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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050844
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】荷受台昇降装置
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/44 20060101AFI20220324BHJP
   B60Q 1/26 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
B60P1/44 E
B60P1/44 C
B60Q1/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020156993
(22)【出願日】2020-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】兪 貴裕
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA33
3K339BA08
3K339BA11
3K339BA18
3K339BA22
3K339BA26
3K339CA23
3K339DA01
3K339EA09
3K339FA05
3K339GA02
3K339GB11
3K339GC02
3K339HA10
(57)【要約】
【課題】サイドガードの変形やサイドガードに加わる衝撃から荷受台の側部に設けたサイドランプを保護する。
【解決手段】車両の荷台の床面の高さと地面の高さとの間で荷受台を昇降させる荷受台昇降装置において、前記荷受台の側部に設けられ、荷役姿勢で荷受面より上方に突出して前記荷受面のサイドをガードするサイドガードと、前記荷受台に固定したブラケットと、前記ブラケットを介して前記荷受台の側方に設置され、前記サイドガードと離反したサイドランプとを備えた荷受台昇降装置を提供する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の荷台の床面の高さと地面の高さとの間で荷受台を昇降させる荷受台昇降装置において、
前記荷受台の側部に設けられ、荷役姿勢で荷受面より上方に突出して前記荷受面のサイドをガードするサイドガードと、
前記荷受台に固定したブラケットと、
前記ブラケットを介して前記荷受台の側方に設置され、前記サイドガードと離反したサイドランプと
を備えたことを特徴とする荷受台昇降装置。
【請求項2】
請求項1の荷受台昇降装置において、
前記サイドランプは、前記サイドガードに対して前記荷受台の左右方向の外側に突出していることを特徴とする荷受台昇降装置。
【請求項3】
請求項1又は2の荷受台昇降装置において、
前記ブラケットは、前記サイドガードに形成された切り欠きに収まっており、前記ブラケットの前記サイドランプを取り付ける壁面が、前後から見てサイドガードに重なっていることを特徴とする荷受台昇降装置。
【請求項4】
請求項1又は2の荷受台昇降装置において、
前記ブラケットの前記サイドランプを取り付ける壁面が、前記サイドガードに対して前記荷受台の左右方向の外側に位置していることを特徴とする荷受台昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷受台を昇降させて車両の荷台に対する荷役作業を支援する荷受台昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
荷受台昇降装置とは、車両の荷台の床面の高さと地面の高さとの間で荷受台を昇降させ、車両の荷台に対する荷物等の積み卸し作業を支援する装置である。この種の荷受台昇降装置では、荷受台からの例えば台車や荷物の落下を抑制するために、荷受台の側面に荷受台の荷受面よりも高く突き出したサイドガードと呼ばれる板塀状の部材を取り付ける場合がある。そして、このサイドガードにランプを設置し、夜間等に荷受台が動作していることを周囲に知らせるように構成された荷役台昇降装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6548505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サイドガードは台車等の落下抑制を用途としており、台車等との衝突が当然に想定される。従って、サイドガードは荷役作業時等において台車等の衝突により変形する可能性があり、サイドガードにランプを設置した場合、サイドガードが大きく変形するとランプやその配線の損傷に繋がり得る。またサイドガードに大きな衝撃が加われば、サイドガードに加わった衝撃でランプが故障する可能性もある。
