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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022050986
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】屋内用間仕切り装置
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20220324BHJP
【FI】
E04B2/74 561M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020157208
(22)【出願日】2020-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】513160822
【氏名又は名称】中川 榮久
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】中川 榮久
(57)【要約】
【課題】部屋全体を簡単に仕切ることができる間仕切りを提供することを目的とする。
【解決手段】部屋X内部の壁面Wに設けられる複数の結合部11と、複数の結合部11に取着し、その間に架設される線状のかけ渡し部材12と、かけ渡し部材12に取り付けられる間仕切り部材13と、を備えることによる。なお、好ましくは、かけ渡し部材12が複数設けられ、かけ渡し部12同士が交差する交差部Pには、交差した状態にあるかけ渡し部材12を篏合して固定する結節部材14を含むことが望ましく、結節部材14は、床面から突設して設けられた柱部材142を含むことがさらに望ましい。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋内部の壁面に設けられる複数の結合部と、
前記複数の結合部に取着し、その間に架設される線状のかけ渡し部材と、
前記かけ渡し部材に取り付けられる間仕切り部材と、を備えた、間仕切り装置。
【請求項2】
前記かけ渡し部材は複数設けられ、前記かけ渡し部材同士が交差する交差部を有する請求項1に記載の間仕切り装置。
【請求項3】
前記交差部は、交差した状態の前記かけ渡し部材を篏合する結節部材を含む請求項2に記載の間仕切り装置。
【請求項4】
前記結節部材は、床面から突設して設けられた柱部材を含む請求項3に記載の間仕切り装置。
【請求項5】
前記交差部において、前記かけ渡し部材が直角に交差する請求項2~4の何れかに記載の間仕切り装置。
【請求項6】
前記間仕切り部材は、仕切り度合いを調整可能に構成する請求項1~5の何れかに記載の間仕切り装置。
【請求項7】
前記間仕切り部材は、抗菌性を有する請求項1~6の何れかに記載の間仕切り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内に設置される間仕切りに関する。
【背景技術】
【0002】
わが国で台風や地震などの災害が起こったときには、避難場所として公民館や学校などの公共施設が用いられる。その際、避難者は大部屋や体育館へ誘導され、そこにおいて共同での生活を強いられることとなる。
【0003】
そのような空間では、自分の生活が常に誰かに見られうる状況となる。これにより、個人のプライバシーがなくなり、避難者のストレスを増大させる原因となっていた。
【0004】
また、屋内に大人数でいる状況は好ましくなく、何も対策がされていない避難所内においては、感染症が蔓延しかねない危険な状態となっていた。
【0005】
このような状況を改善するためには、屋内に仕切りを設けることが望ましく、このような技術思想をもつ発明は、例えば特許文献1に記載されている。
特許文献1には、壁面から枠体を吊り下げ、その枠体にシートを吊り下げることによって、居住空間を定める、簡易な間仕切りが記載されており、これによって避難所内にプライバシーを保つ空間を設けることができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-63864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の発明にあっては、部屋の内部に十分な高さがなければ発明を実施することができず、また、吊り下げる部材も高い位置に固定しなければならないため、設置のために苦労するという問題があった。
【0008】
また、特許文献1の発明にあっては、部屋の壁沿いでなければ設置することができず、大空間における使用であっても中央部の広いスペースを利用することができないという問題もあった。
【0009】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、部屋全体を簡便に仕切ることができる間仕切り装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明は、部屋内部の壁面に設けられる複数の結合部と、前記複数の結合部に取着し、その間に架設される線状のかけ渡し部材と、前記かけ渡し部材に取り付けられる間仕切り部材と、を備えた、間仕切り装置である。
