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特開2022-50874環境情報提供システム、センサ装置、ゲートウェイ装置、センサ装置の制御方法、及びセンサ装置のプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050874
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】環境情報提供システム、センサ装置、ゲートウェイ装置、センサ装置の制御方法、及びセンサ装置のプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20220324BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
H04M11/00 301
H04Q9/00 311J
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020157044
(22)【出願日】2020-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】591030237
【氏名又は名称】日本ユニシス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100154759
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 貴子
(72)【発明者】
【氏名】藤原 健
【テーマコード(参考)】
5K048
5K201
【Fターム(参考)】
5K048BA34
5K048DA02
5K048DB01
5K048DC01
5K048EB10
5K048FC03
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
5K201BA02
5K201CC02
5K201CC07
5K201DB02
5K201EB07
5K201EC06
5K201ED09
(57)【要約】
【課題】実用性を改善した環境情報提供システムを提供することである。
【解決手段】環境情報を検知するセンサ装置と、前記センサ装置から環境情報を取得するゲートウェイ装置と、を有して成る環境情報提供システムであって、前記センサ装置は、前記センサ装置の電源である第1蓄電池と、太陽光により前記第1蓄電池を充電する第1太陽電池と、環境情報を検出するセンサと、前記センサで検出した環境情報を示すセンサデータを送信する第1通信部と、を有し、前記ゲートウェイ装置は、前記ゲートウェイ装置の電源である第2蓄電池と、太陽光により前記第2蓄電池を充電する第2太陽電池と、前記第1通信部から前記センサデータを受信する第2通信部と、を有する、ことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境情報を検知するセンサ装置と、前記センサ装置から環境情報を取得するゲートウェイ装置と、を有して成る環境情報提供システムであって、
前記センサ装置は、
前記センサ装置の電源である第1蓄電池と、
太陽光により前記第1蓄電池を充電する第1太陽電池と、
環境情報を検出するセンサと、
前記センサで検出した環境情報を示すセンサデータを送信する第1通信部と、
を有し、
前記ゲートウェイ装置は、
前記ゲートウェイ装置の電源である第2蓄電池と、
太陽光により前記第2蓄電池を充電する第2太陽電池と、
前記第1通信部から前記センサデータを受信する第2通信部と、
を有する、
ことを特徴とする環境情報提供システム。
【請求項2】
前記第1通信部と前記第2通信部とはLPWAで通信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の環境情報提供システム。
【請求項3】
前記第1通信部と前記第2通信部とはLoRa変調方式で通信する、
ことを特徴とする請求項2に記載の環境情報提供システム。
【請求項4】
前記第1通信部は、データの受信は行わない、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の環境情報提供システム。
【請求項5】
前記第1太陽電池と前記第1蓄電池との間に接続したレギュレータを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の環境情報提供システム。
【請求項6】
前記第1通信部は、ADPCMにより前記センサデータを送信するものであって、前記センサデータの1回の送信ごとにスケーリングを計算し、該1回の送信中にはスケーリングを固定して再計算を行わない、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の環境情報提供システム。
【請求項7】
前記ゲートウェイ装置は、前記第2通信部で受信した前記センサデータを送信する第3通信部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の環境情報提供システム。
