部材2の取付部27のねじ孔27bに螺合するねじ体11が挿通する。これにより裏側筐体61はベース部材2と共にアーム8に姿勢調整可能に取り付けられる。
表側筐体63は、筒部63aと、筒部63aの裏側開口端部から内側に延伸する内鍔部63bとを有している。内鍔部63bは、図2に示すように、レンズ部材5の筒部55とベース部材2のベース部21との間の隙間に嵌る。これにより、表側筐体63がベース部材2側に取り付けられる。
【0015】
(6)プラグボックス
図2及び図3を用いて説明する。
プラグボックス7は、筐体71と、筐体71の裏面に設けられた操作レバー付きの電極プラグ73と、筐体71の裏面に設けられた位置決め部75と、筐体71内に収容されたアーム結合部材77とを備える。
筐体71はダクトレールに沿って長い直方体状をしている。筐体71は、裏側に開口を有する筐体本体71aと、筐体本体71aの開口を塞ぐ蓋体71bと、筐体本体71aの表面から有底筒状に突出する突出部71cとを有している。
蓋体71bは、矩形状の板状をし、長手方向の裏側両端に位置決め部75を有している。位置決め部75は裏側へと延伸してダクトレールの溝に嵌る。
電極プラグ73は、蓋体71bの貫通孔から有底円筒状に延出する有底筒状部73aと、有底筒状部73aの先端側に設けられた一対の電極73b,73bと、有底筒状部73aの長手方向の中央に設けられた操作レバー73cとを備え、有底筒状部73aの表側部分が筐体71の内部で中心軸周りに回転自在に支持されている。
アーム結合部材はナット体77により構成される。ナット体77はアーム8から延出するねじ体85と螺合する。
蓋体71bは、図2及び図3の(b)に示すように、ねじ体13が筐体本体71aの表壁の内面にあるボスのねじ穴に螺合することにより、筐体本体71aに固定される。電極73bに接続する電気ケーブルは、有底筒状部73aの内部からナット体77の内部を通り、アーム8の内部に導かれている。
【0016】
(7)アーム
主に図2を用いて説明する。
アーム8は、中空の「U」字をし、「U」字の開口側に位置する一対の端部81,81で、裏側筐体61とベース部材2とを回転自在に挟持する。ここでの回転軸は一対の端部81,81を結ぶ方向である。アーム8は、開口側の一対の端部81,81と反対側に貫通孔83を有し、内部に配されたねじ体85が、当該貫通孔83から延出してプラグボックス7の突出部71cの貫通孔から内部に入り、ナット体77と螺合する。
【0017】
3.LED基板と電源回路ユニットとの接続
主に図5を用いて説明する。
電源回路ユニット4は一対の金属ピン45を回路基板41におけるLEDモジュール3側の端部に有し、当該金属ピン45がLEDモジュール3のLED基板31の貫通孔31aを挿通する。金属ピン45の貫通孔31aの通過に伴って、金属バネ片35が金属ピン45との接触を維持した状態で弾性変形する。これにより、LED基板31と回路基板41とを電気的に確実に接続できる。
このように、LEDモジュール3と電源回路ユニット4の電気的接続は、金属ピン45をLED基板31の貫通孔31aに挿通させるだけでよく、容易に行うことができる。
【0018】
4.LED基板の固定
LEDモジュール3の装着は、LED基板31がベース部材2のベース部21に締結具であるねじ体37で固定されている。この際、LED基板31がベース部21に当接しているため、ねじ体37をベース部21のねじ孔に螺着する際にもLED基板31に無理な負荷が作用することを少なくできる。このように、LED基板31のベース部21への当接部分を貫通するねじ体37をしっかりと締結することができ、金属バネ片35の復元力によりねじ体37が緩むようなことを防止できる。
<第2の実施形態>
1.概要
第2の実施形態について図6図12を用いて説明する。
第2の実施形態に係る照明装置201は、天井等に取り付けられて使用する、所謂、シーリングライトである。
照明装置201は、図6図7及び図8に示すように、ベース部材202を備え、ベース部材202の表側にLEDモジュール203(図7の(b)参照)を、ベース部材202の裏側に電源回路ユニット204(図8の(b)参照)をぞれぞれ有している。なお、電源回路ユニット204とLEDモジュール203とは金属ピン2045aにより電気的に接続される(図10及び図11参照)。
照明装置201は、図6図7及び図8に示すように、ベース部材202に装着され且つLEDモジュール203を表側から覆う外カバー205(図6参照)と、外カバー205の内側でLEDモジュール203を覆う内カバー206(図7の(a)参照)と、ベース部材202の中央の貫通孔に設けられた引掛刃保持部材207と、ベース部材202に装着され且つ電源回路ユニット204を裏側から覆う裏カバー208(図8の(a)参照)とをさらに備える。
【0019】
2.各部構成
(1)ベース部材
主に図7及び図8を用いて説明する。
