(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051003
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】電池蓋
(51)【国際特許分類】
H01M 50/147 20210101AFI20220324BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20220324BHJP
【FI】
H01M2/04 A
H01M2/12 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020157240
(22)【出願日】2020-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】592204886
【氏名又は名称】冨士発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100127340
【弁理士】
【氏名又は名称】飛永 充啓
(72)【発明者】
【氏名】藤井 啓
(72)【発明者】
【氏名】小田垣 敏弘
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
【Fターム(参考)】
5H011AA13
5H011CC06
5H011DD01
5H011DD06
5H011KK01
5H012AA07
5H012BB02
5H012DD03
5H012DD05
5H012FF01
5H012GG01
5H012JJ10
(57)【要約】
【課題】所定圧力のときに開裂する弁と、前記弁に連なる周囲の板部とが一体に成形された金属板からなる電池蓋に弁保護用の部材を別付けすることなく、しかも弁の開裂を妨げないように弁を保護する。
【解決手段】弁1は、一方側へ突き出た受圧部3と、受圧部3及び周囲の板部2の夫々よりも薄く受圧部3と周囲の板部2とを繋ぐ薄肉部4とからなる。受圧部3は、薄肉部4を一方側から覆うように中空に延びる保護カバー5を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定圧力のときに開裂する弁と、前記弁に連なる周囲の板部とが一体に成形された金属板からなる電池蓋において、
前記弁は、一方側へ突き出た受圧部と、前記受圧部及び前記周囲の板部の夫々よりも薄く当該受圧部と当該周囲の板部とを繋ぐ薄肉部とからなり、
前記受圧部は、前記薄肉部を一方側から覆うように中空に延びる保護カバーを有することを特徴とする電池蓋。
【請求項2】
前記保護カバーは、前記薄肉部よりも一方側へ中実柱状部を突出させ、この中実柱状部の一部を他方側に凹ませることで塑性流動する肉部をさらに一方側へ高く筒状に突出させ、この筒状部分を薄肉部側へカール状に曲げることによって成形されている請求項1に記載の電池蓋。
【請求項3】
前記薄肉部は、厚さ方向に溝深さをもって前記受圧部と前記周囲の板部との間の部位を通るように刻印された破裂溝を有する請求項1又は2に記載の電池蓋。
【請求項4】
前記薄肉部は、前記保護カバーの先端部に沿って一方側へ突き出た突条を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の電池蓋。
【請求項5】
前記周囲の板部は、前記保護カバーの先端部に沿って一方側へ突き出た保護壁を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の電池蓋。
【請求項6】
前記金属板の板厚は、2.0mm以上、より好ましくは3.0mmよりも大きく、5.0mm以下である請求項1から5のいずれか1項に記載の電池蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電池ケースの封口に用いられる金属板製の電池蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等では、その発電要素を収容する電池ケースとして、有底筒状のケース本体の筒口部に電池蓋を取り付けた密閉形のものが採用されている。
【0003】
その電池蓋として、所定圧力のときに開裂する弁と、弁に連なる周囲の板部とが一体に成形された金属板からなるものが普及している。その弁は、周囲の板部よりも板厚を薄くした薄肉部を有し、電池内圧が所定圧力になると、その薄肉部から開裂し始めるようになっている。その弁は、電池内圧の異常上昇時に電池ケースの爆発を避けるための安全弁として機能する。この種の電池蓋は、一般に、順送金型を用いたプレス加工によって大量生産されている。製造時は、所定圧量で弁が開裂するように薄肉部の寸法が管理されている。
【0004】