【請求項8】
ゲートウェイ装置に対してデータ送信するセンサ装置であって、
前記センサ装置の電源である第1蓄電池と、
太陽光により前記第1蓄電池を充電する第1太陽電池と、
環境情報を検出するセンサと、
前記センサで検出した環境情報を示すセンサデータを前記ゲートウェイ装置が有する第2通信部に送信する第1通信部と、
を有する、
ことを特徴とするセンサ装置。
【請求項9】
前記第1通信部は、前記第2通信部とLPWAで通信する、
ことを特徴とする請求項8に記載のセンサ装置。
【請求項10】
前記第1通信部は、前記第2通信部とLoRa変調方式で通信する、
ことを特徴とする請求項9に記載のセンサ装置。
【請求項11】
前記第1通信部は、データの受信は行わない、
ことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項12】
前記第1太陽電池と前記第1蓄電池との間に接続したレギュレータを有する、
ことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項13】
前記第1通信部は、ADPCMにより前記センサデータを送信するものであって、前記センサデータの1回の送信ごとにスケーリングを計算し、該1回の送信中にはスケーリングを固定して再計算を行わない、
ことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項14】
センサ装置から環境情報を取得するゲートウェイ装置であって、
前記ゲートウェイ装置の電源である第2蓄電池と、
太陽光により前記第2蓄電池を充電する第2太陽電池と、
前記センサ装置が検出した環境情報に応じたセンサデータを受信する第2通信部と、
を有する、
ことを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項15】
前記第2通信部は、前記第1通信部とLPWAで通信する、
ことを特徴とする請求項14に記載のゲートウェイ装置。
【請求項16】
前記第2通信部は、前記第1通信部とLoRa変調方式で通信する、
ことを特徴とする請求項15に記載のゲートウェイ装置。
【請求項17】
前記ゲートウェイ装置は、前記第2通信部で受信した前記センサデータを送信する第3通信部を有する、
ことを特徴とする請求項14乃至16のいずれか1項に記載のゲートウェイ装置。
【請求項18】
ゲートウェイ装置に対してデータ送信するセンサ装置の制御方法であって、
前記センサ装置は、
前記センサ装置の電源である第1蓄電池と、
太陽光により前記第1蓄電池を充電する第1太陽電池と、
環境情報を検出するセンサと、
前記センサで検出した環境情報を示すセンサデータを前記ゲートウェイ装置が有する第2通信部に送信する第1通信部と、
を有し、
前記第1通信部は、前記第2通信部とLoRa変調方式で通信することで前記センサデータを前記第2通信部に送信する通信工程を有する、
ことを特徴とするセンサ装置の制御方法。
【請求項19】
前記通信工程は、データの受信は行わない、
ことを特徴とする請求項18に記載のセンサ装置の制御方法。
【請求項20】
前記通信工程は、ADPCMにより前記センサデータを送信するものであって、前記センサデータの1回の送信ごとにスケーリングを計算し、該1回の送信中にはスケーリングを固定して再計算を行わない、
ことを特徴とする請求項18又は19に記載のセンサ装置の制御方法。
【請求項21】
ゲートウェイ装置に対してデータ送信するセンサ装置のプログラムであって、
前記センサ装置は、
前記センサ装置の電源である第1蓄電池と、
太陽光により前記第1蓄電池を充電する第1太陽電池と、
環境情報を検出するセンサと、
前記センサで検出した環境情報を示すセンサデータを前記ゲートウェイ装置が有する第2通信部に送信する第1通信部と、
を有し、
前記第1通信部は、前記第2通信部とLoRa変調方式で通信することで前記センサデータを前記第2通信部に送信する通信工程を有し、
コンピュータを前記第1通信部として機能させることを特徴とするセンサ装置のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境情報提供システム、情報処理装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、環境情報を検出する様々なセンサが開発され、各地での環境情報の取得が盛んに行われている。環境情報としては、例えば温度、湿度、気圧、雨量、加速度等が挙げられる。環境情報を取得する場所は遠隔地の場合もあるため、引用文献1では、遠隔地に設けたセンサからのデータを受信する遠隔監視システムを開示している。
【0003】
