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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050729
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】容器用弁、及び容器
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/04 20060101AFI20220324BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
G01N1/04 J
G01N33/48 S
G01N1/04 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020156821
(22)【出願日】2020-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】517448489
【氏名又は名称】合同会社H.U.グループ中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】小▲高▼ 健之
(72)【発明者】
【氏名】松下 雅季
【テーマコード(参考)】
2G045
2G052
【Fターム(参考)】
2G045HA07
2G045JA07
2G052AA28
2G052AB16
2G052AD12
2G052AD32
2G052AD52
2G052DA02
2G052DA12
2G052DA22
2G052DA27
2G052FB02
2G052FB09
2G052JA23
(57)【要約】
【課題】棒状体を取り除くことなく、挿入体の容器への挿入をスムーズに行うことが可能になる、容器用弁、及び容器を提供すること。
【解決手段】容器用弁20は、棒状体2を収容している容器1の開口部12又はその近傍に設けられる弁であって、少なくとも1つ以上の接触抑制部30であって、挿入体を開口部12を介して容器1に挿入する際に、挿入体との接触に伴って変形した当該接触抑制部30によって棒状体2の少なくとも一部を移動させることで、挿入体と棒状体2との接触を抑制するための接触抑制部30を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状体を収容している容器の開口部又はその近傍に設けられる弁であって、
少なくとも1つ以上の接触抑制手段であって、挿入体を前記開口部を介して前記容器に挿入する際に、前記挿入体との接触に伴って変形した当該接触抑制手段によって前記棒状体の少なくとも一部を移動させることで、前記挿入体と前記棒状体との接触を抑制するための接触抑制手段を備える、
容器用弁。
【請求項2】
前記接触抑制手段を、平面方向から見て前記容器の縁端から前記容器の内側に向けて突出するように形成し、
前記接触抑制手段の突出長さを、前記容器の半径以上とした、
請求項1に記載の容器用弁。
【請求項3】
前記接触抑制手段を複数備え、
前記複数の接触抑制手段のうち一部の接触抑制手段全体が他の一部の接触抑制手段によって平面方向から見て重ならないように、前記複数の接触抑制手段を配置した、
請求項1又は2に記載の容器用弁。
【請求項4】
前記接触抑制手段は、前記棒状体を前記容器に収容するための収容口を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の容器用弁。
【請求項5】
前記接触抑制手段は、
接触抑制本体と、
前記接触抑制本体に設けられた突出状の突起部であって、前記接触抑制本体が前記挿入体との接触に伴って変形した際に、前記棒状体と接触可能となるように配置された突起部と、を備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の容器用弁。
【請求項6】
前記接触抑制手段は、前記挿入体を前記開口部を介して前記容器に挿入する際に、当該接触抑制手段と前記挿入体の先端部との接触を回避するための切欠部を備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載の容器用弁。
【請求項7】
前記接触抑制手段は、前記挿入体との接触に伴って当該接触抑制手段が変形した際に、当該接触する前の形状に復元する弾性復元力を有する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の容器用弁。
【請求項8】
棒状体を収容するための容器であって、
容器本体と、
請求項1から7のいずれか一項に記載の容器用弁と、
前記容器用弁を前記容器本体に固定するための固定手段と、
を備える容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器用弁、及び容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、検体が付着した検体採取棒を保管するための技術の一つとして、検体採取棒全体を収容するチューブ状の容器本体と、容器本体の開口端に着脱可能に取り付けられる蓋体と、を備える技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-46959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、作業性の観点から、検体採取棒が検体採取容器に収容された状態において、ノズルを用いて液体を検体採取容器に吐出又は吸引する作業を行いたいとのニーズがある。しかしながら、上記作業においてノズルを検体採取容器内に挿入しようとすると、検体採取棒によって当該挿入が阻害されるおそれがあることから、当該挿入をスムーズに行う観点からは改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、棒状体を取り除くことなく、挿入体の容器への挿入をスムーズに行うことが可能になる、容器用弁、及び容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の容器用弁は、棒状体を収容している容器の開口部又はその近傍に設けられる弁であって、少なくとも1つ以上の接触抑制手段であって、挿入体を前記開口部を介して前記容器に挿入する際に、前記挿入体との接触に伴って変形した当該接触抑制手段によって前記棒状体の少なくとも一部を移動させることで、前記挿入体と前記棒状体との接触を抑制するための接触抑制手段を備える。
【0007】
請求項2に記載の容器用弁は、請求項1に記載の容器用弁において、前記接触抑制手段を、平面方向から見て前記容器の縁端から前記容器の内側に向けて突出するように形成し、前記接触抑制手段の突出長さを、前記容器の半径以上とした。
【0008】
請求項3に記載の容器用弁は、請求項1又は2に記載の容器用弁において、前記接触抑制手段を複数備え、前記複数の接触抑制手段のうち一部の接触抑制手段全体が他の一部の接触抑制手段によって平面方向から見て重ならないように、前記複数の接触抑制手段を配置した。
【0009】
請求項4に記載の容器用弁は、請求項1から3のいずれか一項に記載の容器用弁において、前記接触抑制手段は、前記棒状体を前記容器に収容するための収容口を備える。
【0010】
請求項5に記載の容器用弁は、請求項1から4のいずれか一項に記載の容器用弁において、前記接触抑制手段は、接触抑制本体と、前記接触抑制本体に設けられた突出状の突起部であって、前記接触抑制本体が前記挿入体との接触に伴って変形した際に、前記棒状体と接触可能となるように配置された突起部と、を備える。
【0011】
請求項6に記載の容器用弁は、請求項1から5のいずれか一項に記載の容器用弁において、前記接触抑制手段は、前記挿入体を前記開口部を介して前記容器に挿入する際に、当該接触抑制手段と前記挿入体の先端部との接触を回避するための切欠部を備える。
【0012】