【0005】
本発明の目的は、サイドガードの変形やサイドガードに加わる衝撃から荷受台の側部に設けたサイドランプを保護することができる荷受台昇降装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、車両の荷台の床面の高さと地面の高さとの間で荷受台を昇降させる荷受台昇降装置において、前記荷受台の側部に設けられ、荷役姿勢で荷受面より上方に突出して前記荷受面のサイドをガードするサイドガードと、前記荷受台に固定したブラケットと、前記ブラケットを介して前記荷受台の側方に設置され、前記サイドガードと離反したサイドランプとを備えた荷受台昇降装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の荷受台昇降装置によれば、サイドガードの変形やサイドガードに加わる衝撃から荷受台の側部に設けたサイドランプを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る荷受台昇降装置を搭載した車両の全体構造を表す側面図
図2】本発明の第1実施形態に係る荷受台昇降装置を拡大して表す側面図
図3】本発明の第1実施形態に係る荷受台昇降装置を拡大して表す斜視図
図4】本発明の第1実施形態に係る荷受台昇降装置に備わったサイドガード及びサイドランプの側面図
図5】本発明の第1実施形態に係る荷受台昇降装置に備わったサイドガード及びサイドランプの平面図
図6図4中のVI-VI線による矢視断面図
図7】本発明の第2実施形態に係る荷受台昇降装置に備わったサイドガード及びサイドランプの側面図
図8】本発明の第2実施形態に係る荷受台昇降装置に備わったサイドガード及びサイドランプの平面図
図9図7中のIX-IX線による矢視断面図
図10】本発明の第2実施形態に係る荷受台昇降装置に備わったブラケットの他の例を説明する背面図
図11】本発明の第2実施形態に係る荷受台昇降装置に備わったブラケットの更に他の例を説明する背面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0010】
(第1実施形態)
-荷受台昇降装置-
図1は本発明の第1実施形態に係る荷受台昇降装置を搭載した車両の全体構造を表す側面図、図2図1に示した荷受台昇降装置を拡大して表す側面図、図3図1に示した荷受台昇降装置を拡大して表す斜視図である。
【0011】
本願明細書においては、図1及び図2における左右を荷受台昇降装置の前後とする。本実施形態では荷受台昇降装置を車両の後方に搭載して荷受台を車両の後側に引き出す構成を例示しており、荷受台昇降装置の前後方向が車両の前後方向に一致している。但し、車両の側方に荷受台を引き出すように荷受台昇降装置を車両に搭載する場合もある。その場合、荷受台昇降装置の前後方向は、車両の前後方向に直交する(車両の左右方向に一致する)。
【0012】
図1に示した車両は、車枠Fと、車枠Fの前方に設けた運転室Cとを含んで構成されている。車枠Fの上部には、荷台(荷箱)Lが搭載されている。本実施形態では、車枠Fの後部下側に荷受台昇降装置1が積載されている。この荷受台昇降装置1は、例えば車両の走行時には荷受台(プラットフォーム)20を折り畳み、車枠Fの下側に引き込んで格納する。その一方で、荷役作業(荷台Lに対する荷物の積卸作業)の際には、荷受台20を車枠Fの外側(本実施形態では後方)に引き出して展開し、荷台Lの床面の高さと地面の高さとの間で荷受台20を昇降させる(図1)。
【0013】
図2に示したように、荷受台昇降装置1は、荷受台20、スライダユニット30、リフタユニット40及びパワーユニット50(図3)を含んで構成されている。スライダユニット30は、荷受台20等を前後方向に移動させるアクチュエータを含むユニットである。リフタユニット40は、荷受台20を昇降させるアクチュエータを含むユニットである。パワーユニット50は、スライダユニット30及びリフタユニット40を駆動して荷受台20を駆動する動力システムである。
