(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050774
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】排熱回収アダプター
(51)【国際特許分類】
F24F 1/48 20110101AFI20220324BHJP
F24F 13/08 20060101ALI20220324BHJP
F25B 27/02 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
F24F1/48
F24F13/08 A
F25B27/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020156884
(22)【出願日】2020-09-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000244958
【氏名又は名称】木村工機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】皿池 慎二
【テーマコード(参考)】
3L054
3L081
【Fターム(参考)】
3L054BB03
3L081AA01
3L081AB06
3L081BA05
(57)【要約】
【課題】 設置し易くて安価な排熱回収アダプターを得る。
【解決手段】 屋外空気を熱交換用熱源とするヒートポンプ機器(1)の屋外空気の空気入口部(4)に隣接するように取付ける枠体(2)と、屋内空気を送るダクト(5)を接続すると共に空気入口部(4)と枠体(2)の隣接方向で枠体(2)から空気入口部(4)に向かう第1方向(A)と交差しかつ枠体(2)の外面側から内面側に向かう第2方向(B)に屋内空気を排出するダクト接続部(3)と、を備える。枠体(2)が、第1方向(A)に開口して屋外空気が通過する開口部(6)と、屋外空気の通過を遮断しつつ屋内空気の流れを空気入口部(4)へ方向変換させる第1整流部(7)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外空気を熱交換用熱源とするヒートポンプ機器(1)の前記屋外空気の空気入口部(4)に隣接するように取付ける枠体(2)と、屋内空気を送るダクト(5)を接続すると共に前記空気入口部(4)と前記枠体(2)の隣接方向で前記枠体(2)から前記空気入口部(4)に向かう第1方向(A)と交差しかつ前記枠体(2)の外面側から内面側に向かう第2方向(B)に前記屋内空気を排出するダクト接続部(3)と、を備え、
前記枠体(2)が、前記第1方向(A)に開口して前記屋外空気が通過する開口部(6)と、前記屋外空気の通過を遮断しつつ前記屋内空気の流れを前記空気入口部(4)へ方向変換させる第1整流部(7)と、を備えたことを特徴とする排熱回収アダプター。
【請求項2】
前記枠体(2)が、前記第1整流部(7)から前記第2方向(B)に溢れ出た前記屋内空気を受けつつ前記屋内空気の流れを前記空気入口部(4)へ方向変換させる第2整流部(8)を、備えた請求項1記載の排熱回収アダプター。
【請求項3】
前記枠体(2)を前記第1方向(A)に扁平な形状とした請求項1又は2記載の排熱回収アダプター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は排熱回収アダプターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋外空気を熱交換用熱源とするヒートポンプ機器として例えば室外機がある。この室内機の冷暖房能力は、室外機で利用する屋外空気の温度に左右され、寒冷地ではデフロスト運転が多くなる。これを緩和するため、特許文献1では屋外空気に屋内空気を混ぜてデフロスト運転の軽減と冷暖房能力向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように室外機に屋内空気を混ぜるには、ダクトや空気を混ぜる設備が必要で、設置が面倒で、コスト高となる問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、屋外空気を熱交換用熱源とするヒートポンプ機器の前記屋外空気の空気入口部に隣接するように取付ける枠体と、屋内空気を送るダクトを接続すると共に前記空気入口部と前記枠体の隣接方向で前記枠体から前記空気入口部に向かう第1方向と交差しかつ前記枠体の外面側から内面側に向かう第2方向に前記屋内空気を排出するダクト接続部と、を備え、前記枠体が、前記第1方向に開口して前記屋外空気が通過する開口部と、前記屋外空気の通過を遮断しつつ前記屋内空気の流れを前記空気入口部へ方向変換させる第1整流部と、を備えたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
(1)屋内空気を排気するダクトを接続するだけで、屋外空気よりも高エクセルギーの屋内空気をヒートポンプ機器の熱交換熱源として活用(排気熱回収)でき省エネとなる。第1整流部によって、屋外空気の流入に邪魔されずに屋内空気が空気入口部に流入するので、ヒートポンプ機器の熱交換効率が向上する。
(2)第1整流部から屋内空気が溢れ出ても、第2整流部で屋内空気を受けて空気入口部に流入させることができ、屋内空気の熱エネルギーロスの抑制を図れる。
(3)枠体とダクト接続口だけの簡単な構造で、扁平形状にしてコンパクトにしてあるので邪魔にならず、設置し易くてコストダウンを図れる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【実施例0008】
図1と
図2は、本発明の排熱回収アダプターの一実施例を示し、屋外空気を熱交換用熱源とするヒートポンプ機器1に使用される。ヒートポンプ機器1は、公知の空調用室外機や冷温水用チラーなどで、図では室外機を例示している。ヒートポンプ機器1は、空気と循環冷媒を熱交換するコイル20と、屋外空気等をコイル20に通過させるファン21と、を少なくとも備えている。各図において太い点線の矢印は空気の流れる方向を示す。
【0009】
排熱回収アダプターは、枠体2とダクト接続部3を備えている。枠体2は、ヒートポンプ機器1の屋外空気の空気入口部4に隣接するように取付ける。ダクト接続部3は、屋内空気を送るダクト5が接続される。この空気入口部4と枠体2の隣接方向で枠体2から空気入口部4に向かう第1方向Aと交差しかつ枠体2の外面側から内面側に向かう第2方向Bにダクト接続部3から屋内空気を排出する。
【0010】
枠体2は開口部6、第1整流部7及び第2整流部8を備えている。この枠体2を第1方向Aに扁平な形状に形成する。開口部6は、第1方向Aに開口して屋外空気が通過する。第1整流部6は、屋外空気の通過を遮断する遮断部9と、屋内空気の流れを空気入口部4へ方向変換させるガイド部10と、を備えており、枠体2の第2方向Bの一端部に設けられる。
【0011】
第2整流部8は、開口部6を形成する対向壁にまたがって設けられ、第1整流部7から第2方向Bに溢れ出た屋内空気を受けつつ屋内空気の流れを空気入口部4へ方向変換させる。第1整流部7及び第2整流部8は折り曲板等にて形成する。
【0012】
枠体2は、第2方向Bに向かって順次第1方向Aへ狭くなるように形成して、第1整流部7よりも第2整流部8を空気入口部4に接近させる。これにより、屋内空気を確実に受け止めて枠体2の外に逃がさないので、ヒートポンプ機器1の熱交換効率が高くて安定させることができる。
【0013】
なお、本発明は上述の実施例に限定されない。図例では、第2整流部8を第2方向Bに間隔を隔てて2箇所に設けているが数の増減や、省略するも自由である。また、ダクト接続部3の数の増減も自由である。
(1)屋内空気を排気するダクトを接続するだけで、屋外空気よりも高エクセルギーの屋内空気をヒートポンプ機器の熱交換熱源として活用(排気熱回収)でき省エネとなる。第1整流部によって、屋外空気の流入に邪魔されずに屋内空気が空気入口部に流入するので、ヒートポンプ機器の熱交換効率が向上する。
(2)第1整流部から屋内空気が溢れ出ても、第2整流部で屋内空気を受けて空気入口部に流入させることができ、屋内空気の熱エネルギーロスの抑制を図れる。
(3)枠体とダクト接続口だけの簡単な構造で、扁平形状にしてコンパクトにしてあるので邪魔にならず、設置し易くてコストダウンを図れる。
(4)第1整流部よりも第2整流部を空気入口部に接近させて、屋内空気を確実に受け止めて枠体の外に逃がさないので、ヒートポンプ機器の熱交換効率が高くて安定させることができる。