ベース部材202は、中央部に貫通孔を有し、当該貫通孔の周りに環状の表平坦部2021を有している。貫通孔には前述の引掛刃保持部材207が取付けられ、図7では貫通孔は現れていない。表平坦部2021の表面にはLEDモジュール203が密着する状態で取り付けられる。
ベース部材202は、表平坦部2021の外周縁から裏側へと筒状に延伸する内筒部2023を有している。内筒部2023には裏カバー208が取り付けられ、表平坦部2021の裏面の電源回路ユニット204が保護される。つまり、図8に示すように、表平坦部2021と内筒部2023の一部と裏カバー208とで、電源回路ユニット204を収容する収容空間が形成される。
ベース部材202は、内筒部2023の裏側の端縁から表平坦部2021と平行であって内筒部2023の外側へ延伸する環状の裏平坦部2025を有している。裏平坦部2025の裏面には緩衝材2013が取り付けられている。
ベース部材202は、図11及び図12に示すように、裏平坦部2025の外周縁から表側に筒状に延伸する外筒部2027と、外筒部2027の表側端縁から径方向の外方へと張り出す外鍔部2029とを有している。
【0020】
(2)LEDモジュール
主に図7の(b)及び図9を用いて説明する。
LEDモジュール203は、複数個のLED素子2031と、当該複数個のLED素子2031が実装されるLED基板2033とを有する。ここでの複数個のLED素子2031としては調色点灯するために複数種類の発光色の異なるものが用いられる。ここでのLEDモジュール203は3個あり、3個のLEDモジュール203はベース部材202の中央の貫通孔(図7の(b)及び図9には現れていない。)を囲んで環状に配されている。3個のLED基板2033は図示しない電気ケーブルにより端子2033a同士が接続されている。各LED基板2033は「へ」字状をし、LED素子2031がLED基板2033の長手方向に沿って1列に実装されている。これにより、複数個のLED素子2031が全体として円環状又は6角環状に配される。
【0021】
3個のLED基板2033の内、少なくとも1つのLED基板2033Aは、金属ピン2045a用の貫通孔2033bを有し、図10に示すように、当該貫通孔2033bに対応して金属バネ片2035がLED基板2033Aに設けられている。なお、貫通孔2033bは金属バネ片2035のため図には現れていないが、他の貫通孔と区別するために「2033b」を付ける。
金属バネ片2035は、LED基板2033Aの貫通孔2033bを塞ぎ且つ金属ピン2045aの貫通孔2033bの通過に伴って弾性変形する。金属バネ片2035はLED基板2033Aの配線パターン(図示省略)と接続されている。
金属バネ片2035は、図10に示すように、矩形状の薄い金属板を湾曲させてなる。金属バネ片2035は、金属板の長手方向の中央に金属ピン2045a用の貫通孔2035aを有し、貫通孔2035aの両側に「く」字状に湾曲する「く」字状部2035bを有する。貫通孔2035aはLED基板2033Aの貫通孔2033bに対応して設けられている。「く」字状部2035bは、「く」字の屈曲部分が内側(貫通孔2035a上)に位置している。ここでの金属ピン2045aは9本ある。金属ピン2045aは、調光、調色、センサー及び常夜灯用である。
【0022】
(3)電源回路ユニット
主に図8の(b)及び図9の(a)を用いて説明する。
電源回路ユニット204は、LED素子2031に供給する電力を交流電力から生成するための電力変換回路や、調光点灯するための調光回路や、調色点灯するための調色回路等を含む。電源回路ユニット204は、複数個の回路部品2041と、回路部品2041が実装される回路基板2043と、LEDモジュール203と電気的に接続するための接続部2045とから構成される。なお、言うまでもなく、回路部品は上記回路を構成する電子部品であり、図8の(b)及び図9の(a)には便宜上1個の回路部品2041だけが記載されている。
回路基板2043は、上記回路を構成するように複数個の回路部品2041を接続するための配線パターン(図示省略)を有している。回路基板2043は、全体として外周縁が円弧状をする「L」字に近い形状をし、ベース部材202の表平坦部2021の貫通孔(引掛刃保持部材207のため図には表れていない。)に沿って配されている。回路基板2043は、図12に示すように、ベース部材202の表平坦部2021と間隔をおいた状態で、樹脂リベット2015により固定されている。これにより、ベース部材202を金属材料で構成した場合でも、電気安全性を向上させることができる。
回路基板2043は、引掛刃保持部材207にある一対の引掛刃2071に対して電気ケーブル2047を介して接続されている。
【0023】
接続部2045について図11を用いて説明する。