【0014】
続いて、スライダユニット30、リフタユニット40及び荷受台20の概略構成について順次説明する。
【0015】
-スライダユニット-
スライダユニット30は、左右のガイドレール31、スライダ32(図3)及びスライドシリンダ33(図3)を含んで構成されている。左右のガイドレール31は、車枠Fの後部下側に取り付けられており、互いに平行に前後に延びている。スライダ32は、左右のガイドレール31に支持され、ガイドレール31に沿って前後にスライド可能である。スライドシリンダ33は、複動式の油圧シリンダであり、ガイドレール31及びスライダ32に適宜支持部材を介して両端が固定されている。スライドシリンダ33の伸縮動作によりガイドレール31に沿ってスライダ32が前後に移動し、リフタユニット40を介してスライダ32に支持された荷受台20が前後に移動する。
【0016】
-リフタユニット-
リフタユニット40は、チルトアーム(不図示)、リフトアーム42、コンプレッションアーム43及びリフトシリンダ44を左右一組ずつ備えている。チルトアームは、スライダ32に対して上部がピンを介して連結され、下部が前後に回動する。リフトアーム42は、前端部がチルトアームに、後端部が荷受台20に、左右に延びる軸を介してそれぞれ回動可能に連結されていて、スライダ32に対して上下に回動する。コンプレッションアーム43は、前端部がスライダ32に、後端部が荷受台20に、左右に延びる軸を介してそれぞれ回動可能に連結されている。リフトシリンダ44は、単動式油圧シリンダ(複動式でも良い)であり、本実施形態では、ロッド側がチルトアームの下部に、ボトム側がリフトアーム42に、それぞれ回動可能に連結されている。リフトアーム42及びコンプレッションアーム43は、スライダ32に対して荷受台20を昇降可能に連結する平行リンクを形成する。この平行リンクがリフトシリンダ44の伸縮駆動に伴って上下に回動駆動することによって、荷受台20が水平姿勢を保って昇降する(図1)。
【0017】
-荷受台-
荷受台20は、荷物等を受けて昇降する台である。本実施形態の荷受台20は折り畳み式であり、リフトアーム42及びコンプレッションアーム43の先端に連結された基端側荷受台21、及び基端側荷受台21の後部にヒンジ23(図3)を介して回動可能に連結された先端側荷受台22を含んで構成されている。先端側荷受台22は、ヒンジ23を支点に回動し、展開姿勢(図1の二点鎖線)から左側から見て(つまり図2と同じ方向から見て)反時計回りに反転(180度回動)して基端側荷受台21の上側に折り重ねられる(図2)。折り畳んだ状態の荷受台20の後端面はバンパを構成する。荷受台20の左右の幅は、例えば荷台Lの幅と同程度であり、左右の車枠Fの外法寸法よりも広い。本実施形態の先端側荷受台22は非折り畳み式である。つまり、荷受台20は、先端側荷受台22を1枚のみ含んだ2枚折れ構造である。また、荷受台20の下部には、左右一対のスチフナ24が設けられている。スチフナ24は、基端側荷受台21及び先端側荷受台22に設けられており、荷受台20が展開すると基端側荷受台21に設けたものと先端側荷受台22に設けたものが連なり、左右から見ると基端から先端(後方)に向かって薄くなる三角形状になる。
【0018】
図2及び図3に示したように、荷受台20には、サイドガード60、サイドランプ70及びブラケット80が備わっている。次に、サイドガード60、サイドランプ70及びブラケット80の構成を説明する。
【0019】
-サイドガード-
図4は本実施形態の荷受台昇降装置1の荷受台20に備わったサイドガード及びサイドランプの側面図、図5はその平面図、図6図4中のVI-VI線による矢視断面図である。図4図6は、荷受台を展開した状態(先端側荷受台22の荷受面Sが上を向いた状態)のサイドガード60、サイドランプ70及びブラケット80を図示している。また、側面図は荷受台昇降装置1の左側から見た図、平面図は上側から見た図、背面図は後側から見た図である。
【0020】
