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  • 特開-耐切創性手袋 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050752
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】耐切創性手袋
(51)【国際特許分類】
   A41D 19/015 20060101AFI20220324BHJP
   A41D 19/00 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
A41D19/015 110Z
A41D19/00 A
A41D19/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020156854
(22)【出願日】2020-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】000219266
【氏名又は名称】東レ・デュポン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115440
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 光子
(72)【発明者】
【氏名】吉田 和義
(72)【発明者】
【氏名】巽 薫
【テーマコード(参考)】
3B033
【Fターム(参考)】
3B033AA32
3B033AB06
3B033AC04
(57)【要約】
【課題】糸の製造工程を簡素化することができ、編み立て性が良好で、耐切創性、低発塵性及び風合いに優れた手袋を提供する。
【解決手段】流体噴射加工された有機繊維のみ(ただし、弾性繊維を含まない)からなる繊度440~1,800dtexの繊維糸条を単体もしくは複数本引き揃えた糸条からなる地糸(A)と、嵩高加工された有機繊維のみ(ただし、弾性繊維を含まない)からなる伸縮性添え糸(B)と、を用いてなることを特徴とする耐切創性手袋。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体噴射加工された有機繊維のみ(ただし、弾性繊維を含まない)からなる繊度440~1,800dtexの繊維糸条を単体もしくは複数本引き揃えた糸条からなる地糸(A) と、
嵩高加工された有機繊維のみ(ただし、弾性繊維を含まない)からなる伸縮性添え糸(B)と、
を用いてなることを特徴とする耐切創性手袋。
【請求項2】
前記手袋の目付が200~750g/mの範囲であり、かつ、次の(1)と(2)を同時に満たす、請求項1に記載の耐切創性手袋。
(1)JIS B 9923 タンブリング法により発塵させ、パーティクルカウンターで測定したときの塵の粒径0.1μm以上の発塵個数が、手袋2枚あたり10万個/m以下の値を示す。
(2)JIS T 8052 防護服-機械的特性-鋭利物に対する切創抵抗性試験で測定される切断荷重の値が6~15Nの範囲である。
【請求項3】
前記地糸(A)を構成する繊維糸条が、3~10%のオーバーフィード状態で流体噴射加工されたものである、請求項1または2に記載の耐切創性手袋。
【請求項4】
前記耐切創性手袋編成時の設定ゲージ数が、7ゲージ~15ゲージである、請求項1~3のいずれかに記載の耐切創性手袋。
【請求項5】
前記地糸(A)及び伸縮性添え糸(B)を構成する有機繊維が、パラ系アラミド繊維である、請求項1~4のいずれかに記載の耐切創性手袋。
【請求項6】
表面が前記地糸(A)から主に構成され、裏面が前記伸縮性添え糸(B)から主に構成されている、請求項1~5のいずれかに記載の耐切創性手袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐切創性手袋に関する。さらに詳しくは、糸製造時及び編成時に糸条から発生する塵量を抑制した耐切創性手袋に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性糸と耐切断糸とを含む糸で、糸表面にタルミを有する糸或いはランダムに絡み合ったループ構造を有する複合糸は、織編物に風合いと耐切創性を付与し得る糸として知られている(例えば、特許文献1、2)。前記耐切断糸としては、アラミド、高分子量ポリエチレン、高分子量ポリビニルアルコール、高分子量ポリアクリロニトリル等の繊維が挙げられている。しかし、特許文献1、2では、弾性糸とアラミドフィラメント糸もしくはアラミド捲縮糸とを、同時にオーバーフィードする。そのため、特許文献1では弾性糸に張力をかける操作を必要とし、特許文献2では編成時に捩れを生じさせないために2種類の加撚糸(SとZ)を用いる必要があり、製造工程が煩雑になる。