引用文献1に開示された遠隔監視システムでは、センサが設けられた遠隔地がモバイル通信システムの圏外であってもセンサからのデータを受信できるように、センサからモバイル通信システムの圏内に至るまでの間を、低電力広域(LPWA: Low Power Wide Area)通信方式で繋ぐようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-88803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、環境情報を取得したい場所としては、交通が不便であり、センサを含む機器のメンテナンスを頻繁に行うことが困難な場所もあり得る。このような場所の場合、商用電源の供給も困難であり、メンテナンスフリーで長期間駆動可能であることが望ましい。
【0006】
特許文献1に記載の発明では、低電力広域通信によって遠隔地に設置したセンサからセンサデータを取得可能にしているが、センサの電源やメンテナンスについて考慮しておらず、実用性に欠けるという問題があった。
【0007】
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、実用性を改善した環境情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、環境情報提供システムであって、環境情報を検知するセンサ装置と、前記センサ装置から環境情報を取得するゲートウェイ装置と、を有して成る環境情報提供システムであって、前記センサ装置は、前記センサ装置の電源である第1蓄電池と、太陽光により前記第1蓄電池を充電する第1太陽電池と、環境情報を検出するセンサと、前記センサで検出した環境情報を示すセンサデータを送信する第1通信部と、を有し、前記ゲートウェイ装置は、前記ゲートウェイ装置の電源である第2蓄電池と、太陽光により前記第2蓄電池を充電する第2太陽電池と、前記第1通信部から前記センサデータを受信する第2通信部と、を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、実用性を改善した環境情報提供システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る環境情報提供システムの構成を示すブロック図である。
図2】環境情報利用装置11の構成を示すブロック図である。
図3】ゲートウェイ装置12の構成を示すブロック図である。
図4】センサ装置13の構成を示すブロック図である。
図5】通信部による通信タイミングを示すタイムチャートであり、(A)は、従来の送受信を行う場合のタイムチャートであり、(B)は、本実施形態の通信部135による送信のみを行う場合のタイムチャートである。
図6】本実施形態のセンサ装置13の電源系統の構成例を示す概略図であり、(A)は、レギュレータを用いない例であり、(B)は、レギュレータを負荷側に接続する例であり、(C)は、レギュレータを太陽電池側に接続する例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る環境情報提供システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明に係るシステムの好適な具体例であり、一般的なハードウェア、ソフトウェア構成に即した種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す実施形態における構成要素は、適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下に示す実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る環境情報提供システムの構成を示すブロック図である。
本実施形態の環境情報提供システム10は、ゲートウェイ装置12a、12b及び12cと、センサ装置13a、13b及び13cと、を有して構成される。ゲートウェイ装置及びセンサ装置の数は、図1の例に限られるものではない。
【0013】
本実施形態では、ゲートウェイ装置12a及び12bは、ネットワーク14の通信可能エリア内に設けられており、ゲートウェイ装置12c、センサ装置13a、13b及び13cは、ネットワーク14の通信可能エリア外に設置されている。但し、このことは、本発明において、ゲートウェイ装置12c、センサ装置13a、13b及び13cがネットワーク14の通信可能エリア内に設置される構成を除外するものではない。ネットワーク14は、無線通信を行うモバイル通信システムである。ネットワーク14は、例えば3G(第3世代移動通信システム)、LTE(Long Term Evolution)、又は5G(第5世代移動通信システム)のような通信システムである。
【0014】
センサ装置13a、13b及び13cは、それぞれが設置された位置における環境情報を検知する装置である。環境情報としては、例えば温度、湿度、気圧、雨量、加速度等が挙げられる。センサ装置13aは、検知した環境情報を、ネットワーク15aを介してゲートウェイ装置12aに対して送信する。センサ装置13bは、検知した環境情報を、ネットワーク15bを介してゲートウェイ装置12aに対して送信する。センサ装置13cは、検知した環境情報を、ネットワーク15dを介してゲートウェイ装置12cに対して送信する。以下では、センサ装置13a、13b及び13cのそれぞれについて、センサ装置13と呼ぶ場合がある。