サイドガード60は、荷受台20からの台車や荷物等の落下を抑制する板塀状の部材である。このサイドガード60は、荷受台20の左右の側部に設けられており、荷役姿勢で荷受面Sより上方に突出して荷受面Sのサイドをガードする。荷受台20の荷役姿勢とは、荷受面Sを上に向けた姿勢であり、例えば先端側荷受台22においては図2の状態から180度回動し反転した姿勢をいう。基端側荷受台21については、常時荷受面Sが上を向いている。図4図6には、先端側荷受台22に設けたサイドガード60が図示してあるが、サイドガード60は、先端側荷受台22のみならず基端側荷受台21にも存在する。但し、先端側荷受台22及び基端側荷受台21のいずれかのサイドガード60が省略された構成とすることもできる。
【0021】
図6に示すように、サイドガード60は、水平なフラットプレート状の取付部61と鉛直なフラットプレート状の壁面部62とにより、前後から見てL字型に形成されている。構造を限定する趣旨ではないが、図4図6に例示した構成では、サイドガード60の壁面部62が先端側荷受台22の前後長の大部分をカバーしているのに対し、取付部61は壁面部62の前後方向の中央部に部分的に存在する。壁面部62については、荷受台20からの荷物等の落下を抑制する観点で荷受面Sのサイドを広域にカバーしていることが望ましい。取付部61については、サイドガード60の取り付け強度を十分に確保する観点で前後長が設定される。図4図6には、取付部61の前後長を壁面部62の前後長の半分より少し長い程度に設定した構成を例示しているが、設計変更して例えば壁面部62と同程度の前後長としても良い。取付部61は、荷受台20(図4図6の例では基端側荷受台22)の裏面(荷受面Sと反対側の面であって荷受台20が荷役姿勢のときに下を向く面)に直接接触し、荷受台20の裏面に複数(本例では6本)のボルトB1で固定されている。
【0022】
サイドガード60の鉛直な壁面部62は、取付部61の縁部(荷受台20の左右方向の外側の縁部)から立ち上がっている。荷受台20が荷役姿勢の状態において、壁面部62の上端は、荷受台20の荷受面Sよりも所定値(例えば荷受台20の厚み程度)だけ高く突出している。また、サイドガード60の取付部61は、ボルトB1で荷受台20に固定された状態で荷受台20から所定距離だけ左右方向の外側に突出している。そのため、この取付部61の縁部から立ち上がる壁面部62と荷受台20の側面との間には、ギャップGが介在している(図5及び図6)。ギャップGは、基端側荷受台21のサイドガード60のものよりも先端側荷受台22のサイドガード60のものの方が広く、図2のように荷受台20を折り畳むと基端側荷受台21のサイドガード60に先端側荷受台22のギャップGが被さる。つまり、荷受台20を折り畳んだ状態では基端側荷受台21と先端側荷受台22の互いのサイドガード60が左右に重なり、これらサイドガード60が上下方向のスペースを共有することで荷受台20がコンパクトに折り畳まれる。
【0023】
そして、サイドガード60の前後方向の中央部には、切り欠きNが設けられている。この切り欠きNは、L型断面のサイドガード60のコーナー部を跨いで取付部61及び壁面部62の双方に設けられている。
【0024】
-サイドランプ-
サイドランプ70は、ブラケット80を介して荷受台20の側方に設置されている。サイドランプのタイプについては特に限定されないが、荷受台昇降装置1の動作時に、周囲の暗さに応じて自動的に点灯又は点滅する構成が例示できる。例えば、サイドランプ70に照度計を組み合わせ、低照度(照度計の測定照度が設定値以下)の状態で荷受台昇降装置1が操作された際に、荷受台昇降装置1を制御するコントローラ(不図示)からの指令により発光部が点灯又は点滅する構成である。発光部は、典型的にはLEDを例示することができる。図5に示したように、サイドランプ70は、荷受台20の左右方向の外側に向かって凸の形状をしており、荷受台20の側方からだけでなく前後からも発光部が視認でき、また上方(荷受台20に立った作業者)からも確認できる(図6)。
【0025】
このサイドランプ70を支持するブラケット80は、荷受台20にボルトB2で固定されている。図4図6に示すように、ブラケット80は、水平なフラットプレート状の取付部81と鉛直なフラットプレート状のランプ支持部82とにより、前後から見てL字型に形成されている。先に説明したサイドガード60の切り欠きNは、このブラケット80の形状に合わせて形成されている。ブラケット80は、荷受台20に固定された状態でサイドガード60の切り欠きNに収まる。ブラケット80におけるサイドランプ70を取り付ける壁面(ランプ支持部82)は、サイドガード60の壁面部62と同じ平面上にあり、前後から見てサイドガード60の壁面部62に重なる(図5及び図6)。ランプ支持部82の上端の高さは、荷受台20の荷受面Sと同程度である。本実施形態では、ブラケット80の取付部81も、サイドガード60の取付部61と同じ平面上に存在し、前後から見てサイドガード60の取付部61に重なっている(図4及び図6)。サイドガード60とブラケット80の構成は、サイドガード60の一部を切り抜いてブラケット80を切り出した構成に相当する。