接続部2045は、LED基板2033側に延出する9本の金属ピン2045aと、9本の金属ピン2045aを支持する支持体2045bとを有している。9本の金属ピン2045aは間隔をおいて回路基板2043に対して立設状態で支持体2045bにより支持されている。こここでの9本の金属ピン2054aは、一列状に配されている。なお、金属ピン2054aは、回路基板2043とLED基板2033とが表裏方向に重なる部分に設けられている。なお、ベース部材202の表平坦部2021は、9本の金属ピン2054aが挿通する1つの貫通孔を有している。
【0024】
(4)外カバー
図6から図8を用いて説明する。
外カバー205は、ここでは、ベース部材202側に取り付けられるフレーム2051と、フレーム2051に取り付けられるドーム状の透光性カバー2053とを有する。
フレーム2051は中央に貫通孔を有する環状をし、貫通孔にベース部材202の裏側部分が嵌る。ここでの環状は円環状である。フレーム2051は、円環部2051aと、円環部2051aの内周縁に設けられ且つ裏側が開口する内周溝部2051bと、外周縁から表側に段付き筒状に延出する筒状部2051cとを有している。
フレーム2051は、ベース部材202の外鍔部2029が内周溝部2051bに嵌った状態で、図7の(a)に示すように、内周溝部2051bの内側に設けられている係合片2051dがベース部材202側の係合溝2067に係合することで、ベース部材202側に取り外し可能に取り付けられる。なお、係合溝2067は、内カバー206の外周縁に設けられたフレーム装着部2065とベース部材202の裏平坦部2025との間に形成されている。
筒状部2051cの内周面には、図7に示すように、透光性カバー2053の係合凹部(図示省略)に係合する係合凸部2051eが周方向に間隔をおいて設けられ、当該係合凸部2051eが係合凹部に係合して透光性カバー2053がフレーム2051に取り付けられる。
【0025】
(5)内カバー
図7の(a)を用いて説明する。
内カバー206は、LEDモジュール203に近接した状態で、LEDモジュール203を覆う。これにより、例えば透光性カバー2053を外した状態で照明装置201を設置面の引掛けシーリング等に取り付ける際に、使用者がLED素子2031に触れるのを防止できる。
内カバー206は、ドーム状に表側に膨出する膨出部2061と、膨出部2061の周縁から裏平坦部2025と平行に延伸する環状部2063と、フレーム2051を取り付けるためのフレーム装着部2065とを有している。環状部2063は、周方向に間隔をおいて欠けた部分を有し、この欠けた部分に対応してフレーム装着部2065が設けられている。フレーム装着部2065は、環状部2063と同様に外方へ延伸するが、延伸する位置が環状部2063よりも表側にある。これにより、フレーム装着部2065の延伸部分とベース部材202の裏平坦部2025との間に係合溝2067が形成される。この係合溝2067にはフレーム2051の係合片2051dが係合する。なお、図7では、フレーム2051の係合片2051dが見えるように、係合溝2067に係合する前の状態を示している。
内カバー206は、2個のカバー体206A,206Bにより構成されている。2つのカバー体206A,206Bはねじ体によりベース部材202に固定されている。
【0026】
(6)引掛刃保持部材
主に図7及び図8を用いて説明する。
引掛刃保持部材207は設置面の引掛けシーリング等に取り付けられる一対の引掛刃2071,2071を保持する。引掛刃保持部材207は、ベース部材202の貫通孔に表側から挿入され且つ表側に開口が位置する有底筒状部2073(図8参照)と、有底筒状部2073の開口側端縁から外方側に延伸し且つベース部材202の貫通孔の周辺部に当接する平坦部2075(図7の(b)参照)と、有底筒状部2073の底部分から表側へ中空状に突出し且つ内部空間に引掛刃2071,2071が設けられている突出部2077とを有している。引掛刃保持部材207は透明性の高い樹脂材料により構成されている。突出部2077は、照明装置201を取り付ける際に、使用者が把持するのに利用される。
【0027】
(7)裏カバー
主に図8の(a)及び図11を用いて説明する。
裏カバー208は、ベース部材202の内筒部2023の裏側を引掛刃保持部材207の有底筒状部2073の底部分を除いて扇状に覆う。裏カバー208は有底筒状部2073の底部に対応した開口を有する板部2081と、板部2081からベース部材202の内筒部2023を通って表側に延伸して表平坦部2021に当接する半筒状部2083(図11参照)を有している。
【0028】
<第3の実施形態>
1.全体構成
本実施形態に係る照明装置4001の概要について主に図13及び図14を用いて説明する。
照明装置4001はLEDモジュール4003と電源回路ユニット4005とを外囲器4007の内部に備える。照明装置4001は、外囲器4007の一部を構成する口金4077から商用電源である交流電力を受電して、電源回路ユニット4005で変換された直流電力によりLED素子4031を発光(点灯)させる。
ここでの外囲器4007は、透光性カバー4071、筒体4073、口金保持体4075及び口金4077の4個の部材から構成されている。LEDモジュール4003は透光性カバー4071側に位置し、電源回路ユニット4005は口金4077側に位置している。