【0003】
弾性糸を含まない耐切断糸の場合も、表面にループやタルミを有する糸で編成した手袋は、身体によくフィットして作業性が良く、毛羽や埃の発生を抑制できることが知られている(特許文献3)。前記耐切断糸としては、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリイミド繊維等の耐熱性繊維が挙げられている。
【0004】
しかし、特許文献3の糸の場合、毛羽や埃の発生しにくいキンクバンドを有するマルチフィラメント糸から構成される糸を用いるため、キンクバンドを付与するための前処理を必要とする。具体的には、マルチフィラメント糸をキンクバンド付与装置にスチームを付与しながら走行させ、キンクバンドを付与し、乾燥、巻取りを行って嵩高糸を得る。得られた嵩高糸に交絡ノズルの細孔を通じてエアーを吹き付け折れ曲がり部とキンクバンドを有した嵩高加工糸を得る。そのため、毛羽や埃の発生を抑制できるが、2つの工程を必要とし、製造工程が煩雑となる。またキンクバンドを付与すると嵩高になり易いがキンクバンド(角)を有しているため風合いが劣る。
【0005】
弾性糸(芯糸)を耐切断糸(鞘糸)で被覆した複合糸を用いて手袋を編成し、手袋の発塵を抑制する方法も知られている(特許文献4)。耐切断糸としては、少なくとも糸表面に液晶性高分子繊維が存在する、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維等の繊維が挙げられている。前記の複合糸は、鞘糸に紡績糸を用いた被覆糸に比べて、発塵の元となる毛羽や埃が発生しにくい利点を有している。しかし、耐切断糸として用いた仮撚り加工糸は、仮撚り加工糸を解撚する工程を要し、また編成時に捩れを生じさせないために2種類の加撚糸(SとZ)を用いる必要がある。
【0006】
特許文献4記載の手袋は、塵の粒径0.5μm以上の発塵個数が一定値以下であるが、ISO規格では0.1μm以上の粒子が基準になっており、現状、電子部品、精密部品組立工場、手術室・治療室等で使用する手袋は、耐切創性の他、清浄度がクラス5(0.1μm以上の微粒子数が100,000個以下)以上の低発塵性が望まれている。
【0007】
比較的毛羽が発生し難い超高分子量ポリエチレン繊維やポリケトン繊維の流体加工糸で防護用手袋を編成することも知られている(特許文献5、6)。しかし、有機繊維糸条で編成した手袋の耐切創性と低発塵性は、相反する関係にあり、また糸の素材(糸の性質)、加工法(糸条の性質)、手袋の編成方法等の影響を受けるため、耐切創性と低発塵性を兼備し、しかも装着時のフィット感(装着性)や風合いの良さ(ちくちく感がないこと)を満たす手袋は、なかなか得られないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2004-538387号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】特開2013-204202号公報(特許請求の範囲、表1等)
【特許文献3】特開2005-054294号公報(特許請求の範囲、表1等)
【特許文献4】特開2013-194347号公報(実施例、表1等)
【特許文献5】特開2009-079309号公報(特許請求の範囲、[0019]等)
【特許文献6】特開2005-248345号公報(特許請求の範囲、[0007]等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑みてなされたものであり、糸の製造工程を簡素化することができ、編み立て性が良好で、耐切創性、低発塵性及び風合いに優れた手袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明者等は鋭意検討を行った。手袋とそれに用いる種々の糸との検討結果から得られた知見、すなわち、同じ素材の糸を使用した時でも糸の製造方法の違いにより手袋の編み立て性及び耐切創性が異なること、また手袋の発塵機構の詳細は不明であるが、流体噴射加工された繊維で編成された手袋は、タンブリング法で発塵させた際の塵の粒径0.1μm以上の発塵個数が10万個以下(手袋2枚あたり)の値になる、との知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、流体噴射加工された有機繊維のみ(ただし、弾性繊維を含まない)からなる繊度440~1,800dtexの繊維糸条を単体もしくは複数本引き揃えた糸条からなる地糸(A)と、嵩高加工された有機繊維のみ(ただし、弾性繊維を含まない)からなる伸縮性添え糸(B)と、を用いてなることを特徴とする耐切創性手袋を提供する。