【0026】
このようにサイドガード60とブラケット80は、互いに接触することなく別個に荷受台20に固定されている。サイドランプ70は、このブラケット80にボルトB3(図4)で取り付けられており、これによりサイドガード60から離反している。また、サイドランプ70は、ブラケット80のランプ支持部82の左右方向の外側を向いた外壁面に固定され、ランプ支持部82の外壁面に対して左右方向の外側に突出している。従って、ランプ支持部82と同一平面上にあるサイドガード60の壁面部62に対し、サイドランプ70は荷受台20の左右方向の外側に突出している。これにより、サイドランプ70の光が、荷受台20の側方のみならず前後方向へも広角に照射される。
【0027】
このとき、既に説明した通り、サイドガード60とブラケット80は、ボルトB1又はB2によって荷受台20に固定されている。荷受台20に設けられたボルトB1,B2の通し穴は2列に配置されており、本実施形態では図5から分かるように各列4つの合計8つの通し穴が荷受台20に設けられている。同図から分かるように、ブラケット80の取付部81は8つの通し穴のうち荷受台20の左右方向の外側の列の中央の2つに重なり、他の6つの通し穴にサイドガード60の取付部61が重なるようにサイドガード60とブラケット80の構成が調整してある。こうして2列に配置した通し穴をサイドガード60とブラケット80とで分け合い、6本のボルトB1でサイドガード60を荷受台20に固定しつつ、このサイドガード60とは別個独立した形で2本のボルトB2でブラケット80を荷受台20に固定してある。
【0028】
なお、サイドガード60を基端側荷受台21及び先端側荷受台22の双方に設けた場合でも、サイドランプ70は基端側荷受台21及び先端側荷受台22の少なくとも一方にあればよい。サイドランプ70を設けない方の荷受台において、ブラケット80は当然に不要であり、サイドガード60に切り欠きNを設ける必要もない。基端側荷受台21及び先端側荷受台22の双方にサイドランプ70を設ける場合、一方にのみ設ける場合に比べてサイドランプが増して視認性に優れる。
【0029】
他方、基端側荷受台21及び先端側荷受台22のいずれか一方にサイドランプ70を設ける場合、部品点数が低減できる。前述した通り、基端側荷受台21のサイドガード60及び先端側荷受台22のサイドガード60は、荷受台20が折り畳まれた状態では左右に重なる。本実施形態では基端側荷受台21のサイドガード60の外側に先端側荷受台22のサイドガード60が重なり(図2)、サイドランプ70は先端側荷受台22に設けられている。このように荷受台20の折り畳み時にサイドガード60が外側にくる方の荷受台にサイドランプ70を設けることで、荷受台20を折り畳んだ状態でもサイドランプ70が露出する構成とすることができる(図2)。この場合、荷役作業中だけでなく走行時や停車時にも必要に応じて周囲への報知動作にサイドランプ70を利用できる。
【0030】
反対に、仮に基端側荷受台21にのみサイドランプ70を設けた場合、荷受台20を折り畳むとサイドランプ70の車幅方向の外側に先端側荷受台22のサイドガード60が重なる。これにより、走行中や停車中にサイドランプ70をサイドガード60でカバーし保護することができる。基端側荷受台21のサイドガード60の内側に先端側荷受台22のサイドガード60が重なる構成とした場合には、サイドランプ70を先端側荷受台22に設ければ、同様に荷受台20の折り畳み時にサイドランプ70をサイドガード60で保護できる。
【0031】
-効果-
(1)本実施形態においては、サイドガード60とは別個にサイドランプ70が荷受台20に取り付いているので、サイドガード60が変形しても、その変形がサイドランプ70に影響しない。また、サイドガード60に加わる衝撃も、サイドランプ70にダイレクトに伝わらない。従って、サイドランプ70やその配線の損傷を抑制することができ、サイドガード60の変形やサイドガード60に加わる衝撃からサイドランプ70を保護することができる。