【0015】
ネットワーク15a、15b、15cおよび15dは、無線通信を行う低電力広域通信システムである。ネットワーク15a、15b、15cおよび15dは、LPWA通信方式の通信システムであり、例えば、LoRaと呼ばれる変調方式を用いるものである。以下では、ネットワーク15a、15b、15cおよび15dのそれぞれについて、ネットワーク15と呼ぶ場合がある。
【0016】
本実施形態では、振動データなど、波形データを送信する場合にネットワーク15を介しての通信をADPCMで行う。すなわち、後述の通信部125及び通信部135は、ADPCMによりセンサデータとしての環境情報を送信する。また、本実施形態では、ADPCMにおいて、センサデータの1回の送信ごとにスケーリングを計算し、該1回の送信中にはスケーリングを固定して再計算を行わない。このようにすることによって、通信部125及び通信部135における通信のデータ長を固定化、及び消費電力を低減することができる。
【0017】
ゲートウェイ装置12aは、センサ装置13a及び13bが送信した環境情報を受信する。ゲートウェイ装置12cは、センサ装置13cが送信した環境情報を受信し、受信した環境情報を、ネットワーク15cを介してゲートウェイ装置12bに対して送信する。ゲートウェイ装置12bは、ゲートウェイ装置12cが送信した環境情報を受信する。ゲートウェイ装置12a及び12bは、受信した環境情報を、ネットワーク14を介して環境情報利用装置11に対して送信する。以下では、ゲートウェイ装置12a、12b及び12cのそれぞれについて、ゲートウェイ装置12と呼ぶ場合がある。
【0018】
環境情報提供システム10は、環境情報利用装置11を含むものであってもよい。環境情報利用装置11は、環境情報提供システム10によって提供された環境情報を利用する装置であり、提供された環境情報を解析等することにより、センサ装置13a、13b及び13cが設置された位置における様々な状況を知り得るようにすることができる。
【0019】
図2は、環境情報利用装置11の構成を示すブロック図である。
環境情報利用装置11は、各種の処理を行う処理部112と、操作者に対する入出力を行う入出力部111と、各種のデータを記憶する記憶部113と、ネットワーク14を介した通信を行う通信部114と、を有して構成される。環境情報利用装置11は、例えばコンピュータである。環境情報利用装置11は、如何なるコンピュータであってもよい。環境情報利用装置11は、一般にパソコンと呼ばれる装置であってもよく、スーパーコンピュータと呼ばれる装置であってもよい。また、環境情報利用装置11は、スマートフォンやタブレットと呼ばれる装置であってもよい。処理部112は、CPUやMPUと呼ばれる演算装置である。処理部112は、記憶部103に記憶されたプログラムを実行する。処理部112は、処理部112で実行する処理に係る各種データを記憶部113に記憶する。記憶部113は、RAMやROM、さらに磁気的記憶装置、光学的記憶装置など、既知の如何なる記憶装置であってもよい。入出力部111は、キーボード、マウス、ディスプレイといった入出力装置である。処理部112は、入出力部111を介して操作者から入力された情報に応じて各種処理を実行する。また、処理部112は、通信部114を介して受信した環境情報に応じて各種処理を実行する。環境情報利用装置11は、商用電源の供給が困難な地域に設置されるものではなく、商用電源からの電源供給を受ければよいので、図2では、電源の表示を省略している。
【0020】
図3は、ゲートウェイ装置12の構成を示すブロック図である。
図3では、図1に示したゲートウェイ装置12a、12b及び12cの構成を、ゲートウェイ装置12の構成として示す。ゲートウェイ装置12は、ゲートウェイ装置12a、12b及び12cの少なくとも一つである。ゲートウェイ装置12a、12b及び12cのそれぞれは、すべて同じ構成であってもよいし、装置ごとに、他の装置と異なる構成を有するものであってもよい。
【0021】
ゲートウェイ装置12は、各種の処理を行う処理部122と、操作者に対する入出力を行う入出力部121と、各種のデータを記憶する記憶部123と、ネットワーク14を介した通信を行う通信部124と、ネットワーク15を介した通信を行う通信部125と、太陽電池126と、太陽電池126によって充電されてゲートウェイ装置12の電源となる蓄電池127と、を有して構成される。ゲートウェイ装置12は、受信したデータを送信する装置である。処理部122は、CPUやMPUと呼ばれる演算装置である。処理部122は、記憶部123に記憶されたプログラムを実行する。処理部122は、処理部122で実行する処理に係る各種データを記憶部123に記憶する。記憶部123は、RAMやROM、さらに磁気的記憶装置、光学的記憶装置など、既知の如何なる記憶装置であってもよい。入出力部121は、キーボード、マウス、ディスプレイといった入出力装置である。処理部122は、入出力部121を介して操作者から入力された情報に応じて各種処理を実行する。処理部122は、通信部125を介して環境情報の送受信を行う。また、処理部122は、通信部125を介して環境情報の送信を行う。
