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特開2022-50962補助移動ロボット機能のための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050962
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】補助移動ロボット機能のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/14 20060101AFI20220324BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20220324BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20220324BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
B66B1/14 L
B66B3/00 K
G05D1/02 H
G05D1/02 T
B25J5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020157172
(22)【出願日】2020-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】517456314
【氏名又は名称】サビオーク インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Savioke, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴ カズンズ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート エス バウアー
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン カノソ
(72)【発明者】
【氏名】ヘザー クラウベル
【テーマコード(参考)】
3C707
3F303
3F502
5H301
【Fターム(参考)】
3C707AS34
3C707CS08
3C707CT04
3C707HS27
3C707JS03
3C707JU03
3C707KT01
3C707KT04
3C707WA16
3C707WM06
3F303CA09
3F502HC07
3F502MA12
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301JJ06
5H301QQ02
(57)【要約】

【課題】ロボットが自律的にエレベーター制御装置と対話する方法を提供する。
【解決手段】環境内の目標位置へ経路を物理的に進行している間に、前記経路が前記ロボットの現在の階と異なる特定の階に慎重に進むことを含むと判断する。前記経路に沿って1つ以上のエレベーターの一組へ慎重に進む。前記一組の1つ以上のエレベーターに対応するエレベーター呼び出しボタンの位置を特定する。エレベーター呼び出しボタンの位置へ慎重に進み、前記エレベーター呼び出しボタンを押す。エレベーター呼び出しボタンを押すことは、垂直構造体がエレベーター呼び出しボタンに面するまで前記ロボットをその場で回転させ、ボタン押し要素がエレベーター呼び出しボタンと整列するまで前記垂直構造体を延ばすか又は引っ込め、エレベーター呼び出しボタンの方へ移動して前記ボタン押し要素に前記エレベーター呼び出しボタンを押させることにより行われる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボタン押し要素を有する垂直構造体を備えるロボットが自律的にエレベーター制御装置と対話する方法であって、
前記ロボットが環境内の目標位置へ経路を物理的に進行している間に、前記経路が前記ロボットの現在の階と異なる特定の階に慎重に進むことを含むと判断するステップと、
前記ロボットは前記経路に沿って1つ以上のエレベーターの一組へ慎重に進むステップと、
前記一組の1つ以上のエレベーターに対応するエレベーター呼び出しボタンの位置を特定するステップと、
前記ロボットは前記エレベーター呼び出しボタンの位置へ慎重に進み、前記垂直構造体が前記エレベーター呼び出しボタンに面するまで前記ロボットをその場で回転させることで前記エレベーター呼び出しボタンを押し、前記ボタン押し要素が前記エレベーター呼び出しボタンと整列するまで前記垂直構造体を延ばすか又は引っ込め、前記エレベーター呼び出しボタンの方へ移動して前記ボタン押し要素に前記エレベーター呼び出しボタンを押させるステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記エレベーター呼び出しボタンの位置を特定するステップは、前記エレベーター呼び出しボタンの高さを求めることを含み、前記垂直構造体を延ばすか又は引っ込めることは、前記エレベーター呼び出しボタンの前記高さに基づく、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記エレベーター呼び出しボタンの位置を特定するステップは、前記ロボットの位置からの前記エレベーター呼び出しボタンの方向を求めることを含み、前記ロボットをその場で回転させることは前記エレベーター呼び出しボタンの前記方向に基づく、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記エレベーター呼び出しボタンは、複数のエレベーター呼び出しボタンを備えるエレベーターボタンパネルの特定のエレベーター呼び出しボタンであり、前記エレベーター呼び出しボタンの位置を特定するステップは、前記エレベーターボタンパネル内の前記特定のエレベーター呼び出しボタンの位置を求めることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記一組の1つ以上のエレベーターのうち特定のエレベーターを選択するステップと、
前記特定のエレベーターへの経路を計算するステップと、
前記一組の1つ以上のエレベーターのうち特定のエレベーターの到着を検出し、前記経路を物理的に進行して前記特定のエレベーターに乗り込むステップと
を更に含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記特定のエレベーターが前記特定の階の方向に移動しているかを判断し、前記エレベーターが前記特定の階の方向に移動していると判断したことに応答して前記特定のエレベーターを選択するステップを更に含む請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記特定の階に対応する階ボタンの位置を特定するステップと、
前記特定の階に対応する前記階ボタンの位置へ慎重に進み、前記特定の階に対応する前記階ボタンを押すステップと
を更に含み、
前記階ボタンを押すことは、
前記垂直構造体が前記階ボタンに面するまで前記ロボットをその場で回転させることと、
前記ボタン押し要素が前記階ボタンと整列するまで前記垂直構造体を延ばすか又は引っ込めることと、
前記エレベーター呼び出しボタンの方へ移動して前記ボタン押し要素に前記階ボタンを押させることと
を含む、請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記階ボタンは、複数の階ボタンを備えるエレベーターボタンパネルの特定の階ボタンであり、前記エレベーター呼び出しボタンの位置を特定するステップは、前記エレベーターボタンパネル内の前記特定の階ボタンの位置を求めることを含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記特定のエレベーターのドアへの経路を計算するステップと、
前記特定のエレベーターの前記特定の階への到着を検出し、前記経路を物理的に進行して前記特定のエレベーターを出るステップと
を更に含む請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記特定のエレベーターの前記特定の階への到着を検出することは、
前記特定のエレベーターのドアが開いたことを検出することと、
前記特定のエレベーターのドアが開いたことを検出したことに応答して、前記ロボットの1つ以上のセンサーを使って現在の階を特定することと、
前記現在の階が前記特定の階であるかを判定することと
を含む請求項9記載の方法。
【請求項11】
データを収集する1つ以上のセンサーと、
1つ以上のプロセッサと、
ボタン押し要素を有する垂直構造体と、
命令群を記憶する持続性コンピュータ読取可能記憶媒体と
を備えたロボットであって、前記命令群は前記1つ以上のプロセッサにより実行される時、
前記ロボットが環境内の目標位置へ経路を物理的に進行している間に、前記経路が前記ロボットの現在の階と異なる特定の階に慎重に進むことを含むと判断するステップと、
前記ロボットは前記経路に沿って1つ以上のエレベーターの一組へ慎重に進むステップと、