【0032】
(2)また、サイドガード60とサイドランプ70が互いに独立しているので、変形や劣化に伴ってサイドガード60を交換する必要が生じても、サイドランプ70については交換の必要がなければ継続して使用することができる。同様にサイドランプ70の交換に伴って、交換の必要がない場合にはサイドガード60をそのまま使用できる。傷んでいない部品を有効に利用することができ、コスト面でも資源有効活用の面でもメリットがある。特に、ランプ支持部82の上端の高さは荷受台20の荷受面Sと同程度の高さに設定されているので、荷受面S上の台車などがサイドガード60に干渉した場合でもランプ支持部82への干渉は回避できる。そのため、サイドガード60に変形等が生じ易いケースでもランプ支持部82の変形は防止できる。
【0033】
(3)また、サイドガード60に対してサイドランプ70が車幅方向の外側に突出しているので、サイドランプ70から広角に光が照射される。これにより、荷受台20の側方にいる人間のみならず、車両の前方や後方にいる人間にも荷受台20が動作中であることを広く報知することができる。
【0034】
(4)前述したように、サイドガード60は荷受台20に設けた2列の通し穴に通したボルトB1により固定されている。本実施形態では、このサイドガード60からブラケット80を切り抜いたような構成であり、2列の通し穴をサイドガード60とブラケット80とで分け合っている。そのため、通常のサイドガード(切り欠きNのないサイドガード60)を荷受台20に固定する場合との比較で、サイドガード60とブラケット80の双方を荷受台20に固定するのに要するボルト締結工数は変化しない。
【0035】
(5)サイドガード60からブラケット80を切り抜いたような構成であり、ブラケット80がサイドガード60に形成された切り欠きNに収まっており、前後から見てブラケット80がサイドガード60に重なっている。言い換えれば、例えばブラケット80のランプ支持部82とサイドガード60の壁面部62とが同一平面を構成し、スペースを共有している。これにより、サイドランプ70を取り付ける用途で設けたブラケット80が新たな空間容積を占有することがなく、荷受台昇降装置1の大きさや重量の増加を抑制でき、また折り畳み時の荷受台20の容積変化も抑制できる。
【0036】
(第2実施形態)
図7は本発明の第2実施形態に係る荷受台昇降装置に備わったサイドガード及びサイドランプの側面図、図8はその平面図、図9図7中のIX-IX線による矢視断面図である。これらの図において、第1実施形態と同様の又は対応する要素には第1実施形態と同符号を付して説明を省略する。
【0037】
本実施形態が第1実施形態と相違する点は、ブラケット80のサイドランプ70を取り付ける壁面(ランプ支持部82)がサイドガード60の壁面部62に対して荷受台20の左右方向の外側に位置している点にある。
【0038】
本実施形態において、サイドガード60に切り欠きNは設けられていない。本実施形態のサイドガード60は、第1実施形態のサイドガード60の切り欠きNを埋め、埋めた部分にボルトの通し穴(第1実施形態におけるボルトB2の通し穴に相当する)を2つ設けた構成に相当する。
【0039】
対して、本実施形態のブラケット80は、第1実施形態と同じくL字型に形成された部品であるが、取付部81はサイドガード60の取付部61の下側に重なっており、4本のボルトB2で荷受台20に取り付けられている。ボルトB2はサイドガード60及びブラケットの固定に共用され、サイドガード60及びブラケットの取付部61,81を貫通して荷受台20に固定されている。本実施形態において、ボルトB2はニップルのように両端が雄ネジの両ネジタイプの特殊形状であり、ネジの切られていない中央部B2a(図9)がサイドガード60及びブラケットの取付部61,81の間に介在するように用いられている。
【0040】
ブラケット80は、このようにして固定された取付部81を荷受台20の左右方向の外側に延ばし、サイドガード60の壁面部62よりも左右方向の外側の位置でランプ支持部82を起立させている(図9)。第1実施形態と同様、ランプ支持部82の上端は、荷受台20の荷受面Sと同程度の高さである。本実施形態ではサイドガード60に切り欠きNがないため、サイドガード60の壁面部62とブラケット80のランプ支持部82とは、間隙を介して左右方向に重なっている(対向している)。