【0012】
前記耐切創性手袋は、目付が200~750g/mの範囲であり、かつ、次の(1)と(2)を同時に満たす。
(1)JIS B 9923 タンブリング法により発塵させ、パーティクルカウンターで測定したときの塵の粒径0.1μm以上の発塵個数が、手袋2枚あたり10万個/m以下の値を示す。
(2)JIS T 8052 防護服-機械的特性-鋭利物に対する切創抵抗性試験で測定される切断荷重の値が6~15Nの範囲である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、手袋を構成する繊維糸条の製造工程を簡素化することができ、編み立て性、耐切創性、低発塵性及び風合いに優れた耐切創性手袋を提供することができる。該手袋は、JIS(ISO)規格クラス5以上の清浄度が求められるクリーンルーム内で行われる作業用手袋として使用可能である。また、通常の作業において、鋭利な刃物やバリにより切創される危険が伴う作業用手袋としても適している。地糸及び添え糸を同素材の繊維で構成することにより、リサイクル性に優れる手袋を提供することができる。また地糸及び添え糸を耐熱性繊維で構成することにより、耐熱性に優れる手袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】有機繊維糸条の流体噴射加工の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について詳細を説明する。
本発明の耐切創性手袋は、流体噴射加工された有機繊維のみ(ただし、弾性繊維を含まない)からなる繊度440~1,800dtexの繊維糸条を単体もしくは複数本引き揃えた糸条からなる地糸(A)と、嵩高加工された有機繊維のみ(ただし、弾性繊維を含まない)からなる伸縮性添え糸(B)と、を用いてなるものである。
地糸を引き揃えて用いる場合の引揃え本数は特に限定されないが、通常、1~5本、好ましくは1~3本である。
【0016】
本発明では、地糸(A)及び伸縮性添え糸(B)は、いずれも有機繊維のみから構成され、かつ、これらの有機繊維は弾性繊維を含まない。弾性繊維を含む糸条で編成した手袋は、手袋着用時のフィット感に優れる利点があるが、品質管理の点で課題がある。
【0017】
本発明の耐切創性手袋の目付は、200~750g/mであることが好ましい。目付が200g/m以上であれば作業用手袋として耐切創性を確保することができ、目付が750g/m以下であれば編み立て性が良好である。耐切創性手袋の目付は、240~700g/mがさらに好ましく、270~700g/mが特に好ましい。
【0018】
[有機繊維]
有機繊維は、公知のものから適宜選択して用いることができるが、原糸の特性として、JIS L 1013:2010 8.5に準じて測定した引張強さが17.5cN/dtex以上の連続繊維が好ましく用いられる。引張強さが17.5cN/dtex未満の場合は、繊維糸条に高度の耐摩耗性を付与することが難しくなり、上記の耐切創性手袋の特性値(2)を満たせなくなる恐れがある。好ましくは、17.5~35cN/dtexである。
【0019】
地糸(A)を構成する有機繊維糸条の繊度は、440~1,800dtexである。繊度が440dtex未満の糸条で手袋を編成した場合、耐切創性が悪くなり、耐切創性を向上させるために引き揃え本数を多くしたり、仮撚り加工糸の繊度を大きくしたりすると手袋の生産性が悪い。一方で、繊度が1,800dexを超えると編み立て性が悪い(編み機カッターが切れにくい)。後述する手袋の編み立て時において、地糸(A)を構成する有機繊維糸条の繊度を、添え糸(B)を構成する有機繊維糸条の繊度よりも大きくすることが好ましく、このように構成することにより、地糸が添え糸のトルクに負けなくなるため編地の捩れが発生し難くなる。地糸(A)を構成する有機繊維糸条の繊度は、600~1,800dtexであることがより好ましく、700~1,700dtexであることが特に好ましい。
【0020】
添え糸(B)を構成する有機繊維糸条の繊度は、繊度440~1,800dtexであることが好ましく、440~1,500dtexであることがより好ましく、440~1,200dtexであることが特に好ましい。また、嵩高加工糸単体で添え糸に用いる場合は、添え糸の繊度を手袋総繊度の25%以下にすることにより手袋の編み立て性が安定的に良好となる。
【0021】
地糸(A)及び添え糸(B)を構成する有機繊維の単繊維繊度は、0.1~10dtexが好ましく、さらに好ましくは0.3~6dtex、特に好ましくは1.0~2.5dtexである。0.1dtex未満では繊維の強力が弱すぎて手袋の形成が困難であり、一方、10dtexを超えると手袋が硬くなる。
【0022】