請求項7に記載の容器用弁は、請求項1から6のいずれか一項に記載の容器用弁において、前記接触抑制手段は、前記挿入体との接触に伴って当該接触抑制手段が変形した際に、当該接触する前の形状に復元する弾性復元力を有する。
【0013】
請求項8に記載の容器は、棒状体を収容するための容器であって、容器本体と、請求項1から7のいずれか一項に記載の容器用弁と、前記容器用弁を前記容器本体に固定するための固定手段と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の容器用弁によれば、少なくとも1つ以上の接触抑制手段であって、挿入体を容器の開口部を介して容器に挿入する際に、挿入体との接触に伴って変形した当該接触抑制手段によって棒状体の少なくとも一部を移動させることで、挿入体と棒状体との接触を抑制するための接触抑制手段を備えるので、挿入体を容器の開口部を介して容器に挿入する際に、挿入体と棒状体との接触を抑制できる。よって、容器に収容された棒状体を取り除くことなく、挿入体の容器への挿入をスムーズに行うことができる。
【0015】
請求項2に記載の容器用弁によれば、接触抑制手段を、平面方向から見て容器の縁端から容器の内側に向けて突出するように形成し、接触抑制手段の突出長さを、容器の半径以上としたので、例えば、平面方向から見て棒状体が容器の略中央に位置するように収容されている場合に、接触抑制手段の突出長さを容器の半径未満とする場合に比べて、接触抑制手段と挿入体とを接触させやすくなるため、接触抑制手段によって棒状体の少なくとも一部(例えば、棒状体の上端部等)を移動させやすくなる。
【0016】
請求項3に記載の容器用弁によれば、複数の接触抑制手段のうち一部の接触抑制手段全体が他の一部の接触抑制手段によって平面方向から見て重ならないように、複数の接触抑制手段を配置したので、複数の接触抑制手段の少なくともいずれか1つと挿入体とを接触させることができ、接触抑制手段を1つのみ備える場合に比べて、複数の接触抑制手段の少なくともいずれか1つによって棒状体の少なくとも一部を移動させやすくなる。
【0017】
請求項4に記載の容器用弁によれば、接触抑制手段が、棒状体を容器に収容するための収容口を備えるので、容器用弁によって開口部の少なくとも一部が覆われている状態において、接触抑制手段に触れることなく棒状体を容器に収容でき、棒状体の収容作業をスムーズに行うことができる。
【0018】
請求項5に記載の容器用弁によれば、接触抑制手段が、接触抑制本体に設けられた突出状の突起部であって、接触抑制本体が挿入体との接触に伴って変形した際に、棒状体と接触可能となるように配置された突起部を備えるので、突起部を備えない場合に比べて、接触抑制手段と棒状体とを接触させやすくなるため、接触抑制手段によって棒状体の少なくとも一部を移動させやすくなる。
【0019】
請求項6に記載の容器用弁によれば、接触抑制手段が、挿入体を容器の開口部を介して容器に挿入する際に、当該接触抑制手段と挿入体の先端部との接触を回避するための切欠部を備えるので、接触抑制手段と挿入体の先端部との接触を回避でき、挿入体の先端部に異物等が付着することを防止できる。
【0020】
請求項7に記載の容器用弁によれば、接触抑制手段が、挿入体との接触に伴って当該接触抑制手段が変形した際に、当該接触する前の形状に復元する弾性復元力を有するので、挿入体との接触に伴って接触抑制手段が変形してから挿入体が容器から抜き出された後に、接触抑制手段を当該接触する前の形状に自動的に復元でき、例えば容器の開口部を開閉自在とする蓋として接触抑制手段を機能させることが可能となる。
【0021】
請求項8に記載の容器によれば、請求項1から7のいずれか一項に記載の容器用弁と、容器用弁を容器本体に固定するための固定手段と、を備えるので、容器用弁によって、容器に収容された棒状体を取り除くことなく、挿入体の容器への挿入をスムーズに行うことができる。また、固定手段によって容器用弁を容器本体に固定でき、容器用弁の設置性を高めることができる。以上のことから、容器の使用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態1に係る容器を示す正面図である。
図2図1の容器用弁の周辺領域の拡大図である。
図3図1の容器の平面図である。
図4】挿入体を容器に挿入することで容器用弁が変形した状態を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。
図5】容器用弁が変形した状態を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。
図6】実施の形態2に係る容器を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である。
図7】実施の形態3に係る容器を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。
図8】容器用弁の変形例を示す図であり、(a)は突起部の側面形状が略逆三角形状である図、(b)は突起部の側面形状が略四角形状である図である。
図9】実施の形態4に係る容器を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
図10】実施の形態5に係る容器を示す平面図である。
図11】容器用弁の変形例を示す図である。
図12】容器用弁の変形例を示す図である。
図13】容器用弁の変形例を示す図である。
図14】容器用弁の変形例を示す図である。
図15】容器用弁の変形状態を示す図であり、(a)は棒状体を容器に挿入している際の変形状態を示す図、(b)は棒状体を容器に挿入した後の変形状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る容器用弁、及び容器の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念について説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0024】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、棒状体を収容している容器の開口部又はその近傍に設けられる容器用弁、及び容器用弁を備える容器に関するものである。
【0025】
ここで、「棒状体」とは、容器に収容されるものであり、例えば、検体の如き付着物が付着しているものや、付着物が付着していないもの等を含む概念であるが、実施の形態では、検体が付着しているものとして説明する。
【0026】
また、「検体」とは、標的物質を含むと思われる(又は含んでいるかを知るために検査される)、全血、血清、血漿、尿、唾液、喀痰、骨髄液、リンパ液、組織、拭い液などの生体試料を意味する。この「検体」は、標的物質として、例えば、抗体などのタンパク質、核酸(一例として、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)等)、ウイルス、細菌、小胞、細胞、組織、毛髪、骨、糞便等を含む概念である。
【0027】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0028】
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る容器用弁について説明する。この実施の形態1は、後述する接触抑制部を1つのみ備える形態である。
【0029】
(構成)
最初に、実施の形態1に係る容器の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る容器を示す正面図である。図2は、図1の容器用弁の周辺領域の拡大図である。図3は、図1の容器の平面図である。以下の説明では、図1のX方向を容器の左右方向(-X方向を容器の左方向、+X方向を容器の右方向)、図3のY方向を容器の前後方向(+Y方向を容器の前方向、-Y方向を容器の後方向)、図1のZ方向を容器の上下方向(+Z方向を容器の上方向、-Z方向を容器の下方向)と称する。