【0029】
2.各部構成
(1)LEDモジュール
図14を用いて説明する。
LEDモジュール4003は、1個又は複数個のLED素子4031と、LED素子4031が実装されるLED基板4033と、電源回路ユニット4005と接続するための接続部4035とを有する。
LED素子4031はここでは6個実装されている。LED基板4033は円板状をし、6個のLED素子4031はLED基板4033の周縁部に近い部分に周方向に等間隔をおいて環状(例えば円環状である。)に配されている。LED基板4033は、LEDモジュール4003を筒体4073に固定するための貫通孔4033aを複数個(ここでは2個である。)有している。
ここでの接続部4035はLED素子4031が配されている円環の内側部分に設けられている。接続部4035はLED素子4031に電力を供給する配線パターンと電気的に接続されている。接続部4035は、LED基板4033に設けられた貫通孔4035aと、LED基板4033に設けられた金属バネ片4035bとから構成されている。
【0030】
金属バネ片4035bは、金属ピン4055aにおける貫通孔4035aから延出する延出部分と接触するように貫通孔4035aの周辺に設けられている。金属バネ片4035bは、ここでは各貫通孔4035aに対して設けられている。
金属バネ片4035bは、LED基板4033の貫通孔4035aを塞ぎ、金属ピン4055aの通過に伴って弾性変形する。金属バネ片4035bは一対あり、金属バネ片4035bの形状はかぎ状をしている。一対の金属バネ片4035b,4035bは、湾曲又は屈曲して部分が貫通孔4035a上に位置する状態で、貫通孔4035aを挟んで配されている。なお、金属バネ片4035bにおける湾曲又は屈曲している側と反対側の端部がLED基板4033に固定されている。
【0031】
(2)電源回路ユニット
主に図14を用いて説明する。
電源回路ユニット4005は、LED素子4031に供給する電力を交流電力から生成するための電源回路を備える。電源回路ユニット4005は、複数個の回路部品4051と、回路部品4051が実装される回路基板4053と、LEDモジュール4003と接続するための接続部4055とから構成される。
【0032】
回路部品4051は上記電源回路を構成する電子部品である。
回路基板4053は、上記電源回路を構成するように複数個の回路部品4051を接続するための配線パターンを有している。回路基板4053は、全体として矩形状をし、筒体4073の中心軸に沿って配される。ここでの回路基板4053は、筒体4073の中心軸と平行に配され、また、中心軸上に位置するように配されている。また、本実施形態とは異なるように回路基板が中心軸から偏倚して位置するように配されてもよい。
回路基板4053は一対の欠け部4053aを口金4077側に有している。ここでの欠け部4053aは矩形状をしている。換言すると、回路基板4053は一対の張出部4053bをLEDモジュール4003側に有している。張出部4053bは、筒体4073の内周面の溝4735aにLEDモジュール4003が存在する側から挿入されて、溝4735aと嵌合する。回路基板4053の張出部4053b及び溝4735aの長さは、回路基板4053とLEDモジュール4003を筒体4073に組み込んだ際に回路基板4053のLEDモジュール4003側の端縁がLEDモジュール4003のLED基板4033に近接又は当接するように、構成されている。また、回路基板4053の口金4077側の端縁が口金保持体4075の内部にまで及ばさせずに筒体4073内部に位置するように、構成されている。
【0033】
接続部4055は、回路基板4053におけるLEDモジュール4003側の端部に設けられ、回路基板4053の配線パターンと電気的に接続されている。接続部4055は金属ピン4055aにより構成されている。金属ピン4055aは、先端側が回路基板4053からLEDモジュール4003側に延出する状態で、回路基板4053に固定されている。金属ピン4055aは、2本あり、間隔をおいて設けられている。
【0034】
(3)外囲器
(3-1)透光性カバー
主に図14及び図15を用いて説明する。
透光性カバー4071は、LEDモジュール4003を覆い、LEDモジュール4003から発せられた光を透過させて出射する。透光性カバー4071は、例えば中空楕円球の短軸側端部を平面で切断したような形状をしている。透光性カバー4071は取付部である段差4071aを開口端部に有している。ここでの段差4071aは開口端面から内周側部分が突出して構成される。換言すると、段差4071aは透光性カバー4071の開口端部の外周側が凹入する。