【0011】
このような構成にすることによって前記結合部に取着するだけで容易に取り付けが可能となり、壁面沿いに限らず、部屋全体を前記間仕切り部材で仕切ることができるようになる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記かけ渡し部材は複数設けられ、前記かけ渡し部材同士が交差する交差部を有する。
【0013】
このような構成にすることによって、前記仕切り部材を複数箇所に設けることが可能となり、複数の仕切られた空間を設けることができるようになる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記交差部は、交差した状態の前記かけ渡し部材を篏合する結節部材を含む。
【0015】
このような構成にすることによって、前記交差部の位置関係が固定され、ずれにくくなる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記結節部材は、床面から突設して設けられた柱部材を含む。
【0017】
このような構成にすることによって、仕切り部材の位置関係をより明確に示すことができるようになるとともに、かけ渡し部材の自重や仕切り部材の吊り下げによるかけ渡し部材の降下を抑制することができるようになる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記交差部において、前記かけ渡し部材が直角に交差する。
【0019】
このような構成にすることによって、部屋全体を効率的に仕切ることができるようになる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記間仕切り部は、仕切り度合いを調整可能に構成する。
【0021】
このような構成にすることによって、個々の仕切られた空間への出入りが容易になる。また、適宜換気を行うことができるようになる。
【0022】
本発明の好ましい形態では、前記間仕切り部は、抗菌性を有する。
【0023】
このような構成にすることによって、屋内における感染症のリスクを低減することができるようになる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、部屋全体を簡単に仕切ることができる間仕切り装置を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第一の実施形態に係る、部屋全体の斜視図である。
図2】本発明が第一の実施形態に係る、部屋全体の上面図である。
図3】本発明の第一の実施形態に係る、固定部の拡大斜視図である。
図4】本発明の第一の実施形態に係る、二本の柱部材とその間の説明図である。
図5】本発明の第一の実施形態に係る、結節部材の説明図である。
図6】本発明の第一の実施形態に係る、かけ渡し部材と仕切り部材の結合部の説明図である。
図7】本発明の第二の実施形態に係る、かけ渡し部材と仕切り部材の結合部の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を用いて、本発明の各実施形態に係る間仕切り装置について説明する。
なお、以下に示す各実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の各実施形態に限定するものではない。
また、これらの図において、符号Xは、部屋を、符号1は、間仕切り装置本体を、それぞれ示す。
【0027】
《第一の実施形態》
以下、図1図6を用いて、本発明の第一の実施形態に係る間仕切り装置本体1について説明を行う。
【0028】
図1は、間仕切り装置本体1が、部屋Xに設置された状態における、間仕切り装置本体1全体の斜視図を表している。
ここにおいて、天井と、後述する第二壁面W2及び第四壁面W4と、が図示されていないことに留意されたい。
【0029】
図2は、間仕切り装置本体1が、部屋Xに設置された状態における、間仕切り装置本体1全体の上面図を表している。
【0030】
図1及び図2に示すように、間仕切り装置本体1は、部屋Xに設けられ、部屋X内部の壁面Wに設けられる複数の結合部11と、結合部11に取着し、その間に架設される線状のかけ渡し部材12と、かけ渡し部材12に取り付けられる間仕切り部材13と、を備えている。
【0031】
また、本実施形態において、かけ渡し部材12は直交した状態で複数設けられる。そのため、かけ渡し部材12同士が交差する交差部Pが複数発生し、交差部Pにあたる部分には、結節部材14がそれぞれ設けられている。
【0032】
ここでは、部屋Xを略直方体である学校の体育館として想定している。部屋Xは、上方から見て短辺にあたる部分に、第一壁面W1および第二壁面W2を有しており、長辺にあたる部分に第三壁面W3および第四壁面W4を有している。
【0033】