【0030】
容器1は、棒状体2を収容するためのものである。この容器1は、実施の形態1では、検体を分析する分析装置(図示省略)の近傍に設けられており、図1に示すように、容器本体10、容器用弁20、及び固定部40を備えている。
【0031】
ここで、「棒状体2」は、例えば公知の検体採取棒(一例として、長尺な綿棒)を用いて構成されており、図1に示すように、容器1内(具体的には、容器本体10内)において、棒状体2の長手方向が上下方向に略沿うように(又は、上下方向に対して傾斜するように)設けられている。
【0032】
(構成-容器本体)
まず、容器本体10の構成について説明する。
【0033】
容器本体10は、容器1の基本構造体である。この容器本体10は、上面のみが開放された長尺な管状体として形成されており、具体的には、図1に示すように、底部11(図1では、側面形状が略V字状である底部11)と、底部11よりも上方に位置する開口部12と、底部11から開口部12に至るように設けられた筒状の側壁部13とを備えている。また、この容器本体10は、図1に示すように、容器本体10の長手方向が上下方向に略沿うように設けられ、図示しない支持対象(例えば、公知の支持器具等)によって固定具等によって固定されている。
【0034】
また、容器本体10の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態1では以下の通りに設定している。
【0035】
すなわち、容器本体10の平面形状については、図1に示すように、略円環状に設定している。ただし、これに限らず、例えば、略矩形環状、略三角形環状、又は略楕円環状等に設定してもよい。
【0036】
また、容器本体10の直径については、棒状体2の直径よりも長く設定している。また、容器本体10の上下方向の長さについては、後述の図4に示すように容器用弁20が変形した際に、棒状体2が後述の接触抑制部30と接触可能な長さに設定している。一例として、棒状体2の上下方向の長さよりも長い長さであって、図2に示す容器用弁20における変形時の軌跡T内に棒状体2の上端部を位置させることが可能な長さに設定してもよい。
【0037】
ここで、「容器用弁20における変形時の軌跡T」とは、例えば、図2に示すように、後述の接触抑制部30の基端(図2では、左端部)を中心に後述の接触抑制部30を側壁部13に向けて回転移動させたときの軌跡を意味する。
【0038】
また、容器本体10の材質については任意であるが、例えば、樹脂材料又はガラス材料で形成されてもよい。
【0039】
(構成-容器用弁)
次に、容器用弁20の構成について説明する。図4は、挿入体3を容器1に挿入することで容器用弁20が変形した状態を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。図5は、容器用弁20が変形した状態を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。
【0040】
容器用弁20は、挿入体3と棒状体2との接触を抑制するためのものである。この容器用弁20は、図2に示すように、容器1の開口部12に設けられており、1つの接触抑制部30を備えている。
【0041】
ここで、「挿入体3」とは、容器1の開口部12を介して容器1(具体的には、容器本体10)に挿入されるものであり(実施の形態1では、先端に向かうにつれて直径が小さくなる挿入体3とする)、例えば、所定の液体(図示省略)を容器1内に吐出するための図示しない吐出装置の吐出ノズルや、容器1内の所定の液体を吸引するための図示しない吸引装置の吸引ノズル等が該当する。
【0042】
なお、「所定の液体」とは、例えば、緩衝液(一例として、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)等)、検体(一例として、唾液、血液等)、試薬(一例として、検体中の標的物質と反応する物質を緩衝液で溶解した液体等)、又は、検体液(一例として、検体を緩衝液または試薬で希釈した液体等)等が該当するが、実施の形態1では、緩衝液として説明する。
【0043】
(構成-容器用弁-接触抑制部)
接触抑制部30は、挿入体3を容器1の開口部12を介して容器1に挿入する際に、挿入体3との接触に伴って変形した当該接触抑制部30によって棒状体2の少なくとも一部を移動させることで、挿入体3と棒状体2との接触を抑制するための接触抑制手段である。この接触抑制部30は、例えば、略平坦な略板状体(又は略膜状体)にて形成されており、具体的には、平面方向(具体的には、上方)から見て容器1の縁端(図2では、容器1の左端部)から容器1の内側(図2では、右方側)に向けて突出するように形成されている。そして、図2に示すように、接触抑制部30は、容器1の開口部12において略水平に設けられている。
【0044】
また、接触抑制部30の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態1では以下の通りに設定している。
【0045】
すなわち、接触抑制部30の平面形状については、図3に示すように、略扇形状に設定している。ただし、これに限らず、例えば、略矩形状、略三角形状、略円形状、略楕円状、又は略円環状等に設定してもよい。
【0046】
また、接触抑制部30の左右方向の長さ(接触抑制部30の突出長さ)については、容器1(具体的には、容器本体10)の半径以上の長さに設定しており、具体的には、容器1の半径と棒状体2の半径との和の長さよりも長く設定している。
【0047】
なお、例えば、接触抑制部30の大きさ、厚さ、又は材質等によっては、図5に示すように、接触抑制部30が湾曲状に変形した際の容器用弁20における変形時の軌跡Tが、図2の軌跡Tよりも小さくなる場合があるので、この点を踏まえて、接触抑制部30の左右方向の長さを設定することが望ましい。
【0048】
このような設定により、例えば、図1に示すように、平面方向から見て棒状体2が容器1の略中央に位置するように収容されている場合に、接触抑制部30の突出長さを容器1の半径未満とする場合に比べて、接触抑制部30と挿入体3とを接触させやすくなるため、接触抑制部30によって棒状体2の少なくとも一部(例えば、棒状体2の上端部等)を移動させやすくなる。
【0049】
ただし、これに限らず、例えば、容器1の半径以上の長さであって、容器1の半径と棒状体2の半径との和の長さと略同一又はそれよりも短い長さに設定してもよい。あるいは、容器1の直径と略同一に設定してもよい。あるいは、容器1の半径未満の長さに設定してもよい。
【0050】
また、接触抑制部30の前後方向の長さについては、容器1の半径未満の長さに設定している。ただし、これに限らず、例えば、容器1の半径以上の長さに設定してもよく、あるいは、容器1の直径と略同一に設定してもよい。
【0051】
また、接触抑制部30の具体的な構成については任意であるが、実施の形態1では、挿入体3との接触に伴って当該接触抑制部30が変形した際に、当該接触する前の形状に復元する弾性復元力を有するように構成されている。具体的には、高い弾性復元力を有する樹脂材料(例えば、ゴム材)で構成されている。ただし、これに限らず、例えば、高い弾性復元力を有する金属製の板バネ材で構成されてもよい。
【0052】
これにより、挿入体3との接触に伴って接触抑制部30が変形してから挿入体3が容器1から抜き出された後に、接触抑制部30を当該接触する前の形状に自動的に復元でき、例えば容器1の開口部12を開閉自在とする蓋として接触抑制部30を機能させることが可能となる。
【0053】
また、このような接触抑制部30により、挿入体3を容器1の開口部12を介して容器1に挿入する際に、挿入体3と棒状体2との接触を抑制できる。
【0054】
(構成-固定部)