上記の有機繊維としては、引張強さと耐摩耗性の観点から、パラ系アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリケトン繊維、ポリアミドイミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、高強力ビニロン繊維等が挙げられる。有機繊維は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
【0023】
地糸(A)に用いる有機繊維としては、上記の素材のなかでも、手袋着用時の装着感に優れている点から、パラ系アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維が好ましく、特に耐切創性に優れている点から、パラ系アラミド繊維が好ましい。有機繊維におけるパラ系アラミド繊維の比率は、50質量%以上とすることが好ましく、70~90質量%がより好ましく、100質量%が特に好ましい。
【0024】
添え糸(B)に用いる有機繊維としては、上記の素材及びメタ系アラミド繊維等が挙げられる。これらの素材のなかでも耐熱性及び難燃性に優れ、編み立て性が良好である点から、メタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維等の耐熱性繊維が好ましい。これらの有機繊維のなかでも、強度特性に優れるパラ系アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維等が好ましく、特に耐切創性に優れている点から、パラ系アラミド繊維が好ましい。また、有機繊維の回収再利用が容易である点より、アラミド繊維を用いることが好ましく、有機繊維におけるメタ系アラミド繊維あるいはパラ系アラミド繊維の比率は、50質量%以上が好ましく、70~90質量%がより好ましく、100質量%が特に好ましい。メタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維は、手袋の目的等に応じて、任意の比率で併用することができる。
【0025】
上記の有機繊維は市販品を用いてもよく、メタ系アラミド繊維としては、例えば、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(デュポン社製、商品名「ノーメックス」)等が挙げられ、パラ系アラミド繊維としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(東レ・デュポン株式会社製、商品名「Kevlar」(登録商標))、コポリパラフェニレン-3,4´-オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製、商品名「テクノーラ」(登録商標))等が挙げられる。高強度、高弾性率、耐切創性及び耐熱性に優れている点から、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維が好ましい。
【0026】
また、全芳香族ポリエステル繊維としては、株式会社クラレ製、商品名「ベクトラン」等、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維としては、東洋紡株式会社製、商品名「ザイロン」等、超高分子量ポリエチレン繊維としては、東洋紡株式会社製、商品名「イザナス」「ツヌーガ」、DSM社製、商品名「ダイニーマ」、ハネウエル社製、商品名「スペクトラ」等が挙げられる。
【0027】
本発明の耐切創性手袋で使用する流体加工糸(地糸)及び嵩高加工糸(添え糸)は、上記した有機繊維からなる繊維糸条の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、糸中に30質量%未満の比率でナイロン、ポリエステル等の公知の繊維を含むことができる。
【0028】
[流体噴射加工]
本発明の耐切創性手袋において、地糸(A)は、有機繊維に流体噴射加工を施した流体加工糸の繊維糸条を、単体もしくは複数本引き揃えた糸条が用いられる。流体噴射加工は、繊維に水、水蒸気、空気等の流体を強制的に吹き付け、その流れにより繊維の配向を乱れさせたりして嵩高性を付与する技術である。パラ系アラミド繊維等の引張強度が17.5cN/dtex以上の有機繊維は、引張弾性率も高いので編成手袋が硬くなりやすいが、流体噴射加工を施すことで繊維表面を損傷することなく嵩高性を付与できる。
【0029】