また、部屋Xは、床面X1と、第一壁面W1に連接されたステージX2と、出入口X4を有しており、ステージX2の高さは、床面X1よりも高く、また、両脇には待機室X3が設けられており、待機室X3には、それぞれに扉X31が設けられている。したがって、第一壁面W1には、ステージX2と連接したステージ壁面W11と、待機室壁面W12が含まれている。
【0034】
なお、部屋Xは武道場や、音楽ホール等、ある程度の大きさを有する建物でもよく、また、建物でなくとも屋内の空間であればどのような空間であってもよい。
【0035】
結合部11は、部屋Xの有する4つの壁面それぞれにおいて、床面X1から略同一の高さに6つずつ、等間隔に設けられている。
【0036】
また、第一壁面W1から、第一壁面W1と対向する第二壁面W2に向かって、それぞれの結合部11同士の間を最短距離でかけ渡すかけ渡し部材12が設けられている。
同様に、第三壁面W3から、第三壁面W3と対向する第四壁面W4に向かって、それぞれの結合部11同士の間を最短距離でかけ渡すかけ渡し部材12が設けられている。
【0037】
特に、第一壁面W1には、ステージ壁面W11に、等間隔に4つの結合部11が設けられており、両側の待機室壁面W12においても、隣接する結合部11と同様の間隔となるように、それぞれ一つずつ結合部11が設けられている。
なお、結合部11は、扉X31や、出入口X4に設けないことが好ましい。扉X31の付近の待機室壁面W12や、出入口X4の上方の第四壁面W4に設けられていることが好ましい。
【0038】
なお、かけ渡し部材12の一端と、結合部11と、の間には、後述する長さ調整部112が設けられており、他端は長さ調整部112を経ずに結合部11と結合している。
【0039】
図3は、使用状態における結合部11の拡大斜視図であり、結合部本体111と、かけ渡し部材12と、が、手動で長さ変更可能な長さ調整部112を介して結合される様子が示されている。
【0040】
結合部本体111は、壁面Wの内部に螺着して設けられた略環状の部材であり、鉄やステンレス等の頑丈な素材により形成されていることが好ましい。
【0041】
かけ渡し部材12は、結合部11同士をかけ渡す索状体121と、索状体121の両端部に連接して設けられる環122と、を有する。なお、索状体121には、ワイヤーや、ロープや、モノフィラメントの化学繊維を用いることが想定される。
また、環122は、索状体121に端末処理を施すことによって得ることができる。
【0042】
かけ渡し部材12は、対向する二つの壁面の間隔と略同一長さである。本実施形態におけるかけ渡し部材は、ステージ壁面W11から第二壁面W2の間の距離と略同一の長さのものが4本と、待機室壁面W12から第二壁面W2間の距離と略同一長さのものが2本と、第三壁面W3から第四壁面W4間の距離と略同一長さのものが6本と、によって構成される。
【0043】
長さ調整部112は、いわゆるターンバックルであり、ネジの回転方向が異なる二つのフック付きボルトと、両ボルトに螺着されるナットと、により構成されており、ナットを回転させることでボルト間の距離が縮まり、長さ調整部112の長さが調整可能となる。
【0044】
図4は、本実施形態に係る、使用時における間仕切り部材13および結節部材14についての説明図である。
間仕切り部材13は、結節部材14によって支持され、取り付け部材15を通じて、かけ渡し部材12に吊り下げられる。
なお、図4においては紙面と垂直な方向についての仕切り部材の記載は省略している。
【0045】
間仕切り部材13は、布状の間仕切り本体131と、間仕切り本体131の縁辺部に複数設けられた金属性あるいはプラスチック製のハトメ材132と、ハトメ材132を固定し、間仕切り本体131と別の部材を結びつける留め具133と、により構成される。
【0046】
間仕切り本体131は視界を遮ることのできる有色の布地によって構成されており、特に避難所に用いる際には、抗菌性の布地を用いることが好ましい。
【0047】
結節部材14は、交差部Pのかけ渡し部材12を篏合する結節部材本体141と、床面から突設して設けられ、結節部材本体141と結合する柱部材142と、床面と柱部との間に設けられる柱下部材143と、によって構成されている。
【0048】
図5は、本実施形態に係る結節部材本体141の説明図である。これにおいて、図5(a)は側面図であり、図5(b)は図5(a)に記載の結節部材本体141を1/4回転させた状態での側面図であり、図5(c)は上面図である。
なお、図5(b)における破線部は、後述する第一篏合部A1の存在を表している。
【0049】
結節部材本体141は、図5(a)、図5(b)に示すように、柱部材142上に離着可能に設けられ、索状体121の断面直径と略同一の幅を持つ十字状の溝部Aを有する。
【0050】
溝部Aは少なくとも3本の索状体121を同時に篏合するのに十分な深さを持ち、その深部には、索状体121の断面形状と略同一形状の貫通孔である、3つの篏合部が設けられている。
また、図5(a)及び図5(b)に示すように、溝部Aの上端には、丸め加工や面取り加工を施し、索状体121を嵌め込みやすくすることが好ましい。