図2に戻り、固定部40は、容器用弁20を容器本体10に固定するための固定手段である。この固定部40は、例えば樹脂製の略板状体にて形成されており、図2図3に示すように、容器本体10の上端部において、容器用弁20(接触抑制部30)と当接するように設けられており、容器本体10に対して嵌合構造等によって着脱自在に固定されていると共に、容器用弁20に対して接続されている。
【0055】
また、固定部40の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態1では以下の通りに設定している。
【0056】
すなわち、図3に示すように、固定部40の平面形状については、略円弧状に設定している。ただし、これに限らず、例えば、略矩形状、又は略楕円形状に設定してもよい。
【0057】
また、固定部40の左右方向の長さについては、容器本体10の厚さよりも長く設定している。また、固定部40の前後方向の長さについては、容器本体10の半径よりも短く設定している。ただし、これに限らず、例えば、容器本体10の半径と略同一又はそれよりも長く設定してもよい。また、固定部40の上下方向の長さ(厚さ)については、接触抑制部30の上下方向の長さ(厚さ)よりも長く設定している。ただし、これに限らず、例えば、接触抑制部30の上下方向と略同一又はそれよりも短く設定してもよい。
【0058】
また、固定部40の形成方法については任意であるが、実施の形態1では、公知の成形方法により、固定部40と容器用弁20とを一体に形成している。この場合において、固定部40の材質については、容器用弁20の材質と同一又は類似の材質で形成される。このような形成により、容器用弁20を固定部40に固定する手間を省略でき、容器1の使用性を高めることができる。
【0059】
ただし、これに限らず、例えば、固定部40と容器用弁20とを別体に形成し、容器用弁20を固定部40に対して固定具又は接着剤等によって固定してもよい。この場合において、固定部40の材質については任意であるが、容器用弁20とは異なる材質で形成されてもよく、あるいは、同一又は類似の材質で形成されてもよい。
【0060】
以上のような容器1により、容器1に収容された棒状体2を取り除くことなく、挿入体3の容器1への挿入をスムーズに行うことができる。また、固定部40によって容器用弁20を容器本体10に固定でき、容器用弁20の設置性を高めることができる。以上のことから、容器1の使用性を高めることができる。
【0061】
(容器の作用)
続いて、このように構成された容器1の作用について説明する。
【0062】
この容器1の作用は、所定の液体を容器1内に吐出する際の作用(以下、「第1作用」と称する)と、容器1に収容された所定の液体を吸引する際の作用(以下、「第2作用」と称する)とに大別される。
【0063】
また、上記各種の作用の前提については、容器1内において、平面方向から見て棒状体2が容器本体10の中心位置に位置するように収容されており、挿入体3(吐出装置の吐出ノズル、吸引装置の吸引ノズル)を上下方向に沿い、且つ容器本体10の中心軸(具体的には、上下方向に沿った中心軸)を通過するように容器1に挿入するものとして説明する。
【0064】
(容器の作用-第1作用)
最初に、第1作用について説明する。
【0065】
例えば、所定の液体を容器1内に吐出するために、吐出装置の吐出ノズル(挿入体3)を容器1の開口部12を介して容器1に挿入する挿入動作が行われると、容器用弁20の接触抑制部30は、吐出ノズルとの接触に伴って容器1の側壁部13の左側部分に向けて変形する。この場合において、図4に示すように、棒状体2の少なくとも一部(特に、棒状体2の上端部)は、上記変形した接触抑制部30によって左方側に向けて移動するので、吐出ノズルが棒状体2(特に、棒状体2の上端部)と接触することが抑制されることから、吐出ノズルの挿入動作がスムーズに行われる。
【0066】
ここで、吐出ノズルの挿入量が比較的大きい場合には、吐出ノズルが棒状体2の上端部以外の部分(例えば、棒状体2の側面部分)と接触することが想定される。しかしながら、吐出ノズルと棒状体2の上端部との接触に比べて吐出ノズルの挿入動作が阻害されにくいことから、吐出ノズルが棒状体2と接触しない場合と略同様に、吐出ノズルの挿入動作がスムーズに行われる(なお、第2作用についても略同様とする)。
【0067】
次いで、吐出ノズルからの所定の液体の吐出が行われた後に、吐出ノズルを容器1から抜き出す抜出動作が行われると、接触抑制部30は、吐出ノズルの移動に伴って容器1の開口部12に向けて変形する。この場合において、上記接触抑制部30の変形に伴って、棒状体2の少なくとも一部(特に、棒状体2の上端部)は、右方側に向けて移動する。そして、吐出ノズルが容器1から完全に抜き出されると、図2に示すように、接触抑制部30は吐出ノズルが挿入される前の形状に復元されると共に、棒状体2は吐出ノズルが挿入される前の位置に戻される(特に、底部11の側面形状が略V字状であるので、当該位置に戻されやすくなる)。
【0068】
(容器の作用-第2作用)
次に、第2作用について説明する。
【0069】
例えば、所定の液体を容器1内に吐出するために、吸引装置の吸引ノズル(挿入体3)を容器1の開口部12を介して容器1に挿入する挿入動作が行われると、第1作用と同様に、容器用弁20の接触抑制部30は、吸引ノズルとの接触に伴って容器1の側壁部13の左側部分に向けて変形する。そして、棒状体2の少なくとも一部は、上記変形した接触抑制部30によって左方側に向けて移動するので、吸引ノズルが棒状体2と接触することが抑制されることから、吸引ノズルの挿入動作がスムーズに行われる。
【0070】
次いで、吸引ノズルからの所定の液体の吸引が行われた後に、吸引ノズルを容器1から抜き出す抜出動作が行われると、第1作用と同様に、接触抑制部30は、吸引ノズルの移動に伴って容器1の開口部12に向けて変形し、上記接触抑制部30の変形に伴って、棒状体2の少なくとも一部(特に、棒状体2の上端部)は、右方側に向けて移動する。そして、吸引ノズルが容器1から完全に抜き出されると、接触抑制部30は吸引ノズルが挿入される前の形状に復元されると共に、棒状体2は吸引ノズルが挿入される前の位置に戻される。
【0071】
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、挿入体3を容器1の開口部12を介して容器1に挿入する際に、挿入体3との接触に伴って変形した接触抑制部30によって棒状体2の少なくとも一部を移動させることで、挿入体3と棒状体2との接触を抑制するための接触抑制部30を備えるので、挿入体3を容器1の開口部12を介して容器1に挿入する際に、挿入体3と棒状体2との接触を抑制できる。よって、容器1に収容された棒状体2を取り除くことなく、挿入体3の容器1への挿入をスムーズに行うことができる。
【0072】
また、接触抑制部30を、平面方向から見て容器1の縁端から容器1の内側に向けて突出するように形成し、接触抑制部30の突出長さを、容器1の半径以上としたので、例えば、平面方向から見て棒状体2が容器1の略中央に位置するように収容されている場合に、接触抑制部30の突出長さを容器1の半径未満とする場合に比べて、接触抑制部30と挿入体3とを接触させやすくなるため、接触抑制部30によって棒状体2の少なくとも一部(例えば、棒状体2の上端部等)を移動させやすくなる。
【0073】
また、接触抑制部30が、挿入体3との接触に伴って当該接触抑制部30が変形した際に、当該接触する前の形状に復元する弾性復元力を有するので、挿入体3との接触に伴って接触抑制部30が変形してから挿入体3が容器1から抜き出された後に、接触抑制部30を当該接触する前の形状に自動的に復元でき、例えば容器1の開口部12を開閉自在とする蓋として接触抑制部30を機能させることが可能となる。
【0074】