透光性カバー4071は、段差4071aのある部分が筒体4073のLEDモジュール4003側の開口端部の段差4738aに嵌合する状態で、例えば接着剤等を利用して筒体4073に取り付けられている。透光性カバー4071は例えば透光性を有する樹脂材料から構成されている。透光性カバー4071は、必要に応じて、樹脂材料に拡散粒子が混入されてもよいし、内周面や外周面に拡散処理が施されてもよい。
【0035】
(3-2)筒体
図14から図17、特に図17を用いて説明する。
筒体4073は主にLEDモジュール4003及び電源回路ユニット4005を装着する機能を有する。ここでの筒体4073は、内部に電源回路ユニット4005を収容し、LEDモジュール4003を装着する機能を有する。なお、電源回路ユニット4005はLEDモジュール4003を利用して筒体4073に装着される。
【0036】
筒体4073の内周径はLEDモジュール4003側の開口端部を除いて略一定である。筒体4073の外周径は中心軸上を口金4077側の開口端部からLEDモジュール4003側の開口端部に移るにしたがって大きくなり、筒体4073の全体の外観形状はテーパー状をしている。
筒体4073は周方向に間隔をおいて設けられた溝4731を外周面に複数本有し、周方向に隣接する溝4731間が放熱用のフィン部4732となっている。このような構成により、筒体4073は、LEDモジュール4003及び電源回路ユニット4005から発せられた熱を放出するヒートシンクの機能を有する。なお、ここでの溝4731は、中心軸に向かって凹入し、中心軸と平行に延伸している。図14及び図17において、溝4731はフィン部4732と区別するために引き出し線の先端を矢印にしている。
【0037】
筒体4073は、内径及び外径が一定のストレート筒部4733と、ストレート筒部4733のLEDモジュール4003側の端部から中心軸方向をストレート筒部4733から離れるにしたがって内径及び外径が大きくなるテーパー筒部4734と、ストレート筒部4733及びテーパー筒部4734の外周に設けられたフィン部4732と、電源回路ユニット4005を装着するための装着部4735と、LEDモジュール4003を固定するための固定部4736とを有している。
筒体4073は、図14から図17に示すように、LEDモジュール4003側の端部を除いた内周面、つまり、ストレート筒部4733の内周面に密着する金属筒4074を備える。
【0038】
筒体4073は、テーパー筒部4734におけるストレート筒部4733側の端部から延伸して口金4077側の端部に向かう「L」字状のリブ4737を周方向に間隔をおいて複数個(ここでは4本である。)有している。換言すると、筒体4073は、ストレート筒部4733の内周面に対して径方向内側に間隔をおいてストレート筒部4733の内周面と平行に延伸する延伸部4737aと、延伸部4737aにおけるテーパー筒部4734側の端部とテーパー筒部4734とを連結する連結部4737bとを有するリブ4737を備える。連結部4737bは筒体4073の中心軸と直交する方向に延伸し、延伸部4737aは中心軸と平行に延伸している。
金属筒4074は、リブ4737の延伸部4737aとストレート筒部4733の内周面との間に組み込まれている。金属筒4074が組み込まれた状態で説明すると、リブ4737は、テーパー筒部4734におけるストレート筒部4733側の端部から中心軸に向かって延伸(連結部4737bである。)し、金属筒4074の内周面を超えたところで口金4077側の端部に向かって延伸する(延伸部4737aである。)。換言すると、リブ4737は金属筒4074の端面と内周面に沿って設けられている。
【0039】
装着部4735及び固定部4736はリブ4737に設けられている。ここでの装着部4735は筒体4073の中心軸を挟んで対向する一対のリブ4737に設けられ、固定部4736は中心軸を挟み且つ装着部4735が設けられていない一対のリブ4737に設けられている。
装着部4735は、図14及び図17に示すように、連結部4737bから延伸部4737aに跨って設けられた溝4735aにより構成される。溝4735aは延伸部4737aにおける口金4077側の端部の途中まで存在し、溝4735aの長さは回路基板4053の張出部4053bの長さに略等しい。固定部4736は、図14及び図17に示すように、連結部4737bから延伸部4737aに跨って設けられたねじ穴4736aにより構成される。なお、4つの連結部4737bのテーパー筒部4734側の端面は、口金4077側の端部を基準にすると、同じ高さである。
【0040】
筒体4073は、図17に示すように、テーパー筒部4734における透光性カバー4071側の端部に、透光性カバー4071を取り付けるためのカバー取付部4738を有している。カバー取付部は4738は、内周側から凹入する段差4738aにより構成されている。