【0051】
第一篏合部A1は溝部Aの終端に下接されるように設けられ、第二篏合部A2は第一篏合部A1に上接するように溝部Aの一部として設けられ、第三篏合部A3は第二篏合部A2に上接するように溝部Aの一部として設けられている。また、第一篏合部A1と第三篏合部A3は上面からみて略平行に設けられており、第一篏合部A1と第二篏合部A2は上面から見て略直角に交わるように構成されている。
このような構成にすることによって、交差したかけ渡し部材12の篏合を、第一篏合部A1と、第二篏合部A2と、によって、あるいは、第二篏合部A2と、第三篏合部A3と、においてできるようになり、かけ渡し部材12同士の交差部Pにおける摩擦と、それによるかけ渡し部材12の減耗を抑えることができるようになる。
【0052】
柱部材142は一般的な人間の身長よりも高い柱状の細長部材であり、内部が中空状となっている。これにより、軽量化が可能となり、収納時取り扱いが容易になる。
なお、柱部材142としては、軽量なアルミニウム合金を用いることが望ましいが、足場組立用のパイプや、バレーボール用の支柱などを用いることもできる。
【0053】
柱下部材143は、柱部材142と、床面X1との間に設けられる部材であって、柱部材142に篏合された状態で使用される。好ましくは、床面との摩擦が大きい硬質ゴムで形成することが望ましい。
また、柱下部材の一部にアジャスターボルト143aを設けることで、柱部材142の高さを調整可能に設けることができる。
【0054】
なお、柱部材の高さは、かけ渡し部材12の高さと略同一か、それよりも1~10cm程度高くなるように調整することが好ましい。これによって、かけ渡し部材12の垂れ下がりを抑制するとともに、かけ渡し部材12と、結節部材14と、の篏合をより強固に行うことができるようになる。
【0055】
図6は、本実施形態における、取り付け部材15の説明図であり、半径方向で切断した断面図を表している。なお、図6において、間仕切り部材13は記載していない。
【0056】
取り付け部材15は、仕切り部を取り付けられる取り付け部本体151と、かけ渡し部材12に係合して掛られる掛金部152と、細長状のレール部153を摺動できるように構成された摺動部材154と、掛金部152と、レール部153と、を連結する角材155と、取り付け部本体151と、摺動部材154と、を接続する摺動接続部156と、を有する。
【0057】
取り付け部本体151は、上向きに開いたフック状に形成されており、間仕切り部材13を取り付けることができる。また、摺動部材154の作用により、レール部153上を摺動可能に構成される。
なお、取り付け部材本体及び摺動部材154は、レール部153上に複数設けられる。
【0058】
掛金部152は、かけ渡し部材12に係合可能に設けられ、係合した際には、かけ渡し部材12に吊り下がるように設けられる。
【0059】
次に、本実施形態に係る間仕切り部本体の設置の方法について図1ないしは図6を用いて説明を行う。
【0060】
まず、使用者は、壁面Wに設置された結合部本体111と、かけ渡し部材12の環122と、に長さ調整部112を掛け合わせる。掛け合わせにあたっては、予め長さ調整部112の長さを長くしておくことが好ましい。
また、長さ調整部112を用いないかけ渡し部材12の他端は、結合部本体111と、環122と、をシャックルによって結合する。
【0061】
次に、長さ調整部112を操作し、かけ渡し部材12の長さを短くすることによって、索状体121を緊張状態とする。すると、床面X1と略平行にかけ渡し部材12が設置される。
【0062】
次に、かけ渡し部材12の交差部Pにおいて、結節部材14を設置する。すなわち、結節部材本体141が交差部Pに篏合するように柱部材142を立設させる。このとき、アジャスターボルト143aを調整し、結節部材14の軸方向に圧縮方向の力がかかるようにすることが好ましい。
【0063】
次に、立設された結節部材14の間に間仕切り部材13を設置する。まず、掛金部152をかけ渡し部材12に係合させ、取り付け部材15をかけ渡し部材12に取り付ける。そして、取り付け部本体151と、間仕切り本体131の上部に設けられたハトメ材132と、を直接、あるいは留め具133を介して係合させる。
【0064】
最後に、間仕切り部材13の側面のハトメ材132に留め具133を用いて固定し、間仕切り部材13の側方向を引張する。
なお、留め具133は、単なるひもや、結束バンドを用いるのがよい。
【0065】
以上のような構成で、結合部11と、かけ渡し部材12と、間仕切り部材13と、を設けることによって、部屋X全体を簡単に仕切ることができるようになる。
【0066】
なお、本実施形態では、ステージX2から出入口X4に至る線上や、部屋Xの壁沿いには、間仕切り部材13を設けず、通路として利用できるように構成されている。
【0067】
また、交差部Pを篏合させる結節部材14を設けることによって、交差部Pの移動を抑えることができる。