【0041】
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0042】
本実施形態においては、ブラケット80がサイドガード60とボルトB2を介して固定関係にあるものの、サイドランプ70は、ブラケット80に取り付いておりサイドガード60から離反している。これによりサイドガード60の変形やサイドガード60に加わる衝撃からサイドランプ70を保護することができる。サイドガード60の交換時にサイドランプ70を交換する必要が必ずしもない点、サイドランプ70の光を広角に照射できる点でも第1実施形態と同様のメリットが得られる。
【0043】
特に本実施形態では、ボルトB2を両ネジタイプにして中央部B2aをサイドガード60とブラケット80との間に介在させたことで、サイドガード60からブラケット80への変形や衝撃は伝達し難くしてある。但し、サイドガード60に直接サイドランプ70を取り付けず、ブラケット80を介して荷受台20にサイドランプ70を取り付けることに本質的意義がある。従って、図10に示したようにボルトB2に一般的なものを用いても問題ない。
【0044】
また、図9又は図10の構成をベースとしつつ、サイドガード60とブラケット80とを別個独立して荷受台20に固定する場合、図11に示したような構成も考えられる。同図において、ブラケット80の取付部81は、サイドガード60の取付部61よりも荷受台20の左右方向の内側の位置で、サイドガード60とは別個独立してボルトB2により荷受台20の裏面に固定されている。ブラケット80の取付部81は段差を有する形状に曲げ加工されており、ボルトB2による固定箇所から下方にオフセットし、サイドガード60を固定するボルトB1の下方を通って荷受台20の外側まで延びている。ランプ支持部82は、図8図10の構成と同じように取付部81の縁部から起立して荷受面Sと同程度の高さまで延びている(図9)。
【0045】
(変形例)
上記の各実施形態では、サイドランプ70を取り付けるブラケット80は、荷受面Sと同程度の高さを有する構成としたが、サイドガード60と同等の高さでもそれ以上の高さでも構わない。
【0046】
また、サイドランプ70をサイドガード60よりも外側に突出させて光照射の広角化を図ったが、発明の本質的特徴はサイドガード60とサイドランプ70との独立性の確保である。この観点ではサイドガード60に対してサイドランプ70が突出している必要はなく、サイドランプ70がサイドガード60の壁面部62と面一の構成であっても良いし、壁面部62よりも車幅方向の内側に凹んだ構成であっても良い。例えばサイドランプ70がサイドガード60の壁面部62に対して凹んだ構成であれば、壁面部62と面一の保護ガラスを設けてサイドランプ70を保護する構成とすることもできる。
【0047】
また、先端側荷受台22を1枚として荷受台20が1箇所で折れる構造を例示したが、先端側荷受台22を前後複数枚の荷受台で構成することで、荷受台20が2カ所以上で折れる構造としても良い。このような荷受台を採用した荷受台昇降装置にも本発明は適用可能である。
【0048】
加えて、例えば地面と荷台との間で荷受台を昇降させて荷役作業を支援する荷受台昇降装置であれば、他の種の荷受台昇降装置にも本発明は適用可能である。例えば、荷箱の内部に荷受台を収納する荷受台昇降装置(例えば特開2010-155600号公報、特開2005-289150号公報)にも本発明は適用可能である。荷受台をスライドさせずに車枠の下部に格納する回転格納式荷受台昇降装置(特開2010-52569号公報参照)にも本発明は適用可能である。また、荷台の後部で荷受台を起立させて格納する各種の荷受台昇降装置(例えば特開2008-189189号公報、特開2007-331631号公報、特開2004-224082号公報)にも適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1…荷受台昇降装置、60…サイドガード、80…ブラケット、82…ランプ支持部(サイドランプを取り付ける壁面)、70…サイドランプ、N…切り欠き、L…荷台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11