筒体4073は、図17に示すように、口金4077を固定するための口金固定部4739を口金4077側の端部に有している。ここでは、口金4077は口金保持体4075を介して固定されるため、正確に言うと、口金固定部4739は口金保持体4075を固定するためのものである。口金固定部4739はストレート筒部4733の口金4077側の端部に設けられた段差4739aと、段差4739aを構成する中心軸と平行な周面に設けられた凹みにより構成される。段差4739aは外周側が凹入している。ここで、周面に設けられた凹みは周方向に延伸する周溝4739bにより構成されている。
筒体4073は樹脂材料により構成されている。金属筒4074は筒体4073の成形時に一体で成形するインサート成形により筒体に配されてもよいし、筒体4073の成形後に金属筒4074を挿入してもよい。
【0041】
(3-3)口金保持体
図14及び図15を用いて説明する。
口金保持体4075は筒状をしている。口金保持体4075は、筒体4073側に位置する大径筒部4751と、口金4077側に位置する小径筒部4753と、大径筒部4751と小径筒部4753とを接続するテーパー筒部4755とを有する。大径筒部4751は小径筒部4753よりも内径及び外径が大きい。テーパー筒部4755は小径筒部4753に向かって直線状に縮径する。
口金保持体4075は、筒体4073に固定される筒体側固定部4757と、口金4077が固定される口金側固定部とを有している。筒体側固定部4757は筒体4073の口金固定部4739の凹みである周溝4739bに嵌る凸部4757aにより構成されている。凸部4757aは大径筒部4751の端部内周面であって周方向に間隔をおいて複数個(ここでは4個である。)設けられている。口金側固定部は小径筒部4753の外周面で構成され、例えば接着剤を介して口金4077が口金側固定部で固定される。
【0042】
(3-4)口金
図14及び図15を用いて説明する。
口金4077は、従来の電球に利用されていた口金と同じ構成であり、シェル部とアイレット部とを有し、アイレット部が絶縁部を介してシェル部に取り付けられている。
【0043】
3.LED基板と電源回路ユニットとの接続
電源回路ユニット4005は一対の金属ピン4055aを回路基板4053におけるLEDモジュール4003側に端部に有し、当該金属ピン4055aがLEDモジュール4003のLED基板4033の貫通孔4035aを挿通する。金属ピン4055aの貫通孔4035aの通過に伴って、金属バネ片4035bが金属ピン4055aとの接触を維持した状態で弾性変形する。これにより、LED基板4033と回路基板4053とを電気的に確実に接続できる。
このように、LEDモジュール4003と電源回路ユニット4005の電気的接続は、金属ピン4055aをLED基板4033の貫通孔4035aに挿通させるだけでよく、容易に行うことができる。
【0044】
4.電源回路ユニットとLEDモジュールの固定
主に図14を用いて説明する。
電源回路ユニット4005の装着に際し、回路基板4053の欠け部4053aが存在する側を筒体4073のテーパー筒部4734側にして、回路基板4053の張出部4053bにおける欠け部4053a側の端縁が溝4735aの端に当接するまで、回路基板4053が筒体4073内に挿入される。
溝4735aに挿入された状態の回路基板4053の金属ピン4055aに対してLEDモジュール4003の貫通孔4035aが嵌るように、LED基板4033を筒体4073のリブ4737の連結部4737b上に載置する。この状態で、ねじ体4004のねじ部をLED基板4033の貫通孔4033aを挿通させて筒体4073のねじ穴4736aに螺合させる。これにより、電源回路ユニット4005が筒体4073内に収容され、LEDモジュール4003が筒体4073に固定される。それと同時に、電源回路ユニット4005とLEDモジュール4003との電気的接続も行われる。
【0045】
LEDモジュール4003の装着は、LED基板4033が連結部4737bの端面に当接する状態で行えるため、当接部分を貫通するねじ体4004をしっかりと締結することができる。これにより、金属バネ片4035bの復元力によりねじ体4004が緩むようなことを防止できる。
電源回路ユニット4005は筒体4073のリブ4737の延伸部4737aに装着される。このため筒体4073内の金属筒4074と接触するおそれがなく、特別な絶縁対策を要しない。LEDモジュール4003は筒体4073のリブ4737の連結部4737bにおける透光性カバー4071側の面に当接する状態で固定される。このため筒体4073内の金属筒4074と接触するおそれがなく、特別な絶縁対策を要しない。
また、電源回路ユニット4005は一対のリブ4737(延伸部4737a)間に位置し、さらに張出部4053bが溝4735aに挿入されるため、一対のリブ4737(延伸部4737a)に対する回路基板4053の位置ズレを防止できる。これにより、例えば長期の使用により延伸部4737aが金属筒4074から離れようとしても回路基板4053より防止され、結果的に長期間にわたり電源回路ユニット4005と金属筒4074との絶縁性を確保できる。