【0022】
ゲートウェイ装置12は、ネットワーク14の通信可能エリア内に設けられている場合には、通信部125を介して受信した環境情報を、通信部124を介して送信する。
ゲートウェイ装置12は、ネットワーク14の通信可能エリア外に設けられている場合には、中継装置の役割を果たす。この場合、ゲートウェイ装置12は、通信部125を介して受信した環境情報を、通信部125を介して送信する。センサ装置13とネットワーク14との間で複数のゲートウェイ装置12が中継してもよい。
【0023】
ゲートウェイ装置12の電源は、太陽電池126の発電により充電された蓄電池127である。ゲートウェイ装置12は、蓄電池127を電源とすることで、夜間や天候不良等で太陽電池126による発電が充分でないときでも動作することができる。ゲートウェイ装置12は、太陽電池126を電源とする場合もある。ゲートウェイ装置12は、これにより、商用電源の供給が困難な地域に設置されても動作可能となる。
【0024】
図4は、センサ装置13の構成を示すブロック図である。
図4では、図1に示したセンサ装置13a、13b及び13cの構成を、センサ装置13の構成として示す。センサ装置13は、センサ装置13a、13b及び13cの少なくとも一つである。センサ装置13a、13b及び13cのそれぞれは、すべて同じ構成であってもよいし、装置ごとに、他の装置と異なる構成を有するものであってもよい。
【0025】
センサ装置13は、各種の処理を行う処理部132と、各種のデータを記憶する記憶部133と、ネットワーク15を介した通信を行う通信部135と、太陽電池136と、太陽電池136によって充電されてセンサ装置13の電源となる蓄電池137と、環境情報を検知するセンサ138を有して構成される。センサ装置13は、環境情報を検知して送信する装置である。処理部132は、CPUやMPUと呼ばれる演算装置である。処理部132は、記憶部133に記憶されたプログラムを実行する。処理部132は、環境情報を検知する処理、及び環境情報を送信する処理に係る各種データを記憶部133に記憶する。記憶部133は、RAMやROM、さらに磁気的記憶装置、光学的記憶装置など、既知の如何なる記憶装置であってもよい。処理部132は、通信部135を介して環境情報の送信を行う。
【0026】
センサ装置13の電源は、太陽電池136の発電により充電された蓄電池137である。センサ装置13は、蓄電池137を電源とすることで、夜間や天候不良等で太陽電池136による発電が充分でないときでも動作することができる。センサ装置13は、太陽電池136を電源とする場合もある。センサ装置13は、これにより、商用電源の供給が困難な地域に設置されても動作可能となる。
【0027】
センサ装置13は、商用電源の供給が困難な地域に設置されることを想定しており、蓄電池137を電源として動作する。蓄電池137を長持ちさせるためには、センサ装置13の消費電力が極力小さいことが望ましい。本実施形態では、センサ装置13は、通信部135において受信を行わないことで消費電力を低減する。この点について、図5を参照して説明する。
【0028】
図5は、通信部による通信タイミングを示すタイムチャートである。図5(A)は、従来の例であり、送受信を行う場合のタイムチャートである。図5(B)は、本実施形態の通信部135による送信のみを行う場合のタイムチャートである。
【0029】
図5(A)に示すように、従来の通信方式では、装置がデータを送信する場合には、送信相手からの通達確認を受信できるように、送信及び受信を行うのが一般的であった。これに対して、本実施形態では、通信部135は送信のみを行って、受信は行わない。このことにより、センサ装置13の消費電力を大幅に低減することができる。
本実施形態によれば、通達確認を受信しないので、送信したデータを欠損することがあり得る。しかしながら、送信回数を増やすことで、必要なデータの通信相手への到達の確実性を向上することができる。データを受信する場合には、受信の可能性がある期間中、電力を消費しているため、受信をしないようにすることで、センサ装置13の消費電力は確実に低減できる。
【0030】
図6は、本実施形態のセンサ装置13の電源系統の構成例を示す概略図である。図6(A)は、レギュレータを用いない例である。図6(B)は、レギュレータを負荷側に接続する例である。図6(C)は、レギュレータを太陽電池側に接続する例である。
【0031】
図6の例では、太陽電池136は、出力が0.5Wのソーラーパネルである。また、このソーラーパネルの最大負荷電圧は6.4Vであり、開放電圧は8.2Vであり、標準電流は100mAであり、標準電圧は5.5Vである。