本発明で用いる有機繊維の流体噴射加工方法の一例を図1に示す。有機繊維糸条1は、フィードローラー2から流体加工ノズル3に供給され、同流体加工ノズル3に別の流入口4から供給された流体と合流して流体加工ノズル3から噴出され、デリベリローラー5を経て巻き取りボビン7に巻き取られる。有機繊維糸条1は、一個の原糸ボビンから供給されても良いし、複数の原糸ボビンから供給されても良い。有機繊維糸条は、1種類でも良いし、異なる2種類以上の素材を流体加工ノズルに供給して複合しても良い。
【0030】
流体噴射加工では、オーバーフィード率、糸条の太さ、ノズルの形状や流体の圧力、加工速度等の加工条件を選択することにより、ループ状の毛羽を持った嵩高性の高い加工糸から、ループ毛羽を持たない軽度の嵩高糸まで、用途に応じて種々の加工糸が得られる。一般に、細い糸条(150dtex以下)は流体噴射加工によって強い撹乱を受けるためパラ系アラミド繊維等の高強度繊維では繊維表面がフィブリル化する恐れがある。本発明では、有機繊維糸条の繊度が440~1,800dtexであり、流体噴射加工による撹乱を受けにくいのでループは形成され難く、また、繊維表面が損傷し難く、糸条それぞれがウエーブ状のたるみ形状をなすふくらみを持った嵩高性の加工糸となる。
【0031】
有機繊維糸条をオーバーフィード率3~10%、より好ましくは3~8%、流体噴射圧力1MPa以下で加工することにより、本発明の耐切創性手袋に好適な繊維糸条が得られる。また、有機繊維のフィブリル化や繊維表面の削れが抑制され、フィブリル断片や削屑が手袋に付着することが抑制される。なお、「フィブリル化」とは、1本の繊維に亀裂が発生して、より細かな繊維に分裂する現象をいう。
【0032】
[嵩高加工]
本発明の耐切創性手袋において、添え糸(B)は、有機繊維のフィラメントに嵩高加工を施した嵩高加工糸が用いられる。嵩高加工は、有機繊維のフィラメントに仮撚り加工(加撚→熱セット→解撚)を施して嵩高性を付与する技術である。編織したときの風合いがソフトであり、伸縮性にも優れている。嵩高加工糸は、解撚まで加工していない加撚、熱セットのみのものや、仮撚り加工した糸を撚糸したもの、仮撚り加工した糸に熱セットをしたもの、或いは、撚糸した糸を仮撚り加工したものであっても良い。
【0033】
仮撚り加工により有機繊維のフィラメントに嵩高性を付与する方法は、特に限定されず、公知の方法であって良い。好ましい方法としては、再公表2012-086584号公報に開示されている方法が挙げられる。すなわち、有機繊維のフィラメントに撚りを加える加撚工程と、乾熱処理工程と、前記撚りを解く解撚工程とを実施することにより嵩高加工糸を製造する。製造方法は、連続式仮撚加工法またはバッチ(非連続)式仮撚加工法のいずれでも良いが、嵩高性の高い捲縮糸が得られる点、捲縮糸の繊維がバラけている(解撚状態が良い)点より、連続式仮撚加工法が好ましい。
【0034】
連続式仮撚加工法における仮撚りスピンドルによる仮撚り数は、糸を適度に捲縮させると共に、撚りをかけすぎることによる繊維の切断を防ぐため、下記式(I)で表わされる撚り係数(K)の値が約4,000~11,000程度が好ましく、より好ましくは約4,500~9,000程度であるのが好適である。
【0035】
=t×D1/2 (I)
〔但し、tは仮撚り数(回/m)を表し、Dは繊度(tex)を表す。〕
【0036】
仮撚りスピンドルで撚りを加える場合には、1本ピン、2本ピン、4本ピンのスピナーを用いることができる。
【0037】
乾熱処理における熱セットの温度条件は、捲縮糸が所望の嵩高性と伸縮性を有するようにするためには高温処理が好適であり、原料繊維の分解開始温度付近とすることが好ましい。好ましい温度条件は、原料繊維によって異なるが、パラ系アラミド繊維の場合は、糸が通過するヒーター内部の雰囲気温度、すなわちヒーター温度を好ましくは約300~650℃とし、より好ましくは350~600℃とするのが良い。
【0038】
乾熱処理におけるヒーターは、接触ヒーターでも、非接触ヒーターでもよく、公知の手段によって行われてよい。加熱時間は、繊維の種類、糸条の太さまたは加熱温度等により異なるため一概には言えないが、通常は0.005~2秒程度が望ましい。好ましくは約0.01~1.5秒程度の範囲である。
【0039】
乾熱処理は、加圧下、減圧下、常圧下のいずれで行われてもよいが、通常の連続式仮撚加工では常圧下で行われることが好ましい。
【0040】
上記の仮撚加工法による製造方法において、パラ系アラミド繊維の嵩高加工糸を製造する場合は、仮撚り加工前のパラ系アラミド繊維として、水分率が好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、特に好ましくは1~10%のものを使用するのが望ましい。この場合、上記式(I)において、Dは水分を含む繊度(tex)を表す。撚りを加える前の水分率が20%を超えると、乾熱処理において熱が糸へ効率よく伝わらなくなり熱セット効果が得られないために良好な捲縮糸になり難く、一方、撚りを加える前の水分率が1%未満であると、糸道ガイド等の擦れにより糸がフィブリル化を起こす恐れがある。