前記一組の1つ以上のエレベーターに対応するエレベーター呼び出しボタンの位置を特定するステップと、
前記ロボットは前記エレベーター呼び出しボタンの位置へ慎重に進み、前記エレベーター呼び出しボタンを押すステップと
を実行させ、前記エレベーター呼び出しボタンを押すことは、
前記垂直構造体が前記エレベーター呼び出しボタンに面するまでその場で回転することと、
前記ボタン押し要素が前記エレベーター呼び出しボタンと整列するまで前記垂直構造体を延ばすか又は引っ込めることと、
前記エレベーター呼び出しボタンの方へ移動して前記ボタン押し要素に前記エレベーター呼び出しボタンを押させることと
を含む、ロボット。
【請求項12】
前記エレベーター呼び出しボタンの位置を特定するステップは、前記エレベーター呼び出しボタンの高さを求めることを含み、前記垂直構造体を延ばすか又は引っ込めることは、前記エレベーター呼び出しボタンの前記高さに基づく、請求項11記載のロボット。
【請求項13】
前記エレベーター呼び出しボタンの位置を特定するステップは、前記ロボットの位置からの前記エレベーター呼び出しボタンの方向を求めることを含み、前記ロボットをその場で回転させることは前記エレベーター呼び出しボタンの前記方向に基づく、請求項11記載のロボット。
【請求項14】
前記エレベーター呼び出しボタンは、複数のエレベーター呼び出しボタンを備えるエレベーターボタンパネルの特定のエレベーター呼び出しボタンであり、前記エレベーター呼び出しボタンの位置を特定するステップは、前記エレベーターボタンパネル内の前記特定のエレベーター呼び出しボタンの位置を求めることを含む、請求項11記載のロボット。
【請求項15】
前記1つ以上のプロセッサにより実行される時、
前記一組の1つ以上のエレベーターのうち特定のエレベーターを選択するステップと、
前記特定のエレベーターへの経路を計算するステップと、
前記一組の1つ以上のエレベーターのうち特定のエレベーターの到着を検出し、前記経路を物理的に進行して前記特定のエレベーターに乗り込むステップと
を実行させる命令群を更に記憶する請求項11記載のロボット。
【請求項16】
前記1つ以上のプロセッサにより実行される時、
前記特定のエレベーターが前記特定の階の方向に移動しているかを判断し、前記エレベーターが前記特定の階の方向に移動していると判断したことに応答して前記特定のエレベーターを選択するステップを実行させる命令群を更に記憶する請求項15記載のロボット。
【請求項17】
前記1つ以上のプロセッサにより実行される時、
前記特定の階に対応する階ボタンの位置を特定するステップと、
前記特定の階に対応する前記階ボタンの位置へ慎重に進み、前記特定の階に対応する前記階ボタンを押すステップと
を実行させる命令群を更に記憶し、
前記階ボタンを押すことは、
前記垂直構造体が前記階ボタンに面するまで前記ロボットをその場で回転させることと、
前記ボタン押し要素が前記階ボタンと整列するまで前記垂直構造体を延ばすか又は引っ込めることと、
前記エレベーター呼び出しボタンの方へ移動して前記ボタン押し要素に前記階ボタンを押させることと
を含む、請求項15記載のロボット。
【請求項18】
前記階ボタンは、複数の階ボタンを備えるエレベーターボタンパネルの特定の階ボタンであり、前記エレベーター呼び出しボタンの位置を特定するステップは、前記エレベーターボタンパネル内の前記特定の階ボタンの位置を求めることを含む、請求項17記載のロボット。
【請求項19】
前記1つ以上のプロセッサにより実行される時、
前記特定のエレベーターのドアへの経路を計算するステップと、
前記特定のエレベーターの前記特定の階への到着を検出し、前記経路を物理的に進行して前記特定のエレベーターを出るステップと
を実行させる命令群を更に記憶する請求項17記載のロボット。
【請求項20】
前記特定のエレベーターの前記特定の階への到着を検出することは、
前記特定のエレベーターのドアが開いたことを検出することと、
前記特定のエレベーターのドアが開いたことを検出したことに応答して、前記ロボットの前記1つ以上のセンサーを使って現在の階を特定することと、
前記現在の階が前記特定の階であるかを判定することと
を含む請求項19記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、有界領域を慎重に進みながらエレベーター制御装置と自律的に対話する移動デジタルコンピュータ制御ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
この項で記載される手法は追求されうる手法であるが、以前想到された又は追求された手法では必ずしもない。従って、特に断らない限り、この項で記載される手法のいずれもこの項に含まれているだけで従来技術と認定されると考えるべきではない。
【0003】
ロボットはもはや製造で使用されるだけではない。ロボットはもてなし、治療、及び品物の輸送に益々使用されるようになってきた。米国Savioke社により設計され製造されるようなロボットは、キャンパス又は他の画定された環境、例えばホテル又は病院内で品物を輸送する車輪付きマシンである。これらのロボットはコンピュータ又は人である操作者により熱いタオルを客室に届けるなどの仕事を完了するために配備される。配備された後、特定のロボットは建物又は一組の建物内を現在位置から目的地まで慎重に進んでよい。目的地まで慎重に進むために、ロボットはキャンパス又は環境のレイアウトを規定するデータを使用する。そのデータはキャンパス、建物、又は建物内のフロアのデジタルマップの形態で記憶されてもよい。
【0004】
エレベーターを操作するか、電子ドアの動作を要求するか、又は保安センサーを制御するために、ロボットは建物内の電子システムと通信する施設アクセスコンピュータと通信してもよい。しかし、ロボットは施設アクセスコンピュータを含む建物内の進行に限定されてもよい。また、建物内に配備される前に、ロボットは施設アクセスコンピュータと通信するように、例えば施設アクセスコンピュータにより提供されるアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を使用して具体的にプログラムされなければならない。複数のロボットはボタン、例えばエレベーターを操作するのに使用されるボタンを押すのに使用されうるアームを備えている場合がある。しかし、ロボットアームは大きな自由度を有し、その中を動くためのかなりの広さの空間を必要とする。ロボットは他に乗っている人がいるとエレベーターに乗れないか又はエレベーター内を動き回われない。従って、ロボットのエレベーター操作のためのコンパクトで柔軟な方法が必要である。
【発明の概要】
【0005】
添付の請求項が本発明の概要としての役割をするかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】様々な実施形態に係る、ロボットがその中で動作してよいネットワーク接続環境の図である。
図2】幾つかの実施形態に係る、エレベーターを自律的に操作し慎重に進むための一例のプロセスのフローチャートである。
図3】様々な実施形態に係る、建物のフロアのロボット生成マップの例である。
図4】本発明の1つの実施形態が実施されてよいコンピュータシステムを示すブロック図である。
図5A】様々な実施形態に係る、垂直構造体の背面等角斜視図を示す。
図5B】様々な実施形態に係る、垂直構造体の前面等角斜視図を示す。
図6A】様々な実施形態に係る、上げた位置にある垂直構造体の背面等角斜視図を示す。
図6B】様々な実施形態に係る、上げた位置にある垂直構造体の前面等角斜視図を示す。
図7】様々な実施形態に係る、ボタン押し要素の等角斜視図を示す。
図8A】様々な実施形態に係る、ロボットに結合された垂直構造体であって、下げた位置にある垂直構造体を例示する。
図8B】様々な実施形態に係る、ロボットに結合された垂直構造体であって、下げた位置にある垂直構造体を例示する。
図9】様々な実施形態に係る、ロボットに結合された垂直構造体であって、上げた位置にある垂直構造体を例示する。
図10】様々な実施形態に係る、垂直構造体の前面を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の記載において、説明目的のために、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的詳細が明らかにされる。しかし、これらの具体的詳細を欠いて本発明を実施してもよいことは明白であろう。他には、本発明を不必要に不明瞭にしないため、周知の構造及び装置はブロック図形態で示されている。
【0008】
1. 総論
1つの実施形態では、デジタルコンピュータ制御電気機械ロボットは建物内に配備されてもよい。ロボットはその建物の複数の領域を慎重に進むようにプログラムされてよい。例えば、ロボットは人々又は位置と位置の間で品物を輸送するようにプログラムされてよい。別の例として、保安ロボットは建物の領域を巡回するようにプログラムされてよい。建物の領域を慎重に進みながら、ロボットはエレベーター、電子ドア、又は他の対話型建物設備に出会うことがある。