また、容器用弁20と、容器用弁20を容器本体10に固定するための固定部40と、を備えるので、容器用弁20によって、容器1に収容された棒状体2を取り除くことなく、挿入体3の容器1への挿入をスムーズに行うことができる。また、固定部40によって容器用弁20を容器本体10に固定でき、容器用弁20の設置性を高めることができる。以上のことから、容器1の使用性を高めることができる。
【0075】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る容器について説明する。この実施の形態2は、後述する収容口を備える形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0076】
(構成)
最初に、実施の形態2に係る容器の構成について説明する。実施の形態2に係る容器100は、実施の形態1に係る容器1とほぼ同様に構成されている。ただし、容器用弁20の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
【0077】
(構成-容器用弁の構成の詳細について)
次に、容器用弁20の構成の詳細について説明する。図6は、実施の形態2に係る容器100を示す図であって、図3に対応する領域を示す図である。
【0078】
実施の形態2に係る容器用弁20は、図6に示すように、接触抑制部30及び収容口50を備えている。
【0079】
(構成-容器用弁の構成の詳細について-接触抑制部)
接触抑制部30は、実施の形態1に係る接触抑制部30と略同一に構成されている。
【0080】
(構成-容器用弁の構成の詳細について-収容口)
収容口50は、棒状体2を容器100(具体的には、容器本体10)に収容するための開口であり、図6に示すように、接触抑制部30に設けられている。
【0081】
ここで、収容口50の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態2では以下の通りに設定している。
【0082】
すなわち、図6に示すように、収容口50の平面形状については、略円形状に設定している。ただし、これに限らず、例えば、略矩形状、略三角形状、又は略楕円形状に設定してもよい。
【0083】
また、収容口50の直径については、棒状体2の直径よりも大きく設定している。
【0084】
また、収容口50の設置方法については任意であるが、実施の形態2では、接触抑制部30の部分のうち、挿入体3を容器100に挿入する際に挿入体3と接触する部分33(以下、「接触部分33」と称する)以外の他の部分に設置している。
【0085】
具体的には、挿入体3が容器本体10の中心軸(具体的には、上下方向に沿った中心軸)を通過するように容器1に挿入される場合には、図6に示すように、接触抑制部30の先端部(図6では、右端部)及びその近傍部分以外の部分に設置している。ただし、これに限らず、例えば、挿入体3が上記容器本体10の中心軸を通過しないように容器1に挿入される場合には、接触抑制部30の先端部に設置してもよい。
【0086】
このような設置により、挿入体3を接触抑制部30と確実に接触させることができ、且つ収容口50を介して棒状体2を容器100に収容することができる。
【0087】
以上のような容器用弁20により、容器用弁20によって開口部12の少なくとも一部が覆われている状態において、接触抑制部30に触れることなく棒状体2を容器100に収容でき、棒状体2の収容作業をスムーズに行うことができる。
【0088】
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、接触抑制部30が、棒状体2を容器100に収容するための収容口50を備えるので、容器用弁20によって開口部12の少なくとも一部が覆われている状態において、接触抑制部30に触れることなく棒状体2を容器100に収容でき、棒状体2の収容作業をスムーズに行うことができる。
【0089】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3に係る容器について説明する。この実施の形態3は、後述する突起部を備える形態である。ただし、この実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0090】
(構成)
最初に、実施の形態3に係る容器の構成について説明する。実施の形態3に係る容器200は、実施の形態1に係る容器1とほぼ同様に構成されている。ただし、容器用弁20の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
【0091】
(構成-容器用弁の構成の詳細について)
次に、容器用弁20の構成の詳細について説明する。図7は、実施の形態3に係る容器200を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。図8は、容器用弁20の変形例を示す図であり、(a)は突起部32の側面形状が略逆三角形状である図、(b)は突起部32の側面形状が略四角形状である図である。
【0092】
実施の形態3に係る容器用弁20は、図7に示すように、接触抑制部30を備えている。
【0093】
(構成-容器用弁の構成の詳細について-接触抑制部)
接触抑制部30は、図7に示すように、接触抑制本体31及び突起部32を備えている。
【0094】
(構成-容器用弁の構成の詳細について-接触抑制部-接触抑制本体)
接触抑制本体31は、接触抑制部30の基本構造体であり、実施の形態1に係る接触抑制部30と略同一に構成されている。
【0095】
(構成-容器用弁の構成の詳細について-接触抑制部-突起部)
突起部32は、棒状体2と接触させるためのものである。この突起部32は、突出状に形成されており、図7に示すように、接触抑制本体31に設けられている。
【0096】
ここで、突起部32の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態3では以下の通りに設定している。
【0097】
すなわち、図7に示すように、突起部32の側面形状については、略逆三角形状(具体的には、上下方向に沿って突出した略逆三角形状)に設定している。ただし、これに限らず、例えば、図8(a)に示すように、上下方向に対して傾斜するように突出した略逆三角形状に設定してもよく、あるいは、図8(b)に示すように、略四角形状に設定してもよい。
【0098】
また、突起部32の上下方向の長さ(突出長さ)については、突起部32を接触抑制本体31よりも先に接触させることが可能な長さに設定しており、具体的には、接触抑制本体31の厚さよりも長く設定している。
【0099】
また、突起部32の設置方法については任意であるが、実施の形態3では、接触抑制本体31が挿入体3との接触に伴って変形した際に、棒状体2と接触可能となるように設置(配置)している。
【0100】
具体的には、図7に示すように、接触抑制本体31の下面において、接触抑制本体31の先端部(図7では、右端部)に設置している。ただし、これに限らず、例えば、接触抑制本体31の先端部以外の部分(一例として、接触抑制本体31の中央部)に設置してもよい。
【0101】
また、突起部32の形成方法については任意であるが、実施の形態3では、公知の成形方法により、突起部32を接触抑制本体31と一体に形成している。ただし、これに限らず、例えば、突起部32を接触抑制本体31と別体に形成し、これらを固定具又は接着剤等によって接続してもよい。
【0102】
以上のような容器用弁20により、突起部32を備えない場合に比べて、接触抑制部30と棒状体2とを接触させやすくなるため、接触抑制部30によって棒状体2の少なくとも一部を移動させやすくなる。
【0103】
(実施の形態3の効果)
このように実施の形態3によれば、接触抑制部30が、接触抑制本体31に設けられた突出状の突起部32であって、接触抑制本体31が挿入体3との接触に伴って変形した際に、棒状体2と接触可能となるように配置された突起部32を備えるので、突起部32を備えない場合に比べて、接触抑制部30と棒状体2とを接触させやすくなるため、接触抑制部30によって棒状体2の少なくとも一部を移動させやすくなる。