【0041】
添え糸は、JIS L 1013:2010 8.12に基づいて測定される伸縮復元率が4~80%の範囲内にあることが好ましい。伸縮復元率が4%未満では、織編物を形成したときの風合いにおいてソフト感が劣り、また80%を超えると、地糸との調和が悪く、手袋の外観に凹凸が発生する傾向がある。
【0042】
[手袋の編成]
本発明の耐切創性手袋は、上記の地糸(A)と添え糸(B)とを、コンピューター手袋編機SFG(株式会社島精機製作所製)に給糸し、プレーティング編みすることにより得られ、糸との接触面が梨地状であるテンション調整機を介することが好ましい。
プレーティング編みは、添え糸編みとも言い、2種類の糸を用いて1方の糸が他方を覆うように編んだ組織である。地糸に添え糸を添え編みし、表と裏に異なった糸を出すことができる。手袋を編み立てる際、添え糸の本数は1本~5本が好ましく、より好ましくは2本~4本である。編み立て性、手袋の厚さや風合い、低発塵性及び耐切創性を損なわない範囲で、地糸と添え糸に加えて、公知の繊維を、前記いずれかの糸と引き揃えて編むことができる。
【0043】
プレーティング編みにおいては、地糸と添え糸のどちらか一方の糸を外面または内面に配置するように編む。地糸を外面/添え糸を内面に配置して編む場合は、そのままの状態を手袋とし、また、地糸を内面/添え糸を外面に配置して編む場合は、編み上がりの手袋を内/外面を逆にして、最終的に地糸を外面/添え糸を内面に配置した状態を手袋とする。こうすることで、手袋着用の際、地糸と使用者の皮膚との接触を抑えることができ、伸縮性添え糸が皮膚と接触するので着用感が向上するとともに、外面の地糸が、作業における外部の鋭利物等によるダメージから内面の添え糸の損傷を防ぎ、手袋の耐久性を高めることができる。前記編み方については、編み立てのし易さ等により、いずれの方法でも編むことができる。
【0044】
上記のコンピューター手袋編機では、編成時の設定ゲージ数を、7ゲージ~15ゲージに設定することが好ましく、7ゲージ~13ゲージがより好ましい。ゲージ数は1インチ間の針本数を表す指標で、数が大きくなるほど薄手手袋が得られる。ゲージ数が7ゲージ未満では手袋の装着感が悪く、15ゲージを超えると耐切創性手袋としての役割を果たさない。
【0045】
編成用の糸条をパッケージから巻き出した後に、編機の糸道に存在する主な装置としては、ヤーンガイドプレート、1つめのテンション調整機、追油用フェルト、糸切れ検知バネ、2つめのテンション調整機があり、さらに天バネを経て、ヤーンフィーダーへ導かれ、最終的にニードル針により編成される。この2つのテンション調整機は、糸に安定的な張力を付与するための糸道ガイドであり、ワッシャーテンサーやスプリングテンサー等がある。
【0046】
糸道ガイドの表面仕上げ方法としては、梨地仕上げの他、鏡面仕上げが一般的である。糸道ガイドの糸との接触面が梨地状であると、糸との摩擦が減少することにより、パッケージ近くの糸道ガイドでは、主に有機繊維のフィブリル化を抑制することができ、その後の糸道ガイドでは、有機繊維のフィブリルの断片化または繊維表面が削れる現象を抑制することができる。
【0047】
テンション調整機の糸との接触面の材質としては、例えば、梨地クロムメッキを施した金属;金属上にチタン、アルミナ、チタンカーバイド等のセラミックスや、テフロン(登録商標)、シリコン等でコーティングを施したもの;チタン、アルミナ、ジルコニア等のセラミックス等が挙げられる。
【0048】
本発明では、糸に張力を付与するための糸道ガイドであるテンション調整機として、糸との接触面が梨地状のものを用いることが効果的である。該テンション調整機としては、梨地処理を施した構成部材、或いは、材質が梨地状の構成部材(例えば、テンションワッシャー表面が梨地処理品で、テンサーシャフトがアルミナセラミック製部品である)を組み合せたもの等が挙げられる。糸を安定供給するため糸に張力を付与した際に、糸が擦れて大量のフィブリルや削れ屑が発生するのを防止する効果がある。さらに、他の糸道ガイドにセラミックス製のものを用いることが好ましく、より優れた効果が発現する。
【0049】
本発明では、上記の有機繊維糸条を用いることにより、JIS B 9923 タンブリング法により発塵させ、パーティクルカウンターで測定したときの塵の粒径0.1μm以上の発塵個数が、手袋2枚あたり10万個/m以下、より好ましくは7万個/m以下、さらに好ましくは5万個/m以下、特に好ましくは4万個/m以下である耐切創性手袋が得られる。
【0050】