【0009】
エレベーター又は電子ドアを操作するために、ロボットはモーター動力垂直構造体を備える。ロボットはその構造体のモーターをデジタル的に制御してその構造体を延ばしたり引っ込めたりする。そのパネルはボタンに力を作用させそのボタンを押すのに使用されうる垂直な押すための要素を備える。1つの実施形態では、垂直な押すための要素は固定された姿勢にある。加えて又は或いは、押す要素はヒンジ付きで、使用しない時、垂直構造体に当接し平らに折り畳まれるか又は垂直構造体内に引っ込められる。その垂直構造体を延ばすことは、その押す要素を外方へ垂直姿勢に延ばすことを含んでもよい。加えて又は或いは、垂直姿勢に延ばされた時、押す要素は水平に横方向に動いてよい。
【0010】
1つの実施形態では、ロボットはエレベーター又は電子ドアに対応するボタン、例えばエレベーター呼び出しボタン又はドア開ボタンを特定するように構成される。ロボットは自身をボタンと位置合わせし、垂直構造体を延ばし、ボタンの方へ移動して押す要素にボタンを押させる。加えて又は或いは、ロボットは誰か人が自身の近くにいるかを判断するように構成され、誰か人が近くにいれば、ボタンを押すための支援を要請する。ロボットは人が近くにいないか又は誰もボタンを押そうとしない場合だけ、ボタンを押すように構成されてもよい。
【0011】
1つの実施形態では、ロボットは建物及び建物内の自身の位置についてのデータを受け取るために多数のセンサーを備える。ロボットはエレベーター又は電子ドアに対応するボタンを建物内のボタンの記憶された位置と建物内のそのロボットの位置とに基づいて特定してもよい。
【0012】
位置及び測位情報の使用はロボット自身の機能を改善する。ロボットは、カメラで領域を走査しボタン位置を視覚的に特定するように具体的にプログラムされることなく、エレベーターと繋がることができる。加えて、ロボットは、カメラで領域を走査し階番号又は他の表示を視覚的に特定するように具体的にプログラムされることなく、搭載されたセンサーを使用して自身が特定の階に居るかを判断できる。
【0013】
垂直構造体の使用はロボット自身の機能を改善する。ロボットは、エレベーターの制御電子回路と対話又は一体化するように具体的にプログラムされることなく、エレベーターと繋がることができる。ロボットはプログラマではなく技士又は操作者により建物内での使用用に設定されてもよい。加えて、ロボットは、大きな電動「アーム」ではなくロボット自身の体及びモーターを主に使ってボタンを押すことができる。ロボットはより機敏でその場で回転でき、そのロボットの周りに動かすための空間を必要とするロボットアームを持たない。
【0014】
明確な例を示す目的のために、本開示のある項はホテル又は建物などの特定の環境、又はフロア又はエレベーターなどの特定の環境特徴に言及する。しかし、これらの例は明確さだけのために提供され、本開示の範囲を限定するように意図されていない。例えば、用語「環境」はホテル、オフィス、病院、家庭、博物館、レストラン、又はロボットなどの移動式地上走行自律車両が横切ることが可能な任意の他の空間を含む任意の種類の建物を含んでよい。環境の特徴はフロア、階、階段、傾斜路、滑り面、エレベーター、ドア、窓、側灯、トランサム、トンネル、屋根付き通路、高架連絡通路、表玄関、柱、仕切り、壁、物体、障害物などを含んでよい。
【0015】
2. ネットワーク接続環境
図1は様々な実施形態に係る、ロボットがその中で動作してよい一例のネットワーク接続環境の図である。
【0016】
図1のネットワーク接続環境100は、ロボット102を支援し、ロボットがロックされたドア又はエレベーターなどの建物特徴にアクセスするのを許し、操作者がロボットと直接通信するのを許すあるコンピュータ処理基盤を提供する。ネットワーク接続環境100はロボットとそのロボットが配備された建物又はキャンパス内の1つ以上のコンピュータとを含む。幾つかの実施形態では、遠隔のコンピュータがネットワーク接続環境100に含まれてもよい。ネットワーク接続環境100内のローカルコンピュータは物理的に建物内に存在してもよい。
【0017】
この例では、ロボット102は、搭載されプログラムされたデジタルコンピュータの制御下にある自律型車輪付バッテリー動力電気機械ロボットである。ロボット102はロボットの底面に取り付けられた一組の車輪を使って移動する。ロボット102はその環境に適した速度、通常、人の歩くスピード以下で移動してよい。ロボット102の車輪は、タイル、カーペット、及びコンクリートを含む様々な屋内及び屋外表面上での動作のために選択されてよい。
【0018】
幾つかの実施形態では、ロボット102は、起点又は目的地において操作者又は人によるアクセスのためにロボットが電子的に開けられる少なくとも1つの収納室を含む。収納室は環境に適した品物を保持するようにサイズが決められてよい。例えば、もてなし用途では、収納室はリネン、洗面用品、医薬品、雑誌及び読み物、紛失し見つかった品物、例えば財布、鍵、及び個人用電子装置のどれでも運ぶのを許してよい。
【0019】
収納室はロボット102により制御される電子ロックを有してもよい。幾つかの実施形態では、ロボット102は目的地に到着後直ちに、又は目的地に到着した時、指令又はセンサーに応答して収納室を開けるようにプログラムされる。指令は、例えば、パスコード、目的地での人の身元の確認、配達を受け取る人の個人用電子装置との、例えばRFID又はBluetooth(登録商標)を介した電子通信を含んでよい。収納室は秤、圧力スイッチ、又は収納室内への品物の載置又は収納室からの取り出しを検出する他の機構を含み、収納室内に品物を置くことは秤を押すか、又はスイッチを作動させ、品物を収納室から取り出すことは秤又はスイッチを解放してもよい。デジタルインターフェースは秤又はスイッチからの信号をゲート又はラッチして、ロボット内のコンピュータに品物が収納室に置かれた又は取り出されたと知らせてもよい。
【0020】
1つの実施形態では、ロボット102はプログラム制御下で生成されメッセージを伝えるグラフィカル・ユーザーインターフェース(GUI)を表示するタッチスクリーンを備える。GUIは入力をタッチスクリーンを介して受け取ってもよく、入力はロボット102の動作のための指令を表してもよい。指令は収納室を開ける指令、自律マップ作成動作の間にロボットにより提示された情報要求への応答、自律収集動作の間に異常なセンサーデータを受信したことに応答した警報、品物又は適切な品物が収納室内にあり届けられたことの確認を含んでもよい。幾つかの実施形態では、キーボードなどの他の入力機構がロボット102に組み込まれてもよい。
【0021】
1つの実施形態では、ロボット102は建物及び建物内の自身の位置についてのデータを受け取るために多数のセンサーを備える。これらのセンサーは、例えばレーザーセンサー、光検出測距(LIDAR)位置又は動きセンサー、3Dカメラ、カラーカメラ、加速度計、気圧計、高度計、温度計、湿度計などを含む。1つの実施形態では、レーザーセンサー、LIDAR、3Dカメラ、及びカラーカメラは、プログラム制御下で環境及び障害物又は物体のモデル;部屋、玄関、ドア、及び窓などの特徴の寸法;階段、エレベーター、戸口、標識、及び基準を含む特徴の識別;及び他の環境データを形成するように変換されうるデータを収集する。1つの実施形態では、気圧計はロボット102の高度を周囲大気圧の読取値のデジタル変換に基づいて検出し、例えば環境が多階である場合、ロボット102が現在位置する階を特定するために使用されてもよいデータを提供する。1つの実施形態では、加速度計はロボット102の移動の速さ及び/又は方向についてのデータを単独で又はデジタルコンパスと協働して提供する。1つの実施形態では、温度計はロボット102が現在いる位置の周囲温度についてのデータを提供する。1つの実施形態では、湿度計又は他の湿度センサーはロボット102が現在いる位置の湿度ついてのデータ、又は水又は他の液体がその位置で検出されているか否かについてのデータを提供する。
【0022】
加えて又は或いは、センサーはプログラム制御下で変換されうるデータを、例えばロボット102が現在位置している領域内の1人以上の人の存在を検出し、ドアの開閉を検出し、建物内又は周りのロボット102の位置を特定し、及び/又はロボット102が現在位置している階の番号を検出するために収集する。
【0023】
1つの実施形態では、ロボット102はネットワーク接続環境100内のコンピュータと通信する1つ以上のネットワークインターフェースを備える。ネットワークインターフェースはワイヤレス・フィディリティー(WIFI(登録商標))、3G及び/又は4Gモデム、Bluetooth、赤外線、及び低帯域幅無線を介して通信するインターフェースを含んでもよい。幾つかの実施形態では、ロボット102は全地球測位システム(GPS)を使用して自身の位置を特定する。幾つかの実施形態では、ロボット102はWIFIインターフェースを使用して信号を無線で他の有線又は無線ネットワーク装置に送信しドアを開けるか又はエレベーターに指示する。