また、図6の例では、蓄電池137は、電圧1.2Vで容量1900mAhのニッケル水素二次電池を複数用いて構成される。図6(A)及び図6(C)の例では、蓄電池137は、2本のニッケル水素二次電池を直列に接続して用いている。図6(B)の例では、蓄電池137は、3本のニッケル水素二次電池を直列に接続して用いている。
負荷138は、センサ装置13に含まれる、電力を消費する構成をまとめて表現している。負荷138の動作電圧は、2.3V~3.6Vである。
【0032】
図6(A)、図6(B)及び図6(C)において、太陽電池136の+端子と蓄電池137の+端子との間には逆流防止用にダイオード139を接続している。図6(B)において、蓄電池137と負荷138との間に、レギュレータ140を接続している。
【0033】
本実施形態では、太陽電池136、蓄電池137及び負荷138の電圧の関係は、太陽電池136の電圧>蓄電池137の電圧>負荷138の電圧、としており、電圧差を少なくしている。これにより、本実施形態では、PWM方式(Pulse Width Modulation:パルス幅変調制御方式)やMPPT方式(Maximum Power Point Tracking:最大電力点追従制御方式)を使用せず、複雑な回路を不要とした構成としている。
【0034】
図6(A)の構成は、最小構成である。太陽電池136の+側電圧は、蓄電池137の端子電圧とダイオード139の順電圧の合計値である。図6(A)の構成によれば、最小構成で、蓄電池137の充電、及び負荷138への電源供給を行うことができる。ただし、図6(A)の構成では、蓄電池137を構成するニッケル水素二次電池がオープンで故障した場合やニッケル水素二次電池の抜き差しのときに、負荷138側に高電圧がかかってしまうおそれがある。
【0035】
図6(B)の構成では、蓄電池137と負荷138との間にレギュレータ140を接続している。この構成によれば、負荷138への電圧を固定にすることができる。図6(B)の構成によれば、蓄電池137を構成するニッケル水素二次電池がオープンで故障した場合やニッケル水素二次電池の抜き差しのときであっても、負荷138側に高電圧がかかってしまうことがない。ただし、図6(A)の構成では、蓄電池137として2本のニッケル水素二次電池(2.4V)を用いるとすると、負荷138の動作電圧に合わせてレギュレータ140の出力電圧が3.3Vである場合に昇圧になってしまう。また、蓄電池137として3本のニッケル水素二次電池(3.6V)を用いるとすると、レギュレータ140としてLDO(低ドロップアウト)レギュレータを用いることになる。このため、常にレギュレータ140で電力を消費することになる。
【0036】
図6(C)の構成では、太陽電池136と蓄電池137との間にレギュレータ140を接続している。この構成によれば、太陽電池136の出力電圧と負荷138で必要な動作電圧との電圧差をレギュレータ140で吸収するとともに、レギュレータ140の出力で蓄電池137を充電することができる。蓄電池137の電圧が上がると、ダイオード139の特性により電流を自動的に絞ることができる。
本実施形態では、図6(A)、図6(B)及び図6(C)のいずれの構成も採用し得るが、安全性及び消費電力を低減できることから図6(C)の構成がより望ましい。
【0037】
上述した実施形態の環境情報提供システム10を適用する実施例について以下に説明する。
【実施例0038】
本実施例の環境情報提供システム10は、鉄塔の傾きを監視するための環境情報を提供する。傾きを監視する対象の鉄塔は、ネットワーク14の通信可能エリア外に建てられているとする。鉄塔は、送電線を支持する鉄塔、アンテナを支持する鉄塔、気象観測用の鉄塔などの如何なる鉄塔であってもよい。
【0039】
本実施例において、センサ装置13cは、例えば鉄塔の上部に設置される。センサ装置13cのセンサ138は、3軸加速度センサである。本実施例において、ゲートウェイ装置12cは、例えばセンサ装置13cが設置された鉄塔の脚部に設置される。センサ装置13cは、ネットワーク15dを介して、センサ138による検出結果を環境情報として送信する。センサ138による検出は、常時行ってもよいし、所定のタイミングで行ってもよい。センサ装置13cは、センサ138による検出結果を所定のタイミングで送信する。
【0040】
ゲートウェイ装置12cは、ネットワーク15dを介して、センサ装置13cが送信した環境情報(3軸加速度センサによる検出結果)を受信する。ゲートウェイ装置12cは、自身の通信部124によってネットワーク14の基地局からの電波を受信できないことから、自身がネットワーク14の通信可能エリア外に設置されていることを認識する。この場合、ゲートウェイ装置12cは、自身の通信部125によって、ネットワーク15cを介して、センサ装置13cから受信した環境情報を送信する。
【0041】