また、JIS T 8052 防護服-機械的特性-鋭利物に対する切創抵抗性試験で測定される切断荷重が6~15N、より好ましくは7N以上、さらに好ましくは8N以上である耐切創性手袋が得られる。切断荷重が6N未満では作業用耐切創手袋として役割を果たせず、15Nを超えると耐切創性が高い程刃物やバリに対して抵抗がありよいが、手袋が硬くなり装着感が悪くなる。
【0051】
本発明の耐切創性手袋の表面には、ゴムまたは樹脂の公知のコーティング材を被着することができ、それにより、さらに低発塵性の手袋となる。
【実施例0052】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例における各物性値の測定方法は次の通りである。
【0053】
[切創力及び耐切創性(切れ難さCut resistance)]
JIS T 8052:2005「防護服-機械的特性-鋭利物に対する切創抵抗性試験方法」に準拠し、手袋の手の平部の切創力(N)を測定した。切創力(N)を織編物(手の平部)の目付で除して、耐切創性を求めた。切創力の値が大きいほど切れ難いと判定した。測定機は、RGI社製のTDM-100を用いた。
【0054】
[発塵量の評価方法]
手袋4枚を、クリーン洗濯(註)を行わずに、クリーンルーム(清浄度:ISOクラス5)中に設置したタンブリング式発塵性試験機を用いて、JIS B 9923-1997(クリーンルーム用衣服の汚染粒子測定方法)タンブリング法により発塵し、パーティクルカウンターで各粒径以上の発塵個数を測定し、粒径0.1μm以上の塵の1m当たりの個数(粒子数)を求めた。
測定回数は5回、最大値及び最小値を除き、残りの測定値の平均値を手袋2枚あたりの発塵量に換算した。なお、ドラムの回転数は30回転/分、排出空気の流量は0.0102m/秒とした。
【0055】
(註)「クリーン洗濯、」・・・手袋に付着している塵埃を落とすためにクリーンルームに設置した洗濯機で洗濯処理した後、純水ですすぎ処理を行い、次いで乾燥し、パッキングする洗濯方法である。
【0056】
[手袋の着用評価(フィット感、硬さ、ちくちく感)]
5名の被験者による着用試験を実施した。フィット感、硬さ及びちくちく感の夫々について官能評価し、5名中5名が「良好」と評したものを合格(◎)、5名中3名以上が「良好」と評したものを合格(○)とし、それ以外を不合格(×)とした。
【0057】
[製造例1(流体加工糸)]
単繊維繊度1.67dtexで、総繊度が、夫々、800dtex、1,110dtex、1,670dtexである、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(以下、PPTA)繊維(東レ・デュポン株式会社製、商品名「Kevlar」(登録商標))のフィラメント糸条を用いた。
図1に示された流体噴射加工装置を用いて、タスラン方式により、オーバーフィード率を3%に設定し、流体としてスチームを用いて流体噴射加工することにより、PPTAフィラメントの流体加工糸を得た。流体加工糸は無撚糸とした。
【0058】
[製造例2(嵩高加工糸)]
単繊維繊度1.67dtex、総繊度が夫々444dtex、670dtex、800dtexのPPTA繊維(東レ・デュポン株式会社製、商品名「Kevlar」(登録商標))のフィラメント糸条を用いて連続仮撚り加工を行い、PPTA繊維の捲縮糸(S撚り、Z撚り)を得た。得られた捲縮糸の伸縮復元率は、いずれも8%であった。
【0059】
(伸縮復元率)JIS L 1013:2010 化学繊維フィラメント糸試験方法8.12に準じて伸縮復元率を測定した。
【0060】
[製造例3(紡績糸)]
東レ・デュポン株式会社製のPPTA繊維(商品名「Kevlar」(登録商標))のステープル(単繊維繊度1.67dtex、繊維長52mm)を用いて綿番手20s/2の紡績糸を作製した。
【0061】
(実施例1)
地糸として製造例1で得た原料繊度800dtexの流体加工糸2本と、添え糸として製造例2で得た総繊度444dtexの嵩高加工糸2本(S撚り1本、Z撚り1本)を使用し、7ゲージタイプの手袋編み機(株式会社島精機製作所製)に供給し、プレーティング編みにて、地糸を外面/添え糸を内面に配置した手袋を編みあげた。
なお、糸道ガイドのうち2箇所のワッシャーテンサーを表面梨地状のものを使用した。すなわち、ワッシャーテンサーのテンサーシャフトの糸道部はアルミナセラミック製ガイド(湯浅糸道株式会社製YM99C,密度3.8,硬度1800,Rmax1.5μm)、上下2枚のテンションワッシャーは梨地クロムメッキ製とし、その他の糸道ガイドは、編機仕様から変更せずに、アルミナセラミック製、梨地クロムメッキ製やメッキ処理のないガイドを混在させて用いた。
【0062】
(実施例2~4)