【0068】
また、結節部材14を、床面X1から突設させた柱部材142の上部に設けることによって、間仕切り部材13の境界を明確にすることができると同時に、かけ渡し部材12の垂れ下がりを抑止することができるようになる。
【0069】
また、間仕切り部材13が、摺動部材154に結合することによって、レール部153の範囲内での仕切り度合いを自在に調整することができるようになる。
【0070】
また、間仕切り部材13を抗菌性の布地で構成することによって、部屋Xにおける感染症のリスクを低減することができるようになる。
【0071】
ところで、間仕切り部材13と、仕切り方法の組み合わせによって、様々な利用をすることができる。
例えば、間仕切り部材13は、紅白幕や暗幕、スポーツ用のネットを用いることもできる。これによれば、本発明を催事やスポーツ大会の際にも利用することができる。
【0072】
《第二の実施形態》
以下、図7を用いて、第二の実施形態に係る間仕切り装置本体1について説明する。
なお、第二の実施形態において、第一の実施形態と基本的に同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
【0073】
図7は本実施形態における取り付け部材15の説明図であり、軸方向と垂直に切断した断面図を表している。
【0074】
取り付け部材15は、かけ渡し部材12に係合して吊り下がる掛金部152と、掛金部152と篏合して、その間に間仕切り本体131を挟持する上パイプ157と、間仕切り部材13の最下部において間仕切り本体131を巻き付ける下パイプ158と、下パイプ158と篏合して間仕切り本体131を挟持する下パイプ篏合部159と、間仕切り部材13に貫通してその位置を固定するピン160と、を有する。
【0075】
掛金部152は、下方向に開口し、かけ渡し部材12と係合する略半円形のかけ渡し係合部152Aと、側面方向に開口し、上パイプと篏合する略半円形の上パイプ篏合部152Bと、を組み合わせて形成された部品であり、上パイプ篏合部152Bには、ピン160を貫通させるための穴を一つ以上有する。
【0076】
上パイプ157は、間仕切り本体131を巻き付けた状態において、上パイプ篏合部152Bと篏合し、この状態でピン160を貫入させることによって、間仕切り本体131ともども掛金部152に固定される。
【0077】
下パイプ158は、間仕切り本体131を巻き付けた状態において、下パイプ篏合部159と篏合し、この状態でピン160を貫入させることによって、間仕切り本体131ともども下パイプ篏合部159に固定される。
【0078】
なお、ピン160は、ハトメ材132に貫通させることが好ましい。
【0079】
上パイプ157の外径は、柱部材142の内径より小さく、下パイプ158の外径は、上パイプ157の内径よりも小さい。このような構成にすることによって、収納する際、柱部材142の中に上パイプ157を入れ込み、上パイプ157の中に下パイプ158を入れ込むことができるため、嵩張らせずに収納することができる。
【0080】
以下、本実施形態における間仕切り部材13の設置の流れについて説明する。
【0081】
まず、使用者は、かけ渡し部材12をかけ渡し係合部152Aに係合する。これにより、掛金部152がかけ渡し部材12に吊り下がった状態となる。
【0082】
次に、上パイプ157に間仕切り部材13を適当な長さで巻き付け、そのまま上パイプ篏合部152Bに篏合させ、ピン160を用いて固定する。これにより、間仕切り部材13がかけ渡し部材12に垂れ下がる。
【0083】
次に、垂れ下がった間仕切り部材13を下端から下パイプ158に巻き付けることで、垂れ下がり具合を調整する。間仕切り部材13が適当な長さになったところで、下パイプ158を下パイプ篏合部159と篏合させ、ピン160で固定する。
【0084】
上記のような構成にすることによって、間仕切り部材13の仕切り度合いを鉛直方向において調整することができるようになる。
【符号の説明】
【0085】
X 部屋
X1 床面
X2 ステージ
X3 待機室
X31 扉
X4 出入口
1 間仕切り装置本体
11 結合部
111 結合部本体
112 長さ調整部
12 かけ渡し部材
121 索状体
122 環
13 間仕切り部材
131 間仕切り本体
132 ハトメ材
133 留め具
14 結節部材
141 結節部材本体
142 柱部材
143 柱下部材
143a アジャスターボルト
15 取り付け部材
151 取り付け部本体
152 掛金部
153 レール部
154 摺動部材
155 角材
156 摺動接続部
157 上パイプ
158 下パイプ
159 下パイプ篏合部
160 ピン
A 溝部
A1 第一篏合部
A2 第二篏合部
A3 第三篏合部
P 交差部
W 壁面
W1 第一壁面
W11 ステージ壁面
W12 待機室壁面
W2 第二壁面
W3 第三壁面
W4 第四壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7