筒体4073に回路基板4053が組み込まれた状態において、LED基板4033が回路基板4053の端縁に近接又は当接するように、LEDモジュール4003が筒体4073に固定される。このため、回路基板4053を固定するための新たな構成を要しない。
【0046】
5.点灯時の放熱について
照明装置4001を点灯させた際、LEDモジュール4003及び電源回路ユニット4005から熱が発生する。この熱は金属筒4074を介して筒体4073のフィン部4732に伝達して放熱される。
金属筒4074はストレート筒部4733の内周側に配され、金属筒4074の内周面は4本のリブ4737が存在する部分を除く大部分が内部空間に面している。これにより金属筒4074に伝わる熱量を多くすることができる。
【0047】
<第4の実施形態>
1.概略
第4の実施形態について図18図21を用いて説明する。
第4の実施形態に係る照明装置5001も、所謂、電球型ランプである。ここでは、第3の実施形態に係る照明装置4001の構成部品と同じ部品は同じ符号を利用し、その説明は省略する。なお、同じ構成部品は図面にのみ記載している場合もある。
照明装置5001は、図19に示すように、外囲器5007内にLEDモジュール4003と電源回路ユニット4005とを収容している。外囲器5007は、図18に示すように、透光性カバー4071、筒体5073、口金保持体4075及び口金4077から構成される、なお、筒体5073内には第3の実施形態と同様に金属筒4074が設けられている。
照明装置5001は第3の実施形態の照明装置4001と比較して筒体5073が異なる。このため、以下、筒体5073について説明する。
【0048】
2.筒体
筒体5073の内周径はLEDモジュール4003側の開口端部を除いて略一定である。筒体4073の外周径は中心軸上を口金4077側の開口端部からLEDモジュール4003側の開口端部に移るにしたがって大きくなり、筒体5073の全体の外観形状はテーパー状をしている。
筒体5073は、図19及び図21に示すように、内径及び外径が一定のストレート筒部5731と、ストレート筒部5731のLEDモジュール4003側の端部から中心軸方向をストレート筒部5731から離れるにしたがって内径及び外径が大きくなるテーパー筒部5732と、ストレート筒部5731における口金4077側の端部から中心軸方向に突出する内鍔部5733と、ストレート筒部5731及びテーパー筒部5732の外周に設けられたフィン部5734と、電源回路ユニット4005を装着するための装着部5735と、LEDモジュール4003を固定するための固定部5736とを有している。
【0049】
テーパー筒部5732は、ストレート筒部5731の端面を残し、ストレート筒部5731の端部の外周面から延出するように設けられている。
フィン部5734は、第3の実施形態と同様に、周方向に間隔をおいて設けられた複数本の溝5737を利用して構成されている。なお、図18図20及び図21において、溝5737はフィン部5734、ストレート筒部5731、テーパー筒部5732等と区別するために引き出し線の先端を矢印にしている。
筒体5073は、図18図20及び図21に示すように、LEDモジュール4003側の端部を除いた内周面、つまり、ストレート筒部5731の内周面に密着する金属筒4074を内部に備える。ここでは、金属筒4074におけるテーパー筒部5732側の端面は露出している。
【0050】
筒体5073は、図19に示すように、内鍔部5733からテーパー筒部5732に向かって延伸する延伸部5738を複数本有している。ここでの延伸部5738は4本あり、4本の延伸部5738が周方向に等間隔をおいて設けられている。換言すると、筒体5073は、ストレート筒部5731の内周面に対して径方向内側に間隔をおいてストレート筒部5731の内周面と平行に延伸する延伸部5738を備える。ここでの延伸部5738は中心軸と平行に延伸している。
金属筒4074は、延伸部5738とストレート筒部5731との間に組み込まれている。金属筒4074が組み込まれた状態で説明すると、延伸部5738は、図19に示すように、筒体4073の内鍔部5733から金属筒4074の内周面に沿って設けられている。
装着部5735及び固定部5736は延伸部5738に設けられている。ここでの装着部5735は、図21に示すように、筒体5073の中心軸を挟んで対向する一対の延伸部5738に設けられている。固定部5736は、図21に示すように、中心軸を挟み且つ装着部5735が設けられていない一対の延伸部5738に設けられている。
【0051】
装着部5735は、図21に示すように、延伸部5738に設けられた溝5735aにより構成される。溝5735aは延伸部5738における口金4077側の端部の途中まで存在する。溝5735aの長さは回路基板4053の張出部4053bの長さよりすこし短い。なお、溝5735aには回路基板4053の張出部4053bが挿入される。固定部5736は延伸部5738のテーパー筒部5732側の端面に設けられたねじ穴5736aにより構成される。