【0104】
〔実施の形態4〕
次に、実施の形態4に係る容器について説明する。この実施の形態4は、後述する切欠部を備える形態である。ただし、この実施の形態4の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0105】
(構成)
最初に、実施の形態4に係る容器の構成について説明する。実施の形態4に係る容器300は、実施の形態1に係る容器1とほぼ同様に構成されている。ただし、容器用弁20の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
【0106】
(構成-容器用弁の構成の詳細について)
次に、容器用弁20の構成の詳細について説明する。図9は、実施の形態4に係る容器300を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【0107】
実施の形態4に係る容器用弁20は、図9に示すように、接触抑制部30及び切欠部60を備えている。
【0108】
(構成-容器用弁の構成の詳細について-接触抑制部)
接触抑制部30は、実施の形態1に係る接触抑制部30と略同一に構成されている。
【0109】
(構成-容器用弁の構成の詳細について-切欠部)
切欠部60は、挿入体3を容器300の開口部12を介して容器300(具体的には、容器本体10)に挿入する際に、当該接触抑制部30と挿入体3の先端部との接触を回避するためのものであり、図9に示すように、接触抑制部30に設けられている。
【0110】
ここで、切欠部60の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態4では以下の通りに設定している。
【0111】
すなわち、図9(a)に示すように、切欠部60の平面形状については、略扇形状に設定している。ただし、これに限らず、例えば、略矩形状、略三角形状、略半円形状、又は略円形状に設定してもよい。
【0112】
また、切欠部60の左右方向の長さについては、挿入体3の先端部の直径よりも大きく、且つ挿入体3の部分のうち容器300に挿入される部分の最大直径よりも小さく設定している。また、切欠部60の前後方向の長さについては、挿入体3の先端部の直径よりも大きく、且つ挿入体3の部分のうち容器300に挿入される部分の最大直径よりも小さく設定している。
【0113】
また、切欠部60の設置方法については、実施の形態4では、接触抑制部30の部分のうち、挿入体3を容器300に挿入する際に接触部分33の近傍部分に設置している。
【0114】
具体的には、挿入体3が容器本体10の中心軸(具体的には、上下方向に沿った中心軸)を通過するように容器1に挿入される場合には、図9に示すように、接触抑制部30の先端部(図9では、右端部)に設置している。ただし、これに限らず、例えば、挿入体3が上記容器本体10の中心軸を通過しないように容器1に挿入される場合には、接触抑制部30の先端部以外の部分に設置してもよい。
【0115】
以上のような容器用弁20により、接触抑制部30と挿入体3の先端部との接触を回避でき、挿入体3の先端部に異物等が付着することを防止できる。
【0116】
(実施の形態4の効果)
このように実施の形態4によれば、接触抑制部30が、挿入体3を容器300の開口部12を介して容器300に挿入する際に、当該接触抑制部30と挿入体3の先端部との接触を回避するための切欠部60を備えるので、接触抑制部30と挿入体3の先端部との接触を回避でき、挿入体3の先端部に異物等が付着することを防止できる。
【0117】
〔実施の形態5〕
次に、実施の形態5に係る容器について説明する。この実施の形態5は、接触抑制部を複数備える形態である。ただし、この実施の形態5の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0118】
(構成)
最初に、実施の形態5に係る容器の構成について説明する。実施の形態5に係る容器400は、実施の形態1に係る容器1とほぼ同様に構成されている。ただし、容器用弁20の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
【0119】
(構成-容器用弁の構成の詳細について)
次に、容器用弁20の構成の詳細について説明する。図10は、実施の形態5に係る容器400を示す平面図である。
【0120】
実施の形態5に係る容器用弁20は、図10に示すように、容器400の開口部12に設けられており、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eを備えている。なお、以下では、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eを特に区別する必要のないときは「接触抑制部30」と総称する
【0121】
(構成-容器用弁の構成の詳細について-第1接触抑制部、第2接触抑制部、第3接触抑制部、第4接触抑制部、第5接触抑制部)
第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eは、挿入体3を容器400の開口部12を介して容器400に挿入する際に、挿入体3との接触に伴って変形した当該第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、又は第5接触抑制部30eの少なくともいずれか1つによって棒状体2の少なくとも一部を移動させることで、挿入体3と棒状体2との接触を抑制するための接触抑制手段である。これら第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eは、実施の形態1に係る接触抑制部30と略同一にそれぞれ構成されており(具体的には、実施の形態1に係る接触抑制部30の形状及び大きさと略同一に構成されており)、図10に示すように、容器400の開口部12において略水平に設けられている。
【0122】
また、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eの設置方法については任意であるが、実施の形態5では、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eのうち一部の接触抑制部30全体が他の一部の接触抑制部30によって平面方向(具体的には、上方)から見て重ならないように設置(配置)している。
【0123】
具体的には、図10に示すように、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eによって容器400の開口部12の略全体が覆われ、且つ、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eの少なくとも一部が平面方向から見て外部に露出するように設置している。より具体的には、第1接触抑制部30a全体が外部に露出され、第2接触抑制部30bの一部のみが第1接触抑制部30aによって覆われ、第3接触抑制部30cの一部のみが第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、及び第5接触抑制部30eによって覆われ、第4接触抑制部30dの一部のみが第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、及び第5接触抑制部30eによって覆われ、且つ、第5接触抑制部30eの一部のみが第1接触抑制部30a及び第2接触抑制部30bによって覆われるように設置している。
【0124】
この場合において、固定部40の具体的な構成については任意であるが、実施の形態5では、図10に示すように、固定部40の平面形状が略円環状に設定されており、固定部40の直径は、容器本体10の直径と略同一に設定されている。さらに、固定部40は、容器本体10の上端部の縁端全体にわたって設けられている。