【0024】
1つの実施形態では、ロボット102は1つ以上のネットワークインターフェースを使用しWIFIルーター、モデム、Bluetooth又は赤外線装置などの装置から信号を受信し、信号データをデジタル的に変換して信号測定値を求める。信号測定値はその装置の信号強度又は信号品質を示してよい。
【0025】
1つの実施形態では、ロボット102はメモリに記憶されたマップ作成ソフトウェアを実行する。マップ作成ソフトウェアは実行される時、ロボットに自身の位置のロボット可読マップ及び/又は目的地へのルートを生成させる。1つの実施形態では、マップ作成ソフトウェアはロボット102に、搭載されたセンサーを使用してその環境を通り抜けるか又は探るように指示する。1つの実施形態では、その通り抜けに基づいて、マップ作成ソフトウェアはフロア又は他の環境のマップを生成する。
【0026】
1つの実施形態では、環境はロボットポートコンピュータ104を有するロボットポートを含む。ロボットポートはロボット102が使用されない時にそこに又はその隣に戻る装置である。1つの実施形態では、ロボットポートは、ロボット102が自動的に接続できロボットのバッテリーを充電する電源接続口を備えてもよい。例えば、ロボット及びポートは、そのポートに達した又は機械的に係合した時、そのロボットが自動的に電源接続口に接触するのを可能にするように構成されている。
【0027】
1つの実施形態では、ポートは、ロボット102がそのポートにいる時、自動的に接続又は係合してよいデータインターフェース及びデータコネクターを更に備える。又は、ロボット102は、CPU及び適切なソフトウェアにインターフェースしてロボットが近くのアクセスポイントへの無線ネットワーク接続を確立しそれによりホストコンピュータに到達しデータをアップロード又はダウンロードするのを許す内部無線ネットワーク接続回路を有してもよい。1つの実施形態では、ポートのデータインターフェース又は無線インターフェースを使用して、ロボットポートコンピュータ104は、配達リスト、ロボットの配達の履歴、及びそのロボットと他のコンピュータの間の又はGUIを介して受信した通知を含むデータをロボット102からダウンロードしてもよい。幾つかの例では、ロボットポートコンピュータ104又はホストコンピュータは、例えばソフトウェア最新版、マップ又は施設最新版、及びドアなどの建物特有の特徴を特定するのに使用されるデータを含むデータをロボット102にアップロードしてもよい。幾つかの実施形態では、ポートコンピュータ104又は別のホストコンピュータは、他の環境で動作した他のロボットから得た通り抜けデータを含む、ロボット102が位置している環境以外の環境の環境データをネットワークを介して取得するようにプログラムされる。他の環境は今いる環境と極めて類似していても又は異なってもよい。例えば、今いる環境が、他の地点の他の類似の建物を建てるのに複製された平面図に従って建てられた建物構造体である場合、地理的に離れた他のロボットから得た通り抜けデータは今いる環境の障害物又は特徴を通り過ぎるのを解決するのに関係するかも知れない。また、ロボットポートコンピュータ104は建物内に又はキャンパスに配備されたロボット102間でデータを通信するのに仲介者として働いてもよい。
【0028】
1つの実施形態では、施設アクセスコンピュータ106はロボット102を収容する建物特徴へのアクセスを提供する。施設アクセスコンピュータ106は、ロボット102が命令及びデータで呼び出すようにプログラムされるアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を提供してもよい。これらの命令及びデータはエレベーター及び他の輸送機構を操作するか、電子ドアの動作を要求するか、又は保安センサーを制御するように施設アクセスコンピュータに指示するように構成されている。1つの実施形態では、施設アクセスコンピュータ106は建物内の電子システム、例えばエレベーター、ドアロック、ドア開閉システム、保安センサーなどと通信する。
【0029】
1つの実施形態では、施設コンピュータ108が1つ以上のロボット102に対する管理機能をプログラムされ、操作者がロボットと通信するためのインターフェースを提供する。施設コンピュータ108は自律マップ作成の間にロボット102によりされた要求に応答してもよい。施設コンピュータ108はロボット102を集荷、配達、又は他の仕事に就けてもよい。幾つかの実施形態では、施設コンピュータ108は環境内の一時的な障害物の位置に関するデータを提供してもよい。例はクリスマスの飾り、大群衆、及び仮設物を含む。データは永続的データリポジトリに記憶され、予想される期限切れ日又は有効期限値と関連付けられてもよい。データはWIFI又はロボットポートコンピュータ104を介してロボット102に直接伝達されてよい。
【0030】
1つの実施形態では、図1の遠隔コンピュータ110はロボット102内にないコンピュータから成り、ロボット102が配備された建物又はキャンパス内に位置していない。遠隔コンピュータ110はロボット102に外部情報源からのデータ(例は天気データ、ニュース、及び一般の人が関心のある話を含む)、又はロボット102により使用されるデータを提供する他の源からのデータを伝達してもよい。幾つかの例では、遠隔コンピュータ110は、配達を手配したユーザーの個人用電子装置であっても又はそれと通信してもよい。そのような例では、遠隔コンピュータ110はショート・メッセージ・サービス(SMS)サーバー又はマルチメディア・メッセージ・サービス(MMS)サーバーであってもよい。
【0031】
3. 垂直構造体
1つの実施形態では、ロボット102は、記憶されたプログラムコンピュータ制御下にあるサーボ、線形アクチュエータ、又は他の電気機械装置を使用して異なる垂直高さに上げ下げされてよい外部の垂直構造体を備える。1つの実施形態では、垂直構造体は垂直直線方向に1自由度と受動的な第2動き度とを有する。即ち、垂直構造体はロボットと共に移動し回転するが、ロボットから独立して他の方向に移動も回転もしない。他の実施形態では、垂直構造体はロボットから独立して移動又は回転してもよい。例えば、垂直構造体は上下移動してよく、また、垂直構造体が完全に延ばされると、垂直構造体はその場で回転してもよい。
【0032】
1つの実施形態では、ロボット102は垂直構造体をプログラム制御下ですばやく上げ下げするように構成されている。例えば、垂直構造体は10秒以内に完全に延ばされてよい。
【0033】
1つの実施形態では、垂直構造体はロボット102と一体化される。垂直構造体はロボット102の上部から上方へ延び、ロボット102内に引っ込んでもよい。幾つかの実施形態では、垂直構造体は引っ込められた時、外見上見えない。例えば、ロボット102は、ロボット102が垂直構造体を延ばす時に開けられる蓋又はカバーを備えてもよい。加えて又は或いは、垂直構造体はロボット102の外面に結合されてもよい。
【0034】
1つの実施形態では、垂直構造体はロボット102の背面近くに位置する。他の実施形態では、垂直構造体はロボット102の他の側面に位置してもよい。加えて又は或いは、垂直構造体は延ばされた時、ロボット102のどのセンサーも遮らないように配置されてよい。加えて又は或いは、垂直構造体はロボットのどの収納室の開閉も妨げないし収納室がアクセスされるのを阻止することもないように配置される。
【0035】
1つの実施形態では、ロボットから外方へ向いた垂直構造体の背面は押す要素を備える。押す要素は垂直構造体に垂直で地面に平行である。1つの実施形態では、押す要素は固定された姿勢にある。加えて又は或いは、押す要素はヒンジ付きで、使用しない時、垂直構造体に当接し平らに折り畳まれるか又は垂直構造体内に引っ込められる。その垂直構造体を延ばすことは、その押す要素を外方へ垂直姿勢に延ばすことを含んでもよい。加えて又は或いは、垂直姿勢に延ばされた時、押す要素は水平に横方向に動いてもよい。
【0036】
図5A及び図5Bは下げた位置にある垂直構造体500を例示する。図5Aは垂直構造体500の背面等角斜視図を示す。図5Bは垂直構造体500の前面等角斜視図を示す。前面等角斜視図は基部502に結合された垂直構造体前面504を描き、背面等角斜視図は基部502に結合された垂直構造体背面506を描く。垂直構造体500は、垂直構造体500をロボット102などのロボットに取り付けるための1つ以上の取り付け機構508と、垂直構造体500を上げ下げするための持ち上げ機構510とを備える。また、垂直構造体500はボタン押し要素512を備える。図5Aでは、ボタン押し要素は垂直姿勢に延ばされている。図5A及び図5Bに示す実施形態では、ボタン押し要素512はボタン押し要素ヒンジ514を使用して垂直姿勢に延ばされている。他の実施形態では、他の機構がボタン押し要素512を外方へ延ばすため及び/又はボタン押し要素512を回転させるために使用されてもよい