前述のような電池蓋には電解液、水、油等の異物が付着する懸念ある。このような異物が弁の薄肉部に付着すると、腐食を起こし、開裂するときの圧力(開裂圧力)が所定圧力から変化してしまう。これを防止するため、フィルムやシールを金属板に接着して弁を覆ったり、弁に保護樹脂を塗布したりすることが行われている(特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6252877号公報
【特許文献2】特許第4100762号公報
【特許文献3】特許第5407683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、弁に異物が付着して開裂圧力が所定圧力から変化しないように弁を保護するため、特許文献1~3のようにフィルム等を別付けすると、部品調達と別付け工程の実施にコストを要する問題がある。また、フィルム等が弁のスムーズな開裂を妨げる場合も起こり得る。
【0007】
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、電池蓋に弁保護用の部材を別付けすることなく、しかも弁の開裂を妨げないように弁を保護することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を達成するため、この発明は、所定圧力のときに開裂する弁と、前記弁に連なる周囲の板部とが一体に成形された金属板からなる電池蓋において、前記弁は、一方側へ突き出た受圧部と、前記受圧部及び前記周囲の板部の夫々よりも薄く当該受圧部と当該周囲の板部とを繋ぐ薄肉部とからなり、前記受圧部は、前記薄肉部を一方側から覆うように中空に延びる保護カバーを有する構成を採用したものである。
【0009】
上記構成によれば、一方側へ突き出た受圧部を薄肉部よりも厚くして、異物が受圧部に付着しても開裂圧力に影響する懸念のない部位とすることができる。また、弁のプレス加工に際し、受圧部とする突出部分の厚みを利用して薄肉部側へ中空に延びる保護カバーを受圧部と一体に成形することができる。その中空に延びる保護カバーが薄肉部を一方側から覆うことにより、弁の開裂圧力を決める薄肉部への異物の付着を保護カバーで防止し、また、保護カバーが金属板の他の部分と接触して弁の開裂を妨げることのないように隙間を確保することができる。
【発明の効果】
【0010】
したがって、この発明に係る電池蓋は、上記構成の採用により、電池蓋に弁保護用の部材を別付けすることなく、しかも弁の開裂を妨げないように弁を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】この発明の第一実施形態に係る電池蓋を
図2のI-I線の切断面で示す拡大断面
【
図5】
図1の受圧部を成形するための半抜き加工の工程を示す断面図
【
図8】
図7に続いて保護カバーを成形するためのカール加工の工程を示す断面図
【
図9】
図8のカール加工で保護カバーを成形した様子を示す断面図
【
図10】この発明の第二実施形態に係る電池蓋の要部を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明に係る電池蓋の一例としての第一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
図1、2に示す電池蓋は、所定圧力のときに開裂する弁1と、弁1に連なる周囲の板部2とが一体に成形された金属板からなる。この電池蓋は、角形電池用のものを例示している。電池蓋の周縁は、有底筒状のケース本体の筒口部(図示省略)に接合される。
【0014】
その金属板は、一般に、アンコイラから引き出して順送金型でプレス加工可能な材料であり、代表的なものとしては、アルミニウム合金板等が挙げられる。
【0015】
弁1は、一方側へ突き出された受圧部3と、受圧部3よりも薄く受圧部3と周囲の板部2とを繋ぐ薄肉部4とからなる。ここで、「一方側」とは、厚さ方向に一方へ進む方向のことをいい、一方側と反対側に進む方向のことを「他方側」という。
図1において、厚さ方向は上下方向に相当し、一方側は上方側に相当し、他方側は下方側に相当する。
【0016】
周囲の板部2は、弁1を取り囲み、薄肉部4よりも厚く薄肉部4の周囲に連続する。周囲の板部2の厚さは、弁1に隣接する部位の厚さであり、素材とした金属板の板厚と実質的に同等に設定されている。
【0017】
受圧部3は、薄肉部4から一方側へ高く突き出ている。受圧部3の基柱部分は、薄肉部4よりも厚い中実円柱状になっている。薄肉部4は、受圧部3の基柱部分を取り囲む環状に延びている。
【0018】
受圧部3及び薄肉部4の他方側の板面は、周囲の板部2の他方側の板面から一方側へ深さをもった凹状の底面部を成し、かつ平坦面状に成形されている。ここで、平坦面状とは、厚さ方向に対して直角な方向に延びる表面形状のことをいう。
【0019】
受圧部3は、薄肉部4を一方側から覆うように中空に延びる保護カバー5を有する。保護カバー5は、受圧部3の基柱部分から一方側へさらに高く筒状に突出し、その筒先側で薄肉部4側に曲がったカール状になっている。