【0125】
このような設置により、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eの少なくともいずれか1つと挿入体3とを接触させることができ、接触抑制部30を1つのみ備える場合に比べて、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eの少なくともいずれか1つによって棒状体2の少なくとも一部を移動させやすくなる。
【0126】
特に、実施の形態5では、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eによって容器400の開口部12の略全体が覆われるように、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eを設置しているので、容器400に収容されている棒状体2が平面方向から見て容器本体10の中心位置以外の他の位置に位置する場合でも、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eの少なくともいずれか1つと挿入体3とを確実に接触させることができる。また、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eが弾性復元力を有するので、挿入体3との接触に伴ってこれら接触抑制部30が変形してから挿入体3が容器400から抜き出された後に、これら接触抑制部30によって容器400の開口部12の略全体が再び覆われるので、蓋としてこれら接触抑制部30を機能させることが可能となる。
【0127】
以上のような容器用弁20により、実施の形態1に係る容器用弁20に比べて、挿入体3を容器400の開口部12を介して容器400に挿入する際に、挿入体3と棒状体2との接触を抑制でき、挿入体3の容器400への挿入を一層スムーズに行うことができる。
【0128】
(構成-容器用弁の構成の詳細について-その他の構成)
また、上述した構成のほかにも、容器用弁20は、できる限りにおいて任意の構造にて構成可能である。図11から図14は、容器用弁20の変形例を示す図である。
【0129】
例えば、図11から図13に示すように、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eは、略扇形状又は非扇形状に設定されたり、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eの突出長さは、容器400の半径と略同一の長さに設定されてもよい。そして、これら第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eによって容器400の開口部12の略全体が覆われ、且つ、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eのすべてが平面方向から見て外部に露出するように(すなわち、接触抑制部30同士が重複しないように)、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eは設置されてもよい。
【0130】
また、図12に示すように、実施の形態4に係る切欠部60が第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eにそれぞれ設けられてもよい。あるいは、実施の形態2に係る収容口50、実施の形態3に係る突起部32、又はこれらを組み合わせたものが第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、又は第5接触抑制部30eの少なくともいずれか1つに設けられてもよい。
【0131】
また、図14に示すように、容器用弁20が、略半円状の第1接触抑制部30a及び第2接触抑制部30bを備え、これら第1接触抑制部30a及び第2接触抑制部30bの突出長さは、容器400の半径と略同一の長さに設定されてもよい。そして、これら第1接触抑制部30a及び第2接触抑制部30bによって容器400の開口部12の略全体が覆われ、且つ、第1接触抑制部30a及び第2接触抑制部30bのすべてが平面方向から見て外部に露出するように、第1接触抑制部30a及び第2接触抑制部30bは設置されてもよい。
【0132】
(実施の形態5の効果)
このように実施の形態5によれば、複数の接触抑制部30のうち一部の接触抑制部30全体が他の一部の接触抑制部30によって平面方向から見て重ならないように、複数の接触抑制部30を配置したので、複数の接触抑制部30の少なくともいずれか1つと挿入体3とを接触させることができ、接触抑制部30を1つのみ備える場合に比べて、複数の接触抑制部30の少なくともいずれか1つによって棒状体2の少なくとも一部を移動させやすくなる。
【0133】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0134】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0135】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0136】
(容器本体について)
上記実施の形態1から5では、容器本体10の上下方向の長さを棒状体2の上下方向の長さよりも長く設定していると説明したが、これに限らず、例えば、棒状体2の上下方向の長さと略同一又はそれよりも短く設定してもよい。なお、容器本体10の上下方向の長さを棒状体2の上下方向の長さよりも短く設定する場合には、容器用弁20が、棒状体2の上端よりも上方に位置するように、容器本体10以外の固定対象(例えば、公知の固定器具等)に対して固定されてもよい。
【0137】
(容器用弁について)
上記実施の形態1から5では、容器用弁20が、固定部40を介して容器本体10に固定されていると説明したが、これに限らない。例えば、容器用弁20が、容器本体10以外の固定対象(例えば、公知の固定器具等)に対して固定され、容器の固定部40を省略してもよい。この場合には、容器用弁20が容器の開口部12に配置されてもよく、あるいは、容器の開口部12の近傍であり、且つ容器の開口部12の上方位置(又は下方位置)に配置されてもよい。
【0138】
(接触抑制部について)
上記実施の形態1では、接触抑制部30が、挿入体3を容器1の開口部12を介して容器1に挿入する際に、挿入体3との接触に伴って変形した当該接触抑制部30によって棒状体2の少なくとも一部を移動させることで、挿入体3と棒状体2との接触を抑制すると説明したが、これに限らない。例えば、棒状体2を容器1に収容していない状態において、棒状体2を容器1の開口部12を介して容器1に収容する際に、棒状体2との接触に伴って変形した当該接触抑制部30によって棒状体2の少なくとも一部を移動させることで、挿入体3と棒状体2との接触を抑制してもよい。
【0139】
図15は、容器用弁20の変形状態を示す図であり、(a)は棒状体2を容器1に挿入している際の変形状態を示す図、(b)は棒状体2を容器1に挿入した後の変形状態を示す図である。一例として、接触抑制部30の突出長さを実施の形態1に係る接触抑制部30の突出長さよりも長く設定されている場合において、図15(a)に示すように、棒状体2の挿入により接触抑制部30が容器1の側壁部13の左側部分に向けて変形される。そして、棒状体2が容器1に挿入された後に、接触抑制部30の弾性復元力(例えば、実施の形態1に係る弾性復元力と同一又はそれよりも小さい弾性復元力)によって接触抑制部30が容器1の側壁部13の右側部分に向けて変形されることで、図15(b)に示すように、接触抑制部30によって棒状体2の少なくとも一部(特に、棒状体2の上端部)が移動されることから、挿入体3と棒状体2との接触を抑制できる。よって、容器1に収容された棒状体2を取り除くことなく、挿入体3の容器1への挿入をスムーズに行うことができる(なお、実施の形態2から5の接触抑制部30についても略同様とする)。