図6A及び図6Bは上げた位置にある垂直構造体500を例示する。図6Aは垂直構造体500の背面等角斜視図を示す。図6Bは垂直構造体500の前面等角斜視図を示す。前面等角斜視図は基部502に結合された垂直構造体前面504、垂直構造体500を上げ下げするための持ち上げ機構510、垂直構造体500をロボットに取り付けるための取り付け機構508、及びボタン押し要素512を描く。背面等角斜視図は基部502に結合された垂直構造体背面506、垂直構造体500を上げ下げするための持ち上げ機構510、垂直構造体500をロボットに取り付けるための取り付け機構508、及びボタン押し要素512を描く。例示した実施形態では、垂直構造体500は持ち上げ機構510を基部502から外方へ延ばすことで上げられる。
【0037】
図7はボタン押し要素512の等角斜視図を示す。ボタン押し要素512は垂直面500からボタン押し要素ヒンジ514により垂直に延ばされる。例示した実施形態では、ボタン押し要素512はその先端にボタン押し機構702を含む。ボタン押し機構702は、ボタンを押した時、ボタンと接続するボタン押し要素512の一部であってもよい。ボタン押し要素及び/又は垂直面をボタンと整列させることは、延ばした位置又は予想される延ばした位置にあるボタン押し機構をボタンと整列させることを含んでもよい。
【0038】
図8A及び図8Bはロボットに結合された垂直構造体であって、下げた又は「しまわれた」位置にある垂直構造体を例示する。図8A及び図8Bにおいて、垂直構造体500は取り付け機構508を使ってロボット102に結合される。図8Aでは、ボタン押し要素512は垂直面500から垂直に延ばされている。図8Bでは、ボタン押し要素512は垂直面500に当接し平らに折り畳まれ「しまわれた」位置にある。
【0039】
図9はロボットに結合された垂直構造体であって、上げた又は「配備された」位置にある垂直構造体を例示する。例示した実施形態では、垂直構造体500は、持ち上げ機構510を基部502から外方へ延ばすことで上げられる。
【0040】
1つの実施形態では、ロボットに面する垂直構造体の前面である垂直構造体前面504はグラフィカル表示画面を備える。表示画面は通知又は他の内容をユーザーに表示するために使用されてもよい。表示画面はロボットの他の表示器、タッチスクリーン、及び入力装置と共に動作してもよい。表示画面は文字列、画像、音声、映像などを提供してよい。例えば、表示画面はロボットの仕事、ロボットの状態、建物パラメータ、グローバル待ち行列詳細、医薬品情報、供給案出者、ロボット又はペイロード指示などについての情報を表示してもよい。加えて又は或いは、垂直構造体の前面は追加の入力又は出力装置、例えば1つ以上のスピーカー、マイクロフォン、カメラなどを備えてもよい。表示画面はテレビ会議又はテレプレゼンス、例えば人仲介又は自動言語翻訳サービス、遠隔医師又は薬剤師診察などに使用されてもよい。
【0041】
図10は表示パネル1004、カメラ1006、及びマイクロフォン1008を備える一例の垂直構造体の前面を示す。表示パネル1004、カメラ1006、及びマイクロフォン1008は、垂直構造体500が下げられた位置にある時、隠され、垂直構造体500が上げられた位置にある時、見え及び/又は動作してもよい。
【0042】
垂直構造体の利点は、低減された自由度がパネルに一体化されたボタン押し機構の複雑さを低減することである。ロボットアームの代わりに垂直構造体を含むロボットは、製造費用が低減されより簡単な機構を有する。また、垂直構造体はロボットの全体形状及びサイズに最小限に影響する。垂直構造体がボタンを押すために延ばされた時でも、ロボットの専有面積は変わらない。
【0043】
4. ロボットボタン押し
1つの実施形態では、ロボット102はロボットの1つ以上のセンサーを使用してボタンパネルの1つ以上のボタンを特定するようにプログラム又は構成される。本書で述べるように、ボタンパネルは1つ以上のボタンを備える。ボタンパネルは1つ以上のボタンを囲う物理的パネル、縁飾り、又は面板を備えてもよい。また、ボタンパネルが複数のボタンを備える場合、複数のボタンは行と列に配列されてもよい。
【0044】
1つの実施形態では、ロボットは建物の1つ以上のボタンパネルについてボタン位置を特定するように訓練される。ロボット102は各ボタンパネルのマップを生成し記憶する。そのマップはボタンパネル内の各ボタンの位置を示してもよい。また、そのマップはボタンパネルの位置を示してもよい。ロボット102は搭載されたメモリにマップを記憶しても、又はマップをロボット102がアクセスできる記憶装置、例えばロボットポートコンピュータ104又は他のホストコンピュータに送信してもよい。
【0045】
1つの実施形態では、ボタンパネルのマップを生成することは、ロボット102がそのボタンパネルの位置へ物理的に通り抜けることを含む。ロボットは、到着後にボタンパネルの位置及び方向をロボットに指し示す人操作者に追従してもよい。加えて又は或いは、ロボット102はボタンパネルの位置を示す指示を受信してもよい。その位置に到着後、ロボットはその場で回転し1つ以上のセンサーを使用してボタンパネルの方向を見つけてもよい。ロボット102はロボットの1つ以上のセンサーを使用してボタンパネルについて記述するデータを集め記憶してもよい。例えば、ロボット102はボタンパネルの画像を取り込み、その画像内でそのパネル上の1つ以上のボタンの位置を特定してもよい。
【0046】
加えて又は或いは、ロボット102はロボットが読めるマップを使って建物内を自律的に慎重に進んでもよい。マップは建物内の1つ以上のエレベーターの位置を示すラベルを含んでもよい。ロボット102は各エレベーターの位置へ物理的に進み、1つ以上のボタンパネルの位置を特定し、ロボットの1つ以上のセンサーを使用して各ボタンパネルについて記述するデータを集め記憶してもよい。
【0047】
1つの実施形態では、ロボット102はボタンパネルを描くデジタル画像を受信してもよい。デジタル画像はボタンパネル上の各ボタンの位置を示すラベルを含んでもよい。また、ロボットは画像に描かれたボタンパネルの位置を示すデータを受信してもよい。或いは、ロボット102はデジタル画像を解析し画像に描かれた1つ以上のボタンを特定するように構成又はプログラムされてもよい。ロボット102は各ボタンの位置を示すデータをロボットのメモリ又は他の記憶装置に記憶してもよい。
【0048】
1つの実施形態では、ロボット102はボタンパネルの1つ以上のボタンをエレベーターの空間形状寸法に基づいて特定してもよい。例えば、ロボット102はロボットの1つ以上のセンサーを使用してボタンパネルの位置を特定してもよい。ボタンパネルのボタンの数に基づいてロボットは所望のボタンの位置を計算してもよい。
【0049】
加えて又は或いは、ロボット102は1つ以上の記憶された規則を使用してボタン位置を特定するようにプログラム又は構成されてもよい。例えば、アメリカ障害者法(ADA)はエレベーターボタン及びボタンパネルの位置及び/又は配置を規格化する順守事項を規定する。例えば、ADA順守事項はボタンが配置されてよい最小及び最大高さを指定する。ロボット102はこれらの規則を使用してボタン又はボタンパネルを探す領域を限定してもよい。
【0050】
別の例として、階番号ボタンは昇順に配置され、最も高い階番号が最も上にある。階番号ボタンが列に分けられるなら、列は左から右に読まれる。即ち、パネルが4つの列を有する場合、番号の最下行は左から右に「1」、「2」、「3」、「4」と読めるであろう。第2行は「5」、「6」、「7」、「8」と読めるであろう。以下同様。また、エレベーター番号ボタンは通常均等に間隔をあけられる。ロボット102はボタンの構成及び間隔を特定した後、その情報を使用してどの階番号ボタンの位置も計算できる。
【0051】
5. 一例のエレベーター操作
図2はある実施形態に係るエレベーターを操作し慎重に進むためにロボットにプログラムされてよい一例のプロセスのフローチャートである。1つの実施形態では、ロボット102は、1つ以上のエレベーターに到着した後すぐ、記憶されたプログラム実行プロセス200を実行する。ロボット102はエレベーターに乗って特定の階へ行くことを含む経路を進行してよい。プロセス200の実行中、ロボット102はエレベーターを呼び乗って特定の階へ移動する。
【0052】
動作202では、ロボットはロボットの1つ以上のセンサーを使用してエレベーターの近くで誰か利用可能かを判断する。例えば、エレベーターロビーにいる間、ロボット102はその場で回転し、1つ以上のカメラを使って誰かがエレベーターロビーにいるかを調べてもよい。
【0053】
少なくとも1人が利用可能であれば、動作204では、ロボットはその人に支援を要請する。1つの実施形態では、複数の人が利用可能であれば、ロボット102は特定の人を選択しその特定の人に支援を要請しその人の方に向いてもよい。加えて又は或いは、ロボット102は最も多くの人の方向を特定しその方向に向いてもよい。
【0054】
1つの実施形態では、ロボット102はロボット102の表示器、例えばタッチスクリーン又は垂直構造体の前面にメッセージを表示することで支援を要請する。そのメッセージはロボットが行こうとしている特定の階を示し、その人に適切なエレベーターボタンを押すように要請する。例えば、ロボット102はメッセージ「私が10階に着けるよう手伝って下さい」を表示してもよい。