【0020】
図3、4に示すように、薄肉部4は、厚さ方向に溝深さをもって受圧部3と周囲の板部2との間の部位を通るように刻印された破裂溝6を有する。破裂溝6は、薄肉部4の一方側に刻印されている。破裂溝6は、受圧部3の外周の円周状と同心の円環状に延びている。破裂溝6の溝横断面形状は、V字状になっている。
【0021】
薄肉部4のうち、破裂溝6と受圧部3との間に連なる板面、並びに破裂溝6と周囲の板部2との間に連なる板面は、それぞれ平坦面状に成形されている。その破裂溝6と周囲の板部2との間に連なる板面と、当該板部2の一方側の板面とは、同一面状になっている。受圧部3は、周囲の板部2に対しても一方側に突出高さをもっている。
【0022】
保護カバー5の先端部7は、周囲の板部2と隙間をもって対向している。その対向隙間は、薄肉部4及び周囲の板部2に対して保護カバー5が形成する隙間の中で最小に設定されている。
【0023】
図1、2に示す電池蓋は、電池蓋の一方側を電池の外部側に向けてケース本体の筒口部(図示省略)に接合される。電解液、水、油等の異物(図示省略)が電池蓋の一方側(外部側)にかかっても、薄肉部4が保護カバー5で一方側から覆われているので、異物が薄肉部4に付着することは保護カバー5により防止される。
【0024】
また、電池(図示省略)の内圧が上昇すると、その弁1に対して他方側(電池の内部側)から一方側(外部側)に向かって圧力(電池内圧)が作用し、受圧部3及び薄肉部4は周囲の板部2に対して一方側へ押されて弁1が膨らむことになる。このとき、受圧部3及び周囲の板部2の夫々の厚さに比して薄肉部4の厚さが十分に薄いため、
図4中に一点鎖線で示すように、その電池内圧によって薄肉部4が一方側へ引っ張られることになる。この引っ張り応力は、弁1に作用する電池内圧の大きさに応じて変化する。弁1に作用する圧力が所定圧力になると、特に薄い破裂溝6の溝底において引っ張り応力に耐え切れずに破裂し、ここを起点として弁1が開裂させられる。そして、破裂溝6の溝底に沿って破裂が急速に進むに連れて弁1の開放面積が急速に拡大することになる。このとき、保護カバー5は、薄肉部4や周囲の板部2に対して一方側で中空に位置する受圧部3の一部であるから、受圧部3の他の部分や薄肉部4の受圧部3側の破裂片部分と共に電池蓋から容易に離脱することが可能であり、弁1の開裂を妨げる懸念がない。
【0025】
保護カバー5の先端部7と周囲の板部2との間の隙間は、唯一の異物侵入経路となるので、なるべく狭くするとよい。その隙間の寸法は、プレス加工での実現性、異物侵入防止性、弁1の開裂圧力の保証性を考慮すると、0.5mm以上、2.0mm以下であることが好ましい。
【0026】
上述の弁1を順送金型でプレス加工する方法を
図5~
図9に例示する。なお、これら図中における上側は、上述の電池蓋の一方側に相当する。
【0027】
先ず、
図5に示すように、帯状の金属板のワーク部Wを下型のパンチP1と上型のダイD1、D2との間に送り、パンチP1とダイD1、D2でワーク部Wに上側で凸、下側で凹となるように成形加工を行い、中実柱状部11を突出させると共に中実柱状部11の周囲を薄くする。
【0028】
そのワーク部Wを
図6に示す下型のダイD3と上型のパンチP2、ダイD4との間に送り、中実柱状部11の一部を下側に凹ませることで塑性流動する肉部をさらに上側へ高く筒状に突出させる。これにより、中実円柱状の基柱部分12と、基柱部分12と同心にさらに上側へ高く突出させた筒状部分13とが成形される。
【0029】
そのワーク部Wを
図7に示す下型のダイD5と上型のパンチP3との間に送り、基柱部分12の周囲の薄肉部分に対し、上型の刻印パンチP3で破裂溝6を刻印する。これにより、薄肉部4の成形が完了する。
【0030】
そのワーク部Wを
図8に示す下型のダイD6と上型のパンチP4との間に送り、筒状部分13に対してカール加工を行う。筒状部分13を筒先からパンチP4の面に滑らせて薄肉部4側へカール状に曲げることにより、
図9に示すように、保護カバー5を含む受圧部3の成形が完了する。
【0031】
その後の工程では、ワーク部Wにトリミングを施し、
図1に示す電池蓋の周縁を成形する。
【0032】
金属板の板厚(周囲の板部2の厚さ相当)は、2.0mm以上、より好ましくは3.0mmよりも大きく、5.0mm以下であることが好ましい。金属板の板厚が2.0mm以上であれば、保護カバー5を含む受圧部3を成形するための肉部の体積を確保することが可能であり、5.0mm以下であれば、順送金型によるプレス加工に対応することができる。
【0033】
上述のように、
図1~4に示す電池蓋は、弁1と周囲の板部2とが一体に成形された金属板からなるものであって、その弁1は、一方側へ突き出た受圧部3と、受圧部3及び周囲の板部2の夫々よりも薄く受圧部3と周囲の板部2とを繋ぐ薄肉部4とからなり、その受圧部3は、薄肉部4を一方側から覆うように中空に延びる保護カバー5を有することにより、一方側へ突き出た受圧部3を薄肉部4よりも厚くして、異物が受圧部3に付着しても開裂圧力に影響する懸念のない部位とし、また、弁1のプレス加工に際し(