【0052】
筒体5073は、テーパー筒部5732における透光性カバー4071側の端部に、透光性カバー4071を取り付けるためのカバー取付部5739を有している。カバー取付部は5739は、内周側から凹入する段差5739aにより構成されている。
筒体5073は、口金4077側の端部に、口金4077を固定するための口金固定部5740を有している。口金固定部5740はストレート筒部5731の口金4077側の端部の外周面に設けられた凹みにより構成され、ここでの凹みは、周方向に延伸する周溝5740aにより構成されている。
【0053】
以上、各実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってよい。
また、実施形態や変形例に記載していていない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0054】
<変形例>
1.ベース部材
第1及び第2の実施形態に係るベース部材2,202は金属製であったが、例えば、第3の実施形態における筒体4073のように樹脂材料により構成してもよい。この場合、LED基板31,2033や回路基板41,2043との絶縁性を確保しやすくなる。
ベース部材は、金属バネ片を備える基板が締結具により固定される部分を支持する構造を有していればよく、ベース部材の形状は特に限定されないし、基板を搭載する機能以外の他の機能を有してもよい。
例えば、ベース部材は、第1の実施形態のように薄い金属板により構成してもよいし、第2の実施形態のように金属製であって厚い部分(ベース部4021である。)を有するもので構成してもよいし、第3の実施形態のように筒状をした樹脂材料で構成してもよい。
また、ベース部材は、金属材料と樹脂材料との2以上の材料で構成されてもよい。例えば、第3の実施形態のように、金属筒4074を一体に備える筒体4073をベース部材としてもよいし、第1の実施形態のベース部材に対して樹脂材料(例えば絶縁性樹脂である。)を塗布したものをベース部材としてもよい。
ベース部材は絶縁シートや熱シートを介してLED基板と当接する構造であってもよい。
【0055】
2.導電体及び導電バネ片
(1)導電体
実施形態における導電体は、断面が円又は正方形の金属ピン45,2045a,4055aを利用したが、例えば、長手方向に断面形状が変化するような金属ピン(例えば、先細りのテーパー状である。)を利用してもよいし、断面が矩形状の金属板を利用してもよいし、金属製のねじ(タッピングねじを含む。)を利用してもよい。
【0056】
(2)導電バネ片
導電バネ片は、当該導電バネ片が設けられている基板の貫通孔を塞ぎ、導電体の当該貫通孔の通過に伴って弾性変形して、その復元力で導電体との当接が維持されて通電可能な状態とする構造であればよく、形状、サイズ、個数は特に限定するものではない。但し、導電体を両側から挟むような構造の場合、導電体が抜けるのを防止できる。ここでいう両側は、基板の面と平行な方向であって導電体の挿入方向と直交する方向である。
導電バネ片が貫通孔を塞ぐ量は、導電体が貫通孔を通過する際に導電バネ片が導電体に確実に接触できる量であればよく、必ずしも、貫通孔のすべてを塞ぐ必要はない。なお、ここでいう「塞ぐ」は、導電体の貫通孔の挿入方向先端側から見たときの状態であり、挿入方向と直交する方向から見た状態ではない。
【0057】
(3)基板
実施形態では、導電バネ片(金属バネ片)35,2035,4035bを備える基板はLED基板31,2033,4033であったが、導電体をLED基板に設け、導電バネ片を回路基板に設けてもよい。
実施形態では、導電バネ片(金属バネ片)35,2035,4035bはLED基板31,2033,4033におけるLED素子33,2031,4031の実装面に設けられていたが、例えば、第3及び第4の実施形態の場合、LED基板におけるLED素子の実装面と反対側の面に導電バネ片が設けられてもよい。
【0058】
3.締結具
第1及び第3の実施形態において、LED基板31,4033の固定にねじ体374,4004を利用したが、例えば、リベットを利用してもよい。締結具は、締結することで、導電バネ片(金属バネ片)35,2035,4035bを備えるLED基板31,2033,4033をベース部材に押し付けるように固定している。この観点からは、基板をベース部材に押圧状態で固定できればよく、例えば、LED基板31の周縁を押圧状態で係止する係止片であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 照明装置
2 ベース部材
3 LEDモジュール
4 電源回路ユニット
31 LED基板
31a 貫通孔
33 LED素子
35 金属バネ片(導電バネ片)
37 ねじ体(締結具)
41 回路基板
45 金属ピン(導電体)
図1
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