【0055】
加えて又は或いは、ロボット102はロボットの1つ以上のスピーカーから音を鳴らすことで支援を要請する。1つの実施形態では、ロボット102は警報音を鳴らす。その音はロボットの近くの人々にロボットが表示するメッセージを見るよう知らせるかも知れない。加えて又は或いは、ロボット102はメッセージ要請支援を行う。そのメッセージはロボットが行こうとしている特定の階を示してよい。例えば、ロボット102はメッセージ「私が10階に着けるよう手伝って下さい」を流してもよい。
【0056】
誰も利用可能でなければ、動作206では、ロボットはエレベーター呼び出しボタンを特定し押す。1つの実施形態では、ロボット102はボタンパネルへ進みボタンパネルの前に自身を位置合わせする。加えて又は或いは、ロボット102は壁から短い距離、例えば2~3cmに自身を配置してもよい。
【0057】
1つの実施形態では、ボタンを押すために、ロボット102は垂直構造体がボタンパネルに面するまで回転する。ロボット102は、押し要素が所望のボタンの高さになるまで垂直構造体を上昇又は下降させる。ロボットはボタンに向かって移動し、押し要素に適切な力、例えば人がボタンを押すのに作用させるであろう量の力をボタンに作用させる。加えて又は或いは、ロボット102は特定の距離移動するように構成されてもよい。例えば、ロボット102は、初め壁から2cmに位置している場合、2cm移動しボタンを押すように構成されてもよい。
【0058】
動作208では、ボタンを押した又は人にボタンを押すよう依頼した後、ロボットはエレベーターが着くのを待つ。1つの実施形態では、ロボット102はエレベーターを待つポーズへ進み、エレベータードアが開くのを待つ。本書で述べるように、エレベーターポーズは、ロボットが次の行動を待つためにそこに進むようにプログラム又は構成される画定された領域を表す。この画定された領域はエレベータードアの隣又は近くの領域であってよい。加えて又は或いは、ロボットはその領域内の空きスペースを選択してもよい。
【0059】
1つの実施形態では、たった1つのエレベーターがある場合、ロボット102はそのエレベータードアの前の領域へ進む。複数のエレベーターがその領域内にある場合、ロボット102は複数のエレベーターの中央位置を選択する。加えて又は或いは、ロボット102はロボットの1つ以上のセンサーを使用してどのエレベーターが呼び出しに答えているかを判断し到着するエレベーターの前の領域へ進む。
【0060】
1つの実施形態では、その領域に1人以上いる場合、ロボット102は彼らのポーズを分析してどのエレベーターが到着する予定かを判断してもよい。例えば、複数の人が特定のエレベータードアに対面している場合、ロボット102はその特定のエレベーターが到着予定のエレベーターであると仮定してもよい。
【0061】
1つの実施形態では、ロボット102は特定のエレベーターの表示灯がオンか否かを検出してもよい。1つの灯が各エレベーターのドアに又は近くに配置されてもよい。その灯はエレベーターがその階に停止する予定であることを示すために点灯してもよい。また、その灯はエレベーターが上昇しているか下降しているかを示してもよい。ロボット102は自身が行こうとしている特定の階がより高い階かより低い階かを判断してもよく、表示灯に基づいてエレベーターが所望の方向に移動しているかを判断してもよい。
【0062】
1つの実施形態では、ロボット102はマイクロフォンの配列を備えてもよい。ロボット102はマイクロフォンの配列を使って特定のエレベーターが到着しかけていることを示す音を検出してもよい。例えば、ロボット102は右のエレベーターが移動しているとエレベーターが移動する音の検出に基づいて判断してもよい。また、各エレベーターは到着しかけている時、音声信号を生成してもよい。エレベーターは上昇していると示すために一度、下降していると示すために二度信号を発してもよい。或いは、エレベーターは進行方向を示すメッセージを流してもよい。
【0063】
1つの実施形態では、ロボット102はロボットの1つ以上のセンサーを使用してエレベータードアが開いているかを判断してもよい。例えば、ロボット102はエレベーターに面しカメラを使ってドアが開いているかを検出してもよい。ロボット102が複数のカメラを有している場合、複数のエレベーターを追跡してもよい。
【0064】
加えて又は或いは、ロボット102は追跡する複数のエレベーターのうち特定のエレベーターを選択してもよい。選択はランダム又は疑似ランダムに行われてもよい。即ち、ロボット102はエレベーターのボタンを押し、特定のエレベーターを選択し、ドアが開かないなら時間により打ち切って再び押してもよい。
【0065】
エレベーターが到着すると、動作210では、ロボットはエレベーターに乗り込む。1つの実施形態では、ロボット102は、エレベータードアが閉まる前にエレベーターに完全に入るようにエレベータードアが開いた後直ぐエレベーターに乗るようにプログラム又は構成される。1つの実施形態では、ロボット102は、エレベーターが到着するのを待つ間、自身の位置からエレベータードアまでの経路を計算する。ロボット102が、エレベーターが到着したことを検出すると、ロボット102は予め計算した経路を進みエレベーターに乗る。
【0066】
ロボット102は、エレベーターに乗った後、空きスペースへ進み回転してエレベータードアに面する。1つの実施形態では、ロボットはエレベーター内のエレベーターを待つポーズへ進む。
【0067】
動作212では、ロボットはロボットの1つ以上のセンサーを使用してエレベーター内で誰か利用可能かを判断する。1つの実施形態では、ロボット102は空きスペースへ進みエレベータードアの方へ回転する間に、動作212を実行する。例えば、ロボットは回転しながら、カメラを使って誰か周りに立っているかを判断してもよい。
【0068】
1人が利用可能ならば、動作214でロボットは支援を要請する。1つの実施形態では、ロボット102はロボット102の表示器、例えばタッチスクリーン又は垂直構造体の前面にメッセージを表示することで支援を要請する。そのメッセージはロボットが行こうとしている特定の階を示し、その人に適切なエレベーターボタンを押すように要請する。例えば、ロボット102はメッセージ「私が10階に着けるよう手伝って下さい」を表示してもよい。
【0069】
加えて又は或いは、ロボット102はロボットの1つ以上のスピーカーから音を鳴らすことで支援を要請する。1つの実施形態では、ロボット102は警報音を鳴らす。その音はロボットの近くの人々にロボットが表示するメッセージを見るよう知らせるかも知れない。加えて又は或いは、ロボット102はメッセージ要請支援を行う。そのメッセージはロボットが行こうとしている特定の階を示してよい。例えば、ロボット102はメッセージ「私が10階に着けるよう手伝って下さい」を流してもよい。
【0070】
誰も利用可能でなければ、動作216では、ロボットはボタンパネルへ進みその特定の階の階ボタンを押す。1つの実施形態では、ロボット102はボタンパネルへ進みボタンパネルの前に自身を位置合わせする。そのボタンパネルが複数の列を備えているならば、ロボット102は特定の階のボタンを含む列を見つける。加えて又は或いは、ロボット102は壁から短い距離、例えば2~3cmに自身を配置してもよい。
【0071】
1つの実施形態では、ボタンを押すために、ロボット102は垂直構造体がボタンパネルに面するまで回転する。ロボット102は、押し要素が所望のボタンの高さになるまで垂直構造体を上昇又は下降させる。ロボットはボタンに向かって移動し、押し要素に適切な力、例えば人がボタンを押すのに作用させるであろう量の力をボタンに作用させる。加えて又は或いは、ロボット102は特定の距離移動するように構成されてもよい。例えば、ロボット102は、初め壁から2cmに位置している場合、2cm移動しボタンを押すように構成されてもよい。
【0072】
動作218では、ロボットはエレベーターがその特定の階に着くのを待つ。1つの実施形態では、ロボット102はエレベーターを出るポーズへ進む。エレベーターを出るポーズは、ロボットが、エレベータードアが開くのを待つためにそこに進む画定された領域であってよい。人がその領域にいる場合は、ロボットはその領域内又は近くの空きスペースに進んでもよい。加えて又は或いは、エレベーターを出るポーズは、ロボットが次の行動を待つためにそこに進む画定された領域であってもよい。1つの実施形態では、その行動はエレベーターと通信し次の目的地へ進むためにエレベータードア保持を解放することを含む。その目的地はエレベーターの通常の制御器動作により決められてよい。加えて又は或いは、その行動は他の装置又はネットワーク、例えば遠隔測定又はビデオ装置への通信を再確立することを含んでもよい。
【0073】