ゲートウェイ装置12bは、ゲートウェイ装置12cが送信した環境情報を受信可能な位置であり、且つネットワーク14の通信可能エリア内に設置されている。ゲートウェイ装置12bは、自身の通信部124によってネットワーク14の基地局からの電波を受信できることから、自身がネットワーク14の通信可能エリア内に設置されていることを認識する。この場合、ゲートウェイ装置12bは、自身の通信部124によって、ゲートウェイ装置12cから受信した環境情報を送信する。
【0042】
ゲートウェイ装置12bは、ネットワーク14を介して環境情報利用装置11と接続される。ゲートウェイ装置12bは、ネットワーク14を介して環境情報利用装置11に環境情報を送信することによって、環境情報利用装置11に環境情報を提供する。
【0043】
環境情報利用装置11は、ネットワーク14を介して得た環境情報を用いた処理を実行する。本実施例では、環境情報利用装置11は、ネットワーク14を介して得た環境情報、すなわち鉄塔の上部に設置された3軸加速度センサの検知結果により、鉄塔の揺れや傾きを入出力部111で可視化する処理を実行してもよい。また、環境情報利用装置11は、ネットワーク14を介して得た環境情報を、受信した日時とともに記憶装置113に記憶しておくようにしてもよい。
【実施例0044】
本実施例の環境情報提供システム10は、斜面の傾きを監視するための環境情報を提供する。傾きを監視する対象の斜面は、ネットワーク14の通信可能エリア外の斜面であるとする。
【0045】
本実施例において、センサ装置13aは、例えば斜面に突き刺した杭に固定される。センサ装置13aのセンサ138は、傾斜角度を検出する傾斜センサである。傾斜センサは杭の傾きを検出することで斜面の傾きを検出する。また、本実施例において、センサ装置13bは、例えば斜面の地域に設置される。センサ装置13bのセンサ138は、斜面の地域の雨量を検出する雨量計である。センサ装置13aは、ネットワーク15aを介して、自身のセンサ138による検出結果を環境情報として送信する。センサ装置13bは、ネットワーク15bを介して、自身のセンサ138による検出結果を環境情報として送信する。センサ装置13aのセンサ138による検出、及びセンサ装置13bのセンサ138による検出は、常時行ってもよいし、所定のタイミングで行ってもよい。センサ装置13a及びセンサ装置13bは、自身のセンサ138による検出結果を所定のタイミングで送信する。
【0046】
本実施例において、ゲートウェイ装置12aは、センサ装置13aが送信した環境情報及びセンサ装置13bが送信した環境情報を受信可能な位置であり、且つネットワーク14の通信可能エリア内に設置されている。ゲートウェイ装置12aは、ネットワーク15aを介して、センサ装置13aが送信した環境情報(傾斜センサによる検出結果)を受信する。ゲートウェイ装置12aは、ネットワーク15bを介して、センサ装置13bが送信した環境情報(雨量計による検出結果)を受信する。ゲートウェイ装置12aは、自身の通信部124によってネットワーク14の基地局からの電波を受信できることから、自身がネットワーク14の通信可能エリア内に設置されていることを認識する。この場合、ゲートウェイ装置12aは、自身の通信部124によって、センサ装置13aから受信した環境情報及びセンサ装置13bから受信した環境情報を送信する。
【0047】
ゲートウェイ装置12aは、ネットワーク14を介して環境情報利用装置11と接続される。ゲートウェイ装置12aは、ネットワーク14を介して環境情報利用装置11に環境情報を送信することによって、環境情報利用装置11に環境情報を提供する。
【0048】
環境情報利用装置11は、ネットワーク14を介して得た環境情報を用いた処理を実行する。本実施例では、環境情報利用装置11は、ネットワーク14を介して得た環境情報、すなわち斜面の傾斜及び斜面の地域の雨量の検知結果により、斜面の状態変化を監視することができる。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の目的は、上述の実施例の機能を実現するプログラムコード(コンピュータプログラム)を格納した記憶媒体をシステムあるいは装置に供給し、供給されたシステムあるいは装置のコンピュータが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、上述した実施形態では、コンピュータがプログラムを実行することにより、各処理部として機能するものとしたが、処理の一部または全部を専用の電子回路(ハードウェア)で構成するようにしても構わない。本発明は、説明された特定の実施例に限定されるものではなく、各実施例の各構成同士の置換を含み、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
10 環境情報提供システム
11 環境情報利用装置
12 ゲートウェイ装置
13 センサ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6