図5~9を適宜参照のこと。)、受圧部3とする突出部分(中実柱状部11)の厚みを利用して薄肉部4側へ中空に延びる保護カバー5を受圧部3と一体に成形することができる。その中空に延びる保護カバー5が薄肉部4を一方側から覆うことにより、弁1の開裂圧力を決める薄肉部4への異物の付着を保護カバー5で防止し、また、保護カバー5が金属板の他の部分と接触して弁1の開裂を妨げることのないように隙間を確保することができる。このように弁1の受圧部3の一部として成形された保護カバー5で薄肉部4を保護することにより、別付けの保護部材で弁1を異物の付着から保護する必要がなくなる。したがって、
図1~4に示す電池蓋は、電池蓋に弁1を保護するための部材を別付けすることなく、しかも弁1の開裂を妨げないように弁1を保護することができる。
【0034】
また、その保護カバー5は、薄肉部4よりも一方側へ中実柱状部11を突出させ、この中実柱状部11の一部を他方側に凹ませることで塑性流動する肉部をさらに一方側へ高く筒状に突出させ、この筒状部分13を薄肉部4側へカール状に曲げることによって成形されているので、異物付着時の腐食の影響を無視できる厚さの基柱部分12を受圧部3に残しつつ、保護カバー5で薄肉部4を保護することができる。
【0035】
また、その薄肉部4は、厚さ方向に溝深さをもって受圧部3と周囲の板部2との間の部位を通るように刻印された破裂溝6を有するので、破裂溝6が保護カバー5の先端部7に対して受圧部3側に位置することになり、特に薄い破裂溝6を保護カバー5で保護することができる。
【0036】
また、金属板の板厚は、2.0mm以上、より好ましくは3.0mmよりも大きく、5.0mm以下であるので、順送金型によるプレス加工で弁1の全体を成形することができる。
【0037】
第一実施形態の場合、
図4に示す保護カバー5の先端部7と周囲の板部2間の対向隙間を狭くすることが重要であるが、
図9に示すように保護カバー5をカール加工する工程において、パンチP4をワーク部Wに突き当てると薄肉部4にき裂が入る懸念があるため、保護カバー5をカール状に成形すること、すなわち
図4の保護カバー5の先端部7と周囲の板部2間の対向隙間を狭くすることに限界がある。このため、薄肉部4の保護性能をより高めたい場合は、異物侵入を防止するための部位を金属板に追加すればよい。その一例としての第二実施形態を
図10に示す。なお、以下では、第一実施形態との相違点を述べるに留める。
【0038】
第二実施形態に係る薄肉部4は、保護カバー5の先端部7に沿って一方側へ突き出た突条8を有する。突条8は、破裂溝6を取り囲み、その全周に亘って一定の高さで連続している。
【0039】
周囲の板部2は、保護カバー5の先端部7に沿って一方側へ突き出た保護壁9を有する。保護壁9は、保護カバー5の先端部7を取り囲み、その全周に亘って一定の高さで連続している。
【0040】
保護カバー5と突条8間の隙間、保護カバー5と保護壁9間の隙間は、それぞれプレス加工が可能な範囲でなるべく狭くするとよい。これら各隙間の寸法は、プレス加工での実現性、異物侵入防止性、弁1の開裂圧力の保証性を考慮すると、1.0mm以上、3.0mm以下であることが好ましい。
【0041】
突条8及び保護壁9は、それぞれ
図5に示す上側のダイD2に突条8、保護壁9を成形するための凹面を追加することにより、プレス加工することができる。この場合、
図9に示すカール加工において、パンチP4が突条8、保護壁9を打たないようにパンチP4の形状やストロークを適宜に変更すればよい。
【0042】
第二実施形態に係る電池蓋は、保護カバー5の先端部7に沿って一方側へ突き出た突条8と、保護カバー5とによってラビリンスが形成されているので、先端部7と周囲の板部2間の対向隙間から異物が侵入したとしても、突条8で異物の侵入を防止することができる。
【0043】
また、第二実施形態に係る電池蓋は、保護カバー5の先端部7に沿って一方側へ突き出た保護壁9と、保護カバー5とによってラビリンスが形成されているので、先端部7と周囲の板部2間の対向隙間への異物侵入を保護壁9で防止することができる。
【0044】
なお、第二実施形態のように突条8と保護壁9の両方を採用することは必須でなく、一方だけでも第一実施形態よりも薄肉部4を保護することができる。
【0045】
また、上述の実施形態では、弁1(受圧部3及び薄肉部4)を円形にしたが、長楕円形や角形の弁にする場合でも保護カバーを成形することは可能である。
【0046】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0047】
1 弁
2 周囲の板部
3 受圧部
4 薄肉部
5 保護カバー
6 破裂溝
7 先端部
8 突条
9 保護壁