1つの実施形態では、ロボット102はロボットの1つ以上のセンサーを使用してエレベータードアが開いているかを判断してもよい。例えば、ロボット102はエレベーターに面しカメラを使ってドアが開いているかを検出してもよい。エレベータードアが開くと、ロボット102はロボットの1つ以上のセンサーを使用して正しい階にいるかを判断する。例えば、ロボット102は高度計又は気圧計を使用して見積られた階番号を計算してもよい。別の例として、ロボット102はマイクロフォンを使ってエレベーターが階番号を含むアナウンスを流すかを検出しても又はカメラを使って階表示器に表示された番号を特定してもよい。
【0074】
動作220では、ロボットはエレベーターを出る。1つの実施形態では、ロボット102は、エレベータードアが閉まる前にエレベーターを完全に出るようにエレベータードアが開いた後直ぐエレベーターを出るようにプログラム又は構成される。1つの実施形態では、ロボット102は、エレベーターがその特定の階に到着するのを待つ間、自身の位置からエレベータードアまでの経路を計算する。ロボット102がエレベーターがその特定の階に到着したことを検出すると、ロボット102は予め計算した経路を進みエレベーターを出る。
【0075】
1つの実施形態では、ロボット102はエレベーターを出た後、正しい階に着いたことを検証する。ロボット102はロボットの1つ以上のセンサーを使用して正しい階にいるかを判断する。例えば、ロボット102は高度計又は気圧計を使用して見積られた階番号を計算してもよい。別の例として、ロボット102は1つ以上のカメラを使って階番号がエレベーターの近くに表示されているかを検出してもよい。ロボット102が間違った階にいると判断すると、プロセス200を再度実行して正しい階に到着してもよい。
【0076】
6. 移動式売店及びテレプレゼンス機能
1つの実施形態では、垂直構造体の前面はテレプレゼンス又はデータ機能のための表示器を提供してもよい。この表示器はスクリーン、カメラ、マイクロフォン、スピーカー、又はそれらの組合せを含んでよい。また、この表示器はロボット102の他の表示器及び入力装置と一体化されてもよい。例えば、垂直構造体のスクリーンはプログラム制御下で生成されメッセージを通信するグラフィカル・ユーザーインターフェース(GUI)を表示するのに使用されてもよい。ロボットのタッチスクリーンは、GUIへの入力を提供し指示又は応答をロボットに提供するために使用されてもよい。
【0077】
1つの実施形態では、垂直構造体の表示器は情報を表示するための柔軟にサイズを変えられるスクリーンを提供する。このスクリーンはロボット102の他の表示器より大きくかつより見易いかも知れない。例えば、ロボット102が動いている間又は同乗者がいる時のエレベーターボタン押しの間、垂直構造体はより見易いかも知れない。垂直構造体は搭乗者がボタンを押すよう要請を表示しても、又は自律的行動又は計画の詳細を行動又は計画を実行しながら同乗者に提供してもよい。別の例として、垂直構造体は、ロボットの他の表示器を見られる所に位置していない人、例えばロボットが医薬品などの配達物を持って到着した時に病院ベッドに横たわる患者にとってより見易いかも知れない。
【0078】
スクリーンはロボットが実行している仕事に関連する情報、例えばロボットの目的地、ロボットにより輸送されている1つ以上の物体、そのロボット又は一群の他のロボットの状態を表示するのに使用されてもよい。
【0079】
1つの実施形態では、垂直構造体の表示器は、ロボット102を使用する移動式売店機能を提供するのに使用されてもよい。垂直構造体のスクリーンは、文書、写真、映像、メニューなどの情報を提供するのに使用されてもよい。タッチスクリーンは垂直構造体上に表示された情報と対話するのに使用されてもよい。例えば、ユーザーは表示する追加の情報を選択し、文書に署名又はスクロールし、メニュー項目を選択するなどしてもよい。
【0080】
例えば、ロボット102は移動式行商売店であってもよい。ロボット102の1つ以上の収納室が品物を収納してもよい。タッチスクリーンが顧客から選択を受け取り、支払情報を受け取る一方、品物の選択が垂直構造体上に提示されてもよい。ロボットは次に収納室のロックを解除して選択された品物を提供してよい。
【0081】
別の例として、ロボット102は移動式情報売店であってもよい。例えば、ロボット102は病院内の患者の部屋に行き患者退院許可書を提供しても、又は空港ゲート間を動きまわり旅行者がフライト情報を調べるか、免税品を物色するか、又は食べ物を注文するのを許してもよい。
【0082】
1つの実施形態では、垂直構造体の表示器は、テレプレゼンス機能を提供するのに使用されてもよい。垂直構造体はビデオ通話時受信した映像を表示してもよい。また、垂直構造体は映像を取り込みビデオ通話のために送信するカメラを含んでもよい。ロボットのタッチスクリーンはテレプレゼンス会議に制御を提供するのに使用されてもよい。
【0083】
例として、遠隔の病院機能提供者はロボット102のテレプレゼンス機能を使用して処方指示を患者に提供してもよい。届け先の病院職員は患者が指示を受けたことを確認しロボット102に収納室を開けるように指示する入力を提供し、患者のための処方箋を取り出してよい。別の例として、テレプレゼンス機能は、遠隔の医師/専門家を提供して診断用機器又は治療法を使用するための説明書であって、ロボットにより運ばれ届け先の事前承認された医療専門家だけがアクセス可能な説明書に関して地方の上級看護師/一般開業医を助ける。加えて又は或いは、テレプレゼンス機能は、異なる言語を話す患者と対話するために遠隔の通訳者をその場所の医師又は看護師に提供する。
【0084】
7. 一例のロボット生成マップ
図3はロボット生成マップの例を示す。限定としてではなく明確な例を示す目的のために、図3は建物のフロアのマップを例示する。
【0085】
1つの実施形態では、マップ500はマップがそれに対して生成されたフロアの注釈502を含む。白い領域504は低いコスト値を持つ画素と関連しロボットが進みうるスペースに対応し、玄関及びより大きな部屋を含む。灰色の領域506はロボットが進みうる領域であって、慎重な進行のコストがより高い領域を含み、より高いコスト値と関連する。これらの領域は、例えばトイレ、小さい部屋又はコーナー、又は雑然とした領域を含んでもよい。黒い線は高い又は無限のコスト値を有し、内壁又は外壁に対応する。エレベーター508はフロア間を移動するのにロボット102により使用されてよい。
【0086】
加えて又は或いは、ロボット生成マップは複数のノード及びエッジを規定するグラフデータを含んでもよい。各ノードはロボットが進みうる位置、例えば玄関又は部屋を表してもよい。各エッジは1つの位置から接続位置へ移動する能力を表してもよい。また、各エッジは1つの位置から接続位置へ移動するコストと関連してもよい。加えて又は或いは、進行のコストが高過ぎるならば、例えば部屋同士が階段により接続されている場合、ロボット生成マップはグラフにそのエッジを含まないかも知れない。
【0087】
加えて又は或いは、ロボット生成マップは環境を記述する他の種類のデータを含んでもよい。例えば、ロボット生成マップは複数のマップ特徴をそれぞれの位置情報と関連付けるデータを含んでもよい。他のマップ例は物体意味マップ及び空きスペースマップを含んでもよい。本書に記載した手法はどんな特定種類のロボット生成マップにも限定されない。
【0088】
8. 実施例、コンピュータハードウェア概要
1つの実施形態によれば、本書に記載した手法は1つ以上の特殊用途コンピュータ装置により実行される。特殊用途コンピュータ装置はそれらの手法を実行するように配線されていても、又はデジタル電子装置、例えば1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)又はそれらの手法を実行するように永続的にプログラムされたフィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)を備えていても、又はファームウェア、メモリ、他の記憶装置、又は組み合わせ内のプログラマ命令群に従ってそれらの手法を実行するようにプログラマされた1つ以上の汎用ハードウェアプロセッサを備えていてもよい。このような特殊用途コンピュータ装置はまた、カスタム配線論理、ASIC、又はFPGAをカスタムプログラムと組み合わせてそれらの手法を実現してもよい。これらの特殊用途コンピュータ装置は卓上コンピュータシステム、携帯コンピュータシステム、ハンドヘルド装置、ネットワーク装置、又は配線接続された及び/又はプログラム論理を内蔵しそれらの手法を実行する任意の他の装置であってもよい。
【0089】
例えば、図4は本発明の1つの実施形態が実施されてよいコンピュータシステム400を示すブロック図である。コンピュータシステム400は、バス402又は情報を通信するための他の通信機構と、情報を処理するためにバス402と結合されたハードウェアプロセッサ404を含む。ハードウェアプロセッサ404は、例えば汎用マイクロプロセッサであってもよい。
【0090】