【0140】
また、上記実施の形態1では、接触抑制部30が、弾性復元力を有すると説明したが、これに限らず、例えば、弾性復元力を有しないものであってもよい。一例として、挿入体3との接触に伴って当該接触抑制部30が変形した後に、その変形した形状を維持するものであってもよい。これにより、挿入体3が容器1から抜き出された後も、接触抑制部30によって棒状体2の少なくとも一部を移動させた状態を維持できる(なお、実施の形態2から5の接触抑制部30についても略同様とする)。
【0141】
また、上記実施の形態5では、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eによって容器400の開口部12の略全体が覆われるように、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eが設置されていると説明したが、これに限らない。例えば、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eによって容器400の開口部12の一部のみが覆われるように、第1接触抑制部30a、第2接触抑制部30b、第3接触抑制部30c、第4接触抑制部30d、及び第5接触抑制部30eが設置されてもよい。
【0142】
また、上記実施の形態5では、接触抑制部30の設置数が5つであると説明したが、これに限らず、例えば、5つ未満であってもよく、あるいは、6つ以上であってもよい。
【0143】
(付記)
付記1の容器用弁は、棒状体を収容している容器の開口部又はその近傍に設けられる弁であって、少なくとも1つ以上の接触抑制手段であって、挿入体を前記開口部を介して前記容器に挿入する際に、前記挿入体との接触に伴って変形した当該接触抑制手段によって前記棒状体の少なくとも一部を移動させることで、前記挿入体と前記棒状体との接触を抑制するための接触抑制手段を備える。
【0144】
付記2の容器用弁は、付記1に記載の容器用弁において、前記接触抑制手段を、平面方向から見て前記容器の縁端から前記容器の内側に向けて突出するように形成し、前記接触抑制手段の突出長さを、前記容器の半径以上とした。
【0145】
付記3の容器用弁は、付記1又は2に記載の容器用弁において、前記接触抑制手段を複数備え、前記複数の接触抑制手段のうち一部の接触抑制手段全体が他の一部の接触抑制手段によって平面方向から見て重ならないように、前記複数の接触抑制手段を配置した。
【0146】
付記4の容器用弁は、付記1から3のいずれか一項に記載の容器用弁において、前記接触抑制手段は、前記棒状体を前記容器に収容するための収容口を備える。
【0147】
付記5の容器用弁は、付記1から4のいずれか一項に記載の容器用弁において、前記接触抑制手段は、接触抑制本体と、前記接触抑制本体に設けられた突出状の突起部であって、前記接触抑制本体が前記挿入体との接触に伴って変形した際に、前記棒状体と接触可能となるように配置された突起部と、を備える。
【0148】
付記6の容器用弁は、付記1から5のいずれか一項に記載の容器用弁において、前記接触抑制手段は、前記挿入体を前記開口部を介して前記容器に挿入する際に、当該接触抑制手段と前記挿入体の先端部との接触を回避するための切欠部を備える。
【0149】
付記7の容器用弁は、付記1から6のいずれか一項に記載の容器用弁において、前記接触抑制手段は、前記挿入体との接触に伴って当該接触抑制手段が変形した際に、当該接触する前の形状に復元する弾性復元力を有する。
【0150】
付記8の容器は、棒状体を収容するための容器であって、容器本体と、付記1から7のいずれか一項に記載の容器用弁と、前記容器用弁を前記容器本体に固定するための固定手段と、を備える。
【0151】
(付記の効果)
付記1に記載の容器用弁によれば、少なくとも1つ以上の接触抑制手段であって、挿入体を容器の開口部を介して容器に挿入する際に、挿入体との接触に伴って変形した当該接触抑制手段によって棒状体の少なくとも一部を移動させることで、挿入体と棒状体との接触を抑制するための接触抑制手段を備えるので、挿入体を容器の開口部を介して容器に挿入する際に、挿入体と棒状体との接触を抑制できる。よって、容器に収容された棒状体を取り除くことなく、挿入体の容器への挿入をスムーズに行うことができる。
【0152】
付記2に記載の容器用弁によれば、接触抑制手段を、平面方向から見て容器の縁端から容器の内側に向けて突出するように形成し、接触抑制手段の突出長さを、容器の半径以上としたので、例えば、平面方向から見て棒状体が容器の略中央に位置するように収容されている場合に、接触抑制手段の突出長さを容器の半径未満とする場合に比べて、接触抑制手段と挿入体とを接触させやすくなるため、接触抑制手段によって棒状体の少なくとも一部(例えば、棒状体の上端部等)を移動させやすくなる。
【0153】
付記3に記載の容器用弁によれば、複数の接触抑制手段のうち一部の接触抑制手段全体が他の一部の接触抑制手段によって平面方向から見て重ならないように、複数の接触抑制手段を配置したので、複数の接触抑制手段の少なくともいずれか1つと挿入体とを接触させることができ、接触抑制手段を1つのみ備える場合に比べて、複数の接触抑制手段の少なくともいずれか1つによって棒状体の少なくとも一部を移動させやすくなる。
【0154】
付記4に記載の容器用弁によれば、接触抑制手段が、棒状体を容器に収容するための収容口を備えるので、容器用弁によって開口部の少なくとも一部が覆われている状態において、接触抑制手段に触れることなく棒状体を容器に収容でき、棒状体の収容作業をスムーズに行うことができる。
【0155】
付記5に記載の容器用弁によれば、接触抑制手段が、接触抑制本体に設けられた突出状の突起部であって、接触抑制本体が挿入体との接触に伴って変形した際に、棒状体と接触可能となるように配置された突起部を備えるので、突起部を備えない場合に比べて、接触抑制手段と棒状体とを接触させやすくなるため、接触抑制手段によって棒状体の少なくとも一部を移動させやすくなる。
【0156】
付記6に記載の容器用弁によれば、接触抑制手段が、挿入体を容器の開口部を介して容器に挿入する際に、当該接触抑制手段と挿入体の先端部との接触を回避するための切欠部を備えるので、接触抑制手段と挿入体の先端部との接触を回避でき、挿入体の先端部に異物等が付着することを防止できる。
【0157】
付記7に記載の容器用弁によれば、接触抑制手段が、挿入体との接触に伴って当該接触抑制手段が変形した際に、当該接触する前の形状に復元する弾性復元力を有するので、挿入体との接触に伴って接触抑制手段が変形してから挿入体が容器から抜き出された後に、接触抑制手段を当該接触する前の形状に自動的に復元でき、例えば容器の開口部を開閉自在とする蓋として接触抑制手段を機能させることが可能となる。
【0158】
付記8に記載の容器によれば、付記1から7のいずれか一項に記載の容器用弁と、容器用弁を容器本体に固定するための固定手段と、を備えるので、容器用弁によって、容器に収容された棒状体を取り除くことなく、挿入体の容器への挿入をスムーズに行うことができる。また、固定手段によって容器用弁を容器本体に固定でき、容器用弁の設置性を高めることができる。以上のことから、容器の使用性を高めることができる。
【符号の説明】
【0159】
1 容器
2 棒状体
3 挿入体
10 容器本体
11 底部
12 開口部
13 側壁部
20 容器用弁
30 接触抑制部
30a 第1接触抑制部
30b 第2接触抑制部
30c 第3接触抑制部
30d 第4接触抑制部
30e 第5接触抑制部
31 接触抑制本体
32 突起部
33 接触部分
40 固定部
50 収容口
60 切欠部
100 容器
200 容器
300 容器
400 容器
T 軌跡
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図15