地糸として製造例1で得た原料繊度800dtexの流体加工糸2本と、添え糸として製造例2で得た嵩高加工糸2本(S撚り1本、Z撚り1本)または4本(S撚り2本、Z撚り2本)を使用し、実施例1と同様に、プレーティング編みにて、地糸を外面/添え糸を内面に配置した手袋を編みあげた。
【0063】
(実施例5~7)
地糸として製造例1で得た原料繊度1,110dtexの流体加工糸1本と、添え糸として製造例2で得た嵩高加工糸2本(S撚り1本、Z撚り1本)または4本(S撚り2本、Z撚り2本)を使用し、実施例1と同様に、プレーティング編みにて、地糸を外面/添え糸を内面に配置した手袋を編みあげた。
【0064】
(実施例8~11)
地糸として製造例1で得た原料繊度1670dtexの流体加工糸1本と、添え糸として製造例2で得た嵩高加工糸2本(S撚り1本、Z撚り1本)または4本(S撚り2本、Z撚り2本)を使用し、実施例1と同様に、プレーティング編みにて、地糸を外面/添え糸を内面に配置した手袋を編みあげた。
【0065】
実施例1~11で得た手袋は、低発塵性かつ耐切創性に優れ、ソフトでボリューム感豊かな風合いを有しており、硬さ及びちくちく感が合格レベルに達していた。
【0066】
(比較例1)
製造例1で得た流体加工糸2本を、7ゲージタイプの手袋編み機(株式会社島精機製作所製)に供給する際に、実施例1と同様に糸道ガイドのうち2箇所のワッシャーテンサーを表面が梨地状のものを用いた以外は、常法により、シームレス手袋を編みあげた。
得られた手袋は、耐切創性に優れており発塵数も少なかったが、ちくちく感が若干あった。
【0067】
(比較例2)
製造例3で得た紡績糸5本を用いた以外は、比較例1と同様の方法で、シームレス手袋を編みあげた。
得られた手袋は、耐切創性に優れていたが、発塵数が桁違いに多く、ちくちく感があった。
【0068】
(比較例3)
製造例2で得た嵩高加工糸6本(S撚り3本、Z撚り3本)を用いた以外は、比較例1と同様の方法で、シームレス手袋を編みあげた。
得られた手袋は、耐切創性に優れており、発塵量は紡績糸よりも減少したものの流体加工糸の約2~3倍であり、収縮した手袋となり、ちくちく感もあった。
【0069】
(比較例4)
地糸として製造例3で得た紡績糸を3本、添え糸として総繊度444dtexのPPTAを用いて製造例2で得た嵩高加工糸2本を用い、実施例1と同様に、プレーティング編みにて、地糸を外面/添え糸を内面に配置した手袋を編みあげた。
得られた手袋は、耐切創性に優れていたが、発塵数が桁違いに多く、ちくちく感があった。
【0070】
(比較例5)
地糸として総繊度670dtexのPPTAを用いて製造例2で得た嵩高加工糸2本、添え糸として比較例4と同じく総繊度444dtexのPPTAを用いて製造例2で得た嵩高加工糸4本を用い、実施例1と同様に、プレーティング編みにて、地糸を外面/添え糸を内面に配置した手袋を編みあげた。
得られた手袋は、耐切創性に優れていたが、発塵数が多く、収縮した手袋となり、ちくちく感があった。
【0071】
手袋構成及び評価結果を表1にまとめて示す。なお、流体加工糸と嵩高加工糸の割合(%)は、加工糸の総繊度(dtex)÷手袋の総繊度(dtex)×100より求めた。
【0072】
【表1】
【0073】
表1より、アラミド繊維を素材として、流体加工糸からなる地糸と嵩高加工糸からなる伸縮性添え糸とを用いて手袋を編成することにより、耐切創性、低発塵性、風合いを満足する耐切創性手袋が得られることがわかる。具体的には、切創力が12N以上で、粒径0.1μm以上の発塵数が手袋2枚当たり4万個/m以下で、ちくちく感のない風合い良好な耐切創手袋が得られた。これに対し、地糸としてアラミド繊維からなる紡績糸や嵩高加工糸を用いて編成した手袋は、耐切創性は良好であったが、流体加工糸に比べ発塵が多く見られ手袋の着用評価も劣るものであった。
【0074】
また本発明では、地糸として残留トルクの無い流体加工糸を使用し、添え糸として地糸よりも低繊度の嵩高加工糸(仮撚り加工糸)を投入することにより、地糸が仮撚り加工糸のトルクに負けないため捩れが発生しにくくなり、編み立て性に優れる手袋が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の耐切創性手袋は、塵の混入等を嫌う作業用手袋として有用である。本発明の耐切創性手袋は、クリーンルーム用衣服の基準を満たすためクリーンルーム内で行われる各種作業用の手袋として、また、漁業、農業、食品産業、医療、ハイテク産業等における作業用手袋として、或いは、スポーツ用手袋として有用である。
【符号の説明】
【0076】
1 有機繊維糸条
2 フィードローラー
3 流体加工ノズル
4 流体流入口
5 デリベリローラー
6 巻き取りローラー
7 巻き取りボビン
図1