コンピュータシステム400はまた、バス402に結合され情報及びプロセッサ404が実行する命令群を記憶するためのランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶装置などの主メモリ406を含む。主メモリ406も、プロセッサ404により命令群が実行される間一時的変数又は他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。このような命令群は、プロセッサ404にとってアクセス可能な持続性記憶媒体に記憶されている場合、コンピュータシステム400を命令群に指定された動作を実行するようにカスタマイズされた特殊用途マシンに変える。
【0091】
コンピュータシステム400は読出し専用メモリ(ROM)408又はバス402に結合され静的情報及びプロセッサ404用の命令群を記憶するための他の静的記憶装置を更に含む。記憶装置410、例えば磁気ディスク、光学ディスク、又は半導体ドライブは情報及び命令群を記憶するために設けられバス402に結合される。
【0092】
コンピュータシステム400はバス402を介してコンピュータユーザーに情報を表示するための表示器412、例えば陰極線管(CRT)に結合されてもよい。英数字及び他のキーを含む入力装置414が、情報及びコマンド選択をプロセッサ404に伝えるためにバス402に結合される。別の種類のユーザー入力装置はカーソル制御装置416、例えばマウス、トラックボール、又は方向情報及びコマンド選択をプロセッサ404に伝えるため及び表示器412上のカーソル移動を制御するためのカーソル方向キーである。この入力装置は、通常第1軸(例えば、x)と第2軸(例えば、y)の2軸の2自由度を有し、これはその装置が平面内で位置を指定するのを許す。表示器412はまた、ジェスチャー、タッチ対話、及び他のユーザー対話をプロセッサ404に伝えるためにタッチで使用可能であってもよい。
【0093】
コンピュータシステム400は、カスタム配線論理、1つ以上のASIC又はFPGA、コンピュータシステムと共にコンピュータシステム400を特殊用途マシンになるようにさせる又はプログラムするファームウェア及び/又はプログラム論理を使用して本書に記載された手法を実行してもよい。1つの実施形態によれば、本書の手法は、プロセッサ404が主メモリ406に収容された1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行するのに応答して、コンピュータシステム400により実行される。このような命令群は主メモリ406に別の記憶媒体、例えば記憶装置410から読み込まれてもよい。主メモリ406に収容された命令シーケンスの実行はプロセッサ404に本書に記載されたプロセスステップを実行させる。別の実施形態では、配線回路がソフトウェア命令群の代わりに又はと組み合わせて使用されてもよい。
【0094】
本書で使用する用語「記憶媒体」はデータ及び/又はマシンを特定のやり方で動作させる命令群を記憶する任意の持続性媒体を指す。このような記憶媒体は不揮発性媒体及び/又は揮発性媒体からなってもよい。不揮発性媒体は、例えば記憶装置410などの光学ディスク、磁気ディスク、又は半導体ドライブを含む。揮発性媒体は、主メモリ406などの動的メモリを含む。一般的な形態の記憶媒体は、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、半導体ドライブ、磁気テープ、又は任意の他の磁気データ記憶媒体、CD-ROM、任意の他の光データ記憶媒体、穴のパターンを持つ任意の物理的媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH(登録商標)-EPROM、NVRAM、任意の他のメモリチップ又はカートリッジを含む。
【0095】
記憶媒体は伝送媒体と異なるが、一緒に使用されてもよい。伝送媒体は記憶媒体間の情報の移送に関わる。例えば、伝送媒体は同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバーを含み、バス402を成す配線も含む。伝送媒体はまた、電波及び赤外線データ通信時に発生させるような音波又は光波の形態を取りうる。
【0096】
様々な形態の媒体が1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行のためにプロセッサ404に運ぶのに関わってもよい。例えば、命令群は最初遠隔のコンピュータの磁気ディスク又は半導体ドライブ上に搭載されてもよい。遠隔のコンピュータはその命令群をその動的メモリにロードして命令群を、モデムを使って電話回線を通じて送信できる。コンピュータシステム400のモデムは電話回線上のそのデータを受信し赤外線送信機を使ってそのデータを赤外線信号に変換できる。赤外線検出器は赤外線信号で運ばれるデータを受信でき、適切な回路がそのデータをバス402上に載せうる。バス402はそのデータを主メモリ406に運び、プロセッサ404は主メモリからその命令群を読み出し実行する。主メモリ406が受け取った命令群は、プロセッサ404による実行前か後かに選択肢として記憶装置410上に記憶されてもよい。
【0097】
コンピュータシステム400はまた、バス402に結合された通信インターフェース418を含む。通信インターフェース418はローカルネットワーク422に接続されたネットワークリンク420への双方向データ通信結合を提供する。例えば、通信インターフェース418は総合デジタル通信網(ISDN)カード、ケーブルモデム、衛星モデム、又は対応する種類の電話回線へのデータ通信接続を提供するモデムであってもよい。別の例として、通信インターフェース418は互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードであってもよい。無線リンクも実施されてもよい。任意のそのような実施形態では、通信インターフェース418は、様々な種類の情報を表わすデジタルデータストリームを運ぶ電気信号、電磁信号、又は光信号を送信し受信する。
【0098】
ネットワークリンク420は通常、1つ以上のネットワークを介した他のデータ装置へのデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク420は、ローカルネットワーク422を通じたホストコンピュータ424への接続、又はインターネットサービスプロバイダー(ISP)426によって運営されるデータ機器への接続を提供してもよい。ISP426は、「インターネット」428と通常呼ばれる世界規模のパケットデータ通信網を通じたデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク422及びインターネット428は両方ともデジタルデータストリームを運ぶ電気信号、電磁信号、又は光信号を使用する。様々なネットワークを通る信号と、ネットワークリンク420上で通信インターフェース418を通りデジタルデータをコンピュータシステム400との間で運ぶ信号とは伝送媒体の形態の例である。
【0099】
コンピュータシステム400は、ネットワーク、ネットワークリンク420、及び通信インターフェース418を通じて、メッセージを送信し、プログラムコードを含むデータを受信できる。インターネットの例では、サーバー430は、インターネット428、ISP426、ローカルネットワーク422、及び通信インターフェース418を通じて、アプリケーションプログラムの要求されたコードを送信してもよい。
【0100】
受信されたコードは、受信されながらプロセッサ404によって実行されても、及び/又は、後で実行するために記憶410又は他の不揮発性記憶装置に記憶されてもよい。
【0101】
上記明細書において、本発明の実施形態を実施形態間で異なってよい多数の具体的詳細を参照しながら説明した。従って、本明細書及び図面は限定の意味でなく例示の意味で理解されるべきである。本発明の範囲の唯一かつ排他的指標と本発明の範囲であると本出願人が意図するものとは、本出願が提示する一組の請求項であって、そのような請求項が提示された特定の形態の一組の請求項の逐語的及び等価の範囲であり、どんな後の訂正も含む。
【符号の説明】
【0102】
100 ネットワーク接続環境
102 ロボット
104 ロボットポートコンピュータ
106 施設アクセスコンピュータ
108 施設コンピュータ
110 遠隔コンピュータ
402 バス
404 プロセッサ
406 主メモリ
410 記憶装置
412 表示器
414 入力装置
416 カーソル制御装置
418 通信インターフェース
420 ネットワークリンク
422 ローカルネットワーク
424 ホスト
428 インターネット
430 サーバー
500 垂直構造体
502 垂直構造体基部
504 垂直構造体前面
506 垂直構造体背面
508 取り付け機構
510 持ち上げ機構
512 ボタン押し要素
514 ボタン押し要素ヒンジ
702 ボタン押し機構
1004 表示パネル
1006 カメラ
1008 マイクロフォン
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10
【外国語明細書】